Z 0107:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
Z 0107:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本梱包工業組合
連合会(Jpa)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 0107:1974は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0107:2014
木箱用語
Glossary of terms used in wooden box for packing
序文
この規格は,1974年に制定され,その後1回の改正を経て今日に至っている。制定後,合板箱の追加な
ど木箱の材料の変化は著しく,また,輸送方法の多様化によって木箱の形態も変化してきており,現状の
木箱に合うようにするため改正を行った。
1
適用範囲
この規格は,木箱,枠組箱及び関連するこん(梱)包形態に用いる主な用語について規定する。
2
分類
用語の分類は,次による。
a) 一般
b) 材料及びその関係
c) 設計
d) 組立及び構造
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,参考として対応英語を示す。
注記 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧書きで読みを示す。
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
101
木箱
木箱の包装用箱形容器全般の総称。普通木箱及び腰下付木箱をい
う(JIS Z 1402参照)。
wooden box
102
普通木箱
200 kg以下の物品の包装に用いる木箱(JIS Z 1402参照)。
注記 図1参照
normal wooden box
103
腰下
(こしした)
腰下付木箱,枠組箱などの底部の総称。平行な滑材2本以上をヘ
ッダ及び床材によって組み立てたもの。
注記 図3参照
skid base
104
腰下付木箱
1 500 kg以下の物品の包装に用いる腰下構造を付けた木箱(JIS Z
1402参照)。
注記 図2参照
skidded wooden box
2
Z 0107:2014
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
105
腰下盤
滑材とそれを結ぶ材とによって組み立てたもの。この上に物品を
固定し荷役,輸送の便を図るために用いる。
skid assemblies
106
桟付き合板箱
合板を用い,桟で補強し組み立てた箱(JIS Z 1406参照)。
cleated plywood box
107
すかし箱
外面を透かしてある箱。
crate,
open crate
108
枠組箱
枠組部材を用いて組み立てた箱。一般に内容品質量0.5 t以上,60 t
以下の包装に用いる(JIS Z 1403参照)。
注記 図3参照
wooden framed box,
framed box,
sheathed crate
図1−普通木箱の名称[I・A−5形(胴桟付き)の構造]
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図2−腰下付木箱の名称[II・A形(腰下付木箱)]
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図3−枠組箱の名称[1A(密閉板張り・釘付け)の構造]
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b) 材料及びその関係
番号
用語
定義
対応英語(参考)
201
合くぎ
板の接合に用いる,両端をとがらせたくぎ。
dowel
202
アイボルト
丸棒の一端をリング状にしたボルト。箱の適切部に取り付けて内
容品をつり上げたり,引っ張ったり,また,貨物のロープ及びフ
ックを掛けやすくするために用いる。
eye bolt
203
当て材
パレット包装などで,荷崩れ防止又は損傷防止のため,包装の角
などに用いる材料。
protector
204
生節
(いきぶし)
節の繊維と周囲の材の繊維とが連続している節。
live knot
205
板
製材の断面の厚さに対する幅の比が1に対して4以上のもの。
board
206
板目
板の広い面で年輪(木理)が山形又は曲線になるもの。
cross grain
207
LVL
単板の繊維方向を全て平行にして積層,接着したもの。
laminated veneer
lumber
208
押さえ材
製品を腰下に固定する場合,垂直方向の移動を防止するために用
いる材料(JIS Z 1403参照)。
bracing,
covering block
209
帯鋼
(おびこう)
木箱,内容品の補強又は固定などに用いる帯状の鋼。
注記 図1参照
steel strapping
210
かい木
(かいぎ)
製品を高さ方向に固定するために左右から支える木材(JIS Z
1403参照)。
blocking,
support,
spacers
211
角材
製材の断面が正方形又は正方形に近い材。
square timber
212
滑材保護金具
滑材を保護するための,ワイヤ受け金具。
sling protector
213
かすがい
二つの材木などをつなぎとめるために打ち込むコの字形の接合
材。
clamp
214
かど金
木箱を補強するために使用するL形の金具。
edge protector,
closure plate
215
含水率
木材の全乾質量に対する含有水分の質量を百分率で表したもの。 moisture content
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
216
木節
枝が幹に巻き込まれてできたもの。
knot
217
木節群
木材の繊維方向に対し,板幅の2倍以上連なって群をなしている
もの。
knot cluster
218
ケミカルエッ
チドネイル
保持力を増すために化学処理をしたくぎ。
chemically etched nail
219
合板
単板を2枚以上接着剤で貼り合わせた木材製品。
plywood
220
木口
(こぐち)
木材の繊維方向に対して直角に切った断面。
end of lumber
221
木端
(こば)
木材の繊維方向の板厚面。
edge of lumber
222
仕組材
組み立てれば,箱となる制作寸法にそろえた一組の木箱構成部
材。
prepared set of timbers
for box
223
死節
(しにぶし)
節の繊維と周辺の繊維とがつながっていない節。
death knot
224
シール金具
帯鋼を機械絞めするときに,封かん(緘)に用いる金具。
seal metal
225
ステープル
帯鋼又は鉄線を止めるときに用いる,U字形のくぎ。
staple
226
すみ金
木箱を補強するため,角に用いる3角すい(錐)形の金具。
corner protector
227
セメントコー
テッドネイ
ル
くぎの保持力を増すため表面に塗被加工を施したくぎ。
cement coated nail
228
単板
(たんばん)
ロータリレース,スライサ又はベニヤソーを用いて製造された木
材の薄板で,合板に使用するもの。
veneer
229
通気孔カバー
雨水が木箱の内部に入らないように通気口に取り付けた覆い。
ventilation cover
230
つっぱり
製品が輸送又は荷役中に生じる回転モーメントによって,転倒し
ないようにするために施す押さえ材。一般的には,腰下に力が分
散するように水平面に対し角度を付けて取り付ける(JIS Z 1403
参照)。
bracing,
shores
231
つり上げ金具
荷役を容易にするために,木箱に取り付けた,つり上げ用の金具。 sling fitting
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
232
定尺
(ていじゃく)
木材流通の習慣,使用実績などを考慮し集約化した市販標準寸
法。厚さ,幅及び長さによって表示する。
standard measure,
standard gauge
233
波くぎ
板の接合に用いる波形を付けた長方形鋼片で,片側の先端をとが
らせたもの。
corrugated fastener
234
抜け節
死節が抜けた状態。
through knot
235
根止め
製品を腰下又は箱の底部に固定する場合,水平方向の移動を防止
するために用いる材料(JIS Z 1403参照)。
blocking,
chock block,
anchor block
236
羽子板ボルト
羽子板状の固定ボルト。組立式の枠組箱などの接合ボルトとして
用いられる。
battledore bolt,
strap bolt
237
ひき(挽)材
製材機によって,原木から一定寸法に裁断された木材。木箱材料
として単板,合板又は他の木材製品と区別する必要がある場合に
用いる。
timber,
lumber
238
平割材
(ひらわりざ
い)
製材の断面が長方形で,通常厚さに対する幅の比が1に対して4
未満のもの。
rectangular timber
239
平衡含水率
木材の細胞膜中の水分がそのときの湿度の下で平衡し一定にな
った含水率。
equilibrium moisture
content
240
ボルト
丸鋼で作って頭部は4角又は6角形で先端をねじ切りしてあるも
の。
bolt
241
まくら木
製品を腰下又はパレットの負荷床材にボルトで固定する場合,必
要なボルトの長さを確保するために,床材と直角方向に取り付け
た補強の木材(JIS Z 1403参照)。
sleeper
242
まさ目
板の広い面で年輪(木理)が平行に近い直線になるもの。
straight grain
243
丸み
製材品で,りょう線上に幹の外周部を含んでいるもの。
roundness
244
木理
(もくり)
木材組織の性状によって,木材の表面に現れた年輪。一般に木目
という。
grain
245
木理の傾斜
製材品のこば(木端)面に現れた木理の傾斜。
slope of grain
246
ラグスクリュ
ー
頭部は4角又は6角形で,先端がとがり,ねじ切りしてあるもの。
普通スクリューボルト又はコーチスクリューともいう。
lag screw,
coach screw
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c) 設計
番号
用語
定義
対応英語(参考)
301
天井荷重
木箱の天井面にかかる荷重。主として天井のはりが支えるものを
いう。
top load
302
積上げ荷重
木箱の天井の上に積み上げられる荷重。主として側及びつまで支
えるものをいう。
superimposed load
303
隙間
内容品又は包装した表面と木箱の内壁との間隔。
clearance
304
内のり寸法
木箱の内面の寸法。長さ,幅,高さの順序で表す。
inner dimension,
internal dimension
305
外のり寸法
木箱の外側の寸法。長さ,幅,高さの順序で表す。
outer dimension,
external dimension
306
呼び寸法
慣習,使用実績などを考慮し,集約化した木箱用木材の標準寸法
(JIS Z 1402及びJIS Z 1403参照)。
nominal dimension
307
すかし比率
すかし箱において,総幅とすかし幅との比率を百分率で表した
値。
space ratio
308
密閉比率
すかし箱において,総幅と密閉幅との比率を百分率で表した値。 sheathing ratio
d) 組立及び構造
番号
用語
定義
対応英語(参考)
401
一重張り天井
天井が一層の板で張ってある形式。
single layer sheathed
top
402
内桟
普通木箱の内側に取り付けられる桟。
interior cleat
403
上かまち
(うわかまち)
枠組箱の側,つまの内面上部の水平方向の枠組部材。
注記 図3参照
upper frame member
404
滑材
(かつざい)
腰下,腰下盤の底部に用いられる主要部材。
注記 図2及び図3参照
skid
405
側
(がわ)
木箱の長さと高さとで囲まれた二つの対向する面。
注記 図1,図2及び図3参照
side
406
側桟
腰下付木箱の側の外面に,縦方向にくぎ付けする桟。
注記 図2参照
side batten
407
切込み額桟
普通木箱のつま面を補強した,つま桟の形式の一種。
注記 図4参照
notched full cleat
408
クリンチ
2枚の薄板をくぎで接合するとき,くぎの長さを板厚合計より数
ミリメートル長くして突き出させ,突出し部を90°以上折り曲げ
て,くぎの引抜き強さを増大させること。
clinch
409
けた
枠組箱でB形の組立天井に用いる部材で,はりを接合する部材。
注記 図3参照
joist stringer
410
剣桟
木箱の側及びつまに斜めに補強した桟。
注記 図1参照
diagonal cleat
411
さねはぎ
板の接合方法の一種で木端面を凹凸に加工した構造。
tongue and groove
joint
412
下かまち
枠組箱の側,つまの内面下部の水平方向の枠組部材。
注記 図3参照
lower frame member
413
支柱
枠組箱の側,つまの内面に用いる縦方向の枠組部材。
注記 図3参照
strut
414
水平部材
枠組箱の側,つまの上下かまち間に並行して取り付ける,枠組部
材。
horizontal bracing
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
415
水平補強材
腰下付木箱のつまに用いる水平方向の補強材。
horizontal
reinforcement
member
416
すじかい
枠組箱の側,つまの内面に斜めに用いる枠組部材。
注記 図3参照
diagonal
417
すり材
滑材下部に取り付ける部材。
注記 図2及び図3参照
rubbing strip
418
相互はぎ
板の接合方法の一種で,木端面を1/2ずつ切り欠き,接合する構
造。一般に相じゃくり,又は相はぎともいう。
ship-lap joint,
rabbet joint
419
そえ柱
側支柱又は側桟の補強として内側に取り付け,上部荷重を支える
部材。
注記 図3参照
auxiliary strut
420
台木
滑材の下部に直角に取り付け,フォークリフト荷役を容易にする
部材。
wooden base block
421
中間滑材
腰下付木箱,枠組箱の滑材で,規定間隔以上のときに用いる部材。
注記 図3参照
intermediate skid
422
つき合せはぎ
板の接合方法の一種で木端面を突き合わせて接合する構造。
butt joint
423
つま
木箱の幅と高さとで囲まれた二つの対向する面。
注記 図1,図2及び図3参照
end
424
天井上板
(てんじょうう
わいた)
枠組箱の天井を二重張りする場合の上板。
注記 図3参照
upper layer top
sheathing
425
天井下板
枠組箱の天井を二重張りする場合の下板。
注記 図3参照
lower layer top
sheathing
426
胴桟
普通木箱の側,底,蓋に回して補強する胴回りの桟。
注記 図1参照
girthwise batten
427
留め額桟
普通木箱のつまの桟を額ぶち状にして,その桟の木口を45°に結
合したもの。
注記 図4参照
mitred full cleat
428
二重張り天井
枠組箱の天井で上板,下板からなり,その間に防水材料を入れた
構造。
注記 図3参照
double layer sheathed
top
429
ばちはぎ
板の寄せ加工の一種で,板材を有効に利用するために斜めに接合
する方法。
tapered piece joint
430
はり
天井を支える主要な部材。
注記 図3参照
top joist
431
はり受け
はりを支えるため,側上かまちにそって取り付ける部材。
注記 図3参照
joist support
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
432
負荷床材
内容品の荷重を支える床材。
注記 図3参照
load bearing floor
member (board)
433
振れ止め
はりとはりとの間を直角につないで,はり材のゆがみ,振れなど
を止める補強部材。
注記 図3参照
bridging
434
べた額桟
普通木箱のつま面に縦桟,横桟を額状につき合わせた補強桟。
注記 図4参照
butt-joint full cleat
435
ヘッダ
腰下の滑材の両端をつなぐ部材。
注記 図3参照
header
436
無負荷床材
内容品の荷重を支えない床材。
注記 図3参照
non-load bearing floor
member (board)
437
やといさねは
ぎ
木端面に溝加工を施して突き合わせ,その間にやとい材を差し込
み,接合する構造のもの。板の接合方法の一種。
key joint
図4−普通木箱の名称(形別のつま面形)
参考文献 JIS Z 0108 包装−用語
JIS Z 1402 木箱の構造
JIS Z 1403 枠組箱の構造
JIS Z 1406 さん付き合板箱