Z 0104:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 1
Z 0104:2013
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,全国段ボール工業
組合連合会(JCCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
これによって,JIS Z 0104:1990は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 0104:2013
段ボール用語
Glossary of terms used in corrugated fibreboard industry
序文
この規格は,1969年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1990年に
行われたが,その後の関連するJISの改正及び廃止に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,段ボール工業において用いる主な用語及びその定義について規定する。
2
分類
用語の分類は,次による。
a) 段ボール及び段ボール箱の種類
b) 材料及び補助材料
c) 形式,寸法及び設計
d) 機械及び装置
e) 性能及び試験方法
f)
製造方法及びその管理
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,参考として対応英語を示す。また,一つの用語欄に二つ以上の用語を併記してある場合は,記載
の順位に従って優先的に用いる。
注記1 用語の読み方が紛らわしいものについては,用語の次に括弧書きで読み方を示す。
注記2 平仮名では分かりにくい場合には,平仮名の後に括弧をつけて表外漢字を示す。
a) 段ボール及び段ボール箱の種類
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
段ボール
波形に成形された中芯の片面又は両面にライナを貼り
合わせたもの。種類によって片面段ボール,両面段ボ
ール,複両面段ボール,複々両面段ボールがあり,ま
た,用途によって外装用段ボール,内装用段ボールに
分類する(JIS Z 1516参照)。
corrugated fibreboard,
corrugated board
1002
A段,
Aフルート
段ボールの波形部分を構成する段種の一つで,段の数
が30 cm当たり34±2段あるもの。AFとも表記する
(JIS Z 1516参照)。
A flute
2
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1003
B段,
Bフルート
段ボールの波形部分を構成する段種の一つで,段の数
が30 cm当たり50±2段あるもの。BFとも表記する
(JIS Z 1516参照)。
B flute
1004
C段,
Cフルート
段ボールの波形部分を構成する段種の一つで,段の数
が30 cm当たり40±2段あるもの。CFとも表記する
(JIS Z 1516参照)。
C flute
1005
E段,
Eフルート
段ボールの波形部分を構成する段種の一つで,段の数
が30 cm当たり93±5段あるもの。EFとも表記する。
E flute
1006
片面段ボール
1枚のライナに,波形に成形された中芯を貼り合わせ
た段ボール。
single face
1007
両面段ボール
片面段ボールの段頂にライナを貼り合わせた段ボール
(JIS Z 1506参照)。
single wall
1008
複両面段ボール
両面段ボールの片側に片面段ボールの段頂を貼り合わ
せた段ボール(JIS Z 1506参照)。
double wall
1009
複々両面段ボール
複両面段ボールの片側に片面段ボールの段頂を貼り合
わせた段ボール。
triple wall
1010
マイクロフルート
段ボールの波形部分を構成する段種のうち,段高が
1 mmに満たない極めて薄い段の総称。
microflute
1011
段ボール箱
段ボールで作った箱。外装用段ボール箱,内装用段ボ
ール箱の種類がある(JIS Z 1506参照)。
corrugated fibreboard box,
corrugated box
1012
外装用段ボール箱
使用上の区分で,主に輸送用に用いる段ボール箱(JIS
Z 1506参照)。
corrugated fibreboard
shipping container
1013
内装用段ボール箱
個装をまとめ,それを保護するために用いる段ボール
箱。
interior corrugated
fibreboard box
1014
防水段ボール
水による強度の劣化に抵抗性をもつ段ボールの総称。
はっ水段ボール,耐水段ボールの種類がある。また,
防水加工法によって,カーテンコート方式,ロールコ
ート方式がある。
water proof corrugated
fibreboard
1015
はっ水段ボール
短時間水がかかっても水をはじいて水滴とし,水の浸
透を防ぐように表面加工した段ボール。
water repellant corrugated
fibreboard
1016
耐水段ボール
長時間浸水しても,強度が劣化しにくくなるように加
工した段ボール。
water resistant corrugated
fibreboard
1017
防水段ボール箱
水による強度の劣化に抵抗性をもつ段ボール箱の総
称。次の種類がある。
a) はっ水段ボール箱
b) 耐水段ボール箱
water proof corrugated
fibreboard box
1018
はっ水段ボール箱
はっ水加工を施した段ボール箱又ははっ水段ボールを
用いて作った段ボール箱。
water repellant corrugated
fibreboard box
1019
耐水段ボール箱
長時間浸水しても,強度が劣化しにくくなるように加
工した段ボール箱又は耐水段ボールで作った段ボール
箱。
water resistant corrugated
fibreboard box
3
Z 0104:2013
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b) 材料及び補助材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
段ボール原紙
段ボールを製造するために用いる巻取り状の板紙の総
称。ライナ,中芯の種類がある。単に原紙ともいう(JIS
P 3902及びJIS P 3904参照)。
containerboard
2002
ライナ
段ボールの表裏及び複両面,複々両面段ボールの波形
に成形されない箇所に用いる原紙。用途によって外装
用ライナ及び内装用ライナがある(JIS P 3902参照)。
linerboard
2003
中芯
主に段ボールの波形を成形する目的に用いる段ボール
原紙。中芯原紙ともいう(JIS P 3904参照)。
corrugating medium
2004
はっ水ライナ
表面をはっ水剤で加工したライナ。
water repellant linerboard
2005
貼合(てんごう)用接
着剤
段ボールの製造に用いられる接着剤。でん粉を用いた
ものが多く使われる。
adhesive for corrugated
fibreboard
2006
耐水接着剤
耐水段ボール及び耐水段ボール箱の製造に用いる耐水
性をもった接着剤。
water resistant glue
2007
カットテープ
段ボール箱を任意の部分で引き裂くために用いるテー
プ。プラスチック製,綿製などがある。ティアテープ
ともいう。
tear tape
2008
段ボール用印刷インキ 段ボール印刷に用いるインキ。次の種類がある。
a) 油性インキ
b) 速乾性インキ
c) フレキソインキ
printing ink for corrugated
fibreboard
2009
油性インキ
アマニ油で合成樹脂を溶解し,顔料,添加物などを加
えて練り合わせたインキ。他のインキに比べて乾燥時
間が長い。
oil based ink
2010
速乾性インキ
エチレングリコールに合成樹脂を溶解し,顔料,添加
物などを混合したインキ。
quick drying ink
2011
フレキソインキ
水又はアルコールにアルカリ可溶樹脂を溶解し,顔料,
添加物などを加えて練り合わせ,主に吸収と蒸発とに
よって乾燥するインキ。
flexo graphic ink
2012
印版
段ボールの印刷に用いる版。手彫版,鋳造版,感光樹
脂版の種類がある。
printing die
2013
接合用接着剤
段ボール箱のジョイント部の接合及び封かんに用いる
主として合成樹脂系の接着剤。グルーともいう。
adhesive for manufacturerʼs
joint,
glue
2014
ステッチ
段ボール箱の接合部及び封かんに用いる,主として亜
鉛又は銅めっきを施してさび止めをした平鋼線。
stitch,
wire
2015
抜型
段ボールの打抜きに用いる型。平板又はわん曲状の合
板に,鋼製の切刃及びけい線刃を組み込んだもの。
cutting die
c) 形式,寸法及び設計
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
段
波形に成形した中芯の形状。フルートともいう。
flute
3002
段頂
波形に成形された段の先端部。
flute tip
3003
坪量
単位面積当たりの段ボール原紙又は段ボールの質量。1
平方メートル当たりのグラム数で表す。
basis weight,
grammage
3004
紙幅
段ボール原紙の幅。
width of paper
3005
流れ方向
コルゲータでの原紙が進行する方向。段ボールでは段
に直角の方向となる。
machine direction
3006
幅方向
段ボールの段に平行な方向。段方向ともいう。
cross direction
4
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3007
けい線
段ボールを折り曲げるために,線状に段を潰した状態。
段に直角に入れたけい線をスコア,段に平行に入れた
けい線をクリーズという。
score,
crease
3008
クリーズ
段ボールを折り曲げるために,段に対して平行な方向
に入れたけい線。
crease
3009
スコア
段ボールを折り曲げるために,段に対して直角方向に
入れたけい線。
score,
score line
3010
内のり寸法
箱の内側の寸法。
inside dimension
3011
外のり寸法
箱の外側の寸法。
outside dimension
3012
加算値
段ボール箱を設計する際に,内のり寸法に加算する数
値(JIS Z 1506参照)。
additional value
3013
展開寸法
段ボール箱の製造時の加工寸法で,内のり寸法に一定
の加算値を加えた寸法。設計寸法ともいう(JIS Z 1506
参照)。
working dimension
3014
単m2
(たんへいべい)
1個の段ボール箱を製造するために使用される段ボー
ルの面積。
square meter
3015
スロット
段ボール箱の各フラップ間の溝切りされた部分。
slot
3016
長さ面
箱の長さと深さとに囲まれた面。側面(がわめん)と
もいう(JIS Z 1506及びJIS Z 0201参照)。
side panel
3017
幅面
箱の幅と深さとに囲まれた面。単に幅,又はつま面と
もいう(JIS Z 1506及びJIS Z 0201参照)。
end panel
3018
角
(かど)
段ボール箱を組み立てた状態における三つのりょう
(稜)の交点。
corner
3019
りょう(稜)
段ボール箱を組み立てた状態で,二つの面が交わる線。 edge
3020
継ぎ代
箱の接合部分。ジョイントともいう(JIS Z 1506参照)。 joint
3021
手掛け穴
段ボール箱の持ち運びを容易にするために開けた穴。 hand hole
3022
フラップ
段ボール箱の蓋又は底となる折り曲げ面。外フラップ
と内フラップとがある。またフラップの長さによって
突き合せ,重ね合せなどがある。
flap
3023
オーバーラップ
天面又は底面のフラップが互いに重なりあった状態。 overlap
3024
封かん(緘)
物品若しくは包装物品を容器に収め,又は包んだ状態
の開口部分を封じて内容品を保護する行為。ステッチ
を用いる方法,テープを用いる方法及び接着剤を用い
る方法がある。
sealing,
seal
3025
段ボール箱の形式
段ボール箱の展開図及び立体図による形式分類。4桁
のコード番号で示し,上位2桁は基本形式を,下位2
桁は個別形式を示す(JIS Z 1507参照)。
type of corrugated fibreboard
boxes
3026
ボックスブランク
段ボール箱を接合する前までの加工が終わった平板状
の段ボール。単にブランクともいう。けい線に沿って
折り曲げ,組み立てると箱になる。
box blank
3027
抜箱
抜型で打ち抜いて作った箱。ラップアラウンドケース,
ブリスボックス,ボトムロックケースなどがこれに含
まれる。
die cut box
3028
トレイ
段ボール製で,蓋のない比較的深さの浅い容器。
tray
3029
スリーブ
両端面を開放した状態で筒状の形をしたもの。
sleeve
3030
ボトムロックケース
段ボールの底の部分を組み立てたときに,封かん材を
使わないでロックする形式の箱。
ready glued cases
5
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3031
セットアップケース
継ぎ代部を接合した溝切り形(コード番号:02)の段
ボール箱の一種。筒状に引き起こして側方から集積さ
れた内容品を挿入し,両端面を接着剤又はテープで封
かんする(JIS Z 1507参照)。
set up case
3032
ブリスボックス
両面及び底面に相当する1枚のボックスブランクと幅
面に相当する2枚のボックスブランクとを専用機を使
って接合する形式の箱(JIS Z 1507参照)。
rigid type boxes
3033
ラップアラウンドケー
ス
抜型によって段ボールにけい線,溝切りを施したボッ
クスブランク。内容物を中に置いて折り曲げると箱の
形になる。フラップと接合部の封かんは専用機を使っ
て行う。
wrap around case
3034
附属類
段ボール箱の内部で商品を安定させるために使用する
仕切り,埋め板,胴枠などの補助材の総称(JIS Z 1507
参照)。
interior fitments
3035
仕切り
箱の内部を幾つかに区分するための部材。パーティシ
ョンともいう(JIS Z 1507参照)。
partition
3036
埋め板
箱の内部の段差を埋めるために用いる部材(JIS Z 1507
参照)。
pad
3037
胴枠
箱の内側に用いる筒状の補強枠。中枠(なかわく)と
もいう(JIS Z 1507参照)。
tube,
inside liner
3038
パッド
箱内部の商品の列若しくは層を保護又は分割するため
に用いる,主として平板状の部材(JIS Z 1507参照)。
pad
3039
バッグインボックス
外側は段ボール箱で,その内側に抽出口をもつプラス
チック製の袋又は成形容器を装着した二重容器。
bag in box
3040
安全率
段ボール箱は,使用される環境などによって圧縮強さ
が低下するため,これらの低下をあらかじめ考慮して
設計する数値。
safety factor
3041
ケリカットの式
段ボール原紙の圧縮強さなどから段ボール箱の圧縮強
さを推定する計算式。
Kellicutt formula
3042
マッキーの式
段ボールのエッジクラッシュ強さから,段ボール箱の
圧縮強さを推定する計算式。
Mckee formula
3043
包装制限
段ボール箱を設計する場合の最大総質量(内容品+包装
材料)及び内のり寸法の和(長さ,幅,深さ)の最大
値(JIS Z 1506参照)。
restrict of maximum box
weight and maximum
inside dimension of box,
packaging limit
3044
ケアマーク
貨物の流通過程で正常な荷扱い,貨物の保護及び荷扱
い者の安全のため,箱に印刷などで表示するマーク
(JIS Z 0150及びJIS Z 0152参照)。
instruction mark for
handling
3045
保証マーク
ルール41又はアイテム222に基づいて,段ボール箱の
外側に円形又は長方形の枠を用いて,輸送業者が定め
た規定に適合していることの証明を,段ボール製造業
者の名称とともに記載したマーク。
box manufacturerʼs
certificate (BMC)
3046
アイテム222
アメリカ国内の貨物輸送に際して,自動車輸送業者が
想定した輸送規則の中の,段ボール箱及びソリッドフ
ァイバー箱に関する規則。
Item 222
3047
ルール41
アメリカ国内の貨物輸送に際して,鉄道輸送業者が規
定した輸送規則の中の,段ボール箱及びソリッドファ
イバー箱に関する必要条件を定めた規則。
Rule 41
6
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 機械及び装置
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
コルゲータ
段ボールを製造する機械。コルゲートマシン又は貼合
機ともいう。
corrugator
4002
シングルフェーサ
コルゲータの一部で,片面段ボールを製造する装置。
フィンガー方式とフィンガレス方式がある。
single facer
4003
段ロール
コルゲータの一部で,中芯を波形に成形するためのロ
ール。上(うえ)ロールと下(した)ロールがある。
corrugating roll
4004
フィンガー方式
コルゲータのシングルフェーサで,フィンガープレー
トを備えた方式。
finger system
4005
フィンガープレート
コルゲータのシングルフェーサで,波形に成形された
中芯を段ロールから離れないように支える弧状の案内
板。単にフィンガともいう。
finger plate
4006
フィンガレス方式
コルゲータの一種で,シングルフェーサにおいてフィ
ンガープレートを使用しないで,波形に成形された中
芯を段ロールから離れないように案内する方式。ノー
フィンガー方式ともいう。
fingerless system
4007
ベルトプレス方式
コルゲータの一種で,シングルフェーサにおいて段ロ
ールで成形された中芯とライナとを,プレスロールを
用いず耐熱ベルトで圧着して貼り合わせる方式。
belt press system
4008
スプライサ
コルゲータの一部で,段ボール原紙を継ぎ合わせる装
置。
splicer
4009
プレコンディショナ
コルゲータの一部で,中芯の巻きぐせを修正し,正し
く波形に成形されるように熱及び蒸気を与えて調湿す
る装置。
preconditioner
4010
プレヒータ
コルゲータの一部で,段ボール原紙及び片面段ボール
の片面を連続して予熱する装置。
preheater
4011
ミルロールスタンド
コルゲータの一部で,段ボール原紙を支持する装置。 mill roll stand
4012
のり(糊)付け部
a) コルゲータのシングルフェーサ及びダブルフェー
サの一部で,段頂にのり(糊)付けする部分。
b) 製箱機で段ボール箱の継ぎ代に接着剤を転移させ
る部分。
glueing part
4013
アプリケーターロール 波形に成形された中芯の段頂に,貼合用接着剤を直接
転移させるためのロール。グルーロール,のり(糊)
ロールともいう。
applicator roll
4014
テークアップコンベヤ 片面段ボールをシングルフェーサからブリッジに運び
上げるベルトコンベヤ。
take up conveyer
4015
ダブルフェーサ
コルゲータの一部で,片面段ボールとライナとを両面
段ボール又はそれ以上の多層に貼り合わせる装置。ダ
ブルバッカともいう。
double facer
4016
プレスロール
コルゲータの一部で,波形に成形された中芯の段頂と,
ライナの接触面とを加熱しながら加圧接着させるロー
ル。
press roll
4017
グルーイングマシン
コルゲータの一部で,片面段ボールを予熱して段頂に
のり(糊)を付ける装置。グルーマシンともいう。
gluing machine
4018
ライダーロール
コルゲータのダブルフェーサののり(糊)付け部を通
過する片面段ボールと,アプリケーターロールとの間
隔を調整するロール。片面段ボールの振動を防止する
役目ももつ。
rider roll
7
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4019
ウェイトロール
コルゲータのダブルフェーサ部で,上部ベルトの上か
ら段ボールに圧力を加え,接着を促進させるためのロ
ール。バラストロールともいう。
weight roll
4020
ブリッジ
コルゲータの一部で,片面段ボールをシングルフェー
サからダブルフェーサまで送るコンベヤを付設した架
橋状の部分。
bridge
4021
ヒーティングパート
コルゲータのダブルフェーサの一部で,段頂にのり
(糊)を付けた片面段ボールとライナとを加熱接着す
る装置。
heating part
4022
クーリングパート
コルゲータのダブルフェーサの一部で,ヒーティング
パートを通過した段ボールを空冷し,安定した状態で
カットオフマシンまで送り出す部分。
cooling part
4023
熱盤
コルゲータのヒーティングパートの一部で,鉄製で中
空の箱に蒸気を入れて加熱し,段ボールの接着を完成
させる装置。
heating plate
4024
スリッタースコアラ
段ボールを幅方向に切断してけい線を入れる装置。
slitter scorer
4025
カットオフマシン
コルゲータの一部で,段ボールを流れ(進行)方向に
直角に切断する装置。カットオフともいう。
cut off machine
4026
ロータリーシャ
コルゲータの一部で,製造ロットを変更するときに,
スリッタの前でシートを切り離すために使う回転式切
断装置。
rotary shear
4027
スタッカ
コルゲータ,印刷機,ダイカッタなどの排出部で,段
ボールを積み重ねる装置。
stacker
4028
製箱機
段ボール箱を製造する一連の機械の総称。
converting machine
4029
スリッタ
段ボールを幅方向に切断する装置。
slitter
4030
スロッタ
段ボールに切り込み溝を入れる装置。
slotter
4031
グルア
接合用接着剤を用いて,ボックスブランクを接合する
機械。
gluer
4032
フォルダーグルア
ボックスブランクを折り畳みながら,継ぎしろ部をの
り(糊)付けして箱に仕上げる機械。
folder gluer
4033
ステッチャ
段ボールの接合部を平鋼線で接合する機械。
stitcher
4034
プリンタ
段ボールに印刷する機械。段ボールシートの通し方向
によって縦通し印刷機と横通し印刷機とに区分され
る。
printer
4035
プリンタースロッタ
段ボールに印刷し,切り込み溝を入れる装置。印刷,
断裁,けい線,溝切りなどの加工を連続して行うこと
ができる。
printer slotter
4036
フレキソフォルダーグ
ルア
フレキソインキを用いた印刷とグルー接合とを連続し
て行う機能を備えた機械。
flexo folder gluer
4037
フィードロール
製箱加工する段ボールを,給紙部から次の機構に送り
込むロール。
feed roll
4038
アニロックスロール
フレキソインキを印版に均一に転移させるためのロー
ル。
anilox roll
4039
クリーザ
段ボールを折り曲げるために,段ボールの段に平行な
けい線を施す装置。
creaser
4040
フォールディング部
製箱機で段ボールを折りたたむ部分。
folding part
8
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4041
ダイカッタ
刃物,けい線などを組み込んだ抜型を使い,段ボール
を打ち抜く機械。ロータリー方式とプラテン方式とが
ある。
die cutter
4042
プラテンダイカッタ
ダイカッタの一種で,段ボールを平板状の抜型と平板
状の受け台との間で打ち抜く機械。平盤ダイカッタと
もいう。
platen die cutter
4043
ロータリーダイカッタ ダイカッタの一種で,わん曲した抜型と円筒状の受け
ロールを回転させ,その間に段ボールを送り込んで打
抜き加工を行う機械。
rotary die cutter
4044
ソフトダイカッタ
抜型の刃を軟質のアンビルシリンダに食い込ませて打
ち抜くロータリー方式のダイカッタ。
soft cut die cutter
4045
ハードダイカッタ
抜型の刃と硬質のアンビルシリンダとを接触させて打
ち抜くロータリー方式のダイカッタ。
hard cut die cutter
4046
フレキソダイカッタ
フレキソインキを用いた印刷と打抜きとを連続して行
う機能を備えた機械。
flexo die cutter
4047
アンビルシリンダ
段ボールの打抜きに用いる円筒状の受け台。
anvil cylinder
e) 性能及び試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
含水率
材料中に含まれている水分を百分率で表した値。
moisture content
5002
破裂強さ試験
ライナ又は段ボールを試験機にジグを用いて固定し,
これにゴム隔膜を介したグリセリンによって圧力を加
え,破裂した際の強度を圧力計によって測定する試験
(JIS P 8131参照)。
bursting strength test
5003
比破裂強さ
紙及び板紙の破裂強さをその坪量で除した数値。
specific bursting strength
5004
リングクラッシュ試験 ライナ及び中芯の圧縮強さを測定する試験
(JIS P 8126参照)。
ring crush test
5005
比圧縮強さ
リングクラッシュ試験による圧縮強さをその坪量で除
した数値。
specific compression
strength
5006
コンコラメジュム試験 段成形した中芯の平面圧縮強さ試験。
Concora medium test
5007
吸水度
紙及び板紙が水を吸収する程度(JIS P 8140及びJIS P
8141参照)。
water absorptiveness
5008
平滑度
紙の表面の平滑さの度合い(JIS P 8119参照)。
smoothness
5009
繊維方向
段ボール原紙を製造する工程で,パルプ繊維が縦方向
に並ぶ状態。これによって紙の強度,寸法安定性など
の特性に縦横差が表れる。
fiber orientation
5010
厚さ
段ボールの厚さ。段ボールを定められた測定板で挟ん
で測定する。
thickness
5011
水分試験
段ボールが含有する水分を測定する試験(JIS P 8127
参照)。
moisture test
5012
段ボール垂直圧縮強さ
試験
段ボールの段の垂直方向に圧縮荷重を加え,試験片が
完全に座屈するときの強度を測定する試験。エンドク
ラッシュテスト,エッジクラッシュテスト又はコラム
クラッシュテストともいう(JIS Z 0403-2参照)。
end crush test,
edge crush test,
column crush test
5013
段ボール平面圧縮強さ
試験
段ボールの平面に対して垂直に,かつ,ライナの面が
横滑りを生じない状態で圧縮荷重を加え,試験片の波
形が完全に圧壊するときの強度を測定する試験(JIS Z
0403-1参照)。
flat crush test
9
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5014
接着力試験
段ボール各段種別に用意された一対のくし(櫛)状の
試験ジグをライナと中芯との間に差し込んで,圧縮し,
ライナと中芯との接着力を測定する試験(JIS Z 0402
参照)。
adhesion test
5015
衝撃あな開け強さ試験 直角三角すいの貫通部をもつ振子式アームによって段
ボールを貫通させ,それに要する仕事量を測定する試
験(JIS P 8134参照)。
puncture test
5016
はっ水度試験
段ボール表面の水をはじく度合いを測定する試験。
water repellent test
5017
包装貨物の評価試験方
法の通則
包装貨物が流通過程における振動,落下衝撃及び圧縮
に対する保護の程度を評価する規定(JIS Z 0200参
照)。
general rules of performance
testing for packaged
freights
5018
包装貨物試験の前処置 包装貨物を試験する際,先立って行う前処置の温湿度
条件及び方法(JIS Z 0203参照)。
conditioning of packaged
freights for testing
5019
段ボール箱圧縮強さ試
験
段ボール箱に圧力を加え,箱の圧縮強度を測定する試
験(JIS Z 0212参照)。
compression test
5020
振動試験
包装貨物を振動台に載せ,振動を与えることによって,
箱及び内容品の強度又は破損度を測定する試験(JIS Z
0232参照)。
vibration test
5021
落下試験
包装貨物を所定の高さから落下させて,箱及び内容品
の強度又は破損度を測定する試験(JIS Z 0202参照)。
drop test
5022
水平衝撃試験
包装貨物を載せた台車を,所定の距離から水平滑走又
は傾斜滑走させ衝撃板に衝突させて,箱及び内容品の
強度又は破損度を測定する試験。傾斜衝撃試験も含ま
れる(JIS Z 0205参照)。
horizontal impact test
5023
散水試験
包装貨物に一定量の水を散水して防水性を調べる試験
(JIS Z 0216参照)。
spray test
5024
耐候試験
温度,湿度などの相対外気条件による劣化度を測定す
る試験。
weather resistant test
5025
耐光試験
太陽光線による段ボール及びその印刷面の退色を測定
する試験(JIS B 7754参照)。
fading resistant test
f)
製造方法及びその管理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
貼合
(てんごう)
ライナと中芯を使用して段ボールを製造する行為。
corrugation
6002
段繰り率
単位長さのライナに対する中芯の使用率。
take up factor
6003
スタインホール方式
でん粉液をか性ソーダ液でこ(糊)化し,別に水を混
ぜたでん粉と混合して接着剤を作る方式。キャリア部
とメイン部とからなる。
Stein Hall process
6004
キャリア部
スタインホール方式の製こ(糊)過程で,でん粉液を
か性ソーダ液でこ(糊)化した部分。のり(糊)液の
粘度保持及びメインでん粉を完全膨潤させる役割を担
う。
carrier part
6005
メイン部
スタインホール方式の製こ(糊)過程で,でん粉液を
水に混ぜ合わせた部分。キャリア部を受け入れて接着
剤が仕上がる。
main part
6006
倍水率
コルゲータで使用する接着剤の水量をでん粉の倍数で
表した値。
ratio of total water to total
starch
10
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6007
テンション
コルゲータにおけるライナ,中芯及び片面段ボールの
張り。
tension
6008
ニップ圧
コルゲータで上(うえ)段ロール及び下(した)段ロ
ールとプレスロールとを密着させる圧力。
nip pressure
6009
ブレーキ
コルゲータで,原紙及び片面段ボールに張力を加える
行為。
brake
6010
モイスナ
段ロールに送り込まれる直前の中芯の表面に湿り蒸気
を吹き付け,段の成形を容易にする行為。
moistener
6011
層間剝離
板紙のすき合せ層間の強度が弱いため,層間で離れる
状態。
ply separation
6012
表層剝離
ライナの層間剝離のうち,特に表層が剝離する現象。 surface delamination
6013
反り
表裏ライナの水分差などによって生じる段ボールの変
形状態。
warp
6014
ウォッシュボード
段ボールの表面に,段の方向に細かい凹凸が生じて波
板のようになった状態。
washboard
6015
耳ずれ
段ボールのライナ及び中芯の両端が不ぞろいになった
状態。
incorrect aligned edge
6016
フィッシュテール
箱の接合部分の間隔が上下で異なった状態。
fish tail
6017
不整段
段ボールの製造時に生じる異常な形状の段。段つぶれ,
段流れなどがある。
irregular formed flute
6018
フラッフアウト
波形に成形された中芯が遠心力で下段ロールから飛び
出す現象。
fluff out
6019
ブリスタ
貼合後,段ボール表面のライナがちりめん状のしわ又
は小さな膨らみになる状態。薄物のライナを貼り合わ
せた場合に,熱と水分の影響を受けて発生しやすい。
blister
6020
プレスマーク
コルゲータでプレスロールの加圧によってライナの表
面に現れる線状の痕。
press mark
6021
プレプリント
貼合する前のライナにあらかじめ印刷する行為。段ボ
ールに印刷するよりも精度の高い印刷が可能である。
preprinting
6022
フレキソ印刷
柔軟な版と速乾性の水性フレキソインキとを用いた印
刷方法。
flexo printing
6023
プロセス印刷
網版を使用して4原色を重ね合わせ,様々な色彩を表
現する印刷方式。
process printing
6024
印圧
印刷工程で印版によって段ボールに加わる平面圧力。 printing pressure
6025
むら取り
印版又は抜型の段ボールに加わる圧力を部分的に微調
整する行為。
die adjustment
6026
断裁
段ボールを所定の寸法に切断する行為。スリットとも
いう。
slit
6027
粘度
インキ及び接着剤の流動性の程度。
viscosity
6028
ホードカップ
接着剤の粘度を測定するための器具。
ford cup
6029
トリム
トリムは,次による。
a) 段ボールを所定の寸法に仕上げるため切断,印刷
及び打ち抜きをするときに必要とする余裕部分。
落ち代ともいう。
b) 段ボールの余裕部分を指定寸法に切断する行為。
trimming
6030
ステッチ止め
ステッチ(平鋼線)を使用して段ボールを接合する行
為。
wire joint
6031
マージナルゾーン
印刷部の画像境界線に過剰なインキが盛り上がった部
分。
marginal zone
11
Z 0104:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6032
ピッキング
印刷の際,紙の表面強度が弱い場合に,インキの粘着
力によって紙の表面が剝がれる現象。
picking
6033
けい割れ
けい線加工を施したり又はけい線を折り曲げたとき,
ライナに亀裂が入る状態。
crack
6034
損失厚み
段ボールが貼合及び製箱工程において損失する厚み。 caliper loss
参考文献 JIS B 7754 キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
JIS P 3902 段ボール用ライナ
JIS P 3904 段ボール用中しん原紙
JIS P 8119 紙及び板紙−べック平滑度試験機による平滑度試験方法
JIS P 8126 紙及び板紙−圧縮強さ試験方法−リングクラッシュ法
JIS P 8127 紙及び板紙−ロットの水分試験方法−乾燥器による方法
JIS P 8131 板紙−破裂強さ試験方法
JIS P 8134 板紙−衝撃あな開け強さ試験方法
JIS P 8140 紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法
JIS P 8141 紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法
JIS Z 0150 包装−包装貨物の荷扱い指示マーク
JIS Z 0152 包装物品の取扱い注意マーク
JIS Z 0200 包装貨物−性能試験方法一般通則
JIS Z 0201 試験容器の記号表示方法
JIS Z 0202 包装貨物−落下試験方法
JIS Z 0203 包装貨物−試験の前処置
JIS Z 0205 包装貨物−水平衝撃試験方法
JIS Z 0212 包装貨物及び容器−圧縮試験方法
JIS Z 0216 包装貨物及び容器の散水試験方法
JIS Z 0232 包装貨物−振動試験方法
JIS Z 0402 段ボールの接着力試験方法
JIS Z 0403-1 段ボール−第1部:平面圧縮強さ試験方法
JIS Z 0403-2 段ボール−第2部:垂直圧縮強さ試験方法
JIS Z 1506 外装用段ボール箱
JIS Z 1507 段ボール箱の形式
JIS Z 1516 外装用段ボール