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X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3 試験要素及び条件 ············································································································· 5 

3.1 試験プラットフォーム ···································································································· 5 

3.2 試験プラットフォームの設定手順······················································································ 5 

3.3 印刷装置立ち上げ ·········································································································· 6 

3.4 印刷装置の接続 ············································································································· 7 

3.5 印刷装置の状態 ············································································································· 7 

3.6 試験回数 ······················································································································ 8 

3.7 用紙 ···························································································································· 8 

3.8 保守 ···························································································································· 8 

3.9 試験用ファイル,試験用ファイル一式及びアプリケーションソフトウェア ································ 8 

3.10 環境 ··························································································································· 9 

3.11 電圧 ··························································································································· 9 

4 試験方法························································································································· 9 

4.1 測定手順 ······················································································································ 9 

4.2 試験方法の工程 ············································································································ 13 

4.3 分野別試験 ·················································································································· 14 

4.4 付加機能性能試験 ········································································································· 18 

4.5 任意の特殊試験 ············································································································ 19 

5 データの計算及びデータの扱い ·························································································· 19 

5.1 分野別試験 ·················································································································· 20 

5.2 付加機能性能試験 ········································································································· 21 

6 結果の表示 ····················································································································· 22 

6.1 分野別試験 ·················································································································· 22 

6.2 付加機能性能試験 ········································································································· 26 

附属書A(規定)印刷生産性測定に影響を及ぼす可能性のある試験プラットフォームのシステム要素 ·· 28 

附属書B(規定)試験用ファイル一式······················································································ 32 

附属書C(参考)報告の表示 ································································································· 38 

附属書D(参考)印刷装置情報及び試験設定の記録例 ································································ 42 

附属書E(参考)詳細報告の例 ······························································································ 43 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人ビジネス機械・情報システム産業協

会(JBMIA),社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標

準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業

大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 6940:2011 

(ISO/IEC 24734:2009) 

情報技術−事務機器−プリンタ及び複合機の 

印刷生産性測定方法 

Information technology-Office equipment-Method for measuring digital 

printing productivity 

序文 

この規格は,2009年に第1版として発行されたISO/IEC 24734を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格の編集上の修正を行った事項である。 

適用範囲 

この規格は,様々な事務用アプリケーションソフトウェア及び印刷ジョブにおけるプリンタ及び複合機

の印刷生産性の測定方法を規定する。この規格は,印刷技術(例えば,インクジェット方式又は電子写真

方式)にかかわらず,ディジタル入力が可能な印刷装置,すなわち,プリンタ及び複合機に適用できる。

それらの印刷装置は,一連の給紙装置及び後処理の付加装置を備えるものであってもよく,コンピュータ

システムとの接続は,直接でもネットワーク経由でも構わない。また,この規格は,カラーの印刷装置だ

けでなくモノクロの印刷装置にも適用可能であり,試験条件を同一にすれば,異なる装置の生産性を比較

することができる。この規格は,印刷生産性を測定するための試験用ファイル,試験の準備手順,試験の

実行手順及び報告に関する要求事項を含む。 

この規格は,A4サイズ若しくはレターサイズ(215.9 mm×279.4 mm,8.5インチ×11インチ)(以下,

レターサイズという。)の用紙への印刷ができない装置,又は複数部の印刷を丁合出力できない装置には適

用しない。 

この規格は,製造業者の公称印刷速度の置き換えを意図しない。 

プリンタ及び複合機の印刷生産性は,その装置以外の要因にも依存する。これらの要因としては,コン

ピュータの製造業者及び型式,プロセッサの型及び速度,RAM及びハードディスクの記憶容量及び速度,

ドライバソフトウェア,使用されるアプリケーションソフトウェアのバージョン,オペレーティングシス

テム,コンピュータから印刷装置までの通信経路の方式及び速度,などが含まれる。このため,この規格

を用いて印刷生産性を正確に比較するためには,同一のコンピュータシステム(ハードウェア及びソフト

ウェア)を用いる。全ての印刷生産性の測定において,コンピュータのハードウェア及びソフトウェアの

基本的な仕様情報を印刷生産性測定結果とともに記録する。 

注記1 印刷装置を用いて一定時間内に生産できる印刷の枚数に対し影響を与える要因は他にもある。

それらには,ある種の印刷装置にとっての典型的なジョブ構成,システムの信頼性,サービ

スコールによる停止時間,装置の使いやすさ,印刷中の用紙補充又は用紙除去,定期点検,

印刷装置及びネットワークの他の使用者との同時使用などが含まれる。それらの項目につい

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ては,この規格の適用範囲及び測定方法では考慮していない。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 24734:2009,Information technology−Office equipment−Method for measuring digital 

printing productivity(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

2.1 

分野別試験(category test) 

分野ごとに分けた2種類の試験。事務分野試験は,事務用の典型的アプリケーションソフトウェアを用

いて第1部印刷時間(2.9参照),実効印刷速度(2.5参照)及び推定最大印刷速度(2.6参照)を試験し,

報告するのに用いる。広告及びグラフィック分野(宣伝広告,商業美術,グラフィックデザインなど。以

下,広告分野という。)試験は,より複雑で,印刷面積が広く,写真,階調表現,組込み要素(図,絵,文

字など)のような画像及び図表の占める割合が多いアプリケーションソフトウェアとファイルとを用いて,

第1部印刷時間,実効印刷速度及び推定最大印刷速度を試験し報告するのに用いる。 

2.2 

丁合(collation) 

電子文書の印刷物を原稿のページ順序で,例えば1234,1234,1234などの順で繰り返して複数部の印刷

物を生産する印刷装置の能力。これは,適切なソフトウェア又はハードウェア後処理装置によって達成す

ることができる。 

2.3 

標準プリンタドライバ(default driver) 

製造業者の設置手順に従って自動選択される印刷装置のドライバ。 

2.4 

両面印刷(duplex printing) 

用紙の両面に印刷する行為。 

注記 (対応国際規格では,英語特有の用語を記載しているがこの規格では不要であり,削除した。) 

2.5 

実効印刷速度,EFTP(effective throughput,EFTP) 

印刷指示から最終部の最終ページが完全に排出されるまでの時間で,出力された全ページ数を除して求

めた印刷速度。1分間当たりの画像面数(ipm: images per minute)で表す。 

注記 実効印刷速度は,印刷単位の印刷時間だけでなく,印刷指示から印刷開始までの処理時間が影

響することがある。 

2.6 

推定最大印刷速度,ESAT(estimated saturated throughput,ESAT) 

第1部の最終ページを完全に排出した時点から,最終部の最終ページを完全に排出するまでにわたって

測定した,装置がページを生産する速度。1分間当たりの画像面数(ipm: images per minute)で表す。 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.7 

付加機能性能率(feature performance percentage) 

様々な印刷及び後処理の付加仕様を付加した場合の印刷性能(例えば,第1部印刷時間及び推定最大印

刷速度)の,対象の付加仕様を付加しない印刷性能に対する比率。 

2.8 

付加機能性能試験(feature performance test) 

様々な印刷及び後処理の付加仕様を付加した場合の生産性の変化を評価するのに用いる選択的試験。 

注記 付加機能性能試験の試験用ファイルは,印刷システムのデフォルト設定で試験して基本データ

を出し,その後に選択する付加機能(例えば,ステープル機能)を追加して試験し,比較する。 

2.9 

第1部印刷時間,FSOT(first set out time,FSOT) 

印刷指令から第1部の最終ページを完全に排出するまでの秒数。 

2.10 

詳細報告(full detailed report) 

装置のセットアップ環境及び測定結果を含む情報の表示。 

2.11 

全体報告(full report) 

分野別試験又は付加機能性能試験で試験された各々のファイルの第1部印刷時間,推定最大印刷速度及

び実効印刷速度の計測値だけではなく,第1部印刷時間,推定最大印刷速度及び実効印刷速度の平均値も

含んだ計算結果の表示。 

2.12 

ホストベースコントローラ(host-based controller) 

ページ記述言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサがホストコンピュータに存在する印刷装置のコン

トローラの方式。ホストベースコントローラを備えた印刷装置では,ホストコンピュータに存在するこれ

らの処理部によってページ記述言語をラスタビットマップのような簡単化されたフォーマットに変換し,

印刷装置に送付することで印刷を行う。 

注記 この方式のコントローラは,ほとんどのデータと画像の処理とをホストコンピュータ側で行う。

印刷生産性は,ホストコンピュータ,データ転送部及び印刷装置から構成されるシステム全体

に依存する。 

2.13 

初期設置状態(initial installation state) 

オペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアを設置した後であって,試験する印刷装

置用のプリンタドライバのような固有ソフトウェアを設置する前の試験動作環境の状態。 

2.14 

入力画像面数(input image equivalent) 

印刷する電子原稿入力画像面数。印刷した印刷物の枚数とは独立の数値である。 

注記 入力画像面数は,元になる試験用ファイルの画像面数に等価の数値である。例として,A4サイ

ズの入力画像2ページを,片面印刷モードで片面A3ページに印刷する場合,このA3ページの

印刷出力は,A4入力画像2ページに等価である。他の例として,試験用ファイルのA4サイズ

画像4ページを,片面の4枚割り付けモードで1枚のA4ページの片面に縮小印刷する場合,

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このA4ページの印刷出力は,A4入力画像4ページに等価である。 

2.15 

インタフェース・ネットワーク(interface/network) 

ホストコンピュータと印刷装置との間の,直接又は間接の接続形態。 

2.16 

全部数印刷時間,LSOT(last set out time,LSOT) 

印刷指令から最終部の最終ページを完全に排出するまでの時間。 

2.17 

公称印刷速度(nominal printing speed) 

最初のページを完全に排出した時点から,連続印刷の最終ページを完全に排出するまでにわたって測定

して求めた印刷速度。単一ページを,推奨用紙を用いて連続印刷モードにて印刷し,ページ/分(ppm)

又は画像/分(ipm)で表す。 

2.18 

ページ記述言語,PDL(page description language,PDL) 

印刷装置のページ単位の出力イメージを記述するためのプログラム言語。 

2.19 

PDLベースコントローラ(PDL-based controller) 

ページ記述言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサを備えた印刷装置のコントローラの方式。PDLベ

ースコントローラを備えた印刷装置では,ホストコンピュータがアプリケーションソフトウェアによって,

ページ情報をページ記述言語に変換しインタフェース・ネットワークを介して印刷装置に送信する。 

注記 この方式のコントローラは,ページ記述言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサの動作に必

要な処理能力を備えており,最終的なページ情報処理,画像処理は,ほとんど印刷装置側で実

行する。しかしながら,印刷生産性は,依然としてホストコンピュータ,データ転送及び印刷

装置から構成されるシステム全体に依存する。 

2.20 

印刷装置(printing device) 

ディジタル電子文書を紙などの媒体上へ印刷する装置。 

注記 装置の機能は印刷だけに限らない。例えば,印刷機能をもつ複合機の場合は,複写,スキャン,

ディジタル情報送信などの他の機能を実行することが可能である。 

2.21 

ラスタイメージプロセッサ,RIP(raster image processor,RIP) 

印刷システムの中に組み込まれている,ビットマップを生成する機能。 

2.22 

印刷部数(set count) 

一つの個別測定の間に印刷する全部数。印刷部数がN,1試験用ファイルのページ数がMの場合,N×

Mのページ数が印刷される。 

注記 これは,アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバにおいて,しばしばコピーカウ

ントと呼ぶ。 

2.23 

片面印刷(simplex printing) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用紙の片面に印刷する行為。 

注記 (対応国際規格では,英語特有の用語を記載しているがこの規格では不要であり,削除した。) 

2.24 

要約報告(summary report) 

一定の分野別試験又は付加機能性能試験の第1部印刷時間(FSOT)及び推定最大印刷速度(ESAT)の

全体の平均値を含む結果の表示。 

2.25 

試験用ファイル(test file) 

試験方法に従って用いる個別のファイル。 

例 事務分野試験で用いるエクセルファイルは,“試験用ファイル”である。 

2.26 

試験プラットフォーム(test platform) 

ディジタル印刷生産性試験に使用するハードウェア及びソフトウェアの組合せ。オペレーティングシス

テム及び適用可能なアプリケーションソフトウェアを設置したコンピュータ,印刷装置用のソフトウェア,

インタフェース(ハードウェア及びソフトウェア),計時装置(ストップウォッチ又は自動)などを含む。 

2.27 

個別測定(test run) 

特定の部数で一つの試験用ファイルを印刷する試験。各々の個別測定の印刷時間を測定する。 

2.28 

印刷単位(test set) 

一つの試験用ファイルの全ページ。 

注記 試験用ファイルを印刷する場合にプリンタドライバなどで指定する“部”に相当する。 

2.29 

試験用ファイル一式(test suite) 

各分野別試験に用いる複数の試験用ファイルの組合せ。 

例 事務分野試験用の試験用ファイル一式は,三つの試験用ファイルからなる。広告分野試験用の試

験用ファイル一式は,四つの試験用ファイルからなる。 

2.29A 

印刷可能状態(ready state) 

装置の状態のうち,最小の時間で新しい出力を開始することが可能な状態。 

注記 出力中でもなく,低電力モードでもない。 

試験要素及び条件 

3.1 

試験プラットフォーム 

コンピュータ技術は急速に変化しており,同一の印刷生産性用試験プラットフォーム(ハードウェア及

びソフトウェア)を,長期間にわたって使用できると考えることは現実的ではない。そこで,その時々に

使用した試験プラットフォームの,印刷生産性測定に影響を及ぼす可能性のあるシステム要素(附属書A

参照)を記録する。 

3.2 

試験プラットフォームの設定手順 

試験プラットフォームの設定手順には,試験プラットフォームのコンピュータ及び試験する印刷装置の

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設定項目を含む。 

3.2.1 

試験プラットフォームの初期化 

試験プラットフォームのハードウェアは,製造業者の指示に従って設置するのがよい。試験プラットフ

ォームのハードウェア情報は,附属書Aに従って記録する。試験プラットフォームのオペレーティングシ

ステム及びアプリケーションソフトウェアは,製造業者の指示に従って設置するのがよい。試験プラット

フォームのオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアの情報は,附属書Aに従って記

録する。アプリケーションソフトウェア及びオペレーティングシステムのデフォルトの設定から異なる設

定を設置時に行った場合は,これらを全て記録する。 

・ 試験プラットフォームは,USBの直接接続,イーサネットのネットワーク接続など,適切な接続環境

用に構成され,デフォルトの構成と異なる設定は,附属書Aに従って全て記録する。 

・ 試験プラットフォームは,ハードディスクの最適化及び圧縮,スワップメモリーサイズなどのシステ

ム要素を見直すことによって,最高の性能を出せるように設定されているか確認するのがよい。これ

らがデフォルト設定と異なる場合は記録する。 

・ 以上によって,試験プラットフォームは初期設置状態となる。設定時の全ての記録を,詳細報告に含

める。 

3.2.2 

試験プラットフォームのディスクイメージ作成(任意) 

試験プラットフォームを構成した後,印刷装置用のプリンタドライバを設置する前に,ディスクイメー

ジを作成してもよい。このとき,試験プラットフォームを初期設置状態に復元するために,ディスクイメ

ージ作成ソフトウェアを用いてもよい。使用したディスクイメージ作成ソフトウェア名称及びそのデフォ

ルト設定と異なる全ての設定を記録する。 

3.2.3 

初期試験状態 

新たな印刷装置の一連の試験を開始する前に,試験プラットフォームを初期設置状態に復元する。ハー

ドウェア構成が異なる場合には,新たな印刷装置と考えるのがよい。初期設置状態にするために用いた方

法は記録する。  

3.3 

印刷装置立ち上げ 

印刷装置を水平な場所に置き,製造業者の指示に従って設定する。製造業者が推奨するソフトウェア(プ

リンタドライバ,ポートドライバなど)を設置する。プリンタドライバは製造業者が供給する最新のもの

を使用する。報告書にプリンタドライバ及びそのバージョンを記録する。 

試験は,その印刷装置用に製造業者が供給する標準プリンタドライバを用いて行う。製造業者による設

置手順において,標準プリンタドライバが自動的に設置されない場合には,説明書に従い推奨されたプリ

ンタドライバを使用する。画像,文字品質,印刷モード及び印刷速度の全ての選択肢は,出荷時設定され

たもので,プリンタドライバの標準設定とする。印刷装置及びプリンタドライバの設定が異なる場合は,

プリンタドライバの標準設定で使用する。製造業者が標準設定した機能を解除することはできない。例と

して,自動クリーニング又は調整動作の周期,双方向通信設定,省エネ設定などがあるが,これらに限る

ものではない。ただし,自動用紙種類検知機能を解除して普通紙を選択できる。 

試験用ファイルは,そのファイルに対応した寸法で用紙に印刷する。例えば,A4サイズの試験用ファイ

ルを用いる場合は,用紙設定はA4とし,レターサイズの試験用ファイルを用いる場合は,用紙設定はレ

ターとする。印刷装置及びプリンタドライバのページ余白の初期値は12.7 mm(0.5インチ)より大きくな

いことを確認する。テストページの印刷範囲を正しい位置に印刷するよう,必要に応じて設定を調整する。

画面に表示されたテストページの印刷範囲よりも印刷可能領域が大きくなるよう,必要に応じて設定を調

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整する。これらの印刷装置及びプリンタドライバ設定の全ての変更を記録する。正しい位置に印刷するた

めに,ページの中央合わせ,自動回転などの印刷位置変更機能を用いてもよい。印刷装置の初期設定から

の全ての変更点は詳細報告に記録する。 

注記1 ページの拡大縮小機能を解除するなど設定を変更して印刷範囲の画像を正しく印刷する。 

印刷物は丁合してページ順に出力する。ページ順での出力が初期設定でない場合には,製造業者の推奨

に従って設定し,ページ順で出力する。ページ順設定の方法によって生産性が変化する場合には,より速

い結果を報告するのがよい。試験報告にはその他の設定とともに,丁合設定をどのように行ったかを明示

する。 

カラー及びモノクロの印刷装置は,初期設定で事務分野試験用ファイル一式の三つの試験用ファイルを

印刷する。これはカラー印刷装置での三つの試験用ファイルの印刷物はカラーであり,一方,モノクロ印

刷装置での三つのファイルの印刷物はモノクロであることを意味する。カラー印刷装置においては,印刷

装置又はプリンタドライバの設定を変更することによって,初期設定された画質又は解像度設定を変更し

ないでモノクロ印刷物を出力できるようにし,同じ三つのファイルを用いたモノクロ印刷の結果を報告し

てもよい。 

カラー印刷装置でのモノクロ印刷は,次のように行う。モノクロ印刷を行うように印刷装置又はプリン

タドライバの設定を選択する。黒トナー又は黒インクだけを用いてモノクロ印刷を行うために印刷装置又

はプリンタドライバの設定をどのように変更するかは,製造業者の指示に従う。モノクロ印刷モードに切

り替えた結果,印字品質のような他の設定が自動的に切り替わってしまう場合には,それを試験報告に注

記する。モノクロ印刷が各色を混合したコンポジットブラックによって行われる場合には,そのことを報

告するのがよい。 

注記2 印刷装置をモノクロ印刷に設定する一般的な方法には,プリンタドライバのモノクロ印刷機

能を選択する方法などがある。プリンタドライバでこの機能は,“モノクロ印刷”,“グレース

ケール印刷”又は“黒だけで印刷”と表示することがある。モノクロ印刷の選択は,プリン

タドライバ及び印刷装置の幾つかの場所で行うことができる。モノクロで印刷するよう印刷

装置を設定する最良の方法が不明の場合は,この設定方法を製造業者に問い合わせることが

最善である。 

印刷装置の製造業者によって用意されているが出荷時設定されていないプリンタドライバ又は印刷装置

制御言語を用いて,追加試験を行うことができる。その他,印刷装置に備わる他の設定を用いて,追加試

験を行うこともできる。そのような設定とは,プリンタドライバで設定する印字品質,印刷速度の変更機

能などである。これらの追加試験の結果は,工場出荷時設定とは異なるシステム設定であることを記載し,

システムの初期設定での試験結果と比較して表示する。 

3.4 

印刷装置の接続 

印刷装置は製造業者が推奨する試験接続形態(ネットワーク接続又は直接接続)がよい。数人の使用者

によって共用することを目的とした印刷装置は,製造業者が備えるネットワーク接続を通して印刷装置と

接続するのがよい。個人使用を意図した印刷装置は,試験用のコンピュータに直接接続(例えば,USB)

するのがよい。試験に使用するシステム又は印刷装置の,接続方法,バージョン,及び,出荷時設定から

変更した全ての設定値を記録し報告する。 

3.5 

印刷装置の状態 

印刷装置の用紙及び消耗品を含む全ての補充品は,製造業者が使用可能と指定したもの(又は,別途注

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記するもの)を使用する。試験開始以前に印刷装置で印刷したページ数及び消耗品を用いて印刷したペー

ジ数を記載する。 

3.6 

試験回数 

各々の試験に使用されるファイルは,再現性確認用に最低2回印刷し測定する。 

3.7 

用紙 

試験で使用する用紙は,印刷装置の製造業者が推奨する特性ガイドラインの範囲内にあるものか,それ

に違反しないものでなければならない。その特性ガイドラインには,寸法,坪量,成分,用紙製造業者,

用紙タイプ,品番,その他の物理特性などを含む。分野別試験(5.1参照)に使用される用紙は,A4サイ

ズ及び/又はレターサイズのカットシートである。付加機能性能試験においては,リーガルサイズ(215.9 

mm×355.6 mm,8.5インチ×14インチ),A3サイズ及び/又はレジャーサイズ(279.4 mm×431.8 mm,11

インチ×17インチ)(以下,レジャーサイズという。)の用紙サイズから試験モードに適切なものを選択し

て用いてもよい。各々の試験に用いた用紙の製造業者,坪量,寸法,用紙型式及び名称は,報告書に記載

する。 

3.8 

保守 

印刷装置の保守は,必要に応じて,試験の中で製造業者の推奨に応じて実施する(例えば,清掃処理,

消耗品の交換など)。 

3.9 

試験用ファイル,試験用ファイル一式及びアプリケーションソフトウェア 

生産性の試験用ファイル一式及び試験用ファイルをB.1〜B.3に規定する(図B.1〜図B.3参照)。試験に

は,規定の試験用ファイルを使用する。最新の試験用ファイルは, 

http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/SC28̲Test̲Pages/ 

のファイル名“ISOIEC̲24734̲2009̲Test̲Pages/”から入手することができる。規定の試験用ファイルを用

いない場合には,試験結果は無効とする。試験に用いた試験用ファイル及びアプリケーションソフトウェ

アのバージョンは報告書に記載する。 

各々の試験用ファイル1部を印刷し測定して,第1部印刷時間(FSOT1部)を決定する。各々の試験用

ファイルを“1部+30秒”試験用にN部(複数部)印刷し測定して,推定最大印刷速度(ESAT30秒)及び

実効印刷速度(EFTP30秒)を計算する。ここで,Nは,全部数印刷時間(LSOT30秒)−第1部印刷時間(FSOT30

秒)≧30秒を満足するのに必要な部数である。この方法は,様々な区分の装置に適した試験を行うために

用いる。これによって,装置を区分別に分類して,区分によって試験ページ数を変えるのではなく,高速

の装置はより多くの部数で試験し,低速の装置はより少ない部数で試験することが可能になる。“1部+4

分”試験は,実効印刷速度(EFTP4分)を計算するのに用いられる類似の考え方であり,短い印刷時間に比

べて長い印刷時間では生産性に差異が生じる場合があることを示すための試験である。4分間という印刷

時間は,高速の装置としては短く,低速の装置としては長い試験時間であるが,4分間という共通の印刷

時間を採用することによって,この規格の適用範囲に含まれる様々な速度の装置を測定するのに用いる印

刷ページ数を合理的に決めることができる。 

事務分野試験は必須の試験である。広告分野試験は任意の試験である。試験する印刷装置が両方の市場

分野向けである場合又はより多くのアプリケーションソフトウェアで試験を行いたい場合は,両方の分野

試験を行うことができる。 

付加機能性能試験は任意の試験である。付加機能性能試験は,デフォルトの印刷システム構成を用いて

得られる基本性能値の第1部印刷時間(FSOT基本)及び推定最大印刷速度(ESAT基本)と,選択された印

刷システム付加機能性能試験(例えば,ステープル)を用いて得られる第1部印刷時間(FSOT機能)及び

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

推定最大印刷速度(ESAT機能)とを比較するために用いる。このような比較が必要な場合,任意の付加機

能性能試験(4.4参照)を分野別試験に追加することができる。付加機能性能試験用ファイルをデフォルト

の印刷システム設定で試験して基本性能値を確定し,その後付加機能性能を比較のために測定する。“事務

用”及び/又は“複合”機能試験用ファイルのいずれを選ぶかは,試験する印刷装置がどのような市場領

域で使用するように意図しているかによる。基本性能値の試験選択(“事務用”又は“複合”)は,要約報

告及び全体報告に記載する(基本性能値に対する付加機能性能率の計算のために特に重要である。)。 

附属書Bは個別試験用に用いる試験用ファイルである。試験用ファイルは, 

http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/SC28̲Test̲Pages/ISOIEC̲24734̲2009̲Test̲Pages/ 

から入手できる。 

3.10 環境 

温度及び湿度を含む試験環境は,その装置を動作させるために製造業者が推奨する範囲内とする。推奨

がない場合には,次の範囲内とする。 

温度   18 ℃以上25 ℃以下 

相対湿度 30 %以上70 %以下 

注記 試験環境の温度及び湿度は,詳細報告(附属書E)に記録するのがよい。 

3.11 電圧 

印刷装置は,試験する印刷装置用に製造業者が規定する動作電圧範囲内の電源に接続する。 

注記 測定は,各々の試験に先立って,無負荷状態で行うのがよい。 

試験方法 

この箇条は,試験方法を規定する。 

試験用ファイルを1部印刷し,第1部印刷時間(FSOT1部)を測定する。試験用ファイルをN部印刷し,

“1部+30秒”測定を行い,推定最大印刷速度(ESAT30秒)を計算する。ここに,NはLSOT30秒−FSOT30秒

≧30秒を満たす部数で,LSOT30秒は“1部+30秒”測定の全部数印刷時間である。同様にして,“1部+4

分”測定を行い,EFTP4分を計算する。 

“1部+30秒”測定は,様々な区分にわたる装置用の試験を提供する。装置を定義し,区分に分類する

ことなく,この簡単な方法によって,高速の装置は多くの部数で試験し,低速の装置は少ない部数で試験

することになり,それぞれの装置の用い方により合致している。 

“1部+4分”測定は,長い印刷時間では,短い印刷時間に比べて生産性に差異が生じる場合があること

を示すための試験である。4分間という印刷時間は,高速の装置としては短く,低速の装置としては長い

試験時間であるが,4分間という共通の印刷時間を採用することによって,この規格の適用範囲に含まれ

る様々な速度の装置を測定するのに用いる印刷ページ数を合理的に決めることができる。 

各測定の終了と開始とが重ならないようにするため,及び連続したジョブスプール効果によって生じ得

る試験結果の混乱を避けるために,各々の印刷ジョブは,その前の測定の最終部を排出完了し,装置が印

刷可能状態に復帰した後で初めて送るようにするとよい。 

4.1 

測定手順 

試験前: 

1) 試験用コンピュータは試験ごとに初期化し,試験プラットフォームを初期設置状態にする。 

2) 取扱説明書及び試験設定の要求事項に従い,印刷装置,ドライバ及びドライバ以外のアプリケー

ションソフトウェアを設置する。出荷時設定で行う必須試験は,印刷装置のウォームアップが完

10 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

了して印刷可能状態に達した後に実施する。測定直前に,少なくとも1ページを印刷するウォー

ムアップ印刷を行って,印刷装置を印刷可能状態にしてもよい。 

3) システムのパラメタ(例えば,用紙坪量の選定,用紙寸法及び搬送方向,画質モード)を試験用

に設定する。システムが自動用紙種類検知機能をもっている場合には,それを解除し,テストで

用いる用紙を選択するのがよい。印刷装置型式,構成(付加装置類),出荷時設定及びその変更点

を記録する。 

4) 測定で使用予定のファイルを,3.9に書かれているとおりに収集する。測定で使用予定のコンピュ

ータに必要なアプリケーションソフトウェアが入っていることを確認する。 

5) 印刷モード制御:測定用の設定では,次の事項を除き,試験する印刷装置のドライバの出荷時設

定印刷モードからの変更をしてはならない。 

・ ページの拡大縮小機能を解除する。 

・ 出荷時設定で丁合が有効にされていない場合に,これを有効にする。 

・ 普通紙を選択する。 

・ 両面,又は,カラー印刷装置におけるモノクロ試験用に,印刷ドライバのモードをモノクロ出

力が得られるように設定する。 

印刷装置の選択されたモードと選択手段の記録とを試験報告書に含める。 

注記1 装置によっては,複数の両面機能をもつものがある[例えば,横開き(book)及び上

開き(tablet),長辺と(綴)じ及び短辺と(綴)じ]。このような場合には,出荷時設

定の両面機能を使用し,用紙の方向を記録するとよい。 

注記2 丁合,部数及びモノクロの選択の仕方が性能測定結果に影響を与えることがある。設

定が性能速度に与える影響を,前もって評価しておくとよい。推奨される設定に関す

る追加情報は,装置の操作説明書を参照する。 

6) 4.3及び4.4を参照して,どの試験を実施すべきかを決める。試験設定の記録例は,附属書Dを参

照する。 

FSOT1部及びEFTP1部を算出する“1部”測定の手順 

1) アプリケーションソフトウェア及び試験用ファイルの制御 (個別測定開始)試験用コンピ

ュータでアプリケーションソフトウェア及びそのアプリケーションソフトウェアの試験用フ

ァイルを開く。 

2) アプリケーションソフトウェアから印刷を選択する。 

3) “OK”を選択し,同時に計時装置(時計又はその他)を開始する。アプリケーションソフト

ウェアの印刷画面にある“OK”ボタンを選択すると同時に,時間計測を開始する。 

4) 第1部の最後のページが完全に印刷装置から排出した時間(秒)を,少なくとも小数点以下

第2位まで記録する。 

5) (個別測定終了)試験用ファイルを印刷した後,試験用ファイル及び関連するアプリケーシ

ョンソフトウェアを閉じる。 

6) “1部”測定[手順1)〜5)]を2回実施する。それぞれの個別測定についてFSOT1部及び  

EFTP1部を箇条5に従って計算する。 

7) 4.2.3に従って結果の一致度が±5 %に収まるかを判定し,必要な場合には3回目の個別測定

を実施する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8) FSOT1部及びEFTP1部の平均値を計算する。 

注記3 この試験のFSOT1部平均値は,分野別試験の全体報告及び詳細報告において,FSOT

として報告する。試験用ファイル一式(多くの試験用ファイルからなる。)に対応

するFSOT1部平均値は,分野別試験の要約報告において,FSOTとして報告する。

詳細については,附属書C及び附属書Eの報告書例による。 

ESAT30秒及びEFTP30秒を算出する“1部+30秒”測定の手順 

1) アプリケーションソフトウェア及び試験用ファイルの制御 (個別測定開始)試験用コンピ

ュータでアプリケーションソフトウェア及びそのアプリケーションソフトウェアの試験用フ

ァイルを開く。 

2) アプリケーションソフトウェアから印刷を選択する。LSOT30秒−FSOT30秒≧30秒に必要な印

刷部数Nを入力する。複数部を丁合して(1234,1234,---)出力するよう必要な設定を選択

する。2回目及び3回目の測定には,1回目の測定で用いた印刷部数を用いる。ドライバ又は

アプリケーションソフトウェアのどこで丁合及び印刷部数の設定を行ったかを記録する。 

注記4 このFSOT30秒は,“1部”測定のFSOT1部と間違うことがないように注意するのが

よい。ここで測定するFSOT30秒は,LSOT30秒−FSOT30秒≧30秒の確認及び  

ESAT30秒の計算のために用いる。 

3) “OK”を選択し,同時に計時装置(時計又はその他)を開始する。アプリケーションソフト

ウェアの印刷画面にある“OK”ボタンを選択すると同時に,時間計測を開始する。 

4) 第1部排出完了時間(FSOT30秒)を秒で,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。これ

は,“OK”から第1部目の最終ページが完全に装置から排出されるまでの時間である。 

注記5 排紙トレイ容量が出力すべきページ数よりも少ない場合は,測定中に排出された

用紙を取り除く。 

注記6 分野別試験の各々のファイル(部)は4ページからなる。付加機能性能試験の各々

のファイル(部)は8ページからなる。 

5) 全部数印刷時間(LSOT30秒)を秒で,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。これは,

アプリケーションソフトウェアの印刷画面の“OK”を押してから,最終部(N部目)の最終

ページが完全に装置から排出されるまでの時間である。 

6) (個別測定終了)試験用ファイルが印刷された後,試験用ファイルと関連するアプリケーシ

ョンソフトウェアを閉じる。 

7) “1部+30秒”測定[手順1)〜6)]を2回実施する。それぞれの個別測定についてESAT30秒

及びEFTP30秒を箇条5に従って計算する。 

8) 4.2.3に従って結果の一致度が±5 %に収まるかを判定し,必要な場合には3回目の個別測定

を実施する。 

9) ESAT30秒及びEFTP30秒の平均値を箇条5に従って計算する。 

注記7 この試験のESAT30秒平均値は,分野別試験の全体報告及び詳細報告において,

ESATとして報告する。試験用ファイル一式(多くの試験用ファイルからなる。)

に対応するESAT30秒平均値は,分野別試験要約報告において,ESATとして報告

する。詳細については,附属書C及び附属書Eの報告書例を参照する。 

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EFTP4分を算出する“1部+4分”測定の手順 

1) アプリケーションソフトウェア及び試験用ファイルの制御 (個別測定開始)試験用コンピ

ュータでアプリケーションソフトウェア及びそのアプリケーションソフトウェアの試験用フ

ァイルを開く。 

2) アプリケーションソフトウェアから印刷を選択する。LSOT4分−FSOT4分≧4分に必要な印刷

部数Nを入力する。複数部を丁合して(1234,1234,---)出力するよう必要な設定を選択す

る。2回目及び3回目の試験には,1回目の試験で用いた印刷部数を用いる。ドライバ又はア

プリケーションソフトウェアのどこで丁合及び印刷部数の設定が行われたかを記録する。 

注記8 このFSOT4分は,“1部”測定から算出するFSOT1部又は“1部+30秒”測定から

算出するFSOT30秒と間違うことがないように注意する。ここで測定するFSOT4分

は,LSOT4分−FSOT4分≧4分の確認のためだけに用いる。 

3) “OK”を選択し,同時に計時装置(時計又はその他)を開始する。アプリケーションソフト

ウェアの印刷画面にある“OK”ボタンを選択すると同時に,時間計測を開始する。 

4) 第1部排出完了時間(FSOT4分)を秒で,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。これは,

“OK”から第1部目の最終ページが完全に装置から排出されるまでの時間である。 

注記9 排紙トレイ容量が出力すべきページ数よりも少ない場合は,測定中に排出された

用紙を取り除く。 

注記10 分野別試験の各々の部は4ページからなる。付加機能性能試験の各々の部は8ペ

ージからなる。 

5) 全部数印刷時間(LSOT4分)を秒で,少なくとも小数点以下2位まで記録する。これは,ア

プリケーションソフトウェアの印刷画面の“OK”を押してから,最終部の最終ページが完全

に装置から排出されるまでの時間である。 

6) (個別測定終了)試験用ファイルが印刷された後,試験用ファイルと関連するアプリケーシ

ョンソフトウェアを閉じる。 

7) “1部+4分”測定[手順1)〜6)]を2回実施する。それぞれの個別測定についてEFTP4分を

箇条5に従って計算する。 

8) 4.2.3に従って結果の一致度が±5 %に収まるかを判定し,必要な場合には3回目の個別測定

を実施する。 

9) EFTP4分の平均値を箇条5に従って計算する。 

必須試験について,規定の試験用ファイル一式と印刷部数とを用い,試験する装置に備わって

いる規定の印刷モードに関して,“1部”測定,“1部+30秒”測定及び“1部+4分”測定を必要

回数繰り返す。 

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4.2 

試験方法の工程 

4.2.1 

推奨試験方法の工程フローチャート 

図1−試験方法の工程フローチャート 

いいえ 

はい 

1回目及び2回目の測定を実施 

“1部+4分”試験は,分野別試験・片面・PDF

形式ファイルだけが必須である。 

印刷部数=1を設定 

FSOT及びEFTPそれぞれの平均値を計算 

“1部”試験の結果を記録 

はい 

いいえ 

1回目及び2回目の測定を実施 

3回目の測定を実施 

FSOT及びEFTPを計算 

FSOT及びEFTPを計算 

“1部+30秒”試験の結果を記録 

印刷部数=2

を設定 

測定を実施 

“1部+30秒”を満たす部数を計算 

一致度が±5 %以内か? 

3回目の測定を実施 

ESAT及びEFTPそれぞれの平均値を計算 

はい 

いいえ 

はい 

いいえ 

ESAT及びEFTPを計算 

ESAT及びEFTPを計算 

“1部+4分”を満たす部数を計算 

一致度が±5 %以内か? 

3回目の測定を実施 

EFTPの平均値を計算 

“1部+4分”試験の結果を記録 

1回目及び2回目の測定を実施 

EFTPを計算 

EFTPを計算 

一致度が±5 %以内か? 

“1部+30秒”を満たす

部数を推定できるか? 

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4.2.2 

部数の推定 

“1部+30秒”試験 

この試験は,初期部数としてN初期=2又は測定者があらかじめ推定を行うのに十分な情報をもつ場合は,

必要な部数を推定して開始することができる。N=2の測定結果で全部数印刷時間(LSOT)−第1部印刷

時間(FSOT)≧30秒の要求を満たさない場合には,必要な部数estN30秒を次の式から求め,部数として新

しいestN30秒を用いて測定を行う。次の式は,必要な部数を推定するために用いる。ここで,LSOT初期及び

FSOT初期は初期試験で得られたデータである。estN30秒の計算値は,小数点以下第1位を切り上げて整数と

する。 

+

×

=

1

)1

(

30

30

初期

初期

初期

FSOT

LSOT

N

estN

試験する部数はできる限りLSOT30秒−FSOT30秒≧30秒を満たす最小の値がよい。試験の個別測定の結果

がLSOT30秒−FSOT30秒<30秒となった場合には,部数を増やして,全ての試験を再度行う。 

注記 “1部+30秒”試験は,LSOT30秒−FSOT30秒を推定最大印刷速度(ESAT)の測定誤差を最小に

するために十分長く,かつ調整工程などによる停止を避けるために十分短くなるように考案し

た。 

“1部+4分”試験 

“1部+4分”試験はPDF形式のファイルだけが必須である。“1部+30秒”試験の測定結果を用いて“1

部+4分”試験に必要な部数estN4分を次の式から求める。ここで,LSOT30秒及びFSOT30秒は“1部+30秒”

試験で得られたデータである。estN4分の計算値は小数点以下第1位を切上げする。 

+

×

=

1

)1

(

240

30

30

30

4

FSOT

LSOT

N

estN

試験する部数は,LSOT4分−FSOT4分≧4分を満たす値がよい。試験の結果がLSOT4分−FSOT4分<4分と

なった場合は,部数を増やして,全ての試験を再度行う。 

4.2.3 

5 %一致度基準 

最初2回の個別測定結果の一致度が±5 %以内でない場合は,3回目の個別測定が必要となる。推定最大

印刷速度(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)の式は,箇条5に記載する。 

1

2

2

1

1

+

×

=

FSOT

FSOT

FSOT

一致度

1

2

2

1

1

+

×

=

ESAT

ESAT

ESAT

一致度

1

2

2

1

1

+

×

=

EFTP

EFTP

EFTP

一致度

4.3 

分野別試験 

分野別試験は,1) 事務分野試験及び2) 広告分野試験の二つに分けることができる(これらの試験用フ

ァイル一式はB.1及びB.2を参照する。)。この規格の対象となる全ての装置に対して,事務分野試験は必

須であり,第1部印刷時間,推定最大印刷速度及び実効印刷速度を測定する。広告分野試験用ファイルは,

より複雑で,印刷面積が広く,写真,階調表現,組込み要素などの画像及び図表の占める割合が多いもの

を代表している。広告分野試験は任意であり,この分野で特定な比較を行うために第1部印刷時間,推定

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最大印刷速度及び実効印刷速度を測定することに用いる。 

4.3.1 

事務分野試験 

この規格の対象となる全ての装置に対して,事務分野試験を行う。附属書Bに示されるこの試験用ファ

イル一式,印刷モード及び印刷部数の関係を表1に示す。試験方法及び測定手順は4.1及び4.2に規定す

る。分野別試験はA4サイズ及び/又はレターサイズの用紙だけを用いる。他の用紙サイズを試験する場

合は,付加機能性能試験を用いる。 

表1に“R”と記された試験用ファイル及び印刷モードについて,“1部”試験,“1部+30秒”試験及び

“1部+4分”試験を完了する。“O”と記された箇所の試験は任意である。“出荷時設定”によって,モノ

クロだけの印刷装置はモノクロ出力を行い,カラー印刷装置はカラー出力を行う。カラー装置が出荷時設

定でモノクロ出力を行う場合には,カラー出力モードを用いての試験も行う。 

表1−事務分野試験一覧表 

印刷部数 

印刷モード 

試験用ファイル 

ワード 

ファイル 

PDF形式 
ファイル 

エクセル 
ファイル 

“1部”試験 
 
印刷部数=1 

出荷時設定での片面印刷 

カラー印刷装置の場合,片面
印刷でのモノクロ印刷 

出荷時設定での両面印刷 

カラー印刷装置の場合,両面
印刷でのモノクロ印刷 

“2部”試験 
 
印刷部数=2 
(Nが推定できな
い場合,“1部+30
秒”試験のNを計
算に用いる任意試
験) 

出荷時設定での片面印刷 

カラー印刷装置の場合,片面
印刷でのモノクロ印刷 

出荷時設定での両面印刷 

カラー印刷装置の場合,両面
印刷でのモノクロ印刷 

“1部+30秒”試験 
 
印刷部数=N 

出荷時設定での片面印刷 

カラー印刷装置の場合,片面
印刷でのモノクロ印刷 

出荷時設定での両面印刷 

カラー印刷装置の場合,両面
印刷でのモノクロ印刷 

“1部+4分”試験 
 
印刷部数=N 

出荷時設定での片面印刷 

カラー印刷装置の場合,片面
印刷でのモノクロ印刷 

出荷時設定での両面印刷 

カラー印刷装置の場合,両面
印刷でのモノクロ印刷 

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4.3.2 

広告分野試験 

この規格の対象となる全ての装置に対して,広告分野試験は任意の試験である。この試験は,印刷面積

が広くより複雑な内容をもつ様々なアプリケーションソフトウェア及びファイルを用いて,装置の性能比

較を行う場合に,更なる情報を与えることを意図する。 

表2に記載されているように,“R*”(任意選択の広告分野試験を行う場合に必要である。)と記された

試験用ファイル及び印刷モードについて,“1部”試験,及び“1部+30秒”試験を実施する。“O”と記さ

れた箇所の試験は任意である。 

“出荷時設定”によって,モノクロだけの印刷装置はモノクロ出力を行い,カラー印刷装置はカラー出

力を行う。カラー装置が出荷時設定でモノクロ出力を行う場合には,カラー出力モードを用いての試験も

行う。広告分野試験を開始する前に,試験者はアプリケーションソフトウェア(例えば,InDesign及び

QuarkXPress)のファイル内容を確認し,フォント,イラストのような貼り付けられた図形,ビットマップ,

画像などのデータを構成する要素が正しく試験プラットフォームのデータ格納ディレクトリに関連付けら

れていること及び/又は試験用ファイルに組み込まれていることを確認するのがよい。この確認及び訂正

をする場合の方法は,アプリケーションソフトウェアによって異なる。アプリケーションソフトウェアの

使用者ガイドを参照する。この規格で規定している全てのデータを構成する要素及び画質特性をアプリケ

ーションソフトウェアが認識して取り込むことができない場合には,性能に影響が出て,結果は無効とな

る。 

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X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−広告分野試験一覧表 

印刷部数 

印刷モード 

試験用ファイル 

InDesign 

ファイル 

QuarkXPress

ファイル 

PowerPoint 

ファイル 

PDF形式 

ファイル 

“1部”試験 
 
印刷部数=1 

出荷時設定での片面
印刷 

R* 

R* 

R* 

R* 

カラー印刷装置の場
合,片面印刷でのモノ
クロ印刷 

出荷時設定での両面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,両面印刷でのモノ
クロ印刷 

“2部”試験 
 
印刷部数=2 
 
(Nが推定で
きない場合,
“1部+30秒”
試験のNを計
算に用いる任
意試験) 

出荷時設定での片面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,片面印刷でのモノ
クロ印刷 

出荷時設定での両面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,両面印刷でのモノ
クロ印刷 

“1部+30秒”
試験 
 
印刷部数=N 

出荷時設定での片面
印刷 

R* 

R* 

R* 

R* 

カラー印刷装置の場
合,片面印刷でのモノ
クロ印刷 

出荷時設定での両面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,両面印刷でのモノ
クロ印刷 

“1部+4分”
試験 
 
印刷部数=N 

出荷時設定での片面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,片面印刷でのモノ
クロ印刷 

出荷時設定での両面
印刷 

カラー印刷装置の場
合,両面印刷でのモノ
クロ印刷 

18 

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4.4 

付加機能性能試験 

任意の試験である付加機能性能試験は,様々な印刷機能及び後処理機能を有効とした場合の生産性の変

化を評価するのに有用な試験である。付加機能の例として,ラスタイメージプロセッサ(RIP),用紙の坪

量,用紙のサイズ,ステープル機能,穴あけ機能及び中とじ機能などがある。付加機能を有効な状態で印

刷した場合の試験結果は,印刷装置及びプリンタドライバが出荷時状態であり,付加機能を無効にした状

態で片面印刷した場合の試験結果と対比して報告する。 

2種類の8ページ付加機能試験用ファイルを提供する(様々な印刷機能を試験するために,4ページより

長い試験用ファイルが必要となるからである。試験時間の制約の中で,広範な機能を試験するために8ペ

ージからなる試験用ファイルを用いる。)。事務用PDF形式付加機能ファイルは,事務分野試験の試験用フ

ァイルから構成され,複合PDF形式付加機能ファイルは広告分野試験の試験用ファイルで構成されている

(試験用ファイルの詳細はB.3を参照する。)。 

注記1 ラスタイメージプロセッサ(RIP),メモリ構成などの生産性が向上する機能を試験する場合

は,複合PDF形式付加機能ファイルを選択するのがよい。また,印刷装置が広告分野試験用

ファイル一式を使用することを選択した場合においても,機能性能試験のためには複合PDF

形式付加機能ファイルを選択するのがよい。 

付加機能性能試験の手順 

付加機能試験は,4.1に記載の“1部”測定及び“1部+30秒”測定の試験手順に沿って,付加機能性能

試験用ファイルを用いる。 

最初に,工場出荷時状態の印刷装置及びプリンタドライバを用いて試験を完了する(基本性能印刷モー

ド試験)。基本性能印刷モード試験は,A4サイズ及び/又はレターサイズを用い片面印刷で,適切な付加

機能性能試験用ファイルを用い,付加機能を無効とした状態で1回実施すればよい(ただし,5 %一致度

基準に適合するために2回又は必要に応じて3回の個別測定を行う。)。この試験結果は,同じ試験用ファ

イルを使用する全ての付加機能試験の比較用データとして用いてよい。次に,各々の付加機能印刷モード

を有効とした状態で試験を完了する(付加機能モード試験)。 

付加機能試験に用いる試験セットの印刷部数は,基本性能印刷モード試験及び各付加機能モード試験に

対する“1部+30秒”測定の手順を満足する要求値に基づき,個別に決定する。1部中のページ数が同じ

付加機能は,基本性能印刷モードを1回だけ実施すればよい。 

注記2 基本性能印刷モードに使用する印刷部数と,それぞれの付加機能に使用する印刷部数とは異

なる場合がある。 

試験する部数はできる限りLSOT30秒−FSOT30秒≧30秒を満たす最小の値がよい。個別測定を行った結果,

LSOT30秒−FSOT30秒<30秒となった場合は,印刷部数を増やして全ての個別測定を再度行う。 

付加機能試験を大きなサイズの用紙(A3サイズ又はレジャーサイズ)で行う場合は,大きなサイズの用

紙にA4サイズ及び/又はレターサイズの試験用ファイルを2アップで印刷するのがよい。具体的には,

A3サイズの用紙にA4サイズの画像を二つ,レジャーサイズの用紙にレターサイズの画像を二つ用いる。

大きなサイズの用紙に2アップで片面印刷することは,二つのA4サイズ及び/又はレターサイズの画像

を,大きなサイズの用紙(A3サイズ又はレジャーサイズ)の一方の面に印刷するという意味である。A4

サイズ及び/又はレターサイズの用紙を用いて2アップで片面印刷する場合は,二つのA4サイズ及び/

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X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

又はレターサイズの画像を(プリンタドライバで)サイズ変更し,A4サイズ及び/又はレターサイズの用

紙の一方の面に印刷する。 

A3サイズ又はレジャーサイズの付加機能テストにおいて,A4サイズ及び/又はレターサイズの試験用

ファイルを基本性能印刷モード試験の基本性能の測定に使用した場合,A3サイズ又はレジャーサイズの結

果は,A4サイズ及び/又はレターサイズの入力画像面数で報告する。付加機能が2アップ,4アップ,画

像倍率に関する機能,用紙のサイズが混在する機能などの場合,その試験結果はA4サイズ及び/又はレ

ターサイズの入力画像面数で報告する。 

付加機能が8ページよりも多いファイルを必要とする場合は,必要に応じて二つ以上の8ページ付加機

能試験用ファイルを結合して,8ページの倍数になるような試験用ファイルを作成してよい。付加機能が1

部当たり8ページより多く必要である場合,その基本性能印刷モードの第1部印刷時間(FSOT)及び推定

最大印刷速度(ESAT)は,1部当たりの枚数を付加機能印刷モードと同じ枚数で測定する。異なる場合は,

試験報告書に明確に記載する。 

注記3 印刷装置によってはドライバのもつ制約(画像サイズの変更,画像余白設定,ページ間で画

像レイアウトを変更,又は異なる紙サイズの組合せ)から,幾つかの特殊な付加機能(例え

ば,最初は1アップでそれ以降を2アップにする。)の試験は,この規格の試験用ファイルで

は対応していない。 

注記3A 2アップとは,用紙の片面に2面分の印刷をすることをいう。 

付加機能印刷モードの試験表を“ステープル”の場合を例として,表3に示す。どの付加機能を試験す

るかは,試験を行う試験者が決定し,その付加機能を一つだけ明確に記載する。その装置に複数のステー

プル機能がある場合は,そのどれを試験したかを明確に記載する。 

表3−付加機能性能試験セット 

印刷部数 

基本性能印刷モード 

付加機能印刷モード 

試験用ファイル 

“1部”試験 

印刷部数=1 

出荷時設定での片面印刷 

ステープル 

8ページ事務用 

付加機能性能 

PDF形式ファイル 

“1部+30秒”試験 

印刷部数=N 

出荷時設定での片面印刷 

ステープル 

8ページ事務用 

付加機能性能 

PDF形式ファイル 

4.5 

任意の特殊試験 

4.3及び4.4の試験に加えて,任意の特殊試験をこの規格に沿った手順で行うことができる(分野別試験

用ファイル一式又は付加機能性能試験のPDF形式試験用ファイルを用いる。)。特殊試験の例としては,特

殊印刷(工場出荷時の状態でないもの)及び画像品質の設定での印刷(例えば,速度優先モード若しくは

高画質モード,標準以外のプリンタドライバでの測定,又は様々な印刷付加機能の測定)がある。 

データの計算及びデータの扱い 

測定中に各個別測定の時間間隔を記録する。個別測定の時間を記録する表形式はこの目的に有用である

が,必ずしも必要ではない。 

秒単位で測定する時間間隔は,小数点以下第2位まで記録する。第1部印刷時間(FSOT),推定最大印

刷時間(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)の最終結果は,平均した結果の数値の小数点以下第2位を丸

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める。より短い時間又はより速い速度になるように丸めることは許されない。 

平均値は測定した第1部印刷時間(FSOT),推定最大印刷時間(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)を

平均することによって求める。時間を平均して結果を計算するのではない。例えば,1回目の個別測定で

ESAT1を計算し,2回目の個別測定でESAT2を計算し(必要ならば3回目の個別測定を行う。),その結果

のESAT1とESAT2とを平均して(必要ならばESAT3を加味して)ESAT平均を求める。 

平均した結果の推定最大印刷速度(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)は,ipmで次のように表示する。 

a) 10 ipm未満の場合,小数点以下第2位で切り捨て,有効数字2桁で示す(X.X)。 

b) 10 ipm〜99 ipmの場合,次の方法のいずれかで示す。 

1) 小数点以下第1位で切り捨て,有効数字2桁で示す(XX)。 

2) 小数点以下第2位で切り捨て,有効数字3桁で示す(XX.X)。 

c) 100 ipm以上の場合,小数点以下第1位で切り捨て,有効数字3桁で示す(XXX)。 

例えば,測定し平均値として計算した推定最大印刷速度(ESAT)の値が34.99の場合,報告書に記載す

る値は34.9 ipm又は34 ipmであり,35 ipmではない。 

5.1 

分野別試験 

5.1.1 

“1部”試験 

FSOT1部及びEFTP1部は,“1部”試験のデータから計算する。 

4ページファイルを用いて1部測定するとき: 

FSOT1部=t1(秒) 

1

1

240

FSOT

EFTP=

(ipm) 

5.1.2 

“1部+30秒”試験 

ESAT30秒及びEFTP30秒は,“1部+30秒”試験のデータから計算する。 

4ページファイルを用いてN30秒部測定するとき: 

第1部印刷時間=FSOT30秒=t1(秒) 

全部数印刷時間=LSOT30秒=tn(秒) 

N30秒=部数 

240=4ページ×60秒 

ESAT30秒及びEFTP30秒は,“1部+30秒”試験データを用いて次の式から計算する。 

30

30

30

30

)1

(

240

FSOT

LSOT

N

ESAT

×

=

 (ipm) 

30

30

30

240

LSOT

N

EFTP

×

=

 (ipm) 

t1 

t0=0 

t0=0 

t1 

tn 

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5.1.3 

“1部+4分”試験 

EFTP4分は,“1部+4分”試験のデータから計算する。 

4ページファイルを用いてN4分部測定するとき: 

全部数印刷時間=LSOT4分=tn(秒) 

N4分=部数 

240=4ページ×60秒 

4

4

4

240

LSOT

N

EFTP

×

=

 (ipm) 

5.2 

付加機能性能試験 

付加機能性能試験それ自身は任意試験である。実施する場合には,基本印刷モード測定及びそれぞれの

付加機能性能測定において,“1部”試験及び“1部+30秒”試験が必要となる。 

5.2.1 

“1部”試験 

FSOT1部は1部の試験のデータから計算する。 

8ページファイルを用いて1部測定するとき: 

FSOT1部=t1(秒) 

5.2.2 

“1部+30秒”試験 

ESAT30秒は“1部+30秒”試験のデータから計算する。 

8ページファイルを用いてN30秒部測定するとき: 

第1部印刷時間=FSOT30秒=t1(秒) 

全部数印刷時間=LSOT30秒=tn(秒) 

N30秒=部数 

480=8ページ×60秒 

ESAT30秒は“1部+30秒”試験のデータから次の式で計算する。 

ESAT30秒

30

30

30

)1

(

480

FSOT

LSOT

N

×

=

 (ipm) 

注記1 上の式の単位は,1分当たりに印刷される画像面数である。したがって,A4サイズ及び/又

はレターサイズ用紙に出力した2アップ縮小画像,又は,A3サイズ及び/又はレジャーサイ

ズ用紙に出力した2アップA4サイズ及び/又はレターサイズ画像のように,1ページに1

画像以上が印刷される場合にも,上の式は変わらない。 

t0=0 

tn 

t1 

t0=0 

t1 

tn 

t0=0 

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各々の付加機能性能試験について,基本印刷モードに対する付加機能印刷モードの性能率(%)を次の

とおり計算する。 

付加機能性能率ESAT=

100

×

基本

付加機能

ESAT

ESAT

(%) 

付加機能性能率FSOT=

100

×

付加機能

基本

FSOT

FSOT

(%) 

注記2 FSOTの性能率(%)の場合,より時間のかかる付加機能のFSOTが100未満の%となるよう

に基本性能値の時間を分子とする。これはESATの性能率(%)との整合性を維持するもの

である。FSOT基本及びESAT基本は,片面A4サイズ及び/又はレターサイズの用紙を使用

し,基本印刷モードから得る基本性能値のFSOT及びESATの測定データを使用する。 

必須記録情報には,使用したA4サイズ及び/又はレターサイズ(並びに,追加のA3サイズ及び/又は

レジャーサイズ)の用紙情報及び使用した“事務用”(又は“複合”)のファイル情報を含む。 

結果の表示 

6.1 

分野別試験 

最小限必要とする結果の表示には,表4又は表6に示す要約報告を含むことが必須である。要約報告に

は,一つの分野試験又は付加機能性能試験を行った各々の印刷モードでの第1部印刷時間(FSOT)及び推

定最大印刷速度(ESAT)の全ファイルの平均値を含む。印刷モードの印刷設定(標準設定,標準設定から

の変更点及び任意試験の設定)が分かるようにする。カラー印刷装置においては,モノクロ印刷モードの

データを得るのに用いた印刷設定を含む。 

全体報告には,表5又は表7に示すように,それぞれの個別試験用ファイルについて第1部印刷時間

(FSOT),推定最大印刷速度(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)の数値を報告する。試験プラットフォ

ームの設定状況を,附属書Aに示すように報告する。 

報告を必要とする試験用ファイルを試験しなかった場合又は印刷に失敗した場合,この規格に基づく報

告を行うことは許されない。一つの分野別試験の全ファイルの結果から得たデータを用い,第1部印刷時

間(FSOT),推定最大印刷速度(ESAT)及び実効印刷速度(EFTP)の平均値を計算する。例えば,事務

分野要約報告において報告する第1部印刷時間(FSOT)及び推定最大印刷速度(ESAT)の平均値は,ワ

ード,エクセル及びPDF形式ファイルの試験用ファイルによる結果の平均値である。これらのファイルか

ら,例えばエクセル試験用ファイルを除いた,ワード及びPDF形式ファイルだけの平均値を用いることは

許されない。 

要約報告を,販売資料又は包装に用いられる“公表”に使用するのがよい。この際,要約報告の全体を

表示するのがよい。要約報告内容の一部を省略することができるが,アプリケーションソフトウェア個別

の結果を追加する場合にはそれに対応するFSOT,ESAT又はEFTPの平均値を含むことが必要である。詳

細報告の入手先又は問合せ先情報,及びJIS X 6940によって求めたという記載が必要である。 

ただし,“公表”を行う場合は,最低限,次に示す3項目を含める。 

(1) 生産性をJIS X 6940によって求めたという記載 

(2) 標準設定片面印刷での分野別試験の推定最大印刷速度(ESAT)の平均値 

(3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報 

要約報告及び全体報告の表を含む全ての報告には,詳細報告の入手先又は報告を得るための問合せ先情

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報を含める。要約報告及び全体報告の例を次に示す。試験の実施及び報告が必要な項目については“R”,

任意の項目については“O”及び特定の試験を行ったときだけ報告が必要な項目については“R*”とした。

要約報告及び全体報告の一例を附属書Cに示す(表C.1〜表C.4参照)。詳細報告の一例は附属書Eに含

む(表E.1〜表E.6参照)。印刷装置の設定記録の典型的な一例を附属書Dに示す(表D.1〜表D.3参照)。 

例えば,印刷装置が両面印刷機能をもたないためにデータがとれない場合には,要約報告から両面に関

する表の行を削除することができる。行を削除する代わりに,“無し”と記載することもできる。同様に,

モノクロだけの印刷装置は,カラー印刷モードのデータを報告する必要はない。 

要約報告及び全体報告には試験結果の平均値を報告する。平均値(FSOT又はESAT)は,全ての試験結

果を加算した値を,試験数で除して算出する。報告する数値は,必要に応じて小数点以下何桁でもよい。

端数を丸めることができるが,より短い時間又はより速い速度に丸めることはできない。測定値及び報告

値は,実際の測定よりもよい数値となる(より大きなESAT及びEFTPとなるか,又はより小さなFSOT

となる)ことがないようにする。例として,34.99 ipmが測定値及び平均値である場合,報告には34.9 ipm

又は34 ipmとすることはできるが,35 ipmとして報告することはできない。 

表4−事務分野要約報告 

事務分野試験 

第1部印刷時間 

(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度 

(ESAT) 

(ipm) 

デフォルト印刷 

(カラー装置でのカラー印刷, 
モノクロ装置でのモノクロ印刷) 

片面印刷 

両面印刷 

モノクロ印刷 

(カラー装置での任意試験) 

片面印刷 

両面印刷 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報を記載する。 
“R”項目は,印刷装置に該当する機能が備わっているときには,報告することが必須となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

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表5−事務分野全体報告 

事務分野試験用 

ファイル 

第1部 

印刷時間 

実効印刷速度(EFTP) 

(ipm) 

推定最大 
印刷速度 

(FSOT) 

(秒) 

1部 

1部+30秒 

(部数) 

1部+4分 

(部数) 

(ESAT)

(ipm) 

デフォルト印刷 

 
(カラー装置で
のカラー印刷,モ
ノクロ装置での
モノクロ印刷) 

片面印刷−PDF 

#部 

#部 

片面印刷−ワード 

#部 

#部 

片面印刷−エクセル 

#部 

#部 

片面印刷平均 

− 

− 

− 

両面印刷−PDF 

#部 

#部 

両面印刷−ワード 

#部 

#部 

両面印刷−エクセル 

#部 

#部 

両面印刷平均 

− 

− 

− 

モノクロ印刷 

 
(カラー装置で
の任意試験) 

片面印刷−PDF 

R* 

R* 

R* 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−ワード 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−エクセル 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷平均 

R* 

− 

− 

− 

R* 

両面印刷−PDF 

R* 

R* 

R* 

R* 

#部 

#部 

両面印刷−ワード 

R* 

R* 

#部 

#部 

両面印刷−エクセル 

R* 

R* 

#部 

#部 

両面印刷平均 

R* 

− 

− 

− 

R* 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報を記載する。 
“R”項目は,印刷装置に該当する機能が備わっているときには,報告することが必須となる項目である。 
“R*”は,任意項目である“カラー装置でのモノクロ設定印刷”を行う場合に,報告が必要となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

表6−広告分野要約報告 

広告分野試験 

第1部印刷時間(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度(ESAT) 

(ipm) 

デフォルト印刷 

(カラー装置でのカラー印刷,モノ
クロ装置でのモノクロ印刷) 

片面印刷 

R* 

R* 

両面印刷 

モノクロ印刷 

(カラー装置での任意試験) 

片面印刷 

両面印刷 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報を記載する。 
“R”項目は,印刷装置に該当する機能が備わっているときには,報告することが必須となる項目である。 
“R*”は,任意項目である“カラー装置でのモノクロ設定印刷”を行う場合に,報告が必要となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

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表7−広告分野全体報告 

広告分野試験用ファイル 

第1部 

印刷時間 

(FSOT) 

実効印刷速度(EFTP) 

(ipm) 

推定最大 
印刷速度 

(ESAT) 

(秒) 

1部 

1部+30秒 

(部数) 

1部+4分 

(部数) 

(ipm) 

デフォルト印刷 

 
(カラー装置で
のカラー印刷,
モノクロ装置で
のモノクロ印
刷) 

片面印刷−PDF 

R* 

R* 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−PowerPoint 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−QuarkXPress 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−InDesign 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷平均 

R* 

− 

− 

− 

R* 

両面印刷−PDF 

#部 

#部 

両面印刷−PowerPoint 

#部 

#部 

両面印刷−QuarkXPress 

#部 

#部 

両面印刷−InDesign 

#部 

#部 

両面印刷平均 

− 

− 

− 

モノクロ印刷 

 
(カラー装置で
の任意試験) 

片面印刷−PDF 

R* 

R* 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−PowerPoint 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−QuarkXPress 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷−InDesign 

R* 

R* 

#部 

#部 

片面印刷平均 

R* 

− 

− 

− 

R* 

両面印刷−PDF 

#部 

#部 

両面印刷−PowerPoint 

#部 

#部 

両面印刷−QuarkXPress 

#部 

#部 

両面印刷−InDesign 

#部 

#部 

両面印刷平均 

− 

− 

− 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報を記載する。 
“R”項目は,印刷装置に該当する機能が備わっているときには,報告することが必須となる項目である。 
“R*”は,任意項目である“カラー装置でのモノクロ設定印刷”を行う場合に,報告が必要となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

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6.2 

付加機能性能試験 

要約報告において最低限必要な結果として,表8に示すように,基本印刷モード試験結果に対する付加

機能性能試験結果の比率を示す値(付加機能性能率)を含める。付加機能性能率の計算に用いる基本印刷

データである基本機能第1部印刷時間(FSOT基本)及び基本機能推定最大印刷速度(ESAT基本)は,A4サ

イズ及び/又はレターサイズの用紙を使用した両面印刷ではなく,標準設定の片面印刷試験結果の値を使

用する。印刷モードの印刷設定(標準設定,標準設定からの変更点及び任意試験の設定)が分かるように

する。カラー印刷装置においては,モノクロ印刷モードのデータを得るのに用いた印刷設定を記載する。 

全体報告においては,個々の試験用ファイルでの比率とともに,第1部印刷時間(FSOT)及び推定最大

印刷速度(ESAT)の数値も表9に示すように報告する。試験プラットフォームについては,附属書Aに

示すように報告する。 

全ての結果の表示には,詳細報告の入手先又は報告を得るための問合せ先情報を含むことが必須である。

要約報告及び全体報告の表の一例を次に示す。要約報告及び全体報告の記載例を附属書Cに含む(表C.5

〜表C.7参照)。印刷装置の典型的な一例を附属書Dに示す(表D.1〜表D.3参照)。 

表8−付加機能性能試験要約報告 

(一例としてステープル機能の試験結果を示す。付加機能はこれに限らない。) 

印刷モード 

(事務用付加機能性能試験 

PDF形式の試験用ファイル) 

付加機能性能率 

ステープル機能 

部印刷時間

機能第

部印刷時間

基本第

1

1

機能

基本

FSOT

FSOT

基本推定最大印刷速度

機能推定最大印刷速度 

基本

機能

ESAT

ESAT

デフォルト印刷 

(カラー装置でのカラー印刷, 

モノクロ装置でのモノクロ印刷) 

片面印刷 

R* 

R* 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報を記載する。 
“R*”は,任意項目である付加機能試験を行う場合に,報告が必要となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

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表9−付加機能性能試験全体報告 

(一例として,事務用付加機能性能試験PDF形式の試験用ファイルを用いた 

ステープル機能の試験結果を示す。機能設定はこれに限らない。) 

印刷モード 

事務用 

付加機能性能試験 

PDF形式の試験用ファイル 

(8ページ) 

基本機能印刷 

機能性能 

ステープル機能 

基本 

第1部 

印刷時間 

FSOT基本 

基本 

推定最大 
印刷速度 

ESAT基本 

機能 

第1部 

印刷時間 

FSOT機能 

機能 

推定最大 
印刷速度 

ESAT機能 

第1部 

印刷時間 

機能

基本

FSOT

FSOT

推定最大 
印刷速度 

基本

機能

ESAT

ESAT

デフォルト印刷 

(カラー装置での 

カラー印刷, 

モノクロ装置での 

モノクロ印刷) 

片面 
印刷 

R* 

R* 

R* 

R* 

R* 

R* 

1) 印刷装置及びドライバ設定を記載する。 
2) カラー装置においてモノクロ出力用に用いた印刷装置設定を記載する。 
3) 試験開始及び試験終了の日時を記載する。 
“R*”は,任意項目である付加機能試験を行う場合に,報告が必要となる項目である。 
“O”項目は,試験の実施が任意となる項目である。 

28 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

印刷生産性測定に影響を及ぼす可能性のある 

試験プラットフォームのシステム要素 

適用範囲 

附属書Aの目的は,次の二つである。第1の目的は,試験プラットフォームが印刷生産性の測定結果全

般に影響することを示すことである。第2の目的は,測定結果の再現性を高めるため,分かりやすく,後々

記録として残すことができるような試験プラットフォームのシステム要素の一覧を規定することである。 

試験プラットフォームシステム要素一覧 

A.1 ハードウェア 

a) 試験プラットフォームのハードウェアは,測定対象の印刷装置に直接接続された専用のコンピュ

ータ(コンピュータ本体,表示装置,キーボード及びマウス)だけで構成する。 

b) 次の属性を記録する。 

b.1) コンピュータ 

 ・製造業者 

 ・型番 

b.2) プロセッサ 

 ・製造業者 

 ・名称 

 ・プロセッサファミリ 

 ・型番 

b.3) システムチップセット 

 ・製造業者 

 ・型番 

b.4) マザーボード 

 ・製造業者 

 ・型番 

 ・BIOS及び版数 

b.5) システムメモリ 

 ・製造業者 

 ・形式 

 ・合計メモリ容量 

 ・速度 

 ・型番 

b.6) ハードディスクドライブ及びハードディスクコントローラ 

 ・製造業者 

 ・型番 

29 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 ・ディスク容量 

 ・ドライブ数 

 ・回転数 

ハードディスクコントローラがアダプタカードの場合は,その製造業者及び型番を記録す

る。 

b.7) ビデオコントローラ 

 ・製造業者 

 ・型番 

 ・メモリ容量(システムメモリと共有であるか又は独立であるかを区別する。) 

b.8) 光学式ドライブ 

 ・製造業者 

 ・型番 

 ・インタフェース 

b.9) キーボード及びマウスインタフェース 

A.2 ソフトウェア 

a) 試験プラットフォームのソフトウェアはオペレーティングシステム,試験用ファイル一式の印刷

に必要なアプリケーションソフトウェア及び試験対象の装置用のプリンタドライバに限定する。 

b) 次の属性を記録する。 

b.1) オペレーティングシステム 

 ・製造業者 

 ・名称及び版数 

 ・サービスパック又はパッチレベル 

b.2) 印刷のための各アプリケーションソフトウェアそれぞれについて 

 ・製造業者 

 ・名称及び版数 

 ・サービスパック又はパッチレベル 

b.3) プリンタドライバ 

 ・製造業者 

 ・名称及び版数 

 ・サービスパック又はパッチレベル 

b.4) 試験用ファイルの格納場所 

 (例えば,ハードディスクドライブ又は光学式ドライブ) 

A.3 試験プラットフォームと印刷装置の接続 

a) 試験プラットフォームは,試験対象の印刷装置と(例えば,USB又はネットワークによって)直

接接続する。他の印刷装置は試験プラットフォームに接続しない。また,試験対象の印刷装置と

同じ接続経路で他の装置を接続しない。 

b) 次の属性を記録する。 

b.1) インタフェース種類 

30 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b.2) 接続がシステムボード上のインタフェースか,又はアダプタカードによるインタフェースか

を識別する 

 (アダプタカードであれば製造業者及び型番を記録する。) 

b.3) USBの場合 

 ・USB規格(例 1.1又は2.0) 

 ・同じUSBチャネルに接続された他の装置 

b.4) ネットワークの場合 

 ・速度と構成 

 ・MTU設定 

 ・ハブ(製造業者,型番及び設定) 

 ・TCP/IPパラメタ(接続プロトコル及びTCPウインドウサイズ) 

A.4 試験プラットフォームシステム要素の記録例 

a) USB接続 

コンピュータ:自作システム(型番無し) 

プロセッサ:インテル Pentium 4 540 

システムチップセット:インテル 945P Express 

システムボード:インテル D945PSN,インテル BIOS SN94510J.86A 

システムメモリ: 1 GB 533 MHz DDR2 Kingston 型番 KVR533D2N4/1G 

ハードディスクドライブ及びハードディスクコントローラ: 

シーゲート Barracuda 7200.9,250 MB, 

7200 RPM,キャッシュ8MB,SATA/300 

(システムボードコントローラ) 

ビデオコントローラ:Connect 3D Radeon X300,256 MB,PCI Express 

(独立したコントローラ及び独立したメモリ) 

光学式ドライブ:パイオニア 16x DVDRW DVR-R1A5PK 

キーボード及びマウス インタフェース:PS/2 

USB:システムボード USB コントローラ,USB 2.0 

他にはUSBに接続された装置はない。 

b) ネットワーク接続 

コンピュータ:自作システム(型番無し) 

プロセッサ:インテル Pentium 4 540 

システムチップセット:インテル 945P Express 

システムボード:インテル D945PSN,インテル BIOS SN94510J.86A 

システムメモリ:1 GB 533 MHz DDR2 Kingston 型番 KVR533D2N4/1G 

ハードディスクドライブ及びハードディスクコントローラ: 

シーゲート Barracuda 7200.9,250 MB, 

7200 RPM,キャッシュ8MB, SATA/300 

(システムボードコントローラ) 

ビデオコントローラ:Connect 3D Radeon X300,256 MB,PCI Express 

31 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(独立したコントローラ及び独立したメモリ) 

光学式ドライブ:パイオニア 16x DVDRW DVR-R1A5PK 

キーボード及びマウス インタフェース:PS/2 

ネットワークインタフェース:システムボードネットワークコントローラ,100BaseTX, 

MTU=1 500 

ネットワーク構成:3Com SuperStack 3 Switch 4226T,全2重,TCP Port 9100, 

ウインドウサイズ=128 

c) ソフトウェア 

オペレーティングシステム:Microsoft Windows XP SP2 

(全ての性能に関する設定は標準設定である。) 

印刷のためのアプリケーションソフトウェア: 

Microsoft Office Word 2003 SP2 

Microsoft Office Excel 2003 SP2 

Microsoft Office PowerPoint 2003 SP2 

Adobe Reader 7.0.1 

プリンタドライバ:PCL XT-6200 v8.3.1 

試験用ファイルの格納場所:ハードディスクドライブ 

32 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

試験用ファイル一式 

B.1 事務分野の試験用ファイル一式 

● 

アプリケーションソフトウェアは,Adobe Readerと同様にMicrosoft Office及びワード・エクセ

ルの互換品を含む。 

● 

ファイルは,文字,画像及びグラフを含み,事務環境で一般的なアプリケーションソフトウェ

アを反映する。このファイルは,アプリケーションソフトウェアのクリップアート,埋め込ま

れた図,取り込まれた画像,大きな又は多色の階調ファイル,及びグラフ又は画像に重なった

文字を含めてよい。 

● 

ファイルは,透明な要素又は高解像度の画像又は写真を含んではならない。 

● 事務分野の試験用ファイルの各々は,4枚のA4サイズ及び/又はレターサイズのページをもつ。

各々のA4サイズ及び/又はレターサイズの(印刷できる情報をもった)画像寸法は,A4サイ

ズ及び/又はレターサイズの用紙上に(画像欠けのない)近似寸法の画像を印刷する目的で,

254 mm×184.4 mm(10インチ×7.26インチ)以下とする。印刷装置の設定時に,余白設定が

大きすぎて印刷する画像の欠けがないように注意が必要である。 

● 

試験用ファイル一式はA4サイズ用紙に適したもの及びレターサイズ用紙に適したものの2種

類がある。 

● 

事務分野の試験用ファイル一式は,次の三つのファイルである。 

・ 4ページ構成のワードファイル(カラー及びモノクロ印刷) 

・ 4ページ構成のエクセルファイル(カラー及びモノクロ印刷),600 dpiに設定されたグラフ

を含む。 

・ 4ページ構成のPDF形式ファイル(カラー及びモノクロ印刷) 

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33 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

PDF形式 
ファイル 

ワード 
ファイル 

エクセル 
ファイル 

図B.1−事務分野の試験用ファイル一式 

34 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.2 広告分野の試験用ファイル一式 

● 

アプリケーションソフトウェアは,Microsoft PowerPoint及び互換品,Adobe Reader(PDF),事

務環境で印刷文書を作成するのに用いるAdobe InDesign及びQuarkXPressのような文書デザイ

ンのアプリケーションソフトウェアを含む。全体として,広告分野の試験用ファイル一式は,

事務分野の試験用ファイル一式よりも複雑で印刷領域が広く,画像が多い。それは事務所での

印刷で使用する,高負荷のアプリケーションソフトウェアを反映している。 

● 

ファイルは,文字,画像及びグラフが混在している。 

● 

ファイルは,アプリケーションソフトウェアのクリップアート,埋め込まれた図,取り込まれ

た画像,大きな又は多色の階調ファイル,グラフ又は画像に重なった文字,及び,透明な要素

又は高解像度の画像又は写真を含む。 

● 

グラフ内容の制限はない。高解像度の写真を含む画像要素はページの(余白を除いた)全領域

の寸法にできる。 

● 

広告分野の試験用ファイルは,4枚のA4サイズ及び/又はレターサイズのページをもつ。A4

サイズ及び/又はレターサイズの各ページの(印刷できる情報をもった)画像寸法は,A4サイ

ズ及び/又はレターサイズの用紙上に(画像欠けがなく)近似寸法の画像を印刷する目的で,

254 mm×184.4 mm(10インチ×7.26インチ)以下とする。印刷装置の設定時に,余白設定が

大きくなりすぎて印刷する画像の欠けがないように注意が必要である。 

● 

試験用ファイル一式は,A4サイズ用紙に適したもの及びレターサイズ用紙に適したものの2

種類がある。 

● 

広告分野の試験用ファイル一式は,次の四つのファイルである。 

・ 4ページ構成のPowerPointファイル(カラー) 

・ 4ページ構成のQuarkXPressファイル(カラー) 

・ 4ページ構成のInDesignファイル(カラー) 

・ 4ページ構成のPDF形式ファイル(カラー) 

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35 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

広告分野 
PowerPoint 
ファイル 

広告分野 
QuarkXPress
ファイル 

広告分野 
InDesign 
ファイル 

広告分野 
PDF形式 
ファイル 

図B.2−広告分野の試験用ファイル一式 

36 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3 付加機能性能のPDF形式試験用ファイル 

● 

この試験用ファイルは,様々なアプリケーションソフトウェア(ワード,エクセル,PowerPoint,

InDesign及びQuarkXPress)によって作成したものを,共通のPDF形式のファイルに変換して

印刷ファイルに結合したものである。 

● 

全体として,その内容は事務分野及び広告分野の試験用ファイルの混合に似ている。しかし,

一つのPDF形式ファイルとして使用し,異なる付加機能性能が印刷装置の生産性に及ぼす効果

の相対的な比較を可能としている(A3サイズ及び/又はレジャーサイズの用紙,質量又は種類

の異なった用紙,両面印刷,2アップ印刷,4アップ印刷,ステープル,穴あけ,中とじ,折り

畳み,裁断,積載,小冊子作成,様々な入力用紙搬送装置,異なるRIP及びドライバ構成,並

びにそれら付加機能性能の組合せ)。 

● 

付加機能性能の二つの試験用ファイルは,各々8枚のA4サイズ及び/又はレターサイズのペー

ジをもつ。各々のA4サイズ及び/又はレターサイズの(印刷できる情報をもった)画像寸法

は,A4サイズ及び/又はレターサイズの用紙上に(画像欠けがなく)近似寸法の画像を印刷す

る目的で,254 mm×184.4 mm(10インチ×7.26インチ)以下となっている。印刷装置の設定

時に,余白設定が大きくなりすぎて印刷する画像の欠けがないよう注意が必要である。 

● 

試験用ファイルはA4サイズ用紙に適したもの及びレターサイズ用紙に適したものの2種類が

ある。 

● 

付加機能性能の試験用ファイルは,次の二つのファイルである。 

・ 8ページ構成の事務用の付加機能性能試験のPDF形式ファイルは,事務分野試験の4ペー

ジ構成のPDF形式ファイルを2回繰り返して単一のファイルに作ったものである。 

・ 8ページ構成の複雑な付加機能性能試験用のPDF形式ファイルは,広告分野試験のPDF形

式ファイルから4ページ,広告分野試験のPowerPointファイルから2ページ,InDesignフ

ァイルから1ページ,及びQuarkXPressファイルから1ページを結合したファイルである。 

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37 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

事務用付加
機能性能試

験PDF形式

ファイル 

複雑な付加
機能性能試

験PDF形式

ファイル 

図B.3−付加機能性能のPDF形式試験用ファイル 

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38 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

報告の表示 

C.1 要約報告 

表C.1−要約報告例1 

カラー装置での事務分野試験 

第1部印刷時間 

(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度 

(ESAT) 

(ipm) 

カラー印刷 

片面印刷 

15.3 

22.8 

両面印刷 

30.1 

15.2 

モノクロ印刷 

片面印刷 

12.7 

29.4 

両面印刷 

25.2 

21.5 

注記1 全ての試験とも,印刷装置及びプリンタドライバの設定はデフォルトの設定のままとした。 
注記2 ただし,モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ印刷”とした。 
注記3 詳細報告は,URL:XXXX.XXXXに掲載した。 

表C.2−要約報告例2 

モノクロ装置での事務分野試験 

第1部印刷時間(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度

(ESAT) 

(ipm) 

モノクロ印刷 

片面印刷 

10.4 

32.5 

両面印刷 

16.1 

29.6 

注記1 全ての試験とも,印刷装置及びプリンタドライバの設定はデフォルトの設定のままとした。 
注記2 ただし,モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ印刷”とした。 
注記3 詳細報告は,URL:XXXX.XXXXに掲載した。 

表C.3−要約報告例3 

カラー装置での事務分野試験 

第1部印刷時間

(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度

(ESAT) 

(ipm) 

カラー印刷 

片面印刷 

 60.5 

18.9 

両面印刷 

126.2 

12.6 

モノクロ印刷 

片面印刷 

 35.3 

26.1 

両面印刷 

 74.8 

18.8 

注記1 全ての試験とも,印刷装置及びプリンタドライバの設定はデフォルトの設定のままとした。 
注記2 ただし,モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ印刷”とした。 
注記3 詳細報告は,URL:XXXX.XXXXに掲載した。 

製造業者は装置包装及び装置の性能表に要約報告の一部を選択して宣伝することができる。また,

“ipm”だけでなく“ppm”を用いることも認められる。 

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39 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C.2 事務分野での全体報告 

表C.4−事務分野の全体報告の例 

事務分野試験用 

ファイル 

第1部 

印刷時間

(FSOT) 

(秒) 

実効印刷速度(EFTP) 

(ipm) 

推定最大印

刷速度

(ESAT) 

(ipm) 

1部 

1部+30秒 

(部) 

1部+4分 

(部) 

デフォルト印刷 

 
(カラー装置の場合は
カラー印刷,モノクロ装
置の場合はモノクロ印
刷) 

片面−PDF形式 

18.6 

12.9 

18.2 

20.4 

22.8 

(3部) 

(23部) 

片面−ワード 

12.7 

無し 

20.7 

無し 

21.8 

(3部) 

無し 

片面−エクセル 

14.7 

無し 

20.6 

無し 

23.8 

(3部) 

無し 

片面印刷平均 

15.3 

無し 

19.8 

無し 

22.8 

両面−PDF形式 

31.1 

7.7 

 5.2 

無し 

14.1 

(3部) 

無し 

両面−ワード 

29.7 

無し 

無し 

無し 

18.5 

両面−エクセル 

29.6 

無し 

無し 

無し 

13.1 

両面印刷平均 

30.1 

無し 

無し 

無し 

15.2 

モノクロ印刷 

 
(カラー装置での任意
試験) 

片面−PDF形式 

14.5 

16.6 

22.7 

24.3 

27.8 

(3部) 

(23部) 

片面−ワード 

12.7 

無し 

25.5 

無し 

30.9 

(3部) 

無し 

片面−エクセル 

10.8 

無し 

26.5 

無し 

29.4 

(3部) 

無し 

片面印刷平均 

12.7 

無し 

24.9 

無し 

29.4 

両面−PDF形式 

23.8 

無し 

 4.0 

無し 

20.4 

(3部) 

無し 

両面−ワード 

26.1 

無し 

無し 

無し 

24.6 

両面−エクセル 

25.6 

無し 

無し 

無し 

19.4 

両面印刷平均 

25.2 

無し 

無し 

無し 

21.5 

注記1 全ての印刷装置及びプリンタドライバの設定はデフォルトの設定のままとした。 
注記2 モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ印刷”とした。 

C.3 付加機能性能試験報告 

基本印刷(FSOT及びESAT)は,A4サイズ及び/又はレターサイズの用紙を使用した片面印刷での印

刷試験の値を使用する。この例では,全8ページの事務用付加機能性能試験用ファイルを使用した(使用

する付加機能試験用ファイルを,要約報告と全体報告の両方において明記する。)。 

試験を行った付加機能性能試験は,次のとおりである。 

a) レターサイズの用紙に4アップの両面印刷を行った(したがって,印刷に使用した全8ページのファ

イルセットの1部が4アップの両面印刷によってレターサイズの用紙の1シートとして出力されてい

る。)。 

b) レジャーサイズの用紙に2アップの両面印刷を行い,ステープル止めを行った(したがって,出力さ

れたのは2アップの両面印刷が行われたレジャーサイズの用紙2シートで,これらがステープル止め

されている。)。 

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40 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 ここで報告されるipmは,レターサイズの寸法である原稿画像を基準にした単位である。 

表C.5−要約報告例 

(基本印刷には,事務用付加機能性能試験用ファイルを使用する。) 

付加機能 

付加機能性能率 

第1部印刷時間 

機能

基本

FSOT

FSOT

推定最大印刷速度 

基本

機能

ESAT

ESAT

4アップで,レターサイズの用紙
に両面印刷 

67 % 

249 % 

2アップで,レジャーサイズの用
紙に両面印刷し,ステープル止め 

72 % 

85 % 

注記1 付加機能を選択した以外の全ての印刷装置及びプリンタドライバの設定は,デフォルトの設定

のままとした。 

注記2 詳細報告は,URL:XXXX.XXXXに掲載した。 

表C.6−全体報告例 

(基本印刷には,事務用付加機能性能試験用ファイルを使用する。) 

基本印刷試験結果 

第1部印刷時間 

(FSOT1部) 

(秒) 

推定最大印刷速度 

(ESAT1部+30秒) 

(ipm) 

レターサイズの用紙に片面印刷 

1回目 

50.72 

32.38 

4部 

レターサイズの用紙に片面印刷 

2回目 

51.42 

32.02 

4部 

レターサイズの用紙に片面印刷 

平均値 

51.07 

32.2 

4部 

注記1 付加機能を選択した以外の全ての印刷装置及びプリンタドライバの設定は,デフォルトの設定のままとし

た。 

注記2 事務用付加機能試験用ファイル(8ページ)でテストを実施した。 

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41 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表C.7−機能性能試験結果例 

(事務用付加機能性能試験用ファイルを使用する。) 

付加機能性能試験結果 

第1部 

印刷時間 

(FSOT1部) 

(秒) 

推定最大印刷 

速度 

(ESAT1部+30秒) 

(ipm) 

第1部 

印刷時間 

機能

基本

FSOT

FSOT

推定最大 
印刷速度 

基本

機能

ESAT

ESAT

レターサイズの用紙に両面印刷,

1回目 

60.35 

26.99 

3 部 

レターサイズの用紙に両面印刷,

2回目 

59.67 

26.53 

3 部 

レターサイズの用紙に両面印刷,

平均値 

60.01 

26.76 

85.1 % 

83.1 % 

3部 

4アップで,レターサイズの用紙

に両面印刷,1回目 

75.42 

80.17 

7部 

4アップで,レターサイズの用紙

に両面印刷,2回目 

76.46 

80.35 

7部 

4アップで,レターサイズの用紙

に両面印刷,平均値 

75.94 

80.26 

67.25 % 

249 % 

7部 

2アップで,レジャーサイズの用

紙に両面印刷して,ステープル止

め,1回目 

69.71 

27.45 

3部 

2アップで,レジャーサイズの用

紙に両面印刷して,ステープル止

め,2回目 

70.33 

27.38 

3部 

2アップで,レジャーサイズの用

紙に両面印刷して,ステープル止

め,平均値 

70.02 

27.41 

72.93 % 

85.12 % 

3部 

注記1 付加機能を選択した以外の全ての印刷装置及びプリンタドライバの設定は,デフォルトの設定のままとし

た。 

注記2 事務用付加機能試験用ファイル(8ページ)でテストを実施した。 

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42 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(参考) 

印刷装置情報及び試験設定の記録例 

この附属書は,印刷装置情報及び試験設定の記録及び報告について例示する。これらの記録は全体報告

に含める。 

表D.1−印刷装置情報の記録例 

試験開始日時 

2007年7月20日 午前11:00 

試験者 

×××××× 

装置名称・型番 

XT-6200 

カラー・モノクロ 

カラー印刷装置 

構成(付加装置) 

両面印刷機構,大容量フィーダ 

コントローラ 

×××××× 

気温・相対湿度  

23 °C,45 % 

電圧 

123 V 

試験終了日時 

2007年7月20日 午後5:30 

表D.2−試験設定の記録例 

項目 

設定値 

印刷モード 
設定 

PDL及びプリンタドライ
バのバージョン 

デフォルト 

印刷品質設定 

デフォルト 

モノクロ設定 

有効(どこで,何を−例 プリンタドライバで
“モノクロ”を選択) 

部数設定 

プリンタドライバによる 

丁合機能 

有効(どこで,何を) 

用紙 

用紙送り方向 

デフォルト 

紙質 

デフォルト 

用紙走行経路 

給紙 

標準給紙カセット 

排紙 

標準排紙トレイ 

排紙方式 

デフォルト(表面排出又は裏面排出) 

両面印刷設定 

デフォルト(短辺とじ又は長辺とじ) 

表D.3−用紙仕様情報の記録例 

用紙 

製造業者 

Office Paper Co. 

坪量 

60 g/m2 

サイズ 

A4及びA3 

品名 

A44FG48A 

background image

43 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書E 

(参考) 

詳細報告の例 

この附属書は,事務分野試験の詳細報告の一例を表すもので,要約報告,全体報告及び試験設定情報を

含む。 

表E.1−印刷装置の情報記録の例 

試験開始日時 

2007年7月20日 午前11:00 

試験者 

×××××× 

装置名称・型番 

XT-6200 

カラー・モノクロ 

カラー印刷装置 

構成(付加装置) 

両面印刷機構,大容量フィーダ 

コントローラ 

×××××× 

気温・相対湿度 

23 °C,45 % 

電圧 

123V 

試験終了日時 

2007年7月20日 午後5:30 

表E.2−試験設定の記録の例 

項目 

設定値 

印刷モード 
設定 

PDL及びプリンタドライ
バのバージョン 

デフォルト 

印刷品質設定 

デフォルト 

モノクロ設定 

有効(どこで,何を−例 プリンタドライバで
“モノクロ”を選択) 

部数設定 

プリンタドライバによる 

丁合機能 

有効(どこで,何を) 

用紙 

用紙送り方向 

デフォルト 

紙質 

デフォルト 

用紙走行経路 

給紙 

標準給紙カセット 

排紙 

標準排紙トレイ 

排紙方式 

デフォルト(表面排出又は裏面排出) 

両面印刷設定 

デフォルト(短辺とじ又は長辺とじ) 

表E.3−用紙の特定情報記録の例 

用紙 

製造業者 

Office Paper Co. 

坪量 

60 g/m2 

サイズ 

A4及びA3 

品名 

A44FG48A 

background image

44 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表E.4−試験のシステムパラメタ 

試験システム 

項目 

設定内容 

コンピュータ 

自作システム(型番無し) 

プロセッサ 

インテル Pentium 4540 

システムチップセット 

インテル 945P Express 

システムボード 

インテル D945PSN, 
インテルBIOS SN94510J.86A 

システムメモリ 

1GB 533MHz DDR2 
キングストン p/n KVR533D2N4/1G 

ハードディスクドライブ及び 
ハードディスクコントローラ 

シーゲート Barracuda 7200.9,250GB,7200 RPM,
8MB キャッシュ,SATA/300 
システムボードコントローラ 

ビデオコントローラ 

Connect 3D Radeon X300,256MB,PCI Express 

光学ドライブ 

パイオニア 16X DVD-RW DVR-R1A5PK 

I/O 

PS/2 キーボード,マウス  

USB 

システムボードUSBコントローラ,USB 2.0 

印刷装置の接続 

USB 

USB2.0,USBに接続された装置はほかにはない。 

ソフトウェア 

オペレーティングシステム 

Microsoft Windows XP SP2 

印刷用アプリケーションソフト
ウェア 

Microsoft Office Word 2003 SP2 
Microsoft Office Excel 2003 SP2 
Adobe Reader 7.0.1 

プリンタドライバ 

PCL XT-6200 v8.3.1 

試験用ファイル及び格納場所 

事務分野試験用ファイル及びハードディスクドライ
ブ 

表E.5−要約報告 

事務分野試験 XT-6200 

第1部印刷時間

(FSOT) 

(秒) 

推定最大印刷速度

(ESAT) 

(ipm) 

カラー印刷 

片面印刷 

15.3 

22.8 

両面印刷 

30.1 

15.2 

モノクロ印刷 

片面印刷 

12.7 

29.4 

両面印刷 

25.2 

21.5 

注記1 全ての試験とも,印刷装置及びプリンタドライバの設定は,デフォルトの設

定のままとした。 

注記2 ただし,モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ

印刷”とした。 

注記3 詳細報告は,URL:XXXX.XXXXに掲載した。 

background image

45 

X 6940:2011 (ISO/IEC 24734:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表E.6−全体報告 

事務分野試験用 

ファイル 

第1部 

印刷時間

(FSOT) 

(秒) 

実効印刷速度(EFTP) 

(ipm) 

推定最大 
印刷速度

(ESAT) 

(ipm) 

1部 

1部+30秒 

(部) 

1部+4分 

(部) 

デフォルト印刷 

 
(カラー装置の場合は
カラー印刷,モノクロ装
置の場合はモノクロ印
刷) 

片面−PDF形式 

18.6 

12.9 

18.2 

20.4 

22.8 

(3部) 

(23部) 

片面−ワード 

12.7 

無し 

20.7 

無し 

21.8 

(3部) 

無し 

片面−エクセル 

14.7 

無し 

20.6 

無し 

23.8 

(3部) 

無し 

片面印刷平均 

15.3 

無し 

19.8 

無し 

22.8 

両面−PDF形式 

31.1 

 7.7 

 5.2 

無し 

14.1 

(3部) 

無し 

両面−ワード 

29.7 

無し 

無し 

無し 

18.5 

両面−エクセル 

29.6 

無し 

無し 

無し 

13.1 

両面印刷平均 

30.1 

無し 

無し 

無し 

15.2 

モノクロ印刷 

 
(カラー装置での任意
試験) 

片面−PDF形式 

14.5 

16.6 

22.7 

24.3 

27.8 

(3部) 

(23部) 

片面−ワード 

12.7 

無し 

25.5 

無し 

30.9 

(3部) 

無し 

片面−エクセル 

10.8 

無し 

26.5 

無し 

29.4 

(3部) 

無し 

片面印刷平均 

12.7 

無し 

24.9 

無し 

29.4 

両面−PDF形式 

23.8 

無し 

 4.0 

無し 

20.4 

(3部) 

無し 

両面−ワード 

26.1 

無し 

無し 

無し 

24.6 

両面−エクセル 

25.6 

無し 

無し 

無し 

19.4 

両面印刷平均 

25.2 

無し 

無し 

無し 

21.5 

注記1 全ての印刷装置及びプリンタドライバの設定は,デフォルトの設定のままとした。 
注記2 モノクロ印刷試験実施時は,プリンタドライバの設定を“モノクロ印刷”とした。 

参考文献 [1] JIS B 9527 事務機器−ページプリンタの仕様書様式 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 11160-2,Information technology−Office equipment−

Minimum information to be included in specification sheets−Printers−Part 2: Class 3 

and Class 4 printers(MOD) 

[2] ISO/IEC 10561,Information technology−Office equipment−Printing devices−Method for 

measuring throughput−Class 1 and Class 2 printers 

[3] ISO/IEC 11160-1,Information technology−Office equipment−Minimum information to be 

included in specification sheets−Printers−Part 1: Class 1 and Class 2 printers 

[4] ISO/IEC 21117,Information technology−Office equipment−Copying machines and 

Multi-function devices−Information to be included in specification sheets and related test methods