X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験の前提条件 ················································································································ 3
4.1 環境 ···························································································································· 3
4.2 電圧 ···························································································································· 4
4.3 複写装置のセットアップ ································································································· 4
4.4 用紙 ···························································································································· 4
4.5 保守 ···························································································································· 5
4.6 試験原稿(テストチャート)の準備··················································································· 5
5 試験方法························································································································· 5
5.1 試験のセットアップ ······································································································· 5
5.2 試験の測定手順 ············································································································· 6
5.3 試験方法の工程 ············································································································· 8
5.4 基本性能試験 ··············································································································· 10
5.5 付加機能性能試験 ········································································································· 12
6 データの計算及びデータの扱い ·························································································· 15
6.1 基本性能試験 ··············································································································· 15
6.2 付加機能性能試験 ········································································································· 16
7 結果の表示 ····················································································································· 18
7.1 基本性能試験 ··············································································································· 18
7.2 付加機能性能試験 ········································································································· 19
附属書A(参考)結果表示例 ································································································· 21
附属書B(参考)詳細報告例 ································································································· 24
附属書C(規定)複写生産性測定用原稿 ·················································································· 27
附属書D(参考)ファーストコピータイム(1枚目複写時間)及び連続複写速度の定義 ···················· 28
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人ビジネス機械・情報システム産業協
会(JBMIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS X 6934:2002は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
X 6939:2011
(ISO/IEC 24735:2009)
情報技術−事務機器−複写生産性測定方法
Information technology-Office equipment-
Method for measuring digital copying productivity
序文
この規格は,2009年に第1版として発行されたISO/IEC 24735及びその技術的正誤票であるTechnical
Corrigendum 1(2009)を基に,技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格の編集上の変更を行った事項であ
る。
1
適用範囲
この規格は,様々な複写モードの下での,ディジタル複写装置及び複合機の生産性測定方法を規定する。
この規格は,自動原稿送り装置及び丁合機能を備えた,ディジタル複写装置及び複合機に適用する。この
規格は,現在市場にある印字技術をもつカラーディジタル複写装置及び複合機と同様に,モノクロディジ
タル複写装置及び複合機にも適用する。この規格によって,様々な複写モード(片面複写,両面複写,各
種用紙サイズ,2アップなど)及び様々なディジタル画像処理が施される複写装置の生産性を比較するこ
とができる。この規格は,ディジタル複写の生産性測定のためのテストチャート,テストの準備手順,テ
ストの実施手順及び報告に関する要求事項を含む。
この規格は,A4サイズ若しくはレターサイズ(215.9 mm×279.4 mm,8.5インチ×11インチ)(以下,
レターサイズという。)の用紙サイズに複写ができない装置,自動原稿送り装置をもたない装置,又はテス
トセットから印字出力した複数枚のコピーを丁合できない装置には適用しない。
この規格は,製造業者の公称複写速度値の置き換えは意図していない。
注記1 2アップとは,用紙の片面に2面分の複写をすることをいう。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 24735:2009,Information technology−Office equipment−Method for measuring digital
copying productivity(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS P 8124:2011 紙及び板紙−坪量の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 536:1995,Paper and board−Determination of grammage(MOD)
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JIS P 8148:2001 紙,板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法
注記 対応国際規格:ISO 2470:1999,Paper , board and pulps−Measurement of diffuse blue reflectance
factor (ISO brightness)(MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
両面複写(duplex copying)
用紙の両面に複写する行為。
注記 もう一つの同意語に“2面複写”がある(1:2モード又は2:2モードともいう。)。
3.2
実効複写速度,EFTP(effective throughput,EFTP)
複写指示開始から最終試験セット(最終部ともいう。)の最終ページを完全に排出するまでの時間で全ペ
ージ数を除して求めた複写速度。1分当たりの画像面数(ipm: images per minute)で表す。
注記 EFTPには,試験セット(部)の複写指示から複写開始までの処理時間及び試験セット(部)
の走行時間が影響することがある。
3.3
推定最大複写速度,ESAT(estimated saturated throughput,ESAT)
第1試験セット(第1部ともいう。)の最終ページが完全に排出した時点から最終試験セット(最終部と
もいう。)の最終ページを完全に排出するまでの時間で,その間に排出したページ数を除して求めた複写速
度。1分当たり画像面数(ipm: images per minute)で表す。
3.4
付加機能性能試験(feature performance test)
様々な複写及び後処理の付加仕様が付加したときの生産性の変化を,FSOT及びESATの値にて示す選
択的試験。
注記 付加機能性能試験ファイルセットは,デフォルト複写システム設定で試験して基本データを出
し,その後に選択された付加機能(例えばステープル機能など)を追加して試験し,比較する。
3.5
第1部複写時間,FSOT(first set out time,FSOT)
ジョブ開始から第1試験セット(第1部ともいう。)の最終ページを完全に排出するまでの秒数。
注記 FCOT[first copy out time,ファーストコピータイム(1枚目複写時間)]と呼ぶ別の定義がある。
電子写真複写機に対するFCOT及び連続コピー速度は,JIS X 6910で定義する。
なお,参考として,この規格の適用外の複写装置に適用するこれらの定義を,附属書Dに示
した。
3.6
詳細報告(full detailed report)
機器の設定と測定結果とを含む情報の表示。
3.7
全体報告(full report)
基本性能試験で求めたFSOT,ESAT及びEFTPの値又は付加機能性能試験で求めたFSOT及びESATの
3
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値とそれぞれ計算した平均値とを含む結果の表示。
3.8
基本性能試験(general performance test)
特別な機能又はモードを用いることなく,FSOT,ESAT及びEFTPの値で生産性を評価する片面複写モ
ードの値と,可能ならば1:2及び2:2の両面複写モードの値とを含む試験。
3.9
全部数複写時間,LSOT(last set out time,LSOT)
ジョブ開始から最終試験セット(最終部ともいう。)の最終ページを完全に排出するまでの秒数。
3.10
公称複写速度(nominal copying speed)
第1ページの複写時間を除外し,公称坪量用紙を使って,単票原稿を連続印刷モードにて複写したとき
に測定する複写速度。
注記 公称複写速度は,1分当たりのコピー数又は画像面数で示す。
3.11
片面複写(simplex copying)
用紙の片面だけに複写する行為。
注記 同意語としては“片面から片面複写”がある(1:1モードともいう。)。
3.12
要約報告(summary report)
基本性能試験におけるFSOT及びESATの平均値を含む結果の表示,又は,付加機能性能試験における
その付加機能を動作させた場合のFSOT及びESATの値とデフォルトの基本状態(付加機能を動作させな
い状態)での値との比を示した結果の表示。
3.13
試験用ファイル(test file)
試験原稿を作成するために用いるディジタルファイル。
3.14
試験セット(test set)
試験原稿の全ページ(部ともいう。)。
3.15
試験原稿(test target)
試験方法ごとの試験で用いる,試験用ファイルから作成する用紙出力文書。
注記 同意語としてはテストチャートがある。
4
試験の前提条件
4.1
環境
温度及び湿度を含む試験環境は,その装置を動作させるために製造業者が推奨する範囲内とする。推奨
がない場合には,次の範囲内とする。
温度 18 ℃以上25 ℃以下
相対湿度 30 %以上70 %以下
注記 試験環境の温度及び湿度は,詳細報告(附属書B)に記録するのがよい。
4
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4.2
電圧
複写装置は,試験する複写装置用に製造業者が規定する動作電圧範囲内の電圧供給源に接続する。
注記 電圧測定は,各々の試験に先立って,無負荷状態で行うのがよい。
4.3
複写装置のセットアップ
複写装置を水平に設置し,製造業者の推奨に従って複写装置をセットアップする。
複写装置はその通常の外装で完全に覆う。試験をする前に,機械及び必要な資材は,試験環境下になじ
(馴染)ませておく(少なくとも8時間以上が望ましい。)。コピー用紙を含む試験に用いる全ての資材は,
製造業者が指定しているものを使用する。全ての画像モード及び複写モードは,複写装置の工場出荷時設
定としておくのがよい。表1に,全ての複写装置で共通とみなされる設定を示す。この表1で示していな
い設定を装置がもつ場合には,それらもデフォルトに設定しておく。追加の印字品質及びディジタル画像
処理機能をもつ複写装置では,それらの機能は通常のデフォルト条件と一致させ,また,結果報告書に記
載する。製造業者が設定したデフォルトの機能,手順又は用途を無効にすることは許されない。これだけ
に制限するものではないが,例として,自動クリーニング,補正サイクル,省エネ設定などがある。シス
テムが自動用紙種類検知(自動用紙タイプ選択)機能をもつ場合には,それを停止し,テストに用いる用
紙を手動で選択する。これについては,詳細報告書(附属書B)に記載する。試験における事前設定値(表
1参照)は,報告書書式に記載する。
表1−事前設定条件
事前設定項目
事前設定値
モード
出力解像度
デフォルト
出力品質
デフォルト
複写モード
デフォルト
自動濃度調整
デフォルト
丁合機能
作動(デフォルトで作動しない場合)
コピー用紙
用紙送り方向
デフォルト
用紙種類設定
デフォルト
用紙搬送経路
用紙給送
標準カセット
用紙排紙
標準排紙トレイ
排紙面設定
デフォルト
両面複写ユニット
デフォルト(1:2モード及び2:2モードで利用)
一時停止を伴
う既定の制御
又は用途
定着性能
デフォルト
画質安定機能
デフォルト
用紙容量
デフォルト
その他
デフォルト
注記 複写装置がメモリ,ソータ,フィニッシャなどの内部又は外部付加装置をデフォルト
として設置している場合,これらの付加装置は,詳細報告書の附属書Bの対応する欄
へ,例えば,“フィニッシャ付き”又は“160 GB HDD装着”と記載するのがよい。
4.4
用紙
この試験で出力する用紙は,複写装置の製造業者が提供するガイドライン及び推奨値で指定している仕
様の範囲か,それに違反しないようにする。その仕様としては,これらに限定する訳ではないが,サイズ,
坪量,組成,用紙製造業者,紙質,品番及びその他の物理的特性である。複写装置のデフォルト設定で使
用する用紙は,複写装置製造業者が指定する用紙の仕様に従う。基本性能試験(5.4参照)で用いる用紙は,
A4サイズ及び/又はレターサイズのカット用紙とする。付加機能性能試験においては,リーガルサイズ
5
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(215.9 mm×355.6 mm,8.5インチ×14インチサイズ),A3サイズ及び/又はレジャーサイズ(279.4 mm
×431.8 mm,11インチ×17インチ)の任意選択用紙サイズから試験モードに適切なものを選んで使って
もよい。それぞれの試験で用紙の製造業者,坪量,サイズ及び用紙タイプ又は用紙名称を詳細報告に記載
する。
A4サイズ又はA3サイズ以外の用紙を用いる場合には,結果表示のときに,A4サイズ及びA3サイズの
記載場所に使用した用紙サイズを記載するのがよい。一つの複写装置の生産性を別の複写装置のそれと比
較したい場合は,それぞれの複写装置で同じサイズの用紙を用いるのがよい。複写装置で厚紙モードで複
写を行う場合には,この付加モードについて,附属書Bの該当欄が示すように,詳細報告の書式に従って
記載する。
4.5
保守
複写装置の保守は,必要に応じて,試験の中で製造業者の推奨に応じて実施する(例えば,清掃処理,
消耗品などの交換)。
4.6
試験原稿(テストチャート)の準備
複写試験用ファイルは附属書Cに規定する(図C.1参照)。この試験用ファイルは,JIS X 6940による。
試験用ファイルは,4枚の片面ページで構成する。複写生産性試験で試験用ファイルを用いる場合は,試
験原稿は,最新の試験用電子ファイルを印刷して作成する。測定対象の複写装置がプリンタ機能をもたな
い場合は,実際の試験原稿を印刷するために使用するプリンタの名称を記録する。最新の公式のファイル
は,
http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/SC28̲Test̲Pages/
のファイル名“ISO̲IEC̲24735̲2009̲Test̲Pages.pdf”から取り出すことができる。
試験原稿の品質は,生産性測定に影響を与える可能性がある。試験原稿は,次の項目に従って作成する
のがよい。
1) 試験原稿は,試験対象の複写装置(又は,プリンタ機能をもたない場合は,実際の印刷をするプリン
タ名称を記録する印刷装置)で,デフォルト(出荷時)の印字モードで印刷する。
2) 試験原稿を作成するための用紙は,背景の影響をなくすために,少なくとも80 %の光沢度をもつ。
3) 試験原稿を作成するための用紙は,裏面の画像の複写を防ぐために,64 g/m2以上の用紙厚で十分に不
透明である。
4) 試験原稿を作成するための用紙は,表面にしわ又はその他の欠陥がないものを利用する。
5) 予想外の汚れなどがないことを確認する。
注記 光沢度はJIS P 8148に従って測定するのがよい。用紙坪量はJIS P 8124に従って測定するの
がよい。
5
試験方法
5.1
試験のセットアップ
試験の前に,試験用の複写装置は,次のとおりにあらかじめ設定する。
1) 製造業者の推奨に従って,複写装置を設置する。
2) 必要に応じて,読取装置のガラス表面を清掃する。
3) 既定で必要な試験は,複写装置がウォームアップし,複写可能状態に入った後に行う。複写装置をセ
ットアップするために,ウォームアップ複写(試験の前に少なくとも1ページの複写を行う。)の実施
は認める。
6
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4) 試験のためにシステムのパラメタ(例えば,用紙坪量設定,用紙サイズ又は給紙位置,画質モードな
ど)を設定する。複写装置の型式又は構成(付加装置),デフォルト条件及びその他の選択した設定を
記録する。システムが自動用紙種類検知(自動紙タイプ選択)機能をもっている場合,それを停止し,
試験に使用する用紙を手動で選択する。このことは詳細報告に記録する。
設定値の記録例は附属書Bによる(表B.1,表B.2参照)。必須試験の情報は5.4に,任意の付加機能性
能試験の情報は,5.5に規定する。計算及びデータの処理についての情報は,箇条6に規定する。データ
の報告についての情報は,箇条7に規定する。
注記 複合機の印刷生産性測定は,JIS X 6940に従って測定するのがよい。この規格は,複写生産性
機能だけを測定する。
5.2
試験の測定手順
最初の1部の各試験原稿を複写することで,FSOT1部を測定する。各試験原稿のN部を複写することで,
“1部+30秒”試験の測定を行い,ESAT30秒及びEFTP30秒を計算する。ここで,NはLSOT30秒−FSOT30秒
≧30秒を満たす値である。“1部+30秒”試験は,様々な区分にわたる装置に対して測定が行える方法と
して提供する。この簡単な方法によって,高速の装置に対してはより多くの部数で,低速の装置に対して
はより少ない部数で試験することが可能となり,区分ごとに装置を定義すること,及び分類することが不
要となる。“1部+4分”試験も同様の考え方で,EFTP4分を計算し,長い複写時間と短い複写時間とを比較
して生産性の違いが生じ得ることを示すために用いる。4分間という複写時間は,高速の装置としては短
く,低速の装置としては長い試験時間であるが,4分間という共通の複写時間を採用することによって,
この規格の適用範囲に含まれる様々な速度の装置を測定するのに用いる印刷ページ数を合理的に決めるこ
とができる。
(1) 試験前に,試験用の複写装置は5.1で規定しているようにあらかじめ設定する。
(2) 試験に用いる試験原稿(テストチャート)を4.6に規定しているとおりに準備しセットする。
(3) どのような試験を実施するかは,5.4及び5.5に規定する。
FSOT1部及びEFTP1部を測定する“1部”試験の手順
1) この測定を実施するために,複写装置の操作パネルでコピー部数として“1”を入力する。
2) (測定開始)複写スタートボタンを押し,同時に時間(秒)計測(時計又はその他の手段)を開始す
る。
3) 1部の完了時間を,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。
4) (測定終了)
5) “1部”試験[手順2)〜4)]を2回実施する。箇条6に従い,FSOT1部及びEFTP1部の平均値を計算す
る。
6) 5.3.3に従い,結果が±5 %以内であることを確認し,必要があれば3回目の測定を実施する(試験の
データは個々の測定の平均値である。最大で3回測定を繰り返し,測定結果の平均値を計算して試験
データとする。)。
7) 箇条6に従い,FSOT1部及びEFTP1部のそれぞれの平均値を計算する。
8) 試験用の複写装置で可能であるならば,それぞれの複写モード(1:1,1:2及び2:2)にて手順2)〜7) を
繰り返す。
注記1 この試験におけるFSOT1部の平均値は,要約報告,全体報告及び詳細報告で第1部複写時間
(FSOT)として報告する。詳細については,附属書A及び附属書Bの報告書例による。
ESAT30秒及びEFTP30秒を測定する“1部+30秒”試験の手順
7
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1) LSOT30秒−FSOT30秒≧30秒を満たすコピー部数Nを入力する。複数部が,丁合の順番(1234…,1234…)
で出力されるように必要な丁合機能を選択する。2回目及び3回目の試験では,1回目の試験と同じ部
数を用いる。
注記2 このFSOT30秒は,1部試験から得られるFSOT1部とは異なる。
測定されるFSOT30秒は,LSOT30秒−FSOT30秒≧30秒の確認,及びESAT30秒を計算するために用いる。
2) (測定開始)複写スタートボタンを押し,同時に時間(秒)計測(時計又はその他の手段)を開始す
る。
3) FSOT30秒が完了するまでの時間を,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。FSOT30秒の時間(秒)
は,複写ボタンを押してから1番目の部の4ページ目が複写装置から排出されるまでの時間である。
注記3 排紙トレイの容量が複写されるページ数より小さい場合,試験中に排出された用紙を取り
除く。
4) LSOT30秒が完了するまでの時間(秒)を,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。LSOT30秒は,
複写ボタンを押してからN番目の部の最後のページが複写装置から完全に排出されるまでの時間(秒)
である。
5) (測定終了)
6) “1部+30秒”試験[手順2)〜5)]を2回実施する。箇条6に従い,各々のESAT30秒及びEFTP30秒を
計算する。
7) 5.3.3に従い,結果が±5 %以内であることを確認し,必要があれば3回目の測定を実施する(試験の
データは個々の測定の平均値である。最大で3回測定を繰り返し,測定結果の平均値を計算して試験
データとする。)。
8) 箇条6に従い,ESAT30秒及びEFTP30秒のそれぞれの平均値を計算する。
9) 試験用の複写装置で可能であるならば,それぞれの複写モード(1:1,1:2及び2:2)にて手順2)〜8) を
繰り返す。
注記4 この試験のESAT30秒の平均値は,要約報告,全体報告,及び詳細報告に推定最大複写速度
(ESAT)として記録する。詳細については,附属書A及び附属書Bの報告書例による。
EFTP4分を測定する“1部+4分”試験の手順
1) LSOT4分−FSOT4分≧4分を満たす部数Nを入力する。複数部が丁合の順番(1234…,1234…)で出力
されるように必要な丁合機能を選択する。2回目及び3回目の試験では,1回目の試験と同じ部数を用
いる。
注記5 このFSOT4分は1部試験から得られるFSOT1部と異なる。
測定されるFSOT4分は,LSOT4分−FSOT4分≧4分を確認するためだけに用いる。
2) (測定開始)複写スタートボタンを押し,同時に時間(秒)計測(時計又はその他の手段)を開始す
る。
3) FSOT4分が完了するまでの時間(秒)を,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。FSOT4分の時間
(秒)は,複写ボタンを押してから1番目の部の4ページ目が複写装置から排出されるまでの時間で
ある。
注記6 排紙トレイの容量が複写されるページ数より小さい場合,試験中に排出された用紙を取り
除く。
4) LSOT4分が完了するまでの時間(秒)を,少なくとも小数点以下第2位まで記録する。LSOT4分は,複
写ボタンを押してからN番目の部の最後のページが複写装置から完全に排出されるまでの時間(秒)
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
である。
5) (測定の終了)
6) “1部+4分”試験[手順2)〜5)]を2回実施する。箇条6に従い,各々のEFTP4分を計算する。
7) 5.3.3に従い,結果が±5 %以内であることを確認し,必要があれば3回目の測定を実施する(試験の
データは個々の測定の平均値である。最大で3回測定を繰り返し,測定結果の平均値を計算して試験
データとする。)。
8) 箇条6に従い,EFTP4分の平均値を計算する。
9) 試験用の複写装置で可能であるならば,それぞれの必須複写モード(1:1,1:2及び2:2)にて手順2)
〜8) を繰り返す。
5.3
試験方法の工程
5.3.1
推奨試験方法の工程フローチャート
9
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図1−試験方法の工程フローチャート
5.3.2
部数の推定
“1部+30秒”試験
この試験は,初期部数としてN初期=2,又は測定者があらかじめ推定を行うための十分な情報をもつ場
合は,必要な部数を推定して開始できる。N=2の測定結果が全部数複写時間(LSOT)−第1部複写時間
(FSOT)≧30秒の要求を満たさない場合には,必要な部数estN30秒を次の式から求め,部数としてその新
しいestN30秒を使って測定を行う。次の式は,必要な部数を推定するために用いる。
コピー部数=1を設定
一致度が±5 %以内か?
FSOT及びEFTPそれぞれの平均値を計算
“1部”試験の結果を記録
はい
いいえ
1回目及び2回目の測定を実施
3回目の測定を実施
FSOT及びEFTPを計算
“1部+30秒”試験の結果を記録
“1部+30秒”を満たす部
数を推定できるか?
コピー部数=2
を設定
測定を実施
“1部+30秒”を満たす部数を計算
一致度が±5 %以内か?
3回目の測定を実施
はい
いいえ
はい
いいえ
ESAT及びEFTPを計算
ESAT及びEFTPを計算
“1部+4分”を満たす部数を計算
一致度が±5 %以内か?
3回目の測定を実施
EFTPの平均値を計算
“1部+4分”試験の結果を記録
はい
いいえ
1回目及び2回目の測定を実施
EFTPを計算
EFTPを計算
ESAT及びEFTPそれぞれの平均値
を計算
1回目及び2回目の測定を実施
FSOT及びEFTPを計算
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
+
−
−
×
=
1
)1
(
30
30
初期
初期
初期
秒
FSOT
LSOT
N
estN
ここで,LSOT初期及びFSOT初期は初期試験で得たデータである。estN30秒の計算値は,小数点以下の値を
切り上げ,整数値とする。
測定する部数は,できる限りLSOT30秒−FSOT30秒≧30秒を満たす最小の値であるのがよい。試験の測定
の結果がLSOT30秒−FSOT30秒<30秒となった場合は,部数を増やして,全ての試験を再度行う。
注記 “1部+30秒”試験は,LSOT30秒−FSOT30秒を推定最大複写速度(ESAT)の測定誤差を最小に
するために十分長く,かつ,調整工程などによる停止を避けるために十分短くなるように考え
た。
“1部+4分”試験
“1部+30秒”試験の測定結果を用いて必要な部数estN4分を次の式から求め,そのestN4分を部数として
使って試験を行う。
+
−
−
×
=
1
)1
(
240
30
30
30
4
秒
秒
秒
分
FSOT
LSOT
N
estN
ここで,LSOT30秒及びFSOT30秒は“1部+30秒”試験で得たデータである。estN4分の計算値は,小数点
以下の値を切り上げ,整数値とする。
試験する部数は,LSOT4分−FSOT4分≧4分とするのがよい。測定の結果がLSOT4分−FSOT4分<4分とな
った場合は,部数を増やして全ての試験を再度行う。
5.3.3
5 %一致度基準
最初の2回の測定結果の一致度が±5 %以内でない場合は,3回目の試験が必要となる。推定最大複写速
度(ESAT)及び実効複写速度(EFTP)の式は,箇条6に記載する。
1
2
2
1
1
−
+
×
=
FSOT
FSOT
FSOT
一致度
1
2
2
1
1
−
+
×
=
ESAT
ESAT
ESAT
一致度
1
2
2
1
1
−
+
×
=
EFTP
EFTP
EFTP
一致度
5.4
基本性能試験
基本性能試験では,5.2の“1部”試験,“1部+30秒”試験及び“1部+4分”試験の手順を使用する必
要がある。
基本性能試験の要約報告では,二つの主要値である第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度
(ESAT)を報告し,全体報告では三つの主要値である第1部複写時間(FSOT),推定最大複写速度(ESAT)
及び実効複写速度(EFTP)を報告する。この全体報告では,様々な測定での実効複写速度(EFTP),第1
部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)を含む詳細情報を提供する[第1部複写時間(FSOT)
及び推定最大複写速度(ESAT)の値は,両方の報告書で同じである。]。
(1) 第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)の測定
この生産性試験は,対象とする機器で設定可能である限り,1:1,1:2及び2:2モードを実施する。それ
ぞれの試験は,対象機器がカラー複写装置である場合は,任意であるモノクロモードに加えて必須である
フルカラーモードを実施する。対象機器がモノクロ複写装置である場合は,モノクロモードだけを実施す
る。
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この測定のための試験原稿(4.6参照)を用意する。4画像で1セットであり,1:1及び1:2モードでは
片面4ページとなり,2:2モードでは両面2ページとなる。
(2) 実効複写速度(EFTP)の測定
それぞれのモードで複写を完了するまでに必要な時間は,秒単位で測定し記録する。試験対象機器の実
効複写速度(EFTP)を求めるために,全体の複写時間に第1部複写時間を含める。
時間測定は,複写スタートボタンを押した時から開始し,最後のページが機器から完全に排紙した時に
終了する。測定した時間間隔は,小数点以下第2位まで記録する。測定は,1:1,1:2及び2:2モードの4
画像に対して実施する。
(3) 基本性能試験要約報告用の表形式及び必須データ
試験結果提出に最低限必要となる値は,表2に示す要約報告書式に含む。要約報告には,試験での第1
部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)の平均値を含める。複写モードにおけるシステム設
定及び事前設定条件(デフォルト値,非デフォルト値,任意の試験モード設定など)を明示し,かつ,詳
細報告(附属書B)で報告する(表B.1,表B.2参照)。要約報告の表の例を附属書Aに示す(表A.1,表
A.2参照)。必要があれば,要約報告から行を削除してもよい。特に,機器が両面複写機能をもたない場合
は,両面の行を削除してもよい。同様に,モノクロだけの複写装置はカラー複写モードのデータを報告す
る必要はない。
表2−要約報告の表(両面複写機能をもつカラー複写装置用)
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)
推定最大複写速度
(ESAT)
カラー
1:1
R
R
1:2
R
R
2:2
R
R
モノクロ
1:1
O
O
1:2
O
O
2:2
O
O
表中の“R”は,可能である場合には報告書記載が必須であることを示し,“O”
は任意であることを示す。
(4) 基本性能試験全体報告用表形式及び必須データ
試験結果提出には,表3に示す全体報告書式を含めるのがよい。全体報告には,試験における第1部複
写時間(FSOT),推定最大複写速度(ESAT)及び実効複写速度(EFTP)の平均値を含める。複写モード
におけるシステム設定及び事前設定条件(デフォルト値,非デフォルト値及び付加機能の試験モード設定)
を確認して,かつ詳細報告(附属書B)で報告する(表B.1〜表B.3参照)。全体報告の表の例を附属書A
に示す(表A.3,表A.4参照)。必要があれば,全体報告から行を削除してもよい。特に機器が両面複写機
能をもたない場合は,両面の行を削除してもよい。同様に,モノクロだけの複写装置はカラー複写モード
のデータを報告する必要はない。
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表3−全体報告の表(両面複写機能をもつカラー複写装置用)
複写モード
(カラー)
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度(ESAT)
(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
R
R
R
R
R
X部
A部
1:2
R
R
R
R
R
Y部
B部
2:2
R
R
R
R
R
Z部
C部
表中の“R”は,可能である場合には報告書記載が必須であることを示す。
複写モード
(モノクロ)
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度(ESAT)
(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
R
R
R
R
R
X部
A部
1:2
R
R
R
R
R
Y部
B部
2:2
R
R
R
R
R
Z部
C部
表中の“R”は,可能である場合には報告書記載が必須であることを示す。
注記1 X,Y,Z,A,B及びCは,各試験に用いる部数である。それらは,カラーの試験結果とモノクロ
の試験結果とでは異なる。第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)は要約報告の
値と同じである。
注記2 測定日,測定の開始時間及び終了時間は,詳細報告に含めることを推奨する(附属書Bに例示する。)。
5.5
付加機能性能試験
任意である付加機能性能試験は,様々な複写及び仕上げ機能を有効にした状態での生産性の違いを評価
する便利な手法として提供する。そのような機能の例として,“混載原稿複写”,“2アップ複写”,“ステー
プル”,“パンチ”などを含むが,これに限られるものではない。
より大きなサイズの用紙に片面2枚を複写する2アップ複写とは,2枚のA4サイズの画像を1枚のより
大きいサイズのA3用紙へ複写することを意味する。A4サイズ用紙に片面2枚を複写する場合は,(縮小
モードによって)二つのA4サイズ画像をサイズ変更し,かつ,A4サイズ用紙の片面に複写する。
ある機能を有効にして複写した結果は,その機能を無効にして複写装置で複写した場合の性能と比較し
て報告する。付加機能性能試験は機器がカラー複写装置である場合は,フルカラーモードで行い,モノク
ロ複写装置の場合は,モノクロモードで行う。
(1) 付加機能設定条件の例
付加機能設定条件及び試験の全ての事前設定条件を確認して,詳細報告(附属書B)に示したように報
告する(表B.4参照)。
混載原稿モード
サイズが異なる原稿を混載した場合,複写装置の生産性に影響を及ぼす。この場合の効率を定義するた
めに,次の表に示すように他の因子は固定する。
この試験では,試験用ファイルの試験原稿A,B,C及びDのページを印刷する。各チャートのサイズ
は,表4で定義する。A3チャートを用いる場合は,それぞれ割り当てたチャートのサイズをA3サイズに
拡大して複写する。
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表4−混載原稿モードの設定項目
設定項目
設定条件
原稿サイズ及び組合せ
1) A4
A4サイズで4ページ
(全てABCD順でA4サイズ)
2) A3+A4
A3サイズで2ページ+A4サイズで2ページ
(A3サイズでA及びB,次にA4サイズでC及びD)
3) A3
A3サイズで4ページ
(全てABCD順でA3サイズ)
原稿セットの方向
デフォルト
原稿の画像面
片面
用紙搬送経路設定
最短の用紙搬送経路でA4サイズ用紙をセットし,A3サイズ用紙のセット
が可能な場合に,次に短い用紙搬送経路でA3サイズ用紙をセットする。
(手差しトレイを利用した場合は,詳細報告に記載するのがよい。)
複写モード
丁合モードだけ(その他モードはなし。)
2アップモード
1枚の複写に対する幾つかの画像の組合せが,複写装置の生産性に影響を及ぼす。そのようなNアップ
プロセスの効率を定義するために,その他の因子は,表5のように固定する。2アップモードは,Nアッ
プモードを代表して測定する。
この試験では,試験用ファイルの試験原稿A,B,C及びDのページを複写する。
表5−2アップモードの設定項目
設定項目
設定条件
原稿サイズ及び組合せ
1) A4
A4サイズで4ページ
(全てABCD順でA4サイズ)
2) 2アップモードでA4 4ページ分の画像を2ページに印刷
(全てABCD順でA4サイズ)
原稿セットの方向
デフォルト
原稿の画像面
片面
複写モード
2アップモード及び丁合モードだけ(その他モードはなし。)。
その他モード
“ステープル”,“厚紙複写”及び“混載サイズ原稿での自動倍率選択モード”のような他のモードは,
その他モードとして追加することができる。さらに,ディジタル画像処理設定の試験もその他モードに追
加することができる(表6参照)。
評価する機能に対して適切に試験をするために,部数は“1部+30秒”測定に必要な値から変更しても
よい。変更された部数を付加機能性能試験に使用する。
注記1 “各種用紙特性”,“各種用紙搬送経路”,“自動濃度調整”,“%拡大”,“%縮小”などのよう
なその他の条件が事前設定条件と異なる場合,試験でのそれらの値は,附属書Bで示すよう
に詳細報告の書式で記載する(表B.6,表B.7参照)。
この試験では,試験用ファイルの試験原稿A,B,C及びDのページを複写する。
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表6−その他個別モードの設定項目
設定項目
設定条件
原稿サイズ及び組合せ
1) A4
A4サイズで4ページ
(全てABCD順でA4サイズ)
2) その他モードでA4
A4サイズで4ページ
(全てABCD順でA4サイズ)
原稿セットの方向
デフォルト
原稿の画像面
片面
複写モード
選択した個別モード(選択したモード以外はなし。)
(2) 付加機能性能試験の第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)の測定
付加機能性能試験は,5.2で示す“1部”及び“1部+30秒”試験の手順を用いる。
最初に,製造業者の標準複写設定を使って片面複写を行う(基本複写モード試験)。この基本複写モード
試験では1部4ページからなる複写を,その他モードを使わずに,それぞれの基本モードについて一度実
行すればよい(5 %の一致度基準を満たすため,2度か3度の複写をする場合もある。)。次に,測定対象の
付加機能複写モードを選択して複写を行う(付加機能モード試験)。結果の表示には最低限,基本複写モー
ドでの第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)の付加機能性能試験の結果に対する比を
含む。
その付加機能が1部当たり4ページ以上を必要とする場合は,基本複写モードに対する第1部複写時間
(FSOT)は,付加機能モードと同じページ数を使って測定を行う。
基本性能試験での推定最大複写速度(ESAT)は,基本複写モードに対して用いることができる。
基本複写モード試験に対しての部数は,5.2に示すように,1部当たり4ページの片面を用いる。基本複
写モード試験に対する推定最大複写速度(ESAT)データは5.4に示すように,基本性能試験と同じである。
評価される付加機能に対して適切なテストとなるようにするため,部数は“1部+30秒”のテストから
変更してもよい。この変更された部数は,付加機能モード試験のときだけに用いる。
(3) 付加機能性能試験での要約報告及び全体報告の,表形式及び必須データ
結果の表示として要求されるものは,表7及び表8に示すように,要約報告形式では,第1部複写時間
(FSOT)と推定最大複写速度(ESAT)との比であり,全体報告形式では,比及び値で示す。付加機能性
能試験の表の例を表A.5及び表A.6に示す。また,複写モードのシステム設定については特定する。テス
トの前提条件も,全体詳細報告(附属書B)に示すように表示する(表B.4,表B.5参照)。
注記2 それぞれの製造業者は,その商品カタログ又は仕様書に,要約報告又は全体報告を掲載する
ことを選択できる。レポートが掲載される場合には,次の表の書式を用いることを推奨する。
なお,全体詳細報告(附属書Bの例を参照)の問合せ先及びテストの日付が,その商品カ
タログ又は仕様書に含まれているのがよい。
表7−付加機能性能試験要約報告
複写モード
付加機能性能率
テストモード名称
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
テストモードの説明
R*
R*
付加機能性能報告では,表中の“R*”は報告書に必須である。
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表8−付加機能性能試験全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
テストモード名称
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大複
写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
テストモードの説明
R*
R*
R*
R*
R*
R*
付加機能性能報告では,表中の“R*”は報告書に必須である。
6
データの計算及びデータの扱い
測定中に各測定の時間間隔を記録する。測定の時間(秒)を表の形で記録することは有用であるが,必
ずしも必要ではない。
データ及び計算については,必要なだけ多数の桁まで求めておいてもよい。端数を省略することは許さ
れるが,より短い時間(秒)又は速い速度(ipm)に丸めることは許されない。測定値及び報告値は,実
際の測定よりもよい数値となる[より大きな推定最大複写速度(ESAT)及び実効複写速度(EFTP)とな
る,又は,より小さい第1部複写時間(FSOT)となる]ことがないようにする。
平均値は,測定した第1部複写時間(FSOT),推定最大複写速度(ESAT)及び実効複写速度(EFTP)
を平均することによって求める。時間(秒)を平均して結果を計算するのではない。例えば,1回目の測
定でESAT1を計算し,2回目の測定でESAT2を計算し(必要ならば3回目の測定を行う。),その結果のESAT1
とESAT2とを平均して(必要ならばESAT3を加味して)ESAT平均を求める。
平均した結果の推定最大複写速度(ESAT)及び実効複写速度(EFTP)は,ipmで次のように表示する。
a) 10 ipm未満の場合,小数点以下第2位で切り捨て,有効数字2桁で示す(X.X)。
b) 10 ipmから99 ipmの場合,次の方法のどれかで示す。
1) 小数点以下第1位で切り捨て,有効数字2桁で示す(XX)。
2) 小数点以下第2位で切り捨て,有効数字3桁で示す(XX.X)。
c) 100 ipm以上の場合,小数点以下第1位で切り捨て,有効数字3桁で示す(XXX)。
例えば,平均値として計算した推定最大複写速度(ESAT)の値が34.99の場合,報告書に記載する値は
34.9 ipm又は34 ipmであり,35 ipmではない。
6.1
基本性能試験
6.1.1 “1部”試験
FSOT1部及びEFTP1部は“1部”試験のデータから計算する。
4枚原稿を用いて1部測定する場合,
FSOT1部=t1(秒)
)
(
部
部
ipm
240
1
1
FSOT
EFTP=
6.1.2 “1部+30秒”試験
ESAT30秒及びEFTP30秒は,“1部+30秒”試験のデータから計算する。
t0=0 t1
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4枚原稿を用いてN30秒部測定する場合,
第1部複写時間=FSOT30秒=t1(秒)
全部数複写時間=LSOT30秒=tn(秒)
N30秒=部数
240=4ページ×60秒
ESAT30秒及びEFTP30秒は“1部+30秒”試験データを用いて次の式から計算する。
)
(
秒
秒
秒
秒
ipm
)1
(
240
30
30
30
30
FSOT
LSOT
N
ESAT
−
−
×
=
)
(
秒
秒
秒
ipm
240
30
30
30
LSOT
N
EFTP
×
=
6.1.3 “1部+4分”試験
EFTP4分は,“1部+4分”試験のデータから計算する。
4枚原稿を用いてN4分部測定する場合,
全部数複写時間=LSOT4分=tn(秒)
N4分=部数
240=4ページ×60秒
)
(
分
分
分
ipm
240
4
4
4
LSOT
N
EFTP
×
=
注記 第1部複写時間(FSOT)がセット数によらずに一定である場合,すなわち,FSOT30秒=
FSOT4分=第1部複写時間(FSOT)の場合には,“1部”試験と,“1部+30秒”試験(及び“1
部+4分”試験)とを一つの組合せテストとすることが可能であり,その際には,部数は少な
くともN30秒(又は“1部+4分”試験も組み合わせる場合は,N4分)の値とした方がよい。こ
の選択をする場合には,測定は,“1部”試験及び“1部+30秒”試験(及び“1部+4分”試
験)のタイミングとした方がよい。また,全体詳細報告にそのようなテストを実施したことを
記載した方がよい。
6.2
付加機能性能試験
付加機能性能試験それ自身は任意試験である。しかしながら,実施する場合には,基本複写モード測定
及びそれぞれの付加機能性能測定において,“1部”試験及び“1部+30秒”試験が必要となる。
t0=0
t1
tn
t0=0
tn
1部 N30秒部 N4分部
t0=0 FSOT=FSOT30秒 ESATを測定するときのLSOT EFTPを測定するときの
LSOT
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
部数は,5.2に示すように,基本複写モード試験に対しては,1部として4ページの片面を単位として決
める。しかしながら,評価する付加機能に応じて,“1部+30秒”試験で求める部数に変更してもよい。変
更された部数は付加機能モードテストに用いる。
6.2.1 “1部”試験
FSOT1部は1部の試験のデータから計算する。
4枚原稿を用いて1部測定する場合,
FSOT1部=t1(秒)
それぞれの付加機能試験に対して,付加機能複写モードの基本複写モードに対する比率を,次のとおり
計算する。
付加機能性能率FSOT
)
(
付加機能
基本
%
100
×
=FSOT
FSOT
注記1 上記の計算式で,分母のFSOT付加機能はFSOT(付加機能複写モードでの1部)の値を示し,分子の
FSOT基本はFSOT(付加機能複写モードでの1部)の値を表す。
注記2 付加機能性能試験での“1部”試験に対するFSOT1部を第1部複写時間(FSOT)として報告
する。第1部複写時間(FSOT)比率で,分子には基本時間を置くことによって,より時間の
かかる付加機能の第1部複写時間(FSOT)が100 %以下となるようにする。これによって,
推定最大複写速度(ESAT)の比率と考え方が一致する。
6.2.2 “1部+30秒”試験
ESAT30秒は“1部+30秒”試験のデータから計算する。
4枚原稿を用いてN30秒部測定する場合,
第1部複写時間=FSOT30秒=t1(秒)
全部数複写時間=LSOT30秒=tn(秒)
N30秒=部数
240=4ページ×60秒
ESAT30秒は“1部+30秒”試験のデータから次の式で計算する。
)
(
秒
秒
秒
秒
ipm
)1
(
240
30
30
30
30
FSOT
LSOT
N
ESAT
−
−
×
=
付加機能テストを大きなサイズの用紙(A3サイズ)に対して実施する場合,推定最大複写速度(ESAT)
の計算は,2アップ複写として修正する必要がある。すなわち,A3サイズをA4サイズの2枚分としてカ
ウントする。
それぞれの付加機能テストを実施する場合は,付加機能複写モードの基本複写モードに対する比率は次
のように計算する。
付加機能性能率ESAT
)
(
基本
付加機能
%
100
×
=ESAT
ESAT
t0=0 t1
t0=0
t1
tn
18
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7
結果の表示
7.1
基本性能試験
“全体報告”及び“詳細報告”は,要求に応じて提示するのがよい。
“要約報告”は,商品カタログに記載して“公表”するのがよい。
“要約報告”全てを“公表”することを推奨する。
なお,“公表”報告には,最低限次の三つの内容を含む。
(1) JIS X 6939に従って生産性を求めたという記載
(2) 基本性能試験の片面モードで求めた推定最大複写速度(ESAT)の平均値
(3) 詳細報告の入手先又は問合せ先情報
要約報告
最低限必要な結果表示は,表9に示す第1部複写時間(FSOT)及び推定最大複写速度(ESAT)である。
カラー複写装置の場合,カラーモードの測定が必須であるが,任意のモノクロモードの測定も実施するの
がよい。
測定した時間間隔は,小数点以下第2位まで記録するのがよい。第1部複写時間(FSOT)及び推定最大
複写速度(ESAT)の最終結果は,平均値の小数点以下第2位を切り捨てて求める。
表9−要約報告の結果
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
カラー
1:1
R
R
1:2
R
R
2:2
R
R
モノクロ
1:1
O
O
1:2
O
O
2:2
O
O
表中の“R”は,可能である場合には報告書記載が必須であることを示し,“O”
は任意であることを示す。
カラー複写装置の表
注記1 両面機能をもっていない装置は,両面の行は削除するか,“なし”と記入する。同様に,カラ
ー複写装置に対して,モノクロ測定は任意であるため,モノクロ行を削除してもよい。
全体報告
必要な結果表示を表10に示す。カラー複写装置の場合,必須のカラー複写モードに加えてモノクロモー
ドのテストを加えるのがよい。
全体報告は,テスト結果の平均値を報告する。平均値は,実行複写速度(EFTP)の合計値をテスト回数
で除して求める。
19
X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−全体報告の結果
複写モードa)
(カラー)
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実行複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
R
R
R
R
R
# 部
# 部
1:2
R
R
R
R
R
# 部
# 部
2:2
R
R
R
R
R
# 部
# 部
表中の“R”は,可能である場合には報告書記載が必須であることを示す。
注a) カラー複写装置のカラーモード測定結果
複写モードb)
(モノクロ)
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実行複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
O
O
O
O
O
# 部
# 部
1:2
O
O
O
O
O
# 部
# 部
2:2
O
O
O
O
O
# 部
# 部
表中の“O”は報告書記載が任意であることを示す。
注b) カラー複写装置のモノクロモード測定結果
注記2 詳細報告の記載場所が示されている場合は,基本性能試験の第1部複写時間(FSOT)及び推
定最大複写速度(ESAT)のような値は,単独で報告してもよい。
各製造業者は,商品カタログ又は仕様書に,要約報告又は詳細報告の表示の有無を選択できる。報告を
表示する場合,上記の表形式を用いることを推奨する。商品カタログ又は仕様書に詳細報告(附属書Bの
例参照)の記載場所又は問合せ先を記載する。
7.2
付加機能性能試験
表11の要約報告に示すように,付加機能複写モード試験結果と基本複写モード試験結果との比率を最低
限表示する。
複写モードに対するシステム設定(デフォルト設定,非デフォルト設定及び付加機能設定)は,詳細報
告(附属書B)で明確にする。全体報告においては,表12に示すように,第1部複写時間(FSOT)と推
定最大複写速度(ESAT)とのそれぞれの比率だけでなく,それぞれの値を報告する。
平均値は,第1部複写時間(FSOT)の合計及び推定最大複写速度(ESAT)の合計をテスト回数で除し
て求める。報告の値に小数点以下の記録をしたい場合は,そのようにしてよい。
要約報告及び全体報告の例を次に示す。複写装置の設定の代表的な記載例を附属書Aに示す。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表11−付加機能性能試験要約報告(2アップモードの例を示すが,付加機能は様々ある。)
複写モード
付加機能性能率
2アップ
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
2アップモード
(4ページ → 2ページ)
R*
R*
追加の付加機能性能試験を行う場合,“R*”は必須試験である。
表12−付加機能性能試験全体報告(2アップモードの例を示すが,付加機能は様々ある。)
複写モード
基本印刷モード
付加機能性能率
2アップ
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
2アップモード
(4ページ → 2ページ)
R*
R*
R*
R*
R*
R*
追加の付加機能性能試験を行う場合,“R*”は必須試験である。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
結果表示例
この附属書は,箇条7(結果の表示)に従って,表を用いた測定結果の表示方法を示す。
注記 次の値は,複写装置又は複合機の実測値ではなく,測定結果の表示方法を示すための例である。
(1) 測定結果の要約報告
A.1 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き35 cpmカラー複写装置
表A.1−測定結果例
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
カラー
1:1
15.7
34.7
1:2
20.7
27.3
2:2
23.9
27.9
モノクロ
1:1
11.4
43.9
1:2
15.4
36.1
2:2
17.6
36.0
A.2 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き75 cpmモノクロ複写装置
表A.2−測定結果例
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
モノクロ
1:1
8.9
76.0
1:2
12.4
75.7
2:2
13.2
75.5
(2) 測定結果の全体報告
A.3 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き35 cpmカラー複写装置
表A.3−測定結果例
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
15.7
15.3
28.7
32.5
34.7
6部
36部
1:2
20.7
11.6
21.5
24.7
27.3
5部
27部
2:2
23.9
10.0
20.6
25.2
27.9
5部
27部
カラー複写装置のカラーモード測定結果
22
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表A.3−測定結果例(続き)
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
11.4
21.1
38.7
42.4
43.9
8部
45部
1:2
15.4
15.6
29.6
33.4
36.1
6部
36部
2:2
17.6
13.6
28.2
33.1
36.0
6部
36部
カラー複写装置のモノクロモード測定結果
A.4 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き75 cpmモノクロ複写装置
表A.4−測定結果例
複写モード
第1部複写時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
8.9
26.9
65.2
73.8
76.0
11部
77部
1:2
12.4
19.4
59.9
72.8
75.7
11部
77部
2:2
13.2
18.3
58.8
72.6
75.5
11部
77部
モノクロ複写装置のモノクロモード測定結果
(3) 付加機能性能試験の測定結果
A.5 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き26 cpm複写装置
表A.5−測定結果例
混載原稿モード
要約報告
複写モード
付加機能性能率
混載原稿モード
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
A4:A3=
2ページ:2ページ
71.3
76.1
A3=4ページ
67.2
100.5
全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
混載原稿モード
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
A4:A3=
2ページ:2ページ
19.5
26.6
27.2
20.2
71.3
76.1
A3=4ページ
19.5
26.6
28.9
26.7
67.2
100.5
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X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.5−測定結果例(続き)
その他モード(例:ステープル)
要約報告
複写モード
付加機能性能率
その他モード
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
ステープル
67.1
79.6
全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
その他モード
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
ステープル
19.5
26.6
29.0
21.2
67.1
79.6
A.6 自動原稿送り装置及び両面コピー機能付き35 cpm複写装置
表A.6−測定結果例
2アップモード
要約報告
複写モード
付加機能性能率
2アップ
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
2アップモード
(4ページ → 2ページ)
78.4
209.9
全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
2アップ
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
2アップモード
(4ページ → 2ページ)
8.7
30.4
11.1
63.8
78.4
209.9
24
X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
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附属書B
(参考)
詳細報告例
B.1
はじめに
この附属書Bでは,詳細報告の表示の一例を示す。使用者に対して要約報告及び全体報告を提供する場
合には,使用者の求めに応じて,次に示す詳細報告を提供することを推奨する。
注記 次のデータは,複写装置又は複合機の実際のデータではなく,詳細報告書にどのように結果を
表示するかを示すためのものである。また,測定対象の装置は,附属書Aに記載しているもの
と同じではない。
B.2
機械設定情報及び事前設定条件
表B.1−装置設定情報
テスト開始日時
2007/09/4 10:30
実施者
×××××××
装置名/モデル名
MFX-2635
カラー又はモノクロ
カラー複合機
構成(付加装置)
自動原稿送り装置,両面複写ユニット
既定フィニッシャ(ステープル)
テスト温度
23 °C
テスト相対湿度
60 %
テスト終了日時
2007/09/4 15:00
表B.2−事前設定条件
事前設定項目
事前設定値
モード
出力解像度
デフォルト
出力品質
デフォルト
複写モード
デフォルト
自動濃度調整
デフォルト
丁合機能
作動(デフォルトモードで作動しない場合)
コピー用紙
用紙送り方向
デフォルト
用紙種類設定
デフォルト
用紙搬送経路
用紙給送
標準カセット
用紙排紙
標準排紙トレイ
排紙面設定
デフォルト
両面複写ユニット
デフォルト(1:2モード及び2:2モードで利用)
一時停止を伴
う既定の制御
又は用途
定着性能
デフォルト
画質安定機能
デフォルト
用紙容量
デフォルト
その他
デフォルト
コピー用紙
用紙製造業者
Office Paper Co.
坪量
60 g/m2
サイズ
A4及びA3
用紙種・用紙名称
A44FG48A
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B.3
基本性能試験測定結果
表B.3−全体報告
複写モード
(カラー)
第1部複写
時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大
複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
19.5
12.3
21.6
25.5
26.7
5部
26部
1:2
30.1
8.0
18.1
23.8
26.4
5部
26部
2:2
33.4
7.2
17.1
23.4
26.1
5部
26部
複写モード
(モノクロ)
第1部複写
時間
(FSOT)(秒)
実効複写速度(EFTP)(ipm)
推定最大
複写速度
(ESAT)(ipm)
1部
1部+30秒
1部+4分
1:1
14.0
17.1
30.2
34.6
35.7
6部
37部
1:2
23.6
10.2
25.1
32.5
35.5
6部
37部
2:2
27.0
8.9
23.6
32.0
35.1
6部
36部
B.4
付加機能性能試験測定結果
表B.4−試験条件
混載原稿モード
設定項目
設定条件
原稿サイズ及び組合せ
1) A4
A4サイズで4ページ
(全てABCD順でA4サイズ)
2) A3+A4
A3サイズで2ページ+A4サイズで2ページ
(A3サイズでA及びB,次にA4サイズでC及びD)
3) A3
A3サイズで4ページ
(全てABCD順でA3サイズ)
原稿セットの方向
デフォルト
原稿の画像面
片面
用紙搬送経路設定
最短の用紙搬送経路でA4サイズ用紙をセットし,A3サイズ用紙のセット
が可能な場合に,次に短い用紙搬送経路でA3サイズ用紙をセットする。
(手差しトレイを利用した場合は,詳細報告に記載するのがよい。)
複写モード
丁合モードだけ(その他モードはなし。)
26
X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.5−全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
混載原稿モード
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
A4:A3=
2ページ:2ページ
19.5
26.6
27.2
20.2
71.7
75.9
A3=4ページ
19.5
26.6
28.9
26.7
67.5
100.4
B.5
その他モード
表B.6−試験条件
設定項目
設定条件
原稿サイズ及び組合せ
1) A4
A4サイズで4ページ(全てABCD順でA4サイズ)
2) A4ステープル止め
A4サイズで4ページ(全てABCD順でA4サイズ)
原稿セットの方向
デフォルト
原稿の画像面
片面
複写モード(ステープル) ステープルユニット名: SU 1234
左上の一か所をステープル止めする。
表B.7−全体報告
複写モード
基本複写モード
付加機能性能率
ステープルモード
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
第1部複写
時間
(FSOT)
(秒)
推定最大
複写速度
(ESAT)
(ipm)
)
(
付加機能
基本
%
FSOT
FSOT
)
(
基本
付加機能%
ESAT
ESAT
ステープル
19.5
26.6
29.0
21.2
67.2
79.7
27
X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
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附属書C
(規定)
複写生産性測定用原稿
最新の公式のファイルは,http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/SC28̲Test̲Pages/
のファイル名“ISO̲IEC̲24735̲2009̲Test̲Pages.pdf”から取り出すことができる。
これらは,JIS X 6940の試験原稿に由来する。複写生産性測定で試験原稿を用いる場合は,試験原稿は
最新の試験用電子ファイルを使って測定対象としている装置で印刷して作成する。測定対象の複写装置が
プリンタ機能をもたない場合は,試験原稿を印刷するために使用するプリンタの名称を記録する。
モノクロ複写装置の場合,試験原稿はモノクロでよい。カラー試験原稿のA,B,C及びDからモノク
ロの試験原稿を出力する。カラー複写装置の場合の試験原稿はカラーで出力する。カラー複写装置を用い
てカラー印刷をする場合はカラー設定に,モノクロ複写装置でモノクロ印刷をする場合はモノクロ設定に
する。試験原稿の準備は,4.6に示す。
A3サイズの原稿が必要な場合には,A4サイズをA3サイズに拡大し出力する。
複写速度は試験原稿の構成によって変化する場合がある。その場合は,それぞれのモードで試験原稿を
使い分ける。
(1) 4ページのオリジナル試験原稿のパターン構成は,次のとおり(PDF形式の試験用ファイル)。
A
B
C
D
図C.1−カラー試験原稿のパターン構成
(2) 複写順
四つの試験原稿は,A,B,C及びDの順番で複写する。
両面複写の原稿が必要な場合は,“A及びB”を1枚の両面に,並びに“C及びD”をもう1枚の両面に
複写する。
付加機能性能試験で使用される試験原稿は,テスト別に指定する。5.5に従う。
28
X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
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附属書D
(参考)
ファーストコピータイム(1枚目複写時間)及び連続複写速度の定義
附属書Dは,この規格の対象範囲に含まれない複写装置の参考のために作成したものである。この附属
書に記載されたテスト結果によって,この規格に記載されたテスト結果を置き換えてはならない。また,
この規格のテスト結果と比較してはならない。附属書Dのテスト結果を参照するものは,附属書Dによる
結果であることを明示する。この規格の対象外となる装置,例えば,自動原稿送り装置がない複写装置が,
将来のJISの対象範囲に含まれるようになった場合には,その装置に対して附属書Dはもはや適用しない。
電子写真複写装置のファーストコピータイム(1枚目複写時間)及び連続複写速度は,表D.1に示すよ
うにJIS X 6910において規定している。
表D.1−JIS X 6910から引用した定義
項目
記載事項
試験方法
1.24 連続複写速度
通常の使用状態(A4等倍で,かつ,標準とする送
り方向)で,1分間に複写できる枚数を枚/分で記
載する。用紙寸法によって複写速度が異なる場合
は,その旨を記載する。
カラー複写機は,カラーコピー時の枚数と白黒コピ
ー時の枚数を併記する。複写プロセスによって,連
続複写速度が異なる場合には,その旨を記載し,そ
れぞれの速度を併記することが望ましい。
なお,複写枚数は,次の書式数字で表示する。単
位は1分間当たりの複写枚数(CPM: Copies Per
Minute)。
a) 10 CPM未満は小数点第2位を四捨五入し,有
効数字2桁で表示 ○.○
b) 10 CPM以上100 CPM未満は次のいずれかで表
示
1) 小数点第1位を四捨五入し,有効数字2桁で
表示 ○○
2) 小数点第2位を四捨五入し,有効数字3桁で
表示 ○○.○
c) 100 CPM以上は小数点第1位を四捨五入し,有
効数字3桁で表示 ○○○
通常の使用状態(A4等倍で,かつ,標
準とする送り方向)で,連続11枚コピ
ーし,1枚目の排紙完了時から11枚目
が排紙完了するまでの時間を測定(t
秒を得る。)し,次によって1分間の複
写枚数に換算する。
60÷(t/10)=1分間の複写枚数
なお,連続通紙は,(1分間当たりの
複写枚数+1)に相当する枚数を通紙さ
せてもよい。
この場合,上の式の10は(通紙枚数−
1)に替える。
1.25 ファーストコ
ピータイム(1枚目
複写時間)
通常の使用状態(A4等倍,標準とする送り方向)
で,プリントボタンを押してから1枚目のコピー用
紙が排出し終わるまでの最も速い条件での時間
(秒)を記載する。
ファーストコピータイムの表示において,複写機の
基本構成又は原稿送り装置の附属やモードなどの
条件によって異なる場合には,その旨を記載するこ
とが望ましい。
コピー濃度自動調整,原稿寸法検知,自動両面コピ
ーなどの付加機能の使用及びモードによって,ファ
ーストコピータイムが異なる場合にはその旨を付
記し,併せてその数値も記載することが望ましい。
通常の使用状態で,プリントボタンを
押してから,1枚目のコピー用紙が排
紙し終わるまでの時間(秒)を,最も
速い条件で測定する。
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X 6939:2011 (ISO/IEC 24735:2009)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
自動原稿送り装置及び丁合機能をもたない複写装置は,この規格の対象外である。しかし,連続複写速
度及びファーストコピータイムは,これらの複写装置だけでなく,自動原稿送り装置及び丁合機能をもっ
た複写装置に対しても,生産性に関する部分的な情報を与える。
複写装置によっては,その複写速度が複写品質に関する設定値に依存するものがあるので,設定値はデ
フォルト値を用いる。
複写装置の中には,連続複写速度が試験原稿に依存するものがあるので,試験原稿は,次のPDF形式の
試験用ファイルを使って作成する(図D.1参照)。モノクロ複写装置の場合には,試験原稿はモノクロで作
成し,カラー複写装置の場合には,試験原稿はカラーで作成する。カラー複写装置において,カラーで出
力するときは,複写装置をカラー設定にし,モノクロで出力するときは,モノクロ設定にする。PDF形式
の試験用ファイルの最初のページを使って,ファーストコピータイム及び連続複写速度の測定のための試
験原稿を作成する。
図D.1−カラー試験原稿のレイアウト
最新の公式のファイルは,http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/SC28̲Test̲Pages/
のファイル名“ISO̲IEC̲24735̲2009̲Test̲Pages.pdf”のページから取り出すことができる。
このファイルは,JIS X 6940の試験原稿に由来する。ファーストコピータイム及び連続複写速度を測定
するとき,これらの試験原稿は,最新の公式のファイルを使って,測定対象装置で作成する。また,対象
装置がプリンタ機能をもっていない場合は,試験原稿を印刷した装置名を記録する。カラー複写装置を測
定するときは,試験原稿はカラーであるのがよい。モノクロ複写装置を測定するときは,試験原稿はモノ
クロであるのがよい。
参考文献 JIS X 6910 事務機器−複写機・複合機の仕様書様式及びその関連試験方法
JIS X 6940 情報機器−事務機器−プリンタ及び複合機の印刷生産性測定方法
注記 対応国際規格:ISO/IEC 24734,Information technology−Office equipment−Method for
measuring digital printing productivity(IDT)