X 6912:2007 (ISO/IEC 24700:2005)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 事務機器への要求 ············································································································· 3
4.1 性能 ···························································································································· 3
4.2 更新 ···························································································································· 3
4.3 試験 ···························································································································· 3
4.4 品質 ···························································································································· 3
4.5 安全性及び電磁両立性 ···································································································· 4
4.6 機器の保証 ··················································································································· 4
4.7 サービス ······················································································································ 4
4.8 環境責任 ······················································································································ 4
5 適合の表明 ······················································································································ 4
5.1 供給者適合宣言 ············································································································· 4
5.2 文書化 ························································································································· 4
附属書A(規定)供給者による適合宣言の様式 ·········································································· 5
附属書B(参考)法規のまとめ ······························································································· 7
附属書C(参考)リサイクル関連技術の図解 ············································································ 11
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人ビジネス機械・情報システム産業協
会(JBMIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
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(ISO/IEC 24700:2005)
再使用部品を含む事務機器の品質及び性能に関する
供給者宣言のための指針
Quality and performance of office equipment that contains reused
components
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO/IEC 24700を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線及び/又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項であ
る。
この規格は,再使用部品を使用している事務機器製品が,新しい部品だけを使用する機器と同等の品質
及び性能であると主張することを記述するための方法を定めるものである。
この規格は,技術的に中立の立場を意図している。この規格の要求事項及びそれを成立させるための手
段を規制上の要求事項及び調達上の要求事項と結び付けると,製品の使用部品のいかんにかかわらず,そ
の機器がどのような機器かを記述する一つの方法となる。この規格は,使用者・消費者のものの見方を示
しており,次のような問いに答える際に役立つ。
a) 再使用部品を使用しているこの事務機器は,すべて新しい部品からできている機器と同等に機能する
のか?
b) この事務機器は,自分の組織の技術面,安全面,環境上の要求事項にどのように適合しているのか?
この規格は,適合性評価に適している。したがって,この規格は,製品の供給者若しくは製造業者(第
一者),使用者若しくは購入者(第二者),及び/又は第一者によって認定されたサードパーティ(第三者)
によって適用することができる。この規格に例示された引用規格は,適合性評価規格JIS Q 17050の例示要
求に適合するために,遵守する必要がある。
1
適用範囲
この規格は,再使用部品を使用する事務機器製品が新しい部品だけを使用する製品と同等の働きをする
ことを,本来の機器の製造業者又はその製造業者が認定した第三者が供給者宣言する場合に,“満たさなけ
ればならない要件”を定めた指針である。また,この規格は,これらの製品が部品レベルにおいても,新
しい部品と同等の仕様及び性能基準を満たし,責任ある管理体制の基で製造する製品に要求されるすべて
の安全性及び環境基準に継続的に適合していることを供給者宣言する場合にも用いる。したがって,この
規格は,再使用部品を使用する機器の品質及び性能そのものを直接保証するものではない。さらに,この
規格は,部品の再使用となる製造プロセス及びリカバリプロセス(リサイクルプロセス)で製造した事務
機器に関するものであり,附属書Cに,再使用と他のリサイクルプロセスとの関係を示す。使用者が交換
2
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可能なトナーカートリッジなどの消耗品は適用外とする。また,本来の機器の製造業者又はその製造業者
が認定した第三者によって再生された機器であっても,本来の設計性能仕様に適合しない機器は,この規
格の適用外とする。この規格は,次の場合に適用する。
− 公的機関が,再使用部品を使用する機器の品質,安全性及び性能を評価し,供給業者の環境責任を証
明するための中立的判断基準を必要とする場合。
なお,機器が法規によって中立的な判断基準を要求される場合には,この規格がその法規への適合
性を証明するための判断基準を提供する。
注記 法規については,附属書Bに示す。
− 民間の供給業者が,再使用部品を使用する機器の品質,安全性及び性能がすべて新しい部品を使用す
る機器と同等であることを宣言し,それを伝達し,また,供給業者の環境責任を証明するために中立
的な判断基準を必要とする場合。
− 消費者が,環境に配慮している製品を特定するか又は区別するために中立的な判断基準を必要とする
場合。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 24700:2005,Quality and performance of office equipment that contains reused components
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを
示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追
補を含む。)には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 6950 情報技術機器の安全性
注記 対応国際規格:IEC 60950 Safety of information technology equipment (MOD)
JIS Q 9001 品質マネジメントシステム−要求事項
注記 対応国際規格:ISO 9001 Quality management systems−Requirements (IDT)
JIS Q 14001 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
注記 対応国際規格:ISO 14001 Environmental management systems−Requirements with guidance for
use (IDT)
JIS Q 17050-1:2005 適合性評価−供給者適合宣言−第1部:一般要求事項
注記 対応国際規格:ISO/IEC 17050-1:2004 Conformity assessment−Supplier's declaration of
conformity−Part 1: General requirements (IDT)
JIS Q 17050-2:2005 適合性評価−供給者適合宣言−第2部:支援文書
注記 対応国際規格:ISO/IEC 17050-2:2004 Conformity assessment−Supplier's declaration of
conformity−Part 2: Supporting documentation (IDT)
IEC 61000-3-2 Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-2: Limits−Limits for harmonic current
emissions (equipment input current <=16 A per phase)
IEC 61000-3-3 Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-3: Limits−Limitation of voltage changes,
voltage fluctuations and flicker in public low-voltage supply systems, for equipment with rated current <=
3
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16 A per phase and not subject to conditional connection
CISPR 14 Electromagnetic Compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and similar
apparatus−Part 1: Emission−Product Family Standard; Part 2: Immunity−Product family standard
CISPR 22 Information Technology Equipment−Radio Disturbance Characteristics−Limits and methods of
measurement
CISPR 24 Information Technology Equipment−Immunity Characteristics−Limits and methods of
measurement
注記 CISPR:International Special Committee on Radio Interference(国際無線障害特別委員会)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
適合性評価 (Conformity assessment)
関連する要求事項を満たしていることを,直接又は間接に確定するための活動。
3.2
供給者宣言(Supplierʼs declaration)
製品,プロセス又はサービスが規定の要求事項に適合することを,供給者が文書で保証するための行為。
注記 供給者とは,製品,プロセス又はサービスの提供者であって,製造業者,配送業者,輸入業者,
組立業者,サービス業者などを指す。混乱を避けるために,“自己認証”という表現は,使わな
いことが望ましい。
3.3
事務機器(Office equipment)
プリンタ,複写機,デジタルスキャナ,ファクシミリ機器及びこれらの機器を組み合わせたシステム。
4
事務機器への要求
4.1
性能
元々の機器製造業者又は同者が認定した業者により,機器が,製品関連文書及び保証書に記述する製品
設計仕様を満足していることを保証されなければならない。すなわち,再使用部品を使用して組み立てる
機器の外装,機能及び性能は,すべて新しい部品から成る機器と同等であることが望ましい。
4.2
更新
機能的に重要な構成部品は,新造であるか再使用であるかにかかわらず,最新仕様でなければならない。
注記 再使用部品を使用している機器は,機能に重大な影響を及ぼす構成部品について,常に更新さ
れていなければならない。製品導入後すぐに発見された問題を解決するために改良された電子
回路基板がこの例に当たる。
4.3
試験
機器は,製品に使用する部品がすべて新品であるか再使用部品を含んでいるかにかかわらず,製造業者
が決めた手順と同等の手順で試験しなければならない。
4.4
品質
元々の機器がJIS Q 9001の認証を受けた工場で製造されている場合には,機器は必ず継続的に認証工場
で製造されなければならない。工場におけるJIS Q 9001の認証は,その製品で決めた設計に適合している
4
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ことをより確実なものにする可能性がある。
4.5
安全性及び電磁両立性
機器の安全性は,JIS C 6950に規定する要求事項を満足しなければならない。
なお,当該製品が次に示す規格に該当し,その製品を販売する市場で適合性が要求される場合には,規
格の要求事項を満足しなければならない。
CISPR 14
CISPR 22
CISPR 24
IEC 61000-3-2
IEC 61000-3-3
4.6
機器の保証
機器の保証及び補償は,すべて新しい部品で製造した機器及び再使用部品を使用する機器に等しく適用
しなければならない。
4.7
サービス
顧客に提供されるサービス契約は,機器の部品がすべて新品か又は再使用部品を使用しているかにかか
わらず同等でなければならない。
4.8
環境責任
元々の機器がJIS Q 14001の認証工場で製造されている場合には,機器は必ず継続的に認証工場で製造
されなければならない。工場におけるJIS Q 14001の認証は,機器の環境性能の継続的な改善をより確実
なものにする可能性がある。
5
適合の表明
5.1
供給者適合宣言
この規格及び箇条2に示す引用規格の要求事項に適合していることを証明する場合には,供給者は,附
属書A(供給者による適合宣言の様式)を使用しなければならない。
5.2
文書化
箇条2に示す引用規格の要求事項を満たす文書は,JIS Q 17050-2の規定に従って提示されなければなら
ない。事務機器の具体的な特性に関する要求を満たすためのその他の文書についても,要求がある場合に
は,提示しなければならない。
注記 事務機器の特性は,ISO/IEC 11159(Information technology−Office equipment−Minimum
information to be included in specification sheets−Copying machines),ISO/IEC 11160規格群
(Information technology−Office equipment−Minimum information to be included in specification
sheets−Printers)などの国際規格で指定される。
5
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附属書A
(規定)
供給者による適合宣言の様式
JIS Q 17050-1による供給者適合宣言書
1) 番号
2) 発行者の名称
発行者の住所
3) 宣言の対象
4) 上記宣言の対象は,次の文書の要求事項に適合している:
文書番号
表題
版数/発行日
5)
追加情報
6)
代表者又は代理者の署名
(発行場所及び発行日)
7)
(氏名,役職名) (発行者から権限を与えられた者の署名又は同等の印)
6
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A.1 適合宣言書の様式に記入するための手引
[細別1)〜7) は,供給者適合宣言書に示す様式の項目番号である。]
1) すべての適合宣言書は,個々に識別できることが望ましい。
2) 発行責任者は明確に特定できることが望ましい。大規模な組織の場合,担当グループ又は部門を特
定する必要があるかもしれない。
3) a) 適合宣言が当該対象に関係付けられるように,“対象”を明確に記述することが望ましい。
b) 大量生産品については,個々に製造番号を付ける必要はない。そのような場合,名称,型式,
モデル番号などを示すだけで十分である。
4) 製品については,適合の表明の別の形として“上記の宣言の対象は,引渡し時に次の文書の要求事
項に適合している”としてもよい。
5) 要求事項を規定した文書は,それらの識別番号,表題及び発行日を付けて列挙することが望ましい。
6) ここには,適合宣言の有効性に関する何らかの制限及び/又は何らかの追加情報がある場合にだけ
記述することが望ましい。後者の情報は,例えば,JIS Q 17050-1:2005の6.2(一部をA.2に示す。)
に対応するものでもよいし,又はJIS Q 17050-1:2005の箇条9に従って製品に付された関連の表示
を引用してもよい。そのような製品への表示又は他の識別(例えば,製品上の)は,適合宣言書の
添付書類という形でもよい。
7) 発行者の管理主体を代表して,署名する権限を与えられた者の氏名及び役職名を示すことが望まし
い。適合宣言書に含まれる署名又は同等の印の数は,発行者の組織の正式な手続で定めた最低数と
するのがよい。
A.2 その他の情報
この宣言の根拠となる適合性評価結果に関連するその他の補完情報を示す。例えば,
− 適合性評価機関(試験所,校正試験所,検査機関,認証機関など)の名前及び住所
− 引用した関連適合性評価レポート及びその発行日
− 適用したマネジメントシステムの引用
− 適用した適合性評価機関の認定文書の引用
− JIS Q 17050-2に記載する関連支援文書類の引用
A.3 宣言フォーム
宣言は,ハードコピー,電子媒体,又はその他適正な媒体でよい。
7
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附属書B
(参考)
法規のまとめ
序文
この附属書は,製品の再使用及びリサイクルに関連した日本,欧州連合(EU),ブラジル,米国,カナ
ダ,デンマーク,アイルランド及び中国における規定及び調達要求についての情報である。
このため,この附属書は,すべてを包括しているものではなく,幾つかの現存する要求をまとめたもの
であって規定の一部ではない。
B.1
日本
日本の循環型社会形成推進基本法は,循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律として,
廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤を確立するとともに,個別の廃棄物・
リサイクル関係法律の整備と相まって,循環型社会の形成に向け実効ある取組の推進を図るものである。
この法律は,“3R(リデュース,リユース,リサイクル)”の概念並びに廃棄物管理に関する拡大生産者責
任及び事業者・国民の排出者責任の概念を普及させるものである。この循環型社会形成推進基本法体系の
下に多くの法律を策定した。電子機器及びその包装材には,次のような法律が適用される。
B.1.A 特定家庭用機器再商品化法
(通称:家電リサイクル法。平成10年6月5日法律第97号),2001年4月施行:この法律は,家庭用エ
アコン,テレビ,冷蔵庫及び洗濯機の家電4品目のリサイクルを要求している。
なお,この法律は,将来,情報技術(IT)機器を含む他の電子製品にも広げられる可能性がある。また,
個々の製品の目標リサイクル率は,初年度で50 %以上となっている。
B.1.B 資源の有効な利用の促進に関する法律
(通称:資源有効利用促進法。平成3年4月26日法律第48号),2000年5月改定,2001年4月施行:当
初は,リサイクル可能資源の使用促進及び廃棄物産出の抑制のための基本的仕組みとしてこの法律を制定
したが,2000年に見直し,新しい循環型社会形成推進基本法にうたう,事業者に対する3R(リデュース・
リユース・リサイクル)の取組を求めている。
なお,この法律は,再生資源又は再生部品の利用の促進,並びに製品の自主回収及び再資源化を強制的
に要求するものである。
B.1.C 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律
(通称:容器包装リサイクル法。平成7年6月16日法律第112号),1995年制定:この法律は,容器包
装廃棄物について,消費者は分別排出,市町村は分別収集,事業者は再商品化という新たな役割分担の下
でリサイクルを推進することを求めている。
注記 2006年6月に改正容器包装リサイクル法が成立・公布され,容器包装廃棄物の3R(リデュー
ス・リユース・リサイクル)の推進,リサイクルに要する社会全体のコストの効率化,国・自
治体・事業者・国民等すべての関係者の連携をさらに促進する。
B.1.D 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律
(通称:グリーン購入法。平成12年5月31日法律第100号),2000年制定:この法律は,国などの公的
機関が率先して環境物品など(環境負荷低減に資する製品・サービス)の調達を推進するとともに,環境
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物品などに関する適切な情報提供を促進することによって,需要の転換を図り,持続的発展が可能な社会
の構築を推進することを目指している。また,国などの各機関の取組に関することのほか,地方公共団体,
事業者,国民の責務などについても定めている。製品環境基準は,個々の製品分類ごとに策定される。こ
の基準は,製品のライフサイクル全体についての環境負荷の低減を考慮するようになっている。典型的な
製品基準には,資源・エネルギー保全,再使用可能性,リサイクル可能性,長寿命・耐久性,再使用品・
リサイクル材使用,製品廃棄時の処分容易性などがある。
B.2
欧州連合
B.2.A 廃電気電子機器(WEEE)指令
2003年2月13日に発効したこの指令の目的は,使用済み電気電子機器の無駄な廃棄を防止することで
ある。そのために,指令は,再生,再使用及びリサイクルを促進し,結果として使用済み電気電子機器の
廃却削減をねらっている。加えて,指令は,すべての経済的に活動している組織,特に処理施設の環境パ
フォーマンスの改善もねらっている。欧州連合(EU)の加盟国は,2005年8月13日までにWEEEの分別
収集,処理,再生及びそのための資金調達を確立する方策を講じることが求められていた。IT機器は,再
生率75 %,再使用率及びリサイクル率65 %の目標を2006年12月31日までに達成しなければならない。
また,指令は,電気電子機器の分解の容易性及び再生の容易化,特にWEEE及びWEEEの部品・材料の
再使用及びリサイクルを容易にすることを考慮して,設計及び製造することを求めている。このために,
加盟国は,製造業者が設計上又は生産工程上特別な工夫によってWEEEの再利用を阻害しないようにする
ための適切な措置をとることが指示されている。
B.2.B エネルギーを使用する製品に環境設計要求の枠組みを構築する指令(EuP)
欧州委員会は,2005年7月6日にエネルギーを使用する製品に環境設計要求の枠組みを構築する指令を
発効した。この指令の対象範囲は,電気電子機器だけでなくガス,石油などのエネルギーを使用する製品
も含む。この指令は,枠組み指令で規制内容の詳細は明示せず,規制の運営方法を決めており,各製品分
野の規制内容については,この指令に基づき後に発効される個別の施行措置にゆだねている。この指令は,
製品の製造者が製品を設計するに当たり製品のライフサイクルを考慮し,個別施行措置で指定する“一般
環境設計の要求”及び/又は“特定環境設計の要求”の実施を求めている。さらに,製造者は,個別施行
措置で指定された要求を満たしているか,“内部設計管理”又は“環境マネジメントシステム”に基づきそ
の適合性評価を行い,一定期間記録を保存し,その製品に“CEマーク”を張り付け,EU市場へ市場導入
することが求められている。
B.2.C 欧州グリーン購入ネットワーク
この活動は,欧州委員会が支援し,環境に好ましい調達仕様,評価方法の調和及び推進を図っている。
注記 現在,活動は,休止している。
B.3
ブラジル
B.3.A 産業,貿易及び観光省条例370号,条項22〜25;1994年11月28日
中古機械及び中古機器の輸入は,ブラジル国内で生産していない製品にだけ認められている。機械及び
機器の保守のための再生部品の輸入は,次の場合にだけ認められている。1)再生プロセスがその機械又は
機器の製造業者によって行われている場合,2)保守対象となる輸入中古製品に対して新品製品と同じギャ
ランティ保証をしている場合,3)当該製品をブラジル国内で生産していない場合。
国際技術規格に適合する企業によってブラジル国内で再組立てをすることを目的とした機械及び機器の
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部品は,輸入規制適用除外である。これらの再組立てをした機械,機器,装置及び計器は,ブラジル国内
にはない技術レベルを達成していなければならない。また,新品製品と同一のギャランティ保証をしなけ
ればならず,更にブラジル国内で製造した部品を使用していなければならない。
B.3.B 他のブラジルの法律に関する注記
欧州連合指令に基づく耐用年数を経た情報記述製品に対する回収の法案は,連邦政府が現在検討中であ
る。
B.4
アメリカ合衆国
B.4.A 連邦取引委員会(FTC)[6750-01] 連邦規制規約(CFR)16 パート260
環境に関する市場要求の利用に対するガイド,発効日:1998年5月1日
このガイドは,市場におけるあらゆる環境マーケティングに適用する。このガイドは,製品及びこん(梱)
包材と同様に,電子媒体(インターネット及び電子メール)による伝達,及びサービスの環境マーケティ
ングも対象とする。連邦取引委員会のガイドは,こん(梱)包材又は製品が使用済み製品・部品・こん(梱)
包材から再生・利用できるとき,“リサイクル可能”という言葉の使用を認めている。“製品に使用される
リサイクル品ガイド(The Recycled Content guide)”は,改定され,製品に使用されているリサイクル品に
は,使用済部品,再生部品又は再製造部品,及び原材料リサイクルがあるということが明確化された。
注記 環境マーケティングとは,ここでは,環境対応を営業の一要素とする活動をいう。
B.4.B 大統領令(E.O.)13101廃棄物抑制,リサイクル,連邦購入品を通じた政府のグリーン化;1998年
9月14日
この大統領令は,リサイクル製品並びに環境面で望ましい製品及びサービスを連邦政府が使用促進する
ことを意図している。各執行機関の長には,このような製品の選択及び要求を通して再生材料の市場を増
大・拡大させるように,廃棄物抑制及びリサイクルを日々の活動及び作業に盛り込むことを求めている。
連邦政府関係機関がこの大統領令の目標を達成することを支援するために,環境保護局(EPA)は,“環境
面で望ましい購入に関する執行機関のための最終ガイダンス(Final Guidance on Environmentally Preferable
Purchasing for Executive Agencies)”を公布したが,これは,環境配慮を調達の決定に溶け込ませるように
ガイダンスを連邦政府関係機関に提供しようとしたものである。
B.5
再使用を促進する他の国々のグリーン購入政策及び推進活動
B.5.A カナダ:1997年,各連邦政府省庁は,持続可能な開発のための戦略を策定しなければならない。“環
境及び持続可能な開発担当コミッショナ(The Commissioner of Environment and Sustainable Development)”
は,これらの計画が履行されているかどうかを毎年監査しなければならない。特にグリーン調達は,この
計画において大きな役割を果たしている。さらに,オンタリオ州,ケベック州及びマニトバ州は,使用済
み電子機器の回収を強制する法的権限をもっている。
B.5.B デンマーク
1999年3月現在,デンマークの国家機関の90 %が,グリーン購入政策を策定している。
B.5.C アイルランド
1996年版グリーン政府ガイドでは,環境面で望ましい製品の政府調達を促進している。
B.5.D 中国
1999年,複写機グリーン環境ラベル規格(HJBZ 40-2000)
中国政府(中華人民共和国環境保護局)は,“環境ラベル製品仕様:静電複写機(Environmental Label
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X 6912:2007 (ISO/IEC 24700:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Product Specification: Electrostatic Copying Machines)”を公布した。政府は,2003年から,規格を遵守して
いる複写機の認定を開始する予定である。規格の要求内容は,ドイツのブルーエンジェル環境ラベルの内
容に類似しており,他の配慮事項に加えて製品の再使用可能性・リサイクル可能性を要求している。
注記 この環境ラベル規格は,2004年3月に発布され2004年12月施行された。
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X 6912:2007 (ISO/IEC 24700:2005)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
リサイクル関連技術の図解
序文
この附属書はリサイクル用語関連図について記載するものであって,規定の一部ではない。
図C.1−リサイクル関連技術の図解
新規製造品
組立
新造部品
未使用
材料
リサイクル
材料
再使用
回収された使用済み製品
再資源化
リサイクル
エネルギー
回収
その他
焼却
埋立て
その他
この規格の
適用範囲
再使用部品
廃棄