X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号及び略語 ··················································································································· 2
5 2.45 GHz RFIDプロトコル ································································································· 3
5.1 一般 ···························································································································· 3
5.2 モード1:受動形後方散乱RFIDシステム··········································································· 4
5.3 モード2:長距離高速データ転送RFIDシステム ································································· 44
6 この規格で規定した二つのモード間の特性の相違表 ······························································· 78
附属書A(参考)モード1:メモリマップ ················································································ 79
附属書B(参考)モード1:CRC ···························································································· 85
附属書C(規定)モード2:メモリマップ ················································································ 89
附属書D(参考)モード2:CRC ···························································································· 92
参考文献 ···························································································································· 94
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,JIS X 6351-1:2010の附属書Eに示す者の有する特許権,及び次の者の有する特
許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
問合せ先
特許番号
この規格の関係する
細分箇条
Intermec Technologies Corporation, Attn.:
Ronald D. Payne, Vice President, Contracts,
6001 36th Ave, West, Everett, WA 98203,
USA
US 4,786,907; US 5,030,807;
US 5,521,601; US 5,550,547;
US 5,673,037; US 5,777,561;
US 5,828,318; US 5,828,693;
US 5,850,181; US 5,942,987;
US 5,995,019
5.2
Koninklijke Philips Electronics N.V.,
Intellectual Property & Standards, Mr.
Harald Röggla, Triester Strasse 64, A-1101
Vienna, Austria
PHAT010034;
JP 03-502778;
US2002/0186789A1;
WO 02/099741A1
5.2
Siemens AG, Patent department, POB
221634, D-80506 Munich, Germany
DE 10137247.7;
PCT/DE02/02769
5.3
Intercode/Spacecode,
Mr.
M.
Pierre
Raimbault; 12, Rue des Petits Ruisseaux;
Z.I. des Godets; 91370 Verrières le Buisson;
France
US 5,808,550;
EP 96402555.5;
Canada 2191794
5.2
Sterne, Kessler, Goldstein & Fox P.L.L.C.
Attn. Mr. Rob Sokohl, 1100 New York
Avenue NW, Washington, DC 20005-3934,
USA for Matrics, Inc.
US 6,002,344
5.2,5.3
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実地が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等にかかわる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新
案登録出願をいう。
JIS X 6351の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS X 6351-1 第1部:参照アーキテクチャ及びパラメタの定義
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
(3)
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JIS X 6351-2 第2部:135 kHz未満のエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-3 第3部:13.56 MHzのエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-4 第4部:2.45 GHzのエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-6 第6部:860 MHz〜960 MHzのエアインタフェース通信パラメタ(予定)
JIS X 6351-7 第7部:433 MHzのエアインタフェース通信パラメタ(予定)
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
(4)
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白 紙
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日本工業規格 JIS
X 6351-4:2010
(ISO/IEC 18000-4:2004)
物品管理用RFID−第4部:2.45 GHzの
エアインタフェース通信パラメタ
Radio frequency identification for item management−
Part 4: Parameters for air interface communications at 2.45 GHz
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO/IEC 18000-4を基に,技術的内容及び構成を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,産業科学医療用(ISM)周波数帯域である2.45 GHzで動作し,物品管理アプリケーション
で利用されるRFID装置のためのエアインタフェースを定義する。この規格は,国際マーケットで成長す
るRFID分野の製品の互換性及び相互運用性を促進するために,RFID装置の共通の技術仕様を提供するこ
とを目的とする。この規格は,動作周波数,動作チャネル精度,占有チャネル帯域幅,最大EIRP,スプリ
アス放射,変調,デューティサイクル,データ符号化,ビットレート,ビットレート精度,ビット送出順
位及び必要に応じて動作チャネル,周波数ホップレート,ホップシーケンス,拡散シーケンス,チップレ
ートなどを含む技術的属性に対する順方向リンクパラメタ及び返信リンクパラメタを定義する。さらに,
この規格は,エアインタフェースで使用する通信プロトコルについても定義する。
この規格には二つの動作モードを含む。一つはリーダトークファースト(RTF)で動作する受動形RF
タグであり,もう一つはタグトークファースト(TTF)として動作するバッテリ補助形RFタグである。モ
ード間の技術的な違いの詳細は,パラメタ一覧表の中に示した。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 18000-4:2004,Information technology−Radio frequency identification for item management
−Part 4: Parameters for air interface communications at 2.45 GHz(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0500-1 自動認識及びデータ取得技術−用語−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-1:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 1: General terms relating to AIDC(IDT)
2
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
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JIS X 0500-2 自動認識及びデータ取得技術−用語−第2部:光学的読取媒体
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-2:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 2: Optically readable media (OMR)
(IDT)
JIS X 0500-3 自動認識及びデータ取得技術−用語−第3部:RFID
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-3:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 3: Radio frequency identification (RFID)
(IDT)
JIS X 6320-6 ICカード−第6部:交換のための産業間共通データ要素
注記 対応国際規格:ISO/IEC 7816-6,Identification cards−Integrated circuit cards−Part 6: Interindustry
data elements for interchange(IDT)
JIS X 6351-1 物品管理用RFID−第1部:参照アーキテクチャ及びパラメタの定義
注記 対応国際規格:ISO/IEC 18000-1:2004,Information technology−Radio frequency identification for
item management−Part 1: Reference architecture and definition of parameters to be standardized
(IDT)
ISO/IEC 15963,Information technology−Radio frequency identification for item management−Unique
identification for RF tags
ISO/IEC TR 18047-4,Information technology−Radio frequency identification device conformance test
methods−Part 4: Test methods for air interface communications at 2.45 GHz
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0500規格群による。
4
記号及び略語
Cht
搬送波高レベル許容度
Carrier high level tolerance
Clt
搬送波低レベル許容度
Carrier low level tolerance
Fbitrate
ビット変化のないマンチェスタコードの
Base Frequency of the bit rate of Manchester code
ビットレートの基本周波数
without bit changes
fc
動作領域での周波数(搬送周波数)
Frequency of operating field (carrier frequency)
FHSS
周波数ホッピングスペクトル拡散
Frequency Hopping Spread Spectrum
M
変調
Modulation
Ma
変調オーバーシュート
Modulation overshoot
Mb
変調アンダーシュート
Modulation undershoot
Mlt
下限変調許容範囲
Modulation lower tolerance
Mut
上限変調許容範囲
Modulation upper tolerance
Tbmf
マンチェスタ信号立下り時間
Manchester fall time
Tbmr
マンチェスタ信号立上り時間
Manchester rise time
Tcf
搬送波立下り時間
Carrier fall time
Tcr
搬送波立上り時間
Carrier rise time
Tcs
搬送波安定化時間
Carrier steady time
3
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
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Tf
立下り時間
fall time
Tfhf
搬送波FHSS立下り時間
Carrier FHSS fall time
Tfhr
搬送波FHSS立上り時間
Carrier FHSS rise time
Tfhs
搬送波FHSS安定化時間
Carrier FHSS steady time
Tflb
順方向リンクビット時間
Forward link bit time
Tr
立上り時間
rise time
Trlb
返信リンクビット時間
Return link bit time
5
2.45 GHz RFIDプロトコル
5.1
一般
5.1.1
プロトコル
箇条5は,この規格の2.45 GHz RFIDコマンド及びデータレベル通信プロトコルを定義する。これらの
プロトコルは,適合RFタグと適合リーダライタとの間の通信を容易化する。プロトコルのためのタイミ
ングパラメタ及び信号特性は,各モードでの物理リンク仕様で規定される。
5.1.2
周波数
この規格は,産業科学医療用(ISM)周波数帯域の2.45 GHzで動作するRFID装置について規定してい
る。
5.1.2.1
インタフェース定義
この規格は,物品管理用途の無線の非接触形情報システム装置に関し,JIS X 6351-1に規定した標準規
格パラメタ及び標準規格エアインタフェースの実装をサポートする。典型的な用途では,1 m以上離れた
通信距離で動作する。
5.1.2.1.1
RFIDシステム定義
RFIDシステムには,ホストシステム及びRFID装置(リーダライタ及びRFタグ)が含まれなければな
らない。ホストシステムは,RFID装置とのインタフェースを制御するアプリケーションプログラムを動
作させる。RFID装置は二つの基本部品,つまりRFタグ及びリーダライタで構成されなければならない。
RFタグは,使用者が管理したい物品に取り付けるためのものである。RFタグは,RFタグ識別番号及び
RFタグ又は物品に関するその他のデータを記憶し,リーダライタに対してこれらの情報を送信する能力を
もつ。リーダライタは,通信領域にあるRFタグと通信するための装置である。加えてリーダライタは,
RFタグへ電力を供給するのに送信無線周波数搬送波を使用することができる。RFタグへの電力供給をリ
ーダライタ送信搬送波に頼るシステムは,一般に受動形RFタグシステムと呼ばれる。リーダライタはプ
ロトコルを制御し,RFタグからの情報を読み取り,場合によってはRFタグにデータを記憶するように指
示し,さらに,メッセージの配布と有効性とを保証する。
5.1.2.1.2
最低限の機能
この規格で規定するRFIDシステムは,次の最低限の機能を提供する。
− 通信領域内にあるRFタグの識別
− データの読取り
− データ書込み又は読取専用システムの処理
− グループ又はアドレスによる選択
− 通信領域内の複数RFタグの処理
− エラー検出
4
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5.1.2.1.3
適合性
この規格への適合を主張するためには,RFIDシステムは5.2及び5.3に規定する物理・データリンク実
装の一つに適合しなければならない。
RFID装置の適合性評価の規則は,ISO/IEC TR 18047-4で提供されている。
5.1.3
RFタグ識別番号
プロトコルがTTF(タグトークファースト)プロトコルのように他の手段を提供しているのではない限
り,特定のRFタグを指定するコマンドには,RFタグ識別番号が含まれなければならない。この規格では,
各RFタグには,モード1用には附属書A,モード2用には附属書Cに規定のとおり,製造者RFタグ識
別番号を付けることを義務付けている。
個別のユーザRFタグ識別番号はオプションであり,必す(須)ではない。ユーザRFタグ識別番号が使
用される場合は,ユーザアプリケーションで必要なバイト数で構成しなければならない。この番号及びそ
の他のアプリケーションデータは,RFタグのユーザデータフィールドとして参照されなければならない。
これらのフィールドは,ドライバソフトウェアのフィールド名参照法を使い,APIを通して参照できる。
ユーザRFタグ識別番号はユーザ定義の識別番号であり,固有の番号である必要はない。
5.1.4
潜在的相互干渉
規格開発者は,規格モード間で“重大な干渉”が存在しないことを確認する義務がある。設定の運用状
況として,一つの規格モード(最も幅広く拡散される許容送出電力の範囲内で動いている。)のシステムが,
別の規格モード(最も幅広く拡散される許容送出電力の範囲内で動いている。)のシステムの良好な動作を
妨害するような場合には,“重大な干渉”が存在するという。
設定の運用状況において動作を妨害しないか,又は簡単かつ安価な工事設計改良によって回避できるよ
うな,影響のない程度の少ない干渉が観測されたときに,そのモードの規格化を不採用とする理由と考え
てはならない。
“重大な干渉”を回避するために,この規格では,次の点に留意している。
− TTFモードは,この規格で示すように明確に区別されている。
− RFIDシステム設置者には,同じ周波数帯域を共用する他のシステムがあることに配慮し,システム
を設置する場合には,他のシステムに対する与干渉をあらかじめ最小限に抑えるための最大限の措置
を取るように努力すべきことを勧告する。システム設置者には,同様に,同じ周波数帯域内において,
電波規制上の許容送信出力までの電波で他ユーザからの被干渉に対応するように備えておくことを勧
告する。
5.2
モード1:受動形後方散乱RFIDシステム
FHSS後方散乱方式RFIDシステム又は狭帯域動作RFIDシステムには,通信領域内の一つ以上のRFタ
グと同様に,FHSS後方散乱方式RFIDシステム又は狭帯域動作RFIDシステムで動くリーダライタも含ま
れる。
RFタグはリーダライタの電波領域内に置かれると,電源が入り動作が始まる。電界強度が適切な場合に
は,RFタグは電源オンリセットを実行し,コマンドを受信する準備ができなければならない。各コマンド
は,RFタグにおいて受信信号からクロック及びデータの再生が可能なように,プレアンブル及び開始符号
から始めなければならない。RFタグへのデータ及びRFタグからのデータは,巡回冗長検査(CRC)を使
ってエラーが検査される。したがって,CRCフィールドはすべてのリーダライタからの質問及びすべての
RFタグの応答内に含まれる。付加的データ保護は順方向(リーダライタからRFタグへの)リンクのマン
チェスタ符号化及び返信(RFタグからリーダライタ)リンク上のFM0符号化によって与えられる。
5
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FHSS後方散乱方式RFIDシステム又は狭帯域動作RFIDシステムにおいて,RFIDコマンドセットを使
用することによってリーダライタはその電波領域内にあるRFタグの多くの機能を実行できる。例えば,
リーダライタは,その電波領域内にある複数RFタグの同時識別を可能にするコマンドシーケンスを送る
ことができる。その代案として,リーダライタはRFタグメモリの内容に基づいて,電波領域内の複数RF
タグのサブセットを交互に選択することもできる。RFタグに対してデータの書込み又はロックと同様に,
電波領域内のRFタグ内の記録データを読み取ることもできる。
この規格では,RFタグコマンドセットの規定として,コマンドフィールド,及びあるとすれば返信デー
タ受領確認フィールドについての詳細を規定する。さらに,どのように複数物品の識別アルゴリズムが働
くか,及びバイト配列仕様を含む,FHSS後方散乱方式RFIDプロトコルの高位の追加要件を規定している。
より多くのプロトコルの概要は,5.2.2.7で詳細に述べられている。
この規格では,次のシステム機能をサポートする受動形後方散乱RFIDシステムについて規定する。
システムプロトコル
− 電波領域内の複数RFタグの識別及び通信
− ユーザがRFタグに保存した情報をベースとして,識別又は通信するRFタグのサブグループの選択
− 個別のRFタグに対するデータの読取り,書込み又は多数回の再書込み
− ユーザ制御によるメモリの永久ロック
データ完全性保護
− マンチェスタビット単位符号化及びCRC-16パケットレベル保護は順方向リンク(リーダライタから
RFタグ)データに適用
− FM0ビット単位符号化及びCRC-16パケットレベル保護は返信リンク(RFタグからリーダライタ)デ
ータに適用
このRFIDシステムでは,リーダライタは通信範囲内にあるRFタグに電源供給及び通信を行う。RFタ
グはリーダライタから,電力及びデータ信号のオンオフキー振幅変調(OOK)としてデータを受信する。
RFタグがリーダライタに返信している間,リーダライタは一定の無線周波数出力レベルで送信し,RFタ
グはそのアンテナ端子の無線周波数負荷インピーダンスを変調する。リーダライタは,それ自身の送信出
力の反射電波の変動として,RFタグからの返信データを受信する。
5.2.1
モード1:物理パラメタ及び媒体アクセス制御(MAC)パラメタ
5.2.1.1
モード1:リーダライタからRFタグへのリンク
表1を参照。
表1−物理リンクの仕様−順方向リンク
番号
パラメタ名
内容
M1-Int: 1
動作周波数範囲
2 400 MHz〜2 483.5 MHzの帯域内の電波法で許可されて
いる値
M1-Int: 1a
動作周波数初期値
2 450 MHz
M1-Int: 1b
動作チャネル
電波法を適用。
例として,米国では0.5 MHz単位の増加で2 422.5MHz
〜2 461.5MHzの79チャネルが使用可能。
M1-Int: 1c
動作周波数精度
最大許容範囲は±50 ppmであるが,国の規則による要件
があるときは,その許容範囲を適用できる。
6
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表1−物理リンクの仕様−順方向リンク(続き)
番号
パラメタ名
内容
M1-Int: 1d
周波数ホップレート
ホップレートは,適用可能な場合には,システムを運用
する国の電波監督機関が定める。
例として,米国では連邦通信委員会(FCC)のFCCパー
ト15の第15.247条によって,米国内ではどの周波数に
おいても最大時間0.4秒と設定されている。
M1-Int: 1e
周波数ホップシーケンス
擬似乱数ホッピングパターンは,指定周波数帯を均一的
に活用。
M1-Int: 2
占有チャネル帯域幅
最大0.5 MHz帯域幅仕様は電波法の規定に従う。
例として,米国ではFCCパート15の第15.247条参考文
書1.2.2によって,20 dB帯域幅として規定されている。
M1-Int: 3
リーダライタ送信最大EIRP
最大出力は,システムを運用する国の電波監督機関によ
って規制されている。
例として,対応国際規格の起草時において米国内の文書
を参照すると,FCCパート15の第15.247条で,リーダ
ライタからの最大出力は30 dBm,リーダライタの送信ア
ンテナからは4 W(36 dBm)EIRPとなっている。
例として,ISM帯域において運用する固定周波数モード
(例 狭周波数帯)のための日本の参考文献では,シス
テムは,利得が20 dBi未満の指向性アンテナに供給電力
300 mWが“免許”条件として運用可能である。チャネ
ルは,このモードの動作に使用可能なFHSS“無免許”
動作の下で定義されている。
M1-Int: 4
リーダライタスプリアス放射
M1-Int: 4a及びM1-Int: 4bに記載。
M1-Int: 4a
リーダライタスプリアス放射,帯域内(スペ
クトル拡散システム用)
適用しない。
M1-Int: 4b
リーダライタスプリアス放射,帯域外
リーダライタは,システムを運用する国の電波監督機関
によって定義されたスプリアス放射条件に適合した送信
を行わなければならない。
例として,米国の参考文書では,FCCパート15の第
15.205条及び第15.209条は,この規格の起草時に,3 m
において500 μV/mを限度と設定している。
M1-Int: 5
リーダライタ送信機スペクトルマスク
通信搬送波:ASK
M1-Int: 6
タイミング
M1-Int: 6a〜M1-Int: 6dに記載。
M1-Int: 6a
送信から受信への切替え時間
5.2.2.9.2を参照
注記 対応国際規格では6.1.2.9.1の細分箇条と記述され
ているが,正しくは5.2.2.9.2である。
M1-Int: 6b
受信から送信への切替え時間
通信プロトコルによって決定される。M1-Tag: 6aを参照
M1-Int: 6c
滞留時間又はリーダライタ送信電力オン過渡
期間
ビット周期の5 %未満
M1-Int: 6d
減衰時間又はリーダライタ送信電力オフ過渡
期間
ビット周期の5 %未満
M1-Int: 7
変調
ASK 詳細は5.2.2.4に記載。
注記 対応国際規格では6.1.2.4の細分箇条と記述されて
いるが,正しくは5.2.2.4である。
M1-Int: 7a
拡散シーケンス[ダイレクトシーケンススペ
クトル拡散(DSSS)システム用]
適用しない。
M1-Int: 7b
チップレート(スペクトル拡散システム用) 適用しない。
7
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表1−物理リンクの仕様−順方向リンク(続き)
番号
パラメタ名
内容
M1-Int: 7c
チップレート精度(スペクトル拡散システム
用)
適用しない。
M1-Int: 7d
変調指数
99 % 詳細は5.2.2.4.1を参照。
M1-Int: 7e
デューティサイクル
50 %±5 %
M1-Int: 7f
FM偏差
適用しない。
M1-Int: 8
データ符号化
マンチェスタ方式
M1-Int: 9
ビットレート
30 kbit/s〜40 kbit/s
M1-Int: 9a
ビットレート精度
100 ppm
M1-Int: 10
リーダライタ送信変調精度
5.2.2.4.1を参照。
M1-Int: 11
プレアンブル
あり,5.2.2.8.3を参照。
M1-Int: 11a
プレアンブル長
9ビット,5.2.2.8.3を参照。
M1-Int: 11b プレアンブル波形
5.2.2.8.3を参照。
M1-Int: 11c
ビット同期ビット系列
あり,5.2.2.8.4を参照。
M1-Int: 11d フレーム同期ビット系列
あり,5.2.2.8.4を参照。
M1-Int: 12
スクランブリング
(スペクトル拡散システム用)
適用しない。
M1-Int: 13
ビット送信順位
最上位ビット優先(MSBファースト)
M1-Int: 14
ウェイクアッププロセス
RFタグ側での適切なRF信号の存在,そのRF信号の後
にRFタグタイプの必要性に応じてウェイクアップコマ
ンドが続く。
M1-Int: 15
偏波
リーダライタ仕様に従う。この規格では定義しない。
5.2.1.2
モード1:RFタグからリーダライタへのリンク
表2を参照。
表2−物理リンクの仕様−後方散乱返信リンク
番号
パラメタ名
内容
M1-Tag: 1
動作周波数範囲
2 400 MHz〜2 483.5 MHzの周波数帯域内の電波法上の許容値
M1-Tag: 1a
動作周波数初期値
2 450 MHz
M1-Tag: 1b
動作チャネル(スペクトル拡散システ
ム用)
電波法の要件に従う。M1-Int: 1bを参照。
M1-Tag: 1c
動作周波数精度
最大許容範囲は±50 ppmであるが,国の規則に応じた許容範囲
を適用できる。
M1-Tag: 1d
周波数ホップレート[周波数ホッピン
グ(FHSS)システム用]
ホップレートは,システムが運用される国の監督機関が定め
る。
M1-Tag: 1e
周波数ホップシーケンス[周波数ホッ
ピング(FHSS)システム用]
リーダライタによって駆動される。M1-Int: 1eを参照。
M1-Tag: 2
占有チャネル帯域幅
M1-Int: 2を参照。
M1-Tag: 3
送信最大EIRP
後方散乱動作の間,リーダライタによって送信される最大出力
は,システムが運用される国の監督機関による規制を受ける。
例は,M1-Int: 3の後半に記載。
M1-Tag: 4
送信スプリアス放射
M1-Int: 4a及びM1-Int: 4bに記載。
M1-Tag: 4a
送信スプリアス放射,帯域内(スペク
トル拡散システム用)
電波法による規定に従う。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−物理リンクの仕様−後方散乱返信リンク(続き)
番号
パラメタ名
内容
M1-Tag: 4b
送信スプリアス放射,帯域外
後方散乱返信リンクの動作の間,リーダライタは国内の監督機
関によって設定されたスプリアス放射の要件に適合した送信
を行わなければならない。
例として,米国の参考文書では,FCCパート15の第15.205条
及び第15.209条はこの文書の起草時に,3 mにおいて500 μV/m
を限度と設定している。
M1-Tag: 5
送信スペクトルマスク
電波法の規定に従う。
M1-Tag: 6a
送信から受信への切替え時間
1 ms未満。詳細は5.2.2.9.2を参照。
注記 対応国際規格では6.1.2.9.1の細分箇条と記述されている
が,正しくは5.2.2.9.2である。
M1-Tag: 6b
受信から送信への切替え時間
通信プロトコルによって決定される。M1-Int.: 6aを参照
M1-Tag: 6c
滞留時間又は送信電力オン過渡期間
適用しない。
M1-Tag: 6d
減衰時間又は送信電力オフ過渡期間
適用しない。
M1-Tag: 7
変調
後方散乱。詳細は5.2.2.5に記載
注記 対応国際規格では6.1.2.5の細分箇条と記述されている
が,正しくは5.2.2.5である。
M1-Tag: 7a
拡散シーケンス[ダイレクトシーケン
ススペクトル拡散(DSSS)システム用]
適用しない。
M1-Tag: 7b
チップレート(スペクトル拡散システ
ム用)
適用しない。
M1-Tag: 7c
チップレート精度(スペクトル拡散シ
ステム用)
適用しない。
M1-Tag: 7d
オンオフ比率
適用しない。
M1-Tag: 7e
副搬送波周波数
適用しない。
M1-Tag: 7f
副搬送波周波数精度
適用しない。
M1-Tag: 7g
副搬送波変調
適用しない。
M1-Tag: 7h
デューティサイクル
50 %±5 %
M1-Tag: 7i
FM偏差
適用しない。
M1-Tag: 8
データ符号化
FM0方式
M1-Tag: 9
ビットレート
30 kbit/s〜40 kbit/s
M1-Tag: 9a
ビットレート精度
±15 %
M1-Tag: 10
RFタグ送信変調精度[周波数ホッピン
グ(FHSS)システム用]
適用しない。
M1-Tag: 11
プレアンブル
5.2.2.5.6を参照
M1-Tag: 11a プレアンブル長
16ビット長の静止期間の後に同期コードが続き,その後にコー
ド違反,続いて直交コードが続く。
M1-Tag: 11b プレアンブル波形
二相符号化データ“1”
M1-Tag: 11c ビット同期ビット系列
あり,プレアンブルに含まれている。
M1-Tag: 11d フレーム同期ビット系列
あり,プレアンブルに含まれている。
M1-Tag: 12
スクランブリング(スペクトル拡散シ
ステム用)
適用しない。
M1-Tag: 13
ビット送信順位
最上位ビット優先(MSBファースト)
M1-Tag: 14
予備
予備
M1-Tag: 15
偏波
製品設計上の特徴。この規格では定義しない。
M1-Tag: 16
最小RFタグ受信機帯域幅
2 400 MHz〜2 483.5 MHz
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2.1.3
モード1:プロトコルパラメタ
表3を参照。
表3−プロトコルパラメタ
番号
パラメタ名
内容
M1-P: 1
フートークファースト
リーダトークファースト
M1-P: 2
RFタグアドレス指定機能
あり
M1-P: 3
RFタグUID
RFタグメモリに含まれ,コマンドを使って参照できる。
M1-P: 3a
UID長
64ビット
M1-P: 3b
UID形式
附属書Aを参照
M1-P: 4
読取りサイズ
バイトブロック単位でアクセス可能
M1-P: 5
書込みサイズ
バイトブロック単位でアクセス可能。1,2,3又は4ブロック単位で書き
込む(詳細は5.2.3.6.2.5を参照)。
M1-P: 6
読取り処理時間
いったんRFタグが識別され選択されると,64ビットのデータブロックを
通常10 ms未満で読み取れる。この処理時間は電波法の制約の下,使用さ
れるデータレートによって変わる。
M1-P: 7
書込み処理時間
いったんRFタグが識別され選択されると,8ビットから32ビットまでの
データブロックは,通常20 ms未満で書き込むことができる。この処理時
間は電波法の制約の下,使用されるデータレートによって変わる。
M1-P: 8
エラー検出
CRC-16
M1-P: 9
エラー訂正
エラー訂正コードは使用しない。リーダライタがエラー時の最後の送信を
再送するようにリーダにエラー発生を伝えることによって,エラーは処理
される。
M1-P: 10
メモリサイズ
最小のメモリサイズ:64ビット。推奨最小メモリサイズ:18バイト。
M1-P: 11
コマンド構造及び拡張性
幾つかのコマンドコードが将来使用のために予備として確保されている。
5.2.1.4
モード1:衝突防止パラメタ
表4を参照。
表4−衝突防止パラメタ
番号
パラメタ名
内容
M1-A: 1
タイプ(確率論的又は決定
論的)
決定論的
M1-A: 2
直線性
データ内容のサイズに応じて,2の256乗個のRFタグ数まで基本的に直
線的である。
M1-A: 3
RFタグ判別能力
アルゴリズム上では,リーダライタの読取り範囲内にある250個以上の
RFタグの読取りが可能である。
5.2.2
物理層及びデータ符号化方式
5.2.2.1
リーダライタ出力上昇波形
リーダライタの出力上昇波形は,図1及び表5に定めた規定値に適合しなければならない。
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Cht
100 %
Cht
Tcr
0 %
Tcs
Clt
図1−リーダライタ出力上昇波形
表5−リーダライタ出力上昇波形のパラメタの値
パラメタ
最小
最大
Tcs
400 µs
Tcr
0 µs
30 µs
Cht
3 %
Clt
1 %
5.2.2.2
リーダライタ出力下降
いったん搬送波レベルがリップル制限値Cht以下に落ちると,図2及び表6に規定するように,Tcf期
間内に単調に出力を下降させていかなければならない。
Cht
Clt
Tcf
100 %
0 %
図2−リーダライタ出力下降波形
表6−リーダライタ出力下降タイミング
パラメタ
最小
最大
Tcf
1 µs
500 µs
Cht
3 %
Clt
1 %
11
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5.2.2.3
周波数ホッピング搬送波の立上り時間及び立下り時間
リーダライタが周波数ホッピングスペクトル拡散モード(FHSS)で動作するとき,搬送波の立上り時間
及び立下り時間は,図3及び表7に定めた特性に適合しなければならない。
Tfhr
Tfhs
Tfhr
100 %
90 %
10 %
0 %
図3−FHSS搬送波立上り及び立下り特性
表7−FHSS搬送波立上り及び立下りパラメタ
パラメタ
最小
最大
Tfhr
15 µs
Tfhs
400 µs
Tfhf
15 µs
注記 表7の数値は,現在のFCC規則だけの例である。
5.2.2.4
順方向リンク
5.2.2.4.1
搬送波変調
リーダライタからRFタグへのデータ転送は,搬送波の変調(ASK)によって達成される。データ符号
化は,マンチェスタ符号化を行うパルスを生成することによって実行される(図4及び表8参照)。
Ma
Ma
A
B
Mb
Mb
Tf
Tr
Tf
Tr
図4−40 kbit/s信号の例
12
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表8−99 %変調のためのパラメタ
パラメタ
最小
公称
最大
M=(A−B)/(A+B)
90
99
100
Ma
0
0.03(A−B)
Mb
0
0.03(A−B)
Tr
0 µs
1.8 µs
0.1/fbitrate
Tf
0 µs
1.8 µs
0.1/fbitrate
5.2.2.4.2
順方向リンクフィールドのビット符号化
データは,図5のようにマンチェスタ符号化されている。
論理値0=マンチェスタ符号0 … 01
論理値1=マンチェスタ符号1 … 10
図5−順方向リンクビット符号化
5.2.2.5
FM0返信リンク
5.2.2.5.1
概要
RFタグは,入射エネルギーの変調,及びリーダライタに反射し返すこと(後方散乱)によって,情報を
リーダライタに送信する。
5.2.2.5.2
変調
RFタグは,二つの状態の間で択一的に反射率を切り替える。“スペース”状態は,RFタグがリーダライ
タによって活性化され,順方向リンクでの受信及び符号化が可能な場合の通常の状態である。“マーク”状
態は,アンテナ仕様又はアンテナ終端を変化させることによって生じるもう一つの状態である。
5.2.2.5.3
データレート
返信リンクデータレートは,順方向リンクデータレートから派生生成され,大体40 kbit/sである。詳細
は表9を参照する。
5.2.2.5.4
データ符号化
データは,バイフェーズスペースとしても知られるFM0方式を使用して符号化される。
1信号期間Trlbは,送信される各ビットに各々割り当てられる。FM0符号化においては,データ遷移は
すべてのビットの境界で生じる。さらに,データ遷移は送信される論理値0のビット中央で生じる。
表9−返信リンクパラメタ
データレート
Trlb
許容範囲
30 kbit/s〜40 kbit/s
25 µs〜33 µs
±15 %
非変調フィールド
変調フィールド
変調フィールド
非変調フィールド
13
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データ符号化は,最上位ビット優先(MSBファースト)で行われる。図6は,“B1”の8ビットデータ
の符号化を例示している。
1
1
0
0
t
Trlb
Byte 10110001=“B1”の最上位ビット優先で符号化
1
1
0
0
FM0 データ符号化
先行のビット状態
によって択一
図6−RFタグからリーダライタへのデータ符号化
5.2.2.5.5
メッセージフォーマット
返信リンクのメッセージはプレアンブルが先行し,その後RFタグデータが続く形でn個のデータビッ
トから構成される。データビットは,最上位ビット優先(MSBファースト)で送信される。
プレアンブルは,リーダライタにおいてRFタグデータのクロックを固定して,RFタグデータメッセー
ジの復調を開始することを可能にする。表10に示すとおり,16ビットで構成される。プレアンブルから
データへのフレーム起点として働く複数のコード違反(FM0の規則に適合しないビット列)が存在する。
5.2.2.5.6
返信プレアンブル
返信プレアンブルは,表10に定める後方散乱変調のビット列である。
表10−返信プレアンブル
00 00 01 01 01 01 01 01 01 01 00 01 10 11 00 01
データ“0”は,RFタグ変調器が高インピーダンス状態にあることを表し,データ“1”は,RFタグ変
調器の低インピーダンス状態への切替えを表し,これらのインピーダンスの変化によって,後方散乱され
るべくRFタグへの入射エネルギーに変化,すなわちRFタグからの反射を引き起こす。
RFタグは次に示すとおり,RFタグから送る半ビット1,及び半ビット0の形で後方散乱を行わなけれ
ばならない(図7を参照)。
14
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高インピーダンス
低インピーダンス
注記 1=低インピーダンス(後方散乱する。),0=高インピーダンス(後方散乱しない。)
図7−返信リンクプレアンブル
5.2.2.6
巡回冗長検査(CRC)
RFタグにコマンドを送信するとき,リーダライタはメッセージパケットに反転したCRCを付加しなけ
ればならない。リーダライタからのコマンドを受信するとき,RFタグはチェックサム又はCRCの値が有
効であることを検証しなければならない。それが無効の場合は,RFタグはそのフレームを破棄しなければ
ならなく,応答してはならないし,いかなる行動も起こしてはならない。
16ビットCRCは,リーダライタからRFタグ,及びRFタグからリーダライタへの両方の通信に適用す
る。
CRCの計算に使用する生成多項式は,X16+X12+X5+1である。16ビットレジスタは,“FFFF”に初期
設定されなければならない。算出されたCRCは反転されて,パケットの最後に付加して送信されなければ
ならない。
最上位バイトが最初に伝送され,それぞれのバイトの最上位ビットが最初に伝送されなければならない。
RFタグ側では,入ってくるCRCビットは反転され,順次レジスタに送られる。最下位ビットがRFタ
グに入った後は,16ビットCRCレジスタは全ビットゼロにならなければならない。
16ビットCRCは,CRCの最初のビットまで,ただし,これを含まない,すべてのデータビットについ
て計算されなければならない。
RFタグからの応答を受信するときは,リーダライタはそのCRC値が有効であることを検証することが
推奨される。それが無効の場合の適切な修正措置は,リーダライタの設計にゆだ(委)ねられており,こ
の規格では規定しない(表11を参照)。
表11−CRC 16ビット及びバイト送信規則
MSByte
LSByte
MSB
LSB
MSB
LSB
CRC 16(8ビット)
CRC 16(8ビット)
↑反転CRCの最初に伝送されるビット
5.2.2.7
プロトコルの概念
データは,その構成フィールドで少し違った方法で符号化され,表現されている。リーダライタからRF
タグへの通信(順方向リンク)に関して,データはオンオフキー形式を使用して送られる。無線周波数電
界がオンである場合は1に対応し,オフの場合は0に対応する。オンオフ比率の仕様は,5.2.2.4に定めら
れている。マンチェスタ符号化方式の場合には,マンチェスタ符号1は,1から0への遷移で,マンチェ
スタ符号0は,0から1への遷移で示される。
RFタグからリーダライタへの通信(返信リンク)では,後方散乱技術を使用してデータが送られる。こ
のため,返信リンクの間,リーダライタがRFタグに対して一定の安定電力を供給する必要がある。リー
高インピーダンス
低インピーダンス
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ダライタがRFタグへ電力を送っている間,RFタグは,リーダから見た場合に全周波数で,RFタグの反
射率が変化するように,そのRFタグのフロントエンドの有効インピーダンスを交互に変化させなければ
ならない。その間,リーダライタは搬送波を変調してはならない。待機フィールド(RFタグがメモリにデ
ータを書き込んでいるとき)の間も,リーダライタはRFタグに対して一定の安定電力を供給し,搬送波
を変調してはならない。通信プロトコルは,リーダライタ及びRFタグの間の双方向での命令及びデータ
の交換の仕組みを規定している。
“リーダトークファースト”の概念に基づいている。
この概念は,いかなるRFタグも,リーダライタから送られてきた命令を受け取り,適切に復号化しな
い限り,送信(変調)を開始してはならないということを意味している。
プロトコルは,リーダライタからRFタグへのコマンド,及びRFタグからリーダライタへの応答の交換
を基礎につくられている。
RFタグが応答を送る条件は,5.2.3.6に規定されている。
それぞれのコマンド及びそれぞれの応答はフレームに含まれる。フレームは5.2.2.7に定義されている。
それぞれのコマンドは,次のフィールドから構成される。
− プレアンブル
− 区切り符号(開始符号)
− コマンドコード
− パラメタフィールド:コマンドによる
− アプリケーションデータフィールド:コマンドによる
− CRC
それぞれの応答は,次のフィールドで構成される。
− 返信プレアンブル
− アプリケーションデータフィールド
− CRC
プロトコルは,ビット指向である。1フレーム内で送信されるビットの数は8の倍数,すなわち,バイ
トの整数である。しかし,フレーム自体の全体はバイトの整数に基づかないで,ビット指向で構成されて
いる。
すべてのバイトのフィールドでは,最上位ビットが最初に送られ,最下位ビットへの順番で送られなけ
ればならない。すべてのワード(8バイト)データフィールドでは,最初に最上位バイトが送信されなけ
ればならない。
最上位バイト(MSB)は,指定アドレス上のバイトでなければならない。最下位バイト(LSB)は,指
定アドレスに7を加えたアドレス上のバイトでなければならない(すなわち,バイトはアドレスの昇順に
送信される。)。
このバイトの重みは,データの送信,及びデータの比較計算を伴うGROUP̲SELECT及び
GROUP̲UNSELECTコマンドにおいては重要である。
バイトマスクの最上位バイト(MSB)は,指定アドレス上のバイト,最上位データバイトに対応する。
ワード(8バイト)アドレスは8ワード境界上にある必要はなく,任意バイトの境界上でよい。
RFUビット及びRFUバイトは,0に設定しなければならない。
16
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5.2.2.8
コマンド形式
5.2.2.8.1
概要
コマンドは,次のフィールドで構成される(表12を参照)。
− プレアンブル
− 区切り符号(開始符号)
− コマンド
− パラメタ及びデータファイル
− CRC
表12−一般的なコマンド形式
プレアンブル検出
プレアンブル
開始符号
コマンド
パラメタ
データ
CRC
5.2.2.8.2
プレアンブル検出フィールド
プレアンブル検出フィールドは,短くても400 µsの(変調されていない。)一定搬送波からなる。これ
は,40 kbit/sの通信速度で16ビット分に相当する。
5.2.2.8.3
プレアンブル
プレアンブルは,マンチェスタ符号0の9ビット分に等しい。
010101010101010101
5.2.2.8.4
区切り符号
5.2.2.8.4.1
開始符号1
NRZ形式で表現。ただし,マンチェスタ符号エラーと無視すべきスペースとを含む。
11 00 11 10 10 開始符号1
5.2.2.8.5
CRC
5.2.2.6及び附属書Bを参照する。
5.2.2.9
応答形式
5.2.2.9.1
概要
応答は,次のフィールドで構成される(表13を参照)。
− 静止
− 返信プレアンブル
− データフィールド
− CRC
表13−一般的な応答形式
静止
返信プレアンブル
データ
CRC
RFタグは,後方散乱技術を使用してリーダライタへデータを送信しなければならない。リーダライタは,
RFタグからの(後方散乱)通信の期間,RFタグの応答を受信すると同時に,RFタグに安定的に電力を供
給しなければならない。
5.2.2.9.2
静止
RFタグは,16×Trlb−0.75×Tflbの期間,後方散乱をしてはならない。静止時間の長さは,順方向リン
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ク及び返信リンクの通信速度によって決定される。
5.2.2.9.3
CRC
5.2.2.6及び附属書Bを参照する。
5.2.2.10 待機
待機フィールドの間,リーダライタは少なくとも15 msの間連続してRFタグに対して一定の安定電力
を供給する。書込み動作中は,オンオフ変調データを送ってはならない。
RFタグは書込みコマンドを受信したとき,書込み動作を実行しなければならない(書込みが生じる条件
の詳細は,5.2.3.6.2.5.4で説明)。書込み動作が実行された場合は,全体のフィールド列の最後のフィール
ドは常に,待機フィールドでなければならない。
待機フィールドの間,つまりRFタグが内部のEEPROMにデータを書き込んでいる間,リーダライタは
RFタグに対して必ず一定の安定電力を供給しなければならない。オンオフ変調データは,この期間に送っ
てはならない(図8及び図9を参照)。
CMD
CRC-16
RETURN DATA/ACK/ERR
Manchester
REMARKS
TAG MODULATION
READER OUTPUT WAVEFORM
REMARKS
TAG MODULATION
READER OUTPUT WAVEFORM
FM0
PREAMBLE̲DETECT
00000101 01010101 01010001 10110001
FIELD
QUIET
400 µs minimum
FIELD
11 00 11 10 10
RET PREAMBLE
nine 01's
PREAMBLE
STDEL
CRC-16
WORD̲DATA
FM0
Manchester
ADDR
BM
intercommand time or
field on for write
Manchester
図8−GROUP̲SELECTコマンド及び応答パケットサンプル(40 kbit/sでの順方向リンク及び返信リンク)
REMARKS
TAG MODULATION
READER OUTPUT WAVEFORM
CMD
REMARKS
TAG MODULATION
READER OUTPUT WAVEFORM
RETURN ACK/ERR
field on to power tag during write
PREAMBLE̲DETECT
400 µs minimum
FIELD
FIELD
QUIET
WAIT
PREAMBLE
nine 01's
RET PREAMBLE
11 00 11 10 10
STDEL
CRC-16
Manchester
ID
ADDR
CRC-16
Manchester
DAT
図9−WRITEコマンド及び応答パケットサンプル(40 kbit/sでの順方向リンク及び返信リンク)
5.2.2.11 パケットレベルにおける通信シーケンス
図10及び図11には,パケットレベルにおける幾つかの通信シーケンスを例示している。図10は,書込
フィールド
フィールド
リーダ出力波形
リーダ出力波形
タグによる変調
タグによる変調
注意
注意
書込み期間のタグ電源供給用フィールドオン期間
フィールド
フィールド
リーダ出力波形
リーダ出力波形
タグによる変調
タグによる変調
注意
注意
コマンド間時間又は書込み
のためのフィールドオン
18
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みコマンドを含むパケットシーケンスを表す。シーケンスには,EEPROMへの書込み動作に必要な時間を
与えるための待機時間を含む。さらに,書込み時間の待機に続いて,リーダライタはRFタグ再同期化信
号を送信する。この信号は,10組の連続する01信号からなる。RFタグ再同期化信号の目的は,RFタグ
データ再生回路を初期化するためである。書込み時の待機期間に,リーダライタから不要なスプリアス電
波が出ることがあるため,書込みの後には再同期化信号は必す(須)である。再同期化をしなければ,RF
タグはスプリアス電波によってデータ再生のための同期を崩すことがある。
図11には,コマンド間に周波数ホップを含んだ場合のパケットシーケンスを表す。ホップ期間に不要な
スプリアス信号が発生することもあり,ホップ後にもRFタグ再同期化信号が必要である。
RFタグが誤動作しないように,リーダライタはコマンドと応答との間で周波数ホップは行ってはならな
い。
動作
COMMAND
RESPONSE
WAIT FOR WRITE
TAG RESYNC
COMMAND
RESPONSE
実行動作要素
リーダライタ
タグ
リーダライタ
リーダライタ
リーダライタ
タグ
注意
−
−
最小15 ms
“01”を10組
−
−
図10−ホッピングを伴わないコマンドシーケンス(WRITEコマンドを含む。)
動作
COMMAND
RESPONSE
HOP
TAG RESYNC
COMMAND
RESPONSE
実行動作要素
リーダライタ
タグ
リーダライタ
リーダライタ
リーダライタ
タグ
注意
−
−
26 µsより大きい
“01”を10組
−
−
図11−応答と次のコマンドとの間でホップを伴うコマンドシーケンス
5.2.3
プロトコル及び衝突仲裁
5.2.3.1
データ要素,ビット及びバイト順位の定義
5.2.3.1.1
固有識別子(固有ID)
A.2を参照する。
5.2.3.1.2
CRC
5.2.2.6及び附属書Bを参照する。
5.2.3.1.3
FLAGSフィールド
RFタグは,8個のフラグからなるフィールドをサポートしなければならない。このフィールドをFLAGS
フィールドという(表14を参照)。
19
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表14−FLAGSフィールド
ビット
名称
FLAG1(LSB)
DE̲SB(データ交換ステータスビット)
FLAG2
WRITE̲OKビット
FLAG3
BATTERY̲POWEREDビット
FLAG4
BATTERY̲OKビット
FLAG5
0(RFU)
FLAG6
0(RFU)
FLAG7
0(RFU)
FLAG8(MSB)
0(RFU)
5.2.3.1.3.1
データ交換ステータスビット(DE̲SB)
RFタグは,DATA̲EXCHANGE状態になるときに,このビットを設定し,電源オフ状態に移らない限り
その設定を保たなければならない。
DE̲SBビットが設定されて,かつ,RFタグが電源オフ状態になるときに,RFタグはtDE̲SB時間経過後
に,DE̲SBビットをリセットするため,タイマを始動させなければならない。
−30 ℃〜60 ℃の温度範囲では,tDE̲SBは少なくとも2秒間以上でなければならない。
0 ℃〜50 ℃の温度範囲では,tDE̲SBは少なくとも4秒間以上でなければならない。
RFタグがINITIALIZEコマンドを受信したときには,RFタグは即座にDE̲SBビットをリセットしなけ
ればならない。
5.2.3.1.3.2
WRITE̲OKビット
WRITE̲OKビットは,メモリへの書込みアクセスの成功後に設定されなければならない(例えば,WRITE
コマンド,LOCKコマンドの後)。
WRITE̲OKビットは,WRITEコマンドの後に続くコマンドの実行後にクリアされる。
5.2.3.1.3.3
BATTERY̲POWEREDビット
BATTERY̲POWEREDビットは,RFタグがバッテリをもっている場合には,設定されなければならない。
受動形RFタグではクリアされなければならない。
5.2.3.1.3.4
BATTERY̲OKビット
BATTERY̲OKビットは,バッテリがRFタグを動作させるための電力を十分にもつ場合に設定されなけ
ればならない。受動形RFタグでは,クリアされなければならない。
5.2.3.2
RFタグのメモリ編成
機能的なメモリは,1バイトのブロック単位で編成されていなければならない。
1バイトのブロック単位で256ブロックまでアドレスを指定できる。
これによって,最大2 kbitまでのメモリ容量を実現できる。
注記 この構造によって,最大メモリ容量の将来的な拡張を可能にしている。
5.2.3.3
ブロックセキュリティステータス
各バイトは,それぞれ対応するロックビットをもたなければならない。ロックビットは,LOCKコマン
ドを使ってロックされる。ロックビットの状態は,QUERY̲LOCKコマンドによって読み取ることができ
る。最終生産施設からの出荷後は,RFタグは,いかなるロックビットであっても,ロックの解除ができて
はならない。大多数の場合,最終生産施設とは,RFタグ固有識別子を書き込んだ後に,その識別子をロッ
クする生産施設を意味する。
20
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5.2.3.4
プロトコルの全体的な説明
5.2.3.4.1
RFタグの状態
RFタグは,四つの主要状態をもつ(図12を参照)。
− 電源オフ状態
リーダライタがRFタグを活性化できないとき,そのRFタグは“電源オフ”
状態にある(バッテリ補助RFタグについては,電波励起レベルがRFタグ
回路を作動させるのに不十分なことを意味している。)。
− 準備完了状態
まずリーダライタがRFタグに電力を供給すると,RFタグは“準備完了”
状態になる。
− ID状態
RFタグがリーダライタに識別されようとしているとき,RFタグは“ID”
状態になる。
− DATA̲EXCHANGE状態 RFタグがリーダライタに識別され選択されると,RFタグは
“DATA̲EXCHANGE”状態になる。
注記 図12では,リーダライタの電波が恒久的に遮断された場合には,RFタグがどの状態からでも
“電源オフ”に移ることについては示されていない。
図12−状態遷移図
この状態遷移図は,可能な遷移の概観だけを示している。詳細は表16で定義する。
電源投入
リーダライタからの電波を受け,電源が投入されたときの状態変化。
選択
GROUP̲SELECTコマンド又はREADコマンドによって,RFタグが選択されたことに起因する状態変化。
21
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選択解除
GROUP̲UNSELECTコマンド又はINITIALIZEコマンドによって,RFタグが選択解除されたことに起因
する状態変化。
衝突仲裁
単一のRFタグが識別されるまでの衝突仲裁の期間は,状態は変化しない。
データ読取り
衝突仲裁処理内で,最初の読取りアクセスに起因する状態変化。
読取り
衝突仲裁処理に関係しない読取りアクセスに起因する状態変化。
初期化
INITIALIZEコマンドによって,RFタグが選択解除されたことに起因する状態変化。
これらの状態間の遷移は,表16に規定している。
5.2.3.4.2
コマンド処理手続の詳細
表15で示すコマンドは,“X”の印のついた状態で有効でなければならず,状態変化を引き起こすこと
もなく,他の状態での応答の原因ともならない。
表15−コマンド処理手続の詳細
コマンド
状態
準備完了
ID
DATA EXCHANGE
GROUP̲SELECT̲EQ
X
X
GROUP̲SELECT̲NE
X
X
GROUP̲SELECT̲GT
X
X
GROUP̲SELECT̲LT
X
X
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
X
X
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
X
X
GROUP̲UNSELECT̲EQ
X
GROUP̲UNSELECT̲NE
X
GROUP̲UNSELECT̲GT
X
GROUP̲UNSELECT̲LT
X
GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS
X
GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGS
X
MULTIPLE̲UNSELECT
X
FAIL
X
SUCCESS
X
RESEND
X
INITIALIZE
X
X
X
READ
X
X
X
DATA̲READ
X
X
READ̲VERIFY
X
X
X
READ̲VERIFY4BYTE
X
X
X
WRITE
X
X
X
WRITE4BYTE
X
X
X
WRITE4BYTE̲MULTIPLE
X
X
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表15−コマンド処理手続の詳細(続き)
コマンド
状態
準備完了
ID
DATA EXCHANGE
WRITE̲MULTIPLE
X
X
LOCK
X
QUERY̲LOCK
X
X
X
表16−状態遷移表
現在の状態
コマンド
条件
新しい状態
電源オフ
あらゆるコマンド
電源オフ
電源オフ
“電源投入”
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲EQ
≠
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲NE
=
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲GT
≦
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
フラグ非設定
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
フラグ設定
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲LT
≧
準備完了
準備完了
GROUP̲SELECT̲EQ
=
ID
準備完了
GROUP̲SELECT̲NE
≠
ID
準備完了
GROUP̲SELECT̲GT
>
ID
準備完了
GROUP̲SELECT̲LT
<
ID
準備完了
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
フラグ設定
ID
準備完了
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
フラグ非設定
ID
準備完了
INITIALIZE
準備完了
準備完了
READ
ID不一致
準備完了
準備完了
READ
ID一致
DATA̲EXCHANGE
準備完了
READ̲VERIFY
ID不一致又はWRITE̲OKでない
準備完了
準備完了
READ̲VERIFY
ID一致又はWRITE̲OK
DATA̲EXCHANGE
準備完了
READ̲VERIFY4BYTE
ID不一致又はWRITE̲OKでない
準備完了
準備完了
READ̲VERIFY4BYTE
ID一致又はWRITE̲OK
DATA̲EXCHANGE
準備完了
WRITE
ID不一致
準備完了
準備完了
WRITE
ID一致
DATA̲EXCHANGE
準備完了
WRITE4BYTE
ID不一致
準備完了
準備完了
WRITE4BYTE
ID一致
DATA̲EXCHANGE
準備完了
QUERY̲LOCK
ID不一致
準備完了
準備完了
QUERY̲LOCK
ID一致
DATA̲EXCHANGE
ID
GROUP̲UNSELECT̲EQ
≠
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲NE
=
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲GT
≦
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲LT
≧
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS
フラグ非設定
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGS
フラグ設定
ID
ID
GROUP̲UNSELECT̲EQ
=
準備完了
ID
GROUP̲UNSELECT̲NE
≠
準備完了
ID
GROUP̲UNSELECT̲GT
>
準備完了
ID
GROUP̲UNSELECT̲LT
<
準備完了
ID
GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS
フラグ設定
準備完了
ID
GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGS
フラグ非設定
準備完了
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表16−状態遷移表(続き)
現在の状態
コマンド
条件
新しい状態
ID
MULTIPLE̲UNSELECT
≠又はWRITE̲OKでない
ID
ID
MULTIPLE̲UNSELECT
=及びWRITE̲OK
準備完了
ID
GROUP̲SELECT̲EQ
ID
ID
GROUP̲SELECT̲NE
ID
ID
GROUP̲SELECT̲GT
ID
ID
GROUP̲SELECT̲LT
ID
ID
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
ID
ID
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
ID
ID
FAIL
ID
ID
SUCCESS
ID
ID
RESEND
ID
ID
INITIALIZE
準備完了
ID
READ
ID不一致
ID
ID
READ
ID一致
DATA̲EXCHANGE
ID
DATA̲READ
ID不一致
ID
ID
DATA̲READ
ID一致
DATA̲EXCHANGE
ID
READ̲VERIFY
ID不一致又はWRITE̲OKでない
ID
ID
READ̲VERIFY
ID一致又はWRITE̲OK
DATA̲EXCHANGE
ID
READ̲VERIFY4BYTE
ID不一致又はWRITE̲OKでない
ID
ID
READ̲VERIFY4BYTE
ID一致又はWRITE̲OK
DATA̲EXCHANGE
ID
WRITE
ID不一致
ID
ID
WRITE
ID一致
DATA̲EXCHANGE
ID
WRITE4BYTE
ID不一致
ID
ID
WRITE4BYTE
ID一致
DATA̲EXCHANGE
ID
WRITE̲MULTIPLE
ID
ID
WRITE4BYTE̲MULTIPLE
ID
ID
QUERY̲LOCK
ID不一致
ID
ID
QUERY̲LOCK
ID一致
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
INITIALIZE
準備完了
DATA̲EXCHANGE
READ
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲READ
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
READ̲VERIFY
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
READ̲VERIFY4BYTE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
WRITE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
WRITE4BYTE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
WRITE4BYTE̲MULTIPLE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
WRITE̲MULTIPLE
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
LOCK
DATA̲EXCHANGE
DATA̲EXCHANGE
QUERY̲LOCK
DATA̲EXCHANGE
5.2.3.5
衝突仲裁
リーダライタは,通信領域内にあるRFタグのすべて又は一部を衝突仲裁処理に参加させるか,限定す
るためにGROUP̲SELECT又はGROUP̲UNSELECTコマンドを使用できる。衝突仲裁アルゴリズムを動
かすためには識別コマンドを使用する。
衝突仲裁用として,RFタグはその内部に次の二つの回路部を具備しなければならない。
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− 8ビットカウンタ COUNT
注記1 衝突仲裁において,このカウンタのCOUNT値は,識別コマンドに対する応答の待機レベ
ルを表す。識別コマンドに対しRFタグが応答できる条件の一つが,COUNT値=0になっ
ていることであり,COUNT値が大きいと応答の待機レベルがその分高いことを意味する。
− 乱数1又は0を発生させる乱数発生器
注記2 衝突仲裁において,この乱数発生器の出力結果は,そのRFタグが応答を返すことができ
る確率を示し,発生した乱数が0になることが識別コマンドへの応答可能な条件の一つで
ある。
はじめに,あるグループのRFタグは,GROUP̲SELECTコマンドによってID状態に移行し,それらの
内部カウンタCOUNT値を0に設定しなければならない。そのグループのサブセットは,準備完了状態に
戻すためのGROUP̲UNSELECTコマンドによって選択解除されてもよい。他のサブセットは識別処理が始
まる前に選択しておくことも可能である。シミュレーション結果からは,一つの大きなグループの識別と,
少数の小さなグループの識別との比較において,優位差が出ないとの結果が得られている。
上述の選択の後で,次の繰返し処理が実行される。
1) カウンタのCOUNT値が0でID状態にあるすべてのRFタグは,自身のIDを送信しなければならな
い。この組には,当初選択済みのすべてのRFタグを含む。
2) 2個以上のRFタグが応答した場合には,リーダライタは(衝突によって)誤った応答を受信する。し
たがって,リーダライタはFAILコマンドを送信しなければならない。
3) COUNT値が0でないRFタグがFAILコマンドを受信すると,COUNT値を1増加し,応答はしては
ならない。すなわち,RFタグは送信可能な状態から遠ざかり,待機レベルが高くなる。
COUNT値が0のRFタグがFAILコマンドを受信すると,乱数値を生成しなければならない。乱数
1が出たRFタグは,COUNT値を1増加し,送信してはならない。乱数0が出たRFタグは,COUNT
値を0に維持し,UIDを再送信する。
この結果,四つの中の一つの可能性が生じる。
4) 二つ以上のRFタグが応答した場合には,ステップ2) を繰り返す(可能性1)。
5) すべてのRFタグで乱数1が出た場合には,どれも応答しない。リーダライタは何も受信しない。そ
のときは,リーダライタはSUCCESSコマンドを送信する。SUCCESSコマンドを受信すると,すべて
のRFタグはCOUNT値を1減らし,COUNT値が0になったRFタグが応答する。通常は,ステップ
2) に戻る(可能性2)。
6) ただ一つのRFタグだけが応答し,そのIDが正しく受信されると,リーダライタは受信IDを付けて
DATA̲READコマンドを送信しなければならない。DATA̲READコマンドが正しく受信された場合に
は,そのRFタグはDATA̲EXCHANGE状態に移行し,データを送信しなければならない。
リーダライタは,SUCCESSコマンドを送信しなければならない。ID状態にあるすべてのRFタグは,
SUCCESSコマンドを受信するとCOUNT値を1減らさなければならない。
7) ただ一つのRFタグだけのCOUNT値が1であり,それだけが応答した場合には,ステップ5) 又は6)
を繰り返す。二つ以上のRFタグが応答した場合は,ステップ2) を繰り返す(可能性3)。
8) ただ一つのRFタグだけが応答し,そのIDがエラー受信される場合,リーダライタはRESENDコマ
ンドを送信しなければならない。IDが正しく受信される場合には,ステップ5) を繰り返す。数回繰り
返すことによってIDが受信される場合(この繰返し回数はシステムに求められるエラー処理の水準
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を基に設定できる。),二つ以上のRFタグが応答したとみなして,ステップ2) を繰り返す(可能性4)。
5.2.3.6
コマンド
コマンドは四つの機能グループに分けられる。
− 選択コマンド
− 識別コマンド
− データ転送コマンド
− 多重コマンド
さらに,コマンドは次のタイプの内の一つに分類される。
− 必す(須)コマンド
− 任意選択コマンド
− カスタムコマンド
− 独自仕様コマンド
5.2.3.6.1
コマンドタイプ
同じIC製造者コードで,かつ,同じICバージョン番号のすべてのRFタグは同じ動きをする。
5.2.3.6.1.1
必す(須)コマンド
コマンドコード範囲は,“00”〜“0A”,“0C”,“15”,“1E”,“1F”及び“20”〜“3F”である。
必す(須)コマンドは,この規格に適合することを主張するすべてのRFタグによってサポートされな
ければならない。この規格への適合を主張するすべてのリーダライタは,すべての必す(須)コマンドを
サポートしなければならない。
5.2.3.6.1.2
任意選択コマンド
コマンドコード範囲は,“0B”,“0D”〜“0F”,“11”〜“13”,“17”〜“1C”,“1D”及び“40”〜“9F”であ
る。
任意選択コマンドは,この規格で規定されたコマンドである。リーダライタは,この規格に定められた
すべての任意選択コマンドを技術的には実行できなけなければならないが,任意選択コマンドを実行可能
なように設定しておく必要はない。RFタグは,任意選択コマンドをサポートしても,しなくてもよい。任
意選択コマンドが使用されるときは,この規格に定められた方法で実装されなければならない。
RFタグが任意選択コマンドをサポートしていない場合には,その任意選択コマンドに対して応答しては
ならない。
注記1 コード範囲が“0B”,“0D”〜“0F”,“11”〜“13”,“17”〜“1C”,(“1D”)のコマンドは,任意
選択コマンドであり,RFタグの動作にとって基本的なものではない。しかし,RFタグによ
るこれらのコマンドのサポートは,適切な性能を得るために推奨とされる。このことを反映
するため,これらの任意選択コマンドは表17においては“推奨”として記述されている。
注記2 対応国際規格の注記1に示すコマンドコード範囲が,表17と一致しないため,追加している。
また,ここで規定された任意選択コマンドはすべて,“推奨”扱いが適切なコマンドである。
5.2.3.6.1.3
カスタムコマンド
コマンドコード範囲は,“A0”〜“DF”である。
カスタムコマンドは,この規格で規定はされないが,この規格によって使用可能となっている。カスタ
ムコマンドは,この規格に規定された必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を,単に異なる方
法によって複製したものであってはならない。
カスタマイズできるフィールドは,パラメタ及びデータフィールドだけである。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
どのカスタムコマンドも,その最初のパラメタとしてIC製造者コードを含んでいる。これによって,コ
マンドコードの重複及び誤解読の危険性を除いた形で,IC製造者によるカスタムコマンドの実装を可能に
している。
RFタグがカスタムコマンドをサポートしていない場合には,そのカスタムコマンドに対して応答しては
ならない。
5.2.3.6.1.4
独自仕様コマンド
コマンドコードは,“10”,“14”,“16”及び“E0”〜“FF”の範囲である。
独自仕様コマンドは,この規格で規定されていないが,この規格によって使用可能となっている。独自
仕様コマンドはこの規格に規定された必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を,単に異なる方
法によって複製したものであってはならない。
独自仕様コマンドは,IC及びRFタグの製造者によって試験,システム情報の書込み,及びその他の多
様な目的のために使用される。これらコマンド仕様の文書化については,IC製造者自身の選択に任されて
いる。独自仕様コマンドはIC及び/又はRFタグの製造後に使用不能とされてもよい。
5.2.3.6.2
コマンドコード及び形式
表17を参照。
表17−コマンドコード及び形式
コマンドコード
タイプ
コマンド名
パラメタ
“00”
必す(須) GROUP̲SELECT̲EQ
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“01”
必す(須) GROUP̲SELECT̲NE
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“02”
必す(須) GROUP̲SELECT̲GT
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“03”
必す(須) GROUP̲SELECT̲LT
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“04”
必す(須) GROUP̲UNSELECT̲EQ
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“05”
必す(須) GROUP̲UNSELECT̲NE
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“06”
必す(須) GROUP̲UNSELECT̲GT
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“07”
必す(須) GROUP̲UNSELECT̲LT
ADDRESS
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
“08”
必す(須) FAIL
なし
なし
なし
“09”
必す(須) SUCCESS
なし
なし
なし
“0A”
必す(須) INITIALIZE
なし
なし
なし
“0B”a)
推奨
DATA̲READ
ID
ADDRESS
なし
“0C”
必す(須) READ
ID
ADDRESS
なし
“0D”
推奨
WRITE
ID
ADDRESS
BYTE̲DATA
“0E”
推奨
WRITE̲MULTIPLE
なし
ADDRESS
BYTE̲DATA
“0F”
推奨
LOCK
ID
ADDRESS
なし
“10”
独自仕様
IC製造者による
“11”
推奨
QUERY̲LOCK
ID
ADDRESS
なし
“12”
推奨
READ̲VERIFY
ID
ADDRESS
なし
“13”
推奨
MULTIPLE̲UNSELECT
ADDRESS
BYTE̲DATA
なし
“14”
独自仕様
IC製造者による
“15”
必す(須) RESEND
なし
なし
なし
“16”
独自仕様
IC製造者による
“17”
推奨
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
なし
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
“18”
推奨
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
なし
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
“1C”
推奨
WRITE4BYTE̲MULTIPLE
BYTE̲MASK
ADDRESS
4BYTE̲DATA
“1D”
推奨
READ̲VERIFY4BYTE
ID
ADDRESS
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表17−コマンドコード及び形式(続き)
コマンドコード
タイプ
コマンド名
パラメタ
“1E”〜“1F”
必す(須) RFU
“20”〜“3F”
必す(須) RFU
“40”〜“9F”
任意選択
RFU
“A0”〜“DF”
カスタム
IC製造者による
“E0”〜“FF”
独自仕様
IC製造者による
注a) 対応国際規格では任意選択コマンドに分類されているが,“推奨”とするのが適切である。
5.2.3.6.2.1
コマンドフィールド
表18を参照。
表18−コマンドフィールド
フィールド名
フィールドサイズ
COMMAND
1バイト
ADDRESS
1バイト
BYTE̲MASK
1バイト
ID
8バイト
WORD̲DATA
8バイト
BYTE̲DATA
1バイト
4BYTE̲DATA
4バイト
5.2.3.6.2.2
RFタグ応答
表19を参照。
表19−RFタグ応答
応答コード
応答名
応答サイズ
“00”
ACKNOWLEDGE
1バイト
ACKNOWLEDGE̲NOK
1バイト
“01”
ACKNOWLEDGE̲OK
1バイト
“FE”
ERROR̲NOK
1バイト
“FF”
ERROR
1バイト
ERROR̲OK
1バイト
適用しない。
WORD̲DATA
8バイト
適用しない。
BYTE̲DATA
1バイト
“02”〜“FD”
RFU
5.2.3.6.2.3
選択コマンド
選択コマンドは,識別又は書込みをされるべき通信領域内にあるRFタグのサブセットを限定するもの
で,衝突仲裁の一部で使用される。
5.2.3.6.2.3.1 選択コマンドでのメモリ内容とのデータ比較
GROUP̲SELECT̲EQ,GROUP̲SELECT̲NE,GROUP̲SELECT̲GT,GROUP̲SELECT̲LT,
GROUP̲UNSELECT̲EQ,GROUP̲UNSELECT̲NE,GROUP̲UNSELECT̲GT及び
GROUP̲UNSELECT̲LTの各選択コマンドは,各々三つの引数をもっている(パラメタ及びデータ)。
− ADDRESS(メモリ上のデータMの開始アドレスの指定)
− BYTE̲MASK
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− WORD̲DATA(コマンドの引数データD)
RFタグはコマンドに応じて,四つの可能な比較のうちの一つを実行しなければならない。
− EQ
M EQUAL D(MはDと等しい。)
− NE
M NOT EQUAL D(MはDと等しくない。)
− GT
M GREATER THAN D(MはDより大きい。)
− LT
M LOWER THAN D(MはDより小さい。)
比較の引数Mは:
M7 MSB
M6
M5
M4
M3
M2
M1
M0 LSB
ADDRESS+0
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+1
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+2
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+3
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+4
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+5
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+6
のRFタグメ
モリ内容
ADDRESS+7
のRFタグメ
モリ内容
M=M0+M1×28+M2×216+M3×224+M4×232+M5×240+M6×248+M7×256
及びコマンドの引数Dは:
D7 MSB
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0 LSB
コマンドの
後の最初の
バイト
コマンドの
後の最後の
バイト
D=D0+D1×28+D2×216+D3×224+D4×232+D5×240+D6×248+D7×256
引数BYTE̲MASKは,表20で示すように,比較のために使用すべきバイトを決定する。
表20−GROUP̲SELECT及びGROUP̲UNSELECTコマンドのためのデータのマスキング
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
ビット7(MSB)が“1”
比較のためにD7とM7とを使用
ビット6が“1”
比較のためにD6とM6とを使用
ビット5が“1”
比較のためにD5とM5とを使用
ビット4が“1”
比較のためにD4とM4とを使用
ビット3が“1”
比較のためにD3とM3とを使用
ビット2が“1”
比較のためにD2とM2とを使用
ビット1が“1”
比較のためにD1とM1とを使用
ビット0(LSB)が“1”
比較のためにD0とM0とを使用
ビット7(MSB)が“0”
比較のためにD7とM7とを無視
ビット6が“0”
比較のためにD6とM6とを無視
ビット5が“0”
比較のためにD5とM5とを無視
ビット4が“0”
比較のためにD4とM4とを無視
ビット3が“0”
比較のためにD3とM3とを無視
ビット2が“0”
比較のためにD2とM2とを無視
ビット1が“0”
比較のためにD1とM1とを無視
ビット0(LSB)が“0”
比較のためにD0とM0とを無視
5.2.3.6.2.3.2 選択コマンドでのフラグ(FLAGS)とのデータ比較
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS,GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS,GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS及び
GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGSの各選択コマンドは,各々二つの引数をもっている(パラメタ及びデ
ータ)。
− BYTE̲MASK
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− BYTE̲DATA (コマンドの引数データD)
RFタグはコマンドに応じて,二つの可能な比較のうちの一つを実行しなければならない。
− EQ
FLAGS EQUAL D(FLAGSはDと等しい。)
− NE
FLAGS NOT EQUAL D(FLAGSはDと等しくない。)
比較の引数は,5.2.3.1.3で定義したとおり,FLAGS及びビットD7(MSB)〜D0(LSB)からなるコマン
ドの引数D(BYTE̲DATA)である。
引数BYTE̲MASKは,表21に示すように,比較のために使用すべきビットを決定する。
表21−GROUP̲SELECT̲FLAGS及びGROUP̲UNSELECT̲FLAGSのためのデータのマスキング
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
ビット7(MSB)が“1”
比較のためにD7とFLAG7とを使用
ビット6が“1”
比較のためにD6とFLAG6とを使用
ビット5が“1”
比較のためにD5とFLAG5とを使用
ビット4が“1”
比較のためにD4とFLAG4とを使用
ビット3が“1”
比較のためにD3とFLAG3とを使用
ビット2が“1”
比較のためにD2とFLAG2とを使用
ビット1が“1”
比較のためにD1とFLAG1とを使用
ビット0(LSB)が“1”
比較のためにD0とFLAG0とを使用
ビット7(MSB)が“0”
比較のためにD7とFLAG7とを無視
ビット6が“0”
比較のためにD6とFLAG6とを無視
ビット5が“0”
比較のためにD5とFLAG5とを無視
ビット4が“0”
比較のためにD4とFLAG4とを無視
ビット3が“0”
比較のためにD3とFLAG3とを無視
ビット2が“0”
比較のためにD2とFLAG2とを無視
ビット1が“0”
比較のためにD1とFLAG1とを無視
ビット0(LSB)が“0”
比較のためにD0とFLAG0とを無視
EQUAL機能を説明する式:
[!B7+(D7=FLAG7)]×[!B6+(D6=FLAG6)]×[!B5+(D5=FLAG5)]×[!B4+(D4=FLAG4)]×[!B3+
(D3=FLAG3)]×[!B2+(D2=FLAG2)]×[!B1+(D1=FLAG1)]×[!B0+(D0=FLAG0)] が真のときは,
EQUAL比較は成立する。
UNEQUAL機能を説明する式:
B7×(D7!=FLAG7)+B6×(D6!=FLAG6)+B5×(D5!=FLAG5)+B4×(D4!=FLAG4)+B3×(D3!=
FLAG3)+B2×(D2!=FLAG2)+B1×(D1!=FLAG1)+B0×(D0!=FLAG0) が真のときは,UNEQUAL比
較は成立する。
5.2.3.6.2.3.3 GROUP̲SELECT̲EQ
コマンドコード=“00”
表22に示すGROUP̲SELECT̲EQコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,指定アドレ
スから始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しな
ければならない。メモリ内容がWORD̲DATAと等しい場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0
に設定し,自分のUIDを読み取り,表23に示すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければならな
い。
GROUP̲SELECT̲EQコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT値を0
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に設定し,自分のUIDを読み取り,UIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表22−GROUP̲SELECT̲EQコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表23−エラーがない場合のGROUP̲SELECT̲EQ応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
注記 BYTE̲MASKが0のときは,GROUP̲SELECT̲EQコマンドはすべてのRFタグを選択する。
5.2.3.6.2.3.4 GROUP̲SELECT̲NE
コマンドコード=“01”
表24に示すGROUP̲SELECT̲NEコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,指定アドレ
スから始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しな
ければならない。メモリ内容がWORD̲DATAと等しくない場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値
を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表25に示すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければな
らない。
GROUP̲SELECT̲NEコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT値を0
に設定し,自分のUIDを読み取り,UIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表24−GROUP̲SELECT̲NEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表25−エラーがない場合のGROUP̲SELECT̲NE応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.5 GROUP̲SELECT̲GT
コマンドコード=“02”
表26に示すGROUP̲SELECT̲GTコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,指定アドレ
スから始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しな
ければならない。メモリ内容がWORD̲DATAより大きい場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を
0に設定し,自分のUIDを読み取り,表27に示すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければなら
ない。
GROUP̲SELECT̲GTコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT値を0
に設定し,自分のUIDを読み取り,UIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
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他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表26−GROUP̲SELECT̲GTコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表27−エラーがない場合のGROUP̲SELECT̲GT応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.6 GROUP̲SELECT̲LT
コマンドコード=“03”
表28に示すGROUP̲SELECT̲LTコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,指定アドレ
スから始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しな
ければならない。メモリ内容がWORD̲DATAより小さい場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を
0に設定し,自分のUIDを読み取り,表29に示すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければなら
ない。
GROUP̲SELECT̲LTコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT値を0
に設定し,自分のUIDを読み取り,UIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表28−GROUP̲SELECT̲LTコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表29−エラーがない場合のGROUP̲SELECT̲LT応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.7 GROUP̲UNSELECT̲EQ
コマンドコード=“04”
表30に示すGROUP̲UNSELECT̲EQコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,指定アドレス
から始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しなけ
ればならない。メモリ内容がWORD̲DATAと等しい場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかなる返
信も送ってはならない。比較結果が否の場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自分
のUIDを読み取り,表31に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表30−GROUP̲UNSELECT̲EQコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
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表31−GROUP̲UNSELECT̲EQ応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
注記 BYTE̲MASKが0の場合には,GROUP̲UNSELECT̲EQコマンドはすべてのRFタグを選択解
除する。
5.2.3.6.2.3.8 GROUP̲UNSELECT̲NE
コマンドコード=“05”
表32に示すGROUP̲UNSELECT̲NEコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,指定アドレス
から始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しなけ
ればならない。メモリ内容がWORD̲DATAと等しくない場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかな
る返信も送ってはならない。比較結果が否の場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,
自分のUIDを読み取り,表33に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表32−GROUP̲UNSELECT̲NEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表33−GROUP̲UNSELECT̲NE応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.9 GROUP̲UNSELECT̲GT
コマンドコード=“06”
表34に示すGROUP̲UNSELECT̲GTコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,指定アドレス
から始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しなけ
ればならない。メモリ内容がWORD̲DATAより大きい場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかなる
返信も送ってはならない。比較結果が否の場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自
分のUIDを読み取り,表35に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表34−GROUP̲UNSELECT̲GTコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表35−エラーがなく,かつ,比較結果が否の場合のGROUP̲UNSELECT̲GT応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
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5.2.3.6.2.3.10 GROUP̲UNSELECT̲LT
コマンドコード=“07”
表36に示すGROUP̲UNSELECT̲LTコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,指定アドレス
から始まる8バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたWORD̲DATAと比較しなけ
ればならない。メモリ内容がWORD̲DATAより小さい場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかなる
返信も送ってはならない。比較結果が否の場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自
分のUIDを読み取り,表37に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表36−GROUP̲UNSELECT̲LTコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
WORD̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
表37−GROUP̲UNSELECT̲LT応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.11 MULTIPLE̲UNSELECT
コマンドコード=“13”
表38に示すMULTIPLE̲UNSELECTコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,指定アドレスか
ら始まる1バイトのメモリ内容を読み取り,リーダライタから送信されたBYTE̲DATAと比較しなければ
ならない。メモリ内容がBYTE̲DATAと等しく,かつ,WRITE̲OKフラグが設定されている場合,RFタ
グは準備完了状態に移行し,いかなる返信も送ってはならない。比較結果が否の場合,RFタグはその内部
カウンタCOUNT値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表39に示すようにUIDを送り返し,ID状態
にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表38−MULTIPLE̲UNSELECTコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表39−MULTIPLE̲UNSELECT応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
このコマンドは,書込み不良か,又は書込みに問題があってSELECT状態にとどまっているRFタグが
ある場合,書込みに成功したすべてのRFタグを選択解除するために使用できる。
5.2.3.6.2.3.12 GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS
コマンドコード=“17”
表40に示すGROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGSコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,リ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ーダライタから送信されたBYTE̲DATAとFLAGSとを比較しなければならない。FLAGSがBYTE̲DATA
と等しい場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表41に示
すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければならない。
GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGSコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT
値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表41に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなけれ
ばならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表40−GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGSコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表41−GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGS応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
注記 BYTE̲MASKが0の場合には,GROUP̲SELECT̲EQ̲FLAGSコマンドはすべてのRFタグを選
択する。
5.2.3.6.2.3.13 GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS
コマンドコード=“18”
表42に示すGROUP̲SELECT̲NE̲FLAGSコマンドを受信すると,準備完了状態にあるRFタグは,リ
ーダライタから送信されたBYTE̲DATAとFLAGSとを比較しなければならない。FLAGSがBYTE̲DATA
と等しくない場合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表43
に示すようにUIDを送り返し,ID状態に移行しなければならない。
GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGSコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,内部カウンタCOUNT
値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表43に示すようにUIDを送り返し,ID状態にとどまらなけれ
ばならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表42−GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGSコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表43−GROUP̲SELECT̲NE̲FLAGS応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.3.14 GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS
コマンドコード=“19”
表44に示すGROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGSコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,リー
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ダライタから送信されたBYTE̲DATAとFLAGSとを比較しなければならない。FLAGSがBYTE̲DATAと
等しい場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかなる返信も送ってはならない。比較結果が否の場合,
RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表45に示すようにUIDを
送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表44−GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGSコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表45−GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGS応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
注記 BYTE̲MASKが0の場合には,GROUP̲UNSELECT̲EQ̲FLAGSコマンドはすべてのRFタグ
を選択解除する。
5.2.3.6.2.3.15 GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGS
コマンドコード=“1A”
表46に示すGROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGSコマンドを受信すると,ID状態にあるRFタグは,リー
ダライタから送信されたBYTE̲DATAとFLAGSとを比較しなければならない。FLAGSがBYTE̲DATAと
等しくない場合,RFタグは準備完了状態に移行し,いかなる返信も送ってはならない。比較結果が否の場
合,RFタグはその内部カウンタCOUNT値を0に設定し,自分のUIDを読み取り,表47に示すように
UIDを送り返し,ID状態にとどまらなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
表46−GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGSコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
BYTE̲MASK
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表47−GROUP̲UNSELECT̲NE̲FLAGS応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.4
識別コマンド
識別コマンドは,複数のRFタグを識別するプロトコルを実行するために使用される。
5.2.3.6.2.4.1 FAIL
コマンドコード=“08”
識別アルゴリズムは,二つ以上のRFタグから同時に応答が返送されたときに,表48に示すFAILコマ
ンドを使用する。このFAILコマンドに対して,幾つかのRFタグは応答を返すことなく待機レベルを高く
し,幾つかのRFタグは応答を再送する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ID状態にある場合には,RFタグは単にFAILコマンドを受信するだけでよい。RFタグの内部カウンタ
COUNT値が0でないか,又は乱数発生器の結果が1の場合には,COUNT値がFFでない限り,COUNT
値を1増加させて待機レベルを1高くする。
COUNT値が0の場合には,RFタグは自分のUIDを読み取り,表49に示すように応答に入れてUIDを
送り返さなければならない。
表48−FAILコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
CRC
8ビット
16ビット
表49−FAIL応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.4.2 SUCCESS
コマンドコード=“09”
表50に示すSUCCESSコマンドは,未識別RFタグセットを識別処理に参加させる。次の二つの場合に
使用される。
− FAILコマンドを受信したRFタグが,すべて待機レベルが高くて応答しなかった場合に,SUCCESS
コマンドは,それらのRFタグが再度応答するようにさせる。
− 例えばDATA̲READコマンドによって,識別済みのRFタグをDATA̲EXCHANGE状態に移行させた
後で,識別処理を継続するために,SUCCESSコマンドは,選択済みの未識別RFタグのサブセットに
応答を引き起こす。
ID状態にある場合には,RFタグは単にSUCCESSコマンドを受信するだけでよい。
内部カウンタCOUNT値が0ではない場合には,COUNT値を1減らして待機レベルを低くしなければ
ならない。その結果COUNT値が0になれば,RFタグは自分のUIDを読み取り,表51に示すように応答
に入れてUIDを送り返さなければならない。
表50−SUCCESSコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
CRC
8ビット
16ビット
表51−SUCCESS応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.4.3 RESEND
コマンドコード=“15”
1個だけのRFタグが応答し,そのUIDがエラー受信されたとき,識別アルゴリズムは表52に示す
RESENDコマンドを使用する。応答したRFタグはそのUIDを再送する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ID状態にある場合には,RFタグは単にRESENDコマンドを受信するだけでよい。COUNT値が0の場
合には,RFタグは自分のUIDを読み取り,表53に示すように応答に入れてUIDを送り返さなければな
らない。
表52−RESENDコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
CRC
8ビット
16ビット
表53−RESEND応答
プレアンブル
ID
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.4.4 INITIALIZE
コマンドコード=“0A”
表54に示すINITIALIZEコマンドを受信すると,RFタグは準備完了状態に入り,データ交換ステータ
スビット(DE̲SB)をリセットしなければならない。
RFタグは,応答を送ってはならない。
表54−INITIALIZEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5
データ転送コマンド
データ転送コマンドは,RFタグのメモリからのデータの読取り,又はRFタグのメモリへのデータの書
込みに使用される。
5.2.3.6.2.5.1 READ
コマンドコード=“0C”
表55に示すREADコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDと受信IDとを比較しなければならな
い。受信IDがUIDと等しい場合には,RFタグはどの状態からもDATA̲EXCHANGE状態に移行し,指定
アドレスから始まる8バイトのメモリ内容(WORD̲DATA)を読み取り,表56に示すように応答に入れ
てその内容を返送しなければならない。さらに,RFタグはADDRESS上のバイトにロック可能とマーク
しなければならない1)。受信IDがUIDと等しくない場合,又はその他のエラーがある場合には,RFタグ
は応答を送ってはならない。さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする2)。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
注1) 対応国際規格にはないが,この位置に文の追加が必要
2) この“さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする”の文は表現がおかしく,こ
の位置も不適切なため削除する。
表55−READコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
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表56−READ応答
プレアンブル
WORD̲DATA
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.2 DATA̲READ
コマンドコード=“0B”
表57に示すDATA̲READコマンドを受信すると,RFタグはID状態又はDATA̲EXCHANGE状態のい
ずれかにある場合にだけ,自分のUIDと受信IDとを比較しなければならない。受信IDがUIDと等しい
場合には,RFタグはID状態又はDATA̲EXCHANGE状態からDATA̲EXCHANGE状態に移行し,指定ア
ドレスから始まる8バイトのメモリ内容(WORD̲DATA)を読み取り,表58に示すように応答に入れて
その内容を返送しなければならない。さらに,RFタグはADDRESS上のバイトにロック可能とマークし
なければならない3)。受信IDがUIDと等しくない場合,又はその他のエラーがある場合には,RFタグは
応答を送ってはならない。RFタグが準備完了状態の場合にも,IDの値に関係なく応答を送ってはならな
い。さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする4)。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
注3) 対応国際規格にはないが,この位置に文の追加が必要
4) この“さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする”の文は表現がおかしく,こ
の位置も不適切なため削除する。
表57−DATA̲READコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
表58−DATA̲READ応答
プレアンブル
WORD̲DATA
CRC
64ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.3 READ̲VERIFY
コマンドコード=“12”
表59に示すREAD̲VERIFYコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDと受信IDとを比較しなけれ
ばならない。受信IDがUIDと等しく,かつ,WRITE̲OKビットがセットされている場合には,RFタグ
はどの状態からもDATA̲EXCHANGE状態に移行し,指定アドレスから始まる1バイトのメモリ内容を読
み取り,表60に示すように応答に入れてその内容を返信しなければならない。さらに,RFタグはADDRESS
上のバイトにロック可能とマークしなければならない5)。受信IDがUIDと等しくない場合,WRITE̲OK
がセットされていない場合,又は他にエラーがある場合には,RFタグは応答を送ってはならない。さらに,
RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする6)。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
注5) 対応国際規格にはないが,この位置に文の追加が必要
6) この“さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする”の文は表現がおかしく,こ
の位置も不適切なため削除する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表59−READ̲VERIFYコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
表60−READ̲VERIFY応答
プレアンブル
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.4 READ̲VERIFY4BYTE
コマンドコード=“1D”
表61に示すREAD̲VERIFY4BYTEコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDと受信IDとを比較し
なければならない。受信IDがUIDと等しく,かつ,WRITE̲OKビットがセットされている場合には,RF
タグはどの状態からもDATA̲EXCHANGE状態に移行し,指定アドレスから始まる4バイトのメモリ内容
を読み取り,表62に示すように応答に入れてその内容を返信しなければならない。さらに,RFタグは
ADDRESS上のバイトにロック可能とマークしなければならない。ADDRESS+1,ADDRESS+2及び
ADDRESS+3上のバイトには,ロック可能のマークはしてはならない7)。
受信IDがUIDと等しくない場合,WRITE̲OKがセットされていない場合,又は他にエラーがある場合
には,RFタグは,応答を送ってはならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
注7) 対応国際規格にはないが,この位置に文の追加が必要
表61−READ̲VERIFY4BYTEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC-16
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
表62−READ̲VERIFY4BYTE応答
プレアンブル
4BYTE̲DATA
CRC
32ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.5 WRITE
コマンドコード=“0D”
表63に示すWRITEコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDと受信IDとを比較しなければならな
い。受信IDがUIDと等しい場合には,RFタグはどの状態からもDATA̲EXCHANGE状態に移行し,指定
アドレスから始まる指定メモリ内容のバイトについてのロック情報を読み取らなければならない。メモリ
がロックされている場合には,表65に示すようにRFタグはERROR応答を送り返さなければならない。
さらに,RFタグはADDRESS上のバイトにロック可能とマークしなければならない8)。メモリがロックさ
れていない場合には,表64に示すようにACKNOWLEDGE応答を送り返し,指定のメモリアドレスにデ
ータを書き込まなければならない。さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする9)。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
書込みアクセスが成功した場合,RFタグはWRITE̲OKビットをセットしなければならない。そうでな
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
い場合は,RFタグはWRITE̲OKビットをクリアしなければならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
注8) 対応国際規格にはないが,この位置に文の追加が必要
9) この“さらに,RFタグはアドレス上のバイトをロック可能にする”の文は表現がおかしく,こ
の位置も不適切なため削除する。
表63−WRITEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
BYTE̲DATA
CRC-16
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
16ビット
表64−メモリがロックされていない場合のWRITE応答
プレアンブル
ACKNOWLEDGE
CRC
8ビット
16ビット
表65−メモリがロックされている場合のWRITE応答
プレアンブル
ERROR
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.6 WRITE4BYTE
コマンドコード=“1B”
表66に示すWRITE4BYTEコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDと受信IDとを比較しなけれ
ばならない。受信IDがUIDと等しい場合には,RFタグはどの状態からもDATA̲EXCHANGE状態に移行
し,指定アドレスから始まる指定メモリ内容の4バイトについてのロック情報を読み取らなければならな
い。BYTE̲MASKによって指定されたアドレスのバイトの一つでもロックされている場合には,表68に
示すようにRFタグはERROR応答を送り返さなければならない。すべてのバイトがロックされていない
場合には,表67に示すようにACKNOWLEDGE応答を送り返し,指定メモリにデータを書き込まなけれ
ばならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
WRITE4BYTEコマンドの実行の場合,RFタグはBYTE̲MASKによって選ばれたアドレスのバイトにだ
け書き込まなければならない。それは,BYTE̲MASKフィールドにあるマスクビットを使用すると,1バ
イトから4バイトまでの書込みが可能であることを意味する。
コマンドのBYTE̲MASKのビットとアドレスとの関係:
アドレス
そのバイトが書きこまれるべきか否かを選択するBYTE̲MASKのビット
[ADDR+0]
B7
[ADDR+1]
B6
[ADDR+2]
B5
[ADDR+3]
B4
書込みアクセスが成功した場合,RFタグはWRITE̲OKビットをセットしなければならない。そうでな
い場合は,RFタグはWRITE̲OKビットをクリアしなければならない。
アドレスは“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。WRITE4BYTEコマンドの書込みデータ開始
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
アドレスは,必ず4バイトページの境界上になければならない。
表66−WRITE4BYTEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
BYTE̲MASK
4BYTEDATA
CRC-16
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
32ビット
16ビット
表67−メモリがロックされていない場合のWRITE4BYTE応答
プレアンブル
ACKNOWLEDGE
CRC
8ビット
16ビット
表68−メモリがロックされている場合のWRITE4BYTE応答
プレアンブル
ERROR
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.7 LOCK
コマンドコード=“0F”
表69に示すLOCKコマンドを受信すると,DATA̲EXCHANGE状態にあるRFタグは自分のUIDを読
み取り,リーダライタから送られたIDと比較しなければならない。UIDがIDと等しく,ADDRESSが有
効なアドレスの範囲内であり,ADDRESSのバイトがロック可能とマークされている場合には,表70に示
すようにRFタグはACKNOWLEDGE応答を送り返し,指定メモリアドレスのロックビットをプログラム
し,その指定アドレスのバイトをロックしなければならない。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
書込みアクセスが成功した場合,RFタグはWRITE̲OKビットをセットしなければならない。そうでな
い場合は,RFタグはWRITE̲OKビットをクリアしなければならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
表69−LOCKコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
表70−ロックが可能かつ実行された場合におけるLOCK応答
プレアンブル
ACKNOWLEDGE
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.8 QUERY̲LOCK
コマンドコード=“11”
表71に示すQUERY̲LOCKコマンドを受信すると,RFタグは自分のUIDを読み取り,リーダライタか
ら送られたIDと比較しなければならない。UIDがIDと等しく,ADDRESSが有効なアドレスの範囲内に
ある場合には,RFタグはDATA̲EXCHANGE状態に移行しなければならない。さらにRFタグはADDRESS
上のメモリのバイト用ロックビットを読取りしなければならない。そのメモリがロックされていない場合
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
で,WRITE̲OKがセットされていれば,表72に示すようにACKNOWLEDGE̲OK応答を,WRITE̲OKが
クリアされていれば,表73に示すようにACKNOWLEDGE̲NOK応答を応答しなければならない。メモリ
がロックされており,WRITE̲OKがセットされている場合は,表74に示すようにERROR̲OK応答を,
WRITE̲OKがクリアされていれば,表75に示すようにERROR̲NOK応答を応答しなければならない。さ
らに,RFタグはADDRESS上のバイトにロック可能とマークしなければならない。
注記 対応国際規格は“ロック可能にする”であるが,LOCKコマンドの説明から考えて,“ロック可
能とマークする”が正しい説明である。
他のすべての場合には,RFタグは応答を送ってはならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
表71−QUERY̲LOCKコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
ID
アドレス
CRC
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
表72−メモリがロックされていなくて,WRITE̲OKがセットされている場合のQUERY̲LOCK応答
プレアンブル
ACKNOWLEDGE̲OK
CRC
8ビット
16ビット
表73−メモリがロックされていなくて,WRITE̲OKがクリアされている場合のQUERY̲LOCK応答
プレアンブル
ACKNOWLEDGE̲NOK
CRC
8ビット
16ビット
表74−メモリがロックされ,WRITE̲OKがセットされている場合のQUERY̲LOCK応答
プレアンブル
ERROR̲OK
CRC
8ビット
16ビット
表75−メモリがロックされ,WRITE̲OKがクリアされている場合のQUERY̲LOCK応答
プレアンブル
ERROR̲NOK
CRC
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.9 WRITE̲MULTIPLE
コマンドコード=“0E”
表76に示すWRITE̲MULTIPLEコマンドは,複数のRFタグへの書込み及び照合を並行して行うために
使用される。
WRITE̲MULTIPLEコマンドを受信すると,ID状態又はDATA̲EXCHANGE状態にあるRFタグは,指
定アドレスから始まる指定メモリ内容のバイトのロック情報を読み取らなければならない。メモリがロッ
クされている場合には,RFタグは何もしてはならない。メモリがロックされていない場合には,RFタグ
は指定メモリにデータを書き込まなければならない。
RFタグは,応答を送ってはならない。
書込みアクセスが成功した場合,RFタグはWRITE̲OKビットをセットしなければならない。そうでな
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
い場合は,RFタグはWRITE̲OKビットをクリアしなければならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。
表76−WRITE̲MULTIPLEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲DATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
5.2.3.6.2.5.10 WRITE4BYTE̲MULTIPLE
コマンドコード=“1C”
表77に示すWRITE4BYTE̲MULTIPLEコマンドは,複数のRFタグへの書込み及び照合を並行して行う
ために使用される。
WRITE4BYTE̲MULTIPLEコマンドを受信すると,ID状態又はDATA̲EXCHANGE状態にあるRFタグ
は,指定アドレスから始まる指定メモリ内容の4バイトのロック情報を読み取らなければならない。4バ
イトブロックの中の1バイトでもロックされている場合には,RFタグは何もしてはならない。4バイトブ
ロックのすべてのバイトがロックされていない場合には,RFタグは指定メモリにデータを書き込まなけれ
ばならない。
RFタグは,応答を送ってはならない。
WRITE4BYTE̲MULTIPLEコマンドの実行の場合,RFタグはBYTE̲MASKによって選ばれたバイトに
だけ書き込まなければならない。それは,BYTE̲MASKフィールドにあるマスクビットを使用すると,1
バイトから4バイトまでの書込みが可能であることを意味する。
コマンドのBYTE̲MASKのビットとアドレスとの関係:
アドレス
そのバイトが書き込まれるべきか否かを選択するBYTE̲MASKのビット
[ADDR+0]
B7
[ADDR+1]
B6
[ADDR+2]
B5
[ADDR+3]
B4
書込みアクセスが成功した場合,RFタグはWRITE̲OKビットをセットしなければならない。そうでな
い場合は,RFタグはWRITE̲OKビットをクリアしなければならない。
アドレスは,“00”〜“FF”(0〜255)で番号付けられている。WRITE4BYTE̲MULTIPLEコマンドでのデ
ータ開始アドレスは,必ず4バイトページの境界上になければならない。
表77−WRITE4BYTE̲MULTIPLEコマンド
プレアンブル
開始符号
コマンド
アドレス
BYTE̲MASK
4BYTEDATA
CRC
8ビット
8ビット
8ビット
32ビット
16ビット
5.2.3.6.2.6
応答の説明(バイナリツリープロトコルタイプ)
5.2.3.6.2.6.1 ACKNOWLEDGE応答
ACKNOWLEDGE応答は,WRITEコマンド又はLOCKコマンドの実行が正しく完了したことを示す。
5.2.3.6.2.6.2 ERROR応答
ERROR応答は,例えばロックされたメモリ領域への書込みなどの書込みコマンドの実行においてエラ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ーがあったことを示す。
5.2.3.6.2.6.3 ACKNOWLEDGE̲OK応答
ACKNOWLEDGE̲OK応答は,QUERY̲LOCKコマンドに対する応答であり,メモリバイトがロックさ
れておらず,先の書込みコマンドが正しく実行できたことを示す。
5.2.3.6.2.6.4 ACKNOWLEDGE̲NOK応答
ACKNOWLEDGE̲NOK応答は,QUERY̲LOCKコマンドに対する応答であり,メモリバイトがロック
されており,先の書込みコマンドが正しく実行できなかったことを示す。
5.2.3.6.2.6.5 ERROR̲OK応答
ERROR̲OK応答は,QUERY̲LOCKコマンドに対する応答であり,メモリバイトがロックされているこ
と,及び先の書込みコマンドが正しく実行できたことを示す。
5.2.3.6.2.6.6 ERROR̲NOK応答
ERROR̲NOK応答は,QUERY̲LOCKコマンドに対する応答であり,メモリバイトがロックされている
こと,及び先の書込みコマンドが正しく実行できなかったことを示す。
5.2.3.6.2.6.7 WORD̲DATA
WORD̲DATAは,READコマンド又はDATA̲READコマンドに対する応答として返送する8バイトデ
ータである。
5.2.3.6.2.6.8 ID
IDは,GROUP̲SELECT,GROUP̲UNSELECT,FAIL,SUCCESS又はRESENDコマンドに対する応答
として返送する8バイトデータである。
5.2.3.6.2.6.9 BYTE̲DATA
BYTE̲DATAは,READ̲VERIFYコマンドに対する応答として返送する1バイトデータである。
5.2.3.6.2.6.10 4BYTEDATA
4BYTEDATAは,WRITE4BYTE,WRITE4BYTE̲MULTIPLE及びREAD̲VERIFY4BYTEコマンドの引
数として使用される4バイトデータである。
5.2.3.7
伝送エラー
伝送エラーには,次の二つのタイプがある。変調符号化エラー(ビットごとに検出可能)及びCRCエラ
ー(コマンドごとに検出可能)である。受信中のコマンドでこれらのエラーが発生すると,そのコマンド
は無視されて,RFタグは応答してはならない。
すべてのCRCエラーに対し,RFタグは準備完了状態へ戻る。
すべての符号化エラーに対し,有効な開始符号が検出されていた場合には,RFタグは準備完了状態に戻
り,そうでない場合には,その状態を維持する。
5.3
モード2:長距離高速データ転送RFIDシステム
この箇条では,リードライト(RW)RFタグの場合,エアインタフェース上の総データ転送速度として,
最高384 kbit/sまでの速度をもつRFIDシステムについて規定する。リードオンリー(RO)RFタグの場合
には,データ転送速度は76.8 kbit/sである。バッテリ駆動RFタグを使用することで,RFIDシステムとし
て長距離通信用途に適したものが規定されている。このエアインタフェースの規定では,RFタグへのバッ
テリ補助について,明白に求めているものではない。
5.3.1
モード2:物理パラメタ及び媒体アクセス制御(MAC)パラメタ
5.3.1.1
モード2:リーダライタからRFタグへのリンク
表78を参照。
45
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表78−順方向リンク(リーダライタからRFタグへのリンク)パラメタ表
番号
パラメタ名
内容
M2-Int: 1
動作周波数範囲
2 400 MHz〜2 483.5 MHz
M2-Int: 1a
動作周波数初期値
参照搬送波:(2 931+m)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及び
mはシステムを運用する国の監督官庁によって0〜99の中から決定
されるチャネル番号である。
通信搬送波:(2 944+n)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及びn
はシステムを運用する国の監督官庁によって−13〜86の中から決定
されるチャネル番号である。
参照搬送周波数と通信搬送周波数との差は,fCH×13=10.649 6 MHz
に固定されている。
M2-Int: 1b
動作チャネル(スペクトル拡散
システム用)
参照搬送波:(2 931+m)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及び
mはシステムを運用する国の監督官庁によって0〜99の中から決定
されるチャネル番号である。
通信搬送波:(2 944+n)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及びn
はシステムを運用する国の監督官庁によって−13〜86の中から決定
されるチャネル番号である。
参照搬送周波数と通信搬送周波数との差は,fCH×13=10.649 6 MHz
に固定されている。
M2-Int: 1c
動作周波数精度
最大許容範囲は±200 ppmであるが,国の規則による要件がある場合
には,国の許容範囲を適用できる。
M2-Int: 1d
周波数ホップレート[周波数ホ
ッピング(FHSS)システム用]
ホップレートは,システムを運用する国の監督機関によって決定され
る。
M2-Int: 1e
周波数ホップシーケンス[周波
数ホッピング(FHSS)システム用]
適応可能。固定的ではないが,システムが運用される国の監督官庁に
よって規定された要件に適合しなければならない。
M2-Int: 2
占有チャネル帯域幅
1 MHz
M2-Int: 2a
最小受信帯域幅
2 400 MHz〜2 483.5 MHz
M2-Int: 3
リーダライタ送信最大EIRP
国の規制に適合させる。
M2-Int: 4
リーダライタ送信スプリアス放
射
リーダライタは,システムが運用される国の監督官庁が規定するスプ
リアス放射基準に適合しなければならない。
M2-Int: 4a
リーダライタ送信スプリアス放
射,帯域内(スペクトル拡散シ
ステム用)
リーダライタは,システムが運用される国の監督官庁が規定するスプ
リアス放射基準に適合しなければならない。
M2-Int: 4b
リーダライタ送信スプリアス放
射,帯域外
リーダライタは,システムが運用される国の監督官庁が規定するスプ
リアス放射基準に適合しなければならない。
M2-Int: 5
リーダライタ送信機スペクトル
マスク
通信搬送波:帯域幅時間積BT=0.5でGMSK
参照搬送波:CW
M2-Int: 6
タイミング
M2-Int: 6a
送信から受信への切替え時間
520.8 µs
M2-Int: 6b
受信から送信への切替え時間
520.8 µs
M2-Int: 6c
滞留時間又はリーダライタ送信
電力オン過渡期間
適用しない(順方向リンク内で振幅変調を伴うシステムに対してだけ
関係する。)。
M2-Int: 6d
減衰時間又はリーダライタ送信
電力オフ過渡期間
適用しない(順方向リンク内で振幅変調を伴うシステムに対してだけ
関係する。)。
M2-Int: 7
変調
通信搬送波:GMSK(帯域幅時間積BT=0.5)
参照搬送波:CW
M2-Int: 7a
拡散シーケンス[ダイレクトシ
ーケンススペクトル拡散(DSSS)
システム用]
適用しない。
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表78−順方向リンク(リーダライタからRFタグへのリンク)パラメタ表(続き)
番号
パラメタ名
内容
M2-Int: 7b
チップレート(スペクトル拡散
システム用)
適用しない。
M2-Int: 7c
チップレート精度(スペクトル
拡散システム用)
適用しない。
M2-Int: 7d
変調指数
適用しない。
M2-Int: 7e
デューティサイクル
適用しない。
M2-Int: 7f
FM偏差
200 kHz未満
M2-Int: 8
データ符号化
ソース符号化:なし
チャネル符号化:短縮ファイアコード
回線符号化:なし
M2-Int: 9
ビットレート
384 kbit/s
M2-Int: 9a
ビットレート精度
±200 ppm
M2-Int: 10
リーダライタ送信変調精度
適用しない。
M2-Int: 11
プレアンブル
複数ブロックの固定長
M2-Int: 11a
プレアンブル長
物理チャネルによって決まる。
M2-Int: 11b プレアンブル波形
バーストの通常部と同じ。
M2-Int: 11c
ビット同期ビット系列
プレアンブルの一部
M2-Int: 11d フレーム同期ビット系列
適用しない。
M2-Int: 12
スクランブリング(スペクトル
拡散システム用)
適用しない。
M2-Int: 13
ビット送信順位
MSB優先送信
M2-Int: 14
ウェイクアッププロセス
自己同期化,通信搬送波放射のない時間制御
M2-Int: 15
偏波
円偏波又は直線偏波
5.3.1.2
モード2:RFタグからリーダライタへのリンク
表79を参照。
表79−返信リンク(RFタグからリーダライタ)パラメタ表
番号
パラメタ名
内容
M2-Tag: 1
動作周波数範囲
2 400 MHz〜2 483.5 MHz
M2-Tag: 1a
動作周波数初期値
リーダライタからの通信搬送波(RFタグは後方散乱だけ):(2 931+
n)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及びnはシステムが運用さ
れる国の監督官庁が−13〜86の中から決めるチャネル番号である。
M2-Tag: 1b
動作チャネル(スペクトル拡散
システム用)
リーダライタからの通信搬送波(RFタグは後方散乱だけ):(2 931+
n)×fCHに従う。ここで,fCH=819.2 kHz,及びnはシステムが運用さ
れる国の監督官庁が−13〜86の中から決めるチャネル番号である。
M2-Tag: 1c
動作周波数精度
最大±200 ppm(リーダライタと同じ:後方散乱するため)
M2-Tag: 1d
周波数ホップレート[周波数ホ
ッピング(FHSS)システム用]
適用しない(RFタグは後方散乱する。)。
M2-Tag: 1e
周波数ホップシーケンス[周波
数ホッピング(FHSS)システム用]
適用しない(RFタグは後方散乱する。)。
M2-Tag: 2
占有チャネル帯域幅
1 MHz
M2-Tag: 3
送信最大EIRP
RFタグは受動形なので,リーダの参照搬送波送信出力及び伝ぱ(播)
環境によって決まる。
M2-Tag: 4
送信スプリアス放射
RFタグの送信(後方散乱)については,システムが運用される国の
監督官庁が規定するスプリアス放射基準に適合しなければならない。
47
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表79−返信リンク(RFタグからリーダライタ)パラメタ表(続き)
番号
パラメタ名
内容
M2-Tag: 4a
送信スプリアス放射,帯域内(ス
ペクトル拡散システム用)
RFタグの送信(後方散乱)については,システムが運用される国の
監督官庁が規定するスプリアス放射基準に適合しなければならない。
M2-Tag: 4b
送信スプリアス放射,帯域外
RFタグの送信(後方散乱)については,システムが運用される国の
監督官庁が規定するスプリアス放射基準に適合しなければならない。
M2-Tag: 5
送信スペクトルマスク
RWタグ:384 kbit/sでのBPSK変調及びマンチェスタ符号化
ROタグ:76.8 kbit/s,副搬送波変調及びBPSK又はOOK変調
M2-Tag: 6a
送信から受信への切替え時間
520.8 µs
M2-Tag: 6b
受信から送信への切替え時間
520.8 µs
M2-Tag: 6c
滞留時間又は送信電力オン過渡
期間
適用しない(順方向リンク内で振幅変調を伴うシステムに対してだけ
関係する。)。
M2-Tag: 6d
減衰時間又は送信電力オフ過渡
期間
適用しない(順方向リンク内で振幅変調を伴うシステムに対してだけ
関係する。)。
M2-Tag: 7
変調
通知:RWタグ:副搬送波データ符号化,差動BPSK
ROタグ:副搬送波データ符号化,差動BPSK又はOOK
通信(RWタグに対してだけ):マンチェスタデータ符号化,差動BPSK
M2-Tag: 7a
拡散シーケンス[ダイレクトシ
ーケンススペクトル拡散(DSSS)
システム用]
適用しない。
M2-Tag: 7b
チップレート(スペクトル拡散
システム用)
適用しない。
M2-Tag: 7c
チップレート精度(スペクトル
拡散システム用)
適用しない。
M2-Tag: 7d
オンオフ比率
RWタグ:適用しない。
ROタグ:BPSK変調の場合には適用しない。
OOK変調の場合には最小15 dB。
M2-Tag: 7e
副搬送波周波数
通知:153.6 kHz
通信:384 kHz
M2-Tag: 7f
副搬送波周波数精度
通知:最大±300 ppm
通信:最大±200 ppm
M2-Tag: 7g
副搬送波変調
通知:RWタグ:DBPSK
ROタグ:DBPSK又はOOK
通信:DBPSK
M2-Tag: 7h
デューティサイクル
適用しない。
M2-Tag: 7i
FM偏差
適用しない。
M2-Tag: 8
データ符号化
ソース符号化:なし
チャネル符号化:短縮ファイアコード
回線符号化:マンチェスタ(通信)及び二重マンチェスタ(通知)
M2-Tag: 9
ビットレート
通知:76.8 kbit/s
通信:384 kbit/s
M2-Tag: 9a
ビットレート精度
通知:最大±300 ppm
通信:最大±200 ppm
M2-Tag: 10
RFタグ伝送変調精度[周波数ホ
ッピング(FHSS)システム用]
適用しない。
M2-Tag: 11
プレアンブル
複数ブロックの固定長
M2-Tag: 11a プレアンブル長
物理チャネルに従う。
M2-Tag: 11b プレアンブル波形
バースト信号の通常部分と同じ。
M2-Tag: 11c ビット同期ビット系列
プレアンブルの一部
M2-Tag: 11d フレーム同期ビット系列
適用しない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表79−返信リンク(RFタグからリーダライタ)パラメタ表(続き)
番号
パラメタ名
内容
M2-Tag: 12
スクランブリング(スペクトル
拡散システム用)
適用しない。
M2-Tag: 13
ビット送信順位
MSB優先送信
M2-Tag: 14
予備
M2-Tag: 15
偏波
円偏波又は直線偏波
M2-Tag: 16
最小RFタグ受信機帯域幅
関係するRF帯域幅への動作周波数範囲と同じ。
5.3.1.3
モード2:プロトコルパラメタ
表80を参照。
表80−プロトコルパラメタ
番号
パラメタ名
内容
M2-P: 1
フートークファースト
タグトークファースト
M2-P: 2
RFタグアドレス指定機能
あり。RFタグを個別に参照できる。
M2-P: 3
RFタグUID
使用プロトコルをベースに,独自仕様UIDを使う。
M2-P: 3a
UID長
32ビット(ROタグの場合は拡張できる。)。
M2-P: 3b
UID形式
附属書Cを参照する。
M2-P: 4
読取りサイズ
最大フレームサイズ108オクテット,ただし断片化処理を行う場合は
読取りサイズ無制限。
M2-P: 5
書込みサイズ
最大フレームサイズ144オクテット,ただし断片化処理を行う場合は
書込みサイズ無制限。
M2-P: 6
読取り処理時間
RWタグ:7.3 ms
ROタグ:15 ms未満(機器構成に依存する。)。
M2-P: 7
書込み処理時間
7.3 ms(RWタグだけ)
M2-P: 8
エラー検出
検出のために異なるCRCタイプが使用される(5.3.5.1を参照する。)。
M2-P: 9
エラー訂正
訂正のために異なるファイアコードが使用される(5.3.5.1を参照す
る。)。
M2-P: 10
メモリサイズ
RWタグ:2 kバイトから最大256 kバイトまで
ROタグ:最小32ビットから,160ビット以上にまで拡張可能(使用
する独自仕様アップリンクチャネル及びRFタグデータ読取りチャネ
ルに依存する。)。
M2-P: 11
コマンド構造及び拡張性
8個のコマンドを規定済み,29個のコマンドまで可能
5.3.1.4
モード2:衝突防止パラメタ
表81を参照。
表81−衝突防止パラメタ
番号
パラメタ名
内容
M2-A: 1
タイプ(確率論的又は決定論的) RFタグ64個までは決定論的
M2-A: 2
直線性
非直線的
M2-A: 3
RFタグ判別能力
システム導入時の設定に依存する(例 RFタグウェイクアップ手順
及び休止時間のデューティサイクル)。決定論的であるが,能力とし
て少ない数のRFタグと確実に通信できるよう規定されている。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3.2
変調及び符号化
一般:エアインタフェース上でデータワードが0(全データビットが0のデータは,CRCビットもすべて
0である。)の場合の送信エラー発生を回避するために,リーダライタから送信する各データワードは,各
バイトごとにバイトX“B9”であらかじめ乗算しなければならない。この乗算処理は,簡単なXOR操作
で実行される。RFタグ回路を最小化するため,及びRFタグから元データを得るため,RFタグからデー
タを受信した後,リーダライタ内で同じ操作が実行されなければならない。
表82−乗数ワード
乗数ワード(8ビット)
B7
B6
B5
B4
B3
B2
B1
B0
1
0
1
1
1
0
0
1
注記 RFタグ製造時点でRFタグに記憶させる各データは,上記操作によって予備的処理がなされな
ければならない(これはROタグにも適用される。)。
5.3.2.1
順方向リンク(RWタグ専用)
順方向リンク変調及び符号化方式は,図13に示される。二つの搬送波,連続搬送波及びGMSK変調搬
送波(通信搬送波)は,RFタグに対して同時に送信されなければならない。通信搬送波と同時に,リーダ
ライタから周波数逓減用の連続搬送波を送信しているので,タグ内に局部発信器が不要になりRFタグの
回路を最小化できる。
Gauss pulse shaping
positive frequency deviation
negative frequency deviation
pulse shaping
modulator
GMSK
modulated
communication
carrier
"1"
"0"
communication
carrier
CW
carrier
IF Difference
Dual Carrier:
Frequency
Max. deviation:1/4*Tbit
(MSK)
Gauss pulse shaping
1/384kHz
XOR
Scramble Word
Source Bit
Scrambled Source Bit
Scrambled Source Bit
図13−順方向リンク変調及び符号化
5.3.2.2
通知のための返信リンク(両タイプのRFタグ用)
通知の期間の返信リンク変調及び符号化は,図14に示される。
読取り専用RFタグ(ROタグ)の場合には,BPSK変調の代わりにOOK変調を使用することもできる。
OOKの場合も同様に,反転,副搬送波変調,差動符号化など全部の予備処理が加えられなければならない。
スクランブルワード
ソースビット
スクランブル済み
ソースビット
IF差動
二重搬送波
ガウシアンパルス波形整形
連続搬送波
通信搬送波
周波数
正性周波数偏差
スクランブル済みソースビット
ガウシアンパル
ス波形整形
パルス波形整形
最大偏差1/4*Tbit
(MSK)
負性周波数偏差
変調器
GMSK変調
通信搬送波
1/384 kHz
“1”
“0”
XOR
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subcarrier modulation
Differntial encoded bits
BPSK
modulator
or OOK
backscattered
modulated
carrier
"1"
"0"
Channel coded
source bits
pulse shaping
pulse shaping
subcarrier modulation
1/76,8kHz
Bitgenerator
Inverter
XOR
Delay
Delay=bit̲period
Differencial encoded
図14−通知の期間の返信リンク変調及び符号化
5.3.2.3
通信のための返信リンク(RWタグ専用)
通信の期間の返信リンク変調及び符号化は,図15に示される。
図15−通信の期間の返信リンク変調及び符号化
5.3.3
一般的なシステムの説明
システムは,リーダライタと次の三つのRFタグタイプの少なくとも一つとで構成しなければならない。
− RFタグから読取り可能で,かつ,RFタグへ書込み可能なRWタグ。
− RWタグと同様の動きをするが,RFタグから読取りだけが可能なROタグ。
manchester coding
Differntial encoded bits
BPSK
modulator
backscattered
modulated
carrier
"1"
"0"
Channel coded
source bits
1/384kHz
manchester coding
Bitgenerator
Inverter
XOR
Delay
Delay=bit̲period
Differencial encoded
pulse shaping
pulse shaping
チャネル符号化
ソースビット
ビット生成器
インバータ
遅延回路
差分符号化
1/384 kHz
“1”
“0”
マンチェスタ符号化
マンチェスタ符号化
パルス波形整形
パルス波形整形
BPSK
変調器
XOR
遅延時間=bit̲period
差分符号化ビット
後方散乱
変調搬送波
チャネル符号化
ソースビット
遅延時間=bit̲period
差分符号化
インバータ
差分符号化ビット
パルス波形整形
BPSK/
OOK
変調器
後方散乱
変調搬送波
1/76.8 kHz
“1”
“0”
XOR
遅延回路
ビット生成器
副搬送波変調
副搬送波変調
パルス波形整形
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− 高速度用途で有用な短通知チャネルN-CHをもつ特別版ROタグ。
異なるタイプのRFタグを混在させて,同時に動作させることができなければならない。リーダライタ
は,少なくとも普通のROタグで動作しなければならない。
すべてのRFタグタイプを扱うことができるように,TTFの概念が使用されなければならない。したが
って,すべてのRFタグは,通信を確立するために,同期化情報,及び(ユーザRFタグID,製造者RF
タグID及びメモリIDを含む。)RFタグデータから始まる固定のシーケンス(通知シーケンス)を後方散
乱させなければならない。同期化情報の内容によって,リーダライタはRFタグタイプを判断しなければ
ならない。シーケンスの全長は,固定か,又はメモリID長に依存してよい。
繰返し時間は,RFタグ速度,RFタグ識別率,又はリーダの通信領域内のRFタグの総数のようなアプ
リケーションのパラメタに従って,個々にエアインタフェース上で設定できる。衝突防止は,繰返し時間
をランダム化することで達成される。個々のRFタグは,ウェイクアップ手続とスリープ時間とのデュー
ティサイクルがランダム化された平均繰返し時間で,それらのシーケンスを後方散乱させなければならな
い。
RWタグの順方向リンク用として,GMSK(BT=0.5)によって変調された搬送波と,連続搬送波CWと
の二つの搬送波が必要である。返信リンクでは,RFタグは通信搬送波への後方散乱変調を使用する。この
ため,システムは一定周波数間隔の異なる二つの搬送波を使用する。ROタグの場合は,一つの搬送波だ
けが必要である。しかし,二つの搬送波の周波数間隔が固定されていると,システム性能への帯域内干渉
による影響を低減するために,通信中に許容周波数帯域内の二つの搬送波周波数間をホップしてよい。ホ
ッピングは,通信期間の合間の空き周波数チャネルでの電力の検知によって制御され,また,規制基準に
適合するためにも使用できる。
リーダライタは近隣のRFIDシステムへの干渉を回避するため,RFタグは電力消費を減らすために,何
もしていないときだけはわず(僅)かな時間間隔で動作する。互いのウェイクアップ時間の短い重なりの
期間に,リーダライタは,RFタグが送信中の参照搬送波を通知シーケンスで変調するかどうか確認する。
RFタグが通知シーケンスで変調している場合には,リーダライタは個々のRFタグ信号に同期化すること
によって通知手続を開始する。通知手続が完了して,リーダライタがRFタグを認識すると,システムは
データ交換を実行する通信モードに入る。そうするために,そして,識別領域内の追加のRFタグと通信
を維持するか,又は可能にするためにリーダライタは通知モードが終わるまでは,新規追加のRFタグに
同期化させられる。通知が完了すると,リーダライタは通信モードへ戻り,リーダライタとRFタグとの
間に存在する通信を継続する。このことは,リーダライタが,通信領域内の全RWタグを後続のサービス
のためにタイムフレーム構造に編成することを可能にする。ROタグからの全RFタグ情報は,通知処理期
間内に完全に読み取られなければならない。それ以上の通信は必要ない。一般的に,リーダライタとRF
タグとの間の通信は,時分割二重化又は時分割多重化(TDD又はTDM)に基づいている。リーダライタ
は,一台のリーダライタと複数のRFタグ間との通信を時分割多重化(TDM)する。一台のリーダライタ
と一つのRFタグとの情報交換は,時分割二重化(TDD)に基づく。それゆえに,データ転送はタイムス
ロット内で実行される。1フレームは,最大64までのサブフレームからなり,各サブフレームは,各々14
のタイムスロットから構成される。現実に使用されるサブフレーム数は,システム設置時に固定されるが,
メンテナンスの機会に変更可能である。RFタグとリーダライタとの間の通信中は,一つのサブフレームは
一つのRFタグに対して永久的かつ独占的に割り当てられる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3.4
フレーム構造
5.3.4.1
階層構造
プロトコルはフレームベースである。各フレームは1〜64のサブフレームを含み,各サブフレームは14
のスロットを含む(図16を参照)。各スロットは,データ転送速度384 kbit/sで各200ビット,又はデータ
転送速度76.8kbit/sで各40ビットのいずれかを送信のために使用できる。サブフレームの長さは,結果的
に(1/384 kHz)×200×14=7.29 msとなる。
フレームの長さはソフトウェア設定可能であり,かつ,1サブフレーム(約7.3 ms)から64サブフレー
ム(約466.6 ms)までの範囲である。この構造は設置時に作られる。その構造を再設定することは可能で
あるが,動作中の動的再設定はできない。順方向リンクの場合には,スロット間のガードタイムはない。
返信リンクの場合は,保護ビットがスロット間に挿入される。保護ビット数は,物理チャネルのタイプに
よって規定される。
リーダライタとRFタグとの間の通信は,時分割二重化又は時分割多重化(TDD又はTDM)に基づく。
リーダライタは,一台のリーダライタと数個のRFタグとの通信を時分割多重化する。一台のリーダライ
タと一つのRFタグとの情報交換は,時分割二重化に基づく。通信期間中は,一つのサブフレームは一つ
のRFタグに対して永久的に割り当てられる。一つのサブフレームを複数のRFタグに対して割り当てるこ
とはできない。
通信チャネル及びスペクトル検査チャネル用には,同じフレーム構造が使用されている。通知チャネル
用には,サービスを要求するRFタグに対して適用されるフレーム構造が,通知チャネルが終了するまで,
そのまま適用され続ける。いったん,通知チャネルが終了すると,リーダライタは,元のフレーム構造を
再構築しなければならない。
フレーム
サブフレーム
スロット
Tsubframe=14*Tslot
Subframe 0
Subframe n
Tslot=(1/384 kHz)*200=520.8 µs
200 Bit with 384 kbps or 40 Bit with 76.8 kbps
Tframe=(1〜64)*Tsubframe
Slot 0
Slot 13
図16−フレーム構造
5.3.4.2
論理チャネル
定義:論理チャネルは,サブフレーム間に割り当てられたもので,実行されるタスクであり,リーダライ
タによって制御される。論理チャネルには三つの主要グループがある。
− 通知チャネル(N-CH)
− 通信チャネル(C-CH)
− スペクトル検査チャネル(SC-CH)
論理チャネルには,5.3.4.3に示す物理チャネルを含む(例えば,2キロバイトを書き込むなど)。一度に
数フレームに対して独立して参照できる通信を可能にするように,複数の論理チャネルを連鎖させること
も可能である。こうした連鎖は常に,通知チャネルで始まり,通信チャネルで終わらなければならない(RW
タグの場合)。最後の論理チャネルでは,通信終端信号(EOC)を送信しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ROタグの場合,RFタグからリーダライタへの全情報送信は,通知チャネル内で行わなければならない。
したがって,構築すべき通信チャネルはない。スペクトル検査チャネルは,使っても使わなくてもよい。
5.3.4.2.1
通知チャネル(両RFタグタイプ用):N-CH
機能:通知チャネルにおいて,RWタグの場合には,双方向通信を実行するために新規のRFタグが,リ
ーダライタスロット構造に組み込まれる(図17を参照)が,それがROタグの場合には,すべての情報が
RFタグから読み取られなければならない(図18及び図19を参照)。通知チャネルは,一つのRFタグス
ロット構造が検出済みのときは,少なくともスロット0内から始められなければならない。通信チャネル
又はスペクトル検査チャネルのいずれも使われない場合には,通知チャネルはどのスロットからも始める
ことができる。通知チャネルは,RWタグでは最初のコマンドを読み取った時点で,又はROタグではす
べての情報を読み取った後で,終了する。RWタグでは,最初のコマンドは,通信チャネル用に割り当て
られ,用意されたサブフレームで伝送される。
次の場合は,通知は取り消されなければならない。
− 対象のRFタグIDがブラックリストに載っている(例えば,リーダライタがそのRFタグとの通信を
望まない。)。
− 対象のRFタグIDにエラーが含まれている(修復できないCRCエラー)。論理確認チャネルの情報に
エラーが含まれている(修復できないCRCエラー)。
− 最初のコマンドがRWタグによって正しく読み取られず,又は正しく解釈されない(修復できないCRC
エラー)。その場合には,リーダライタはこのタグからの応答を入手できない。
− 全サブフレームがすべて割り当てられ済みである(コマンドを伝送することができない。)。
5.3.4.2.2
通信チャネル(RWタグだけ):C-CH
機能:通信チャネルは,リーダライタとRFタグとの間で実行される読取り及び書込みアクセス操作の媒
体である(図20を参照)。いったん,接続が設定されると,RFタグIDの問合せが可能になる。このチャ
ネルはRFタグが最初のコマンドを読み取った後から開始され,リーダライタがEOC(通信終端信号)を
設定したときに終了されなければならない。
5.3.4.2.3
スペクトル検査チャネル:SC-CH
機能:スペクトル検査チャネルは,空き周波数チャネルを検索するために使用されなければならない(図
19及び図20を参照)。このチャネルは,通知チャネル又は通信チャネルが動作中でなければ活性化するこ
とができる。
5.3.4.2.4
種々の論理チャネル間の優先順位
a) 最初のコマンドが通信チャネルで伝送される(通知の終了と同じ)。
表83−最初のコマンドが通信チャネルを使って伝送されるときの優先順位
チャネル
優先順位
通知
2
通信
1
スペクトル検査
3
このことは,開始された通知チャネルは,新しい通知チャネルが開始される前に終了しなければな
らないことを意味している(表83を参照)。
b) 最初のコマンドは,通信チャネルを使わないで伝送される。
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表84−最初のコマンドが通信チャネルを使わないで伝送されるときの優先順位
チャネル
優先順位
通知
1
通信
2
スペクトルチェック
3
このことは,通信チャネル上で最初のコマンドを伝送中でない限り,通知は他の二つのチャネルの
処理を中断して行わなければならないことを意味する(表84を参照)。その場合,中断された通信チ
ャネルのためにARQ(自動再送要求)が出されなければならない。スペクトル検査は,空きサブフレ
ームにおいてだけ実行できる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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例
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り
又
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み
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を
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。
5
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ム構
造
58
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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造
59
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3.4.3
物理チャネル
定義:物理チャネルは,スロット間に割り当てられるもの,変調手続及び符号化手続である。前述のよう
に,論理チャネルは物理チャネルを含むことができる。表85に,論理チャネル及び物理チャネルの構造を
示す。
表85−論理チャネル及び物理チャネル
論理チャネル
グループ
論理チャネル
物理チャネル
機能
通知チャネル
N-CH
RFタグスロット識別チャネル:
S-CH(返信リンク)
RFタグスロット識別チャネ
ル:S-CH(返信リンク)
このチャネルでRFタグは,スロ
ット検索中にリーダライタによっ
て読取り可能な同期化情報を送る
(例えば,スロット0)。
RFタグID読取りチャネル:
MID-CH(返信リンク)
RFタグID読取りチャネルパー
ト1:MID1-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グIDの最初のパートを送信する
ために使用される。
RFタグID読取りチャネルパー
ト2:MID2-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グIDの2番目のパートを送信す
るために使用される。
RFタグID読取りチャネルパー
ト1:MID3-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グIDの最初のパートを送信する
ために使用される。
RFタグID読取りチャネルパー
ト2:MID4-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グIDの2番目のパートを送信す
るために使用される。
RFタグデータ読取りチャネル:
MIN-CH(返信リンク)
RFタグデータ読取りチャネル:
MIN1-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グデータの最初のパートを送信す
るために使用される。
RFタグデータ読取りチャネル:
MIN2-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グデータの2番目のパートを送信
するために使用される。
RFタグデータ読取りチャネル:
MIN3-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グデータの最初のパートを送信す
るために使用される。
RFタグデータ読取りチャネル:
MIN4-CH(返信リンク)
このチャネルは,32ビットRFタ
グデータの2番目のパートを送信
するために使用される。
リーダライタID読取りチャネ
ル:SID-CH(順方向リンク)
リーダライタID読取りチャネ
ル:SID-CH(順方向リンク)
このチャネルは,10ビット長のリ
ーダライタID及び15ビット長の
カウンタ値をRFタグへ送信する
ために使われる。
順方向リンクチャネル予備機
能:RFD-CH(順方向リンク)
順方向リンクチャネル予備機
能:RFD-CH(順方向リンク)
将来独占的に使用するために予約
する。
返信リンクチャネル予備機
能:RFU-CH(返信リンク)
返信リンクチャネル予備機
能:RFU-CH(返信リンク)
将来独占的に使用するために予約
する。
リーダライタトレーニングシ
ーケンスタイプ1チャネル:
TS1-CH(返信リンク)
このチャネルは,ハードウェアの
実装を簡易にするためだけに使用
される。
60
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表85−論理チャネル及び物理チャネル(続き)
論理チャネル
グループ
論理チャネル
物理チャネル
機能
通信チャネル
C-CH
コマンドスロットチャネル:
CS-CH(順方向リンク)
コマンドスロットチャネル:
CS-CH(順方向リンク)
このチャネルは,リーダライタか
らRFタグへ次のコマンドを送信
するために使用される。
− Writeコマンド
− Long̲readコマンド
− Short̲readコマンド
− Initコマンド
− Waitコマンド
− 通信終端信号(EOC)
85バイト以上の読取りチャネ
ル:RM-CH(返信リンク)
読取りチャネル:R-CH(返信リ
ンク)
このチャネルを使い,RFタグから
リーダライタへ単一のサブフレー
ムで最大108バイトまで伝送可
能。
84バイト以下の読取りチャネ
ル:RL-CH(返信リンク)
読取りチャネル:R-CH(返信リ
ンク)
このチャネルを使い,RFタグから
リーダライタへ単一のサブフレー
ムで最大84バイトが伝送可能。
書込みチャネル:W-CH(順方
向リンク)
書込みチャネル:W-CH(順方
向リンク)
このチャネルを使い,リーダライ
タからRFタグへの単一のサブフ
レームで最大144バイトが伝送可
能。
書込み確認チャネル:CW-CH
(返信リンク)
書込み確認チャネル:CW-CH
(返信リンク)
使われたサブフレームでのリーダ
ライタからRFタグへのデータ伝
送のエラー発生の有無を表す。
リーダライタトレーニングシ
ーケンスタイプ2チャネル:
TS2-CH(返信リンク)
このチャネルは,ハードウェアの
実装を簡易にするためだけに使用
される。
コマンドスロットトレーニン
グシーケンス:TS3-CH(順方向
リンク)
このチャネルは,ハードウェアの
実装を簡易にするためだけに使用
される。
スペクトル検
査チャネル
SC-CH
スペクトル検査チャネル:
SC-CH
スペクトル検査チャネル
SC-CH
リーダライタは,許容チャネル範
囲内の許容周波数帯内のRSSI値
を測定するためにこのチャネルを
使う。
スロット割当てに関して,ビットは次のとおりに割り当てられる。すなわち,MSB(最上位ビット)か
らLSB(最下位ビット),つまり左から右の順に割り当てられる。伝送の順番はMSBが最初で,最後が
LSBである。
5.3.4.3.1
RFタグスロット識別チャネル:S-CH(返信リンク)
機能:スロット識別チャネル期間で(最低でもリーダライタのスロット0内で),リーダライタは(フィー
ルド内に新しいRFタグがあるときは)新しいRFタグの同期化情報を読み取らなければならない。S-CH
は,同期化のために必要な情報(時間補正及び時間カウンタ)が一つのスロット内で2回出現する,とい
う形に構成されている。各S-CHのために,スロットの各半分の長さからなる二つのブロックがある。二
つのブロックの違いは,時間カウンタが1増加している点だけが異なる(最初のブロックは小さい値の方
である。)。これは,その情報を,RFタグとリーダライタとの間のタイムスロット構造でいずれの時間軸に
61
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
あるか確認することに利用できることを保証している。RWタグ用及び標準ROタグ用には,時間カウン
タは1から30まで動き,このことは15のS-CHがN-CHに連続して送られることを意味する。このこと
は,同期化に必要な情報が,二つの連続するスロット0で入手可能となることを保証する。高速アプリケ
ーション用ROタグの場合,二つの連続する半スロットのカウンタ値は,その後に0が続く31である。こ
のタイプのアプリケーション用では,S-CHはスロット0に固定されない(図21を参照)。さらに,相関
用ワードはRWタグ及びROタグに対して,反転した同じビット系列である。この事実が理由で,リーダ
ライタはいずれのタイプのRFタグとの通信を開始させるかS-CH期間で決定しなければならない。
Interrogator
TAG
Slot 0
Slot 0
counter n
counter n-1
counter n+2
counter n+1
clock recovery
is not possible
used for
synchronisation
not in Slot0
not in Slot0
offset determination
図21−スロット0に関するS-CHポジション
データ伝送:76.8 kbit/sの返信リンク
表86−標準的なアプリケーションでのS-CHのためのサブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10
S11
S12
S13
●
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−
−
−
−
−
表87−ROアプリケーション若しくは通信がない場合,又はスペクトル検査チャネルが
確立されている場合のS-CHのためのサブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10
S11
S12
S13
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
RWタグのためのスロット割当て:
クロック再生のためのサブシーケンス0101(B19…B16)を含む13ビット長の時間反転バーカーシーケ
ンス。5ビット時間カウンタ値の後にパリティビットが付加されている(表88を参照)。
表88−RWタグの場合のS-CHのためのスロット割当て
相関用ワード
時間カウンタ
パリティ
テール
クロック再生
B19 B18 B17 B16 B15 B14 B13 B12 B11 B10
B9
B8
B7
B6…B2
B1
B0
0
1
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
注記 B6…B2:1〜30の時間カウンタ
ROタグのためのスロット割当て:
クロック再生のためのサブシーケンス0101(B18…B15)を含む13ビット長の時間反転バーカーシーケ
リーダライタ
RFタグ
スロット0外
クロック再生できない
同期化に使用
スロット0外
オフセット決定
スロット0
62
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ンス。RWタグ用のビット系列を反転したビット系列になっている。5ビット時間カウンタ値の後にパリ
ティビットが付加されている(表89を参照)。
表89−ROタグの場合のS-CHのためのスロット割当て
相関用ワード
時間カウンタ
パリティ
テール
クロック再生
B19 B18 B17 B16 B15 B14 B13 B12 B11 B10
B9
B8
B7
B6…B2
B1
B0
1
0
1
0
1
1
0
0
1
1
1
1
1
0
注記 B6…B2:1〜30の時間カウンタは標準ROタグ用であり,31及び0は高速アプリケーション用ROタグ用であ
る。
チャネル符号化:適用しない
パリティB1:B6…B2への偶数パリティの追加(両方のRFタグタイプに対して同一)。
復号化:相関器を使って復号される。相関判定処理は,誤りを最小限に抑えるための2段階で実行される。
第1段階では,相関用ワード(B19…B7)内のビットだけが相関判定処理に含まれる。第2段階では,リ
ーダライタスロット(例えば,スロット0)内に残っている既知のビットも相関判定処理に含まれる。S-CH
はスロット0の長さの半分であり,したがって既知のビットが存在する。既知のビット数は,第1段階時
点で相関関係のピークがみられたところに依存する。これは,表90に従って第2の相関用ワードが動的に
確立されたことを意味する。表内では,RWタグの値だけをみることができる。ROタグの値は,相関フィ
ールド内で単純に反転しているだけである(時間反転バーカーシーケンスのフィールド内)。
63
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表90−第2レベル相関判定スキーム
半スロットの位置
相関ビット数
スロット0の位置
39 38 37 36 35 34 33 32 31 30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
1 T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P 22
2 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 21
3 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 20
4 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 20
5 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 20
6 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 20
7 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 20
8 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 20
9 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 20
10 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 20
11 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 20
12 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 20
13 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 20
14 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 20
15 #
N
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 21
16 #
N
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 #N
+2
22
17 #
N
#N P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 #N
+2
#N
+2
22
18 #
N
#
N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 #N+2 #N
+2
22
19 #
N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+2 #N
+2
22
20 P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+1
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+2
#N
+2
22
1 T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N
P T 0 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
#N+2
P 22
暗灰色:クロック再生 明灰色:相関ビット
P:パリティ
T:テール
黒枠白地:不確定ビット
破線内:相関関係がピークの位置 #N:時間カウンタ
5.3.4.3.2
RFタグID読取りチャネル:MIDx-CH(返信リンク,両RFタグタイプ用)
機能:このチャネルは,二つのサブシーケンススロット内で32ビットID31,…,ID0の伝送に使われる。
データ伝送:76.8 kbit/sの返信リンク
サブフレーム割当て:MIDx-CHが通知チャネルの一部となっているので,該当しない。サブフレーム内の
位置は,リーダライタのフレーム構造に同期していない。
スロット割当て:11ビット長の時間反転バーカーシーケンスが,クロックの再生及びワードの再生に使用
される(表91及び表92を参照)。
表91−MID1(両RFタグタイプ用)及びMID3(ROタグ用だけ)用スロット割当て
ワード同期化
27ビットRFタグID
テール
クロック再生
B39 B38 B37 B36 B35 B34 B33 B32 B31 B30 B29
B28…B2
B1…B0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
RFタグIDの最初の部分
ID31,…,ID5
0
64
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表92−MID2(両RFタグタイプ用)及びMID4(ROタグ用だけ)用スロット割当て
ワード同期化
5ビット
RFタグID
32ビット上のCRC
テール
クロック再生
B39 B38 B37 B36 B35 B34 B33 B32 B31 B30 B29
B28…B24
B23…B2
B1…B0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
ID4,…,ID0
CRC21,…,CRC0
0
RFタグIDのメモリマッピングの規定は,附属書Cを参照する。
チャネル符号化:短縮ファイアコードがRFタグIDチャネル符号化(54,32)に使用される。生成後,符
号化された54ビット(ID31,…,ID0,CRC21,…,CRC0)は,スロットMID1又はMID3及びMID2又は
MID4内でMSBのID31から最初に送信される。
生成多項式はg(X)=X22+X17+X13+X9+X4+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=ID31X53+ID30X52+…+ID0X22
を,生成多項式
X22+X17+X13+X9+X4+1
で除して,多項式
CRC21X21+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC21,…,CRC0)をRFタグIDビット(ID31,…,ID0)の最後に添付し,得ら
れた54ビットコード(ID31,…,ID0,CRC21,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
ID31X53+…+ID0X22+CRC21X21+…+CRC0X0
を,生成多項式
X22+X17+X13+X9+X4+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.3
RFタグデータ読取りチャネル:MINx-CH(返信リンク,ROタグ専用)
機能:このチャネルは,四つの連続スロットで64ビットRFタグデータを伝送するために使用される。こ
れは,二つの連続したスロット組を2組送信することによって実行できる。
データ伝送:76.8 kbit/sの返信リンク
サブフレーム割当て:MINx-CHが通知チャネルの一部となっているので,該当しない。サブフレーム内の
位置は,リーダライタのフレーム構造に同期していない。
スロット割当て:11ビット長の時間反転バーカーシーケンスが,クロックの再生及びワードの再生に使用
される(表93及び表94を参照)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表93−MIN1又はMIN3用スロット割当て
ワード同期化
27ビットRFタグデータ
テール
クロック再生
B39 B38 B37 B36 B35 B34 B33 B32 B31 B30 B29
B28…B2
B1…B0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
RFタグデータの最初の
部分D31,…,D5
0
表94−MIN2又はMIN4用スロット割当て
ワード同期化
5ビット
RFタグデータ
32ビット上のCRC
テール
クロック再生
B39 B38 B37 B36 B35 B34 B33 B32 B31 B30 B29
B28…B24
B23…B2
B1…B0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
D4,…,D0
CRC21,…,CRC0
0
RFタグのデータビット:DATA63…DATA0
注記 このビットは,ユーザRFタグIDの拡張,又はRFタグ内のアプリケーション関連データ保存
に使用できる。
チャネル符号化:32データビットを送る二つの連続スロットのそれぞれの組用として,短縮ファイアコー
ドがRFタグチャネル符号化(54,32)に使用される。生成後,符号化された54ビット(D31,…,D0,
CRC21,…,CRC0)は,スロットMIN1又はMIN3,及びMIN2又はMIN4にて最初にMSBのD31から送
信される。
生成多項式はg(X)=X22+X17+X13+X9+X4+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=D31X53+D30X52+…+D0X22
を,生成多項式
X22+X17+X13+X9+X4+1
で除して,多項式
CRC21X21+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC21,…,CRC0)をRFタグのデータビット(D31,…,D0)に最後に添付し,得
られた54ビットコード(D31,…,D0,CRC21,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
D31X53+…+D0X22+CRC21X21+…+CRC0X0
を,生成多項式
X22+X17+X13+X9+X4+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.4
リーダライタID読取りチャネル:SID-CH(順方向リンク,RWタグ専用)
機能:このチャネルは,10ビット長のリーダライタID及び15ビットのカウンタ値をRFタグに伝送する
ために使用される。カウンタ値は通信を可能にするもので,すなわち,RFタグが通信チャネル上の最初の
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
コマンドをどの通信チャネルで待たなければならないかを示す。
データ伝送:384 kbit/sの順方向リンク
サブフレーム割当て:SID-CHが通知チャネルの一部となっているので,該当しない。サブフレーム内の
位置はリーダライタのフレーム構造に同期していない。
スロット割当て:200ビット内の最初の112ビットだけが割り当てられる。残りの88ビットは,RFタグ
では無視される。ワードの同期化のために,16ビット長のシーケンス(TSC1)が使われる。ワード同期
化のための相関器初期しきい(閾)値は,13である(値は13以上でなければならない:最大二つのビッ
トエラー。表95〜表97を参照)。
表95−SID-CH用スロット割当てパート1
レベル検出器(20ビット)
ウェイクアップ及びクロック再生(36ビット)
B199 B198 B197 B196
…
B182 B181 B180 B179 B178 B177 B176
…
B146 B145 B144
0
1
0
1
…
1
0
1
0
1
0
1
…
1
0
1
表96−SID-CH用スロット割当てパート2
ワード同期化:16ビットシーケンスTSC1(16ビット)
B143 B142 B141 B140 B139 B138 B137 B136 B135 B134 B133 B132 B131 B130 B129 B128
1
0
1
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
表97−SID-CH用スロット割当てパート3
リーダライタID
(10ビット)
カウンタ値
(15ビット)
25ビット上のCRC
(15ビット)
RFタグでは無視
B127…B118
B117…B103
B102…B88
B87…B0
D24,…,D15
D14,…,D0
CRC14,…,CRC0
注記 ビット系列 "0 1" は,B195〜B183及びB175〜B147で繰り返される。
チャネル符号化:短縮ファイアコードがSID-CHチャネル符号化(40,25)に使用される。生成後,符号
化された40ビット(D24,…,D0,CRC14,…,CRC0)は,最初にMSBのD24から伝送される。
生成多項式はg(X)=X15+X10+X9+X6+X+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=D24X39+D23X38+…+D0X15
を,生成多項式
X15+X10+X9+X6+X+1
で除して,多項式
CRC14X14+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC14,…,CRC0)をRFタグのデータビット(D24,…,D0)の最後に添付し,得
られた40ビットコード(D24,…,D0,CRC14,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
67
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
D24X39+…+D0X15+CRC14X14+…+CRC0X0
を,生成多項式
X15+X10+X9+X6+X+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.5
順方向リンクチャネル予備機能:RFD-CH(順方向リンク,RWタグ専用)
機能:独自仕様用に将来使用するために予約する。
5.3.4.3.6
返信リンクチャネル予備機能:RFU-CH(返信リンク,両RFタグタイプ用)
機能:独自仕様用に将来使用するために予約する。機能は,二つのRFタグのタイプで異なってもよい。
5.3.4.3.7
リーダライタトレーニングシーケンスタイプ1チャネル:TS1-CH(論理チャネルなしの返信リ
ンク)
機能:このチャネルは,ハードウェアの実装を容易にするために使用される。
データ伝送:200 kbit/s〜400 kbit/sのデータ転送速度をもつ返信リンク。0と1との交互のビット列は,0
からスタートする。この信号は,最終ビットを除いて差動予備符号化をされてはいない。最終ビットは,
後続スロットで差動復調が可能なように差動予備符号化をされていなければならない。
サブフレーム割当て:S-CH,MID-CH及びRFU-CHチャネルの前に配置する。
スロット割当て:該当しない。
5.3.4.3.8
コマンドスロットチャネル:CS-CH(順方向リンク)
機能:このチャネルは,リーダライタからRFタグへのコマンドの伝送に使用される。スロットごとの総
ビット数は,120ビットの純データのビット内容を含む200ビットである。残りのビットは,クロック再
生,ワード同期化及びエラー保護のために使用される(表98及び表99を参照)。
データ伝送:384 kbit/sの順方向リンク
表98−W-CH,RM-CH及びMID-CHの場合のCS-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
表99−RL-CHの場合のCS-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
●
スロット割当て:200ビットの内の12ビットは,クロック再生のために使われる。ワード同期化のために,
26ビット長のシーケンス(TSC1)が使用される。ワード同期化のための相関器初期しきい(閾)値は,
24である(値は必ず24:最大二つのビットエラー)。残り162ビットは,符号化された純データのビット
である(表100〜表103を参照)。
表100−CS-CH用スロット割当てパート1
クロック再生(12ビット)
B199 B198 B197 B196 B195 B194 B193 B192 B191 B190 B189 B188
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
68
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表101−CS-CH用スロット割当てパート2
B187…B162:ワード同期化(TSC1)(26ビット)
0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1
表102−CS-CH用スロット割当てパート3
コマンドタイプ
(4ビット)
EOC
(1ビット)
リーダライタフレーム構造
(7ビット)
RFタグID
(18ビット)
ビットB161…B132上の
CRC保護(44ビット)
B161…B158
B157
B156…B150
B149…B132
B131…B88
D29,…,D26
D25
D24,…,D18
D17,…,D0
CRC43,…,CRC0
表103−CS-CH用スロット割当てパート4
ブロック長
(8ビット)
予備
(1ビット)
開始アドレス
(18ビット)
予備
(3ビット)
ビットB87…B58上の
CRC保護(44ビット)
予備
(14ビット)
B87…B80
B79
B78…B61
B60…B58
B57…B14
B13…B0
D29,…,D22
D21
D20,…,D3
D2,…,D0
CRC43,…,CRC0
フィールドの定義:
コマンドタイプ:5.3.6.1及び5.3.6.3を参照する。
EOC:通信終端信号(EOC)はコマンドフィールドの1ビットで信号化される。
リーダライタフレーム構造:フレーム中のサブフレーム数を示す。
RFタグID:ID31〜ID14の範囲だけがコマンドスロット内で伝送されなければならない。
ブロック長:伝送されたブロックに含まれるバイト数を示す。
開始アドレス:伝送されたブロックの最初のバイトがどこに書かれるか,又はどこから読み取られるかを
示す。B79は“0”に設定されなければならない。
チャネル符号化:短縮ファイアコード(74,30)がCS-CHデータビットの符号化に繰返し使用される。生
成後,符号化された74ビット(D29,…,D0,CRC43,…,CRC0)は,最初にMSBのD29から伝送される。
生成多項式(R-CH用と同じ)はg(X)=X44+X30+X29+X15+X+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=D29X73+D28X72+…+D0X44
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,多項式
CRC43X43+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC43,…,CRC0)をRFタグのデータビット(D29,…,D0)の最後に添付し,得
られた74ビットコード(D29,…,D0,CRC43,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
D29X73+…+D0X44+CRC43X43+…+CRC0X0
69
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.9
読取りチャネル:R-CH(返信リンク)
機能:これらのチャネルは,RFタグの純データをリーダライタに伝送するために使用される。スロット当
たりの総数は,純データのビット量96ビットを含む200ビットである。96ビット以外の残りのビットは,
クロック再生,ワード同期化及びエラー保護のために使用される。
データ伝送:384 kbit/sの返信リンク
サブフレーム割当て:表104及び表105を参照。
表104−RM-CHの場合のR-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
●
●
●
●
●
●
●
●
表105−RL-CHの場合のR-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
●
●
●
●
●
●
スロット割当て:11ビット長の時間反転バーカーシーケンスがクロック及びワードの再生に使用される。
残りの189ビットは,符号化された純データのビットであり,全く同じ二つの部分に分割されている(表
106及び表107を参照)。
表106−R-CH用スロット割当てパート1
ワード同期化
クロック再生
B199 B198 B197 B196 B195 B194 B193 B192 B191 B190 B189
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
表107−R-CH用スロット割当てパート2
純データのビット
(48ビット)
前の48ビットについてのCRC
(44ビット)
純データのビット
(48ビット)
B96…B49についてのCRC
(44ビット)
テール
B188…B141
B140…B97
B96…B49
B48…B5
B4…B0
D47,…,D0
CRC43,…,CRC0
D47,…,D0
CRC43,…,CRC0
チャネル符号化:短縮ファイアコード(92,48)がチャネル符号化のために使われる。生成後,符号化さ
れた92ビット(D47,…,D0,CRC43,…,CRC0)はMSBのD47から送信される。
生成多項式はg(X)=X44+X30+X29+X15+X+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=D47X91+D46X90+…+D0X44
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,多項式
CRC43X43+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC43,…,CRC0)をRFタグのデータビット(D47,…,D0)の最後に添付し,得
られた92ビットコード(D47,…,D0,CRC43,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
D47X91+…+D0X44+CRC43X43+…+CRC0X0
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.10 書込みチャネル:W-CH(順方向リンク)
機能:このチャネルは,純データをリーダライタからRFタグに送るために使用される。スロット当たり
の総ビット数は,純データのビット量128ビットを含む200ビットである。128ビット以外の残りのビッ
トは,クロック再生,ワード同期化及びエラー保護のために使用される(表108を参照)。
データ伝送:384 kbit/sの順方向リンク
表108−W-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
●
●
●
●
●
●
●
●
スロット割当て:200ビットの内の12ビットはクロック再生に使用される。ワード同期化(TSC1)のた
めに,16ビット長のシーケンスが使われる。残りの172ビットは,符号化された純データのビットである
(表109〜表111を参照)。
表109−W-CH用スロット割当てパート1
クロック再生(12ビット)
B199 B198 B197 B196 B195 B194 B193 B192 B191 B190 B189 B188
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
表110−W-CH用スロット割当てパート2
ワード同期化:16ビットシーケンスTSC1
B187 B186 B185 B184 B183 B182 B181 B180 B179 B178 B177 B176 B175 B174 B173 B172
1
0
1
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表111−W-CH用スロット割当てパート3
純データのビット
(128ビット)
前の128ビットについてのCRC
(44ビット)
B171…B44
B43…B0 CRC
D127,…,D0
CRC43,…,CRC0
チャネル符号化:短縮ファイアコードがW-CHのチャネル符号化(172,128)に使用される。生成後,符
号化された172ビット(D127,…,D0,CRC43,…,CRC0)は,最初にMSBのD127から送信される。
生成多項式(R-CH用と同じ)はg(X)=X44+X30+X29+X15+X+1
チャネル符号化アルゴリズムは,次のとおり。
符号化用:
− CRCアキュムレータをすべて0に初期化するX“0…0”
− 多項式GF(2)=D127X171+D126X170+…+D0X44
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,多項式
CRC43X43+…+CRC0X0
を剰余として得る。
− CRCビット(CRC43,…,CRC0)をRFタグのデータビット(D47,…,D0)の最後に添付し,得
られた92ビットコード(D127,…,D0,CRC43,…,CRC0)をMSB優先で伝送する。
復号化用:
− (短縮コードを説明するために)ある定数で乗算したコード多項式
D127X171+…+D0X44+CRC43X43+…+CRC0X0
を,生成多項式
X44+X30+X29+X15+X+1
で除して,得られた剰余多項式をエラー訂正及びエラー検出のために使う。
5.3.4.3.11 書込み確認チャネル:CW-CH(返信リンク)
機能:このチャネルは,所定サブフレーム内でのリーダライタからRFタグへのデータ送信におけるエラ
ーの発生の有無を信号化する。エラーなし伝送にするために,すべてのスロットはエラーなしで受信でき
なければならない。“エラーあり”信号は,この通信用のARQ手順(自動再送要求手順)の結果として得
られる(表112を参照)。
データ伝送:384 kbit/sの返信リンク
表112−CW-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
スロット割当て:11ビット長の時間反転バーカーシーケンスは,クロック及びワードの再生に使用される。
W-CHの場合,CRCはスロットごとをベースに検査される。すべてのスロットのCRCがエラーなし(又
は機能修正可能なエラーだけ)の場合には,CRC̲OKビットがセットされなければならない。このビット
72
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
は2×26ビット連続してリーダライタに送られる(シーケンスTSC1)。受信したCRCがO.K.でなかった
という信号の場合には,ワードには何も含まないが,2×26ビット長の連続する“0…0”が生成されなけ
ればならない。リーダライタは,残りのビット列を無視する(表113〜表115を参照)。
表113−CW-CH用スロット割当てパート1
ワード同期
クロック再生
B199 B198 B197 B196 B195 B194 B193 B192 B191 B190 B189
0
1
0
0
1
0
0
0
1
1
1
表114−CW-CH用スロット割当てパート2
B188…B163:CRC̲OK:エラーなし(TSC1)(26ビット)
0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1
B188…B163:CRC̲OK:エラーあり
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
表115−CW-CH用スロット割当てパート3
B162…B137:CRC̲OK:エラーなし(TSC1)(26ビット)
B136…B0
0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1
−
B162…B137:CRC̲OK:エラーあり
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
チャネル符号化:なし。
復号化:相関器を使う。CRC̲OKワード検出についての相関器初期しきい(閾)値は,50である(この値
は50を超えなければならない。52ビット中最大2ビットのエラー)。
5.3.4.3.12 リーダライタトレーニングシーケンスタイプ2チャネル:TS2-CH(論理チャネルなしの返信リ
ンク)
機能:このチャネルは,ハードウェアの実装を容易にするためにだけ使用される。
データ伝送:200 kbit/s〜400 kbit/sのデータ速度の返信リンク。0と1との交互のビット列は,0からスタ
ートする。この信号は,最終ビットを除いて差動予備符号化をされてはいない。最終ビットは,後続スロ
ットで差動復調が可能なように差動予備符号化をされていなければならない。
サブフレーム割当て:“最初”の返信リンクスロットの前に,物理的返信リンクスロットが送られなかった
場合には,常に返信リンクスロットの前で送られる。これは,このチャネルが,送信すべき実データの情
報を含む最初の返信リンクスロットの前に,挿入されなければならないということを意味している(表116
〜表118を参照)。
表116−W-CHの場合のTS2-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
73
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表117−RM-CH,RL-CH又はMID-CHの場合のTS2-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
表118−TS2-CH用スロット割当て
リーダライタトレーニング
シーケンス(200ビット)
B199 B198
…
B1
B0
0
1
…
0
1
5.3.4.3.13 コマンドスロットトレーニングシーケンス:TS3-CH(論理チャネルなしの順方向リンク)
機能:このチャネルは,ハードウェアの実装を簡易にするためにだけ使用される。
データ伝送:384 kbit/sの順方向リンク。最終30ビットのビット列は2ビット長の“11”と2ビット長の
“00”とが交互に連続し,2ビット長の“11”から開始されるビット列である。
サブフレーム割当て:CS-CHがスロット2で送られる場合には,常にCS-CHの前でだけ送られる(表119
及び表120を参照)。
表119−C-CHの場合のTS3-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
表120−TS3-CH用スロット割当て
コマンドスロットトレーニングシーケンス(最終30ビット)
B199…B30
B29 B28 B27 B26
…
B3
B2
B1
B0
−
1
1
0
0
…
0
0
1
1
5.3.4.3.14 スペクトル検査チャネル:SC-CH(搬送波なしの返信リンク)
機能:リーダライタは,許容チャネル内の許容周波数帯域内のRSSI(受信信号強度表示信号)値を測定す
るために,このチャネルを使用する。記憶された値は,通知及び通信のための空き周波数を決定するため
に使用される。
データ伝送:なし
サブフレーム割当て:通信も通知もない場合だけ(表121を参照)。
表121−SC-CH用サブフレーム割当て
S0
S1
S2
S3
S4
S5
S6
S7
S8
S9
S10 S11
S12 S13
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
スロット割当て:適用しない
チャネル符号化:なし
復号化:該当しない
74
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3.5
ccc6.2.5チャネル符号化及びシーケンス
(この細分箇条は,この規格の対応国際規格作成時の修正忘れであり,不要である。)
5.3.5.1
同期化及びCRCパターン
表122及び表123を参照。
表122−物理チャネル用クロック及びワード同期化ワード群
チャネルタイプ
クロック
ワード
種類
N-CH
S-CH
(RWタグ)
0101
001100000
クロックを含むワード
S-CH a)
(ROタグ)
1010
110011111
クロックを含むワード
MID-CH
0100
1000111
クロックを含むワード
MIN-CH
0100
1000111
クロックを含むワード
SID-CH
010101…010101(36ビット) 1011100001000100
TS1-CH
該当しない
該当しない
C-CH
R-CH
0100
1000111
クロックを含むワード
W-CH
010101010101
1011100001000100
CW-CH
0100
1000111
クロックを含むワード
TS2-CH
該当しない
該当しない
CS-CH
010101010101
00100101110000100010010111
TS3-CH
該当しない
該当しない
SC-CH
該当しない
該当しない
注a) クロック再生については,0101(すなわち,RWタグと同一ビット列)でも動作できる。
表123−物理チャネル用CRCパラメタ化
チャネルタイプ
nʼ
kʼ
生成多項式
備考
N-CH
S-CH
6
5
偶数パリティだけ
nʼ:一つのCRCブロック内の総ビット数。
kʼ:一つのCRCブロック内の純ビット数。
訂正の場合には,データフィールドだけが
訂正されなければならない。他の部分に重
なる部分を訂正に適用してはならない。
MID-CH
54
32
X22+X17+X13+X9+X4+1
MIN-CH
54
32
X22+X17+X13+X9+X4+1
SID-CH
40
25
X15+X10+X9+X6+X+1
C-CH
TS1-CH
−
−
−
R-CH
92
48
X44+X30+X29+X15+X+1
W-CH
172
128
X44+X30+X29+X15+X+1
CW-CH
52
2
52ビット相関器
TS2-CH
−
−
−
CS-CH
74
30
X44+X30+X29+X15+X+1
TS3-CH
−
−
−
SC-CH
−
−
−
5.3.6
コマンドスロットチャネル用コマンドセット:CS-CH(RWタグ専用)
5.3.6.1
コマンドタイプ
同一IC製造者コード及び同一ICバージョン番号をもつすべてのRFタグは,同じ動きをしなければな
らない。
5.3.6.1.1
必す(須)コマンド
必す(須)コマンドは,適合を主張するすべてのRWタグによってサポートされなければならない。読
75
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
取り動作及び書込み動作の適合を主張するリーダライタは,すべての必す(須)コマンドをサポートしな
ければならない。
5.3.6.1.2
任意選択コマンド
RFタグが任意選択コマンドをサポートしていない場合には,任意選択コマンドに対してそのRFタグは
沈黙したままでなければならない。
任意選択コマンドは,この規格で規定されたコマンドである。読取り動作及び書込み動作について適合
を主張するリーダライタは,この規格で規定されたすべての任意選択コマンドを実行する技術的能力がな
ければならない(しかし,そのように設定しておく必要はない。)。RWタグは,任意選択コマンドをサポ
ートしても,又はサポートしなくてもよい。任意選択コマンドが使われる場合には,この規格に規定した
方法を守って実装しなければならない。
5.3.6.1.3
カスタムコマンド
カスタムコマンドは,この規定によって使用可能であるが,内容についてはこの規格では定めない。カ
スタムコマンドは,この規格で規定した必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を異なる方法に
よって単に複製したものであってはならない。
リーダライタは,RFタグの製造者がこのようなコマンドを規定している場合には,RFタグに対してカ
スタムコマンドを送信するだけでなければならない。
RFタグIDは,通知プロセスの間にリーダライタに送られる。すべてのカスタムコマンドは,したがっ
て特定仕様に製造されたRFタグを個々に指定参照しなければならない。このことは,コマンドコードの
重複の危険性及び誤解読を生じることなく,IC製造者によるカスタムコマンドの実装を可能にしている。
5.3.6.1.4
独自仕様コマンド
独自仕様コマンドは,この規格によって使用可能であるが,内容についてはこの規格では定めない。独
自仕様コマンドは,この規格で規定した必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を異なる方法に
よって単に複製したものであってはならない。
独自仕様コマンドは,IC及びRFタグの製造者によって,試験,システム情報のプログラム,その他の
異なる目的などのために使用される。これらの内容は,この規格では規定しない。IC製造者が任意に文書
化していることもある。これらのコマンドは,IC及び/又はRFタグの製造後には使用不可能にすること
も許されている。
5.3.6.2
コマンドセット
一般注意事項:コマンドが復号できず,さらに,このコマンドが最初のコマンドでないときには(読取り
を繰り返すためにはリーダライタのフレーム構造に関する情報が必要であり,また,その情報は最初に正
しく復号できたコマンドでだけ得られる。),RFタグはコマンドを復号するために(10個のサブシーケン
スフレームで)10回以上復号を試みなければならない。RFタグがコマンドの復号化に成功しなかった場
合には,RFタグはスリープモードに戻らなけらばならない。RFタグが最初のコマンドの復号ができなか
った場合には,復号化動作の試みを繰り返さずに,直ちにスリープモードに戻らなければならない。
5.3.6.2.1
Write
機能:このコマンドは,一つのサブフレームで最大144バイトをRFタグに送らなければならない。
注記 このコマンドでは,CS-CH内のB161〜B14のビット列だけを評価し,必要とする(コマンドは
引数をもつ。)。
5.3.6.2.2
Long̲Read
機能:このコマンドは,一つのサブフレームで84バイト以上をリーダライタに送らなければならない。
76
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 どのようにして更に続行するのかの情報については,RM-CHを参照する。このコマンドは,
CS-CH内のB161〜B14のビット列だけを評価し,必要とする(コマンドは引数をもつ。)。
5.3.6.2.3
Short̲Read
機能:このコマンドは,一つのサブフレームで最大84バイトをリーダライタに送らなければならない。
注記 どのようにして更に続行するのかの情報については,RL-CHを参照する。このコマンドは,
CS-CH内のB161〜B14のビット列だけを評価し,必要とする(コマンドは引数をもつ。)。唯一
の例外は,スロット2でアクティブなEOCが検出されるときである。その場合には,ビット列
B161〜B88だけを評価する必要がある。
5.3.6.2.4
Init
機能:このコマンドは,1バイトをRFタグに送らなければならない。RFタグでは,このバイトがすべて
のRAMセルに書き込まれる。
注記 プロトコル上,InitコマンドはWriteコマンドと同様に働く。それは,リーダライタがスロット
13のCW-CHを待ち受ける理由である。このコマンドは,CS-CH内のB161〜B1のビット列だ
けを評価し,必要とする(コマンドは引数をもたない。)。
5.3.6.2.5
Wait
機能:このコマンドは,新しいコマンドを1フレームの長さで待たなければならないRFタグに対して信
号を送る。
注記 プロトコル上,WaitコマンドはデータフィールドのないShort̲Readコマンドと同じ動きをする。
このコマンドは,CS-CH内のB161〜B88のビット列だけを評価し,必要とする(コマンドは引
数をもたない。)。
5.3.6.3
コマンドコード
表124及び表125を参照。
表124−スロット2でのコマンドコード
コマンド名
タイプ
コマンドコード
EOC
機能
B161…B158
B157
Wait
必す(須) 0
0
0
0
x
サブフレームには,データが含まれていない。スロット
12でEOCは待ち受けできない。これはNOPコマンドで
ある。RFタグは,次のフレーム内の次のコマンドを復号
化しなければならない。それで通信を終了させることはで
きない。
Short̲Read
必す(須) 0
0
0
1
0
サブフレームには,最大84バイトの読取りデータが含ま
れる。EOCはスロット12で待ち受けされる。
スロット12でEOCが受信された後に,RFタグはスリー
プモードに戻らなければならない。スロット12にEOCが
ない場合には,RFタグは,次のフレームでコマンドが来
るのを待たなければならない。
1
Long̲Readコマンド又はWaitコマンドが前のフレームに
成功裏に送られたということの確認。RFタグは,直ちに
スリープモードに戻らなければならない。このコマンド
は,B161〜B88のビット列だけを評価し,必要とする(コ
マンドは引数をもたない。)。
Long̲Read
必す(須) 0
0
1
1
x
サブフレームは,読取りデータで埋められる。このサブフ
レームでの通信は,終わらせることはできない。
77
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
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表124−スロット2でのコマンドコード(続き)
コマンド名
タイプ
コマンドコード
EOC
機能
B161…B158
B157
Write
必す(須) 1
1
0
0
0
サブフレームは,書込みデータで埋められる。このサブフ
レームでの通信は,終わらせることはできない。このサブ
フレームでRFタグが受信したデータの有効性に関するフ
ィードバックは,CW-CHチャネルでリーダライタに送ら
れなければならない。
1
このサブフレームでの通信は,CRCがすべてのスロット
につきデータが有効との信号を出したときに,終了されな
ければならない。このサブフレームで受信したデータの有
効性に関するフィードバックは,CW-CHチャネルでリー
ダライタに送られなければならない。いったん,RAMに
データが書き込まれると,RFタグはスリープモードに戻
らなければならない。
Init
任意選択
1
1
1
1
x
このサブフレームで受信されたデータ(INIT byte)
の有効性のフィードバックは,CW-CHチャネルでリーダ
ライタに送られなければならない。通信は,初期化中は終
わらせることはできない。初期化中は,RFタグは,初期
化が終わったかどうか検出するために,各サブフレームを
個々に呼び掛けなければならない。
将来利用のため
の予備
任意選択
0
1
1
0
0
1
1
0
x
IC製造者が規定
カスタム
0
0
1
1
1
0
1
0
1
1
1
0
1
0
1
0
0
1
1
0
x
IC製造者が規定
独自仕様
0
0
1
1
1
1
0
0
1
1
0
0
0
1
0
1
x
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表125−スロット12でのコマンドコード
コマンド名
タイプ
コマンドコード
EOC
機能
B161…B158
B157
EOC
必す(須) 0
0
0
1
1
Short̲Readコマンドがこのフレームで成功裏に伝送され
たことの確認。RFタグは直ちにスリープモードに戻らな
ければならない。このコマンドは,B161〜B88のビット
列だけを評価し,必要とする(コマンドは引数をもたな
い。)。
EOC=0は使ってはならない(無効な動作)。
予備(将来使用) 任意選択
0
1
1
0
0
1
1
0
x
IC製造者が規定
カスタム
0
0
0
0
1
1
1
1
1
0
0
0
1
0
1
1
1
1
0
1
1
0
1
0
0
1
1
0
0
1
0
1
0
1
0
1
x
IC製造者が規定
独自仕様
0
0
1
1
1
1
0
0
1
1
0
0
0
1
0
1
x
注記1 コマンドの復号エラーの場合には,RFタグはコマンドの復号を10回まで繰り返さなければ
ならない。11回目の復号ができなかった後は,RFタグはスリープモードに戻らなければな
らない。この規則の例外は,最初のコマンドの復号でなければならない。RFタグが,最初の
コマンドを復号できないと,すぐにスリープモードに戻らなければならない。
注記2 必す(須)コマンド及び任意選択コマンドについて,“x”の場合にはEOCを評価してはなら
ない。
6
この規格で規定した二つのモード間の特性の相違表
表126を参照。
表126−特性の相違表
特性
モード1
モード2
プロトコル
リーダトークファースト
タグトークファースト
特性
受動形後方散乱RFIDシステム
バッテリ補助後方散乱,長距離,高速データ転
送RFIDシステム
データ速度
40 kbit/s
76.8 kbit/s又は384 kbit/s
メモリ
業務上の要求による。
業務上の要求による。
衝突防止
あり。衝突防止の特性はリーダライタに依存す
る衝突仲裁能力で決まる。
あり。衝突防止の特性は,RFタグのシステム設
置で決まる。
世界的運用
あり
あり
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附属書A
(参考)
モード1:メモリマップ
A.1 RFタグメモリマップ
表A.1に,RFタグのメモリマップ全体を示す。
表A.1−RFタグメモリマップの設計
バイト
フィールド名
書込み
ロック
0〜7
RFタグID
製造段階
製造段階
8,9
RFタグ製造者
製造段階
製造段階
10,11
RFタグハードウェアタイプ
製造段階
製造段階
12〜17
RFタグメモリ設計
アプリケーションの製造段階
アプリケーションの要件に応じて
18以上
ユーザデータa)
アプリケーション
要件に応じて
注a) ユーザデータの定義及びフォーマットは,RFタグのメモリ設計によって規定される。
RFタグメモリの最初の8バイトには,固有RFタグID番号が書き込まれなければならない。このフィ
ールドは,RFタグ識別アルゴリズムが適切に機能するようにASIC内でハード的に符号化されており,し
たがってRFタグ連続番号が固有(ユニーク)であることが重要である。
A.2 固有識別子
RFタグ連続番号は,A.2.1又はA.2.2のいずれかに適合しなければならない。
注記1 現時点では,ANSI 256はIC製造者コード監督権限を確立していない。それゆえに,固有識
別子UIDとしては,表A.2に示す“E0xxx”が望ましい。A.2.1とA.2.2との差異は,バイト
0の先頭3ビットによって決まる。A.2.1の規定では,固有識別子のバイト0の先頭3ビット
は“111”であり,A.2.2の規定では,固有識別子の先頭3ビットは“000”である。
注記2 ANSI 256は,米国規格“ANS/INCITS 256 Radio Frequency Identification (RFID)”を意味する。
A.2.1 初期固有識別子
表A.2−初期固有識別子の配置
MSB
LSB
バイト0
バイト1
バイト2
バイト3
バイト4
バイト5
バイト6
バイト7
M
L M
L M
L M
L M
L M
L M
L M
L
“E0”
8ビット
IC製造者コード
JIS X 6320-6に準じる
チップ製造者割当て
48ビット
A.2.1.1 “E0”(バイト0)
“E0”は,JIS X 6320-6の規定に従って,その後に製造者コードが続く固有識別子のヘッダである。
A.2.1.2 JIS X 6320-6に準じたIC製造者コード(バイト1)
JIS X 6320-6は,IC製造者用に8ビットコードを定義している。
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A.2.1.3 チップ製造者割当て(バイト2〜7)
これは,IC製造者によって定義及び管理される48ビットフィールドである。異なるIC製造者は異なる
製造者コードをもち,それゆえに,衝突仲裁用データ(RFタグUID)が重複される可能性を排除している。
IC製造者で採用される番号体系としては,生産されるすべてのRFタグが固有かつ確定した番号をもつこ
とを保証しなければならない。固有番号は,使用前に“ロックされる”。このフィールドの最大値は,248
−1である。
固有性の保証,及び使用前に固有番号をロックする責任は,IC製造者にある。
A.2.2 ANSI 256に従った固有識別子
表A.3を参照。
表A.3−RFタグ連続番号(バイト0〜7)の配置
MSB
LSB
バイト0
MSB LSB
バイト1
MSB LSB
バイト2
MSB LSB
バイト3
MSB LSB
バイト4
MSB LSB
バイト5
MSB LSB
バイト6
MSB LSB
バイト7
MSB LSB
000
ゼロを
3ビット
チップ製造者割当て
47ビット
製造者
工場
チェッ
クサム
8ビット
4ビット 2ビット
MSB
LSB
M
L
M
L
M
L
工場で,各RFタグに対して固有の番号であるRFタグ連続番号を書き込み,それをロックしなければならない。
A.2.2.1 チェックサム(バイト7:ビット0,1)
これは,RFタグ連続番号フィールドの短縮化チェックサムであり,先行の62ビットのビット値1のビ
ットを,2進加算した結果の下2ビットである。有効値は“00”,“01”,“10”,及び“11”である。
A.2.2.2 工場コード(バイト7:ビット2〜5)
この4ビットコードは,IC製造者が登録済み製造者コード内で複数のIC工場ごとに細分化するために
利用できる。製造者によって生産されたすべてのRFタグが,(衝突仲裁アルゴリズムによって使われる)
固有かつ確定した番号をもつことを保証するように,連続番号(ビット14〜63)フィールドと連携して,
(使われる場合には)この工場コードを管理する責任が登録済み製造者にある。
A.2.2.3 製造者コード(バイト7,6:ビット6〜13)
これは,8ビットコードフィールドであり,予測されるANSI/ISO標準規格要件への対応を含んでいる。
この8ビットコードフィールドは,このエアインタフェースの国際規格に適合するICチップの複数の製造
者を区別するためのものである。衝突仲裁において,重複による妨害を起こさないような番号をもつIC
チップを製造することを可能とするために,すべての製造者は(衝突仲裁アルゴリズムで使用される)個
別で固有の番号をもつ。
このコードの登録及び管理はISO/IEC JTC 1/SC 31によって規定された指定機構に従って行われなけれ
ばならない。
A.2.2.4 チップ製造者割当て(バイト6〜0:ビット14〜63)
これは,50ビットフィールドで,ICチップ製造者によって規定され,管理される。異なる製造者は異な
る製造者コードをもち,それゆえに,衝突仲裁用のデータ(RFタグUID)の重複の可能性を排除している。
ICチップ製造者によって採用される番号体系は,製造されるすべてのRFタグが,(衝突仲裁アルゴリズム
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によって使用される)固有かつ確定した番号をもつことを保証しなければならない。固有番号は使用に先
駆けてロックされる。このフィールドの最大値は250−1である。
固有性を保証する責任,及び使用に先駆けてその固有番号をロックする責任は,ICチップ製造者にある。
A.3 RFタグ製造者ID及びRFタグハードウェアタイプ
これらのバイトは,グループ選択機能及び/又は保証目的のために使用できる。これらのすべてのバイ
トは,工場において書き込まれロックされる(表A.4を参照)。
表A.4−RFタグ製造者ID及びRFタグハードウェアタイプ(バイト8〜11)
バイト
フィールド名
有効範囲
フォーマット
8,9
RFタグ製造者ID
00〜99,AA〜ZZ
ASCII
10,11
RFタグハードウェアタイプ
0000〜FFFF
HEX
RFタグ製造者ID(バイト8,9)
この2バイトは,予想されるRFID標準規格に対して,ある程度の適合を提供する目的でRFタグ製造者
IDを符号化するために予約済みである。これらのフィールドは,RFタグの製造者に応じた次のコードで
最初に符号化される(表A.5を参照)。
表A.5−製造者コード
製造者
ASCII表示
16進コード
予約済み
“AT”
4154
予約済み
“HT”
4854
予約済み
“AA”
4141
予約済み
“AS”
4153
予約済み
“AN”
414E
RFタグハードウェアタイプ(バイト10,11)
これは,RFタグハードウェア設計の2バイト16進コード表示である。この番号は,RFタグの機能に影
響を及ぼすRFタグのハードウェア設計変更のタイプごとにそれぞれ変えなければならない。これには,
RFタグのケーシングの違い,又は色の違いを含まず,さらにまた,動作無線周波数の違いも含めない。こ
のフィールドは,コマンド又はコマンド構造,ブロックサイズ及びデータ容量の違いを見分けるために使
用されなければならない。これはまた,データプロトコル,音声又は可視表示といったオプション機能の
違いを見分けるために使用されなければならない。
検査用RFタグは,RFタグハードタイプに16進コード“80xx”と工場で書き込みされなければならな
い。第2バイトの“xx”は,不定を意味するが,最初には“00”が書き込まれなければならない。RFタグ
の検査用RFタグの表示は,A.4に示す内蔵アプリケーションコードで提供されている。
A.4 RFタグメモリ配置
RFタグメモリ配置は,後続のアプリケーション(ユーザ)データのフォーマットを決定するために使用
される。工場から別途指定がない限り,バイト12〜17には“FF”が書き込まれている。
次の二つのフィールドは,カスタムフィールドとして工場においてか,又は工場から出荷された後に顧
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客によって書き込みできる。RFタグの所有者は,それらのフィールドをロックするか,又はRFタグの寿
命が続く間データフォーマットを変えることができるようロックしない状態を保つかを任意に決定するこ
とができる(表A.6を参照)。
表A.6−RFタグメモリ配置(バイト12〜17)
バイト
フィールド名
有効範囲
フォーマット
12
内蔵アプリケーションコード
00〜FF
16進数
13〜17
RFタグメモリマップ割付
0000000000〜FFFFFFFFFF
16進数
内蔵アプリケーションコード(バイト12)
これは,RFタグメモリ配置のトップレベル階層である。RFタグメモリ割付とともにこのフィールドは,
アプリケーションがユーザデータのフォーマット及び内容を決めることを可能にする。このフィールドは,
RFタグデータ内容の様々なフォーマットを表すために使うことができる。
最新の内蔵アプリケーションコードの16進コード割当ては,表A.7のとおりである。
表A.7−内蔵アプリケーションコード
内蔵アプリケーションコード
内蔵アプリケーションコードの内容
00,FF
未フォーマット,工場で“FF”にプログラム済み
01
予約済み
02
顧客指定メモリ割付
03
ファイル割付表(長いディレクトリ)−将来決定する
04
検査用RFタグ
05
RFIDリーダ設定用RFタグ
06
将来の利用のために予約済み
07
技術開発のために予約済み
08
将来の利用のために予約済み
09
将来の利用のために予約済み
0A
ISO/IEC 15962適合データフォーマット
0B
ANSI MH10.8.4適合データフォーマット
0C〜0E
将来の利用のために予約済み
0F
EAN. UCC GTAG適合データフォーマット
0C〜FE
アプリケーションベースのニーズによって割り付けられ,登録される。
RFタグメモリ割付マップ(バイト13〜17)
このフィールドは,表A.7で定義されたバイト12の内蔵アプリケーションコードと連結して,ユーザデ
ータの内容及びフォーマットをアプリケーションが決定することができる構造化階層をベースとする。
A.4.1 内蔵アプリケーションコード“01”−予約済み
内蔵アプリケーションコード“01”について,他のすべてのRFタグメモリ割付マップの組合せは現在
は未定義になっている。これらの残りの文字は,主要なアプリケーションに付加される機能及び/又はア
プリケーションを,更に指定するために使用される。
A.4.2 内蔵アプリケーションコード“02”−顧客指定メモリ割付
顧客指定データ及びファイル割付表は,この規定では詳細説明はしない。しかし,顧客が製造者の販売
手続によって顧客指定メモリ割付コード(CSMAC)を登録し,RFタグメモリ配置バイト12の“02”の内
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蔵アプリケーションコードと同様に,それらの2バイトのCSMAC値を書くために,コンフィギュレーシ
ョン文字列を入手しなければならなくなることも予想される。
表A.8は,既に顧客によって使われている顧客指定RFタグメモリアプリケーションでの,具体的なRF
タグメモリ割付フィールド内容を登録するためのテンプレートを提供する。表A.8には,顧客指定メモリ
割付も,販売手続で表示する必要のある全登録コードも全く含まれていないことに注意するのがよい。最
新リストの入手及びすべての追加コードの登録のために,製造者の営業部門と連絡を取ることを推奨する。
表A.8−顧客指定メモリ割付コードバイト13及び14
16進コード
ASCII表現
顧客及び内容
将来追加される可能性のあるその他のカスタム指定RFタグメモリアプリケーションには,次の用途な
どが含まれる。
− 万引き検出及び防止
− 非常警報システムなど
A.4.3 内蔵アプリケーションコード“03”−ファイル割付表(長いディレクトリ)
内蔵アプリケーションコード“03”のRFタグメモリ割付は,ファイル割付表を示すが,まだ未定義の
ままであり,現時点ではこのコードを確保しているだけの状態である。このフォーマットは,コンピュー
タのフロッピードライブと同様に,ユーザがRFタグメモリを参照することを可能にする。
A.4.4 内蔵アプリケーションコード“04”−検査用RFタグ
検査用RFタグの構造は,リーダライタがRFタグ附属アンテナのタイプを検証し,デューティサイクル
及び/又は出力を決定するために,検査用RFタグを選択的に読み取ることができるようにする。この検
査用RFタグ機能は,端末相互間システム運用検証診断手段を提供するためにも用いられる。これらのバ
イトは工場において書き込まれ,ロックされる。
A.4.5 内蔵アプリケーションコード“05”−RFIDリーダ設定用RFタグ
内蔵アプリケーションコード“05”のRFタグメモリ割付は,RFIDリーダ設定用RFタグを示し,特別
な診断設定モードを使い,リーダライタのパラメタ設定用に使用されるRFタグを指定するために確保さ
れている。設定用RFタグをただ読み取らせるだけで,簡単にリーダライタ又はリーダライタのグループ
のパラメタの設定を行うことに,このRFタグを使用できる。このデータのフォーマットは,リーダライ
タの仕様で規定されるべきか,又はこの附属書の将来バージョンで追加されてよい。
A.4.6 内蔵アプリケーションコード“06〜09”
将来の利用のために予約済みである。
A.4.7 内蔵アプリケーションコード“0A”−ISO/IEC 15962適合データフォーマット
内蔵アプリケーションコード“0A”のRFタグメモリ割付は,ISO/IEC 15962適合データフォーマット
を示し,この規格で定義された態様で使用されるRFタグであることを指定するために確保されている。
A.4.8 内蔵アプリケーションコード“0B”−ANSI MH10.8.4適合データフォーマット
内蔵アプリケーションコード“0B”のRFタグメモリ割付は,ANSI MH10.8.4適合データフォーマット
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を示し,この応用規格で定義された態様で使用されるRFタグであることを指定するために確保されてい
る。
A.4.9
内蔵アプリケーションコード“0C”〜“0E”
将来の利用のために予約済みである。
A.4.10 内蔵アプリケーションコード“0F”−EAN.UCC GTAG適合データフォーマット
内蔵アプリケーションコード“0F”のRFタグメモリ割付は,EAN.UCC GTAG適合データフォーマッ
トを示し,この応用規格で定義された態様で使用されるRFタグであることを指定するために確保されて
いる。
A.4.11 内蔵アプリケーションコード“10”〜“FF”
将来の利用のために予約済みである。
A.5 アプリケーション(ユーザ)メモリ
バイト位置(ブロックサイズに応じた)18(16進コード“12”)以上は,アプリケーション(ユーザ)
メモリとして指定されている。データフォーマット及び内容は,アプリケーション又はユーザによって定
義される。
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附属書B
(参考)
モード1:CRC
B.1 リーダライタからRFタグ,及びRFタグからリーダライタへのCRC-16
CRC-16の計算に使われる多項式は,CRC-CCITT規格のX16+X12+X5+1である。巡回冗長検査(CRC)
は,コマンドの初めからデータの終端までのメッセージに含まれるすべてのデータを計算する。
このCRCは,リーダライタからRFタグ,及びRFタグからリーダライタへの通信で使用される(表B.1
を参照)。
表B.1−CRC定義
CRC定義
CRCタイプ
長さ
多項式
方向
プリセット
剰余
CRC-CCITT
16ビット
X16+X12+X5+1
順方向
“FFFF”
“0”
CRCアルゴリズムは,次のとおり。
CRC計算用:
CRCアキュムレータをX“FFFF”に初期化し,
データは多項式X16+X12+X5+1を使い,MSB優先で累算し,
得られたCRC値を反転し,
パケットの終わりに反転したCRC-16を添付して,MSB優先で伝送する。
CRC検査用:
入ってきたパケット上のCRCを計算し,
受信CRCデータビットを反転し,
反転したCRCビットをCRCレジスタに累算し,
アキュムレータがゼロであることを検証する。
例 B.1 モード1“SUCCESS”コマンドのためのCRCビットを生成するCコードの例
注記 上記の文で,対応国際規格では“タイプB”と記述されているが,正しくは“モード1”
である。
unsigned int Calc̲CRC (unsigned int CRCacc, unsigned int cword)
{
/* Routine to calculate CRC for 1 byte (lower 8 bits of cword) */
/* Initially, CRCacc should have been set to 0xffff */
int i;
unsigned int xorval;
printf ("¥n");
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for (i=0; i<8; i++)
{
xorval = ((CRCacc>>8) ^ (cword << i)) & 0x0080;
CRCacc = (CRCacc << 1) & 0xfffe;
if (xorval)
CRCacc ^= 0x1021;
printf ("%04x¥n",CRCacc);
}
return (CRCacc);
}
main ()
{
unsigned int CRCacc = 0xffff;
int i;
unsigned char test̲str[2];
test̲str[0] = 0x09; /* Success Command */
test̲str[1] = '¥0';
for (i =0; i < strlen (test̲str); i++)
CRCacc = Calc̲CRC (CRCacc, test̲str[i]);
printf ("¥nCRC = %04x¥n",CRCacc);
}
B.2 CRC計算例
これは,モード1リーダライタのSUCCESSコマンド(コマンドコード:“09”)送信の参照例である。
注記1 対応国際規格では,タイプBリーダライタと記述されているが,誤りで,モード1が正しい。
リーダライタからRFタグに送信されるパケットは次のブロックで構成されるが,陰影部で示される
SUCCESSコマンドだけ(“09”)がCRC計算に使用される(表B.2を参照)。
表B.2−順方向リンクでのCRC
プレアンブル検出
プレアンブル
開始符号
SUCCESSコマンド
CRC-16
2バイトフィールド高
9個のマンチェスタ符号
11 00 11 10 10
“09”
まず,SUCCESSコマンドについて,MSBが送信されると,計算が始まる。
表B.3の例は,データがCRCレジスタ内でシフトしていくときの,16ビットCRCレジスタの値を示す。
SUCCESSコマンド0 0 0 0 1 0 0 1(“09”)
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表B.3−リーダライタ内の“SUCCESS”コマンドのCRC計算例
段階
入力(SUCCESSコマンド)
リーダライタ内で計算されたCRC
1
0
“EFDF”
2
0
“CF9F”
3
0
“8F1F”
4
0
“0E1F”
5
1
“0C1F”
6
0
“183E”
7
0
“307C”
8
1
“70D9”
表B.4−RFタグにおける“SUCCESS”コマンドのCRC検査例
段階
入力(送信されたCRC-16)
RFタグで計算されたCRC
0
“70D9”
1
0
“E1B2”
2
1
“C364”
3
1
“86C8”
4
1
“0D90”
5
0
“1B20”
6
0
“3640”
7
0
“6C80”
8
0
“D900”
9
1
“B200”
10
1
“6400”
11
0
“C800”
12
1
“9000”
13
1
“2000”
14
0
“4000”
15
0
“8000”
16
1
“0000”
注記2 リーダライタから伝送されたデータは,CRCビットの反転したデータ“8F26”で,MSB優
先で送られる。RFタグはそのため,受信データビットを反転し(すなわち“70D9”),それ
ら16ビットを累算する(表B.4及び表B.5を参照)。
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表B.5−受信CRCビットの反転をしない,受信CRCビット(“8F26”)を使用した
RFタグにおける“SUCCESS”コマンドのCRC検査例
段階
入力(送信されたCRC-16)
RFタグで計算されたCRC
0
“70D9”
1
1
“F193”
2
0
“F307”
3
0
“F62F”
4
0
“FC7F”
5
1
“F8FE”
6
1
“F1FC”
7
1
“E3F8”
8
1
“C7F0”
9
0
“9FC1”
10
0
“2FA3”
11
1
“4F67”
12
0
“9ECE”
13
0
“2DBD”
14
1
“4B5B”
15
1
“8697”
16
0
“1D0F”
89
X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
モード2:メモリマップ
C.1 RFタグメモリマップ
RFタグメモリ配置は,MIDx-CHの一部であり,少数のRFタグでのアプリケーションのためのISO/IEC
15963に準じて32ビットをベースとする。MIDx-CHの規定については,5.3.4.3.2を参照する(表C.1を参
照)。
表C.1−RFタグID配置
32ビットRFタグID
ID31…ID14
(18ビット)
ID13…ID6
(8ビット)
ID5…ID2
(4ビット)
ID1…ID0
(2ビット)
備考
ユーザRFタグID(予約済み)
0000
メモリID
既存製品用に確保済み
ユーザRFタグID
製造者RFタグID
ユーザRFタグID
メモリID
JIS X 6320-6で登録され
割り当てられる製造者
RFタグID
0001
0010
0011
0100
0101
0110
0111
1000
1001
1010
1011
1100
1101
1110
1111
ユーザRFタグID(予約済み):ID31〜ID6の範囲は,権限付与用に使用される。
ユーザRFタグID:ID31〜ID14及びID5〜ID2の範囲は,権限付与用に使用される。ID5〜ID2が“0000”の
IDは,既存製品用に確保されており,次に割り当てられている。
SIEMENS AG
A&D SE PS3
P.O.Box 2355
D-90713 Fürth, Germany
Tel: +49-911 750-0
Fax: +49-911 750-2695
リーダライタは,いずれのRFタグIDタイプのRFタグとも動作できなければならない。
注記 ユーザRFタグID及びユーザRFタグID(予約済み)は,IC又はRFタグの製造中に,確定的
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に割り当てられた一連の固有番号である。
製造者RFタグID:ID13…ID6は製造者識別用。
メモリID:ID1…ID0はメモリ構成用(表C.2〜表C.4を参照)。
表C.2−RWタグの場合のメモリID
ID1
ID0
メモリ
0
0
最小2k×8
0
1
最小32k×8
1
0
最小128k×8
1
1
最小256k×8
MID1及びMID2用ROタグの場合のメモリID:ID1…ID0メモリ構成用。
表C.3−ROタグの場合のメモリID
ID1
ID0
メモリ
0
0
さらなるMID-CHなし,及び専用返信リンクチャネルなし
(MID-CHなし,RFU-CHなし)
0
1
さらなるMID-CHビットはないが,専用返信リンクチャネル
あり(MID-CHなし,RFU-CHだけ)
1
0
さらなるMID-CHはあるが,専用返信リンクチャネルなし
(MID-CHだけ,RFU-CHなし)
1
1
さらなるMID-CH,及び専用返信リンクチャネルあり
(MID-CHあり,RFU-CHあり)
注記 ハードウェア実装を簡易にするため,S-CHがスロット0だけで割り当てられる場合にMID3
及びMID4は有益である。
MID3及びMID4用ROタグの場合のメモリID:ID1…ID0メモリ構成用。
表C.4−MID3及びMID4用ROタグの場合のメモリID
ID1
ID0
メモリ
0
0
さらなるデータビットなし,及び専用返信リンクチャネルな
し(MIN-CHなし,RFU-CHなし)
0
1
さらなるデータビットはないが,専用返信リンクチャネルあ
り(MIN-CHなし,RFU-CHだけ)
1
0
さらなるデータビットはあるが,専用返信リンクチャネルな
し(MIN-CHだけ,RFU-CHなし)
1
1
さらなるデータビット,及び専用返信リンクチャネルあり
(MIN-CHあり,RFU-CHあり)
C.2 RFタグ連続番号 ユーザRFタグID
ユーザRFタグIDには,工場でRFタグの各タイプ(3タイプ,つまり一つのRWタグタイプ及び二つ
のROタグタイプ)用の固有番号を書き込み,かつ,ロックしなければならない。RFタグタイプの識別は,
S-CH期間中にリーダライタによってなされなければならない。詳細は5.3.4.3.1を参照する。
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.3 RFタグ製造者識別子 製造者RFタグID
C.3.1 RFタグ製造者識別子の割当て及び登録
製造者RFタグID(ID13…ID6):この8ビットは,世界的な固有番号付番システムで定めるIC製造者識
別子の符号化のために確保されている。ID13…ID6は,IC又はRFタグ製造者によってICの初期化時に書
き込まれロックされなければならない。
製造者RFタグIDはJIS X 6320-6に従って,割り付けられ,登録されなければならない。
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
モード2:CRC
D.1 巡回冗長検査(CRC)
RFタグへのデータ及びRFタグからのデータは,巡回冗長検査(CRC)を使用してエラーについて検査
される。CRCを作成するため使われる多項式及びCRC長は,論理チャネルのタイプに依存している。
表D.1−CRC定義
論理チャネル
純ビット数
CRC定義
長さ
多項式
方向
MID-CH
32
22
X22+X17+X13+X9+X4+1=0x221110
返信リンク
MIN-CH
32
22
X22+X17+X13+X9+X4+1=0x221110
返信リンク
SID-CH
25
15
X15+X10+X9+X6+X+1=0x6130
順方向リンク
R-CH
48
44
X44+X30+X29+X15+X+1=0xC0010006000
返信リンク
W-CH
128
44
X44+X30+X29+X15+X+1=0xC0010006000
順方向リンク
CS-CH
30
44
X44+X30+X29+X15+X+1=0xC0010006000
順方向リンク
D.2 CRC計算例
このC言語での例は,W-CHチャネル用CRC作成方法の説明である。
/*--------------------------------------------------------------------------------------------------------*/
/* Fire Encoder
*/
/* (n,k) = (172,128)
*/
/* n = 172: Number of Codeword Bits
*/
/* k = 128: Number of Info Bits to use for CRC Calculation */
/* n-k = 44: Number of CRC- Bits
*/
/*--------------------------------------------------------------------------------------------------------*/
#define poly 0xc0010006000; /* polynomial = X44+X30+X29+X15+X+1 */
void main ()
{
short *r0, buffer127[127];
̲̲int64 akkum;
int i;
r0 = buffer127;
/*buffer with info bits*/
akkum = 0;
/*shift register with 44 places*/
for (i=128-1;i>=0;i--)
/* 128 Info-Bits */
{
if ((*r0!=0 && (akkum&0x01) == 0) || (*r0==0 && (akkum&0x01) ! = 0))
{
akkum >>= 1; /* shift right */
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
akkum ^= poly
/* polynomial*/
}
else
{
akkum>>=1;
/* shift right */
}
r0++;
}
}
/* In the end, the CRC-bits shall be in the shift register */
SID-CH用例として,次の計算値が得られる。
1) Interrogator ID=0x333; Counter Value=0x475e; CRC=0x30e3
2) Interrogator ID=0x123; Counter Value=0x4567; CRC=0x1c7a
3) Interrogator ID=0x3ff; Counter Value=0x7fff; CRC=0x73f6
ファイアコードに関する公開情報の文献例。
Shu Lin, Daniel J. Costello: "Error Control Coding: Fundamentals and Applications", Prentice Hall, 1983,
ISBN: 0-13-283796-X
R. Blahut: "Theory and Practice of Error Control Codes", Addison-Wesley, 1984, ISBN: 0-201-10102-5
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X 6351-4:2010 (ISO/IEC 18000-4:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] ISO/IEC 15962, Information technology−Radio frequency identification (RFID) for item management−Data
protocol: data encoding rules and logical memory functions
[2] ETSI EN 300 440-1, Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short range devices;
Radio equipment to be used in the 1 GHz to 40 GHz frequency range; Part 1: Technical characteristics and test
methods
[3] ETSI EN 300 440-2, Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short range devices;
Radio equipment to be used in the 1 GHz to 40 GHz frequency range; Part 2: Harmonized EN under article 3.2
of the R&TTE Directive
[4] CEPT/ERC Recommendation 70-03: "Relating to the use of Short Range Devices (SRD)", Annex 11
[5] US Code of Federal Regulations (CFR) Title 47, Chapter I, Part 15. “Radio Frequency Devices”; U.S. Federal
Communications Commission
[6] RCR STD-1 構内無線局2.4 GHz帯移動体識別用無線設備
[7] RCR STD-29 特定小電力無線局2.4 GHz帯移動体識別用無線設備
[8] ARIB STD-T81 特定小電力無線局周波数ホッピング方式を用いる2.4 GHz帯移動体識別用無線設備
[9] ANSI MH10.8.4, American National Standard for Material Handling−Unit Loads and Transport Packages−
RFID Tags for Returnable Containers