X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 適合性···························································································································· 1
2.1 適合性の主張 ················································································································ 1
3 引用規格 ························································································································· 1
4 用語及び定義 ··················································································································· 2
5 シンボル及び略語 ············································································································· 3
6 要件:13.56 MHzシステムのための物理レイヤ,衝突管理及びプロトコル値 ······························· 3
6.0 この規格の両モード(モード1及びモード2)に対する一般事項及び応用 ································· 3
6.1 この規格のモード1のための物理レイヤ,衝突管理システム及びプロトコル ····························· 4
6.2 モード2:この規格のモード2のための物理レイヤ,衝突管理システム及びプロトコル ·············· 26
7 装置のマーク ·················································································································· 57
8 この規格で規定したモード間の特性の相違表 ········································································ 58
附属書A(規定)位相ジッター変調(PJM) ············································································ 59
附属書B(参考)この規格で規定したモード間で起こり得る既知の干渉 ········································· 62
附属書C(参考)衝突管理のためのリーダライタ擬似コード(モード1) ······································ 63
附属書D(参考)巡回冗長検査(CRC)(16ビット) ································································· 64
附属書E(参考)巡回冗長検査(CRC)モード2(32ビット) ···················································· 66
附属書F(参考)モード1 IC参照 ··························································································· 70
附属書G(参考)モード1で使用するJIS X 6323プロトコルの解説 ·············································· 71
参考文献 ··························································································································· 124
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,JIS X 6351-1:2010の附属書Eに示す者の有する特許権,及び次の者の有する特
許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
問合せ先
特許番号
Dr. Bertram Koch
Leiter Patentabteilung OP31
ATMEL Germany GmbH
Theresienstrasse 2
D-74072 Heilbronn
Germany
Tel: +49-7131-67-3254
Fax: +49-7131-67-2789
US005257288
Magellan Technology Pty Ltd.
(ABN 93 009 137 393)
65 Johnston Street
Annandale
NSW 2038
Australia
Tel: +61 2 9518 7011
Fax: +61 2 9518 7620
US5302954, WO8905549,
EP0390822, DE3854478D,
SG37971, US5485154,
09/582341 USA, 09/611658 USA,
WO9934526, EP1048126,
JP2002500465T, AU1654099,
10/204159 USA, WO0165712,
EP1266458, 2001-654480 Japan,
AU3711301
Matrics Technology
8850 Stanford Blvd
Suite 3000
Columbia 21045
USA
Tel: +1 410 872 0300
Fax: +1 443 782 0230
US 6002344
Koninklijke Philips Electronics N.V.
Groenewoudseweg 1
NL 5621 BA Eindhoven
Netherlands
Tel: +43 1 60 101-14 69
Fax: +43 1 60 101-11 01
CN 1277695, EP 831618, EP845751,
EP-PS 0998792,
EP-PS 1098257, IN/PCT/00/00034,
JP 00-551498, JP 00-561579,
US 5,793,324, US 5,929,801,
US09/357270, US2001-0013022,
WO 98/08328, WO99/62196,
WO00/05673
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問合せ先
特許番号
Spacecode/Intercode
12 rue des petits Ruisseaux
91370 Verrières Le Buisson
France
Tel: +33 1 69 75 21 70
Fax: +33 1 30 11 00 31
US 5808550, EP 96402555.5,
CN 2191794
US6177858 B1, EP 96402554.8,
CN 21911788
US 5426423, EP 90909459.1,
CN 2058947
Tagsys Australia
212 Pirie St
Adelaide
SA 5000
Australia
Tel: +61 8 8100 8324
Fax: +61 8 8232 3720
EP 0 578 701 B1, AUS 664,544,
PCT AU 00 01493,
PCT AU 98 00017, US 5,523,749,
PCT AU 01 01676, FR 00 01704
Texas Instruments
34 Forest Street
Attleboro
MA
USA
Tel: +1 508 236 3314
Fax: +1 508 236 1960
EP1 038257, US 09/315708,
JP 00-560700, EP 1 034644,
US 6442215, CN 1273730A,
WO00/04686, EP 0669591B,
AT-PS 401127
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実地が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等にかかわる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新
案登録出願をいう。
JIS X 6351の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS X 6351-1 第1部:参照アーキテクチャ及びパラメタの定義
JIS X 6351-2 第2部:135 kHz未満のエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-3 第3部:13.56 MHzのエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-4 第4部:2.45 GHzのエアインタフェース通信パラメタ
JIS X 6351-6 第6部:860 MHz〜960 MHzのエアインタフェース通信パラメタ(予定)
JIS X 6351-7 第7部:433 MHzのエアインタフェース通信パラメタ(予定)
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白 紙
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日本工業規格 JIS
X 6351-3:2010
(ISO/IEC 18000-3:2004)
物品管理用RFID−第3部:13.56 MHzの
エアインタフェース通信パラメタ
Radio frequency identification for item management−
Part 3: Parameters for air interface communications at 13.56 MHz
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO/IEC 18000-3を基に,技術的内容及び構成を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
1.1
この規格は,13.56 MHzの帯域で動作する,JIS X 6351-1の要件に適合した物品識別のためのRFIDシス
テムで使う,物理レイヤ,衝突管理システム及びプロトコルの値を規定する。
1.2
この規格は,箇条6で定める各モードのシステムに対して規定する。
1.3
この規格は,二つの非干渉モードを規定する。この二つのモードを相互運用することはできないが,同
時に用いても,互いに干渉することはない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 18000-3:2004,Information technology−Radio frequency identification for item management
−Part 3: Parameters for air interface communications at 13.56 MHz(IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,一致していること
を示す。
2
適合性
2.1
適合性の主張
この規格に適合することを主張するためには,“任意選択”と記したものを除くこの規格のすべての関係
する各箇条に適合する必要があり,また,同時にシステムを使う国の電波規則(より厳しい規制が必要な
場合もある。)の範囲内で運用しなければならない。
関係する適合性試験の方法はISO/IEC TR 18047-3で規定する。
3
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
2
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
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引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0500-1 自動認識及びデータ取得技術−用語−第1部:一般
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-1:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 1: General terms relating to AIDC(IDT)
JIS X 0500-2 自動認識及びデータ取得技術−用語−第2部:光学的読取媒体
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-2:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 2: Optically readable media (ORM)
(IDT)
JIS X 0500-3 自動認識及びデータ取得技術−用語−第3部:RFID
注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-3:2005,Information technology−Automatic identification and data
capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 3: Radio frequency identification (RFID)
(IDT)
JIS X 6320-6 ICカード−第6部:交換のための産業間共通データ要素
注記 対応国際規格:ISO/IEC 7816-6,Identification cards−Integrated circuit cards−Part 6: Interindustry
data elements for interchange(IDT)
JIS X 6323-1:2001 外部端子なしICカード−近傍型−第1部:物理的特性
注記 対応国際規格:ISO/IEC 15693-1:2000,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards
−Vicinity cards−Part 1: Physical characteristics(IDT)
JIS X 6323-2:2001 外部端子なしICカード−近傍型−第2部:電波インタフェース及び初期化
注記 対応国際規格:ISO/IEC 15693-2:2000,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards
−Vicinity cards−Part 2: Air interface and initialization(IDT)
JIS X 6323-3:2001 外部端子なしICカード−近傍型−第3部:衝突防止及び伝送プロトコル
注記 対応国際規格:ISO/IEC 15693-3:2001,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards
−Vicinity cards−Part 3: Anticllision and transmission protocol(IDT)
JIS X 6351-1 物品管理用RFID−第1部:参照アーキテクチャ及びパラメタの定義
注記 対応国際規格:ISO/IEC 18000-1,Information technology−Radio frequency identification for item
management−Part 1: Reference architecture and definition of parameters to be standardized(IDT)
ISO/IEC 15963,Information technology−Radio frequency identification for item management−Unique
identification for RF tags
ISO/IEC TR 18047-3,Information technology−Radio frequency identification device conformance test
methods−Part 3: Test methods for air interface communications at 13.56 MHz
EN 300 330,Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short Range Devices (SRD);
Technical Characteristics and test methods for Radio equipment in the frequency range 9 kHz to 30 MHz
4
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0500の規格群によるほか,次による。
4.1
位相ジッター変調(Phase Jitter Modulation)
電源供給フィールドでの極めて小さな位相変化によってデータを伝送する変調技術。
3
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5
シンボル及び略語
この規格で用いる主なシンボル及び略語は,JIS X 6351-1及びJIS X 0500の規格群によるほか,次によ
る。
≈
モード1−値は端数を切り捨てた値(例 ≈75.52 µs)である。
PJM
位相ジッター変調(Phase Jitter Modulation)
6
要件:13.56 MHzシステムのための物理レイヤ,衝突管理及びプロトコル値
6.0
この規格の両モード(モード1及びモード2)に対する一般事項及び応用
6.0.1
JIS X 6351-1で定めた提示方法
この規格の,13.56 MHzで動作するアイテム識別のためのRFIDシステムのために規定する物理レイヤ,
衝突管理システム及びプロトコル値定義の文脈,並びに形式及び提示方法は,JIS X 6351-1の要件に従う。
6.0.2
この規格の相互運用性
この規格は,13.56 MHzで動作する二つのモードの仕様を定める。
それら二つのモードは,相互運用はできないが,しかし,お互いに何ら重大な干渉を引き起こすことな
く運用できることが求められる。既知の干渉の原因はすべて,附属書Bに示す。
注記1 ユーザにおいては,いかなる特定の利用のためであれ,一つのモードを選択することを推奨
する。
注記2 各国の国内法規は出力,周波数又は帯域の割当てのいずれかで更に規制が厳しく,そうした
規制はその国内でのシステムの能力を低める可能性がある。ユーザは厳にそれらの法規にの
っとったシステムだけを使用する責任をもつ。これには,ユーザは製造者からその証明を入
手し,システムが適合していることを保証するために適切な場所において適正試験を実施す
る義務を負うことを意味する。
参考情報 この規格の対応国際規格の準備時点で,リーダライタとタグとの間の双方向のリンクが物
理レイヤで放射する電波について,型式承認又は認証が必要となるかもしれない。このた
め,この規格への参照に加えて,各国又は地域の電波規則及び電波基準に関する参考資料
を参照することが必要である。すべてのシステムは,性能に影響するかもしれない各国の
電波規則に従う必要がある。
6.0.3
この規格のリーダライタの適合性
この規格への適合性を主張するために,リーダライタはモード1又はモード2のいずれかをサポートし
なければならない。リーダライタは,任意機能として両モードをサポートすることができる(二つのモー
ドは,相互運用できない。)。
6.0.4
この規格のタグの適合性
この規格への適合性を主張するために,タグはモード1又はモード2のいずれかをサポートしなければ
ならない。タグは,任意機能として両モードをサポートすることができる(二つのモードは,相互運用で
きない。)。
6.0.5
コマンド構造及び拡張性
6.1及び6.2は,リーダライタとタグとの間のコマンドコードの構造の定義,及びどれだけのポジション
が将来の拡張のために可能であるのかの指示を含む。
コマンド仕様では,コマンド及びその実行についての完全な定義を提供する。
各コマンドは,“必す(須)”又は“任意選択”としてラベル付きで分類されている。
4
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
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JIS X 6351-1に従って,この規格は,“カスタム”及び“独自仕様”コマンドについて規定する。
承認済みのコマンドの種類は,6.0.6〜6.0.9に規定する。
6.0.6
必す(須)コマンド
必す(須)コマンドは,適合を主張するすべてのタグによってサポートされていなければならない。適
合を主張するリーダライタは,すべての必す(須)コマンドをサポートしなければならない。
6.0.7
任意選択コマンド
任意選択コマンドは,この規格で規定されたコマンドである。リーダライタは,この規格で定められた
すべての任意選択コマンドを技術的には実行できなければならない(特にそれを行うための設定は必要な
い。)。タグは,任意選択コマンドをサポートしても,しなくてもよい。
任意選択コマンドを使う場合は,この規格で定められた規定を遵守しなければならない。
6.0.8
カスタムコマンド
カスタムコマンドは,ある国際規格によって使用可能としてもよいが,その仕様はその国際規格の中で
規定されてはならない。
カスタムコマンドは,この規格で規定した必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を,単に異
なる方法によってコピーしたものであってはならない。
6.0.9
独自仕様コマンド
独自仕様コマンドは,ある国際規格によって使用可能としてもよいが,その仕様はその国際規格の中で
規定されてはならない。
独自仕様コマンドは,この規格で規定した必す(須)コマンド又は任意選択コマンドの機能を,単に異
なる方法によってコピーしたものであってはならない。
6.1
この規格のモード1のための物理レイヤ,衝突管理システム及びプロトコル
モード1は,この規格で規定されたその他一切のモードと相互運用できない。
6.1.1
読取り及び書込みシステム
モード1は,“リーダトークファースト”技術を使用して読取り及び書込みシステムを実現している。
6.1.2
規定の特徴
このモードで規定されている物理プロトコル,衝突管理プロトコル,及び伝送プロトコルは,JIS X 6323
規格群において取られたアプローチと一致する(附属書G参照)。6.1.3〜6.1.8にモード1の規定部分を示
す。
6.1.9では,JIS X 6323規格群に適合する(ただし,拡張している。)任意プロトコルの拡張を規定する。
6.1.3
適合性及び性能の測定上の特徴
モード1のための性能及び適合性の測定上の特徴は,テクニカルレポート(ISO/IEC TR 18046及び
ISO/IEC TR 18047-3)の関係箇条で規定される。
注記 ISO/IEC TR 18046は,2006年に発行された時はISに変更になっている。
6.1.4
物理レイヤ
13.56 MHzでのモード1エアインタフェースのための物理レイヤは,JIS X 6323-2に適合する。
6.1.5
プロトコル及び衝突管理動作方法
13.56 MHzでのモード1エアインタフェースのための衝突管理動作方法は,JIS X 6323-3に適合する。
6.1.6
コマンド
13.56 MHzでのモード1エアインタフェースのためのコマンドは,JIS X 6323-3に適合する。
5
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
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6.1.7
リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表
13.56 MHzでのモード1エアインタフェースに対応したリーダライタからタグへのリンクのためのパラ
メタ表は,JIS X 6323-2に適合する。
6.1.8
タグからリーダライタへのリンクのためのパラメタ表
13.56 MHzでのモード1エアインタフェースに対応したタグからリーダライタへのリンクのためのパラ
メタ表は,JIS X 6323-2に適合する。
6.1.9
プロトコル拡張
6.1.9.1
プロトコル任意拡張
プロトコル拡張は任意選択機能であり,タグはこれをサポートしてもよい。サポートする場合,要求及
び応答は,6.1.9〜6.1.11で与えられた定義に適合しなければならない。
タグがプロトコル拡張をサポートしない場合,エラーコードを返してはならず,沈黙を維持する。要求
には次のフィールドを含む:
− フラグ(表1参照。ビット4はプロトコル拡張のために1に設定し,ビット5〜ビット8は0: RFUに
設定しなければならない。)
− プロトコル拡張バイト(プロトコル拡張バイトのビット1及びビット2は将来のプロトコル拡張のた
めに確保し,0に設定する。)
− CRC
6.1.9.2
要求フラグ
要求フラグを,表1に示す。
表1−要求フラグ1〜4の定義
ビット番号
フラグ名
状態
内容
ビット1
副搬送波フラグ
0
RFタグによって単独の副搬送波周波数を使用されなければならな
い。
1
二つの副搬送波がタグによって使用されなければならない。
ビット2
データレートフラグ
0
低データレートを使用しなければならない。
1
高データレートを使用しなければならない
ビット3
応答フラグ
0
6.1.10.18及び6.1.10.19で特定した任意プロトコル応答,タグがこの
応答をサポートしない場合は沈黙を維持しなければならない。
1
任意プロトコルの応答はG.8.4.1のRead single blockコマンドでの指
定,及び図G.33の応答フォーマットと同じであり,上のビット1
と2とに準じた符号化を使用する。タグがこの応答をサポートしな
い場合,タグは沈黙を維持しなければならない。
ビット4
プロトコル拡張フラグ
1
プロトコルフォーマットは拡張されている。
ビット5
RFU
0
RFU
ビット6
RFU
0
RFU
ビット7
RFU
0
RFU
ビット8
RFU
0
RFU
6.1.9.3
要求フォーマット
プロトコル拡張バイトのビット1及びビット2が0の場合,図1はプロトコル拡張コマンドを単に参照
するだけである。
6
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
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SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図1−プロトコル拡張要求フォーマット
6.1.10 プロトコル拡張−衝突管理方法の解説
6.1.10.1 プロトコル拡張内の衝突管理
このプロトコル拡張には,大きく二つの流儀がある。すなわち,6.1.10.2で規定する非スロット化非終端
処理複数タグ読取りプロトコル,及び6.1.10.4で規定するスロット化終端処理順応周回複数タグ読取りプ
ロトコルである。
6.1.10.2 非スロット化非終端処理複数タグ読取りプロトコル
非スロット化非終端処理alohaプロトコルにおいて,Wake-upコマンドは,RFタグが活性化フィールド
内に存在する限り,それらが自ら決定する間隔でRFタグからランダムな返答を引き出さなければならな
い。このプロトコルにおいて,リーダライタは,衝突なしで到着するすべての返答を受け取り,検出し,
及び報告するが,返信プロセス中に新たに到着したタグを取り込むため,ウェイクアップシグナルの追加
発行を通じて行う他は,質問プロセスに対して影響を与えようと試みない。プログラムは,フィールド内
の1個のRFタグによって実行される。
当プロトコルの実行を次に示す。
− Wake-upコマンドだけを必要とする。
− 初期応答長を使用する(長さはユーザによってプログラミング可能。)。
− 1個又は数個のタグが質問フィールド内にあるとき,1回だけ実行する。
Wake-upコマンドの後,リーダライタはRFタグに注意を傾ける。タグのタイプは,主な応答のプリア
ンブルのパートを形成,さらに,非スロット化非終端処理タグに対し,その他いかなるコマンドの信号も
送信することを試みないリーダライタに対して信号を送る。初期応答時間から非応答時間へは,おおよそ
1対10の比率で形成することが望ましい。
図2は,3個のタグの非スロット化非終端処理複数タグ読取りプロトコル内での働きを示す。
− リーダライタがWake-upコマンドを発行し,三つのタグすべてが応答して衝突が生じた。
− 遅延時間が変化した後,RFタグ1及びRFタグ3が応答し,衝突が生じた。
− 次にRFタグ2が単独で応答し,復号化された。
− 次にRFタグ1が単独で応答し,復号化された。
− 次にRFタグ2及びRFタグ3が応答し,衝突が生じた。
− 次にRFタグ1及びRFタグ2が応答し,衝突が生じた。
− 最後にRFタグ3が応答し,復号化された。
図2−非スロット化非終端処理複数タグ読取りプロトコルにおけるRFタグの応答例
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.1.10.3 非スロット化非終端処理順応周回プロトコル内のRFタグの状態
電源オフ状態及び準備完了状態は正常なプロトコルと同じである。
準備完了状態からアクティブ状態への遷移は,非終端処理・非スロット化Wake-upコマンドにプロトコ
ルを拡張した結果として生じる(プロトコル拡張フラグ設定。図3参照)。
図3−非スロット化非終端処理複数タグ読取りプロトコルでのタグの状態
6.1.10.4 スロット化終端処理順応周回複数タグ読取りプロトコル
スロット化終端処理順応周回読取りプロトコル内で,ウェイクアップの後の質問サイクルの間には,タ
グ及びリーダライタの間で対話の継続があり,一つのタグは無制限に返答し続けてはならない。
リーダトークファースト(RTF)ウェイクアップを,動的な多数のタグに頻繁に与えることができる。
多数のタグが存在する場合,すべてのタグを読み取るまでタグ応答数を減らしていく。
このプロトコルの中で,タグは応答のために,最大スロット番号からランダムなスロット番号を選ぶ。
最大スロット番号は初期値としてタグに設定されて,それはリーダライタコマンドによって一時的に無効
にされ得る。リーダライタは,個々のスロットの開始を信号で伝える。タグは,ウェイクアップと続いて
アクティブ状態への遷移に責任をもつWake-upコマンドからのタイミングに関する現在のスロット番号の
経過を追う。RFタグは応答を送信した後,アクティブ状態から沈黙状態へ自動的に遷移する。タグがアク
ティブ状態で,現在のスロット番号が最大スロット番号と同じ場合,現在のスロット番号の増加は,その
現在の値をリセットして1に戻し,返信を再提供する場合のランダムスロット番号の再計算をしなければ
ならない。このケースは,タグが選んだ返信スロット内でタグの応答が他と衝突した場合,又は応答にエ
ラーが含まれた場合に生じる。この現在のスロット番号のサイクルは,タグの応答がエラーしないで復号
化され,沈黙状態のままでいるか,又はタグがエネルギー供給フィールドから去るまで続く。
最大スロット番号は,ラウンドにおいてスロットの数として参照される。ラウンド内のスロットの数は,
タグ個数の増大及び縮小として上下し得る。
6.1.10.5 リーダライタからタグへの対話の例
Wake-upコマンドを受け取ると,タグは必ずしもすぐに応答を返す訳ではない。しかし1回目のラウン
ド内でランダムに選ばれた返信スロットの初期ラウンド長の範囲内で,自分自身での選択を開始する。タ
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グ返信スロットの持続時間は,選ばれた応答フォーマット及び初期応答のページの数によって決まる。タ
グが応答ラウンド内で予期する場合のスロットの数は,初期のタグプログラミングによって決まるが,し
かしこれはリーダライタコマンドによって修正することができる。各応答スロットの開始は,リーダライ
タによって指示される。
図4に,対話の一例を示す。
− リーダライタがWake-upコマンドを発し,準備完了状態にあるRFタグがアクティブ状態に遷移した。
− RFタグはメモリから初期のラウンドサイズを読み取り,応答を返すスロットをランダムに選択した。
− スロット0は返信後に沈黙状態に遷移するRFタグ1からの応答を受け入れた。
− リーダライタは,沈黙を保っているRFタグ1のTELを含んだNext-slotコマンドを発行した。
− スロット1は応答を含まず,リーダライタはスロット閉鎖(EOF)コマンドを発行した。
− スロット2は二つの応答を含み,それらの内容が異なる場合の先行部によって衝突が検知され,スロ
ットは主返答が送られる前に閉じられた。二つのRFタグは次のラウンド(現ラウンドにおけるスロ
ットの最大数を過ぎた後)で再び応答を提供する。
− スロット3は二つの応答を含み,衝突は先行部の期間には検知されず,主応答のCRCチェックで検知
され,したがって衝突が検出されて,リーダライタはUltimate errorコマンドを発行した。二つのRF
タグは次のラウンドで再び応答を提供する。
− スロット4は二つの応答を含み,しかし,一つが他よりも著しく強いため,リーダライタには一つの
RFタグだけがスロットにあると見える。リーダライタはRFタグ6のTELを含んだNext-slotコマン
ドを発行した。RFタグ7は,現ラウンドの最大スロット番号の後に再び応答を提供する。
− スロット5は,ある理由のために分離する必要がある特定のRFタグの応答を含み,リーダライタは
Selective-stand-byコマンドを発行し,RFタグ8をアクティブ状態に移動させた。RFタグ1及び6は
沈黙状態に残したままアクティブ状態にあったその他すべてのタグを待機状態に移した。
− このとき,一つのRFタグだけがアクティブ状態なので,このタグに対して更なるデータ又はプログ
ラムを要求する機会がある。リーダライタは,Reply with rangeコマンドを発行し,RFタグ8からア
ドレス指定範囲(スロット6)へ応答を引き出した。
− 次にリーダライタは,RFタグ8を沈黙状態に残してNext-slotコマンドを発行した。
− その次にリーダライタは,Re-enter roundコマンドを発行し,待機状態となっていたRFタグをアクテ
ィブ状態に戻した。
− スロット7はRFタグ9からの応答を含む。
表2−スロット化終端処理適応ラウンドのタイミング
最小
標準
最大
t1
4 064/fc(300 µs)
4 096/fc(302 µs)
4 128/fc(304 µs)
t2
44 bits
t3
992/fc(73 µs)
1 024/fc(76 µs)
1 056/fc(78 µs)
ここで
t1=リーダライタからタグへ,及びタグからリーダライタへの方向転換時間
t2=任意の先行部と主応答とのギャップ
t3=スロット閉鎖コマンドが発行される前の周期
注記 時間t2は,1ビットの持続時間が32/fcの4パルスの場合,44ビットである。先行変調の終端か
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ら公称302 µsの方向転換時間が経過した後,RFタグはスロット閉鎖コマンドだけを受信する。
図4−スロット化終端処理適応ラウンド
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6.1.10.6 スロット化終端処理順応周回プロトコルでのRFタグの状態
電源オフ状態,準備完了状態及び沈黙状態は,標準プロトコルの場合と同じである。基本プロトコルの
選択状態は,基本プロトコルコマンドを経由してアクセス可能である。
準備完了状態からアクティブ状態への遷移は,プロトコル拡張Wake-upコマンド(プロトコル拡張フラ
グが設定される。)の結果として生じる(図5参照)。
注記1 他の状態から電源オフ状態への遷移は,状態保存ビットがセットされた時から300 ms後に生じる。電力が
10 sを超える間で減じた場合,タグは以前の状態の記憶すべてを失う。電力が300 ms〜10 sの間で減じた場
合,保存行為は,不確かとなる。
注記2 RFタグの状態遷移は,図5に示すとおり有効な遷移だけである。その他のすべてのケースにおいて,現在
のRFタグの状態は変化しないで残る。RFタグがリーダライタの要求を処理できない場合(例えば,CRC
エラーその他),タグは現在の状態にとどまらなければならない。ただし,タグがアクティブ状態に戻ろう
として,沈黙状態に遷移したばかりの場合を除く。
図5−RFタグ状態遷移図
6.1.10.7 アクティブ状態
アクティブ状態にあるRFタグは,現在のスロット番号が任意抽出返信番号(スロットの現ラウンド内
11
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での現在の最大スロット番号から選ぶ。)と同じである場合,初期応答を返信する。現在のスロット番号が
現行ラウンド内での最大スロット番号を超えて増大した場合,現在のスロット番号を一つ戻し,新しい任
意抽出返信番号が選ばれる。
RFタグは,次のいずれかの状態まで上記のプロセスを継続する。
− 返信した後,RFタグは自動的に沈黙状態に遷移して去る。
− 他の状態へ遷移するコマンドを受信する。
− タグが活性フィールドの外に出る。
6.1.10.8 待機状態
待機状態にあるRFタグは,Global resetコマンド又はRe-enter roundコマンドだけに応答する。タグは,
Re-enter roundコマンドの受信によってアクティブ状態に戻った後でだけ増大されるよう,現在のスロット
番号の値を保持する。
Global resetコマンドの場合,タグは準備完了状態に遷移し,すべてのカウンタは,RFタグが活性化フ
ィールドに入った場合に初期値にリセットする。
6.1.10.9 モード1:プロトコル拡張−タグ応答フォーマット
二つの応答フォーマットが認められる。すなわち,先行部を伴う主応答及び先行部を伴わない主応答で
ある。RFタグの主応答のためのビット順序づけは,LSBファースト及びLSバイトファーストである。12
ビット先行部の順序づけは,現存している場合,LSBファーストである。
先行部は,先行部とメインの返信との間のギャップ内の近接スロット(EOF)によって,リーダライタ
によって閉じられ得るスロットの範囲内での衝突の早期検出を可能にする。先行部が実装された場合,そ
れはメイン返答の前にt2(表2を参照)のギャップが続く3456/fcの固定した間隔をもたなければならない。
RFタグのハードウェア実装は,Wake-upコマンドとともに,先行部が現れるか否かを決定する。RFタ
グは,先行部の間隔及び関連したギャップに対して大きくする先行部を伴わない初期応答データの伝送の
時間又は要求した返信データの場合に発行する先行部をハードウェアで設定できる。
先行部を発行しない方法は唯一,プロトコルが衝突スロットの早期閉鎖を機能させないようにすること
である(衝突は,主応答が伝送された後に処理する。)。
タグ応答開始試験によって,リーダライタは先行部が現れるか否かを決定する。RFタグが混在している
ケースの場合,リーダライタは固定した先行部の持続時間と同じ時間の期間の後のタグなし変調の期間を
観測せず,したがってリーダライタはスロットを閉じようとはしない。
6.1.10.10 先行部を伴う応答フォーマット
先行部を伴う応答は,次のフィールドで構成される(図6参照)。
− 先行部
− ギャップ(表2で定義済みのt2)
− 主応答
先行部
ギャップ
主応答
図6−先行部を伴う応答フォーマットのプロトコル拡張
6.1.10.11 先行部を伴わない応答フォーマット
先行部を伴わない応答は,次のフィールドで構成される(図7参照)。
− 主応答
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主応答
図7−先行部を伴わない応答フォーマットのプロトコル拡張
6.1.10.12 先行部フォーマット
先行部は,次のフィールドで構成される(図8参照)。
− 図12で定義された先端部
− 衝突検出(図13及び図14の12ビット使用符号化)
先端部
衝突検出
図8−先行部フォーマット
6.1.10.13 タグ励起レベル(任意選択)
TELがタグによってサポートされていない場合,TELビットは0000と伝送しなければならない。
TELがタグによってサポートされている場合,タグはその励起レベルの4ビット値を提供できる。レベ
ル0000は,TELがサポートされていない場合の値のため使用しない。その結果,15の有効なTELレベル
がある。より少ないレベルが求められる場合,TELビットをLSBから開始される0にリセットすることに
よってレベルは減少する(例えば,四つのレベルは00において固定される二つのLSBをもつ。)。TELは
Wake-upコマンドパラメタによって解除することができ,実行され解除された場合は,0000に設定される。
TELレベルは,衝突検出ビットの部分の先行部内,及びタグ応答のプリアンブル内の両方で使用される。
TEL値は後にリーダライタに応答し,小信号抑止効果から防御するために使用する。
タグとリーダライタ間との結合の変動は,要求した動作距離の範囲を超えた場合に発生し,チップ上に
散らされた電力は,誘導電流の30 dBダイナミックレンジをほぼカバーする。
RFチップのPOR(Power on Reset,電源投入時リセット)において第一レベルがスタートし,さらに,
そのレベルから,ほぼ2 dBごとに増加する。最終レベルは,PORから28 dBより多い励起をカバーする。
注記 RFタグに使用するチップの製造法が異なり,また,使用するアンテナコイルが異なれば,それ
らが同じ磁界の強さにさらされたとき,異なるレベルを示してもよい。
6.1.10.14 衝突検出フォーマット−TEL実行及び要求
タグ励起レベルを実行する(有効TEL値0x01〜0x0F)。
衝突検出は,次のフィールドで構成される(図9参照)。
− 4TELビット[少ない解決はLSB(s)を0に固定することによって得られる。]
− 8ランダムビット[少ない解決はLSB(s)を0に固定することによって得られる。]
TELビット
ランダムビット
4ビット
8ビット
図9−TEL実行を伴う衝突検出フィールドフォーマット
6.1.10.15 衝突検出フォーマット−TEL非実行
タグ励起レベルを実行しない(主応答はTEL=0000に固定する。)。
衝突検出は,次のフィールドで構成される(図10参照)。
− 12ランダムビット[少ない解決はLSB(s)を0に固定することによって得られる。]
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ランダムビット
12ビット
図10−TEL非実行での衝突検出フィールドフォーマット
6.1.10.16 主応答フォーマット
主応答は,次のフィールドで構成される(図11参照)。
− プリアンブル(6.1.10.17で定義された32ビット使用符号化)
− 応答データ(6.1.10.19で定義された32倍数ビット使用符号化)
− CRC(6.1.10.19で定義された16ビット使用符号化)
− 信号経路終端ターミネータ(図18で定義されたとおり。)
プリアンブル
応答データ
CRC
信号経路終端ターミネータ
32ビット
n×32ビット
16ビット
2ビット
図11−主応答フォーマット
6.1.10.17 主応答プリアンブルフォーマット
主応答プリアンブルは,表3に示すフィールドで構成される。
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表3−主応答プリアンブルフォーマット
ビット番号
プリアンブル名
記述及び制限
1〜4
信号経路開始
1110(Bit1〜4)‒ 主応答の開始。必す(須)。
5
プロトコル
0 ‒ 非スロット化,非終端処理
1 ‒ タグスロット化終端処理適応ラウンド
チップ製造者が設定。
6
UID
0 ‒ UIDを含まない主応答
1 ‒ 主応答の最初の64ビットがUID
プログラム可能。
7
選択
0 ‒ 選択機能が実装されていない
1 ‒ 選択機能を実装
チップ製造者が設定。
8
状態保存
0 ‒ 活性化フィールドギャップが存続しない状態。
1 ‒ 300msの活性化フィールドギャップが存続する状態。
チップ製造者が設定。
9〜12
タグ励起レベル
0000(Bit9〜12)‒ TELが実行されない場合。
TTTT(Bit9〜12)‒ TELが実行された場合のダイナミックレベル(0000を除く)。
13
スペシャルビット
0 ‒ スペシャルビット機能がオフ
1 ‒ スペシャルビット機能がオン
プログラム可能。
14〜16
ラウンドサイズ
(Bit14〜16)
000 ‒ RFU
001 ‒ 8
010 ‒ 16
011 ‒ 32
100 ‒ 64
101 ‒ 128
110 ‒ 256
111−RFU
プログラム可能。リーダライタコマンドによって無効にできる。
17〜32
ページ幅
8ビット開始(Bit17〜24)及び8ビット終了ページ(Bit25〜32)応答数。
プログラム可能。リーダライタコマンドによって無効にできる。
6.1.10.18 ビット表示及び符号化
6.1.10.18.1 先行部符号化
6.1.10.18.2〜6.1.10.18.4で先行部符号化を定義する。
6.1.10.18.2 先行部先端部符号化
先端部はfc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルスでスタートし,その後に逆の位相fc/32(≈ 423.75 kHz)の4パ
ルスが続く(図12参照)。
図12−先端部符号化
18.88 µs
9.44 µs
28.32 µs
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6.1.10.18.3 先行部衝突検出バイナリ0符号化
論理0はfc/32(≈ 423.75 kHz)の4パルスでスタートし,その後に128/fc(≈ 9.44 µs)の無変調時間が続
く(図13参照)。
図13−衝突検出符号化−バイナリ0
6.1.10.18.4 先行部衝突検出バイナリ1符号化
論理1は128/fc(≈ 9.44 µs)の無変調時間でスタートし,その後にfc/32(≈ 423.75 kHz)の4パルスが続
く(図14参照)。
図14−衝突検出符号化−バイナリ1
6.1.10.19 主応答符号化
主応答(プリアンブル及びCRCを含む。)符号化は,それぞれのビットに対するfc/32(≈ 423.75 kHz)
の4パルスを伴うDBPSKを使用する。
6.1.10.19.1 バイナリ0符号化
fc/32(≈ 423.75 kHz)の4パルスは,バイナリ0を表す前の4パルスと逆の位相をもつ(図15参照)。
図15−応答符号化−バイナリ0
18.88 µs
9.44 µs
18.88 µs
9.44 µs
9.44 µs
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6.1.10.19.2 バイナリ1符号化
fc/32(≈ 423.75 kHz)の4パルスは,バイナリ1を表す前の4パルスと同じ位相をもつ(図16参照)。
図16−応答符号化−バイナリ1
6.1.10.19.3 バイナリ符号化の例
図17は,“10”の一例である。
図17−応答符号化−“10”
6.1.10.19.4 信号経路終端ターミネータ符号化
信号経路終端ターミネータ(図18参照)の構成を,次に示す。
前の4パルスとは,逆の位相をもつfc/32(≈ 423.75 kHz)の6パルス。
前の6パルスとは,逆の位相をもつfc/32(≈ 423.75 kHz)の6パルス。
図18−信号経路終端ターミネータ符号化
6.1.11 プロトコル拡張コマンド
6.1.11.1 プロトコル拡張コマンドコード
プロトコル拡張フラグが設定され,プロトコル拡張バイトのビット1とビット2とを0に設定し,ビッ
ト3〜8はプロトコル拡張コマンドに使用される場合を,表4に示す。
非スロット化非終端処理タグのために,ただ一つの必す(須)コマンド(0xC4)及び二つの任意選択コ
マンド(0x64及び0x74)がある。その他のコマンドは,0x64及び0x74と一緒にスロット化終端処理タグ
によって使用される。
9.44 µs
9.44 µs
9.44 µs
14.16 µs
28.32 µs
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表4−プロトコル拡張コマンドコード
コマンドコード
コマンド名
内容
0x(0〜F)0
TTTT0000
Next slot
1ラウンド内に存在するすべてのタグに現在のスロットの終了を通知する。
最上位ニブル内でTEL値TTTTを含む。
0x02
00000010
Stay quiet
標準プロトコルのStay quietコマンド(コマンドコード02)は,RFタグに
隣のスロットを信号で伝えるために使われ,初期応答の中にUID(UIDビ
ットはプリアンブルの1に設定),及びプロトコル拡張ビットセットを含む。
0x04
00000100
Reply now
現行スロット内のアクティブ状態にあるすべてのタグへの初期応答を求め
る信号を送る。
0x14
00010100
Reply with full data
アクティブ状態にあるすべてのタグに対して,タグメモリ各自の最初及び
最後のページアドレスを伴う応答のスタート及びストップページのアドレ
スをアップデートする信号を送る。
0x24
00100100
Reply with range
アクティブ状態にあるすべてのタグに対して,個々のコマンドを含む最初
及び最後のページアドレスを伴う応答のスタート及びストップページのア
ドレスをアップデートする信号を送る。ストップアドレスは,アップデー
トするスタートアドレスの初期値より大きくなければならない。
0x34
00110100
Ultimate error
現行スロットで送信完了したタグに対して,次のラウンドで再び応答を送
信するよう信号を送る。
0x44
01000100
Re-enter round
待機状態にあるタグに対して,アクティブ状態に移行する信号を送る。
0x54
01010100
Reset active tags
アクティブ状態のタグに対して,準備完了状態に移行する信号を送る。
0x64
01100100
Clear special bit
特別なビットを0にクリアする。
0x74
01110100
Set special bit
特別なビットを1に設定する。
0x(8〜B)4
10WW0100
Wake up terminating/
slotted tags only
タグを準備完了状態からアクティブ状態に遷移させる。WWはウェイクア
ップパラメタの値を選ぶ(表5参照)。
0xC4
11000100
Wake up
non-terminating/non-
slotted tags only
非スロット化,非終端処理タグだけがウェイクアップする。
0xD4
11010100
Global reset
すべてのタグに対して,準備完了状態に移行する信号を送る。
0xE4
11100100
Set Protocol Default
Parameters
すべてのタグがラウンドサイズ,スタート及びストップ応答ページに関す
る新しいプロトコル初期パラメタを非揮発性メモリに記憶する。
0x(0〜F)8
TTTT1000
Selective stand-by
アクティブ状態にあるすべてのタグに対して,待機状態に移行する信号を
送る。現行スロットで送信完了し,沈黙状態にあり,コマンド内のそれと
一致した(MSNのTTTT)TELビットをもっている場合のタグに対して,
アクティブ状態に移行する信号を送る。それらのタグのTELビットが一致
していなければ待機状態に移行する。
0x25
00100101
Select
通常プロトコルのSelectコマンド(コマンドコード25)は,初期応答内に
UIDを含む(UIDビットをプリアンブル内で1に設定)RFタグに対して次
スロット信号を送るため,及びプロトコル拡張ビットを設定するために使
用してもよい。
アクティブ状態にあるすべてのタグに対して,待機状態に移行する信号を
送る。
現行スロットで応答を送信完了し,コマンドで指定したUIDと一致した
UIDをもつ沈黙状態にあるタグに対して,アクティブ状態に移行させるた
め,及びUIDビットが一致しないそれらのタグに対して待機状態に移行さ
せるために信号を送る。
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表4−プロトコル拡張コマンドコード(続き)
コマンドコード
コマンド名
内容
0x(0〜7)C
0RRR1100
New round size
アクティブ状態にあるタグに対して,それらタグのスロットカウントレジ
スタをリセットし,RRRによって現れる値に対してスロットカウントレジ
スタを設定し新しいラウンドを開始するための信号を送る(表6参照)。
0x(8〜F)C
1CCC1100
Comparison
Comparisonコマンドは,アクティブ状態にあるタグを,コマンド内の更な
るデータとして送ったバイトとともに特定タグページ内のバイトの組合せ
の適合によって,その状態に残しておくことを可能にする。比較規準に適
さないタグは,待機状態に移行する。
6.1.11.2 プロトコル拡張コマンド
6.1.11.2.1 Next-slot[必す(須)]
Next-slotコマンドは,6.1.11.2.2若しくは6.1.11.2.3の方式の片方,又は両方を実行するために必す(須)
である。
6.1.11.2.2 Next-slot with TEL
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x(0〜F)0
このコマンドは,4ビットTELレベルTTTT(0〜F)をコマンドのMSNに渡す。
Next-slotコマンドを受け取るときは,次による。
− アクティブ状態のタグは,スロットカウンタを増加しなければならない。
− 現在のスロットで沈黙状態へ遷移したタグが適合したTELビットをもたない場合,アクティブ状態に
遷移し,そのスロットカウンタを増加しなければならない。
− 現在のスロットで沈黙状態に遷移したタグが適合したTELビットをもっている場合,沈黙状態に残さ
なければならない。
TELが実行されない場合は,UIDがタグ応答内に表現され(表3で定義されたとおり応答プリアンブル
のビット6は1にセット),Next-slot without TELコマンドを使用することを推奨する(図19参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図19−Next-slot with TELフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号及びランダムスロット番号が等しい場合,初期応答を返
す。
6.1.11.2.3 Next slot without TEL
コマンドコード=0x02
標準プロトコルのStay quietコマンドは,初期応答内にUIDを含むRFタグへ次のスロットの信号を送
るために使用することができる(UIDビットはプリアンブル内で1に設定。)。
− 次スロットのフォーム(Stay quietコマンド)を受信したとき。
− アクティブ状態のタグは,スロットカウンタを増加しなければならない。
現在のスロットで沈黙状態に遷移しUIDビットが合致しないタグは,アクティブ状態に遷移し,そのス
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ロットカウンタを増加しなければならない。
現在のスロットで沈黙状態に遷移しUIDビットが合致しているタグは,そのまま沈黙状態にとどまらな
ければならない(図20参照)。
SOF
フラグ
Stay quiet
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図20−Next-slot without TELフォーマット(stay quiet)
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号及びランダムスロット番号が等しい場合,初期応答を返
さなければならない。
沈黙状態のタグは全く応答してはならない。
6.1.11.2.4 Reply now(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x04
アクティブ状態にあるすべてのタグは,reply nowコマンドを受信した場合,初期応答を現在のスロット
内で返さなければならない(図21参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図21−Reply-nowフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット内で初期応答を返さなければならない(現在のスロット番号
と等しいランダムスロット番号のための要件を無効にする。)。
6.1.11.2.5 Reply with full data(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x14
アクティブ状態にあるすべてのタグは,Reply with full dataコマンドを受信した場合,メモリの最初のペ
ージアドレス及び最後のページアドレスとともに,初期応答のスタートアドレス及びストップアドレスを
更新しなければならない(図22参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図22−Reply-with-full-dataフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号及びランダムスロット番号が等しい場合,(全メモリをカ
バーするためにアップデート済みの)初期応答を送信する。
6.1.11.2.6 Reply with range(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x24
アクティブ状態にあるすべてのタグは,Reply with rangeコマンドを受信した場合,コマンドに含まれる
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スタートアドレス及びストップアドレスを伴うタグの,初期応答のスタートアドレス及びストップアドレ
スを更新する。ストップアドレスは,更新する初期値のためのスタートアドレスよりも大きくなければな
らない(図23参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
スタートアドレス
ストップアドレス
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
8ビット
8ビット
16ビット
図23−Reply-with-rangeフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,(新しいスタート
ページとストップページとでアップデート済みの)初期応答を送信する。
6.1.11.2.7 Ultimate error[必す(須)]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x34
Ultinate errorコマンドを受信した場合は,次による。
アクティブ状態のタグは,そのスロットカウンタを増加しなければならない。
現在のスロットで沈黙状態に遷移したタグは,アクティブ状態に遷移しスロットカウンタを増加しなけ
ればならない(図24参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図24−Ultimate-errorフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応答を送信
する。
6.1.11.2.8 Re-enter round[Selective stand-byコマンドが実行済みの場合は必す(須)]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x44
待機状態のタグは,Re-enter roundコマンドを受信した場合,アクティブ状態に遷移しなければならない
(図25参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図25−Re-Enter-roundフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応答を送信
する。
6.1.11.2.9 Reset active[比較が実行されている場合は必す(須)]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x54
アクティブ状態のタグは,Reset activeコマンドを受信した場合,準備完了状態に遷移しなければならな
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い(図26参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図26−Reset-activeフォーマット
RFタグ応答
タグ応答なし。
6.1.11.2.10 Clear special bit(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x64
アクティブ状態にあるすべてのタグは,Clear special bitコマンドを受信した場合,それらのスペシャル
ビットを0にクリアしなければならない(図27参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図27−Clear special bitフォーマット
RFタグ応答
タグ応答なし。
6.1.11.2.11 Set special bit(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x74
アクティブ状態にあるすべてのタグは,Set special bitコマンドを受信した場合,それらのスペシャルビ
ットを1に設定しなければならない(図28参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図28−Set special bitフォーマット
RFタグ応答
タグ応答なし。
6.1.11.2.12 Wake-up[必す(須),終端処理スロット化タグ用]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x(8〜B)4
コマンドは2ビットのウェイクアップパラメタ,10WW(8〜B)を伝える(表5参照)。
準備完了状態の終端処理スロット化タグだけ,四つのWake-upコマンドの内のいずれか一つを受信した
場合,アクティブ状態に遷移しなければならない。四つのWake-upコマンドの使用は,TEL及び/又はタ
グの応答内の先行部をリーダライタが無効にすることを許す。リーダライタがTEL及び/又は先行部を要
求し,さらに,タグがTEL及び/又は先行部を実行しない場合,TEL及び/又は先行部はタグ応答に含ま
れない(図29参照)。
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表5−ウェイクアップパラメタ
コマンドコード
10WW0100
ウェイクアップ要求
10000100
TEL及び先行部
10010100
TELあり,先行部なし
10100100
先行部あり,TELなし
10110100
先行部なし,TELなし
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図29−Wake-upフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態のタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応答を送信
する。
6.1.11.2.13 Wake-up[必す(須),非終端処理非スロット化タグ用]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0xC4
非終端処理非スロット化タグだけ,Wake-upコマンドを受信した場合,応答シーケンスを開始しなけれ
ばならない(図30参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図30−Wake-upフォーマット
RFタグ応答
非終端処理非スロット化RFタグは,応答を送信しなければならない。
6.1.11.2.14 Global reset(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0xD4
すべてのタグは,Global resetコマンドを受信した場合,準備完了状態に遷移しなければならない(図31
参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図31−Global-resetフォーマット
RFタグ応答
タグ応答なし。
6.1.11.2.15 Selective stand-by(任意選択)
6.1.11.2.15.1 Selective stand-by with TEL
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x(0〜F)8
コマンドは4ビットのTELレベルTTTT(0〜F)を搬送する。
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Selective stand-byコマンドを受信した場合は,次による。
アクティブ状態にあるすべてのタグは,待機状態に遷移しなければならない。
タグが現在のスロット内で応答完了し,それらのコマンド内と合致したTELビット(MSN内のTTTT)
をもつ場合,タグはアクティブ状態に移動しなければならない。
タグが現在のスロット内で応答完了し,非合致TELビットをもつ場合は待機状態に移動する(図32参
照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図32−Selective-stand-by with TELフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態にあるRFタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応
答を送信しなければならない。
6.1.11.2.15.2 Selective stand-by without TEL
コマンドコード=0x25
標準プロトコルのSelectコマンドは,初期応答にUIDを含むRFタグに対してSelective stand-byコマン
ドを送信する(UIDビットはプリアンブル内で1に設定。)。
この形式のSelective stand-byコマンド(選択)を受信した場合は,次による。
アクティブ状態にあるすべてのタグは,待機状態に遷移しなければならない。
現在のスロット内で応答完了したタグで,コマンド内のそれと合致したUIDをもっている場合,タグは
アクティブ状態に移動しなければならない。
現在のスロット内で応答完了したタグで,合致しないUIDをもっている場合は待機状態に移動する(図
33参照)。
SOF
フラグ
選択
製造者タグID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図33−Selective-stand-by without TELフォーマット(選択)
RFタグ応答
アクティブ状態にあるRFタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応
答を送信しなければならない。
6.1.11.2.16 New round size[必す(須)]
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x(0〜7)C
このコマンドは,3ビットのラウンドサイズRRR(0〜7)を搬送する(表6参照)。
New round sizeコマンドを受信した場合,アクティブ状態のタグは,コマンドに含まれる値及び新たな
最大値(0RRR)から再計算されたランダム応答スロット番号に対するタグのラウンドサイズを更新しなけ
ればならない。それらのタグはそのとき,現在のスロット番号を一つであると想定する(図34参照)。
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表6−New-round-size値
コマンドコード
0RRR1100
ラウンドサイズ
00001100
RFU
00011100
8
00101100
16
00111100
32
01001100
64
01011100
128
01101100
256
01111100
RFU
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図34−New-round-sizeフォーマット
RFタグ応答
アクティブ状態にあるRFタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応
答を送信しなければならない。
6.1.11.2.17 Comparison(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0x(8〜F)C
Comparisonコマンドはアクティブ状態のタグを,送信された更なるコマンドデータのバイトとともに特
別なタグページ中のバイトの組合せを合致させることによって,アクティブ状態に残しておくことを可能
にする。選択基準に適さないタグは待機状態に送られる。
逆ロジックを使ってタグを比較するために,アクティブ状態のタグは,はじめに通常のロジックで比較
し,その後,Reset active tagsコマンドによって準備完了状態に移動する。その後で,待機状態のタグを
Re-enter roundコマンドによってアクティブ状態に移す。
比較の改良は,比較規準によってタグを漸次比較(及び同時に消去)することによって機能する。
比較はメモリの比較ページ上で機能する。コマンドの比較ビット(CCC)は比較機能を表し,これにつ
いては表7のリストに記載する。
B0,B1,B2,及びB3は,最下位バイトを表すB0とともに,それぞれ比較ページ又は比較データ内の
8ビットを示す。
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表7−比較機能
コマンドコード
1CCC1100
比較機能
10001100
タグメモリ内比較データの内容=コマンド内の比較データ
10011100
コマンド内比較データのB0〜B1を伴うタグメモリ内比較データのB0〜B1は,マスクとし
てコマンド内比較データのB2〜B3を使用する。
10101100
コマンド内比較データのB0〜B1を伴うタグメモリ内比較データのB2〜B3は,マスクとし
てコマンド内比較データのB2〜B3を使用する。
10111100
タグメモリ内比較データのB0≦コマンド内比較データのB0
11001100
タグメモリ内比較データのB0〜B1≦コマンド内比較データのB0〜B1
11011100
タグメモリ内比較データの内容≦コマンド内比較データ
11101100
RFU
11111100
RFU
マスクとの比較は,メモリ内比較ページデータの16ビットとComparisonコマンドの比較データのB2
〜B3(最上位16ビット)との間のビット単位での比較を実行する(図35参照)。比較のために16ビット
マスクを使用する場合,マスクビットは,メモリ内で対応するビット位置を考慮する必要があることを示
す場合は1とし,メモリ内で対応するビット位置を無視すべきことを示す場合は0とする。
比較“以下”の状態では,関連バイトが比較されたに過ぎないので,32ビットは比較データの一部とし
て送られる。
“より大きい”機能は比較“以下”として除外されたタグによって実行できる。“数number未満”機能
は,未満になるよう要求した数numberより一つ少ない数を選ぶことによって実行できる(図36参照)。
SOF
フラグ
プロトコル拡張バイト
比較ページ
比較データ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
8ビット
32ビット
16ビット
図35−Comparisonフォーマット
マスク
データ
比較データのB2〜B3
比較データのB0〜B1
16ビット
16ビット
図36−比較するマスク及び比較データ
RFタグ応答
アクティブ状態にあるRFタグは,現在のスロット番号がランダムスロット番号に等しい場合,初期応
答を送信する。
6.1.11.2.18 Set protocol default parameters(任意選択)
コマンドコード(プロトコル拡張バイト)=0xE4
すべてのアクティブ状態のタグは,Set protocol default parametersコマンドを受信した場合,コマンドに
含まれた値によって,不揮発性メモリ内の,初期ラウンドサイズ,スタートアドレス及びストップアドレ
スのために新しい値をプログラムする。ストップアドレスは,記憶する初期値のためにスタートアドレス
より大きくなければならない。RFUビットを0にセットし,ラウンドサイズは表6に従って確定する。こ
のコマンドを実装していない場合は,初期ラウンドサイズを8,初期スタートページ及びストップページ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
をページ1にする(図37参照)。
SOF
フラグ
プロトコル
拡張バイト
RFU
初期ラウンド
サイズ
初期スタート
アドレス
初期ストップ
アドレス
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
5ビット
3ビット
8ビット
8ビット
16ビット
図37−Set protocol default parametersフォーマット
RFタグ応答
タグ応答なし。
6.1.12 エアインタフェースアプリケーションレイヤ
6.1.12.1 構造
アプリケーションレイヤは,リーダライタ内部で決定しコントロールすることとし,エアインタフェー
スを介して搬送してはならない。
6.2
モード2:この規格のモード2のための物理レイヤ,衝突管理システム及びプロトコル
モード2は,この規格で規定されたその他の一切のモードと相互運用できない。
モード2は,この規格で規定されたその他の一切のモードとは非干渉である。
モード2のための性能及び適合性の測定上の特徴は,テクニカルレポート(ISO/IEC TR 18046及び
ISO/IEC TR 18047-3)の関連箇条に適合しなければならない。
6.2.1
規定の特徴:物理的及びメディアアクセスコントロール(MAC)パラメタ:リーダライタからタ
グへのリンク
表8参照。
表8−物理的及びメディアアクセスコントロール(MAC)パラメタ:リーダライタからタグへのリンク
参照
パラメタ名
内容
M2-Int: 1
動作周波数帯域
13.56 MHz±7 kHz
M2-Int: 1a
初期動作周波数
13.56 MHz
M2-Int: 1b
動作チャネル(スペクトル拡散システム用)
N/A
M2-Int: 1c
動作周波数精度
百万分の±100
日本:百万分の±50
M2-Int: 1d
周波数ホップレート
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
N/A
M2-Int: 1e
周波数ホップシーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
N/A
M2-Int: 2
占有チャネル帯域幅
変調側帯幅は,振幅が非常に低いが幅広く拡散す
る。これらはETSI及びFCCの規制を満たしている
(日本の電波法では,占有チャネル帯域幅は規制さ
れていない。)。
M2-Int: 2a
受信機最小帯域幅
タグチャネル又は関連するチャネルの受信に適し
ている。
M2-Int: 3
リーダライタ伝送最大EIRP
13.56 MHzシステムのパラメタと無関係。
最大EIRPは装置によって決まる。
フィールド強度が許容する帯域幅内で,ETSI及び
FCCの最大値に適合する(日本の電波法では,リー
ダライタの伝送最大EIRPは規制されていない。)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8−物理的及びメディアアクセスコントロール(MAC)パラメタ:リーダライタからタグへのリンク
(続き)
参照
パラメタ名
内容
M2-Int: 4
リーダライタ伝送スプリアス放出
M2-Int: 4a
リーダライタ伝送スプリアス放出,帯域内
(スペクトル拡散システム用)
N/A
M2-Int: 4b
リーダライタ伝送スプリアス放出,帯域外
フィールド強度が許容する帯域幅の最も外側は
ETSI,ARIB STD-T82及びFCCに適合。
M2-Int: 5
リーダライタ送信機スペクトルマスク
フィールド強度が許容する帯域幅の最も外側は
ETSI,ARIB STD-T82及びFCCに適合。
M2-Int: 6
タイミング
M2-Int: 6a
送信から受信への方向転換時間
0〜50 µs
M2-Int: 6b
受信から送信への方向転換時間
クラス1:0〜100 µs
クラス2:装置によ(依)る。
M2-Int: 6c
滞留時間又はリーダライタ伝送電源オンランプ 0〜10 µs
M2-Int: 6d
減衰時間又はリーダライタ伝送電源オフランプ 0〜10 µs
M2-Int: 7
変調
PJM(位相ジッター変調)
最小レベル±1.0°最大レベル±2.0°
M2-Int: 7a
拡散シーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
N/A
M2-Int: 7b
チップレート(スペクトル拡散方式用)
N/A
M2-Int: 7c
チップレート精度(スペクトル拡散方式用)
N/A
M2-Int: 7d
変調指数
N/A(システムは振幅変調ではない。)
M2-Int: 7e
負荷サイクル
N/A
M2-Int: 7f
FM偏差
N/A
M2-Int: 8
データ符号化
修正周波数変調(MFM)(図41参照)
M2-Int: 9
ビットレート
423.75 kbit/s
M2-Int: 9a
ビットレート精度
搬送周波数に同期する。
M2-Int: 10
リーダライタ伝送変調精度
N/A
M2-Int: 11
プリアンブル
MFM符号化違反を含む。
M2-Int: 11a
プリアンブル長
16ビット
M2-Int: 11b
プリアンブル波形
コマンドフラグは,コマンドの開始及びビット間
隔のタイミングを規定する。
フラグは三つのパートで構成される。
− 有効MFMデータの9ビット同調列
− 普通のデータでは現れないMFM符号化違反。
違反は2ビット間隔,1.5ビット間隔及び2ビ
ット間隔に分かれて変化した四つの状態の連
続からなる。4番目の遷移のエッジはビット間
隔の最初を確定する。
− 末尾の0はフラグの終わりを示す(図38参
照)。
M2-Int: 11c
ビット同期シーケンス
M2-Int: 11b参照
M2-Int: 11d
フレーム同期シーケンス
M2-Int: 11b参照
M2-Int: 12
スクランブリング(スペクトル拡散システム用) N/A
M2-Int: 13
ビット伝送順序
最下位ビットファースト
M2-Int: 14
ウェイクアッププロセス
リーダトークファースト(RTF)システム。タグ
は,リーダライタから有効なコマンドを受け取る
まで応答できない。
M2-Int: 15
偏波
N/A
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Flag
Flag 2
Bit Interval
Flag 1
MFM Encoding Violation
Synchronising String
図38−二つの可能なコマンドフラグ
6.2.2
タグからリーダライタへのリンク
表9参照。
表9−タグからリーダライタへのリンク
参照
パラメタ名
内容
M2-Tag:1
動作周波数帯域
13.56 MHz±3.013 MHz
M2-Tag: 1a
初期動作周波数
N/A−システムは初期動作周波数に依存しない。
M2-Tag: 1b
動作チャネル
(スペクトル拡散システム用)
多重周波数動作システムでは,タグは八つの応答チ
ャネルから選択できる。タグは,選んだチャネルを
使って応答全体を送信する。タグは,八つの副搬送
波の内の一つを使うことができる。副搬送波は,電
源供給フィールド周波数の分割によって生成され
る。
チャネル
周波数
kHz
分割率
A
969
14
B
1233
11
C
1507
9
D
1808
7.5
E
2086
6.5
F
2465
5.5
G
2712
5
H
3013
4.5
M2-Tag: 1c
動作周波数精度
搬送周波数に同期
M2-Tag: 1d
周波数ホップレート
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
タグは,選んだチャネルを使って応答全体を送信す
る。
M2-Tag: 1e
周波数ホップシーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
応答チャネルは,タグによってランダムに選ばれる。
M2-Tag: 2
占有チャネル帯域幅
八つの応答チャネルそれぞれに106 kHz
M2-Tag: 3
伝送最大EIRP
N/A
M2-Tag: 4
伝送スプリアス放出
N/A
M2-Tag: 4a
伝送スプリアス放出,帯域内
(スペクトル拡散システム用)
N/A
同調列
MFM符号化違反
ビット間隔
フラグ
フラグ2
フラグ1
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表9−タグからリーダライタへのリンク(続き)
参照
パラメタ名
内容
M2-Tag: 4b
伝送スプリアス放出,帯域外
N/A
M2-Tag: 5
伝送スペクトルマスク
N/A
M2-Tag: 6
M2-Tag: 6a
送信から受信への方向転換時間
0〜200 μs
M2-Tag: 6b
受信から送信への方向転換時間
50〜100 μs
M2-Tag: 6c
滞留時間又は伝送電源オンランプ
N/A
M2-Tag: 6d
減衰時間又は伝送電源オフランプ
N/A
M2-Tag: 7
変調
変調をロード
M2-Tag: 7a
拡散シーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
タグは,ランダムに選択したチャネル又はリーダラ
イタが選択したチャネルで応答全体を伝送する。
M2-Tag: 7b
チップレート
(スペクトル拡散システム用)
N/A
M2-Tag: 7c
チップレート精度
(スペクトル拡散システム用)
N/A
M2-Tag: 7d
オンオフ比率
N/A
M2-Tag: 7e
副搬送波周波数
八つの副搬送波周波数が利用できる。
チャネル
周波数
kHz
分割比率
A
969
14
B
1233
11
C
1507
9
D
1808
7.5
E
2086
6.5
F
2465
5.5
G
2712
5
H
3013
4.5
M2-Tag: 7f
副搬送波周波数精度
副搬送波に同期する。
M2-Tag: 7g
副搬送波変調
BPSK(2相偏移変調)
M2-Tag: 7h
負荷サイクル
N/A
M2-Tag: 7I
FM偏差
N/A
M2-Tag: 8
データ符号化
MFM(修正周波数変調)(図44参照)
M2-Tag: 9
ビットレート
105.937 5 kbit/s
M2-Tag: 9a
ビットレート精度
搬送周波数に同期
M2-Tag: 10
タグ伝送変調精度
[周波数ホッピング(FHSS)システム用]
N/A
M2-Tag: 11
プリアンブル
MFMコード化違反を含む。
M2-Tag: 11a
プリアンブル長
16ビット
M2-Tag: 11b
プリアンブル波形
応答フラグは,応答の開始及びビット間隔のタイミ
ングを規定する。
フラグは三つのパートで構成される。
− 有効MFMデータの9ビット同調列
− 普通のデータでは現れないMFM符号化違反。違
反は2ビット間隔,1.5ビット間隔及び2ビット
間隔に分かれて変化した四つの状態の連続から
なる。4番目の遷移のエッジはビット間隔の最初
を確定する。
− 末尾の0はフラグの終わりを示す(図39参照)。
M2- Tag: 11c ビット同期シーケンス
M2-Tag: 11b参照
M2- Tag: 11d フレーム同期シーケンス
M2-Tag: 11b参照
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表9−タグからリーダライタへのリンク(続き)
参照
パラメタ名
内容
M2- Tag: 12
スクランブリング(スペクトル拡散システム用) N/A
M2- Tag: 13
ビット伝送順序
最下位ビットファースト
M2- Tag: 14
予約
M2- Tag: 15
偏波
N/A
M2- Tag: 16
最小タグ受信機帯域幅
図40参照
同調列
フラグ
ビット間隔
MFM符号化違反
フラグ1
フラグ2
図39−二つの可能な応答フラグ
6.2.3
動作方法の解説
6.2.3.1
一般
6.2.3では,リーダライタとタグとの間のエアインタフェースの特性を規定する。その詳細は,リーダラ
イタとタグとの電力の移送及び双方向通信である。
タグは受動(パッシブ)形である。電力はリーダライタ及びタグの二つのアンテナを使い,高周波磁気
フィールドによってリーダライタからタグに送られる。電力供給フィールド周波数fcは13.56 MHz±7 kHz
である。リーダライタは,リーダライタ動作領域の内側のすべての位置でタグに電力を供給する能力がな
ければならない。
コマンドは,電力供給フィールドの位相ジッター変調(PJM)によってリーダライタからタグへ送信さ
れる。PJM内のデータは,電源供給フィールド内でごく小さな位相変化として伝送される。それらの位相
変化は,±1.0°〜±2.0°の間である。PJMでは,タグへ電力を移送中に減衰はない。PJMの帯域幅は,
従来の両側帯波を含むデータよりも広くはない。側帯域レベル及びデータレートは切り離される。これは
データレートに影響する場合を除き,いかなるレベルにも任意に側帯域レベルを設定することを可能にす
る。位相ジッター変調は,附属書Aに示す。
コマンドデータレートは,423.75 kbit/s修正周波数変調(MFM)を使用して符号化する。
エアインタフェースは,全二重通信リンクとして機能する。全二重伝送で動作するリーダライタは,PJM
コマンドを送信しながら同時に複数タグからの応答を受信することができる。タグは半二重伝送で動作す
る。
副搬送波によってタグアンテナコイルと交わる電圧の変調による誘導結合によって,タグはリーダライ
タに返信する。副搬送波は,電力供給フィールドの周波数を分割することによって生まれる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
タグは,969 kHz〜3 013 kHzの間の八つの副搬送波周波数から一つを選択できる。応答データレートは,
105.937 5 kbit/s修正周波数変調(MFM)を使用して符号化し,2相偏移変調(BPSK)で副搬送波上に変調
される。
異なるチャネルでのタグ応答を保証するために,タグ応答同時受信は,データ及び副搬送高調波レベル
を減らすために帯域幅は制限される。
リーダライタの“受信から送信への方向転換時間”は,二つのクラスを定義している。性能を重視する
実装の場合,普通はクラス1の受信から送信への方向転換時間を選ぶ。高速での動作が重要な意味をもた
ない低価格の実装においては,アプリケーションのニーズが受信から送信への方向転換時間を決定するク
ラス2の受信から送信への方向転換時間を選択する。いずれのオプションでも対応する。
6.2.3.2
リーダライタからタグへの通信信号インタフェース
コマンドは,電力供給フィールドのPJMによってリーダライタからタグに伝送される。コマンドデータ
レートは,423.75 kbit/sで,かつ,すべてのコマンドはPJM変調より前にMFMを符号化する。
6.2.3.2.1
変調
コマンドは,電源供給フィールドのPJMによってリーダライタからタグに伝送される。PJM内のデータ
は,電源供給フィールド内でごく小さな位相変化として伝送される。これは,データレートへ影響する場
合を除き,いかなるレベルにも任意に側帯域レベルを設定することを可能にする。
タグは,該当するFCC及びETSI規則に適合した最小PJM側波帯レベルによって意図したとおりに動作
する。リーダライタ磁界のPJM位相偏移波形を,図40に示す。
図40−コマンド変調の図
6.2.3.2.2
データレート及びデータ符号化
符号化されたコマンドデータのレートは,423.75 kbit/s(fc/32)である。コマンドデータの符号化に使用
するビット間隔の周期は,2.359 9 µsである。
すべてのコマンドは,PJM変調の前にMFMを符号化する。ビットは,MFM符号化ルールを使って符号
化される。MFMは,バイナリ符号化方式で最も低い帯域幅を占有する。ビット値は,状態の変化によっ
て決定される。それらの符号化ルールは,次のとおりに規定される。
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− ビット1は,ビット間隔の中間において状態が変化することと定義される。
− ビット0は,ビット間隔の始まりにおいて状態が変化することと定義される。
− ビット0がビット1の直後に続く場合,状態は変化しない。
バイナリ列000100のMFM符号化コマンドの一例を,図41に示す。
図41−MFM符号化コマンド及びバイナリ000100のタイミング
6.2.3.2.3
リーダライタからタグへのフレーム
コマンドフラグは,コマンドの開始及びビット間隔タイミングを決める。フラグは,三つのパートで構
成される。
− 有効なMFMデータの9ビットの同調列
− MFM符号化違反は通常のデータ中には現れない。違反は,2ビット間隔,1.5ビット間隔及び2ビッ
ト間隔のシーケンスからなる。第4遷移のエッジは,ビット間隔の始まりを決める。
− 末尾の0はフラグの終わりを定義する。
二つの可能なコマンドフラグのための同調列,符号化違反及び末尾の0は,図42に示す。
図42−二つの可能なコマンドフラグのためのMFM符号化及びタイミング
6.2.3.3
タグからリーダライタへの通信信号インタフェース
応答は,BPSK変調装置よりMFM符号化を優先する。タグ応答は,選ぶことができる八つの変調副搬
送波の一つを使用する。
6.2.3.3.1
副搬送波
タグは,八つの副搬送波の内の一つを使うことができる。副搬送波は,電力供給フィールド周波数の分
割によって生成される。チャネル周波数及び分割比率を,表10に示す。
同調列
MFM符号化違反
ビット間隔
フラグ
フラグ2
フラグ1
2.36 μs 4.72 μs
3.54 μs 4.72 μs
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表10−チャネル周波数及び分割比率
チャネル
周波数
kHz
分割比率
A
969
14
B
1233
11
C
1507
9
D
1808
7.5
E
2086
6.5
F
2465
5.5
G
2712
5
H
3013
4.5
6.2.3.3.2
変調
タグは,タグアンテナコイルにかかった電圧が副搬送波によって変調された誘導結合によってリーダラ
イタに応答する。変調は,インピーダンス変調に基づく。符号化されたデータは,BPSK変調として副搬
送波を変調する。
システムは地域的な規制を尊重しなければならない。タグが別々のチャネルを使ってする応答の同時受
信を確実にするという要請に従って,すべてのタグ応答は,データ及び副搬送波高調波レベルを減らすた
めに帯域を制限しなければならない。
注記 例えば,105.937 5 kbit/s MFM符号化全0データストリーム用のタグ応答スペクトルは,図43
に示したタグ応答マスクの範囲内で確定する。そのようなマスク制限はITU地域1及び2に適
合し,かつ,日本の規制も満たす。
注記 図はタグ応答の上限帯域で,同じマスクは下方側波帯を適用する。
図43−タグ応答マスク
6.2.3.3.3
データレート及びデータ符号化
符号化された応答データレートは,105.937 5 kbit/s(fc/128)である。コマンドデータ符号化に使用する
リーダライタ搬送周波数
他のデータ高調波及び
変調副搬送波高調波
第3高調波
13.56 MHz
13.56+3.10 MHz
20 dB
13 dB
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ビット間隔の周期は9.439 5 µsである。BPSKを変調に使用する。
タグ応答は,八つの選択可能な変調された副搬送波の一つを使用する。副搬送波は,電力供給フィール
ドの分割によって生成される。応答はMFMを使用して符号化され,2相偏移変調(BPSK)として副搬送
波上に変調される。
MFM符号化ルールは,6.2.3.2.2参照。バイナリ列000100の応答MFM符号化の一例を,図44に示す。
図44−応答MFM符号化及びバイナリ000100のタイミング
6.2.3.3.4
タグからリーダライタへのフレーム
応答フラグは,応答の開始及びビット間隔タイミングを決める。応答フラグは,三つのパートで構成さ
れる。
− 有効なMFMデータの9ビットの同調列。
− MFM符号化違反は通常のデータ中には現れない。違反は,2ビット間隔,1.5ビット間隔及び2ビッ
ト間隔のシーケンスからなる。第4遷移のエッジは,ビット間隔の始まりを決める。
− 末尾の0。
二つの可能な予定応答フラグのための同調列,符号化違反及び末尾の0は,図45に示す。
図45−二つの可能な予定応答フラグのためのMFM符号化及びタイミング
同調列
MFM符号化違反
ビット間隔
フラグ
フラグ2
フラグ1
9.44 μs
18.88 μs 14.16 μs
18.88 μs
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6.2.4
プロトコルパラメタ
表11参照。
表11−プロトコルパラメタ
参照
パラメタ名
内容
M2-P: 1
Who talks first
リーダライタトークファースト(RTF)システム。リーダライタからの
有効なコマンドを受け取らない限り,タグは応答しない。
M2-P: 2
タグアドレス指定能力
あり。タグは個別又はグループとしてアドレス指定できる。
M2-P: 3
タグUID
M2-P: 3a
UID長
64ビット(32ビット固有識別子,16ビットアプリケーショングループ
識別子及び16ビット製造者識別子)
M2-P: 3b
UIDフォーマット
6.2.5.6〜6.2.5.9参照
M2-P: 4
読取りサイズ
2バイト(16ビット)から最大メモリサイズまで。
M2-P: 5
書込みサイズ
最小書込みサイズ及び最大書込みサイズは,6.2.5.14での定義の指示に従
って,メモリ技術に左右される。
M2-P: 6
読取り処理時間
16ビット(2バイト)当たり1.282 ms+150 µs
M2-P: 7
書込み処理時間
16ビット(2バイト)当たり1.282 ms+75.5 µsで,メモリ消去及び書込
み時間は含まない。
M2-P: 8
エラー検出
リーダライタからタグは16ビットCRC,タグからリーダライタは32ビ
ットCRC
M2-P: 9
エラー収集
なし
M2-P: 10
メモリサイズ
製品によ(依)る。技術的な制限はなし。
M2-P: 11
コマンド構造及び拡張性 コマンドフィールドは16ビットの長さで,16ビットブロック単位で限
界なしに拡張できる。八つのコマンドタイプそれぞれに対して16の拡張
タイプが現在利用可能。
6.2.5
プロトコル操作方法の解説
6.2.5.1
概観
タグはパッシブで,電源はリーダライタ及びタグの二つのアンテナを使用し高周波電磁フィールドを経
由してリーダライタからタグへ伝送される。
リーダライタとタグとの交信は,リーダトークファースト(RTF)ベースで行われる。電源供給フィー
ルドによるタグの活性化に続いて,タグは有効なコマンドを静かに待つ。有効なコマンドを受け取った後,
タグはコマンドに対して応答を送信する。
位相ジッター変調(PJM)を使用する(6.2.3を参照)。
タグメモリは1メガビット以上に拡張することができ,したがって,システムは製品の定義及び設計を
条件として本来的にアップグレード可能である。
複数タグ識別は,周波数及び時分割多重アクセス(FTDMA)の組合せを利用して実行する。タグは八つ
の応答チャネルを利用することが可能である。有効なコマンドへの反応として,それぞれのタグは応答を
送信するためのチャネルをランダムに選ぶ。応答は,選択したチャネルを一回使って伝送される。次の有
効なコマンドを受け取るまで,それぞれのタグは新しいチャネルをランダムに選び,新しく選んだチャネ
ルを使って応答を送る。ランダムチャネル選択を使った周波数ホッピング応答の方法は,それぞれ次の有
効コマンドのために繰り返される。ランダムミュートは,多数のタグを識別する場合に不可欠である。す
べてのFTDMA及びタイムパラメタはコマンドによって決まる。
すべてのコマンドは時間がしる(印)されており,タグはリーダライタに入った後に受け取った最初の
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タイムスタンプを記憶する。記憶されたタイムスタンプは,タグがリーダライタに最初に入った時間を正
確に定め,識別の速さとは切り離されたタグ処理順序決定の高い解決方法を提供する。
電源供給フィールドの方向性にむらのあるリーダライタによるスイッチングによって起きる電源異常の
間,データ内容を保持するために,タグの一時的な設定はタグメモリに保管しなければならない(例えば,
TRAMのような技術を用いることで)。
6.2.5.2
データ要素の定義
データ読取りは,有効なコマンドによってチップメモリからデータを読み取る。
データ書込みは,有効なコマンドによってチップメモリにデータを書き込む。
データ記憶は,チップメモリにデータを記憶する。
ハードコードデータは,仮想チップROMのデータである。
6.2.5.3
RFタグメモリ構成
この規格は,タグメモリの実質的な用語について説明し,いかなるタグメモリに関しても物理的実装を
制限するものではない。
タグメモリは,表12に示すように三つの領域に分けられる。
表12−タグメモリ領域
メモリ領域
コメント
製造者システムメモリ領域
チップ製造,タグ製造及び製造検査の過程で,設
定及び固定されたすべてのフィールドを含む。
ユーザシステムメモリ領域
ユーザの要求によって設定及び固定
ユーザメモリ領域
ユーザの要求によって設定及び固定
4kビット又はそれ以下の仮想メモリが付いたタグは,8ビットアドレス及び8ビット長フィールドを使
用する。4kビットより大きい仮想メモリが付いたタグは,8ビット及び16ビットのビットアドレス,並び
に8ビット長及び16ビット長フィールドの両方を許容しなければならない。
タグメモリは,タグ識別子,コンフィギュレーション及びユーザ定義領域を含む。仮想メモリマップ(表
13参照)は定義済みのフィールドを含む。すべての定義済みフィールドのビット領域は,前述のとおり最
下位フィールドビットが下部仮想メモリビットアドレスに保存されている。
仮想メモリは16ビットワードとして構成され,アドレス指定されている。モード2は,1ブロックが一
つ又はそれ以上の16ビットワードであるような様々なメモリブロックサイズのタグタイプに関する規定
を用意している。Readコマンドは0又はそれ以上のワードを読み取る。書込み可能ワード数がメモリ構造
によって決定されている場合,Writeコマンドは全部のワードを書き込む。
ワード0から9までの仮想メモリブロックサイズは,最大2ワードまでのメモリの残りと等しくなけれ
ばならない。メモリはロックされる。一度ロックされたメモリに上書きすることはできない。
6.2.5.4
仮想タグメモリ
表13に,タグの仮想メモリ配置を示す。
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表13−仮想メモリマップ
ワード
番号
メモリ
タイプ
コメント
レジスタ
ビット番号
15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
0
製造者シス
テムメモリ
確定領域
RFM
製造者用予備
1
MC
製造者コード
2
SID0
特定識別子0
3
SID1
特定識別子1
4
ユーザシス
テムメモリ
確定領域
GID
アプリケーショングループ識別子
5
CID
条件識別子
6
CW
コンフィギュレーションワード
7
ユーザメモ
リ
パスワードを要
求されない場合
は未確定
PW0
パスワード0
8
PW1
パスワード1
9
PW2
パスワード2
10以上
未確定領域
特定識別子0及びパスワード0は,複数ワード領域の最下位ワードである。
6.2.5.5
ロックポインタ
ロックポインタは16ビット仮想領域であり,上書きからタグメモリを保護するために使用する。領域は,
メモリ内のワードを示す。ロックポインタに保存された数以下のアドレスにおいて,すべての完成メモリ
ブロックは上書きすることはできない。リーダライタコマンドは,ロックポインタを減少できない。
ロックポインタは,アドレス指定できない仮想メモリ位置に位置している。
6.2.5.6
固有識別子(UID)
モード2の固有識別子は,製造時に永久的に設定される。固有識別子は,ISO/IEC 15963に従い,論理
64ビットブロックで構成しなければならない。タグの物理的実装は,製造者にゆだ(委)ねられている。
64論理ビットは三つのパートで構成されている(図46参照)。
モード2タグUIDマスク
マスク1
マスク2
マスク3
製造者コード
アプリケーショングループ識別子
特定識別子
16ビット
16ビット
32ビット
Afi/Asf 決定していない
バイナリ値を連続発行
図46−UIDの論理構造
6.2.5.7
製造者コード
製造者コードは,16ビットのマスクである。
システムの物理的操作は,このマスクがバイナリ値で存在することだけを要求している。
一方,製造者を一意的に特定するために,ISO/IEC 15963に従って登録を行わなければならない。
このモードに対するタグからの伝送は,LSBファースト,及び表14の配置に従わなければならない。
実装例はISO/IEC 15963に従う。
製造者コードは,製造テストで設定された16ビットフィールドに設定する。製造者コードの符号化は,
表14に示した。
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表14−製造者コードフィールド
MSB
LSB
16 9
8 1
“E0”
JIS X 6320-6による製造者コード
6.2.5.8
アプリケーショングループ識別子(Afi及びAsf)
マスク2は,16ビットである。
システムの物理的操作は,このマスクがバイナリ値で存在することだけを必要とする。
このマスクの目的は,アプリケーション又はタグファミリの識別である。
ISO/IEC 15962において定義されたAfi及びAsfグループ識別のために,このマスクの最初のオクテッ
トが使われることを推奨する。
注記 ISO/IEC 15962,Information technology−Radio frequency identification (RFID) for item management
−Data protocol: data encoding rules and logical memory functions
最初の論理的な4ビットは,Afi(応用分野識別子)のために使われなければならない。また,2番目の
4ビットは,ISO/IEC 15962に従ってAsf(アプリケーションサブファミリ)のために使わなければならな
い。
このマスクの2番目のオクテットは詳細を定めず,タグのグループが分離されることを可能にするため
に更なる下位分類を提供する機会を提供する。
6.2.5.9
特定識別子
マスク3は,32ビットである。
これは製造時に割り当てられ,製造者によってシーケンシャルに発行され,また,製造者が再利用して
はならない固有バイナリ値を提供する。
これは製造者のために固有タグIDを提供する。
この個別識別子の値,アプリケーショングループ識別子及び製造者コードの組合せは,永久的かつ明確
な個別のタグの識別として提供しなければならない。
識別子はタグを厳密に識別し,確実な通信を可能にする。製造検査ソフトは,個別識別子が,タグがこ
の識別子とともにロードされる度ごとに増加されることを保証しなければならない。
6.2.5.10 条件付識別子
タグUIDに加えてタグメモリは,条件付識別子(CID)として知られる追加のマスクをもたなければな
らない。マスクは,2オクテット(16ビット)でなければならない。
システムの物理的操作は,このマスクがバイナリ値で存在することだけを要求している。
CIDは製造者によって(例えば製造者のデータのように)提供されるか,又は後で提供されてもよい。
この規格はCIDが製造者でプログラムされるか,又は後でプログラムされるかどうかを規定しない。し
かし製造者はそれらのオプションについて決定し,後にCIDを必ず使えるようにしなければならない。
例 CIDは,日付の条件によってアクセスの可否を可能とするようなデータコードを提供できる。例
えば,タグがCIDの前に製造されているか又は後かで,除外又は選択ができる。
6.2.5.11 コンフィギュレーションワード
コンフィギュレーションワードは,16ビットフィールドでユーザによって設定される。タグコンフィギ
ュレーションは通常,アプリケーションに適するように設定する。コンフィギュレーションワードのため
の符号化を,表15に示す。
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表15−コンフィギュレーションワードフィールド
コンフィギュレーションワード・フィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0〜14
RFU
“0”にセットしなければならない。
ビット15
パスワード
0
パスワード不要
1
パスワード必要
6.2.5.12 パスワード
パスワードフィールドは,ユーザによって設定された48ビット識別子である。それは,メモリアクセス
のセキュリティレベルを提供するために使用される。タグが“パスワード不要”に設定された場合,パス
ワードメモリスペースはユーザメモリのために解放される。タグが“パスワード必要”に設定された場合,
パスワードを読み取ることはできない。
6.2.5.13 ユーザメモリ
ユーザは,ユーザメモリを設定する。
6.2.5.14 ハードコード
ハードコードは16ビットワードとしてフォーマットされて,幾つかのタグタイプに含められている。こ
の規格は実際的な用語に限ってハードコードを説明し,ハードコードの物質的実装については限定しない。
ハードコードは,メモリサイズ及びメモリブロックサイズを含むタグパラメタを定義する。
通常応答では,最初にハードコードワード,続いてタイムスタンプ,次に残りの応答が伝送される。す
べてのハードコードワードのMSBは,“1”にセットしなければならない。ハードコードの符号化を,表
16に示す。
表16−ハードコードフィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0〜6
パラメタ・機能
00h
4ワードユニット内のメモリ容量(LSB)
01h
4ワードユニット内のメモリ容量(MSB)
02h
ワードのメモリブロックサイズ
03h
ワードのメモリ副ブロックサイズ
04h
100 μsユニット内のメモリ消去時間+書込み時間
05h〜7Fh
RFU
ビット7〜14
コード・値
00h〜FFh
16進値は,パラメタ又は,機能に結びついたコード
ビット15
MSB
“1”にセットしなければならない。
一つのタグでの例:
− メモリ8 192ビット(512ワード,128×4ワードユニット)
− 4ワードメモリブロックサイズ
− 1ワードメモリ副ブロックサイズ
− 4 msメモリ消去+書込み時間(40×100 μsユニット)
次のハードコードをもつ:
− メモリサイズ
C000h
− ブロックサイズ
8202h
− 副ブロックサイズ 8083h
40
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 消去+書込み時間 9404h
上の例内で:
− メモリサイズMSBは,すべの値のビットが“0”なので使用しない。
− 1ワードの副ブロックサイズ及び4ワードのブロックサイズは,ブロックの範囲内ですべてを書き込
むことができる1,2,3及び4のメモリワードを示す(ブロック境界線を超えて書くことはできない。)。
注記 上記の例において,副ブロックサイズがないと指定されている場合,ブロックの範囲内ですべ
てを書き込むことができるのは,4ワードメモリだけである。
ブロックサイズの始点は,ワード0である。
副ブロック間隔が与えられず,そのためにメモリがブロック間隔でだけロックできる場合は,メモリは
副ブロック間隔においてロックできる。
6.2.5.14.1 タグ初期パラメタ
ハードコードが通常応答においてタグ初期パラメタを含まない場合,次のようになる。
ワード内のブロックサイズ
2
メモリ消去+書込み ミリ秒
10
ワード内のメモリサイズ
64
6.2.5.15 ブロックセキュリティステータス
6.2.5.5及び6.2.5.12を参照。
6.2.5.16 操作手順の解説
タグとリーダライタとの交信は,リーダトークファーストシステムに基づく。受け取られたコマンドが
有効な場合にだけタグはコマンドに応答する。コマンドは一般的に,タグを識別し,読取り,書込み,及
びメモリをロックするために用いられる。また,コマンドは,応答タイプ(短縮形又は通常)及び応答モ
ード(固定チャネル,ランダムチャネルなど)を決定する。通常の応答が全ハードコードとシステムメモ
リとを含むのに対して,短縮形応答は,通信をスピードアップするために用いられる。タイプにかかわり
なく,すべてのタグはユニバーサルグループコマンドを使用することによって識別される。ユニバーサル
グループコマンドは,タグが正常な応答を行うようにセットすることができる。正常な返答に含められる
ハードコード及びシステムメモリは,ユーザが他の有効なコマンドをタグに送ることができるように,十
分な情報を提供する。
様々な応答モードがリーダライタタイプ(単一又は複数チャネル)に適合するように,及びリーダライ
タ動作エリア内のタグ数に応じて交信がスピードアップするように選択される。
6.2.5.16.1 方法
6.2.5.1及び6.2.5.2参照。
6.2.5.16.2 コマンドフォーマット
コマンドフィールドのフォーマットを,表17に示す。すべてのフィールドは,最下位ビットファースト
で伝送される。複数ワードフィールドのために,最下位ワードの最下位ビットが,フィールドの最下位ビ
ットを定義する。上記の6.2.5.1及び6.2.5.2に分類したのと同様,すべてのコマンドは必す(須)である。
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表17−コマンドフィールド
コード
フィールド
ビット
コメント
F
フラグ
16
MFM違反シーケンス
Cd
コマンド
16
コマンドフィールド
Cn
コマンド番号
16
コマンド番号フィールド
SS
特定識別子
32
識別子フィールド
G
アプリケーショングループ識別子
16
識別子フィールド
Ci
条件付識別子
16
識別子フィールド
PPP
パスワード
48
識別子フィールド
R
読取り用のアドレス及び長さ
16
メモリ読取りのための8ビットアドレス及び8ビット
長フィールド
W
書込み用のアドレス及び長さ
16
メモリ書込みのための8ビットアドレス及び8ビット
長フィールド
Ra
読取り用のアドレス
16
メモリ読取りのための16ビットアドレスフィールド
Rl
読取り用の長さ
16
メモリ読取りのための16ビット長フィールド
Wa
書込み用のアドレス
16
メモリ書込みのための16ビットアドレスフィールド
Wl
書込み用の長さ
16
メモリ書込みのための16ビット長フィールド
D
書込みデータ
16
書かれるデータ
C
CRC
16
検証CRC
表18に,有効なコマンドの場合のためのフォーマットを示す。
パスワードフィールドはタグからの要求があった場合だけ,提供しなければならない。
読取り・書込みコマンドには単一ワード書込みも含まれる。
表18−有効コマンドフォーマット
コマンドタイプ
開始フィールド
識別子フィールド
アドレス及び長さフィールド
データ
CRC
グループ読取り
F [Cd] Cn
G Ci
[R]又は[Ra Rl]
C
個別読取り
F [Cd] Cn
SS
[R]又は[Ra Rl]
C
グループ読取り・書込み
F [Cd] Cn
G Ci |PPP|
[R W]又は[Ra Rl Wa Wl]
D
C
個別読取り・書込み
F [Cd] Cn
SS |PPP|
[R W]又は[Ra Rl Wa Wl]
D
C
最小コマンド長は7ワード(112ビット)である。
長さ0の書込みに対して,データは提供されない。複数ワード長に対して,後にCRCが続くそれぞれの
ワードが書かれる。二つのワード書込みのためのコマンドフォーマットを,表19に示す。
表19−有効複数ワードリード・ライトコマンドフォーマット
コマンドタイプ
開始フィールド
識別子フィールド
アドレス及び
長さフィールド
データ
CRC
データ
CRC
グループ
読取り・書込み
F [Cd] Cn
G Ci |PPP|
[R W]又は
[Ra Rl Wa Wl]
D
C
D
C
個別
読取り・書込み
F [Cd] Cn
SS |PPP|
[R W]又は
[Ra Rl Wa Wl]
D
C
D
C
すべての書込みコマンドにおいて,開始,識別子,又はアドレス及び長さフィールドが無効である場合,
タグメモリにはデータは書き込まれない。
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いずれかのCRCが無効の場合,タグは応答しない。
6.2.5.16.3 コマンドフィールド
6.2.5.16.3.1 フラグフィールド
フラグフィールドは,通常のデータでは存在しないMFM違反を含む。フィールドはコマンドの始まり
を指示する。
6.2.5.16.3.2 コマンドフィールド
コマンドフィールドの符号化を,表20に示す。
表20−コマンドフィールドビットの符号化
コマンドフィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0
コマンドタイプ
0
リードコマンド
1
リード・ライトコマンド
ビット1
識別子タイプ
0
個別コマンド
1
アプリケーショングループ条件(グループ)コマンド
ビット2
応答タイプ
0
短い応答
1
通常応答
ビット3
固定・ランダム
0
固定チャネル応答
1
ランダムチャネル応答
ビット4〜6
チャネル・ミュート率 000
[固定チャネル A]又は[ランダムチャネル ミュートなし]
001
[固定チャネル B]又は[ランダムチャネル 1/2ミュート]
010
[固定チャネル C]又は[ランダムチャネル 3/4ミュート]
011
[固定チャネル D]又は[ランダムチャネル 7/8ミュート]
100
[固定チャネル E]又は[ランダムチャネル 31/32ミュート]
101
[固定チャネル F]又は[ランダムチャネル 127/128ミュート]
110
[固定チャネル G]又は[ランダムチャネル 511/512ミュート]
111
[固定チャネル H]又は[ランダムチャネル 全ミュート]
ビット7
アドレス及び長さ
0
8ビットアドレス及び8ビット長フィールド
1
16ビットアドレス及び16ビット長フィールド
ビット8〜
14
RFU
“0”にセットしなければならない。
ビット15
コマンド拡張
0
このワードが最終コマンドフィールドであることをタグに知ら
せる。
1
次に来るワードがコマンドフィールド拡張であることをタグに
知らせる。
コマンドを有効にするために,コマンドフィールドは表20に示した組合せの一つと等しくなるように設
定しなければならない。加えて,アドレス及び長さフィールド(ビット7)は,4kビット以下の仮想メモ
リをもつタグに対して“0”に設定しなければならない。
次に,コマンドフィールド内のフィールドを説明する。
6.2.5.16.3.3 コマンドタイプ
コマンドタイプフィールドは,コマンドが読取り又は読取り・書込みであるのかを決定する。
リードコマンドはタグメモリの読取りに使用する。最初のタグの識別のために,読取り長フィールドは
0に設定できる。
リード・ライトコマンドは,タグメモリの読取り及び書込みに使用する。書込みだけの動作のときは,
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読取り長は0にセットする。タグメモリをロックするときは,書込み長は0にセットして,書込みアドレ
スは非ロック最低メモリアドレスにセットする。
6.2.5.16.3.4 識別子タイプ
識別子タイプフィールドは,コマンドが指定のものであるか,又はアプリケーショングループによって
条件付けられたコマンドであるかを決定する。
指定コマンドは,特定のタグに対する識別及び交信のために使用する。
アプリケーショングループ条件(グループ)コマンドは,条件テストに合ったタグのグループ,又は条
件テストに合ったタグのすべてのグループに対する識別及び交信に使用する。
6.2.5.16.3.5 応答タイプ
応答タイプフィールドは,タグ応答を短くするか,又は普通にするかを決定する。
短い応答は,交信時間を短くするために使用する。
通常応答は,ハードコード及びシステムメモリデータを応答に含めることをリーダライタが要求した場
合に使用する。
6.2.5.16.3.6 固定・ランダム
固定・ランダムフィールドは,タグ応答が選択チャネル上に固定されているか,又はランダムにチャネ
ルを選択するのかを決定する。
6.2.5.16.3.7 チャネル・ミュート時間
チャネル・ミュート時間フィールドは,チャネルが選択されるか,又はミュート時間が選択されるかを
決定する。
このフィールドは,6.2.5.16.3.6で示す固定・ランダムフィールドにリンクしている。固定チャネルが選
ばれた場合,チャネル・ミュート率フィールドは,応答で使用する実際のチャネルを決定する。ランダム
チャネルが選ばれた場合,チャネル・ミュート率フィールドは,次のようにミュート時間を決定する。
有効なランダムチャネルコマンドのために
− 非ミュートが選ばれた場合,タグはランダムに選ばれたチャネルに繰り返し応答を伝送する。
− 1/2〜511/512までのミュートが選ばれた場合,タグは個別の応答をランダムに伝送する(非ミュート)
か,又は伝送しない(ミュート)かを選択する。コマンド(1/2ミュート,3/4ミュートなど)で提供
されたミュート率は,応答がミュートする確率を決定する。
− 完全なミュートが選ばれた場合,タグは応答せず,かつ,一時的にミュート状態に設定される。その
間タグは,一時的にミュート状態にあり,新しいリーダライタ識別子を伴うリーダライタコマンドに
対してだけ応答する(6.2.5.16.3.9参照)。
6.2.5.16.3.8 アドレス及び長さ
アドレス及び長さフィールドは,8ビットアドレス及び8ビット長フィールドを含むか,又は16ビット
アドレス及び16ビット長フィールドを含むかを決定する。
6.2.5.16.3.9 コマンド番号
コマンド番号は,ローカルタイムスタンプの設定及びリーダライタの識別に用いる。
コマンド番号の符号化を,表21に示す。
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表21−コマンド番号フィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0〜7
ローカルタイムスタンプ
リーダライタによる要件として設定。
ビット8〜14
リーダライタ識別子
リーダライタによる要件として設定。
ビット15
MSB
“0”に設定しなければならない。
タグが新しいリーダライタに入力され,最初の有効なコマンドを受け取ってから,タグはコマンド番号
を記憶する。タグは,短い電源切れの間,その番号を記憶しておかなければならない。すべてのタグ応答
は,タイムスタンプと呼ばれる,記憶されたその番号を含む。コマンド番号の最下位バイトは,リーダラ
イタとシーケンスコマンドとに使用されることによって,定期的に増加される。タグは,タイムスタンプ
をアップデートしない。したがって,タイムスタンプは,タグが有効なコマンドを最初に受け取った時間
を指し示す。
タグは,(すべての有効コマンドを含む。)コマンド番号の最上位バイトとタイムスタンプとが異なる場
合,又は規定の時間よりも長く電源が切れていたことを検出した場合,新しいリーダライタに入力された
と決定する。
複数タグの想定において,同じチャネルから同時に二つ以上のタグ応答があった場合,応答は受信され
ない。タグが多数あった場合は,タグは固有のチャネルを選択する前に数回送信を行って,その結果受信
される可能性がある。タグがその最初の伝送のための固有のチャネルを選ぶ可能性もある。したがって,
受信されたタグの順番は,タグがリーダライタに入力された順番の決定に使うことはできない。一方で応
答を含むタイムスタンプは,正しいタグの順番を与えられる。
6.2.5.16.3.10 タグ識別子
6.2.5.16.3.11 特定識別子フィールド
特定識別子フィールドは,個々のタグとの交信に使用する。コマンドを有効にするために,コマンド内
の特定識別子は,タグが交信するために記憶している特定識別子と等しくなるよう設定しなければならな
い。
6.2.5.16.3.12 アプリケーショングループ識別子フィールド
アプリケーショングループ識別子は,同じアプリケーショングループ又はすべてのアプリケーショング
ループからタグへの交信に使用される。コマンドを有効にするために,コマンド内のアプリケーショング
ループ識別子は,FFFFhか,又はタグが交信するために記憶しているアプリケーショングループ識別子の
いずれか一方と等しくなるよう設定しなければならない。
6.2.5.16.3.13 条件付識別子フィールド
条件付識別子は,条件テストにかな(適)ったタグとの交信に使用する。コマンドを有効にするために,
コマンド内の条件付識別子は,タグに記憶された条件付識別子よりも少ないか,又は同じでなければなら
ない。
6.2.5.16.3.14 パスワードフィールド
パスワードは,タグメモリへの書込みを制限するために使用する。コマンドを有効にするために,パス
ワードは,タグがパスワードを必要とする構成であって,リード・ライトコマンドのためだけである場合
にだけ提供する。パスワードによって保護されたタグに対するリード・ライトコマンドを有効にするため
に,コマンド内のパスワードはタグに記憶されたパスワードと等しくなるよう設定しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.2.5.16.3.15 アドレス及び長さフィールド
コマンドフィールドは,コマンドが8ビットアドレス及び8ビット長フィールド,又は16ビットアドレ
ス及び16ビット長フィールドを含むかどうかを決定する。
アドレス及び長さフィールドは,メモリへの読取り及び書込みのためにワード内のスタートアドレスと
長さとを定義する。コマンドを有効にするために,アドレス及び長さフィールドは,有効なメモリアドレ
スだけから選ばなければならない。有効メモリアドレスを,次に示す。
− ワード0から最大ユーザメモリワードは,パスワードを必要としない構成のタグのメモリ読取りを可
能にする。
− ワード10から最大ユーザメモリワードは,パスワードを必要とする構成のタグのメモリ読取りを可能
にする。
最大ユーザメモリワードに対するロックポインタ内に保存されたアドレスは,メモリ書込みを可能にす
る。
タグメモリをロックするとき,アドレスはロックポインタ及び上記(アドレス及び長さフィールド)に
保存される。
− タグメモリをロックするために,書込み長は0に設定し,及び書込みアドレスは最低非ロックメモリ
アドレスに設定し,コマンドが有効である場合,タグはロックポインタを書込みアドレスと等しく設
定する。
− さらに,コマンドを有効にするために,アドレス及び長さフィールドは,すべてのブロックアドレス
指定制限を可能にする種々のタグタイプの要求に応じて設定しなければならない。
6.2.5.16.3.16 8ビットアドレス及び8ビット長フィールド
コマンドフィールドが8ビットアドレス及び8ビット長フィールドを選んだ場合,アドレス及び長さフ
ィールドは,表22及び表23に示すように符号化しなければならない。
表22−メモリ読取りのための8ビットアドレス及び8ビット長フィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0〜7
8ビットアドレスフィールド
ユーザによる要求どおり設定
ビット8〜15
8ビット長フィールド
ユーザによる要求どおり設定
表23−メモリ書込みのための8ビットアドレス及び8ビット長フィールド
ビット番号
フィールド
状態
内容
ビット0〜7
8ビットアドレスフィールド
ユーザによる要求どおり設定
ビット8〜15
8ビット長フィールド
ユーザによる要求どおり設定
6.2.5.16.3.17 16ビットアドレス及び16ビット長フィールド
コマンドフィールドが16ビットアドレス及び16ビット長フィールドを選んだ場合,アドレス及び長さ
フィールドはそれぞれ16ビットに設定しなければならない。
6.2.5.17 書込みデータ
書込みデータは,タグに書かれるデータである。
6.2.5.18 CRC
すべてのコマンドCRCは,フラグフィールドの終端から計算される。
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16ビットコマンドCRCが使用するアルゴリズムは,IBM“同期データリンク制御”(SDLC)多項式で
あり,これはCCITTによってX.25パケット交換プロトコル内で使用するために規格化され,ほとんどの
シリアル通信タグに実装されており,また,ISO/IEC 13239で規定されている。
注記 ISO/IEC 13239,Information technology−Telecommunications and information exchange between
systems−High-level data link control (HDLC) procedures
このアルゴリズムは,次のとおり使用する。
g(X)=X16+X12+X5+1
この生成アルゴリズムは,この生成器が“0”ビットよりもむしろ“1”ビットでプレロードされる点に
おいて,基本的なCRC16技術から若干外れている。さらに,チェックビットは伝送前に反転している。そ
の結果,有効なメッセージは,0の余りではなく(CRC16での事例として),特定の定数によって認識され
る。
CRC検証から結果として生じたコードベクトルは次のとおり。
[00011101 00001111]{X15:X00}
リーダライタコマンド及びCRCの例を次に示す。
フラグフィールド
コマンドフィールド
0000
コマンド番号
1234
特定識別子0
1234
特定識別子1
5678
読取りアドレス及び長さ
1001
CRC
8C16
16ビットCRCの方法及び例は,附属書Dに示す。
6.2.5.19 応答フォーマット
応答フィールドを,表24に示す。すべてのフィールドは最下位ビットファーストで伝送される。複数バ
イトフィールドのために,最下位バイトの最下位ビットはフィールドの最下位ビットと定義する。
表24−応答フィールド
コード
フィールド
ビット
コメント
F
フラグ
16
MFM違反シーケンス
H
ハードコード
16
ハードコードフィールド
T
タイムスタンプ
16
識別子フィールド
L
ロックポインタ
16
識別子フィールド
M
製造者コード
16
識別子フィールド
SS
特定識別子
32
識別子フィールド
G
アプリケーショングループ識別子
16
識別子フィールド
Ci
条件付識別子
16
識別子フィールド
Co
コンフィギュレーションワード
16
識別子フィールド
D
読取りデータ
16
読取りデータ
CC
CRC
32
違反CRC
表25は,有効な応答のためのフォーマットを示す。
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表25−有効応答フォーマット
応答タイプ
開始フィールド
システムメモリフィールド
データ
CRC
通常
F [H] T
L M SS G Ci Co
[D]
CC
短縮
F T
SS
[D]
CC
長さが最も短い応答は96ビットである。
応答タイプはリーダライタコマンドによって決められる。
6.2.5.20 応答フィールド
6.2.5.20.1 フラグフィールド
フラグフィールドは,正常なデータの間は存在しないMFM違反を含む。フィールドは応答の開始を指
示する。
6.2.5.20.2 ハードコードフィールド識別子フィールド
タグ設計がハードコードを含む場合は,すべてのハードコードデータは正常な応答内で送られる。ハー
ドコードのMSBは“1”に設定し,及び続くタイムスタンプのMSBは“0”に設定する。リーダライタは,
受信したワードのMSB試験によってハードコードデータの終端を検出できる。
6.2.5.20.3 タイムスタンプフィールド
タイムスタンプは,上位タグ順序の識別を提供するために使用される。タイムスタンプは,タグが新し
いリーダライタに入力された後に受け取った最初の有効コマンドに含まれるコマンド番号と等しくなるよ
う設定する。
6.2.5.20.4 システムメモリフィールド
応答システムメモリフィールドは,システムメモリによってタグの有効なメモリに保存される。
6.2.5.21 読取りデータ
読取りデータは,有効なコマンドによって要求されたデータである。
6.2.5.22 CRCフィールド
応答CRCは,開始フラグフィールドの終わりから計算される。
応答CRCは,32ビットイーサネットCRCである。この特性は,1とともにロードされるレジスタ内の
コマンドパスで使用される16ビットIBM CRCと似ており,出力ワードは反転し,最終算定数値は0より
もむしろ具体的な定数に帰結する。
アルゴリズムは,次のとおり使用する。
g(X)=X32+X26+X23+X22+X16+X12+X11+X10+X8+X7+X5+X4+X2+X1+1
CRC照合の結果生じるコードベクトルは次のとおり。
[11000111 00000100 11011101 01111011]{X31:X00}
タグ応答及びCRCの例を次に示す。
フラグフィールド
タイムスタンプ
1234
特定識別子0
1234
特定識別子1
5678
読取りデータ
ABCD
CRC
E8C5 8742
32ビットCRCの方法及び例は,附属書Eに示す。
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6.2.5.23 RFタグの状態
6.2.5.23.1 状態図解
タグは,次の四つの状態の内の一つをとることができる。
− 電源オフ
タグは,リーダライタによって活性化されていないとき,電源オフ状態である。また,電源オフは
LPB検出の結果としても得られる。
− アクティブ
タグは,リーダライタによって活性化されたとき,アクティブ状態になる。この状態では,リーダ
ライタからのいかなるコマンドも処理しなければならない。
− タグ応答
タグは,有効なコマンドを受信したとき,タグ応答状態にある。タグが電源の供給を受け続けてい
る場合は,応答を完了するまでこの状態にとどまり,後にアクティブ状態に戻る。
− 完全ミュート
タグは,有効な完全ミュートコマンドを受け取ったとき,完全にミュートする。タグが電源供給を
受け続けている状態の場合,リーダライタからの新しいコマンドを受け取るまで,この状態にとどま
る。
状態間の遷移を,図47に示す。
注記 無効なコマンドに対し,タグは現在の状態にとどまる。
図47−タグ状態遷移図
6.2.5.23.2 短時間の電源停止
タグは,5 µsかそれ以上のリーダライタ搬送波の停止を検出しなければならない。タグが電源停止の検
出をした場合,タグは初期化して,有効なコマンドを待つ。
タグは,長時間電源停止検出器を含む。長時間電源停止検出器では短すぎて検出できないどのような電
源停止でも,5 µs以上であれば短い電源停止であるとみなされる。
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図48に,リーダライタ搬送波停止を示す。
図48−リーダライタ電源供給フィールド停止
6.2.5.23.3 長時間電源停止
長時間電源停止(LPB)検出器は,50 ms以下の電源停止を検出しない。LPBが生じた場合,タグは完
全ミュート状態を出る(この機能は,例えばTRAMのような技術を使用することで実現してもよい。)。
6.2.5.23.4 TRAM
この規格は,データの一時保存を必要とする。TRAMと呼ばれる技術はこの要求を達成する手段として,
幾つかの箇条の中で言及されている。同様の機能を得るその他の技術も使用してよい。
ここでは,TRAM及びその機能を,この技術を使用することを選んだ人に対して解説する。TRAMは,
このモードにおいて示されているように,SRAM又はDRAMのような揮発性メモリであり,メモリの電
源が切られた後,記憶時間を最大にするために設計されている。TRAMが放電する前に電源が与えられた
場合,メモリは自動的にリフレッシュされる。
TRAMは,瞬時書込み時間及び短期記憶装置を備えている。高速書込み時間は,完全ミュート状態及び
タイムスタンプその他の一時的な設定の書込みを設定するために必要である。一時的設定は,LPB検出時
間よりも長い期間のために保存しなければならない。
注記 次の内容は,どのようにLPB検出器のためにTRAMを使用できるかについての解説である。
タグに電力が供給されているとき,LPB検出器は“1”に設定し,TRAMに記憶される。タグの電源が
切れているとき,TRAMはビットを放電する。LPBが起こった場合,TRAMビットは“0”にクリアする。
電源が入ったとき,タグはLPB検出器の状態を検出し,長時間電源停止が起きていた場合,タグはすべ
てのTRAMをクリアする。
6.2.5.23.5 完全ミュート状態
タグが付けられたアイテムがコンベアに載って動いているとき,添付されたタグの位置及び方向はコン
トロールできない。タグ位置及び方向から独立してタグに電源を入れ交信するようコンベアリーダライタ
搬送波振幅
t1
t3
t2
Min(μs) Max(μs)
t1
0.0
10.0
t2
5.0
t3
0.0
10.0
50
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に指令した場合,リーダライタは,X,Y及びZ方向間の直交軸を循環的にスイッチするリーダライタフ
ィールドを生成しなければならない。フィールド循環の結果,タグは周期的に電源を失う。それらの停電
の間,タグの揮発性メモリに記憶されているいかなる情報も失ってはならない。
方向に無神経なリーダライタの動作から生じる停電の管理に対し,特別な関心が払われなければならな
い。例えば,そこで複数のタグの識別が行われた場合,識別済みのタグは残りのタグの識別を妨害しない
ために,一時的にミュート又は無応答にする必要がある。
一時的ランダムアクセスメモリ(TRAM)のような技術は,電源異常の間,一時的にミュート状態を保
つために使用しなければならない。
6.2.6
衝突管理パラメタ
表26参照。
表26−衝突管理パラメタ表
参照
パラメタ名
内容
M2-A: 1
タイプ(確率論的又は決定論的) 確率論的
M2-A: 2
リニア性
1万個以下のタグ用に線形,1万個以上用に多項式
M2-A: 3
タグインベントリ能力
各アプリケーショングループ32 000以上・条件付識別子
M2-A: 4
複数タグ識別速度
150 msごとに100個
6.2.7
衝突管理パラメタの操作方法の解説(参考)
6.2.7.1
一般的解説
このモードにおける複数タグ識別は,周波数及び時分割多重アクセス(FTDMA)のコンビネーションを
使用して実行する。
タグのために使用可能な応答チャネルが八つある。有効なコマンドへの応答において,それぞれのタグ
は応答を伝送するためのチャネルをランダムに選択する。応答は,選んだチャネルを一回使用して伝送さ
れる。次の有効なコマンドを受信すると,タグは新しいチャネルをランダムに選び,新しく選んだチャネ
ルを使用して応答を送信する。このランダムなチャネル選択を使用する応答周波数ホッピングの方式は,
続く有効コマンドのそれぞれに対し繰り返される。
チャネルのランダムな選択に加えて,タグは個々の応答をランダムにミュートできる。応答がミュート
された場合,タグはその応答を送信しない。ランダムにミュートする機能は,タグの数が非常に多い場合
の識別に欠かせない。いったん識別されたタグは,コマンドによって一時的にミュートし,次に,6.2.5.16.3.7
に示す内容に従って応答を返す。
全FTDMA周波数及びタイムパラメタは,コマンドによって定義される。FTDMAは,異なるチャネル
で複数のタグ応答を同時に受信できるため,単周波TDMAソリューションよりも優れたパフォーマンスを
提供する。
複数タグだけではなく,大量の古い,又は期限切れのタグもリーダライタ交信範囲内にあると予想する
ことができる。使い捨てのタグを使用するアプリケーションのために,古く期限切れになったタグの数は
現在のタグ数よりもずっと多いかもしれない。高速識別RFIDシステムは,古く期限切れになったタグを
除外又は無視し,現在のタグを識別することができなければならない。
このシステムのタグには,条件付識別子が含まれる。それぞれのタグの条件付識別子フィールドは,発
行時にプログラムされている。フィールドはタイムスタンプでプログラムすることができ,それは,それ
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ぞれのコマンド内で送信される条件付識別子に対してテストされる。タグは,条件付識別子テストに適合
したコマンドに対してだけ反応する。そのため,古く期限切れのタグは識別プロセスから除外される。
全二重伝送で操作するとき,リーダライタはタグからの応答の一斉受信の間に,他のタグにコマンドを
出すことができる。リーダライタがその他異なるタグに対してコマンドを出している間,八つのチャネル
を使って最大8個のタグが同時に応答を返すことができる。
6.2.7.2
応答チャネル
システムが使用する八つの応答チャネルは,969 kHz〜3 013 kHzの間である。異なる応答モードは,異
なるリーダライタタイプ及びタグ数のためにタグ識別レート最大化を使用する。タグが使用する応答モー
ドは,リーダライタコマンドによって選ばれる。
6.2.7.3
応答モード
6.2.7.3.1
固定チャネル応答モード
一つのリーダライタが固定チャネル応答モードを選んだ場合,タグは,リーダライタによって選ばれた
チャネルを一回使用して全部の応答を送信する。このモードは,タグが一つしかない場合,単チャネルリ
ーダライタのために使用できる。
また,このモードは,複数チャネルリーダライタが,別々の固定チャネルで応答するよう識別済みのタ
グに対するコマンドで使用できる。このモードを使うことで,8個のタグまで同時に受信できる。
6.2.7.3.2
ランダムチャネル応答モード
6.2.7.3.2.1
未ミュート
リーダライタが未ミュートランダムチャネル応答モードを選んだ場合,タグは,タグによってランダム
に選ばれたチャネルを使用して一回で完全な応答を送信する。このモードは,複数チャネルリーダライタ
によって中くらいのタグ数のために使用できる。
また,このモードは,単チャネルリーダライタによって少ないタグ数に対して使用できる。単チャネル
リーダライタにおいて,複数タグの場合に,固定チャネル応答モードが選択されていた場合,すべてのタ
グ送信は衝突する。単チャネルリーダライタに対する未ミュートランダムチャネル応答モードの使用は,
TDMAシステムと似ている。最終的に各タグは,他のすべてのタグが他のチャネルを使って送信している
間に,リーダライタチャネルを使って送信する。
6.2.7.3.2.2
ランダムミュート
ランダムミュートチャネル応答モードにおいて,タグは個別の応答でミュートするか,又はミュートし
ないかのいずれかをランダムに選択する。未ミュート応答のために,タグは応答チャネルをランダムに選
択する。このモードはタグ数が多い場合に,複数チャネルリーダライタによって使用できる。
可能な応答に対するミュートした応答の比率は,リーダライタコマンドによって1/2〜511/512の間で変
えることができる。比率は,タグ数の増加に従って理想的に増加する。ミュート率は,応答時間中のタグ
応答の平均数をコントロールする。この方法は,リーダライタに対して同時に数千のタグが存在する場合
の識別を可能にする。ミュート率は,処理しやすいレベルにタグ送信の平均数を低減する。
6.2.7.3.2.3
完全ミュート応答モード
リーダライタは,タグに対して完全ミュート応答モードを設定できる。このモードでは,タグは同じリ
ーダライタからのコマンドに対して応答せず,したがって,他のタグ応答と衝突しない。このモードは,
複数タグ数に対してタグ識別率を向上させるために使用できる。タグは,新しいリーダライタに入力され
たときに完全ミュートモードから出る。
タグが新しいリーダライタに入力されたとタグが判断するのは,コマンドを含むデータ又は規定の時間
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より長く電源が切れていたことをタグが検出したことに基づく。
6.2.7.4
ランダムナンバ生成機(RNG)
応答チャネル及びミュート応答のためのランダムな数の生成のために,タグは32ビット最長線形偏移レ
ジスタと同等又はより優れたRNGを使用する。
PRBS生成機で生じる過剰な長時間ミュートの連続を止めるために,タグはミュートされた返答を決定
した後,未ミュートであった返答を強制する方法を含まなければならない。
− 1/2ミュートが選ばれたとき,最大連続ミュート応答数は3としなければならない。
− 3/4ミュートが選ばれたとき,最大連続ミュート応答数は7としなければならない。
− 7/8ミュートが選ばれたとき,最大連続ミュート応答数は15としなければならない。
− 31/32ミュートが選ばれたとき,最大連続ミュート応答数は63としなければならない。
チャネルGは,単純な単チャネルリーダライタのために好まれる。そのようなリーダライタで複数タグ
を識別するために,タグは,ランダムチャネル応答モード,又はランダムチャネル及びランダムミュート
応答モードを命令される。チャネルGでの送信を除く長時間シーケンスの過剰を防止するために,タグは,
G以外のチャネルで生じた15の未ミュート応答の連続の後,強制的にチャネルGで応答する方法を含ま
なければならない。
上記の応答をすることが強制されている対抗値又は等価は,短い電源停止の間も値を保持するために,
TRAM又はそれと同様の記録技術を使用しなければならない(6.2.5.23.4参照)。
6.2.7.5
コマンドパラメタ
6.2.5.16.2参照。
6.2.7.6
RFタグによる要求処理
タグは,有効なコマンドに対してだけ反応する。タグの機能は,コマンドによって完全に決定される
(6.2.5.16.2参照)。コマンドは,タグのミュート及びチャネル選択行動を決定する。タグはコマンドによ
る指示に従って,応答のミュートと応答チャネルとをランダムに選択する。ランダム選択は,チップに組
み込まれたPRBS生成機を使って行う。一度タグが完全なミュートを行うと,更なる通常コマンドすべて
に応答しない。
6.2.7.7
衝突管理シーケンスの説明
このシステムにおいて複数タグ識別は,周波数及び時分割多重アクセス(FTDMA)のコンビネーション
を使って実行される。
有効なコマンドへの反応において,それぞれのタグは,各自の応答を送信するチャネルをランダムに選
択する。応答は,選択したチャネルを1回使用して伝送される。次の有効なコマンドを受信すると,タグ
は新しいチャネルをランダムに選び,新しく選んだチャネルを使用して応答を送信する。
このランダムなチャネル選択を使用する応答周波数ホッピングの方式は,続く有効コマンドのそれぞれ
に対し繰り返される。
ランダムチャネル選択に加えて,タグは個別応答をランダムにミュートすることができる。応答がミュ
ートされたとき,タグはその応答を伝送しない。ランダムミュートは,タグの数が大変多いと認められた
場合に必要である。タグがいったん識別されると,タグはコマンドによって一時的にミュートされる。
すべてのFTDMA周波数及びタイムパラメタは,コマンドによって決定される。FTDMAは,複数タグ
の応答を異なるチャネルで同時に受信できるため,単周波TDMAの結果よりも優れた性能を提供する。
複数のタグが存在するときの読取りデータは,リーダライタの全二重動作を巧みに利用する。リーダラ
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イタがタグに対して異なるチャネルで応答するよう明確なコマンドを出した場合,最大8個のタグからの
データを,8チャネルで受信できる。
確率計算は,それぞれ有効な読取りコマンドの後に識別するタグの平均数を見積もるために必要である。
r個のチャネルが一緒に利用可能で,かつ,mがミュート率,ここでmはタグが応答を伝送する確率であ
る,n個のタグのグループ場合,それぞれ有効な読取りコマンドの後に識別される平均タグ数Nは次のと
おりとなる。
(
)
1
1
−
×
−
×
×
=
m
n
r
r
m
n
N
最高識別率は,ある時応答したタグの数が利用可能なチャネル数と同じである場合に達成される。リー
ダライタはミュート率を調整することによって識別率を最大化することができ,そのような製品は,
n×m ≈ r
となる。
識別率Nは,タグに可能な異なるミュート率ごとに,1〜10 000のタグ数nに対して図49に示すように
プロットされる。ミュート率の適切な選択によって,識別率は最大8 000タグまでに対して2と3との間
で維持できる。
図49−識別率
6.2.7.8
少ないタグ数のための衝突管理シーケンス
少ない数のタグから識別及び読取りを行うとき,ミュート率は1に設定する。タグ受信の平均値は,各
readコマンド当たり1〜3の間である。8個のタグの識別及び読取りのための動作シーケンスは,次のとお
りである。
a) タグは,リーダライタの読取り範囲内にある。
b) ゼロ長読取りが発行済み。
c) タグは,一時的にミュートされていると識別されている。
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d) シーケンスは,すべてのタグが識別されるまで繰り返される。
e) データは,識別プロセスに続いて単独の動作で特定の読取りコマンドを使って読み取られる。
f)
コマンドは,同時に八つのタグを読み取ったデータのように連結している。
8個のタグの識別のための動作のシーケンスは,表27に示す。
表27−8個のタグの識別
行為
結果
タグ識別数
スタート
リーダライタがゼロ長読取り(ランダムチャネ
ル)コマンドを送信。
すべてのタグがランダムに選択したチャネル
で応答を返す。
0
リーダライタが三つのタグの応答を受信。
3
リーダライタが選択済みのタグそれぞれに対し
て特定ミュートコマンドを送信する。
ミュートしたタグは,更なる通常のコマンドに
対して一時的に反応しなくなる。
リーダライタがゼロ長読取り(ランダムチャネ
ル)コマンドを送信。
5個の未ミュートタグがランダムに選んだチ
ャネルで応答する。
3
リーダライタは三つのタグ応答を受信。
6
リーダライタが選択済みのタグそれぞれに対し
て特定ミュートコマンドを送信する。
ミュートしたタグは,更なる通常のコマンドに
対して一時的に反応しなくなる。
リーダライタがゼロ長読取り(ランダムチャネ
ル)コマンドを送信。
2個の未ミュートタグがランダムに選んだチ
ャネルで応答する。
リーダライタは二つのタグ応答を受信。
8
リーダライタが選択済みのタグそれぞれに対し
て特定ミュートコマンドを送信する。
ミュートしたタグは,更なる通常のコマンドに
対して一時的に反応しなくなる。
終了
8個のタグ識別の総時間は5.772 ms(最小方向
転換時間を含む。)。
8個のタグが
識別された。
データは,次に識別プロセスが続く単一動作として読み取れる。単一動作としてのデータ読取りは,ほ
とんどの回が効率的となる方法及び固定タグ数に対して適切である。
それぞれの読取りコマンドのために,リーダライタは,タグが特定のタグ及び返信するための未使用チ
ャネルを選択する(チャネルAでタグ1の送信など)。八つのタグからのデータ読取りのための動作のシ
ーケンスの詳細は,図50に示す。
図50−8個のタグからのデータ読取り
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リーダライタとタグとの間の全二重伝送は,リーダライタからタグに対する連結順次コマンドを可能に
する。ここでは,8個までのタグが同時に返信することを認めている。
8個のタグの読取り総時間は,八つの読取りコマンド及び最後のタグからの単一応答の時間である。
6.2.7.9
多数のタグのための衝突管理シーケンス
多数のタグからの識別及びデータ読取りのとき,1回ずつのタグ応答の数をチャネル数に対してほぼ等
しくなるよう低減するために,ミュート率を設定する。平均タグ数の設定が正しいとき,一つの読取りコ
マンド当たり2〜3個のタグを受け取れる。
500個のタグの識別及びそれぞれのタグからデータ50ワードを読み取るための一連の動作を次に示す。
a) リーダライタ交信エリアに500個のタグがある。
b) ゼロ長読取りが発行され,多数のタグが受け取ったことが確認される。
c) ミュート率がタグの平均数まで上り,1回当たり2〜3個のタグの読取りを受け取る。
d) タグは,一時的にミュートしているタグとして識別される。
e) シーケンスは,すべてのタグが識別されるまで繰り返される。ミュート率は,1回の読取り当たり少
なくとも二つのタグが受信するまで,タグの数を低減するよう調整される。
f)
データは識別プロセスが続く単一の動作としてか,又は識別プロセスの間の連続したプロセスとして
の特定読取りコマンドを使用して読み込む。
g) コマンドは,八つのタグからのデータを同時に読み取るよう連結される。
識別プロセスの動作のシーケンスの詳細は,表28に示す。
表28−500個のタグの識別
行為
結果
コマンド及び応答の数
タグ識別数
スタート
リーダライタがゼロ長読取りを
送る(ランダムチャネル)。
500個すべてのタグがランダム
に選ばれたチャネルを使って
返信する。
0
連続したコマンドのミュート率
がm=1/128まで上がる。
ランダムに選択したチャネル
で(平均)3.9個のタグが応答
する。
読取り6,短い応答6
リーダライタがミュート率を
1/128に設定したゼロ長読取りを
送る。
175個のタグが識別される。
読取り70,短い応答70,
ミュート175
175
リーダライタがミュート率を1/32
に設定したゼロ長読取りを送る。
245個のタグが識別される。
読取り98,短い応答98,
ミュート245
420
リーダライタがミュート率を1/8
に設定したゼロ長読取りを送る。
60個のタグが識別される。
読取り24,短い応答24,
ミュート60
480
リーダライタがミュート率を1/4
に設定したゼロ長読取りを送る。
15個のタグが識別される。
読取り6,短い応答6,
ミュート15
495
リーダライタがミュート率を1/2
に設定したゼロ長読取りを送る。
2個のタグが識別される。
読取り1,短い応答1,
ミュート2
497
リーダライタがミュート率を1に
設定したゼロ長読取りを送る。
2個のタグが識別される。
読取り1,短い応答1,
ミュート2
499
リーダライタがミュート率を1に
設定したゼロ長読取りを送る。
1個のタグが識別される。
読取り1,短い応答1,
ミュート1
500
終了及び合計
500個のタグ識別の総時間は
0.390 s未満(最小方向転換時間
を含む。)。
500個のタグが識
別された。
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識別プロセス又は識別プロセスの間の連続したプロセスの後に,1回の動作でデータを読み取る。1回の
動作でデータを読み取るのは,時間を最も効率的に使う方法であり,かつ,固定タグ数に対して最適であ
る。識別プロセスの間に,タグデータを連続して読み取るのは効率的ではないが,しかし動的タグ数に対
して最も適している。
単一データ読取りプロセスのための動作のシーケンスの詳細は,表29に示す。
表29−500個の固定タグからのデータ読取り
行為
結果
コマンド及び
応答の数
読取りタグ
スタート
チャネルA〜Hを使用した特定
読取りコマンド(50ワード)
チャネルAのタグ1,チャネルBのタグ2…チャ
ネルHのタグ8からデータを読み取る。
読取り8,読
取り応答1
8
チャネルAを使用したタグ応
答の最後の264 µsまで待つ。
タグ9は読取りコマンドを受信する準備をし,タ
グ1終了応答の後でチャネルAで応答を開始する。
チャネルA〜Hを使用した特定
読取りコマンド(50ワード)
チャネルAのタグ9,チャネルBのタグ10…チャ
ネルHのタグ16からデータを読み取る。
読取り応答1
16
すべてのタグを読み取るまで
一連の動作を継続する。
一連の動作を計63回繰り返す。
読取り応答61
500
終了及び合計
500個の固定タグ読取りの総時間は0.540 s。
500個の固
定タグ読取り
1度に500個のタグデータ識別及び50ワードを読み取る動作の合計時間は,0.390 s+0.540 s=0.930 s未
満である。
連続してデータを読み取るプロセスのための一連の動作の詳細は,表30に示す。連続的に読み取るプロ
セスのため,ミュート一覧表は,識別シーケンスで必要ではなく,代わりに読取りシーケンスの一部とし
て必要である。
表30−500個の動的タグからのデータ読取り
行為
結果
コマンド及び
応答の数
読取りタグ
スタート
リーダライタ識別8タグ
八つのタグがデータを読み取らせる準備をす
る。
チャネルA〜Hを使用した特定
読取りコマンド(50ワード)
チャネルAのタグ1,チャネルBのタグ2…チ
ャネルHのタグ8からデータを読み取る。
読取り8,読取
り応答1
8
データ受信後タグのミュート
ミュート1
識別した8タグごとにシーケン
スを繰り返す。
一連の動作を計63回繰り返す。
読取り492
読取り応答62
ミュート62
500
終了及び合計
500個の動的タグ読取りの総時間は0.686 s。
500個の動的
タグ読取り
500個のタグの識別及びデータの50ワードの読取りの合計時間は,連続した動作として,0.258 s+0.686
s=0.944 s未満である。
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6.2.7.10 タイミング定義
複数タグ識別及び読取り処理は,ゼロ長読取りコマンド,応答,及びミュートコマンド,並びに読取り
コマンド及び応答を必要とする。それらのコマンド及び応答は,表31の時間設定を必要とする。
表31−多重識別のためのコマンド及び応答タイミング
コマンド及び応答タイプ
詳細
時間
ゼロ長読取りコマンド
識別のために短いゼロ長読取りコマンドを使用する。
264 µs
ゼロ長読取り応答
ゼロ長データを伴う短い長さの応答
906 µs
ミュートコマンド
読取りによって特定タグの一時的ミュートが識別される。
264 µs
読取りコマンド(Wワード) データのWワード用読取りコマンド
264 µs
読取り応答(Wワード)
データのWワードを伴う読取り応答
906+151 Wµs
6.2.8
タグ配列の順序付け
分類目的のためにアプリケーションが必要とするアイテムの配列のため,RFIDシステムは,複数タグ
又はタグが分離して存在するのかにかかわらず,各タグ又は各アイテムの相互関連付けを明確にしなけれ
ばならない。そうした決定はモード2で解決できる。
例えば,3.6 m/sで移動するコンベアで,タグとタグとが15 cm離れており,リーダライタの中心軸の切
替え処理も含め,タグ配列の決定は13.9 ms以下に行われることが必要である。タグ配列を提供するため
にタグ識別に依存しているシステムでは,このプロセスを実行する十分な時間がとれない。
この状況でタグ配列は,タグがリーダライタに入力される時間を決定することによって解決できる。す
べてのコマンドは,タイムスタンプが押され,リーダライタに入力された後,タグは,最初のタイムスタ
ンプを受け取り保管する。保管されたタイムスタンプは,すべてのタグ応答で伝送される。ミリ秒レベル
でのタイミング決定は,達成されている。タグ配列の決定は,識別のスピードから切り離されている。
一時的ランダムアクセスメモリ(TRAM)のような技術を,短い電源停止の間にタイムスタンプの値を
保持するために使用しなければならない(6.2.5.23.4参照)。
6.2.9
コマンド
すべてのコマンドは,ここまでの箇条に記載されている。
注記 対応国際規格では,個別の箇条は記載されていないが,箇条としては,6.1.11〜6.2.7が相当す
る。
6.2.10 エアインタフェースアプリケーションレイヤ
アプリケーションレイヤは,リーダライタの範囲で単独に決定及び管理することとし,エアインタフェ
ースを横切って運んではならない。
7
装置のマーク
すべてのリーダライタは,どの国内規制に従うのか明確かつ恒久的にマークした状態にしなければなら
ない。
すべてのリーダライタは,この規格のどのモードをサポートしているのか明確かつ恒久的にマークし表
示しなければならない。
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8
この規格で規定したモード間の特性の相違表
表32参照。
表32−この規格で指定したモード間の特性の相違表
特性
モード1
モード2
目標市場
製造,物流,小売,運輸及び航空手荷
物のための一般的目的のタグ付けシ
ステム
製造,物流,小売,運輸及び航空手荷
物のためのタグ付けシステム。特にコ
ンベアベルトシステムに適する。
特徴
主要な動作方法はJIS X 6323規格群
(外部端子なしICカード−近傍型)
に従う。
プロトコルの拡張が特性の追加及び
衝突管理の代替方法を提供。
極近接(2 mm)においてタグの変形
セットアップが可能
データレート
1.65 kbit/s〜26.48 kbit/s,105.94 kbit/s
423.75 kbit/s
メモリ
商業ニーズに対して
商業ニーズに対して
衝突管理
あり
あり,高速
国際的運用
注記 各国の規制が運用能力に影
響する可能性あり。
あり
あり
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附属書A
(規定)
位相ジッター変調(PJM)
図A.1−位相ジッター変調
PJMは,二つのコンポーネントで構成されている。
a) 同相(0°)電源供給信号 I
b) 低レベル方形(90°)データ信号 ±Q
PJM波形は,これら二つの信号の和である。位相表記法では,これらは図に示したように表現すること
ができる(図A.1及び図A.2参照)。
図A.2−周波数スペクトル
位相コンポーネントの周波数スペクトルを,図A.3に示す。
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図A.3−PJMの生成
この規格のモード2の中の場合:
− リーダライタのコマンドビットレートは423.75 kbit/s,M2-Int: 9参照。
− リーダライタコマンドの相転移が完了する時間は,1.18 µs以下である(図40参照)。
− PJMのために指定すべきパラメタが二つある。位相変化の程度及びリーダライタコマンドの相転移が
完了する時間である。
位相変化の程度:最低±1.0°,最大±2.0°,M2-Int: 7参照
リーダライタコマンドの相転移が完了する時間:1.18 µs以下(図40参照)。
PJMの特徴:
− 定電力伝送を伴う振幅信号
− 側帯域レベルは,データレートから独立かつ規制に適合するよう調整できる。
− PJM帯域幅は,オリジナルの両側データ帯域幅より広くないため,超高速データを送信できる。
− 狭帯域幅アンテナは,高速PJM信号を制限しない。PJMはアンテナ帯域幅の効果の取消しをあらかじ
め調整できる。
PJMの実装例を,図A.4及び図A.5に示す。
図A.4−実装例−PJM生成用可変位相遅延データコントロールを提供するための単純回路
61
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図A.5−実装例−PJM信号の多様な要素を表示するPJM生成用回路
62
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
この規格で規定したモード間で起こり得る既知の干渉
干渉の発生は知られていない[二つのモードは完全に異なり,また,いずれも高水準のデータ完全性(RTF,
構成及びCRC)を備えているため,起こり得ない。]。
63
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
衝突管理のためのリーダライタ擬似コード(モード1)
次の擬似コードは,再帰性を使用してリーダライタでどのようにして衝突管理が実行できたかを表現し
ている。これは,衝突検出の仕組みを説明するものではない。
Algorithm for 16 slot
function push (mask, address) ; pushes on private stack
function pop (mask, address) ; pops from private stack
function pulse̲next̲pause ; generates a power pulse
function store (RF Tag̲MFG Tag ID) ; stores RF Tag̲MFG Tag ID
function poll̲loop (sub̲address̲size as integer)
; address length shall be four (4) bits.
pop (mask, address)
mask = address & mask ; generates new mask
; send the request
mode = Collision Management
send̲request (request̲cmd, mode, mask length, mask value)
for address = 0 to (2^sub̲address̲size ‒ 1)
if no̲collision̲is̲detected then ; RF tag is inventoried
store (RF Tag̲MFG Tag ID)
else ; remember a collision was detected
push (mask, address)
endif
pulse̲next̲pause
next sub̲address
; if some collisions have been detected and not yet processed,
; the function calls itself recursively to process the last
; stored collision
if stack̲not̲empty then poll̲loop (sub̲address̲size)
end poll̲loop
main̲cycle:
mask = null
address = null
push (mask, address)
poll̲loop (sub̲address̲size)
end̲main̲cycle
64
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
巡回冗長検査(CRC)(16ビット)
D.1 CRCエラー検出方法
巡回冗長検査(CRC)は,フラグの開始からデータ終端まで,メッセージに含まれたすべてのデータを
計算する。このCRCは,リーダライタからRFタグへ,及びRFタグからリーダライタへと適切に使用さ
れる(表D.1参照)。
表D.1−CRCの定義
CRCタイプ
長さ
多項式
方向
プリセット
剰余
ISO/IEC 13239
16ビット X16+X12+X5+1=0x8408
後方
0xFFFF
0xF0B8
偏移エラーに備えて特別な防護措置を追加するために,計算されたCRCの更なる変換が行われる。計算
されたCRCを補足するのは,送信するメッセージに添付された値である。この変換は,D.2の例に含まれ
ている。
受け取ったメッセージをチェックするために,2CRCバイトは簡便なため,しばしば再計算にも含まれ
る。
この事例において,生成されたCRCのための与えられた期待値は0xF0B8の剰余である。
D.2 CRC計算例
このC言語の例では,メッセージを構成するバイトの設定を前提としてCRCを計算する一つの方法を
説明する。
#define POLYNOMIAL 0x8408 // x^16 + x^12 + x^5 + 1
#define PRESET̲VALUE 0xFFFF
#define CHECK̲VALUE 0xF0B8
#define NUMBER̲OF̲BYTES 4 // Example: 4 data bytes
#define CALC̲CRC 1
#define CHECK̲CRC 0
void main ()
{
unsigned int current̲crc̲value;
unsigned char array̲of̲databytes[NUMBER̲OF̲BYTES + 2] = {1, 2, 3, 4, 0x91, 0x39};
int number̲of̲databytes = NUMBER̲OF̲BYTES;
int calculate̲or̲check̲crc;
int i, j;
calculate̲or̲check̲crc = CALC̲CRC;
// calculate̲or̲check̲crc = CHECK̲CRC; // This could be an other example
if (calculate̲or̲check̲crc == CALC̲CRC)
65
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
{
number̲of̲databytes = NUMBER̲OF̲BYTES;
}
else // check CRC
{
number̲of̲databytes = NUMBER̲OF̲BYTES + 2;
}
current̲crc̲value = PRESET̲VALUE;
for (i = 0; i < number̲of̲databytes; i++)
{
current̲crc̲value = current̲crc̲value ^ ((unsigned int)array̲of̲databytes[i]);
for (j = 0; j < 8; j++)
{
if (current̲crc̲value & 0x0001)
{
current̲crc̲value = (current̲crc̲value >> 1) ^ POLYNOMIAL;
}
else
{
current̲crc̲value = (current̲crc̲value >> 1);
}
}
}
if (calculate̲or̲check̲crc == CALC̲CRC)
{
current̲crc̲value = ≈ current̲crc̲value;
if (current̲crc̲value == CHECK̲VALUE)
{
printf ("Checked CRC is ok (0x%04X)¥n", current̲crc̲value);
}
else
{
printf ("Checked CRC is NOT ok (0x%04X)¥n", current̲crc̲value);
}
}
}
66
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(参考)
巡回冗長検査(CRC)モード2(32ビット)
E.1 CRC 32エラー検出方法
巡回冗長検査(CRC32)は,応答に含まれるフラグの終わりからデータの終わりまでのすべてのデータ
を対象として計算する。CRCは,タグからリーダライタへの応答のために使用される(表E.1参照)。
表E.1−CRC 32の定義
CRC定義
長さ
多項式
方向
プリセット
剰余
32ビット X32+X26+X23+X22+X16+X12+X11+X10+X8
+X7+X5+X4+X2+X1+1=0xEDB88320
後方
0xFFFFFFFF 0x2144DF1C
偏移エラーに備えて特別な防護措置を追加するために,計算されたCRCの更なる変換が行われる。計算
されたCRCを補足するのは,送信するメッセージに添付された値である。この変換は,E.2の例に含まれ
ている。
受け取ったメッセージをチェックするために,その2CRCワードは簡便なため,しばしば再計算にも含
まれる。
この事例において,生成されたCRCのための与えられた期待値は,剰余“0x2144DF1C”である。
E.2 CRC 32計算例
このC言語の例では,応答を構成するワードの設定を前提としてCRCを計算する一つの方法を説明す
る。
#define POLYNOMIAL 0xEDB88320
#define PRESET̲VALUE 0xFFFFFFFF
#define CHECK̲VALUE 0x2144DF1C
#include <stdio.h>
#include <stddef.h>
unsigned long calculate̲CRC32 (unsigned long current̲crc̲value, unsigned int new̲word)
{
int i;
current̲crc̲value = current̲crc̲value ^ ((unsigned int) new̲word);
67
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
for (i = 0; i < 16; i++)
{
if (current̲crc̲value & 0x0001)
{
current̲crc̲value = (current̲crc̲value >> 1) ^ POLYNOMIAL;
}
else
{
current̲crc̲value = (current̲crc̲value >> 1);
}
}
return (current̲crc̲value);
}
void main ()
{
unsigned long crc32;
unsigned long crc̲send;
crc32 = PRESET̲VALUE; // preset crc to 0xFFFFFFFF
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, 0x1234); // typical tag reply
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, 0x0002);
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, 0x0003);
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, 0x0010);
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, 0x0011);
printf ("CRC Results :¥n");
printf ("-------------¥n");
crc̲send = ≈ crc32; // inverse of calculated crc is sent
printf ("Send = 0x%08X¥n", crc̲send);
// if transmitted crc is included in calculation by interrogator,
// CHECK̲VALUE should result
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, (unsigned int) (crc̲send) & 0x0000FFFF);
crc32 = calculate̲CRC32 (crc32, (unsigned int) ((crc̲send >> 16) & 0x0000FFFF));
crc32 = ≈ crc32; // invert output to recover residue
printf ("Residue = 0x%08X¥n", crc32);
68
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
if (crc32 == CHECK̲VALUE) // should equal CHECK̲VALUE
printf ("CRC OK ¥n");
else printf ("CRC BAD ¥n");
}
This program, when run should produce the following output :
CRC Results :
-------------
Send = 0xC7D5219F
Residue = 0x2144DF1C
CRC OK
E.3 CRC32計算の実例
この例は,メモリアドレス0x10からスタートする2ワード読取りのための短応答コマンドを示す。
この例では,タグの特定識別子は0x00030002であり,コマンド番号は0x1234に設定されている。タグ
メモリはすべての値を収容でき,この例でそれらは次のとおりであると仮定される。
アドレス
内容
0x10
0x0010
0x11
0x0011
この例の応答は,次のフィールドから成る。
− “タイムスタンプ”の値は,コマンドナンバ“1234”で送信される値である。
− 2ワード,最下位ワードファーストとして送信されたタグの特定識別子“00030002”
− 要求された二つのメモリ位置の内容で,低アドレスファースト:“0010”“0011”
− CRC:最初に送信される最下位ワードが“219F”である場合“C7D5219F”
したがって,応答は次のとおり送信される。
1234 0002 0003 0010 0011 219F C7D5
69
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ステップ
入力
リーダライタ
内の計算済み
CRC
1
Initialised
FFFFFFFF
2
1234
094A9040
3
0002
7399A576
4
0003
B52DBBB2
5
0010
815B13BD
6
0011
C7D5219F
7
219F
41D9D52A
8
C7D5
2144DF1C
注記1 最終的に送信されるCRC,C7D5219Fは,応答内のそれぞれのデータワードが計算に含まれ
た後,ステップ6において“リーダライタ内の計算済みCRC”として存在している。
次の2ワード(送信済みCRC)を用いて計算を続けることで,値が“0x2144DF1C”であるべき剰余が
最終結果として作り出される。
注記2 CRCは,最下位ワード伝送ファーストで2ワードとして送信される。
注記3 それぞれのワードは,最下位ビットファーストで送信される。
70
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(参考)
モード1 IC参照
IC参照(“Get system informationコマンド”参照)はシリアルナンバの一部であることができる(ビット
41〜48,製造者コードの後)
MSB
LSB
64
57 56
49 48
41 40
1
“E0”
製造者コード
IC参照
IC製造者シリアルナンバ
注記 製造者コードは既にUIDの一部であり,リーダライタが既に知っているこの情報を受け取るこ
とによって,“IC参照”が製造者からサポートされているかどうかを判断できる。
71
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書G
(参考)
モード1で使用するJIS X 6323プロトコルの解説
G.1 リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表
表G.1参照。
表G.1−リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Int: 1
動作周波数帯域
(中心周波数)13.56 MHz±7 kHzの1
台のリーダライタからタグへのリンク
チャネル。
M1-Int: 1a 初期動作周波数
13.56 MHz
M1-Int: 1b 動作チャネル(スペクトル
拡散システム用)
このモードに適用しない。
M1-Int: 1c 動作周波数精度
100万分の±100
日本の場合は100万分の±50
M1-Int: 1d 周波数ホップレート
[周波数ホッピング(FHSS)
システム用]
このモードに適用しない。
M1-Int: 1e 周波数ホップシーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)
システム用]
このモードに適用しない。
M1-Int: 2
占有チャネル帯域幅
13.56 MHz±7 kHz
図G.1及び図G.2のように変調。
図G.1及び図G.2参照
M1-Int: 2a 受信機最小帯域幅
13.56 MHz±(423.75±40 kHz)
13.56 MHz±(484.28±40 kHz)
プロトコル拡張13.56 MHz±(423.75±
80 kHz)
副搬送波周波数に集中。
M1-Int: 3
リーダライタ伝送最大
EIRP
交信範囲内の極限電力
リーダライタは,タグが存在する場所
で,ボリュームのどの部分であっても
12 A/mより高いフィールドを生成して
はならない。
最大動作フィールド強度:ISOカード
サイズタグで5 A/m,ISO/IEC 7810で
の決定とおり。
試験方法はISO/IEC TR 18047-3で定義
される。他のラベル波形率のために,
ラベル製造者は最大動作フィールド強
度を指定しなければならない。
無意図的放出(誘導結合)
各国の規制がここにおいて決定し
た極限電力より下に制限している
場合,各国でのパフォーマンスが
低下することが予想される。
リーダライタ動作フィールドを決
定するための試験方法は,テクニ
カルレポートISO/IEC TR 18047-3
中に記載される。
M1-Int: 3a 最小動作フィールド強度
最小動作フィールド強度:ISOカード
サイズタグで150 mA/m。
他のラベル波形率のために,ラベル製
造者は最小動作フィールド強度を指定
しなければならない。
72
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.1−リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Int: 4
リーダライタ伝送スプリア
ス放出
次に示す規制に適合する。
US管轄区域:FCC 47 Part 15
EU:EN 300 ‒ 330
日本:ARIB STD ‒ T82
M1-Int: 4a リーダライタ伝送スプリア
ス放出(スペクトル拡散シ
ステム用),帯域内
このモードに適用しない。
M1-Int: 4b リーダライタ伝送スプリア
ス放出,帯域外
このモードに適用しない。
M1-Int: 5
リーダライタ送信機スペク
トルマスク
変調技術及びビット符号化は,次の規
制の範囲内でのタグへ最大限の電力供
給を可能にする。
US管轄区域:FCC 47 Part 15
EU:EN 300 ‒ 330
日本:ARIB STD ‒ T82
M1-Int:6
タイミング
M1-Int: 6a 送信から受信への方向転換
時間
0〜300 µsの範囲内。
M1-Int: 6b 受信から送信への方向転換
時間
0〜300 µsの範囲内。
M1-Int: 6c 滞留時間又はリーダライタ
伝送電源オンランプ
図G.1及び図G.2参照。
M1-Int: 6d 減衰期間又はリーダライタ
伝送電源オフランプ
図G.1及び図G.2参照。
M1-Int: 7
変調
搬送波振幅変調(ASK 100 %,ASK 10 %
…)
M1-Int: 7a 拡散シーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)
システム用]
N/A
M1-Int: 7b チップレート(スペクトル
拡散システム用)
N/A
M1-Int: 7c チップレート精度(スペク
トル拡散システム用)
このモードに適用しない。
M1-Int: 7d 変調指数
二つのレベル振幅変調。100 %及び
10 %
変調指数:(a−b)/(a+b)
注記 変調度(a−b)/a
リーダライタが決めたいずれのオ
プションも(図G.1及び図G.2参
照),二つの変調指数はリーダライ
タによって許可され,決定される。
RFタグはいずれも符号化する。変
調はASKの原理を使う。リーダラ
イタによる選択に従って,変調は
図G.1及び図G.2に記載されたと
おり行わなければならない。
M1-Int: 7e 負荷サイクル
図1〜図5参照。
M1-Int: 7f
FM偏差
このモードに適用しない。
73
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.1−リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Int: 8
データ符号化
データ符号化はパルス位置変調を使用
して実行しなければならない。データ
符号化の二つのモードは,RFタグによ
ってサポートされなければならない。
選択はリーダライタによってなされ,
フレームの開始(SOF)の内にRFタグ
に対して指示しなければならない。
データ符号化モード:
256中1
あるシングルバイトの値は,ある
パルスの位置で表されなければな
らない。
18.88 μs(256/fc)の256の連続し
た時間期間のあるパルスの位置
は,バイトの値を決定しなければ
ならない。図3及び図4にこのパ
ルス位置変調技術を示す。
データ符号化モード:
4中1
パルス位置変調は,位置が2ビッ
トを一度に決定する場所で使わな
ければならない。連続した4対の
ビットは,バイトを形成する。結
果として生じるデータレートは,
26.48 kbit/s(fc/512)である。符号
化は,図5及び図6の図表に従っ
て得られる。
M1-Int: 9
ビットレート
256中1データ符号化の場合:1.65 kbit/s
(fc/8192)となる。
4中1データ符号化の場合:26.48 kbit/s
(fc/512)となる。
いずれのモードもリーダライタが
決定する。
M1-Int: 9a ビットレート精度
搬送周波数に同期する。
M1-Int: 10 リーダライタ伝送変調精度
このモードに適用しない。
M1-Int: 11 プリアンブル
プリアンブルは必す(須)である。
同期の容易化及びプロトコルの独立の
ためにフレーミングが選ばれた。
フレームはフレームの開始(SOF)及
びフレームの終了(EOF)によって区
切られ,コード違反を使用して実行さ
れる。
どのデータ符号化(4中1又は256中1)
を採用するかで,二つのタイプのSOF
が定義されている。
M1-Int:11a プリアンブル長
≈ 75.52 µs
M1-Int:11b プリアンブル波形
図G.7及び図G. 8参照。
M1-Int: 11c ビット同期シーケンス
このモードに適用しない。
M1-Int:11d フレーム同期シーケンス
256中1コードを選ぶSOF
SOFシーケンスは256中1データ符号
化モードを選択した下の図に記載され
ている(図G.7参照)。
4中1コードを選ぶSOF
SOFシーケンスは4中1データ符号化
モードを選択した下の図に記載されて
いる(図G.4参照)。
74
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.1−リーダライタからタグへのリンクのためのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Int:11e ポストアンブル
同じEOFシーケンスはいずれかのデー
タ符号化モードを使わなければなら
ず,図G.9に記載したとおり行わなけ
ればならない。
M1-Int: 12 スクランブリング
(スペクトル拡散システム
用)
このモードに適用しない。
M1-Int: 13 ビット伝送順序
最下位ビットファースト
M1-Int: 14 ウェイクアッププロセス
リーダライタとRFタグ(一つ以上の
RFタグが同時に存在している。)との
間の対話は,次の連続動作を通して行
われる。
− リーダライタのRF動作フィール
ドによってRFタグを活性化する。
− RFタグはリーダライタからのコマ
ンドを静かに待つ。
− リーダライタによるコマンドの送
信。
− RFIDタグによる応答の送信。
M1-Int: 15 偏波
適用しない(近接フィールド)。
G.2 タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表
表G.2参照。
表G.2−タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Tag: 1
動作周波数帯域
副搬送波周波数
一つ又は二つの副搬送波を使ってもよい。両方の
間の選択はリーダライタが使用するJIS X 6323-3
で定義されたプロトコルヘッダ内の最初のビッ
トによってなされなければならない。RFタグは
いずれのモードもサポートしなければならない。
一つの副搬送波が使われるときには,副搬送波ロ
ード変調の周波数fs1はfc/32(423.75 kHz)でなけ
ればならない。
二つの副搬送波が使われたとき,周波数fs1はfc/32
(423.75 kHz)及び,周波数fs2はfc/28(484.28 kHz)
でなければならない。
二つの副搬送波を使用した場合は,確証図表に示
されるように連続位相を使わなければならない。
M1-Tag: 1a 初期動作周波数
13.56 MHz±7 kHz
M1-Tag: 1b 動作チャネル
(スペクトル拡散システム
用)
このモードに適用しない。
M1-Tag: 1c 動作周波数精度
搬送波に対し13.56 MHz同期
M1-Tag: 1d 周波数ホップレート
[周波数ホッピング(FHSS)
システム用]
このモードに適用しない。
75
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.2−タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Tag: 1e 周波数ホップシーケンス
[周波数ホッピング(FHSS)
システム用]
このモードに適用しない。
M1-Tag: 2
占有チャネル帯域幅
13.56 MHz 4副搬送波
一つの副搬送波:13.56 MHz±(423.75 kHz±40
kHz)
二つの副搬送波:2チャネル:13.56 MHz±(484.28
kHz±40 kHz)
プロトコル拡張13.56 MHz±(423.75±80 kHz)
M1-Tag: 3
伝送最大EIRP
意図的放出なし。
意図的放出なし(誘導結
合)。
M1-Tag: 4
伝送スプリアス放出
M1-Tag: 4a 伝送スプリアス放出(スペ
クトル拡散用システム用),
帯域内
このモードに適用しない。
M1-Tag: 4b 伝送スプリアス放出,帯域
外
このモードに適用しない。
M1-Tag: 5
伝送スペクトルマスク
適合対象:
米国:FCC 47 Part 15
EUその他:EN 300−330
(伝送スペクトルマスクは日本の電波法では規
制されていない。)
M1-Tag: 6a 送信から受信への方向転換
時間
0〜300 µs
M1-Tag: 6b 受信から送信への方向転換
時間
0〜300 µs
M1-Tag: 6c 滞留時間又は送信電源オン
ランプ
このモードに適用しない。
M1-Tag: 6d 減衰時間又は送信電源オフ
ランプ
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7
変調(搬送波上)
RFタグは,周波数fsの副搬送波を生成するため
に変調された搬送周波数による誘導結合エリア
を経てリーダライタと交信できる能力がなけれ
ばならない。
副搬送波は,RFタグにおいてロードを切り替え
ることによって生成する。
RFタグロード変調の試験方法は,ISO/IEC TR
18047-3において定義される。
ロード変調振幅は,試験方法記載のとおり測定し
た場合,ISOカードサイズのタグに対して少なく
とも10 mVなければならない。
他のラベル波形率のために,ラベル製造者はロー
ド変調の仕様を定めなければならない。
76
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.2−タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Tag: 7a 拡散シーケンス[周波数ホ
ッピング(FHSS)システム
用]
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7b チップレート(スペクトル
拡散システム用)
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7c チップレート精度(スペク
トル拡散システム用)
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7d オンオフ比率
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7e 副搬送波周波数
一つの副搬送波を使う場合:423.75 kHz
二つの副搬送波を使う場合:423.75 kHz及び
484.28 kHz
M1-Tag: 7f 副搬送波周波数精度
タグからリーダライタへの
直接生成されたリンク搬送
波の許容値
搬送波から算出される。
M1-Tag: 7g 副搬送波変調
一つの副搬送波:論理値0は,423.75kHz(fc/32)
の8パルスでスタートし,その後に18.88 µs
(256/fc)の無変調時間が続く(図G.10参照)。
論理値1は,18.88 µs(256/fc)の無変調時間でス
タートし,その後に423.75 kHz(fc/32)の8パル
スが続く(図G.11参照)。
二つの副搬送波:論理値0は,423.75 kHz(fc/32)
の8パルスでスタートし,その後に484.28 kHz
(fc/28)の9パルスが続く(図G.12参照)。論理
値1は,484.28 kHz(fc/28)の9パルスでスター
トし,その後に423.75kHz(fc/32)の8パルスが
続く(図G.13参照)。
プロトコル拡張:先行部論理値0は,423.75 kHz
(fc/32)の4パルスでスタートし,その後に9.44
µs(128/fc)の無変調時間が続く(図13参照)。
先行部論理値1は,9.44 µs(128/fc)の無変調時
間でスタートし,その後に423.75kHz(fc/32)の
4パルスが続く(図14参照)。
主応答論理値0は,前の4パルスに対する逆の位
相をもつ423.75 kHz(fc/32)の4パルスからなる
(図15参照)。主応答論理値1は,前の4パルス
と同じ位相をもつ423.75 kHz(fc/32)の4パルス
からなる(図16参照)。
リーダライタによって
決定される。
RFタグは両方をサポー
トしなければならない。
M1-Tag: 7h 負荷サイクル
このモードに適用しない。
M1-Tag: 7I FM偏差
このモードに適用しない。
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表G.2−タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Tag: 8
データ符号化
データは,マンチェスタ符号化を使って符号化し
なければならない(図10〜図13参照)。
以下に示すすべてのタイミングは,RFタグから
リーダライタへの高いデータレートを参照する。
低いデータレートのために同じ副搬送波が使用
される。このケースでは,パルスの数は4の倍数
とし,この因子によってすべての時間が増す。
拡張プロトコル符号化は,図13〜図16で定義さ
れる。
M1-Tag: 9
ビットレート
表G.3参照(6.2.3.2.2参照)
プロトコルは,先行部データレートが≈ 52.97
kbit/s(fc/256)及び主応答データレートが≈ 105.94
bit/s(fc/128)である。
M1-Tag: 9a ビットレート精度
搬送波から算出される。
M1-Tag: 10 タグ伝送変調精度[周波数
ホッピング(FHSS)システ
ム用]
このモードに適用しない。
M1-Tag: 11 プリアンブル
簡易な同期化及びプロトコルの独立のためのフ
レームが選ばれる。
フレームは,フレームの開始(SOF)及びフレー
ムの終了(EOF)によって範囲が定められ,コー
ド違反を使って実行される(図G.14及び図G.15
参照)。プロトコル拡張は,図12及び表3参照。
M1-Tag:
11a
プリアンブル長
図G.14及び図G.15参照。プロトコル拡張は,図
12及び表3参照。
M1-Tag:
11b
プリアンブル波形
:一つの副搬送波を使うときのSOF
SOFは三つの部分からなる:
56.64 µs(768/fc)の無変調時間,
423.75 kHz(fc/32)の24パルス,
その後に論理値1が,18.88 µs(256/fc)の無変調
時間でスタートする。
その後に423.75 kHz(fc/32)の8パルスが続く(表
G.9参照)。
:二つの副搬送波を使うときのSOF
SOFは三つの部分からなる:
484.28 kHz(fc/28)の27パルス,
423.75 kHz(fc/32)の24パルス,
論理値1は,484.28 kHz(fc/28)の9パルスでス
タートし,その後に423.75 kHz(fc/32)の8パル
スが続く(図G.15参照)。
プロトコル拡張先行部フレームの開始(SOF)は,
423.75 kHz(fc/32)の8パルスでスタートし,そ
の後に先の8の逆の位相で更なる4パルスが続
く。
プロトコル拡張主応答SOFは,423.75 kHz(fc/32)
の12パルスでスタートし,その後,更に,先の
12に対して逆の位相で4パルスが続く[表3の
(ビット1〜4)参照]。後に0が続く三つの論理
値1。
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表G.2−タグからリーダライタへのリンクのパラメタ表(続き)
参照
パラメタ名
解説及び制限
オプション及びコメント
M1-Tag:
11b
(続き)
プリアンブル波形
:一つの副搬送波を使うときのEOF
EOFは三つの部分からなる:
423.75 kHz(fc/32)の9パルスでスタートする論
理値0,
423.75 kHz(fc/32)の24パルス18.88 µs(256/fc)
の無変調時間
56.64 µs(768/fc)の無変調時間
:二つの副搬送波を使うときのEOF
EOFは三つの部分からなる:
論理値0は,23.75 kHz(fc/32)の8パルスでスタ
ートし,その後に484.28 kHz(fc/28)の9パルス
が続く。
423.75 kHz(fc/32)の24パルス
484.28 kHz(fc/28)の27パルス。
プロトコル拡張先行部:
フレームの終了(EOF)ではない先行部は,始端
部(先行部SOF)及び衝突検出目的の12ビット
を含むだけである。
プロトコル拡張主応答EOFは,前4パルスの逆
の位相をもつ423.75 kHz(fc/32)の6パルスでス
タートし,その後に前の6パルスの逆の位相とと
もに更なる6パルスが続く(図18参照)。
M1-Tag:
11c
ビット同期シーケンス
このモードに適用しない。
M1-Tag: 12 スクランブリング(スペク
トル拡散システム用)
このモードに適用しない。
M1-Tag: 13 ビット伝送順序
最下位ビットファースト
M1-Tag: 14 予約
M1-Tag: 15 偏波
適用しない。(近接フィールド)
M1-Tag: 16 最小タグ受信機帯域幅
送信及び受信信号。図1及び図2参照。
G.3 運用方法の解説
G.3.1 リーダライタからタグへの通信信号インタフェース
アプリケーション要求と同様に異なる国際電波規制に適合する手段として,幾つかのパラメタに対し,
各種のオプションが定義された。
指定されたモードから,どのようなデータ符号化でも,いかなる変調とも結合できる。
G.3.2 変調
リーダライタとタグとの間の交信は,ASKの変調原理を使用して行われる。10 %及び100 %の二つの変
調指数が使われる。タグは,両方とも復号しなければならない。いずれの指数を用いるのかはリーダライ
タが決める。
リーダライタによって行われた選択に従って,図G.1及び図G.2の記載のとおり“休止”を生成する。
注記 図G.1及び図G.2は,エアインタフェース内のパルス波形の表示を示す。波形の許容値は,そ
れらの図形に定義する。計測方法の使用はISO/IEC 10373-7又はISO/IEC TR 18047-3で定義さ
れており,受信機帯域幅の妥当性を,最小及び最大動作フィールド強度間の十分な動作を保証
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するためにテストできる。
105%
a
95%
5%
60%
Carrier
Amplitude
t
t2
t1
t3
t4
Min (µs)
t1
6,0
t2
2,1
t3
0
Max (µs)
9,44
t1
4,5
t4
0
0,8
b
図G.1−100 %ASKのための搬送波の変調
図G.1の時間の値は搬送波周期の数として説明され,<< n/fcは,
9.44 µs: 128/fc
18.88 µs: 256/fc
37.76 µs: 512/fc
75.52 µs:1024/fc
注記 上記の例は,図G.1に示されるt1の値(<< n/fc)が搬送周波数の数に対応してどう変化するか
を示したものである。
搬送波振幅
t1
t3
t4
t2
Min(μs) Max(μs)
t1
6.0
9.44
t2
2.1
t1
t3
0
4.5
t4
0
0.8
80
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t1
t2
hf
y
hr
t3
t
y
a
b
Carrier
Amplitude
Min
Max
t1
6.0 μs
9.44 μs
t2
3.0 μs
t1
t3
0
4.5 μs
Modulation
10 %
30 %
y
0.05(a〜b)
Index
hf,hr
0.1(a〜b)max
タグは変調指数10 %から30 %までのどの値でも動作しなければならない。
図G.2−10 %ASKのための搬送波の変調
G.3.3 データレート及びデータ符号化
データ符号化は,パルス位置変調を使用して実行しなければならない。
二つのデータ符号化は,リーダライタによってサポートされなければならない。選択はリーダライタに
よって行われなければならず,フレームの開始(SOF)の中でリーダライタに対して示されなければなら
ない(G.3.3.1及びG3.3.2に示す。)。
G.3.3.1 データ符号化モード:256中1モード
単バイトの値は,休止の位置によって表される。256/fc(≈18.88 µs)の連続した時間周期256中1上の休
止の位置は,バイトの値によって決定される。その場合,バイトの送信は4.833 msを要し,そして結果的
にデータレートは1.65 kbit/s(fc/8 192)となる。フレームの最後のバイトは,リーダライタによってEOF
が送られる前に,送信が完了していなければならない。
図G.3は,パルス位置変調技術の図解である。
搬送波振幅
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Pulse
Modulated
Carrier
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
0 1 2 3 4 . . . . . . . . 2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 2 2 2
2 5 5 5 5
5 2 3 4 5
~4,833 ms
~9,44 μs
~18,88 μs
図G.3−256中1符号化モード
図G.3の中のデータ“E1”=(11100001)b=(225)は,リーダライタによってタグに送られた。
休止は,図G.4に例示したように,値を決定する時間周期の位置の後半の間に起こる。
Pulse
Modulated
Carrier
~9,44 μs
~18,88 μs
. . . . . | | | | . . . . .
2 2 2
2 2 2
4 5 6
Time period
one of 256
図G.4−1周期の詳細
G.3.3.2 データ符号化モード:4中1モード
4中1モードのためのパルス位置変調を使用することとし,この場合,位置は2ビットを一度に決定す
る。連続した4対のビットがバイトを形成し,ビットの最下位ペアが最初に伝送される。
結果として生じるデータレートは,26.48 kbit/s(fc/512)となる。
符号化は,図G.5を参照。
パルス変調
された搬送波
〜9.44 μs
〜18.88 μs
パルス変調
された搬送波
〜9.44 μs
〜18.88 μs
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~75,52 μs
~9,44 μs
~9,44 μs
Pulse position for “00”
~75,52 μs
~9,44 μs
~28,32 μs
Pulse position for “01” ( 1 = LSB )
~75,52 μs
~9,44 μs
~47,20 μs
Pulse position for “10” (0 = LSB)
~75,52 μs
~9,44 μs
~66,08 μs
Pulse position for “11”
図G.5−4中1符号化モード
図G.1の中で,タイミングは内部クロックカウントによって規定され,それを表す搬送周期の数 « n/fcは,
9.44 µs: 128/fc
18.88 µs: 256/fc
37.76 µs: 512/fc
75.52 µs:1024/fc
図G.6は,リーダライタによる“E1”=(11100001)b=225の伝送を例示している。
~75,52 μs
b2b1 = “01”
~75,52 μs
b4b3 = “00”
~75,52 μs
b6b5 = “10”
~75,52 μs
b8b7 = “11”
図G.6−4中1符号化例
〜75.52 μs
〜75.52 μs
〜75.52 μs
〜75.52 μs
“11”のパルスの位置
“10”のパルスの位置(0=LSB)
“01”のパルスの位置(1=LSB)
“00”のパルスの位置
〜75.52 μs
〜75.52 μs
〜75.52 μs
〜75.52 μs
〜28.32 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜47.20 μs
〜66.08 μs
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G.3.4 リーダライタからタグへのフレーム
同期の簡易化及びプロトコルの独立のために,フレーミングが選ばれた。
フレームは,フレームの開始(SOF)及びフレームの終了(EOF)によって区切られ,コード違反を使
用して実装しなければならない。使われなかったオプションは,ISO/IECによって将来の使用のために確
保されている。
タグは,リーダライタに対してフレームを送った後30 µsの間にリーダライタからフレームを受け取る
準備をしなければならない。
タグは,電源供給フィールドによって活性化されてから1 msの間にフレームを受け取る準備をしなけれ
ばならない。
G.3.4.1 256中1 SOF
図G.7の中に記載されたSOFシーケンスは,256中1データ符号化モードを選ぶ。
~9,44 μs
~9,44 μs
~37,76 μs
~37,76 μs
図G.7−256中1モードのフレームの開始
G.3.4.2 4中1 SOF
図G.8の中に記載されたSOFシーケンスは,4中1データ符号化モードを選ぶ。
~9,44 μs
~9,44 μs
~37,76 μs
~37,76 μs
~9,44 μs
図G.8−4中1モードのフレームの開始
G.3.4.3 いずれかのデータ符号化モードに対するEOF
いずれかのデータ符号化モードのためのEOFシーケンスは,図G.9に記載した。
~37,76 μs
~9,44 μs
~9,44 μs
図G.9−いずれかのモードに対するフレームの終了
〜9.44 μs
〜37.76 μs
〜37.76 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜37.76 μs
〜37.76 μs
〜9.44 μs
〜9.44 μs
〜37.76 μs
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G.3.5 タグからリーダライタへの通信信号インタフェース
異なるノイズ環境及びアプリケーション要件での使用を可能とするために,幾つかのパラメタに対し,
各種のモードが定義された。
G.3.5.1 ロード変調
タグは,周波数fsの副搬送波を生成するために変調された搬送周波数による誘導結合エリアを経てリー
ダライタと交信できる能力がなければならない。副搬送波は,RFタグにおいてロードを切り替えることに
よって生成しなければならない。
ロード変調振幅は,試験方法において記載された測定によって,ISOカードサイズのタグ(例えばID1)
に対して少なくとも10 mVなければならない。
タグロード変調の試験方法は,ISO/IEC TR 18047-3において定義される。
G.3.5.2 副搬送波
リーダライタが使用するJIS X 6323-3で定義されたプロトコルヘッダ内の最初のビットによって選ばれ
た一つ又は二つの副搬送波が使われ得る。
一つの副搬送波が使われるときには,副搬送波ロード変調の周波数fs1はfc/32(≈ 423.75 kHz)としなけ
ればならない。
二つの副搬送波が使われるときには,周波数fs1はfc/32(≈ 423.75 kHz)となり,周波数fs2はfc/28(≈ 484.28
kHz)としなければならない。
二つの副搬送波が存在する場合は,それらの間の位相関係を継続しなければならない。
G.3.5.3 データレート
低い,又は高いデータレートが使われ得る。データレートの選択は,リーダライタがG.5.6.1に定義され
たように,プロトコルヘッダ内の第2ビットを使って行わなければならない。タグは,表G.3に示したデ
ータレートをサポートしなければならない。
表G.3−データレート
データレート
単一搬送波
二重搬送波
低
6.62 kbit/s
(fc/2 048)
6.67 kbit/s
(fc/2 032)
高
26.48 kbit/s
(fc/512)
26.69 kbit/s
(fc/508)
G.3.5.4 ビット表現及び符号化
G.3.5.5及びG.3.5.6に従って,データはマンチェスタ符号化を使用して符号化されなければならない。
示されたすべてのタイミングは,タグからリーダライタへの高データレートを参照する。低いデータレ
ートのために同じ副搬送波周波数又は周波数が使用され,このケースではパルス数及びタイミングは4の
倍数としなければならない。
G.3.5.5 一つの副搬送波を使うときのビット符号化
論理値0は,fc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルスでスタートし,その後に256/fc(≈ 18.88 µs)の無変調時間
が続く(図G.10参照)。
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~37,76 μs
~18,88 μs
図G.10−論理値0
論理値1は,256/fc(≈ 18.88 µs)の無変調時間でスタートし,その後にfc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルス
が続く(図G.11参照)。
~37,76 μs
~18,88 μs
図G.11−論理値1
G.3.5.6 二つの副搬送波を使うときのビット符号化
二つの副搬送波が存在する場合は,それらの間の位相関係を継続しなければならない。
論理値0は,fc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルスでスタートし,その後にfc/28(≈ 484.28 kHz)の9パルス
が続く(図G.12参照)。
~37,46 μs
~18,88 μs
図G.12−論理値0
論理値1は,fc/28(≈ 484.28 kHz)の9パルスでスタートし,その後にfc/32(423.75 kHz)の8パルスが
続く(図G.13参照)。
〜18.88 μs
〜37.76 μs
〜18.88 μs
〜37.76 μs
〜18.88 μs
〜37.46 μs
86
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~37,46 μs
~18,58 μs
図G.13−論理値1
G.3.5.7 タグからリーダライタへのフレーム
同期の簡易化及びプロトコルの独立のために,フレーミングが選ばれた。
フレームは,フレームの開始(SOF)及びフレームの終了(EOF)によって区切られ,コード違反を使
用して実装される。使われなかったオプションは,ISO/IEC JTC1によって将来の使用のために確保されて
いる。
G.3.5.8〜G.3.5.11に例示されたすべてのタイミングは,タグからリーダライタへ高データレートを使用
する。
低いデータレートのためには同じ副搬送波周波数又は周波数が使用され,このケースではパルス数及び
タイミングは4の倍数としなければならない。
リーダライタはタグに対してフレームを送った後,300 µs以内にタグからのフレームを受信するための
準備をしなければならない。
G.3.5.8 一つの副搬送波を使うときのSOF
SOFは三つの部分からなる。
− 768/fc(≈ 56.64 µs)の無変調時間
− fc/32(≈ 423.75 kHz)の24パルス
− 論理値1は,256/fc(≈ 18.88 µs)の無変調時間でスタートし,その後にfc/32(≈ 423.75 kHz)の8パル
スが続く。
一つの副搬送波のためのSOFは図G.14に示す。
~56,64 μs
~37,76 μs
~56,64 μs
図G.14−一つの副搬送波を使うときのフレームの開始
G.3.5.9 二つの副搬送波を使うときのSOF
SOFは三つの部分からなる。
− fc/28(≈ 484.28 kHz)の27パルス
− fc/32(≈ 423.75 kHz)の24パルス
− 論理値1は,fc/28(≈ 484.28 kHz)の9パルスでスタートし,その後にfc/32(≈ 423.75 kHz)の8パル
スが続く。
〜56.64 μs
〜56.64 μs
〜37.76 μs
〜18.58 μs
〜37.46 μs
87
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
二つの副搬送波のためのSOFは,図G.15に示す。
~55,75 μs
~37,46 μs
~56,64 μs
図G.15−二つの副搬送波を使うときのフレームの開始
副搬送波が二つ存在する場合は,それらの間の位相関係を継続しなければならない。
G.3.5.10 一つの副搬送波を使うときのEOF
EOFは三つの部分からなる。
− 論理値0は,fc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルスでスタートし,その後に256/fc(≈ 18.88 µs)の無変調時
間が続く。
− fc/32(≈ 423.75 kHz)の24パルス
− 768/fc(≈ 56.64 µs)の無変調時間
一つの副搬送波のためのEOFは,図G.16に示す。
~37,76 μs
~56,64 μs
~56,64 μs
図G.16−一つの副搬送波を使うときのフレームの終了
G.3.5.11 二つの副搬送波を使うときのEOF
EOFは三つの部分からなる。
− 論理値0は,fc/32(≈ 423.75 kHz)の8パルスでスタートし,その後にfc/28(≈ 484.28 kHz)の9パル
スが続く。
− fc/32(≈ 423.75 kHz)の24パルス
− fc/28(≈ 484.28 kHz)の27パルス
二つの副搬送波のためのEOFは,図G.17に示す。
~37,46 μs
~55,75 μs
~56,64 μs
図G.17−二つの副搬送波を使うときのフレームの終了
G.4 プロトコルパラメタ
G.4.1 プロトコルパラメタ表
表G.4参照。
〜37.76 μs
〜56.64 μs
〜56.64 μs
〜37.46 μs
〜56.64 μs
〜55.75 μs
〜55.75 μs
〜56.64 μs
〜37.46 μs
88
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.4−プロトコルパラメタの表
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及び
オプション
M1-P: 1
Who talks first
リーダライタトークファースト
M1-P: 2
タグアドレス
指定能力
あり
M1-P: 3
製造者タグID
RFタグは,64ビット製造者タグIDによって一意的に識別される。こ
れは衝突管理ループの間に,リーダライタとRFタグとの間で1対1の
やりとりを行うために,各RFタグへ一意的かつ個別のアドレスを指定
するために使われる。
プロトコルは次のやりとりに基づく。
− リーダライタからタグへの要求
− タグからリーダライタへの応答
各要求と各応答とはフレームに含まれる。
各要求と各応答とは次の諸点からなる。
− フラグ
− コマンドコード(要求内だけ)
− 必す(須)及び任意のパラメタフィールド,コマンドに依存する。
− アプリケーションデータフィールド
− CRC
プロトコルはビット指向である。フレーム内で送信されたビットの数
は,8の倍数である。
M1-P: 3a
製造者タグID
長
64ビット
M1-P: 3b
製造者タグID
フォーマット
製造者タグIDは,次で構成される。
− 固定パート(“E0”)
− IC製造者コード
− IC製造者によって割り当てられた固有シリアルナンバ
製造者タグIDは,IC製造時点でプログラム化され,後で変更すること
はできない。
M1-P: 3c
応用分野識別
子(Afi)
Afi(応用分野識別子)は,リーダライタの目的とされたアプリケーシ
ョンのタイプを代表し,存在するすべてのタグから所用のアプリケーシ
ョン規準にかな(適)うタグだけを抽出するために使われる。これは,
タグの発行人(タグの購入者)によってプログラムされてもよい。いっ
たんロックされた場合,修正は不可能である。Afiの最上位ニブルは,
ある特定の,又はすべての応用分野のコードに使用する。Afiの最下位
ニブルは,ある特定の,又はすべてのアプリケーションサブファミリコ
ードに使用する。0と異なるサブファミリコードは独自仕様である。
任意
M1-P: 3d
データ保存フ
ォーマット識
別子(DSFID)
データ保存フォーマット識別子は,どのようにデータがタグメモリに構
造化されるかを示す。これは,タグの発行人(タグの購入者)によって
プログラム化され,及びロックされてもよい。いったんロックされると,
修正することはできない。コードは1バイトを要する。これは,データ
メモリの論理構造を素早く知ることを可能にする。符号化は,この規格
では指定しない。
注記 これは,ISO/IEC 15961及びISO/IEC 15962に適合することを目
的としている。
任意
M1-P: 3e
フィールドの
配列
要求:フラグ,コマンドコード,パラメタ及びデータフィールド,CRC
応答:フラグ,一つ以上のパラメタフィールド,データ,CRC
M1-P: 4
読取りサイズ
指定されたブロック数:256ブロックまで
M1-P: 5
書込みサイズ
指定されたブロック数:256ブロックまで
89
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.4−プロトコルパラメタの表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及び
オプション
M1-P: 6
読取り処理時
間
リーダライタからタグへのデータレート,タグからリーダライタへのデ
ータレート,ブロックサイズ及びブロックの数によって決まる。
例 両方向で高データレートを使用,及びRead Multiple Blocksコマン
ドを使用で,128ビットの二つのブロックを読み取るために要する
時間は10.7 ms
M1-P: 7
書込み処理時
間
リーダライタからタグへのデータレート,タグからリーダライタへのデ
ータレート,ブロックサイズ,ブロックの数及びメモリプログラミング
時間によって決まる。
例 両方向で高データレートを使用,EEPROM内書込み時間4 ms,及
びWrite Multiple Blocksコマンド使用で,128ビットの二つのブロッ
クを書き込むために要する時間は14.7 ms
M1-P: 8
エラー検出
エラー検出は,ISO/IEC 13239に適合するCRCメカニズムによって実
現する。
M1-P: 9
エラー収集
なし
M1-P: 10
メモリサイズ
物理的メモリサイズは,固定サイズのブロック(又はページ)内で構成
されていると仮定できる。
256ブロックまでアドレス指定できる。ブロックサイズは256ビットま
でできる。
これは,最大メモリ容量を拡張フラグを除いて8kバイト(64kビット)
まで可能とする。
M1-P: 11
コマンド構造
及び拡張性
要求に基づいて,“フラグ”バイトはタグによって実行する活動を特定
する。
応答に基づいて,タグによる動作はどのように実行されるか指示する。
M1-P: 11a
要求フラグ
a) 要求フラグ1〜4の定義
ビット1 副搬送波フラグ
0
単独の副搬送波周波数はタグによって使用されなければならない。
1
二つの副搬送波はタグによって使用されなければならない。
ビット2 データレートフラグ
0
低データレートを使用しなければならない。
1
高データレートを使用しなければならない。
ビット3 インベントリフラグ
0
フラグ5〜8の意味は下記a) a) に従う。
1
フラグ5〜8の意味は下記b) b) に従う。
ビット4 プロトコル拡張フラグ
0
プロトコルフォーマット拡張なし
1
プロトコルフォーマットは表1に従って拡張される。
90
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表G.4−プロトコルパラメタの表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及び
オプション
M1-P: 11a
(続き)
要求フラグ
b) インベントリフラグが設定されない場合の要求フラグ5〜8の定義
ビット5 選択フラグ
0
要求は,アドレスフラグの設定に従ってどのようなタグによっても
実行されなければならない。
1
要求は,選ばれた状態のタグだけによって実行されなければならな
い。
アドレスフラグは0に設定されることとし,UIDフィールドは要
求に含めてはならない。
ビット6 アドレスフラグ
0
要求は,アドレス指定されない。UIDフィールドは含まれない。こ
れは,どのようなタグでも実行されなければならない。
1
要求は,アドレス指定される。UIDフィールドは含まれる。これは,
要求で指定したUIDと適合したUIDのタグだけで実行されなけれ
ばならない。
ビット7 オプションフラグ
0
意味は,コマンドの記述によって定義する。コマンドによって他が
指定されない限り,0に設定する。
1
意味は,コマンドの記述によって定義する。
ビット8 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
c) インベントリフラグが設定された場合の要求フラグ5〜8の定義
ビット5 Afiフラグ
0
Afiフィールドは存在しない。
1
Afiフィールドが存在する。
ビット6 Nbスロットフラグ
0
16スロット
1
1スロット
ビット7 オプションフラグ
0
意味は,コマンドの記述によって定義する。コマンドによって他が
指定されない限り,0に設定する。
1
意味は,コマンドの記述によって定義する。
ビット8 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
91
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表G.4−プロトコルパラメタの表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及び
オプション
M1-P: 11b 応答フラグ
ビット1 エラーフラグ
0
エラーなし
1
エラー検出。エラーコードは“エラー”フィールドにある。
ビット2 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
ビット3 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
ビット4 拡張フラグ
0
プロトコルフォーマット拡張なし
1
プロトコルフォーマットは拡張されている。将来の使用のために確
保。
ビット5 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
ビット6 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
ビット7 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
ビット8 RFU
0
将来の使用のために確保。0に設定しなければならない。
M1-P: 12
アドレス指定
それぞれの要求(Inventoryコマンド又はその他指定のものを除く。)は
製造者タグIDによって確定した指定のタグに送ることができる。これ
は,アドレスフラグ及び要求内の製造者タグIDの設定によって達成さ
れる。
M1-P: 12a アドレス指定
モード
アドレスフラグを1に設定(アドレス指定モード)するとき,要求はア
ドレス指定されたタグの固有ID(MFRタグID)を含めなければならな
い。
アドレスフラグが1に設定された要求を受け取ったどのタグも,受け取
った固有ID(アドレス)とそのタグ自身のIDとを比較する。それが一
致していた場合,(可能ならば)それを実行し,コマンド記述による仕
様のとおりリーダライタに応答を返さなければならない。
一致しない場合は,タグは沈黙を続けなければならない。
M1-P: 12b アドレス無指
定モード
アドレスフラグを0に設定(アドレス無指定モード)するとき,要求は
タグ固有IDを含めてはならない。どのタグも0に設定されたアドレス
フラグと一緒に要求を受け取った場合,(可能ならば)それを実行し,
コマンド記述による仕様のとおりリーダライタに応答を返さなければ
ならない。
注a) 対応国際規格は“a)”であるが,正しくは“b)”である。
b) 対応国際規格は“b)”であるが,正しくは,この規格で項目番号を追加した“c)”である。
92
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G.5 プロトコル操作方法の解説
G.5.1 データ要素の定義
G.5.1.1 製造者タグ固有識別子(UID)
RFタグは,64ビットの固有識別子(UID)によって一意的に識別される。これは,衝突管理ループの間
及びリーダライタとRFタグとの間の1対1の交信のために,各RFタグに固有かつ個別にアドレス指定す
るために使用される。
UIDは図G.18に従って,IC製造者によって恒久的に設定しなければならない。
MSB
LSB
64
57 56
49 48
1
“E0”
IC製造者コード
IC製造者シリアルナンバ
図G.18−UIDフォーマット
UIDの構成
− 先頭8ビットは,“E0”でなければならない。
− JIS X 6320-6に従った8ビットのIC製造者コード
− IC製造者によって割り当てられた48ビットの固有シリアルナンバ
G.5.1.2 応用分野識別子(Afi)
Afi(応用分野識別子)は,リーダライタの目的とされたアプリケーションのタイプを代表し,存在する
すべてのタグから所用のアプリケーション規準にかな(適)うタグだけを抽出するために使われる。
これは,個別のコマンドによってプログラム及びロックが行われる。Afiは4ビットごとに2ニブルで
構成される1バイト上で符号化される。
Afiの最上位ニブルは,ISO/IEC 15961及びISO/IEC 15962に定義されたとおり,ある特定の,又はすべ
ての応用分野のコードに使用する。Afiの最下位ニブルは,ある特定の,又はすべてのアプリケーション
サブファミリコードに使用する。0と異なるサブファミリコードは独自仕様である(図G.19参照)。
93
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 “返答”とは,RFタグはInventory要求に対して返答する,という意味である。
図G.19−Afiに対するRFタグのデシジョンツリー(決定木)
G.5.2 データ保存フォーマット識別子(DSFID)
データ保存フォーマット識別子は,RFタグメモリの中でデータがどのように構成されているのかを示す。
これは,個別のコマンドによってプログラムされ,ロックされ得る。それは,1バイトで符号化される。
これによってデータの論理構成に関し瞬時に知ることを可能にする。
RFタグがこのプログラミングをサポートしない場合,RFタグは値を0(“00”)として応答しなければ
ならない。
G.5.3 巡回冗長検査(CRC)
CRCは,ISO/IEC 13239の定義に従って計算する。
94
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最初のレジスタ内容は,すべてを“FFFF”としなければならない。
2バイトCRCは,EPFの前にそれぞれのフレーム内で各要求及び各応答に対して付加される。CRCは
SOFの後までのすべてのバイトに関して計算するが,ただし,CRCフィールドは含まない。
リーダライタからの受信の要求に応じて,RFタグはCRC値が有効であることを検証する。有効でない
場合は,タグはフレームを破棄し,返答(変調)しない。
RFタグからの応答の受入れに関し,CRCの値が有効であることをリーダライタが検証することを推奨
する。有効でない場合に関し,活動の実行はリーダライタ設計者の責任にゆだ(委)ねられている。
CRCは,最下位バイトファーストで伝送される。
各バイトは,最下位ビットファーストで伝送される(図G.20参照)。
LS Byte
MS Byte
LS Bit
MS Bit
LS Bit
MS Bit
CRC 16 (8 Bit)
CRC 16 (8 Bit)
↑
CRCの最初に伝送されたビット
図G.20−CRCビット及びバイト伝送ルール
16ビットCRCの方法及び例は,附属書Dに示す。
G.5.3.1 RFタグメモリの構成
この規格が規定しているコマンドは,物理的メモリが固定サイズのブロック(又はページ)で構成され
ていると仮定している。
− 256ブロックまでアドレス指定可能
− ブロックサイズは最高256ビットまで
− これは,最高8kバイト(64 kビット)までの最大メモリ容量をもたらす。
注記 この構造は最大メモリ容量の将来の拡張を可能にする。
ブロックによるアクセス(読み書き)を可能にするコマンドは,この規格に記載した。他のアクセス方
法に関して,暗黙の又は明示的な制限はない(例えば,バイトによる,又は論理的対象の国際標準若しく
はカスタムコマンド内における将来の修正。)。
G.5.3.2 ブロックセキュリティステータス
ブロックセキュリティステータスは,G.8で規定したとおり,リーダライタの要求に対する応答の中の
パラメタとして,RFタグによって送り返される(例 Read single blockコマンド)。それは,1バイト上で
符号化されている。
それはプロトコルの一つの要素である。実際に8ビットがRFタグの物理的メモリ構造において実行さ
れるという,暗黙の又は明示的な前提はない(表G.5参照)。
表G.5−ブロックセキュリティステータス
ビット
フラグ名
値
解説
b1
ロックフラグ
0
ロックされていない
1
ロックされている
b2〜b8
RFU
0
95
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G.5.4 全般的なプロトコルの解説
プロトコルの概念
伝送プロトコルは,リーダライタとRFタグとの間で指示とデータとを両方向で交換するためのメカニ
ズムを定義する。
それは“リーダライタトークファースト”の概念を基礎にしている。
この意味は,リーダライタによって送られた指示を受け取り適切に復号しない限り,いかなるRFタグ
も伝送(例 G.3.5に従った変調)を開始しない,ということである。
a) プロトコルは,次の交換に基づく。
− リーダライタからRFタグに対する要求
− RFタグからリーダライタへの応答
RFタグが送る応答の条件は,G.8.3に定義されている。
b) 各要求及び各応答は,フレームに含まれる。フレームの区切り文字(SOF,EOF)は,G.3.4に示す。
c) 各要求は,次のフィールドで構成される。
− フラグ
− コマンドコード
− コマンドに依存した,必す(須)及び任意パラメタフィールド
− アプリケーションデータフィールド
− CRC
d) 各応答は,次のフィールドで構成される。
− フラグ
− コマンドに依存した,必す(須)及び任意パラメタフィールド
− アプリケーションデータフィールド
− CRC
プロトコルはビット指向である。フレーム内で伝送されるビットの数は8の倍数,すなわちバイトの整
数である。
e) シングルバイトフィールドは,最下位ビット(LSBit)ファーストで伝送される。
f)
複数バイトフィールドは,最下位バイト(LSByte)ファーストで伝送され,各バイトは最下位ビット
(LSBit)ファーストで伝送される。
g) フラグの設定は,オプションフィールドの存在を示す。フラグが(1に)設定されたとき,フィール
ドは存在する。フラグが(0に)リセットされたとき,フィールドは不在である。
h) RFUフラグは,0に設定しなければならない。
G.5.5 モード
注記 モードという用語の使用は,JIS X 6323規格群でこの用語を使用したのを直接引き継ぎ,この
規格のモードはG.2で留保された,JIS X 6323規格群の単語であるモードに適合している。し
たがって,リーダライタは,用語モードとモードとは違う意味をもっていることに注意すべき
である。
G.5.5において用語モード(下の斜体)は,要求に回答するRFタグの設定を要求内に指定するメカニズ
ムに言及している。
G.5.5.1 アドレス指定モード
アドレスフラグが1に設定(アドレス指定モード)の場合,要求はアドレス指定されたRFタグの固有
96
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ID(UID)を含む。
アドレスフラグが1に設定された要求を受信したどのRFタグも,受け取った固有ID(アドレス)と自
身のIDとを比較する。
それが一致していた場合,そのRFタグは(可能ならば)それを実行し,コマンド記述によって特定さ
れたリーダライタに対して応答を返さなければならない。
UIDが一致しない場合,RFタグは沈黙を続けなければならない。
G.5.5.2 アドレス無指定モード
アドレスフラグが0に設定(アドレス無指定モード)の場合,要求は固有IDを含めてはならない。
アドレスフラグが0に設定された要求を受信したどのRFタグも,(可能ならば)要求を実行し,コマン
ド記述によって特定されたリーダライタに対して応答を返さなければならない。
G.5.5.3 選択モード
選択フラグが1に設定(選択モード)の場合,要求はRFタグ固有IDを含めてはならない。
選択フラグが1に設定された要求を受信した選択状態にあるRFタグは,(可能ならば)それを実行し,
コマンド記述によって特定されたリーダライタに対して応答を返さなければならない。
選択状態にあるRFタグだけが,1に設定した選択フラグをもつ要求に対して返答しなければならない。
G.5.5.3.1 要求フォーマット
要求は,次のフィールドで構成される(図G.21参照)。
− フラグ
− コマンドコード(G.8参照)
− パラメタ及びデータフィールド
− CRC(G.5.3参照)
SOF
フラグ
コマンドコード
パラメタ
データ
CRC
EOF
図G.21−一般的な要求フォーマット
G.5.5.3.2 要求フラグ
要求フォーマットの中で,フラグフィールドは,RFタグによって実行されるアクション,及び対応する
フィールドが存在するかしないかを指定する。
これは8ビットで構成される(表G.6〜表G.8参照)。
表G.6−要求フラグ1〜4の定義
ビット
フラグ名
値
解説
b1
副搬送波フラグ
0
RFタグによって使用される単独の副搬送波周波数
1
RFタグによって使用される二つの副搬送波
b2
データレートフラグ
0
低データレートが使われる。
1
高データレートが使われる。
b3
インベントリフラグ
0
フラグ5〜8の意味は表G.7に従う。
1
フラグ5〜8の意味は表G.8に従う。
b4
プロトコル拡張フラグ
0
プロトコル拡張フォーマットなし
1
プロトコルフォーマットは拡張された。プロトコルは6.1.9で示すよう
に拡張されている。
注記1 副搬送波フラグはG.7で指定されたとおりRFタグからリーダライタへの交信を参照する。
注記2 データレートフラグはG.7.2で指定されたとおりRFタグからリーダライタへの交信を参照する。
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表G.7−インベントリフラグが設定されない場合の要求フラグ5〜8の定義
ビット
フラグ名
値
内容
b5
選択フラグ
0
要求はアドレスフラグの設定に従ってどのRFタグでも実行される。
1
要求は選択状態にあるRFタグによってだけ実行される。アドレスフ
ラグは0に設定し,及びUIDフィールドは要求に含めてはならない。
b6
アドレスフラグ
0
要求はアドレス指定しない。UIDフィールドは含めない。これは,ど
のRFタグでも実行しなければならない。
1
要求はアドレス指定された。UIDフィールドを含める。これは,要求
で指定したUIDと一致したUIDのRFタグによってだけ実行されなけ
ればならない。
b7
オプションフラグ
0
意味はコマンド記述によって定義される。これは,コマンドによって
別の指定がない限り,0に設定する。
1
意味はコマンド記述によって定義される。
b8
RFU
0
表G.8−インベントリフラグが設定された場合の要求フラグ5〜8の定義
ビット
フラグ名
値
内容
b5
Afiフラグ
0
Afiフィールドは存在しない。
1
Afiフィールドが存在する。
b6
Nbスロットフラグ
0
16スロット
1
1スロット
b7
オプションフラグ
0
意味はコマンド記述によって定義される。これは,コマンドによって
他が指定されていない限り,0に設定する。
1
意味はコマンド記述によって定義される。
b8
RFU
0
G.5.6 応答フォーマット
応答は,次のフィールドで構成される(図G.22参照)。
− フラグ
− 一つ以上のパラメタフィールド
− データ
− CRC(G.5.3参照)
SOF
フラグ
パラメタ
データ
CRC
EOF
図G.22−一般的な応答フォーマット
G.5.6.1 応答フラグ
応答フォーマット内で,それはどのように活動がRFタグによって実行されたか,対応のフィールドが
存在するかしないかを指示する。
これは8ビットで構成される(表G.9参照)。
98
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表G.9−応答フラグ1〜8の定義
ビット
フラグ名
値
解説
b1
エラーフラグ
0
エラーなし。
1
エラーが検出された。エラーコードは“エラー”フィールドにある。
b2
RFU
0
b3
RFU
0
b4
拡張フラグ
0
プロトコルフォーマット拡張なし。
1
プロトコルフォーマットは拡張されている。
b5
RFU
0
将来の使用のために確保。
b6
RFU
0
将来の使用のために確保。
b7
RFU
0
将来の使用のために確保。
b8
RFU
0
将来の使用のために確保。
G.5.6.2 応答エラーコード
エラーフラグがRFタグによって設定された場合,エラーコードフィールドを含めてエラー発生の情報
を提供しなければならない。エラーコードは表G.10に示す。
RFタグが表G.10に掲載した特定のエラーコードをサポートしていない場合,RFタグはエラーコード
“0F”で返答する。
表G.10−応答エラーコードの定義
エラーコード
意味
“01”
コマンドはサポートされない。例 要求コードは認識されない。
“02”
コマンドは認識されない。例 フォーマットエラー発生。
“03”
コマンドオプションはサポートされない。
“0F”
エラーの情報が与えられないか,又はエラーコードがサポートされていない。
“10”
指定のブロックは利用できない(実在しない)。
“11”
指定のブロックは既にロックされ,したがって,再びロックすることはできない。
“12”
指定のブロックはロックされ,その内容は変更不能である。
“13”
指定のブロックのプログラムは成功していなかった。
“14”
指定のブロックのロックが成功していなかった。
“A0”〜“DF” カスタムコマンドエラーコード
その他すべて
RFU
G.5.7 RFタグの状態
RFタグは,次の四つの状態の一つをとることができる。
− 電源オフ
− 準備完了
− 沈黙
− 選択
これらの状態間の遷移は,図G.23に示す。
電源オフ状態,準備完了状態及び沈黙状態のサポートは必す(須)である。
選択状態のサポートは任意である。
99
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.5.7.1 電源オフ状態
RFタグは,リーダライタによって活性化することができないときは電源オフ状態である。
G.5.7.2 準備完了状態
RFタグは,リーダライタによって活性化されているとき,準備完了状態にある。RFタグは選択フラグ
が設定されていないとき,いかなる要求も処理しなければならない。
G.5.7.3 沈黙状態
沈黙状態にあるとき,RFタグはインベントリフラグが設定されておらず,かつ,アドレスフラグが設定
されている場合,いかなる要求も処理しなければならない。
G.5.7.4 選択状態
選択状態にあるただ一つのRFタグは,選択フラグの設定をもつ要求を処理しなければならない。
注記1 この状態遷移法が意図するところは,同時にはただ一つのRFタグだけが選択状態にあるのが望ましいという
ことである。
注記2 RFタグ状態遷移図は,有効な遷移だけを例示している。その他すべてのケースは,その時のRFタグ状態か
ら変化しないままである。RFタグがリーダライタの要求を処理できないとき(例えばCRCエラーその他),
RFタグはその時の状態にとどまることとする。
注記3 RFタグのサポートが任意であるため,選択状態は破線で表示した。
図G.23−RFタグ状態遷移図
100
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G.6 衝突管理
表G.11参照。
表G.11−モード1:衝突管理パラメタ表
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及びオプション
M1-A: 1
タイプ
(確率論的又
は決定論的)
決定論的
プロトコル拡張:確率論的
M1-A: 2
リニア性
あり
プロトコル拡張:500タグまであり。交信範囲内で500タグ
以上になるとリニア性はない。
M1-A: 3
タグインベン
トリ能力
264
プロトコル拡張:264
M1-A: 4
要求パラメタ
Inventoryコマンドを使用するとき,リーダライタは次のよう
にしなければならない。
− Nbスロットフラグを望ましい設定にする。
− コマンドの後にマスク長フィールド及びマスク値を追
加する。
− 図G.24参照
M1-A: 5
タイミング
G.7.4参照。
M1-A: 6
マスク値
− マスク値は,バイトの整数に含まれる。一方,有効なビ
ット数はマスク長によって示される。LSBが最初に伝送
されなければならない。次のバイトとの境界まで空値を
埋めなければならない。
− 次のフィールドは次のバイトの境界から始まる。
M1-A: 7
Afiフィールド Afiフィールドも,コマンドコードに続いて要求上に存在す
る(Afiフラグがセットされている場合)。
M1-A: 8
規則及び制限
事項
− タグの応答がなかった場合,リーダライタはEOFを送
ることによって次のスロットに切り替える。
− 一つ以上のタグからの応答を受信した場合,リーダライ
タは次のスロットに切り替えるためにEOFを送る前に,
タグフレームの受信が完了するまで待たなければなら
ない。
− タイミングはG.7.4に示す。
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表G.11−モード1:衝突管理パラメタ表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及びオプション
M1-A: 9
タグによる要
求処理
有効な要求の受入れに関して,タグはスロットの総数(1又
は16)である次のアルゴリズムNbSを実行しなければなら
ない。
SNは現在のスロット番号(0〜15)。
LSB(値,n)機能はn個のLSB値を返す。
MSB(値,n)機能はn個のMSB値を返す。
“&”は連結演算子
スロットフレームはSOF又はEOFのいずれかである。
SN = 0
if Nb̲slots̲flag then NbS = 1
SN̲length = 0
else NbS = 16 SN̲length = 4
endif
label1:if LSB (MFR Tag ID, SN̲length +
Mask̲Length) = LSB (SN SN̲length) &
MSB(Mask, Mask̲Length then
transmit response to inventory request
endif
wait (Slot̲Frame)
if Slot̲Frame=SOF then
Stop Collision Management and
decode/process request
exit
endif
if SN < NbS-1 then
SN = SN + 1
goto label1
exit
endif
exit
M1-A:10
コマンド
コマンドの4セットは,次のとおり定義されている。
− 必す(須)コマンド 01〜1F
すべてのタグは,これらをサポートしなければならない。
− 任意選択コマンド 20〜9F
タグは任意選択でサポート。サポートしている場合,要求及
び応答のフォーマットは,この規格で与えられた定義に適合
しなければならない。RFタグがある任意選択のコマンドを
サポートせず,また,アドレスフラグ又は選択フラグが設定
されている場合,エラーコード("Not supported")が返され
るか,又は沈黙を続ける。アドレスフラグ又は選択フラグの
いずれも設定されていない場合,RFタグは沈黙を維持しな
ければならない。コマンドがRFタグがサポートする別のオ
プションをもっていない場合,エラーコードを返さなければ
ならない。
コメント
タイミングの問題(書込
み又はプログラム時間)
は,この規格でカバーし
ていないが,この規格を
拡張するか,又は後続の
アプリケーション規格で
完成させる必要がある。
コメント
カスタムコマンドを最小
限にとどめておくこと
は,大いに望ましい。
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表G.11−モード1:衝突管理パラメタ表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及びオプション
M1-A:10
(続き)
コマンド
− カスタムコマンド A0〜DF
タグは,製造者で指定した機能を実行するためにタグのオプ
ションでそれらをサポートしている。フラグ(留保されたビ
ットを含む)の機能は変調してはならない。カスタマイズで
きるフィールドは,物理パラメタ及びデータフィールドだけ
である。
いかなるカスタムコマンドも,最初のパラメタとしてIC製
造者コードを含む。
これは,IC製造者がコマンドコードのコピー,及びそれに
よって起こる誤解のリスクなしでカスタムコマンドを実装
することを可能にする。
RFタグがカスタムコマンドをサポートせず,アドレスフラ
グ又は選択フラグが設定されている場合,RFタグはエラー
コード("Not supported")を返すか,又は沈黙を続ける。ア
ドレスフラグ又は選択フラグのいずれも設定されていない
場合,RFタグは沈黙を維持しなければならない。コマンド
がRFタグがサポートする別のオプションをもっていない場
合,エラーコードを返さなければならない。
− 独自仕様コマンド E0〜FF
これらのコマンドは,IC及びタグの製造者によって,試験,
システム情報のプログラムなどの異なる目的のために使用
される。これらはこの規格で特定しない。IC製造者が任意
に文書化してもよい。これらのコマンドは,IC及び/又は
タグの製造後は使用不可能としてもよい。
同じIC製造者コード及び同じICバージョンナンバをもつす
べてのタグは,同じ働きをする。
コメント
リーダライタ設計者は,
次の可能性に注意された
い。タグ製造者は,同じ
コマンドコードのために
全く異なる方法でカスタ
ムコマンドを実装し,そ
の結果予測できないエラ
ーを引き起こす可能性が
ある。したがって,IC製
造者コード及びICバー
ジョンをタグに要求した
後にだけカスタムコマン
ドを実行することを推奨
する。IC製造者情報によ
ってリンクされた,これ
ら二つのアイテムの情報
は,サポートされたコマ
ンド及び,それらのシン
タックスをリーダライタ
に知らせる。
コメント終わり
M1-A: 11
応答エラーコ
ード
エラーフラグがタグによって応答に設定される場合,エラー
コードフィールドは存在し,起こったエラーについての情報
を提供する。
次のエラーコードを指定する。
その他のコードは,将来の使用のために確保しておく。
0x01 コマンドはサポートされない。例 要求コードは認識
されない。
0x02 コマンドは認識されない。例 フォーマットエラー発
生。
0x03 コマンドオプションはサポートされない。
0x0F エラーの情報が与えられないか,又はエラーコードが
サポートされていない。
0x10 指定のブロックは利用できない(実在しない)。
0x11 指定のブロックは既にロックされ,したがって,再び
ロックすることはできない。
0x12 指定のブロックはロックされ,その内容は変更不能で
ある。
0x13 指定のブロックのプログラムは成功していなかった。
0x14 指定のブロックのロックが成功していなかった。
“A0”〜“DF”カスタムコマンドエラーコード
その他すべて RFU
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.11−モード1:衝突管理パラメタ表(続き)
参照
パラメタ
解説及び制限
コメント及びオプション
M1-A: 12
必す(須)コマ
ンド
必す(須)コマンドは次のとおり。
:Inventoryコマンド
:Stay quietコマンド
M1-A: 12a Inventoryコマ
ンド
Inventory要求を受信したとき,タグは衝突管理シーケンスを
実行する。
応答には次が含まれる:
− データ記憶形式ID
− “E0”,“IC製造者コード”及び“ICシリアルナンバ”
を含めた固有ID。
タグがエラーを検出した場合,タグは沈黙を続ける。
注記 製造者タグIDは
IC製造者によって
プログラムされて
いる。
M1-A: 12b Stay quietコマ
ンド
コマンドが実行されると,タグは沈黙状態に入り,かつ,応
答を返さない。Stay quietコマンドに対する応答はない。
沈黙状態にあるとき:
− インベントリフラグが設定されている場合,タグはいか
なる要求も処理しない。
− タグはアドレス指定されたどの要求も処理する。
タグが沈黙状態を出なければならないとき:
− リセット(電源オフ)
− Select要求を受信したとき,サポートしている場合は選
択状態に入り,サポートしていない場合はエラーコード
を返す。
− Reset to ready要求を受信したとき,タグはリセットし,
準備完了状態になる。
M1-A: 14
衝突管理ルー
プにおける製
造者IDの使用
製造者タグIDは,衝突管理ループの間にリーダライタとRF
タグとの間で1対1のやりとりを行うために,各リーダライ
タに一意的かつ個別のアドレスを指定するために使われる。
− プロトコルは次の交換に基づいている
− リーダライタからタグへの要求
− タグからリーダライタへの応答
− それぞれの要求及びそれぞれの応答は“フレーム”に含
まれる。フレームの区切り文字(SOF,EOF)は前に指
定済み。
− 各要求は次のフィールドで構成される:
フラグ
コマンドコード
必す(須)及び任意パラメタフィールド,
コマンド次第で
アプリケーションデータフィールド
CRC も追加される。
− 各応答は次のフィールドで構成される:
フラグ
必す(須)及び任意パラメタフィールド,
コマンド次第で
アプリケーションデータフィールド
CRC も追加される。
プロトコルはビット指向である。フレーム内で伝送されたビ
ット数は8の倍数である。
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G.7 衝突管理の操作方法の解説(参考)
G.7.1 要求パラメタ
Inventoryコマンドが発行されたとき,リーダライタはNbスロットフラグを目的とする設定にセットし,
マスク長及びマスク値をコマンドフィールドの後に加える。
マスク長は,マスク値の指定ビット数を示す。これは,16スロットが使用された場合は0〜60のどの値
でも,及び1スロットが使用された場合は0〜64のどの値でももつことができる。LSBは最初に伝送され
る。
マスク値は,バイトの整数に含まれる。LSBは最初に伝送しなければならない。
マスク長が8の倍数でない場合,マスク値がバイトの整数を含むようにするため,マスク値MSBは必
要な空値(0に設定)ビットを追加しなければならない。
次のフィールドは,次のバイトの境界線上から始まる(図G.24及び図G.25参照)。
SOF
フラグ
コマンド
マスク長
マスク値
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
8ビット
0〜8バイト
16ビット
図G.24−Inventory要求フォーマット
MSB
LSB
0000
0100 1100 1111
充当値
マスク値
図G.25−マスクの充当値の例
図G.25の例の中で,マスク長は12ビットである。マスク値MSBは,0の4ビットセットで埋めた。Afi
フィールドは,Afiフラグがセットされている場合,そこに存在する。パルスは,この規格のモード1に
おけるEOFの定義に従って生成される。1番目のスロットは,要求EOFを受信後,直ちにスタートする。
次のスロットに切り替えるために,リーダライタはEOFを送信する。
規則及び制限
次の規則及び制限を適用。
− タグの返答がないことが検出された場合,リーダライタはEOFを送信して次のスロットに切り替えら
れる。
− 一つ以上のタグの返答があった場合,リーダライタは次のスロットに切り替えるためにEOFを送信す
る前に,タグフレームの受信が完了するまで待たなければならない。
タイミングはG.7.4に示す。
G.7.2 RFタグによる要求処理
有効な要求を受け入れた場合,RFタグは次のイタリックで書かれたテキストで指定されたシーケンスの
実行によって処理する。シーケンスのステップは,図G.26に示す。
NbS is the total number of slots (1 or 16)
SN is the current slot number (0 to 15)
SN̲length is set to 0 when 1 slot is used and set to 4 when 16 slots are used
LSB (value, n) function returns the n less significant bits of value
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"&" is the concatenation operator
Slot̲Frame is either a SOF or an EOF
SN = 0
if Nb̲slots̲flag then
NbS = 1 SN̲length = 0
else NbS = 16 SN̲length = 4
endif
label1: if LSB (UID, SN̲length + Mask̲length) = LSB (SN, SN̲length) & LSB (Mask, Mask̲length) then
transmit response to inventory request
endif
wait (Slot̲Frame)
if Slot̲Frame = SOF then
Stop Collision Management and decode/process request
exit
endif
if SN < NbS-1 then
SN = SN + 1
goto label1
exit
endif
exit
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注記 スロット番号が1のとき(Nbスロットフラグが1にセットされている。),比較はマスク上でだけ行われる
(充当値なしで)。
図G.26−マスク値,スロット番号及びUID間の比較の原理
G.7.3 衝突管理シーケンスの説明
図G.27は,スロット番号が16に設定された場合の標準的な衝突管理シーケンスの間に生じる主要なケ
ースの要約である。
それぞれのステップは次のとおりである。
a) リーダライタがフレーム内Inventory要求を送り,EOFによって終了。スロット番号は16。
b) RFタグ1はスロット0に応答を送信。これは,一つだけができるので,したがって衝突は発生せず,
リーダライタによってそのタグのUIDは受信され,登録された。
c) 次のスロットに切り替える目的でリーダライタがEOFを送る。
d) スロット1内で,二つのRFタグ2及び3が応答を送信し,衝突が発生。リーダライタは衝突を検出
し,スロット1で衝突が検出されたことを記憶する。
e) 次のスロットに切り替える目的でリーダライタがEOFを送る。
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f)
スロット2内で,RFタグ応答の送信がなかった。したがって,リーダライタはRFタグSOFを検知
せず,そしてEOFを送ることによって次のスロットに切替えと決定する。
g) スロット3内で,RFタグ4及び5からの応答が原因で別の衝突が起きた。
h) リーダライタは,そのためUIDを既に正しく受信していたRFタグ1に対してアドレス指定要求(Read
blockコマンドの事例)を送る決定をする。
i)
すべてのRFタグはSOFを検出し,衝突管理シーケンスを終了した。それらは,この要求を処理し,
そしてそれ以降要求はRFタグ1にアドレス指定され,RFタグ1だけが応答を伝送する。
j)
すべてのタグが別の要求を受け取る準備をする。それがInventoryコマンドである場合は,スロットは
ナンバリングシーケンスを0から再開する。
注記 衝突管理シーケンスの中断の決定はリーダライタによる。リーダライタはスロット15になるま
でEOFを送り続け,その後にRFタグ1に要求を送る。
注記 t1,t2及びt3はG.7.4に示す。
図G.27−可能な衝突管理シーケンスの解説
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G.7.4 タイミング設計仕様
リーダライタ及びRFタグは,次のタイミング設計仕様に従わなければならない。
G.7.4.1 リーダライタからのEOFを受け取った後,応答を送信する前のRFタグ待ち時間
RFタグが有効なリーダライタ要求のEOFを検出した場合,又はこのEOFが有効なリーダライタ要求の
通常シーケンス中に存在した場合は,リーダライタの要求に対する応答の送信を開始する前,又はインベ
ントリプロセス中に次のスロットに切り替える前に,時間t1だけ待たなければならない(G.7.2及びG.7.3
参照)。
t1は,リーダライタからの受信したEOFの立ち上がりの検出からスタートする(G.7.3参照)。
注記 リーダライタからRFタグへのEOFの立ち上がりに対する同期は,RFタグ応答の同期要件を
確実にする必要がある。
t1の最小値はt1min=4 320/fc(318.6 µs)
t1の公称値はt1nom=4 352/fc(320.9 µs)
t1の最大値はt1max=4 384/fc(323.3 µs)
t1maxは,書込みのような要求に適用できない。書込みのような要求のタイミング条件は,コマンド記
述の中に規定されている。
RFタグが時間t1の間に搬送周波数を検出した場合,RFタグはそのt1タイマをリセットした後,リーダ
ライタ要求に対する応答の送信を開始する前に,又はインベントリプロセス内にある場合には,次のスロ
ットへの切り替えを開始する前に,時間t1だけ更に待たなければならない。
G.7.4.2 リーダライタからのEOF受け取りの後のRFタグ変調無視時間
RFタグが有効なリーダライタに要求のEOFを検出したとき,又はそのEOFが有効なリーダライタ要求
の通常シーケンス中にあった場合,RFタグは時間tmitの期間に受信したすべての10 %変調を無視する。
tmitは,リーダライタから受信したEOF立ち上がりの検出からスタートする(G.3.4.3参照)。
tmitの最小値は,
tmitmin=4 384/fc (323.3 µs)+tnrt
ここに,
tnrt: RFタグの公称応答時間
tnrtは,RFタグからリーダライタへのデータレート及び副搬送波変調モードに依存している(G.7.2及び
G.7.3参照)。
注記 リーダライタからRFタグへのEOFの立ち上がりに対する同期は,RFタグ応答の同期要件を
確実にする必要がある。
G.7.4.3 後続の要求を送信する前のリーダライタ待ち時間
リーダライタが後続の要求を送信する前の待ち時間は,次による。
a) リーダライタが,インベントリ及び沈黙を除く以前の要求に対するRFタグからの応答を受信した場
合,リーダライタは後続の要求を送信する前に時間t2を待たなければならない。t2は,RFタグから
のEOFの受信が済んだ時間からスタートする。
b) リーダライタが沈黙要求を送信した場合(RFタグ応答を生まない。),後続の要求を送信する前に時間
t2を待たなければならない。t2は,沈黙要求EOFの終端からスタートする(EOFの立ち上がりプラ
ス9.44 µs。G.3.4.3参照)。
t2の最小値は,t2min=4 192/fc(309.2 µs)。
注記1 RFタグが後続の要求を受信する用意を確実にする(G.3.3参照)。
注記2 リーダライタはRFタグが要求受信の準備を確実にするため,最初の要求を送信する前に
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電力供給フィールドを活性化した後,少なくとも1 ms待つのがよい(G.3.3参照)。
c) リーダライタがInventory要求を送ったとき,それはインベントリプロセス中である(G.7参照)。
G.7.4.4 インベントリプロセスの間に次のスロットに切り替える前のリーダライタ待ち時間
インベントリプロセスは,リーダライタがInventory要求を送信した時にスタートする(G.7.2及びG.7.3
参照)。
次のスロットに切り替えるために,リーダライタはG.7.4.4.1で指定した待ち時間の後,RFタグに対し
てその要求を送信するために使用する変調指数から独立した10 %又は100 %変調EOFのいずれかを送信
する。
G.7.4.4.1 リーダライタが一つ以上のRFタグ応答の受信をスタートした場合
インベントリプロセスの間,リーダライタが一つ以上のRFタグ応答の受信をスタートした場合(すな
わち,リーダライタがRFタグSOF及び/又は衝突を検知した場合),リーダライタは,次のことをしな
ければならない。
− RFタグ応答を完全に受け取るまで待つ(すなわち,RFタグEOFを受け取ったか,又はRFタグの公
称応答時間tnrtが経過したとき)。
− 追加時間t2を待つ。
− そして,次のスロットに切り替えるために10 %又は100 %変調EOFを送信する。
t2は,RFタグからEOFを受け取った時からスタートする(G.7.3参照)。
t2の最小値は,t2min=4 192/fc(309.2µs)。tnrtは,RFタグからリーダライタへのデータレート及び副搬
送波変調モードに依存する(G.7.2及びG.7.3 参照)。
G.7.4.5 リーダライタがRFタグ応答を受信しなかった場合
インベントリプロセスの間,リーダライタがRFタグ応答を受信しなかった場合,リーダライタは,次
のスロットに切り替えるために後続のEOFを送信する前に,時間t3を待たなければならない。
t3は,リーダライタが最後に送ったEOFの立ち上がりを生成した時からスタートする。
a) リーダライタが100 %変調EOFを送る場合,t3の最小値はt3min=4 384/fc (323.3 µs)+tsof。
リーダライタが10 %変調EOFを送る場合,t3の最小値はt3min=4 384/fc (323.3µs)+tnrt。
ここに,
− tsofは,RFタグからリーダライタに対してSOFを送る間の時間。
− tnrtは,RFタグの公称応答時間。
tnrt及びtsofは,RFタグからリーダライタへのデータレート及び副搬送波変調モードに依存する(G.7.2
及びG.7.3参照)。
G.8 コマンド
G.8.1 コマンドの種類
必す(須)コマンド,任意選択コマンド,カスタムコマンド,及び独自仕様コマンドの4種類のコマン
ドセットを規定する。
同じIC製造者コード及び同じICバージョン番号をもつすべてのRFタグは,同じ動作をしなければな
らない。
G.8.1.1 必す(須)コマンド
コマンドコードの範囲は,“01”から“1F”までとする。
すべてのRFタグは,これらのコマンドを採用しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.8.1.2 任意選択コマンド
コマンドコードの範囲は,“20”から“9F”までとする。
RFタグが採用するのは任意とする。採用する場合,要求コマンド及びその応答のフォーマットはこの規
格に従う。
RFタグが任意選択コマンドを採用せず,かつ,アドレスフラグ又は選択フラグが設定されている場合,
RFタグはエラーコード("Not supported")を返すか,又は沈黙を続ける。アドレスフラグ又は選択フラグ
のいずれも設定されていなければ,RFタグは沈黙を続ける。
コマンドがRFタグによって採用されるものと違う場合,エラーコードを返さなければならない。
G.8.1.3 カスタムコマンド
コマンドコードの範囲は,“A0”から“DF”までとする。
RFタグは,製造者固有の機能を組み込むために,任意で採用する。フラグ(含む予約ビット)に関する
機能は,オプションフラグを除いて変更してはならない。製造者が設定できるフィールドは,パラメタ及
びデータフィールドだけとする。
カスタムコマンドは,第1パラメタにIC製造者コードを含む。このため,IC製造者は,コマンドコー
ドの複写及び誤解読のリスクなしでカスタムコマンドを実装できる。
RFタグがカスタムコマンドを採用せず,かつ,アドレスフラグ又は選択フラグが設定されている場合,
RFタグはエラーコード("Not supported")を返すか,又は沈黙を続ける。アドレスフラグ又は選択フラグ
のいずれも設定されていない場合は,RFタグは沈黙を続ける。
コマンドがRFタグによって採用されるものと違う場合,エラーコードを返さなければならない。
G.8.1.4 独自仕様コマンド
コマンドコード範囲は,“E0”から“FF”までとする。
これらのコマンドは,IC及びタグ製造者がテスト,システム検証プログラミングなどのために使用する
コマンドとするが,この規格では規定しない。IC製造者は,この任意選択事項を書面化してもよいし,し
なくてもよい。これらのコマンドはIC及び/又はタグの製造後に無効にしてもよい。
G.8.2 コマンドコード
表G.12参照。
表G.12−コマンドコード
コマンドコード
タイプ
機能
“01”
必す(須)
Inventory(受付コマンド)
“02”
必す(須)
Stay quiet(静止コマンド)
“03”〜“1F”
必す(須)
RFU
“20”
任意選択
Read single block(単一ブロック読取りコマンド)
“21”
任意選択
Write single block(単一ブロック書込みコマンド)
“22”
任意選択
Lock block(ブロック施錠コマンド)
“23”
任意選択
Read multiple blocks(複数ブロック読取りコマンド)
“24”
任意選択
Write multiple blocks(複数ブロック書込みコマンド)
“25”
任意選択
Select(選択コマンド)
“26”
任意選択
Reset to ready(準備のためのリセットコマンド)
“27”
任意選択
Write Afi(Afi書込みコマンド)
“28”
任意選択
Lock Afi(Afi施錠コマンド)
“29”
任意選択
Write DSFID(DSFID書込みコマンド)
111
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.12−コマンドコード(続き)
コマンドコード
タイプ
機能
“2A”
任意選択
Lock DSFID(DSFID施錠コマンド)
“2B”
任意選択
Get system information(システム情報取得コマンド)
“2C”
任意選択
Get multiple block security status(複数ブロックセキュリティ状態取得)
“2D”〜“9F”
任意選択
RFU
“A0”〜“DF”
カスタム
IC製造者の仕様による。
“E0”〜“FF”
独自仕様
IC製造者の仕様による。
G.8.3 必す(須)コマンド
G.8.3.1 Inventory(受付コマンド)
コマンドコード=“01”
Inventoryコマンドを受けると,RFタグは衝突管理シーケンスを実行する(図G.28参照)。
Inventoryコマンドの構成:
− フラグ
− Inventoryコマンドコード
− Afi(Afiがセットされている場合)
− マスク長
− マスク値
− CRC
インベントリフラグは,1と設定される。
フラグビットの5〜8の意味は,表G.8による。
SOF
フラグ
Inventory
任意Afi
マスク長
マスク値
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
8ビット
8ビット
0〜64ビット
16ビット
図G.28−Inventory要求フォーマット
応答は,次のように構成する(図G.29参照)。
− DSFID
− 固有ID(UID)
RFタグがエラーを検出した場合,沈黙のままでいる。
SOF
フラグ
DSFID
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.29−Inventory応答フォーマット
G.8.3.2 Stay quiet(静止コマンド)
コマンドコード=“02”
Stay quietコマンドを受けると,RFタグは沈黙状態にとどまり,応答を返してはならない。Stay quietコ
マンドに対する応答はない(図G.30参照)。
沈黙状態にある場合:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− インベントリフラグが設定されている場合,RFタグはいかなる要求も処理しない。
− RFタグはアドレス指定されたどの要求も処理する。
次の場合,RFタグは,静止状態から遷移する。
− リセット(電源オフ)
− Selectコマンドを受信する。Stay quietコマンドをサポートしていれば選択状態に入り,サポートして
いなければエラーコードを返す。
− Reset to readyコマンドを受信すると,準備状態になる。
SOF
フラグ
Stay quiet
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.30−Stay quiet要求フォーマット
要求パラメタ:
UID[必す(須)]
Stay quietコマンドは,常にアドレス指定モードで実行されなければならない(選択フラグは0に設定し,
アドレスフラグは1に設定する。)。
G.8.4 任意選択コマンド
G.8.4.1 Read single block(単一ブロック読取りコマンド)
コマンドコード=“20”
Read single blockコマンドを受信した場合,RFタグは要求ブロックを読み出し,読み出した内容を応答
に付けて返さなければならない(図G.31参照)。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,ブロックセキュリティ状態に続いてブロック値を
返さなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,RFタグは,ブロック値だけを返さなければならない。
SOF
フラグ
Read single block
UID
ブロック番号
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
図G.31−Read single block要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
ブロック番号
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.32−エラーフラグ設定時のRead single block応答フォーマット
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
データ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
ブロック長
16ビット
図G.33−エラーフラグ未設定時のRead single block応答フォーマット
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。)。エラーフラグが設定されて
いない場合はエラーフラグだけ(図G.32及び図G.33参照)。
ブロックセキュリティステータス(オプションフラグが要求内で設定されている場合)。
ブロックデータ。
G.8.4.2 Write single block(単一ブロック書込みコマンド)
コマンドコード=“21”
Write single blockコマンドを受信した場合,RFタグは要求内に含まれたデータで要求されたブロックを
書き込み,応答中で動作の成功を報告しなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始した書込み動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.34参照)。
SOF
フラグ
Write single block
UID
ブロック番号
データ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
ブロック長
16ビット
図G.34−Write single block要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
ブロック番号
データ
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.35−エラーフラグ設定時のWrite single block応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.36−エラーフラグ未設定時のWrite single block応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.35及び図G.36参照)。
G.8.4.3 Lock block(ブロック施錠コマンド)
コマンドコード=“22”
Lock blockコマンドを受信した場合,RFタグは要求されたブロックを永久的にロックしなければならな
い。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始したロック動作が完了した時,RFタグ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.37参照)。
SOF
フラグ
Lock block
UID
ブロック番号
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
図G.37−Lock single block要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
ブロック番号
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.38−エラーフラグ設定時のLock block応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.39−エラーフラグ未設定時のLock block応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.38及び図G.39参照)。
G.8.4.4 Read multiple blocks(複数ブロック読取りコマンド)
コマンドコード=“23”
Read multiple blocksコマンドを受信した場合,RFタグは要求ブロックを読み取り,応答に含めてそれら
の値を送り返さなければならない。
要求内にオプションフラグが設定されている場合,RFタグは,その後にブロックが一つ一つ連続してい
るブロックの値が続くブロックセキュリティステータスを返さなければならない(図G.40参照)。
オプションフラグが設定されていない場合,RFタグは,ブロック値だけを返さなければならない。
ブロックは“00”から“FF”(0〜255)まで番号付けされる。
要求内のブロックの数は,RFタグが応答内で返すブロックの数より一つ少ない。
例 “ブロックの数”フィールド内の“06”の値は,7ブロックを読み取ることを要求している。
SOF
フラグ
Read multiple
blocks
UID
第1ブロック
番号
ブロックの数
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
16ビット
図G.40−Read multiple blocks要求フォーマット
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
要求パラメタ:
(任意)UID
第1ブロック番号
ブロックの数
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.41−エラーフラグ設定時のRead multiple blocks応答フォーマット
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
データ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
ブロック長
16ビット
必要なだけ繰り返す
図G.42−エラーフラグ未設定時のRead multiple blocks応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーコードが設定されている場合。図G.41参照)。
エラーコードが設定されていない場合(RFタグ応答中,次の順番を遵守しなければならない。図G.42
参照)。
ブロックセキュリティステータスN(オプションフラグが要求に設定されている場合)
ブロック値N
ブロックセキュリティステータスN+1(オプションフラグが要求に設定されている場合)
ブロック値N+1
その他
Nは,最初に要求された(そして返された)ブロック
G.8.4.5 Write multiple blocks(複数ブロック書込みコマンド)
コマンドコード=“24”
Write multiple blocksコマンドを受信した場合,RFタグは要求に含まれたデータで要求されたブロックを
書き込み,応答内でその動作が成功したことを報告しなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始した書込み動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.43参照)。
ブロックは“00”から“FF”(0〜255)まで番号付けされる。
要求内のブロックの数は,RFタグが書き込むべきブロック数より一つ少ない。
例 “ブロックの数”フィールドで“06”の値は,7ブロックを書き込むよう要求している。その“デ
ータ”フィールドは,7ブロックを含まなければならない。“ブロックの数”フィールドで“00”
の値は,1ブロックを書き込むよう要求している。“データ”フィールドは,1ブロックを含まな
ければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
SOF
フラグ
Write
multiple
blocks
UID
第1
ブロック
番号
ブロックの
数
データ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
ブロック長
16ビット
必要なだけ繰り返す
図G.43−Write multiple blocks要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
第1ブロック番号
ブロックの数
ブロックデータ(図G.44で定義したとおり繰り返す。)。
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.44−エラーフラグ設定時のWrite multiple blocks応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.45−エラーフラグ未設定時のWrite multiple blocks応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.44及び図G.45参照)。
G.8.4.6 Select(選択コマンド)
コマンドコード=“25”
Selectコマンドを受信した場合:
− UIDが自分のUIDと等しい場合,RFタグは選択状態に入り,応答を送信しなければならない。
− UIDが異なる場合,RFタグは準備完了状態に戻り,応答を送信してはならない。Selectコマンドは,
常にアドレス指定モード内で実行しなければならない(選択フラグは0に設定し,アドレスフラグは
1に設定する。図G.46参照)。
SOF
フラグ
Select
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.46−Select要求フォーマット
要求パラメタ:
UID[必す(須)]
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.47−エラーフラグ設定時のSelect応答フォーマット
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.48−エラーフラグ未設定時のSelect応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.47及び図G.48参照)。
G.8.4.7 Reset to ready(準備のためのリセットコマンド)
コマンドコード=“26”
Reset to readyコマンドを受信した場合,RFタグは準備完了状態に戻らなければならない(図G.49参照)。
SOF
フラグ
Reset to ready
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.49−Reset to ready要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.50−エラーフラグ設定時のReset to ready応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.51−エラーフラグ未設定時のReset to ready応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.50及び図G.51参照)。
G.8.4.8 Write Afi(Afi書込みコマンド)
コマンドコード=“27”
Write Afi要求を受け取った場合,RFタグはメモリにAfi値を書き込まなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始した書込み動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.52参照)。
SOF
フラグ
Write Afi
UID
Afi
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
図G.52−Write Afi要求フォーマット
118
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
要求パラメタ:
(任意)UID
Afi
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.53−エラーフラグ設定時のWrite Afi応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.54−エラーフラグ未設定時のWrite Afi応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.53及び図G.54参照)。
G.8.4.9 Lock Afi(Afi施錠コマンド)
コマンドコード=“28”
Lock Afi要求を受け取った場合,RFタグはメモリの中に永久的にAfi値をロックしなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始したロック動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.55参照)。
SOF
フラグ
Lock Afi
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.55−Lock Afi要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.56−エラーフラグ設定時のLock Afi応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.57−エラーフラグ未設定時のLock Afi応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.56及び図G.57参照)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.8.4.10 Write DSFID(DSFID書込みコマンド)
コマンドコード=“29”
Write DSFID要求を受け取った場合,RFタグはDSFID値をメモリに書き込まなければならない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始した書込み動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグはリーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の受
領を応答で返さなければならない(図G.58参照)。
SOF
フラグ
Write DSFID
UID
DSFID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
16ビット
図G.58−Write DSFID要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
DSFID
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.59−エラーフラグ設定時のWrite DSFID応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.60−エラーフラグ未設定時のWrite DSFID応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.59及び図G.60参照)。
G.8.4.11 Lock DSFID(DSFID施錠コマンド)
コマンドコード=“2A”
Lock DSFID要求を受け取った場合,RFタグはメモリの中に永久的にDSFID値をロックしなければなら
ない。
オプションフラグが設定されていない場合,次の条件の後で開始したロック動作が完了した時,RFタグ
はその応答を返さなければならない。
t1nom[4 352/fc(320.9 µs),G.7.4.1参照]+総許容値±32/fcを伴う4 096/fc(302 µs)の倍数,及び最後
にリーダライタ要求のEOFの立ち上がりを20 ms間検出した後。
オプションフラグが設定されている場合,RFタグは,リーダライタからのEOFの受領を待ち,当該の
受領を応答で返さなければならない(図G.61参照)。
120
X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
SOF
フラグ
Lock DSFID
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.61−Lock DSFID要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.62−エラーフラグ設定時のLock DSFID応答フォーマット
SOF
フラグ
CRC16
EOF
8ビット
16ビット
図G.63−エラーフラグ未設定時のLock DSFID応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.62及び図G.63参照)。
G.8.4.12 Get system information(システム情報取得コマンド)
コマンドコード=“2B”
Get system informationコマンドは,RFタグからのシステム情報の値を取得することを可能にする(図
G.64参照)。
SOF
フラグ
Get system information
UID
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
16ビット
図G.64−Get system information要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.65−エラーフラグ設定時のGet system information応答フォーマット
SOF
フラグ
情報フラグ
UID
DSFID
Afi
その他の
フィールド
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
下記参照
16ビット
図G.66−エラーフラグ未設定時のGet system information応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.65及び図G.66参照)。
エラーフラグ未設定の場合,
121
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
情報フラグをセットする。
UID[必す(須)]
情報フィールドは,対応フラグと同じ順である。それらの対応フラグが設定されている場合,図G.51
及び表G.3の定義にのっとり設定する。
注記 上記の文で,対応国際規格では表G.3としているが,正しくは表G.13である。
表G.13−情報フラグの定義
ビット
フラグ名
値
解説
b1
DSFID
0
DSFIDのサポートなし。DSFIDフィールドなし
1
DSFIDのサポートあり。DSFIDフィールドあり
b2
Afi
0
Afiのサポートなし。Afiフィールドなし
1
Afiのサポートあり。Afiフィールドあり
b3
RFタグメモリサイズ
0
RFタグメモリサイズ情報のサポートなし。メモリサイズフィールドな
し
1
RFタグメモリサイズ情報のサポートあり。メモリサイズフィールドあ
り
b4
IC参照
0
IC参照情報のサポートなし。IC参照フィールドなし
1
IC参照情報のサポートあり。IC参照フィールドあり
b5
RFU
0
b6
RFU
0
b7
RFU
0
b8
RFU
0
表G.14−RFタグメモリサイズ情報
MSB
LSB
16
14 13
9 8
1
RFU
バイトでのブロックサイズ
ブロックの数
ブロックサイズは5ビットで表されるバイト数で表現され,32バイト(すなわち256ビット)まで指定
することが可能である。これは,バイトの実数よりも一つ少ない。例えば,“1F”の値は32バイトを示し,
“00”の値は1バイトを示す。
ブロックの数は8ビットで表現され,256ブロックまで指定することができる。これはブロックの実際
の数よりも一つ少ない。例えば,“FF”の値は256ブロックを示し,“00”の値は1ブロックを示す。
最上位3ビットは将来の使用のために確保されており,0に設定しなければならない。
IC参照情報は,8ビットで表現し,その内容はIC製造者が定める。
G.8.4.13 Get multiple block security status(複数ブロックセキュリティ状態取得)
コマンドコード=“2C”
Get multiple block security statusコマンドを受信した場合,RFタグはブロックセキュリティステータスを
送り返さなければならない(図G.67参照)。
ブロックは“00”から“FF”(0〜255)まで番号付けされている。
要求内のブロックの数は,RFタグがその応答内で返すブロックセキュリティステータスの数よりも一つ
少ない。
例 “ブロックの数”フィールド内の“06”の値は,7ブロックセキュリティステータスを返すこと
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X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を要求している。“ブロックの数”フィールド内の“00”の値は,一つのブロックセキュリティス
テータスを返すことを要求している。
SOF
フラグ
Get multiple block
security status
UID
第1ブロック
番号
ブロックの
数
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
64ビット
8ビット
8ビット
16ビット
図G.67−Get multiple block security status要求フォーマット
要求パラメタ:
(任意)UID
第1ブロック番号
ブロックの数
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.68−エラーフラグ設定時のGet multiple block security status応答フォーマット
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
必要なだけ繰り返す
図G.69−エラーフラグ未設定時のGet multiple block security status応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びエラーコード,エラーフラグが設定されている場合。図G.68及び図G.69参照)。
エラーフラグが未設定の場合,
ブロックセキュリティステータス(図G.69のように繰り返す。)
G.8.5 カスタムコマンド
カスタムコマンドのフォーマットは一般的なもので,RFタグの製造者によって明確に情報提供される。
カスタムコマンドコードは,カスタムコマンドコード及びRFタグの製造者コードの組合せによる。
カスタムコマンドのパラメタは,RFタグ製造者の責任で設定する(図G.70参照)。
SOF
フラグ
カスタム
IC製造者コード
カスタム要求パラメタ
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
8ビット
カスタム定義
16ビット
図G.70−カスタム要求フォーマット
要求パラメタ:
IC製造者コードは,JIS X 6320-6に適合する。
SOF
フラグ
エラーコード
CRC16
EOF
8ビット
8ビット
16ビット
図G.71−エラーフラグ設定時のカスタム応答フォーマット
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X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
SOF
フラグ
カスタムコマンド応答パラメタ
CRC16
EOF
8ビット
製造者がカスタム定義
16ビット
図G.72−エラーフラグ未設定時のカスタム応答フォーマット
応答パラメタ:
エラーフラグ(及びコード,エラーフラグ設定の場合。図G.71及び図G.72参照)。
エラーフラグが設定されていない場合,
カスタムパラメタ
G.8.6 独自仕様コマンド
これらのコマンドのフォーマットは,この規格では規定しない。
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X 6351-3:2010 (ISO/IEC 18000-3:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
[1] EN 300 220-1,Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short Range Devices
(SRD); Radio equipment to be used in the 25 MHz to 1 000 MHz frequency range with power levels ranging up
to 500 mW; range 9 kHz to 25 MHz and inductive loop systems Part 1: Technical characteristics and test
methods
[2] EN 300 220-2,Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short Range Devices
(SRD); Radio equipment to be used in the 25 MHz to 1 000 MHz frequency range with power levels ranging up
to 500 mW; range 9 kHz to 25 MHz and inductive loop systems Part 2: Supplementary parameters not intended
for conformity purposes
[3] EN 300 220-3,Electromagnetic compatibility and Radio spectrum Matters (ERM); Short Range Devices
(SRD); Radio equipment to be used in the 25 MHz to 1 000 MHz frequency range with power levels ranging up
to 500 mW; range 9 kHz to 25 MHz and inductive loop systems Part 3: Harmonized EN covering essential
requirements of article 3.2 of the R&TTE Directive
[4] EN 300 440,Radio Equipment and Systems (RES); Short range devices; Technical characteristics and test
methods for radio equipment to be used in the 1 GHz to 25 GHz frequency range”; European Technical
Standards Institution ETSI, TC RES, STC RES8, December 1995