X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 略語及び記号 ··················································································································· 2
4.1 略語 ···························································································································· 2
4.2 記号 ···························································································································· 2
5 近傍型ICカードの初期動作 ······························································································· 2
6 電力伝送························································································································· 3
6.1 周波数 ························································································································· 3
6.2 動作磁界強度 ················································································································ 3
7 VCDからVICCへの信号伝送 ···························································································· 3
7.1 変調方式 ······················································································································ 3
7.2 データ伝送速度及び符号化 ······························································································ 5
7.3 VCDからVICCへの伝送フレーム ···················································································· 8
8 VICCからVCDへの信号伝送 ···························································································· 9
8.1 負荷変調方式 ················································································································ 9
8.2 副搬送波 ······················································································································ 9
8.3 伝送速度 ······················································································································ 9
8.4 ビットの表現及び符号化方式 ··························································································· 9
8.5 VICCからVCDへの伝送フレーム ··················································································· 11
附属書A(参考)関連規格 ···································································································· 13
X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ICカードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本工業規格である。
これによって,JIS X 6323-2:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
連絡先
この規格における細分箇条
Infineon Technologies AG
P O Box 800949
D-81609 Munich
Germany
7.2 データ伝送速度及び符号化
Koninklijke Philips Electronics N.V.
Prof. Holstlaan 6
6566 AA Eindhoven
The Netherlands
7.2 データ伝送速度及び符号化
Omron Corporation
Intellectual Property Group
20 Igadera, Shimokaiinji, Nagaokakyo-City,
Kyoto, 617-8510 Japan
7.2 データ伝送速度及び符号化
EM Microelectronic-Marin SA
IP Management
Rue des Sors 3
CH-2074 Marin
7.2 データ伝送速度及び符号化
7.3 VCDからVICCへの伝送フレーム
Texas Instruments
Deutschland GmbH
D-85350 Freising
Germany
8.2 副搬送波
8.3 伝送速度
X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
(3)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。
JIS X 6323の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS X 6323-1 第1部:物理的特性
JIS X 6323-2 第2部:電波インタフェース及び初期化
JIS X 6323-3 第3部:衝突防止及び伝送プロトコル
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日本工業規格 JIS
X 6323-2:2011
(ISO/IEC 15693-2:2006)
識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−
近傍型−第2部:電波インタフェース及び初期化
Identification cards-Contactless integrated circuit cards-
Vicinity cards-Part 2: Air interface and initialization
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO/IEC 15693-2を基に,技術的内容及び構成を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。また,この規格は,JIS X 6301(ISO/IEC 7810,識別カード−
物理的特性)に定義されたIDカードのパラメタ及び国際流通用としてのこのIDカードの使用方法のうち,
外部端子のない近傍型のICカード,及びこれと結合する結合機器を規定する規格群(JIS X 6323)の一部
である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,近傍型ICカード(以下,VICCという。)とその結合装置(以下,VCDという。)との間の
電力伝送及び通信に必要なインタフェースについて規定する。
JIS X 6323の一部であるこの規格は,他のJIS X 6323規格群と関連をもつ。
この規格は,結合の磁界の発生方法を規定するものではなく,さらに,電磁界が環境及び人体に影響を
及ぼす限度を規定するものではない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 15693-2:2006,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−Vicinity cards−
Part 2: Air interface and initialization(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 6305-7 識別カードの試験方法−第7部:非接触(外部端子なし)ICカード−近傍型
注記 対応国際規格:ISO/IEC 10373-7,Identification cards−Test methods−Part 7: Vicinity cards(IDT)
JIS X 6323-1 識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−近傍型−第1部:物理的特性
注記 対応国際規格:ISO/IEC 15693-1,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−
Vicinity cards−Part 1: Physical characteristics(IDT)
JIS X 6323-3 識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−近傍型−第3部:衝突防止及び伝送
2
X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
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プロトコル
注記 対応国際規格:ISO/IEC 15693-3,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−
Vicinity cards−Part 3: Anticollision and transmission protocol(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 6323-1によるほか,次による。
3.1
変調度(modulation index)
変調された信号波形の振幅の最大値をa,最小値をbとしたとき,(a−b) / (a+b) で表される指標。
注記 変調度は,通常,パーセントで表す。
3.2
副搬送波(subcarrier)
搬送波信号(fc)を変調する周波数(fs)の信号。
3.3
バイト(byte)
b1〜b8の8ビットで構成されるビット列。最上位ビット(MSB)をb8,最下位ビット(LSB)をb1と
する。
4
略語及び記号
この規格では,次の略語及び記号を用いる。
4.1
略語
ASK(amplitude shift keying)
振幅変位キーイング
EOF(end of frame)
フレーム終了信号
LSB(least significant bit)
最下位ビット
MSB(most significant bit)
最上位ビット
PPM(pulse position modulation)
パルス位置変調
RF(radio frequency)
無線周波数
SOF(start of frame)
フレーム開始信号
VCD(vicinity coupling device)
近傍型結合装置
VICC(vicinity integrated circuit card)
近傍型ICカード
4.2
記号
a
搬送波の無変調時の振幅
b
搬送波の変調時の振幅
fc[frequency of operating field(carrier frequency)] 動作磁界の周波数(搬送波の周波数)
fs(subcarrier frequency)
副搬送波の周波数
Hmin
最小動作磁界強度
Hmax
最大動作磁界強度
5
近傍型ICカードの初期動作
VCDとVICCとの間の初期通信は,次の順に行わなければならない(複数のVICCが同時に存在しても
3
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よい。)。
− VCDの発生する無線周波数(RF)の動作磁界の中にVICCを置き,電力を供給する。
− VICCは,VCDからコマンドが送られてくるのを待機する。
− VCDは,コマンドを発生する。
− VICCは,それに反応して応答信号を返す。
これらの動作に必要な無線周波数(RF)の信号を用いた電力伝送及び信号インタフェースについて,次
に規定する。プロトコルは,JIS X 6323-3による。
6
電力伝送
VICCへの電力伝送は,VCDとVICCとのアンテナの誘導結合によって無線周波数電力を伝送する。RF
動作磁界は,電力をVCDからVICCに供給するとともに,それを変調することによってVCDからVICC
への通信も行う。これについては,箇条7で規定する。
6.1
周波数
RF動作磁界の周波数fcは,13.56 MHz±7 kHzとする。
6.2
動作磁界強度
VICCは,Hmin〜Hmaxの範囲で連続的に動作しなければならない。
最小動作磁界強度(Hmin)は,150 mA/m rmsとする。
最大動作磁界強度(Hmax)は,5 A/m rmsとする。
VCDは,その製造業者によって決められた範囲(動作空間)において,少なくともHminとHmaxとの間
の動作磁界を発生しなければならない。
さらに,VCDは,製造業者によって決められた範囲(動作空間)において,1枚の基準VICC(試験方
法に規定されている。)に電力を伝送する能力がなければならない。
VCDは,いかなる場所においても,JIS X 6323-1で規定する値より高い磁界を発生してはならない。
VCDが発生する動作磁界の測定方法は,JIS X 6305-7による。
7
VCDからVICCへの信号伝送
幾つかのパラメータについては複数のモードが規定されており,これによって様々な電波の規制及びア
プリケーションの要求に対応することができる。データ符号化の各モードと変調方式の各モードとの任意
の組合せを使用することができる。
7.1
変調方式
VCDからVICCへの通信は,ASKを用いる。変調度10 %の方式及び変調度100 %の方式を規定する。
VICCは,この2方式を復調できなければならない。VCDは,どちらか一方の変調度を採用する。
VCDの選択によって発生される変調波形を“ポーズ”と称し,図1及び図2に示す。
4
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105%
a
95%
5%
60%
Carrier
Amplitude
t
t2
t1
t3
t4
Min (µs)
t1
6,0
t2
2,1
t3
0
Max (µs)
9,44
t1
4,5
t4
0
0,8
b
搬送波をクロックとして使用する場合は,t4の最大値以後でなければならない。
図1−ASK100 %変調の波形
搬送波振幅
最小値(μs) 最大値(μs)
t1
6.0
9.44
t2
2.1
t1
t3
0.0
4.5
t4
0.0
0.8
5
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搬送波振幅
t1
t2
t3
y
y
hr
hf
t
a
b
最小値(μs)
最大値(μs)
t1
6.0
9.44
t2
3.0
t1
t3
0.0
4.5
変調度
10%
30%
y
0.05(a-b)
hf,hr
0.1(a-b)max
VICCは,変調度が10 %〜30 %の間で動作しなければならない。
図2−ASK10 %変調の波形
7.2
データ伝送速度及び符号化
データの符号化方式は,パルス位置変調(PPM)を用いなければならない。VICCは,2種類のデータの
符号化方式に対応しなければならない。VCDは,どちらかの方式を選択し,フレーム開始信号(SOF)の
中でVICCに指示しなければならない(7.3参照)。
7.2.1
データ符号化方式:256中1
この方式は,1バイトの値を一つの“ポーズ”の位置で表す。順に並んでいる幅256/fc(約18.88 μs)の
256箇所の時間区間の中で一つだけで存在する“ポーズ”を含む区間の位置をバイトの値にする。1バイト
伝送するのに約4.833 msを要するために,伝送速度は,1.65 kbit/s(fc /8 192)となる。このパルス位置変
調方式を図3に示す。
µs
µs
最小値(μs) 最大値(μs)
t1
6.0
9.44
t2
3.0
t1
t3
0.0
4.5
変調度
10 %
30 %
6
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≒18.88μs
≒9.44μs
2
5
5
2
5
4
2
5
3
2
5
2
2
2
5
01234
パルス変調
された搬送波
≒4.833 ms
図3−256中1符号化方式
図3は,VCDからVICCにデータ“E1”=b“11100001”=225を伝送する場合を示す。
図4に示すように,バイト値によって規定された位置における時間幅の後半部分に,“ポーズ”を発生さ
せる。
≒18.88μs
≒9.44μs
1/256
周期
224
225
226
パルス変調
された搬送波
図4−“ポーズ”発生部分の拡大図
7.2.2
データ符号化方式:4中1
この方式は,同時に2ビットの値を一つのパルス位置で表す。最下位側から2ビットずつ伝送され,1
バイトは,連続する4組で構成される。
この結果,1バイト伝送速度は,26.48 kbit/s(fc /512)となる。
このパルス位置変調方式を図5に示す。
µs
µs
µs
µs
7
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≒9.44μs
≒9.44μs
≒75.52μs
≒9.44μs
≒28.32μs
≒75.52μs
"01"のパルス位置(1=LSB)
≒9.44μs
≒9.44μs
≒75.52μs
≒75.52μs
≒47.20μs
≒66.08μs
"10"のパルス位置(0=LSB)
"11"のパルス位置
"00"のパルス位置
図5−4中1符号化方式
例として,VCDからVICCにデータ“E1”=b“11100001”=225を伝送する場合を図6に示す。
≒75.52μs
≒75.52μs
≒75.52μs
≒75.52μs
b2b1="01"
b4b3="00"
b6b5="10"
b8b7="11"
図6−4中1符号化方式の例
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.3
VCDからVICCへの伝送フレーム
ここで規定するフレーム化は,プロトコルによらずに,同期が簡単に取れるようにできている。フレー
ムは,フレーム開始信号(SOF)とフレーム終了信号(EOF)とによって区切られ,他のコードを使用し
たものとの混乱を避けるようにしている。ここで使用していないフレーム(任意選択)は,将来使用する
ために留保する。
VICCは,一度フレームをVCDに伝送した後,300 μs以内に,次のVCDからのフレームを受信可能な
状態でなければならない。
VICCは,電力供給磁界が立ち上がった後,1 ms以内に,VCDからのフレーム信号を受信する状態にな
ければならない。
7.3.1
256中1符号化方式のSOF
256中1符号化方式の場合のSOFを図7に示す。
≒9.44μs
≒9.44μs
≒37.76μs
≒37.76μs
図7−256中1符号化方式のSOF
7.3.2
4中1符号化方式のSOF
4中1符号化方式の場合のSOFを図8に示す。
≒9.44μs
≒9.44μs
≒9.44μs
≒37.76μs
≒37.76μs
図8−4中1符号化方式のSOF
7.3.3
両データ符号化方式のEOF
両データ符号化方式の場合のEOFを図9に示す。
≒9.44μs
≒9.44μs
≒37.76μs
図9−両データ符号化方式のEOF
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8
VICCからVCDへの信号伝送
幾つかのパラメータについては複数のモードが規定されており,これによって異なる雑音環境及びアプ
リケーションの要求に対応することができる。
8.1
負荷変調方式
VICCは,搬送波を副搬送波の周波数(fs)で負荷変調することによって,磁気結合を介して,VCDに
通信できなければならない。副搬送波は,VICCにおいて負荷をオンオフすることによって発生しなけれ
ばならない。
負荷変調の振幅は,試験方法に定める方法によって測定したとき,10 mV以上でなければならない。
VICCの負荷変調の試験方法は,JIS X 6305-7による。
8.2
副搬送波
単一副搬送波又は双副搬送波を使用する方式があり,どちらの方式を採用するかは,JIS X 6323-3に規
定するプロトコルヘッダの第1ビットで,VCDによって選択される。VICCは,この両方式に対応しなけ
ればならない。
注記 プロトコルヘッダは,JIS X 6323-3の7.3(要求コマンド形式)のフラグを指す。
単一副搬送波を使用する場合の周波数fs1は,fc /32(423.75 kHz)でなければならない。
双副搬送波を使用する場合は,一方の周波数fs1はfc /32(423.75 kHz)とし,他方の周波数fs2はfc /28(484.28
kHz)でなければならない。
双副搬送波を使用するとき,その接続点の位相は,連続的に変化しなければならない。
8.3
伝送速度
伝送速度は,高速モード及び低速モードの二通りある。どちらを選択するかは,JIS X 6323-3に規定す
るプロトコルヘッダの第2ビットでVCDによって選択される。VICCは,この両伝送速度に対応しなけれ
ばならない(表1参照)。
表1−伝送速度
伝送速度
単一副搬送波
双副搬送波
低速
6.62 kbit/s(fc /2 048)
6.67 kbit/s(fc /2 032)
高速
26.48 kbit/s(fc /512)
26.69 kbit/s(fc /508)
8.4
ビットの表現及び符号化方式
ビットの符号化方式は,次に示すマンチェスタ符号化方式とする。
次に示すタイミングは,高速伝送速度の場合で,低速伝送速度の場合は,それぞれの副搬送波のパルス
数を4倍にし,全ての時間をこの倍数で増やす。
8.4.1
単一副搬送波の符号化方式
論理値“0”は,前半にfc /32(約423.75 kHz)の8パルスを発生し,後半の256 /fc(約18.88 μs)は変調
しない。この状態を図10に示す。
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
≒37.76μs
≒18.88μs
図10−単一副搬送波の論理値“0”
論理値“1”は,前半の256/fc(約18.88 μs)は変調しないで,後半にfc /32(約423.75 kHz)の8パルス
を発生する。この状態を図11に示す。
≒37.76μs
≒18.88μs
図11−単一副搬送波の論理値“1”
8.4.2
双副搬送波の符号化方式
論理値“0”は,前半にfc /32(約423.75 kHz)の8パルスを発生し,後半にfc /28(約484.28 kHz)の9
パルスを発生する。この状態を図12に示す。
≒37.46μs
≒18.88μs
図12−双副搬送波の論理値“0”
論理値“1”は,前半にfc /28(約484.28 kHz)の9パルスを発生し,後半にfc /32(約423.75 kHz)の8
パルスを発生する。この状態を図13に示す。
µs
µs
µs
µs
µs
µs
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
≒37.46μs
≒18.58μs
図13−双副搬送波の論理値“1”
8.5
VICCからVCDへの伝送フレーム
ここで規定するフレーム化は,プロトコルによらずに,同期が簡単に取れるようにできている。
フレームは,フレーム開始信号(SOF)とフレーム終了信号(EOF)とによって区切られ,他のコード
を使用したものとの混乱を避けるようにしている。ここで使用しないフレーム(任意選択)は,将来使用
するために留保する。
次に示すタイミングは,高速伝送速度の場合で,低速伝送速度の場合は,それぞれの副搬送波のパルス
数を4倍にし,全ての時間も4倍に増大させる。
VCDは,フレームをVICCに送信した後,300 μs以内に,VICCからのフレームを受信可能な状態でな
ければならない。
8.5.1
単一副搬送波のSOF
SOFは,三つの部分からなる。
− 768/fc(約56.64 μs)は変調しない。
− fc /32(約423.75 kHz)の24パルスを発生する。
− 論理値“1”と同じで,前半の256/ fc(約18.88 μs)は変調しないで,後半にfc /32(約423.75 kHz)の
8パルスを発生する。
単一副搬送波を使用した場合のSOFを図14に示す。
≒37.76μs
≒56.64μs
≒56.64μs
図14−単一副搬送波のSOF
8.5.2
双副搬送波のSOF
SOFは,三つの部分からなる。
− fc /28(約484.28 kHz)の27パルスを発生。
− fc /32(約423.75 kHz)の24パルスを発生。
− 論理値“1”と同じで,前半にfc /28(約484.28 kHz)の9パルスを発生し,後半にfc /32(約423.75 kHz)
の8パルスを発生する。
µs
µs
µs
µs
µs
12
X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
双副搬送波を使用した場合のSOFを図15に示す。
≒37.46μs
≒55.75μs
≒56.64μs
図15−双副搬送波のSOF
8.5.3
単一副搬送波のEOF
EOFは,三つの部分からなる。
− 論理値“0”と同じで,前半にfc /32(約423.75 kHz)の8パルスを発生し,後半の256 /fc(約18.88 μs)
は変調しない。
− fc /32(約423.75 kHz)の24パルスを発生。
− 768/fc(約56.64 μs)は変調しない。
単一副搬送波を使用した場合のEOFを図16に示す。
≒37.76μs
≒56.64μs
≒56.64μs
図16−単一副搬送波のEOF
8.5.4
双副搬送波のEOF
EOFは,三つの部分からなる。
− 論理値“0”と同じで,前半にfc /32(約423.75 kHz)の8パルスを発生し,後半にfc /28(約484.28 kHz)
の9パルスを発生する。
− fc /32(約423.75 kHz)の24パルスを発生。
− fc /28(約484.28 kHz)の27パルスを発生。
双副搬送波を使用した場合のEOFを図17に示す。
≒37.46μs
≒56.64μs
≒55.75μs
図17−双副搬送波のEOF
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
µs
13
X 6323-2:2011 (ISO/IEC 15693-2:2006)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
関連規格
この規格は,次に示すような既存の他のカード規格をVICCに加えて適用することを妨げない。
JIS X 6302(規格群) 識別カード−記録技術
注記 対応国際規格:ISO/IEC 7811 (all parts),Identification cards−Recording technique(IDT)
JIS X 6320(規格群) 識別カード−ICカード
注記 対応国際規格:ISO/IEC 7816 (all parts),Identification cards−Integrated circuit(s) cards with contacts
(IDT)
JIS X 6321(規格群) 外部端子なしICカード−密着型
注記 対応国際規格:ISO/IEC 10536 (all parts),Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards
−Close-coupled cards(IDT)
JIS X 6322(規格群) 識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−近接型
注記 対応国際規格:ISO/IEC 14443 (all parts),Identification cards−Contactless integrated circuit cards
−Proximity cards(IDT)
ISO/IEC 7812 (all parts),Identification cards−Identification of issuers
ISO/IEC 7813,Information technology−Identification cards−Financial transaction cards