X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 略語及び記号 ··················································································································· 2
5 近接型カードの初期通信 ···································································································· 3
6 電力伝送························································································································· 4
6.1 周波数 ························································································································· 4
6.2 動作磁界 ······················································································································ 4
7 信号インタフェース ·········································································································· 4
8 A型の信号インタフェース ································································································· 6
8.1 PCDからPICCへの信号伝送 ··························································································· 6
8.2 PICCからPCDへの信号伝送 ·························································································· 15
9 B型の信号インタフェース ································································································ 16
9.1 PCDからPICCへの信号伝送 ·························································································· 16
9.2 PICCからPCDへの信号伝送 ·························································································· 22
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ICカードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具
して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正
した日本工業規格である。
これによって,JIS X 6322-2:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS X 6322の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS X 6322-1 第1部:物理的特性
JIS X 6322-2 第2部:電力伝送及び信号インタフェース
JIS X 6322-3 第3部:初期化及び衝突防止
JIS X 6322-4 第4部:伝送プロトコル
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 6322-2:2011
(ISO/IEC 14443-2:2010)
識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−
近接型−第2部:電力伝送及び信号インタフェース
Identification cards-Contactless integrated circuit cards-
Proximity cards-Part 2: Radio frequency power and signal interface
序文
この規格は,2010年に第2版として発行されたISO/IEC 14443-2を基に,技術的内容及び構成を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。また,この規格は,JIS X 6301に定義されたIDカードのパラメ
タ及び国際流通用としてのこのIDカードの使用方法のうち,外部端子のない近接型の非接触ICカード又
は同様な動作をする対象物,及びこれと結合する結合装置について規定するJIS X 6322規格群の一部であ
る。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,近接型カード又は同様な動作をする対象物(以下,PICCという。)とその結合装置(以下,
PCDという。)との間の電力伝送及び双方向通信に必要な磁界の特性について規定する。
この規格は,結合の磁界の生成方法を規定するものでなく,さらに,電磁界が環境及び人体に影響を及
ぼす限度を規定するものではない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 14443-2:2010,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−Proximity cards−
Part 2: Radio frequency power and signal interface(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 6305-6 識別カードの試験方法−第6部:外部端子なしICカード−近接型
注記 対応国際規格:ISO/IEC 10373-6,Identification cards−Test methods−Part 6: Proximity cards
(IDT)
JIS X 6322-1 識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−近接型−第1部:物理的特性
注記 対応国際規格:ISO/IEC 14443-1,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−
Proximity cards−Part 1: Physical characteristics(IDT)
JIS X 6322-3 識別カード−非接触(外部端子なし)ICカード−近接型−第3部:初期化及び衝突防
2
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
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止
注記 対応国際規格:ISO/IEC 14443-3,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards−
Proximity cards−Part 3: Initialization and anticollision(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
ビット持続時間(bit duration)
論理状態を決定するための1ビットの時間。その終了時点が次のビットの開始点となる。
3.2
2値位相偏移キーイング(binary phase shift keying)
二つの位相状態を実現するために,位相遷移量を180°とする位相偏移方式。
3.3
変形ミラー変調(modified Miller)
ビット持続時間中の論理値を,ビットフレーム中のパルスの位置で表すビット符号化方式。
3.4
変調度(modulation index, m)
[1−b]/[1+b] で表される値。ここでbは,無変調の信号振幅を分母とし,変調した信号振幅を分子とし
たときの比率とする。
注記 変調度は,パーセントで表現してもよい。
3.5
非ゼロ復帰(NRZ-L)
ビット持続時間中の論理値を,通信媒体の二つの物理的状態の一つに対応させるビット符号化方式。
3.6
副搬送波(subcarrier)
搬送波(fc)を変調するために使用する周波数(fs)の信号。
3.7
マンチェスタ符号化方式(Manchester)
ビット持続時間中の論理値を,通信媒体の二つの物理状態の順序に対応させる符号化方式。物理状態の
順序が論理状態を決める。
3.8
TR0
PCDの伝送の終わりからPICCが副搬送波を生成するまでの保護時間。
3.9
TR1
PICCが副搬送波を生成してから,PICCが副搬送波の変調を開始するまでの同期時間。
4
略語及び記号
この規格で使用する略語及び記号は,次による。
ASK
amplitude shift keying
振幅変位キーイング
3
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
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BPSK
binary phase shift keying
2値位相偏移キーイング
NRZ-L
non-return to zero, (L for level)
非ゼロ復帰(Lはレベル)
OOK
on/off keying
オンオフキーイング
PauseA
PCD modulation pulse, Type A
PCDの変調パルス(A型)
PCD
proximity coupling device
近接型カード結合装置
PICC
proximity card or object
近接型カード又は同様な動作をする対象物
RF
radio frequency
無線周波数
a
パルス波形係数(A型)
b
変調されたときの振幅と無変調のときの振幅との比(B型)
fc
動作磁界の周波数(搬送波周波数)
fs
副搬送波の周波数
H
等価的に一様な磁界強度
HINITIAL
無変調時の磁界強度
hovs
伝送速度fc/16,fc/32及びfc/64の包絡線オーバシュート(A型)
hf
包絡線アンダシュート(B型)
hr
包絡線オーバシュート(B型)
Ø0
副搬送波の初期位相
t1
PauseAのパルス幅
t2
PauseAの低レベルの時間,ビット伝送速度fc/128のとき
t3
PauseAの立上がり時間,ビット伝送速度fc/128のとき
t4
PauseAの立上がり時間の一部,ビット伝送速度fc/128のとき
t5
PauseAの低レベルの時間,ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のとき
t6
PauseAの立上がり時間,ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のとき
t6, max, PCD
PCD送信時のt6の最大値
t6, max, PICC PICC受信時のt6の最大値
tb
ビット持続時間(A型)
tf
包絡線の立下がり時間(B型)
tf, max, PCD
PCD送信時の最大立下がり時間(B型)
tf, max, PICC
PICC受信時の最大立下がり時間(B型)
tr
包絡線の立上がり時間(B型)
tr, max, PCD
PCD送信時の最大立上がり時間(B型)
tr, max, PICC
PICC受信時の最大立上がり時間(B型)
tx
パルス位置(A型)
VLMA
負荷変調の振幅
5
近接型カードの初期通信
PCDとPICCとの間の初期通信は,次の順に行わなければならない。
− PICCは,PCDの生成するRF動作磁界の中に置かれて,電力を供給される。
− PICCは,PCDからコマンドが送られてくるまで静かに待機する。
4
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− PCDは,コマンドを送信する。
− PICCは,応答を返す。
これらの動作に必要なRF電力伝送及び信号インタフェースについて,次に規定する。
6
電力伝送
PCDは,RF動作磁界を生成しなければならない。この動作磁界は,誘導結合によってPICCへ電力を伝
送し,通信を行うために変調される。
6.1
周波数
動作磁界の周波数fcは,13.56 MHz±7 kHzとしなければならない。
注記 周波数の許容偏差は,電波法にも定められている。
6.2
動作磁界
PCDは,その製造業者によって決められた範囲(動作空間)において,表1に示すように,無変調状態
で,少なくともHmin〜Hmaxの範囲で磁界を生成しなければならない。
表1−PCDの磁界強度
PCD
Hmin
Hmax
1.5 A/m(rms) 7.5 A/m(rms)
さらに,PCDは製造業者によって決められた範囲(動作空間)において,参照PICC(JIS X 6305-6参照)
に電力を伝送する能力がなければならない。
PCDは,PICCのいかなる位置及び向きにおいても,JIS X 6322-1の4.4(交流磁界)で規定されている
交流磁界の値より強い磁界を生成してはならない。
PCDが生成する動作磁界の試験方法は,JIS X 6305-6に規定する。
PICCは,表2に示すように,Hmin〜Hmaxの範囲で連続的に動作しなければならない。このことは,この
規格で規定する全てのPICCの要求事項及び製造業者が決めたコマンドセットも該当する。
表2−PICCの動作する磁界強度
PICC
Hmin
Hmax
1.5 A/m(rms) 7.5 A/m(rms)
注記 JIS X 6305-6で規定する試験方法は,事実上,動作余裕度を含む。
7
信号インタフェース
PCDは,PCDからPICCへデータを伝送するために,変調用パルスで交流磁界を振幅変調する。
PICCは,PICCからPCDへデータを伝送するために,変調された副搬送波信号によって交流磁界に負荷
をかける(負荷変調)。
製造業者が規定する動作磁界内で,PCDは,箇条8及び箇条9で規定する変調パルスを生成しなければ
ならない。また,PCDは,最小負荷変調振幅を受信する能力がなければならない。
注記 1 動作磁界の表現として,製造業者は,この規格の全ての要求を満足する動作範囲(例 0〜X
cm)を与えてもよい。
5
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
PCDの通信信号インタフェースの試験方法は,JIS X 6305-6に規定する。
二つの通信信号インタフェース,A型及びB型については,後述の箇条で記述する。PCDは,A型PICC
又はB型PICCの存在を検出する前に,待機中にそれぞれの変調方式の信号を交互に発生しなければなら
ない。
一方の通信方式が確立された状態においては,PCDが通信を打ち切るか,PICCが通信範囲外に移動さ
れるまで,その通信方式の信号を出し続けてもよい。その次の状態では,いずれかの通信方式の信号を出
してもよい。
図1及び図2は,箇条8及び箇条9で規定する通信方式の概要を示す。
図1−PCDからPICCへのA型及びB型の通信信号インタフェースの例
注記 2 変形ミラー(modified Miller)の符号化方式については,8.1.3を参照する。
6
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Type A
Type B
負荷変調
副搬送波fc/16
OOK
マンチェスタ
1
0
0
1
0
負荷変調
副搬送波fc/16
BPSK
NRZ-L
1
0
0
1
0
1
負荷変調
副搬送波fc/16
BPSK
NRZ-L
1
0
0
1
0
負荷変調
副搬送波fc/16
BPSK
NRZ-L
0
1
0
1
0
0011000011
負荷変調
副搬送波fc/16
BPSK
NRZ-L
000000011111111000000000000000011111111
00
1
1
0
0
0
0
1
fc/128
fc/64
fc/32
fc/16
0
図2−PICCからPCDへのA型及びB型の通信信号インタフェースの例
8
A型の信号インタフェース
8.1
PCDからPICCへの信号伝送
8.1.1
ビット伝送速度
初期化及び衝突防止の期間中のビット伝送速度は,fc/128(約106 kbit/s)とする。
初期化及び衝突防止の後のビット伝送速度は,次のうちの一つとする。
− fc/128(約106 kbit/s)
− fc/64(約212 kbit/s)
− fc/32(約424 kbit/s)
− fc/16(約848 kbit/s)
7
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.1.2
変調方式
8.1.2.1
ビット伝送速度fc/128の変調方式
ビット伝送速度fc/128におけるPCDからPICCへの通信は,図3に示すPauseAを発生させるために,
RF動作磁界に対してASK 100 %の変調方式を用いなければならない。
PCDが生成する動作磁界強度の包絡線は,図3に示すように,初期振幅(HINITIAL)の5 %以下に単調減
少させ,t2の期間中5 %以下に保たなければならない。
PCDの磁界強度の包絡線が単調減少でない場合には,極大値を示す時刻と,その極大値と同じ値を直前
に示した時刻との差が,0.5 μsを超えてはならない。これは,極大値がHINITIALの5 %より大きい場合に適
用される。
PauseAのt1は,動作磁界Hの包絡線の立下がりの90 %値点から立上がりの5 %値点までの時間とする。
オーバシュートがある場合,動作磁界は,HINITIALの110 %〜90 %の間になければならない。
5 %
110 %
100 %
90 %
PCDの磁界信号の包絡線
t
60 %
0
t1の始点
t2の始点
t3の終点
t1及びt2の終点
t3及びt4の始点
t4の終点
t1
t4
t2
t3
H/HINITIAL
図3−伝送速度fc/128のPauseA
PCDは,表3に規定するタイミングパラメタをもつPauseAを生成しなければならない。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−PCDの送信信号:伝送速度fc/128のPauseAタイミングパラメタ
パラメタ
条件
最小値
最大値
t1
−
28/fc
40.5/fc
t2
t1>34/fc
7/fc
t1
t1≦34/fc
10/fc
t3
−
1.5×t4
16/fc
t4
−
0
6/fc
注記1 PCDの動作は,t1=n/fc(nは整数)の値をもつPauseAを生成するように限定してもよい。
したがって,t1の測定値は,1/fcの単位で最も近いnに丸めることが望ましい。
注記2 t2の最大値は,t1の測定値の関数である。
注記3 t3の最小値は,t4の測定値の関数である。
PICCは,表4に規定するタイミングパラメタをもつPauseAを受信できなければならない。
表4−PICCの受信信号:ビット伝送速度fc/128のPauseAタイミングパラメタ
パラメタ
条件
最小値
最大値
t1
−
27.5/fc
41/fc
t2
t1>34/fc
6/fc
t1
t1≦34/fc
9/fc
t3
−
1.5×t4
17/fc
t4
−
0
7/fc
注記4 t2の最大値は,t1の設定値の関数である。
注記5 t3の最小値は,t4の設定値の関数である。
ビット伝送速度fc/128に対して,PCDは,立上がり時間t3のPauseAを生成しなければならない。
立上がり時間t3は,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又は(t1−t2)−24.5/fcのいずれよりも大きい。
− (t1−t2)+7/fc又は16/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/128に対して,PICCは,立上がり時間t3のPauseAを受信できなければならない。
立上がり時間t3は,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又は(t1−t2)−26/fcのいずれよりも大きい。
− (t1−t2)+8/fc又は17/fcのいずれよりも小さい。
注記6 (t1−t2) の最小値及び最大値は,表3及び表4に規定するt1及びt2の最小値及び最大値から導
かれる。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図4に示す。
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2
8
12
16
2
8
12
16
t1−t2
[1/fc]
PICC
4
6
10
14
18
4
6
10
14
18
20
22 24
26
28
30
32
34
t3
[1/fc]
36
0
PCD
図4−ビット伝送速度fc/128のPauseAのタイミングパラメタ
PICCは,動作磁界がHINITIALの5 %を超えた後で60 %を超える前に,PauseAの終わりを検出しなければ
ならない。PauseAの終わりの規定を図5に示す。この規定は,全ての変調波形の包絡線のタイミングに適
用する。
図5−ビット伝送速度fc/128に対するPauseAの終わり
8.1.2.2
ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16の変調方式
ビット伝送速度fc/64(約212 kbit/s),fc/32(約424 kbit/s)及びfc/16(約848 kbit/s)に対するPCDから
PICCへの通信は,図6に示すようにPauseAを発生させるために,動作磁界強度についてASK(異なる“a”
の値で)変調方式を用いなければならない。
PCDが生成する動作磁界強度の包絡線は,表5に規定するパラメタ“a”の最大値まで単調減少させな
ければならない。さらに,PCDの磁界強度の包絡線が単調減少でない場合には,(同じPauseA内の)極大
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X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
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値と,その極大値の直前の最小値との振幅差が,初期振幅と直前の最小値との振幅差の0.09倍を超えては
ならない。
パラメタ“a”は,PauseAの最小値とする。
ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のPauseAを,図6に示す。
オーバシュートがある場合,動作磁界は,HINITIAL×(1−hovs) からHINITIAL×(1+hovs) までの間になけれ
ばならない。
図6−ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のPauseA
PCDは,表5に規定するタイミング及び振幅パラメタのPauseAを生成しなければならない。
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表5−PCDの送信信号:ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のPauseA
パラメタ
ビット伝送速度
最小値
最大値
a
fc/64
0
0.18
fc/32
0
0.38
fc/16
0.22
0.58
t1
fc/64
16.5/fc
20/fc
fc/32
8.0/fc
10/fc
fc/16
4.0/fc
5/fc
t5
fc/64
t1/2+4/fc
t1
fc/32
t1/2+1/fc
t1
fc/16
t1/2
t1
t6
fc/64
図7の関連する要求事項を参照する。
fc/32
図8の関連する要求事項を参照する。
fc/16
図9の関連する要求事項を参照する。
hovs
fc/64,fc/32及びfc/16
0
[1−t6/(2×t6, max, PCD)]×0.10×(1−a)
注記1 t5の最小値及び最大値は,t1の測定値の関数である。
注記2 PCDの伝送するhovsの最大値は,t6及びt6, max, PCDの測定値の関数である(図7,図8又は図9
の関連する要求事項を参照する。)。
注記3 PCDの動作は,t1=n/fc(nは整数)の値をもつPauseAを生成するように限定してもよい。
したがって,t1の測定値は,1/fc単位で最も近いnに丸めることが望ましい。
PICCは,表6に規定するタイミングパラメタをもつPauseAを受信できなければならない。
表6−PICCの受信信号:ビット伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16のPauseA
パラメタ
ビット伝送速度
最小値
最大値
a
fc/64
0
0.2
fc/32
0
0.4
fc/16
0.2
0.6
t1
fc/64
16/fc
20/fc
fc/32
8/fc
10/fc
fc/16
4/fc
5/fc
t5
fc/64
t1/2+3/fc
t1
fc/32
t1/2+1/fc
t1
fc/16
t1/2
t1
t6
fc/64
図7の関連する要求事項を参照する。
fc/32
図8の関連する要求事項を参照する。
fc/16
図9の関連する要求事項を参照する。
hovs
fc/64,fc/32及びfc/16
0
[1−t6/(2×t6, max, PICC)]×0.11×(1−a)
注記4 t5の最小値及び最大値は,t1の設定値の関数である。
注記5 PICCの受信するhovsの最大値は,t6及びt6, max, PICCの設定値の関数である(図7,図8又は図
9の関連する要求事項を参照する。)。
注記6 PauseAのt1の長さは,包絡線振幅の立下がりの[a+0.9×(1−a)]値点から立上がりの[a+
0.1×(1−a)]値点までの時間である。
a) ビット伝送速度fc/64 ビット伝送速度fc/64に対応するために,PCDは,立上がり時間t6のPauseA
を生成しなければならない。
12
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又は(t1−t5)−3/fcのいずれよりも大きい。
− (t1−t5)+8/fc又はt6, max, PCD=11/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/64に対応するために,PICCは,立上がり時間t6のPauseAを受信できなければなら
ない。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又は(t1−t5)−4/fcのいずれよりも大きい。
− (t1−t5)+9/fc又はt6, max, PICC=12/fcのいずれよりも小さい。
注記7 (t1−t5) の最小値及び最大値は,表5及び表6に規定するt1及びt5の最小値及び最大値から導
かれる。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図7に示す。
1
4
6
8
1
4
6
8
2
3
5
7
2
3
5
7
9
10
11
12
PICC
t1−t5
t6
0
PCD
[1/fc]
[1/fc]
図7−ビット伝送速度fc/64のPauseAのタイミングパラメタ
b) ビット伝送速度fc/32 ビット伝送速度fc/32に対応するために,PCDは,立上がり時間t6のPauseA
を生成しなければならない。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fcより大きい。
− (t1−t5)+8/fc又はt6, max, PCD=9/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/32に対応するために,PICCは,立上がり時間t6のPauseAを受信できなければなら
ない。
13
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fcより大きい。
− (t1−t5)+8/fc又はt6, max, PICC=10/fcのいずれよりも小さい。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図8に示す。
注記8 (t1−t5) の最小値及び最大値は,表5及び表6に規定するt1及びt5の最小値及び最大値から導
かれる。
図8−ビット伝送速度fc/32のPauseAのタイミングパラメタ
c) ビット伝送速度fc/16 ビット伝送速度fc/16に対応するために,PCDは,立上がり時間t6のPauseA
を生成しなければならない。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fcより大きい。
− (t1−t5)+4/fc又はt6, max, PCD=5.5/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/16に対応するために,PICCは,立上がり時間t6のPauseAを受信できなければなら
ない。
立上がり時間t6は,次の全ての範囲とする。
− 0/fcより大きい。
− (t1−t5)+4.5/f又はt6, max, PICC=6/fcのいずれよりも小さい。
注記9 (t1−t5) の最小値及び最大値は,表5及び表6に規定するt1及びt5の最小値及び最大値から導
かれる。
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図9に示す。
1
1
4
6
2
3
2
3
5
7
PICC
0
PCD
[1/fc]
t6
[1/fc]
t1−t5
図9−ビット伝送速度fc/16のPauseAのタイミングパラメタ
8.1.3
ビット符号化方式
次のシーケンスを規定する。
− シーケンスX:半ビット持続時間(tx)の遅延時間の後,PauseAを発生させる。
− シーケンスY:全ビット持続時間(tb),無変調状態にする。
− シーケンスZ:ビット持続時間(tb)の最初にPauseAを発生させる。
表7のタイミングパラメタとともに,図10は,シーケンスX,Y及びZを示す。
tb
t1
tx
シーケンスX
シーケンスY
シーケンスZ
t
0
1
t
0
1
t
0
1
変調信号
( 0 = 変調, 1 = 無変調)
変調信号
変調信号
( 0 = 変調, 1 = 無変調)
( 0 = 変調, 1 = 無変調)
t1
tb
tb
図10−A型のPCDからPICCへの通信のシーケンス
15
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表7−シーケンスのパラメタ
パラメタ
ビット伝送速度
fc/128
fc/64
fc/32
fc/16
tb
128/fc
64/fc
32/fc
16/fc
tx
64/fc
32/fc
16/fc
8/fc
t1
表3のt1参照
表5のt1参照
上記シーケンスは,次の情報を符号化するために用いなければならない。
− 論理“1”
:シーケンスX
− 論理“0”
:シーケンスY ただし,次の二つの例外がある。
i)
二つ以上“0”が連続する場合,2番目以降の“0”は,シーケンスZを用いる。
ii) 通信開始の後の最初のビットが“0”の場合,シーケンスZを用いる。
− 通信開始
:シーケンスZ
− 通信終了
:論理“0”の後にシーケンスYが続く。
− 無信号状態 :二つ以上のシーケンスY
8.2
PICCからPCDへの信号伝送
8.2.1
ビット伝送速度
8.1.1による。
8.2.2
負荷変調
PICCは,搬送波を副搬送波の周波数(fs)で負荷変調することによって,磁気結合を介して,PCDに通
信できなければならない。PICCは,負荷をオンオフすることによって副搬送波を生成しなければならない。
PICCの負荷変調の振幅VLMAは,JIS X 6305-6に規定する試験方法によって測定したとき,少なくとも
22/H0.5[mV (peak)]でなければならない。Hは,磁界強度で,その単位はA/m(rms)である。PCDは,
JIS X 6305-6に規定する試験方法によって測定した負荷変調の振幅VLMAの少なくとも18/H0.5[mV (peak)]
を受信できなければならない。Hは,磁界強度で,その単位はA/m(rms)である。
図11は,PCD及びPICCの負荷変調振幅の下限を示す。
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
18.0
20.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0
6.5
7.0
7.5
磁界強度[ A/m (rms) ]
PICC
PCD
図11−負荷変調の振幅
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 このPICC限界値は,JIS X 6322-2:2001における値よりも厳しく,アンテナが“Class 1”サイ
ズより小さいPICCには厳し過ぎるかもしれない(JIS X 6305-6におけるセンスコイルの寸法に
よる。)。この規格及びJIS X 6305-6の将来の改正版は,新しい限界値及び/又はこれらのPICC
に適応した試験方法を規定してもよい。
8.2.3
副搬送波
副搬送波の周波数fsは,fc/16(約848 kHz)でなければならない。したがって,初期化及び衝突防止の
期間中,1ビットの時間は,副搬送波の8サイクル分の時間に等しい。初期化及び衝突防止の後,1ビット
を表す副搬送波のサイクルの数は,ビット伝送速度によって決まる。
PICCは,データを伝送するときだけ副搬送波を生成しなければならない。
8.2.4
副搬送波の変調方式
各ビットの周期は,副搬送波に対してある決められた位相関係で開始しなければならない。
そのビットの周期は,副搬送波の負荷状態で開始しなければならない(副搬送波の無負荷状態は,PICC
がビットを送信していない安定した状態とする。)。
fc/128のビット伝送速度での副搬送波は,8.2.5.1において定義されたシーケンスのOOKを使用して変調
される。fc/64,fc/32及びfc/16のビット伝送速度での副搬送波は,8.2.5.2において定義されたシーケンス
のBPSKを使用して変調される。
8.2.5
ビット定義及び符号化
8.2.5.1
fc/128のビット伝送速度のビット定義及び符号化
シーケンスは,次のように定義する。
− シーケンスD:搬送波は,ビット持続時間の前半(50 %)を副搬送波で変調されなければならない。
− シーケンスE:搬送波は,ビット持続時間の後半(50 %)を副搬送波で変調されなければならない。
− シーケンスF:搬送波は,ビット持続時間全体を副搬送波で変調されない。
ビットの符号化は,次に規定するマンチェスタ符号化方式とする。
− 論理“1”
:シーケンスD
− 論理“0”
:シーケンスE
− 通信開始
:シーケンスD
− 通信終了
:シーケンスF
− 無信号
:副搬送波なし
8.2.5.2
fc/64,fc/32及びfc/16のビット伝送速度のビット定義及び符号化
ビットの符号化は,次に規定するNRZ-L方式とする。
− 論理“1”
:搬送波は,1ビット持続時間中副搬送波で変調されなければならない。
− 論理“0”
:搬送波は,1ビット持続時間中反転された副搬送波で変調されなければならない。
− 通信開始
:32サイクルの副搬送波の連続信号(論理“1”の位相),及びそれに続く1ビット持続
時間の反転副搬送波(論理“0”の位相)とする。
− 通信終了
:搬送波は,1ビット持続時間の副搬送波で変調されない。
− 無信号
:搬送波は,副搬送波で変調されない。
9
B型の信号インタフェース
9.1
PCDからPICCへの信号伝送
9.1.1
ビット伝送速度
17
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
初期化及び衝突防止の期間中のビット伝送速度は,fc/128(約106 kbit/s)でなければならない。
初期化及び衝突防止後の伝送のビット伝送速度は,次のうちの一つでなければならない。
− fc/128(約106 kbit/s)
− fc/64(約212 kbit/s)
− fc/32(約424 kbit/s)
− fc/16(約848 kbit/s)
ビット境界の許容誤差については,JIS X 6322-3の7.1.1(キャラクタ伝送フォーマット)及び7.1.2(キ
ャラクタ間隔)による。
9.1.2
変調方式
PCDからPICCへの伝送は,RF動作磁界のASK 10 %変調方式を用いる。
変調波形は,図12に示す値を満足しなければならない。変調の立上がり部分及び立下がり部分は,単調
でなければならない。立上がり時間及び立下がり時間(tr,tf)は,実際の変調波形の10 %〜90 %で測定し
なければならない。
図12−B型の変調波形
PCDは,対応している全てのビット伝送速度に対して,8 %〜14 %の変調度mによって変調波形を生成
しなければならない。
PICCは,対応している全てのビット伝送速度に対して,変調度mの変調波形を受信できなければなら
ない。
変調度mは,次の全ての範囲とする。
− (9.5−H) %又は7 %のいずれよりも大きい。
− 15 %より小さい。
注記 1 Hの最大値及び最小値は,表1及び表2に規定する。
変調度mの限界値を,図13に示す。
18
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1.5
5.5
8
10
12
2.5
3.5
4.5
6
14
16
m
[%]
H
6.5
7.5
PICC
PCD
0
[ A/m (rms) ]
図13−ビット伝送速度fc/128,fc/64,fc/32及びfc/16のB型の変調度
PCD変調波形のオーバシュート及びアンダシュートは,表8に規定する値以内でなければならない。
表8−PCD送信:ビット伝送速度fc/128,fc/64,fc/32及びfc/16のオーバシュート及びアンダシュート
パラメタ
最小値
最大値
hf
0
[1−tf/(2×tf, max, PCD)]×0.10×(1−b)
hr
0
[1−tr/(2×tr, max, PCD)]×0.10×(1−b)
注記 2 hf又はhrの最大値は,tf又はtr,及びtf, max, PCD又はtr, max, PCDの測定値の関数である(図14,図
15,図16又は図17の関連する要求事項を参照する。)。
PICCは,表9に定義するオーバシュート及びアンダシュートをもつ変調波形を受信できなければならな
い。
表9−PICC受信:ビット伝送速度fc/128,fc/64,fc/32及びfc/16のオーバシュート及びアンダシュート
パラメタ
最小値
最大値
hf
0
[1−tf/(2×tf, max, PICC)]×0.11×(1−b)
hr
0
[1−tr/(2×tr, max, PICC)]×0.11×(1−b)
注記 3 hf又はhrの最大値は,tf又はtr,及びtf, max, PICC又はtr, max, PICCの設定値の関数である(図14,
図15,図16又は図17の関連する要求事項を参照する。)。
a) ビット伝送速度fc/128 ビット伝送速度fc/128に対応するために,PCDは,次の変調波形を生成しな
ければならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PCD=16/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
19
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 0/fc又はtf−8/fcのいずれよりも大きい。
− tf+8/fc又はtr, max, PCD=16/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/128に対応するために,PICCは,次の変調波形を受信できなければならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PICC=17/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−9/fcのいずれよりも大きい。
− tf+9/fc又はtr, max, PICC=17/fcのいずれよりも小さい。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図14に示す。
図14−ビット伝送速度fc/128のB型変調波形のタイミングパラメタ
b) ビット伝送速度fc/64 ビット伝送速度fc/64に対応するために,PCDは,次の変調波形を生成しなけ
ればならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PCD=14/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−6/fcのいずれよりも大きい。
− tf+6/fc又はtr, max, PCD=14/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/64に対応するために,PICCは,次の変調波形を受信できなければならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PICC=14/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−7/fcのいずれよりも大きい。
− tf+7/fc又はtr, max, PICC=14/fcのいずれよりも小さい。
20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図15に示す。
PICCPCD
図15−ビット伝送速度fc/64のB型変調波形のタイミングパラメタ
c) ビット伝送速度fc/32 ビット伝送速度fc/32に対応するために,PCDは,次の変調波形を生成しなけ
ればならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PCD=11/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−4.5/fcのいずれよりも大きい。
− tf+4.5/fc又はtr, max, PCD=11/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/32に対応するために,PICCは,次の変調波形を受信できなければならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PICC=11/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−5.5/fcのいずれよりも大きい。
− tf+5.5/fc又はtr, max, PICC=11/fcのいずれよりも小さい。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図16に示す。
21
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
PICCPCD
図16−ビット伝送速度fc/32のB型変調波形のタイミングパラメタ
d) ビット伝送速度fc/16 ビット伝送速度fc/16に対応するために,PCDは,次の変調波形を生成しなけ
ればならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PCD=8/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−4/fcのいずれよりも大きい。
− tf+4/fc又はtr, max, PCD=8/fcのいずれよりも小さい。
ビット伝送速度fc/16に対応するために,PICCは,次の変調波形を受信できなければならない。
− 立下がり時間tfは,0/fcからtf, max, PICC=8/fcまでの範囲とする。
− 立上がり時間trは,次の全ての範囲とする。
− 0/fc又はtf−4/fcのいずれよりも大きい。
− tf+4/fc又はtr, max, PICC=8/fcのいずれよりも小さい。
PCD及びPICCのタイミングパラメタを,図17に示す。
22
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1
8
2
4
6
2
4
6
1
8
3
5
7
9
9
3
5
7
0
tr
[1/fc]
tf
[1/fc]
PICCPCD
図17−ビット伝送速度fc/16のB型変調波形のタイミングパラメタ
9.1.3
ビットの定義及び符号化
ビット符号化方式は,次に定義する論理値をもつNRZ-Lを用いなければならない。
− 論理“1”:搬送波の振幅が大きい状態(無変調状態)
− 論理“0”:搬送波の振幅が小さい状態
9.2
PICCからPCDへの信号伝送
9.2.1
ビット伝送速度
8.1.1による。
9.2.2
負荷変調
注記を含めて8.2.2による。
9.2.3
副搬送波
8.2.3による。
9.2.4
副搬送波の変調方式
副搬送波は,BPSKで変調しなければならない。位相の変化点は,副搬送波の立上がり又は立下がりの
基準点で発生するようにしなければならない。
9.2.5
ビットの符号化方式
ビットの符号化方式は,副搬送波の位相偏移(180°)によって論理値を変更するNRZ-Lを用いなけれ
ばならない。
次のシーケンスで,PICCフレーム開始点でのNRZ-Lの初期論理値を確定しなければならない。
− PICCは,PCDからコマンドを受信した後,副搬送波を生成してはならない保護時間TR0を確保しな
23
X 6322-2:2011 (ISO/IEC 14443-2:2010)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ければならない。TR0は,64/fs(約75.5 µs)より大きい値でなければならない。
− PICCは,同期時間TR1の間,位相偏移をしない副搬送波を生成しなければならない。この位相を初
期位相の基準Φ0とする。TR1は,80/fs(約94.4 µs)より大きい値でなければならない。
− 副搬送波の初期位相状態Φ0を,論理“1”とする。したがって,最初の位相偏移は,論理“1”から
論理“0”への変化を表す。
− したがって,論理値は,副搬送波の初期位相によって次のとおりに規定する。
Φ0:
論理“1”を表す。
Φ0+180゚:論理“0”を表す。