2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 6311-1996
プリペイドカード−買物用カード−
物理的特性及び形状・寸法
Prepaid cards−Shopping use−Physical characteristics and dimensions
1. 適用範囲 この規格は,JIS X 6310に規定するカードのうち,主に買物用カード(以下,カードとい
う。)の物理的特性並びに形状及び寸法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 2318 電気用ポリエステルフィルム
JIS K 5400 塗料一般試験方法
JIS P 8115 紙及び板紙のMIT形試験機による耐折強さ試験方法
JIS P 8125 板紙のテーバーこわさ試験機によるこわさ試験方法
JIS X 6310 プリペイドカード−一般通則
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS X 6310による。
3. 物理的特性 カードの物理的特性は,6.によって試験を行い,次の規定に適合しなければならない。
(1) 引張強さ カードの引張強さは,127.4N/mm2以上であること。
(2) 衝撃強さ カードに割れ,ひびなどが生じないこと。
(3) 耐折強さ カードの耐折強さは,200回以上であること。
(4) こわさ カードのこわさは,1.76mN・m以上であること。
(5) 表面強度 カードの表及び裏の表面強度は,鉛筆の濃度記号H以上であること。
(6) 反り カードの反りは,長辺方向で1.8mm以下,短辺方向で1.3mm以下であること。
(7) はく離 カードの層間にはく離を生じないこと。
(8) 耐熱性 カードの表及び裏に変化がないこと。
(9) 耐寒性 カードの表及び裏に変化がないこと。
(10) 加熱伸縮性 カードの伸縮率は,3%以下であること。
(11) 耐薬品浸せき性 カードの層間にはく離を生じないこと。
また,浸せき・水洗い・乾燥によって磁気特性に変化がないこと。
(12) 粘着性 カード相互間に粘着がないこと。
(13) 耐湿性 カードの表及び裏に変化がないこと。
(14) 光透過濃度 カードの光透過濃度は,カード全域で2.0以上のこと。
(15) 毒性 カードは通常の取扱いに当たって毒性が生じないこと。
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X 6311-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(16) 耐久性 カードの耐久性は,受渡当事者間の協定によって取り決めるものとする。
4. 形状・寸法
4.1
外形寸法 カードは縦,横の中心線をそろえた次の大小二つの長方形に囲まれた領域に,そのすべ
ての縁部(四つの角部は,除く。)が入るように仕上げられていなければならない。ただし,長辺と短辺と
が交差する四つの角については4.3の規定による(図1参照)。
また,カードの挿入方向などを示すために設ける切欠きについては,JIS X 6310の規定による。
大きい長方形の寸法:長辺85.80mm
短辺54.03mm
小さい長方形の寸法:長辺85.40mm
短辺53.83mm
図1 カードの大きさ
4.2
カードの厚さ カードの厚さは最大0.29mm,最小0.18mmの範囲になければならない。
4.3
カードの四つの角の仕上げ 長辺と短辺とが交差するカードの四つの角の部分の丸みの大きさは,
最大3.30mm,最小2.70mmの範囲になければならない(図1参照)。
4.4
カード縁部の仕上げ カードの縁部のばりは,カードの表及び裏から0.03mm以下でなければなら
ない。
5. 材料 カードの材料及びカードに施されるインキなどの加工材料は,磁気情報の読取り装置・書込み
装置に支障を起こすものであってはならない。
6. 試験方法
6.1
試験場所の状態 試験場所は,特に指定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温常湿(温度20±15℃,
湿度65±20%)の状態とする。
6.2
試験片 試験片は,カードに切断する前のシート状の試料から規定寸法のものを採る。ただし,特
に指定がない場合には,製品カード自体とする。
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6.3
物理的特性の試験方法
6.3.1
引張強さ 引張強さ試験は,JIS C 2318の6.3.3(引張強さ及び伸び率)による。
6.3.2
衝撃強さ 衝撃強さ試験は,カードを堅固な水平板上に置き,500gの鋼球を30cmの高さからカー
ドの中央に落とし,カードの割れ,ひびなどの有無を調べる。
6.3.3
耐折強さ 耐折強さ試験は,JIS P 8115による。
6.3.4
こわさ こわさ試験は,JIS P 8125を準用する。
6.3.5
表面強度 表面強度試験は,JIS K 5400の8.4(鉛筆引っかき値)を準用する。
6.3.6
反り 反り試験は,カードを水平板上に置き,水平板からカード上面までの距離を測定する。
6.3.7
はく離 はく離試験は,カードを80℃の温水の中に5分間浸せきしたとき,カードの層間のはく
離の有無を調べる。
6.3.8
耐熱性 耐熱性試験は,感熱式のカードの場合は55℃の温水に,感熱式以外のカードの場合は70℃
の温水に,5分間浸せきしたとき,カードの表及び裏の変化を調べる。
6.3.9
耐寒性 耐寒性試験は,カードを−10℃の状態に24時間置いた後,常温に戻してカードの表及び
裏の変化を調べる。
6.3.10 加熱伸縮性 加熱伸縮性試験は,JIS C 2318の6.3.5(加熱収縮率)による。
6.3.11 耐薬品浸せき性 耐薬品浸せき性試験は,カードを5〜35℃で次の溶液にそれぞれ24時間浸せき
したとき,カードの層間のはく離の有無を調べる。
また,浸せき・水洗い・乾燥の前後の磁気特性を調べる。
(a) 5%食塩水
(b) 5%炭酸ナトリウム水溶液
(c) 5%酢酸水
(d) 60%エチルアルコール水溶液
(e) 10%砂糖水
(f) 50%エチレングリコール水溶液
6.3.12 粘着性 粘着性試験は,2枚のカードを重ね,温度40℃,湿度90%の雰囲気中で,4.9kPaの圧力を
加えて48時間保持した後,一方のカードを持ち上げ,自重で他方のカードが落ちるかどうかを調べる。
6.3.13 耐湿性 耐湿性試験は,カードを温度40℃,相対湿度90%の雰囲気中に48時間保存した後,カー
ドの表及び裏の変化を調べる。
6.3.14 光透過濃度 光透過濃度試験は,光透過濃度計によってカードの光透過濃度を測定する。ただし,
測定に際してはラッテンNo.106フィルターを通して行う。
6.3.15 毒性 毒性試験は,通常の取扱いにおいて,人体に有害な影響を及ぼさないかどうかを調べる。
6.3.16 耐久性 耐久性試験は,カードの製造者とカードの発行者との協定による。
関連規格 JIS X 6301 磁気ストライプ付きクレジットカード
ISO 7810-1985 Identification cards−Physical characteristics
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
プリペイドカード標準化委員会 構成表
(敬称略・順不同)
氏名
所属
(委員長)
木 澤 誠
神奈川工科大学
(小委員会長)
磯 部 憲 寛
日本電装株式会社
(委員)
浅 野 恭 右
財団法人流通システム開発センター
国 分 明 男
財団法人ニューメディア開発協会
河 野 秀 樹
通商産業省機械情報産業局
半 田 力
通商産業省産業政策局
山 村 修 蔵
工業技術院標準部
◎ 木 塚 泰 弘
国立特殊教育総合研究所
菊 地 慎 二
日本百貨店協会
笠 原 政 栄
日本チェーンストア協会
落 合 成 行
社団法人日本フランチャイズチェーン協会
牧 島 宏 和
全国商店街振興組合連合会
広 瀬 篁 治
日本自動販売協会(富士ベンディング株式会社)
小 林 弘 幸
社団法人日本民営鉄道協会
◎ 黒 沢 健 郎
社団法人日本鉄道技術協会
林 康 郎
全国石油商業組合連合会
神 田 康 孝
石油連盟(日本石油株式会社)
◎ 永 井 武 志
E&C(株式会社プラナ)
村 上 満 雄
日本電信電話株式会社
野々宮 恵 司
オムロン株式会社
村 松 克 彦
株式会社東芝
新 井 正 彬
日本自動販売機工業会(富士電機冷機株式会社)
◎ 林 義 昭
社団法人日本印刷産業連合会(大日本印刷株式会社)
財 津 博
日立マクセル株式会社
鈴 木 秀 文
日本カードセンター株式会社
砂 川 俊 英
株式会社ジェーシービーカード
◎ 渡 辺 俊 明
株式会社ユーカード
◎ 遠 藤 千 尋
富士通株式会社
○ 村 上 公 夫
日本電信電話株式会社
○ 村 越 英 二
株式会社高島屋本社
○ 西 村 眞 次
日本電信電話株式会社
○ 入 田 哲 郎
大日本印刷株式会社
○ 木 坂 高 教
昌栄印刷株式会社
○ 北 島 常 吉
凸版印刷株式会社
○ 小 林 茂 美
アンリツ株式会社
○ 水 野 守
株式会社三協精機製作所
○ 鎌 下 良 一
アンリツ株式会社
○ 堀 江 悦 郎
株式会社東芝
○ 上 田 秀 敏
三菱電機株式会社
○ 尾 島 克 彦
オムロン株式会社
○ 西 本 宏
株式会社トーキン
○ 古 川 久 夫
財団法人流通システムス開発センター
○ 大 福 敏 彦
工業技術院標準部
(事務局)
○ 加 山 英 男
財団法人日本規格協会
備考 ◎印は本委員会と小委員会との委員兼務,○印は小委員会を表す。