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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 6105-1988 

GCR方式による12.7mm幅, 

9トラック,246cpmm,情報交 

換用磁気テープの情報記録様式 

9−Track, 12.7 mm Wide Magnetic Tape for Information Interchange− 

Format and Recording, Using Group Coding at 246 cpmm 

1. 適用範囲 この規格は,計数形電子計算機及び類似の機械相互間において,情報交換に用いられる磁

気テープ(以下,テープという。)の情報記録様式のうち,GCR (Group−Coded Recording) 方式を用い,

データ密度246cpmm,トラック数9個のものについて規定する。 

引用規格、対応国際規格及び関連規格:16ページに示す。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) GCR方式 テープ上に一連の2進符号を逐次記録する場合,7データバイトごとにECCキャラクタ

を挿入し,4ビットから5ビットに変換し,更に158個のデータ記録群ごとに制御用の信号を挿入す

る記録方式。 

(2) 磁気テープ 計数形電子計算機及び類似の機械において,情報を入力,出力又は記録するための磁気

的信号を記録保持するテープ。 

(3) 標準テープ テープの電磁変換特性の標準として用いられ,その特性値が国際標準化機構 (ISO) によ

って規定されるテープ。 

(4) 副標準テープ テープの電磁変換特性を標準テープのそれと比較するために用いられ,その特性と標

準テープの特性との偏差が明示されて,実測値の偏差を補正することによって,間接的に供試テープ

と標準テープとの特性との比較を行うことを可能にするようなテープ。 

(5) 基準磁界 標準テープに記録密度356ftpmmで相連続する磁束反転を記録して,これを再生するとき,

その再生出力電圧が最大出力電圧(飽和値)の95%となるような最小印加磁界。 

(6) 基準せん(尖)頭出力電圧 標準テープに記録密度356ftpmm,基準磁界を生じさせる電流の1.3〜1.5

倍の記録電流によって,相連続する磁束反転を記録し,これを再生するときに得られる平均せん(尖)

頭 (P−P) 出力電圧。 

(7) 基準縁 テープの磁性面を上側にして水平に置き,記録時のテープの進行方向が左から右方向になる

ように見たときの奥側の縁。 

(8) トラック 磁気テープの表面に一連の情報を蓄え,1個のヘッドで読出し又は書込みができる部分。 

(9) 列 1組の9ビットがテープ幅方向に記録されている部分。 

(10) 記録密度 トラックの長さ1mm当たりに記録された磁束反転数 (ftpmm) 。 

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(11) データ密度 テープの長さ1mm当たりに記録されたデータキャラクタ数 (cpmm) 。 

(12) スキュー 1列内のビットの長手方向の最大位置ずれ量。 

(13) ECCキャラクタ データ群の中で誤りの検出及び訂正に用いるキャラクタ。 

(14) 補助CRCキャラクタ ブロックのデータ部分内の誤り検出に用いるキャラクタ。 

(15) CRCキャラクタ ブロック全体にわたっての誤り検出に用いるキャラクタ。 

(16) プリアンブル 各記録ブロックの先端を示す信号パターン。主として電子回路の同期に用いる。 

(17) ポストアンブル 各記録ブロックの終端を示す信号パターン。 

(18) 記録密度識別バースト GCR方式で使用している記録密度を識別するために記録したテープ先端部

の信号。 

(19) ARA領域 テープ先端部において読取り増幅器の利得設定に用いるための信号を記録した領域。 

3. テープの使用条件 

3.1 

使用環境条件 記録時及び再生時のテープの使用環境条件は,次のとおりとする。 

温度 

16〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

25℃以下 

この使用環境条件を超えて保管又は輸送されたテープを使用する場合は,その状況によって2〜12時間

使用環境に慣らしてから使用することが望ましい。 

3.2 

記録済みテープの保存環境条件 情報交換に用いる記録済みテープの保存環境条件は,次のとおり

とする。 

温度 

5〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

26℃以下 

3.3 

記録済みテープの輸送条件 発送者は,輸送中の損傷を防ぐために附属書1の諸事項に対する適切

な処置をとるものとする。 

3.4 

巻取り張力 記録済みテープの巻取り張力は,2〜3.6Nとする。 

3.5 

使用テープ 情報交換に用いるテープは,JIS X 6101(情報交換用磁気テープ)に規定するもののう

ち記録密度の呼びが356ftpmmに適合するものを用いなければならない。 

4. 記録の一般的必要条件 

4.1 

記録方式 記録方式はNRZ-1とし,“1”は磁化の方向の変化で表す。記録磁化は,テープの長手方

向に対して行う。 

参考 NRZ-1方式 テープの1トラックに一連の2進符号を逐次記録する場合,符号“1”に対して

は磁束を反転し,符号“0”に対しては磁束を反転しない記録方式。 

4.2 

記録密度 公称記録密度は,356ftpmmとする。そのほかに特に定められた測定を行う場合の公称記

録密度として,178ftpmm及び119ftpmmを用いる。 

4.3 

平均磁束反転間隔 平均磁束反転間隔は,記録密度178ftpmmで記録されたテープを用いて測定し,

次の条件を満足しなければならない。 

また,178ftpmmにおける公称磁束反転間隔は,5.618μmとする。 

(1) 静的磁束反転間隔は,連続する5×105個以上の磁束反転間隔の平均とし,公称磁束反転間隔の±4%

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の範囲とする。 

(2) 動的磁束反転間隔は,ある特定の磁束反転間隔に関して,その磁束反転間隔とその直前の磁束反転間

隔との平均とし,静的磁束反転間隔の±6%の範囲とする。ただし,動的磁束反転間隔の変動は,1磁

束反転当たり0.2%を超えてはならない。 

4.4 

瞬時磁束反転間隔 瞬時磁束反転間隔は,再生過程,記録過程,記録されたパターン(パルス凝縮

効果)及びその他の要因によって変動する。瞬時磁束反転間隔は,附属書2の試験条件において,次の条

件を満足しなければならない。 

(1) 記録密度356ftpmmにおいて連続する磁束反転の間隔d1は,178ftpmmにおける動的磁束反転間隔の

48〜52%であること(図1参照)。 

図1 瞬時磁束反転間隔(1) 

(2) ビットパターン“1110011100…”の磁束反転が連続するとき,基準磁束反転(図2中の×印の磁束反

転)の両側の平均磁束反転間隔の基準磁束反転からの変位は,356ftpmmにおける平均磁束反転間隔の

±28%の範囲であること。 

図2 瞬時磁束反転間隔(2) 

0.72d1≦d5の平均≦1.28d1 

0.72d1≦d5の平均≦1.28d1 

0.72d1≦d5の平均≦1.28d1 

0.72d1≦d5の平均≦1.28d1 

静的磁束反転間隔と動的磁束反転間隔との許容範囲は,この誤差に含まれる。ビットパターン

“1110011100…”の磁束反転が連続するとき,隣接する基準磁束反転の間隔d6の平均と356磁束反転

における6個の磁束反転の計算値5d1との差は,6%を超えてはならない。 

4.94d1≦d6の平均≦5.06d1 

4.5 

スキュー 同一の列において,いかなる磁束反転も他の磁束反転からの変位は16.86μmを超えては

ならない。この変位は,基準縁に垂直で,これらの磁束反転を通る直線間の距離として測定する。 

4.6 

信号振幅 

4.6.1 

平均信号振幅 平均信号振幅は,次のとおりとする。 

(1) 記録密度356ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の±50%を超えてはならない。 

(2) 記録密度119ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の5倍未満とする。 

(3) 平均信号振幅は,相連続する4 000磁束反転以上にわたり,再生された出力の平均値とする。測定は,

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記録後の第1回目の再生において行う。 

4.6.2 

最小信号振幅 テープは,最後のマーク1制御副群以後に,2トラック以上にわたり,再生された

電圧の0Vを基準にした波高値が基準せん頭出力電圧の15%に満たない磁束反転があってはならない。 

4.7 

消去 消去は,次のとおりとする。 

(1) 消去の極性 テープの消去部分における磁化は,テープ始端が北極,終端が南極を指す方向とする。 

(2) 消去の幅 テープの消去部分における消去の幅は,テープ全幅とする。 

(3) 消去効果 テープを消去したとき,残存する信号がNRZ-1方式で32ftpmm,PE方式で126ftpmm及び

GCR方式で356ftpmmのいずれの場合でも,残存する信号の再生出力は,356ftpmmにおける基準せ

ん頭出力電圧の4%を超えてはならない。 

5. トラック 

5.1 

トラック数 トラックの数は,9個とする。 

5.2 

トラック番号 トラックは,基準縁に近い方から順次に1から9までの番号を付けて呼ぶ。 

5.3 

トラックの位置 各トラックの中心線と基準縁との間隔は,表1のとおりとする。 

5.4 

トラックの寸法 情報が記録されたトラックの幅は,1.09mm以上とする。 

表1 トラックの位置 

単位mm 

トラック番号 

トラックの中心線

と基準縁との間隔 

0.74±0.08 

2.13±0.08 

3.53±0.08 

4.93±0.08 

6.32±0.08 

7.72±0.08 

9.12±0.08 

10.52±0.08 

11.91±0.08 

6. データの表現 データは,JIS X 0201(情報交換用符号)及びJIS X 0202(情報交換用符号の拡張法)

に規定される7単位符号又は8単位符号によって表現する。符号とトラック番号の対応は,JIS X 0204(情

報交換用符号の磁気テープ上での表現)による。 

参考 7単位符号とトラック番号の対応は,参考表1のとおりとする。トラック7は,常に“0”を記

録する。pはパリティビットで,パリティは奇数とする。 

参考表1 7単位符号のデータの表現 

2進化符号 

20 

21 

22 

23 

24 

25 

26 

− 

− 

7単位符号 

b1 

b2 

b3 

b4 

b5 

b6 

b7 

− 

トラック番号 

8単位符号とトラック番号との対応は,参考表2のとおりとする。pはパリティビットで,パ

リティは奇数とする。 

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参考表2 8単位符号のデータの表現 

2進化符号 

20 

21 

22 

23 

24 

25 

26 

27 

− 

8単位符号 

b1 

b2 

b3 

b4 

b5 

b6 

b7 

b8 

トラック番号 

7. データフォーマット 記録前に,データを検査キャラクタ付きの群形式に編成する。一連のデータ群

を制御キャラクタ群(剰余群及びCRC群)と共に所定の手順で順次編成する。編成したデータ群及び制

御キャラクタ群は,8.に示す方法でビット変換してテープ上に記録する。 

7.1 

データ群 データ群は,次の8バイトから成る(図3参照)。 

群位置1〜7 :データバイト 

群位置8 

:ECCキャラクタ 

7.2 

剰余群 剰余群は,次の8バイトから成る(図3参照)。 

群位置1〜6 :残留データバイト,空きがある場合にはパディングキャラクタ[奇数パリティの

バイト (00) ] 

群位置7 

:補助CRCキャラクタ 

群位置8 

:ECCキャラクタ 

7.3 

CRC群 CRC群は,次の8バイトから成る(図3参照)。 

群位置1 

:先行データ群の総数が奇数の場合にはCRCキャラクタ,偶数の場合には奇数パリ

ティのバイト (00)  

群位置2〜6 :CRCキャラクタ 

群位置7 

:剰余数キャラクタ 

群位置8 

:ECCキャラクタ 

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図3 データフォーマット 

備考 各トラック番号のビット列は群単位に符号化され(8.参照),符号化されたビット列がテープ上の対応

トラックに記録される。 

7.4 

検査キャラクタ 

(1) ECCキャラクタ ECCキャラクタは,各群(データ群,剰余群,CRC群)ごとに計算する。この計

算で使用するD1〜D7の7個の多項式の係数は,群位置1〜7の各バイトの8ピット(パリティビット

を除く。)とする。すなわち,多項式D1の係数は群位置1の8ビット,多項式D2の係数は群位置2

の8ビットとする。 

各トラックのビットと多項式Djの次数との対応は,次のとおりとする。 

トラック番号 

多項式の次数 

x0 

x1 

x2 

x3 

x4 

x5 

x6 

x7 

− 

− 

ECCキャラクタは,次式で与えられる多項式Eの係数から求める。 

E=Σ (xiDj) (mod G)  

ここに, i=7〜1 
 

j=1〜7 

G=x0+x3+x4+x5+x8 

すべての計算は,2を法として実行する。 

備考1. Σ (xiDj) (mod G) は,多項式Σ (xiDj) を多項式Gで除したときの剰余を示す。 

2. 2を法として実行することは,排他的論理和を作ることと同じである。 

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ECCキャラクタの各トラックのビットと多項式Eの次数との対応は,次のとおりとする 

トラック番号 

多項式の次数 

x1 

x4 

x7 

x3 

x6 

x0 

x2 

x5 

(2) 補助CRCキャラクタ 補助CRCキャラクタは,記録ブロック内の全データバイトを基に計算する。

この計算で使用するM1〜Mnのn個の多項式の係数は,各データバイトの9ビット(パリティビット

を含む。)とする。すなわち,多項式M1の係数は1番目のデータ群の群位置1のバイトの9ビット,

多項式M2の係数は群位置2のバイトの9ビットとする。 

各トラックのビットと多項式Mjの次数との対応は,次のとおりとする。 

トラック番号 

多項式の次数 

x0 

x1 

x2 

x3 

x4 

x5 

x6 

x7 

x8 

補助CRCキャラクタを求めるため,まず次式で与えられる非対称多項式Nを計算する。 

N=Σ (xiMj) (mod H)  

ここに, i=n〜1 
 

j=1〜n 

H=x0+x2+x6+x9 

すべての計算は,2を法として実行する。 

次に,多項式Nと多項式 (x0+x1+x6+x7+x8) との排他的論理和を計算し,この計算によって得ら

れる 

多項式N'の係数を補助CRCキャラクタの各ビットとする。 

各トラックのビットと多項式Nʼの次数との対応は,次のとおりとする。 

トラック番号 

多項式の次数 

x0 

x4 

x6 

x3 

x1 

x5 

x7 

x2 

x8 

補助CRCキャラクタは奇数パリティをもたなければならない。したがって,得られた補助CRCキ

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ャラクタが偶数パリティをもつ場合には,奇数パリティとするために第4トラックのビットを反転す

る。 

(3) CRCキャラクタ CRCキャラクタは,記録ブロック内の先行する全キャラクタ(データ,パディン

グキャラクタ,補助CRCキャラクタ及びCRC群の群位置1のパディングキャラクタ)を基に計算す

る。ただし,ECCキャラクタは除外する。この計算で使用するM1〜Mnのn個の多項式の係数は,各

バイトの9ビット(パリティビットを含む。)とする。すなわち,多項式M1の係数は1番目のデータ

群の群位置1のバイトの9ビット,多項式M2の係数は群位置2のバイトの9ビットとする。 

各トラックのビットと多項式Mjの次数との対応は,次のとおりとする。 

トラック番号 

多項式の次数 

x0 

x1 

x2 

x3 

x4 

x5 

x6 

x7 

x8 

CRCキャラクタを求めるため,まず次式で与えられる多項式Cを計算する。 

C=Σ (xiMj) (mod K)  

ここに, i=n〜1 
 

j=1〜n 

K=x0+x3+x4+x5+x6+x9 

すべての計算は,2を法として実行する。 

次に,多項式Cと多項式 (x0+x1+x2+x4+x6+x7+x8) との排他的論理和を計算し,この計算によっ

て得られる多項式C'の係数をCRCキャラクタの各ビットとする。 

各トラックのビットと多項式C'の次数との対応は,次のとおりとする 

トラック番号 

多項式の次数 

x6 

x8 

x4 

x0 

x3 

x2 

x1 

x7 

x5 

備考 CRCキャラクタは,常

に奇数パリティとな
る。 

(4) 剰余数キャラクタ 剰余数キャラクタは,記録ブロック内のデータバイト総数nから求める。 

R1=n (mod 7)  

R2=n−1 (mod 32)  

2進数で表現されたR1及びR2については,剰余数キャラクタのビットは,次のとおりとする。 

R1:ビット 0 1 2 

R2:ビット 3 4 5 6 7 

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これらのビットとトラックとの対応は,次のとおりとする。 

ビット 

トラック番号 

R1 0 

R2 0 

第4トラックには,奇数パリティビットPを挿入する。 

8. テープ上への各群の記録 7.の規定を満たすように編成した各群は,表2によって4ビットから5ビ

ットに変換して,テープ上に記録する。このビット変換は,各トラックの連続する4ビットに対して実行

する。 

表2 4ビットから5ビットヘの変換 

0 0 0 0 → 1 1 0 0 1 
0 0 0 1 → 1 1 0 1 1 
0 0 1 0 → 1 0 0 1 0 
0 0 1 1 → 1 0 0 1 1 
0 1 0 0 → 1 1 1 0 1 
0 1 0 1 → 1 0 1 0 1 
0 1 1 0 → 1 0 1 1 0 
0 1 1 1 → 1 0 1 1 1 
1 0 0 0 → 1 1 0 1 0 
1 0 0 1 → 0 1 0 0 1 
1 0 1 0 → 0 1 0 1 0 
1 0 1 1 → 0 1 0 1 1 
1 1 0 0 → 1 1 1 1 0 
1 1 0 1 → 0 1 1 0 1 
1 1 1 0 → 0 1 1 1 0 
1 1 1 1 → 0 1 1 1 1 

記録前の状態と区別するため,記録後には,データ群,剰余群,CRC群及びブロックは,それぞれデー

タ記録群,剰余記録群,CRC記録群及び記録ブロックと呼ぶ。 

また,記録後のテープを横断する9ビットの列を記録列と呼ぶ。 

9. 制御副群 制御副群は連続する5個の記録列から構成され,終端制御副群2を除いては各トラックの

ビットパターンは同一とする。 

9.1 

終端制御副群 終端制御副群1のビットパターンは,“10101”とする。終端制御副群1は,各記録

ブロックのテープ始端側の端部に配置する[10.2(1)参照]。 

終端制御副群2のビットパターンは,“1010X”とする。Xは,各トラックの残留磁化を消去状態[4.7

参照]に戻すためのビットを表す。終端制御副群2は,各記録ブロックのテープ終端側の端部に配置する

[10.2(7)参照]。 

9.2 

第2制御副群 第2制御副群1のビットパターンは,“01111”とする。第2制御副群1は,各記録

ブロックのテープ始端側の端部において,終端制御副群1[10.2(1)参照]に後続する。 

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10 

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第2制御副群2のビットパターンは,“11110”とする。第2制御副群2は,各記録ブロックのテープ終

端側の端部において,終端制御副群2[10.2(7)参照]に先行する。 

9.3 

同期制御副群 同期制御副群のビットパターンは,“11111”とする。 

9.4 

マーク1制御副群 マーク1制御副群のビットパターンは,“00111”とする 

9.5 

マーク2制御副群 マーク2制御副群のビットパターンは,“11100”とする。 

9.6 

エンドマーク制御副群 エンドマーク制御副群のビットパターンは,“11111”とする。このビット

パターンは,同期制御副群のビットパターンと同一であるが,機能が異なる。 

10. 記録ブロック 

10.1 データ部分 記録ブロックのデータ部分は,GCR方式で18〜8192データバイトから成る。ただし,

情報交換当事者間の合意があれば,より大きな記録ブロックを使用できる。 

10.2 記録ブロックの構成 記録ブロックの構成は,データ記録群の数に依存する。一般的な構成は,図4

のとおりとする。 

図4 記録ブロックの構成 

(1) プリアンブル プリアンブルの構成は,図5のとおりとする。 

図5 プリアンブルの構成 

(2) マーク1制御副群 マーク1制御副群は,プリアンブルに後続する。 

(3) 再同期バースト 再同期バーストの構成は,図6のとおりとする。 

図6 同期バーストの構成 

(4) データ記録群の数N N≦158の場合,最終のデータ記録群の後に剰余記録群に先行して,エンドマー

ク制御副群を設ける。再同期バーストは,存在してはならない。 

N>158の場合,最終のデータ記録群の後にエンドマーク制御副群を設け,かつ,158個のデータ記

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11 

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録群ごとに再同期バーストを挿入する。ただし,Nが158の倍数の場合,最終のデータ記録群の後に

は再同期バーストは設けず,エンドマーク制御副群だけを設ける。 

備考 再同期バーストが存在する場合にも,158個のデータ記録群のすべてのシーケンスは,マーク1

制御副群とマーク2制御副群で仕切られる。 

(5) 剰余記録群とCRC記録群 剰余記録群とCRC記録群は,最終のデータ記録群の後にあるエンドマー

ク制御副群に後続する。 

(6) マーク2制御副群 マーク2制御副群は,CRC記録群に後続し,ポストアンブルに先行する。 

(7) ポストアンブル ポストアンブルの構成は,図7のとおりとする。 

図7 ポストアンブルの構成 

10.3 記録ブロック間隔 記録ブロック間隔の長さは,公称7.6mm,最小7.1mm,最大4 600mmとし,4.7

の消去状態とする。 

10.4 最大データ密度 7データバイトごとのECCキャラクタの挿入,4ビットから5ビットヘの変換及

び158個のデータ記録群ごとの再同期バーストの挿入によって,記録データの最大密度は,次式のとおり

246バイト/mmとなり,物理的な最大記録密度356ftpmmより小さくなる。 

(

)

(

)

mm

/

246

ftpmm

356

160

158

5

4

8

7

バイト

=

=

×

×

11. テープ上における情報の記録(図8参照) 最初のプリアンブルより前のテープ領域は,11.1〜11.5

の規定を満足しなければならない。 

11.1 記録密度識別バースト 記録密度識別バーストは,第6トラックに“100100100…”のビットパター

ン,すなわち,119±12ftpmmの信号を記録し,他のトラックは消去して形成する。記録密度識別バースト

は,テープ始端反射マーカ(以下,BOTマーカという。)の後縁より43mm以上手前から始まり,BOTマ

ーカの後縁より後まで継続する。 

11.2 ギャップ1 記録密度識別バーストの後には,長さ86.36mm以下のギャップ1を設ける。 

11.3 ARA領域 ARA領域は,ARAレベルバーストとこれに後続するARA識別バーストから成る。 

(1) ARAレベルバースト ギャップ1に後続するARAレベルバーストは,全トラックに  "1111…"  の

ビットパターン,すなわち,356ftpmmの信号を記録して形成する。ARAレベルバーストは,BOTマ

ーカの前縁の38〜109mm後から始まり,BOTマーカの前縁の241〜292mm後まで継続する。したが

って,ARAレベルバーストの長さは,132〜254mmとなる。 

(2) ARA識別バースト ARA領域の後部には,長さ50±10mmのARA識別バーストが存在すること。

ARA識別バーストは,第1,第4及び第7トラックを消去し,他のトラックに“1111…”のビットパ

ターンを記録して形成する。ARA識別バースト内には,全トラックとも誤りのない領域が6.35mm以

上存在すること。 

background image

12 

X 6105-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11.4 ギャップ2 ARA識別バーストと最初の記録ブロックとの間には,記録ブロック間隔と同一長さの

ギャップ2を設ける。 

11.5 テープマーク 制御ブロックであるテープマーク[JIS X 0601(情報交換用磁気テープのラベルとフ

ァイル構成)参照]は,第3,第6及び第9トラックを消去し,他のトラックに254〜400の磁束反転 (1111

…) を記録して形成する。 

テープマークは記録ブロック間隔を設けることによって,記録ブロックと分離していること。 

図8 テープ上における情報の記録 

12. テープの情報交換基準 

12.1 訂正可能誤り 情報交換に使用するテープには,マーク1制御副群とマーク2制御副群との間に3

トラック以上の誤りが存在してはならない。 

12.2 受諾基準 12.1の規定を超える誤りが存在するテープは,この規格に適合しない。ただし,交換当

事者間の合意がある場合には,それらのテープを情報交換に使用できる。 

12.3 長大な記録ブロック間隔 消去命令によって生じた場合を除いて,長大な記録ブロック間隔が存在

してはならない。交換当事者は,次の事項について合意しなければならない。 

(1) 消去命令生起の誤り基準 

(2) 長大な記録ブロック間隔の許容個数 

13. 表示 情報を記録したリールの表面に,次の事項を明確に表示しなければならない。 

13 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 記録情報名 

(2) 記録密度の呼び 

(3) 情報作成業者名又は登録商標 

(4) 記録業者名又は登録商標 

(5) 記録した日付け又はその略号 

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附属書1 輸送条件 

1. 環境条件 テープの輸送時においては,次の環境条件を推奨する。 

温度 

5〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

26℃以下 

2. データの破壊防止 データが記録された磁気テープを運搬する際に生じる可能性があるデータ破壊及

びその防止策は,次による。 

2.1 

衝撃及び振動 衝撃や振動が加わると,リールに損傷を与えたり,テープの巻き状態に変化が生じ

たりする可能性がある。これらを防止するために,次のような対策が推奨される。 

(1) テープの先端は,巻きの緩みを防止するため固定すること。 

(2) 防じん(塵)のため,硬質のプラスチックのコンテナ又はこれと同等品を使用すること。 

(3) プラスチックのコンテナは,十分な衝撃吸収材のある硬い箱の中に収納すること。 

(4) コンテナ収納箱は,内部が清浄で,かつ,じんあい(塵埃)や水の浸入防止が十分可能なふた付きの

構造であること。 

(5) コンテナ収納箱内でのテープの収納方向は,テープの中心軸が水平になるようにすること。 

(6) コンテナ収納箱は,正しい位置方向(天地)に置けるように明確な表示をすること。 

2.2 

極端な高温・高湿度環境 極端な高温・高湿度環境の下では,テープ内部にストレスが加わるので,

次のような対策が推奨される。 

(1) 温度,湿度の急激な変化は,いかなる場合でも,可能な限り回避すること。 

(2) 輸送されたテープを使用する前には,必ず使用環境条件に2〜12時間放置すること。放置時間は,輸

送手段や使用環境外にテープがさらされていた状態を考慮して決定する。 

2.3 

誘導磁界の影響 誘導磁界は,記録されたデータの信号振幅低下の原因となる可能性があるので,

次のような対策が推奨される。 

テープリールとこれを収納するコンテナ類の最外壁との距離は,80mm以上確保すること。これによっ

て外部磁界の影響による信号品質劣化の危険性は,無視できる程度に減少すると考えられる。 

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附属書2 磁束反転間隔の測定法 

1. 概要 この試験でテープに信号を記録する装置は,246cpmmのデータ密度で正常に書込み可能なもの

とする。 

テープは,通常のシステム的な操作と同様の起動停止動作状態で記録する。 

テープの全長732mにわたり,附属書2表のテストパターンを記録する。 

附属書2表 テストパターン 

トラック番号 

テストパターン 

1 0 0 1 1 1 0 0 1 1 

1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 

1 0 0 1 1 1 0 0 1 1 

1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 

1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 

1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 

1 0 0 1 1 1 0 0 1 1 

1 1 0 0 1 1 1 0 0 1 

0 1 0 0 1 1 0 1 1 0 

試験に供するテープは,定められた手順によって再生する。 

測定する試料は,各ブロックについて1回ずつ,100ブロック以上作成する。 

本体4.4(1)で356ftpmmにおいて連続する磁束反転の間隔d1の測定は,プリアンブル上のデータ部分に

最も近接した部分で行う。 

2. 読取り装置 

2.1 

テープ駆動装置 テープ速度は,1.52m/s±1%とする。起動停止動作は,使用しない。 

2.2 

ヘッド ヘッドは,次による。 

(1) ヘッドの読出し出力は,ノイズの影響が無視できる値であればよい。 

(2) ヘッドのギャップ間隔は,1.143μm未満とする。 

(3) ヘッドの伝達関数は,次のとおりとする。 

磁界に誘導されて発生する出力振幅及び位相の応答出力は,出力リード線をヘッドギャップに平行

に隣接させて測定することができる。リード線を配置する位置は,ヘッドの出力が最大となる位置と

する。周波数27〜540kHzの帯域においては,出力の振幅度は+6dB/オクターブの傾きから1dBの範

囲内になければならない。 

微分増幅器の入力インピーダンスの負荷効果は,周波数0〜540kHzの帯域において,ヘッド出力が

−0.1〜0dBを超えない程度とする。 

2.3 

微分増幅器 周波数の変動補正手段を伴わない状態での微分増幅器の周波数特性は,13.5kHz〜

1.08MHzの帯域において,変動幅−1〜0dB範囲内の平たんな特性でなければならない。 

微分増幅器に付加される周波数制限補正器は,次に示す伝達関数を満足するように設計する。 

()

15

15

6

2

3

+

+

+

×

=

o

o

o

s

s

s

s

A

s

H

ω

ω

ω

ここに, 

A(1): 補正増幅器の増幅度 

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S(2): 微分演算子 

ω0(3): 角速度 

注(1) Aの増幅度調整によって増幅器の立上がり,立下がり特性を決定する。 

(2) 分母において極は,3次のベッセルフィルタをもつように設計する。 

(3) テープ速度は,1.52m/sとして,ω0=2π540×103rad/sとする。 

2.4 

増幅度制限器 増幅度制限器の増幅度は,ヘッドと微分増幅器によって,附属書2図1に示すよう

な出力波形を得るものとする。 

附属書2図1 増幅度制限器の出力信号波形 

ここで,Tは周期で,記録密度356ftpmm,テープ速度1.52m/sにおいて3.686 5μsである。T0は過渡応答

時間で,0.497 5〜0.502 5Tの範囲内とする。T1は立下がり時間,T2は立上がり時間で,いずれも18ns以下

とする。 

2.5 

正弦波発生器 正弦波発生器は,27〜540kHzの帯域で出力可能のものとする。正弦波発生器の高調

波ひずみは,微分増幅器の出力において1%以下とする。 

2.6 

時間間隔カウンタ 時間間隔カウンタは,5ns範囲内の分解能をもち,10μsまで測定可能とする。 

3. 測定手順及び測定器の校正 

3.1 

測定手順 正弦波発生器の出力を調整する。調整は,356ftpmmで書き込まれたテープを読み出した

とき観測されるヘッド出力値と同等となるようにする。出力調整後,周波数を27kHzから540kHzまで変

化させる。各試験周波数において附属書2を参照して,入力正弦波がヘッドギャップを横切るとき,すな

わち,立上がり波形が零交差する時を起点として,増幅度制限器の出力の立上がり点までの遅延時間を測

定する。 

3.2 

読出し出力の校正(附属書2図2参照) 入力正弦波がヘッドギャップを横切るときに,相当する

波形の正の零交差点から増幅度制限器の出力の立上がり点までの遅延時間は,周波数27kHzにおいて次式

の範囲を超えてはならない。 

ms

7.2

1

ns

000

27

100

×

±

=

×

±

f

f

ここで,fは27〜540kHzの帯域内での試験周波数とし,単位はHzとする。 

また,数値的には

× 7.2

1
f

msは±1°に相当する。 

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附属書2図2 読出し出力校正のブロック図 

引用規格: 

JIS X 0201 情報交換用符号 

JIS X 0202 情報交換用符号の拡張法 

JIS X 0204 情報交換用符号の磁気テープ上での表現 

JIS X 0601 情報交換用磁気テープのラベルとファイル構成 

JIS X 6101 情報交換用磁気テープ 

対応国際規格: 

ISO 5652 Information processing−9−Track, 12.7mm (0.5in) wide magnetic tape for information 

interchange−Format and recording, using group coding at 246 cpmm (6 250cpi) . 

関連規格 JIS X 6102 情報交換用磁気テープリール 

JIS X 6103 NRZ-1方式による情報交換用磁気テープの情報記録様式 

JIS X 6104 位相変調方式による情報交換用磁気テープの情報記録様式 

ISO 646 Information processing−ISO 7-bit coded character set for information interchange 

ISO 1001 Information processing−File structure and labelling of magnetic tapes for information 

interchange 

ISO 1864 Information processing−Unrecorded 12.7 mm (0.5in) wide magnetic tape for information 

interchange−32 ftpmm (800 ftpi) NRZ 1, 126 ftpmm (3 200 ftpi) phase encoded and 356 ftpimm 

(9042 ftpi) NRZ 1 

ISO 2022 Information processing−ISO 7-bit and 8-bit coded character sets−Coded extention 

techniques 

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磁気テープJIS原案作成委員会 構成表 

(敬称略・順不同) 

(委員長) 

石 井   治 

日本工業大学工学部 

(幹事) 
 

国 分 明 男 

工業技術院電子技術総合研究所電子計算機部記憶システ

ム研究室 

多羅尾 悌 三 

富士通株式会社ファイルシステム事業部 

徳 永 賢 次 

住友スリーエム株式会社磁気製品事業部品質保証部 

大 石 完 一 

日本ユニバック株式会社ハードウェアプロダクト 

(委員) 

横 山 克 哉 

日本放送協会放送技術研究所記録機構研究部 

上 田 勝 久 

富士写真フイルム株式会社磁気材料事業本部商品部 

今 岡 信 之 

日本IBM株式会社関連機器事業部 

寺 西   勝 

株式会社日立製作所小田原工場記憶装置設計部 

竹 内   正 

株式会社トリム・アソシェイツ 

富 田 正 典 

日本電信工業株式会社 

細 川 茂 文 

日本電信電話株式会社電子機構技術研究所機構技術研究

部ファイル記憶研究室 

今 村   朗 

日本電気株式会社周辺装置事業部システム技術部 

平 野 隆 之 

工業技術院標準部 

(関係者) 

菅 原 淳 夫 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

鳥 井   寛 

社団法人日本電子工業振興協会