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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 6104-1988 

位相変調 (PE) 方式による12.7mm幅, 

9トラック,63cpmm, 

情報交換用磁気テープの情報記録様式 

9-Track, 12.7mm Wide Magnetic Tape for  

Information Interchange−Format and Recording,  

Using Phase Encoding at 63cpmm 

1. 適用範囲 この規格は,計数形電子計算機及び類似の機械相互間において,情報交換に用いられる磁

気テープ(以下,テープという。)の情報記録様式のうち,位相変調方式[以下,PE (Phase Encoding) 方式

という。]を用い,データ密度63cpmm,トラック数9個のものについて規定する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) PE方式 正走行方向にあるテープ上のトラックに一連の2進符号を逐次記録する場合,符号“1”を

記録するときには,飽和磁化の極性をブロック間隔部と逆の極性から同じ極性に,符号“0”を記録す

るときには,ブロック間隔部と同じ極性から逆の極性にそれぞれ反転させ,かつ,隣り合う2符号が

同じときには,その中間で更に極性を反転させる記録方式。 

(2) 標準テープ テープの電磁変換特性の標準として用いられ,その特性値が国際標準化機構(ISO)によっ

て規定されるテープ。 

(3) 副標準テープ テープの電磁変換特性を標準テープのそれと比較するために用いられ,その特性と標

準テープの特性との偏差が明示されて,実測値の偏差を補正することによって,間接的に供試テープ

と標準テープとの特性の比較を行うことを可能にするようなテープ。 

(4) 基準磁界 標準テープに記録密度126ftpmmで相連続する磁束反転を記録して,これを再生するとき,

その再生出力電圧が最大出力電圧(飽和値)の95%となるような最小印加磁界。 

(5) 基準せん(尖)頭出力電圧 標準テープに記録密度126ftpmm,基準磁界を生じさせる電流の1.8倍の

記録電流によって,相連続する磁束反転を記録し,これを再生するときに得られる平均せん頭 (P−P) 

出力電圧。 

(6) 基準縁 テープの磁性面を上側にして水平に置き,記録時のテープの進行方向が左から右方向になる

ように見たときの奥側の縁。 

(7) トラック 磁気テープの表面に一連の情報を蓄え,1個のヘッドで読出し又は書込みができる線状の

部分。 

(8) 列 1組の9ビットがテープ幅方向に記録されている部分。 
                                                        
引用規格,対応国際規格及び関連規格:10ページに示す。 

X 6104-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(9) 記録密度 トラックの長さ1mm当たりに記録された磁束反転数 (ftpmm)。 

(10) データ密度 テープの長さ1mm当たりに記録されたデータキャラクタ数 (cpmm)。 

(11) スキュー 1列内のビットの長手方向の最大位置ずれ量。 

3. テープの使用条件 

3.1 

使用環境条件 記録時及び再生時のテープの使用環境条件は,次のとおりとする。 

温度 

16〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

25℃以下 

この使用環境条件を超えて保管又は輸送されたテープを使用する場合は,その状況によって2〜12時間

使用環境に慣らしてから使用することが望ましい。 

3.2 

記録済みテープの保存環境条件 情報交換に用いる記録済みテープの保存環境条件は,次のとおり

とする。 

温度 

5〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

26℃以下 

3.3 

記録済みテープの輸送条件 発送者は,輸送中の損傷を防ぐために附属書1の諸事項に対する適切

な処置をとるものとする。 

3.4 

巻取り張力 記録済みテープの巻取り張力は,2〜3.6Nとする。 

3.5 

使用テープ 情報交換に用いるテープは,JIS X 6101(情報交換用磁気テープ)に規定するもののう

ち記録密度の呼びが126ftpmmに適合するものを用いなければならない。 

4. 記録の一般的必要条件 

4.1 

記録方式 記録方式はPE方式とし,記録磁化は,テープの長手方向に対して行う。 

4.2 

記録密度 公称記録密度は,126ftpmmとし,磁束反転間隔は,7.935μmとする。そのほかに特に定

められた測定を行う場合の公称記録密度として,63ftpmmを用いる。 

4.3 

平均磁束反転間隔 平均磁束反転間隔は,記録密度63ftpmmで記録されたテープを用いて測定し,

次の条件を満足しなければならない。 

(1) 静的磁束反転間隔は,連続する5×105個以上の磁束反転間隔の平均とし,15.87μm±4%とする。 

(2) 動的磁束反転間隔は,ある特定の磁束反転間隔に関して,その磁束反転間隔とその直前の磁束反転間

隔との平均とし,静的磁束反転間隔の±10%以内とする。ただし,動的磁束反転間隔の変動は,1磁

束反転当たり0.5%を超えてはならない。 

4.4 

瞬時磁束反転間隔 瞬時磁束反転間隔は,再生過程,記録過程,記録されたパターン(パルス凝縮

効果),その他の要因によって変動する。瞬時磁束反転間隔は,附属書2の試験条件において,次の条件を

満足しなければならない。 

(1) 中間に位相磁束反転がない場合,データビットの間隔は動的磁束反転間隔の85〜108%とする。 

(2) 中間に位相磁束反転がある場合,データビットの間隔は動的磁束反転間隔の93〜112%とする。 

(3) データビットとそれに隣接する位相磁束反転の間隔は,動的磁束反転間隔の44〜62%とする。 

(4) 63ftpmmにおける磁束反転の前又は後に126ftpmmの磁束反転がある場合,126ftpmmの磁束反転が連

続していたと仮定したときにデータビットが存在すると予想される位置とそれに対応する63ftpmmの

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X 6104-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

実際のデータビットの位置との距離の平均値は,動的磁束反転間隔の±6%未満とする。 

4.5 

スキュー 同一の列において,いかなる磁束反転も他の磁束反転からの変位は,15.87μmを超えて

はならない。 

4.6 

信号振幅 

4.6.1 

平均信号振幅 平均信号振幅は,次の条件を満足しなければならない。 

(1) 記録密度126ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の65〜150%とする。 

(2) 記録密度63ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の300%未満とする。 

(3) 平均信号振幅は,相連続する4 000磁束反転以上にわたり,再生された出力の平均値とする。 

測定は,記録後の第1回目の再生において行う。 

4.6.2 

最小信号振幅 記録後の第1回目の再生における最小信号振幅(せん頭値)は,基準せん頭出力電

圧の20%を下回ってはならない。 

4.7 

消去 消去は,次のとおりとする。 

(1) 消去の極性 テープの消去部分における磁化は,テープ始端が北極,終端が南極を指す方向とする。 

(2) 消去の幅 テープの消去部分における消去の幅は,テープ全幅とする。 

(3) 消去効果 テープを消去したとき,残存する信号がNRZ-1方式で32ftpmm,PE方式で126ftpmm及び

GCR方式で356ftpmmのいずれの場合でも,残存する信号の再生出力は,126ftpmmにおける基準せん

頭出力電圧の4%未満とする。 

5. トラック 

5.1 

トラック数とトラック番号 テープに情報を記録するためのトラックの数は,9個とする。トラック

は,基準縁に近い方から順次に1から9までの番号を付けて呼ぶ(図参照)。 

5.2 

トラックの位置と寸法 情報が記録されたトラックの幅は,1.09mm以上とする。各トラックの中心

線と基準縁との間隔は,表のとおりとする。 

表 トラックの位置 

単位mm 

トラック番号 

トラックの中心線と基準縁との間隔 

0.74±0.08 

2.13±0.08 

3.53±0.08 

4.93±0.08 

6.32±0.08 

7.72±0.08 

9.12±0.08 

10.52±0.08 

11.91±0.08 

5.3 

データの表現 データは,JIS X 0201(情報交換用符号)及びJIS X 0202(情報交換用符号の拡張法)

に規定される7単位符号又は8単位符号によって表現する。符号とトラック番号との対応は,JIS X 0204

(情報交換用符号の磁気テープ上での表現)による。 

参考 7単位符号とトラック番号の対応は,参考表1のとおりとする。トラック7は,常に“0”を記

録する。pはパリティビットで,パリティは奇数とする。 

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参考表1 7単位符号のデータの表現 

2進化符号 

20 

21 

22 

23 

24 

25 

26 

‐ 

‐ 

7単位符号 

b1 

b2 

b3 

b4 

b5 

b6 

b7 

‐ 

トラック番号 

8単位符号とトラック番号との対応は,参考表2のとおりとする。pはパリティビットで,パ

リティは奇数とする。 

参考表2 8単位符号のデータの表現 

2進化符号 

20 

21 

22 

23 

24 

25 

26 

27 

‐ 

8単位符号 

b1 

b2 

b3 

b4 

b5 

b6 

b7 

b8 

トラック番号 

6. テープ上における情報の記録(図参照) 

6.1 

記録密度識別バースト PE記録方式であることを示すために,テープ始端反射マーカ(以下,BOT

マーカという。)付近に記録密度識別バーストを記録する。記録密度識別バーストは,第4トラックに

63ftpmmの信号を記録し,他のトラックは消去して形成する。記録密度識別バーストは,BOTマーカの後

縁の43.2mm以上手前から始まり,最初のデータブロックの始まる12.7mm以上手前で終了しなければな

らない。 

6.2 

データブロック構成 データブロックは,プリアンブル,データ部分及びポストアンブルで構成さ

れる。 

6.3 

プリアンブル プリアンブルは,データブロックのデータ部分に先立ち,全トラックに2進符号“0”

を40列記録した後,2進符号“1”を1列(データ部に最も近い1列)記録する。 

6.4 

データ部分の長さ データブロックのデータ部分は,18〜2 048バイトからなる。ただし,情報交換

当事者間の合意があれば,より大きなデータブロックを使用できる。 

6.5 

ポストアンブル ポストアンブルは,データブロックのデータ部分に続いて,全トラックに2進符

号“1”を最初の1列に記録した後,2進符号“0”を40列記録する。 

6.6 

ギャップ 

6.6.1 

イニシャルギャップ BOTマーカの後縁から最初のデータブロックの最初の列との間隔は,76〜7 

600mmとする。このギャップ部分は,記録密度識別バースト部分を除き,4.7の消去状態とする。 

6.6.2 

ブロック間隔 ブロック間隔の長さは,公称15mm,最小12.7mm,最大7 600mmとし,4.7の消

去状態とする。 

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図 テープ上における情報の記録 

6.7 

テープマーク 制御ブロックであるテープマーク[JIS X 0601(情報交換用磁気テープのラベルとフ

ァイル構成)参照]は,第3,第6及び第9トラックを消去し,第2,第5及び第8トラックに“1”を64

〜256列記録する。他のトラック(第1,第4及び第7)は,消去するか又は第2,第5及び第8トラック

と同様に“1”を64〜256列記録するかのいずれでもよい。 

テープマークは,6.6.2のブロック間隔を設けることによって,データブロックと分離する。 

7. 情報交換用記録の品質 

7.1 

記録時の誤り テープへの記録時には,永久的なパリティ誤りが存在してはならない。 

7.2 

長大なブロック間隔 消去命令で生じた長大なブロック間隔の数は,ブロック数が400以内のテー

プについては2か所,それ以外のテープについてはブロック数の0.5%を超えてはならない。 

8. 表示 情報を記録したリールの表面に,次の事項を明確に表示しなければならない。 

(1) 記録情報名 

(2) データ密度の呼び 

(3) 情報作成業者名(又は登録商標) 

(4) 記録業者名(又は登録商標) 

(5) 記録した日付(又はその略号) 

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附属書1 輸送条件 

1. 環境条件 テープの輸送時には,次の環境条件とすることが望ましい。 

温度 

5〜32℃ 

相対湿度 

20〜80% 

湿球温度 

26℃以下 

2. 磁気テープの輸送 

2.1 

データの破壊防止 データが記録されたテープを輸送する際に生じる可能性のあるデータ破壊の防

止策は,2.2〜2.4による。 

2.2 

衝撃及び振動 衝撃や振動が加わると,リールに損傷を与えたり,テープの巻き状態に変化が生じ

たりする可能性がある。衝撃及び振動を防止するために,次のような対策とすることが望ましい。 

(1) テープの先端は,巻きの緩みを防止するため固定すること。 

(2) 防じん(塵)のため,硬質のプラスチックのコンテナ又はこれと同等品を使用すること。 

(3) プラスチックのコンテナは,十分な衝撃吸収材がある硬い箱の中に収納すること。 

(4) コンテナ収納箱は,内部が清浄で,かつ,じんあい(塵埃)や水の浸入防止が十分可能なふた付きの

構造であること。 

(5) コンテナ収納箱内でのテープの収納方向は,テープの中心軸が水平になるようにすること。 

(6) コンテナ収納箱は,正しい位置方向(天地)に置けるように明確な表示をすること。 

2.3 

極端な高温・高湿度環境 極端な高温・高湿度環境のもとでは,テープ内部にストレスが加わるの

で,次のような対策とするのが望ましい。 

(1) 温度及び湿度の急激な変化は,いかなる場合でも,可能な限り回避すること。 

(2) 輸送されたテープを使用する前には,必ず使用環境条件に2〜12時間放置すること。放置時間は,輸

送手段や使用環境外にテープがさらされていた状態を考慮して決定する。 

2.4 

誘導磁界の影響 誘導磁界は,記録されたデータの信号振幅低下の原因となる可能性があるので,

次のような対策とすることが望ましい。 

テープリールとこれを収納するコンテナ類の最外壁との距離は,80mm以上確保すること。これによっ

て外部磁界の影響による信号品質劣化の危険性は,無視できる程度に減少すると考えられる。 

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附属書2 磁束反転間隔の測定法 

1. 記録 

1.1 

記録方式 この試験でテープに信号を記録する装置は,63cpmmの記録密度で正常に書込み可能なも

のとする。 

テープには,通常の記録と同様にブロック間隔を設けた状態で記録する。 

1.2 

テストパターン テストパターンは,附属書2表による。 

附属書2表 テストパターン 

パターン番号 

テストパターン 

11111111 

00000000 

11110000 

00001111 

00010000 

11101111 

00010111 

11101000 

11001100 

10 

10101010 

11 

10101111 

12 

11110101 

13 

01010000 

14 

00001010 

1.3 

データブロック データ部分は,附属書2表のテストパターンを次のパターン番号順に3回繰り返

して配列する。 

1, 1, 1, 3, 2, 2, 2, 4, 6, 3, 4, 4, 6, 6, 3, 5, 5, 5, 7, 8, 7, 8, 7, 8, 9, 9, 9, 10, 10, 10, 12, 11, 14, 13. 

データブロックは,1.4及び1.5の2種類とする。データ部分は,ブロック間隔を設けて,800回繰り返

して記録する。 

1.4 

フォーマットA フォーマットAは,次のとおりとする。 

(1) 第1,第2,第4,第6,第8及び第9の各トラックには,プリアンブル,1.3に示す合計102ビット及

びポストアンブルを記録する。 

(2) 第5トラックは,テープ速度変動検出のために,プリアンブル,816の“1”ビット及びポストアンブ

ルを記録する。 

(3) 第3及び第7トラックは,プリアンブル,パターン番号1に続いてテストパターン番号2の配列を51

回及びポストアンブルを記録する。これらのトラックは,(1)のテストパターンを捜しだすために設け

る。 

1.5 

フォーマットB フォーマットBは,次のとおりとする。 

(1) 第1,第3,第5,第7,第8及び第9の各トラックには,プリアンブル,1.3に示す合計102ビット及

びポストアンブルを記録する。 

(2) 第4トラックは,テープ速度変動検出のために,プリアンブル,816の“1”ビット及びポストアンブ

ルを記録する。 

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(3) 第2及び第6トラックは,プリアンブル,パターン番号1に続いてテストパターン番号2の配列を51

回及びポストアンブルを記録する。これらのトラックは,(1)のテストパターンを捜しだすために設け

る。 

2. 読取り装置 

2.1 

テープ駆動装置 テープ速度は,380〜480mm/sの範囲で±1%の定速とする。テープリールは27形

[JIS X 6102(情報交換用磁気テープリール)参照]を用い,定速走行とする。 

2.2 

再生ヘッド 再生ヘッドは,次のとおりとする。 

(1) 再生ヘッドの読出し出力は,ノイズが無視できる値であればよい。 

(2) 再生ヘッドギャップは,1.9〜2.8μmとする。 

(3) 再生ヘッドの伝達関数は,次のとおりとする。 

磁界に誘導されて発生する出力振幅及び位相の応答出力は,出力リード線をヘッドギャップに平行

に隣接させて測定することができる。リード線を配置する位置は,ヘッドの出力が最大となる位置と

する。周波数6〜45kHzの帯域においては,出力の増幅度は6dB/オクターブの傾きから1dBの範囲

内になければならない。 

微分増幅器の入力インピーダンスの負荷効果は,周波数0〜200kHzの帯域においてヘッド出力が,

+0,−0.1dBを超えない程度とする。 

2.3 

微分増幅器 微分増幅器の周波数特性は,1〜100kHzの帯域において,変動幅0.1dB以内の平たん

な特性であり,30Hz〜1MHzの帯域においては3dB以内でなければならない。 

微分増幅器に付加される周波数制限補正器は,126ftpmmで2V (P−P) の出力が生じるように調整された

ときの増幅度をAとし,ラプラス変換の複素周波数をSとしたとき,次に示す伝達関数 (H) を満足するよ

うに設計する。 

テープ速度475mm/sに対して, 

()(

)(

)

12

6

2

6

10

2.1

10

59

.1

10

0.1

×

+

×

+

×

+

=

S

S

S

AS

S

H

ここで,分母において極は,120kHzで−3dB,0〜90kHzで2.32μm(偏差1%以下)のコンスタントディ

レイの3極ベッセルフィルタをもつように設計する。 

テープ速度380mm/sに対して, 

()(

)(

)

11

5

2

5

10

25

.5

10

04

.1

10

61

.6

×

+

×

+

×

+

=

S

S

S

AS

S

H

ここで,分母において極は,80kHzで−3dB,0〜60kHzで3.48μm(偏差1%以下)のコンスタントディ

レイの3極ベッセルフィルタをもつように設計する。 

2.4 

増幅度制限器 増幅度制限器の増幅度は,2V (P−P),30kHzの正弦波入力において,出力の傾斜が

0.025V/ns以上,非対称が20ns以下の出力波形を得るものとする。 

2.5 

正弦波発生器 正弦波発生器は,5〜50kHzの帯域で出力可能のものであること。正弦波発生器の高

調波ひずみは,微分増幅器の出力において1%以下とする。 

2.6 

時間間隔カウンタ 時間間隔カウンタは10ns以内の分解能をもち,5μsまで測定可能とする。 

2.7 

測定手順及び測定器の校正 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.7.1 

測定手順 微分増幅器の出力を2V (P−P) に調整後,周波数を6kHzから45kHzまで変化させる。

各試験周波数において,入力正弦波がヘッドギャップを横切る時,すなわち立上がり波形が零交差する時

を起点として,増幅度制限器の出力の立上がり点までの遅延時間を測定する。 

2.7.2 

読出し出力の校正(附属書2図参照) ヘッドギャップ前面に配置した導線に流れる正弦波電流の

正の零交差点から増幅度制限器の出力の立上がり点までの遅延時間は,それぞれ,次のとおりとする。こ

こで,fはそれぞれの帯域内での試験周波数とする。 

(1) テープ速度475mm/sの場合:15kHzでの遅延時間に対し,7.5kHzから45kHzの範囲で, 

f

500

7

400×

±

ns(1)以内 

(2) テープ速度380mm/sの場合:12kHzでの遅延時間に対し,6kHzから36kHzの範囲で, 

f

000

6

500×

±

ns(2)以内 

参考 

(1)の値は,7.5kHzで±1°と等価であり,(2)の値は,6kHzで±1°と等価である。 

附属書2図 読出し出力校正のブロック図 

備考 *印はギャップ近傍の出力リード線 

10 

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引用規格: 

JIS X 0201 情報交換用符号 

JIS X 0202 情報交換用符号の拡張法 

JIS X 0204 情報交換用符号の磁気テープ上での表現 

JIS X 0601 情報交換用磁気テープのラベルとファイル構成 

JIS X 6101 情報交換用磁気テープ 

JIS X 6102 情報交換用磁気テープリール 

対応国際規格: 

ISO 3788 Information processing−9-track, 12.7mm (0.5 in) wide magnetic tape for information 

interchange recorded at 63rpmm (1 600rpi), phase encoded 

関連規格:JIS X 6103 NRZ-1方式による12.7mm幅,9トラック,32cpmm,情報交換用磁気テープの情

報記録様式 

JIS X 6105 GCR方式による12.7mm幅,9トラック,246cpmm,情報交換用磁気テープの情報

記録様式 

ISO 646 Information processing−ISO 7-bit coded character set for information interchange 

ISO 1001 Information processing−File structure and labeling of magnetic tapes for information 

interchange.  

ISO 1864 Information processing−Unrecorded 12.7mm (0.5in) wide magnetic tape for information 

interchange−32ftpmm (800ftpi), NRZ 1, 126ftpmm (3 200ftpi) phase encoded and 356ftpmm (9 

042 ftpi) NRZ 1 

ISO 2022 Information processing−ISO 7-bit and 8-bit coded character sets−Code extension 

techniques 

JIS磁気テープ原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

石 井   治 

日本工業大学工学部 

(幹事) 

国 分 明 男 

工業技術院電子技術総合研究所電子計算機部 

多羅尾 悌 三 

富士通株式会社ファイルシステム事業部 

徳 永 賢 次 

住友スリーエム株式会社磁気製品事業部品質保証部 

大 石 完 一 

日本ユニバック株式会社ハードウェアプロダクト2部 

(委員) 

横 山 克 哉 

日本放送協会放送技術研究所記録機構研究部 

森   敏 明 

富士写真フィルム株式会社磁気材料事業本部商品部 

今 岡 信 之 

日本IBM株式会社関連機器事業部 

寺 西   勝 

株式会社日立製作所小田原工場記憶装置設計部 

竹 内   正 

株式会社トリム・アソシェイツ 

富 田 正 典 

日本電信工業株式会社 

細 川 茂 文 

日本電信電話株式会社電応研装置化技術研究部 

前 田 勲 男 

工業技術院標準部 

(事務局) 

楡 木 武 久 

社団法人日本電子工業振興協会