2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 6102-1993
情報交換用磁気テープリール
Magnetic tape reel for information interchange
1. 適用範囲 この規格は,JIS X 6101に規定された情報交換用磁気テープ(以下,テープという。)を巻
くための情報交換用磁気テープリール(以下,リールという。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 7507 ノギス
JIS X 6101 情報交換用磁気テープ
2. 用語の定義
(1) リールの表面と裏面 リールをテープの駆動装置に取り付けたとき,外から見える面を表面,装置の
パネルに対する面を裏面という。
なお,裏面は書込み許可リングを取り付けるための溝をもつ。
(2) 書込み許可リング テープに情報を記録する回路を動作状態にするとき,リールに取り付けるリング。
(3) リールの基準面 リールの裏面側で,ハブの内側貫通部円筒面(図1のA)と書込み許可リング取付
用溝の内側面(図1のD)との間に挟まれた環状の面を含む平面(図1のU)。
(4) フランジ ハブ両端に,基準面と平行に設けられた2枚の環状の盤。
3. 種類 リールはそのフランジの直径によって区別し,18形,22形及び27形の3種類とする。これら
の区分は,表1による。
表1 リールの種類
図1の寸法
リール記号
テープの長さm
寸法mm
B
18形
183以上
177.80±0.50
22形
366以上
215.90±0.50
27形
732以上
266.70
25
.075
.0
+−
4. 性能
4.1
巻心(まきしん)の変形 7.5の試験方法によって,図1の寸法Aを満足しなければならない。
4.2
慣性モーメント リールだけの慣性モーメント及びリールにテープの全長を巻いたときの総計の慣
性モーメントは,それぞれ表2に示す値を超えてはならない。
4.3
耐衝撃性 7.7の試験を行ったとき,リールに欠け,割れ,接着部のはがれ,変形(1)などが発生して
はならない。
注(1) 変形とは,5.に示す規定を満足しないことをいう。
2
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4.4
耐熱・耐寒性 7.8の試験を行ったとき,リールにひび,割れ,変形(1)などが発生してはならない。
表2 リールの慣性モーメント
単位g・m2
リール記号
リールだけの慣
性モーメント
総計の慣性モー
メント
18形
0.68
(1.59)
22形
1.34
(3.63)
27形
2.71
10.3
備考 括弧内は参考値
5. 構造・形状・寸法
5.1
構造・形状 リールは,ハブ及び2枚のフランジで構成され,その形状は,図1に示す。フランジ
には,テープの巻込みの操作のために孔を設けてもよい。孔の数,形及び寸法は任意とする。リールの裏
面には,書込み許可リングを取り付けるための溝を設ける。
5.2
寸法 リール各部の寸法は,表1及び図1に示すとおりとする。ただし,フランジ部の厚さは図示
の斜線部内にあり,かつ,強度の許す限り薄くても差し支えない。フランジ表面に設ける表示やラベルな
どの突起も,図1の斜線部からはみ出してはならない。ハブの外側円筒面(図1のC)と内側貫通部円筒
面(図1のA)との中心軸のずれは,0.5mm以内でなければならない。
5.3
ハブの直角度 基準面(図1のU)に対するハブの外側円筒面(図1のC)の直角度は,図1に示
すN及びWの範囲において,それぞれ0.100mm以内及び0.065mm以内とする[JIS B 0621参照]。
5.4
フランジ外周部の形状 27形リールのフランジ外周部の形状及び寸法は,図1のY−Y断面に示す
とおりとする。
5.5
書込み許可リングの形状及び寸法 書込み許可リングの形状及び寸法は,図2に示すとおりとする。
5.6
附属的なもの 4.及び5.の規定に反しない限り,必要によって附属的なものを設けてもよい。
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図1 リール
リールの寸法
単位mm
寸法記号
公称値
公差
備考
寸法記号
公称値
公差
備考
A
93.68
+0.13 表1参照
Kf
21.54
最大
−0.08
Kr
2.03
最大
B
L
104.78
最小
C
130.18
(N) ±0.20
M
18.24
±0.13
(W) ±0.13
N
1.5
D
98.42
±0.13
R0
0.38
最小
27形リー
ルだけに
適用する。
E
111.46
±0.13
R1
0.89
最小
F
6.35
+0.25
Sr
0.76
最大
0.00
Sf
19.12
最大
Jf
15.80
+0.64
T
4.00
最小
−0.13
W
10.34
Jr
2.46
+0.13
α
4°
±15
−0.64
4
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図2 書込み許可リング
書込み許可リング
単位mm
寸法記号
寸法
寸法記号
寸法
a
6.00
25
.055
.0
+−
f
1.0以下
b
5.85±0.25
g
4.5以上
c
1.0以下
h
5.0以下
d
97.70±0.50
p1
4±1°
e
7以上
p2
3°以上
5
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6. 材料 リールの材料は,この規格の規定を満足し,かつ,使用に支障のない限り,何を使用してもよ
い。ただし,書込み許可リングの材料は,ポリエチレン又は相当品とする。
7. 試験
7.1
標準試験状態 温度20±2℃,相対湿度65±5%とする。ただし,判定に疑義を生じない限り,温度
5〜35℃,相対湿度45〜85%の範囲において試験して差し支えない。
7.2
形状及び寸法 5.1及び5.2に規定する寸法の測定は,直径98.42±0.13mmの平面板(リール受け台)
の中心に垂直に立てた直径93.60002
.0
−
mmの案内軸にリールをはめて行う。
7.3
ハブの直角度 JIS B 0621による。
7.4
書込み許可リングの形状及び寸法 図2 d寸法は,書込み許可リングをテーパが1 : 0.14の円すい面
にリングの上面を上にし,かつ,その平面が円すいの軸の垂直になるように密着させてはめ,8.8Nの均一
な荷重を上面から加えて測定する。
d寸法以外の外部寸法の測定は,JIS B 7507による。ただし,測定温度は20±2℃とする。
7.5
巻心の変形 リールに3.6Nの張力によってテープの全長を巻いて,図1のA寸法を測定する。
7.6
慣性モーメント リールの中心孔の周辺を支点として,リールの面が鉛直になるように支え,供試
物を10°の振幅で自由振動させて,その周期T (s) を測定する(7)。慣性モーメントI (g・m2) は,次の式か
ら算出される。
M
r
T
gr
I
−
=
2
2
2
4π
ここに,
g: 9.806 65m/s2
r: 図1の寸法Aの2分の1。ただし単位はmとする。
M: 供試物の質量 (g)
注(7) 測定は,10回の振動の平均をとること。
7.7
耐衝撃性 リールを0.5mの高さから,コンクリートの上に固定した厚さ20mmの硬質木板上に連続
2回自然落下を行い,異常の有無を調べる。
なお,リールを落下する場合は,その回転軸に対して直角と水平の両方向について行うものとする。
7.8
耐熱・耐寒性 リールを温度65±2℃の恒温槽内に4時間置いた後,常温で1時間以上放置し,更に
−15±2℃の恒温槽内に2時間置いた後,常温で1時間以上放置する。これを3回繰り返し,異常の有無を
調べる。
8. 表示 リールには明りょうに,次の事項を表示しなければならない。
(1) リールの製造業者名(又は登録商標)(8)
(2) テープの製造業者名(又は登録商標)(8)又はこれを表示するための余白。
(3) 製造年月又はロット番号
注(8) 容易に判別できる通称を用いてもよい。
関連規格 ISO 1864 Information processing−Unrecorded 12.7 mm (0.5in) wide magnetic tape for information
interchange-32ftpmm (800ftpi) NRZ1, 126ftpmm (3 200ftpi) phase encoded and 356 ftpmm (9
042ftpi) NRZ1
ISO 8064 Information processing−Reels for 12.7mm (0.5in) wide magnetic tapes−Sizes 16, 18 and
22
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