X 6054-2 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格には,次の附属書がある。
附属書1(参考) メッセージ
附属書2(参考) チャンネル ボイス メッセージ
附属書3(参考) コントロール番号
附属書3a(参考) レジスタード パラメータ番号
附属書4(参考) チャンネル モード メッセージ
附属書5(参考) システム コモン メッセージ
附属書6(参考) システム リアルタイム メッセージ
附属書7(参考) システム エクスクルーシブ メッセージ
附属書7a(参考) ユニバーサル システム エクスクルーシブID番号
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 6054-2 : 1999
電子楽器ディジタル
インタフェース(MIDI)−
第2部:プロトコル仕様
Musical Instrument Digital Interface (MIDI) −Part 2:Protocol specifications
序文 この規格は,異なる楽器間,シーケンサ,ミキサー及びコンピュータなどを相互に結合して情報交
換を可能にするために,MIDI規格協議会 (JMSC) とMIDI Manufacturers Association (MMA) とによっ
て共同作成されたMIDI1.0規格を基本に,日本工業規格として採用するために作成された。
1. 適用範囲 この規格では,電子楽器における情報交換のためのソフトウェア(データフォーマット及
びプロトコル)を規定する。ライブパフォーマンスの情報伝達手段のほか,レコーディングスタジオ,オ
ーディオ及びビデオ制作,作曲などのマルチメディア分野にも利用できる。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格で年号指定がない場合には,その最新版を使用する。
JIS X 6054-1 : 1999 電子楽器ディジタルインタフェース (MIDI) −第1部:総則
IEC 60130-9 Connectors for frequencies below 3 MHz−Part 9:Circular connectors for radio and associated
sound equipment
IEC 60268-11 : 1987 Sound system equipment−Part 11:Application of connectors for the interconnection of
sound system components, AMENDMENT 1 : 1989, AMENDMENT 2 : 1991
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS X 6054-1の規定の他に次による。
3.1
ノート けん(鍵)盤の鍵の意。
3.2
アフタータッチ 一度鍵が押された状態で,更に鍵が押し込まれたときの強さの度合い。
3.3
ベロシティ 鍵を押したときの強さの度合い。鍵を離すときの速さの度合い。
3.4
エンベロープ 発音を開始してからの,時間経過に伴う各変調レベルを自動的に変化させるもの。
3.5
イネーブル 作動状態。
3.6
ディスエーブル 停止状態。
3.7
オムニ 楽器を一つのMIDIチャンネルに反応させるか,複数のMIDIチャンネルに反応させるか
を定めるもの。
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X 6054-2 : 1999
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4. チャンネル ボイス メッセージ
MIDI機器間で伝送される情報はチャンネル ボイス メッセージが大部分を占める。それはノートオン,
ノートオフ,プログラムチェンジ,ピッチベンド,アフタータッチ,コントロールチェンジで構成される。
一つのノートオンメッセージは3バイトで構成され,伝送するためには960μsを要するため,数音を同時
に演奏するときには,それらのノートオンを伝送するために数msかかることになる。このため,同時に
多数のイベントが起こった場合,MIDIを使って,聴感上のわずかな遅れもなくこれに対応させるのは困
難である。この問題は,ランニングステータスを用い
ノートオフ
8nH
ノートオン
9nH
ポリフォニック キープレッシャー/アフタータッチ AnH
コントロールチェンジ
BnH[第2バイト=00H(0)〜77H(119)]
プログラムチェンジ
CnH
チャンネルプレッシャー/アフタータッチ
DnH
ピッチベンド
EnH
備考 各項目の右側の値はステータスバイトの値を示す。附属書1及び附属書2を参考のこと。
ることによって幾分緩和される。
備考 ランニングステータスについては9.1を参照のこと。
4.1
チャンネル ボイス メッセージの型 チャンネル ボイス メッセージのメッセージ型は,次に大別
される。
a) ノートオン:鍵を押すことによって送出される。また,他の方法でも送出される。
b) ノートオフ:鍵を離すことによって,送出される。送信側は,同一チャンネル,同一ノートに対して,
複数のノートオンを送った場合には,同じ数のノートオフを送らなければならない。
c) コントロールチェンジ:主に鍵以外の操作子(ペダル,ホイール,レバー,スイッチなど)を動かし
たときに送出される。
d) プログラムチェンジ:“プログラム(例えば,サウンド,ボイス,トーン,プリセット,パッチ)”を
切り替えるとき,新しく選択されたプログラム番号が送出される。
e) ピッチベンド:ピッチを変えるために用いられる。最大14ビット(2バイト)の分解能をもつ。
f)
アフタータッチ:キーオン後の鍵を押す力によって送出され,演奏されている音を変化させるために
用いられる。アフタータッチは,ポリフォニック キープレッシャー,又はチャンネルプレッシャーで
送られる。
チャンネル ボイス メッセージは,鍵盤をもつ機器に使われるだけでなく,様々な音楽的目的のために
送出される。例えば,通常のキーボードシンセサイザーからのノートオン メッセージが,パーカッション
シンセサイザーを起呼したり,照明の制御のために使われたりすることもあり得る。しかし,これらの使
用法は,本来の使用方法による接続体系に組み入れられたときに,本来の目的を阻害しないように十分に
考慮する必要がある。
4.2
ノートオン及びノートオフ ノートオンは,鍵が押されるたびに送信されるメッセージであって,
押された鍵の位置(ノート番号)及び押されるときの強さ(ベロシティ)の情報を含む。ノートオフは,
鍵が押されるのをやめるたびに送信されるメッセージで,ノートオンと同じく,その鍵の位置(ノート番
号)及び離されるときの速さ(ベロシティ)の情報を含む。
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4.2.1
ノート番号(鍵番号) 各鍵は数値に割り当てられ,ノートオン/ノートオフメッセージを送出す
る。中央Cが60と定められている。これは,88鍵ピアノの中央Cであり,物理的にキーボードの中央に
位置される必要はない。
4.2.2
ベロシティ ベロシティバイトの解釈は受信側に任される。オンベロシティは音に強弱の差をつけ
るのに利用されるのが普通である。ベロシティが音量(出力レベル)に適用された場合,値が大きいほど
大きな音を生成することとなる。ベロシティと音量の関係は指数関数的になることが望ましいが,音楽表
現上,音の強さは必ずしも音量だけに対応するとは限らない。受信側でMIDIベロシティと内部のベロシ
ティ応答との変換表(マッピングテーブル)を複数もち,それを切り替えて使用することとしてもよい。
オフベロシティは離鍵後のエンベロープの減衰時間を変更することに使用してもよい。
64 (40H) の値は,ノートオンでいえばメゾフォルテ (mf) 付近に相当し,ベロシティを検出しない送信
側機器は原則としてこの値を送る。ただし,特殊な効果を得る目的で64以外の値を送ってもよい。
4.2.3
ノートオフ MIDIには,二つのノートオフの送信方法がある。ノートオン メッセージと同一チ
ャンネルかつ同一ノートのノートオフ メッセージを送る方法と,ベロシティ値 “0” で同一チャンネルか
つ同一ノートのノートオン メッセージを送る方法とである。後者はランニングステータスを用いることに
よって,ステータスバイトを省略することができるため,最も一般的に用いられている方法である。した
がって,受信側はどのノートオフの方法によっても認識し,同様に取り扱わなければならない。ノートオ
ン (9nH) ,ノートオフ (8nH) の使い方は次のとおりである。
a) ベロシティを検出しないキーボードでは,キーオン時には,9nH,kk,40H (64) を送り,キーオフ時
には,9nH,kk,00H又は8nH,kk,40H (64) を送る。
b) キーオン ベロシティだけを検出するキーボードでは,キーオン時には,9nH,kk,vvを送り,キーオ
フ時には,9nH,kk,00H又は8nH,kk,40H (64) を送る。
c) キーオン ベロシティ,キーオフ ベロシティのどちらも検出するキーボードでは,キーオン時には,
9nH,kk,vvを送り,キーオフ時には,8nH,kk,uuを送る。
(kkは,ノート番号)
(vvは,オン ベロシティ)
(uuは,オフ ベロシティ)
オフベロシティに対応した音源が,ベロシティ値 “0” のノートオン メッセージを受け取ったとき
は,通常ベロシティ値 “64” でノートオフ メッセージを受け取ったものとみなして処理をする。
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4.3
コントロールチェンジ コントロールチェンジ メッセージには,バンクセレクト メッセージ,レ
ジスタードパラメータ番号 (RPN),ノンレジスタードパラメータ番号 (NRPN) メッセージなど,特別なメ
ッセージが含まれる。
4.3.1
コントロール番号 すべてのコントロール番号の定義は,AMEIとMMAとの合意の上で決定され
る。附属書3に示されているコントロール番号は標準的な電子楽器に関連するものである。しかしながら,
ライティングコントロールのようにMIDIを使う,多くの非楽器分野においては,それらの裁量で決めら
れたコントロール番号を使用する場合がある。このとき,コントロール番号の数には制限があるため,楽
器及び非楽器分野における,現在と今後で採用するすべての可能な効果に番号を割り当てることは不可能
であろう。したがって,コントロール番号は,一般的に楽器に関連する目的のためにだけ割り当てられる。
処理系作成者は非標準的なコントローラ割当てをしている装置があれば,利用者にそのことを知らせる
べきである。コントローラが非楽器分野で使用されていたとしても,附属書2で詳述されるフォーマット
の範囲内で使用しなければいけない。処理系作成者は,MMA又はAMEIを通じて新たな番号の割当てを
要求できる。コントローラの割当てテーブルを,すべての製品の取扱説明書に載せることが望ましい。
デバイス固有パラメータ制御をしたい場合には,多くのパラメータに対応するために,ノンレジスター
ドパラメータ番号とデータエントリ コントローラ(データエントリ,データインクリメント及びデータデ
クリメント メッセージ)とを使用すべきである。このことによって,同じコントロール番号に応答する装
置の予期しない干渉による誤動作が緩和される。
コントロール番号は,現在,0〜119(コントロール番号120〜127は,チャンネル モード メッセージと
して採用され,コントロールチェンジではない。)の120個があり,次のようにコントロール番号32〜63
は,コントロール番号0〜31に対応するLSBとして定められている。コントロール番号の分類は次のとお
りである。
0
バンクセレクト (MSB)
1〜31
2バイトデータの操作子のMSB
32
バンクセレクト (LSB)
33〜63
1〜31操作子のLSB
64〜95
1バイトデータの操作子
96〜101
インクリメント・デクリメントとパラメータ番号
102〜119
未定義の1バイト操作子
備考 コントロール番号は10進表記で示す。附属書3を参考のこと。
コントロール番号は大きく二つの意味に分けられる。第一は,受信側の“効果”に割り当てられ,それ
は送信側のどんな操作子によってコントロールされてもよい。第二は,送信側の“操作子”の種類に割り
当てられ,それは受信側でどんな効果のコントロールに用いてもよい。例えば,コントロール番号が1番
のモジュレーション ホイールは,モジュレーション デプスという“効果”として定義され,2番のブレ
スコントローラは,ブレスタイプの操作子であると定義されている。さらに,単一のコントロール番号は
いくつかのパラメータを変更するように用いてもよく,コントロール番号は各種のカテゴリによって分類
される。
コントロール番号の0及び32は,バンクセレクトに割り当てられて,プログラムチェンジ メッセージ
の拡張として用いられる。
コントロール番号1〜31は,ペダル,レバー又はホイール操作などによって主に連続可変的なコントロ
ールをするものに割り当てられ,コントロール番号33〜63は,コントロール番号1〜31のそれぞれに対応
した下位7ビットとして,より高精度が要求されるときに使用される。例えば,コントロール番号7は,
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その次のデータバイトで128段階の値を表現できるが,更にコントロール番号39によって下位を128段階
まで高精度に表せる。すなわち,コントロール番号7と39とを使って,最大14ビット(16 384段階)の
精度を得ることができる。上位の数ビットだけを有効にして利用することは差し支えない。
もしも,128段階の精度で十分であればLSBを省略することができる。MSBとLSBの両方を使う場合
でも,LSBだけが変化したときには,送信側は,それだけを送ってMSBの送信を省略してもよい。もし
大きな変化があれば,再び,MSBを送る。MSBを受信したときは,受信側はLSBを “0” に設定しなけれ
ばならない。
コントロール番号64以上で扱う値は,単一バイトでありLSBをもたない。それらのうちコントロール
番号64〜69はスイッチ機能(ダンパーペダルなど)として定義され,コントロール番号91〜95はエフェ
クト用のデプス制御に定義されている。
コントロール番号64〜69は,本来,スイッチ動作(サステイン,ソフトペダルなど)を想定して割り当
てられているが,連続的な値を送ることもできる。例えば,コントロール番号64(ダンパーペダル)で連
続的な値を送り,受信側でそれに応じて減衰時間を変化させれば,ハーフダンプの効果を得ることができ
る。送信側がスイッチ動作をする場合は,データは “0” (オフ)と “127” (オン)とを送る。一方,受
信側がスイッチ動作をする場合は,データ “0〜63” をオフ,データ “64〜127” をオン,として認識しな
ければならない。
コントロール番号96〜119は,使用方法又は使用目的が特殊なものに割り当てられている。例えば,そ
のうちのコントロール番号98 (NRPN-LSB), 99 (NRPN-MSB),100 (RPN-LSB),101 (RPN-MSB) は,コン
トロール番号6(データエントリMSB),38(データエントリLSB)及びコントロール番号96(データイ
ンクリメント),97(データデクリメント)と組み合わせて使用する。
参考 4.3.9を併せて参照のこと。
4.3.2
バンクセレクト バンクセレクトはコントロールチェンジに割り当てられているが,特別なコント
ローラである。バンクセレクト メッセージは,プログラムチェンジ メッセージの拡張機能であり,複数
のバンクを切り替えるために使用する。バンクセレクト メッセージによって,128を超えるプログラムを
選択することができる。また,内部メモリと外部メモリとの間を切り替えることもできる。
コントロール番号00H (MSB) と20H (LSB) とがバンクセレクト メッセージに定義される。
送信側は,バンクセレクトのMSBとLSBとを一つの対として,MSB, LSBの順で送出しなければなら
ない。並びに,プログラムチェンジは,バンクセレクトの対の後に送らなければならない。
バンクセレクトのMSB, LSB及びプログラムチェンジによって特定のプログラムが選ばれる。あるバン
クに変わった後に,異なるプログラムチェンジだけを送ると,そのバンクで他のプログラムが選ばれる。
受信側は,バンクセレクトを受信しただけでプログラムを変えてはならない。バンクセレクトを受信し
たときにはそのバンクを記憶しておき,プログラムチェンジ メッセージの受信契機をもってプログラムを
切り替えなければならない。
14ビットのバンクセレクト値は次のようになる。
MSB
LSB
バンク
00H
00H
バンク 1
00H
7FH
バンク 128
01H
00H
バンク 129
7FH
7FH
バンク 16384
プログラムと同様に,バンクも1から数え始める。
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4.3.3
はん(汎)用操作子 コントロール番号16〜19及び80〜83は,はん用操作子として定義されてい
る。それらは特定の機能をもつものではなく,どのように用いてもよい。コントロール番号16〜19は2
バイト操作子であって,コントロール番号48〜51がそのLSBとなる。なお,コントロール番号80〜83は
1バイト操作子である。
4.3.4
コントローラの効果 送信側は,操作子の動作する可変範囲全体を,MSBの0 (00H) から127 (7FH)
までに対応させて送るのがよい。その場合,効果が最小になるべき位置を “0” (00H),最大の効果を期待
する位置を “127” (7FH) で表す。通常時の位置が可変範囲のほぼ中央にあって,その両側に移動すること
で何らかの効果を生じるような場合は,中央位置の値として “64” (40H) を送る。
コントローラの値は,ほとんどの場合で “0” はその効果がないことを, “127” は効果が最大であるこ
とを意味するが,バランス,パン,エクスプレッションは例外で,次のように定義される。
a) バランス:コントロール番号8として採用されており,0 (00H) は左又はロワーの音源が最大音量に,
64 (40H) は等バランス,127 (7FH) は右又はアッパーの音源が最大音量となる。この操作子は,二つ
の異なる音源の間の音量バランスを設定する。
b) パン:コントロール番号10として採用されており,0 (00H) は左端,64 (40H) は中央,127 (7FH) は
右端に定位する。この操作子は単一の音源をステレオ音場に配置するために用いる。
c) エクスプレッション:コントロール番号11として採用されている。エクスプレッションは,プログラ
ムされたボリューム又はメインボリュームに対して,音量などのアクセントを付けるために用いる。
4.3.5
レガート フットスイッチ
BnH 44H vv
レガート フットスイッチ
vv=00〜3F
Normal
vv=40〜7F
Legato
このコントローラは受信機器のモノフォニックのレガートをオン又はオフするために使用される。レガ
ートオンされたとき,受信機器はモノフォニックなモードに入る。この状態で,現在発音中のノートをオ
フするためのノートオフ メッセージの前に新しいノートオン メッセージが受信されると,エンベロープ
を再アタックせずにピッチが変化させられる。また,その音のアタック部分を発音することなしに,ピッ
チが変化させられることもある。レガートオフされたときは,ボイス アサイメント モード(ポリフォニ
ック又はモノフォニック)は,レガートオン コマンドを受信する前の状態に戻る。
備考 このメッセージは,オムニオフ,モノモードによるレガートとは実現方法が異なるものである。
また,送信済みのすべてのノートオンのためのノートオフの送信の代用にもならない。
演奏コントローラとして明確に意図されているものである。
4.3.6
エフェクトコントローラ コントロール番号91〜95は,エフェクト1デプスからエフェクト5デ
プスとして定義され,任意のエフェクトの制御に使用可能である。エフェクト1〜5のデプスは順にそれぞ
れ,外部エフェクトデプス,トレモロデプス,コーラスデプス,セレステ(デチューン)デプス,フェイ
ザーデプス,が推奨された省略時の機能(デフォルト)である。
コントロール番号12,13は,LFOスピード,リバーブタイムのようにエフェクトのある種類の特性を
変えるために使用する。
参考 附属書3を併せて参照のこと。
4.3.7
サウンドコントローラ コントロール番号70〜79は“サウンドコントローラ”として定義されて
いる。処理系作成者及び使用者は,それらの10種類のコントローラに対して,使いたい機能を割り当てて
よい。
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しかしながら,標準化を押し進め利用者が簡単にセットアップできるようにするために,AMEIとMMA
とは,それらのコントローラに対するデフォルト設定を決めている。処理系作成者はそれらのコントロー
ラに対し独自に他の機能を割り当ててもよいが,AMEIとMMAが次に示すデフォルトの設定を割り当て
たことを理解した上で,独自の機能を定義すべきである。
次の五つのサウンドコントローラについてのデフォルトの設定が,現状,AMEIとMMAとで定義され
ている。
番号
名称
機能
46H
(70)
サウンドコントローラ1
サウンドバリエーション
47H
(71)
サウンドコントローラ2
ティンバー/ハーモニック インテンシティ
48H
(72)
サウンドコントローラ3
リリースタイム
49H
(73)
サウンドコントローラ4
アタックタイム
4AH
(74)
サウンドコントローラ5
ブライトネス
4.3.7.1
サウンド バリエーション コントローラ (SVC)
BnH 46H vv
サウンドバリエーション
このコントローラは,現在使用中の音色のバリエーションを演奏中に選ぶために使用する。プログラム
チェンジとは幾つかの点で異なっていることに注意が必要である。
a) 音色バリエーションはプログラムの一部分である。
b) バリエーションは,例えばサックスとオーバーブローサックス,弓で弾いたストリングスとピチカー
ト,普通のギターとミュートギターなどのように,通常は,基本音色と関連している。
c) 使用されるべきバリエーションは,ノートオンのタイミングで決定される。例えば,SVC値が “0”
(00H) に設定され,ノートが発音し,その後にSVC値が “36” (24H) に設定されても,発音中のノー
トは変化しない。SVC値は,新たなノートによって初めて有効となる。古いノートが減衰するときは,
新しいSVC値に従うのではなく,そのノートがオンしたときのSVC値に従って発音を終える。
SVCは,マルチレベル切替えとして用いられる。バリエーションの楽器のレベルは,00H〜7FHの範囲
いっぱいにマッピングされるべきである。
4.3.7.2
ティンバーコントローラ
BnH 47H vv
ティンバー/ハーモニックインテンシティ
BnH 4AH vv
ブライトネス
ティンバー/ハーモニックインテンシティは,音色の倍音量の変更に使用する。レゾナンスとして使用
されることが多い。
ティンバー/ハーモニックインテンシティは,相対値よりは絶対値として扱われるべきである。
ブライトネスコントローラは,音色の明るさを変えることを目的とし,ブライトネスは通常ローパスフ
ィルターのカットオフ フリケンシーで対応するのが望ましいが,イコライザ又はハーモニックエンハンサ
/ハーモニックエキサイタで対応してもよい。
ブライトネスは相対的なコントローラとして扱われるべきであり,データの値が40Hのときは変化せず,
値が40Hより小さくなるに従って明るさが失われていき,40Hより大きくなるに従ってより明るさを増し
ていく。
4.3.7.3
エンベロープ タイム コントローラ
BnH 48H vv
リリースタイム
BnH 49H vv
アタックタイム
vv=00〜3F
より短め時間(00=最も短く)
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vv=40
変化なし
vv=41〜7F
より長め時間(7F=最も長く)
これらのコントローラは,サウンド(音)のアタックタイムとリリースタイムとを,その設定値に対し
て相対的に変化させるものである。どのエンベロープを変化させるかは任意である。これらのコントロー
ラは,リリース又はアタック動作に入るすべてのエンベロープを変化させるべきであるが,すでに動作開
始しているエンベロープに対して変化させるかどうかは,任意である。
4.3.8
ポルタメントコントローラ
BnH 54H kk
n=チャンネル番号(附属書1を参照)
kk=ソースノート番号
ポルタメントコントローラ(以下,PTC)は,ポリフォニックのポルタメントをコントロールするため
に,どのノート番号(ソースノート番号)からポルタメントを開始するかを指定するものであり,それに
続くノートオンのノート番号(デスティネーション ノート番号)に関連づけられる。通常,ノンリアルタ
イムで作成されたシーケンスデータの中で使用され,和音の特定のノートだけをレガートで音程を変えた
りすることができる。
PTC直後に受信したノートオンは,ソースノート番号のピッチから連続的にピッチが変化して発音する。
このとき,ソースノート番号と一致するノート番号で発音中のボイスがある場合,このボイスはPTC直後
のノートオンによって,再アタックなしで新たな音程にピッチが変化し発音が継続される。
なお,ソースノート番号と一致するノート番号で発音中のボイスがあるとき,新しいボイスはアサイン
されるべきではない。ピッチ変化の速さは,ポルタメントタイムの設定値で決まる(ポルタメントオン/
ポルタメントオフは無視される。)。
ポリモードの場合,PTCの受信は,サステイン中又はリリース中のボイスのピッチに影響を与えない。
モノモード又はレガート フットスイッチがオンの場合,発音中の音のピッチは,新たなノートオンととも
にPTCで指定されたソースノート番号のピッチにジャンプし,その後,新たなノートオンのノート番号の
ピッチに向かって,ポルタメントタイムで設定されているレートで変化する。
すべてのモードにおいて,オンしているノートは,それと対になる同一チャンネル,同一ノート番号(PTC
で指定されたソースノート番号ではない)のノートオフによってオフされる。PTC及びそれに続くノート
オンによってピッチ変化させた場合においても,ピッチ変化する元のノートに対応するノートオフを送信
しなければならない。ピッチ変化したボイスは,PTCに続くノートオンと対になるノートオフによってオ
フされる。
PTCは,同一チャンネルの次のノートオンにだけ作用する(言い替えれば,ノートオン受信後はリセッ
トされる。)。
また,ソースノート番号と一致しないノートのピッチには影響を及ぼさない。
例1.:
MIDIメッセージ
説明
結果
90H
3CH
40H
Note
On
#60 #60オン(中央C)
B0H
54H
3CH
PTC from #60 変化なし
90H
40H
40H
Note
On
#64 ピッチが#60から#64へ滑らかに変化
80H
3CH
40H
Note
Off
#60 変化なし
80H
40H
40H
Note
Off
#64 #64オフ
9
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例2.:
MIDIメッセージ
説明
結果
B0H
54H
3CH
PTC from #60 変化なし
90H
40H
40H
Note
On
#64 #60でオンしピッチが#64へ滑らかに変化
80H
40H
40H
Note
Off
#64 #64オフ
参考 例1.及び例2.における#60及び#64はノート番号を示す。4.2.1を併せて参照のこと。
4.3.9
レジスタード・ノンレジスタードパラメータ番号 レジスタード及びノンレジスタードパラメータ
番号は,音色や演奏表現などに関するパラメータを示すために用いられる。後述するように,レジスター
ドパラメータ番号 (RPN) は,MMA及びAMEIによって合意されたものであり,一方ノンレジスタード
パラメータ番号 (NRPN) は,個々の処理系作成者が必要に応じて自由に割り当てて使用できるものである。
基本的なパラメータ値の設定手順は,次のとおりである。第1にモディファイすべきパラメータに応じ
たNRPN又はRPNを,コントロール番号98 (62H),99 (63H) 又はコントロール番号100 (64H),101 (65H)
を使って送る。次に6 (06H),38 (26H)(データエントリ)を送ってそのパラメータの値をセットするか,
96 (60H),97 (61H)(データインクリメント,データデクリメント)で値を増減する。
RPN及びNRPNの詳細は,次に示すとおりである。
なお,レジスタード及びノンレジスタードパラメータ番号を,総じてパラメータ番号と称する。
受信側は,RPN(又はNRPN)の受信がイネーブルにされた後,パラメータ番号のLSBとMSBの両方
を受信するまでは,送られてくるデータ値を認識すべきではない。また,NRPNとRPNの2種の番号はそ
れぞれ別々に管理しておかなければならない。一度正しくパラメータ番号を認識した後は,LSB又はMSB
だけを受け取った場合でもパラメータ番号を変えることができなければならない。
送信側は,パラメータ番号はMSBとLSBの両方を送るようにする。すでにこれらが送られている場合
は,その後はどちらか必要な方だけを送ってもよいが,受信側がいつイネーブルになったかを知ることが
できないので,新しいパラメータが選ばれるたびになるべくLSBとMSBの両方を送ることが望ましい。
送信例 (NRPN)
BnH 62H PL (BnH) 63H PM 又は
BnH 62H PL 又は
BnH 63H PM
[(BnH)は省略可能を意味する。PL, PMはNRPNのLSB及びMSB]
送信例 (RPN)
BnH 64H QL (BnH) 65H QM 又は
BnH 64H QL 又は
BnH 65H QM
[(BnH)は省略可能を意味する。QL, QMはRPNのLSB及びMSB]
受信側が新しいパラメータ番号を受け取った場合でも,データエントリ,データインクリメント,又は
データデクリメントを受信するまでは,そのパラメータは以前の値をそのまま維持する。
あるパラメータ番号に対する値を送るときは,データエントリを使う。MSBとLSBの2通りがあるが,
これを片方だけ送るか,両方送るか,といった送受信の規則に関しては,コントロールチェンジメッセー
ジのコントロール番号1〜31の場合と同じものが適用される。
送信例
BnH 06H VM 26H VL 又は
BnH 06H VM 又は
BnH 26H VL 又は
BnH 06H VM 06H VMʼ 06H VM”……
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(VM, VLはデータ値のMSB及びLSB)
あるパラメータ番号によってすでに設定されている値を増減するときは,データインクリメント,デー
タデクリメントを送る。このメッセージによるデータの増減の単位については,本来パラメータ番号ごと
に定められるべきであるが,そうでない場合は受信側の自由とする。
送信例(インクリメント)
BnH 60H xx
送信例(デクリメント)
BnH 61H xx
(xxはダミー。送信側では00H〜7FHのどの値を用いてもよいが,受信側では無視される。)
パラメータ番号の受け方の例
受信メッセージ
動作
BnH 64H
QL パラメータ番号を記憶する。 (xxQL)
RPNのLSB
BnH 63H
PM パラメータ番号を記憶する。 (PMxx)
NRPNのMSB
BnH 62H
PL
パラメータ番号を記憶する。 (PMPL)
NRPNのLSB
BnH 65H
QM パラメータ番号を記憶する。 (QMQL) であってQMPLではない。
(xxはダミー)
PM (QM) 又は,PL (QL) が不定時のVM, VLの受信処理の例
受信メッセージ
動作
BnH 63H
PM
パラメータ番号を記憶する。 (PMxx)
BnH 06H
VM
電源ON直後などでxxがまだセットされていないときは,VMは無視するのが望まし
い。
BnH 62H
PL
パラメータ番号を記憶する。 (PMPL)
BnH 06H
VM
VMをパラメータ番号 (PMPL) の上位7bitにセットする。
BnH 26H
VL
VLをパラメータ番号 (PMPL) の下位7bitにセットする。
BnH 62H
PLʼ
パラメータ番号を記憶する。 (PMPL′)
BnH 06H
VMʼ VMʼをパラメータ番号 (PMPL′) の上位7bitにセットする。
BnH 65H
QM
パラメータ番号を記憶する。 (QMxx)
BnH 64H
QL
パラメータ番号を記憶する。 (QMQL)
BnH 06H
VM
VMをパラメータ番号 (QMQL) の上位7bitにセットする。
BnH 62H
PL”
パラメータ番号を記憶する。 (PMPL″) であってQMPL”ではない。
BnH 06H
VM
VMをパラメータ番号 (PMPL″) の上位7bitにセットする。
BnH 06H
VMʼ VMʼをパラメータ番号 (PMPL″) の上位7bitにセットする。
(xxはダミー)
RPNのパラメータ番号の定義は,AMEIとMMAとの合意の上で決定される。処理系作成者はAMEI
又はMMAを通じて新たな番号定義の提案をすることができる。RPNですでに定義済みの番号は,附属書
3aに示されている。NRPNに対してはどんなパラメータを割り当ててもよいが,そのリストをその製品の
取扱説明書に公表することとする。
RPNのうちで,すでに定義済みのものに関して,次に示す。
a) ピッチベンド センシティビティ:ピッチベンド センシティビティはRPN 00H (MSB) 00H (LSB) で定
義される。データエントリのMSBは半音(100セント)単位で感度を表し,LSBは100/128セント単
位で感度を表す。例えば,MSB=01, LSB=00は,±1半音(計2半音)を表す。
b) マスターチューン:RPN 00H (MSB) 01H (LSB) 及びRPN 00H (MSB) 02H (LSB) は,マスターチュー
ンコントロールに使用され,次のように定義される。
RPN 00 01:ファイン チューン
分解能:100/8 192セント
範囲 :(100/8 192)*(−8 192)〜(100/8 192)*(+8 191)
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コントロール値 変位[セント]
MSB LSB
00H 00H (100/8 192)*(−8 192)
40H 00H (100/8 192)*0
7FH 7FH (100/8 192)*(+8191)
RPN 00 02:コース チューン
分解能:100セント
範囲 :100*(−64)〜100*(+63)
コントロール値 変位[セント]
MSB LSB
00H xx 100*(−64)
40H xx 100*0
7FH xx 100*(+63)
コース チューン (40H, xx),ファイン チューン (40H, 00H) のとき変位は0となる。
c) MIDIチューニングスタンダードのプログラムセレクト及びバンクセレクト:MIDIチューニングスタ
ンダードのプログラムセレクト及びバンクセレクトは,RPN 00H (MSB) 03H (LSB) のチューニング
プログラムセレクトとRPN 00H (MSB) 04H (LSB) のチューニング バンクセレクトとで定義される。
それは,あらかじめ用意されたチューニングマップを選択・切替えする。
d) ヌル:ヌルは,RPN 7FH (MSB) 7FH (LSB) で定義される。RPN及びNRPNが指定されていない状態
とする。すでに設定済みの内部の設定値は変化しない。
4.4
プログラムチェンジ このメッセージはMIDI機器で,主に音色を切り替えるときに用いられる。
このメッセージは選択された音色のパラメータを一切含んでいない。プログラムを構成する各種パラメー
タは,MIDI機器それぞれの間で非常に異なるため,音色を単にその内部番号だけで選択するのが適切で
ある。
プログラムチェンジ メッセージは,通常,送信側のパネル操作によって自己の音色を切り替えるととも
に,対応する番号を送るようになっている場合が多い。自己では発音しないような機器でも,パネル上の
スイッチを使って相手にプログラムチェンジを送ることができる。
送信側と受信側に全く同じ音色が存在することはあまり多くないので,与えられた音色番号に対して音
色を割り当てるときには何らかの注意が必要である。すなわち,プログラム番号と自己の音色との対応を
送信側又は受信側で任意に変更できる機能が望ましい。音色番号の呼び方は機器によってまちまちである
が,MIDI上では必ず0 (00H) から始まって127 (7FH) まで順に増える番号を使う。
送信側で音色を切り替えたとき,同時に受信側でも音色が切り替わるのが,必ずしも望ましくないこと
がある。したがって,プログラムチェンジの送信又は受信をディスエーブルにする,何らかの手段がある
ことが望ましい。
プログラムチェンジ メッセージは音色の切替え以外の目的に使用してもよい。例えば,ドラムマシンの
ようなものでは,プログラムチェンジ メッセージが別のリズムパターンに切り替えるために用いられるこ
とがある。MIDIで制御されるエフェクタでは,プログラムチェンジ メッセージはプリセットされた各種
のエフェクトを選択することに用いられることがある。
備考 バンクセレクトの説明を参照のこと。
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4.5
ピッチベンド この機能は,ピッチの制御を目的とするものであり,データは常に14ビット(2バ
イト)で送られる。コントロールチェンジでは,LSB又はMSBのいずれかだけを送信することができる
が,ピッチベンド メッセージは,常に二つのデータバイトを伴って送信される。これはピッチの変化に特
に敏感な人間の聴力を考慮に入れている。ピッチベンド メッセージは,ステータスバイト,LSB及びMSB
の3バイトから構成される。ピッチが最低になるときのデータバイトの値は,00, 00 (LSB=00H, MSB=
00H) である。ピッチの中央(非効果)位置は00, 64 (LSB=00H, MSB=40H) のデータバイト値で得られ
る。ピッチが最高になるときのデータバイトの値は127, 127 (LSB=7FH, MSB=7FH) である。
ピッチベンドの感度は受信側で設定される。この感度はまた,レジスタードパラメータ番号 (LSB=00H,
MSB=00H) を介して送信側から設定することもできる。
4.6
アフタータッチ アフタータッチには,2種類のメッセージがある。チャンネルごとのものと,演奏
された各ノートにかかるものである。これらは,そのステータスバイトによって区別される。いずれの場
合も,アフタータッチ バリューは,キーを水平方向(前後又は左右)に動かすことによって,又はキーを
押し下げることによって決定される。ウインドコントローラのような場合には,アタックの後に吹込みの
強さを増加することでアフタータッチを送ることができる。アフタータッチによって生じるモディファイ
の種類は,受信側によって決定され,音量,音質,又はビブラートなどに割り当てることができる。
“チャンネルプレッシャー (DnH, 0vvvvvvv)”メッセージを受けた場合,アフタータッチはそのチャン
ネルで演奏するすべての音にかける。ここで,0vvvvvvvはプレッシャー値である。
“ポリフォニック キープレッシャー (AnH, 0kkkkkkk, 0vvvvvvv)”メッセージを受けた場合,該当する
チャンネルの各ノートごとに独立にアフタータッチをかける。ここで,0kkkkkkkはノート番号,0vvvvvvv
はプレッシャー値である。
備考 附属書1及び附属書2を併せて参照のこと。
5. チャンネル モード メッセージ
オール サウンドオフ
120
リセット オールコントローラ
121
ローカルコントロール
122
オール ノートオフ
123
オムニオフ
124
オムニオン
125
モノモードオン
126
ポリモードオン
127
備考 各項目の右側の値は1番目のデータバイトの値
を示す。附属書4を参考のこと。
チャンネル モード メッセージはコントロールチェンジと同じステータスバイト (BnH) で送られる。
そのメッセージの第2バイト(すなわち1番目のデータバイト)はモードメッセージを意味する120 (78H)
と127 (7FH) との間にある。チャンネル モード メッセージは,ボイスメッセージがどのように受信され
るかを決定する。これによって,受信側はノートをモノフォニックで演奏するか,又はポリフォニックで
演奏するか,そして受信側が一つの特定のチャンネル上で送られるデータだけを受信するか,若しくはす
べてのチャンネルを受信するかを決定する。
5.1
オール サウンドオフ オール サウンドオフ (120) は,特定のMIDIチャンネルで受信した機器の
演奏しているすべての音を消音するためのモードメッセージである。
受信に際してはオール ノートオフと同じ決まりに従う。例えば,オムニオン状態では無視すべきである。
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5.2
リセット オールコントローラ リセット オールコントローラ (121) を受信したときは,すべての
コントローラ(コンティニュアスコントローラ,スイッチコントローラ,ピッチベンド,アフタータッチ)
の状態を理想的な初期値(モジュレーションホイールは “0” ,ピッチベンドはセンター,など)にリセッ
トしなければならない。
受信に際してはオール ノートオフと同じ決まりに従う。例えば,オムニオン状態では無視すべきである。
このコマンドを解釈しない機器が接続されることを考慮するならば,すべてのコントローラの初期値と
なるべき値を最初に送り,その後このメッセージを送信するべきである。このメッセージを認識する機器
は規定された状態になり,一方,メッセージを認識しない機器は初期状態のままに置かれる。
5.3
ローカルコントロール ローカルコントロール (122) は,内部での情報の伝達(例えば,キーボー
ドから音源へ)をオン/オフするために使われる。
3バイト目が0であるメッセージ(ローカルオフ)を受信すると,内部結線はオフとなり,キーボード
のデータはMIDI OUTへ出るだけとなり,音源はMIDI INから受けるデータだけ動作するようになる。3
バイト目が127 (7FH) のメッセージ(ローカルオン)を受けると,通常の動作に戻る。
5.4
オール ノートオフ オール ノートオフ (123) は,MIDIによって発音したすべてのボイスを停止
する有効なモードメッセージである。このメッセージは,様々な応用に便利であるが,受信側はこれを認
識しなくてもよい。オール ノートオフの認識は受信側にとって必す(須)でないので,すべての発音はオ
ール ノートオフを送る前に個々のノートオフ メッセージによって停止させなければならない。
MIDIキーボードにおいて,本体のキーボードによる発音とMIDI INによる発音とは区別されるべきで
ある。
図5.1 MIDI機器の内部構成例
機器の内部構成が上記(図5.1)のようであるとき,この機器は,MIDI INと本体のキーボードによる命
令を区別できないことがあり得る。もしオール ノートオフをMIDI入力によって受信すると,本体のキー
ボードによって演奏している音までも含んですべての発音を停止してしまう。これはオール ノートオフ
メッセージの正しい実行ではない。
オール ノートオフはMIDI入力によって発音された音だけを停止しなければならない。もし機器が本体
のキーボードとMIDIメッセージを区別できないのなら,オール ノートオフは無視されなければならない。
オムニオン(モード1又は2)の間は,受信側はオール ノートオフを無視しなければならない。
受信側がオムニオフ,ポリ(モード3)に設定されているとき,オール ノートオフはベーシックチャン
ネル(送られたチャンネル)のノートオン メッセージだけをキャンセルする。オムニオフ,モノ(モード
4)の場合は,ベーシックチャンネル (N) からN+M−1までのチャンネルのノートオン メッセージに対
してベーシックチャンネルのオール ノートオフが有効である。
参考 オールノートオフについては,9.も参照のこと。
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5.5
オール ノートオフ メッセージとしてのチャンネル モード メッセージ チャンネル モード メッ
セージ (124〜127) はオール ノートオフ メッセージとしても機能する。第2バイトが10進の123から127
のメッセージは,ベーシックチャンネルに基づくすべてのボイスをオフする。いかなる場合においても,
ノートオンされた音をオフするためのノートオフ メッセージの代わりにオール ノートオフ メッセージ
(123から127)が用いられてはならない。ノートオフ メッセージは,ノートオン メッセージと対応しな
ければならないため,オール ノートオフ メッセージ(123から127)は受信側で無視してもよい。
5.6
機器のベーシックチャンネル チャンネル モード メッセージは現在のモードに関係なく,受信側
のベーシックチャンネル上で送信されたときだけに認識される。ベーシックチャンネルは,送信側又は受
信側で,操作ボタン又はシステム エクスクルーシブ メッセージのいずれかによって設定される。チャン
ネル モード メッセージは機器のベーシックチャンネル上でだけ,送信及び受信される。
5.7
受信側のモード(オムニオン/オムニオフ及びポリ/モノ) 受信側がどのようにしてボイスメッ
セージを認識するかを,オムニオン/オムニオフ及びポリ/モノの組合せによる四つのモードの一つに設
定することができる。
モード1(Mode1)
OMNI ON
POLY
モード2(Mode2)
OMNI ON
MONO
モード3(Mode3)
OMNI OFF
POLY
モード4(Mode4)
OMNI OFF
MONO
ポリとモノとが,複数のノートが同時に受信されたときに受信側のボイスがどのようにして割り当てら
れるかを決定する。モノモードにおいては,受信側における各ボイスが特定のMIDIチャンネル上のノー
トメッセージにモノフォニックに応答する。これは単一の機器内に複数個の単音シンセサイザーをもつよ
うなものである。ポリモードにおいては,受信側のボイスがノートメッセージにポリフォニックに応答す
る。
これら四つのモードは受信側の操作ボタンで選択できるようにしてよい。しかし,受信側が送信側から
のデータを認識しない,あるいは正しく応答しないようなモードに設定されることもあるので注意が必要
である。受信側が送信側のモードを知る方法がないため,受信側が異なるモードに手動で設定されている
場合には,送信側が期待したように受信側がメッセージを読み取る保証はない。
オムニオンにすると,受信側はすべてのMIDIチャンネルのボイスメッセージに応答するため,機器の
ベーシックチャンネルには関係なく動作させることができる。オムニオフでは,受信側は設定されている
ベーシックチャンネルのボイスメッセージにだけ応答する。
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図5.2 モード切替えの概念図
受信側がポリモードにあり,受信側のチャンネルで複数のノートが受信された場合,これらのノートは
受信側のボイス数の範囲内で同時に演奏される。オムニオンの場合はすべてのMIDIチャンネルで受信可
能であり,オムニオフの場合は受信側のベーシックチャンネルのみ受信可能である。
受信側がモノモードにある場合,オムニモードがオンであるかオフであるかによってノートの割当て方
が異なる。
5.7.1
モノモード モノモードは,特にギターコントローラからMIDIデータを受信する場合に有用であ
るが,キーボードその他のコントローラでも同様に使用できる。これは個々の1音ずつの独立したピッチ
ベンド,2音間での異なるスピードのポルタメントなどの目的に有用である。
受信側が次にくるノートメッセージに対してレガート風に応答してもよいという点も,モノモードを使
用する一つの理由としてあげられる。ノートオンが受信され,そのノートのオフが受信される前に次のノ
ートオンが受信された場合には,受信側はエンベロープをリスタートせず,ピッチを後者のノートに変更
すべきである。送信側が受信側にレガート風の応答を望むためには,ノートメッセージのタイミングは次
のようにする。
〈Note On #1〉〈Note On #2〉〈Note Off #1〉, etc.
ノートオフはすべてのノートに対して送られなければならないという,この規格の規定はそのまま適用
される。レガートフットスイッチの項も参照のこと。
5.7.2
オムニオフ,モノ モノモードオン メッセージの第3バイト(すなわち2番目のデータバイト)
は単音のボイスメッセージが送られるチャンネル数を指定する。文字Mが受信可能な1から16の範囲に
わたるMIDIチャンネルの数を表し,文字Nがベーシックチャンネル番号 (1〜16) を表すとすれば,使用
できるチャンネルは16を最大として,現在のベーシックチャンネルNからN+M−1までとなる。 “M=0”
は特殊な場合で,受信側をベーシックチャンネルNから16まで,チャンネル当たり一つずつ,ボイスに
割り当てるように動作する。
a) 送信側 送信側がオムニオフ,モノモードに設定された場合,ボイスメッセージはチャンネルNから
N+M−1上で送られる。これは個々のボイスが別々のチャンネル上で送られることを意味する。
ベーシックチャンネル番号Nが1より大きな値に設定されている16ボイスの機器から送信する場
合,N+M−1は16より大きくなり,実在しない16より上のチャンネルに対して割り当てられたノー
トは送信されない。16ボイス全部の送信を可能とする場合には,ベーシックチャンネルNは1に設定
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されるべきである。例えば,ベーシックチャンネルが3に設定された4ボイスの場合はチャンネル3
から6でノートメッセージを送信することになる。
b) 受信側 オムニオフ,モノモードに設定された受信側においては,チャンネルNからN+M−1で受
信されたボイスメッセージはモノフォニックにその内部のボイス1からMに割り当てられる。もしN
=1でM=16(最大)であれば,メッセージはチャンネル1から16で受信される。一つのチャンネル
に複数個のノートオン メッセージが送られた場合,受信側の動作は特定できない。このモードでは,
一つのノート(又はボイス)だけが,一つのMIDIチャンネルに割当て可能である。M=0は特殊な
場合で,ベーシックチャンネルNから16まで,チャンネル当たり一つずつのボイスを,可能な限り
割り当てることができる。
参考 附属書4を併せて参照のこと。
5.7.3
オムニオン,モノ 送信側がオムニオン,モノモードに設定された場合,一つのボイスを対象とし
てボイスメッセージはチャンネルNで送られる。受信側がオムニオン,モノモードに設定された場合,任
意のチャンネルで受信されたボイスメッセージは単一のボイスに割り当てられる。受信されているMIDI
チャンネルの数,チャンネル当たり複音であるかどうかに関係なく,受信側は一度に一つのノートしか発
音しない。
a) 送信側 送信側は受信側をモノモードに設定するためにモノモードオン メッセージを送信できる。し
かしながら,受信側がモノモードになれないことがあるので,送信側は複数個のノートメッセージを
同時に送り続けてもよい。また,たとえ送信側と受信側の双方がモノフォニックに演奏している場合
でも,複数のノートオン メッセージを同時に送ることができる。
b) 受信側 ノートオン メッセージがオムニオン,モノモードに対して送られている場合,受信側はチャ
ンネル番号に関係なくそのノートを発音する。モノモードオン メッセージを受信しオムニオンである
場合,Mは無視されて受信側は依然として単音で動作する。
5.8
受信側で取り得ないモード 送信側が,受信側で取り得ないモードを指定する場合がある。例えば,
送信側がオムニオフ,モノでM=2を指定しても,受信側はオムニオンのモノ又はポリにしかなり得ない
場合である。このような状況で,受信側は(1)又は(2)のうちいずれか一方の動作を行ってよい。
(1) メッセージを無視する。
(2) オムニオンのポリとなり,どちらのチャンネルによる発音も行われる。
なお,(2)の動作の方が,受信側が両方のチャンネルの音を発音できるので望ましい。
備考 受信側はオムニオフ,モノモードを取り得ない場合にはメッセージを無視するか又は次に示す
動作を行ってよい。
表5.1 受信側のモード選択
MONO
POLY
M=1
M≠1
OMNI OFF
use
use
Mode 2
Mode 1
Mode 3
OMNI ON
Mode 2
Mode 1
送信側では,個々のモードメッセージに対して受信側が正しく反応したかどうかを知ることができない
が,受信側が上記(表5.1)のように対応していれば,予期しない結果を最小限にできる。しかし,その場
合でも,送信側で特定のボイスに対してピッチベンド又はモジュレーションをかけたりすると,受信側で
はすべてのボイスが反応して,送信側で期待した結果が得られないのは明白である。したがって,受信側
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が上記のような代用のモードになっているときは,可能ならばノートオン/ノートオフ メッセージ以外は
無視するようにするのがよい。
送信側は,オムニオン又はオムニオフ並びにポリ又はモノのメッセージを任意の順番で送信してよい。
したがって,受信側でこれらのモードメッセージを正しく認識するためには,オムニオン/オムニオフ用
と,ポリ/モノ用の二つのフラグが必要で,これらの組合せによって生じる四つの場合に応じて適切なモ
ードを取る必要がある。
例えば,オムニオフ,モノのモードメッセージを受けた受信側が,代用のオムニオン,ポリのモードに
なっている状態で,さらにオムニオフを受信しても,それを認識してオムニオフ,ポリに変わるのは正し
くない。なぜなら,その時点では送信側からはまだオムニオフ,モノを指定していることに変わりがない
からである。その後ポリ オンを受信して初めて代用のオムニオンが解除され,オムニオフ,ポリに変わる
ことになる。
送信側は,モードを変えるときに,オムニオン/オムニオフ又はポリ/モノを重複して送ってよい。例
えば,受信側にモード3を指定するためにオムニオフ,ポリを送っておいて,後にモード1を指定するた
めにオムニオン,ポリを送った場合,ポリメッセージは前回に続いて二度送られることになる。受信側で
は再度送られたポリメッセージで問題が起きてはならない。
備考 代用されるモードの例
図5.3 代用されるモードの例
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5.9
グローバルコントローラ 受信側機器がオムニオフ,モノモードになっていて,複数のMIDIチャ
ンネルに応答できるときは,個々のチャンネルの代わりに,あるチャンネルにだけコントロールチェンジ
メッセージを送ることで,すべてのボイスをコントロールすることができる。このチャンネルをグローバ
ルチャンネルと呼び,“ベーシックチャンネル−1”に設定される。例えば,受信側がモード4の状態でチ
ャンネル6〜12に応答しているとき,すなわちベーシックチャンネルが6のとき,チャンネル5で受信さ
れたコントロールチェンジ メッセージは,同じメッセージをチャンネル6〜12でそれぞれ受け取ったのと,
同じ結果をもたらす。ベーシックチャンネルが1のときは,グローバルチャンネルは16になる。ただし,
受信側は必ずしもこの機能をもつとは限らない。
6. システム コモン メッセージ
MIDIタイムコード クォーター フレーム
F1H
ソングポジション ポインタ
F2H
ソングセレクト
F3H
チューンリクエスト
F6H
EOX(エンド オブ エクスクルーシブ)
F7H
備考 各項目の右側の値はステータスバイトの値を示
す。
附属書1及び附属書5を参考のこと。
6.1
MIDIタイムコード クォーター フレーム このメッセージはMIDIタイムコード (MTC) の一つで
あり,八つのメッセージシーケンスの中でフレーム,秒,分,時間カウントの情報を扱う。
備考 MIDIタイムコード:クォーターフレーム(システムコモン),フルフレーム又はユーザービッ
ト(システムエクスクルーシブ)を表すメッセージである。
詳しくは,関連規格を参照のこと。
6.2
ソングポジション ポインタ シーケンサのソングポジション (SP) とは,曲の最初からの経過時間
を1ビートを6MIDIクロックとするMIDIビートの数で表したもので,曲の頭以外の位置から演奏を始め
るのに使用される。通常,シーケンサのスタートが指示されたときに,0にセットされる。そして,スト
ップが指示されるまで,6MIDIクロックごとに増加する。コンティニューが指示されたときは,現在のソ
ングポジションから増加する。この現在のソングポジションは,ソングポジションポインタメッセージに
よって送受信することが可能で,受信側のソングポジションはこのメッセージの受信によって変更される。
ソングポジションは常にMIDIクロック (F8H) 6回の倍数なので,ソングポジションの最小単位は
6MIDIクロック,つまり16分音符になる。これは,シーケンサ内部のタイムベースに変換される。
例を示すと,ソングポジションポインタが10のとき,6MIDIクロックで乗算して (10×6=60),更にシ
ーケンサのタイムベースを乗算する。タイムベースが一拍当たり96クロックの場合は,MIDIクロック間
のタイムベースは4クロックであるため結果は240 (60×4=240) となる。そこで,演奏開始のために,シ
ーケンサ内部のポインタを240に合わせる。
スタート (FAH) は,ソングポジションの値0とコンティニュー (FBH) とが合成されたコマンドである
と考えられる。しかし,このスタート (FAH) は,コンティニュー (FBH) よりも多く使われると思われる
ので,受信側では,シーケンスが曲の途中でストップ状態のときでも,次にスタートかコンティニューか
のいずれにも対応できるようにしておく必要がある。
MIDIシンクモードをもたない機器では,ソングポジション ポインタ メッセージは無視されるべきで
ある。
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備考 MIDIシンクモードに関しては,システム リアルタイム メッセージの項を参照のこと。
図6.1 シーケンサでの使用例
6.3
ソングセレクト ソングセレクトは,複数のソングやシーケンスを扱うことのできるシーケンサな
どにおいて,スタートメッセージが指示されたときに演奏するソングやシーケンスを選択するものである。
6.4
ソングポジションとソングセレクト ソングポジション ポインタ メッセージ又はソングセレクト
メッセージを受信して認識すると,その処理には相当時間を要すると考えられる。演奏メモリアドレスへ
のロケーティング処理の最中にコンティニューが送られ,MIDIクロックが送られてきたら,その数を認
識してソングポジションに加える必要がある。例えば,4MIDIビート(24MIDIクロック)のソングポジ
ション ポインタ メッセージを受信し,ロケーティング処理中にコンティニュー及び三つのMIDIクロッ
クが送られてきたとすると,シーケンサは27MIDIクロック目に相当するポイントから演奏すべきである。
ロケーティング処理中に送られてきたMIDIクロックを取り損なうと同期演奏はできない。
ソングポジションの値1は,6MIDIクロックに相当する。ソングポジションの値を送ったとき,受信側
では自己のシーケンスをソングポジションの値が示す正しい位置に設定しなければならない。例えばソン
グポジションの値10を送ったときには,シーケンスの値がちょうど60MIDIクロックだけ進行した位置に
なるようにしないと,同期させることができない。送信側で,現在ちょうど6の整数倍のMIDIクロック
の位置になっていないときに,ソングポジションの値を送る場合は,自己のシーケンスをそのポジション
から計算された正しい位置に修正しておく必要がある。
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6.5
チューンリクエスト チューンリクエストは,シンセサイザーなどのアナログタイプの音源の周波
数を自動的にチューニングするときに使用する。どのような方法でどの高さにチューニングするかは受信
側に任されている。
6.6
エンド オブ エクスクルーシブ EOX(エンド オブ エクスクルーシブ)は,システムエクスクル
ーシブの送信の終わりを示すために使用する。FOHで始まるエクスクルーシブメッセージでは,ステータ
スバイトに続き,何バイトのデータをも送ることができる。送信側は,エクスクルーシブメッセージの終
わりには速やかにEOX (F7H) を送らなければならない。受信側は,安全のために,EOX又は他のメッセ
ージ(リアルタイムメッセージを除く。)のステータスバイトによって終了する。
エクスクルーシブの送信中であっても,そのデータバイト中にリアルタイムメッセージを挿入できる。
7. システム リアルタイム メッセージ
タイミングクロック
F8H
スタート
FAH
コンティニュー
FBH
ストップ
FCH
アクティブセンシング
FEH
システムリセット
FFH
備考 各項目の右側の値はステータスバイトの値を示
す。
附属書1及び附属書6を参考のこと。
システム リアルタイム メッセージは,システム共通の情報であり,チャンネル番号はもたない。シス
テム リアルタイム メッセージのうちF8H〜FCHは,MIDIクロックをベースとしたMIDI機器の同期を
行うために使われる。
システム リアルタイム メッセージは,いつでも他のステータスやデータバイトに対して優先して送ら
れ,MIDIデータ列の中やステータスバイトとデータバイトとの間にも挿入することができる。また,シ
ステム リアルタイム メッセージは他のメッセージよりも優先処理しなければならない。
a) タイミングクロック:MIDI接続されたシステムは,4分音符当たり24の割合で送られるこのメッセ
ージによって同期をとることができる。送信側は演奏時でなくてもタイミングクロック (F8H) を送信
し続けることは差し支えないが,その場合,自己のもつテンポ情報に従って正しいタイミングクロッ
クを出力すべきである。MIDIシンクモード(MIDI INのタイミングクロックに同期するモード)に
設定された受信側は,スタート (FAH) 又はコンティニュー (FBH) が送られてくるのを待った状態で
外部のクロックに同期させることができる。
小節の区切りなどを表すメッセージは別に設けられていないので,クロックの認識を一つでも誤る
と,最後までそれを回復する手段はない。したがって,これを確実に認識できるように特に留意しな
ければならない。
b) スタート:スタート (FAH) は,マスター(シーケンサなど)のPLAYボタンが押されるなどしたと
きに送信される。このメッセージを,スレーブとして接続されている受信側が認識し次に送られてく
るタイミングクロック (F8H) を受信すると,ソングやシーケンスの先頭から演奏を開始する。
c) コンティニュー:コンティニュー (FBH) は,CONTINUEボタンが押されるなどしたときに送信され
る。次に送られてくるタイミングクロック (F8H) を受信すると,シーケンスの現在の位置から演奏が
再開される。
d) ストップ:ストップ (FCH) は,STOPボタンが押されるなどしたときに送信され,これを受けた受信
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側はシーケンスの演奏を停止する。
7.1
スタートメッセージ及びコンティニューメッセージ 受信側が,MIDIシンクモードになっていると
き,次の図のように,スタート (FAH) 又はコンティニュー (FBH) が送られてきても次にタイミングクロ
ック (F8H) が送られてこなければ,受信側はシーケンスを進行させてはならない。また,FAH(又はFBH)
とF8Hとは,受信側の処理上の理由を考慮して,少なくとも1ms以上の間隔をあけたほうが無難であろう。
しかし,受信側はスタートやストップのあと最初に送られてくるF8Hの受信ですぐにもスタートできるよ
うにすべきである。
この間は送受信どちらのシーケンスも進行しない。
受信側が,内部クロックで動作するモードになっているとき,受信したFAH及び/又はFBHによって,
自己のクロックでシーケンスを開始することは差し支えない。
7.2
ストップメッセージ マスターのシーケンサを停止させたとき,ただちにストップ (FCH) を送信し
なければならない。すると,スレーブに接続された機器も停止する。このとき,シーケンサは演奏停止時
の位置を記憶しておく必要がある。そうすることで,コンティニューが送られてきたときに,同じ位置か
らシーケンスを再開することができる。受信側は,ストップ (FCH) を受けるとシーケンスの進行を停止
し,その後のクロックは無視しなければならない。ただし,受信側の都合でストップ受信後もしばらくシ
ーケンスを進行させる場合は,ストップ時の位置を記憶しておき,次にコンティニューされたときに,そ
こから演奏をスタートさせて同期させる。
シーケンス進行によってノートオンされ,ストップが押される前にまだノートオフされていない音に対
し,送信側はノートオフメッセージを送ってすべての発音を停止させなければならない。オール ノートオ
フメッセージを送ることもできるが,これに対応していない機種もあるので,残ったノートヘのノートオ
フ メッセージの代わりにオール ノートオフ メッセージを送ってはいけない。同様にコントローラ(ピッ
チホイール,サステインペダル,など。)についても初期ポジションに戻すことが望ましい。
次の図は,リアルタイムのシーケンサのように,MIDIクロックを補間して内部クロックをもっている
場合の同期の仕方を示す。
[4分音符=96クロック,すなわちMIDIクロック=4内部クロックの例]
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シーケンスが停止したとき,シーケンスが正しくMIDIビート(MIDIクロックで計算して6の倍数)
上にある必要はない。この状態でソングポジション ポインタを使用すれば,正しいMIDIビートの位置を
受信側に知らせることができる(このとき,送信側,受信側ともにMIDIクロックの6の倍数に訂正され
なければならない。)。
7.3
クロックとコマンドの関係 受信側は,クロックとコマンドとの前後関係について特に留意して処
理しなければ,次にコンティニューするときに同期しなくなる。また,受信したリアルタイムメッセージ
をMIDI OUTからエコー出力する場合,クロックとコマンドとの順序が入れ替わってはならない。
[悪い例]
次の図は,MIDI INとMIDI OUTの関係において,その処理の関係上許される例である(MIDI OUTは
MIDI INより一定時間遅れているが,順序は変わっていない。)。
[良い例]
クロック情報は,できるだけ早く送り出したいので,次の図のようにボイスメッセージと送りの順序が
替わっても差し支えない。さらには,ボイスメッセージやコモンメッセージなどの中に割り込んで送信し
てもよい。クロック情報と他のメッセージが同タイミングの場合は,正確なタイミングを維持するために
送信する順序を替えることができる。
[差し支えない例]
シーケンサは,ストップ状態のときにタイミングクロック (F8H) を送ることは差し支えない。その利点
としては,受信側で次のスタート以後のテンポを予測できることがあげられる。
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7.4
コマンドの重複 すでに停止している状態でストップメッセージを受信したり,すでに演奏状態に
あるときにスタートやコンティニューメッセージを受信した場合は,これらのコマンドを無視すべきであ
る。
自己のパネル操作とMIDI入力されるメッセージの両方があった場合は,両者が作用してもよい。また,
操作モードによってパネル操作かMIDIメッセージかを選択してもよい。例えば,MIDIクロック同期の
場合はパネル操作を無視し,自己のクロックで演奏する場合はシステム リアルタイム メッセージ (F8H
〜FCH) を無視するようにしてもよい。
7.5
アクティブセンシング アクティブセンシングは送信側や受信側で必要に応じて使用できる。これ
は,他のデータが存在しないときに最大300msごとに送られる。受信側はアクティブセンシングを一度も
受けないときは通常動作をするが,一度これを受けて認識した場合は,300ms以内に何らかのメッセージ
が送られてくることを期待するようになる。もしも送られてこないと,MIDIケーブルが何らかの原因で
断線したものと判断し,すべてのボイスの発音を停止して通常動作に戻る。
実際には10%程度の余裕をとって,例えば送信側は270ms以下で送信し,受信側は330ms以上の時間間
隔で判定することが望ましい。
次のチャート図は,アクティブセンシングに対する処理法である。
7.6
システムリセット このメッセージは控えめに使用しなければならず,マニュアル操作だけで使用
すべきである。電源オン時などに自動的に送ったりしてはならない。
もし,システムリセットを認識するとしたら,次のような動作が望ましい。
1) ローカルオンにする。
2) ボイスをオフにする。
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3) すべてのコントローラをリセットする。
4) ソングポジションを0にする。
5) 演奏をストップする。
6) ランニングステータスをクリアする。
7) その他,機種特有のMIDIの初期設定をする。
8. システム エクスクルーシブ メッセージ システムメッセージはチャンネル番号をもたず,MIDIで
接続されたシステム全体で共通に使用される。しかし,システム エクスクルーシブ メッセージは,ID番
号によって特有のフォーマットがあるため例外となる。システム エクスクルーシブ メッセージは,シー
ケンスデータや音色のパラメータなど主に実時間のインフォメーションではないものを転送するときに利
用される。これらについては送受信側の構成によって異なるフォーマットが要求されている。したがって,
ID番号の登録・管理機関であるAMEIから与えられたID番号の下に独自のフォーマットが設計されてい
る。
MIDIの主旨はいろいろな楽器や周辺機器を共通に結合することであるため,ボイスメッセージなどで
送ることができる実時間の演奏情報の伝達には,システム エクスクルーシブ メッセージを使用しない方
がよい。
ID番号が必要な場合には,AMEIに申請して,その運用に従う。なお,ID番号を授与された場合には,
1年以内にそのID番号を使用したシステム エクスクルーシブ メッセージのフォーマットを公表しなけれ
ばならないことになっている。ここに示す公表とは,そのフォーマットをAMEIに提出することはもちろ
ん,MIDIの基本的な主旨である公開の原則を十分考慮して,その製品の取扱説明書や,各社が発行する
技術資料などにも記載することなど,すべて行うことを意味する。利用者や報道機関から請求があった場
合には,正しい資料を提供することが望ましい。
また,前述の公開の原則に加えて統一の原則をも考慮し,すでに公表された他のID番号のフォーマッ
トで目的を達成するものがあれば,なるべくそれを利用することが望ましい。公表されたエクスクルーシ
ブのフォーマットは一般の他のフォーマット(チャンネルメッセージやコモンメッセージ)と全く同じ扱
いとなり,そのフォーマットに忠実である限り,だれでも使用することができるが,そのID番号の所有
者に連絡することが望ましい。連絡を受けたID番号所有者は正当な理由なしに,その使用を断わること
はできない。
公表されたエクスクルーシブのフォーマットは,よほどの不都合が生じない限り変更してはならない。
また新しいフォーマットを追加した場合は速やかに発表しなければならない。ID番号所有者以外の者が,
そのID番号上のフォーマットを変更したり新規に追加したりしてはならない。
8.1
UNIVERSAL SYSTEM EXCLUSIVE CODES 特定の使用目的のため確保されているシステム エ
クスクルーシブID番号が三つある。7DHは非営利用(例,学校,研究など)に予約されており,一般に
発売する製品には使用してはならない。7EH(ノンリアルタイム)及び7FH(リアルタイム)は,MIDI
仕様の拡張用に予約されている。
リアルタイム及びノンリアルタイムメッセージの標準フォーマットは次のとおりである。
F0H <ID番号> <デバイスID> <サブID番号#1> <サブID番号#2>…F7H
非営利用のID番号 (7DH) は,一般の利用者に発表したり使用させたりすることはないため,標準フォ
ーマットを設ける必要はない。
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8.2
機能の詳細 システム エクスクルーシブ メッセージの機能の詳細は,実装規約とする。標準とな
る実装規約は,2.2 関連規格の“MIDI 1.0規格 (AMEI)” 及び “MIDI l.0 Detailed Specification (MMA)” に
示されている。
9. 補足説明と運用上の注意
9.1
ランニングステータス ランニングステータスとは,ステータスバイトが直前のメッセージのそれ
と同じ値であるとき,そのステータスバイトを省略してデータバイトだけを送ることで,送信時間を短縮
し,実際の演奏からのMIDI送信データの遅れを軽減するためのものである。受信側は,ステータスバイ
トが省略されたデータバイトだけのメッセージを受信したときは,最後に受信したステータスバイトを補
う必要がある。
例えば,通常のノートオン メッセージは,ノートオン ステータスバイト (9nH),ノート番号,ベロシ
ティ値の3バイトになるが,ランニングステータスを用いれば,同じチャンネルのノートオンが続く場合
には2音目以降はステータスバイトを省略してノート番号とベロシティ値だけを送信することができる。
ランニングステータスは,特にノートオンとコンティニュアスコントローラとによるデータに有効であ
る。ノートオフをノートオンのステータスのもとでベロシティ値0で送ると更に効果がある。
[ランニングスーテタスの例]
この例ではノートオン メッセージを取り上げているが,他のチャンネルメッセージについても,同様に
してデータ量を減らすことができる。
認識しないチャンネルメッセージも,ステータスバイトを保存するランニング ステータス バッファに
は保存されなければならない。例えば,オムニオンであってもチャンネル モード メッセージはベーシッ
クチャンネル以外では認識しないが,その直後にコントロールチェンジがステータスなしで送られてくれ
ば,オムニオンのモードであるから認識するのが当然である。
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[ベーシックチャンネル3でOMNI ONの状熊のとき]
受信側では,送信側でランニング ステータスのルールを適用することを考慮に入れて,常に受信した最
後のステータスを保持していなければならない。また,そのステータスのもとではデータが何バイトで一
つのメッセージになるかをみている必要がある。そのために受信側にランニング ステータス バッファを
設けその処理を次のようにするのがよい。
1) 電源オン時にクリアする。
2) チャンネルメッセージのステータスを受信したとき,そのステータスを書き込む。
3) システムエクスクルーシブ,システムコモンのステータスを受信したとき,クリアする。
4) システムリセット (FFH) を除くシステム リアルタイム メッセージを受信したとき,何もしない。
5) ランニングステータス バッファがクリア状態のときは,データバイトを無視する。
システム コモン メッセージには,現在未定義のステータスが2個 (F4H, F5H) あるが,もしこれらを
受信したときには,ランニングステータス バッファをクリアするようにした方がよい。また,システム リ
アルタイム メッセージの中にも未定義が2個 (F9H, FDH) あるが,これらは無視し,ランニングステータ
ス バッファはクリアしない方がよい。
ランニングステータスを使用している場合,受信側が送信側の電源オンよりも後に接続されたときは次
のステータスバイトが受信されるまで発音しないことがあるため,送信側は数秒に1回はステータスバイ
トを送信することが望ましい。
送信側はランニングステータスを使っても使わなくてもよい。また,ノートオフは,ノートオンのステ
ータスでベロシティ0で送っても,ノートオフのステータスを使ってもよい。
受信側はチャンネルメッセージのステータスを省略して送信されてくることを十分考慮しなければなら
ない。次の図は,受信側に設けられたランニングステータス バッファに関するMIDI受信処理の一例を示
す。
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9.2
ノートオン/ノートオフの数 同一チャンネルで同じキーナンバーのオンを2回受信した場合,同
じボイスに割り当てるか別のボイスに割り当てるか,又は他の方法を取るかは,受信側の選択に任されて
いる。一方,送信側では,同一チャンネルで同じキーナンバーのオンを2回送った後には,それに対応す
るオフも2回送らなければならない。
参考 ここでは,ノートオンの数とノートオフの数とを一致させることを要求されている。
9.3
ポリモードでのアサイン ポリモードでは,複数のノートオンが送られてきて,それらを認識した
とき,どのようにボイスに割り当てて発音させるかは,特に規定されていない。受信側で処理可能なボイ
ス数以上のノートオンに対する処理はどのようにしてもよい。また,受信したノートオンと自己の鍵盤操
作などによるオンとの優先順位はどのようにしてもよい。
自己の鍵盤操作による発音と受信したノートオン/ノートオフのメッセージによる発音とを区別するこ
とは重要である。
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9.4
モード切替え時の処理 受信側でオムニオン/オムニオフ,モノ/ポリを切り替えるときには,オ
ール ノートオフを行って,その後の確実な動作を期する必要がある。ただし,そのときオフにするボイス
はMIDI INのメッセージによってオンとなったものだけとして,自己の鍵盤によるオンのボイスはそのま
まにする方がよい。
9.5
MIDIマージ時のオール ノートオフの扱い シーケンサがMIDI INで受信したメッセージと,自己
のシーケンスデータに基づいたメッセージとを混合して送信しているとき,又は,MIDIマージ装置が複
数のMIDI INからのデータを混合して送信しているときには,受信したオール ノートオフをそのまま送
ると不都合な場合があるので,注意しなければならない。
シーケンサがオール ノートオフを受信しても自己のシーケンスによってそのチャンネルのノートがオ
ンになっているときには,そのオール ノートオフを送信してはならない。また,自己のシーケンスデータ
の中にオール ノートオフがあっても,そのチャンネルでノートオンが受信されている間は,そのオール ノ
ートオフを送信してはならない。また,MIDIマージ装置には,オール ノートオフの送信を禁止できるよ
うなフィルター機能が必要である。
第2バイトが124以上のチャンネル モード メッセージもオール ノートオフの機能があるので同様の扱
いをしなければならない。
参考 5.5を併せて参照のこと。
9.6
ホールドとオール ノートオフとの関係 ホールド,ダンパーペダル,サステイン,セカンドリリー
ス スイッチなどと称するスイッチのコントロールチェンジを認識する受信側では,そのスイッチがオンに
なるメッセージを受信した後には,通常のノートオフを受けてもボイス発音はまだオン状態が継続してい
る。この状態のときに,チャンネルモード メッセージ番号123 (7BH) のオール ノートオフを受信してそ
れを認識しても,それは各ノートオフを補佐しているだけであるから,ホールドによってオン状態が継続
しているボイスをオフすべきではない。このとき受信側は,後にホールドがオフになったときに,直ちに
オフになる潜在能力を保持しておくことが望ましい。
同様に,エンベロープの都合でリリースタイムが長いときに,オール ノートオフを認識することによっ
て,急激に音を消すような処理をすべきではない。
受信したメッセージ
9.7
ホールド ペダルについての補足 ホールド,ダンパーペダル,サステイン,セカンドリリース ス
イッチなどと称するスイッチは,コントロール番号64を使用する。ホールドペダルの正しい動作は,エン
ベロープのサステインレベルを維持することである。“ホールド2 (Hold 2)”スイッチが,コントロール番
号69として定義されている。これは,他のホールド機能(例えば,“フリーズ”つまり,エンベロープな
どがそのときの状態で凍結される。)のため,又は,二つの異なったホールド機能を同時に実現するためな
どに用いられる。
コントロール番号66の“ソステヌート(コードホールド)”は,ペダルを踏んだときに弾かれていた音
だけをホールドするものである。
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9.8
MIDI受信の優先 MIDIでは,送信側は受信側の事情を無視して,一方的に一定の転送レート
(31.25kbit/s) でデータを送ってくる。受信側はこれを欠落のないように受信し,処理しなければならない。
通信以外の処理との優先関係に留意し,MIDIデータが無視されたり誤って処理されたりすることがない
ようにすることが重要である。処理しきれないで捨てられるデータが発生すると,それによって誤動作す
ることになるが,そのような場合でも,常に安全な側に処理されるように配慮することが望ましい。
9.9
受信したメッセージの機能がない場合 例えばピッチベンダーの機能がないシンセサイザーのよう
に,受信側で処理できないメッセージを受信した場合には,それを無視することは許されている。しかし,
それを受信することによって予期しない間違った動作をしないように留意しなければならない。すなわち,
無視するメッセージに対しても,正しいバイト数のステータスやデータを読んだり,ランニング ステータ
スの処理をしたりする必要がある。
9.10 オムニの解除 自己のパネル操作,その他受信側で操作できる適切な方法によって,受信モードを
オムニオフにできることが望ましい。
9.11 コントロール番号 コントロール番号のアサインはAMEIとMMAとの合意の上で決定される。附
属書3に挙げた番号は,標準的な楽器のために定義されている。しかし,MIDI対応の照明コントローラ
のような多くの非楽器は,定義されたコントロール番号を,それらの機器の都合のよいように使ってもよ
い。コントロール番号の数には限りがあるので,現在及び将来において考えられる限りの,楽器及び非楽
器のすべての機能について番号をアサインすることは不可能である。そのために,通常,コントロール番
号は楽器に関連した目的にだけアサインされている。その製品が標準的なコントローラ アサインに従って
いないときは,処理系作成者の責任でその旨をユーザに公表しなければならない。コントローラを非楽器
に応用することは差し支えないが,やはり,附属書2に示されているフォーマットには従わなければなら
ない。
機器に依存する多数のパラメータをMIDIでコントロールしたい場合は,コントローラを多数使う代わ
りに,ノンレジスタードパラメータ番号とデータエントリ コントローラ(データエントリ,データインク
リメント及びデータデクリメントのメッセージ)を使うべきである。これによって,異なった機器が,同
じコントロール番号に応答してしまうという事態が起きる可能性を軽減できる。
9.12 シーケンサのベーシックチャンネル MIDIのモードは,主として受信側がボイスメッセージを処理
して発音させることを主眼にして定められている。MIDIのシーケンサは,MIDIのボイスメッセージの時
間経過を記録するための装置で,受信されたMIDIメッセージを相対的に同じ時間間隔で,別の時刻に再
生するものであると考えられる。“別の時刻に”という点を除けば,転送のための結線と同じで,それ自体
ボイスメッセージによって仕事をしないと考えれば,そのシーケンサ自体は,必ずしもチャンネルモード
を認識して,自らそのモードになる必要はない。したがって通常の機器のようにベーシックチャンネルが
なくてもよいと考えられる。
もちろん,ベーシックチャンネルをもち,モードメッセージを認識し,そのモードによって認識できる
チャンネル番号などを変化させてもかまわない。
9.13 ノート番号,トランスポーズ ノートオン/ノートオフ メッセージのノート番号は,原則的に中央
Cが60と定められている。この“中央C”とは,ピアノの中央部Cの鍵であり,楽譜上は,高音部の下第
一線のCを意味する。したがって,鍵盤の範囲によってはちょうど中央にはならないこともある。
簡易な演奏を得る目的でクロマチックのキートランスポーズを行う場合は,中央C以外のキーで60を
得ることになってもよい。この場合トランスポーズをしないときとの区別がパネル上ではっきりしている
方が使用しやすいであろう。
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受信側で上記以外の目的のために,トランスポーズをクロマチック,オクターブなどで行うことも自由
である。ただし,次の図の構成のように一つの楽器で,同一の操作でAB部の各トランスポーズが同じよ
うに変化するようにすると混乱を招くであろう。
[トランスポーズ]
二つのトランスポーズをもつ場合は,次のような構成も考えられる。この場合,トランスポーズAとB
とは独立して変化し,両方の信号ともトランスポーズBを通過する。
[トランスポーズ]
受信側のボイスが発音できる音域の範囲外のノート番号に対しては,認識しなくてもよい。認識する場
合は,オクターブずつ音域の範囲内でシフトするのが普通である。
10. MIDIインプリメンテーション チャートの作成法 標準MIDIインプリメンテーション チャートは,
送受信機能の早見表として各製品ごとに作成される。利用者はその機器でどのようなメッセージや機能が
使用可能かを容易に知ることができる。このチャートはすべてのMIDI製品の取扱説明書に含まれていな
ければならない。
このチャートによって,利用者が二つのMIDI機器を接続しようとするときに,どのようなメッセージ
が相互に転送できるかを知ることができる。例えば,機器AのMIDI 0UTを機器BのMIDI INに接続し
たときには,Aのチャートの送信側の記述部分をBのチャートの受信部分の横に並べて各項目を比較すれ
ばよい。
この目的のために,それぞれの機器のチャートは,少なくとも各行の縦方向の寸法は同じでなければな
らない。
10.1 全体の構成 標準MIDIインプリメンテーション チャートの構成を図10.1に示す。
なお,この図はその構成を示すことが目的であるため,その寸法は必ずしも実際の寸法には一致しない。
1) 最初の[ ]には,その製品の名称を,例えば[16音ポリフォニック シンセサイザー],[シーケ
ンサ]などのように書く。
2) MODELの項目には,その製品のモデル名(番号)を書き,必要に応じてバージョン番号,表作成
の日付(又は発売日)などを書く。
3) 表の内容は四つのコラムに分かれている。最初のコラムはそれぞれの機能など,2番目はその機能
に関する送信の情報,3番目はその機能に関する受信の情報,4番目は備考欄になっていて特記事項,
を記入する。
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Transmitted, Recognized, Remark間の線の位置は,見本を原則とするが,送信のファンクション切
替えが多い場合など必要に応じて適宜左右に移動させることは差し支えない。
4) 必要に応じて日本語版を作成してもよい。各項目の名称は制定されている。記入する内容は,ポリ,
モノなど適宜和訳してもよい。 “MIDI” は和訳してはいけない。
備考 日本語版の例を図10.2に示す。
10.2 機能の記述 機能に関する各項目の記述の詳細は,実装規約とする。
参考 標準となる実装規約は,関連規格の “MIDI 1.0規格 (AMEI)” 及び “MIDI 1.0 Detailed
Specification (MMA)” に示されている。
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図10.1 MIDIインプリメンテーション チャート
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図10.2 MIDIインプリメンテーション チャート(日本語訳)
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関連規格 この規格を利用する際に参考となる規格を次に示す。
MIDI 1.0規格 (AMEI:音楽電子事業協会)
MIDI 1.0 Detailed Specification (MMA:MIDI Manufacturers Association)
備考 これらの規格群(MIDI 1.0規格,MIDI 1.0 Detailed Specification)に対して,この規格は部分
集合に相当している。したがって,実装など,利用レベルによっては,これらの規格群を参照
して,詳細及び最新の情報を確認することが必すとなる。
EIAJ規格 (EIAJ:社団法人 日本電子機械工業会)
EIAJ RC-5226 音響機器用丸形コネクタ (Circular connectors for audio equipment)
備考 この規格は,IEC 60130-9に対応しIEC 60268-11に関連する。
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附属書1(参考) メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データ
バイト数
説明
(16進表示) (2進表示)
チャンネルメッセージ
8nH
1000nnnn
2
ノートオフ
9nH
1001nnnn
2
ノートオン(ベロシティ0:ノートオフ)
AnH
1010nnnn
2
ポリフォニック キープレッシャー(アフタータッチ)
BnH
1011nnnn
2
コントロールチェンジ
チャンネルモード選択(1番目のデータバイト:01111xxx)
CnH
1100nnnn
1
プログラムチェンジ
DnH
1101nnnn
1
チャンネルプレッシャー(アフタータッチ)
EnH
1110nnnn
2
ピッチベンド チェンジ
システムメッセージ
FOH
11110000
*****
システムエクスクルーシブ
FsH
11110sss
0〜2
システムコモン
FtH
11111ttt
0
システムリアルタイム
備考1. nnnn :チャンネル番号 (1〜16) をNとしたときのN−1
すなわち,0000がチャンネル1,0001がチャンネル2,…,1111がチャンネル16。
2. ***** :0iiiiiii,データ,…,EOX(iiiiiii:IDコード)
3. sss
:1から7の値 (001=1,…,111=7)
4. ttt
:0から7の値 (000=0,…,111=7)
5. xxx
:チャンネル モード メッセージは,コントロールチェンジメッセージ (BnH) と同じ
ステータスバイトをとる。二者の区別は,1番目のデータバイトの値で行う。
120(01111000) 〜127 (01111111) が,チャンネルモードメッセージである。
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(参考) チャンネル ボイス メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データバイト
説明
(16進表示) (2進表示)
8nH
1000nnnn
0kkkkkkk
ノートオフ
0vvvvvvv
vvvvvvv:ノートオフベロシティ
9nH
1001nnnn
0kkkkkkk
ノートオン
0vvvvvvv
vvvvvvv≠0:ベロシティ,vvvvvvv=0:ノートオフ
AnH
1010nnnn
0kkkkkkk
ポリフォニック キープレッシャー(アフタータッチ)
0vvvvvvv
vvvvvvv:プレッシャー値
BnH
1011nnnn
0ccccccc
コントロールチェンジ(附属書3参照)
0vvvvvvv
ccccccc:コントロール番号 (0〜l19)
vvvvvvv:コントロール値
チャンネル モード メッセージ(附属書4参照)
ccccccc:コントロール番号 (120〜127)
vvvvvvv:コントロール値
CnH
1100nnnn
0ppppppp
プログラムチェンジ
ppppppp:プログラム番号 (0〜127)
DnH
1101nnnn
0vvvvvvv
チャンネルプレッシャー(アフタータッチ)
vvvvvvv:プレッシャー値
EnH
1110nnnn
0lllllll
ピッチベンドチェンジ
0hhhhhhh
lllllll:LSB,hhhhhhh:MSB
備考1. nnnn
:チャンネル番号 (1〜16) をNとしたときのN−1
すなわち,0000がチャンネル1,0001がチャンネル2,…,111lがチャンネル16す
なわち,0000がチャンネル1,0001がチャンネル2,…,111lがチャンネル16
2. kkkkkkk :ノート番号 (0〜127)
3. チャンネルモードメッセージは,コントロールチェンジメッセージ (BnH) と同じステータス
バイトをとる。二者の区別は,1番目のデータバイトの値で行う。
120(01111000) 〜127 (01111111) が,チャンネルモードメッセージである。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3(参考) コントロール番号
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
コントロール番号
(第2バイト値)
コントロール機能
10進表記
16進表記
0
00H
バンクセレクト (MSB)
1
01H
モジュレーションホイール又はレバー
2
02H
プレスコントローラ
3
03H
(未定義:予約済)
4
04H
フットコントローラ
5
05H
ポルタメントタイム
6
06H
データエントリ (MSB)
7
07H
チャンネルボリューム(メインボリューム)
8
08H
バランス
9
09H
(未定義:予約済)
10
0AH
パン(パンポット)
11
0BH
エクスプレッションコントローラ
12
0CH
エフェクトコントロール1
13
0DH
エフェクトコントロール2
14
0EH
(未定義:予約済)
15
0FH
(未定義:予約済)
16
10H
汎用コントローラ1
17
11H
汎用コントローラ2
18
12H
汎用コントローラ3
19
13H
汎用コントローラ4
20
14H
(未定義:予約済)
21
15H
(未定義:予約済)
22
16H
(未定義:予約済)
23
17H
(未定義:予約済)
24
18H
(未定義:予約済)
25
19H
(未定義:予約済)
26
1AH
(未定義:予約済)
27
1BH
(未定義:予約済)
28
1CH
(未定義:予約済)
29
1DH
(未定義:予約済)
30
1EH
(未定義:予約済)
31
1FH
(未定義:予約済)
32
20H
バンクセレクト (LSB)
33〜6363
21H〜3FH
コントロール番号1〜31対応のLSB
64
40H
ホールド(ダンパーペダル,サステイン)
65
41H
ポルタメントオン/オフ
66
42H
ソステヌート
67
43H
ソフトペダル
68
44H
レガートフットスイッチ
69
45H
ホールド2
70
46H
サウンドコントローラ1(デフォルト:サウンドバリエーション)
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コントロール番号
(第2バイト値)
コントロール機能
10進表記
16進表記
71
47H
サウンドコントローラ2(デフォルト:ティンバー/ハーモニックインテンシティ)
72
48H
サウンドコントローラ3(デフォルト:リリースタイム)
73
49H
サウンドコントローラ4(デフォルト:アタックタイム)
74
4AH
サウンドコントローラ5(デフォルト:ブライトネス)
75
4BH
サウンドコントローラ6(デフォルト:なし)
76
4CH
サウンドコントローラ7(デフォルト:なし)
77
4DH
サウンドコントローラ8(デフォルト:なし)
78
4EH
サウンドコントローラ9(デフォルト:なし)
79
4FH
サウンドコントローラ10(デフォルト:なし)
80
50H
汎用コントローラ5
81
51H
汎用コントローラ6
82
52H
汎用コントローラ7
83
53H
汎用コントローラ8
84
54H
ポルタメントコントロール
85
55H
(未定義:予約済)
86
56H
(未定義:予約済)
87
57H
(未定義:予約済)
88
58H
(未定義:予約済)
89
59H
(未定義:予約済)
90
5AH
(未定義:予約済)
91
5BH
エフェクト1デプス(外部エフェクト デプス)
92
5CH
エフェクト2デプス(トレモロ デプス)
93
5DH
エフェクト3デプス(コーラス デプス)
94
5EH
エフェクト4デプス(セレステ デプス)
95
5FH
エフェクト5デプス(フェイザーデプス)
96
60H
データインクリメント
97
61H
データデクリメント
98
62H
ノンレジスタードパラメータ番号 (LSB)
99
63H
ノンレジスタードパラメータ番号 (MSB)
100
64H
レジスタードパラメータ番号 (LSB)
101
65H
レジスタードパラメータ番号 (MSB)
102
66H
(未定義:予約済)
103
67H
(未定義:予約済)
104
68H
(未定義:予約済)
105
69H
(未定義:予約済)
106
6AH
(未定義:予約済)
107
6BH
(未定義:予約済)
108
6CH
(未定義:予約済)
109
6DH
(未定義:予約済)
110
6EH
(未定義:予約済)
111
6FH
(未定義:予約済)
112
70H
(未定義:予約済)
113
71H
(未定義:予約済)
114
72H
(未定義:予約済)
115
73H
(未定義:予約済)
116
74H
(未定義:予約済)
117
75H
(未定義:予約済)
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
コントロール番号
(第2バイト値)
コントロール機能
10進表記
16進表記
118
76H
(未定義:予約済)
119
77H
(未定義:予約済)
120〜127
78〜7FH
チャンネルモードメッセージ
備考1. 利用に当たっては最新の情報を確認すること。
2. (未定義:予約済)の番号は,既存の割当てはないが,使用に当たっては管理元に申請が必要。
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3a(参考) レジスタード パラメータ番号
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
パラメータ番号
機能
LSB
MSB
00H
00H
ピッチベンドセンシティビティ
01H
00H
ファインチューン
02H
00H
コースチューン
03H
00H
チューニングプログラムセレクト
04H
00H
チューニングバンクセレクト
7FH
7FH
ヌル
備考 利用に当たっては最新の情報を確認すること。
41
X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書4(参考) チャンネル モード メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データバイト
説明
(16進表示) (2進表示)
BnH
1011nnnn
0ccccccc
モードメッセージ
0vvvvvvv
ccccccc=120:オール サウンドオフ
vvvvvvv=0
ccccccc=121:リセット オール コントローラ
vvvvvvv=0
ccccccc=122:ローカル コントロール
vvvvvvv=0,ローカルコントロール オフ
vvvvvvv=127,ローカルコントロール オン
ccccccc=123:オール ノートオフ
vvvvvvv=0
ccccccc=124:オムニオフ(オール ノートオフ)
vvvvvvv=0
ccccccc=125:オムニオン(オール ノートオフ)
vvvvvvv=0
ccccccc=126:モノモードオン(ポリモードオフ)(オール ノートオフ)
vvvvvvv=M,オムニオフ時有効で,Mはチャンネル数 (1〜16)
vvvvvvv=0,オムニオフ時有効で, (16−N+1) が最大割当て可能なチャンネル数
ccccccc=127:ポリモードオン(モノモードオフ)(オール ノートオフ)
vvvvvvv=0
備考1. nnnn
:ベーシックチャンネル番号 (1〜16) をNとしたときのN−1
すなわち,0000がチャンネル1, 0001がチャンネル2,…,1111がチャンネル16
2. ccccccc :コントロール番号 (120〜127)
3. vvvvvvv :コントロール値
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書5(参考) システム コモン メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データバイト
説明
(16進表示) (2進表示)
F1H
11110001
0nnndddd
MIDIタイムコード クォーター フレーム(MTCフレーム)
nnn:メッセージタイプ,dddd:値
F2H
11110010
0lllllll
ソング ポジション ポインタ
0hhhhhhh
lllllll:LSB,hhhhhhh:MSB
F3H
11110011
0sssssss
ソングセレクト
sssssss:ソング番号
F4H
11110100
(未定義:予約済)
F5H
11110101
(未定義:予約済)
F6H
11110110
なし
チューンリクエスト
F7H
11110111
なし
EOX (End Of eXclusive)
備考1. 利用に当たっては最新の情報を確認すること。
2. (未定義:予約済)のメッセージは,将来の利用のために確保され使用が禁じられている。
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書6(参考) システム リアルタイム メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データバイト
説明
(16進表示) (2進表示)
F8H
11111000
タイミングクロック
F9H
11111001
(未定義:予約済)
FAH
11111010
スタート
FBH
11111011
コンティニュー
FCH
11111100
ストップ
FDH
11111101
(未定義:予約済)
FEH
11111110
アクティブセンシング
FFH
11111111
システムリセット
備考1. 利用に当たっては最新の情報を確認すること。
2. (未定義:予約済)のメッセージは,将来の利用のために確保され使用が禁じられている。
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附属書7(参考) システム エクスクルーシブ メッセージ
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
ステータス
データバイト
説明
(16進表示) (2進表示)
F0H
11110000
0iiiiiii
バルクダンプなど
iiiiiii:IDコード(備考1.参照)
・
(Oddddddd)
・
データバイトの長さは任意(最上位ビットは0)
・
・
(0ddddddd)
F7H
11110111
EOX (End Of eXclusive)
備考1. iiiiiii:IDコード (0〜127)
(IDが0の場合は,次にくる2バイトがIDの拡張用として使用される。)
2. システム エクスクルーシブ ステータスバイトとEOXとの間のすべてのバイトにおける最上位ビットは,0
でなければならない。
3. 音楽電子事業協会 (AMEI) によって,IDコードの管理・登録処理が行われている。
4. EOXによって,システム エクスクルージブ メッセージは終了する。
5. IDコードが認識されて実行されるか否かにかかわらず,システム エクスクルーシブのメッセージ中に,リ
アルタイム メッセージ以外のメッセージをさしはさんではならない。
6. 特別な目的のために,三つのシステム エクスクルーシブIDコードが予約されている。
7DHは学校・研究所などの営利を目的としない団体のため使用され,7EH(ノンリアルタイム)及び7FH(リ
アルタイム)はMIDI規格の拡張として使用される。
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書7a(参考) ユニバーサル システム エクスクルーシブID番号
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
サブID番号1
サブID番号2
説明
ノンリアルタイム(7EH)
00H
未使用
01H
(not used)
サンプル ダンプヘッダ
02H
(not used)
サンプル ダンプパケット
03H
(not used)
サンプル ダンプリクエスト
04H
nnH
MIDIタイムコード (MTC)
00H
Special
01H
Punch In Points
02H
Punch Out Points
03H
Delete Punch In Point
04H
Delete Punch Out Point
05H
Event Start Point
06H
Event Stop Point
07H
Event Start Points with additional information
08H
Event Stop Points with additional information
09H
Delete Event Start Point
0AH
Delete Event Stop Point
0BH
Cue Points
0CH
Cue Points with additional information
0DH
Delete Cue Point
0EH
Event Name in additional information
05H
nnH
サンプルダンプ拡張
01H
Multiple Loop Points
02H
Loop Points Request
06H
nnH
一般情報
01H
Identity Request
02H
Identity Reply
07H
nnH
ファイルダンプ
01H
Header
02H
Data Packet
03H
Request
08H
nnH
MIDIチューニングスタンダード
00H
Bulk Dump Request
01H
Bulk Dump Reply
09H
nnH
ジェネラルMIDI
01H
General MIDI System ON
02H
General MIDI System OFF
7BH
(not used)
ファイルの終わり (EOF)
7CH
(not used)
ウェイト
7DH
(not used)
キャンセル
7EH
(not used)
否定応答 (NAK)
7FH
(not used)
肯定応答 (ACK)
00H
未使用
01H
nnH
MIDIタイムコード (MTC)
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
サブID番号1
サブID番号2
説明
ノンリアルタイム(7EH)
01H
Full Message
02H
User Bits
02H
nnH
MIDIショウコントロール (MSC)
00H
MSC Extensions
01H〜7FH
MSC Commands (Detailed in MSC documentation)
03H
nnH
記譜情報
01H
Bar Number
02H
Time Signature (Immediate)
42H
Time Signature (Delayed)
04H
nnH
デバイス制御
01H
Master Volume
02H
Master Balance
05H
nnH
リアルタイムMTCキューイング
00H
Special
01H
Punch In Points
02H
Punch Out Points
03H
(Reserved)
04H
(Reserved)
05H
Event Start points
06H
Event Stop points
07H
Event Start points with additional information
08H
Event Stop points with additional information
09H
(Reserved)
0AH
(Reserved)
0BH
Cue points
0CH
Cue points with additional information
0DH
(Reserved)
0EH
Event Name in additional information
06H
nnH
MIDIマシン制御コマンド
00H〜7FH
MMC Commands (Detailed in MMC documentation)
07H
nnH
MIDIマシン制御レスポンス
00H〜7FH
MMC Commands (Detailed in MMC documentation)
08H
nnH
MIDIチューニングスタンダード
02H
Note Change
備考1. 利用に当たっては最新の情報を確認すること。
2. (Reserved) のメッセージは,将来の利用のために確保され使用が禁じられている。
3. The standardized format for both Real Time and Non-Real Time messages is as follows :
F0H<ID number> <device ID> <sub-ID#1> <sub-ID#2>…F7H
4. Additional details and descriptions of MTC MSC and MMC are available as separate documents.
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X 6054-2 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電子音楽標準化方針委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
山 崎 芳 男
早稲田大学理工学総合研究センター
(委員)
亀 山 征 二
株式会社河合楽器製作所
福 田 誠
カシオ計算機株式会社
三 枝 文 夫
株式会社コルグ
小 杉 恒 夫
日本ビクター株式会社
鮫 澤 信 一
富士通株式会社
松 本 堅 治
松下電器産業株式会社
二間瀬 剛
ヤマハ株式会社
中 島 安貴彦
株式会社リットーミュージック
富 田 淳
ローランド株式会社
宮 先 健一郎
ローランド株式会社
振 角 秀 行
通商産業省機械情報産業局
橋 爪 邦 隆
工業技術院標準部情報電気規格課
(事務局)
神 川 信 郎
社団法人音楽電子事業協会
標準化プロトコル部会・標準化インターフェース部会 構成表
氏名
所属
(主査)
高 氏 清 已
株式会社河合楽器製作所
小 池 正 彦
ヤマハ株式会社
(委員)
名 越 公 洋
カシオ計算機株式会社
是 恒 邦 通
株式会社コルグ
飛 河 和 生
日本ビクター株式会社
上 野 雅 弘
松下電器産業株式会社
中 島 安貴彦
株式会社リットーミュージック
宮 先 健一郎
ローランド株式会社
須 崎 琢 也
工業技術院標準部情報電気規格課
(事務局)
神 川 信 郎
社団法人音楽電子事業協会