X 5215:2010 (ISO/IEC 28361:2007)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 2
3 表記方法························································································································· 2
3.1 ビット表現 ··················································································································· 2
3.2 論理状態LOW及びHIGHの表現 ····················································································· 2
3.3 名称 ···························································································································· 2
3.4 状態表記 ······················································································································ 2
4 記号及び略語 ··················································································································· 2
5 概要······························································································································· 3
6 信号······························································································································· 3
6.1 信号線 ························································································································· 3
6.2 電気特性 ······················································································································ 3
6.3 クロック周波数(fCLK) ·································································································· 4
7 NFC-WI状態··················································································································· 4
7.1 オフ状態 ······················································································································ 5
7.2 活性化状態 ··················································································································· 5
7.3 オン状態 ······················································································································ 7
7.4 非活性化状態 ················································································································ 8
7.5 コマンド状態 ················································································································ 9
8 情報伝送························································································································· 9
8.1 マンチェスタビット符号化 ······························································································ 9
8.2 モディファイドミラービット符号化·················································································· 10
8.3 fCLK/128(〜106 kb/s)におけるビット符号化 ····································································· 10
8.4 fCLK/64(〜212 kb/s)におけるビット符号化 ······································································· 11
8.5 fCLK/32(〜424 kb/s)におけるビット符号化 ······································································· 12
附属書A(参考)NFCIP-1へのNFC-WIの応用 ········································································ 13
附属書B(参考)コマンド状態について··················································································· 17
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人情報処理学会(IPSJ)及び財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格
JIS
X 5215:2010
(ISO/IEC 28361:2007)
近距離通信ワイヤード インタフェース(NFC-WI)
Information technology-Telecommunications and information exchange
between systems-Near Field Communication Wired Interface (NFC-WI)
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO/IEC 28361を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
この規格は,近距離通信(以下,NFCという。)システムにおいて,トランシーバ及びフロントエンド
と称する二つのコンポーネント間の二線インタフェースを規定する。NFC-WIを実装するシステムは,図
1に示すようなNFCIP-1の無線フロントエンドを実現できる。この規格は,シグナルインの信号線,シグ
ナルアウトの信号線,及び伝送されるデジタル信号に対する要件を規定する。附属書Aに,NFC-WIを実
装したNFCIP-1デバイスのための特有の考慮点を列挙する。
図1−NFC-WIの概念図
1
適用範囲
この規格は,トランシーバとフロントエンドとの間の有線によるデジタルインタフェースについて規定
する。
なお,この規格は,信号線,二値信号,状態遷移,及び三つの伝送速度に対するビット符号化に関する
規定を含む。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 28361:2007,Information technology−Telecommunications and information exchange
between systems−Near Field Communication Wired Interface (NFC-WI)(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
2
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とを示す。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
クロック(Clock)
3.2で定義するLOW及びHIGHの1/(2×fCLK)の周期をもったシーケンス。ただし,fCLKは,6.3で定義す
るクロック周波数。
2.2
インフォメーション(Information)
箇条8で定義する符号化方式によって符号化されたデータ。
2.3
フロントエンド(Front-end)
シグナルアウト信号線を駆動し,シグナルイン信号線の信号を受信する構成要素。
2.4
トランシーバ(Transceiver)
シグナルイン信号線を駆動し,シグナルアウト信号線の信号を受信する構成要素。
3
表記方法
3.1
ビット表現
ビットの値は,0又は1を用いる。
3.2
論理状態LOW及びHIGHの表現
論理状態LOW及びHIGHの表現は,次による。
a) 表1で規定するとおり,信号の電気レベルが入力電圧VIL又は出力電圧VOLのとき,論理信号状態は
LOWになる。
b) 表1で規定するとおり,信号の電気レベルが入力電圧VIH又は出力電圧VOHのとき,論理信号状態は
HIGHになる。
3.3
名称
名称は,この規格では規定しない。
3.4
状態表記
状態は,統一モデル化言語(Unified Modelling Language,UML。JIS X 4170参照)で表記する。
4
記号及び略語
AND
論理積
fCLK
6.3で定義するクロック周波数
NFC-WI
近距離通信ワイヤード インタフェース
OR
論理和
XOR
排他的論理和
÷
固定値でクロック周波数を除する算術演算
表1に,電気特性のための略号を列挙する。
3
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5
概要
NFCワイヤード インタフェース(NFC-WI)は,図2に示すように,シグナルイン信号線及びシグナ
ルアウト信号線を規定する。信号線は,HIGH及びLOWの二値信号を伝送する。
NFC
トランシーバ
シグナルアウト
シグナルイン
NFC
フロントエンド
NFC ワイヤード
インタフェース
(NFC-WI)
適用範囲
図2−NFC-WI
二つの信号線上における信号の組合せによって,箇条7に定義するNFC-WI状態を構成する。
箇条8は,NFC-WI状態がオン状態にあるときの情報伝送の符号化を規定する。ただし,データ伝送速
度は,fCLK/128,fCLK/64,及びfCLK/32である。
附属書Aは,NFC-WIを実装したときのNFCIP-1特有の考慮点を列挙する。附属書Bは,NFCIP-1以外
のプロトコルを使用する場合などにおける,NFC-WI状態がコマンド状態にあるときのとり得る用途を列
挙する。
6
信号
6.1
信号線
6.1.1
シグナルイン
トランシーバは,シグナルイン信号線をHIGH及びLOWの二値信号でドライブする。フロントエンド
は,シグナルイン信号線上の二値信号を受信する。
6.1.2
シグナルアウト
フロントエンドは,シグナルアウト信号線をHIGH及びLOWの二値信号でドライブする。トランシー
バは,シグナルアウト信号線上の二値信号を受信する。
6.2
電気特性
信号線は,図3に示し,表1に規定する二値のデジタル信号を伝送しなければならない。
4
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図3−電気パラメタを表す概念図
表1−電気特性
略号
パラメタ
条件
最小
最大
単位
直流特性
VS
送信電圧振幅
−
1.62
3.63
V
VIH
HIGHレベル入力電圧
−
1.10
3.63
V
VIL
LOWレベル入力電圧
−
0
0.70
V
IIL
入力漏れ電流
入力電圧はVILmin及びVIHmaxの間
±4
mA
VOH
HIGHレベル出力電圧
ドライバのソース電流が4 mA
1.32
3.63
V
VOL
LOWレベル出力電圧
ドライバのシンク電流が4 mA
0
0.30
V
交流特性
tr
シグナルイン,シグナルアウトの立上
り時間(VSの10 %〜90 %)。
試験用に10 pF〜30 pFの外部負荷
容量を追加。
4
20
ns
tf
シグナルイン,シグナルアウトの立下
り時間(VSの90 %〜10 %)。
試験用に10 pF〜30 pFの外部負荷
容量を追加。
4
20
ns
tSP
スパイク及び入力フィルタで抑止し
なければならないグリッチのパルス
幅。
−
1
ns
CI
入力キャパシタンス
試験周波数1 MHz
10
pF
CL
ドライバの外部負荷キャパシタンス
−
30
pF
VITR
信号推移による入力電圧範囲
−
−0.30
3.93
V
パルス幅
−
30
ns
環境/試験条件
Tamb
電気特性測定のための周辺温度
−
20
26
℃
6.3
クロック周波数(fCLK)
クロック周波数は,13.56 MHz±7 kHzでなければならない。
7
NFC-WI状態
図4は,主要なNFC-WI状態を規定する。
オフ状態及びオン状態は,主要なNFC-WI状態である。オフ状態が既定の状態である。
NFC-WIは,オフ状態からオン状態へ7.2に規定するように遷移しなければならない。
NFC-WIは,オン状態からオフ状態へ7.4に規定するように遷移しなければならない。
NFC-WIは,オン状態からコマンド状態へEscapeシーケンスによって遷移しなければならない。
5
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図4−NFC-WIの主要な状態
7.1
オフ状態
シグナルイン及びシグナルアウトが,少なくとも120 μsの間LOWであるとき,NFC-WIはオフ状態で
なければならない。
注記 この状態では,省電力機能が実装されてもよい。
7.2
活性化状態
NFC-WIは,図5に示すように,シグナルアウト信号線又はシグナルイン信号線が,それぞれ7.2.1及び
7.2.2に規定する活性化シーケンスを伝送するとき,活性化状態に遷移しなければならない。続いてもう一
方の信号線が,活性化応答を伝送するとき,NFC-WIは,オン状態へ遷移しなければならない。
図5−活性化状態
6
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7.2.1
シグナルアウト活性化
シグナルアウト信号線がACT̲REQ̲Soを伝送するとき,NFC-WIは活性化状態に遷移しなければならな
い。活性化状態に遷移後50 ms以内にシグナルイン信号線がACT̲RES̲Siを伝送するとき,NFC-WIは,
オン状態に遷移しなければならない。そうでない場合には,NFC-WIはオフ状態に遷移しなければならな
い。
活性化シーケンスを,図6及び図7に示す。
図6−シグナルアウト活性化シーケンス
7.2.1.1
ACT̲REQ̲So
ACT̲REQ̲Soは,図7の上部に示すように,シグナルアウト信号線のクロックによって構成される。
7.2.1.2
ACT̲RES̲Si
ACT̲RES̲Siは,図7の下部に示すように,シグナルイン信号線上のHIGHによって構成される。
図7−シグナルアウト信号線による活性化シーケンス
7.2.2
シグナルイン活性化
シグナルイン信号線がACT̲REQ̲Siを伝送するとき,NFC-WIは活性化状態に遷移しなければならな
い。活性化状態に遷移後100 μs〜50 msの間にシグナルアウト信号線がACT̲RES̲Soを伝送するとき,
NFC-WIは,オン状態に遷移しなければならない。そうでない場合には,NFC-WIはオフ状態に遷移しな
ければならない。
活性化シーケンスを,図8及び図9に示す。
7
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図8−シグナルイン活性化シーケンス
7.2.2.1
ACT̲REQ̲Si
ACT̲REQ̲Siは,図9の上部に示すように,シグナルイン信号線上で,周波数が2 MHz〜12 MHzの範
囲で127パルス以上の信号によって構成される。
7.2.2.2
ACT̲RES̲So
ACT̲RES̲Soは,図9の下部に示すように,シグナルアウト信号線のクロックによって構成される。
図9−シグナルイン信号線による活性化シーケンス
7.3
オン状態
オン状態は,アイドル及びビジーの下位状態(sub-state)で構成され,図10に示すように,アイドル状
態がオン状態における既定の下位状態である。
8
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図10−オン状態
7.3.1
アイドル
オン状態にあり,情報伝送が休止しているとき,オン状態の下位状態はアイドルでなければならない。
アイドル状態のとき,シグナルインはHIGHを伝送し,シグナルアウトはクロックを伝送しなければなら
ない。
7.3.2
ビジー
オン状態にあり,シグナルイン又はシグナルアウト信号線上で情報伝送中のとき,オンの下位状態はビ
ジーでなければならない。
7.4
非活性化状態
NFC-WIは,図11に示すように,シグナルアウト信号線又はシグナルイン信号線が,それぞれ7.4.1及
び7.4.2に規定する非活性化シーケンスを伝送するとき,非活性化状態に遷移しなければならない。続い
てもう一方の信号線が,非活性化応答を伝送するとき,NFC-WIは,オフ状態へ遷移しなければならない。
非活性化
シグナルイン
を待つ
シグナルアウト
を待つ
DEACT̲REQ̲So
DEACT̲REQ̲Si
DEACT̲RES̲So
DEACT̲RES̲Si
図11−非活性化状態
7.4.1
シグナルアウト非活性化
シグナルアウト信号線がDEACT̲REQ̲Soを伝送するとき,NFC-WIは非活性化状態へ遷移しなければ
ならない。シグナルイン信号線は,その後50 ms以内にDEACT̲RES̲Siを伝送しなければならず,NFC-WI
はオフ状態へ遷移しなければならない。
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7.4.1.1
DEACT̲REQ̲So
DEACT̲REQ̲Soは,シグナルアウト信号線上の120 μs以上のLOWによって構成される。
7.4.1.2
DEACT̲RES̲Si
DEACT̲RES̲Siは,シグナルイン信号線上のLOWによって構成される。
7.4.2
シグナルイン非活性化
シグナルイン信号線がDEACT̲REQ̲Siを伝送するとき,NFC-WIは非活性化状態へ遷移しなければなら
ない。シグナルアウト信号線は,その後50 ms以内にDEACT̲RES̲Soを伝送しなければならず,NFC-WI
はオフ状態へ遷移しなければならない。
7.4.2.1
DEACT̲REQ̲Si
DEACT̲REQ̲Siは,シグナルイン信号線上の120 μs以上のLOWによって構成される。
7.4.2.2
DEACT̲RES̲So
DEACT̲RES̲Soは,シグナルアウト信号線上のLOWによって構成される。
7.5
コマンド状態
オン状態からコマンド状態へは,Escapeシーケンスを使って遷移しなければならない。コマンド状態で
の初期のビット符号化方法は,8.3の規定によらなければならない。
コマンド状態からは,コマンドで抜ける。そのコマンドセットは,この規格では規定しない。
注記 そのコマンドセットは,アプリケーションが規定する。
7.5.1
Escapeシーケンス
Escapeシーケンスは図12に示され,シグナルイン信号線上で,周波数が2 MHz〜12 MHzの範囲の127
パルス以上の信号によって構成される。シグナルイン信号線は,その後HIGHでなければならない。
注記 対応国際規格ではオン状態とコマンド状態との境目の位置が誤っていたので,点線を移動した。
図12−Escapeシーケンス
8
情報伝送
この箇条では,三つのデータ伝送速度におけるビット符号化を規定する。
8.1
マンチェスタビット符号化
マンチェスタビット符号化は,図13に示すように,ビット周期の中心でLOW及びHIGHを切り替え
て,次のように“0”及び“1”を符号化する。
10
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前半がHIGHで後半がLOWの場合を“1”とする。
前半がLOWで後半がHIGHの場合を“0”とする。
ビット周期端での極性の切替えを必要に応じて行わなければならない。
図13−マンチェスタビット符号化
8.2
モディファイドミラービット符号化
モディファイドミラービット符号化は,1ビット周期の中におけるパルスの位置によって“0”及び“1”
を定義する。パルスは,HIGHからLOWに変わり,その後LOWの間が続いた後HIGHへ変化する遷移で
ある。ビット表現は,図14に示される。
“1”に対して,パルスは,ビット周期の後半部で発生しなければならない。HIGHからLOWへの切替
えはビット周期の中心でなければならない。
“0”に対して,パルスは,ビット周期の前半部で発生しなければならない。ただし,“1”の直後に“0”
が来る場合には,この“0”の間にパルスを発生してはならない。
図14−モディファイドミラービット符号化
パルス立上りエッジのジッタマージンは,±2/fCLKとする。
注記1 実装時には,A.3に規定する伝ぱ(播)遅延を考慮することを推奨する。
注記2 対応国際規格では,ジッタマージンは±2/fcと誤った規定があったため,±2/fCLKと修正した。
8.3
fCLK/128(〜106 kb/s)におけるビット符号化
8.3.1
シグナルアウト
シグナルアウトは,図15に示すように,モディファイドミラービット符号化したデータとfCLKとの論
理積(AND)を伝送しなければならない。
モディファイドミラーでビット符号化されたパルスは,7個〜45個のクロック周波数サイクル長でなけ
ればならない。
0
1
11
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図15−fCLK/128におけるシグナルアウト符号化
8.3.2
シグナルイン
シグナルインは,マンチェスタビット符号化したデータと(fCLK÷16)との論理和(OR)を伝送しなけ
ればならない。
すべてのビットは,図16に示すように,(fCLK÷16)のLOWで始まらなければならない。
図16−fCLK/128におけるシグナルイン符号化
8.4
fCLK/64(〜212 kb/s)におけるビット符号化
8.4.1
シグナルアウト
シグナルアウトは,図17に示すように,“マンチェスタビット符号化されたデータ”及び“クロック”
の排他的論理和(XOR)を伝送しなければならない。
図17−fCLK/64におけるシグナルアウト符号化
8.4.2
シグナルイン
シグナルインは,図18に示すように,マンチェスタビット符号化されたデータを伝送しなければならな
い。
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図18−fCLK/64におけるシグナルイン符号化
8.5
fCLK/32(〜424 kb/s)におけるビット符号化
fCLK/32におけるビット符号化は,8.4に定義したfCLK/64のビット符号化と同じでなければならない。
13
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附属書A
(参考)
NFCIP-1へのNFC-WIの応用
A.1 概要
この附属書は,NFC-WIを実装したNFCIP-1デバイスのための特有の考慮点を列挙する。
A.2 参考文献
JIS X 5211 システム間の通信及び情報交換−近距離通信用インタフェース及びプロトコル(NFCIP-1)
注記 対応国際規格:ISO/IEC 18092,Information technology−Telecommunications and information
exchange between systems−Near Field Communication−Interface and Protocol (NFCIP-1)(IDT)
A.3 伝ぱ(播)遅延
フロントエンドの伝ぱ(播)遅延は,フロントエンドにおける信号処理に必要なもので,クロックサイ
クルの整数倍になる。この遅延は二つの部分に分けられ,一つはシグナルアウトのための時間(t1),もう
一つはシグナルインのための時間(t2)からなる。これらの合計が伝ぱ(播)遅延である。
NFC-WIのインタフェースを利用するJIS X 5211のフロントエンドは,次の伝ぱ(播)遅延とする。
データ伝送速度fCLK/128の場合:128クロックサイクル
データ伝送速度fCLK/64の場合:最長256クロックサイクル
データ伝送速度fCLK/32の場合:最長256クロックサイクル
A.4 通信モード
既定の通信モードは,受動通信モードとする。
A.5 活性化中のRFフィールド制御
7.2で活性化状態を定義した。
7.2.2に定義した活性化シーケンスは, NFC-WIを活性化するだけである。NFCIP-1のRFフィールドが
起動されるかどうかを,二つの場合に分けて次に記述する。
A.5.1 RFフィールドが起動されない活性化
ACT̲REQ̲Siが100 μsより短いとき,NFC-WIはフロントエンドのRFフィールドを起動しないでオン
状態に遷移する(図A.1参照)。
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図A.1−RFフィールドが起動されない活性化
A.5.2 RFフィールドが起動される活性化
ACT̲REQ̲SiとACT̲RES̲Soとが,少なくとも16クロックサイクルの間同時に存在するとき,NFC-WI
はオン状態に遷移し,フロントエンドがJIS X 5211に定義する初期RF衝突回避シーケンスを実行する。
フロントエンドがRFフィールドを起動できない場合は,シグナルアウト非活性化を開始する(図A.2
参照)。
図A.2−RFフィールドが起動される活性化
A.6 信号図
この箇条では,シグナルイン,シグナルアウト及びRFフィールドの信号の組合せを例示する。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.6.1 fCLK/128
fCLK/128における信号を,図A.3に示す。
図A.3−fCLK/128における信号
50 ms
2
X
5
2
1
5
:
2
0
1
0
(I
S
O
/IE
C
2
8
3
6
1
:
2
0
0
7
)
16
X 5215:2010 (ISO/IEC 28361:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.6.2 fCLK/64
fCLK/64における信号を,図A.4に示す。
図A.4−fCLK/64における信号
max. 50 ms
2
X
5
2
1
5
:
2
0
1
0
(I
S
O
/IE
C
2
8
3
6
1
:
2
0
0
7
)
17
X 5215:2010 (ISO/IEC 28361:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
コマンド状態について
この規格では,コマンド状態に遷移するためのEscapeシーケンスを7.5で規定している。コマンド状態
では,トランシーバとフロントエンドとの間で制御情報及び状態情報を交換することができる。
この交換は,RFフィールドの存在の表示,RF衝突回避状態についての情報,データ伝送速度及び通信
モードの変更のための制御情報を含む。さらに,コマンド状態では,NFCIP-1を含め,いかなる通信プロ
トコルを利用してもよい。
参考文献 JIS X 4170 オープン分散処理−統一モデル化言語(UML)1.4.2版