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X 5203 : 1998 (ISO/IEC 13239 : 1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である,この規格では,ハイレベルデータリンク制御手順  (HDLC)  を規定し,これによって,

JIS X 5104 : 1991

JIS X 5105 : 1991,JIS X 5106 : 1991 の規定内容は,この規格に統合され置き換えられ

る。

JIS X 5203

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  フレーム検査シーケンス (FCS) の実装に関する解説

附属書 B(参考)  コマンドとレスポンスの使用例

附属書 C(参考)  NRM,ARM 及び ABM のタイムアウト機能に関する考察

附属書 D(参考)  典型的な HDLC 手順のサブセット例

附属書 E(参考)  FCS 交渉例

附属書 F(参考)  LAPB X.25 DTE との通信のガイドライン

附属書 G(参考

)  SREJ フレームの情報部のビット構成例

附属書 1(参考)  ISO/IEC 13239 : 1997, Information technology−Telecommunications and information

exchange between systems

−High-level data link control (HDLC) procedures


日本工業規格

JIS

 X

5203

: 1998

 (

13239

: 1997

)

システム間の通信及び情報交換−

ハイレベルデータリンク制御

(HDLC)

手順

Information technology

−Telecommunications and information exchange

between systems

−High-level data link control (HDLC) procedures

序 文   こ の 規 格 は , 1997 年 に 第 1 版 と し て 発 行 さ れ た ISO/IEC 13239, Information technology −

Telecommunications and information exchange between systems

−High-level data link control (HDLC) procedures

について,技術的内容を変更することなく日本工業規格として採用するために作成されたものであり,1.

については原国際規格の同項目を全文翻訳し,2.以降については,それぞれ原国際規格の同項目の内容を

引用するものとした。

1.

適用範囲  この規格は,符号上の制約を受けることのないハイレベルデータリンク制御(以下,HDLC

という。

)手順を用いるデータ通信システムにおける,フレーム構成,手順要素,手順クラス,はん(汎)

用 XID (Exchange Identification)  フレームの内容及び形式,交換環境でのデータリンク層アドレスの解決・

交渉方法について規定する。

備考 HDLC 手順において“符号上の制約を受けることのない”という表現は,HDLC の制御のため

に使用される各サブフィールドをビット数を単位とした配置に対応する。しかし,フレーム全

体としては,伝送のためにオクテット単位で構成してもよい(例,調歩式)

フレーム構成は,フレームの各要素の相対的位置,フレーム区切りシーケンス(以下,フラグシーケン

スという。

)のビット構成,及びフレーム内におけるビットパターンの独立性を実現するために用いる機構

を規定する。さらに,2 種類のフレーム検査シーケンス(以下,FCS という。

,アドレス部の拡張方法,

及びアドレスの用法を規定する。

手順要素は,両方向で独立なフレームの番号付けを用いた同期式又は調歩式でコード透過のデータ伝送

のためのデータリンク制御手順の手順要素を規定する。

HDLC

の手順要素は,二次局,従属局,同位局又は複合局がコマンドを受信したときに実行すべき動作

によって規定する。

この規格は,片方向通信,両方向交互通信,両方向同時通信などの局間通信,さらに,局間の回線とし

ては,マルチポイント接続・ポイントツーポイント接続,全二重・半二重,交換・非交換,同期式・調歩

式などの広範囲に適用する。

この規格は,あらゆる型の HDLC の手順に共通な HDLC 手順要素を規定するものとし,特定のシステム

における手順を規定するものではない。各システムは,この規格で規定するコマンド及びレスポンスのす


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X 5203 : 1998 (ISO/IEC 13239 : 1997)

べてを実装する必要はない。

手順クラスは,同期式又は調歩式のデータ伝送のための HDLC 不平衡手順クラス,HDLC 平衡手順クラ

ス及び HDLC コネクションレス手順クラスを規定する。

不平衡クラスでは,データリンクは,一つの一次局と一つ以上の二次局とから構成され,ポイントツー

ポイント構成又はマルチポイント構成で,正規応答モード又は非同期応答モードによって動作する。平衡

クラスでは,データリンクは,二つの複合局から構成され,ポイントツーポイント構成で,非同期平衡モ

ードによって動作する。不平衡コネクションレスクラスでは,データリンクは,一つの制御局と一つ以上

の従属局とから構成され,ポイントツーポイント構成又はマルチポイント構成で,不平衡コネクションレ

ス型によって動作する。平衡コネクションレスクラスでは,データリンクは,二つの同位局から構成され,

ポイントツーポイント構成で,平衡コネクションレス型によって動作する。各クラスにおいて,基本機能

とするコマンド及びレスポンスを定めるが,データリンクの能力を,付加機能によって変更することもで

きる。

平衡動作は,データリンクの両側において等しい制御を要求する環境での使用を想定している。動作要

求は,HDLC アーキテクチャ全体に従って定められる。

XID

フレームの内容及び形式は,二つ以上の HDLC 局間でのデータリンク情報交換のために主に使用す

る XID フレームの内容及び形式を規定する。データリンク情報は,各局に関係する,識別,認証,及び/

又は付加機能と能力の選択のような本質的動作特性を含む。この規格は,一つ以上の局が複数選択の能力

をもつときに,動作特性を確立するための単一交渉の手順を規定する。

この規格は,通信を望む二つの通信者間のデータリンクコネクションを確立するため,最小限の必要な

情報交換の方法を規定する。この規格は,はん(汎)用 XID フレームの情報部の内容及び形式を規定する。

この規格は,基本 HDLC 標準だけに関連した情報のビット指定を規定する。規定された基本パラメタの

交渉と同時に,はん(汎)用 XID フレーム情報部を単一 XID 交換における私設パラメタ交渉で用いるこ

とができる機構を規定する。

この規格は,XID フレームの情報部の使用において,特定の適用での使用のための他の規格で規定した

形式に制限又は制約を与えない。

XID

コマンドフレームと XID レスポンスフレーム交換の可能な使い方の例を次に示す。

a)

回線交換網を使用した場合の発呼局及び着呼局の識別(交換網を予備として適用した場合も含む。

b)

非交換網で動作する局で起動時に識別を必要とする局の識別。

c)

データリンクの確立前又は確立後,データリンク上の他の局からの XID レスポンスフレームを勧誘す

るために,個別アドレス,グループアドレス又はオールステーションアドレスの XID コマンドフレー

ムの使用。

d) 16

ビット FCS と 32 ビット FCS との両方の能力をもつ局で,その後の情報交換で使用する FCS の交

渉。

e)

データリンクの確立前に要求される高位層の情報の運搬。

f)

データリンクの確立後,動作パラメタ(例えば,ウインドウサイズ。)を変更するために,XID 交換

を要求する目的であらゆる応答の機会における XID レスポンスフレームの送信。

g)

ヘッダ部検査付き非番号制情報 (UIH) フレーム使用時のフレームの保護ビット数の交渉。

交換環境でのデータリンク層アドレスの解決・交渉方法は,HDLC 平衡クラス手順を使用し,二つの特

定のパラメタ部の XID コマンド及び XID レスポンスの能力をもつデータ局に適用する。交換回線でのデ

ータリンクのように,前もって割り当てたシステムのアドレスが未知のときに,動作リンクアドレスの組


3

X 5203 : 1998 (ISO/IEC 13239 : 1997)

を選択する。その他の XID フレーム機能(動作パラメタ,使用するコマンド及びレスポンス,高位層情報

などの交換を含む。

)は,データリンク層アドレス決定とともに行ってもよいし,アドレス決定に引き続い

て新たな XID フレーム交換によって行ってもよい。

備考  相手 DTE が,8.で規定する XID フレーム,オールステーションアドレス又は完全なアドレス能

力をもっていない場合,アドレス解決手順は,この規格の適用範囲外とする。

2.

引用規格 

ISO/IEC 13239 : 1997

の 2.Normative reference による。

3.

用語及び略語  ISO/IEC 13239 : 1997 の 3.Definitions, acronyms and abbreviations による。

4.

HDLC

フレーム構成  ISO/IEC 13239 : 1997 の 4.HDLC frame structure による。

5.

HDLC

手順要素  ISO/IEC 13239 : 1997 の 5.HDLC elements of procedures による。

6.

HDLC

手順クラス  ISO/IEC 13239 : 1997 の 6.HDLC classes of procedures による。

7.

はん(汎)用 XID フレーム  ISO/IEC 13239 : 1997 の 7.General purpose Exchange Identification (XID)

frame

による。

8.

交 換 環 境 で の デ ー タ リ ン ク 層 ア ド レ ス の 解 決 ・ 交 渉 方 法   ISO/IEC 13239 : 1997 の 8. 

Resolution/negotiation of data link layer address in switched environments

による。

附属書 A(参考)  フレーム検査シーケンス (FCS) の実装に関する解説  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex 

A. Explanatory notes on the implementation of the frame checking sequence

による。

附属書 B(参考)  コマンドとレスポンスの使用例  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex B. Example of the use of

commands and responses

による。

附属書 C(参考)  NRMARM 及び ABM のタイムアウト機能に関する考察  ISO/IEC 13239 : 1997 の

Annex C. Time-out function considerations for NRM, ARM and ABM

による。

附属書 D(参考)  典型的な HDLC 手順のサブセット例  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex D. Examples of

typical HDLC procedural subsets

による。

附属書 E(参考)  FCS 交渉例  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex E. Illustrative examples of FCS negotiation

による。

附属書 F(参考)  LAPB X.25 DTE との通信のガイドライン  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex F. Guidelines

for communicating with LAPB X.25 DTEs

による。


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X 5203 : 1998 (ISO/IEC 13239 : 1997)

附属書 G(参考)  SREJ フレームの情報部のビット構成例  ISO/IEC 13239 : 1997 の Annex G. Example of

information field encoding in multi-selective reject frames

による。

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

川  合      慧

東京大学

上  村  正  弘

財団法人日本規格協会

兼  谷  明  男

工業技術院標準部

河  中  秀  充

日本電信電話株式会社

栗  川  正  仁

工業技術院標準部

近  藤  昭  弘

株式会社日立製作所

竹田原  昇  司

通商産業省機械情報産業局

辻      宏  郷

三菱電機株式会社

徳  永  英  二

規格調整委員

中  村  茂  之

日本アイ・ビー・エム株式会社

楡  木  武  久

社団法人日本電子工業振興協会

藤  崎  正  人

日本電気株式会社

森      紘  一

富士通株式会社

森      宗  正

規格調整委員

庭  山  正  幸

日本ユニシス株式会社

(事務局)

高  橋      澄

財団法人日本規格協会