2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 5103-1982
データ回線終端装置とデータ
端末装置とのインタフェース
(37/9ピンインタフェース)
The Interface between Data Circuit Terminating Equipment (DCE)
and Data Terminal Equipment (DTE)
(37/9-pin Interface)
1. 適用範囲 この規格は,データ回線終端装置 (DCE) とデータ端末装置 (DTE) との間で,2進データ,
制御信号及びタイミング信号を転送するための37/9ピンコネクタを用いるインタフェースについて規定
する。
参考 このインタフェースは,CCITT(国際電信電話諮問委員会)勧告V.24,V.10及びV.11に準拠
したDCEで提供されるものである。
2. 適用条件 この規格の適用条件は,次のとおりとする。
2.1
同期方式 同期式及び非同期式とする。
2.2
回線種別 直通専用回線,分岐専用回線及び交換回線とする。
2.3
接続用ケーブル DTEとDCE間の接続用ケーブルは,通常DTE側に備える。
2.4
データ信号速度 相互接続回路が不平衡形複流方式の場合は100キロビット/秒以下,平衡形複流
方式の場合は10メガビット/秒以下とする。
参考 不平衡形複流相互接続回路の電気的特性はCCITT勧告V.10,平衡形複流相互接続回路の電気
的特性はV.11に準拠している。
2.5
分界線 物理的特性を定めるための分界線は,図1のとおりである。
図1 分界線
関連規格:18及び19ページに示す。
2
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3. コネクタ 分界線において使用するコネクタの形状・寸法及びピン番号は,図2及び図3のとおりと
する。
図2(a)はDCE側37ピンのコネクタ,図2(b)はDCE側9ピンのコネクタとし,いずれもそのピンはめす
形,シェルはおす形とする。
図3(a)は接続用ケーブル側の37ピンコネクタ,図3(b)は9ピンコネクタとし,いずれもそのピンはおす
形・シェルはめす形とする。
DCE側コネクタには,図2(a)及び図2(b)の右上部分に示すかん合固定台を取り付け,接続用ケーブル側
のコネクタを固定するために使用する。
37ピン及び9ピン間隔寸法は,それぞれ図4(a)及び図4(b)のとおりとする。
おす形及びめす形ピンの形状・寸法は,図5及び図6のとおりとする。
3
X
5
1
0
3
-1
9
8
2
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図2(a) DCE側コネクタ(37ピン)
注(1) 接続用ケーブル側コネクタのねじが使用できる深さ。
4
X
5
1
0
3
-1
9
8
2
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図2(b) DCE側コネクタ(9ピン)
注(2) 接続用ケーブル側コネクタのねじが使用できる深さ。
5
X
5
1
0
3
-1
9
8
2
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図3(a) 接続用ケーブル側コネクタ(37ピン)
6
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図3(b) 接続用ケーブル側コネクタ(9ピン)
7
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図4(a) ピン間隔寸法
図4(b) ピン間隔寸法(9ピン)
8
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図5 おす形ピン
図6 めす形ピン
注(3) 角状のおす形テストピンによって測定される接触部分の長さ。
(4) 直径寸法は,おす形ピンが挿入されたとき,電気的接触が維持で
きる寸法であること。
4. ピン配列 各相互接続回路の37ピンコネクタにおけるピン配列は,その回路の形式(平衡/不均衡)
に応じて表1のとおりとし,また,9ピンコネクタにおけるピン配列は,表2(不平衡形相互接続回路だけ)
のとおりとする。DCEがバックワードチャネル機能を有するときは,9ピンコネクタを合わせて使用する。
なお,DTE及びDCEが使用する相互接続回路の形式の組合せに応じた相互接続方法は,附属書による。
9
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表1 37ピンコネクタのピン配列
相互接続回路
形式
ピン番号
相互接続回路番号
U(6)
B(6)(7)(8)
1
(5)
(5)
2
N
N
3
N
N
4
103
103 (A)
5
114
114 (A)
6
104
104 (A)
7
105
105 (A)
8
115
115 (A)
9
106
106 (A)
10
141
141
11
107
107 (A)
12
108(8)
108(9)(A)
13
109
109 (A)
14
140
140
15
125
125
16
(10)
(10)
17
113
113 (A)
18
142
142
19
102
102
20
102b
102b
21
N
N
22
102a
103 (B)
23
102b
114 (B)
24
102b
104 (B)
25
102a
105 (B)
26
102b
115 (B)
27
102b
106 (B)
28
N
N
29
102b
107 (B)
30
102a
108(9)(B)
31
102b
109 (B)
32
N
N
33
110
110
34
136
136
35
102a
113 (B)
36
N
N
37
102a
102a
表2 9ピンコネクタのピン配列
ピン番号
相互接続回路番号
1
(5)
2
122
3
118
4
119
5
102
6
102b
7
120
8
121
9
102a
U:相互接続回路の形式は不平衡形
B:相互接続回路の形式は平衡形
(一部不平衡形を含む)
N:将来国内で新しい相互接続回路に使用
するため留保したピン
注(5) ピン1は,保安用接地又はシールドされた接続用ケーブルのシールドの接続用として使用することができる。
(6) データ信号速度が9 600ビット/秒以下の場合は,相互接続回路は,不平衡形 (U) 及び平衡形 (B) のいず
れも適用できるが,9 600ビット/秒を超える場合は平衡形 (B) に限定される。
(7) 相互接続回路番号の添字 (A) 及び (B) は,図12に示す平衡形の相互接続回路の二つの信号線A及びBに
対応する。
(8) 相互接続回路の形式が平衡形 (B) の場合,回路105,106,107,108及び109は,不平衡形相互接続回路を
使用することができる。この場合,ピン25及び30は回路102aに,ピン27,29及び31は回路102bに接続
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する。
(9) 回路108/1又は回路108/2として使用する。
(10) 回路111又は回路126として使用する。
備考1. 相互接続回路番号は,表3の回路番号と同じである。
2. 相互接続回路の二つの形式 (U/B) の選択は,注(6)の条件以外は任意である。
5. 相互接続回路 分界線における相互接続回路の種類及び動作条件は,次のとおりとする。また,相互
接続回路一覧表を表3に示す。
表3 相互接続回路一覧表
相互接続
回路番号
相互接続回路名称
略号
信号方向
DCEへ DCEから
102
信号用接地又は共通帰線
SG
(方向性なし)
102a
DTE共通帰線
Ga
(方向性なし)
102b
DCE共通帰線
Gb
(方向性なし)
103
送信データ
SD
○
104
受信データ
RD
○
105
送信要求
RS
○
106
送信可
CS
○
107
データセットレディ
DR
○
108/1
データセット線路接続
CDL
○
108/2
データ端末レディ
ER
○
109
データチャネル受信キャリア検出
CD
○
110
データ信号品質検出
SQD
○
111
データ信号速度選択 (DTE)
SRS
○
113
送信信号エレメントタイミング (DTE)
ST1
○
114
送信信号エレメントタイミング (DCE)
ST2
○
115
受信信号エレメントタイミング (DCE)
RT
○
118
バックワードチャネル送信データ
BSD
○
119
バックワードチャネル受信データ
BRD
○
120
バックワードチャネル送信要求
BRS
○
121
バックワードチャネル送信可
BCS
○
122
バックワードチャネル受信キャリア検出
BCD
○
125
被呼表示
CI
○
126
送信周波数選択
SSF
○
136
ニューシグナル
NS
○
140
ループバック/保守試験
RLB
○
141
近端ループバック
LLB
○
142
試験表示
TI
○
参考 相互接続回路番号は,CCITT勧告の回路番号と同じである。
5.1
回路102(11)−信号用接地又は共通帰線 この回路は,集積回路によるはん(汎)用の不平衡複流及
び平衡複流相互接続回路に対して基準電位を与える。また,この回路は,DCE内で一点にまとめ,必要に
応じてこの点をストラップ線によって,装置の内部で保安用接地と接続又は切り離しができること。
5.2
回路102(11)−DTE共通帰線 この回路は,DTE回路の共通帰線と接続され,DCE内の集積回路によ
るはん(汎)用の不平衡複流相互接続回路の受信器の基準電位として使用する。
5.3
回路102(11)−DCE共通帰線 この回路は,DCE回路の共通帰線に接続され,DTE内の集積回路に
よるはん(汎)用の不平衡複流相互接続回路の受信器の基準電位として使用する。
注(11) 集積回路によるはん(汎)用の不平衡及び平衡複流相互接続回路が,同一インタフェースで混
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合使用される場合には,回路102aと回路102b及び回路102又は保安用接地が必要に応じて別々
に用意されなければならない。
5.4
回路103−送信データ回路(信号方向:DCEへ) DTEからの送信データ信号は,線路を通して相
手側へ伝送するために,この回路を経由してDCEへ送られる。
DTEは,次の4回路のすべてがオンになるまで,この回路にデータを送信してはならない。また,4回
路のすべてがオン状態になっている場合,この回路に転送されたデータはすべてDCEによって送信されな
ければならない。
(a) 回路105:送信要求
(b) 回路106:送信可
(c) 回路107:データセットレディ
(d) 回路108/1又は回路108/2:データセット線路接続又はデータ端末レディ
5.5
回路104−受信データ回路(信号方向:DCEから) 相手側から送ってくるデータ信号は,DCEで
受信され,この回路を通ってDTEへ転送される。
5.6
回路105−送信要求回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの送信機能を制御する。この回
路をオン状態にするとDCEは送信状態となり,回路107(データセットレディ)がオンであれば,回路状
態の調整(等化,同期,極性保持の解放など)に必要な線路信号の伝送が可能となる。
この回路のオン状態は,DTEが送信を要求している間及び回路103(送信データ)にデータを転送して
いる間,保持しなければならない。この回路がオフ状態の場合,DCEは回路103に転送されていたすべて
のデータの送信が完了した後,非送信状態となる。
この回路をいったんオフにすると,回路106(送信可)がオフになるまで再びオンにしてはならない。
5.7
回路106−送信可回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEがデータを送信できる状態にあ
るかどうかを示す。この回路のオン状態はDCEがデータを送信できることを示し,オフ状態はDCEがデ
ータを送信できない状態にあることを示す。
この回路のオン及びオフ状態は,回路105(送信要求)のオン及びオフ状態に応動する。
5.8
回路107−データセットレディ回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEが動作できるかど
うかを示す。この回路のオン状態は,DCEが線路に接続されてあり,データの伝送を開始するためにDTE
との間で制御信号の授受を行う準備ができていることを示す。この回路のオフ状態は,DCEが動作準備未
了であることを示す。ただし,この場合,回路125(被呼表示)は,動作可能とする。
5.9
回路108/1(12)−データセット線路接続回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路への接
続又は線路からの切替えを制御する。
この回路のオン状態によって,DCEは他の相互接続回路の状態とは無関係に線路に接続される。この回
路がオフ状態の場合,回路103(送信データ)と回路118(バックワードチャネル送信データ)の両者又は
片方に転送されていたデータの送信が完了した後,DCEは線路から切り離される。ただし,この場合,回
路125(被呼表示)は,動作可能である。
5.10 回路108/2(12)−データ端末レディ回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路への又は線
路からの切替えを制御する。
この回路のオン状態は,DTEの動作準備ができていることを示す。呼に対して自動応答するDCEは,
着呼信号とこの回路のオン状態に応じて線路に接続される。DTEは,データの授受の準備完了後,この回
路をオン状態にすることができる。
この回路がオフ状態の場合,DCEは,回路103(送信データ)と回路118(バックワードチャネル送信
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データ)の両方又は片方に転送されていたデータの送信が完了した後,線路から切り離される。ただし,
この場合,回路125(被呼表示)は,動作可能とする。
注(12) DCE内において,回路108/1による動作か,回路108/2による動作かの選定のための布線の選択
が準備されている。
5.11 回路109−データチャネル受信キャリア検出回路(信号方向:DCEから) この回路は,線路から
の受信信号が所定の範囲に入っているかどうかを示す。
この回路のオン状態は受信信号が所定の範囲に入っていることを示し,オフ状態は受信信号が所定の範
囲に入っていないことを示す。
5.12 回路110−データ信号品質検出回路(信号方向:DCElから) この回路は,線路からの受信データ
に誤りが発生した可能性があるかどうかを示す。
この回路のオン状態は誤りが発生した可能性がないことを示し,オフ状態は誤りが発生した可能性があ
ることを示す。
5.13 回路111−データ信号速度選択回路(信号方向:DCEへ)(DTEで発生) この回路は,二つのデ
ータ信号速度をもつ同期式DCEでそのうちの一つの信号速度を選定するため,又は二つのデータ信号速度
範囲をもつ非同期式DCEで,そのうちの一つの信号速度範囲を選定するために用いる。
この回路のオン状態は高い方の速度又は速度範囲を選定し,オフ状態は低い方の速度又は速度範囲を選
定する。
5.14 回路113−送信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEへ)(DTEで発生) この回路は,
DCEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は公称的には等間隔のオンとオフであり,オ
ンからオフヘの変換点が回路103(送信データ)の各信号エレメントの中央を示す(図7参照)。この回路
のタイミング信号が送信タイミングとしてDCEで用いられる場合,DTEはタイミング信号を発生できる
間,常にこの回路を通して送信タイミングを送らなければならない。タイミング信号を送れない間は,こ
の回路はオフ状態に保持されなければならない。
送信エレメントタイミング信号には,この回路113と回路114があるが,両方同時に使用されることは
ない。
5.15 回路114−送信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEから)(DCEで発生) この回路
は,DTEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は,公称的には等間隔のオンとオフであ
る。DTEは回路103(送信データ)に対して,回路114のオフからオンへの変換点に,信号の変換点が公
称的に現れるようデータ信号を送出する(図8参照)。
送信タイミングとしてこの回路のタイミング信号を用いる場合,DCEはタイミング信号を発生できる間,
常にこの回路を通して送信タイミングを送らなければならない。タイミング信号が送られていない間は,
この回路114はオフ状態に保持されなければならない。
送信信号エレメントタイミング回路には,回路113とこの回路114があるが,両方同時に使用されるこ
とはない。
5.16 回路115−受信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEから)(DCEで発生) この回路
は,DTEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は公称的には等間隔のオンとオフであり,
オンからオフヘの変換点が回路104(受信データ)の各信号エレメントの中央を示す(図9参照)。この回
路115のタイミング信号は,DCEがタイミング信号を発生できる間,常にこの回路を通して受信タイミン
グを送らなければならない。タイミング信号が送られない間は,回路115はオフ状態に保持されなければ
ならない。
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図7 送信信号エレメントタイミング(回路113)と送信データ(回路103)
図8 送信信号エレメントタイミング(回路114)と送信データ(回路103)
図9 受信信号エレメントタイミング(回路115)と受信データ(回路104)
5.17 回路118−バックワードチャネル送信データ回路(信号方向:DCEへ) この回路は,バックワー
ドチャネルを通してデータを送るということを除いては,回路103(送信データ)と同じとする。
5.18 回路119−バックワードチャネル受信データ回路(信号方向:DCEから) この回路は,バックワ
ードチャネルでデータを受信するということを除いては,回路104(受信データ)と同じとする。
5.19 回路120−バックワードチャネル送信要求回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEのバック
ワードチャネルの送信機能を制御する。この回路をオン状態にすると,DCEのバックワードチャネルは送
信状態になり,オフ状態にすると,DCEは回路118(バックワードチャネル送信データ)に転送されてい
たすべてのデータの送信が完了した後,バックワードチャネルを非送信状態にする。
この回路のオン状態は,DTEが送信を要求している間及び回路118(バックワードチャネル送信データ)
にデータを転送している間,保持されなければならない。また,この回路をいったんオフにすると,回路
121(バックワードチャネル送信可)がオフになるまで,再びオンにしてはならない。
5.20 回路121−バックワードチャネル送信可回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEがバック
ワードチャネルにデータを送信できる状態にあるかどうかを示す。
この回路のオン状態はDCEがバックワードチャネルにデータを送信できることを示し,オフ状態はデー
タを送信できないことを示す。
5.21 回路122−バックワードチャネル受信キャリア検出回路(信号方向:DCEから) この回路は,バ
ックワードチャネルの線路からの受信信号が所定の範囲に入っているかどうかを示す。
この回路のオン状態はバックワードチャネルの受信信号が所定の範囲に入っていることを示し,オフ状
態は受信信号が所定の範囲に入っていないことを示す。
5.22 回路125−被呼表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEが着呼信号を受信しているか
どうかを表示する。この回路のオン状態は着呼信号を受信していることを示し,オフ状態は着呼信号を受
信していないことを示す。
5.23 回路126−送信周波数選択回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの必要な送信周波数を選
択する。
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この回路のオン状態は高い方の送信周波数を選択し,オフ状態は低い方の送信周波数を選択する。
5.24 回路136−ニューシグナル回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路信号受信部の応答
時間を制御する。この回路のオン状態は,DCEの線路信号受信部に,線路信号の消失を速やかに検出する
準備を行うよう指示する(例えば,回路109に関する応答時間回路を無効にする。)。
受信線路信号が,受信キャリア検出器のいき(閾)値以下に低下した後,DCEは,
(1) 回路109(データチャネル受信キャリア検出)をオフにし,かつ
(2) 新しい線路信号の出現を速やかに検出する準備を行う(例えば受信タイミング再生回路をリセットす
る。)。回路136は,いったんオンになれば,1単位間隔後オフにしてもよい。また,回路109(データ
チャネル受信キャリア検出)がオフになった後は,回路136はオフにしなければならない。その他の
いかなる場合も回路136はオフでなければならない。
5.25 回路140−ループバック/保守試験回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEのループバック
又はその他の保守試験状態を起動及び解除する。この回路のオン状態は保守試験状態を起動し,オフ状態
は保守試験状態を解除する。
この回路は,回路103(送信データ)の符号化命令とともに用いることができる。回路103を使用しな
い,すなわち符号化命令を使用しない場合は,回路140は遠隔ループバック(ループ2)だけを制御する
(図10参照)。回路103を使用する場合は他の保守試験も可能である。
回路140によるループ2試験の場合,回路106(送信可)は回路140によって制御し,回路105(送信要
求)はDCEで無視される。
5.26 回路141−近端ループバック回路(信号方向:DCEへ) この回路は,近端DCEでのループ3試験
状態を制御するために用いられる(図10参照)。
この回路のオン状態は近端DCEでのループ3試験状態を設定し,オフ状態はループ3試験状態を解除す
る。
5.27 回路142−試験表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,保守試験状態かどうかを示す。こ
の回路のオン状態はDCEが試験状態にあり,DTEからのデータの送受信ができないことを示し,オフ状
態はDCEが試験状態でないことを示す。
図10 ループ2/ループ3の定義
備考 図10は,DTE Aから見た場合のループの定義を示しているが,DTE Bから見た場
合も対称的なループ構成が存在する。
6. 電気的特性
6.1
不平衡複流相互接続回路の電気的特性 相互接点における電気的特性は,次のとおりとする。
6.1.1
相互接続回路 相互接続回路は,図11に示すとおりとする。
15
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図11 相互接続回路
6.1.2
信号発生器のインピーダンス A点とC点における信号発生器のインピーダンスは,50Ω以下とす
る。
6.1.3
受信器のインピーダンス A'点とB'点における受信器のインピーダンスは,100Ω以上とする。
6.1.4
信号発生器の開放回路電圧 信号発生器の開放回路電圧の大きさは,A点とC点の間を3 900Ω純
抵抗によって終端した状態で,4V以上かつ6V以下とする。
6.1.5
信号電圧 信号発生器の信号電圧の大きさは,A点とC点との間を450Ω純抵抗によって終端した
状態で,開放回路電圧の90%以上とする。
6.1.6
受信器の開放回路電圧 A'点とB'点における受信器の開放回路電圧の大きさは,3V以下とする。
6.1.7
受信器の入力電圧と電流 受信器の入力電流の大きさは,C'点とB'点を短絡しC'点とA'点との間
に大きさ3Vの電圧を印加した状態で,31.5mA以下とする。また,C'点とA'点とを短絡した状態における
C'点とB'点との入力電圧に対する入力電流も同様とする。
6.1.8
信号の識別 受信器は,B'点に対するA'点の電圧が+0.3V以上か,−0.3V以下かによって,表4
のとおり識別しなければならない。
表4 信号の識別
電圧
データ信号
タイミング及び制御信号
+0.3V以上
0
オン
−0.3V以下
1
オフ
6.2
平衡複流相互接続回路の電気的特性 相互接続点における電気的特性は,次のとおりとする。
6.2.1
相互接続回路 相互接続回路は,図12のとおりとする。
6.2.2
信号発生器のインピーダンス A点とB点における信号発生器のインピーダンスは,100Ω以下と
する。
6.2.3
受信器のインピーダンス A'点とB'点における受信器のインピーダンスは,100Ω以上とする。
6.2.4
信号発生器の開放回路電圧 信号発生器の開放回路電圧の大きさは,A点とB点の間を3 900Ω純
抵抗によって終端した状態で,6V以下とする。また,A点とC点及びB点とC点との間の開放回路電圧
の大きさも同様とする。
6.2.5
信号電圧 信号発生器の信号電圧の大きさは,A点とB点との間を100Ω純抵抗によって終端した
状態で,2V以上かつ信号発生器開放回路電圧の50%以上とする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図12 相互接続回路
6.2.6
信号発生器の対地電圧の算術平均 A点とB点との間を100Ω純抵抗によって終端した状態で,C
点に対するA点及びB点の電圧の算術平均は3V以下とする。
6.2.7
受信器の開放回路電圧 A'点とB'点における受信器の開放回路電圧の大きさは,3V以下とする。
6.2.8
受信器入力電圧と電流 受信器の入力電流の大きさは,C'点とB'点を短絡しC'点とA'点との間に
大きさ3Vの電圧を印加した状態で,31.5mA以下とする。また,C'点とA'点とを短絡した状態における
C'点とB'点の入力電圧に対する入力電流も同様とする。
6.2.9
信号の識別 受信器はB'点に対するA'点の電圧が+0.3V以上か,−0.3V以下かによって,表5の
とおり識別しなければならない。
表5 信号の識別
電圧
データ信号
タイミング及び制御信号
+0.3V以上
0
オン
−0.3V以下
1
オフ
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附属書 相互接続回路の相互接続方法
1. 適用範囲 この附属書は,データ回線終端装置 (DCE) とデータ端末装置 (DTE) の相互接続回路の形
式に応じた相互接続方法を規定する。
2. 相互接続法 DCE及びDTEの相互接続回路は,平衡形と不平衡形の形式のいずれかを使用する。こ
れら平衡形及び不平衡形相互接続回路の相互接続方法を回路102,103及び104を例にとり,附属書図1
〜4に示す。
なお,図中の記号は,本文の図11及び図12で使用している記号と同一とする。
附属書図1 相互接続回路の形式がDTE,DCEともに不平衡形の場合の相互接続
附属書図2 相互接続回路の形式が,DTEは平衡形,DCEは不平衡形の場合の相互接続
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附属書図3 相互接続回路の形式が,DTEは不平衡形,DCEは平衡形の場合の相互接続
附属書図4 相互接続回路の形式が,DTE,DCEともに平衡形の場合の相互接続
関連規格:JIS X 5101 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(25ピンインタフェー
ス)
JIS X 5102 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(15ピンインタフェー
ス)
ISO 2110 データ通信−25ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
ISO 4902 データ通信−37ピン及び9ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
ISO 4903 データ通信−15ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
CCITT勧告V.10(又はX.26) データ通信分野でIC回路を用いた装置に一般的に使用される
不平衡形複流相互接続回路の電気的特性
CCITT勧告V.11(又はX.27) データ通信分野でIC回路を用いた装置に一般的に使用される
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
平衡形複流相互接続回路の電気的特性
CCITT勧告V.21 一般交換電話網用に標準化された300ボーモデム
CCITT勧告V.23 一般交換電話網用に標準化された600/1 200ボーモデム
CCITT勧告V.24 データ端末装置とデータ回線終端装置間の相互接続回路の定義
CCITT勧告V.26 4線式専用回線用に標準化された2 400bit/sモデム
CCITT勧告V.26 bis 一般交換電話網用に標準化された2 400/1 200bit/sモデム
CCITT勧告V.27 専用回線用に標準化された手動等化器付4 800bit/sモデム
CCITT勧告V.27 bis 専用回線用に標準化された自動等化器付4 800bit/sモデム
CCITT勧告V.27 ter 一般交換電話網用に標準化された4 800/2 400bit/sモデム
CCITT勧告V.28 不平衡複流相互接続回路の電気的特性
CCITT勧告V.29 専用回線用に標準化された9 600bit/sモデム
CCITT勧告V.36 60〜108kHz群帯域回線を用いる同期式データ伝送用モデム
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工業標準新規・改正調査委員会名簿
氏名
所属
(委員長)
近 藤 久
日本電信電話公社
(幹事)
高 井 啓
日本電信電話公社
沖 見 勝 也
日本電信電話公社
(委員)
赤 木 董 行
日本電気株式会社
榎 本 誠 一
株式会社横浜銀行
河 本 清 人
日本アイ・ビー・エム株式会社
斉 藤 幸 夫
三菱電機株式会社
渋 谷 隆 弘
沖電気工業株式会社
新 谷 外 吉
国際電信電話株式会社
瀬 川 彰
労働省
高 木 幹 雄
東京大学
高 田 裕 司
富士通株式会社
辻 義 信
通商産業省
成 沢 宏
株式会社日立製作所
松 尾 勇 二
郵政省
丸 木 義 勝
ブリヂストンタイヤ株式会社
遊 佐 滉
日本国有鉄道
横 井 平 三
株式会社日通総合研究所
伊 東 厚
工業技術院標準部
山 本 順 一
財団法人日本情報処理開発協会