2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 5102-1982
データ回線終端装置とデータ端末装置との
インタフェース(15ピンインタフェース)
The Interface between Data Circuit Terminating Equipment (DCE)
and Data Terminal Equipment (DTE)
(15-pin Interface)
1. 適用範囲 この規格は,データ回線終端装置 (DCE) とデータ端末装置 (DTE) との間で,2進データ,
制御信号及びタイミング信号を転送するための15ピンコネクタを用いるインタフェースについて規定す
る。
参考 このインタフェースは,CCITT(国際電信電話諮問委員会)勧告X.24, X.26(又はV.10)及び
X.27(又はV.11)に準拠したDCEで提供されるものである。
2. 適用条件 この規格の適用条件は,次のとおりとする。
2.1
同期方式 同期式及び非同期式とする。
2.2
回線種別 直通専用回線,分岐専用回線及び交換回線とする。
2.3
接続用ケーブル DTEとDCE間の接続用ケーブルは,通常DTE側に備える。
2.4
データ信号速度 相互接続回路が不平衡形複流方式の場合は100キロビット/秒以下,平衡形複流
方式の場合は10メガビット/秒以下とする。
参考 不平衡形複流相互接続回路の電気的特性はCCITT勧告X.26(又はV.10),平衡形複流相互接続
回路の電気的特性はX.27(又はV.11)に準拠している。
2.5
分界線 物理的特性を定めるための分界線は,図1のとおりとする。
図1 分界線
関連規格:12ページに示す。
2
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3. コネクタ 分界線において使用するコネクタの形状・寸法及びピン番号は,図2及び図3のとおりと
する。図2は,DCE側のコネクタとし,そのピンはめす形,シェルはおす形とする。図3は,接続用ケー
ブル側のコネクタとし,そのピンはおす形,シェルはめす形とする。
DCE側コネクタには,図2の右上部分に示す かん合固定台を取り付け,接続用ケーブル側のコネクタ
を固定するために使用する。
ピンの間隔寸法は,図4のとおりとする。
おす形及びめす形ピンの形状・寸法は,図5及び図6のとおりとする。
図2 DCE側コネクタ
注(1) 接続用ケーブル側コネクタのねじが使用できる深さ。
3
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図3 接続用ケーブル側コネクタ
図4 ピン間隔寸法
4
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図5 おす形ピン
図6 めす形ピン
注(2) 角状のおす形テストピンによって測定される接触部分の長さ。
(3) 直径寸法は,おす形ピンが挿入されたとき電気的接触が維持できる寸法
であること。
4. ピン配列 各相互接続回路のピン配列は,使用するDCE及びDTEの種別及び相互接続回路の形式(平
衡/不平衡)に応じて表1のとおりとする。
なお,DTE及びDCEが使用する相互接続回路の形式の組合せに応じた相互接続方法は,附属書による。
5
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表1 ピン配列
DCE種別
DTE
種別
相互接続回路形式
ピン番号
相互接続回路記号
200/300/1 200ビット/秒
非同期DCE
2 400/ 4800/9 600ビット/秒
48キロビット/秒 及び それ以上
同期DCE
200/300/1 200ビット/秒
非同期DTE
2 400/4 800/
9 600ビット/秒
同期DTE
2 400/4 800/9 600ビット/秒
48キロビット/秒 及び それ以上
同期DTE
U
B(5)
UB(5)
B(5)
1
(4)
(4)
(4)
(4)
2
T
T(A)
T
T(A)
3
−
−
C
C(A)
4
R
R(A)
R(A)
R(A)
5
−
−
I(A)
I(A)
6
−
−
S(A)
S(A)
7
−
−
(6)
(6)
8
G
G
G
G
9
Ga
T(B)
Ga
T(B)
10
−
−
Ga
C(B)
11
Gb
R(B)
R(B)
R(B)
12
−
−
I(B)
I(B)
13
−
−
S(B)
S(B)
14
−
−
(6)
(6)
15
F
F
F
F
(参考)
DCEの基本仕様を規定し
ているCCITT勧告
X.20
X.21
U
:相互接続回路の形式は不平衡形
UB
:相互接続回路の形式は平衡/不平衡混在形
B
:相互接続回路の形式は平衡形
F
:将来国際標準として新しい相互接続回路に使用するため留保したピ
ン
注(4) ピン1は,保安用接地又はシールドされた接続用ケーブルのシールドの接続用として使用することができる。
(5) 相互接続回路記号の添字(A)及び(B)は,図8に示す平衡形の相互接続回路の二つの信号線A及びBに対応す
る。
(6) DCEが保守試験状態になった時にだけ送信信号エレメントタイミング回路として使用する。
なお,同回路の(A)側はピン7, (B)側はピン14に接続する。
備考1. 相互接続回路記号は,表2の回路記号と同じである。
2. 相互接続回路の二つの形式(U/B及びUB/B)の選択は,表に示した範囲内では任意である。
5. 相互接続回路 分界線における相互接続回路の種類及び動作条件は,次のとおりとする。また,相互
接続回路一覧表を表2に示す。
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表2 相互接続回路一覧表
相互接続
回路記号
相互接続回路名称
信号方向
DCEへ DCEから
G
信号用接地 又は 共通帰線
(方向性なし)
Ga
DTE共通帰線
○
Gb
DCE共通帰線
○
T
送信
○
R
受信
○
C
制御
○
I
表示
○
S
信号エレメントタイミング
○
参考 相互接続回路記号は,CCITT勧告の回路記号と同じで
ある。
5.1
回路G−信号用接地又は共通帰線 この回路は,集積回路によるはん(汎)用の不平衡及び平衡複
流相互接続回路に対して直流基準電位を与える。また,この回路は,DCE内で1点にまとめ,必要に応じ
てこの点をストラップ線によって装置の内部で保安用接地と接続又は切離しができること。
5.2
回路Ga−DTE共通帰線 この回路は,DTE回路の共通帰線に接続され,DCE内の集積回路による
はん(汎)用不平衡複流相互接続回路の受信器の基準電位として使用する。
5.3
回路Gb−DCE共通帰線 この回路は,DCE回路の共通帰線に接続され,DTE内の集積回路による
はん(汎)用不平衡複流相互接続回路の受信器の基準電位として使用する。
5.4
回路T−送信回路(信号方向:DCEへ) データ転送フェーズにおいて,DTEからの送信データ信
号は,線路を通して相手側へ伝送するために,この回路を経由してDCEへ送られる。また,呼設定及びそ
の他の呼制御フェーズにおいて,DTEからの呼制御信号もこの回路を経由してDCEへ送られる。
5.5
回路R−受信回路(信号方向:DCEから) データ転送フェーズにおいて,相手側から送ってくる
データ信号は,DCEで受信され,この回路を通ってDTEへ転送される。また,呼設定及び呼制御フェー
ズにおいて,相手側から送られてくる呼制御信号も,DCEで受信され,この回路を通ってDTEに転送さ
れる。
5.6
回路C−制御回路(信号方向:DCEへ) この回路は,特定の信号処理のために,DCEを制御する。
データ転送フェーズでは,この回路は,オン状態に保持されなければならない。呼制御フェーズにおいて
は,この回路の状態は,インタフェースの手順の特性に従わなければならない。
5.7
回路I−表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,DTEに呼制御過程の状態を表示する。こ
の回路のオン状態は回路R(受信データ)上の信号に相手側DTEからの情報が含まれていることを意味し,
オフ状態は回路R(受信データ)上のビット列によって定義される制御信号状態を意味する。
5.8
回路S−信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEから) この回路は,DTEに信号エレメ
ントタイミング情報を与える。この回路の状態は,公称的には等間隔のオンとオフとする。
DTEは,回路T(送信データ)に対しては2進信号を,回路C(制御)に対しては状態信号を,この回
路のオフからオンヘの変換点に,各信号の変換点が公称的に現れるように送出する。
DCEは,回路R(受信データ)に対しては2進信号を,回路I(表示)に対しては状態信号を,この回
路Sのオフからオンヘの変換点に,各信号の変換点が公称的に現れるように送出する。
DCEは,タイミング源がこの情報を発生することができる限り,常にインタフェースを介して,この回
路S上に信号エレメントタイミング情報を転送しなければならない。
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6. 電気的特性
6.1
不平衡複流相互接続回路の電気的特性 相互接続点における電気的特性は,次のとおりとする。
6.1.1
相互接続回路 相互接続回路は,図7に示すとおりとする。
図7 相互接続回路
6.1.2
信号発生器のインピーダンス A点とC点における信号発生器のインピーダンスは,50Ω以下とす
る。
6.1.3
受信器のインピーダンス A′点とB′点における受信器のインピーダンスは,100Ω以上とする。
6.1.4
信号発生器の開放回路電圧 信号発生器の開放回路電圧の大きさは,A点とC点との間を3 900Ω
純抵抗によって終端した状態で,4V以上かつ6V以下とする。
6.1.5
信号電圧 信号発生器の信号電圧の大きさは,A点とC点との間を450Ω純抵抗により終端した状
態で,開放回路電圧の90%以上とする。
6.1.6
受信器の開放回路電圧 A′点とB′点における受信器の開放回路電圧の大きさは,3V以下とす
る。
6.1.7
受信器入力電圧と電流 受信器の入力電流の大きさは,C′点とB′点とを短絡しC′点とA′点
との間に大きさ3Vの電圧を印加した状態で,31.5mA以下とする。また,C′点とA′点とを短絡した状
態におけるC′点とB′点の入力電圧に対する入力電流も同様とする。
6.1.8
信号の識別 受信器は,B′点に対するA′点の電圧が+0.3V以上か,−0.3V以下かによって表3
のとおり識別しなければならない。
表3 信号の識別
電圧
データ信号
タイミング及び制御信号
+0.3V 以上
0
オン
−0.3V 以下
1
オフ
6.2
平衡複流相互接続回路の電気的特性 相互接続点における電気的特性は,次のとおりとする。
8
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6.2.1
相互接続回路 相互接続回路は,図8に示すとおりとする。
図8 相互接続回路
6.2.2
信号発生器のインピーダンス A点とB点における信号発生器のインピーダンスは,100Ω以下と
する。
6.2.3
受信器のインピーダンス A′点とB′点における受信器のインピーダンスは,100Ω以上とする。
6.2.4
信号発生器の開放回路電圧 信号発生器の開放回路電圧の大きさは,A点とB点との間を3900Ω
純抵抗によって終端した状態で,6V以下とする。また,A点とC点及びB点とC点との間の開放回路電
圧の大きさも同様とする。
6.2.5
信号電圧 信号発生器の信号電圧の大きさは,A点とB点との間を100Ω純抵抗によって終端した
状態で,2V以上かつ信号発生器開放回路電圧の50%以上とする。
6.2.6
信号発生器の対地電圧の算術平均 A点とB点との間を100Ω純抵抗によって終端した状態で,C
点に対するA点及びB点の電圧の算術平均は3V以下とする。
6.2.7
受信器の開放回路電圧 A′点とB′点における受信器の開放回路電圧の大きさは,3V以下とす
る。
6.2.8
受信器入力電圧と電流 受信器の入力電流の大きさは,C′点とB′点を短絡しC′点とA′点と
の間に大きさ3Vの電圧を印加した状態で,31.5mA以下とする。また,C′点とA′点とを短絡した状態
におけるC′点とB′点の入力電圧に対する入力電流も同様とする。
6.2.9
信号の識別 受信器は,B′点に対するA′点の電圧が+0.3V以上か,-0.3V以下かによって,表
4のとおり識別しなければならない。
表4 信号の識別
電圧
データ信号
タイミング及び制御信号
+0.3V 以上
0
オン
−0.3V 以下
1
オフ
9
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附属書 相互接続回路の相互接続方法
1. 適用範囲 この附属書は,データ回線終端装置 (DCE) とデータ端末装置 (DTE) の相互接続回路の形
式に応じた相互接続方法を規定する。
2. 相互接続方法 DCE及びDTEの相互接続回路は,平衡形,不平衡形及び平衡/不平衡混在形の形式
のいずれかを使用する。これら相互接続回路の形式の組合せに応じた相互接続方法を回路T, R及びGを例
にとり,附属書図1〜5に示す。
なお,図中の相互接続回路の形式の記号は本文表1で使用している記号と,また,相互接続回路の記号 (A,
B, C) は本文の図7及び図8で使用している記号と同一とする。
附属書図1 相互接続回路の形式が,DTE, DCEともに不平衡 (U1) の場合の相互接続
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附属書図2 相互接続回路の形式が,DTEは平衡形 (B), DCEは不平衡形 (U) の場合の相互接続
附属書図3 相互接続回路の形式が,DTEは不平衡形 (U), DCEは平衡形 (B) の場合の相互接続
11
X 5102-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書図4 相互接続回路の形式が,DTEは平衡/不平衡混在形 (UB), DCEが平衡形 (B) の場合の相互
接続
附属書図5 相互接続回路の形式が,DTE, DCEともに平衡形 (B) の場合の相互接続
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
関連規格:JIS X 5101 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(25ピンインタフェー
ス)
JIS X 5103 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(37/9ピンインタフェ
ース)
ISO 2110 データ通信−25ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
ISO 4902 データ通信−37ピン及び9ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
ISO 4903 データ通信−15ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列
CCITT 勧告 X.20 公衆データ網における調歩式伝送業務向けのデータ端末装置 (DTE) とデ
ータ回線終端装置 (DCE) との間のインタフェース
CCITT 勧告 X.21 公衆データ網における同期動作向けのデータ端末装置 (DTE) とデータ回
線終端装置 (DCE) 間の汎用インタフェース
CCITT 勧告 X.24 公衆データ網におけるデータ端末装置 (DTE) とデータ回線終端装置
(DCE) 間の相互接続回路の定義の一覧
CCITT 勧告 X.26(又はV.10) データ通信分野でIC回路を用いた装置に一般的に使用され
る不平衡形複流相互接続回路の電気的特性
CCITT 勧告 X.27(又はV.11) データ通信分野でIC回路を用いた装置に一般的に使用され
る平衡形複流相互接続回路の電気的特性
工業標準新規・改正調査委員会名簿
氏名
所属
(委員長)
近 藤 久
日本電信電話公社
(幹事)
高 井 啓
日本電信電話公社
沖 見 勝 也
日本電信電話公社
(委員)
赤 木 董 行
日本電気株式会社
榎 本 誠 一
株式会社横浜銀行
河 本 清 人
日本アイ・ビー・エム株式会社
斉 藤 幸 夫
三菱電機株式会社
渋 谷 隆 弘
沖電気工業株式会社
新 谷 外 吉
国際電信電話株式会社
瀬 川 彰
労働省
高 木 幹 雄
東京大学
高 田 裕 司
富士通株式会社
辻 義 信
通商産業省
成 沢 宏
株式会社日立製作所
松 尾 勇 二
郵政省
丸 木 義 勝
ブリヂストンタイヤ株式会社
遊 佐 滉
日本国有鉄道
横 井 平 三
株式会社日通総合研究所
伊 東 厚
工業技術院標準部
山 本 順 一
財団法人日本情報処理開発協会