2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 4311-1996
(ISO/IEC 11544 : 1993)
画像及び音声の符号化
−段階表現2値画像圧縮
Information technology
−Coded representation of picture and audio information−
Progressive bi-level image compression
日本工業規格としてのまえがき
この規格は,1993年に第1版として発行されたISO/IEC 11544 (Information technology−Coded representation
of picture and audio information−Progressive bi-level image compression) ,及び1995年に発行された技術に関
する正誤票1を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
0. 序文 この規格は,ISO/IEC JTC1/SC29/WG9とCCITT SGVIIIの合同検討機関(以降,JBIGという。)
によって作成されたものを翻訳し,日本工業規格として制定したものである。JBIGは,2値画像の段階的
な表現符号化の規格を制定するために1988年に組織された。
段階的符号化は,解像度を低減した画像の圧縮データを始めに伝送し,続いて必要に応じてその圧縮デ
ータに基づく追加の圧縮データを伝送することによって,その画像の画質を向上させる形で画像圧縮デー
タを伝送する。この規格は,段階的モード,段階互換順次モード及び単一段階順次モードをもつ一つの符
号化方式を規定し,必要とする低解像度画像を得る方法を示す。この規格で規定する符号化方式及び低解
像度化方式は,2値画像と同様に階調画像及びカラー画像の可逆符号化としても効果的に利用できる。
0.1
概要 この仕様は,2値画像(白黒画像のような2色だけの画像)の可逆符号化方式を規定する。こ
の方式は,階調画像及びカラー画像にも用いることができる。画像の特性に適応した方式であるため,あ
らゆる画像に対応できる。
この方式は,CCITT勧告T.4及びCCITT勧告T.6に規定されたMMR方式(JBIGより簡易)で得られ
る圧縮率より,スキャナで読み取った印刷文字画像では1.1〜1.5倍,電子計算機で生成した文字画像では
5倍,ディザ等の疑似中間調画像では2〜30倍の高い性能を達成した。
この方式はビット保存方式であって,CCITT勧告T.4及びCCITT勧告T.6と同様にひずみを生じるこ
となく,最終的な復号画像が原画像と同一になる。
この方式は,段階的な表現能力ももつ。段階的に符号化された画像を復号する場合は,最初に原画像の
低解像度化画像が得られ,引き続き送られてくる符号を復号することによって2倍の解像度の画像が得ら
れる。低解像度化は高解像度層から低解像度層に対して行われ,復号動作は低解像度層から高解像度層に
対して行われるので注意しなければならない。段階的な符号化によって送られる最低解像度の画像は,順
次に符号化された画像である。単一段階順次符号化の応用では,この画像が伝送される唯一の画像となる。
段階的符号化には,二つの明確な利点がある。一つは,解像度が広範囲に異なる出力装置に適応できる
2
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共通のデータベースを設計できる点である。特定の出力機器の解像能力に対応して,圧縮画像ファイルの
うちで必要とする部分だけを伝送・復号すればよい。解像度の向上が更に必要な場合,例えば,表示装置
(CRT) 上に表示された画像をハードコピーとして出力するときなどでは,要求される解像度向上のための
情報だけを伝送すればよい。
段階的符号化のもう一つの利点は,低速度又は中速度の伝送路を用いる応用において,主観的によりよ
い画像を(CRT上で)概観できることにある。低解像度画像は,素早く伝送・表示され,その後,必要な
だけの解像度の向上が行われる。それぞれの解像度向上は,既に伝送された画像に基づいて行われる。段
階的符号化によって,利用者は画像表示途中で素早く内容を理解することが容易になり,そのため利用者
はいつでも画像伝送を中断できる。
Dを,段階的符号化で解像度を2倍にする回数(差分層数という。)とする。IDを,最高解像度画像とし,
その水平方向と垂直方向の画素数をそれぞれXD及びYDとする。RDを,画像IDの標本化解像度とする。
この規格は,RD, XD, YD,又はDをパラメタとし,それらに対してほとんど制限を課さない。RDの最高解
像度値として400dpi(画素/インチ)又は200dpiの解像度を選択すれば,解像度の体系は現行のファクシ
ミリの標準と同等となる。RDに600dpi又は300dpiを選択すれば,原国際規格を印字するのに使用するレ
ーザー印字装置とより適応性をもつ段階的体系となる。
Dの値は,通常,最低解像度がおよそ10〜25dpiとなるよう選択されると考えられる。典型的な2値画
像は,このような解像度まで縮小されると判読することができないが,このような低い解像度の画像でも
アイコンとしては使用できる。ページのレイアウトは,高解像度で見なくても明白なので,特定のページ
を識別できることが多い。
上に述べたように,この規格は,解像度を2倍にする回数(以下,2倍化数という。)Dに制限を与えな
い。例えば,ハードコピーファクシミリの場合のように段階的符号化の利用価値がないときには,Dを0
に設定することもできる。そうすることによって,JBIG符号化方式のMMR符号化方式に対する圧縮率の
優位性が保たれる(実際には,若干向上する。)とともに,緩衝記憶及びアルゴリズム簡易化の必要がなく
なる。JBIGの単一段階順次符号化方式は,MMR符号化と同等の潜在的な応用に適用できる。段階的符号
化によって符号化された画像のうち最低解像度画像だけが単一段階順次復号器で復号できるが,単一段階
順次符号化で符号化された画像は段階的復号を行う復号器でも復号できる。
この規格は,ビット平面をそれぞれ2値画像とみなして独立に符号化することによって,濃淡画像及び
カラー画像の可逆符号化にも使用できる。濃淡画像及びカラー画像に対するこの符号化は,自然画符号化
規格であるJIS X 4301の可逆モードの代替手法として,用いることができる。予備実験の結果では,1画
素6ビットまでの濃淡画像に対しJBIG方式は,JPEG方式可逆モードより良好な圧縮率を得た。1画素6
〜8ビットの画像では,JBIG方式は,JPEG方式とほぼ同等であった。この規格は,1ビット平面を超える
画像の処理機能も用意しているが,濃淡信号及びカラー信号をどのようにビット平面に写像するかは規定
していない。実験的には,濃淡画像においては交番符号化(グレイコード)による写像は,通常の自然2
進符号化による写像より優れていた。
0.2
ストライプ及びデータ順序 段階的な符号化と,最高解像度画像を左から右,上から下へと符号化
する伝統的な符号化方式とを区別する必要がある場合は,この伝統的な方式を“順次”とよぶ。順次符号
化方式が段階的符号化方式より優れている点は,ページ(フレーム)緩衝域を必要としないことにある。
段階的符号化は,低解像度画像を利用しながら高解像度画像を符号化するので,最高解像度より一段低い
解像度の画像を記憶するページ緩衝域を必要とする。
JBIGのデータ列を最低解像度階層の画像だけで作成することも可能で,それを単一段階順次符号化とい
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う。このような符号化では,最終解像度画像は,差分解像度階層を参照せずに符号化される。このとき,
(0.1に示したように)Dには0を設定する。画像を段階的符号化する際にも,最低解像度画像は,実質,
単一段階順次符号化で符号化されることに注意する必要がある。最終解像度画像が単一段階順次符号化で
符号化されている場合は,画像を段階的に復号することはできない。
段階互換順次符号化による符号化は,段階的符号化による符号化と“互換”であるといわれる。それは,
生成される(符号器側)又は読み込まれる(復号器側)データ列は,どちらのモードでも全く同一の情報
を搬送しているからである。段階的符号化と段階互換順次符号化とは,符号器によって生成される符号化
データの各部分の順序だけが異なり,段階的復号と段階互換順次復号とは,復号器で用いられるデータの
各部分の順序だけが異なる。
この互換性は,符号化前に画像を小さい部分に分割することによって達成される。これらの部分は,画
像をその各解像度,すなわち“階層”ごとに,水平方向の帯,すなわち“ストライプ”に分割することに
よって生成される。段階互換順次符号化では,“ストライプ”を記憶する(ページ緩衝域より十分小さい)
緩衝域と,それぞれの解像度階層及びビット平面を適応的エントロピ符号化するために必要な個々の“状
態”メモリとを必要とする。
図0.1は,3解像度階層,1階層当たり3ストライプ及び1ビット平面のときの分解構造を示す。
表0.1は,九つのストライプに対して定められた伝送順序を示す。
図0.1 階層数3,ストライプ数3及びビット平面数1でのデータ配列
表0.1 2値の場合に取り得るデータ順序
HITOLO
SEQ
順序例
0
0
0, 1, 23, 4, 56, 7, 8
0
1
0, 3, 61, 4, 72, 5, 8
1
0
6, 7, 83, 4, 50, 1, 2
1
1
6, 3, 07, 4, 18, 5, 2
SEQビットによる段階的伝送の伝送順序と順次的伝送の伝送順序との識別に加え,HITOLOビットによ
る解像度の伝送順序の識別があることに注意する必要がある。符号器は,高解像度から低解像度方向に動
作し,HITOLO順序によってストライプを符号化するのが自然である。復号器は,低解像度画像から画像
を復号しなければならないので,ストライプを復号するのは逆方向になるのが自然である。応用が復号器
に段階的符号データを直接伝送する符号器を用いるときは,いずれか一方が順序を並び替えるために緩衝
域の働きをしなければならない。応用がデータベースを含む場合は,(適切に設定された)データベースは,
緩衝域として使用可能であり,(HITOLOの正常設定も含めた)順序の変更に使用できる。これによって,
符号器及び復号器からこの緩衝域の要件を取り去ることができる。
ストライプの垂直方向の大きさは,画像全体に対して通常は十分に小さい。最低解像度層のストライプ
当たりの行数Loは,自由パラメタの一つである。例えば,Loをストライプの幅がおよそ8mmになるよう
に選ぶとする。このような選択がなされた場合,ビジネス用文書大の画像ではストライプの数はおよそ35
ストライプとなる。
図0.2のようにビット平面の数が2以上の場合は,12通りのストライプの伝送順序が定義される。表0.2
4
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にそれを示す。上に示したとおり,HITOLOビットは伝送する解像度の順序を示し,SEQビットは段階的
伝送と順次的伝送との識別を示す。ILEAVEビットが1のときは,複数のビット平面のインタリーブがあ
ることを示す。SMIDビットが1のときは,6.2.4の表11に示しているように,ストライプに対応する指標
sのループが解像度とビット平面のループとの中間にあることを示す。
図0.2 階層数3,ストライプ数3及びビット平面数2でのデータ配列
表0.2 複数プレーンでの可能なデータ順序
HITOLO
SEQ
ILEAVE SMID
順序例
0
0
0
0
(00, 01, 02 06, 07, 08 12, 13, 14) (03, 04, 05 09, 10, 11 15, 16, 17)
0
0
1
0
(00, 01, 02 03, 04, 05) (06, 07, 08 09, 10, 11) (12, 13, 14 15, 16, 17)
0
0
1
1
(00, 03 01, 04 02, 05) (06, 09 07, 10 08, 11) (12, 15 13, 16 14, 17)
0
1
0
0
(00, 06, 12 03, 09, 15) (01, 07, 13 04, 10, 16) (02, 08, 14 05, 11, 17)
0
1
0
1
(00, 06, 12 01, 07, 13 02, 08, 14) (03, 09, 15 04, 10, 16 05, 11, 17)
0
1
1
0
(00, 03 06, 09 12, 15) (01, 04 07, 10 13, 16) (02, 05 08, 11 14, 17)
1
0
0
0
(12, 13, 14 06, 07, 08 00, 01, 02) (15, 16, 17 09, 10, 11 03, 04, 05)
1
0
1
0
(12, 13, 14 15, 16, 17) (06, 07, 08 09, 10, 11) (00, 01, 02 03, 04, 05)
1
0
1
1
(12, 15 13, 16 14, 17) (06, 09 07, 10 08, 11) (00, 03 01, 04 02, 05)
1
1
0
0
(12, 06, 00 15, 09, 03) (13, 07, 01 16, 10, 04) (14, 08, 02 17, 11, 05)
1
1
0
1
(12, 06, 00 13, 07, 01 14, 08, 02) (15, 09, 03 16, 10, 04 17, 11, 05)
1
1
1
0
(12, 15 06, 09 00, 03) (13, 16 07, 10 01, 04) (14, 17 08, 11 02, 05)
二つの新しい変数のILEAVEとSMID,及び上に示した二つの変数のHITOLOとSEQによって,全部で
12通りの伝送順序の表現が可能となる。4種の2値変数から組合せ可能な16通り中,残りの4通りに対す
るストライプ伝送順序は存在しない。ビット平面が一つの場合,ストライプの伝送順序は,ILEAVEとSMID
には依存せず,これらの値は無意味なものとなる。
ビット平面p,解像度階層d及びストライプsにおける符号化データCs, d, pの値は,ストライプの伝送順
序には依存しない。HITOLO, SEQ, ILEAVE及びSMIDの変数によって与えられる違いは,データ列上の符
号データのつなぎ合わせの順序に過ぎない。これは,前に示した互換性の特徴となる。
単純化のためにこの0.の残りの部分では,一つのビット平面を仮定し,ビット平面を表す添字pをCs, d, p
の表記から省略する。
0.3
符号器の機能ブロック 図0.3に符号器の構成を示す(単一段階順次符号化では,最低解像度層の符
号器だけを使用する。)。
図0.3 符号器の構成
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図0.3は,概念的とはいえ,全く同じアルゴリズムをもつD個の差分層符号器で構成されているが,実
際には一つの物理的な差分層符号器を再帰的に使用してもよい。
0.3.1
低解像度化及び差分層符号器 図0.3における低解像度化及び差分層符号器のブロックは,それぞ
れ機能的には同じであるため,ここではある一つの層に注目して示す。図0.3の各ブロックでは,二つの
解像度層が関係している。単純化のために,以降では入力する画像を“高解像度画像”,出力される画像を
“低解像度画像”とする。ここでの“高解像度”及び“低解像度”とは,通常,最高解像度又は最低解像
度を指すものではない。
図0.3の低解像度化及び差分層符号器のブロックは,図0.4に示す補助ブロックに分解される。
なお,システムによっては必ずしも図0.4に示される機能ブロックのすべてを必要としない(信号名は,
4.の信号表を参照)。
図0.4 低解像度化及び差分層符号器
また,この0.では表0.3に示す略語で図中の各ブロックを表す。
6
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表0.3 機能ブロックを表す略語
略語
意味
AAD
適応算術復号器
AAE
適応算術符号器
AT
適応テンプレート
DP
決定論的予測
MT
モデルテンプレート
RR
低解像度化
TPB
典型的予測(最低解像度層)
TPD
典型的予測(差分層)
0.3.1.1
低解像度化 低解像度化 (RR) のブロックは,高解像度の画像からできるだけ類似した低解像度
の画像を作成する部分で,原画の主走査及び副走査の解像度を半分にした画像を作成する。
与えられた画像の主走査及び副走査の解像度を半分にする方法の代表的なものとして,間引き処理があ
る。この方法は簡単ではあるが,作成された画像の画質が悪い。特に,2値画像の場合に顕著となる。
テキスト及び線画を含んだ2値画像において,間引き処理による画質劣化の原因は,細線などの欠落が
発生しやすいことである。階調を表現するためのハーフトーン処理及び組織的ディザ処理を含んだ画像に
おいても,間引き処理は,階調の再現性が保たれないため,画質が劣化する。特に,よく用いられる周期
が2のべき乗のディザ処理においては,画質劣化は顕著になる。
この規格では,低解像度化の一つの方法を推奨する。.この方法は,十分な設計と実験を経て完成したも
ので,テキスト画像,線画,ディザ処理された濃淡信号,ハーフトーン処理された濃淡信号及び誤差拡散
による濃淡信号において,非常に高画質の画像が得られる。
0.3.1.2
差分層の典型的予測 差分層の典型的予測 (TP) ブロックは,幾らかの圧縮率の向上をもたらす
が,実装における速度の向上が主目的である。差分層TPでは,同一色である部分を見つけ,その部分に
おける高解像度画素の符号化の際に,通常行われるDP, AT, MT及びAAEのブロックでの処理を省略する。
文字画像及び線画像では,差分層TPによって全画素の95%以上もの画素の符号化を省略することができ
る。しかし,濃淡を表現している2値画像での効果は極めて少ない。
0.3.1.3
決定論的予測 決定論的予測 (DP) ブロックは,圧縮率を向上させることを目的とする。この規
格の作成時に使用した複数のテスト画像においては,7%の庄縮率向上という結果が得られており,その程
度の向上は一般的に得られると考えても差し支えない。
特定の低解像度化アルゴリズムによって画像の解像度を低下させる場合,符号化する高解像度の画素値
のうち特定のものは,符号器及び復号器で既に分かっている画素(すべての低解像度画像及び高解像度画
像における走査済みの画素)から確実にその値を導くことができる。このような場合,現画素を決定論的
に予測できるという。DPブロックは,そのような画素にフラグを付け,算術符号器による符号処理を禁
止する。
DPは,テーブル駆動アルゴリズムである。決定論的予測ができるかどうかを示すテーブルの指標とし
ては,低解像度画像及び走査済みの高解像度画像の中の特定画素を用い,決定論的予測が可能であればそ
の予測値を得る。DPテーブルは,使われる特定の低解像度化方法と非常に密接に関係する。私用の低解
像度化アルゴリズムを使うのであれば,最初に符号器から復号器へ,DPテーブルを伝送する。この規格
に従った応用が,既定のDPを必要とする場合,復号器は必ず既定のDPテーブルをもつ必要があり,符
号器から復号器へのDPテーブルの伝送は不要となる。したがって,この規格で推奨する低解像度化方法
を使用する場合,DPテーブルの伝送が行われることはない。
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0.3.1.4
モデルテンプレート 符号化すべき高解像度の各画素に対して,モデルテンプレート (MT) ブロ
ックは,“文脈”といわれる整数値を算術符号器に出力する。この値は,走査済みの高解像度画像中の特定
画素の色(2値),既に分かっている低解像度画像における特定画素の色(2値)及び符号化される画素の
空間位相を基に決定される。“空間位相”は,低解像度画素から高解像度画素の方向を記述する。
算術符号器は,文脈ごとに,その文脈におけるシンボルの条件付き確率推定値を保持する。この確率評
価が正確で,かつ,確率推定値がゼロ又は1に非常に近いときに,符号化による大きな圧縮効果が得られ
る。したがって,適切なテンプレートでは適切な予測ができ,テンプレート内の画素の値が分かれば,高
い確率で符号化される画素値を予測できる。
0.3.1.5
適応テンプレート 適応テンプレート (AT) ブロックは,ハーフトーン処理された濃淡画像にお
いて,十分な圧縮効果を得る(場合によっては,80%もの向上が得られることもある。)。ATは,画像の周
期性を探し,それを見つけた場合にはテンプレートを変更し,着目画素からその周期距離にある先行画素
をテンプレートに取り入れる。そのような画素は,優れた予測値を示すものになる。
テンプレートの変化はあまり頻繁に起きるものではなく,変化が起こった場合には,出力データ列中に
それが起こったことを示す制御系列(図0.4のATMOVEというシンボルで示される情報)が加えられる。
したがって,復号器では,ATの正確な設定を探索するための方法をもつ必要はない。
0.3.1.6
適応算術符号器 適応算術符号器 (AAE) は,エントロピ符号器である。符号器では,TP及び
DPのブロックの出力によって,与えられた画素の符号処理が必要かどうかを決定する。符号処理が必要
であれば,文脈に従い,内部の確率推定器を使って現画素が予測される色となる条件付き確率を見積もる。
条件付き確率がゼロ又は1に非常に近い場合には,かなり高い確率で文脈から画素を予測することができ,
その場合,符号化によって大きな圧縮効果が得られる。
正確な推定値を得ること及び統計量の変化に速やかに適応することの相反する二つの必要条件のバラン
スをうまくとる必要があるため,文脈ごとに確率推定値を保持し続けるのは,難しい統計問題である。
0.3.2
最低解像度層符号器 図0.5に最低解像度層の符号器を示す。RR及びDPのブロックがないため,
差分層符号器に比べて概念的に簡単となり,TP, AT及びMTのブロックは,それ以下の解像度層が存在し
ないために,差分層符号器の場合とは入力情報が異なる。
なお,差分層符号器の場合(図0.4参照)と同様に,システムによっては必ずしも図0.5に示す機能ブロ
ックのすべてを必要としない(信号名は,4.の信号表を参照)。
差分層TPと同様に,最低解像度層のTPは処理の高速化を目的としている。しかし,両者で用いられる
TPアルゴリズムは全く違ったものであり,最低解像度層のTPでは差分層でのTPのようにかなりの画素
の符号化を省略することができない。文字及び線画において,TPでは画素の約40%の符号化を省略するこ
とができる。
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図0.5 最低解像度層の符号器
0.4
復号器の機能ブロック 図0.6,図0.7及び図0.8に,図0.3,図0.4及び図0.5の符号器に対応した
復号器を示す。両者は類似しているが,RR及びATのブロックは復号器には存在しない。単一段階順次符
号処理では,図0.6の最低解像度層の復号器だけが使用される。
なお,システムによっては必ずしも図0.7及び図0.8に示される機能ブロックのすべてを必要としない(信
号名は4.の信号表を参照)。
図0.6 復号器の構成
図0.7 差分層復号器
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図0.8 最低解像度層復号器
1. 適用範囲 この規格は,画像ビット平面を符号化するためのビット保存(無損失)圧縮方式を規定す
るもので,2値(白黒を含む2色)画像に特に適する。
2. 引用規格 必す(須)の引用規格はない。関連規格及び技術文書は,附属書F(参考)に示す。
3. 用語の定義 この規格では,次の用語の定義を使用する。
3.1
適応算術符号処理器 (adaptive arithmetic coder) 将来のデーータシンボルを予測し,符号化するた
めに観察されたデータ特性を使うことによって,適応的に圧縮又は伸長を行う装置。
3.2
適応テンプレート,AT (adaptive templates) 画像の処理中に,画像内で観察されたパターンを利用
するために,AT画素を移動することによって変更することができるモデルテンプレート。
3.3
AT距離 (AT lag) 符号化されている画素とAT画素との間の距離。
3.4
AT画素 (AT pixel) 画像の処理中に,その位置を適応的に変更できるモデルテンプレート内の特別
な画素。
3.5
ビット平面 (bit-plane) 各画素の特定のビットを選ぶことによって,画像から構成される2値シン
ボルの配列(又は平面)。
3.6
ビット平面インタリービング (bit-plane interleaving) データの二つ以上のビット平面を,単一の系
列に一緒に混在させるために使用する方法。
3.7
バイト (byte) 8ビットのデータ。
3.8
バイト挿入 (byte stuffing) マーカセグメントの開始を示す定義済みエスケープバイトと,同じ値の
圧縮データ列内に通常発生するエスケープバイトとを明確に区別するための機能。
3.9
文脈 (context) 現在の画素の符号化に使用する適応算術符号の状態を示す指標に使用するテンプ
レートの特定のパターンと,空間的な位相関係(存在する場合)に対応する整数。
3.10 決定論的予測,DP (deterministic prediction) ある画像内の個々の画素を正確に予測(したがって,
符号化をしない。)する方法。これには,同じ画像の低解像度画像とともに,使われる低解像度化の方法に
ついての特別な知識を利用する。
3.11 差分層符号処理器 (differential layer coder) 差分層画像を符号化又は復号する装置。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.12 差分層画像 (differential-layer image) 低解像度画像内の画素を参照することによって表現される,
与えられた解像度の画像。
3.13 エントロピ符号処理器 (entropy coder) データを無損失で圧縮又は伸長するための方式。
3.14 エスケープバイト (escape byte) 後に続く情報が特別なマーカコードの意味をもつことを示すデ
ータ列内のバイト。
3.15 高解像度画素 (high-resolution pixel) 対象とする二つの解像度層のうち,高い方の解像度画像の画
素。
3.16 非典型的行,LNTP (line not typical) 典型的予測を行っている場合に,与えられた低解像度行に関
連する一つ以上の画素の予測が正しくないときに発生する状態。
3.17 最低解像度層符号処理器 (lowest-resolution-layer coder) 最低解像度層を符号化又は復号する装置。
3.18 最低解像度層画像 (lowest-resolution-layer image) どの低解像度画像も参照しないで記述される,与
えられた解像度の画像。
3.19 低解像度画素 (low-resolution pixel) 対象とする二つの解像度層のうち,低い方の解像度の画像の画
素。
3.20 マーカ (marker) 1個のエスケープバイトとマーカバイトとの組合せ。これによって新たに制御情
報を定義する。
3.21 マーカバイト (marker byte) あるエスケープバイトに続くバイトであって,新たに導かれる制御情
報の型を定義するもの。
3.22 マーカセグメント (marker segment) マーカ及びそれに対応する制御情報の追加バイトの組合せ。
3.23 モデルテンプレート,MT (model template) 符号化される画素を基準にして画素の位置を記述する
幾何学パターン。画像の局所的な特徴のモデル化に使われる。
3.24 画素 (pixel) 画像の一つの要素を指す。画像は,その要素の長方形配列によって記述される。
3.25 段階動作 (progressive behavior) ある画像が最初に最低解像度層画像で符号化された後,差分層画
像を使ってその解像度が段階的に増大されるときに符号化手法が示す動作。
3.26 段階符号処理 (progressive coding) ある画像がストライプに分割された後,画像全体がまず最低解
像度層画像として符号化され,更に差分層画像を使って引き続き解像度が拡大される符号処理方式。この
方式は,ストライプ又は層のデータの並べ替えによって段階互換順次符号処理と互換性がある。
3.27 段階互換順次符号処理 (progressive-compatible sequential coding) 画像をストライプに分割し,スト
ライプが順次符号化され,各ストライプ内で画像が最大解像度まで段階的に符号化される符号処理方式。
この方式は,ストライプ又は層データの並べ替えによって段階符号処理と互換性がある。
3.28 保護ストライプ符号化データ,PSCD (protected stripe coded data) 特別なマーカセグメント(圧縮デ
ータ列の一部ではない)を知らせる定義済みエスケープバイトと,通常は圧縮データ列内で発生するエス
ケープバイトとを区別するために,バイトを挿入することで変更されている圧縮画像データ列。
3.29 低解像度化方法,RR (resolution reduction method) 特定の解像度の画像を,同一画像でより低い解
像度に変換する方式。
3.30 順次動作 (sequential behavior) 下方部の画像が何ら記述されない前に画像の上方部が完全に記述
される符号化手法。
3.31 単一段階順次符号処理 (single-progression sequential coding) より低い解像度画像を参照すること
なく,行単位で左から右,上から下に単一解像度層で完全に符号化される画像符号化方式。差分層の数が
ゼロである段階符号処理及び段階互換順次符号処理と互換性がある。
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3.32 空間位相 (spatial phase) 差分層画像内のある画素の属性を示し,対応する低解像度画素に対する方
向を記述する。
3.33 空間解像度 (spatial resolution) 決められた空間的大きさの画像領域を記述するのに使われる画素
の数。
3.34 ストライプ (stripe) 画像の垂直方向の固定サイズの領域。その画像の全水平方向幅を含む。
3.35 着目画素 (target pixel) 処理される画素。
3.36 典型的予測,TP (typical prediction) 同一色調の大きな領域の予測の成功を先行して調べる方法。そ
の予測が対応する行全体に対して成功するときだけ,その予測結果が用いられる。
4. 記号及び略語
4.1
略語 表1参照。
表1 略語
略語
意味
AT
適応テンプレート
DP
決定論的予測
LPS
劣勢シンボル
LSB
最下位ビット
MPS
優勢シンボル
MSB
最上位ビット
MT
モデルテンプレート
RR
低解像度化
TP
典型的予測
4.2
シンボリック定数 表2参照。
表2 シンボリック定数
値
定数
意味
ISO
16進
ABORT
強制終了
00/04
0x04
ATMOVE
AT移動
00/06
0x06
COMMENT
私用注釈
00/07
0x07
ESC
エスケープ
15/15
0xff
NEWLEN
新しい(垂直方向の)長さ
00/05
0x05
RESERVE
予約
00/01
0x01
SDNORM
ストライプデータの通常終了
00/02
0x02
SDRST
ストライプデータの終了でのリセット
00/03
0x03
STUFF
挿入
00/00
0x00
4.3
数学記号,演算子及び表現 表3参照。
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表3 数学記号,演算子及び表現
表記法
意味
Cs, d
ストライプs,かつ,層dの符号化データ
D
差分層の数
DL
伝送される初期層
h
高解像度画素
Id
層dの画像
I
低解像度の画素
Lc
私用注釈のバイト長
Ld
層dのストライプ当たりの行数
Mx
AT画素の最大許容水平オフセット
My
AT画素の最大許容垂直オフセット
p
確率
P
ビット平面数
Rd
層dの解像度
S
ストライプ数
Xd
層dの水平画像サイズ
YAT
AT切替えが行われる行
Yd
層dでの垂直画像サイズ
τx
AT画素の水平オフセット
τy
AT画素の垂直オフセット
>>
2進右シフト
<<
2進左シフト
&
論理積
!
否定論理
排他的論理和
「・
切上げ関数(最小整数≧引数)
0x
16進数
4.4
簡略記述名をもつ変数 表4参照。
表4 簡略記述名をもつ変数
変数
意味
A
領域サイズレジスタ
BIE
2値画像の実体
BIH
2値画像ヘッダ
BID
2値画像データ
BUFFER
緩衝域
C
符号レジスタ
CE
条件付き交換
CHIGH
符号レジスタ,上位2バイト
CLOW
符号レジスタ,下位2バイト
CT
ビットカウンタ
CX
文脈
DPLAST
最新DP
DPON
DPイネーブル
DPPRIV
私用DP
DPTABLE
DPテーブル
DPVALUE
DP値
HITOLO
上位から下位
ILEAVE
複数ビット平面のインタリーブ
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変数
意味
LNTP
非典型的行
LPIX
低解像度画素
LRLTWO
最低解像度層2ラインテンプレート
LSZ
符号領域のLPSサイズ
MPS
優勢シンボル
NLPS
LPSのときの次(の状態)
NMPS
MPS(再正規化)のときの次(の状態)
PIX
画素
PSCD
保護ストライプ符号化データ
SC
(Oxffバイトの)スタックカウンタ
SCD
ストライプ符号化データ
SDE
ストライプデータの実体
SEQ
順次
SLNTP
同一LNTP
SMID
ストライプが中央ループである指標
SWTCH
スイッチ
ST
状態
TPBON
最低解像度層TPイネーブル
TPDON
差分層TPイネーブル
TPVALUE
TP値
VLENGTH
画像長可変
5. 記法
5.1
流れ図記法及び記号 すべて流れ図は,最上部から始まり,最下部で終わる。記号“<<”は,下
位ビットの0フィルとともに2進左シフトを示し,記号“>>”は上位ビットの0フィルとともに2進右
シフトを示す。いずれにおいても左側の値がシフトの対象となる値で,右側がシフトする量を示す。二つ
の数の2進論理ANDは,“&”で表す。
5.2
テンプレート図形 高解像度画像における画素と低解像度画像における画素との関係を図形的に示
すことがしばしば必要になる。その関係を示す3次元図形を図1に示す。この規格では,図2のような2
次元図面を,これと等価な3次元図面よりも簡単であるために採用する。2次元図形において低解像度画
素は円で示し,対応する高解像度画素は低解像度円によって部分的に隠された正方形で示す。
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図1 3次元図形における高解像度及び低解像度画素
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図2 2次元図形における高解像度及び低解像度画素
5.3
空間位相 “空間位相”は,最も低い解像度を除くすべての解像度層における画素に関連する。こ
の“位相”は,その画素に関連する低解像度の画素に対する方向を記述する。その位相が1段階低い解像
度画素と関連した四つの画素の上部左側画素であれば,“位相0”とする。同様に,上部右画素は“位相1”
とし,下部左画素は“位相2”とし,下部右画素は“位相3”とする(図3参照)。
図3 高解像度画素に対する四つの位相
5.4
データ構造図形 6.2の表5〜表16にフィールドをサブフィールドに分解した図を示す。最も左のサ
ブフィールドがより先に送信される。これらの表の各最下部の行は,バイトを単位としたフィールドサイ
ズを与える。“1/8”の記述は,単一ビットを示す。“可変”の記述は,フィールドの大きさが変数であり,
選択された任意選択機能,選択パラメタ又は符号化しようとする個々の画像に依存することを表す。
6. 要求条件
6.1
一般規則
6.1.1
色の割当て ビット平面の各ビットは0又は1をとる。画像が2値であるとき,ビット1は前景の
色を表し,ビット0は背景の色を表す。ビット平面数が1を超える場合,ビット平面に対する輝度及び色
の写像方法は,この規格では定義しない。
備考 1と0とのいずれが前景の色を表すかは,記述された低解像度化方法を除き,この規格のすべ
ての要素に関して重要ではない。この低解像度化方法は,前景色と背景色との間にわずかな非
対称性をもつ。
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6.1.2
境界記法 低解像度化,典型的予測,決定論的予測及び符号化のアルゴリズムは,画像に対し,左
から右へ,上から下へという通常のラスタ走査順序で繰り返される。現在着目している画素の処理におい
ては,その着目画素に対して決められた空間的位置関係の幾つかの画素の色を参照する。画像の境界では,
これら隣接画素は,実際には存在しない。高解像度画像と低解像度画像との双方に対し,画像境界外の参
照を満たす規則は,次のとおりとする。
− 実際画像の最上部,左,及び右には背景色 (0) が存在するものと想定する。
− 画像の最下部は,画像の実際の最後の行を繰り返して必要なだけ下方へ伸ばす。
さらに,ストライプ境界を越えて画素を参照する場合には,次の規則を使用する。
− 現在ストライプの直上のストライプの参照画素は,実際の画素の値を使用する。ただし,その画素が
画像の最上部より出るときは画像の最上部における背景色領域規則を適用する。
− 現在のストライプの下方にあるストライプの参照画素は,現在のストライプの最後の行を繰り返して
用いる。
備考 この後者の規則は,低解像度画像に対してだけ意味をもつ。復号可能性から高解像度画像で着
目画素の下側の行の画素を参照することはあり得ない。記述された低解像度化アルゴリズムで
は低解像度画像の下側行を参照することもない。
6.1.3
バイト整列
備考 6.2に示すヘッダ及びマーカの用法によって,マーカセグメントは,常にデータ列の中でバイト
整列(バイト境界)となっている。
6.2
データ組織
6.2.1
画像構成 この規格における最上位レベルのデータ構造は,2値画像実体 (BIE) という。BIEは,
1解像度階層又は複数解像度階層のデータ及びビット平面のデータを含んでいてもよい。与えられた画像
のすべての有効な解像度及びビット平面を記述するデータは,(必ずしも必要としないが)二つ以上のBIE
に含まれていてもよい。
備考1. 応用においては,BIEに対し特定の2バイトの組合せ(マーカセグメント)を前後に付けるこ
とでBIEを他のデータ列から抜き出したいことがあると考えられる。0xffa8を最初のマーカ
に,0xffa9を最後のマーカに使うことが推奨される。これらのマーカはBIEには含まれない。
2. 最初に低解像度,中間の解像度画像又はあるビット平面精度の画像が送られた場合は,その
後で高解像度又は下位ビット平面の画像に拡張する要求の有無にかかわらず,1画像につき
複数のBIEが必要となる。
6.2.2
2画像実体 (BIE) 及び2値画像ヘッダ (BIH) の構成 表5に示すように,2値画像実体 (BIE) は,
2値画像ヘッダ (BIH) と2値画像データ (BID) とからなる。
表5 BIEの構成
BIE
BIH
BID
可変
可変
2値画像ヘッダは,表6〜表8に示すフィールドに分解される。
表6 BIHの構成
BIH
DL
D
P
−
XD
YD
Lo
Mx
My
順序
任意選択 DPTABLE
1
1
1
1
4
4
4
1
1
1
1
0又は1728
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表7 順序バイトの構成
順序
MSB
…
LSB
−
−
−
−
HITOLO
SEQ
ILEAVE
SMID
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
表8 任意選択バイトの構成
任意選択
MSB
…
LSB
−
LRLTWO
VLENGTH
TPDON
TPBON
DPON
DPPRIV
DPLAST
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
1/8
BIHの最初のバイトは,このBIH中で指定しなければならない最初の解像度層DLを指定する。ほとん
どの場合,DLは0であり,この場合は,それ以前の情報を必要とせず,送られたデータだけで画像再生が
できる。それ以前のBIEが既に画像をある中間階層まで定義し,付加的な高解像度情報だけを指定する場
合,DLは,0でない値をとる。第2バイトは,このBIEで指定しなければならない最終解像度階層Dを指
定する。複数BIEでは,DLが0の場合,Dは差分階層数となるが,差分階層の総数ではないことに注意す
る必要がある。
第3バイトは,ビット平面数Pを指定する。画像が2値画像の場合は,Pは1とする。
第4バイトは,1フィルとする。このバイトは,常に0とする。
続く三つの4バイトフィールドは,XD, YD及びLDを指定する。これらは,それぞれ最高解像度における
水平方向のサイズ,垂直方向のサイズ,最低解像度の1ストライプ当たりの行数とする。これら三つの整
数は,最上位バイトから設定する。言い換えると,XDは,BIEの第5バイトの2563倍,第6バイトの2562
倍,第7バイトの256倍及び第8バイトの合計とする。
第17バイト及び第18バイトは,MX及びMYを指定する。これらは,それぞれ,AT画素における最大
水平オフセット及び最大垂直オフセットとする。これらのパラメタは,6.7.3で詳細に規定する。
BIHの第19バイトは,2値パラメタであるHITOLO, SEQ, ILEAVE及びSMIDを表す。これらは,セッ
トで,BIDを形成しているストライプデータの連結順序を規定する。詳細は,6.2.4による。このバイトの
上位の4ビットは,フィルであり,常に0とする。
BIHの第20バイトは,任意選択機能を指定する。最上位ビットはフィルであり,常に0とする。最低解
像度階層の符号化に用いるテンプレートは,2ラインと3ラインとの場合があり,LRLTWOビットが1か
0かに対応する(6.7.1参照)。VLENGTHビットが0の場合,NEWLENマーカセグメントは,出現しない
(6.2.6.2参照)。VLENGTHビットが1の場合,NEWLENマーカセグメントは,出現してもしなくてもよ
い。TPDON,TPBON及びDPONのビットは,それぞれ差分階層TP,最低解像度階層TP及びDPが用い
られるときに1となる。DPPRIVビット及びDPLASTビットは,DPONが1のときだけ意味をもつ。DPON
が1,かつ,DPPRIVが1のとき,私用DPテーブルが使われる。DPLASTが0のとき,私用DPテーブル
(1728バイト)が導入される。それ以外の場合は,最後に使われたDPが再利用される。
BIHのDPTABLEのフィールドは,DPONが1,DPPRIVが1で,かつ,DPLASTが0のときだけ有効と
なる。DPTABLEの大きさ及び構成は,6.6に定義する。
変数のDL, D, P, XD, YD, LO, MX, MY, HITOLO, SEQ, ILEAVE, SMID, LRLTWO, VLENGTH, TPDON, TPBON,
DPON, DPPRIV及びDPLASTは,すべて自由パラメタとする。これらのパラメタの幾つか,又はすべてが
選択できない応用もあり得る。表9に,これらのパラメタがその性質の上で又はBIHのフィールドの大き
さの上で,取り得る値の限界値を示す。
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表9 自由パラメタの限界値
パラメタ
最小値
最大値
DL
0
D
D
DL
255
P
1
255
XD
1
4294967295
YD
1
4294967295
Lo
1
4294967295
MX
0
127
MY
0
255
HITOLO
0
1
SEQ
0
1
ILEAVE
0
1
SMID
0
1
LRLTWO
0
1
VLENGTH
0
1
TPDON
0
1
TPBON
0
1
DPON
0
1
DPPRIV
0
1
DPLAST
0
1
JBIGデータ列とは,表9に示した範囲内のパラメタをとり,この規格の必す(須)部分に従って生成さ
れたすべてのデータ列の総称とする。ハードウェアを共有化し,復号できるデータの交換を可能とするで
きるだけ大きな応用群を構築するために,附属書Aに,これらのパラメタで使えることが望ましい最小限
の対応可能範囲の推奨値を示す。種々の応用は,可能な限り自由パラメタの値をこの最小限の対応範囲で
選択することが望ましい。広範囲な応用との互換性を保つことを望む実装においては,すべての自由パラ
メタについてこの推奨範囲を対応可能にすることが望ましい。
6.2.3
解像度階層に依存するパラメタの反復 dを指標とする低解像度の画像サイズは,D≧d≧1におい
て再帰的に次の式のように定義される。
Xd-1=「Xd/2
(1)
Yd-1=「Yd/2
(2)
ここで「・ は切上げ関数,すなわち,関数内の数より大きい最小の整数又は等しい整数とする。1≦d
≦Dにおいて,階層dにおける1ストライプ当たりの行数は,次の式で定義される。
Ld=2×Ld-1
(3)
すべての階層において,画像当たりのストライプ数Sは,次のとおりとなる。多くの場合,どの階層d
においても,最終ストライプはLd行以下となる。
S=「YO/LO
(4)
6.2.4
2値画像データ (BID) の構成 ストライプs,解像度d及びビット平面pを定義する符号データ
Cs, d, pは,ストライプデータ実体 (SDE) に含まれる。表10に示すように,BIDは,SDEと浮動マーカセ
グメントとの連結から構成される。
表10 BIDの構成
BID
浮動マーカセ
グメント (s)
SDEs,d,p
浮動マーカセ
グメント (s)
SDEs,d,p
…
浮動マーカセ
グメント (s)
SDEs,d,p
可変
可変
可変
可変
…
可変
可変
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SDEの順序は,HITOLO, SEQ, ILEAVE及びSMIDに依存する。表11に,これら指標の入れ子を定義す
る。表11に示すように,3変数のSEQ, ILEAVE及びSMIDからなる組合せのうち,6通りの組合せだけが
パラメタとして許されている。他の二つの組合せは起こり得ない。変数のs及びpのループは,それぞれ
0からS−1(上から下),P−1から0(MSBからLSB)に変化する。HITOLOが0のとき,変数dは,DL
からDに変化し,1のとき,DからDLに変化する。
表11 BIDおけるストライプ符号化の順序
ループ
SEQ
ILEAVE
SMID
外側
中央
内側
0
0
0
p
d
s
0
1
0
d
p
s
0
1
1
d
s
p
1
0
0
s
p
d
1
0
1
p
s
d
1
1
0
s
d
p
参考例を表0.2に示す。
6.2.5
ストライプデータ実体 (SDE) の構成 表12に示すように,各SDEは,ESCバイトとSDNORM
バイト又はSDRSTバイトとの組合せで終端する。
表12 SDEの構造
SDE
PSCD
ESC
SDNORM又はSDRST
可変
1
1
通常の終端はSDNORMとし,このとき“状態”情報は保存される。SDNORMの代わりに,SDRSTで
終端される場合は,特定のビット平面及び解像度階層の“状態”は,符号化中のビット平面及び階層にお
ける次のストライプの符号化又は復号の前に”状態”をリセットしなければならない。SDRSTによる状態
リセットでは,画像の先端で行われる適応的確率推定の初期化,(必要であれば)AT画素の既定位置への
リセット,及び最低解像度層においてはLNTPy-1の1への初期化が必要である。低解像度化,決定論的予
測,典型的予測及びモデルテンプレートを含むすべての機能に対して,次のストライプの先頭において,
6.1.2で定義したように,画像先頭と同様の処置が必要となる。
備考 SDRSTによるリセットを行うと,圧縮効率の低下を招き,低解像度画像において,ストライプ
境界に画質劣化が生じることがあるので不要ならば行うべきではない。
保護ストライプ符号データ (PSCD) は,SDEのうち,終端バイトの2バイトを除いた残りのデータによ
って定義される。復号器は,PSCDからすべてのESCバイトとそれに続くSTUFFバイトとをESC1バイト
に置き換えることによって,ストライプ符号データ (SCD) を生成する。逆に,符号器は,SCDからすべ
てのESCバイトをESCバイトとそれに続くSTUFFバイトとに置き換えることによって,PSCDを生成す
る。SCDの使用方法は,6.8による。SDEの定義中にSCDではなくPSCDが使われているが,これは,1
ストライプのデータの位置をBIDの中で明確にするためとする。
ESCバイトとABORTバイトとは表13のようにBIDを途中終了させるために用いてもよい。
表13 ABORTマーカセグメント
ESC
ABORT
1
1
備考 このような機能がない場合,問題に遭遇した符号器は,関連する復号器を際限なく“停止”さ
せることがある。復号器は,通知された量の符号データを受け取るまでリセットしないので,
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復号器を再び動作させる方法はない。
6.2.6
浮動マーカセグメント 浮動マーカセグメントは,制御情報を供給する。このセグメントは,SDE
内には現れてはならないが,SDEとSDEとの間又は最初のSDEの前に挿入されてもよい。浮動マーカセ
グメントは,ATMOVE, NEWLEN及びCOMMENTの3種類とする。
6.2.6.1
適応テンプレート (AT) 移動 表14に示すように,AT画素の位置は,ATMOVEマーカセグメン
トによって変更できる。
表14 ATMOVEマーカセグメント
ESC
ATMOVE
yAT
τX
τY
1
1
4
1
1
第3バイト〜第6バイトは,テンプレートが変更される行yATを定義する。第7バイト及び第8バイト
は,変更されたAT画素の水平方向オフセット値τX及び垂直方向τYを定義する。yATの値は,第3バイトの
2563倍,第4バイトの2562倍,第5バイトの256倍及び第6バイトの合計とする。
確率推定状態は,ATMOVEがあっても初期化されない。ATMOVEが有効となる解像度階層及びビット
平面は,マーカセグメントの次のSDEからとなる。yATで示される行表示は,各ストライプごとに0から
開始される。したがって,例えば変更がストライプの最初の行であれば,yATは0となる。
適応テンプレート画素並びに変数のyAT,τX及びτYについては,6.7.3で詳細に規定する。
6.2.6.2
画像長の再定義 VLENGTHが1の場合,画像長YDを表15に示すNEWLENマーカセグメント
によって変更してもよい。
表15 NEWLENマーカセグメント
ESC
NEWLEN
YD
1
1
4
BIEに対し,NEWLENマーカセグメントは,たかだか1回しか現れてはならない。しかし,マーカセグ
メントは,予期しない画像の終端又は1ストライプだけでの使用のために,直前のストライプの行を示す
ことがある。そのようなマーカセグメントの直後には,ESC+SDNORM/SDRSTが続く。そして,NEWLEN
マーカセグメントによって与えられる新しいYDは,直前のストライプの終了時における行数より短くす
ることができる。符号器は,各階層において新しいYDに対応する行数を超えて符号化を行ってはならな
い。NEWLENマーカセグメント内においてYDをその4バイトフィールドに詰め込む方法は,BIHにおい
てYDを4バイトフィールドに詰め込むのと全く同様とする。新しいYDは決して最初にBIHで定義した
YDの値を超えてはならない。
備考 NEWLENマーカは,画像長が不明であっても符号化を開始することができるよう定義されてい
る。この場合,ヘッダに記された最初の画像長YDは,その画像が取り得る最大の長さを示す
働きをする。
6.2.6.3
注釈マーカセグメント ESCバイトにCOMMENTバイトと4バイトの整数LCとが続くことによ
って,表16のように注釈マーカセグメントを開始することができる。
表16 注釈マーカセグメント
ESC
COMMENT
LC
1
1
4
LCは,第3バイトの2563倍,第4バイトの2562倍,第5バイトの256倍及び第6バイトの合計とする。
この数は,COMMENTマーカセグメントの中の私用注釈部分のバイト長だけを示す。言い換えれば,すべ
ての注釈マーカセグメントの長さは,LC+6バイトでなければならない。
21
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.2.7
予約マーカバイト ESCバイトの後にRESERVEバイトが続くと予約マーカとなる。このマーカの
使い方の一例を6.8.2.8に示す。この規格の将来の拡張においても,このマーカを使用することはない。符
号器又は復号器は,このマーカをどんな私用の目的に使用してもよい。予約マーカは,公的なデータ列に
現れてはならない。
6.3
低解像度化 既定の決定論的予測テーブルは,ここに示す推奨低解像度化アルゴリズムに適合する。
他の低解像度化アルゴリズムを推奨低解像度化アルゴリズムの代わりに使ってもよい。しかし,この場合,
決定論的予測の機能を使用しないか,使用する低解像度化アルゴリズムに適合した決定論的予測のテーブ
ルをBIHの一部として復号器にダウンロードしなくてはならない。
この推奨低解像度化アルゴリズムは,すべての解像度層及びビット平面において同一とする。ここでは,
解像度層dの画像から解像度層d-1の画像を生成する処理を示す。
Xd又はYdが偶数でないときは,低解像度化のため,層dの新画像を次のように作成する。Xdが該当す
る場合,右端列に背景色 (0) を挿入する。Ydの場合は,最終行と同じ値を最後に挿入する。ここでは,
Xd及びYdとも偶数であると仮定する。
原画像を2×2画素ごとに分割し,それぞれの2×2画素を低解像度化画像の1画素に写像する。これら
の低解像度画素は,左から右へ,上から下へ,通常のラスタ順序で決定する。この規格の推奨低解像度化
規則は,図4及び表17で定義する。この特別な写像の根拠は,附属書B(参考)に示す。
図4 低解像度画素値決定で参照される画素
円の中に“?”で示されている画素は,決定すべき低解像度画素を示す。その中に番号が書かれた円及
び正方形は,低解像度画素決定において参照する画素を示す。
番号が書かれた画素の画素値(色)によって指標が定義され,それぞれの画素は,指標の各1ビットを
定義する。番号“0”の画素は,指標の最下位ビットを決定し,番号“1”,“2”…の画素は,指標の番号
に相当するビットを決定する。画素が前景色の場合は,指標中の対応するビットの値は“1”をとる。指標
が与えられると,“?”のついた画素の画素値(色)は,左から右に指標値が示された表17によって定義
される。例えば,指標値が0〜7の場合,対応する画素の画素値は,それぞれ,0, 0, 0, 1, 0, 0, 0, 1となる。
画像の境界においては,図4の番号が書かれた画素の幾つかが画像領域外となることがある。この場合
の指標の定義に対しても,6.1.2の一般的な境界規則を用いる。
低解像度化を開始するときの高解像度画像の一番左上の画素は,図4の画素4の位置とする。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表17 低解像度の画素値決定表
指標
色
[0, 63]
00010001
01110011
11111111
11111111
00110011
11111111
11111111
11111111
[64, 127]
00000001
01110111
11111111
11111111
00110111
11111111
11111111
11111111
[128, 191]
00110111
11111111
11111111
11111111
01111101
11111111
11111111
11111111
[192, 255]
00110111
11111111
11111111
11111111
11111111
01111101
11111111
11111111
[256, 319]
00000001
00110111
11111101
11111111
00111111
11111111
11111111
11111111
[320, 383]
00110111
01111111
11111111
01111111
01111111
01111111
01111111
11111111
[384, 447]
00110101
11111111
11110111
11111111
11011111
01111111
11111111
11111111
[448, 511]
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
[512, 575]
00000001
00100011
00000101
00111011
00010001
00100011
01110001
11111111
[576, 639]
00000001
01110101
00111011
01111111
00000000
01010011
11111110
11111111
[640, 703]
00000001
01000001
01111111
11111111
00001001
10110111
11111111
11111111
[704, 767]
00000000
01010011
01111111
11111011
10010011
01111001
11111111
11111111
[768, 831]
00000001
00000000
01110011
11111111
00110001
00010011
01110101
11111111
[832, 895]
00000000
01000001
10110111
11101110
00000001
00100001
11111100
11111111
[896, 959]
00000000
10010011
01110101
11111111
00010001
01101011
11110101
11111111
[960, 1023]
11101001
11110111
11111111
11111011
10110111
11111111
11111011
11111111
[1024, 1087]
00000001
00100011
00000001
00111111
00010001
00000001
01110111
11111111
[1088, 1151]
00000001
01110101
01101011
01111111
00000000
01010011
11111110
11111111
[1152, 1215]
00000001
01100001
01111111
11111111
00101001
00110111
11111111
11111111
[1216, 1279]
00000000
01110011
00111111
01111011
10010010
01111101
11111111
11111111
[1280, 1343]
00000001
00000000
01111011
11111110
00101111
00011011
01111111
11111111
[1344, 1407]
00000000
01000001
00110111
11111110
00001001
00110111
01111110
01111111
[1408, 1471]
00000000
11010010
01111111
11111111
00011011
01101111
11111111
11111111
[1472, 1535]
00000000
01110101
01111111
01110111
00100111
01111111
01111011
01111111
[1536, 1599]
00000001
00000011
00000001
00001001
00010001
00000001
01000001
10010011
[1600, 1663]
00000001
01110101
00100001
01010101
00000000
01010001
10000000
11110111
[1664, 1727]
00000001
01000001
01101011
00010011
00000001
00000000
11111011
11111111
[1728, 1791]
00000000
01010001
00000001
01110011
00000000
01000001
10110111
11111111
[1792, 1855]
00000001
00000000
01100001
10000001
00100111
00001001
00011110
10111111
[1856, 1919]
00000000
01000000
00000001
01010110
00001000
00000000
00010000
01111111
[1920, 1983]
00000000
10000000
00100001
01110111
00000011
00000001
00111111
11111111
[1984, 2047]
01101000
11010000
11110011
10110011
00000000
11010011
11111011
11111111
[2048, 2111]
00000001
00000011
00110111
11111111
00110011
00110111
01111111
11111111
[2112, 2175]
00000001
01110111
01111111
11111111
00010001
01111011
11111111
11111111
[2176, 2239]
00000001
11110111
01111111
11111111
00111111
11111111
11111101
11111111
[2240, 2303]
00010010
11110111
11111111
11111111
11111111
11111101
11111111
01111111
[2304, 2367]
00000001
00010010
01111101
11111111
00111111
01111111
11111111
11111111
[2368, 2431]
00000000
01100010
11111111
01111111
00111111
00111111
01111111
11111111
[2432, 2495]
00010000
11111111
11110111
11111111
01111111
11111111
01111111
11111111
[2496, 2559]
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
11111111
[2560, 2623]
00000001
00100011
00000001
00011011
00010001
00100011
01110111
11111111
[2624, 2687]
00000001
01110101
00101011
01110111
00000000
01000001
10111110
11111111
[2688, 2751]
00000001
11000001
01011011
01111111
00001001
00110011
01111101
11111111
[2752, 2815]
00000000
01010001
00110111
11111011
10101001
10110001
11111111
11111111
[2816, 2879]
00000001
00000000
01110001
10110111
00100001
00000011
01110101
11111111
[2880, 2943]
00000000
01000000
00010111
01101111
00000000
00000001
01111101
11111111
[2944, 3007]
00000000
11000001
01110101
11111111
00000001
10101011
01010001
11111111
[3008, 3071]
11101000
11010011
11111111
11111011
10111011
11111111
11111011
11111111
[3072, 3135]
00000001
00100011
00000001
00011011
00110001
00000001
01010011
01111111
23
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
指標
色
[3136, 3199]
00000001
01110101
00101001
01111111
00000000
01010001
10110110
11111111
[3200, 3263]
00000001
11100000
01111011
11111111
00001010
00111011
01111111
11111111
[3264, 3327]
00000000
01110001
01111111
11111011
10001000
01110101
11111111
01111111
[3328, 3391]
00000001
00000000
01100001
11110110
00111111
00001001
01111111
11111111
[3392, 3455]
00000000
01000000
00010111
01111111
00001000
00010011
01111110
01111111
[3456, 3519]
00000000
10000000
01110111
11111111
00101011
00101111
01111111
01111111
[3520, 3583]
00000000
01110001
01111111
01110111
00101011
01111111
00111011
01111111
[3584, 3647]
00000001
00000011
00000001
00001001
00010001
00000001
01000001
00000001
[3648, 3711]
00000001
01110101
00100001
01010101
00000000
01010001
10000000
01010011
[3712, 3775]
00000001
01000001
01001001
00000001
00001001
00000000
00000001
00010011
[3776, 3839]
00000000
01010001
00000000
01010011
10000000
01000001
00010011
01111111
[3840, 3903]
00000001
00000000
01100001
10000000
00100001
00000001
00000001
00010011
[3904, 3967]
00000000
01000000
00000000
01000000
00000000
00000000
00000000
00010011
[3968, 4031]
00000000
10000000
00000000
00010011
00000001
00000001
01010001
01111111
[4032, 4095]
00000000
01010000
00000000
01110011
00000001
01010100
00110001
01110111
6.4
差分層の典型的予測 差分層TP(典型的予測)を行うかどうかは,BIHの任意選択フィールドにあ
るTPDONビットによって指定する。この予測機能を用いない (TPDON=0) 場合は,符号器及び復号器の
双方のTPD処理部は,予測を行わないことを算術符号処理部及び算術復号処理部に示すため,すべての画
素に対してTPVALUE=2を出力しなければならない。この機能を用いない場合は,算術符号処理器におい
て仮想画素LNTPの符号化も復号も行ってはならない。6.4.1及び6.4.2では,差分層TPを行う (TPDON
=1) 場合について示す。
境界効果によって,参照画素が,現ストライプ内にない場合,その値は,6.1.2の一般境界規則によって
決定する。
6.4.1
符号器での処理 図5に8近傍画素の定義を示す。“?”と書かれていない8個の画素は,“?”画
素に隣接する画素で,8近傍画素という。
図5 8近傍画素の定義
当該画素とその8近傍画素とが同色で,当該画素に関連する4個の高解像度層画素の内,1個以上の画
素がこの色と異なる場合,この低解像度層の画素を“典型的でない”画素という。“典型的でない”画素を
1個でも含む低解像度層の行を“非典型的”行 (LNTP) という。LNTPを決定する流れ図を図6に示す。
図6において,LPIXは,低解像度層の画素を示す。
備考 このような“典型的でない”低解像度層画素は起こり得るが,非常にまれである。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図6 LNTPを決定する処理
図7は,高解像度層の1対の行とそれに対応する低解像度層の行との関係を示す。この図に,LNTP値
が符号化される仮想位置を示す。
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図7 仮想画素の通常画素に対する位置関係
この図が示すように,仮想画素のLNTP値は,高解像度層の1対の行のどの画素よりも先に算術符号処
理部において符号化される。この仮想画素の符号化においては,TPVALUE及びDPVALUEは,常に2と
する。符号化に使われる文脈CXは,位相3で,図8に示す画素に囲まれている場合の通常の画素を符号
化する文脈と同一とする。この図で,“F”は前景色を,“B”は背景色を表す。
備考 この特定の文脈がLNTPの符号化にも利用される文脈として選択された理由は,この文脈の発
生頻度が小さいこと,そして多くの画像で,このような文脈で前景色が出現する確率は,LNTP
=1となる確率と同様に低いことである。他の自明な符号化方法であるLNTPをその固有の文
脈で符号化する方法は,残念ながら文脈の全数を2のべき乗倍にさせる。
図8 差分層のTP仮想画素を符号化するのに再利用される文脈
図9は,TPVALUE出力を生成するために必要な処理を示す。例えば,LNTPが0で,高解像度層の画素
PIXに関連する低解像度層画素がその8近傍画素のすべてと同一の色の場合,TPVALUEは,その色に等
しくなる。そうでなければ,予測ができないことを示すため,TPVALUEを2に設定する。
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図9 TPVALUEを決定する処理
6.4.2
復号器における処理 TPのための仮想画素LNTPは,各々の高解像度層の1対の行の最初で復号
される(図7参照)。LNTPの復号において,TPVALUE及びDPVALUEは2,文脈CXは6.4.1で記述した
ものを用いる。
高解像度層の画素PIXの復号において,TPVALUEは,符号器と同じように生成される。
6.5
最低解像度層符号化の典型的予測 最低解像度層において典型的予測を行うかどうかは,BIHの任
意選択フィールドにあるTPBONビットによって指定する。典型的予測を用いない (TPBON=0) 場合,符
号処理及び復号処理の双方において,TPB処理部は,すべての画素のTPVALUEを2として出力し,算術
符号処理部に対して予測を行わないことを示す。この最低解像度層典型的予測を行わない場合,TPB処理
部は,仮想画素SLNTPの算術符号処理も復号処理も行わない。ここでは,最低解像度層の典型的予測を
行う (TPBON=1) 場合について示す。
6.5.1
符号処理 yを現在の行とする。現在の行yが直上の行といずれかの画素位置で,値が異なる場合,
LNTPyは1でなければならず,行yは非典型的行という。その他の場合は,LNTPyは0とする。画像の最
初の行が非典型的であるかどうかの判定においては,直上の行を背景色と仮定して処理する。
備考 差分層の典型的予測においては,大部分の行が“典型的”であったのに対し,最低解像度層の
典型的予測では“典型的”である確率はごく少ない。
SLNTPyを次に定義する。ここで,記号は排他論理和演算子,記号!は論理否定演算子を示す。言い換え
れば,SLNTPyが1となるのは,LNTPyとLNTPy-1とが等しい場合だけとする。画像の最初の行では,LNTPy-1
を1とする。
SLNTPy=! (LNTPyLNTPy−1)
(5)
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最低解像度層の典型的予測を行う場合は,SLNTP値を行yのどの画素よりも前に置かれた仮想画素の値
として符号化する(図10参照)。
図10 通常の画素と仮想画素との位置関係
SLNTPの符号処理において,LRLTWOが0の場合は図11に示す文脈によって,LRLTWOが1の場合は
図12に示す文脈によって符号処理を行う。図中の“F”は前景色を,“B”は背景色を示す。SLNTPの符
号処理を行う場合は,TPVALUEは,常に2とする。すなわち,SLNTPを典型的予測によって予測するこ
とはなく,常に算術符号処理器によって符号化されることを示している。
備考 LNTPの変化の算術符号化は,LNTP自身の算術符号化より効率的である。最低解像度層の典型
的予測においては,LNTPが1又は0のいずれかを高い確率でとることはないため,高い効率
でエントロピ符号処理を行うことはできない。
図11 最低解像度層のTP仮想画素の符号化に使用する文脈
図12 最低解像度層のTP仮想画素の符号化に使用する文脈
LNTPyが0の場合,TPB処理部は,TPVALUEとして現画素と直上の画素とに共通な値を出力する。そ
の他の場合は,予測できないことを示すためにTPB処理部は,2を出力する。
6.5.2
復号処理 TPBONが1の場合,同一性を示すSLNTPyが復号されなければならない(図10参照)。
SLNTPの復号において,TPVALUEは2を,文脈CXは図11又は図12の対応する方を使用する。
復号処理では,次の式によってLNTPyを再生する。
LNTPy=! (SLNTPyLNTPy−1)
(6)
符号処理の場合と同様に,この繰返し処理は,画像の最初の行の直上に位置する行のLNTPを1として
開始する。
LNTPyが0の場合,TPB処理部は,TPVALUEとして現画素の直上の画素の値を出力する。その他の場
合,予測できないことを示すためにTPB処理部は,2を出力する。
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6.6
決定論的予測 (DP) DPは,BIH任意選択フィールドにおけるDPONビットによってDP機能の使
用及び停止が指示される。DPの機能を停止する場合 (DPON=0) ,符号器及び復号器の双方のDP部は,
すべての画素に対して単にDPVALUE=2を出力する。ここでは,DPの使用を前提とする (DPON=1) 。
画像の符号化時にDPが使用される場合,6.2に示す方法で私用のDP表の使用が指示されていない限り,
6.6.2に示すDP表を予測のために使用することを前提とする。
6.6.1
参照画素の定義 決定論的予測アルゴリズムを記述するため,低解像度画像及び高解像度画像にお
いて必要とされる画素の参照に使用されるラベル付けを図13に示す。境界効果から現ストライプ内には存
在しない画素が参照されるときは,その参照値は,必ず6.1.2の一般的な境界規則によって決定しなければ
ならない。
図13 DPによって使用される画素へのラベル付け
6.6.2
既定DP表 それぞれの空間位相に対して予測をするために使用される近傍画素,すなわち“参照
画素”を表18に示す。4種類の可能な空間位相のそれぞれに対して異なった画素の組合せがDP予測のた
めに使用される。各々の位相に対して使用される画素は,図13でラベル付けされており,特定の位相が符
号化されるときには,符号器及び復号器の双方において既知である。後に示すDP規則を利用する場合,
この表は,実際に参照画素のどれくらいの数の組合せがDP予測(すなわち,的中)できるかを示してい
る。
表18 空間位相に対するDP画素
位相
着目画素
参照画素
既定低解像度化にお
けるDP的中数
0
8
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
20
1
9
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8
108
2
11
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10
526
3
12
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11
1044
私用のDP表においては,4種類のどの位相に関しても表18に示す画素以外を利用することはできない。
DP予測が“的中”する参照画素パターンの数は,表18に示す既定低解像度化アルゴリズムに対する数と
は一般に一致しない。
表19〜表22は,既定低解像度化アルゴリズムに対するDPを定義する。これらの4種類の表は,それ
ぞれが4種類の空間位相の0, 1, 2及び3のそれぞれにおけるDPVALUEを決定するために使用する。表へ
の指標は,指標のビット並びを図4ではなく図13に示す画素番号で定義する点を除いて,低解像度化用の
表17への指標と同様な方法で作成される。
これらの表のデータがDPVALUEを与え,それらはすべて0, 1又は2とする。“2”は,決定論的予測 (DP)
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が不可能であることを示している。“0”は,DP“的中”であり,符号化対象画素が背景色 (0) でなければ
ならないことを示している。“1”は,DP“的中”であり,符号化対象画素が前景色 (1) でなければならな
いことを示している。表17と同様に,データは,指標の増加に伴って左から右へと読まれる。
表19 空間位相0の予測のためのDP
指標
DPVALUE
[0, 63]
02222222
22222222
22222222
22222222
02222222
22222222
22222222
22222222
[64, 127]
02222222
22222222
22222222
22222222
00222222
22222222
22222222
22222222
[128, 191]
02222222
22222222
00222222
22222222
02020222
22222222
02022222
22222222
[192, 255]
00222222
22222222
22222222
22222221
02020022
22222222
22222222
22222222
表20 空間位相1の予測のためのDP
指標
DPVALUE
[0, 63]
22222222
22222222
22222222
22000000
02222222
22222222
00222222
22111111
[64, 127]
22222222
22222222
22222222
21111111
02222222
22111111
22222222
22112221
[128, 191]
02222222
22222222
02222222
22222222
00222222
22222200
20222222
22222222
[192, 255]
02222222
22111111
22222222
22222102
11222222
22222212
22220022
22222212
[256, 319]
20222222
22222222
00220222
22222222
20000222
22222222
00000022
22222221
[320, 383]
20222222
22222222
11222222
22222221
22222222
22222221
22221122
22222221
[384, 447]
20020022
22222222
22000022
22222222
20202002
22222222
20220002
22222222
[448, 511]
22000022
22222222
00220022
22222221
21212202
22222222
22220002
22222222
表21 空間位相2の予測のためのDP
本旨標
DPVALUE
[0, 63]
22222222
12222222
22222222
22222222
02222222
12222222
02222222
11222222
[64, 127]
22222222
22222222
02222222
12222222
02222222
11222222
22221122
22222222
[128, 191]
00202222
11111111
00200222
11111111
00222222
21122222
10222222
22111222
[192, 255]
02222222
11222222
00222222
21222222
22222222
22202220
22220022
22112222
[256, 319]
20222222
21222222
20020022
22222222
20000222
22222220
22000022
22222212
[320, 383]
20220222
22211111
22020222
22112122
22000022
22122122
22002222
22222222
[384, 447]
20020022
22222200
22000022
22222212
22202022
22222222
20202202
22222212
[448, 511]
22202022
22222200
00002022
22222212
22222202
22222221
22002220
22212221
[512, 575]
02222222
22111122
02222222
11222222
22212122
22220000
22122122
22202000
[576, 639]
00000000
22222222
02222222
22000000
22002222
22222222
22002112
22222222
[640, 703]
20222222
21221122
20222222
22121222
22000022
22112122
02222222
22212222
[704, 767]
20222222
22222022
00022222
21111222
02000022
22222200
22002212
22222222
[768, 831]
22020222
22111122
22222022
22222200
22222022
22222212
22222202
22222221
[832, 895]
22000022
22222222
00201222
22222220
22022202
22222222
22002200
22222222
[896, 959]
22202222
22222222
22222202
22222221
22222222
22222221
22202220
22222222
[960, 1023]
22222222
22222222
22002202
22222221
20202220
22222222
22002220
22222222
[1024, 1087]
22222222
11111111
22222222
11111111
02222222
21111111
22222222
22222222
[1088, 1151]
22222222
11111111
02222222
22222222
02222222
21222222
22222222
22222002
[1152, 1215]
00222222
11111111
22222202
22221121
12222222
22222212
22002202
22221111
[1216, 1279]
02222222
21222222
22222222
22201202
22220222
22101222
22000022
22222221
[1280, 1343]
20222222
22112111
11020222
22211111
22202002
22222222
00202222
22222212
[1344, 1407]
22020022
22222211
22000022
22222212
22222022
22222212
22222202
22222212
[1408, 1471]
22002022
22211211
22222212
22222221
21222102
22222221
22222222
22222121
[1472, 1535]
22121122
22222222
22111122
22220222
22222200
22222221
22000002
22222221
[1536, 1599]
00000000
11111111
02222222
21222222
20222222
22121111
22220222
22121122
[1600, 1663]
00222222
22222222
22222222
21121222
20020222
22111111
22220022
22212122
[1664, 1727]
20220022
22111111
22020022
22221121
22000022
22222122
22220022
22222211
[1728, 1791]
20020222
22111111
22002222
22211122
11122222
22222111
22222202
22222210
30
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本旨標
DPVALUE
[1792, 1855]
22200022
22222222
22122022
22222212
22222202
22222211
22222200
22222221
[1856, 1919]
22222022
22222222
22121222
22222222
22000000
22222211
22000000
22222211
[1920, 1983]
22222202
22222211
22222220
22222221
22222220
22222221
22222222
22222222
[1984, 2047]
22222200
22222221
22222220
22222221
22222222
22222222
22222220
22222222
表22 空間位相3の予測のためのDP
指標
DPVALUE
[0, 63]
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
[64, 127]
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222202
22222212
[128, 191]
22222222
22222222
22222222
22222222
02222222
12222222
20222222
21222222
[192, 255]
22222222
22222222
02222222
12222222
22111121
22000020
22221122
22220022
[256, 319]
22222222
22222222
20000000
21111111
20000000
21111111
22000022
22111122
[320, 383]
20022222
21122222
22221222
22220222
22200222
22211222
22002222
22112222
[384, 447]
20000000
21111111
22000022
22111122
22202022
22212122
20202020
21212121
[448, 511]
22212111
22202000
00002022
11112122
22222212
22222202
22022222
22122222
[512, 575]
02222222
12222222
22222222
22222222
22020200
22121211
22211211
22200200
[576, 639]
00000000
11111111
00000000
11111111
22000000
22111111
22002220
22112221
[640, 703]
22222222
22222222
20222222
21222222
22221222
22220222
02020122
12121022
[704, 767]
20000000
21111111
02222222
12222222
02000100
12111011
22002220
22112221
[768, 831]
22222222
22222222
22222111
22222000
22222022
22222122
22222202
22222212
[832, 895]
22000000
22111111
00202000
11212111
22022200
22122211
22002210
22112201
[896, 959]
22202212
22212202
22222212
22222202
22222222
22222222
22202220
22212221
[960, 1023]
22222220
22222221
22002202
22112212
20202220
21212221
22002220
22112221
[1024, 1087]
22222222
22222222
22222222
22222222
02222222
12222222
02222222
12222222
[1088, 1151]
22222222
22222222
02222222
12222222
02222222
12222222
22221112
22220002
[1152, 1215]
22222222
22222222
22222202
22222212
22111121
22000020
22112222
22002222
[1216, 1279]
02222222
12222222
22112212
22002202
22212122
22202022
22010122
22101022
[1280, 1343]
20220222
21221222
22122222
22022222
22212111
22202000
00200022
11211122
[1344, 1407]
22111122
22000022
22000022
22111122
22222022
22222122
22222222
22222222
[1408, 1471]
22022022
22122122
22220022
22221122
22222212
22222202
22220222
22221222
[1472, 1535]
22202222
22212222
22222222
22222222
22222202
22222212
22111112
22000002
[1536, 1599]
22222222
22222222
02222222
12222222
20222222
21222222
22222222
22222222
[1600, 1663]
00000000
11111111
22222222
22222222
20222222
21222222
22020222
22121222
[1664, 1727]
20222222
21222222
22112212
22002202
22010222
22101222
22221122
22220022
[1728, 1791]
21222222
20222222
22022222
22122222
22201222
22210222
22222220
22222221
[1792, 1855]
22211111
22200000
22202022
22212122
22222222
22222222
22222202
22222212
[1856, 1919]
22222000
22222111
22222202
22222212
22111122
22000022
22001122
22110022
[1920, 1983]
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
[1984, 2047]
22222202
22222212
22222222
22222222
22222222
22222222
22222220
22222221
[2048, 2111]
02222222
12222222
22222222
22222222
22222222
22222222
20222222
21222222
[2112, 2175]
22222222
22222222
22222222
22222222
20222222
21222222
22221112
22220002
[2176, 2239]
22020000
22121111
22122111
22022000
22122222
22022222
02010222
12101222
[2240, 2303]
20222222
21222222
22222222
22222222
22020122
22121022
22112222
22002222
[2304, 2367]
22222222
22222222
22212211
22202200
22222012
22222102
22222212
22222202
[2368, 2431]
22112111
22002000
22202022
22212122
22222222
22222222
22222222
22222222
[2432, 2495]
22202222
22212222
22222202
22222212
22222222
22222222
22222020
22222121
[2496, 2559]
22222222
22222222
22222202
22222212
22222220
22222221
22222222
22222222
[2560, 2623]
22111122
22000022
20222222
21222222
22112222
22002222
22020222
22121222
[2624, 2687]
22222222
22222222
21222222
20222222
22220000
22221111
22222000
22222111
[2688, 2751]
22221122
22220022
22020222
22121222
22222222
22222222
22111122
22000022
[2752, 2815]
22000200
22111211
22201222
22210222
22222222
22222222
22222200
22222211
31
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
指標
DPVALUE
[2816, 2879]
22202022
22212122
22222222
22222222
22222202
22222212
22222220
22222221
[2880, 2943]
22222200
22222211
22221102
22220012
22222220
22222221
22222222
22222222
[2944, 3007]
22222202
22222212
22222220
22222221
22222220
22222221
22222222
22222222
[3008, 3071]
22222220
22222221
22222220
22222221
22222222
22222222
22222222
22222222
[3072, 3135]
00000000
11111111
00000000
11111111
20000000
21111111
02222222
12222222
[3136, 3199]
00000000
11111111
22222222
22222222
21222222
20222222
22220222
22221222
[3200, 3263]
22000000
22111111
22220020
22221121
02010000
12101111
22220020
22221121
[3264, 3327]
20222222
21222222
22020222
22121222
22122022
22022122
22222220
22222221
[3328, 3391]
22000000
22111111
00202000
11212111
22222220
22222221
22220002
22221112
[3392, 3455]
22202200
22212211
22222202
22222212
22222202
22222212
22222222
22222222
[3456, 3519]
22220200
22221211
22220010
22221101
20222020
21222121
22220020
22221121
[3520, 3583]
22111122
22000022
22112022
22002122
22222222
22222222
22222220
22222221
[3584, 3647]
22222222
22222222
21222222
20222222
22020000
22121111
22122022
22022122
[3648, 3711]
22000000
22111111
21020222
20121222
22202000
22212111
22002222
22112222
[3712, 3775]
22002200
22112211
22202200
22212211
22222222
22222222
22222200
22222211
[3776, 3839]
22202000
22212111
22220022
22221122
00000000
11111111
22222222
22222222
[3840, 3903]
22222200
22222211
22112202
22002212
22222220
22222221
22222222
22222222
[3904, 3967]
22222200
22222211
22121212
22020202
22222222
22222222
22222222
22222222
[3968, 4031]
22222220
22222221
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
[4032, 4095]
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
22222222
6.6.3
DP表形式 DPON=1で,DPPRIV=1,かつ,DPLAST=0の場合,私用のDP表をBIH(6.2参照)
のDPTABLEフィールドに設定しなければならない。DPTABLEは,推奨低解像度化アルゴリズムに対し
てDPを定義する前述の四つの表の構成に対応させて定義しなければならない。特に,それぞれのデータ
に2ビットを割り当てることによって,四つのデータを1バイトにまとめた四つの表を連結しなければな
らない。表の左上に記述するデータは,バイトのより上位のビットに置き,DPTABLEフィールドではよ
り前のバイトに置かなければならない。DP予測をすることが不可能である場合においては,“2”を2ビ
ットフィールドに設定しなければならない。
備考 この方式は,2ビットフィールドの最上位ビットだけでDPが不可能であることが分かるように
定められている。
空間位相の0, 1, 2及び3の画素予測に関して,それぞれ8個,9個,11個及び12個の参照画素があるの
で,DPTABLEフィールドは,次のバイト長になる。
1 728=2× (256+512+1 024+2 048) /8
(7)
6.7
モデルテンプレート及び適応テンプレート モデルテンプレートは,符号化対象画素の近傍を定義
する。これらの近傍画素の値と差分層における空間位相とが,文脈を定義する。それぞれの異なった文脈
に関しては,算術符号化アダプタが独立に使用される(6.8参照)。テンプレートは,画素の幾何学的なパ
ターンを指すが,テンプレートが画像の特定部分に割り当てられたとき,テンプレートにおける画素は,
値をとることになる。
6.7.1
最低解像度層 LRLTWO=0の場合に,最低解像度層を符号化するとき使用するテンプレートを,
図14に示す。
32
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図14 最低解像度層における3ラインモデルテンプレート
“?”で示される画素は,符号化対象画素に対応しており,テンプレートの一部ではない。“X”で示さ
れる画素はテンプレートにおける通常画素に対応しており,“A”で示される画素はテンプレートにおける
適応画素,すなわちAT画素といわれる特殊な画素に対応している。この画素は,画像符号化の処理中に
おいて,その位置の変更が許される点で特別である。AT画素の規定は,6.7.3による。“A”は,AT画素の
初期位置を示している。
テンプレートにおける画素の値は,組み合わされて文脈を構成する。モデルテンプレートにおける(適
応画素を含め)各々の画素は,文脈における特定のビットに対応していなければならない。ただし,テン
プレートにおける画素が文脈のビットに対応する順序は,任意でよい。このテンプレートは10画素からな
るので,最低解像度層に対応した文脈は,1024通りの異なった値をとる。6.8に示すように,この文脈は,
符号化対象画素を符号化するとき,どの算術符号化アダプタを使用するかを指定するために使用される。
LRLTWO=1の場合,最低解像度層モデルテンプレートとして図15に示すものを使用する。
図15 最低解像度層における2ラインモデルテンプレート
ラベルの“X”,“A”及び“?”の意味は,前と同じとする。
備考 最低解像度層におけるソフトウェアでの実行速度は,2ラインモデルテンプレートの方が3ラ
インモデルテンプレートより幾分速いと思われる。2ラインテンプレートを使用する場合での
不利な点は,符号化効率の5%程度の低下である。
図14又は図15(LRLTWOによって規定される)のテンプレートにおけるいずれかの画素が,画像又は
ストライプの境界を越えている場合は,常に6.1.2に規定する一般的な境界規則を使用しなければならない。
6.7.2
差分層 図16に差分層画像を符号化するときに使用しなければならないテンプレートを示す。こ
れらのテンプレートは,符号化される画像の画素だけでなく,次に低い解像度の画像の画素への参照をも
含んでおり,位相によって異なっていることに注意すべきである。ラベルの“?”,“X”及び“A”は,
6.7.1における意味と同じとする。
文脈は,最低解像度の文脈を構成したときと同様な方法で差分層のテンプレートから構成しなければな
らない。テンプレートにおける各々の画素は,文脈中の1ビットに対応する。さらに,差分層画像を符号
化するときは,符号化されている画素の位相を記述するために2ビットを文脈に追加する。位相情報を記
述するためにはどのビットを使用してもよいが,前と同様に,画像を符号化する間は,テンプレートにお
33
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ける画素及び位相情報の文脈中でのビット割当ての位置は固定されていなければならない。差分層の符号
化時には,差分層テンプレートが10画素を含み,位相情報を記述するために2ビット使われることから,
4 096通りの文脈が存在する。この文脈は,符号化対象画素を符号化するために,どの算術符号器アダプタ
を使用すべきかを識別するために使用する。
図16 差分層符号化におけるモデルテンプレート
6.7.3
適応的テンプレート画素 最低解像度と同様に差分層符号化においても,ここに示す制限された方
法を用いてモデルテンプレートを変更することができる。
位置の変更が許されるただ一つの画素は,AT画素といわれる。最低解像度3ラインテンプレート,最低
解像度2ラインテンプレート及び差分層テンプレートに関するその初期位置(既定位置)は,それぞれ図
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X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
14,図15及び図16の“A”によって示される。一般に,AT画素は,すべての層に関して図17に示した
領域の任意の位置に独立に移動させることができる。
図17 ATの移動が制限されている領域
しかし,新しいATの位置は,テンプレート内のどの正規の画素にも重なってはならない(すなわち,
許容される移動は,2ライン最低解像度層符号化,3ライン最低解像度層符号化及び差分層符号化に関して,
それぞれ少し異なる。)。
差分層におけるATの移動は,四つの異なった位相に関して同時に有効とする。複数の差分層からなる
場合には,各々の層における移動は独立とする。しかし,どの差分層においても,あるストライプにおい
てAT画素が移動したときは,引き続くストライプにおいても新しい位置を引き継がなければならない。
パラメタのMx及びMyは,図17の長方形の大きさを定義する。絶対的な制限値及び推奨される最小限
の対応可能値を,表9及び附属書A表1に示す。
備考 一般的に縦方向の移動に対応できるようにすることは,ハードウェア化の場合,より費用がか
かるので,Myに関する推奨される最小限の対応可能値は,AT画素の移動を,その既定位置を
除いて現在符号化されている行内に限られるよう,0に制限している。
符号器がAT画素の位置を変更したい場合には,符号器が復号器に表14に示すようにτx, τy, 及びyATを
符号化することによって変更を通知しなければならない。τx及びτyとして符号化される数は,図17に示す
ように,それぞれ符号化対象画素からの水平方向及び垂直方向のオフセットでなければならない。τxが負
の数である場合には,2の補数として符号化する。yATとして符号化する数は,変更の開始時における高解
像度画像の行番号でなければならない。行番号は,各々のストライプの先頭で0にリセットしなければな
らない。
AT画素の位置を一度変更した後,初期位置(既定位置)に戻すことも許容される。AT画素に関する既
定位置は,常に実際のX及びYの座標ではなくτx=0及びτy=0で符号化しなければならない。
備考 この用法は,実際の座標が最低解像度と差分層符号化とでは異なっているので便利である。Mx
とMyとを0とすることによって,復号器に対してAT画素の移動がないことを通知することも
可能である。
附属書C(参考)には,AT画素の変更が望ましい時点及び移動すべき場所を決定するための,簡易な計
算方法を示す。
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6.8
算術符号処理 この規格では,エントロピ符号処理器として,適応算術圧縮符号処理器を用いる。
6.8.1〜6.8.3において,出力を定義している流れ図及び表24は,他の手段による実装方法を使用してもよ
いが,完全に同じ内容を出力しなくてはならないという意味において,規定となる。6.8.1及び6.8.2に示
すべての背景の情報及び記述内容は,参考情報とする。
備考 ここに示す算術符号処理操作は,JIS X 4301に規定された算術符号処理操作に一致するように
示している。しかし,意図的ではなく,記述に相違点がある場合にはこの規格中に示された手
順を用いなければならない。
各解像度層の各ストライプにおいて,算術符号器は,バイト列SCDを生成する。算術符号器は,四つの
入力列をもち,符号化すべきストライプの各画素に対してそれぞれが一つずつの値を入力する。図18に示
すように,これら四つの入力は,画素を示すPIX,文脈の値CX,TPの値TPVALUE及びDPの値DPVALUE
とする。
図18 符号器における入出力
符号化すべき画素は,通常は画像における画素そのものであるが,最低解像度層のTP又は差分層のTP
を用いるような場合には,LNTP(差分層)又はSLNTP(最低解像度層)といった疑似画素であるときが
ある。入力のCX,TPVALUE及びDPVALUEは,6.7,6.4,6.5及び6.6の規定に従って生成される。
各解像度層の各ストライプにおいて,算術復号器は,バイト列SCDを読み込む。図19に示すように,
画素ごとの入力列であるCX,TPVALUE及びDPVALUEとともに,このバイト列を処理し,PIX列を再生
する。
図19 復号器における入出力
入力のCX,TPVALUE及びDPVALUEは,符号器で使用するものと同一とする。
符号器及び復号器に対する要求事項は,実例手順によって規定するのが最も簡明な方法である。実例手
順を流れ図及び表によって定義する。等価な手順も多く存在する。他の手順に比べて処理速度,メモリの
使用法又は簡易さといった面で優れているものもある。ハードウェアの実装に対してより適しているもの
もあれば,ソフトウェアの実装に対してより適しているものもある。この規格では,実例手順を最も簡易
で,かつ,簡潔であることを重視して選択した。実例手順と同じ出力を生成する符号化及び復号の手順で
あるならばそれを使用してもよい。出力が同一になるということだけが唯一の要求事項となる。
6.8.1
算術符号処理の基礎概念(参考)
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6.8.1.1
領域部分分割 再帰的な確率領域の部分分割が算術符号処理の基本となる。概念的には,入力シ
ンボル列が[0, 1)の領域上の実数xに写像される。ここで,角括弧ʻ[ʼはその領域の端を含み,丸括弧ʻ)ʼ
は端を含まないことを示す。一連の原シンボル列の代わりに伝送又は蓄積するものは,2進数に展開したx
とする。
図20に,符号化すべき初期シンボル列0, 1, 0, 0に対する領域部分分割の例を示す。
図20 領域部分分割
初期シンボル列を符号化した後,xの位置する[0, 1)上の区間が現符号化領域となる。2値データの入力
ごとに,現符号化領域は,出現したシンボルに対応する確率に比例した領域サイズの二つの部分領域に分
割される。新しい現符号化領域には,実際に出現したシンボル値に対応する領域を選択する。符号器にお
いて,現符号化領域を認識することは,その領域サイズを与える第1の変数及び基底(下界)を与える第
2の変数によって維持される。出力列は,基底を示す変数から得られる。
現在の領域を二つの部分領域に分割する際に,劣勢シンボル (LPS) に対する部分領域を優勢シンボル
(MPS) に対する部分領域の上方に配置する。したがって,LPSを符号化するときには,基底にMPSの部
分領域を加算する。この符号化の用法では,シンボルを0又は1ではなく,MPS又はLPSとして取り扱う
ことが必要となる。したがって,各シンボルを符号化するためには,そのシンボルに対するLPSの領域サ
イズ及びMPSが意味するシンボル値を知る必要がある。
符号列は常に現符号化領域内の実際の数値を指しているので,復号処理とは,それぞれの判定において
符号列がどの部分領域を指しているかを決定することである。これも,符号器と全く同じ領域部分分割処
理を用いて,再帰的に行う。判定が復号されるごとに,復号器では符号器において符号列に加算された領
域を減算する。したがって,復号器における符号列は,現在の領域の基底からみた,現在領域上への相対
的な変位となる。
この符号化処理は,整数長の符号語を連結するのではなく,2進小数の加算を行うために,確率の高い
方の2値判定に対しては,一つの判定当たり1ビットよりかなり小さい符号長(複数判定で1ビットとな
る。)で符号化できることが多い。
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6.8.1.2
符号化の用法及び近似 これらの符号化演算は,固定精度整数演算で処理できる。レジスタAは,
常に範囲 [0x8000,0x10000] に収まるように正規化された現符号化領域サイズをもつ。ここで,“0x”は,
16進整数を表す。シンボルの符号化の結果として,Aが一時的に0x8000未満になったときは,常に0x8000
より大きくなるか,又は等しくなるまで2倍する操作を繰り返す。このように2倍する処理を“再正規化”
という。
第2のレジスタCは,符号系列を含む。Aが2倍されるごとにレジスタCも同時に2倍される。(Cが
上位けたあふれを起こさないように)周期的にレジスタCから上位1バイト分のデータを取り除き,別の
符号列緩衝域に入力する。この緩衝域の内容を出力する前に,けた上げ伝ぱの可能性を解決しなければな
らない。
領域部分分割においては,簡単な算術的近似を用いる。領域サイズA及び現在のLPSの確率の推定値p
を用いると,LPS部分領域の正確な計算は,乗算p×Aとなる。この代わりに近似,
p×A≒p×A~=LSZ
(8)
を用いる。ここで,A~はAの確率密度に対する平均値を,LSZはLPSの近似された領域サイズを示す。
Aは,範囲 [0x8000,0x10000] に保たれているので,Aを統計的平均値に置き換えても,問題となるほど
大きな誤差は生じない。
経験的に,Aは,Aの値に反比例する確率密度をもつことが知られている。
LPSを符号化するときは,常にMPSの部分領域サイズA-LSZを符号レジスタに加算し,符号化領域を
LPSの部分領域サイズLSZに減少させる。MPSを符号化するときは,常に符号レジスタは変化させず,領
域をA-LSZに減少させる。これらの処理中にAが0x8000未満まで減少したときには,再正規化によって
AとCとを適切な範囲に修復する。
このような処理において,領域部分分割処理での近似によっては,LPSの部分領域がMPSの部分領域よ
り大きくなることがある。例えば,LSZの値が0.33×0x10000で,Aが許容最小値0x8000のとき,領域の
近似値は,MPSが1/3で,LPSが2/3となる。このような領域サイズの逆転を回避するために,領域の部
分分割においてはこの簡易な近似を用いたLPSの領域がMPSの領域よりも大きくなるときには,常にLPS
領域とMPS領域との割当てを交換する。この“MPS/LPS条件付き交換”は,再正規化処理が必要なとき
にだけ生じる。
再正規化処理が行われるときには,常に現在符号化が行われている文脈に対して新しい確率推定を行う。
6.8.2
符号器
6.8.2.1
符号器の流れ図 この流れ図は,各解像度層の各ストライプで実行する。典型的予測も決定論的
予測も不可能な画素をENCODE手順によって符号化する。初期化手順INITENCを流れ図の入口で呼び出
し,終了手順FLUSHを流れ図の出口で呼び出す(図21参照)。
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図21 符号器の流れ図
6.8.2.2
符号器の符号レジスタに関する用法 この箇条に示す符号器の流れ図は,表23に示すレジスタ
構成を想定している。
表23 符号器のレジスタ構成
MSB
LSB
Cレジスタ
0000cbbb,
bbbbbsss,
xxxxxxxx,
xxxxxxxx
Aレジスタ
00000000,
0000000a,
aaaaaaaa,
aaaaaaaa
“a” ビットは現符号化領域の小数部を示すビットとし,“x”ビットは符号レジスタ内の小数部を示す
ビットとする。
“s” ビットはスペーサービットで,少なくとも1ビットはけた上げを抑えるために必要となる。“b”
ビットは,完成したバイトデータをCレジスタから取り除くビット位置を示している。“c”ビットは,け
た上げビットとする。Aレジスタの17番目のビットは,概念的に存在するものであり,そのためここに示
されているが,16ビットでの実装を行いたい場合にはなくすことができる。この場合,ハードウェア又は
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ソフトウェアで生じた下位けたあふれが,0x0000からの減算のときと0x10000からの減算のときとにおい
て,全く同じ下位16ビットを生成する限りは,0x10000の代わりに0x0000の値でAレジスタを初期化し
ても正しく動作する。レジスタのこのような動作は,一般的である。
これらのレジスタに関する用法は,可能な実装方法の一つを示している。ここでは,特に多くの他の実
装方法が可能である。
6.8.2.3
確率推定表 文脈CXのそれぞれの取り得る値に対して,1ビット値であるMPS [CX] と7ビッ
ト値であるST [CX] とが格納されており,それら二つの値がその特定の文脈に関連した適応的な確率推定
動作を完全に定めている。ST [CX] を指標とする四つの配列を,表24に示す。
MPSの色は,PIXの(推定される)最も起こりそうな白・黒を示す色とする。LSZは,LPSの領域サイ
ズとする。このLSZは,式(8)に示すように確率として解釈できるが,LSZだけが次の演算に入力されるこ
とから確率としての解釈は必要ない。
配列のNLPS及びNMPSは,それぞれLPS及びMPSが出現したときの次の確率推定状態を与える。NMPS
によって与えられる遷移は,MPSの出現に加えて再正規化が発生した場合にだけ起こる。NLPSによって
与えられる遷移が起こった場合,SWTCH [CX] が1ならば,MPS [CX] の反転も行う。
附属書D(参考)に,表24の各項目を設定した理由を示す。
表24 確率推定表
ST
LSZ
NLPS
NMPS
SWTCH
ST
LSZ
NLPS
NMPS
SWTCH
0
0x5a1d
1
1
1
57
0x01a4
55
58
0
1
0x2586
14
2
0
58
0x0160
56
59
0
2
0x1114
16
3
0
59
0x0125
57
60
0
3
0x080b
18
4
0
60
0x00f6
58
61
0
4
0x03d8
20
5
0
61
0x00cb
59
62
0
5
0x01da
23
6
0
62
0x00ab
61
63
0
6
0x00e5
25
7
0
63
0x008f
61
32
0
7
0x006f
28
8
0
64
0x5b12
65
65
1
8
0x0036
30
9
0
65
0x4d04
80
66
0
9
0x001a
33
10
0
66
0x412c
81
67
0
10
0x000d
35
11
0
67
0x37d8
82
68
0
11
0x0006
9
12
0
68
0x2fe8
83
69
0
12
0x0003
10
13
0
69
0x293c
84
70
0
13
0x0001
12
13
0
70
0x2379
86
71
0
14
0x5a7f
15
15
1
71
0x1edf
87
72
0
15
0x3f25
36
16
0
72
0x1aa9
87
73
0
16
0x2cf2
38
17
0
73
0x174e
72
74
0
17
0x207c
39
18
0
74
0x1424
72
75
0
18
0x17b9
40
19
0
75
0x119c
74
76
0
19
0x1182
42
20
0
76
0x0f6b
74
77
0
20
0x0cef
43
21
0
77
0x0d5l
75
78
0
21
0x09a1
45
22
0
78
0x0bb6
77
79
0
22
0x072f
46
23
0
79
0x0a40
77
48
0
23
0x055c
48
24
0
80
0x5832
80
81
1
24
0x0406
49
25
0
81
0x4dlc
88
82
0
25
0x0303
51
26
0
82
0x438e
89
83
0
26
0x0240
52
27
0
83
0x3bdd
90
84
0
27
0x01b1
54
28
0
84
0x34ee
91
85
0
28
0x0144
56
29
0
85
0x2eae
92
86
0
29
0x00f5
57
30
0
86
0x299a
93
87
0
40
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ST
LSZ
NLPS
NMPS
SWTCH
ST
LSZ
NLPS
NMPS
SWTCH
30
0x00b7
59
31
0
87
0x2516
86
71
0
31
0x008a
60
32
0
88
0x5570
88
89
1
32
0x0068
62
33
0
89
0x4ca9
95
90
0
33
0x004e
63
34
0
90
0x44d9
96
91
0
34
0x003b
32
35
0
91
0x3e22
97
92
0
35
0x002c
33
9
0
92
0x3824
99
93
0
36
0x5ae1
37
37
1
93
0x32b4
99
94
0
37
0x484c
64
38
0
94
0x2e17
93
86
0
38
0x3a0d
65
39
0
95
0x56a8
95
96
1
39
0x2ef1
67
40
0
96
0x4f46
101
97
0
40
0x261f
68
41
0
97
0x47e5
102
98
0
41
0x1f33
69
42
0
98
0x41cf
103
99
0
42
0x19a8
70
43
0
99
0x3c3d
104
100
0
43
0x1518
72
44
0
100
0x375e
99
93
0
44
0x1177
73
45
0
101
0x5231
105
102
0
45
0x0e74
74
46
0
102
0x4c0f
106
103
0
46
0x0bfb
75
47
0
103
0x4639
107
104
0
47
0x09f8
77
48
0
104
0x415e
103
99
0
48
0x0861
78
49
0
105
0x5627
105
106
1
49
0x0706
79
50
0
106
0x50e7
108
107
0
50
0x05cd
48
51
0
107
0x4b85
109
103
0
51
0x04de
50
52
0
108
0x5597
110
109
0
52
0x040f
50
53
0
109
0x504f
111
107
0
53
0x0363
51
54
0
110
0x5a10
110
111
1
54
0x02d4
52
55
0
111
0x5522
112
109
0
55
0x025c
53
56
0
112
0x59eb
112
111
1
56
0x01f8
54
57
0
6.8.2.4
ENCODE手順の流れ図 符号化対象シンボルPIXが現時点で最も出現する確率が高いと推定さ
れる値と等しい場合には,CODEMPS手順を呼び出し,等しくない場合にはCODELPS手順を呼び出す(図
22参照)。
図22 ENCODE手順の流れ図
41
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
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6.8.2.5
CODELPS手順の流れ図 CODELPS手順は,通常,MPSの部分領域サイズであるA-LSZ [ST[CX]]
を符号列に加算すること及び領域サイズを部分領域LSZ [ST[CX]]に縮小することから構成される。この後
に,常に再正規化が行われる。ここで,SWTCH [ST[CX]]が1ならば,MPS [CX] は反転される。
しかし,LPSの部分領域がMPSの部分領域よりも大きくなるときには,MPS/LPS条件付き交換が発生
し,MPSの部分領域を符号化する(図23参照)。
図23 CODELPS手順の流れ図
6.8.2.6
CODEMPS手順の流れ図 CODEMPS手順は,通常,領域サイズをMPSの部分領域に縮小する。
しかし,LPSの部分領域がMPSの部分領域よりも大きくなるときには,MPS/LPS条件付き交換が発生し,
代わりにLPSの部分領域を符号化する。この領域サイズの逆転は,シンボルの符号化の後で再正規化が必
要となるときにだけ起こるということに留意すること(図24参照)。
42
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図24 CODEMPS手順の流れ図
6.8.2.7
RENORME手順の流れ図 領域サイズレジスタA及び符号レジスタCは,同時に1ビットずつ
シフトする。シフトの回数は,CTカウンタによって計数し,CTが0に達したとき,圧縮データの1バイ
トをBYTEOUT手順によってCから取り除く。再正規化は,Aが0x8000以上になるまで続ける(図25参
照)。
43
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図25 RENORME手順の流れ図
6.8.2.8
BYTEOUT手順の流れ図 BYTEOUT手順は,RENORME手順から呼び出される。変数TEMP
は,出力となるCレジスタ先頭部の1バイトとけた上げ表示とを保持する一時変数とする。変数BUFFER
は,0xffではない最新の一時的出力を保持する。SCカウンタは,BUFFERヘバイトが一時的に出力された
時点から存在する0xffバイトの数を保持する(図26参照)。
44
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図26 BYTEOUT手順の流れ図
符号レジスタの19ビットのシフトは,出力ビット“b”をTEMPの下位ビットに合わせる。第1の検査
ではけた上げが起こったかどうかを判定する。ここで,けた上げが生じているときには,BUFFERの一時
的出カバイトを最終的に出力するまでにBUFFERの一時的出力バイトにけた上げを加えなければならな
い。次に,スタックされているすべての出カバイトデータ(けた上げによってゼロに変換されたもの)を
出力する。最後に,新しい一時的出力バイトBUFFERにけた上げを除いたTEMPと等しい値を設定する。
けた上げが起こらなければ,出カバイトが0xffかどうかを調べる。0xffならば,けた上げが解消するま
で出力を遅延させなければならないので,スタックの値SCを1だけ加算する。0xffでなければ,けた上
げは解消し,スタックされたすべての0xffバイトデータを出力することができる。
備考 SCカウンタの値が与えられた整数nに達する確率は,2-8nで急速に小さくなる。したがって,
画像の符号化において実際にSCが3又は4を超えることはまれである。しかし,原理的には,
SCは,出力ファイルSCDのバイト数と同じ大きさにまで大きくなることがある。けた上げが
解消したときには,常に,SCカウンタの値の示す個数の0x00又は0xffのバイトデータが出力
され終わるまで入力画像は処理できない。原理上,SCの値は,非常に大きくなり得ることから,
この停止もまた原理上は非常に長くなることがあり得る。
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特定の実装にとって重要であるならば,予約マーカを入力画像の処理の停止を有限の値に制
限するのに用いることもできる。第1の方法は,SCが例えば8のようなある小さな数に達した
時点で,予約マーカを逐次挿入し,SCから8を引くことである。その後,符号器内の後処理の
段階において,これらのマーカの各々は,8個の0xff又は8個の0x00のいずれかに適切に置き
換える。いかなる復号器もこのような予約マーカの応用について知り得ないため,この置換え
処理は必ず符号器が行わなければならない。このような予約マーカバイトの使用は,SCDデー
タからPSCDデータを直接生成する時点まで有効となる。
また,同様な目的で予約マーカを使う第2の方法として,SCカウンタに任意の大きい値を設
定し,けた上げが最終的に解消されたとき,SCカウンタが与えられた数(例えば8)より大き
いならば,けた上げが解消された値を示すために0x00又は0xffに続き予約マーカを出力し,
その後,実際のSCの値を追加バイトデータを用いて符号化することができる。符号器の後処
理において,第1の方法と同様な理由から,このマーカを適当な数の0xff又は0x00によって
置き換えることが必要となる。
6.8.2.9
1NITENC手順の流れ図 処理すべきストライプが画像の先頭であれば,文脈CXが取り得るす
べての値に対する確率推定状態の値を0(すなわち,MPS及びLPSが生じる確率が同程度である状態)に
設定する。先頭のストライプでなければ,確率推定状態の値を同じ解像度で直前に符号化したストライプ
の終端における値に再設定する。SCカウンタの値及び符号レジスタCの値は,0に設定する。CTカウン
タは,11(1バイトにスペーサビットの3ビットを加えて)に設定する。符号化領域サイズレジスタAは,
0x10000に設定する。別の手段として,16ビット実装において,ハードウェア又はソフトウェアが,0か
ら16ビット量を減算する上で,数学的に0x10000から減算することによって得られる値と等しい16ビッ
トを生成する限りは,符号化領域サイズレジスタAを0x0000に設定することができる。この仮定は,ほ
とんど常に成立する(図27参照)。
図27 INITENC手順の流れ図
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6.8.2.10 FLUSH手順の流れ図 まず,二つの部分手順を呼び出す。SCD列に出力した最初の1バイトを
取り除き,かつ,必要ならばSCD列の終端に連続する0x00バイトデータの幾つか,又は最後に出力した
0x00でないバイトより後ろに存在するすべての0x00バイトデータを取り除いてもよい。優れたソフトウ
ェア及びハードウェアの実装では,これらのバイトデータを最初から出力しないように補助変数を設定す
るものが多い。この実装は,簡易,かつ,簡潔を目的として選択している(図28参照)。
図28 FLUSH手順の流れ図
6.8.2.11 CLEARBITS手順の流れ図 符号レジスタCを, [C, C+A−1] の中で,できる限り多数のゼロ
ビットで終結する値に設定する(図29参照)。
図29 CLEARBITS手順の流れ図
6.8.2.12 FINALWRITES手順の流れ図 最終的なけた上げの解消処理を行い,符号レジスタCから2バ
イトを出力する(図30参照)。
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図30 FINALWRITES手順の流れ図
6.8.3
復号器
6.8.3.1
復号器の流れ図 この流れ図は,それぞれの解像度層の各ストライプで実行する。典型的予測も
決定論的予測も不可能な画素をDECODE手順によって復号する。初期化手順INITDECを流れ図の入口で
呼び出す(図31参照)。
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図31 復号器流れ図
6.8.3.2
復号器の符号レジスタに関する用法 この箇条に示す復号器の流れ図は,表25のレジスタ構成
を想定している。
CHIGH及びCLOWは,一つの32ビットCレジスタとして考えることができ,Cレジスタの再正規化で
はCLOWのビット15(最左端)からCHIGHのビット0(最右端)に新しいデータのビットをシフトする。
しかし,復号における比較ではCHIGHだけを使用する。新しいデータは,CLOWの“b”ビットに1バイ
ト単位で挿入する。符号器と同様に,Aレジスタの17番目のビットは,概念的に存在するが,実装ではな
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くてもよい。
表25 復号器のレジスタ構成
MSB
LSB
CHIGHレジスタ
xxxxxxxx,
xxxxxxxx
CLOWレジスタ
bbbbbbbb,
00000000
Aレジスタ
a, aaaaaaaa,
aaaaaaaa
6.8.3.3
確率推定テーブル 復号で使用する確率推定テーブルは,符号化で使用するものと同一とする。
6.8.3.4
DECODE手順の流れ図 再正規化が必要となるときにだけ,“MPS/LPS条件付き交換”が起こり
得る(図32参照)。
図32 DECODE手順の流れ図
6.8.3.5
LPS EXCHANGE手順の流れ図 図33参照。
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図33 LPS EXCHANGE手順の流れ図
6.8.3.6
MPS EXCHANGE手順の流れ図 図34参照。
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図34 MPS EXCHANGE手順の流れ図
6.8.3.7
RENORMD手順の流れ図 CTは,CレジスタのCLOWセクションの中の圧縮されたビット数
を計数するカウンタとする。CTが0に達したとき,新しいバイトをCLOWに挿入する。
領域サイズレジスタA及び符号レジスタCは,Aが0x8000以上になるまで,同時に1ビットずつシフ
トする(図35参照)。
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図35 RENORMD手順の流れ図
6.8.3.8
BYTEIN手順の流れ図 バイトデータをSCDがなくなるまでSCDから読み込み,その後の読込
みには,0x00を返す。読み込んだバイトデータは,CLOWの上位8ビットに挿入する。CTカウンタは,8
に再設定する(図36参照)。
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図36 BYTEIN手順の流れ図
6.8.3.9
INITDEC手順の流れ図 処理すべきストライプが画像の先頭であれば,CXとして取り得るすべ
ての値に対する確率推定状態の値を0に設定する。先頭のストライプでなければ,確率推定状態の値を,
同じ解像度の直前に復号したストライプの終端における値に再設定する。3バイトをCレジスタに読み込
む(図37参照)。
図37 INITDEC手順の流れ図
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7. 試験方法及びデータ列の例 ここでは,これまでに規定したアルゴリズムの試験方法を規定する。こ
のアルゴリズムでは,多くのパラメタ設定ができる。そのため,ここではこのアルゴリズムの実装におけ
るデバッグの助けとなると思われる幾つかのパラメタ設定の正確さを試験するための方法を規定する。
7.1
算術符号化 算術符号器及び算術復号器を試験するために次に示す一つの小さなデータセット(16
進表示)を用意する。このデータセットは,ラスタ走査順序で最上位ビット (MSB) から最下位ビット
(LSB) の順に一つのストライプの生データを表現していると仮定する。この試験では,符号器と復号器と
の多数の経路が確認されるように組み立てられているが,短い試験列であるため符号器と復号器とのすべ
ての経路を照査することはできない。すなわち,実現したアルゴリズムがこの試験結果と一致したとして
も,完全に正しい実装であることを保証するものではない。
PIX:05e0 0000 8b00 01c4 1700 0034 7fff la3f 951b 05d8 1d17 e770 0000 0000 0656 0e6a
CX:0fe0 0000 0f00 00f0 ff00 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
符号器(図18参照)は,四つの入力をもつ。第1列のPIXは画素入力を記述しており,第2列のCX
はその画素に対応する文脈入力を記述している。この試験における入力CXは,JBIGの符号器又は復号器
で取り得る4096値に対し,簡易化のために“0”と“1”の2値だけを用いる。残りの二つの入力TPVALUE
(TP値)及びDPVALUE(DP値)は,符号器及び復号器の双方について常に“2”であると仮定する。符
号器の出力SCDで示されるストライプ符号化データは,200ビット(25バイト)からなる。その16進表
示を,次に示す。
SCD:6989 995c 32ea faa0 d5ff 527f ffff ffc0 0000 003f ff2d 2082 91
復号器(図19参照)については,その入力SCDとCXとが上のデータ列から与えられ,その出力とし
て上のPIXが出力される。
表26は、各シンボル単位の算術符号器及び算術復号器の動作の一覧を示す。この表における第1行は
INITENCとINITDECとの手順に対応しており,ここでBUFFERは0x00に初期化される。表26の最終行
は,符号器のFINALWRITES手順に対応している。この表の第1列のECは,事象カウンタとする。第2
列のPIXは符号化及び復号化されるべき2値事象の値とし,第3列のCXは対応している文脈入力の値を
表す。MPS列はMPS(優勢シンボル)の意味付けを示しており,CE列は現在の2値事象PIXを符号化(復
号化)している時に,条件付き交換(6.8.2.5,6.8.2.6,及び6.8.3.4参照)が発生することを示す。現在の
状態(表24参照)及びそれに対応するLPS(劣勢シンボル)のサイズは,それぞれST列及びLSZ列に示
す。その次のA列には,事象の符号化(復号化)直前のAレジスタの値を示す。ここで,Aレジスタの値
は,常に0x8000以上であることに注意する必要がある。
ここまでの変数は,符号器と復号器とで共通となる。次の5列(C,CT,SC,BUF及びOUT)は符号
器だけに関するものとし,最後の3列(C,CT及びIN)は復号器に関するものとする。符号器について,
その入力は(PIX及びCX)であり,出力はOUTとなる。一方,復号器については,その入力は(CX及
びIN)であり,出力はPIXとなる。C列に示すCレジスタの値は,現在の事象の符号化(復号)直前のも
のとする。符号器におけるCTは,Cレジスタから出力するための1バイトデータが準備できたかどうか
を示すビットカウンタとする。SCは,けた上げの解決を待っている符号器に蓄積された0xffバイトの数
を表すスタックカウンタとする。BUF列は,伝送されるために待機しているバイトデータBUFFERを示す。
このバイトデータは,ときにはけた上げの影響によって変化する可能性がある。最後に,OUT列は,符号
器における符号バイトを示す。これらのバイトは,現在の事象を符号化している間に出力として伝送され
る。出力として1バイトを超えたものが示されている場合,これらのバイトは,現在の事象を処理してい
る間に出力され,スタックカウンタをクリアすることによって得られる。
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復号器において,Cレジスタの値は事象が復号される直前の値であり,その値は列Cに示されている。
その次の列に復号器のビットカウンタCTが示されている。これは,符号列から次の符号バイトをいつ入
力するかを表している。最終列では,現在の事象の終了時に符号レジスタに読み込まれる場合の符号バイ
トを示している。
この表の最終行は,FINALWRITES手順によって生成された出力を示す。この手順では5バイトの0x00
付加も行われる。この5バイトは,スタックカウンタSCをクリアすることによる2バイトと,Cレジス
タからデータを掃き出す操作による3バイトからなる。これらの最終の0x00バイトは,ストライプ符号デ
ータSCDには含まれない。それは、一つのストライプの符号列の終端からすべての0x00バイトを取り除
く任意選択機能(図28のFLUSH手順参照)が実行されたためである。SCDの終端におけるこれら最終の
0x00は,幾つ残してもよい。復号器において符号列の終端に到達した後は,要求される数 (256) の画素が
復号されるまで,Cレジスタに0x00を読み込む必要がある。
次の保護ストライプ符号化データPSCD(16進表示)を生成するために(表12参照),SCDにおける各々
のESC (0xff) バイトの後にSTUFF (0x00) バイトを挿入しなければならない。
PSCD:6989 995c 32ea faa0 d5ff 0052 7fff 00ff 00ff 00c0 0000 003f ff00 2d20 8291.
最後に,このデータ(CX及びPIX)は一つのストライプデータと仮定しているので,そのストライプデ
ータ実体(SDE,16進表示)は,ESC (0xff) バイト及びSDNORM (0x02) バイトを付加することによって
次のとおり生成される。
SDE:6989 995c 32ea faa0 d5ff 0052 7fff 00ff 00ff 00c0 0000 003f ff00 2d20 8291 ff02.
表26 符号器及び復号器のトレースデータ
符号器
復号器
EC
PIX
CX
MPS
CE
ST
LSZ
A
C
CT
SC
BUF
OUT
C CT IN
16進数 16進数
16進数
16進数 16進数
16進数
16進数
0
00000000
0
698999
1
0
0
0
0
0
5a1d
10000
00000000
11
0
00
69899900
8
2
0
0
0
1
0
5a1d
0a5e3
00000000
11
0
00
69899900
8
3
0
0
0
0
1
2586
0b43a
0000978c
10
0
00
3b873200
7
4
0
0
0
0
1
2586
08eb4
0000978c
10
0
00
3b873200
7
5
0
1
0
0
0
5a1d
0d25c
00012f18
9
0
00
770e6400
6
6
1
1
0
0
1
2586
0f07e
00025e30
8
0
00
ee1cc800
5
7
0
1
0
1
14
5a7f
09618
000ca4a0
6
0
00
8c932000
3
8
1
1
0
0
15
3f25
0b4fe
0019c072
5
0
00
alf44000
2
5c
9
1
1
0
0
36
5ae1
0fc94
0068d92c
3
0
00
b06d5c00
8
10
1
1
1
0
37
484c
0b5c2
00d2f5be
2
0
00
1d74b800
7
11
1
1
1
0
38
3a0d
0daec
01a5eb7c
1
0
00
3ae97000
6
12
0
0
0
0
2
1114
0a0df
01a5eb7c
1
0
00
3ae97000
6
13
0
0
0
0
2
1114
08fcb
01a5eb7c
1
0
00
3ae97000
6
14
0
0
0
0
3
080b
0fd6e
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
15
0
0
0
0
3
080b
0f563
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
16
0
0
0
0
3
080b
0ed58
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
17
0
0
0
0
3
080b
0e54d
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
18
0
0
0
0
3
080b
0dd42
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
19
0
0
0
0
3
080b
0d537
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
20
0
0
0
0
3
080b
0cd2c
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
21
0
0
0
0
3
080b
0c521
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
22
0
0
0
0
3
080b
0bd16
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
23
0
0
0
0
3
080b
0b50b
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
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符号器
復号器
EC
PIX
CX
MPS
CE
ST
LSZ
A
C
CT
SC
BUF
OUT
C CT IN
16進数 16進数
16進数
16進数 16進数
16進数
16進数
24
0
0
0
0
3
080b
0ad00
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
25
0
0
0
0
3
080b
0a4f5
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
26
0
0
0
0
3
080b
09cea
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
27
0
0
0
0
3
080b
094df
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
28
0
0
0
0
3
080b
08cd4
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
29
0
0
0
0
3
080b
084c9
0003d6f8
8
0
69
75d2e000
5
30
0
0
0
0
4
03d8
0f97c
0007adf0
7
0
69
eba5c000
4
31
0
0
0
0
4
03d8
0f5a4
0007adf0
7
0
69
eba5c000
4
32
0
0
0
0
4
03d8
0flcc
0007adf0
7
0
69
eba5c000
4
33
1
0
0
0
4
03d8
0edf4
0007adf0
7
0
69
eba5c000
4
32
34
0
0
0
0
20
0cef
0f600
02260300
1
0
69
6270c800
6
35
0
0
0
0
20
0cef
0e911
02260300
1
0
69
6270c800
6
36
0
0
0
0
20
0cef
0dc22
02260300
1
0
69
6270c800
6
37
1
1
1
0
38
3a0d
0cf33
02260300
1
0
69
6270c800
6
38
0
1
1
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38
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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0
87
2516
08b1c
0209c4b8
1
0
20
20
7f480000
6
235
0
0
0
0
86
299a
09458
0008aaf8
7
0
82
65080000
4
236
1
0
0
0
87
2516
0d57c
001155f0
6
0
82
ca100000
3
237
0
0
0
0
86
299a
09458
00481958
4
0
82
66a80000
1
00
238
1
0
0
0
87
2516
0d57c
009032b0
3
0
82
cd500000
8
239
1
0
0
0
86
299a
09458
02438c58
1
0
82
82
73a80000
6
240
0
0
0
0
93
32b4
0a668
000fdcS8
7
0
90
23a80000
4
241
0
0
0
0
94
2e17
0e768
001fb8b0
6
0
90
47500000
3
242
0
0
0
0
94
2e17
0b951
001fb8b0
6
0
90
47500000
3
243
0
0
0
0
94
2e17
08b3a
001fb8b0
6
0
90
47500000
3
244
0
0
0
0
86
299a
0ba46
003f7160
5
0
90
8ea00000
2
245
1
0
0
0
86
299a
090ac
003f7160
5
0
90
8ea00000
2
00
246
1
0
0
0
93
32b4
0a668
00ff61c8
3
0
90
9e380000
8
247
1
0
0
0
99
3c3d
0cad0
03ff55f0
1
0
90
aa100000
6
248
0
0
0
0
104
415e
0f0f4
000f920c
7
1
90
6df40000
4
249
0
0
0
0
104
415e
0af96
000f920c
7
1
90
6df40000
4
250
1
0
0
0
99
3c3d
0dc70
001f2418
6
1
90
dbe80000
3
251
1
0
0
0
104
415e
0f0f4
007f112c
4
1
90
eed40000
1
00
252
0
0
0
1
103
4639
082bc
00ff8184
3
1
90
7e7c0000
8
253
1
0
0
0
104
415e
08c72
01ff7c0e
2
1
90
83f20000
7
254
0
0
0
1
103
4639
082bc
03ff8e44
1
1
90
71bc0000
6
255
1
0
0
0
104
415e
08c72
0007958e
8
2
90
6a720000
5
256
0
0
0
1
103
4639
082bc
000fc144
7
2
90
3ebc0000
4
257
08c72
08000000
6
2
90
91
61
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.2
パラメタ設定によるアルゴリズム 7.では6.までに規定したアルゴリズムの試験方法を規定する。こ
のアルゴリズムでは多くのパラメタ設定ができるので,ここでは,このアルゴリズムを実装したもののデ
バッグに役立つ,幾つかのパラメタ設定の正確さを試験するための方法を規定する。符号器の実装が,こ
こに示す試験データが試験対象としている仕様と等しいか,又はそれ以上に広いパラメタ設定に対応可能
であると主張する場合には,その実装は,試験データに対して示されているバイトカウント値を正確に生
成できなければならない。復号器の実装が,ここに示す試験データが試験対象としている仕様と等しいか
又はそれ以上に広いパラメタ設定ができると主張する場合には,その実装は,(ここに示す符号器の実装に
対する要求条件を満たす符号器で生成された)試験データを復号し,7.2.1に規定する人工生成画像を正確
に生成できなければならない。ATは使用するが,AT画素の移動を決めるための推奨アルゴリズム[附属
書C(参考)]を使用しない符号器では,ここで規定するAT移動と同一のAT移動を人工的に行わなけれ
ばならない。全SDEの終端ですべての0x00バイトを削除するようにしていない符号器では,与えられた
バイトカウント値を等しくするために一時的にそれを行う後処理が必要となる。
7.2.1
人工生成画像 すべてのアルゴリズムのさまざまな試験には,人工的に生成した画像を用いる。こ
の画像は,図38に示す流れ図によって生成される。この画像は,1行当たり1960画素で,かつ1951行あ
り,891965の前景画素及び2961995 の背景画素を含んでいる。
この画像は,できるだけ多くの要素を検証できるように作られている。この画像は典型的な画像ではな
いし,この画像を用いた圧縮結果は代表例を示すわけではない。
62
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図38 試験画像発生手順
63
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7.2.2
単一段階順次符号化試験 ここで規定する3通りの試験のすべてについて,DL=0,D=0,P=1,
XO=1960,YO=1951及びMY=0とする。HITOLO,SEQ,ILEAVE,SMID,VLENGTH,TPDON,DPON,
DPPRIV及びDPLASTの値は,意味をもたない。残りの4変数のLO,MX,LRLTWO及びTPBONは,表
27に示すとおりに変化する。この表の残りの列は,入力画像を7.2.1の人工生成画像としたときのトレー
スデータを与えている。最初の二つの試験の各々に対してただ一つのSCDがあり,示したバイトカウント
値は,そのサイズとする。LO=128である最後の試験は16のSCDを生成し,示したバイトカウント値は
それらのサイズの加算結果とする。すべての場合で,最後の0x00バイトは,各々のSCDから取り除かれ
ている(6.8.2.10及び図28参照)。
表27 単一段階順次符号処理試験用トレースパラメタ
TPBON
MX
LRLTWO
LO
TP
画素
被符号化画素
符号バイト
0
0
0
1 951
0
3 823 960
316 094
0
0
1
1 951
0
3 823 960
315 887
1
8
0
128
376 320
3 447 640
252 557
最初の二つの試験において,ATは,MXをゼロに設定することで,事実上機能を停止している。最後の
試験では,最低解像度層TPと同様にATを動作状態にしている。ATは,附属書C(参考)に示すように
実装され,かつ,いかなるATスイッチも次のストライプの先頭まで遅らせるという推奨に従った。表27
の最終行のデータは,確率推定器が再初期化されないことを意味するSDNORMを用いて得られた。表28
は,ATをデバッグするのに有効な情報を与えている。最初の2列は切替えが有効になる(行及びストライ
プの順序を示す数は,ともにゼロから始まる。)ストライプ及び行を示し,3列目はAT画素位置に対する
距離τxを与えている。最後の8列は,AT移動が発生したときに附属書C(参考)で示されているカウンタ
の値を示している。
表28 単一段階順次符号処理の第3番目の試験用AT変更情報
ストライプ
行
τX
Ca11
C0
C3
C4
C5
C6
C7
C8
9
0
8
3 900
2 336
2 456
2 472
2 446
2 442
2 730
3 534
これらの三つの試験に対する更に多くのデータを,表29で与える。SCD列の内容は,表27の最終列と
同一とする。
保護ストライプ符号化データ (PSCD) は,ストライプ符号化データ (SCD) 中の各々の0xffバイトを0xff
(ESC) 及び0x00 (STUFF) に置き換えて得られる。ストライプデータ実体 (SDE) は,各PSCDの最後に0xff
(ESC) 及び0x02 (SDNORM) を追加して得られる。2値画像データ (BID) は,AT移動マーカセグメント
のために8バイト大きくなっている最後の試験を除き,その中にSDEと同一のバイト数をもっている。最
後にBIEは,BIDよりも20バイト(ヘッダサイズ)大きくなっている。
表29 単一段階順次符号処理試験のバイトカウント値
TPBON
MX
LRLTWO
LO
SCD
PSCD
SDE
BID
BIE
0
0
0
1 951
316 094
317 362
317 364
317 364
317 384
0
0
1
1 951
315 887
317 110
317 112
317 112
317 132
1
8
0
128
252 557
253 593
253 625
253 633
253 653
64
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7.2.3
段階符号化及び段階互換順次符号化の試験 ここの試験に対しても入力画像は,人工生成画像とす
る。しかし,ここでは,パラメタは次のとおり設定される(表9参照)。DL=0,D=6,P=1,X6=1 960,
Y6=1 951,LO=2,MX=8,MY=0,HITOLO=0(無意味),SEQ=0(無意味),ILEAVE=0(無意味),
SMID=0(無意味),LRLTWO=0,VLENGTH=0(無意味),TPDON=1,TPBON=1及びDPLAST=0(無
意味)。このパラメタ設定は段階符号処理用であるが,SEQの値は無意味であり,同一のバイトカウント
が段階互換順次符号処理でも実行される。したがって,ここでの試験データは,双方のモードに適合する。
ATは,ここでも,附属書C(参考)で示されているように実装され,次のストライプの開始まで延ばされ
る切替え方式で,動作させている。
表30は,先に示したパラメタでの人工生成画像の符号処理に対するトレースデータを示している。最終
列に示した符号バイトのカウント値は,その層の16すべてのSCDの数の和とする。前と同様に、すべて
の0x00バイトは,可能な限り取り去っている。
表30 人工生成画像の符号処理用トレースデータ
層
Xd
Yd
Ld
TP
行
TP
例外
TP
画素
DP
画素
被符号化
画素
符号
バイト
6
1 960
1 951
128
137
7 033
375 520
589 344 2 859 096 188 817
5
980
976
64
186
1 442
93 120
128 642 734 718 65 584
4
490
488
32
181
135
22 792
30 230 186 098 16 565
3
245
244
16
117
8
5 406
7 246 47 128 4 994
2
123
122
8
61
0
1 238
1 769 11 999 1 430
1
62
61
4
31
0
248
452 3 082 370
0
31
31
2
3
93
868 113
テンプレート切替えは2度あり,一つは層6に,もう一つは層5にある。これら二つの切替えに関する
データを表31に示す。
表31 AT変更情報
層
ストライプ
行
τX
Ca11
C0
C3
C4
C5
C6
C7
C8
6
9
0
8
3 243
1 984
2 014
2 055
2 031
2 001
2 212
2 924
5
10
0
4
2 580
1 323
1 401
2 259
1 440
1 447
1 426
1 966
16すべてのPSCD及びSDEに対する層当たりのバイトカウントは,BIDとBIE(6.2参照)とのバイト
の総数とともに表32に示す。保護ストライプ符号化データ (PSCD) は,ストライプ符号化データ (SCD)
中の各々の0xffバイトを0xff (ESC) 及び0x00 (STUFF) に置き換えて得られる。ストライプデータ実体
(SDE) は,PSCDの最後に0xff (ESC) 及び0x02 (SDNORM) を追加してPSCDから得られる。最後に,2
値画像データフィールドBIDは112のすべてのSDEのセグメント(各層ごとに16ストライプをもつ七つ
の層)と二つのATMOVEマーカセグメントとをつなぎ合わせて得られ,BIEはBIDに20バイトのBIHを
付け加えて得られている。
表32 人工生成画像に対するバイトカウント値
層
SCD
PSCD
SDE
BID
BIE
6
188 817
189 584
189 616
5
65 584
65 905
65 937
4
16 565
16 634
16 666
3
4 994
5 010
5 042
2
1 430
1 434
1 466
1
370 373 405
0
113
114 146
Total
277 873
279 054
279 278
279 294
279 314
65
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
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7.3
データ列の例 1 728画素幅で長さが2 376画素の2値画像で,全画像が一つのストライプで表現さ
れ,すべての2値パラメタが0に設定された単一段階順次符号処理に対するBIEの例は,(16進数で)次
のとおりとなる(縦線は,論理的なグループを示しているが,その他の点では空白と同じ。)。
|0x00|0x01|0x01|0x00|0x00 0x00 0x06 0xc0|0x00 0x00 0x09 0x48|
|0x00 0x00 0x09 0x48|0x00|0x00|0x00|0x00|
|
全体の画像のPSCD|0xff|0x02|
1 728画素幅で長さが2 376画素の2値画像で,一つの差分層をもち,縮小画像においてストライプ当た
り64行で,SEQ以外のすべての2値パラメタが0に設定された段階互換順次符号処理に対するBIEの例
は,(16進数で)次のとおりとなる。
|0x00|0x01|0x01|0x00|0x00 0x00 0x06 0xc0|0x00 0x00 0x09 0x48|
|0x00 0x00 0x00 0x40 |0x00|0x00|0x04|0x00|
|ストライプ0 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 0〜 63)|0xff|0x02|
|ストライプ0 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 0〜 127)|0xff|0x02|
|ストライプ1 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 64〜 127)|0xff|0x02|
|ストライプ1 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 128〜 255)|0xff|0x02|
・
・
・
|ストライプ17 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 1 088〜 1 151)|0xff|0x02|
|ストライプ17 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 2 176〜 2 303)|0xff|0x02|
|ストライプ18 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 1 152〜 1 187)|0xff|0x02|
|ストライプ18 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 2 304〜 2 375)|0xff|0x02|
括弧内の注釈は,基本画像及び差分画像の中でどの行がどのストライプで符号化されるかを示している。
1 728画素幅で長さが2376画素の2値画像で,一つの差分層をもち,縮小画像においてストライプ当た
り64行で,SEQ以外のすべての2値パラメタが0に設定された段階符号化に対するBIEの例は,(16進数
で)次のとおりとなる。
|0x00|0x01|0x01|0x00|0x00 0x00 0x06 0xc0|0x00 0x00 0x09 0x48|
|0x00 0x00 0x00 0x40|0x00|0x00|0x00|0x00|
|ストライプ0 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 0〜 63)|0xff|0x02|
|ストライプ1 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 64〜 127)|0xff|0x02|
・
・
・
|ストライプ17 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 1 088〜 1 151)|0xff|0x02|
|ストライプ18 ,層番号0のPSCD(基本画像の行 1 152〜 1 187)|0xff|0x02|
|ストライプ0 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 0〜 127)|0xff|0x02|
|ストライプ1 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 128〜 255)|0xff|0x02|
・
・
・
66
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
|ストライプ17 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 2 176〜 2 303)|0xff|0x02|
|ストライプ18 ,層番号1のPSCD(差分画像の行 2 304〜 2 375)|0xff|0x02|
67
X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
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附属書A(参考) 自由パラメタに推奨する最小限対応範囲
この附属書は,規定の一部ではない。
応用では,19個の自由パラメタを本体表9に規定した範囲内で任意の値に設定することができる。ここ
に示す推奨する最小限の対応範囲は,広い範囲の応用においてハードウェアを共有し,復号可能な画像デ
ータを交換することができるようになっている。応用では,絶対に必要というのでなければ推奨する対応
範囲外のパラメタ値を選択しないほうがよい。
附属書A表1は,復号器に対して推奨する最小限の対応範囲の一覧である。種々の異なった出力機器に
よって,はん(汎)用的な使用を目指すハードウェア及びソフトウェアは,十分な外部メモリを用意でき
るならば,示された範囲内のパラメタ選択を可能とするのがよい。特定の出力機器を含んだ完全な復号器
は,備える必要のない次のような明らかな例外を除き,同じ範囲を備えるのが望ましい。
− 特定の出力機器の能力を超えた画像サイズのXD及びYD
− 特定の出力機器の能力を超えたPの値
− SEQ,ILEAVE及びSMIDで定義される一つ以上のストライプ順序
附属書A表1 自由パラメタに推奨する最小限対応範囲
パラメタ
最小値
最大値
DL
0
D
D
DL
6
P
1
4
XD
1
5 184
YD
1
8 192
LO
1
128/2D(D>0の場合)
YD (D=0の場合)
MX
0
8(符号器に対して)
16(復号器に対して)
MY
0
0
HITOLO
0
0
SEQ
0
1
ILEAVE
0
1
SMID
0
1
LRLTWO
0
1
VLENGTH
0
1
TPDON
0
1
TPBON
0
1
DPON
0
1
DPPRIV
0
1
DPLAST
0
1
備考 単一段階型順次符号化の適用では,Dの最大値は0,LOの最大値はYDであり,HITOLO,SEQ,
TPON,DPON,DPPRIV及びDPLASTのパラメタを備える必要はない。
68
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附属書B(参考) 低解像度化テーブルの設計
この附属書は,規定の一部ではない。
B.1 フィルタリング 縮小アルゴリズムの根本原理は,フィルタリング(差分式)における濃度の保存性
にある。しかし,エッジ,線,周期性のパターン,ディザパターンなどを保存するためにはフィルタ出力
を無視することが必要となる。このように一般規則を無視することを“例外パターン”という。
附属書B図1 低解像度画素の値の決定に使用する周囲画素
附属書B図1は,本体図4の繰返しであるが各画素の名称は異なっている。着目画素“?”の値の決定
は,対応する4個の高解像度画素のh22, h23, h32及びh33だけでなく,周辺画素のh11, h12, h13, h21及びh31と既
に決定した低解像度画素のl00, l01及びl10とを用いて行う。l00の値がh11,の値と等しくなければ,その差分
は,l10の今回の決定に影響する。同様にして,l10とh21, l10とh31, l01とh12, 及びl01とh31との各値の差分も,
また今回の値の決定に影響する。具体的には,次で表される量
4h22+2 (h23+h32) +h33+ (h11−l00) +2 (h21−l10) + (h31−l10) +2 (h12−l01) + (h13−l01)
(B-1)
又は等価的に,
4h22+2 (h12+h21+h23+h32) + (h11+h13+h31+h33) −3 (l01+l10) −l00
(B-2)
という量が構成される。附属書B図2は,後者の表現形式の重み係数を図で示している。
前景と背景とが同等であること及び画素が統計的に独立であることを仮定すると,式 (B-2) の表現の期
待値は,4.5となる。画素l11は,式 (B-2) (整数値をとる。)が4.5より大きい場合にだけ,1として仮決
定される。
69
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B図2 画素の重み係数
B.2. 例外パターン
B.2.1 エッジの保存 エッジの保存は,例外パターンを導入する最も基本的な動機となる。エッジが高解
像度の奇数行若しくは偶数行で現れたとしても,又は高解像度の奇数列若しくは偶数列で現れたとしても,
ここで定義するエッジの例外パターンは,連続する色領域でのエッジがジグザグでなく直線になるよう働
く。132個のエッジ例外パターンの文脈を次に16進で表示する。参照画素の値は,本体図4のビット重み
付けによってこれらの整数文脈に配置されている。実際に選択される着目画素の値は,この132個の文脈
に対しては一般規則で得られるものを反転した結果となる。
0x007
0x207
0x407
0x607
0x807
0xa07
0xc07
0xe07
0x20f
0x40f
0x60f
0xa0f
0xc0f
0xe0f
0x617
0xa17
0xc17
0xe17
0x61f
0xe1f
0x227
0x427
0x627
0xa27
0xc27
0xe27
0x62f
0xa2f
0xc2f
0xe2f
0x637
0xe37
0x247
0x447
0x647
0x847
0xa47
0xc47
0xe47
0x049
0x249
0x449
0x649
0x849
0xa49
0xc49
0xe49
0x24b
0x44b
0x64b
0xa4b
0xc4b
0xe4b
0x24d
0x44d
0x64d
0x84d
0xa4d
0xc4d
0xe4d
0x659
0xa59
0xc59
0xe59
0x65b
0xe5b
0x269
0x469
0x669
0xa69
0xc69
0xe69
0x287
0x487
0x687
0xa87
0xc87
0xe87
0x8b6
0xab6
0x2c9
0x4c9
0x6c9
0xac9
0xcc9
0xec9
0x6cb
0xacb
0xccb
0xecb
0x6d9
0xed9
0x8f8
0xcf8
0x307
0x507
0x707
0x907
0xb07
0xd07
0xf07
0x334
0x336
0xb36
0x349
0x549
0x749
0x949
0xb49
0xd49
0xf49
0x578
0xd78
0x396
0xb96
0x3a6
0xbb2
0x3b4
0xbb4
0x3b6
0xbb6
0xfb6
0xdb8
0x5d0
0x5d8
0xdd8
0x5e8
0x5f0
0xdf0
0x5f8
0xdf8
0xff8
B.2.2 線の保存 水平線及び垂直線は,一般規則及びエッジの例外パターンで保存される。ここで定義す
る線の例外パターンは,斜め線の連結を助ける。線の例外パターンは,テキスト画像の品質にとって重要
となる。420個の例外パターンを,次に示す。
0x003
0x009
0x00a
0x022
0x088
0x0a6
0x0e8
0x0ee
0x116
0x124
0x158
0x168
0x170
0x186
0x194
0x1a2
0x1a8
0x1c0
0x20a
0x20e
0x215
0x21c
0x21d
0x223
0x22a
0x22e
0x231
0x235
0x236
0x24a
0x24f
0x252
0x254
0x270
0x277
0x289
0x291
0x294
0x2a4
0x2a8
0x2dd
0x2e0
0x2ed
0x2ee
0x311
0x312
0x318
0x322
0x323
0x327
0x350
0x35b
0x35f
0x36b
0x36e
0x376
0x377
0x388
0x394
0x3ab
0x3ad
0x3c0
0x3c1
0x3c2
0x3c4
0x3c8
0x3c9
0x3dd
0x3e0
0x3f5
0x40a
0x40e
0x41c
0x423
0x431
0x44a
0x44f
0x451
0x452
0x453
0x454
0x470
0x477
0x489
0x48a
0x491
0x494
0x4a2
0x4a4
0x4ca
0x4d1
0x4d8
0x4dd
0x4e0
0x4e7
0x4ee
0x511
0x512
0x514
0x518
0x51f
0x522
0x524
0x525
0x526
0x527
0x52c
0x55f
0x564
0x570
0x577
0x588
0x589
0x58f
0x5a4
0x5ab
0x5c9
0x5ce
0x5dc
0x5e3
0x5f5
0x6e0
0x61c
0x623
0x631
0x64a
0x64f
0x652
0x657
0x65d
0x66b
0x66f
0x670
0x677
0x678
0x679
0x689
0x68f
0x691
0x694
0x696
0x697
0x6a7
0x6b0
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0x6b1
0x6b2
06xb4
0x6b8
0x6cf
0x6dd
0x6e9
0x6f0
0x711
0x712
0x717
0x718
0x722
0x725
0x726
0x727
0x72c
0x72f
0x733
0x734
0x735
0x736
0x737
0x738
0x73c
0x757
0x759
0x75d
0x75f
0x764
0x776
0x777
0x788
0x792
0x799
0x7a6
0x7a7
0x7b4
0x7c1
0x7c2
0x7c4
0x7c8
0x7c9
0x7cb
0x7d0
0x7d1
0x7d2
0x7d8
0x7d9
0x7dc
0x7dd
0x7e8
0x7e9
0x7f0
0x7f5
0x80e
0x822
0x823
0x826
0x830
0x84a
0x866
0x86d
0x888
0x889
0x890
0x8a4
0x8c7
0x8c8
0x8cc
0x8e0
0x8ee
0x90f
0x916
0x922
0x924
0x925
0x947
0x94b
0x94d
0x94f
0x958
0x964
0x968
0x969
0x970
0x986
0x987
0x988
0x994
0x9b0
0x9c0
0x9c1
0x9c4
0xa0a
0xa0e
0xa1c
0xa23
0xa2a
0xa2e
0xa31
0xa32
0xa35
0xa4a
0xa4f
0xa52
0xa54
0xa56
0xa70
0xa74
0xa77
0xa88
0xa89
0xa8f
0xa91
0xa94
0xaa4
0xaa7
0xadd
0xae0
0xae2
0xae4
0xae8
0xaed
0xaee
0xb11
0xb12
0xb13
0xb18
0xb22
0xb27
0xb2e
0xb31
0xb5b
0xb6b
0xb6e
0xb76
0xb88
0xb89
0xb91
0xba8
0xbab
0xbac
0xbad
0xbb0
0xbb5
0xbc0
0xbc1
0xbc2
0xbc4
0xbc8
0xbc9
0xbd0
0xbdd
0xbe0
0xbe2
0xbe4
0xbe8
0xbfb
0xc0a
0xc0e
0xc1c
0xc22
0xc23
0xc31
0xc4a
0xc4f
0xc52
0xc54
0xc5c
0xc6b
0xc70
0xc77
0xc88
0xc89
0xc8a
0xc91
0xc94
0xc98
0xca4
0xca6
0xcac
0xcca
0xcd1
0xcd4
0xcdd
0xce0
0xce4
0xce7
0xce9
0xcee
0xd11
0xd12
0xd18
0xd19
0xd1f
0xd22
0xd23
0xd24
0xd25
0xd26
0xd27
0xd2c
0xd31
0xd34
0xd64
0xd77
0xd88
0xd8f
0xd91
0xda2
0xda4
0xda6
0xdab
0xdac
0xdb0
0xdc9
0xdca
0xdce
0xddc
0xde2
0xde3
0xde4
0xdf1
0xdf5
0xe0e
0xe1c
0xe23
0xe31
0xe4a
0xe4f
0xe52
0xe57
0xe5d
0xe5f
0xe6b
0xc6f
0xe70
0xe79
0xe89
0xe8f
0xe91
0xe94
0xe97
0xea4
0xea7
0xecf
0xee0
0xee9
0xeef
0xf11
0xf12
0xf17
0xf18
0xf22
0xf27
0xf2f
0xf37
0xf59
0xf5f
0xf77
0xf88
0xfa7
0xfaf
0xfb1
0xfc9
0xfcb
0xfd9
0xfdd
0xfe7
0xfe9
0xfeb
0xfed
0xff5
0xff6
0xffc
B.2.3 周期パターンの保存 大部分の周期パターンは,一般規則で保存される。しかし,周期パターンヘ
の移行及び周期パターンからの移行が起こる領域でよい結果を与えるには幾つかの例外パターンが必要と
なる。10個の周期パターンの例外を,次に示す。
0x638
0xa38
0x692
0xc92
0xaaa
0xcaa
0xb55
0xd55
0x36d
0x5c7
B.2.4 ディザパターンの保存 12個のディザパターンの例外は,極めて低濃度又は極めて高濃度のディザ,
すなわち孤立した背景又は前景画素を保存するのに役立つ。例外パターンを,次に示す。
0x010
0x028
0x082
0x085
0xeba
0xebd
0x142
0x145
0xf7a
0xf7d
0xfd7
0xfef
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附属書C(参考) ATテンプレートの変化
この附属書は,規定の一部ではない。
C.1 一般 この附属書に示す技術は,簡単な計算でAT画素の変更時期を適切に決定できる。それによっ
て,ハーフトーンを含む画像でしばしば80%程度の大幅な符号化性能の改善が得られる。
ここでは,MY=0と仮定する。すなわち,AT画素に該当行上だけの移動が許される場合である(推奨
する最小限の対応範囲では,この場合しかできない。)。MY≠0の場合に対する一般化は明りょう(瞭)で
あるが,そのアルゴリズムはまだ試験されておらず,しかも大きなMYに対しては符号器で相当な処理が
必要になる。
アルゴリズムは,各ストライプの先頭でどのAT画素が着目画素に対して最大予測値をもつ位置にある
かを照査する。現在,テンプレート内にないAT画素が,現在のAT画素より,はるかに大きな予測値をも
つことが分かったときには切替えが望まれる。しかし,そのようなテンプレートの切替えは,そう頻繁に
は起こらないのが基本で,そのための十分な理由もある。テンプレート切替えが行われるときは,算術符
号処理器で保持されている確率推定は,再適応化が起こるのに十分な時間が経過するまでは性能が低いも
のとなる。
C.2 差分層 附属書C図1及び附属書C図2は,差分層におけるAT処理の流れ図を示す。配列カウンタ
は,予測値を測定するのに用いられる。カウンタCn(添字nは0,又は3≦n≦MX)は,着目画素と候補
AT画素nとの極性一致の数を計数する。候補AT画素0は,既定AT画素である。3≦n≦MXの候補画素n
は,τX=n及びτY=0の画素とする。極性一致とは,両画素がともに背景である場合又はともに前景である
場合を指す。
附属書C図1及び附属書C図2の流れ図は,各ストライプの先頭で1回実行される。カウンタは,ゼロ
にリセットされ,ある行の最後まで一致数が計数される。最大カウント数は,2 048か,又はそれ以上とす
る。このカウンタ値に到達すると一組の条件が照査され,すべての条件が満たされると,テンプレートの
切替えが行われる。そうでないときには,少なくとも現在のストライプの残りに対してテンプレートは,
そのままとする。
テンプレート切替えの可能性を1ストライプに1回しか照査しないのは,1枚の画像のストライプ数が
推奨数35に比べてそれほど少なくなければ計算を省略する合理的な方法である。1枚の画像に数ストライ
プ又は1ストライプしかない場合には,各ストライプの中で連続的又は周期的な照査が必要となる。
非常に低い解像度の場合には,ストライプ当たりの画素数が2048より少ないことがある。この場合には,
このアルゴリズムによるATテンプレートの変更は行われない。そのような動作は多分望ましいものであ
る。それは,余りに少ない画素数では,雑音の影響でAT画素の移動に関して信頼できる指標が得られな
いためである。
AT切替えが望ましいと判断された場合には,切替えの実施時期に関して合理的な選択肢が2通りある。
一つの選択肢は,次の行の先頭でAT切替えを実施する方法とする。この方法によって,大幅な符号化性
能の改善が得られるが,AT処理が先行して行われているか,又はSCDが符号器で一度蓄積されており,
そのストライプを符号化中にAT切替えが望ましいと判明した場合にATMOVEマーカセグメントをSCD
の前に配置できるようになっている必要がある。もう一つの方法は,符号化効率におけるわずかながらの
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
損失はあるが(ここでも,画像1枚当たりに適当なストライプ数を仮定している。),次ストライプの先頭
(yAT=0) でAT切替えを実施する方法とする。この場合には,ATMOVEマーカセグメントは,次ストライ
プの先頭までは出現せず,符号化におけるパイプライン的処理が可能となる。
附属書C図1 差分層ATにおける流れ図
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附属書C図2 HECK過程の流れ図
C.3 最低解像度層 最低解像度層でのAT処理は,C.2の差分層とほとんど同一の処理で行われる。附属書
C図1に必要な変更はわずか三か所だけである。第1は,附属書C図1の中段ブロックの条件DPVALUE
=2を取り除くことである。第2は,条件x≧MXを,条件MX≦x<Xd−2で置き換えることである。最後
は,カウンタの添字nの変化範囲を適切に変えることである。
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附属書D(参考) 確率推定表の設計
この附属書は,規定の一部ではない。
D.1 ベイズの推定 x0, x1,…は,p1, p0= (1−p1) の確率でそれぞれ1又は0の値をとる独立で一様分散の2
値ランダム変数系列とする。n1 (k) は系列x0, x1,…,xk-1における値1の総数を表し,n0 (k) は同系列にお
ける値0の総数を表す(したがって,n0 (k) +n1 (k) =kが成り立つ。)。ここでp1自身が区間 [1, 0] 上に
一様分布した確率変数と仮定すると,系列x0, x1,…,xk-1によって与えられる確率p1のベイズ推定値1pˆ (k)
は,次の式で与えられる。
1
)k(
n
1
)k(
n
1
)k(
n
)k(
pˆ
0
1
1
1
+
+
+
+
=
(D-1)
一方,δε (0, 1) における次の式に示す推定値もベイズ推定値となる。
δ
δ
δ
+
+
+
+
=
)k(
n
)k(
n
)k(
n
)k(
pˆ
0
1
1
1
(D-2)
特定の既知の1pˆ (k) の分布が,ベイズ推定であるためには,p1が1/2近辺ではなく,0又は1に近い値
をとる場合である。δが小さくなればなるほど確率密度は,更に0又は1の方に偏る。
D.2 複数文脈 この規格の算術符号処理器は,複数文脈環境で動作する。PIX (k) の符号化には文脈CX (k)
が与えられる。PIX (k) が1になる確率p1 (k) のベイズ推定値は,次の式で与えられる。
δ
δ
δ
+
+
+
+
=
)k(
ck
,
n
)k(
ck
,
n
)k(
ck
,
n
)k(
pˆ
0
1
1
1
(D-3)
ここでもδは,区間 (0, 1) 内の任意の引数となる。n1, cx (k) は文脈CX (k) においてPIX (i) (iε [0, k-1])が
1になる総数,同様にn0, cx (k) は0になる総数と定義する。
簡単のため,この附属書では単一文脈環境を仮定するが,式(D-3)が式(D-2)を一般化しているのと同様に,
ここに示すすべての概念及び公式は,複数文脈にも適用可能である。
D.3 MPS/LPSの引数化 式(D-2)の再引数化は,都合がよい。系列x0, x1,…,xk-1において,1の計数が多
い場合はMPS (k) を1, 0の計数が多い場合はMPS (k) を0とする[同数の場合,MPS (k) は0又は1のど
ちらにも定義できる。]。すなわち,次のとおりとなる。
のとき
のとき
1
(k)
MPS
0
MPS(k)
(k)
pˆ
1
(k)
pˆ
)k(
pˆ
LPS
LPS
1
==
−
=
································ (D-4)
ここで,推定値は,次のとおりになる。
δ
δ
δ
+
+
+
+
=
)k(
n
)k(
n
)k(
n
)k(
pˆ
LPS
MPS
LPS
LPS
············································· (D-5)
nLPS (k) 及びnMPS (k) は,それぞれ系列x0, x1,…,xk-1における推定劣勢シンボル及び推定優勢シンボル
の計数値を示す。
nLPS (k) ,nMPS (k) 及びMPS (k) の反復式は,次の式のように与えられる。
≠
≠
+
=
+
上の条件以外のとき
き
のと
かつ
,)k(
n
)k(
n
)k(
n,
),
k(
MPS
x
,1
)k(
n
)1
k(
n
LPS
MPS
LPS
k
LPS
LPS
(D-6)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
=
=
+
=
+
上の条件以外のとき
のとき
かつ
,)k(
n
)k(
n
)k(
n,
),
k(
MPS
x
,1
)k(
n
)1
k(
n
MPS
MPS
LPS
k
MPS
MPS
· (D-7)
=
≠
−
=
+
上の条件以外のとき
のとき
かつ
,)k(
MPS
)k(
n
)k(
n,
),
k(
MPS
x
),
k(
MPS
1
)1
(
MPS
LPS
k
k
MPS
· (D-8)
D.4 素早い追従性 式(D-5)によって与えられるpˆLPSの推定値は,ベイズ推定値であり,系列x0, x1,…が定
常的であると仮定すれば,優れた推定となる。しかし,この規格の算術符号化応用では,入力は必ずしも
定常的とはいえず,符号化される画像の部分によって統計的性質が変化する可能性がある。優れた符号化
効率を実現する上では,入力される統計情報に対して確率推定器の追従を変更することが重要である。非
定常的な環境におけるpˆLPSの推定値式(D-5)による問題点は,“行き詰まり”になることである。一度nLPS
及びnMPSの計数値が大きく設定されてしまえば,pˆLPSを十分認められるほどに変更するために逆の事象の
観測を数多く必要とする。
同様に,定常状態環境での正確な(雑音のない)推定ももちろん要求される。素早い追従性と正確な定
常状態における推定とを両立するためnLPSをクランピングすることによって達成できる。反復式の(D-6),
(D-7)及び(D-8)の繰返しによって,nLPSがあるしきい値を超えるとき,nLPS及びnMPSを比例して減少させる。
比例して減少させることによって推定値pˆLPSには影響が及ばない。しかし,nLPS及びnMPSを小さい値に保
つので,基本となる統計情報の変更に対する応答は,速くなる。比例した縮小を起動するクランピングし
きい値の設定によって,素早い追従性と推定の正確さとを引き換えることが可能となる。小さいしきい値
に設定すれば素早い追従性を満足し,大きいしきい値は推定の正確さを満足する。
D.5 演算負荷の軽減 本体表2は,実際には確率推定器を定義している。この確率推定器は,上の反復式
の(D-6),(D-7)及び(D-8)の繰返しにおいてクランピングを行ったものを近似している。重要なことに,こ
の近似は,演算負荷を最小にするように行われている。
附属書D図1A及び附属書D図1Bは,縦軸の単位が1 000倍異なるが,同一のプロット図を示す。こ
のプロット図は,本体表24に示されたデータをnLPS−nMPS空間で図示したものである。図中には,113個
の黒四角があり,それぞれが本体表24の各状態に対応している。これらの状態のそれぞれは,式(D-5)に
よって得られる確率推定値pˆLPSをもつ。δの値は,実験的最適化によって,0.45を選択している。作図の
都合上,点(−δ,−δ)は,附属書D図1A及び附属書D図1Bの中で,小さい丸印で表す。この点から
広がるすべての線は,一定確率の線を示す。
本体表24中LSZとラベル付けされた欄は,式(8)(本体6.8.1.2参照)によって最初の近似値が得られる。
符号化区間AはAに逆比例した確率密度で近似できるので,式(8)(本体6.8.1.2参照)によって与えられ
るA~は,次の式のとおりとなる。
0.721×0x10000=0xb893
(D-9)
本体表24の実際の値は,pˆLPS×0xb893から数パーセントずれている。これは,更に,実験的最適化が
施されたためである。
MPSを受信した場合,理想的には式(D-7)によって,nMPSは1増やされる。しかし,このような試みは,
状態数を膨大化させることになる。その代わりに,附属書D図1A及び附属書D図1Bにおける下方向へ
の移動は,再正規化時を条件とする。次を正規化されたAレジスタのサイズとする。
a=A/0x10000 ······································································· (D-10)
MPSによって再正規化される確率P̲RNは,次の式によって与えられる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
P̲RN=Pr {(1−p) a< (1/2)}
=Pr {a< (1/2)/(1−P)}
=log2 (1/(1−P)) ···································································· (D-11)
附属書D図1A nLPS-nMPS空間における確率推定器の状態:作図されたnMPSの最大値=25
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X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D図1B nLPS−nMPS空間における確率推定器の状態:作図されたnMPSの最大値=25 000
ここで,任意変数aは,半開区間[1/2, 1)でaに反比例した確率密度をもつと仮定する。縦方向の列では,
どの2状態間の距離も1/P̲RNに等しい。ここで,P̲RNは,2状態の上側の状態においてpをpˆLPSに等し
くおき,式(D-11)によって与えられる。この大きな増加はnMPSが確率P̲RNによってだけ変更されること
を補償している。
現在の状態がその列の最下位にある場合,更に下方へ1/P̲RNだけ移動させることはもちろん不可能と
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なる。附属書D図1A及び附属書D図1Bにおいて,このような状態に対しては,すぐ下にMPSによる更
新がnMPSを更新するべきところとして,白い四角の印を付けた。このような状態ではMPSがnMPSを更新
する所で白い四角で示した状態へ直接下げる。この望ましい点は,実際に移動する状態と破線で結ばれて
いる。破線はすべて,(−δ,−δ)にある円につながっていることと,そのため再写像によっても
LPS
pˆ
の
変更はできる限り小さくなっていることに注意する。
LPSを受信した場合,再正規化が必ず行われ,nLPS−nMPS空間における名目上の移動先は, (nLPS+1, nMPS)
となる。このような点も,附属書D図1A及び附属書D図1Bの中で,白い四角で示す。これらの白い四
角で示した状態は,どの有効な状態とも一致しないので,再写像が必要となる。名目上の移動がnLPS−nMPS
空間において用意された状態で覆われた部分への“内部”移動であるとき,再写像は,
LPS
pˆ
の意味で一番
近い状態への垂直移動によって行われる。このような写像を図中,実線で示す。名目上の移動が“外部”
であるとき,D.4に示したクランピングが望ましく,再写像はこの名目上の点の左の列にある状態へ行う。
この列で選択される特定の点は
LPS
pˆ
の意味で,名目上の点に一番近い点となる。このような外部への再写
像も,また附属書D図1A及び附属書D図1Bの中で,実線で示す。
MPS受信で再写像をしても,元の状態へ再帰する状態が一つある。この状態は,丸で囲んで示され,附
属書D図1Bの大きな目盛でだけ現れる。この状態は,それに関連する確率値として最小の値(約0.000 02)
をもち,MPS受信に対し,これよりよい遷移すべき状態はない。
効果的なクランピングしきい値は,nMPSの,すなわち
LPS
pˆ
の弱い関数である。pLPSが1/2近辺の場合は,
0に近い場合に比べ,より雑音の影響を受けずに推定できるが,それゆえ追従能力は悪くなる。この性質
は,この規格及びJIS X 4301に共通した算術符号器を設計する上で望ましいといえる。JIS X 4301では,
推定品質が重視されるのに対し,この規格の応用では素早い追従性をより重視する。都合のよいことには,
この規格の応用に出現するpLPSの値は,JIS X 4301の応用に出現するpLPSの値よりかなり小さい。小さい
pLPSにはクランピングしきい値は,幾分小さい値となるので,二つの違った規格の双方に対し自動的に望
ましい動作を提供する。
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附属書E(参考) 特許一覧
この附属書は,規定の一部ではない。
E.1 序論 この規格に適合する場合,特許権によって保護された発明を使用しなければならなくなるかも
しれないことに関し,利用者の注意を喚起する。
この規格の出版によって,関連する特許権の有効性に関して何らの立場もとるものではない。ただし,
この附属書に列記した各特許について,特許権者は,ISO/IECの情報技術調査組織 (ITTF) 及びITUの通
信標準化組織 (TSB) に,ライセンスの許諾を望む利用者のために妥当,かつ,無差別な条件で特許権に基
づく使用許諾を認めるという同意書を提出している。
この附属書に列記された特許の選択基準は,次のとおりである。
1) 特許は,この規格に関連する技術分野に精通し,かつ,規定された符号化・復号処理の一つ以上を履
行するためには特許によって保護された発明の使用が必要であると信じる人々によって確認されたも
のである。
2) 特許権者は,不特定多数の世界中の利用者に対し,不当な差別なく,妥当な価格及び条件で,その使
用を許諾するという同意書をITTF及びTSBに提出している。
この規格が存続している限り,この特許一覧は必要ならば規格の改定時に更新される。
E.2 特許リスト 特許権者が住む国の国内特許だけを列挙する。多くの場合,他国でも取得されている。
1) IBM, A method and means for pipeline decoding of the high to low order. pairwise combined digits of a
decodable set relatively shifted finite number of strings, US 4295125, Oct. 13, 1981.
2) IBM, A method and means for carry-over control in a high order to low order combining of digits of a
decodableset of relatively shifted finite number strings, US 4463342, July 31, 1984.
3) IBM, High-speed arithmetic compression using concurrent value updating, US 4467317, August 21, 1984.
4) IBM, Method and means for arithmetic coding using a reduced number of operations, US 4286256, August 25,
1981.
5) IBM, A multiplication-free multi-alphabet arithmetic code, US 4652856, Feb. 4, 1986.
6) IBM, Symmetrical adaptive data compression/decompression system, US 4633490, Dec. 30, 1986.
7) IBM, Arithmetic coding data compression/de-compression by selectively employed, diverse arithmetic encoders
and decoders, US 4891643, January 2, 1990.
8) IBM, System for compression bi-level data, US 4901363, February 13, 1990.
9) IBM, Arithmetic coding encoder and decoder system, US 4905297, February 27, 1990.
10) IBM, Probability adaptation for arithmetic coders, US 4935882, June 19, 1990.
11) IBM, Probability estimation based on decision history, pendig in US.
12) IBM, Method and apparatus for processing pel signals of an image, US 4982292, January 1, 1991.
13) AT&T, Progressive transmission of high resolution two-tone facsimile images, US 4870497, September 26,
1989.
14) AT&T, Edge decomposition for the transmission of high resolution facsimile images, US 4873577, October 10,
1989.
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X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
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15) AT&T, Adaptive probability estimator for entropy encoder/decoder, US 5025258, June 18, 1991.
16) AT&T, Efficient encoding/decoding in the decomposition and recomposition of a high resolution image utilizing
its low resolution replica, US 4979049, December 18, 1990.
17) AT&T, Efficient encoding/decoding in the decomposition and recomposition of a high resolution image utilizing
pixel clusters, US 5031053, July 9, 1991.
18) AT&T, Entropy encoder/decoder including a context extractor, US 5023611, June 11, 1991.
19) AT&T, Method and apparatus for carry-over control in arithmetic entropy coding, US 4973961, November 27,
1990.
20) KDD, Methods for reduced-sized images, Japan Application No.63-212432, pending in Japan.
:KDD,縮小画像の作成方式,出願番号昭63-212432,出願中.
21) KDD, Image reduction system, Japan Application No.1-167033, joint with Canon, pending in Japan.
:KDD,画像縮小方式,出願番号平1-167033,キヤノンと共同出願中.
22) Mitsubishi, Facsimile encoding communication system, Japan 1251403, July 6, 1984.
:三菱,符号化装置,登録番号1251403,1984年7月6日登録.
23) Mitsubishi, Encoding method, pending in Japan.
:三菱,符号化方式,出願中.
24) Canon, Image reduction system, Japan Application No.1-167033, joint with KDD, pending in Japan.
:キヤノン,画像縮小方式,出願番号平1-167033,KDDと共同出願中.
E.3 特許情報に関する問合せ先
Director, Telecommunication Standardization Bureau (formerly CCITT)
International Telecommunication Union
Place des Nations
CH-1211 Geneve 20
Switzerland
Tel:+41 (22) 730 5111
Fax:+41 (22) 730 5853
ITTF
International Organization for Standardization
1, rue de Varembé
CH-1211 Genevé 20
Switzerland
Tel:+41 (22) 734 0150
Fax:+41 (22) 733 3843
Program Manager, Licensing
Intellectual Property and Licensing Services
IBM Corporation
208 Harbor Drive
81
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P.O.Box 10501
Stamford, Connecticut 08904-2501
Tel:+1 (203) 973 7935
Fax:+1 (203) 973 7981 or +1 (203) 973 7982
Mitsubishi Electric Corp.
三菱電機株式会社
Intellectual Property License Department
知的財産権本部 知的財産渉外部
1-2-3 Marunouchi, Chiyoda-ku
〒100東京都
Tokyo 100, Japan
千代田区丸の内1-2-3
Tel:+81 (3) 3218 3465
Tel:03 (3218) 3465
Fax:+81 (3) 3215 3842
Fax:03 (3215) 3842
International Affairs Department
国際部/ネットワーク計画部
Kokusai Denshin Denwa Co. Ltd.
知的財産担当
3-2 Nishishinjuku, 2-chome
国際電信電話株式会社
Shinjuku-ku
〒163東京都
Tokyo 163, Japan
新宿区西新宿2丁目3-2
Tel:+81 (3) 3347 6457
Tel:03 (3347) 6457
Fax:+81 (3) 3347 6470
Fax:03 (3347) 6470
Intellectual Property-LAW
AT&T Bell Laboratories
101 Crawfords Corner Road
Holmdel, NJ 07733-3030, USA
Tel:+1 (908) 949 3120
Fax:+1 (908) 949 0292
Senior General Manager
本部長
Corporate Intellectual Property and Legal Headquarters
知的財産法務本部
Canon Inc.
キヤノン株式会社
30-2 Shimomaruko 3-chome
〒146東京都
Ohta-ku, Tokyo 146 Japan
大田区下丸子3丁目30-2
Tel:+81 (3) 3758 2111
Tel:03 (3758) 2111
Fax:+81 (3) 3756 0947
Fax:03 (3756) 0947
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附属書F(参考) 参考文献
この附属書は,規定の一部ではない。
1) ISO/IEC 9281-1, Information technology−Picture coding methods−Part 1 : Identification.
2) CCITT Rec. T. 81 (1992) | ISO/IEC 10918-1 : 1993, Information technology −Digital compression and
coding of continuous-tone still images : Requirements and guidelines.
備考 JIS X 4301-1995(連続階調静止画像のディジタル圧縮及び符号処理 第1部 要件及び指針)
が,この規格と一致している。
3) CCITT Recommendation T. 4, Standardization of Group 3 facsimile apparatus for document transmission.
4) CCITT Recommendation T. 6, Facsimile coding schemes and coding control functions for Group 4 facsimile
apparatus.
5) I. H. Witten, R. M. Neal, and J. G. Cleary, Arithmetic coding for data compression, Communications of the
ACM, vol.30, no.6, pp.520-540, June 1987.
6) R. B. Arps, T. K. Truong, D. J. Lu, R. C. Pasco, and T. D. Friedman, A multi-purpose VLSI chip for adaptive
data compression of bilevel images, IBM Journal of Research and Development, vol.32, no.6, pp.775-795,
November 1988.
7) W. B. Pennebaker, J. L. Mitchell, G. G. Langdon, Jr. , and R. B. Arps, An overview of the basic principles of the
Q-Coder adaptive binary arithmetic coder, IBM Journal of Research and Development, vol.32, no.6, pp.717-726,
November 1988.
8) F. Ono, S. Kino, M. Yoshida, and T. Kimura, Bi-level image coding with Melcode-Comparison of block type
code and arithmetic type code, IEEE Global Telecommunications Conference, pp.255-260, November 1989.
9) D. Duttweiler and C. Chamzas, Probability estimation in arithmetic and adaptive-Huffman entropy coders, to
appear in IEEE Trans. on Image Processing.
10) D. Sheinwald and R. Pasco, Deriving deterministic prediction rules from reduction schemes, to appear in IEEE
Trans. on Information Theory.
11) G. Langdon, Method for carry-over control in a FIFO arithmetic code string, IBM Thechnical Disclosure
Bulletin, vol.23, no.1, pp.310-312, June 1980.
12) C. Jones, An efficient coding system for long source sequences, IEEE Trans. Information Theory, vol. IT-27,
pp.280-291, May 1981.
13) G. Langdon, An introduction to arithmetic coding, IBM Journal of Research and Development, vol.28,
pp.135-149, March 1984.
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X 4311-1996 (ISO/IEC 11544 : 1993)
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画像処理技術調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
梶 光 雄
東京工芸大学
(副委員長)
小 野 善 雄
大日本スクリーン製造株式会社
青 木 正 喜
成蹊大学
伊勢崎 幸 一
株式会社アート光村
糸 岡 晃
大日本スクリーン製造株式会社
井 内 正 行
コニカ株式会社
井 上 英 一
プロセス資材株式会社
岩 本 明 人
株式会社東芝
大 山 永 昭
東京工芸大学
奥 山 滋
東京工芸大学
小 野 文 孝
三菱電機株式会社
兼 谷 明 男
工業技術院
滝 川 啓
NTTソフトウェア株式会社
中 嶋 正 之
東京工業大学
羽 鳥 好 律
国際電信電話株式会社
藤 本 功
三菱電機株式会社
三 上 敦 敏
凸版印刷株式会社
三 品 博 達
室蘭工業大学
村 山 登
株式会社リコー
安 田 浩
日本電信電話株式会社
谷 中 一 寿 日本電信電話株式会社
谷 萩 隆 嗣
千葉大学
山 崎 清 一
大日本印刷株式会社
山 崎 孝
富士写真フィルム株式会社
渡 辺 裕
日本電信電話株式会社
小 田 宏 行
工業技術院
(事務局)
川中子 肇
財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター
JBIG JIS化分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
小 野 文 孝
三菱電機株式会社
浅 田 修
株式会社沖データ
大 町 隆 夫
日本電気株式会社
木 村 智 広
三菱電機株式会社
金 云 泰
早稲田大学
小 池 淳
国際電信電話株式会社
舘 石 亨
株式会社東芝
野 水 泰 之
株式会社リコー
東 明 浩
富士通株式会社
松 本 眞
NTTプリンテック株式会社
松 山 久
三洋電機株式会社
横須賀 靖
株式会社日立製作所
吉 田 正
キヤノン株式会社
小 田 宏 行
工業技術院
(事務局)
川中子 肇
財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター