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X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 プロセス測定フレームワークの要求事項 ··············································································· 4 

4.1 概念化 ························································································································· 4 

4.2 構成概念定義 ················································································································ 5 

4.3 操作化 ························································································································· 5 

4.4 構成概念仕様の検査 ······································································································· 6 

4.5 プロセス属性の評定 ······································································································· 7 

4.6 集約 ···························································································································· 7 

4.7 感度分析 ······················································································································ 8 

5 プロセス測定フレームワークの妥当性確認のための要求事項 ···················································· 8 

5.1 要求事項 ······················································································································ 8 

5.2 手引 ···························································································································· 9 

6 プロセス測定フレームワークの適合性検証 ··········································································· 10 

附属書A(参考)用語の関係 ································································································· 11 

附属書B(参考)構成概念仕様:反映的又は形成的 ···································································· 13 

附属書C(参考)幾つかの統計的妥当性確認手法 ······································································ 15 

附属書D(参考)プロセス測定フレームワークの要求事項の実装方法 ············································ 18 

参考文献 ···························································································································· 20 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人情報処理学会(IPSJ)及び一般

財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,

日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法

等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準

調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。 

  

日本産業規格          JIS 

X 33003:2019 

(ISO/IEC 33003:2015) 

情報技術−プロセスアセスメント− 

プロセス測定フレームワークに対する要求事項 

Information technology-Process assessment- 

Requirements for process measurement frameworks 

序文 

この規格は,2015年に第1版として発行されたISO/IEC 33003を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,プロセス能力のアセスメントに使用するプロセス測定フレームワークの要求事項について

規定する。この規格が定義する要求事項は,次による。 

a) プロセスアセスメントに関連するプロセス測定フレームワークのための要求事項を確立する。 

b) プロセスアセスメントに使用するプロセス測定フレームワークの妥当性確認のための要求事項を確立

する。 

c) 複数の分野にわたって合成の測定量を策定するプロセス測定フレームワークに適用できる要求事項を

確立する。 

この規格は,全ての適用分野のプロセス品質特性のためのプロセス測定フレームワーク策定に,適用で

きる。 

附属書Aでは,この規格で使用されている用語間の関係を示す。附属書Bでは,構成概念仕様を説明し

ている。附属書Cでは,統計的な妥当性確認の方法を説明している。附属書Dでは,参考文献を含めて,

プロセス測定フレームワークの要求事項を実行するための幾つかの方法を提供している。これらの附属書

は,規格一式の一部として策定するプロセス測定フレームワークを構築するためのガイドになる。 

注記1 この規格は,ソフトウェア又は情報分野が対象である。 

注記2 JIS X 33020は,この規格に基づいたプロセス能力のアセスメントのためのプロセス測定フレ

ームワークである。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 33003:2015,Information technology−Process assessment−Requirements for process 

measurement frameworks(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS X 0141:2009 システム及びソフトウェア技術−測定プロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 15939:2007,Systems and software engineering−Measurement process

(IDT) 

JIS X 33001:2017 情報技術−プロセスアセスメント−概念及び用語 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 33001:2015,Information technology−Process assessment−Concepts and 

terminology(IDT) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0141:2009,JIS X 33001:2017によるほか,次による。 

3.1 

集約方法(aggregation method) 

合成値を生成するために測定値一式を組み合わせる方法。 

注記 集約方法は,補償モデル又は非補償モデルに基づく。 

3.2 

補償モデル(compensatory model) 

合成の測定量が個々に重み付けされた項で構成され,高い値をもつ判断基準(さらに,属性項を参照す

る判断基準)によって,各重みに比例してそれらの低い値を補うことができるMCDMモデル。 

注記 補償モデルは,重要度の高い測定量(重み付けが高い測定量)を改善することは,重要度の低

い測定量を改善するよりも総合的な合成値を増やす,又は改善する可能性が高いことを示唆し

ている。このモデルでは,判断基準の測定された水準に関係なく,判断基準の重み(影響の水

準)が同じままであることを前提としている。 

3.3 

合成の測定量(composite measure) 

構成概念仕様(反映的又は形成的のいずれか)に従って定義された複数項目測定量の一連の操作から導

出される変数。構成概念仕様は,対象とする構成概念を代表する潜在変数をその測定量に結び付ける方法

である。 

3.4 

合成値(composite value) 

合成の測定量から得られる値。 

注記 合成の測定量は,順序,間隔又は比尺度から得られる。 

3.5 

構成概念(construct) 

プロセスアセスメントを使用して測定したい抽象的なアイデア,イメージ,根底にあるテーマ又は主た

る関心事のような概念。 

注記1 プロセス測定フレームワークでは,構成概念(潜在的な構成概念を指す。)は,プロセス品質

特性及びプロセス属性のような理論的概念である。 

注記2 構成概念に割り当てられる意味を,理論的定義といい,その意味を説明するだけでなく,明

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

確な次元(側面)を論じることが望ましい。 

3.6 

次元(dimension) 

多次元構成概念を構成する個々の構成要素。 

3.7 

形成的構成概念(formative construct) 

構成概念とその測定量との関係における,観察される測定量から形成される構成概念。 

注記 構成概念は,その測定量から決定され,各測定量は,構成概念を決定する要素である。 

3.8 

潜在変数(latent variable) 

一次元構成概念を表す変数。 

注記 構成概念の次元ごとに独立した潜在変数が存在し,かつ,潜在変数ごとに最低一つの測定量が

存在することが望ましい。 

3.9 

多基準意思決定,多属性意思決定,MCDM(Multiple-Criteria Decision Making,Multi-Attribute Decision Making,

MCDM) 

複数の基準によって定義される利用可能な選択肢(例えば,評価,優先順位付け又は選定)の決定。 

注記1 MCDMの一つの基準は,測定量に対応する。 

注記2 一つの選択肢をもつMCDMは,合成の測定量の開発と同じである。 

3.10 

測定モデル(measurement model) 

潜在変数とその(複数の項目からなる)測定量との間の明示的又は暗黙的な関係。 

注記 反映的構成概念とその測定量との関係は,反映的測定モデルという。形成的構成概念の場合は,

形成的測定モデルという。 

3.11 

多次元構成概念(multidimensional construct) 

複数の一次元構成概念から構成される構成概念。 

注記 多次元構成概念の各次元を,一次元構成概念といい,それは,一つの潜在変数によって表現さ

れる。各次元には,複数の測定量を設定できる。例えば,多次元構成概念では,プロセス属性

の基礎をなす共通因子として定義される能力の意味と,プロセス属性の単なる合計として定義

される能力の意味とは異なる。前者を,反映的多次元構成概念といい,後者を,形成的多次元

構成概念という。多次元構成概念は,不確定な水準の数になり得る。 

3.12 

非補償モデル(non-compensatory model) 

重みに応じて互いを補い合う基準を許容しないMCDMモデル。 

注記 重みが同じでも,著しく正又は負の項目は,合成値全体に不均衡をもたらす。評価方針,合成

の測定量の目的及び/又は測定尺度に依存して,多くの非補償モデルが存在する。 

3.13 

反映的構成概念(reflective construct) 

構成概念とその測定量との関係における,測定量に影響を与える原因となる構成概念。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

注記 反映的構成概念は,その測定量変動の根底となる因子である。 

3.14 

尺度(scale) 

属性が対応付けられる,連続若しくは離散の順序付けられた一式の値,又は一式のカテゴリ。 

注記 尺度の形式は,尺度上の値の間の関係性に依存している。一般的に,次の4種類の尺度が定義

されている。 

名義尺度:測定値が分類別である。例えば,欠陥の形式による分類は,分類間の順序を意味し 

ていない。 

順序尺度:測定値が序列である。例えば,重大度による欠陥の分類は,序列である。 

間隔尺度:測定値が,等しい量の属性に対応付けられた,等しい距離をもっている。例えば, 

サイクロマティック複雑度は,最小値1をもつが,それぞれの増加分は,追加パスを示 

す。ゼロ値はとらない。 

比尺度:測定値が,属性の等しい量に対応して等しい距離をもっており,どの属性にも対応付 

けられないものをゼロ値という。例えば,ゼロ値は,コードのライン数がない状態に対

応し,追加された各増分が等しいコード量を表しているため,LOC(コード行数,lines of 

code)で示されるソフトウェアコンポーネントの大きさは比尺度である。 

3.15 

一次元性(unidimensionality) 

一式の測定量の根本である,単一の特性又は構成概念の存在。 

プロセス測定フレームワークの要求事項 

この箇条では,プロセス測定フレームワークを開発するための要求事項を定義する。この規格の手引は,

これらの要求事項をより良く理解するためのものである。図A.1は,この箇条で使用する幾つかの用語間

の関係を示す。 

注記 これらの要求事項に適合するための手引は,例及び方法を含め,一連の規格の一部として開発

するプロセス測定フレームワークを構築するためのガイドに記載される。 

4.1 

概念化 

4.1.1 

要求事項 

a) 一つのプロセス測定フレームワークは,一つのプロセス品質特性を特定し,対象としなければならな

い。 

b) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性は,多次元構成概念に基づいて定義しなけれ

ばならない。 

c) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性は,一式のプロセス属性として定義しなけれ

ばならない。 

d) それぞれのプロセス属性は,プロセス品質特性の性質を定義しなければならない。 

e) 直接測定可能でないそれぞれのプロセス属性は,プロセス品質特性を構成概念と考えなければならな

い。 

f) 

プロセス測定フレームワークにおけるプロセス属性は,反映的又は形成的として定義しなければなら

ない。 

g) プロセス測定フレームワークは,その適用の基礎をなす方針及び前提を文書化しなければならない。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

4.1.2 

手引 

概念を特定して明確化するプロセスを,概念化という。概念は,単一の条件の下で関心のある現象(例

えば,形質,行動形質)を結び付ける考え又は心象である。これは,具体的な形質のリストを置き換える

要約の仕掛けである。ほとんどのプロセス品質特性(例えば,プロセス能力)は,観察可能ではなく,構

成概念と呼ばれる理論的概念である。 

プロセス測定フレームワークで使用される合成の測定量(例えば,プロセス能力レベル)は,プロセス

属性から構成される構成概念に基づいて定義される。測定フレームワークは,一連の達成の水準に構造化

していてもよい。 

プロセス属性が直接的に測定可能でない場合,それは,構成概念として定義してもよい。構成概念とし

ての一式のプロセス属性は,反映的又は形成的のいずれかである。 

専門家及び利害関係者の参加は,プロセス品質特性及びそのプロセス属性の妥当性を高めることができ

る。妥当性の側面は,C.3を参照。 

多次元構成概念は,一式の次元とそれらの関係とを含むパス図で表すことができる。パス図を使用する

と,モデルの範囲と構造とが分かりやすくなる。 

4.2 

構成概念定義 

4.2.1 

要求事項 

a) 構成概念定義は,プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性の意味及びそのプロセス属

性を定義しなければならない。 

b) 構成概念定義は,プロセス品質特性の仕様,及びその多次元としてのプロセス属性群を明確にしなけ

ればならない。 

c) 構成概念定義は,プロセス品質特性及びそのプロセス属性群の活用のガイドを提供しなければならな

い。 

d) 構成概念定義は,カテゴリ(例えば,能力水準のような一連の序数)又は数値のような合成の測定量

の尺度を提示しなければならない。 

e) プロセス属性の少なくとも一つは,定義されたプロセス目的及びプロセス成果の達成を含まなければ

ならない。これを,プロセス実行属性という。 

4.2.2 手引 

プロセス品質特性又はプロセス属性は,それが表す直観的な理解を伝えることが望ましいが,解釈は,

観察者によって異なることがある。それゆえに,構成概念の意味を説明し提供するための定義が必要であ

る。これを構成概念定義という。 

構成概念の明確化は,例えば,指定された上位のプロセス品質特性の定義が,構成概念仕様に基づいて

全てのプロセス属性を完全に網羅し,その構成概念仕様においては,下位のプロセス属性は,そのプロセ

ス品質特性に属する独立した次元であることを意味する。潜在変数は,モデル内の一次元構成概念に割り

当てられる。次元に関連する統計的方法は,C.1を参照。 

4.3 操作化 

4.3.1 要求事項 

a) 全てのプロセス属性は,その構成概念仕様に従って定義しなければならない。 

b) プロセス属性の達成は,客観的証拠によって検証可能でなければならない。 

4.3.2 

手引 

プロセス属性が,形式に沿ったアセスメント,自己報告,実地調査(アンケートとインタビューとを含

background image

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

む。),観察,又は他の実験的手段によって直接に観察可能である場合,それは,他の測定量とは機能的に

独立した基本測定量である。プロセス属性が幾つかの下位構成概念又は測定量で測定されている場合,そ

れは,構成概念とみなすことができる。構成概念を測定し,反映的仕様における一連の統計的テスト(モ

デルの妥当性確認と構成概念仕様とを含む。)を実行するには,四つ以上の基本測定量を推奨する。 

注記 プロセス属性評定に利用されるアセスメント指標については,ISO/IEC 33004の6.3.8を参照。 

4.4 

構成概念仕様の検査 

4.4.1 

要求事項 

プロセス品質特性及びそれに関連するプロセス属性の構成概念仕様は,操作化を通じて,かつ,根拠を

もって検査しなければならない。 

4.4.2 

手引 

構成概念を表す潜在変数を,その測定量と関連付ける方法(すなわち,一次元構成概念とその測定量と

の関係)である2種類の構成概念仕様がある。それらは,反映的及び形成的測定モデルである。プロセス

品質特性又はプロセス属性は,基本的な要因又は観察された測定量によって生成される指標のいずれかと

して見ることができる。前者を,影響を示す反映的構成概念又は反映的測定モデル,後者を,原因を示す

形成的構成概念又は形成的測定モデルという。 

反映的測定モデルの目的は,複数の測定量を使用して単一の性質を測定することであるが,形成的測定

モデルは,単一の合成値で複数の性質を要約する。これら二つの仕様は,それぞれ図B.1 a) 及び図B.1 b)

のように表すことができる。 

構成概念仕様が,反映的か又は形成的かを調べるための決定規則を表1に要約する。これらの決定規則

は,プロセス品質特性及びそれに関連するプロセス属性に適用できる。それらは,構成概念仕様の事前統

計的検証を診断できる。構成概念仕様の詳細は,附属書Bを参照。 

表1−測定モデルが反映的か又は形成的かを調べるための決定規則 

決定規則 

反映的測定モデル 

形成的測定モデル 

構成概念の測定量の特性 

•測定量は,構成概念の明示である。 
•測定量は,共通のテーマを共有する。 
•測定量は,代替可能であることが望まし
い。 
•測定量は,同じ又は類似した意味をもつ
ことが望ましい。 
•測定量の除外によって,構成概念の概念
的な領域を変更しないことが望ましい。 
•測定量は,相互に共変すると期待されて
いる。 

•測定量は,構成概念の(側面を表す)特
性を定義している。 
•測定量は,共通のテーマを共有する必要
はない。 
•測定量は,代替可能である必要はない。 
•測定量は,同じ又は類似の意味をもつ必
要はない。 
•測定量の除外によって,構成概念の概念
的な領域を変更してもよい。 
•測定量は,相互に共変する必要はない。 

構成概念と測定量との間
の因果関係の方向 

•因果関係の方向は,構成概念からその複
数項目の測定量へ,である。 
•測定量の変更によって,構成概念が変更
されないことが望ましい。 

•因果関係の方向は,測定量から構成概念
へ,である。 
•構成概念の変更によって,測定量が変更
されないことが望ましい。 

場合によっては,図B.1に示している関係は,より高次のレベルをもつことができる。すなわち,構成

概念の概念的定義は,しばしば高次の反映的及び/又は一次元の形成的を含む,より抽象的なレベルで規

定される。高次モデルの定義は,反映的測定モデルでは理論主導であることが望ましい。定義を裏付ける

又は確認するには,統計分析を使用することが望ましい。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

4.5 

プロセス属性の評定 

4.5.1 

要求事項 

a) プロセス属性は,評定しなければならない。 

b) プロセス属性について,測定尺度,すなわち,名義尺度,順序尺度,間隔尺度又は比尺度を定義しな

ければならない。 

c) 各プロセス属性に客観的に値を割り当てる測定方法を特定しなければならない。 

4.5.2 

手引 

幾つかのアセスメントでは,個々のプロセスインスタンスの診断に関して,例えば,プロセス品質特性

又はプロセス属性の評定を生成することができる。一方で,評定のない全体像を提供する他のアセスメン

トでは,プロセスと同じ背景で一式のプロセスインスタンスを同時に診断することができる。プロセス属

性は,形式に沿ったアセスメント,自己報告,調査(質問票及び面接を含む。),観察,又は他の経験的手

段に基づいて評定できる。したがって,評定の基本測定量のための測定尺度は,アセスメントの粒度と一

致することが望ましい。場合によっては,自己報告又は調査の中での評定は,客観的な証拠ではなく,主

観に基づく。プロセス品質特性及びそのプロセス属性の評定尺度は,構成概念仕様(4.3参照)と一貫した

理論的根拠で処理することが望ましい。 

プロセス属性を評定するために確立され文書化されたアセスメントプロセスは,信頼できる測定結果を

提供する。プロセス属性評定の進め方は,文書化されたアセスメントプロセスで定義しなければならず,

アセスメント目的に基づいたアセスメントクラスに依存してもよい。したがって,この目的のために,文

書化されたアセスメントプロセスは,統合されたアセスメントの枠組みの下での確立,計画,実行及び評

価アセスメントを導く。対象領域において合意がある場合は,測定目的への適合性を調べた上で,文書化

され,有効性が確認されたアセスメントプロセスを選ぶことができる。 

4.6 

集約 

4.6.1 

要求事項 

集約は,一式の測定値を組み合わせることによって,合成値又は評定値を導出する。  

a) 測定フレームワーク内で要求している全ての集約を識別しなければならない。 

b) 集約方法を特定しなければならない。 

c) 集約方法は,統計的に妥当でなければならない。 

d) 集約方法は,一貫した測定尺度を利用しなければならない。 

e) 集約方法は,測定フレームワークの方針及び前提と一貫していなければならない。 

f) 

集約方法は,構成概念仕様と一貫していなければならない。 

4.6.2 

手引 

プロセス品質特性又はプロセス属性に対する合成の測定量の尺度を,その構成概念仕様に従って提示す

ることが望ましい。要求される集約の数は,4.1におけるプロセス品質特性の多次元構成概念の構造によっ

て決まる。主に,集約は,プロセス品質特性及びそのプロセス属性のような,構成概念の階層的関係をも

つ箇所で行われる。尺度上のそれぞれのプロセス品質特性水準を,一式のプロセス属性の達成度合いによ

って定義する。 

一つの選択肢をもつMCDMは,同様に合成の測定量の値を導出する集約方法とみなすことができる。

集約方法は,構成概念仕様,評価方針,合成の測定量又は測定尺度に応じて,補償又は非補償モデルに基

づいてもよい。測定誤りがない形成的モデルは,合成値に異なった側面又は次元を集約する補償型MCDM

と考えることができる。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

関連する集約の一例は,形成的な仕様を仮定したときの,プロセス能力水準に対する一式のプロセス属

性の評定の組合せである。プロセス品質特性及びそのプロセス属性のような多次元構成概念において,一

式のプロセス属性評定からプロセス能力水準を決定するために集約が使われる。さらに,多数のプロセス

インスタンスのそれぞれに対して,プロセス属性評定を行うのであれば,集約方法を提供することが望ま

しい。 

プロセス品質特性又はプロセス属性の評定尺度が,その達成の程度を表す。評定に固定点を提供するた

めに,尺度を,間隔尺度又は比尺度から,順序尺度に変換することができる。例えば,評定尺度は,特定

の組織的な背景におけるプロセスインスタンスのプロセス属性の達成の程度を表現するために,又は定義

された組織的な単位の範囲内の複数のプロセスインスタンスにわたるプロセス属性の達成の程度を表現す

るために用いてもよい。 

測定尺度の一貫性は,(i)比尺度を間隔尺度,順序尺度,又は名義尺度に変換できること,(ii)間隔尺

度を順序尺度又は名義尺度に変換できること,及び(iii)順序尺度を名義尺度に変換できることのような,

より高い尺度水準からより低い尺度水準へ変換できることを意味する。 

関連する前提を満足している場合,反映的な構成概念の合成値は,測定量の値を平均する,又は合計す

ることによって計算することができる。それらの方法は,多次元構成概念における,より水準が高い構成

概念の合成値を得るために,下位構成概念の集約にも適用してもよい。 

外れ値の存在は,吟味することが望ましい。さらに,必要であれば,大きく外れた測定値は,変換する

ことが望ましい。真の外れ値と判断した場合は,集約から取り除いてもよい。測定量が様々な範囲の値を

もっている場合,測定単位の相違があるので,どのようなデータ操作の前にも正規化が必要である。適切

な正規化方法を,理論的な基盤とデータの特性との双方を勘案して使用することが望ましい。 

4.7 

感度分析 

4.7.1 

要求事項 

感度分析は,合成値の頑健性を調べることを目指す。感度分析の種類と方法とは,プロセス測定フレー

ムワークの評定と集約の方法とに依存する。 

a) プロセス属性の測定尺度に対して,感度分析を実施しなければならない。 

b) 集約方法に対して,感度分析を実施しなければならない。 

c) 適用可能であれば,重み付けに対して,感度分析を実施しなければならない。 

4.7.2 

手引 

合成値の頑健性は,不確実性分析によって,又は感度分析によって評価することができる。不確実性分

析は,測定値のような入力要素の不確実性が,どのように合成の測定量の構造を通して伝搬し,合成値に

影響を及ぼすかを調べる。感度分析は,個々の不確実性の原因が結果の分散に影響する程度を調べる。感

度分析は,プロセス属性に基づいて実施できる。 

例えば,ほとんどの補償モデルのように合成の測定量に重み付けを含めると,重み付けに関する感度分

析が必要となる。さらに,その際には重み付けの割当て方法を特定することが望ましい。非補償MCDM

モデルは,重み付けを必要としない。 

プロセス測定フレームワークの妥当性確認のための要求事項 

5.1 

要求事項 

a) プロセス測定フレームワークの信頼性の検証及び妥当性の確認のための計画は,標準化の開始時に確

立しなければならない。これらの計画は,標準化後の活動を含まなければならない。 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

b) プロセス測定フレームワークの信頼性及び妥当性に関する主張は,構成概念仕様と一貫していなけれ

ばならない。 

c) プロセス属性が反映的である場合,信頼性測定量としての一貫性(等価性ともいう。)を検査しなけれ

ばならない。 

d) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びそのプロセス属性に対して,妥当性を検

査しなければならない。 

e) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びその測定量に対して,構成概念仕様を実

験的に検査しなければならない。 

f) 

開発中のプロセス測定フレームワークの外部測定量(例えば,目標,基準及び/又は達成度合い)は,

妥当性の調査のために文書化しなければならない。 

5.2 

手引 

プロセス品質特性及びそのプロセス属性の品質は,信頼性評価(特に反映的の場合)及び妥当性テスト

のような実験的手法を使用して調べることができる。プロセス測定フレームワークは,それらの信頼性及

び妥当性の主張と,それらの主張がどのように裏付けられるかとを示さなければならない。この箇条5で

規定する要求事項の統計的妥当性確認は,別の文書又はプロセス測定フレームワークの附属書によって提

供できる。 

5.2.1 

信頼性 

測定量の信頼性の一般的な定義は,真の変数の(潜在変数の)分散を測定量の総和の分散で除した値の

分散である。信頼性は,潜在変数を把握する能力によって測定量の再現性(安定性)と一貫性(等価性)

の程度とに着目する。再現性とは,“同じプロセスに対する二つの異なる時点における,同じアセッサによ

る同一又は代替の手段で”,繰り返されたアセスメントが同一と認められる結果をもたらすことを意味する。

一貫性(等価性)は,特定の時点で測定した,構成概念の複数の測定量に注目する。ここでの各測定量は,

基本的な概念を説明できる独立しているが等価な測定量とみなされる。C.2では,信頼性を評価するため

の統計的方法を簡単に紹介している。 

信頼性の満足度は,プロセス測定フレームワークからのアセスメント結果がどのように使用されるかに

依存する。例えば,合成値に関して重要な決定を行う状況に適用するのであれば,通常,一貫性の高い値

が最小許容値として推奨される。 

反映的構成概念では,一次元性は,信頼性分析及び構成概念の妥当性の必要条件である。 

5.2.2 

構成概念の妥当性 

プロセス品質特性及びプロセス属性の品質は,(反映的な場合は)信頼性評価及び妥当性テストのような

実験的方法を使用して調べることができる。プロセス測定フレームワークの妥当性確認は,測定しようと

しているプロセス品質特性及びプロセス属性の客観的な証拠が存在するか否か,並びにそれらが意図した

目的に対して有効か否かを判断する手順である。幾つかの妥当性確認の方法は,箇条4に記載しているよ

うに,(プロセス測定フレームワークの)標準の開発中に行うことができる。しかしながら,この箇条5

は,試行中及び/又は公開後にプロセス測定フレームワークの妥当性を確認するための事後統計分析につ

いて記載している。 

プロセス測定フレームワークのプロセス品質特性及びそのプロセス属性が,正しく操作,測定又は統計

的妥当性確認がされていない場合,あらゆる合成の測定量は,不十分又は不適切であってもよい。したが

って,統計的テストがこの規格の目的ではないが,プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特

性及びそのプロセス属性は,その統計的妥当性確認とリンクすることが望ましい。妥当性への脅威は,プ

10 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

ロセス測定フレームワークの妥当性を評価する際に取り組むことが望ましい。妥当性テストは,構成概念

仕様に依存する。 

外部測定量のデータは,客観的又は主観的に収集することができる。それらは,予測妥当性の検証に使

用する。構成概念の妥当性は,C.3を参照。 

5.2.3 

構成概念仕様 

プロセス品質特性とそのプロセス属性との間の関係が形成的であるか反映的であるかを決めるために,

構成概念仕様(仕様モデルともいう。)を統計的にテストすることができる。必要に応じてシミュレーショ

ンによる調査を行うことができる。全ての集約が構成概念仕様の理論的根拠を満たすことが望ましい。 

注記 確認的四分子分析(C.4を参照)を使用して構成概念仕様を統計的にテストすることができる。 

プロセス測定フレームワークの適合性検証 

この箇条は,この規格の要求事項が満たされていることを検証するために使用してもよい仕組みに関係

する。 

この規格の要求事項への適合性は,次の当事者によって検証してもよい。 

− 自己宣言(第一者) 

− 第二者 

− 第三者 

適合確認を実行する当事者は,プロセス計測フレームワークが箇条4に記載された要求事項を満たして

いるという客観的証拠を得なければならない。プロセス測定フレームワークの完全性及び一貫性を実証す

るための客観的証拠を提供しなければならない。 

background image

11 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

附属書A 

(参考) 

用語の関係 

図A.1は,箇条3で定義した用語の図を示し,箇条4で定義した要求と指針とを含む(矢印は,読む方

向を示す。)。プロセス品質特性を,一次元構造構成概念の集合からなる多次元構造によって説明し,記載

し,整理する。一次元構造構成概念のそれぞれは,対象とする現象を意味付ける。構成概念は,概念化を

通じて識別し,明確化し,構成概念定義でまとめる。 

概念化

[4.1]

プロセス品質特性

(構成概念)

[4.1]

プロセス属性

[4.3]

現象

感度分析

[4.7]

診断

評定
[4.5]

構成概念仕様の

決定規則

[4.4]

妥当性と信頼性

[5.1]

集約

[4.6]

MCDM

補償及び

非補償モデル

潜在変数

[4.2]

一次元構成概念の集合

多次元構成概念

[4.2]

構成概念
仕様試験

[5.1]

を含む

の一種である

の合成値
を決める

によって

検査される

に割り当てられる

によって得られる

のために

評価される

を特定し,明確にする

プロセスである

である

から構成する

の操作化である

について

評価される

の意味を定義し,

の構成概念仕様

を明確化する

構成概念

定義

[4.2]

を記述し,組織化し,

意味を割り当てる

用語である

にまとめられる

の一次元構成概念

を表す

が反映的又は

形成的かどうかを
実験的に評価する

合成の測定量

[4.2]

の尺度の

ために実施する

の評定のために

実施される

注記 図中の記載“A − B → C”は,矢印の向きに沿って,“A(主語)は,C(目的語)を,B(術語)する。”を

意味する。例えば,“概念化(A)−を特定し,明確にするプロセスである(B)→ プロセス品質特性(構成概
念)(C)”は,“概念化は,プロセス品質特性(構成概念)を特定し,明確にするプロセスである。”と読む。 

図A.1−用語の関係 

反映的又は形成的のいずれかに指定するプロセス属性集合としてプロセス品質特性を操作化する。決定

規則は,プロセス属性の定義に関するガイドになる。プロセス属性を反映的測定量として定義している場

合,因子分析は,一次元構造概念の集合を決定する助けになる。一方,形成的として定義したプロセス属

性は,各プロセス属性を単一の次元として扱ってもよい。プロセス属性の各次元は,一つの潜在変数によ

って表せる。構成概念仕様テストによって,プロセス属性を反映的か形成的かを決めるために経験的に評

価する。アセスメントによって得た評定を,各プロセス属性に割り当てる。 

12 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

プロセス属性に割り当てた評定を集約し,数値又は順位として合成の測定量を導出する。集約方法は,

一種のMCDMモデル(補償型又は非補償型)である。選択した集約方法は,構成概念仕様(すなわち,

反映的若しくは形成的),評価方針(例えば,補償型若しくは非補償型),合成の測定量の目的及び/又は

その測定尺度の影響を受ける場合がある。 

適用可能な場合,プロセス属性の測定尺度,集約方法及び重み付けに対して感度分析を実行できる。プ

ロセス品質特性及びそのプロセス属性の品質は,信頼性予測及び有効性テストのような経験的手法を使用

して調べることができる。 

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13 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

附属書B 

(参考) 

構成概念仕様:反映的又は形成的 

この附属書は,構成概念仕様を扱っている。次は,三つのモデルを記載しており,それらは,測定値の

集約(例えば,プロセス属性の評定集合)を介して合成値(例えば,プロセス品質水準)を作るために使

用できる。図B.1 a) 及び図B.1 b) に説明の基礎となる二つの仕様を示す。 

x1

x2

x3

x4

λ1

λ2

λ3

λ4

δ4

δ3

δ2

δ1

クサイ
(ξ)

x1

x2

x3

x4

γ1

γ2

γ3

γ4

イータ
(η)

ゼータ
(ζ)

a) 反映的仕様 

b) 形成的仕様 

図B.1−構成概念とその尺度との関係 

上記の図B.1 a) において,ラムダ(λ)は,負荷変数であり,構成概念クサイ(ξ)と測定量xとの間の

相関を示す。デルタ(δ)は,誤差項である。図B.1 b) において,ガンマ(γ)は,測定量xの負荷変数で

ある。ゼータ(ζ)は,外乱項である。 

因果関係の方向は,プロセス背景におけるプロセス属性に重要な意味をもつ。プロセス品質特性が反映

的と仮定する場合,活動の目標は,広範な利益が自然に流れ,プロセス属性に反映することが望ましい。

働きかけが個々のプロセス属性だけに焦点を当てると,より有用な活動から資源をそらす可能性がある。

形成的構成概念における働きかけは,プロセス品質特性を構成するプロセス属性に関連する特定の領域に

焦点を当てることが望ましい。この場合,一つのプロセス属性の改善は,他の測定量の改善を意味するわ

けではない。構成概念仕様の決定規則を表1に要約している。 

B.1 

反映的モデル 

図B.1 a) に示すように,理論的に定義した構成概念は,間接的な複数項目測定を使用して測定できる抽

象的な概念である。構成概念は,測定の原因とみなすことができる。つまり,構成概念を変更した程度を

反映又は明示し,構成概念の変動は,対策の変動をもたらす。構成概念要素の変化は,全ての測定量が同

じ基本的な構成概念を反映しているため,同じ方向に変化することを期待している。したがって,任意の

二つの測定量間の高い相関が期待できる。 

さらに,尺度は,同じ又は類似の内容をもち,同じ概念的な領域から抽出することになっているので,

信頼できる尺度は交換可能であり,一つの尺度を除いて構成概念の概念的な領域を変えないほうがよい。

14 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

人格形質及び態度のような心理的な構成概念要素を測定する場合は,反映的測定量を推奨する。 

構成概念とその尺度との間の関係は,各尺度が次のように潜在変数に依存する一式の方程式によって表

す。 

xi=λiξ+δi 

xiは,潜在変数ξに依存するi番目の反映的測定量であり,係数λiは,xi上のξの1単位の差の予想され

る影響である。ランダム誤差項δiは,測定誤差である。反映的構成概念の決定規則を,表1に要約してい

る。 

B.2 

形成的モデル 

図B.1 b) の形成的構成概念では,測定量は,構成概念要素の原因とみなし,構成概念要素は,その測定

量の組合せによって形成又は誘導する複合変数である。測定は,交換不可能な独立した原因の集合を特徴

付ける。各指標は,構成概念領域の特定の側面を捉える。したがって,尺度を省略すると,内容の有効性

に悪影響を与える可能性がある。測定は,構成概念領域の異なる面を表しており,高度に相関する必要は

ない。形成尺度間の高い相関は,測定係数の安定性に影響を及ぼし,個々の尺度の独立した影響を構成概

念に分離することを困難にする可能性がある。活動又は行動の尺度を構築することは,通常,形成的な構

造と考える。 

形成的構成概念は,次のように表すことができる。 

η=γ1x1+L+γqxq+ζ 

ここで,ηは,その形成的尺度xiによって推定する構成概念である。係数γiは,潜在変数ηに対する測

定xiの効果を示す。外乱項ζは,モデルで省略した尺度のηへの影響を示す。形成的構成概念の決定規則

を,表1に要約している。 

B.3 

誤差なし形成的モデル(合成の測定量) 

図B.1 b) の誤差項を伴わずに,形成可能な構成概念を表すことができる。すなわち,外乱項ζは,ゼロ

とみなす。次に,この形成的モデルは,MCDMプロセスとして機能し,合成の測定量を示し,それらの重

要度又は優先度によって重み付けした一連の尺度xsの組合せによって決定する。その関係は,次のように

書き直すことができる。 

C=γ1x1+L+γqxq 

ここで,Cは,xsの重み付き合成を表す。この式では,全てのγixi項が分かっていれば,Cは,潜在変数

ではなく合成値である。合成測定の妥当性確認手順は,上記の形成的モデルと重複する。この基準は,適

切であれば,形成的構成概念と合成的測定との間の差異を明確に示す。 

15 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

附属書C 
(参考) 

幾つかの統計的妥当性確認手法 

プロセス測定フレームワークの使用によるデータが利用可能である場合,箇条5は,適用可能な要求事

項への適合の証拠を提供するために統計的分析を必要としている。この附属書は,箇条5の要求事項を満

たすための統計的手法の例を示している。 

C.1 次元性 

次元性の統計的テストは,反映的仕様にだけ適用可能である。探索的因子分析(EFA)及び確認的因子

分析(CFA)は,一式の測定量の根底にある次元の数を決定し,各次元の一次元性をテストするために使

用できる[1][2]。 

C.1.1 探索的因子分析 

EFAは,一式の測定量の間の相関関係を説明するのに必要な最小数の解釈可能な因子を見つけることに

よって,測定手段の次元性を探索するために使用する。EFAは,“探索的”という用語に示されるように,

観察された変数と因子との間の線形関係の構造を規定していない。EFAでは,因子モデルの構造又は根底

となる理論は未知である。データは,因子の数及び測定量の質を識別するために使用する。したがって,

EFAは,理論構築のための技法であるとみなすことができる。これは,反映的測定モデルに対してだけ有

効である。 

C.1.2 確認的因子分析 

CFAは,測定モデル,すなわち,観察された測定量と潜在変数又は因子との間の関係を具体的に扱う。

CFAでは,分析者は,理論に基づいて根底にある因子の数を提供する。CFAは,手法の影響評価及び因子

モデルの時間的安定性又は不変性の調査を提供する。また,CFAは,構造方程式モデルを仕様化する前に

実施することが望ましい。 

C.2 信頼性 

構成概念の信頼性評価は,反映的仕様にだけ適用できる。再テスト法,代替形態法,折半法,内部整合

性を見るためのクロンバックのアルファ係数[6]など,様々な信頼性の推定方法がある。これら四つは,信

頼性を評価するために使用する基本的な戦略によって,通常,再現性(安定性)及び一貫性(等価性)に

分類される。再現性(安定性)は,“同一のアセッサによる,同一又は代替の方法に対する同じプロセスへ

の,二つの異なる時点で繰り返されるアセスメントは,同一であると受け入れることができる結果を生み

出すことが望ましい”ことを意味する[37]。これは,再テスト法及び代替形態法を使用して推定する。一

貫性(等価性)は,単一の時点で測定された構成概念の複数の測定量に焦点を当てる。ここでは,各測定

量は,根底にある概念の別個の,しかし等価な測定量とみなされる。この一貫性を測定するために,折半

法及び内部整合性の方法を使用する。 

アセッサに同じ証拠が提示された場合,彼らは,理想的には全く同じ評定を出す。しかし,実際には,

評定の主観的性質によって,全ての場合において完全な合意が得られる可能性は極めて低い。評定者間の

合意は,しばしば外部信頼性ということもあるが,二つの独立したアセッサチームが同じ標準を用いて同

じプロセスに対して行ったアセスメントが同じ結果をもたらす程度として定義される。カッパ(Cohen 

16 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

Kappa)係数[14]は,プロセスアセスメントの信頼性の測定量として使用されてきた。しかし,その逆説性

のために,プロセスアセスメントにおいて観察された合意の指標が提案されている[41]。 

C.3 構成概念の妥当性 

構成概念の妥当性とは,操作化がその構成概念を正確に反映する程度を意味する。C.3.1〜C.3.5では,

外観妥当性,内容妥当性,予測妥当性,並行妥当性,収束妥当性,判別妥当性などの構成概念の妥当性に

ついて記載する。これらの妥当性は,反映的測定モデルに適用することができる。外観及び内容の妥当性

は,一般に形成的モデルにも適用可能である。 

C.3.1 外観妥当性 

外観妥当性は,それらが構成概念の良好な変換であるかどうかを判断するために操作化からの測定量に

着目する。すなわち,測定量が意図した主題を明確に曖昧さなく網羅しているかどうかを判断し,かつ,

その測定量が専門家の意見を反映しているかどうかを判断する必要がある。外観妥当性は,それらが開発

された後の測定量の批判的レビューを含む。 

外観妥当性は,例えば,プロセス品質特性,そのプロセス属性,成果,プラクティス及び達成度合いの

定義において調べることが望ましい。 

C.3.2 内容妥当性 

内容妥当性は,測定量が,操作化されたときに,潜在変数が表す構成概念を捕捉しているかどうかを調

べる。内容妥当性は,測定手段が,それが含んでいる個々の測定量の数及び範囲の観点において,内容の

具体的な領域を反映している程度に依存する。構成概念の理論的な定義は,概念の領域及び次元を提示す

る。内容の妥当性に対して,プロセス測定フレームワークの設計及び開発は,定義された開発手順に厳格

に従うことが望ましい。 

C.3.3 予測妥当性 

基準妥当性は,測定量が妥当である場合に関連付けることが望ましい幾つかの標準変数と測定量とを比

較する。予測妥当性は,関連する測定量(X)と相関する将来の基準(Y)とに関係する。X(例えば,レ

ベル)とY(例えば,パフォーマンス)との間の相関が高いほど,この特定の基準がより妥当である。妥

当性係数は,測定の特性が同じままであっても,それに関連する基準及び付随する誤差の程度に応じて変

化し得る。 

並行妥当性は,測定量を同じ時点で基準と相関させることによって評価する。並行妥当性と予測妥当性

との違いは,二つの測定量が測定されている時点にある。 

予測妥当性及び/又は並行妥当性に対して,プロセス品質特性の達成レベルは,5.1 f) で定義した外部

測定量と関連付けることが望ましい。一例として,“能力レベルを増大すると,日程上の約束を満たす能力

が向上するか”という質問をテストすることがある。 

C.3.4 収束妥当性 

収束妥当性とは,ある変数を測定するための複数の方法が同じ結果をもたらす程度を指す。個々の測定

量は,同じ構成概念を測定するための異なる方法とみなすことができる。これは,“反映的測定量がその構

成概念に大きく関連しているか”という質問の分析である。 

C.3.5 判別妥当性 

判別妥当性は,構成概念及びその測定量が,他の構成概念及びその測定量と異なる程度を評価する。妥

当な測定量の場合,測定量の分散は,意図した潜在変数に起因する分散だけを反映し,他の潜在変数を反

映しないことが望ましい。個々の構成概念の収束妥当性が確立された後,一式の構成概念の判別妥当性を

17 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

評価することができる。一例として,能力水準の順序尺度が,意味が明確な構成概念であるかどうかを問

うことがある。 

C.4 構成概念仕様 

確認的四分子分析(CTA)は,構成概念仕様(反映的又は形成的仕様)を統計的にテストするために使

用する。確認的とは,モデルがあらかじめ規定されていることを意味する。四分子とは,一対の共分散の

積と別の対のそれとの差を指す[3]。CTAは,従来の方法を使用してテストすることができない幾つかの識

別されたモデルで入れ子になっていないモデルに適用することができる。さらに,CTAは,数値的最小化

を必要とせず,したがって,他の推定方法に存在する関連収束問題を回避する。CTAは,CTA-SASルー

チン[35][44]を使用して実行できる。 

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18 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

附属書D 
(参考) 

プロセス測定フレームワークの要求事項の実装方法 

この附属書は,プロセス測定フレームワークに対する要求事項を実装する方法の要約を提供している。

この表では,完全なリストは提供していない。プロセス測定フレームワークを開発する際に従うことが望

ましい手順として次のフェーズを示す。 

フェーズ・要求事項 

定義 

方法及び参照 

フェーズ1:概念及び構成概念を開発する(反映的及び形成的)。 

理論的概念 
(フレームワーク) 

理論及び/又はプロセス測定フレームワークによっ
て測定されるプロセス特性又は性質に関する以前の
研究と一貫する構成概念及びそれらの関係を示す大
局的な見方。 

・ローほか[10] 
・ジョンソンほか[9] 
・マックスウェル[11] 
・マイルズ及びハバーマン[12] 

構成概念の理論的定
義 

理論的定義は,構成概念の領域及び次元を示し,構
成概念仕様を反映的又は形成的として分類する。
SEMの形成的な問題は,エドワーズ[19] によって議
論されている。 

・マックスウェル[11] 
・ボレン[1] 

フェーズ2:操作化を実施する(測定手段としての成果及び/又はプラクティスを開発する。)(反映的及び形成的)。 

外観妥当性 

構成概念が測定手段へ正確に変換される程度。すな
わち,測定手段が測定しようとしているものを正し
く測定していると思われる程度。 

・ローシュによる内容妥当性の比率[15] 
・カッパ係数[14] 
・ナナリー及びバーンスタイン[42] 

内容妥当性 

測定手段における成果及び/又はプラクティスが領
域を表す程度。すなわち,構成概念の領域に関連す
る内容に対する操作化の程度。 

・ローシュによる内容妥当性の比率[15] 
・カッパ係数[14] 

操作化における心理
的な実験又は意思決
定規則 

反映的及び形成的を決定するための心理的な実験又
は意思決定規則。 

・意思決定規則(ジャービスほか[20],
ペッターほか[21]) 

・測定手段の開発(ディアマントポウロ

ス[16],ディアマントポウロス及びウィ
ンクルホーファー[17],エドワーズ及び
バゴージ[18],ライスダイクほか[26]) 

フェーズ3:構成概念が,反映的か形成的かを決定するために,確認的四分子分析を実施する。 

確認的四分子分析
(CTA) 

構成概念が,反映的か形成的かを決定するための統
計的テスト。 

・ティン[44],ボレンほか[34],ボレン及
びティン[35],ヒップほか[40] 

フェーズ4:構成概念の一次元性を調べる(統計的テストは,反映的だけに適用する。)。 

一次元性 

観察された測定量(例えば,プロセス属性)が互い
に密接に関連し,単一の概念を表す程度(ハッティ
ー[8])。項目の評定の非加重合計によって計算された
合成値は,一次元性の下で対応する構成概念の推定
値として使用できる(ガービン及びアンダーソン

[13])。 

・附属書B 

・主成分因子分析(PCFA)(ブラウン[2],

ガービン及びアンダーソン[13]) 
・確認的因子分析(CFA)(ブラウン[2]) 

background image

19 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

フェーズ・要求事項 

定義 

方法及び参照 

フェーズ5:構成概念の妥当性を確認する(反映的だけ)。 

信頼性 

プロセスインスタンスなどの同じものに適用される
測定手段は,毎回同じ結果をもたらす。反映的モデ
ルにおける合成値の信頼性は,通常,クロンバック
のアルファ係数によって推定される。信頼性の三つ
の型を次に示す(フォーネル及びラーカー,1981)。 
・個々の項目の信頼性 
・潜在変数の合成の測定量の信頼性(収束妥当性) 
・潜在変数の一連の測定量から抽出された平均分散
(AVE) 

・カーマインズ及びツェラー[37] 
−再テスト法 
−代替形態法 
−折半法 
−クロンバックのアルファ係数 
・フォーネル及びラーカー[39] 

変換妥当性 

構成概念又は変数を測定するための複数の方法が同
じ結果をもたらす程度。構成概念の中の各項目の測
定量は,同じ構成概念を測定するための別の方法と
見ることができる。 

・キャンベル及びフィスケ[36] 
・ワーツほか[45] 
・フォーネル及びラーカー[39] 
・ベントラー及びボネット係数[33] 

判別妥当性 

概念及びその測定量が,他の概念及びその測定量と
異なる程度。理論的に関連していない測定量間の関
係の欠如。 

・AVE(フォーネル及びラーカー[39]) 

・拘束モデルと非拘束モデルとのカイ二

乗分析(フェンカートラマン[7]) 

フェーズ6:合成値を得るために項目の評定を集約する(反映的及び形成的)。 

反映的な集約 

合計,平均,因子得点など。 

・ブラウン[2] 
・カーマインズ及びツェラー[37] 
・分析的階層プロセス(AHP)(サーテ
ィ[27]) 

形成的な集約 

補償モデル又は非補償モデル(形成的) 

・附属書C 
・分析的階層プロセス(AHP)(サーテ
ィ[27]) 
・MADM(ヨーン及びホワン[30]) 

・補償及び非補償モデル(ブラニック及

びブラニック[22],ムンダ及びナルド[24],
ムンダ及びナルド[25],ナルド[4],チョウ
ほか[31][32]) 
・SEI SCAMPI[5] 

フェーズ7:感度分析を実施する。 

感度分析 

合成値の頑健性を評価する。 

・ISO/IEC 15504の試行例(ユング[23],
SPICEトライアル[43]) 

・順位付けの例(ナルド[4],サルテリ[28],

サルテリほか[29]) 

フェーズ8:補足的な妥当性テストを実施する。 

予測妥当性 

構成概念が将来発生する外部基準と相関する程度。 

・相関,回帰など(ボレン[1],ブラウン

[2],エルイーマン及びバーク[38],トロチ

ム及びドネリー[6]) 

並行妥当性 

構成概念が既存の外部基準と相関する程度。 

・相関,回帰など(ボレン[1],ブラウン

[2],トロチム及びドネリー[6]) 

法則妥当性 

理論的なフレームワークの構築概念が,理論及び/
又は以前の研究と一貫して相互に関連する程度。 

・相関,回帰など(ボレン[1],ブラウン

[2],トロチム及びドネリー[6]) 

20 

X 33003:2019 (ISO/IEC 33003:2015) 

  

参考文献 

一般 

[1] BOLLEN K.A. Structural Equations with Latent Variables. Wiley, New York, 1989 

[2] BROWN T.A. Confirmatory Factor Analysis for Applied Research. The Guilford Press, New York, 2006 

[3] KELLEY T.L. Crossroads in the Mind of Man. Stanford University Press, California, 1928 

[4] NARDO M. et al. Handbook on Constructing Composite Indicators: Methodology and User Guide [online]. 

2005 [Viewed 1 Feburary 2014]. 

[5] SCAMPI UPGRADE TEAM. Standard CMMI® Appraisal Method for Process Improvement (SCAMPISM) A, 

Version 1.2: Method Definition Document (CMU/SEI-2006-HB-002). 2006 [Viewed 1 Feburary 2014]. 

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(このJISに追加する参考文献) 

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