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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 3 

2 適合性···························································································································· 4 

3 品質モデルの枠組み ·········································································································· 5 

3.1 品質モデル ··················································································································· 5 

3.2 利用時の品質モデル ······································································································· 6 

3.3 製品品質モデル ············································································································· 6 

3.4 品質モデルの対象 ·········································································································· 7 

3.5 品質モデルの利用 ·········································································································· 8 

3.6 異なる利害関係者視点からの品質······················································································ 9 

3.7 モデル間の関係 ············································································································ 10 

4 用語及び定義 ·················································································································· 11 

4.1 利用時の品質モデル ······································································································ 11 

4.2 製品品質モデル ············································································································ 14 

4.3 一般 ··························································································································· 20 

4.4 JIS X 25000からの用語及び定義 ······················································································ 22 

附属書A(参考)JIS X 0129-1の品質モデルとの比較 ································································· 26 

附属書B(参考)ディペンダビリティへの写像の例 ···································································· 28 

附属書C(参考)品質モデルの測定への利用 ············································································ 30 

参考文献 ···························································································································· 37 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 25010:2013 

(ISO/IEC 25010:2011) 

システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価

(SQuaRE)−システム及びソフトウェア品質モデル 

Systems and software engineering-Systems and software Quality 

Requirements and Evaluation (SQuaRE)- 

System and software quality models 

序文 

この規格は,2011年に第1版として発行されたISO/IEC 25010を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

ソフトウェア製品及びソフトウェア集約的なコンピュータシステムは,ビジネス業務及び個人作業を幅

広く実行するために,ますます多く使用されるようになってきている。個人的な満足,ビジネスでの成功

及び/又は人間の安全のための目的及び目標の実現は,高品質のソフトウェア及びシステムに依存してい

る。高品質のソフトウェア製品及びソフトウェア集約的なコンピュータシステムは,利害関係者にとって,

価値を与え,潜在的に存在する否定的な結果を回避するために不可欠である。 

ソフトウェア製品及びソフトウェア集約的なコンピュータシステムには,開発者,購入者,利用者,又

はソフトウェア集約的なコンピュータシステムを使用する事業の取引先を含め,多くの利害関係者が存在

する。ソフトウェア製品及びソフトウェア集約的なコンピュータシステムの品質の総合的な仕様及び評価

は,利害関係者への価値を確実にする重要な要因である。このことは,システムに対する,利害関係者の

目的及び目標に関係する,必要で望まれる品質特性を定義することによって,達成することができる。こ

れには,システムが利害関係者に及ぼす影響だけでなく,ソフトウェアシステム及びデータに関係する品

質特性も含む。可能ならばいつでも,妥当性が確認された測定量及び測定手法又は広く受け入れられた測

定量及び測定手法を使用して,品質特性が明示され,測定され,評価されることが重要である。この規格

の品質モデルは,関連する品質特性を識別するために使用することができる。さらに,これらの特性は,

要求事項,満足性に対する基準及び対応する測定量を確立するために,更に使用することができる。 

この規格は,これらのニーズを支援するために規定された,JIS X 0129:1994を起源としている。JIS X 

0129:1994は,六つの特性を定義し,ソフトウェア製品評価プロセスモデルを規定した。 

JIS X 0129:1994は,その後JIS X 0129規格類及びJIS X 0133規格群という二つの関連する規格類及び

規格群に置き換えられた。 

注記 日本工業規格では,部で構成する規格がある場合,この部編成の規格全体を総称して,“規格群”

と呼ぶ。また,日本工業規格になっていない国際規格,技術仕様書及び技術報告書を含めて,

規格全体を総称する場合は,“規格類”と呼ぶ。 

この規格は,JIS X 0129-1の後継規格で,幾つかの追補を加えた同じソフトウェア品質特性を組み込ん

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

でいる。 

− 品質モデルの適用範囲は,コンピュータシステム及びシステム視点からの利用時の品質を含むために

拡張されている。 

− 利用状況網羅性は,利用時の品質の特性として追加され,副特性として,利用状況完全性及び柔軟性

がある。 

− セキュリティは,JIS X 0129-1の機能性の副特性という扱いを改め,新たに品質特性として追加した。

副特性として,機密性,インテグリティ,否認防止性,責任追跡性及び真正性がある。 

− (相互運用性及び共存性を含め)互換性は,特性として追加されている。 

− 次の副特性が追加されている。機能完全性,容量・能力,ユーザエラー防止,アクセシビリティ,可

用性,モジュール性及び再利用性。 

− 法律及び規制に対する適合性は,厳密な意味での品質の一部というよりはむしろ,システム要求事項

全体の一部であるので,適合性の副特性は削除されている。 

− 内部品質モデル及び外部品質モデルは,結合されて,製品品質モデルとなっている。 

− 適切な場合に,ソフトウェア独自の定義を使用するよりはむしろ,一般的な定義が採用されている。 

− 幾つかの特性及び副特性は,更に正確な名称が付いている。 

JIS X 0129-1からの変更の詳細全体を附属書Aに示す。 

この規格は,SQuaREシリーズ(JIS X 250nn)の他の規格とともに使用されることを意図している。こ

の規格は,JIS X 0133規格群及びTS X 0111-2〜TS X 0111-4がSQuaREシリーズ規格によって置き換えら

れるまでは,JIS X 0133規格群及びTS X 0111-2〜TS X 0111-4と併せて使用されることを意図している。

この規格は,品質要求事項の定義及び分析に関連してJIS X 0170で識別されているテクニカルプロセスに

従う。 

 
 

図1−SQuaREシリーズ規格の構成 

図1(JIS X 25000から引用し修正した。)に,SQuaREシリーズ規格の構成を示す。 

SQuaREモデルの“各部門”には,次のものがある。 

− ISO/IEC 2500n 品質管理部門 この部門の規格は,SQuaREシリーズの,他の全ての規格から参照さ

れる共通モデル,用語及び定義を規定する。規格を特定の応用事例に適用する場合の参照経路(SQuaRE

シリーズ全体の手引)及び高水準の実際的な提案は,全ての種別の利用者への手助けを提供する。こ

の部門は,ソフトウェア製品の品質要求事項の仕様及び評価の管理に責任のある支援機能のための要

求事項及び手引も提供する。 

ISO/IEC 25050〜ISO/IEC 25099 SQuaRE拡張部門 

ISO/IEC 2503n 

品質要求部門 

ISO/IEC 2501n 

品質モデル部門 

ISO/IEC 2500n 

品質管理部門 

ISO/IEC 2502n 

品質測定部門 

ISO/IEC 2504n 

品質評価部門 

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− ISO/IEC 2501n 品質モデル部門 この部門の規格は,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品

質及び利用時のソフトウェア品質のための品質特性を含む詳細な品質モデルを提供する。さらに,内

部ソフトウェア品質特性及び外部ソフトウェア品質特性は,品質副特性に分解される。また,品質モ

デルの実際的な利用のための手引も提供する。 

− ISO/IEC 2502n 品質測定部門 この部門の規格は,ソフトウェア製品の品質測定の参照モデル,品

質測定量の数学的な定義及び適用のための実際的な手引を含む。提供する測定量は,内部ソフトウェ

ア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質に適用する。後に続く品質測定量のた

めの基礎となる品質測定量の要素を定義し提供する。 

− ISO/IEC 2503n 品質要求部門 この部門の規格は,品質要求事項の仕様化に役立つ。これらの品質

要求事項は,開発するソフトウェア製品の品質要求事項の導出又は評価プロセスのための入力として

利用することができる。要求定義プロセスは,JIS X 0170に定義されたテクニカルプロセスに対応付

けられる。 

− ISO/IEC 2504n 品質評価部門 この部門の規格は,評価者,取得者又は開発者のいずれかが実施す

る,ソフトウェア製品評価のための要求事項,推奨事項及び手引を提供する。評価モジュールとして

測定量の文書化のための支援も提供する。 

− ISO/IEC 25050〜ISO/IEC 25099 SQuaRE拡張部門 この部門の規格は,特定の応用範囲を取り扱う

ソフトウェア製品品質の規格,標準仕様書(TS)及び/又は標準報告書(TR)を含むように指定さ

れている。また,一つ以上のSQuaRE規格を補完するために利用できるソフトウェア製品品質の規格,

標準仕様書及び/又は標準報告書を含むように指定されている。 

この規格の品質モデルは,JIS X 0160及びJIS X 0170とともに使用することができる。特に,品質要求

事項の仕様及び評価に特定な焦点を当てた,要求事項の定義,検証及び妥当性確認に関係するプロセスを

使用することができる。JIS X 25030は,品質モデルをソフトウェア品質要求事項に対してどのように使用

できるかを記述しており,ISO/IEC 25040は,品質モデルをソフトウェア品質評価プロセスに対してどの

ように使用できるかを記述している。 

この規格は,次の事項を提供するために,(ソフトウェアプロセスアセスメントに関する規格である)

ISO/IEC 15504-1〜-5とともに使用することができる。 

− 顧客−供給者プロセスにおける,ソフトウェア製品品質を定義するための枠組み 

− 支援プロセスにおける,レビュー,検証及び妥当性確認に対する支援,並びに定量的品質評価のため

の枠組み 

− 管理プロセスにおける,組織の品質目標の設定のための支援 

この規格は,次の事項を提供するために,(品質保証プロセスに関する規格である)JIS Q 9001とともに

使用することができる。 

− 品質目標を設定するための支援 

− 設計レビュー,検証及び妥当性確認のための支援 

適用範囲 

この規格は,次のことを規定している。 

a) 利用時の品質モデル:このモデルは,特定の使用状況において製品が使用されるときに,対話の成果

に関係する五つの特性(これらのうち幾つかは,更に副特性に分けられる。)からなる。このシステム

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モデルは,使用中のコンピュータシステムとソフトウェア製品との両者を含む完備した人間−コンピ

ュータシステムに適用できる。 

b) 製品品質モデル:このモデルは,ソフトウェアの静的特徴及びコンピュータシステムの動的特徴に関

係する,八つの特性(これらは,更に副特性に分けられる。)からなる。このモデルは,コンピュータ

システムとソフトウェア製品との両者に適用できる。 

これら両品質モデルで規定された特性は,全てのソフトウェア製品及びコンピュータシステムに関連し

ている。特性及び副特性は,システム及びソフトウェア製品の品質を仕様化し,測定し,評価するための

一貫した用語を提供する。記述された品質要求事項が完全であるかどうかを比べることができるようにす

るための一そろ(揃)いの品質特性も提供する。 

注記1 製品品質モデルの適用範囲は,ソフトウェア及びコンピュータシステムを意図しているが,

特性の多くは,より広範囲のシステム及びサービスにも関連する。 

JIS X 25012は,このモデルを補完するデータ品質のためのモデルを含んでいる。 

これらのモデルの適用範囲は,純粋な機能面の特徴(C.6参照)を除外しているが,機能適合性(4.2.1

参照)は含んでいる。 

品質モデルの適用の範囲は,ソフトウェア及びコンピュータシステムの取得,要求事項,開発,使用,

評価,支援,保守,品質保証及び制御,並びに監査に関連した人々による異なる視点からのソフトウェア

及びソフトウェア集約的コンピュータシステムの仕様及び評価を支援することを含んでいる。例えば,品

質モデルは,開発者,取得者,品質保証要員及び品質制御要員,並びに独立した評価者,特に,ソフトウ

ェア製品の品質の仕様化及び評価に責任のある人々によって使用される。品質モデルの使用から便益を得

る,製品開発時の活動には,次のものがある。 

− ソフトウェア要求事項及びシステム要求事項の識別 

− 要求事項定義の包括性の妥当性確認 

− ソフトウェア設計の目的及びシステム設計の目的の識別 

− ソフトウェア試験の目的及びシステム試験の目的の識別 

− 品質保証の部分として品質制御基準の識別 

− ソフトウェア製品及び/又はソフトウェア集約的コンピュータシステムに対する受入れ基準の識別 

− これらの活動の支援における品質特性の測定量の確立 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 25010:2011,Systems and software engineering−Systems and software Quality 

Requirements and Evaluation (SQuaRE)−System and software quality models(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

適合性 

この規格に適合する品質要求事項,品質仕様又は品質評価は,次のいずれかでなければならない。 

a) 4.1及び4.2で規定した品質モデルを使用する。 

b) どのような変更に対しても論理的根拠を与える品質モデルを修整し,修整したモデルと標準モデルと

の対応付けを提供する。 

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品質モデルの枠組み 

3.1 

品質モデル 

システムの品質は,システムが様々な利害関係者の明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足している度合

いであり,それによって価値を提供する。これらの明示的ニーズ及び暗黙のニーズは,SQuaREシリーズ

規格の中で,製品品質を特性に分類分けする品質モデルによって表現されている。この特性は,ある場合

には,更に副特性に再分割される(幾つかの副特性は,副副特性に分割される。)。このように階層的に分

解することで,製品品質は使い勝手のよいものになる。しかしながら,ある特性に関連した副特性の集合

は,必ずしも包括的でない,典型的な懸案事項を表現するために選択されている。 

システムの,品質に関係する測定可能な特徴とそれに伴う品質測定量とを品質特徴と呼ぶ。品質特性又

は品質副特性を直接的に測定することができない場合,品質特性又は品質副特性の測定量を得るためには,

特徴の集合体を決定することが必要である。その特徴の集合体とは,その特性又は副特性を包み込み,個々

の特徴についての品質測定量を獲得し,それらの品質測定量をコンピュータによって結合することによっ

て品質特性又は品質副特性に対応する導出品質測定量が得られるものである(附属書C参照)。図2は,

品質特性及び品質副特性と品質特徴との関係を示している。 

 
 

図2−品質モデルに使用された構造 

現在,SQuaREシリーズには,次の三つの品質モデルがある。すなわち,この規格で規定する利用時の

品質モデル及び製品品質モデル,並びにJIS X 25012で規定するデータ品質モデルである。これら三つの

品質モデルは,品質の全ての特性を確実に考慮するための枠組みとして役に立つ。これらの品質モデルは,

幅広い範囲の利害関係者に関係する,一そろ(揃)いの品質特性を提供する。利害関係者とは,例えば,

ソフトウェア開発者,システムインテグレータ,取得者,所有者,保守者,請負業者,品質保証及び品質

制御の専門家,利用者をいう。 

これらのモデルにまたがる品質特性の全体集合が,全ての利害関係者に関係しているわけではない。そ

れにもかかわらず,例えば,製品及びシステムの性能への要求事項,又は評価基準を確立するために,使

用する一そろ(揃)いの品質特性をまとめる前に,各モデルの品質特性の関係をレビューし,考察するこ

品 質 

特性n 

特性3 

特性2 

特性1 

副特性n 

副特性2 

副特性1 

品質特徴n 

品質特徴2 

品質特徴1 

品質特徴n 

品質特徴3 

品質特徴2 

品質特徴1 

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とによって,利害関係者ごとに関係する品質特定の分類を表現することが望ましい。 

3.2 

利用時の品質モデル 

4.1で示す利用時の品質モデルは,システムとの対話による結果に関係する五つの特性,すなわち,有効

性,効率性,満足性,リスク回避性及び利用状況網羅性(図3及び表3参照)を規定する。各特性は,利

害関係者の異なる活動,例えば,運用操作者の対話活動(相互作用活動)又は開発者の保守活動に割り当

てることができる。 

図3−利用時の品質モデル 

システムの利用時の品質は,製品(システム又はソフトウェア製品)が利害関係者に及ぼす影響を特性

づける。それは,ソフトウェア,ハードウェア及び運用操作環境の品質,並びに利用者,作業及び社会環

境の特性によって決定される。これら全ての要因は,システムの利用時の品質の一因となる。 

利用時の品質に対する,各品質特性の定義及び説明を4.1に示す。 

利用者の品質の測定量の例は,ISO/IEC TR 9126-4(ISO/IEC 25024で置換予定)で示している。 

3.3 

製品品質モデル 

4.2で規定する製品品質モデルは,システム及び/又はソフトウェア製品の品質特徴を,機能適合性,性

能効率性,互換性,使用性,信頼性,セキュリティ,保守性及び移植性の八つの特性に分類している。各

特性は,関連する副特性の集合から構成されている(図4及び表4参照)。 

利用時の品質 

有効性 

効率性 

満足性 

リスク回避性 

利用状況網羅性 

・有効性 

・効率性 

・実用性 

・信用性 

・快感性 

・快適性 

・経済リスク緩和性 

・健康・安全リスク緩和性 

・環境リスク緩和性 

・利用状況完全性 

・柔軟性 

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図4−製品品質モデル 

注記 規格又は規制への適合性に対するニーズは,システムに対する要求事項の部分として識別する

ことができる。しかし,これらは,品質モデルの適用範囲外である。 

副特性の多くのものがソフトウェアとシステムとの両方に関係しているので,製品品質モデルは,ソフ

トウェア製品だけ,又はソフトウェアを含むコンピュータシステムに適用することができる。 

製品品質に対する各品質特性の定義及び説明を4.2に示す。 

3.4 

品質モデルの対象 

図5に品質モデルの対象及び関連する実体を図示する。 

製品品質モデルは,対象ソフトウェア製品を含む対象コンピュータシステムに焦点を当てている。利用

時の品質モデルは,対象コンピュータシステム及び対象ソフトウェア製品を含む人間−コンピュータシス

テム全体に焦点を当てている。対象コンピュータシステムは,また,コンピュータハードウェア,非対象

ソフトウェア製品,並びにデータ品質モデル(C.8参照)の主題である対象データ及び非対象データも含

む。対象コンピュータシステムは,情報システムに含まれる。情報システムは,また,一つ以上のコンピ

ュータシステム及び通信システム,例えば,LAN及びインターネットも含むことができる。情報システム

は,より広範囲な人間−コンピュータシステム(例えば,エンタプライズシステム,組込みシステム又は

大規模制御システム)の中にあり,利用者及び技術的で物理的な利用環境を含むことができる。どこをシ

ステムの境界であると判断すべきかは,要求事項又は評価の範囲に依存し,かつ,誰が利用者かというこ

とに依存している。 

例 コンピュータを利用したフライトコントロールシステムを搭載する航空機の利用者として乗客を

考える場合,利用者が依存するシステムは,航空機搭乗員,機体,フライトコントロールシステ

ムの中のハードウェア及びソフトウェアを含む。利用者として航空機搭乗員を考える場合,利用

者が依存するシステムは,機体及びフライトコントロールシステムだけから構成される。 

その他の利害関係者,例えば,ソフトウェア開発者,システムインテグレータ,取得者,所有者,保守

者,契約者,品質保証の専門家及び制御の専門家も品質に関係している。 

機能適合性 

性能効率性 

互換性 

使用性 

信頼性 

セキュリティ 

保守性 

移植性 

・機能完全性 

・機能正確性 

・機能適切性 

・適応性 

・設置性 

・置換性 

・時間効率性 

・資源効率性 

・容量満足性 

・共存性 

・相互運用性 

・適切度認識性 

・習得性 

・運用操作性 

・ユーザエラー防

止性 

・ユーザインタフ

ェース快美性 

・アクセシビリテ

ィ 

・成熟性 

・可用性 

・障害許容性 

(耐故障性) 

・回復性 

システム/ソフトウェア製品品質 

・機密性 

・インテグリティ 

・否認防止性 

・責任追跡性 

・真正性 

・モジュール

性 

・再利用性 

・解析性 

・修正性 

・試験性 

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品質モデルが直接対象とする実体 

利用時の品質に影響を与える幾つかの要因 

注記 この図は,概念的には,JIS X 25012の図2及びJIS X 25030の図5と同じものであるが,品質モデルに焦

点を当てた異なる版である。 

図5−品質モデルの対象 

3.5 

品質モデルの利用 

製品品質モデル及び利用時の品質モデルは,要求事項を仕様化し,測定量を確立し,品質評価を実施す

るために有益である(附属書C参照)。定義された品質特性は,品質要求事項の包括的な取扱いを確実に

するためのチェックリストとして使用することができる。それゆえに,システム開発時に必要とされる労

力及び活動を見積もるための根拠を提供することができる。利用時の品質モデル及び製品品質モデルの特

性は,コンピュータシステム又はソフトウェア製品の品質の仕様化又は評価を行うとき,一そろ(揃)い

のものとして使用することを意図している。 

大規模コンピュータシステム又はソフトウェア製品の全ての部分に対して,全ての副特性の仕様化又は

測定は,事実上不可能である。同様に,全ての起こり得る利用者業務のシナリオに対して,利用時の品質

を仕様化し,測定することは,通常は,現実的ではない。品質特性の相対的な重要さは,プロジェクトに

対する高水準の目標及び目的に依存する。それゆえ,最も重要な要求事項の特性及び副特性を識別するた

め,並びに利害関係者の目標及び製品の目的に依存する異なる種類の測定量間に割り当てられる資源を識

別するために,要求事項を分解したものの一部としてモデルを使用する前に,モデルを修整することが望

ましい。 

 一次利用者, 

二次利用者,又

は間接利用者 

 利用環境 

人間−コンピュータシステム 

その他の利害関係者 

コンピュータハ
ードウェア 

非対象ソフト
ウェア 

対象ソフト
ウェア 

対象データ 

非対象データ 

情報システム 

対象コンピュータシステム 

通信システム 

品質モデル 

製品品質モデル 

データ品質モデル 

利用時の品質モデル 

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3.6 

異なる利害関係者視点からの品質 

品質モデルは,利害関係者のニーズを収集するための枠組みを提供する。利害関係者は,次の種類の利

用者を含む。 

1) 一次利用者 主目標を達成するためにシステムと対話をする人。 

2) 二次利用者 支援を提供する人。 

例えば,次の人をいう。 

a) コンテンツプロバイダ,システム管理者及び/又はシステム上級管理者,並びにセキュリティ

管理者 

b) 保守者,分析者,移植者,設置者 

3) 間接利用者 システムと直接対話をしないが,出力を受け取る人。 

表1−利用時の品質及び製品品質に対する利用者ニーズの例 

利用者ニーズ 

一次利用者 

二次利用者 

間接利用者 

コンテンツプロバイダ 

保守者 

対話利用 

対話利用 

保守及び移植 

出力利用 

有効性 

利用者が作業を実行す
るためにシステムを使
用するとき,利用者は,
どのくらいの効果を必
要とするか。 

システムを更新すると
き,コンテンツプロバイ
ダは,どのくらいの効果
を必要とするか。 

システムを保守又は移
植する人は,どのくらい
の効果を必要とするか。 

システムからの出力を
利用する人は,どのくら
いの効果を必要とする
か。 

効率性 

利用者が作業を実行す
るためにシステムを使
用するとき,利用者は,
どのくらいの作業効率
を必要とするか。 

システムを更新すると
き,コンテンツプロバイ
ダは,どのくらいの作業
効率を必要とするか。 

システムを保守又は移
植する人は,どのくらい
の作業効率を必要とす
るか。 

システムからの出力を
利用する人は,どのくら
いの作業効率を必要と
するか。 

満足性 

利用者が作業を実行す
るためにシステムを使
用するとき,利用者は,
どのくらい満足する必
要があるか。 

システムを更新すると
き,コンテンツプロバイ
ダは,どのくらい満足す
る必要があるか。 

システムを保守又は移
行する人は,どのくらい
満足する必要があるか。 

システムからの出力を
利用する人は,どのくら
い満足する必要がある
か。 

リスク回避性 利用者が作業を実施す

るためにシステムを使
用することに,どのくら
いリスクがないことを
必要とするか。 

システムの内容を更新
することに,どのくらい
リスクがないことを必
要とするか。 

システムに保守改修を
加えること又はシステ
ムを移行することに,ど
のくらいリスクがない
ことを必要とするか。 

システムからの出力を
利用することに,どのく
らいリスクがないこと
を必要とするか。 

信頼性 

利用者が作業を実施す
るためにシステムを利
用するとき,システム
は,どのくらい信頼でき
る必要があるか。 

システムを新しい内容
で更新することは,どの
くらい信頼できる必要
があるか。 

システムを保守又は移
植することは,どのくら
い信頼できる必要があ
るか。 

システムからの出力は,
どのくらい信頼できる
必要があるか。 

セキュリティ 利用者が作業を実施す

るためにシステムを利
用するとき,システム
は,どのくらいセキュリ
ティを確保する必要が
あるか。 

コンテンツプロバイダ
がシステムを更新した
後,システムは,どのく
らいセキュリティを確
保する必要があるか。 

保守改修を行った後,又
はシステムが移植され
たとき,システムは,ど
のくらいセキュリティ
を確保する必要がある
か。 

システムからの出力は,
どのくらいセキュリテ
ィを確保する必要があ
るか。 

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10 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−利用時の品質及び製品品質に対する利用者ニーズの例(続き) 

利用者ニーズ 

一次利用者 

二次利用者 

間接利用者 

コンテンツプロバイダ 

保守者 

対話利用 

対話利用 

保守及び移植 

出力利用 

利用状況網羅
性 

意図した利用状況及び
潜在的な利用状況の全
てにおいて,システム
は,どの程度有効で,効
率的で,リスクがなく,
満足する必要があるの
か。 

意図した利用状況及び
潜在的な利用状況の全
てにおいて,提供する内
容は,どの程度有効で,
効率的で,リスクがな
く,満足する必要がある
のか。 

意図した利用状況及び
潜在的な利用状況の全
てにおいて,システムを
保守又は移植すること
は,どの程度有効で,効
率的で,リスクがなく,
満足する必要があるの
か。 

意図した利用状況及び
潜在的な利用状況の全
てにおいて,システムの
出力を利用することは,
どの程度有効で,効率的
で,リスクがなく,満足
する必要があるのか。 

習得性 

システムを利用するた
めの習得性は,どの程度
有効で,効率的で,リス
クがなく,満足するもの
であるのか。 

内容を提供するための
習得性は,どの程度有効
で,効率的で,リスクが
なく,満足するものであ
るのか。 

システムを保守したり
移植するための習得性
は,どの程度有効で,効
率的で,リスクがなく,
満足するものであるの
か。 

システムからの出力を
使用するための習得性
は,どの程度有効で,効
率的で,リスクがなく,
満足するものであるの
か。 

アクセシビリ
ティ 

システムは,障害のある
人々にとって,どの程度
有効で,効率的で,リス
クがなく,満足するもの
であるのか。 

システムに内容を提供
することは,障害のある
人々にとって,どの程度
有効で,効率的で,リス
クがなく,満足するもの
であるのか。 

システムを保守し,移植
することは,障害のある
人々にとって,どの程度
有効で,効率的で,リス
クがなく,満足するもの
であるのか。 

システムの出力を使用
することは,障害のある
人々にとって,どの程度
有効で,効率的で,リス
クがなく,満足するもの
であるのか。 

このような種類の各利用者は,表1に示すような質問によって利用者及び品質特性の例を示したように,

特別な利用状況における,利用時の品質及び製品品質に対するニーズをもっている。 

注記 コンテンツプロバイダも,データ品質に対する利用者ニーズをもっている。 

表1に示す利用者ニーズは,要求事項に対する開始点の例を提供している。それらは,利用時及び保守

時のシステムの品質の影響を測定するための基準として利用することができる。 

ソフトウェアの開発又は取得に先立って,品質要求事項は,利害関係者の観点から定義することが望ま

しい。利用時の要求事項の分析は,製品が利用時の要求事項を達成するために必要な,導出された機能的

な要求事項及び品質要求事項を導き出す。 

例 システム信頼性に対する全般的なニーズは,ソフトウェア製品の成熟度,可用性,障害許容性及

び回復性に対する特定の要求事項を導き出すことができる。信頼性も,全般的なシステムの有効

性,効率性,リスク回避性及び満足性に影響を与えることができる。 

3.7 

モデル間の関係 

ソフトウェア製品及びコンピュータシステムの特徴は,特別の利用状況において,製品品質を決定する

(表2参照)。 

機能適合性,性能効率性,使用性,信頼性及びセキュリティは,一次利用者の利用時の品質に大きな影

響を及ぼす。性能効率性,信頼性及びセキュリティは,これらの領域を専門とする他の利害関係者にも,

特定の関係があることがある。 

互換性,保守性及び移植性は,システムを保守する二次利用者の利用時の品質に大きな影響を及ぼす。 

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11 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−品質特性の影響 

ソフトウェア製品
特徴 

コンピュータシス
テム特徴 

製品品質特性 

一次利用者の利用
時の品質への影響 

保守作業の利用時
の品質への影響 

他の利害関係者に
関係する情報シス
テム品質 

⇒ 

⇒ 

機能適合性 

* 

⇒ 

⇒ 

性能効率性 

* 

* 

⇒ 

⇒ 

互換性 

* 

⇒ 

⇒ 

使用性 

* 

⇒ 

⇒ 

信頼性 

* 

* 

⇒ 

⇒ 

セキュリティ 

* 

* 

⇒ 

⇒ 

保守性 

* 

⇒ 

⇒ 

移植性 

* 

キー: ⇒ これらの特徴は,製品品質に影響を及ぼす。 
 

* 製品品質は,これらの利害関係者の利用時の品質に影響を及ぼす。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

注記 品質特性及び品質副特性の定義は4.1及び4.2に,一般の定義は4.3に,JIS X 25000からの基

本的な定義は4.4に示す。 

4.1 

利用時の品質モデル 

利用時の品質モデルは,特定の利用者が特定の利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び

満足性に関して特定の目標を達成するためのニーズを満たすために,製品又はシステムを利用できる度合

いのことである。 

利用時の品質の特徴は,有効性,効率性,満足性,リスク回避性及び利用状況網羅性の五つの特性に分

類される(図3及び表3参照)。 

表3−利用時の品質特性及び品質副特性 

有効性 

効率性 

満足性 

  実用性 

  信用性 

  快感性 

  快適性 

リスク回避性 

  経済リスク緩和性 

  健康・安全リスク緩和性 

  環境リスク緩和性 

利用状況網羅性 

  利用状況完全性 

  柔軟性 

注記 使用性(4.2.4)は,その規定された意味との一貫性を保つために,有効性,効率性及び満足性

からなる利用時の品質の部分集合として定義される。 

12 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1.1 

有効性(effectiveness) 

明示された目標を利用者が達成する上での正確さ及び完全さの度合い。 

注記 ISO 9241-11(JIS Z 8521:1999)から引用したため,“degree to which”という共通の文の部分が

省略されている。 

4.1.2 

効率性(efficiency) 

利用者が特定の目標を達成するための正確さ及び完全さに関連して,使用した資源の度合い。 

注記1 関連する資源には,作業を完成するための時間(人的資源),材料又は資金面での使用コスト

を含む。 

注記2 ISO 9241-11(JIS Z 8521:1999)から引用したため,“degree to which”という共通の文の部分

が省略されている。 

4.1.3 

満足性(satisfaction) 

製品又はシステムが明示された利用状況において使用されるとき,利用者ニーズが満足される度合い。 

注記1 製品又はシステムと直接的に対話を行わない利用者に対して,目的の達成及び信用性だけが

関連している。 

注記2 満足性は,製品又はシステムとの対話についての利用者の反応であり,製品の利用に対する

態度を含む。 

4.1.3.1 

実用性(usefulness) 

利用の結果及び利用の影響を含め,利用者が把握した目標の達成状況によって得られる利用者の満足の

度合い。 

4.1.3.2 

信用性(trust) 

利用者又は他の利害関係者がもつ,製品又はシステムが意図したとおりに動作するという確信の度合い。 

4.1.3.3 

快感性(pleasure) 

個人的なニーズを満たすことから利用者が感じる喜びの度合い。 

注記 個人的なニーズには,新しい知識及びスキル(技術)を獲得するというニーズ,個人のアイデ

ンティティを伝えるというニーズ及び心地よい記憶を引き起こすニーズを含むことができる。 

4.1.3.4 

快適性(comfort) 

利用者が(システム又はソフトウェアを利用する時の)快適さに満足する度合い。 

4.1.4 

リスク回避性(freedom from risk) 

製品又はシステムが,経済状況,人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。 

注記 リスクは,所与の脅威の発生確率と,その脅威の発生によって起きる悪影響の可能性との関数

である。 

13 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1.4.1 

経済リスク緩和性(economic risk mitigation) 

意図した利用状況において,財政状況,効率的運用操作,商業資産,評判又は他の資源に対する潜在的

なリスクを,製品又はシステムが緩和する度合い。 

4.1.4.2 

健康・安全リスク緩和性(health and safety risk mitigation) 

意図した利用状況において,製品又はシステムが人々に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。 

4.1.4.3 

環境リスク緩和性(environmental risk mitigation) 

意図した利用状況において,環境に対する潜在的なリスクを製品又はシステムが軽減する度合い。 

4.1.5 

利用状況網羅性(context coverage) 

明示された利用状況及び当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において,有効性,

効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。 

注記 利用状況は,利用時の品質及び幾つかの製品の品質(副)特性(ここでは,明示された条件下

としている。)に関連している。 

4.1.5.1 

利用状況完全性(context completeness) 

明示された全ての利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシス

テムが使用できる度合い。 

注記 利用状況の完全性は,次のいずれかによって明示されるか,又は測定することができる。 

− 意図した全ての利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を伴って,

明示された目標を達成するために明示された利用者が製品を使用できる度合い 

− 意図した全ての利用状況において,使用を支援する製品特徴の存在 

例 小さい画面を使用したり,低いネットワーク帯域幅であったり,熟練していない利用者が使った

り,また,障害許容性モード(例えば,ネットワークと接続していないモード)で使ったりした

場合,ソフトウェアが使用可能である程度。 

4.1.5.2 

柔軟性(flexibility) 

要求事項の中で初めに明示された状況を逸脱した状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満

足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。 

注記1 柔軟性は,追加の利用者グループ,作業及び文化に対して製品を適応することによって

(4.2.8.1参照)達成することができる。 

注記2 柔軟性は,前もって予測されていない周囲の状況,機会及び個人の好みを製品に考慮するこ

とを可能にする。 

注記3 製品が柔軟性に合わせて設計していない場合,意図していない状況で製品を使用することは,

安全でないかもしれない。 

注記4 柔軟性は,次のどちらかで測定することができる。 

− 付加的な種類の利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性で付加的

な種類の目標を達成するための付加的な種類の利用者によって,製品を使用することが

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14 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

できる程度 

− 新しい種類の利用者,作業及び環境に対する適応性を保持するために修正し得る範囲,

並びにJIS Z 8520で定義された個人化に対する適合性を保持するために修正し得る範囲 

4.2 

製品品質モデル 

製品品質モデルは,製品品質特徴を八つの特性(機能適合性,信頼性,性能効率性,使用性,セキュリ

ティ,互換性,保守性及び移植性)に分類する。各特性は,関係する副特性の集合から構成される(図4

及び表4参照)。 

表4−製品品質特性の副特性 

(副)特性 

信頼性 

機能適合性 

  成熟性 

  機能完全性 

  可用性 

  機能正確性 

  障害許容性(耐故障性) 

  機能適切性 

  回復性 

性能効率性 

セキュリティ 

  時間効率性 

  機密性 

  資源効率性 

  インテグリティ 

  容量満足性 

  否認防止性 

互換性 

  責任追跡性 

  共存性 

  真正性 

  相互運用性 

保守性 

使用性 

  モジュール性 

  適切度認識性 

  再利用性 

  習得性 

  解析性 

  運用操作性 

  修正性 

  ユーザエラー防止性 

  試験性 

  ユーザインタフェース快美性 

移植性 

  アクセシビリティ 

  適応性 

  設置性 

  置換性 

4.2.1 

機能適合性(functional suitability) 

明示された状況下で使用するとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を,製品又はシス

テムが提供する度合い。 

注記 機能適合性は,機能仕様にではなく,機能が明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させるかど

うかにだけ関係している(C.6参照)。 

4.2.1.1 

機能完全性(functional completeness) 

機能の集合が明示された作業及び利用者の目的の全てを網羅する度合い。 

4.2.1.2 

機能正確性(functional correctness) 

正確さの必要な程度での正しい結果を,製品又はシステムが提供する度合い。 

15 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2.1.3 

機能適切性(functional appropriateness) 

明示された作業及び目的の達成を,機能が促進する度合い。 

例 不要な段階を除いて,作業を完成するために必要な段階だけを利用者に提示する。 

注記 機能適切性は,JIS Z 8520における仕事に対する適合性に該当する。 

4.2.2 

性能効率性(performance efficiency) 

明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合い。 

注記1 資源は,他のソフトウェア製品,システムのソフトウェア及びハードウェア構成,並びに材

料(例えば,印刷用紙,貯蔵媒体)を含むことができる。 

注記2 その他の特性の定義にあってこの特性の原文に落ちている“degree to which《度合い》”を補

足して翻訳した。 

4.2.2.1 

時間効率性(time behaviour) 

製品又はシステムの機能を実行するとき,製品又はシステムの応答時間及び処理時間,並びにスループ

ット速度が要求事項を満足する度合い。 

4.2.2.2 

資源効率性(resource utilization) 

製品又はシステムの機能を実行するとき,製品又はシステムで使用される資源の量及び種類が要求事項

を満足する度合い。 

注記 人的資源は,効率性(4.1.2)の部分に含まれる。 

4.2.2.3 

容量満足性(capacity) 

製品又はシステムのパラメータの最大限度が要求事項を満足させる度合い。 

注記 変数には,保存することができる項目の数,同時に利用する利用者の数,通信帯域,トランザ

クションのスループット,及びデータベースの大きさを含む。 

4.2.3 

互換性(compatibility) 

同じハードウェア環境又はソフトウェア環境を共有する間,製品,システム又は構成要素が他の製品,

システム又は構成要素の情報を交換することができる度合い,及び/又はその要求された機能を実行する

ことができる度合い。 

注記 ISO/IEC 24765を変更した。 

4.2.3.1 

共存性(co-existence) 

その他の製品に有害な影響を与えずに,他の製品と共通の環境及び資源を共有する間,製品が要求され

た機能を効率的に実行することができる度合い。 

4.2.3.2 

相互運用性(interoperability) 

二つ以上のシステム,製品又は構成要素が情報を交換し,既に交換された情報を使用することができる

度合い。 

16 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 ISO/IEC 24765を基にする。 

4.2.4 

使用性(usability) 

明示された利用状況において,有効性,効率性及び満足性をもって明示された目標を達成するために,

明示された利用者が製品又はシステムを利用することができる度合い。 

注記1 ISO 9241-210を変更した。 

注記2 使用性は,副特性,すなわち,製品品質特性として明示し若しくは測定するか,又は利用時

の品質の部分集合である測定量によって直接的に明示し若しくは測定できる。 

4.2.4.1 

適切度認識性(appropriateness recognizability) 

製品又はシステムが利用者のニーズに適切であるかどうか(4.2.1.3)を利用者が認識できる度合い。 

注記1 適切度認識性は,製品又はシステム,及び/又は他の関係する文書の最初の印象から,製品

又はシステムの機能の適切さを理解することができるかどうかによって決まる。 

注記2 製品又はシステムによって提供される情報は,デモンストレーション,チュートリアル,文

書類又はウェブサイトのためのホームページ上の情報を含むことができる。 

4.2.4.2 

習得性(learnability) 

明示された利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性をもって製品又はシステムを

使用するために明示された学習目標を達成するために,明示された利用者が製品又はシステムを利用でき

る度合い。 

注記 習得性は次のいずれかによって,明示することができるか,又は測定することができる。 

− 明示された利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性をもって製品又

はシステムを使用するために明示された学習目標を達成するために,明示された利用者に

よって製品又はシステムを利用できる程度による。 

− JIS Z 8520で定義された学習についての適合性に関する製品の特徴による。 

4.2.4.3 

運用操作性(operability) 

製品又はシステムが,それらを運用操作しやすく,制御しやすくする属性をもっている度合い。 

注記 運用操作性は,JIS Z 8520で定義するように,可制御性,誤りに対しての許容度及びユーザの

期待への一致に対応する。 

4.2.4.4 

ユーザエラー防止性(user error protection) 

利用者が間違いを起こすことをシステムが防止する度合い。 

4.2.4.5 

ユーザインタフェース快美性(user interface aesthetics) 

ユーザインタフェースが,利用者にとって楽しく,満足のいく対話を可能にする度合い。 

注記 このことは,利用者の精神的快適性及び満足を増加させる製品又はシステムの特徴,例えば,

色の使用,グラフィックデザインの種類に言及している。 

4.2.4.6 

アクセシビリティ(accessibility) 

17 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

製品又はシステムが,明示された利用状況において,明示された目標を達成するために,幅広い範囲の

心身特性及び能力の人々によって使用できる度合い。 

注記1 能力の範囲は,年齢による身体障害を含む。 

注記2 身体障害をもった人々に対するアクセシビリティは,次のいずれかによって明示され,測定

されることができる。 

− 明示された利用状況において,有効性,効率性,リスク回避性及び満足性をもって明示

された目標を達成するために,明示された身体障害をもつ利用者によって,製品又はシ

ステムを利用できる程度について 

− アクセシビリティを支援する製品特徴の存在によって 

4.2.5 

信頼性(reliability) 

明示された時間帯で,明示された条件下に,システム,製品又は構成要素が明示された機能を実行する

度合い。 

注記1 ISO/IEC 24765を変更した。 

注記2 ソフトウェアでは,摩耗は起こらない。信頼性の限界は,要求事項,設計及び実装での障害

が原因である。また,(利用)状況の変化が原因である。 

注記3 ディペンダビリティ特性には,可用性及びその固有の要因又は外部の影響する要因[例えば,

可用性,信頼性(障害許容性及び回復性を含む。),セキュリティ(機密性及びインテグリテ

ィを含む。),保守性,耐久性,保守支援]を含む(附属書B参照)。 

4.2.5.1 

成熟性(maturity) 

通常の運用操作の下で,システム,製品又は構成要素が信頼性に対するニーズに合致している度合い。 

注記 成熟性の概念は,通常の運用操作の下で要求されたニーズに成熟性以外の品質特性が合致して

いる度合いを示すために成熟性以外の品質特性に適用することもできる。 

4.2.5.2 

可用性(availability) 

使用することを要求されたとき,システム,製品又は構成要素が運用操作可能及びアクセス可能な度合

い。 

(ISO/IEC 24765) 

注記 外面的には,可用性は,システム,製品又は構成要素が作動状態でいる間の合計時間の割合で

総合評価することができる。それゆえ,可用性は,(故障の頻度を左右する)成熟度,障害許容

性(耐故障性)及び(各故障後の停止時間を左右する)回復性との組合せである。 

4.2.5.3 

障害許容性(耐故障性)(fault tolerance) 

ハードウェア又はソフトウェア障害にもかかわらず,システム,製品又は構成要素が意図したように運

用操作できる度合い。 

注記 ISO/IEC 24765を変更した。 

4.2.5.4 

回復性(recoverability) 

中断時又は故障時に,製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し,システムを希望する

18 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

状態に復元することができる度合い。 

注記 故障に伴い,コンピュータシステムが一定の時間停止することが時々あるが,そのシステムの

回復性によって,停止時間は決まる。 

4.2.6 

セキュリティ(security) 

人間又は他の製品若しくはシステムが,認められた権限の種類及び水準に応じたデータアクセスの度合

いをもてるように,製品又はシステムが情報及びデータを保護する度合い。 

注記1 蓄えられたデータ又は製品若しくはシステムによって蓄えられたデータと同じように,セキ

ュリティは送信中のデータにも適用する。 

注記2 生存性(survivability)(攻撃が存在するにもかかわらず,時期を逃さずに,必須のサービス

を提供することによって,その使命を製品又はシステムが満たし続ける度合い。)は,回復性

(4.2.5.4)によって取り扱われる。 

注記3 免疫性(immunity)(製品又はシステムが攻撃に耐える度合い)は,インテグリティ(4.2.6.2)

によって取り扱われる。 

注記4 セキュリティは,信用性(4.1.3.2)に貢献する。 

4.2.6.1 

機密性(confidentiality) 

製品又はシステムが,アクセスすることを認められたデータだけにアクセスすることができることを確

実にする度合い。 

4.2.6.2 

インテグリティ(integrity) 

コンピュータプログラム又はデータに権限をもたないでアクセスすること又は修正することを,システ

ム,製品又は構成要素が防止する度合い。 

(ISO/IEC 24765) 

4.2.6.3 

否認防止性(non-repudiation) 

事象又は行為が後になって否認されることがないように,行為又は事象が引き起こされたことを証明す

ることができる度合い。 

注記 JIS X 5004:1991を変更した。 

4.2.6.4 

責任追跡性(accountability) 

実体の行為がその実体に一意的に追跡可能である度合い。 

注記 JIS X 5004:1991を変更した。 

4.2.6.5 

真正性(authenticity) 

ある主体又は資源の同一性が主張したとおりであることを証明できる度合い。 

注記 JIS Q 13335-1:2006を変更した。 

4.2.7 

保守性(maintainability) 

意図した保守者によって,製品又はシステムが修正することができる有効性及び効率性の度合い。 

19 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 修正には,環境における変更,並びに要求事項及び機能仕様における変更に対するソフトウ

ェアの訂正,改良又は適応を含むことができる。修正には,特別の支援要員によって実施さ

れる修正,及び事業要員,運用要員又はエンドユーザによって実施される修正を含む。 

注記2 保守性には,更新機能及び向上機能の実装を含む。 

注記3 保守性は,保守活動を手助けするための製品若しくはシステムの固有の能力,又は製品若し

くはシステムを保守する目標に対して保守者が経験する利用時の品質のいずれか一方として,

説明することができる。 

4.2.7.1 

モジュール性(modularity) 

一つの構成要素に対する変更が他の構成要素に与える影響が最小になるように,システム又はコンピュ

ータプログラムが別々の構成要素から構成されている度合い。 

(ISO/IEC 24765) 

4.2.7.2 

再利用性(reusability) 

一つ以上のシステムに,又は他の資産作りに,資産を使用することができる度合い。 

注記 IEEE 1517:1999(R2004)を変更した。 

4.2.7.3 

解析性(analysability) 

製品若しくはシステムの一つ以上の部分への意図した変更が製品若しくはシステムに与える影響を総合

評価すること,欠陥若しくは故障の原因を診断すること,又は修正しなければならない部分を識別するこ

とが可能であることについての有効性及び効率性の度合い。 

注記 故障又はその他の事象の発生以前に,製品又はシステムが自分自身の障害を分析し,報告書を

提供するための仕組みを提供することを,実装に含めてもよい。 

4.2.7.4 

修正性(modifiability) 

欠陥の取込みも既存の製品品質の低下もなく,有効的に,かつ,効率的に製品又はシステムを修正する

ことができる度合い。 

注記1 実装には,変更についてのコーディング,設計,文書作成及び検証を含む。 

注記2 モジュール性(4.2.7.1)及び解析性(4.2.7.3)は,修正性に影響することがある。 

注記3 修正性は,変更性と安定性との組合せである。 

4.2.7.5 

試験性(testability) 

システム,製品又は構成要素について試験基準を確立することができ,その基準が満たされているかど

うかを決定するために試験を実行することができる有効性及び効率性の度合い。 

注記 ISO/IEC 24765を変更した。 

4.2.8 

移植性(portability) 

一つのハードウェア,ソフトウェア又は他の運用環境若しくは利用環境からその他の環境に,システム,

製品又は構成要素を移すことができる有効性及び効率性の度合い。 

注記1 ISO/IEC 24765を変更した。 

20 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記2 移植性は,移植活動を容易にするための製品若しくはシステムの固有の能力,又は製品若し

くはシステムを移植する目標を経験した利用時の品質のいずれかとして解釈できる。 

4.2.8.1 

適応性(adaptability) 

異なる又は進化していくハードウェア,ソフトウェア又は他の運用環境若しくは利用環境に,製品又は

システムが適応できる有効性及び効率性の度合い。 

注記1 適応性には,内部容量・能力(例えば,スクリーン領域,表,業務処理量,報告書様式)の

拡張性を含む。 

注記2 適応性には,特別の支援要員によって実施されるもの,事務要員,運用操作要員又はエンド

ユーザによって実施されるものを含む。 

注記3 システムがエンドユーザによって適応される場合は,適応性は,JIS Z 8520で定義されたよ

うに,個人化への適合性に対応する。 

4.2.8.2 

設置性(installability) 

明示された環境において,製品又はシステムをうまく設置及び/又は削除できる有効性及び効率性の度

合い。 

注記 エンドユーザが製品又はシステムを設置する場合,設置性は,結果として生じる機能適切性及

び運用操作性に影響を及ぼす。 

4.2.8.3 

置換性(replaceability) 

同じ環境において,製品が同じ目的の別の明示された製品と置き換えることができる度合い。 

注記1 ソフトウェア製品の新しい版の置換性は,機能向上の場合利用者には重要である。 

注記2 置換性は,設置性及び適応性の両方の属性を含むことがある。概念は,その重要さのために

独立の副特性として紹介される。 

注記3 置換性は,特定のソフトウェア製品だけしか使えなくなる状態に陥るリスクを軽減する。例

えば,標準化されたファイル様式の使用によって,現在使用しているソフトウェア製品を他

のソフトウェア製品で置き換えることによってもたらされる。 

4.3 

一般 

4.3.1 

資産(asset) 

個人又は組織にとって価値をもつもの。 

注記1 JIS Q 13335-1:2006を変更した。 

注記2 この規格では,資産とは,作業生成物(例えば,要求事項文書,ソースコードモジュール,

測定定義書)などのことをいう。 

4.3.2 

ベンチマーク(benchmark) 

結果が測定又は総合評価できる標準。 

(ISO/IEC 24765) 

4.3.3 

構成要素(component) 

21 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

別々の構造(例えば,アセンブリ又はソフトウェアモジュール)で,特別な水準での分析で考慮された

システム内のもの。 

(JIS X 0134:1999) 

4.3.4 

直接利用者(direct user) 

製品と対話する人。 

注記1 直接利用者には,一次利用者及び二次利用者を含む。 

注記2 直接利用者とは,JIS Z 8521:1999で定義する“利用者”のことをいう。 

4.3.5 

ソフトウェア品質の外部測定量(external measure of software quality) 

明示された状況下で使用されるソフトウェアを含むシステムに対して,明示的ニーズ及び暗黙のニーズ

を満たすためにシステムの振る舞いをソフトウェア製品が可能にする度合いの測定量。 

注記1 試験及び運用操作中にソフトウェア製品を実行することによって,振る舞いの属性は,検証

及び/又は妥当性確認を行うことができる。 

例 試験時に発見された故障の回数は,コンピュータシステムに存在する障害の数に関係するソフト

ウェア品質の外部測定量である。試験は全ての障害を発見できるわけではないので,二つの測定

量は,必ずしも同じではない。そして,障害は,異なる環境において明らかに異なる故障を引き

起こす。 

注記2 JIS X 25000:2010の外部ソフトウェア品質の定義を変更した。 

4.3.6 

間接利用者(indirect user) 

システムから成果を受け取る人。しかし,システムと対話することはない。 

4.3.7 

ソフトウェア品質の内部測定量(internal measure of software quality) 

明示された状況下で使用されるソフトウェア製品に対して,ソフトウェア製品の静的属性の集まりが明

示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たす度合いの測定量。 

注記1 静的な属性は,ソフトウェアアーキテクチャ,構造及びその構成部品に関係する属性を含む。 

注記2 静的な属性は,レビュー,検査,シミュレーション及び/又は自動化ツールによって検証す

ることができる。 

例 複雑さの測定量及びウォークスルーで発見した(現状で見つけられた)障害の数,障害の重大性

及び故障頻度は,製品そのものに作り込まれた内部ソフトウェア品質の測定量をいう。 

注記3 JIS X 25000:2010の内部ソフトウェア品質の定義を基にした。 

4.3.8 

利用時の品質(quality in use) 

特定の利用状況において,特定の目標を達成するために,特定の利用者が彼らのニーズを満たすために,

有効性,効率性,リスク回避性及び満足性を満足して製品又はシステムを使用することができる度合い。 

4.3.9 

品質特徴(quality property) 

品質の測定可能な構成要素。 

22 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3.10 

品質測定量(quality measure) 

品質測定量要素の二つ以上の値の測定関数として定義された測定量。 

(ISO/IEC TR 25021) 

4.3.11 

品質測定量要素(quality measure element) 

属性及び属性を定量化するための測定方法に関して定義された測定量。数学関数による任意の変換を含

む。 

(ISO/IEC TR 25021) 

4.3.12 

リスク(risk) 

既知の脅威の発生の可能性とその脅威の発生の潜在的な悪影響との関数。 

(JIS X 0134:1999) 

4.3.13 

ソフトウェア品質(software quality) 

明示された状況下で使用されたとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズをソフトウェア製品が満足させる

度合い。 

注記1 この定義は,JIS Q 9000:2006の品質定義と異なる。JIS Q 9000:2006の品質定義は,要求事項

の満足を参照しているが,この定義は,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させるために

JIS Q 9000:2006の中で参照している。 

注記2 JIS X 25000:2010を変更した。 

4.3.14 

ソフトウェア品質要求事項(software quality requirement) 

ソフトウェア品質属性がソフトウェアの中に存在している要求事項。 

4.3.15 

利害関係者(stakeholder) 

システムにおける権利,負担,要求(申し立て)若しくは関心,又は,ニーズと期待とを満足させる特

性の所有における権利,負担,要求(申し立て)若しくは関心をもつ個人又は組織。 

4.3.16 

利用者(user) 

利用中,システムと対話するか,又はシステムから利益を得る個人又はグループ。 

注記 一次利用者及び二次利用者はシステムと対話をし,一次利用者及び間接利用者はシステムから

利益を得ることができる(3.6参照)。 

4.4 

JIS X 25000からの用語及び定義 

4.4.1 

属性(attribute) 

人又は自動的な手段によって,定量的に又は定性的に識別できる固有の特徴又は特性。 

注記1 JIS X 0141を変更した。 

注記2 JIS Q 9000では属性を次の二種類に分類している。 

a) あるものに固有に存在する恒久的な特性 

23 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製品,プロセス又はシステムの割り当てられた特性(例えば,製品の価格,製品の所有

者) 

割り当てられた特性は,その製品,プロセス又はシステムの固有の品質特性ではない。 

(JIS X 25000:2010) 

4.4.2 

利用状況(context of use) 

利用者,作業,装置(ハードウェア,ソフトウェア及び資材),並びに製品が使用される物理的環境及び

社会的環境。 

(JIS Z 8521:1999) 

4.4.3 

エンドユーザ(end user) 

システムの結果から最終的な利益を得る人。 

注記 エンドユーザは,ソフトウェア製品の専任の運用操作者,又は公共の一員のような一時的な利

用者でもよい。 

(JIS X 25000:2010) 

4.4.4 

暗黙のニーズ(implied needs) 

明示されていないが,事実上のニーズ。 

注記 暗黙のニーズには,ソフトウェア製品が特定の条件下で利用されて初めて明らかになるものが

ある。 

例 暗黙のニーズには,次のものがある。 

− 提示されていないが,他の明示的ニーズによって,暗示されたニーズ 

− 明らかで,いうまでもないとみなされているので提示されないニーズ 

(JIS X 25000:2010) 

4.4.5 

測定量(名詞)(measure, noun) 

測定の結果として値が割り当てられる変数。 

注記 “測定値”という用語は,基本測定量,導出測定量及び指標をまとめて参照するために使う。 

(JIS X 0141:2009) 

4.4.6 

測定する(動詞)(measure, verb) 

測定を行う行為。 

(JIS X 0133-1:1999) 

4.4.7 

測定(measurement) 

測定量の値を決定するという目的をもった操作の集合。 

(JIS X 0141:2009) 

注記 測定は,ソースプログラムの言語(例えば,ADA,C,COBOL)などの定量的分類を指定する

ことを含むことができる。 

24 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4.8 

品質モデル(quality model) 

品質要求事項の仕様化及び品質評価に対する枠組みを提供する特性の定義された集合及び特性間の関係

の集合。 

(JIS X 25000:2010) 

4.4.9 

ソフトウェア製品(software product) 

計算機プログラム,手続並びにその関連する文書及びデータを含めたまとまり。 

(JIS X 0160:2012) 

注記1 製品には,中間生成物,及び開発者,保守者などの利用者を意図した製品を含む。 

注記2 SQuaREシリーズでは,ソフトウェア品質はソフトウェア製品品質と同じ意味をもつ。 

4.4.10 

ソフトウェア品質特性(software quality characteristic) 

ソフトウェア品質に影響を及ぼすソフトウェア品質属性の分類。 

注記 ソフトウェア品質特性は,複数の階層の副特性に詳細化され,最終的にはソフトウェア品質属

性にまで詳細化することができる。 

(JIS X 25000:2010) 

4.4.11 

システム(system) 

一つ以上の明記された目的を達成するために組織された,相互に作用する要素の組合せ。 

注記1 システムとは,それが提供する製品又はサービスとみなしてもよい。 

注記2 実際には,その意味の解釈は,例えば,航空機システムのように複合名詞の使用によってし

ばしば明確にされる。別の表現として,システムという言葉を使わずに,文脈が明らかな場

合は,例えば,“航空機システム”を“航空機”という用語に置き換えることができる。その

場合は,システムという捉え方の観点が曖昧になる。 

(JIS X 0170:2013) 

4.4.12 

利用者(user) 

システムを利用する間,システムからの恩恵を受ける個人又はグループ。 

(JIS X 0141:2009) 

4.4.13 

妥当性確認(validation) 

客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされてい

ることを確認すること。 

注記1 “妥当性確認済み”という用語は,妥当性確認が済んでいる状態を表すために用いられる。 

(JIS Q 9000:2006) 

注記2 設計及び開発において,妥当性確認は,利用者のニーズへの適合を決定するために製品を検

査するプロセスに関与する。 

注記3 妥当性確認は,通常,定義された運用操作条件の下で最終製品に対して実施される,妥当性

確認は,より早期の工程が必要となってもよい。 

25 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記4 複数の異なる意図された用途がある場合は,複数の妥当性確認が必要となることもある。 

4.4.14 

検証(verification) 

客観的証拠を提示することによって,規定要求事項が満たされていることを確認すること。 

注記1 “検証済み”という用語は,検証が済んでいる状態を示すために用いられる。 

(JIS Q 9000:2006) 

注記2 設計及び開発において検証は,与えられた活動に対する明示された要求事項との適合性を決

定するために,与えられた活動の結果を検査するプロセスに関与する。 

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26 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

JIS X 0129-1の品質モデルとの比較 

この規格は,JIS X 0129-1:2003を改正し,同じソフトウェア品質特性に幾つかの追補をしたものである。 

− 利用状況網羅性:この品質特性は,利用時の品質特性として追加された。その副特性として,利用状

況完全性及び柔軟性が定義された。 

− セキュリティ:この品質特性は,機能性の副特性ではなく,特性として追加された。その副特性とし

て,機密性,インテグリティ,否認防止性,責任追跡性及び真正性が定義された。 

− 互換性:この品質特性は,相互運用性及び共存性を副特性として含めた形で,品質特性として追加さ

れた。 

− 追加された副特性:今までの品質特性に,次の副特性が追加された。 

機能完全性,容量満足性,ユーザエラー防止性,アクセシビリティ,可用性,モジュール性及び再利

用性。 

− 規格又は規制への適合性:これは,JIS X 0129-1で副特性であったが,システムに対する要求事項の

一部として識別され,今回の品質モデルでは適用範囲外となっている。 

− 一般的な定義:ソフトウェアに特定した定義を使用するよりも,適宜,コンピュータシステムまで適

用範囲を広げることを認めている。 

− 定義:ISO/IEC専門業務用指針に適合するように,可能な限り既存のISO/IEC規格を基にしている。

この規格で定義された用語は,その用語の汎用的な意味を表現するような言葉遣いで定義している。 

− 幾つかの特性及び副特性は,より的確な名称が付けられている。 

表A.1は,この規格とJIS X 0129-1:2003との特性及び副特性の差異を一覧表示している。 
 

表A.1−JIS X 0129-1:2003のモデルとの比較 

細分箇条 

JIS X 25010 

JIS X 0129-1 

備考 

4.1 

利用時の品質 

利用時の品質 

今回からは,利用時の品質とはシステム品質のことを
いう。 

4.1.1 

有効性 

有効性 

4.1.2 

効率性 

生産性 

ISO/IEC 25062及びJIS Z 8521:1999(ISO 9241-11)
での効率性と合わせた名称 

4.1.3 

満足性 

満足性 

4.1.3.1 

実用性 

この副特性なし 

4.1.3.2 

信用性 

この副特性なし 

4.1.3.3 

快感性 

この副特性なし 

4.1.3.4 

快適性 

この副特性なし 

4.1.4 

リスク回避性 

安全性 

4.1.4.1 

経済リスク緩和性 

この副特性なし 

4.1.4.2 

健康・安全リスク緩和性 

この副特性なし 

4.1.4.3 

環境リスク緩和性 

この副特性なし 

4.1.5 

利用状況網羅性 

暗黙の品質課題を明らかにした。 

4.1.5.1 

利用状況完全性 

新しい副特性(全ての要求された利用状況において,
製品が利用できることは重要である。) 

4.1.5.2 

柔軟性 

新しい副特性(新しい利用状況において,製品が利用
できるようにする。) 

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27 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1−JIS X 0129-1:2003のモデルとの比較(続き) 

細分箇条 

JIS X 25010 

JIS X 0129-1 

備考 

4.2 

製品品質 

内部品質及び
外部品質 

製品品質として組み合わされた内部品質及び外部品
質 

4.2.1 

機能適合性 

機能性 

新しい名称は,より的確となり,“機能性”がもつ他
の意味との混同を避けている。 

4.2.1.1 

機能完全性 

明示的ニーズの網羅度 

4.2.1.2 

機能正確性 

正確性 

正確さよりも汎用的 

4.2.1.3 

機能適切性 

合目的性 

暗黙のニーズの網羅度 

相互運用性 

互換性に移動 

セキュリティ 

今回から特性とする。 

4.2.2 

性能効率性 

効率性 

ISO/IEC 25062の効率性の定義との混乱を避けるた
め,名称を変更した。 

4.2.2.1 

時間効率性 

時間効率性 

4.2.2.2 

資源効率性 

資源効率性 

4.2.2.3 

容量満足性 

新しい副特性(コンピュータシステムに特に関係して
いる。) 

4.2.3 

互換性 

新しい特性 

4.2.3.1 

共存性 

共存性 

移植性から移動した。 

4.2.3.2 

相互運用性 

機能性から移動した。 

4.2.4 

使用性 

使用性 

暗黙の品質課題を明らかにした。 

4.2.4.1 

適切度認識性 

理解性 

新しい名称は,より的確である。 

4.2.4.2 

習得性 

習得性 

4.2.4.3 

運用操作性 

運用性 

4.2.4.4 

ユーザエラー防止性 

新しい副特性(リスク回避性を達成するために特に重
要である。) 

4.2.4.5 

ユーザインタフェース快美性 

魅力性 

新しい名称は,より的確である。 

4.2.4.6 

アクセシビリティ 

新しい副特性 

4.2.5 

信頼性 

信頼性 

4.2.5.1 

成熟性 

成熟性 

4.2.5.2 

可用性 

新しい副特性 

4.2.5.3 

障害許容性(耐故障性) 

障害許容性 

4.2.5.4 

回復性 

回復性 

4.2.6 

セキュリティ 

セキュリティ 

4.2.6.1 

機密性 

この副特性なし 

4.2.6.2 

インテグリティ 

この副特性なし 

4.2.6.3 

否認防止性 

この副特性なし 

4.2.6.4 

責任追跡性 

この副特性なし 

4.2.6.5 

真正性 

この副特性なし 

4.2.7 

保守性 

保守性 

4.2.7.1 

モジュール性 

新しい副特性 

4.2.7.2 

再利用性 

新しい副特性 

4.2.7.3 

解析性 

解析性 

4.2.7.4 

修正性 

安定性 

変更性と安定性とを組み合わせた,より的確な名称 

4.2.7.5 

試験性 

試験性 

4.2.8 

移植性 

移植性 

4.2.8.1 

適応性 

環境適応性 

4.2.8.2 

設置性 

設置性 

共存性 

互換性に移動した。 

4.2.8.3 

置換性 

置換性 

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28 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

ディペンダビリティへの写像の例 

この附属書は,どのようにして組織が自分自身のソフトウェア品質のモデルをこの規格のモデルに写像

することができるのかの例を示す。 

IEC 60050-191でディペンダビリティは,“要求されたとき,要求されたとおりに実行するための能力”

として定義されている。ディペンダビリティを基準とする製品品質の代替の分類の一例には,次のものが

ある。 

− 可用性 時間(0,t)でのシステムの可用性は,(0,t)の期間中のいずれの任意時間においてもシス

テムが利用できる可能性をいう。 

− 信頼性 時間(0,t)でのシステムの信頼性は,時刻0(ゼロ)で操作可能であって,かつ,与えら

れた時間間隔(0,t)でシステムが継続的に(すなわち,失敗せずに)操作できる可能性をいう。 

− 機密性 システムの機密性は,認証されていない利用者がシステムの防御された情報を理解すること

ができないことを,システムが確実にすることができる度合いの測定量をいう。 

− インテグリティ及び信用性 システムのインテグリティは,エラー又は攻撃が,データ,コードなど

を含めて,システムの状態に損害を導かない可能性をいう。 

− 保守性 システムの保守性は,システムが保守を受けることができるシステムの能力の測定量,又は

障害の後正常な運用に復帰することができるシステムの能力の測定量をいう。 

− リスク回避性 時間(0,t)でのシステムのリスク回避性は,時間間隔(0,t)で壊滅的な故障をシ

ステムが受けることはない可能性をいう。 

この規格に合致するため,ディペンダビリティのこの定義は,表B.1に示す,この規格の品質モデルの

部分に写像できる。 

表B.1−ディペンダビリティの写像 

細分箇条 

JIS X 25010 

ディペンダビリティ 

4.1.1 

有効性 

4.1.2 

効率性 

4.1.3 

満足性 

4.1.4 

リスク回避性 

安全性 

4.1.5 

利用状況網羅性 

4.2.1 

機能適合性 

4.2.2 

性能効率性 

4.2.3 

互換性 

4.2.4 

使用性 

4.2.5 

信頼性 

信頼性 

4.2.5.2 

可用性 

可用性 

4.2.6 

セキュリティ 

4.2.6.1 

機密性 

機密性 

4.2.6.2 

インテグリティ 

インテグリティ 

4.2.7 

保守性 

保守性 

4.2.8 

移植性 

29 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ディペンダビリティについてのこの定義がソフトウェア品質のより広い総合評価の一部として使用され

る場合には,有効性,効率性,満足性,使用性,利用状況,機能適合性,性能効率性,互換性及び移植性

を考慮に入れることが必要になる。 

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30 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 

品質モデルの測定への利用 

C.1 概要 

この附属書の情報は,ISO/IEC 25000シリーズの他の規格の将来の版に移動する可能性がある。 

C.2 ソフトウェア品質測定モデル 

品質特徴は,品質に貢献するソフトウェアの固有の属性である。品質特徴は,一つ以上の(副)特性に

分類できる。 

品質特徴は,測定手法を適用することによって,測定することができる。測定手法は,明示された尺度

に関して,品質特徴に使用される操作の論理的な順序である。測定手法の適用の結果は,品質測定量要素

と呼ぶ。品質特性及び副特性は,測定関数を適用することによって定量化できる。測定関数は,品質測定

量要素を組み合わせて使用するアルゴリズムである。測定関数の適用の結果は,ソフトウェア品質測定量

と呼ぶ。このようにして,ソフトウェア品質測定量は,品質特性及び副特性の定量化になる。一つ以上の

ソフトウェア品質測定量は,品質特性又は副特性を測定するために使用することができる。 

ISO/IEC 25020からの図C.1は,JIS X 25010の品質モデル,ISO/IEC 2502nの測定量,及びJIS X 0141

で提案した測定モデル間の関係を示す。 

 
 
 

図C.1−ソフトウェア製品品質測定参照モデル 

指し示す 

生成する 

適用される 

指し示す 

構成される 

構成される 

品質測定量要素 

測定関数 

品質測定量 

ソフトウェア製品品質 

品質特性 

品質副特性 

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C.3 品質への取組 

図C.2−ライフサイクルでの品質 

品質に対する利用者のニーズは,特定の利用状況におけるシステムの利用時の品質に対する要求事項を

含んでいる。識別されたこれらのニーズは,ソフトウェア製品の品質特性及び副特性を用いて,品質の外

部測定量及び内部測定量を明確化するときに使用することができる。 

ソフトウェア製品の品質は,内部特徴(典型的なものとしては,中間製品の静的な測定量)を測定する

ことによって,外部特徴を(典型的なものとしては,実行時のコードの振る舞いを測定することによって)

測定することによって,又は(製品が実使用又は模擬使用するとき)利用時の品質を測定することによっ

て評価することができる(図C.2参照)。 

プロセス品質(すなわち,JIS X 0160及びJIS X 0170で規定されたライフサイクルプロセスのいずれか

の品質)を改善することは,製品品質を改善することに貢献する。そして,製品品質を改善することは,

利用時のシステム品質を改善することに貢献する。そのため,プロセスのアセスメントを実施すること及

び改善することは,製品品質を改善するための手段であり,製品品質を評価すること及び改善することは,

利用時のシステム品質を改善するための一つの手段である。同様に,利用時のシステム品質を評価するこ

とは,製品を改善するための反応を提供することができる。そして,製品を評価することは,プロセスを

改善するための反応を提供する。 

ソフトウェアの適切な内部属性は,要求された外部の振る舞いを達成するための前提条件となる。そし

て,適切な外部の振る舞いは,利用時の品質を達成するための前提条件となる。 

C.4 品質影響 

図C.3は,品質モデルの対象実体間の関係を図示している。ソフトウェアライフサイクルプロセス(例

えば,品質要求事項プロセス,設計プロセス,試験プロセス)はソフトウェア製品及びシステムに影響を

及ぼす。資源の品質(例えば,プロセスで使用される,人的資源,ソフトウェアツール,ソフトウェア技

術)は,プロセス品質に影響を及ぼし,その結果として,製品品質に影響を及ぼす。 

ソフトウェア製品品質は,システムの他の構成要素の品質と同様に,システム品質に影響を及ぼす。シ

ステム品質は,利用状況に依存する様々な影響(効果)をもっている。利用状況は,利用者,作業及び環

境の集合によって定義できる。利用状況の幾つかの事例を表1(3.6参照)に示す。 

利用状況 

ソフトウェア製品の効果 

プロセス 

ソフトウェア製品 

利用時の品質測定量 

外部測定量 

内部測定量 

プロセス測定 

影響 

依存 

影響 

影響 

依存 

依存 

プロセス品質 

内部特徴 

外部特徴 

利用時の品質 

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図C.3−品質モデルの対象実体及びその関係 

C.5 品質ライフサイクルモデル 

JIS X 25030は,図表(図C.4)を使用して,品質要求事項プロセスを説明している。この図での“利害

関係者のニーズ”は,利用時の品質及び製品品質に対するニーズとして収集することができる。そして,

品質要求事項(利害関係者要求事項)として変換し,明示することができる。 

図C.4−利害関係者要求事項定義及び分析 

品質ライフサイクルモデル(図C.5)は,ソフトウェア製品ライフサイクルの次の三つの主要な段階で

の品質について次のように示している。 

− 開発段階の製品は,ソフトウェア品質の内部測定量の対象である。 

− 試験段階の製品は,ソフトウェア品質の外部測定量の対象である。 

− 利用段階の製品は,利用時の品質の対象である。 

利用時のシス

テム品質 

環境 

作業 

利害関係 

資源品質 

他の構成要素の品質 

利用状況 

システム/ソフトウ
ェア 
ライフサイクル 
プロセス品質 

ソフトウェア

製品品質 

システム品質 

AはBに影響を及ぼす。又は, 

BはAによって決められる。 

利害関係者の 

ニーズ及び期待 

・記述されたもの 

・暗黙のもの 

・気付かないもの 

システム要求事項 

形式化されたシス

テム要求事項及び

制約事項 

利害関係者要求

事項定義 

プロセス 

要求事項分析 

プロセス 

利害関係者要求事項 

全ての関連する利害

関係者から取り出さ

れた要求事項 

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

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図C.5−システム及び/又はソフトウェア品質ライフサイクルモデル 

システム及び/又はソフトウェア品質ライフサイクルモデルは,品質の許容可能な水準を達成すること

が,要求事項,実装及び結果の評価を含むいろいろな種類の品質に対して,開発プロセスで不可欠である

ことが望ましいことも示している。 

利用時の品質に対する要求事項は,利用者視点での品質の要求された水準を明確化する。これらの要求

事項は,利用者及び他の利害関係者(例えば,ソフトウェア開発者,システムインテグレータ,取得者,

所有者)のニーズから導出される。利用時の品質要求事項は,利用者によるソフトウェア製品の検証の対

象として使用される。利用時の品質特性に対する要求事項は,製品を評価するときに使用される利用時の

品質測定量に対する基準を使用して,品質要求事項仕様の中に記述することが望ましい。 

注記1 利用時のシステム品質要求事項は,外部ソフトウェア品質要求事項を識別し,定義すること

に寄与する。 

例1 明示された種別の利用者は,明示された時間内に明示された作業を達成することができる。 

コンピュータシステム品質の外部測定量に対する要求事項は,外部視点での品質の要求水準を明確にす

る。この要求事項は,利用時の品質の要求事項を含め,利害関係者品質要求事項から導出された要求事項

を含む。外部ソフトウェア品質要求事項はソフトウェア製品の技術的な検証及び妥当性確認の対象として

使用される。品質の外部測定量に対する要求事項は,製品を評価するときに使用される外部測定量に対す

る基準を使用して,品質要求仕様の中に定量的に記述することが望ましい。 

注記2 品質の外部測定量に対する要求事項は,ソフトウェア製品の内部測定量に対する要求事項を

識別し,定義することに寄与する。 

注記3 外部品質評価は,システムの利用時の品質を予測するために使用できる。 

例2 利用者は,適切にエラーメッセージに対応し,首尾よくエラーを元に戻す。 

ソフトウェア品質の内部測定量に対する要求事項は,製品の内部視点での品質の要求水準を明確化する。

利用時の

システム品質

モデル

(システム及び
ソフトウェア)

製品品質

モデル

システムの

利用時の品質要求事項

システムの

利用時の品質

コンピュータシステムの

品質要求事項

コンピュータシステムの

品質

ソフトウェア製品の

品質要求事項

ソフトウェア製品の

品質

要求事項

製品

使用される

使用される

利用時の品質

ニーズ

実装

妥当性確認

検証

妥当性確認

検証

妥当性確認

使用される

使用される

使用される

使用される

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この要求事項は,外部品質要求事項から導出された要求事項を含む。ソフトウェア品質の内部測定量に対

する要求事項は,中間ソフトウェア製品(仕様書,ソースコードなど)の特徴を明確にするために使用さ

れる。内部ソフトウェア品質の要求事項は,納入可能だが,実行できないソフトウェア製品(例えば,文

書,マニュアル)の特徴を明確化するために使用してもよい。ソフトウェア品質の内部測定量に対する要

求事項は,開発の様々な段階での検証の対象として使用することができる。これらは,開発の戦略を定義

するため,並びに開発時の評価及び妥当性確認のための基準を定義するためにも使用することができる。 

注記4 ソフトウェア品質の内部測定量は,ソフトウェア品質の外部測定量の予測に使用することが

できる。 

例3 全てのエラーメッセージは,修正活動を明確にし,全ての利用者入力は元に戻すことができる。 

JIS X 25030は,ソフトウェア品質要求事項を規定しており,ISO/IEC 25040は,ソフトウェア品質評価

プロセスを規定している。 

開発時,モデル及び関連する測定量は,品質目標が満たされることを確実にするために設計及び実装の

活動を管理するために使用することができる。品質モデル及び関連する測定量の鍵となる適用は,ソフト

ウェア品質に早期の見込みを獲得することである。この見込みは,ライフサイクルを通して品質を管理す

ることに使用することができる。そして,利用時の品質目標が同様に満たされているかどうかを予測する

ことに使用することができる。 

注記5 契約上の環境又は規制された環境では,例えば,原子力の安全分野では,ニーズは明示され

るが,他の環境では,暗黙のニーズは識別され,定義されることが望ましい。 

C.6 ソフトウェア特徴 

幾つかのソフトウェアの特徴は,ソフトウェア製品に固有であり,幾つかのものはソフトウェア製品に

割り当てられる。特定の使用状況でのソフトウェア製品の品質は,その固有の特徴によって決定される。 

注記1 固有の特徴の例は,コード行数及びソフトウェアによって提供される数値計算の正確さであ

る。割り当てられた特徴の例は,ソフトウェア製品の所有者,品質保証書及びソフトウェア

製品の価格である。 

固有の特徴は,機能面の特徴又は品質面の特徴として分類することができる。機能面の特徴は,ソフト

ウェアが何をすることができるかを決定する。品質面の特徴は,どれだけうまくソフトウェアが動作する

かを決定する。品質面の特徴は,ソフトウェア製品に固有であり,システムに関係している。割り当てら

れた特徴は,ソフトウェアの変更なしに変更することができるので,ソフトウェアの品質特性とは考えら

れない。図C.6にソフトウェア特徴のこの分類を示す。 

ソフトウェア

特徴 

固有の特徴 

分野で特定された機能面の特徴 

品質面の特徴(機能適合性,信頼性,性能効率性,使用性,セキュリティ,
互換性,保守性,移植性) 

割り当てられた特徴 

参考価格,納入日,将来製品,製品供給者のような管理面の特徴 

図C.6−ソフトウェア特徴 

注記2 分野で特定された機能面の特徴は,通常は,入力データの出力データへの変換と関係してい

る。追加の機能は,品質特徴及び制約を実装するために必要とされてもよい。 

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C.7 内部測定量,外部測定量及び利用時の品質測定量 

各副特性に対して,ソフトウェアの能力は,測定可能な静的な内部特徴の集合によって決定される。内

部測定量の例は,ISO/IEC TR 9126-3(ISO/IEC 25022で置換予定)に提供されている。外面的には,特性

及び副特性は,ソフトウェアを含むシステムによって,能力が提供される度合いによって測定することが

できる。外部測定量の例は,ISO/IEC TR 9126-2(ISO/IEC 25023で置換予定)に提供されている。 

システム及び/又はソフトウェア品質の外部測定量は,システム及び/又はソフトウェアの“ブラック

ボックス”ビューを提供し,コンピュータハードウェア及びオペレーティングシステム上のソフトウェア

の実行に関係する特徴を取り扱っている。ソフトウェア品質の内部測定量は,ソフトウェアの“ホワイト

ボックス”ビューを提供し,通常は開発中に評価できるソフトウェア製品の静的特徴を取り扱っている。

内部的に測定されたソフトウェアの品質は,外部的に測定されたシステム及び/又はソフトウェアの品質

の影響を与える。そして,それは,システムの利用時の品質に影響を与える。 

例 JIS Z 8524のインタフェース設計手引のメニューへの適合性の度合いによって内部的に測定され

る運用操作性は,利用者がメニューを巧みに操ることができる程度によって外部的に運用操作性

を測定することができる。そして,それは,作業(利用時の品質)を実行するとき,有効性,効

率性及び満足性に貢献する。 

静的特徴の検査に基づく内部測定量は,ソフトウェア作業生産物(表C.1参照)の固有の特徴を測定す

るために使用することができる。静的分析手法には,検査及び自動分析ツールを含む。作業生産物には,

要求事項文書及び設計文書,ソースコード,並びに試験手順を含む。 

動的特徴の外部測定量は,コンピュータシステム(図5の対象コンピュータシステム)の固有の特徴及

びソフトウェア製品のシステム依存特徴を測定するために利用できる。 

(実際の使用又は模擬使用の結果の試験又は観察から導き出される)利用時の品質測定量は,ソフトウ

ェア,ハードウェア,通信及び利用者を含むことができるシステムの本質的特徴,並びにソフトウェア集

約的なコンピュータシステム又はソフトウェア製品のシステム依存特徴を測定する。 

表C.1−内部品質測定量,外部品質測定量及び利用時の品質測定量の違い 

測定された特徴の種類 

ソフトウェア製品

の特徴 

コンピュータシステム

の振る舞いの特徴 

人間−コンピュータ間システムの

影響の特徴 

品質測定量の種類 

内部:静的特徴の
検査 

外部:動的特徴の試験又
はモデル化 

利用時の品質:実際の使用又は模擬
使用の結果の試験又は観察 

ソフトウェア製品の属性の
特徴 

固有 

コンピュータシステム
依存 

人間−コンピュータ間のシステム
依存 

コンピュータシステムの特
徴の種類 

固有 

人間−コンピュータ間のシステム
依存 

人間−コンピュータ間のシ
ステムの特徴の種類 

固有 

ソフトウェアの内部測定量は,システム及び/又はソフトウェア品質の外部測定量を予測するために,

システム及び/又はソフトウェア開発プロセスの初期段階で使用することができる。多くの場合,同じ属

性に対して内部測定量と外部測定量とがある。例えば,応答時間を測定した外部測定量と,そのような外

部測定量を推定するための内部測定量とである。 

ソフトウェア製品の品質測定量の例は,ISO/IEC TR 9126-2及びISO/IEC TR 9126-3(それぞれISO/IEC 

25023及びISO/IEC 25022で置換予定)で提供している。 

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X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

C.8 製品品質とデータ品質との関係 

JIS X 25012のデータ品質モデルは,製品品質モデルを補完している。 

− 固有のデータ品質(表C.2)及び内部的に測定されたソフトウェア品質(表C.1)は,両者ともコンピ

ュータシステムの全体の品質に貢献している。 

− システム依存のデータ品質の測定量及び外部ソフトウェア品質の測定量は,コンピュータシステムの

類似の局面を総合評価する。違いは,システム依存の測定量がデータがコンピュータシステムの品質

に引き起こす貢献に焦点を当てているのに対して,外部ソフトウェア品質の測定量がソフトウェアの

貢献に焦点を当てていることである。しかし,両方の場合において,実際に測定されたものは,コン

ピュータシステムの特徴である。 

表C.2−データの本質的特徴とコンピュータシステム特徴との関係 

測定された特徴の種類 

データの本質的特徴 

コンピュータシステム特徴 

品質測定量の種類 

固有のデータ品質 

システム依存のデータ品質 

データの特徴の種類 

固有 

コンピュータシステム依存 

コンピュータシステムの特徴の種類 

固有 

37 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

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[2] IEEE 610.12-1990,IEEE Standard Glossary of Software Engineering Terminology 

[3] IEEE 1517-1999 (R2004),IEEE Standard for Information Technology−Software Life Cycle Processes−

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[4] JIS X 0001:1994 情報処理用語−基本用語 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 2382-1:1993,Information technology−Vocabulary−Part 1: Fundamental 

terms(MOD) 

[5] JIS X 0014:1999 情報処理用語−信頼性,保守性及び可用性 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 2382-14:1997,Information technology−Vocabulary−Part 14: Reliability, 

maintainability and availability(IDT) 

[6] JIS X 0020:1992 情報処理用語(システム開発) 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 2382-20:1990,Information technology−Vocabulary−Part 20: System 

development(MOD) 

[7] JIS X 5004:1991 開放型システム間相互接続の基本参照モデル−安全保護体系 

注記 対応国際規格:ISO 7498-2:1989,Information processing systems−Open Systems Interconnection

−Basic Reference Model−Part 2: Security Architecture(IDT) 

[8] JIS Q 9001:2000 品質マネジメントシステム−要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 9001:2000,Quality management systems−Requirements(IDT) 

[9] JIS X 0129-1:2003 ソフトウェア製品の品質−第1部:品質モデル 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 9126-1:2001,Software engineering−Product quality−Part 1: Quality 

model(IDT) 

[10] ISO/IEC TR 9126-2:2003,Software engineering−Product quality−Part 2: External metrics 

注記 対応標準仕様書:TS X 0111-2:2009 ソフトウェア製品の品質−第2部:JIS X 0129-1による

外部測定法(IDT) 

[11] ISO/IEC TR 9126-3:2003,Software engineering−Product quality−Part 3: Internal metrics 

注記 対応標準仕様書:TS X 0111-3:2009 ソフトウェア製品の品質−第3部:JIS X 0129-1による

内部測定法(IDT) 

[12] ISO/IEC TR 9126-4:2004,Software engineering−Product quality−Part 4: Quality in use metrics 

注記 対応標準仕様書:TS X 0111-4:2009 ソフトウェア製品の品質−第4部:JIS X 0129-1による

利用時の品質測定法(IDT) 

[13] JIS Z 8521:1999 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−使用性についての手引 

注記 対応国際規格:ISO 9241-11:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display 

terminals (VDTs)−Part 11: Guidance on usability(IDT) 

[14] JIS Z 8524:1999 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話 

注記 対応国際規格:ISO 9241-14:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display 

terminals (VDTs)−Part 14: Menu dialogues(IDT) 

38 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[15] JIS Z 8520:2008 人間工学−人とシステムとのインタラクション−対話の原則 

注記 対応国際規格:ISO 9241-110:2006,Ergonomics of human-system interaction−Part 110: Dialogue 

principles(IDT) 

[16] JIS X 0160:2012 ソフトウェアライフサイクルプロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 12207:2008,Systems and software engineering−Software life cycle 

processes(IDT) 

[17] JIS Q 13335-1:2006 情報技術−セキュリティ技術−情報通信技術セキュリティマネジメント−第1

部:情報通信技術セキュリティマネジメントの概念及びモデル 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 13335-1:2004,Information technology−Security techniques−

Management of information and communications technology security−Part 1: Concepts and models 

for information and communications technology security management(IDT) 

[18] JIS X 0133-2:2001 ソフトウェア製品の評価−第2部:計画及び管理 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 14598-2:2000,Software engineering−Product evaluation−Part 2: 

Planning and management(IDT) 

[19] JIS X 0133-3:2001 ソフトウェア製品の評価−第3部:開発者のプロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 14598-3:2000,Software Engineering−Product evaluation−Part 3: Process 

for developers(IDT) 

[20] JIS X 0133-4:2001 ソフトウェア製品の評価−第4部:取得者のプロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 14598-4:1999,Software engineering−Product evaluation−Part 4: Process 

for acquirers(IDT) 

[21] JIS X 0133-5:1999 ソフトウェア製品の評価−第5部:評価者のプロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 14598-5:1998,Information technology−Software product evaluation−Part 

5: Process for evaluators(IDT) 

[22] JIS X 0133-6:2002 ソフトウェア製品の評価−第6部:評価モジュールの文書化 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 14598-6:2001,Software engineering−Product evaluation−Part 6: 

Documentation of evaluation modules(IDT) 

[23] JIS X 0134:1999 システム及びソフトウェアに課せられたリスク抑制の完全性水準 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 15026:1998,Information technology−System and software integrity levels

(IDT) 

[24] ISO/IEC 15504-1〜-5,Information technology−Process assessment 

注記 第1部〜第4部は,JIS X 0145-1〜-4 情報技術−プロセスアセスメントとしてJIS発行済み。 

[25] JIS X 0170:2013 システムライフサイクルプロセス 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 15288:2008,Systems and software engineering−System life cycle 

processes(IDT) 

[26] ISO/IEC 24765:2010,Systems and software engineering−Vocabulary 

[27] JIS X 25000:2010 ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−SQuaREの指針 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 25000:2005,Software Engineering−Software product Quality 

Requirements and Evaluation (SQuaRE)−Guide to SQuaRE(IDT) 

[28] JIS X 25012:2013 ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−データ品質モデル 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 25012:2008,Software engineering−Software product Quality 

39 

X 25010:2013 (ISO/IEC 25010:2011) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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[30] JIS X 25030:2012 ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−品質要求事項 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 25030:2007,Software engineering−Software product Quality 

Requirements and Evaluation (SQuaRE)−Quality requirements(IDT) 

[31] ISO/IEC 25040,Systems and software engineering−Systems and software Quality Requirements and 

Evaluation (SQuaRE)−Evaluation process 

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Common Industry Format (CIF) for usability test reports