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X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

3

2

  適合性

3

3

  引用規格

3

4

  用語及び定義 

3

5

  SQuaRE:ソフトウェア製品の品質要求及び評価の規格

11

5.1

  SQuaRE シリーズの構成 

11

5.2

  SQuaRE シリーズの規格の概要

12

5.3

  SQuaRE 共通モデル 

13

附属書 A(参考)SQuaRE シリーズと他の規格との関係 

18

附属書 B(参考)JIS X 0133 規格群及び JIS X 0129 規格類の概要 

22

附属書 C(参考)JIS X 0129 規格類,JIS X 0133 規格群から SQuaRE シリーズへの 

規格の歴史及び変遷

36

附属書 D(参考)SQuaRE シリーズ規格の適用の例 

39

参考文献

41


X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 X

25000

:2010

(ISO/IEC 25000

:2005

)

ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)

−SQuaRE の指針

Software engineering-Software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)-Guide to SQuaRE

序文 

この規格は,2005 年に第 1 版として発行された ISO/IEC 25000 を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“

注記”は,対応国際規格にはない事項である。

コンピュータの利用が広範な領域に広がりつつあり,その正しい運用は,しばしば事業の成功及び/又

は人の安全性に関して重大な意味をもっている。したがって,高品質のソフトウェア製品を開発すること

又は選択することは,最も重要なこととなっている。ソフトウェア製品の品質に関する包括的な仕様化及

び評価が,適切な品質を確保するための主要な要因である。これは,ソフトウェア製品の使用目的を考慮

して,適切な品質特性を定義することによって達成することができる。可能ならば,妥当性が確認され又

は広く受け入れられた測定量を用いて,すべての関連するソフトウェア製品の品質特性を仕様化し,評価

することが重要となる。

品質特性及び関連する測定量は,ソフトウェア製品の評価だけではなく,品質要求の定義に対して利用

可能であるので,SQuaRE シリーズの先行規格の JIS X 0129:1994 は,JIS X 0129 規格類(ソフトウェア製

品の品質)及び JIS X 0133 規格群(ソフトウェア製品の評価)に置き換えられた。この規格群及び規格類

を実務で利用した結果から得られた次の点が,新たな SQuaRE シリーズの作成を推し進めるための論理的

な理由となった。

注記  日本工業規格では,部で構成する規格がある場合,この部編成の規格全体を総称して,“規格群”

と呼ぶ。また,日本工業規格になっていない国際規格,技術仕様書及び技術報告書を含めて,

規格全体を総称する場合は,

“規格類”と呼ぶ。JIS X 0129 規格類は,JIS X 0129-1ISO/IEC TR 

9126-2

ISO/IEC TR 9126-3ISO/IEC TR 9126-4 の総称であり,JIS X 0133 規格群は,JIS X 

0133-1

JIS X 0133-2JIS X 0133-3JIS X 0133-4JIS X 0133-5JIS X 0133-6 の総称である。

−  JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群は,規定,参照及び機能について,共通の根元をもっている。

−  JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群は,相互に補完的な規格の集合を形成している。

−  双方の規格を作成した時期(ライフサイクル)が同期していないことが,相互の不整合の原因となっ

ている。

SQuaRE

シリーズを作成する全般的な目標は,次の二つの主要なプロセスを網羅する,論理的に構成さ

れ,拡張され,統合された規格群に移行することにある。その二つのプロセスとは,ソフトウェア品質要

求の仕様化プロセス及びソフトウェア品質評価プロセスであり,共にソフトウェア品質測定プロセスによ

って支援される。SQuaRE シリーズの目的は,ソフトウェア製品を開発する人及び取得する人が,品質要


2

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

求を仕様化し評価するのを支援することにある。SQuaRE シリーズは,ソフトウェア製品の品質要求の仕

様化,それらの測定,及び評価の基準を確立する。SQuaRE シリーズは,顧客の定義する品質を開発プロ

セスの属性と整合させるために,2 部構成の品質モデルを含んでいる。加えて,SQuaRE シリーズは,開発

者,取得者及び評価者が使用することのできる,ソフトウェア製品品質属性を測定するために望ましい測

定量を提供する。

SQuaRE

シリーズが,ソフトウェア製品品質だけに専心して作成されていることを強調しておかなけれ

ばならない。ISO/IEC 2500n:品質管理部門は,ソフトウェア製品の品質要求の仕様化,測定及び評価を

扱っており,JIS Q 9000 ファミリで定義された“品質マネジメント”のプロセスとは別の異なったものに

なる。

先行規格と比べて SQuaRE シリーズの主要な利点は,次のことにある。

−  ソフトウェア製品品質の測定及び評価の手引との調整がとられている。

−  ソフトウェア製品の品質要求の仕様化の手引との調整がとられている。

−  ISO/IEC 25020 で提供されたソフトウェア製品の品質測定の参照モデルという形式で,JIS X 0141 

の一貫性がとられている。

JIS X 0129

規格類及び JIS X 0133 規格群と SQuaRE シリーズとの主要な相違点は,次のとおりである。

−  新しい一般参照モデルの導入

−  各部門に対して専用の詳細な手引の導入

−  品質測定部門内における品質測定量の要素の導入

−  品質要求部門の導入

−  評価プロセスの統合及び改正

−  例示形式による実務で利用するための手引の導入

−  JIS X 0141 との内容の調整及び一貫性

SQuaRE

シリーズは,次の部門から構成される。

−  ISO/IEC 2500n:品質管理部門

−  ISO/IEC 2501n:品質モデル部門

−  ISO/IEC 2502n:品質測定部門

−  ISO/IEC 2503n:品質要求部門

−  ISO/IEC 2504n:品質評価部門

ISO/IEC 25050

から ISO/IEC 25099 までは,SQuaRE シリーズを拡張して作成する国際規格及び/又は

標準情報のために予約している。

SQuaRE

シリーズは,次のものを提供する。

−  用語及び定義

−  参照モデル

−  全般的な手引

−  個別部門の手引

−  要求の仕様化,計画及び管理,測定及び評価のための規格

SQuaRE

シリーズは,品質要求及び評価だけでなく,品質モデル及び測定量の規格を含む。

SQuaRE

シリーズは,現行の JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群を置き換える。

SQuaRE

シリーズのこの部は,参照モデル,専門用語,定義並びに関連する規格及び標準情報の実務へ

の利用のための手引の共通集合を提供することを目標にした,新たな規格である。


3

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

適用範囲 

この規格は,ソフトウェア品質要求及び評価(SQuaRE)と命名された新しい規格群の利用の手引を提供

する。この手引の目的は,規格間の関連だけではなく,SQuaRE の内容,共通参照モデル及び定義の全般

的な概観を提供し,手引の利用者が,SQuaRE シリーズの利用目的に沿って,それらをよりよく理解でき

るようにすることにある。この規格は,JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群と SQuaRE シリーズとの

間の移行プロセスの説明を含んでおり,以前の構造で作成された JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群

の利用方法についての情報も提供している。

SQuaRE

シリーズは,それだけに限定しないが,ソフトウェア製品の開発者,取得者及び独立した評価

者向けのものであり,その中でも特に,ソフトウェア品質要求の定義及びソフトウェア製品の評価に責任

をもつ人向けのものである。SQuaRE シリーズの利用者だけでなく,JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 

格群の利用者もまた,この規格を自身の作業を実行するための手引として利用することが望ましい。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 25000:2005

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation

(SQuaRE)

−Guide to SQuaRE (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,一致していること

を示す。

適合性 

この規格には,適合性を問う箇条は特にない。利用者は,SQuaRE シリーズの利用目的に応じて,SQuaRE

シリーズの個々の規格で規定された個別の適合性の箇条に従うことが望ましい。

引用規格 

この規格は,引用規格を必要としない。すべての参照規格を,参考文献に示す。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

注記  ここでの定義は,すべての SQuaRE シリーズに共通する。

4.1 

取得者(acquirer)

供給者から,システム,ソフトウェア製品又はソフトウェアサービスを,取得又は調達する個人又は組

織(JIS X 0160: 1996 参照)

4.2 

分析モデル(analysis model)

一つ以上の基本測定量及び/又は導出測定量を,

関連する判断基準に結び付けるアルゴリズム又は計算。

4.3 

属性(attribute) 

人手又は自動的な手段によって,定量的又は定性的に識別できる固有の特性又は特徴(JIS X 0141: 2009

参照)


4

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

4.4 

品質測定量のための属性(attribute for quality measure)

ソフトウェア製品自体,ソフトウェア製品の使用又はソフトウェア製品の開発にかかわる属性。

注記  品質測定量の属性は,品質測定量の要素(QME)を得るために使用する。

4.5 

基本測定量(base measure)

単一の属性とそれを定量化するための方法とで定義した測定量。

注記  基本測定量は,他の測定量と機能的に独立した測定量である(JIS X 0141: 2009 参照)。

4.6 

商用既製ソフトウェア製品,COTS ソフトウェア製品(commercial-off-the-shelf software product)

市場からのニーズを取り入れ,商品として利用でき,広範囲の一般利用者によって利用のしやすさが実

証されているソフトウェア製品。

4.7 

利用状況(context of use)

利用者,仕事,装置(ハードウェア,ソフトウェア及び資材)

,並びに製品が使用される物理的及び社会

的環境(JIS Z 8521: 1999)

4.8 

カスタムソフトウェア(custom software)

利用者の要求定義に基づいて特定の用途のために開発されたソフトウェア製品。

4.9 

データ(data)

基本測定量,導出測定量及び/又は指標に割り当てられた値の集合(JIS X 0141: 2004)

4.10 

判断基準(decision criteria)

アクション若しくは追加調査の必要性を決めるため又は与えられた結果の信頼度のレベルを記述するた

めに使う,しきい(閾)値,目標又はパターン(JIS X 0141: 2009)

4.11 

導出測定量(derived measure)

複数の基本測定量の値の関数として定義した測定量(JIS X 0141: 2009 参照)

注記  数学的関数を用いた基本測定量の変換も導出測定量として扱うことができる。

4.12 

開発者(developer)

ソフトウェアライフサイクルプロセスを通して,開発作業(要求分析,設計及び受入れテストを含む。

を遂行する組織(JIS X 0160: 1996 参照)

4.13 

規格の部門(division of standards)

規格の集合であって,他の規格集合とは補完的な目的にかなうもの。

4.14 

エンドユーザ(end user)

システムの結果から最終的な利益を得る人。


5

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

注記  エンドユーザは,ソフトウェア製品の専任の運用者又は公共の一員のような一時的な使用者で

もよい。

4.15  

実体(entity)

その属性を測定することによって特徴付けが行われる対象。

例  実体としては,プロセス,製品,プロジェクト又は資源がある(JIS X 0141: 2009)。

4.16  

評価方法(evaluation method)

特定の製品構成要素又は製品全体に対して,仕様化された測定の結果を得るために,評価者によって実

行される行為を記述した手続。

4.17 

評価モジュール(evaluation module)

ソフトウェア品質特性,品質副特性又は属性を測定するための評価技術の組。

注記  評価モジュールは,評価方法及び技法,評価対象入力及び測定し収集すべきデータ,並びに支

援手続及びツールを含む。

4.18 

評価者(evaluator)

評価を行う人又は組織。

4.19 

外部ソフトウェア品質(external software quality)

システムが特定の条件のもとで使用されたときに,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たすように,シ

ステムが行動できるようにするソフトウェア製品の能力。

注記  行動の属性は,ソフトウェア製品の試験中及び運用中にソフトウェア製品を実行することによ

って検証及び/又は妥当性確認ができる。

例  試験中に見つかった故障数は,プログラムに現存している障害数に関連した外部ソフトウェア品

質測定量をいう。ただし,試験ではすべての障害を見つけられないし,障害は異なった状況では

明らかに異なった故障を引き起こすかもしれないので,試験中の故障数とプログラム内の障害数

とは,一致するものではない。

4.20 

故障(failure)

要求された機能を遂行する製品の能力が尽きる状態,又は事前に仕様化された制限内で機能を遂行する

製品の能力がない状態(IEEE 610.12-1990 参照)

4.21 

障害(fault)

計算機プログラム内の不正確なステップ,プロセス又はデータの定義(IEEE 610.12-1990)

4.22 

機能要求(functional requirement)

システム又はシステムの構成要素が実行できなければならない機能を指定する要求(IEEE 610.12-1990)

注記  “機能性”というソフトウェア品質特性は,合目的性,正確性,相互運用性,セキュリティ及

び機能性標準適合性の仕様化又は評価に使用することができる

JIS X 0129-1

ISO/IEC 25010


6

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

4.23 

暗黙のニーズ(implied needs)

明示されていないが,事実上のニーズ。

注記  暗黙のニーズには,ソフトウェア製品が特定の条件下で利用されて初めて明らかになるものが

ある。

例  暗黙のニーズには,次のものがある。

−  提示されていないが,他の明示的ニーズによって暗示されたニーズ

−  明らかで,いうまでもないとみなされているので提示されないニーズ

4.24 

指標(indicator)

定義された情報ニーズに関するモデルから導出した特定の属性の見積り又は評価を示す測定量(JIS X 

0141: 2009

注記  JIS X 0133 では,この定義は,

“他の測定値の見積り又は予測に使うことができる測定値”とさ

れている。

4.25 

情報ニーズ(information need)

目的,目標,リスク及び問題点を管理するために必要となる見解(JIS X 0141: 2009)

4.26 

情報成果物(information product)

ある情報ニーズに着目した一つ以上の指標及びそれに関連する解釈。

例  欠陥率の実績を予測と比較して,その違いが問題となるかどうかを総合評価したもの(JIS X 0141:

2009

4.27 

情報システムニーズ(information system needs)

品質要求について外部測定法及び,ときには内部測定法によって規定できるニーズ。

4.28 

中間ソフトウェア製品(intermediate software product) 

ソフトウェア開発プロセスの他の段階に入力として利用されるソフトウェア開発プロセスの製品。

例  中間ソフトウェア製品は,静的及び動的モデル,他の文書並びにソースコードを含んでいる。

4.29 

ソフトウェア中間製品へのニーズ(intermediate software product needs)

内部測定量によって品質要求として規定することができるニーズ。

4.30 

内部ソフトウェア品質(internal software quality)

ソフトウェア製品が特定の条件のもとで使用されたときに,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たす能

力をもたらすソフトウェア製品の静的な属性の集合の能力。

注記 1  静的な属性は,ソフトウェアアーキテクチャ,構造及びその構成部品に関係する属性を含む。

注記 2  静的な属性は,レビュー,検査及び/又は自動化ツールによって検証することができる。

例  コード行数,複雑度の測定量及びウォークスルーで発見した障害の数は,すべて,ソフトウェア

製品そのものに作りこまれた内部ソフトウェア品質の測定量をいう。


7

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

4.31 

保守者(maintainer)

保守活動を実施する個人又は組織(JIS X 0160:1996 参照)

4.32 

測定量(名詞)[measure(noun)]

測定の結果として値が割り当てられる変数。

注記  “測定量”という用語は,基本測定量,導出測定値及び指標をまとめて参照するために使う(JIS 

X 0141: 2009

4.33 

測定する(動詞)[measure(verb)]

測定を行う行為(JIS X 0133-1:1999)

4.34 

測定(measurement)

測定量の値を決定するという目的をもった操作の集合(JIS X 0141: 2009)

注記  測定は,ソースプログラムの言語(例えば,ADA,C,COBOL)などの定量的分類を指定する

ことを含むことができる。

4.35 

測定の関数(measurement function)

複数の基本測定量を結合するために遂行するアルゴリズム又は計算(JIS X 0141: 2009)

4.36 

測定方法(measurement method)

特定の尺度に関して属性を定量化するために使う一連の操作の論理的な順序を一般的に記述したもの

JIS X 0141: 2009)

4.37 

測定手続(measurement procedure)

与えられた方法に従って,ある特定の測定を遂行するときに使う具体的に記述した操作の集合(JIS X 

0141: 2009

4.38 

測定プロセス(measurement process)

プロジェクト全体又は組織における測定の仕組みの中でソフトウェアの測定を確立,計画,遂行及び評

価するためのプロセス。

4.39 

観測(observation)

基本測定量に対する値を得るために測定手続を適用する実現例(JIS X 0141: 2009)

4.40 

運用者(operator)

システムを運用する個人又は組織(JIS X 0160: 1996 参照)

4.41 

プロセス(process)

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一覧の活動(JIS Q 9000:


8

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

2006

4.42 

利用時の品質(測定量)[quality in use(measure)]

特定の利用者の使用する製品が,特定の利用状況において,有効性,生産性,安全性及び満足度に関し

て特定の目標を達成するための利用者ニーズを満たす程度。

4.43 

品質測定量の要素(quality measure elements)

ソフトウェア品質測定量を構成する測定量。基本測定量又は導出測定量のいずれかである。

注記  ある実体のソフトウェア品質特性又は品質副特性は,ソフトウェア品質測定量を計算した後,

導出される。

4.44 

品質モデル(quality model)

品質要求の仕様化及び品質評価に対する枠組みを提供する特性の定義された集合及び特性間の関係の集

合。

4.45 

評定(rating)

測定値を適切な評定水準に対応付ける行為。特定の品質特性に対して,ソフトウェア製品に関連する評

定水準を決定するために使用される。

4.46 

評定水準(rating level)

順序尺度上の点のことで,測定尺度を分類するために使用される。

注記 1  評定水準は,明示的ニーズ又は暗黙のニーズに基づいて,ソフトウェア製品を分類(評定)

することを可能にする。

注記 2  適切な評定水準は,例えば,利用者,管理者,開発者のような異なる品質の視点に関係付け

てもよい。

4.47 

要求(requirements)

何かを達成して欲しい,又は何かを実現して欲しい,というはっきりしたニーズの表現。

注記  要求は,契約の一部として仕様化してもよい。また,例えば,消費者向けソフトウェアのよう

な不特定の利用者のために製品を開発する場合のように,開発組織が仕様化してもよい。利用

者が比較及び選択する目的のために製品を評価する場合のように,より一般化してもよい。

4.48 

尺度(scale)

連続的若しくは離散的な値の順序集合又は分類の集合で,それに属性を対応付けるもの(JIS X 0141: 

2004

参照)

注記  尺度の種別の例を,次に示す。

−  分類の集合に対応する名義尺度

−  尺度上の点の順序に対応する順序尺度

−  順序付けられた等間隔の点をもつ尺度である間隔尺度

−  順序付けられた等間隔の点と絶対値ゼロの点とをもつ尺度である比率尺度(比例尺度,比


9

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

尺度とも呼ぶ。

測定量は,定性的なデータを扱う場合には,名義尺度又は順序尺度を使用し,定量的なデー

タを扱う場合には,間隔尺度又は比率尺度を使用する。

4.49 

ソフトウェア製品(software product)

計算機プログラム,手続並びにその関連する文書及びデータを含めたまとまり(JIS X 0160: 1996)

注記 1  製品は,開発者,保守者などの利用者向けに作成された製品及び中間製品を含む。

注記 2 SQuaRE シリーズでは,ソフトウェア品質はソフトウェア製品品質と同じ意味をもつ。

4.50 

ソフトウェア製品評価(software product evaluation)

特定の手続に従って,ソフトウェア製品の一つ以上の特性の総合評価を行うことによって構成される技

術的操作。

4.51 

ソフトウェア品質(software quality)

特定の条件で利用する場合の,

明示的ニーズ又は暗黙のニーズを満たすためのソフトウェア製品の能力。

注記  この定義は,JIS Q 9000: 2006 の品質定義と異なる。主な理由は,ソフトウェア品質の定義が明

示的ニーズ又は暗黙のニーズの満足に言及しているのに対し,JIS Q 9000 の品質定義が要求の

満足に言及していることによる。

4.52  

ソフトウェア品質特性(software quality characteristic)

ソフトウェア品質に影響を及ぼすソフトウェア品質属性の分類。

注記  ソフトウェア品質特性は,複数の階層の副特性及び最終的にはソフトウェア品質属性に改善し

てもよい。

4.53  

ソフトウェア品質評価(software quality evaluation)

ソフトウェア製品が,明示的ニーズ又は暗黙のニーズをどれだけ満たすことができるかの程度を示すた

めの体系的な審査。

4.54  

利用時のソフトウェア品質(software quality in use)

特定の利用者が,特定の利用状況において,有効性,生産性,安全性及び満足度に関する特定の目標を

達成できるためのソフトウェア製品の能力。

注記  製品を引き渡す前は,試験環境で,対象とする利用者,目標及び利用状況のために,利用時の

品質を特定し測定することができる。利用時は,実際の利用者,目標及び利用状況のために,

利用時の品質を測定できる。実際の利用時の品質が試験環境で,より早い段階に測定した利用

時の品質と異なることがあるので,利用者の実際のニーズが,要求として予期したものと同じ

でなくてもよい。

4.55  

ソフトウェア品質測定(software quality measure)

内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質又は利用時のソフトウェア品質の測定。

注記  内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質又は利用時のソフトウェア品質は,JIS X 0129-1


10

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

ISO/IEC 25010)の品質モデルに記述されている。

4.56 

利害関係者(stakeholder)

システムに,権利,持分又は請求権をもっている関係者。又は,関係者のニーズ及び期待に合う特性を

システムがもっていることに,権利,持分又は請求権をもっている関係者(JIS X 0170: 2004)

注記  利害関係者には,エンドユーザ,エンドユーザの組織,支援者,開発者,製作者,教育訓練者,

保守者,廃棄者,取得者,供給者組織及び規制団体を含むが,それだけには限定はされない。

4.57  

供給者(supplier)

取得者と契約を交わし,その条項に基づいてシステム,ソフトウェア製品又はソフトウェアサービスを

提供する組織(JIS X 0160: 1996)

4.58  

システム(system)

一つ以上の明記された目的を達成するために編成された相互に影響する要素を組み合わせたもの。

注記 1  システムとは,それが提供する製品又はサービスとみなしてもよい。

注記 2  実際には,その意味の解釈は,例えば,航空機システムのように組み合わされた名詞の使用

によってしばしば明確にされる。別の表現として,システムという言葉を使わずに,例えば,

航空機という,文脈に依存する同義語によって単に置き換えられる可能性がある。ただ,こ

れは,システム原則の全体像があいまい(曖昧)になる(JIS X 0170: 2004)

4.59 

プロセス対象(target of process)

測定プロセス又は評価プロセスが適用される,ソフトウェア製品,又はソフトウェア製品によって実行

されるタスク。

4.60 

測定の単位(unit of measurement)

取決め又は慣習に従って定義し採用した特別の量で,

同じ種類の他の量をそれと比較することによって,

その量の相対的な大きさを表現するためのもの(JIS X 0141: 2009)

4.61 

利用者(user)

ある機能を果たすシステムを利用する個人又は組織。

注記  利用者には運用者,ソフトウェアがもたらす結果の受給者,又はソフトウェアの開発者若しく

は保守者を含めてもよい(JIS X 0141: 2009)

4.62  

妥当性確認(validation)

客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされてい

ることを確認すること。

注記 1  “妥当性確認済み”という用語は,妥当性確認が済んでいる状態を表すために用いられる(JIS 

Q 9000: 2006

注記 2  設計及び開発において,妥当性確認は,利用者のニーズへの適合性を決定するために製品を

検査するプロセスに関与する。


11

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

注記 3  妥当性確認は,通常,定義された運用条件の下で最終製品に対して実施される。妥当性確認

は,より早期の工程が必要となってもよい。

注記 4  複数の異なる意図された用途があるときには,複数の妥当性確認を実行してもよい。

4.63 

値(value)

測定することによって,ある実体がもつ属性へ割り付けられた数値又は分類。

4.64 

検証(verification)

客観的証拠を提示することによって,規定要求事項が満たされていることを確認すること。

注記 1  “検証済み”という用語は,検証が済んでいる状態を示すために用いられる(JIS Q 9000:

2006

注記 2  設計及び開発において,検証は,与えられた活動に対する明示された要求との適合性を決定

するために,与えられた活動の結果を検査するプロセスに関与する。

5 SQuaRE

ソフトウェア製品の品質要求及び評価の規格 

ここでは,SQuaRE シリーズの構造及び内容の概要を提供する。目的は,この SQuaRE シリーズの利用

者が適切な文書の効果的な選択ができるように,必要情報を提供することにある。

5.1 SQuaRE

シリーズの構成 

図 1SQuaRE シリーズ規格の構成 

図 に,SQuaRE シリーズの構成を示す。

SQuaRE

モデル内の各部門は,次のようになっている。

注記  各部門の日本工業規格がまだ発行されていないので,部門の表題などは国際規格で表記する。

−  ISO/IEC 2500n

  品質管理部門  この部門の規格は,SQuaRE シリーズの,他のすべての規格から参照

される共通モデル,用語及び定義を規定する。規格を特定の応用事例に適用する場合の参照経路

ISO/IEC 25050

ISO/IEC 25099 

SQuaRE

拡張部門 

ISO/IEC 2503n 

品質要求部門 

ISO/IEC 2501n 

品質モデル部門 

ISO/IEC 2504n 

品質評価部門 

ISO/IEC 2502n 

品質測定部門 

ISO/IEC 2500n 

品質管理部門 


12

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

(SQuaRE シリーズ全体の手引)及び高水準の実際的な提案は,すべての種別の利用者への手助けを

提供する。  この部門は,ソフトウェア製品の品質要求の仕様化及び評価の管理に責任のある支援機能

のための要求事項及び手引も提供する。

−  ISO/IEC 2501n

  品質モデル部門  この部門の規格は,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品

質及び利用時のソフトウェア品質のための品質特性を含む詳細な品質モデルを提供する。さらに,内

部ソフトウェア品質特性及び外部ソフトウェア品質特性は,品質副特性に分解される。また,品質モ

デルの実際的な利用のための手引も提供する。

−  ISO/IEC 2502n

品質測定部門  この部門の規格は,ソフトウェア製品の品質測定の参照モデル,  品質

測定量の数学的な定義及び適用のための実際的な手引を含む。提供する測定量は,内部ソフトウェア

品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質に適用する。後に続く品質測定量のため

の基礎となる品質測定量の要素を定義し提供する。

−  ISO/IEC 2503n

品質要求部門  この部門の規格は,品質要求の仕様化を助ける。これらの品質要求

は,開発するソフトウェア製品の品質要求の導出又は評価プロセスのための入力として利用すること

ができる。要求定義プロセスは,JIS X 0170 に定義された技術プロセスに対応付けられる。

−  ISO/IEC 2504n

品質評価部門  この部門の規格は,評価者,取得者又は開発者が実施するかどうか,

ソフトウェア製品評価のための要求事項,推奨事項及び手引を提供する。評価モジュールとして測定

量の文書化のための支援も提供する。

−  ISO/IEC 25050ISO/IEC 25099  SQuaRE

拡張部門  この部門の規格は,特定の応用範囲を取り扱う

ソフトウェア製品品質の規格及び/又は標準情報を含むように指定されている。また,一つ以上の

SQuaRE

規格を補完するために利用できるソフトウェア製品品質の規格及び/又は標準情報を含むよ

うに指定されている。

5.2 SQuaRE

シリーズの規格の概要   

SQuaRE

シリーズは,SQuaRE モデルの五つの部門に分類した 14 の規格から構成される。ここでは,部

門に分類されたすべての規格の簡単な概要を提供する。文書は,括弧の中で取り上げた文書から部門に組

み込んでいる。

5.2.1 ISO/IEC 

2500n

  品質管理部門   

  JIS X 25000SQuaRE

の指針)は,SQuaRE シリーズの構成モデル,用語,  規格の概要,  対象利用者,

シリーズの関連する部分,及びシリーズ外の参照モデル(JIS X 0129-1 及び JIS X 0133-1)を示す。

 ISO/IEC 

25001

計画及び管理)は,ソフトウェアの品質要求の仕様化及び評価(JIS X 0133-2)の管

理に責任のある機能を支援するための要求事項及び手引を提供する。

5.2.2 ISO/IEC 

2501n

  品質モデル部門 

−  ISO/IEC 25010

品質モデル)は,ソフトウェア製品の内部ソフトウェア品質及び外部ソフトウェア

品質,並びに利用時のソフトウェア品質のためのモデルを規定する。規格は,内部ソフトウェア品質

及び外部ソフトウェア品質のための品質特性及び品質副特性,並びに利用時のソフトウェア品質のた

めの品質特性を提供する(JIS X 0129-1 及び JIS X 0133-1

5.2.3 ISO/IEC 

2502n

  品質測定部門   

−  ISO/IEC 25020

測定参照モデル及び手引)は,品質測定量の要素及び内部ソフトウェア品質・外部

ソフトウェア品質・利用時のソフトウェア品質の測定量に共通する,概要説明及び参照モデルを提供

する。また,関連する規格(JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133-1)から測定量を選択又は開発するた

め,及び適用するための利用者の手引も提供する。


13

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

−  ISO/IEC 25021

品質測定量の要素)は,ソフトウェア開発のライフサイクル全体で使用することを

意図しているので,一組の推奨する基盤測定量及び導出測定量についての定義及び仕様を提供する。

ISO/IEC 25021

は,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質の

入力として利用できる測定量の集合(JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133-1)を規定する。

−  ISO/IEC 25022

内部品質の測定)は,品質特性及び品質副特性に関する内部ソフトウェア品質の定

量的な測定のための内部測定量を定義する(ISO/IEC TR 9126-3

−  ISO/IEC 25023

外部品質の測定)は,品質特性及び副品質特性に関する外部ソフトウェア品質の定

量的な測定のための外部測定量を定義する(ISO/IEC TR 9126-2

−  ISO/IEC 25024

利用時の品質の測定)は,利用時のソフトウェア品質の測定のための測定量の集合

を規定する。利用時のソフトウェア品質の測定量の利用のための手引を提供する(ISO/IEC TR 9126-4

5.2.4 ISO/IEC 

2503n

  品質要求部門 

 ISO/IEC 25030

品質要求)は,品質要求のための要求事項及び推奨事項と同様に,品質要求を開発

するために利用するプロセスの要求事項及び手引を提供する(JIS X 0129 規格類,JIS X 0133-1JIS X 

0133-3

JIS X 0133-4 及び JIS X 0133-5

5.2.5 ISO/IEC 

2504n

  品質評価部門   

−  ISO/IEC 25040

評価参照モデル及び手引)は,ソフトウェア品質の仕様化及び評価のための一般的

な要求事項を含み,一般概念の明確化を行う。ソフトウェア製品の品質を評価するための枠組みを提

供し,ソフトウェア製品の測定及び評価のための方法に対する要求事項を提供する(JIS X 0129-1 

び JIS X 0133-1

−  ISO/IEC 25041

評価モジュール)は,評価モジュールを記述するために利用する文書の構造及び内

容を定義する(JIS X 0133-1

−  ISO/IEC 25042

開発者のための評価プロセス)は,開発と並行して評価を実施する場合に,ソフト

ウェア製品の評価を実際に実施するための要求及び推奨事項を提供する  (JIS X 0133-3)。

−  ISO/IEC 25043

取得者のための評価プロセス)は,  ソフトウェア製品の取得,  カスタムソフトウェ

ア製品の取得又は既存のソフトウェア製品の改造においてソフトウェア製品の品質の組織的な測定,

総合評価及び評価に関する要求,推奨事項及び手引を含む(JIS X 0141 及び JIS X 0133-4

−  ISO/IEC 25044

評価者のための評価プロセス)は,幾つかの関係者が評価結果を理解し,受け入れ,

信頼する必要があるとき,ソフトウェア製品の評価を実際に実施するための要求及び推奨事項を提供

する(JIS X 0133-5

5.2.6 ISO/IEC 

25050

25099

  SQuaRE 拡張部門   

 ISO/IEC 

25051

COTS

ソフトウェア製品の品質及び試験指示の要求)は,COTS ソフトウェア製品の

ための次の品質要求を確立する。

a)

試験要求,試験項目及び試験報告書を含めた,COTS ソフトウェア製品の試験のための試験文書の要

b) COTS

ソフトウェア製品の適合性評価のための指示

 ISO/IEC 25062

使用性の試験報告書のための業界共通様式)は,特定の利用状況における使用性の

試験結果をどのように報告するかを特定する。

5.3 SQuaRE

共通モデル 

5.3.1 

一般 

ここでは,SQuaRE シリーズの中で使用されるすべての共通モデルを示す。これらのモデルは,このシ


14

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

リーズを通して実用的な使いこなしの基盤を作り出すため,すべての専用の規格及び/又は詳細な規格か

ら更に参照される。次のモデルが提供されている。

− SQuaRE 一般参照モデル:利用者作業の機能に関する SQuaRE シリーズの利用案内

−  ソフトウェア製品の品質ライフサイクルモデル:ソフトウェアライフサイクルにおける内部ソフトウ

ェア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質の視点

−  品質モデル構造:特性,副特性及び品質属性に対するソフトウェア品質属性の分類


15

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

プロセスの目標

プロセス

実行

特定の手引

一般の手引

図 2SQuaRE 一般参照モデル

25022

25023

25024

25030

25041

25042

25043

25044

25021

25020

25010

25000

25040

25001

25001

業務システム

情報システム

ソフトウェア製品

内部ソフトウェア品質

外部ソフトウェア品質

利用時のソフトウェア品質

評価

要求仕様


16

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

5.3.2 SQuaRE

一般参照モデル 

SQuaRE

一般参照モデル(

図 2)は,利用者が SQuaRE シリーズを使いこなすことを助けるために作られ

た。

SQuaRE

シリーズからの適切な規格及び文書の選択は,利用者の役割及び情報ニーズに依存する。すべ

ての利用者は,特定の情報ニーズ及び役割に関係する部の規格に加えて,まず一般手引(この規格)を調

べることが望ましい。

5.3.3 

ソフトウェア製品品質のライフサイクルモデル 

ソフトウェア製品品質のライフサイクルモデル(

図 3)は,ソフトウェア製品ライフサイクルの三つの

主要な段階,すなわち,開発中の製品,運用中の製品及び利用中の製品におけるソフトウェア製品品質を

取り扱う。

−  開発中の製品の段階は,内部ソフトウェア品質を対象とする。

−  運用中の製品の段階は,外部ソフトウェア品質を対象とする。

−  利用中の製品の段階は,利用時のソフトウェア品質を対象とする。 

図 3−ソフトウェア製品品質のライフサイクルモデル

ソフトウェア製品品質のライフサイクルモデルは,ソフトウェア品質の実現が,要求,実現及び結果の

妥当性確認という品質の各種別に対してソフトウェア開発プロセスに似たプロセスを必要としていること

も示している。

利用時の品質要求は,エンドユーザの視点からの品質の要求水準を仕様化する。これらの要求は,利用

状況のニーズから導き出される。利用時の品質要求は,利用者がソフトウェア製品の妥当性確認を行うた

 
 
 
 
 

外部品質要求

 
 
 
 
 

内部品質要求

 
 
 
 
 
 

利用時の品質要求

 
 
 
 
 

外部品質

 
 
 
 
 

内部品質

 
 
 
 
 

利用時の品質

要求

ニーズ

製品

妥当性確認

検証及び

妥当性確認

検証

実現


17

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

めの対象として使用される。利用時の品質の特性のための要求は,利用時の品質の測定量を用いて品質要

求仕様の中に提示し,製品を評価するときの基準として利用することが望ましい。

注記  利用時の品質要求は,外部ソフトウェア品質要求を識別し,定義することに寄与する。

外部ソフトウェア品質要求は,外部の視点からの品質の要求水準を仕様化する。これらは,利用時の品

質要求を含め,利用者の品質要求から導き出された要求を含む。外部ソフトウェア品質要求は,ソフトウ

ェア製品の技術的な検証及び妥当性確認の対象として使用される。外部ソフトウェア品質の特性のための

要求は,外部測定量を用いて品質要求仕様の中で定量的に提示し,製品を評価する場合の基準として利用

することが望ましい。

注記 1  外部ソフトウェア品質要求は,内部ソフトウェア品質要求を識別し,定義することに寄与す

る。

注記 2  外部ソフトウェア品質評価は,利用時の品質を予測するために利用できる。

内部ソフトウェア品質要求は,製品内部の視点からの品質の要求水準を規定する。これらは,外部ソフ

トウェア品質要求から導き出された要求を含む。内部ソフトウェア品質要求は,中間ソフトウェア製品の

特徴を規定するために利用される。また,内部ソフトウェア品質要求は,文書類及びマニュアル(取扱説

明書)のような引渡可能だが実行可能ではないソフトウェア製品に適用してもよい。内部ソフトウェア品

質要求は,開発の様々な段階で検証の対象として利用することができる。また,これらは,開発戦略の定

義,開発期間中の評価及び検証のための基準の定義に,利用することができる。これは,SQuaRE シリー

ズの範囲外ではあるが,追加の測定量(例えば,再利用性に関するもの)の利用を含む。内部品質要求は,

内部測定量に関して,定量的に規定することが望ましい。

注記  内部ソフトウェア品質評価は,外部ソフトウェア品質を予測するために利用することができる。

5.3.4 

品質モデル構造 

SQuaRE

品質モデルでは,ソフトウェア品質を特性に分類し,これらの特性を,更に副特性及び品質属

性に分類する(

図 4  参照)。

SQuaRE

品質モデルは,二つの部分,すなわち,外部ソフトウェア品質及び内部ソフトウェア品質のた

めのモデル並びに利用時のソフトウェア品質のためのモデルから構成される。これらのモデルの詳細は,

ISO/IEC 25010

で提供する。ISO/IEC 25010 では,ソフトウェア製品の各品質特性及び副特性の詳細な定

義を示す。

図 4−品質モデル構造

特性 1

特性 2

特性 n

副特性 1

副特性 m

属性

属性

属性

副特性 2

属性

ソフトウェア製品品質


18

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

附属書 A

(参考)

SQuaRE

シリーズと他の規格との関係

A.1 

JIS X 0160: 2007

との関係 

JIS X 0160

は,明確な専門用語を使用して,ソフトウェアライフサイクルプロセスのための共通的な枠

組みを確立する。JIS X 0160 は,ソフトウェア製品の供給・開発・運用・保守において適用される,プロ

セス・アクティビティ・タスクを含んでいる。

開発者は,開発プロセスにおいて,品質特性仕様を含めて,ソフトウェア要求を確立し,文書化しなけ

ればならない。品質特性を仕様化するための指針は,ISO/IEC 25010 で見つけてもよい。品質要求に対す

る定量的な目標値を割り当てることを支援するために,

ISO/IEC 25022

ISO/IEC 25023

及び ISO/IEC 25024

を利用することができる。SQuaRE シリーズも開発プロセスにおいて,中間ソフトウェア製品及び最終ソ

フトウェア製品を評価するためにも利用することができる。

A.2 

JIS X 0145

規格群との関係 

JIS X 0145

規格群は,SPICE プロジェクトで得られた経験に基づく 5 部構成の規格群をいう。JIS X 0145

規格群は,ソフトウェアプロセスアセスメント及びプロセス能力の決定に利用することができる。

最初の基本的な仮定は,ソフトウェア製品の品質が開発に利用するプロセスによって大きく影響される

ということにある。したがって,ソフトウェア製品の品質を向上させるためには,ソフトウェアプロセス

の品質を改善させる必要がある。2 番目の仮定は,ソフトウェアプロセスの品質がこのプロセスを明確に

定義し,管理し,測定し,継続的に改善するために拡張されるということにある。これは,プロセスの能

力によって表現される。

アセスメントの入力は,JIS X 0145-2,アセスメントの実施で定義する。SQuaRE シリーズは,組織の測

定及び組織の品質プロセスをアセスメントするときに参照として利用してもよい。JIS X 0145 規格群は手

引を提供し,プロセス能力についての測定の枠組み及び次に示す要求を識別する。

a)

アセスメントの実施

b)

プロセス参照モデル

c)

プロセスアセスメントモデル

d)

プロセスアセスメントの適合性検証

A.3 

JIS Q 9000

ファミリとの関係 

次に示す JIS Q 9000 ファミリは,供給する製品にかかわらず,すべての業種及び規模の組織が効果的な

品質マネジメントシステムを実施し,運用することを支援するために開発された。

−  JIS Q 9000 は,品質マネジメントシステムの基本を説明し,品質マネジメントシステムの用語を規定

している。

−  ISO/IEC 90003 は,JIS Q 9001: 2000 をコンピュータソフトウェアの購入,供給,開発,運用及び保守

に適用するときの組織への指針を提供している。

−  JIS Q 9001 は,顧客の要求及び適用する規制要求を満たす製品を提供する能力があることの実証を組

織が必要とする場合に,並びに,顧客満足度の向上を目指す場合に,品質マネジメントシステムに対


19

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

する要求を特定している。

−  JIS Q 9004 は,品質マネジメントシステムの有効性及び効率性の双方を考慮した指針を提供している。

JIS Q 9004

の目的は,組織の能力の改善,並びに顧客及びその他の利害関係者の満足度の向上にある。

−  JIS Q 19011 は,品質マネジメントシステム及び/又は環境マネジメントシステム監査の手引を提供し

ている。

JIS Q 9000

ファミリは,国内取引及び国際取引における相互理解を促進する,整合性のある品質マネジ

メントシステムの規格を構成している。

JIS Q 9000

ファミリで規定されている品質マネジメントシステムの要求は,ISO/IEC JTC1/SC7 で規定さ

れているような,製品に対する要求を補完している。

品質マネジメントシステムの進め方は,組織が顧客の要求を分析すること,顧客が受入れ可能な製品を

達成するのに寄与するプロセスを定義すること,及びこのプロセスを制御下に置くことを奨励している。

品質マネジメントシステムは,顧客満足度を高める可能性を増加させるため,かつ,組織の競争力のある

優位性を向上させるための,継続的な改善の枠組みを提供している。それは,組織及び顧客に対して,一

貫して要求を満たす製品を供給することができるという信頼を提供する。

JIS Q 9000

は,JIS Q 9000 ファミリの主題である品質マネジメントシステムの基本を規定し,関連する

用語を定義する。

JIS Q 9000

は,次の組織及び人に適用できる。

a)

品質マネジメントシステムの実施によって,優位を求める組織

b)

製品要求が満足されるという信頼感を供給者から得ようとする組織

c)

製品の利用者

d)

品質マネジメントで用いられる用語の相互理解に関心のある人又は組織(例えば,供給者,顧客,規

制当局)

e)

品質マネジメントシステムのアセスメントを行う組織,又は JIS Q 9001 の要求との適合性について品

質マネジメントシステムを監査する組織の内部又は外部の人又は組織(例えば,監査員,規制当局,

認証・審査登録機関)

f)

組織に関する内部又は外部の人で,その組織に適切な品質マネジメントシステムに関して,助言又は

教育・訓練を行う者

g)

関連する規格の作成者

ISO/IEC 90003

は,ISO 9001:2000 をコンピュータソフトウェアの購入,供給,開発,運用及び保守に適

用する場合の,組織に対する指針を規定している。

この指針は,次のようなコンピュータシステムに適用する。

a)

他の組織との商用契約の一部としてのコンピュータシステム

b)

市場部門での利用可能な製品としてのコンピュータシステム

c)

組織のビジネスプロセスの支援をするコンピュータシステム

d)

ハードウェア製品に組み込まれるソフトウェアとしてのコンピュータシステム

e)

ソフトウェアの運用,保守及び支援サービスの提供するコンピュータシステム

ISO/IEC JTC1/SC7

で規定した規格,特に,JIS X 0129 規格類,JIS X 0160JIS X 0141 及び JIS X 0145

規格群における,追加的な指針として頻繁に参照されている。

ISO/IEC 90003

は,取り扱うことが望ましい課題を識別するが,組織によって使用される技術,ライフ

サイクルモデル,開発プロセス,活動の順序又は組織構造には依存しない。手引及び識別された課題は,


20

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

包括的であることを意図しているが,すべてを網羅しているわけではない。組織の活動の範囲にコンピュ

ータソフトウェア開発以外の領域を含んでいる場合は,その組織の品質管理システムのコンピュータソフ

トウェア要素と残りの局面との関係を全体として品質管理システムの中に明確に文書化することが望まし

い。

JIS Q 9001

は,組織に対して,次の場合に,品質マネジメントシステムに対する要求を規定する。

a)

組織が顧客要求及び適用される規制要求事項を満たす製品を一貫して提供することができることを実

証する必要がある場合。

b)

組織がシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用,並びに顧客要求及び適用す

る規制要求への適合の保証を通して,顧客満足の改善を目指す場合。

JIS Q 9001

の要求は,はん(汎)用性があり,業種,規模及び提供する製品にかかわらず,すべての組

織に適用できることを意図している。組織及びその製品の性質によって,この規格の要求のいずれかが適

用不可能な場合には,その要求の除外を考慮してもよいが,このような除外は,規定されている要求の一

部に限定される。顧客要求及び適用可能な規制要求を満たす製品を提供するために,このような除外は正

当化されなければならず,組織の能力又は責任に何らかの影響を及ぼしてはならない。

ISO 9000

の 2000 年版では,品質マネジメントシステムを開発し,実施するとき,プロセスアプローチ

を採用することを推奨している。このアプローチは,継続的な改善での増加する重要性に結び付いている

ので,改善において,効果的で事実に基づいた決定を下すために,プロセスの客観的な監視及び測定を必

要としている。品質マネジメントシステムプロセスの有効性をアセスメントする場合,ソフトウェア製品

の評価における測定法の適用から利用可能な情報を考慮することが望ましい。SQuaRE シリーズは,顧客

ニーズ及び期待を仕様化する手段として品質要求を定義する場合,JIS Q 9001 とともに使用することがで

きる。

JIS Q 9004

は,品質マネジメントシステムの有効性及び効率性の双方を考慮するため,並びに,その結

果として組織の性能(能力)改善のための可能性を考慮するため,JIS Q 9001 で規定されている要求を超

えた手引を提供する。JIS Q 9001 と比較すると,顧客満足及び製品品質の目標が拡大されており,利害関

係者の満足及び組織の能力を含んでいる。

注記  JIS Q 9004 での“利害関係者”とは,組織の能力又は成功に興味のある個人又は団体をいうと

定義している(例えば,顧客,所有者,組織内の人々,供給者,銀行家,組合,共同経営者又

は社会)

JIS Q 9004

は,組織のプロセスに適用可能であり,結果として,基礎としている品質マネジメントの原

則を組織全体に展開することが可能となる。JIS Q 9004 の焦点は,顧客及びその他の利害関係者の満足を

通して測定された,継続する改善を達成することにある。

JIS Q 9004

は,指針及び推奨から構成されており,認証,規制又は契約に用いることを意図するもので

はない。また,JIS Q 9001 の実施のための手引とすることを意図するものではない。

JIS Q 19011

は,品質マネジメントシステム及び環境マネジメントシステムの監査員の能力(適性)と同

様に,監査の原則,監査プログラムの管理,品質マネジメントシステム監査の実施及び環境マネジメント

システム監査の実施に関する指針を提供する。

JIS Q 19011

は,内部ソフトウェア品質又は外部ソフトウェア品質及び/又は環境マネジメントシステム

監査を,実施及び管理する必要のあるすべての組織に適用できる。

JIS Q 19011

を他の種別の監査・評価・アセスメントに適用することは,通常は可能であるが,そのよう

な場合,監査チームメンバに必要な能力の定義に特に注意を払うことが望ましい。


21

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

A.4 

JIS X 0141

との関係 

SQuaRE

シリーズは,JIS X 0141 と密接な関係がある。なぜならば,測定に関連する定義は,JIS X 0141

と整合しており,かつ,JIS X 0141 の測定プロセスは,SQuaRE シリーズで定義する評価プロセスに適用

できるからである。

JIS X 0141

は,プロジェクト全体又は組織的測定の仕組みの中でソフトウェア測定量をうまく識別し,

定義し,選択し,適用し,妥当性を確認し,改善するために必要な共通のプロセス及びアクティビティを

定義している。プロジェクト環境又は組織環境で,ソフトウェアの技術的情報ニーズ及び管理的情報ニー

ズを効果的に取り扱うために必要な測定プロセスの原則及び特性もまた識別している。

JIS X 0141

の目的は,次のとおりである。

−  共通的に定義されているが修正可能な測定プロセスで,ソフトウェアエンジニアリング分野で必要と

される特定の測定量の実施を支援する測定プロセスを提供する。

−  プロセス及び製品の測定データの集合を意味のある情報にすることを支援する測定プロセスの特性を

確立する。

−  プロジェクトの見積り及び追跡,製品評価,並びにプロセスアセスメント及び改善要求を支援するた

めに,プロジェクトの範囲を超えて,測定データを収集し使用する基準を定める。

−  すべての利用者及び全ライフサイクルに適用できる共通の測定用語を定義する。

A.5 

JIS X 0170

との関係 

JIS X 0170

は,人が作ったシステムのライフサイクルを記述するための共通の枠組みを定める。一連の

プロセス及び関連する専門用語を定義する。これらのプロセスは,システム構造のどの階層レベルにも適

用できる。ここから選択した一式のプロセスは,システムのライフサイクルの段階の管理及び実行のため

に,全ライフサイクルにわたって適用できる。JIS X 0160 と JIS X 0170 との違いは,利害関係者要求定義

プロセスの重要性にある。特に技術プロセスでの JIS X 0170 の目的は,次のとおりである。

−  定められた環境で,利用者及び他の利害関係者が必要とするサービスを提供できるシステムへの要求

を定義する。

−  希望するサービスの利害関係者の要求に基づく視点を,これらのサービスを提供できる要求された製

品の技術的視点に変換する。

−  方式設計によってシステム要求を満足する解を作り出す。

−  指定されたシステム要素を生成する。

−  方式設計に整合するシステムを構築する。

−  システムが特定の設計要求を満たしていることを確認する。

−  運用環境下で利害関係者の要求によって特定されるサービスを提供する能力を確立する。

−  利用時に,システムが提供するサービスが利害関係者の要求に適合していることの客観的証拠を提供

する。

−  サービスを提供するためのシステムの能力を維持する。

ISO/IEC 25030

で品質要求を開発するために使用するプロセスは,JIS X 0170 の技術プロセスに基づい

ている。一方,SQuaRE シリーズで定義している評価プロセスは,JIS X 0170 の“妥当性確認プロセス”

を支援するために使用できる。


22

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

附属書 B

(参考)

JIS X 0133

規格群及び JIS X 0129 規格類の概要

B.1 

JIS X 0133

規格群及び JIS X 0129 規格類の概要 

B.1.1 

JIS X 0133

規格群及び JIS X 0129 規格類の構造 

JIS X 0129

規格類は,はん(汎)用目的の品質モデル及び品質特性を定義し,測定法の例を提供してい

る。JIS X 0133 規格群は,ソフトウェア製品の評価プロセスの概要を示し,評価に対する手引及び要求を

提供している。JIS X 0133 規格群の第 2 部及び第 6 部は,評価マネジメント及び支援に対して,会社又は

部署レベルで関係している。一方,JIS X 0133 規格群の第 3 部,第 4 部及び第 5 部は,プロジェクトレベ

ルの評価に対する要求及び手引を提供している。

図 B.1 は,これらの規格の関係を示している。

 B.1JIS X 0129 規格類と JIS X 0133 規格群との規格間の関係

B.2 

品質モデルの枠組み 

ここでは,品質に対する異なる取組み間の関係を説明する品質モデルの枠組みを記述する。

JIS X 0133-3 

TS X 0111-3 

TS X 0111-4 

JIS X 0133-6 

JIS X 0133-2 

TS X 0111-2 

 
 
 
 

JIS X 0129-1 

 
 
 
 
 

  JIS X 0133-1 

評価の支援

評価プロセス

内部測定法

外部測定法

利用時の品質

の測定法

資源及び環境

評価プロセス

ソフト

ウェア製品

ソフトウェア

製品の効果

JIS X 0133-4 

JIS X 0133-5 


23

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

B.2.1 

品質への取組み

図 B.2−ライフサイクルでの品質

利用者の品質ニーズは,特定の利用状況における利用時の品質に対する要求を含む。これらの識別され

たニーズは,ソフトウェア製品の品質特性及び品質副特性を用いて,外部ソフトウェア品質及び内部ソフ

トウェア品質を仕様化するときに使用することができる。

ソフトウェア品質ニーズを満たすためのソフトウェア製品の評価は,ソフトウェア開発ライフサイクル

の中のプロセスの一つである。ソフトウェア製品品質は,内部ソフトウェア品質を測定すること(典型的

には中間製品の静的な測定量)

,外部ソフトウェア品質を測定すること(典型的には実行時のコードの振る

舞いを測定すること)又は利用時のソフトウェア品質を測定することによって評価することができる。そ

の具体目標は,製品が特定の利用状況で要求された効果を発揮できることにある(

図 B.2 参照)。

プロセス品質(JIS X 0160 に規定されているすべてのライフサイクルプロセスの各品質)は,製品品質

の向上に寄与し,製品品質は,利用時の品質の向上に寄与する。したがって,プロセスのアセスメント及

びその向上は,製品品質を向上させる手段であり,製品品質の評価及び向上は,利用時の品質を向上させ

る手段の一つとなる。同様に,利用時の品質の評価は,製品の向上に反映させることができ,製品の評価

は,プロセスの向上に反映させることができる。

ソフトウェアの適切な内部属性は,要求された外部の振る舞いを満たすための前提条件となり,適切な

外部の振る舞いは,利用時の品質を満たすための前提条件となる(

図 B.2 参照)。

開発者,保守者,取得者及び最終利用者のニーズを満たすために,ソフトウェア製品品質に対する要求

事項は,一般的には,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質に対

する総合評価の基準を含む  (JIS X 0133-1:1999 の 8.を参照)

B.2.2 

製品品質及びライフサイクル 

ソフトウェアライフサイクルを通して,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソ

フトウェア品質の視点は変化する。例えば,ライフサイクルの開始時点で品質要求として仕様化された品

質は,大部分が外部の視点及び利用者の視点から見たものをいい,設計品質のように大部分が内部の視点

及び開発者の視点から見た中間的な製品品質とは異なっている。

品質の仕様化,

品質の評価などのような,

品質の必要な水準を達成するために使用される技術は,これらの異なる視点を支援する必要がある。ライ

フサイクルの各段階で適切に品質を管理するために,これらの見方及び品質に関連する技術を定義する必

要がある。

その目標は,利用者の真のニーズを満たすために,必要かつ十分な品質を達成することにある。ISO 8402

は,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たす能力という点から品質を定義している。しかしながら,利用

 
 
 
 
 
 

プロセス

品質

 
 
 
 
 
 

内部品質

属性

 
 
 
 
 

外部品質

属性

 
 
 
 
 
 

利用時の 
品質属性

影響する

影響する

影響する

依存する

依存する

依存する

プロセス

ソフトウェア製品

ソフトウェア製品の効果

利用時の品質測定量

外部測定量

内部測定量

プロセス測定量

利用 
状況


24

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

者によって明示されたニーズは,

必ずしも真の利用者のニーズを反映しているとは限らない。

その理由は,

次のとおりである。

−  利用者が自分の真のニーズに気づいていないことがある。

−  ニーズは,明示された後に変わることがある。

−  異なった利用者は,異なった運用環境をもつことがある。

−  特に既製ソフトウェアにおいては,可能性のある全種別の利用者を調査することは不可能かもしれな

い。

そのため,設計の開始前に品質要求を完全に定義することはできない。それでも,可能な限り詳細に真

の利用者ニーズを理解すること及び要求としてそれらを表現する必要がある。目標は,必ずしも完全な品

質を達成することではなく,製品が納入されて実際に利用者によって利用されるときに,個々の利用状況

において,必要かつ十分であればよい。

品質要求に対して使用される測定法のための測定尺度は,要求の異なる満足度に対応した分類に分割す

ることができる。例えば,その尺度は,不満足及び満足のような 2 種類又は要求を超過・目標範囲内・最

小限で受入可・受入不可のような 4 種類に分割することができる  (JIS X 0133-1 参照)

。分類は,利用者

及び開発者の両方が不必要な費用及び工程遅延を回避できるように規定するのがよい。

B.3 

評価プロセス 

JIS X 0133

規格群は,次の三つの異なった状況における評価プロセスについての手引及び要求事項を提

供している。

−  開発(機能拡張)する場合(JIS X 0133-3

−  取得する場合(JIS X 0133-4

−  (第三者評価を含む)独立した評価を行う場合(JIS X 0133-5

B.3.1 

開発者のプロセス 

新製品の開発又は既存製品の機能拡張を計画し,自部門の技術スタッフで製品評価を実施する意向をも

つ組織は,JIS X 0133-3 を使用することが望ましい。JIS X 0133-3 は,ライフサイクル中に開発された中

間製品を測定することによって,最終製品の品質を予測できる指標の使用に焦点を合わせている。

JIS X 0133-3

は,ソフトウェア製品の開発時での評価プロセスに焦点を合わせているが,取得者がソフ

トウェア開発に沿って品質の評価を伴って行う意向がある場合は,カスタムソフトウェア製品の取得者も

使用してもよい。この場合,JIS X 0133-3 は,JIS X 0133-4 の補足として使ってもよい。

注記  ソフトウェア製品評価を,そのソフトウェアを開発する中で使用すると,強力な管理ツールと

なることがある。それは,開発プロセスでの修正が強化されるからである。改善が可能となる

のは,事前に確立された要求と得られた測定とを比較するからであり,このような比較によっ

て,次の段階に進む前に実装すべき修正が明らかになる。

B.3.2 

取得者のプロセス 

既存のソフトウェア製品,又は事前開発されたソフトウェア製品を取得するか,又は再利用することを

計画している組織は,JIS X 0133-4 を使用することが望ましい。JIS X 0133-4 は,製品の受入れを決定す

るため,又は代替製品から一つの製品を選択するために使用することができる(製品は,単独で完結した

もの,システムの一部,又はより大きい製品の一部であってもよい。

JIS X 0133-4 は,カスタムソフト

ウェア製品と同様に,COTS ソフトウェア製品の取得について取り扱っている。そして,各ケースにおけ

る評価プロセスの特徴を示す。


25

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

B.3.3 

評価者のプロセス 

ソフトウェア製品に対して独立した総合評価を実行する評価者は,JIS X 0133-5 を使用することが望ま

しい。この評価は,開発者,取得者又はその他の関係者の依頼で実施することができる。JIS X 0133-5 は,

独立した評価を実施する人が使用することを意図している。多くの場合,そうした人たちは,第三者組織

のために仕事をしている。

JIS X 0133-5

は,独立した評価者が提供するサービスを利用してソフトウェア製品を評価しようとして

いる組織に対して推奨する規格である。JIS X 0133-5 が,評価中に守らなければならない契約条件,責任

及び製品を定めていることに注意しなければならない。複数の関係者が評価結果を理解し,受け入れ,信

頼することが必要となる場合に,JIS X 0133-5 は有効となる。そのため,JIS X 0133-5 で規定するプロセ

スは,反復性,再現性,公平性及び客観性のプロセス評価特性を保証することを意図している。

開発者及び取得者のためのプロセスに存在する特殊性を考慮すれば,評価プロセスは,JIS X 0133-3 

び JIS X 0133-4 の使用によって補完できる。

B.4 

評価のための支援 

各評価プロセス規格は,JIS X 0133-2 及び JIS X 0133-6 とともに使用することができる。

B.4.1 

計画及び管理 

JIS X 0133-2

は,ソフトウェア製品の評価のための支援機能についての要求及び手引を含んでいる。支

援は,ソフトウェア評価プロセス及び関連するアクティビティの計画及び管理に関係しており,それは,

組織において評価の専門的知識を開発し,取得し,標準化し,制御し,伝達し,更にフィードバックする

ことを含む。JIS X 0133-2 は,管理者が定量的な評価計画を作るために使用することができる。そして,

その評価計画を評価プロジェクトの管理プロセスの支援に使用してもよいことが,この規格で取り扱われ

ている。

B.4.2 

評価モジュール 

JIS X 0133-6

は,評価モジュールを文書化するための手引を提供する。これらのモジュールは,品質モ

デルの仕様(すなわち,品質特性,品質副特性及び対応する内部測定法又は外部測定法)

,モデルの計画さ

れた適用についての関連するデータ及び情報並びにその実際の適用に関する情報を含む。評価モジュール

とは,1 回の評価ごとに適切なものを選択し,適切なものがなければ新たに開発することが必要になるこ

ともあるものをいう。新しい評価モジュールを作成する組織及び既存の評価モジュールを再利用する組織

は,JIS X 0133-6 を使用できる。

評価モジュールは,特定の評価技術を適用し,品質特性の特定の観点の評価を実行するために,必要な

すべての情報を収集する。これは,ソフトウェア品質特性の特定の観点が測定されることを明確にする。

測定の前提条件及び正確性と同様に,測定の実行手続が定義される。

JIS X 0133-6

の附属書に,評価モジュールの説明に役立つ実例の提供と同様に評価モジュールの開発プ

ロセスを示す。

評価プロセスでの評価モジュールの使用は,評価組織の特性に依存する。これらの評価モジュールの存

在が,評価プロセスを改善することがある。さもなければ,追加の取組みが評価モジュールライブラリを

構築するために要求される。製品の評価中に評価モジュールを開発することもできるし,後の評価におい

て再利用できるように評価モジュールを生成するという特定の目的をもって開発することもできる。


26

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

B.5 

ソフトウェア品質特性及び測定法 

JIS X 0133

規格群の各部は,ソフトウェア品質特性及び測定法を規定している JIS X 0129 規格類の各部

と関連して使用することが望ましい。

−  品質モデル(JIS X 0129-1

−  外部測定法(ISO/IEC TR 9126-2

−  内部測定法(ISO/IEC TR 9126-3

−  利用時の品質測定法(ISO/IEC TR 9126-4

JIS X 0129-1

は,品質特性,それらに関連付けられた副特性及び JIS X 0129 規格類の三つの品質モデル

(内部品質,外部品質及び利用時の品質)の上位 3 階層(特性,副特性及び属性)間の関係を定義してい

る。ISO/IEC TR 9126-2ISO/IEC TR 9126-3 及び ISO/IEC TR 9126-4 は,ソフトウェア品質に適用できる

測定法に関連している。これらは,測定法の種別を定義し,特性の望ましい測定法を記述し,使用するこ

とのできる一連の測定法を提供する。ISO/IEC TR 9126-2 及び ISO/IEC TR 9126-3 は,各測定法(内部測

定法及び外部測定法)とこれらに対応する品質特性及び副特性との関係を識別する。内部測定法には,外

部測定法と対応するものがあることに注意しなければならない。ISO/IEC TR 9126-4 は,利用者がソフト

ウェア製品を使用したときの効果を測定するための利用時の品質測定法を記述する。

B.5.1 

品質特性及び品質副特性 

JIS X 0129-1

は,品質特性及びそれらに対応する副特性の集合を定義している。これらの副特性は,ソ

フトウェアが計算機システムの一部として使用されるとき,外部的に現れるもので,ソフトウェア製品の

静的な属性の結果である。JIS X 0129-1 は,品質モデルの上位 3 階層を構成するための基盤として用いら

れる。したがって,利用時の品質は,利用者から見た総合的な品質目標を表している。

JIS X 0129-1

は,ソフトウェア製品品質に対して次の 2 部構成のモデルを規定している。a)  内部ソフト

ウェア品質及び外部ソフトウェア品質,b)  利用時のソフトウェア品質。最初のモデルは,内部ソフトウェ

ア品質及び外部ソフトウェア品質のために六つの特性を仕様化し,更に副特性に細分化している。これら

の副特性はソフトウェアが計算機システムの一部として使用されるとき,外部的に現れるもので,ソフト

ウェア製品の静的な属性の結果である。JIS X 0129-1 は,副特性より下位のレベルでの内部ソフトウェア

品質及び外部ソフトウェア品質のモデルについては詳細な記述をしていない。

二つ目のモデルは,四つの利用時の品質の特性を規定している。しかし,特性より下位のレベルでの利

用時の品質のモデルについては詳細な記述をしていない。利用時の品質は,六つのソフトウェア製品の品

質特性の利用者に対する複合効果である。

JIS X 0129-1

で示すソフトウェア製品の品質モデルは,ソフトウェア製品の品質評価の参照と同様に,

ソフトウェア製品における要求定義プロセスを使ってもよい。

B.5.2 

外部測定法 

ISO/IEC TR 9126-2

は,ソフトウェアを利用するときの外部から見たソフトウェア品質を表す測定法を

規定している。測定法は,ソフトウェア製品がその一部となっているシステムの挙動を測定する。外部測

定量は,ソフトウェアが利用される事前に定められた期間を通して得られる。時間及び工数のような量の

値は,外部測定量の基礎として使用され,試験及び運用の段階に適用する。試験段階に利用するときには,

ソフトウェアの利用及び運用時に期待される品質水準を早期に予測するものとして用いられる。外部測定

量は,一般に,利用者に関連する視点から見た品質を表している。

外部測定法を使うことによって,外部ソフトウェア品質要求の目標値を定量化することができる。目標

値は,利用時の品質の目標値の設定から導き出すことができる。それゆえ,利用時の品質の予測に使うこ


27

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

とができる。

B.5.3 

内部測定法 

ISO/IEC TR 9126-3

は,基本設計概念(アーキテクチャ)と関係するソフトウェアの内部属性を測定す

る測定法を規定している。内部測定法の早期の測定量は,ソフトウェアシステムが試験及び運用に入った

ときに期待されるものを予測する指標として用いられる。したがって,内部測定量は,下流工程の問題を

未然に防ぐために有効な道具(ツール)となるので,開発管理者にとって最も重要となる。内部測定量は,

対応する外部測定量の値を予測するために使われる。ISO/IEC TR 9126-3 は,どの内部測定が外部測定に

対応するかを示している。

内部測定法を使うことによって,内部ソフトウェア品質要求の目標値を定量化することができる。目標

値は,外部品質及び利用時の品質の予測に使うことができるように,利用時の品質及び外部測定法の目標

値として設定された値から導き出されることが望ましい。

B.5.4 

利用時の品質測定法 

ISO/IEC TR 9126-4

は,特定の利用状況で,有効性,生産性,安全性及び満足度について特定の目標を

達成するための特定の利用者のニーズを満たす製品の範囲を測定する利用時の品質測定法を規定している。

利用時の品質は,代表的な利用者が,現実的な利用状況の中で代表的な作業を実行することを観察するこ

とによって総合評価する。測定量は,現実的な動作環境(例えば,使用性の研究施設)をシミュレートす

ることによって得てもよいし,又は製品の実際の使用中の操作を観察することによって得てもよい。利用

時の品質を測定するとき,運用環境で利用者が利用可能な種類のヘルプ及び支援を与えられるだけである

ことが重要となる。

利用時の品質要求は,特定の利用状況でソフトウェア製品を使用して,実行した作業の期待される結果

を表す。これは,内部ソフトウェア品質要求及び外部ソフトウェア品質要求から導き出される,抽象度が

最も高い要求になる。

B.6 

評価プロセス 

JIS X 0133-1 からの)

図 B.3 は,JIS X 0133 規格群すべてで使用する評価プロセスの手順を示してお

り,次の細分箇条で総合的に取り扱う。

評価プロセスは,JIS X 0133-1 に詳しく説明し,プロセスの概念的な基盤を確立している。JIS X 0133-3

は,プロセスをソフトウェア製品の開発時に適用するのに適応させているが,製品の最終品質の指標を得

ることを目的とする中間段階での測定に重点を置いている。JIS X 0133-4 は,カスタムソフトウェア製品

の取得者に対してプロセスを適合させているのと同様に,既製品のソフトウェア製品の取得者に対しても

プロセスを適合させている。同じ評価プロセスを利用する JIS X 0133-5 は,最終製品の評価及び要求者と

評価者との間の関係を重要視している。

B.6.1 

評価要求の確立 

B.6.1.1 

評価の目的の確立 

ソフトウェア製品の評価の目的は,一般的には,利用者ニーズを表す品質要求に対して,ソフトウェア

製品の品質を比較すること,異なるソフトウェア製品を比較することによってソフトウェア製品を選ぶこ

と,又は競合製品に関しては順位付けをすることにある。この一般的な目的は,開発時又は運用時におけ

るソフトウェア製品の評価の観点(例えば,取得)を考慮すれば,より一層明確になる。

JIS X 0133-1

は,異なる評価環境下での評価の目的についてうまく説明している。それゆえ,たとえ評

価が JIS X 0133-3JIS X 0133-4 又は JIS X 0133-5 で支援されていても,JIS X 0133-1 で提供する追加情報


28

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

を読むことが望ましい。

JIS X 0133-3

は,評価の目的に関しては他に特別な考慮は必要ない。

JIS X 0133-4

は,JIS X 0133-1 に基づく三つの手順を踏んでいない。他とは異なる箇条として,評価の目

的及び対象範囲を取り扱っている。この箇条では,要求を定義する方法,及び評価作業で要求される厳密

さ又は詳細さを定義する方法についての指示を記述し,評価の対象範囲及び目的も考慮している。

JIS X 0133-5

は,システム及びソフトウェアのインテグリティレベル(完全性の水準)を考慮しながら,

ソフトウェア製品の想定した利用及び関連するリスクに従って評価の水準の例を提供している。安全性,

経済性,セキュリティ及び環境の観点に関係する異なる評価水準の表を示している。

その他の観点では,

評価の目的及び対象範囲は,

評価の次の手順で採用されるプロセスの修整に役立つ。

そのため,評価者は,これらの課題を決める場合に利用者を支援しなければならない。

図 B.3JIS X 0133-1 に基づく評価プロセス概観

B.6.1.2 

評価対象製品の種別の識別 

評価対象製品の種別は,評価の目的に依存する。まず最初の手順として,評価者は,評価対象製品を中

間製品(開発ライフサイクル中)なのか最終製品なのかを定義することが望ましい。評価対象製品は,次

の測定法を使用して測定することができる。製品が運用中の完成したハードウェア及びソフトウェアシス

テムの一部である場合には,外部測定法を用いて測定する。ソフトウェアの内部特性(例えば,仕様又は

ソースコード記述)の測定には内部測定法を適用する。特定の環境でのソフトウェアの利用効果を測定す

るには,利用時の品質の測定法を使用して測定する。

評 価 要 求 の
確立

評 価 の 仕 様

評価の設計

評価目的の確立

評価対象製品の種別の識別

品質モデルの特定

測定法の選択

測定法のための評定水準の確立

総合評価のための基準の確立

評価計画の作成

評価の実施

測定量の収集

基準との比較

結果の総合評価

JIS X 0129-1

  品質モデル 

ISO/IEC TR 9126-2

  外部測定法

ISO/IEC TR 9126-3

  内部測定法

ISO/IEC TR 9126-4

  利用時の品質

測定法 

JIS X 0133-6

  評価モジュールの文

書化


29

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

JIS X 0133-1

は,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質の概念

を,それぞれに関連する測定法と同様に,説明している。また,ソフトウェア開発ライフサイクル中に適

用できる品質要求及び測定量の種別も示している。

JIS X 0133-3

は,評価対象製品の種別に関係した特定の考慮はしていない。

JIS X 0133-4

は,評価対象製品の種別に関係した特定の考慮はしていない。

JIS X 0133-5

は,評価対象製品を測定が適用される一連の部品とみなしている。

その他の観点では,この評価プロセス手順では,評価対象製品の識別は,まだ予備段階である。もっと

先の手順で,評価対象製品の詳細化に貢献するように,より多くの情報が得られる。幾つかの課題をこの

評価手順の中で考慮することが望ましい。

−  最終製品の評価をする場合,評価の目的に従えば,ソフトウェア製品全体又はその一部の部品を選択

することが可能である。少なくとも基本的な品質要求が定義されていれば,この決定が行われる。

−  中間ソフトウェア製品を評価する場合,組織に採用される開発ライフサイクルは,評価対象製品の種

別を定義するための基本となる。さらに,選ばれる内部測定法が,製品の期待した外部ソフトウェア

品質を反映することが望ましいということを考慮することが重要となる。このような場合,効率的な

評価を達成するために,どの内部測定法がどの種別の中間製品に適用可能かということを導き出すた

めに外部要求を確立することが第一に必要となる。

B.6.1.3 

品質モデルの特定 

評価のために特定された品質モデルは,ソフトウェア製品の要求定義への参照となる。この評価手順で

は,要求は,利用者ニーズに従って順位付けされ,対応する品質特性に対して記述される。

JIS X 0133-1

は,測定できる属性について改善することができるように,品質モデルを特性及び副特性

に細分化することを説明する。JIS X 0129-1 のモデルは,JIS X 0133 規格群で定義された評価プロセスと

ともに優先的に採用される参照として述べられている。

JIS X 0133-3

は,要求定義プロセス,要求の優先度に関する評価における関係者間での同意を模索する

こと,類似の要求がある他の評価プロジェクトからの経験を考慮することを強調している。要求が,技術

的に実現可能で,道理にかなっており,補完的で,達成可能で,かつ,検証可能であることを必要として

いることを重要視している。

JIS X 0133-4

は,考慮すべき異なる種別の要求を強調している。また,

JIS X 0160 に従った)購入プロ

セスの側面について,例えば,評価プロセス中に供給者から要求される情報と同様に,供給者によって提

供されるサービスの総合評価からも述べている。

JIS X 0133-5

は,評価要求の最初の版を提供するために要求者の必要性(ニーズ)を説明する。評価者

は,要求者が,各要求の重要性及び評価水準におけるこの選択の影響を特定し分析する場合,並びに評価

の範囲がどのくらい広範囲になるかということを特定し分析する場合,

要求者を支援しなければならない。

要求者及び評価者が要求に同意している場合にだけ,評価を進める。

その他の観点では,  JIS X 0133 規格群は,何か特定の品質モデルを指定していない。しかし,定義され

た評価プロセスは,JIS X 0129-1 モデルに強く関係しているので,そのモデルを使う場合にはこのプロセ

スを適用することより簡単である。

品質モデルの仕様において,各関連する品質特性に対する品質要求定義が重要視される。しかしながら

この時点では,利用する外部測定法は,まだ定義されていない。このことは,定量的側面で取り扱うこと

ができないので,要求を定義することを困難にしている。これは,品質要求の識別プロセスを更なる評価

手順中に改善しなければならないということを意味している。JIS X 0129-1 に基づくチェックリストは,


30

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

要求の識別に役立つことができる。

B.6.2 

評価の特定 

B.6.2.1 

測定法の選択 

ソフトウェア製品の品質要求の定量的な仕様及び測定は,目的とする品質特性に関連付けられた測定法

を使用することによってだけ可能となる。測定法には,次のものがある。

1)

内部測定法は,ソフトウェア製品アーキテクチャに関連付けられ,最終製品品質を予測可能にする。

2)

外部測定法は,製品を運用しているときに測定可能となる。

3)

利用時の品質は,ソフトウェア製品の使用効果を評価する。

ソフトウェア製品評価時に使用する測定法の選択は,評価目的,選択する品質特性並びに測定に適用す

るときの容易性及び経済性に基づいている。比較のために使用される測定法は,信頼できる比較が実施さ

れるために妥当でかつ十分に正確であることが望ましい。このことは,測定が客観的で,経験的に妥当な

尺度を用いており,再現可能となることが望ましいということを意味している。

JIS X 0129-1

は,比較に使用した測定法に付随する,幾つかの特性を提示している。利用者品質ニーズ

から外部ソフトウェア品質要求及び内部ソフトウェア品質要求をどのように導き出すかも記述している。

ISO/IEC TR 9126-2

ISO/IEC TR 9126-3 及び ISO/IEC TR 9126-4 は,測定法を選定するために参考とし

て使用できる例を示して,外部品質,内部品質及び利用時の品質のそれぞれについて取り扱っている。

JIS X 0133-1

は,評価の目的に応じて,ソフトウェア評価に適用できる異なる種別の測定を説明してい

る。主として製品を異なる属性で比較する場合に,正確性を可能にする測定法を選択することが重要とな

るということも強調している。測定に対する要求が簡単に述べられている。

JIS X 0133-3

は,品質要求を表す属性の選択方法を説明している。外部ソフトウェア品質要求及び内部

ソフトウェア品質要求を別の箇条で示しており,内部属性が開発時に外部要求を代表するために選択され

るということを強調している。

内部ソフトウェア品質要求のために,次のことを開発者に教えている。

−  測定をいつどのような条件で実施するかを識別する。

−  どのエンティティを測定し,評価するかを定義する。

−  どの属性を測定するかを定義し,対応する測定法を定義する。

−  属性で表現される要求の実行可能性を分析する。

外部ソフトウェア品質要求のために,次のことを開発者に教えている。

−  測定をいつどのような条件で実施するかを識別する。

−  どのエンティティを測定するかを定義する。

−  どの属性を測定するかを定義し,属性とエンティティとの関連する組合せに対する測定法を定義する。

−  すべての外部属性に対する指標として使用できる内部属性を選択する。

JIS X 0133-4

は,初めに,外部測定法及び利用時の品質測定法を選択することの必要性を述べ,例示付

きの表を附属書(参考)で提供している。さらに,利用可能な評価モジュールを識別することの必要性も

指摘している。これらの基本的な提言に加えて,規格は,評価方法(結果として,それぞれの測定法)の

識別を支援できる例,例えば,チェックリスト,ソフトウェア製品の使用者用文書及び技術文書のレビュ

ー又は総合評価,顧客による製品の操作履歴,製品の欠陥一覧なども提供している。次に,評価方法を選

択するときに考慮しなければならない提言を提供している。例えば,評価方法を適用するための費用,要

求の範囲などについて提言している。


31

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

JIS X 0133-4

は製品を選択するために使用することができるので,次の幾つかを利用することによって,

更なる評価にとって機能的にふさわしいと考えられる製品の選択を狭めることができる。

−  レビュー若しくは調査のような“非公式”な予備的評価活動,又は同業者若しくは利用者の事例的経

−  業界誌の製品レビュー

−  製品についての,入手可能な使用者文書

−  製品レビューのデータベースリポジトリ

JIS X 0133-5

は,一般的な評価プロセスを適合させる評価の仕様について取り扱っている。この活動は,

次の三つの活動に分けられる。

−  製品記述を分析する。

−  製品及び構成要素において,実行する測定を特定する。

−  評価要求に関連して作成された仕様を検証する。

この三つの活動の目標は,次のとおりである。

1)

評価のために考慮する構成要素を,その必要情報とともに明確にする。

2)

評価要求を,製品自身及び種々の特定された構成要素に割り当てる。それによって,評価者は,適用

される測定法の正式な仕様を提供することができるだけでなく,製品及びその選択された構成要素の

特性,副特性及び属性について総合評価を行うために使用する予定の測定を特定することができる。

3)

評価のために必要なすべての情報が利用可能であるかどうか,並びに,特定された測定及び検証が評

価要求に示された評価目標を満たすために十分であるかどうかを確認する。

注記  JIS X 0135-5 において測定法を選択するプロセスは,要求の定義と測定法の選択との相互作用

のサイクルが複数回必要になることもある。その理由は,幾つかの測定法を選択した後で,あ

る測定法を使用して定義し測定する必要がある,見落とした要求を発見することがよくあるか

らである。

B.6.2.2 

測定法のための評定水準の確立 

選択された各測定法に対して,測定される属性の要求水準を表すことができる場合,関係する尺度に対

する評定値を定義しなければならない。測定された値が,例えば,受容できない,最小限受容できる,目

標範囲内,又は要求を超えていることを識別する場合,適用する尺度は,各属性について限界を示すこと

ができる。

JIS X 0135-1

は,測定された値を表すことができる場合,評定水準をもつ尺度を作成する方法を説明し

ている。

JIS X 0135-3

は,開発者が各測定法に対する,品質要求を定量的に表現する目標値を定義しなければな

らないと記述している。これらの値は,評価基準として使用する。内部属性について,開発者は,適切な

場合,目標値を設定しなければならない。外部ソフトウェア品質の指標として内部属性を使用することに

気づけば,予測モデルを使用するライフサイクル中に,外部ソフトウェア品質属性を予測することができ

る。こうした予測した品質属性は,外部要求と比較することができる。

JIS X 0135-4

は,特にこの課題について取り扱っていない。要求の選択は,前の手順(評価要求を確立

する手順)で完全に詳細化されている。選択した測定法が既に識別された要求をすべて読み取り,対象と

することが望ましいということを規格から理解することができる。測定法が選択されているので,その測

定法で以前に識別された要求に対して定量的な値を提供することを支援できる。

JIS X 0135-5

は,特にこの課題について取り扱っていない。


32

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

その他の観点では,測定法を選択した後,既知の要求に対する要求定義を終了することで,要求に対す

る目標値を確立しなければならない。選択した測定法によって特性化された測定を遵守できるように,最

初に定義した要求を展開する必要がある。

測定尺度上で測定値を読み取る場合,各測定法を特定の尺度に関係付けることが必要になることを考慮

することが望ましい。多くの測定法は,すべての尺度を確立し記録するために,注意深く作業することを

求めている。さらに,主として,

“ソフトウェア製品を購入するか,又は購入しないか”というような決定

を支援するために評価結果を要約する方法を確立することが必要となる。

評定水準は,前もって知られていないことがあり,尺度の限界さえも,前もって知られていないことが

ある。これらの水準は,各評価及び各組織に対して特有である。最初の評価では,これらの値を確立する

ことは困難かもしれない。しかし,幾つか経験することによって,履歴データが蓄積され,組織が品質基

準を更に正確に確立することが可能となる。

B.6.2.3 

総合評価のための基準の確立 

JIS X 0135-1

によれば,製品品質を総合評価するために,評価者は異なる品質特性に対して個別の基準

をもつ手順を準備することが望ましい。ここで,その品質特性のそれぞれは,個々の副特性で表現される

か,又は副特性の重み付けした組合せで表現されるものとする。これには,特定の環境でソフトウェア製

品の品質を総合評価することに寄与する時間及び費用のような別の観点も含んでいる。

JIS X 0135-3

は,総合評価の基準の確立,例えば,副特性の重み付けした組合せを考慮することについ

ては述べていない。各測定法の目標値が評価基準として使われると述べているだけである。

JIS X 0135-4

は,次のようなものを識別することの必要性を指摘している。

−  (複数の)評価結果を総合評価するための手法

−  類似の製品の中から製品を選択するとき,選択を行うための複数の総合評価の順位付けを行う適切な

手法

−  複数のソフトウェア製品を比較するために役立つ評定の仕組み

評定の仕組みは,品質特性の優先度に従って重み付けを行ってもよい。

JIS X 0135-5

は,特にこの課題については取り扱っていない。

その他の観点では,総合評価で基準が一つだからといって,常に複数の測定値を集約して一つの製品品

質を表す単一の指標にする必要があるわけではない。なぜなら,製品品質は,確立された様々な要求に対

応するよう特徴付けられているからである。そのような場合,費用及び日程は,それぞれの確立された要

求及び測定値ごとに左右されやすいことがある。評価プロセスを異なる製品からの選択を行うために使用

する場合ならば,より客観的な比較を行うために,各製品について複数の測定値からはっきりとした値を

もった商業的価値と思われる値を表すモデルを確立することが必要になるかもしれない。

B.6.3 

評価の設計 

B.6.3.1 

評価計画の作成 

JIS X 0133-1

は,評価計画書には評価手法及び評価者の作業スケジュールを記述することを提示してい

る。

JIS X 0133-2

は,評価計画の概念及び評価計画を作成するときに考慮することが望ましいことを提示し

ている。定量的評価計画の例を,附属書に提供する。JIS X 0133-2 だけに見出せる情報があるので,この

テンプレートは,他の規格で利用可能な情報に加えて利用すれば,役立つことができる。

JIS X 0133-3

は,開発者が(外部ソフトウェア品質に関係した)外部評価及び(内部ソフトウェア品質

に関係した)内部評価を計画しなければならないことを提示している。JIS X 0133-3 は,データ取得のた


33

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

めの必要性(ニーズ)によって,開発プロセス中で測定法の集合の変更を暗示してもよいことを助言し,

測定計画に関して更に詳細な部分も提供している。

JIS X 0133-4

は,次のような事項を取り上げ,この評価手順について,最も完全な説明を提示している。

−  評価実施の条件

−  費用の観点

−  評価手法の特性

−  評価を止める時機

−  各評価活動のために計画するもの

−  測定法を開発し妥当性を確認するための手順を識別する必要性

−  評価プロセス,測定法及び測定量を標準化するための手順を識別する必要性

JIS X 0133-5

は,評価計画を作成するために必要な三つの活動を提示している。

−  次のような事項を取り上げて,評価手法を文書化し,計画案を作成する。

−  測定又は検証に関する技術的な制約

−  文書化された各測定又は検証についての評価手法

−  測定に使用されるソフトウェアツールの識別

−  手法を適用する製品構成要素の識別

−  必要な場合には,結果を解釈するための詳細説明

−  環境についての記述

−  次のような事項を取り上げて,評価計画を最適化する。

−  評価者の作業の重複を避けるための評価計画案の改定

−  次のような事項を取り上げて,利用可能な資源に関する評価作業の日程(工程)を作成する。

−  製品及び構成要素の納入日程を考慮して,測定のプロセス及び計画した作業の日程,評価者と開発

者との関係並びに開発現場及び運用現場の利用。

その他の観点では,この SQuaRE シリーズ規格群の利用者は,評価計画を準備しようとするとき,この

課題について,より広範囲にわたって理解するために,JIS X 0133-1JIS X 0133-2JIS X 0133-3JIS X 

0133-4

及び JIS X 0133-5 から情報を収集することが有用だと考えてもよい。第 2 部の関係する箇条から読

み始めることが望ましい。

B.6.4 

評価の実施 

B.6.4.1 

測定量の収集 

JIS X 0133-1

は,選択された測定法がソフトウェア製品に適用されて,その測定法の尺度上の値が得ら

れることを述べている。

JIS X 0133-3

は,最終製品と同様に中間製品に対して評価を実施することを考慮している。内部属性に

対して測定法を適用するときには,開発者は収集したデータの品質を確保するために必要な作業を行わな

ければならない。すなわち,望ましくない値が得られた場合には,開発者は問題を理解し,対応すること

が必要となる。

JIS X 0133-4

は,次の二つの異なった課題を考慮した測定手順を取り上げている。

a)

評価の目的:これには評価要求,ソフトウェア製品の使用制限,評価では範囲外となるソフトウェア

製品の利用のための選択肢における欠陥の識別などを含む。

b)

識別することが望ましい評価実施の記録:これらは,例えば,評価手順の段階を踏んだ実施,評価活

動における制限,制約,欠陥又は除外事項,並びに評価者及びその適格性がある。


34

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

JIS X 0133-5

は,主に管理の観点から測定を取り上げている。評価者は,次の事項を実施しなければな

らないと提示している。

−  依頼者から提供された製品コンポーネントを管理する。製品は,依頼者から日程に従って供与される

ことが望ましい。そして,評価者は,すべての製品及び構成要素を登録しなければならない。

−  評価作業によって作成されたデータを管理する。中間データは,原本の構成要素及び文書のデータと

同様の方法で保護されなければならない。解釈に使用されるデータは,評価記録に含まれなければな

らない。

−  評価作業の実施に使用するツールを管理する。評価に使用するツールは,評価報告書で指示しなけれ

ばならない。

その他の観点では,開発者の組織は,全体的に又は部分的に評価を実施することができる。このような

場合には,評価仕様及び評価計画に従って実施されなければならない。

B.6.4.2 

基準との比較 

JIS X 0133-1

は,仕様で確立した基準と測定値とを比較することを提示している。

JIS X 0133-3

は,内部評価及び最終製品の評価のための測定値を考慮している。内部評価のために,定

義された指標の測定値は,最終製品の品質を予測するために使用される。規格は,異常値の発生に対して

も取り上げている。最終製品の測定については,規格は,測定値を目標値と比較しなければならないこと

だけを提示している。

JIS X 0133-4

は,測定値が識別に使用されることを考慮して,分析作業としてこの手順を次のように取

り上げている。

−  製品の欠陥及びその解消法。規格では欠陥を解消する方法の例を提供している。

−  識別された欠陥を解消するために実施が必要な追加評価。この追加評価は,例えば,欠陥がないこと

を確認することができる。また,欠陥を修正するために設計変更が行われた場合,ソフトウェア製品

の正しさ及び受入れ可能な実行性能であることを検証するために用いることができる。

−  ソフトウェア製品の利用を制限又は制御する必要があるかどうか。このような場合,例えば,制限が

必す(須)の要求に影響を与えるかどうか,追加の評価作業が必要かどうか,又は適用設計,予算若

しくは日程への影響があるかどうか。

−  評価範囲からの除外事項及び/又は個々の評価結果での制約事項。例えば,

“この評価には,製品の機

能性の詳細レビューは含まない。

”などをいう。

−  すべての評価活動から統合された結果。これによって,作成するソフトウェア製品評価の総合的な結

論を下すことができる。

注記  この手順に対して JIS X 0133-4 によって使用される取組み方は,JIS X 0133-1 で規定されたも

のよりも広く,

“結果の総合評価”と呼んでいる最終手順に非常に近いものである。これは,JIS 

X 0133-4

が主に分析作業を取り上げているためである。

JIS X 0133-5

は,この手順は,ごく簡潔に取り上げている。評価結果は,評価報告に含めなければなら

ないということを提示している。そして,評価計画で仕様化されている場合,幾つかの中間結果又は解釈

判断も評価報告に含めなければならないことを提示している。

その他の観点では,この手順は,評価の結論を得るために,典型的には中間で実施される作業である。

したがって,JIS X 0133 規格群の各規格がこの手順への特定の進め方を記述しているということを読み取

ることが可能となる。しかし,これらはすべて,最終評価の結論に導いている。一般的な結論には要約し

た結果が必要ではあるが,各測定結果と特定の基準との比較が,管理上の基準に沿って実施される制約,


35

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

制限又は作業を確立するために重要となる。

B.6.4.3 

結果の総合評価 

JIS X 0133-1

は,総合評価活動において,評定された値の集合を要約すること,及びソフトウェア製品

が品質要求をどの程度満たしているかの記述を行うことを提示している。そのため,この要約は,時間及

び費用といった他の観点と比較される。最後に,ソフトウェア製品の受入れの可否,又はリリースの可否

について,管理上の基準に基づいて,経営判断が下される。評価結果は,次に続くソフトウェア開発ライ

フサイクルの手順に影響する。例えば,“要求を変更するのが望ましいか,又は開発プロセスにもっと資源

が必要となるか”というものである。

JIS X 0133-3

は,開発者の観点に従って,JIS X 0133-1 にあるように,この手順に対して同じ活動を提示

している。

注記 1  開発中にソフトウェア製品を評価するときには,このステップは複数回実施することができ,

運用中に製品の最終的な品質を予測するために使用することが望ましい。これは結果として,

ソフトウェア開発ライフサイクルが進むにつれて経営判断を行えるようにする。

注記 2  ソフトウェア開発ライフサイクルの期間中に,評価結果の記録を維持することで,ソフトウ

ェアの品質の進化を追跡することが可能になる。したがって,最終的な品質の傾向を,例え

ば,効率性及び使用性の傾向を表す図表に表すことができる。

JIS X 0133-4

は,この手順を“結論の導出”と名づけている。結論は,相補的な次の二つの手法によっ

て説明される。

a)

どの程度まで個々の要求が満たされているかを明らかにする“要求への適合の声明”を用いて,結論

を正式化する。

b)

ソフトウェア製品を使用することを受け入れるかどうかについて,及び可能な代替案を検討すべきか

どうかについて,最終決定を行う。代替案の例としては,決定が受け入れられないとなった場合には,

製品を修正すること,又は要求を変更することを考慮する。

JIS X 0133-5

は,JIS X 0133-1 の概念に従って,この手順を取り上げていない。評価報告書に評価結果を

含めるが,最終的な結論は,評価の依頼者にゆだねられる。JIS X 0133-5 の最終的な評価手順では,評価

報告書の配布並びに評価データ及び文書の処分を取り扱っている。

その他の観点では,評価者は,評価の結論に責任をもっている。しかし,最終的な総合評価が評価仕様

に提示されているときにだけ,総合評価を実施する。評価者は,通常,評価報告書を依頼者へ納入する。

この評価報告書には,幾つかの結論を含んでもよい。依頼者は,この報告書に基づいて総合評価を完了さ

せる。これは,最終的な総合評価で,費用,実施される適用,納入までの時間などの組織の戦略的な意思

決定を考慮できるようにするためである。


36

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

附属書 C 
(参考)

JIS X 0129

規格類,JIS X 0133 規格群から

SQuaRE

シリーズへの規格の歴史及び変遷

C.1 

歴史 

SQuaRE

シリーズは,WG6 金沢会議(1999 年開催)で最初に作成され,マドリッド会議で改正された。

こうした統合された規格への必要性は,完結した既存の JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群規格の分

析によって,使用する場合の明快さの欠如と同様に幾つかの必要な改善点一覧によって確認された。

JTC1/SC7

マドリッドプレナリ会議において,最初の調整及び必要な枠組みの更なる構築後の提案書が承

認された。

WG6

プラハ会議(2000 年 11 月開催)において,版を更新し,詳細にわたる内容を定義した。JTC1/SC7

名古屋プレナリ会議(2001 年 5 月開催)において,SQuaRE シリーズに新しい規格番号を割り振り,異な

る手引同士の互換性を議論し,新しい版に取り上げた。この版は,WD(作業原案)及び CD(委員会原案)

登録のために発行された。

JTC1/SC7

釜山プレナリ会議(2002 年 5 月開催)において,SQuaRE シリーズの最終番号付けを承認し,

適用した。SQuaRE シリーズ中のすべての規格の主要な改正も開始した。この版は,CD(委員会原案)登

録のために発行された。

C.2 

JIS X 0129

規格類及び JIS X 0133 規格群と SQuaRE シリーズとの関係 

表 C.1 に提示した情報の目的は,JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群の経験豊かな利用者の今まで

の経験を SQuaRE シリーズに途切れなく,簡単に移行することを支援するために,明確な手引を提供する

ことにある。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


37

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

表 C.1JIS X 0129 規格類,JIS X 0133 規格群と SQuaRE シリーズとの関係及び変遷過程

現在   SQuaRE

JIS X 0129

製品品質

ISO/IEC 25000

品質管理部門

JIS X 0129-1

:品質モデル

ISO/IEC 25000

:SQuaRE の指針

ISO/IEC TR 9126-2

:外部測定法

ISO/IEC 25001

:計画及び管理

ISO/IEC TR 9126-3

:内部測定法

ISO/IEC 25010

:品質モデル部門

ISO/IEC TR 9126-4

:利用時の品質

ISO/IEC 25010

:品質モデル

ISO/IEC 25020

品質測定部門

新規提案 

ISO/IEC 25020

:測定参照モデル及び手引

JIS X 0129

及び JIS X 0133 利用の手引

ISO/IEC 25021

:品質測定量の要素

基本測定法

ISO/IEC 25022

:内部品質の測定

品質要求

ISO/IEC 25023

:外部品質の測定

ISO/IEC 25024

:利用時品質の測定

JIS X 0133

製品評価

ISO/IEC 25030

品質要求部門

JIS X 0133-1

:全体的概観

ISO/IEC 25030

:品質要求

JIS X 0133-2

:計画及び管理

ISO/IEC 25040

品質評価部門

JIS X 0133-3

:開発者のプロセス

ISO/IEC 25040

:品質評価参照モデル及び手引

JIS X 0133-4

:取得者のプロセス

ISO/IEC 25041

:評価モジュール

JIS X 0133-5

:評価者のプロセス

ISO/IEC 25042

:開発者のプロセス

JIS X 0133-6

:評価モジュールの文書化

ISO/IEC 25043

:取得者のプロセス

ISO/IEC 25044

:評価者のプロセス

“現在”欄は,現在使用している既存規格(JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群)及び新規提案規

格を一覧表にしている。

“SQuaRE”欄は,SQuaRE シリーズを構成する規格一式を一覧表にしている。

矢印は,新規規格のうち幾つかは,以前のシリーズから二つ以上の文書の連結,統一及び改正の結果を

示すので,移行の過程を示すとともに,関連のある規格と以前のシリーズ及び新規シリーズとの厳密な関

係を説明している。

SQuaRE

シリーズをつく(創)り出すために,JIS X 0129 規格類及び JIS X 0133 規格群に,次の修正を

加えた。

a) 

新規規格 

−  JIS X 25000JIS X 0129-1 及び JIS X 0133-1 で取り扱う課題の連結,統一及び改正したソフトウェ

ア品質要求及び評価(SQuaRE)の指針

−  ISO/IEC 25020(予定)

JIS X 0129-1ISO/IEC TR 9126-2ISO/IEC TR 9126-3 及び ISO/IEC TR 

9126-4

の共通部分の連結,統一及び改正した測定参照モデル及び手引

−  ISO/IEC 25021(予定)

JIS X 0129-1ISO/IEC TR 9126-2ISO/IEC TR 9126-3 及び ISO/IEC TR 

9126-4

から基本情報入力を受けた完全に新規の規格文書としての品質測

定量の要素

−  ISO/IEC 25030(予定)

JIS X 0133-1 から部分的に入力した完全に新規の規格文書としての品質要

b) 

大規模改正の規格文書 

−  ISO/IEC 25010(予定)

JIS X 0129-1 の関連する部分を大規模に改正した品質モデル

−  ISO/IEC 25022(予定)

ISO/IEC TR 9126-3 の関連する部分を大規模に改正した内部品質測定


38

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

−  ISO/IEC 25023(予定)

ISO/IEC TR 9126-2 の関連する部分を大規模に改正した外部品質測定

−  ISO/IEC 25024(予定)

ISO/IEC TR 9126-4 の関連する部分を大規模に改正した利用時の品質測定

−  ISO/IEC 25040(予定)

JIS X 0133-1 の関連する部分を大規模に改正した評価参照モデル及び手引

c) 

小規模改正の規格文書 

−  ISO/IEC 25001(予定)

JIS X 0133-2 の関連する部分を小規模に改正した計画及び管理

−  ISO/IEC 25041(予定)

JIS X 0133-6 の関連する部分を小規模に改正した計画及び管理

−  ISO/IEC 25042(予定)

JIS X 0133-3 の関連する部分を小規模に改正した開発者の評価プロセス

−  ISO/IEC 25043(予定)

JIS X 0133-4 の関連する部分を小規模に改正した取得者の評価プロセス

−  ISO/IEC 25044(予定)

JIS X 0133-5 の関連する部分を小規模に改正した評価者の評価プロセス


39

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

附属書 D 
(参考)

SQuaRE

シリーズ規格の適用の例

行に“利用者種別”

,列に“作業種別”

,交差した欄に“作業”の実行を支援する規格を記載した表を例

示する。

作業

利用者:開発者

利用者:取得者

利用者:評価者

一 般 の 品 質 要
求の定義

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010 
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25042 

(選択自由) 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25043 

(選択自由) 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25044   

(選択自由) 

利 用 者 品 質 要
求の定義

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25042 

(選択自由) 

JIS X 25000 
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25043 

(選択自由) 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25044 

(選択自由) 

品 質 要 求 の 完
全 性 に つ い て
の妥当性確認

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25042 

(選択自由) 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25043

(選択自由)   

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25044 

(選択自由)   

開 発 時 の ソ フ
ト ウ ェ ア 製 品
の評価

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022 

及び/又は

ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25042   

該当なし

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022 

及び/又は

ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041 
ISO/IEC 25044   

開 発 後 の ソ フ
ト ウ ェ ア 製 品
の評価 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25042 

該当なし

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25044 


40

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

作業

利用者:開発者

利用者:取得者

利用者:評価者

ソ フ ト ウ ェ ア
製 品 を 使 用 し
た結果の評価 

該当なし 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25043 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25044 

開 発 時 の 評 価
を 使 っ た カ ス
タ ム ソ フ ト ウ
ェ ア 製 品 の 取
得 

該当なし 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25043 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25044 

COTS

ソ フ ト

ウ ェ ア 製 品 の
取得 

該当なし 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25043 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25001   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25040   
ISO/IEC 25024   
ISO/IEC 25041   
ISO/IEC 25044 

ソ フ ト ウ ェ ア
製品の保守 
注 記   保 守 者
の役割は,開発
者 又 は 取 得 者
( 取 得 者 の 熱
心な実体)のど
ち ら で あ っ て
もよい。

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041 

JIS X 25000   
ISO/IEC 25010   
ISO/IEC 25020   
ISO/IEC 25030   
ISO/IEC 25021   
ISO/IEC 25022   
ISO/IEC 25023   
ISO/IEC 25041 

該当なし 


41

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

参考文献

JIS Q 9004: 2000

  品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針

注記  対応国際規格:ISO 9004: 2000,Quality management systems−Guidelines for performance

improvements

JIS Q 19011: 2003

  品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針

注記  対応国際規格:ISO 19011: 2002,Guidelines for quality and/or environmental management systems

auditing

JIS X 0129-1: 2003

  ソフトウェア製品の品質−第 1 部:品質モデル

注記  対応国際規格:ISO/IEC 9126-1: 2001,Software engineering−Product quality−Part 1: Quality

model

JIS X 0133-1: 1999

  ソフトウェア製品の評価−第 1 部:全体的概観

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-1: 1999,Information technology−Software product evaluation−

Part 1: General overview

JIS X 0133-2: 2001

  ソフトウェア製品の評価−第 2 部:計画及び管理

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-2: 2000,Software engineering−Product evaluation−Part 2:

Planning and management

JIS X 0133-3: 2001

  ソフトウェア製品の評価−第 3 部:開発者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-3: 2000,Software engineering−Product evaluation−Part 3:

Process for developers

JIS X 0133-4: 2001

  ソフトウェア製品の評価−第 4 部:取得者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-4: 1999,Software engineering−Product evaluation−Part 4:

Process for acquirers

JIS X 0133-5: 1999

  ソフトウェア製品の評価−第 5 部:評価者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-5: 1998,Information technology−Software product evaluation —

  Part 5: Process for evaluators

JIS X 0133-6: 2002

  ソフトウェア製品の評価−第 6 部:評価モジュールの文書化

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-6: 2001,Software engineering−Product evaluation−Part 6:

Documentation of evaluation modules

JIS X 0145-1: 2008

  情報技術−プロセスアセスメント−第 1 部:概念及び用語

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15504-1: 2004,Information technology−Process assessment−Part 1:

Concepts and vocabulary

JIS X 0145-2: 2008

  情報技術−プロセスアセスメント−第 2 部:アセスメントの実施

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15504-2: 2003,Information technology−Process assessment−Part 2:

Performing an assessment

JIS X 0145-3: 2010

(予定)  情報技術−プロセスアセスメント−第 3 部:アセスメント実施の手引

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15504-3: 2004,Information technology−Process assessment−Part 3:

Guidance on performing an assessment

JIS X 0145-4: 2010

  情報技術−プロセスアセスメント−第 4 部:プロセス改善及びプロセス能力判定


42

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

   

のための利用の手引

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15504-4: 2004,Information technology−Process assessment−Part 4:

Guidance on use for process improvement and process capability determination

JIS X 0152: 1995

  ソフトウェアパッケージ−品質要求事項及び試験

注記  対応国際規格:ISO/IEC 12119: 1994,Software Engineering−Software product evaluation−

Requirements for quality of commercial-off-the-shelf software products

(COTS)and instructions for

testing

JIS X 0160: 2007

  ソフトウェアライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 12207: 1995/Amd.1: 2002,Information technology−Software life cycle

processes

JIS X 0170: 2004

  システムライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15288: 2002,System engineering−System Life cycle processes

JIS Z 8521: 1999

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−使用性についての手引

注記  対応国際規格:ISO 9241-11: 1998,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals

(VDTs)−Part 11: Guidance on usability

JIS Z 8530: 2000

  人間工学−インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 13407: 1999,Human-centered design processes for interactive systems

ISO 9000: 2000

,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary

ISO 9001: 2000

,Quality management systems−Requirements

ISO/IEC 15504-5: 2006

, Information technology − Process assessment − Part 5: An exemplar process

assessment model

ISO/IEC 15939: 2002

,Software engineering−Software measurement process

ISO/IEC 25001

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Planning and management

ISO/IEC 25010

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Quality model

ISO/IEC 25020

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement reference model and guide

ISO/IEC 25021

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Quality measure elements

ISO/IEC 25022

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of internal quality

ISO/IEC 25023

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of external quality

ISO/IEC 25024

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of quality in use

ISO/IEC 25030

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Quality requirements

ISO/IEC 25040

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation reference model and guide


43

X 25000

:2010 (ISO/IEC 25000:2005)

ISO/IEC 25041

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation modules

ISO/IEC 25042

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for developers

ISO/IEC 25043

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for acquirers

ISO/IEC 25044

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for evaluators

ISO/IEC 25051

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Requirements for quality of Commercial Off-The-Shelf (COTS) software product and instructions for

testing

ISO/IEC 25062

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Common Industry format for usability test reports

ISO/IEC TR 9126-2: 2003

,Software engineering−Product quality−Part 2: External metrics

注記  対応情報仕様書:TS X 0111-2: 2009  ソフトウェア製品の品質−第 2 部:JIS X 0129-1 による

外部品質測定法

ISO/IEC TR 9126-3: 2003

,Software engineering−Product quality−Part 3: Internal metrics

注記  対応情報仕様書:TS X 0111-3: 2009  ソフトウェア製品の品質−第 3 部:JIS X 0129-1 による

内部品質測定法

ISO/IEC TR 9126-4: 2004

,Software engineering−Product quality−Part 4: Quality in use metrics

注記  対応情報仕様書:TS X 0111-4: 2009  ソフトウェア製品の品質−第 4 部:JIS X 0129-1 による

利用時の品質測定法