X 0836:2005 (ISO 15836:2003)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 15836:2003,Information and
documentation−The Dublin Core metadata element setを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
X 0836:2005 (ISO 15836:2003)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 基本記述要素集合 ············································································································ 2
5. 基本記述要素 ·················································································································· 3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 0836:2005
(ISO 15836:2003)
ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合
The Dublin Core metadata element set
序文 この規格は,2003年に第1版として発行されたISO 15836,Information and documentation−The Dublin
Core metadata element setを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規
格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある注記及び注は,対応国際規格にはない事項である。
この規格によって規定されたダブリンコアメタデータ基本記述要素は,情報資源発見のために,学際的,
かつ,国際的な合意のうえに選定された15の基本記述要素からなる。
この規格によって規定されたダブリンコアメタデータは, ANSI/NISO Z39.85として承認されている。
この規格によって規定されたダブリンコアメタデータは,他のメタデータ標準を排除することはない。
むしろ,ダブリンコアにはない記述能力をもつメタデータ標準との共存,それも一つの情報資源記述レコ
ード内での共存も可能である。
1. 適用範囲 ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合 (Dublin Core metadata element set) は,領域横断
的情報資源記述のための標準である。この規格では,情報資源を識別可能なあらゆるものと定義する。こ
れは,Tim Berners-Leeらによる[RFC 2396]“Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax”で用いられ
ている定義である。ダブリンコアの記述対象となる情報資源は,典型的には電子文書である。
この規格は,ダブリンコアメタデータ基本記述要素だけを規定する。この基本記述要素は,特定のプロ
ジェクト又はアプリケーションにおいて一般的に用いる。個別の機関,地域及びコミュニティの要請と方
針に従って,規則及び細則を定めたり解釈を加えたりしてもよい。この規格は,個別のプロジェクト又は
アプリケーションにおける各ダブリンコアメタデータ基本記述要素の使用細則を定義するものではない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 15836:2003,Information and documentation−The Dublin Core metadata element set (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の一部を構成する。これ
らの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規
定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記してい
ない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
それぞれの引用規格は,末尾に括弧つきで示す省略形によって,本文中で参照される。
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X 0836:2005 (ISO 15836:2003)
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JIS X 0301情報交換のためのデータ要素及び交換形式−日付及び時刻の表記
備考 ISO 8601 Data elements and interchange formats -- Information interchange -- Representation of dates and
timesがこの規格と一致している。.
JIS X0412-2 言語名コード−第2部:3文字コード
備考 ISO 639-2 Codes for the representation of names of languages, Alpha-3 codeがこの規格と一致し
ている。<http://www.loc.gov/standards/iso639-2/langhome.html> [ISO 639]
DCMI Type Vocabulary. DCMI Recommendation, 11 July 2000.
<http://dublincore.org/documents/dcmi-type-vocabulary/> [DCT]
Internet Media Types. <http://www.isi.edu/in-notes/iana/assignments/media-types/media-types> [MIME]
Tags for the Identification of Languages, Internet RFC 3066.
<http://www.ietf.org/rfc/rfc3066.txt> [RFC3066]
Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax, Internet RFC 2396.
<http://www.ietf.org/rfc/rfc2396.txt> [RFC2396]
Dublin Core Metadata for Resource Discovery. Internet RFC 2413.
<http://www.ietf.org/rfc/rfc2413.txt> [RFC2413]
Getty Thesaurus of Geographic Names.
<http://www.getty.edu/research/tools/vocabulary/tgn/index.html> [TGN]
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
ダブリンコアメタデータイニシアチブ (DCMI,Dublin Core Metadata Initiative) ダブリンコアメタデー
タ基本記述要素の維持管理組織。
情報資源 (Information resource) 識別可能なあらゆるもの(Internet RFC2396と同一の定義)。
情報資源のライフサイクル (Lifecycle of an information resource) ある特定の情報資源の生産,展開,利
用の過程。この例には,着想,草稿の作成,記事の改訂,本の出版,図書館による収集,磁気ディスクへ
の書換え,光記録媒体への変換,他の言語への翻訳,新しい作品(例えば,映画)の派生などがある。
4. 基本記述要素集合 5. において,各基本記述要素は,機械処理のため一意に識別可能な英単語1語で
構成する基本記述要素名及び基本記述要素の意味がだれにでも分かるような表示名を,併せもつ。
HTMLのようにアルファベットの大文字と小文字とを区別しない環境もあるが,XML (Extensible Markup
Language)[XML] のように大文字と小文字とを区別する環境へ,メタデータを抽出又は変換するような場
合に,問題が生じることを避けるため,基本記述要素名の大文字と小文字との区別は,この規格に従うこ
とを強く推奨する。
各基本記述要素は,省略可能とし,かつ,各基本記述要素は,繰り返し可能とする。メタデータ基本記
述要素は,どのような順序で現れてもかまわない。同一基本記述要素(例えば,作成者)が複数回現れる
場合,すべてのシステムにおいてその順序が意味をもつわけではない。また,すべてのシステムにおいて,
その順序が保存されることを保証しない。
広範な相互運用性を推進するため,幾つかの基本記述要素ではその値の記述に統制語い(彙)を用いる
ことを推奨する。特定の地域又は分野内での相互運用性のために,この規格で示されていない統制語い(彙)
を利用してもよい。
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5. 基本記述要素
基本記述要素名:Title
表示名 :タイトル
定義 :情報資源に与えられた名称
注釈 :一般的に,本要素は,情報資源が正式に認知されるために用いる名称である。
参考 表示名をタイトルだけでなく名称,題名などを充ててもよい。
基本記述要素名:Creator
表示名 :作成者
定義 :情報資源の内容の作成に主たる責任をもつ実体
注釈 :本要素の例として,人,組織,サービスなどがある。一般的には,作成者の名前はそ
の実体を指示するために用いるのがよい。
基本記述要素名:Subject
表示名 :キーワード
定義 :情報資源の内容のトピック
注釈
:一般的には,本要素は,当該情報資源のトピックを表すキーワード,キーフレーズ,又は
分類コードによって表される。統制語い(彙)又は正規の分類体系から値を選択すること
を推奨する。
参考 表示名をキーワードだけでなく,主題などを充ててもよい。
基本記述要素名:Description
表示名 :内容記述
定義 :情報資源の内容の説明・記述
注釈 :本要素の例として,抄録,目次,内容の中の図に対する説明,自由テキストによる内容,
説明などがあるが,必ずしもこれらに限定はされない。
基本記述要素名:Publisher
表示名 :公開者
定義 :情報資源を公開することに対して責任をもつ実体
注釈 :本要素の例として,人,組織,サービスなどがある。一般的には,公開者の名前は,その
実体を指示する。
参考 表示名を公開者だけでなく,公表者,出版者などを充ててもよい。
基本記述要素名:Contributor
表示名 :寄与者
定義 :情報資源の内容に何らかの寄与,貢献をした実体
注釈 :本要素の例として,人,組織,サービスなどがある。一般的には,寄与者の名前は,その
実体を指示する。
参考 表示名を寄与者だけでなく,貢献者などを充ててもよい。
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基本記述要素名:Date
表示名 :日付
定義 :情報資源のライフサイクルにおけるなんらかの事象の日付
注釈 :一般的には,日付要素には当該情報資源の作成日又は公開日が当てられる。日付要素の記
述は,JIS X 0301のプロファイルで定義された形式(その中にはYYYY-MM-DDの形式も
含まれている。)で符号化することを推奨する。
基本記述要素名:Type
表示名 :資源タイプ
定義 :情報資源の内容の性質又はジャンル
注釈 :本要素には,内容にかかわるはん(汎)用カテゴリ,機能,ジャンル,粒度などを記述す
る用語がある。統制語い(彙)(例えば,DCMI Type Vocabulary [DCT])から値を選択する
ことを推奨する。情報資源の物理的形態又はディジダル形態での表現形式を記述する場合
は,記録形式要素を用いる。
参考 粒度とは,一つの文書全体,章節などの文書の一部,複数の文書の集合など,対象とする情報
資源の単位の大きさを示す。
基本記述要素名:Format
表示名 :記録形式
定義 :情報資源の物理的形態又はディジダル形態での表現形式
注釈 :一般的には,記録形式要素にはメディア型(media-type)又は情報資源の寸法を記述する。記
録形式要素は当該情報資源を表示又は動作させるために必要なソフトウェア,ハードウェ
ア又は他の装置を識別するために用いる。寸法の例には,大きさ,長さ,時間などがある。
統制語い(彙)(例えば,コンピュータのメディア形式を定義するInternet Media
Type[MIME])から値を選択することを推奨する。
基本記述要素名:Identifier
表示名 :資源識別子
定義 :当該情報資源を一意に特定するための識別子
注釈
:文字列又は数字から構成され,かつ,公的な体系に基づいて文字列又は数字として表
された識別子によって識別することを推奨する。識別子の公的な体系には,Uniform
Resource Identifier (URI)(Uniform Resource Locatorを含む。),Digital Object Identifier(DOI)
International Standard Book Number(ISBN)などがあるが,これらに限定されるものではない。
基本記述要素名:Source
表示名 :出処
定義 :当該情報資源が作り出される源になった情報資源への参照
注釈 :当該情報資源は,出処要素で示される情報資源の全体又は一部から作り出される。
出処要素は,文字列又は数字から構成され,かつ公的な体系に基づいた識別子によって識
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X 0836:2005 (ISO 15836:2003)
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別することを推奨する。
参考 表示名を出処だけでなく,原情報資源などを充ててもよい。
基本記述要素名:Language
表示名 :言語
定義 :当該情報資源の知的内容を表す言語
注釈 :RFC 3066[RFC3066]を用いることを推奨する。これは,ISO 639 [ISO639]とともに用いて2
文字又は3文字の主言語タグを定義する。主言語タグには,省略可能である副タグが伴う
場合がある。例えば,“en”又は“eng”は英語を表し,“akk”はアッカド語を表す。また,
“en-GB”はイギリスで用いられている英語を表す。
基本記述要素名:Relation
表示名 :関係
定義 :関連情報資源への参照
注釈 :文字列又は数字から構成され,かつ,公的な体系に基づいた識別子によって識別すること
を推奨する。
基本記述要素名:Coverage
表示名 :時空間範囲
定義 :情報資源の内容が表す範囲又は領域
注釈 :一般的には,時空間範囲要素には,空間的位置(場所の名前又は地理的座標),時間区間(期
間を表すラベル,日付,日付によって表される期間),行政地域(行政実体の名前)などの
値を記述する。統制語い(彙)(例えば,地理的名称のシソーラス[TGN])から値を選択す
ることを推奨する。座標の組又は日付が表す期間といった数値的な値よりも,地名又は時
間的区間を用いることを推奨する。
参考 表示名を時空間範囲だけでなく,時間的な範囲,空間的な範囲などを充ててもよい。
基本記述要素名:Rights
表示名 :権利管理
定義 :情報資源に含まれる,又はかかわる権利に関する情報
注釈
:一般的には,権利管理要素は当該情報資源の権利管理に関する情報を値としてもつサービ
ス,又はそうした情報を提供するサービスを参照する。権利情報は,知的財産権(IPR),著
作権及び種々の財産権を含むことが多くある。権利要素がない場合,当該情報資源又はそ
の一部分に関する権利に対するいかなる仮定もなされない。