X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 2
2 用語及び定義 ··················································································································· 2
3 図書館の現在の任務 ········································································································· 24
3.1 全般 ··························································································································· 24
3.2 図書館の種類 ··············································································································· 25
3.3 利用者の活動の変化 ······································································································ 25
4 統計の使用及び便益 ········································································································· 26
4.1 背景 ··························································································································· 26
4.2 図書館実務の発展 ········································································································· 27
4.3 図書館統計の選択 ········································································································· 27
4.4 統計の利用 ·················································································································· 28
4.5 利害関係者への統計の提示 ····························································································· 28
5 統計データの報告 ············································································································ 29
5.1 全般 ··························································································································· 29
5.2 統計データの期間 ········································································································· 29
5.3 標本抽出によって推測されたデータ·················································································· 29
6 統計データの収集 ············································································································ 29
6.1 図書館 ························································································································ 29
6.2 図書館サービス及び利用 ································································································ 31
6.3 コレクション ··············································································································· 40
6.4 アクセス及び施設 ········································································································· 45
6.5 経営 ··························································································································· 47
6.6 資金調達及び経費(報告期間で計測)··············································································· 48
6.7 図書館職員(報告期間の終了時点で計測) ········································································· 50
附属書A(参考)更に統計分析を進める推奨される区分 ····························································· 53
附属書B(参考)外挿 ·········································································································· 58
附属書C(参考)索引 ·········································································································· 60
参考文献 ···························································································································· 65
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人情報
科学技術協会(INFOSTA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。これによって,JIS X 0814:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
X 0814:2017
(ISO 2789:2013)
図書館統計
Information and documentation-International library statistics
序文
この規格は,2013年に第5版として発行されたISO 2789を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
この規格は,図書館及び情報サービスのコミュニティに対して,統計の収集及び報告についての指針を
示す。
箇条2及び箇条6は,この規格の中核をなす。箇条2では,図書館サービスを構成するほとんどの要素
の定義が示されている。ただし,これらは統計だけを目的とするものである。箇条6では,これらの各要
素の望ましい集計方法を推奨している。この規格の利用者は,全体像を把握するために両方の箇条を参考
にする必要がある。
この規格には,図書館が利用者に提供する全ての種類の資源及びサービスの,定義と集計手順とが含ま
れる。電子的資源及び電子的サービスが図書館の標準的な活動となったため,それについての定義,手順
などで構成されていた前版の附属書Aは,規格の本体に取り込まれている。
多くの新しい図書館サービスを組み込んだ理由を説明するために,箇条3で現在の図書館における任務
の説明が追加されている。
様々な種類及び規模の図書館において,この規格で規定している尺度の全てが収集できるものではない。
完全性(completeness)を高めるため,(一部の図書館にとってだけ重要な)幾つかの追加的な尺度が附属
書Aで記述されている。その目的は,ある特定の統計を収集する場合,確実に同じ定義及び方法が用いら
れるようにすることである。
附属書Bは,全国的な統計の編さん(纂)及び出版にとって重要であり,それによって正確な各国間比
較及び経年的比較が可能となる。
図書館活動を説明及び公表するという重要な必要条件を満たすことができるのは,図書館におけるデー
タ収集がこの規格の方針に従って行われる場合だけである。各図書館は,この規格で規定されたデータの
うち自館の活動に関するものを,可能な限り全て収集することが望ましい。
アルファベット順索引が附属書Cとして付されている。
この規格の対応国際規格は,図書館統計に関わる動向をモニタし,必要に応じて追加的な統計尺度を取
り入れるISO/TC 46/SC 8の作業部会によって維持される。
2
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適用範囲
この規格は,図書館及び情報サービスのコミュニティに対して,統計の収集及び報告について次の要領
で規定する。
− 図書館及び情報サービスの経営のために統計を利用するよい慣行を推進する。
− 国際的な報告を目的とする。
− 図書館運営者が頻繁に用いているが,国際的な報告には適していなかった統計の測定について,各国
間の一致を確実にする。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 2789:2013,Information and documentation−International library statistics(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2.1
図書館
2.1.1
学術図書館(academic library)
主に学習及び研究に必要な情報を提供する機能を備えた図書館。
注記 高等教育機関の図書館,及び一般の研究図書館を含む。
2.1.2
運営単位(administrative unit)
単一の運営者又は単一の管理運営の下に置かれた,独立した一つ以上の図書館。
注記1 “独立した”とは,法律的な又は財政的な独立をいうものではなく,通常,より大きな組織
の中で図書館が単独の組織として認識できることをいう。
注記2 運営単位は,単独の図書館,又はより大きな組織で,通常,中央館・本館,分館及び運営機
能をもつ(6.1.1参照)。
2.1.3
分館(branch library)
特定の利用者集団(例 児童,教員)又は限定された地域の利用者を対象に,中央館から離れた場所で
サービスを提供する,より大きな運営単位の一部。
注記 研究所図書館,部局図書館,及び支部図書館を含む。移動図書館及び外部のサービス拠点は除
く。
2.1.4
中央館,本館(central library,main library)
通常,中枢の運営機能があり図書館コレクション及びサービスの重要部分をもっている,運営単位にお
ける部分。
注記 複数の分館から構成される運営単位に,必ずしも中央館が存在するとは限らない。
2.1.5
外部のサービス拠点(external service point)
図書館の敷地から離れて,利用者に対して定期的にサービスを提供している地点。
3
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注記1 限定された利用者集団への貸出のための図書館資料は配置されているが,他の図書館サービ
スは提供していない場所(例 公民館,高齢者施設,コミュニティセンタ,病院)を含む。
注記2 印刷資料を所蔵せず,電子的サービスだけを提供するサービス拠点を含む。
注記3 移動図書館及びその停車場所は,サービス拠点として数えない。
注記4 単なるコンピュータ接続がなされる図書館外の場所(例 学生の自宅)は,サービス拠点と
して数えない。
2.1.6
図書館(library)
情報,調査研究,教育,文化又は娯楽に対する利用者の要求が満たされるように,情報資源,サービス
及び施設の利用を促進することを主たる目的とする組織又は組織の一部。
注記1 要求された情報資源の提供は,コレクションの形成・維持,及び/又は情報資源アクセスの
組織化によって遂行される。
注記2 これは,図書館に対する基本的な要件であって,主要目的に付随する,この他の資源及びサ
ービスを否定するものではない。
2.1.7
高等教育機関の図書館(library of an institution of higher education)
大学及びその他の高等教育機関にあり,学生及び教職員に対してサービスを提供することが主要な機能
である図書館。
注記 一般の人々に対してもサービスを提供できる。
2.1.8
移動図書館(mobile library)
利用者が図書館の敷地にアクセスする代替として,輸送手段を用いて,資料及びサービスを直接的に利
用者に提供する図書館。公共図書館の一部門である場合もある。
注記 JIS X 0701:2005の定義を変更している。
2.1.9
国立図書館(national library)
自国に関連する資料の網羅的な収集及び保存に責任をもつ図書館。
注記1 国立図書館は,通常,次の機能の一部又は全てをもつ。
− 全国書誌の作成
− 自国に関する資料を含む大規模で代表的な外国文献コレクションの収集及び保存
− 全国書誌の情報提供機関としての活動
− 総合目録の編集
− 他の図書館の運営指導及び/又は協力活動の推進
− 研究開発サービスの調整
注記2 “国立図書館”の定義は,1国での複数の国立図書館を許容している。
2.1.10
公共図書館(public library)
地域又は地方のコミュニティの全住民にサービスを提供する,一般の人々に公開された総合的な図書館。
通常,財源の全部又は一部は公的資金によって賄われる。
注記 公共図書館は,児童,視覚障害者,又は病院入院患者といった特定の利用者集団をサービス対
4
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
象とする場合でも,一般の人々に公開されたものと定義される。基本的なサービスは,無料又
は一部負担金によって利用できる。このサービスには,公共図書館が学校に対して提供するサ
ービス,及び地方単位の組織(regional organization)による管内の公共図書館に対して提供する
サービスも含む。
2.1.11
学校図書館(school library)
高等教育機関より下位に属するいずれかの種類の学校に附属し,学校の児童・生徒及び教師に対してサ
ービスを提供することが主要な機能である図書館。
注記1 一般の人々に対してもサービスを提供できる。
注記2 学校図書館には,高等教育機関より下位の全ての教育機関(例 継続教育機関,専門学校な
ど)の図書館及び資源コレクションを含む。
2.1.12
専門図書館(special library)
一つの専門分野,特殊な知識分野又は特定の地方に関することを扱う独自の図書館。
注記1 専門図書館には,特定の種類の利用者に対して主としてサービスを行う図書館,主として特
殊な形態の資料に特化した図書館,及び組織が自らの事業目的に役立つように出資した図書
館を含む。
注記2 専門図書館の統計は,一般的に2.1.12.1〜2.1.12.7に定義のある(資金を拠出する組織によっ
て区別される)図書館ごとに個別に収集し提示することが望ましい。
2.1.12.1
政府機関の図書館(government library)
海外,国及び地方自治体の行政組織,行政法人又は議会に対してサービスを提供するために運営される
図書館。
2.1.12.2
医療サービス図書館,医学図書館(health-service library,medical library)
民間又は公共のいずれであれ,病院その他において医療専門家に対してサービスを提供する図書館。
注記1 製薬会社の図書館は,2.1.12.4に含めることが望ましい。
注記2 患者をサービス対象とした病院図書館も,ここに含めてもよい。
2.1.12.3
専門団体及び学協会の図書館(library of professional and learned institutions and associations)
特定の業界又は専門的職業の会員及び関係者に対してサービスを提供することを主たる目的とし,専門
職団体,事業者団体,学術団体,労働組合又は類似の団体が運営する図書館。
2.1.12.4
企業図書館(industrial and commercial library)
職員(従業員)からの要求に応じ情報提供を行うため,親組織が運営する,企業内にある図書館。
注記 “企業図書館”には,情報・経営コンサルタント,製造業及びサービス業の会社が運営する図
書館,並びに民間の法律事務所の図書館を含む。
2.1.12.5
マスメディアの図書館(media library)
新聞,出版,放送,映画及びテレビをはじめとする報道及び出版に関する企業・団体に対してサービス
5
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
を提供する図書館。
2.1.12.6
地方図書館(regional library)
主要な機能が公共図書館,学校図書館又は学術図書館のいずれとも同じといえず,全国図書館ネットワ
ークの一部でもない,特定の地方に対してサービスを提供する規模の大きな図書館。
2.1.12.7
その他の専門図書館(other special library)
どの種類の定義にも属さない図書館など。
例 任意団体の図書館,美術館内の図書館,宗教団体の図書館
2.1.13
保存図書館(storage library)
他の運営単位から移送した利用の少ない資料の保存を主要な機能とする図書館。
注記1 他の図書館(例 国立図書館,地方図書館)の一部門,又は他の図書館によって運営される
保存図書館は除く。
注記2 保存資料が入庫した図書館の所蔵のままとしている図書館は除く。その場合,コレクション
及びその利用は,所有する図書館のものと一緒に集計する。
2.2
図書館サービス及び利用
2.2.1
アクセス(access)
図書館が提供するオンラインサービスへの接続に成功した要求。
注記1 利用者が図書館の提供するオンラインサービスに接続した時点から,ログアウト若しくは終
了をしてデータベースから明示的に離れるか,又は利用者の動作がないためにタイムアウト
になり,接続を終えた時点までを1アクセスとする。
注記2 図書館のウェブサイトへのアクセスは仮想訪問(virtual visit)として数える。
注記3 全体のエントランス(entrance)又はゲートウェイページ(gateway page)への要求は,除く
ことが望ましい。
注記4 可能ならば,検索エンジンを通じての要求は除くことが望ましい。
2.2.2
実貸出者(active borrower)
報告期間中に,少なくとも一つの資料を借り出した登録利用者。
注記 この数え方では実利用者(active users)の数を過小評価することになる。しかしそれでも,多
くの図書館にとって唯一扱いやすい指標である。
2.2.3
実利用者(active user)
報告期間中に,来館した,又は図書館の施設若しくはサービスを利用した登録利用者。
注記1 実貸出者を含む。
注記2 個々の利用者の電子的利用及び仮想訪問を識別できる場合,又は調査によってデータが収集
できる場合は,電子図書館サービスの利用を含んでもよい。
注記3 未登録の実利用者を識別できる場合(例 調査によって),これらを別に数えることが望まし
い。
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2.2.4
ブログ(blog, weblog)
特定の話題又は主題(広い範囲又は狭い範囲)についてのウェブリンク及び/又は論評を,高い頻度で
継続的に掲載するウェブページ。日付とは逆順に短い記事が並ぶ形式であることが多く,最新に投稿され
た記事が先頭に表示される。
注記 情報は,サイトの管理者によって書かれる又は収集されることも,利用者から提供されること
もある。
2.2.5
ブログ投稿(blog post)
ブログに投稿された記事。
2.2.6
ダウンロード(download)
図書館が提供するオンラインサービス又は他のインターネットサービスから取り込む,コンテンツ単位
の,成功した要求。
2.2.7
電子的文献配送(仲介)[electronic document delivery (mediated)]
図書館職員の仲介によって(必ずしも他の図書館を経由する必要はない。),図書館コレクションの文献
又はその一部を利用者に電子的に送信する処理。
注記1 自館のサービス対象者に対する送信も含む。ただし,ファックスによる送信は除く。
注記2 有料か無料かを区別して数えてもよい。
注記3 図書館の電子的コレクションから利用者が仲介なしにダウンロードした場合は除く。
注記4 この規格で規定する貸出及び配送サービスの形態については,表1に示す。
表1−貸出及び配送サービスの形態
提供側
図書館
図書館以外の資料提供機関
受取側
利用者
他の図書館
(図書館経由の)利用者
提供形態
原資料
貸出
図書館間貸出
外部機関からの文献提供
複写物
貸出
図書館間貸出
外部機関からの文献提供
電子形態
期間限定:貸出
無期限:電子的文
献配送(仲介)
電子的文献配送
(仲介)
外部機関からの文献提供
2.2.8
電子的サービス(electronic service)
ローカルサーバ,又はネットワーク経由で電子的手段によって提供される図書館サービス。
注記1 電子図書館サービスは,オンライン目録,図書館のウェブサイト,電子的コレクション,電
子的貸出,電子的文献配送(仲介),電子的レファレンスサービス,電子的サービスに関する
利用者教育,モバイル機器に関するサービス,対話型サービス(ソーシャルネットワークで
のサービスを含む。)及び図書館経由で提供されるインターネットアクセスを含む。
注記2 来館サービスの予約(例 部屋の予約又は図書館ツアー)を電子的手段で行ったものは含ま
ない。
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2.2.9
催し物(event)
文化的,教育的,社会的,政治的,学問的,又はそれ以外の目的で,あらかじめ計画された活動。
例 展示会,著者の来館,文学懇談会,ワークショップ
注記1 ISO/TR 28118:2009に定義されている。
注記2 図書館で独自に企画された催し物,又は他機関と共同で企画された催し物だけが含まれる。
図書館の内外を問わない。図書館内で開催された催し物でも,他機関の企画で図書館が協力
していないものは除く。
注記3 利用者教育及び図書館ツアーは除く。
注記4 継続する催し物を含む。個々の催し物を一つとして数える。
注記5 仮想の催し物を含む。
2.2.10
展示会(exhibition)
図書館が開催した又は共同開催した,期間限定の展示。
注記 展示会の開催場所は図書館の内外を問わない。
2.2.11
外部機関からの文献提供(external document supply)
(図書館間貸出経由ではない)図書館以外の供給者によって,図書館コレクション以外の資料群から配
送される,印刷形態又は電子形態の文献又はその一部。この場合,図書館自身がその処理及び/又は支払
いに関与している。
注記1 回数に応じた支払い(pay per view)か,又は一定数の前払いかは,関係しない。
注記2 この規格で規定する貸出及び配送サービスの形態については,表1に示す。
2.2.12
外部利用者(external user)
その図書館のサービス対象者に属さない利用者。
2.2.13
情報質問(informational question)
図書館職員に向けられた,案内及び/又は運営に関する質問。
注記1 職員又は施設の所在場所に関する質問,開館時間及び登録手続に関する質問,プリンタ,コ
ンピュータ端末など機器の使い方に関する質問などが含まれる。
注記2 質問は,直接に対面で伝えることもできるし,電話,郵便,ファックス又は電子メディア(電
子メール,図書館のウェブサイト及びその他のネットワーク通信)の手段を用いることもで
きる。
注記3 レファレンス質問については,2.2.26を参照。
2.2.14
館内利用(in-house use)
利用者が開架書架から取り出す,図書館内での資料利用。
注記 館内利用には,簡易な調査のためのブラウジングを含む。しかし,資料を選択するためにタイ
トルを見ているだけの場合は除く。
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2.2.15
対話型図書館サービス(interactive library service)
利用者同士又は利用者と図書館との間で,双方向に情報の交換を促進するソーシャルソフトウェア
(social software)を使ったオンライン図書館サービス。
2.2.16
図書館間貸出(interlibrary loan)
ある図書館から同じ管理運営下にない他の図書館に対する,現物(物理的形態の資料)の貸出,又は複
写による資料若しくはその一部の配送。
注記1 電子形態の資料の送信(仲介)は,電子的文献配送(仲介)として数える。
注記2 この規格で規定する貸出及び配送サービスの形態については,表1に示す。
2.2.17
インターネットアクセス(Internet access)
図書館が保有するワークステーションによって行われたか,又は図書館のネットワークを介して図書館
内で利用者私有のコンピュータによって行われた,利用者によるインターネットへの接続。
注記1 インターネットアクセスは,インターネットへアクセスするときに利用者が登録,又は認証
された場合にだけ,数えることができる。
注記2 図書館内での図書館無線ネットワーク経由の,利用者個人のコンピュータ(例 ラップトッ
プ又はモバイル機器)によるインターネットアクセスの数は,分けて数え,報告することが
望ましい。
2.2.18
図書館のウェブサイト(library website)
図書館のサービス及び資源へのアクセスを提供するために図書館が公開する,ウェブページの集合体に
よって構成されたインターネット上の固有のドメイン。
注記1 ウェブサイトのページは,通常,ハイパーテキストリンクによって相互接続している。
注記2 電子的コレクションとして定義される資料及び図書館のウェブサイトからリンクできる無料
のインターネット資源は除く。
注記3 図書館のドメイン内で,他の組織のために運営されるウェブサービスは除く。
2.2.19
貸出(loan)
次の二つの処理のいずれかをいう。
− 電子形態でない資料(例 図書)又は持ち運びできる物理的形態(例 CD-ROM)若しくはその他の
機器(例 電子図書リーダ)に搭載された電子資料を,直接又は配送によって貸し出す処理。
− 一定期間利用できるよう,電子資料(例 電子図書)を1人の利用者に送信する処理。
注記1 更新は含まない。ただし,別に数えてもよい。
注記2 図書館内での貸出(館内貸出)を含む。
注記3 原資料の代わりに図書館が提供した複写物(ファックスも含む。)及び利用者のために職員が
作成した電子資料のプリントアウトを含む。
注記4 遠隔利用者への物理的な資料の貸出を含む。
注記5 資料の電子的送信(仲介)は,その利用が一定期間に限られていない場合,電子的文献配送
(仲介)として数える。電子的文献配送(仲介)は,自館のサービス対象者への送信を含む。
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注記6 この規格で規定する貸出及び配送サービスの形態については,表1に示す。
2.2.20
モバイル機器(mobile device)
典型的には,タッチ,ペン,及び/又はキーボードを使って入力する画面と,インターネット接続機能
とをもつコンピュータ機器。
2.2.21
オンライン目録(online catalogue)
通常,特定の図書館又は図書館組織網のコレクションを記述した,書誌レコードのデータベース。
2.2.22
館内貸出(on-site loan)
図書館内での利用のために,多くの場合には閉架書庫から,資料を出納して貸し出す処理。
2.2.23
ポッドキャスト(podcast)
RSSフィードでインターネットに同時に配給されるデジタルメディアファイル(録音又は録画)。
注記1 オンラインで公表されると,携帯メディア機器又はパーソナルコンピュータで視聴するため
にダウンロードされる。
注記2 ポッドキャストのオンラインディレクトリは,通常,主題ごとに一覧できる,又はキーワー
ドで検索できる。
2.2.24
利用時の教育(point-of-use training)
利用者からのその場の要求に応じて,通常は利用時に,図書館職員によって行われる利用者教育。
2.2.25
サービス対象者(数)(population to be served)
図書館がサービス及び資料を提供する対象となる人数。
注記1 JIS X 0812の2.32の定義を参照。
注記2 サービス対象者数は,公共図書館の場合は,通常,法定サービス区域内(自治体)の人口に
相当し,高等教育機関の図書館の場合は,教職員及び学生の総数に相当する。
2.2.26
レファレンス質問(reference question)
図書館職員の知識,又は一つ以上の情報源(印刷資料,非印刷資料,機械可読データベース,自館及び
他機関の目録)を使用して答えられる情報質問。
注記1 ANSI/NISO Z39.7-2004の定義を変更している。
注記2 情報源の使い方についての助言,解説,又は使用説明を含む。
注記3 一つのレファレンス質問が複数の事項を含むことがある。
注記4 質問は,対面,電話,手紙,ファックス,又は電子媒体(電子メール,図書館のウェブサイ
ト,又は他のネットワークによる伝達手段)で行われる。
注記5 案内及び運営に関する情報質問(例 職員又は施設の所在場所,開館時間及び登録手続,プ
リンタ又はコンピュータ端末などの機器の使い方)を含めないことが重要である(2.2.13を
参照)。
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2.2.27
レファレンスサービス(reference service)
要求に応じて,情報及びドキュメンテーション機関によって行われる情報提供又は支援。
(JIS X 0701の5.5.06参照)
2.2.28
登録利用者(registered user)
図書館内又は館外において図書館のコレクション及び/又はサービスを利用するため,図書館に登録し
た個人又は組織。
注記1 利用者の申請によって登録してもよいし,機関への登録と同時に自動的に行ってもよい。
注記2 登録は定期的に,少なくとも3年ごとに一度点検することが望ましい。それによって実利用
者ではない利用者を除くことができる。
2.2.29
不受理アクセス(rejected access,turnaway)
同時接続可能な利用者数の上限を超えたため,図書館が使用許諾契約に基づいて提供するオンラインサ
ービスへの接続に成功しなかった要求。
注記 間違ったパスワードによる要求の失敗は除く。
2.2.30
貸出の更新(renewal)
通常利用者による,資料の貸出期間の延長。
注記 利用者の手続によらない,図書館システムによる自動更新を含む。
2.2.31
予約(reservation)
利用者が図書館コレクション又は受入手続中の資料の利用を請求したが,その時点で利用できなかった
場合に,後日利用するために行われる手続。
2.2.32
検索(search)
特定の知的問合せ。通常は,図書館が提供するオンラインサービスの検索フォームをサーバに送ること
に等しい。
注記1 COUNTER code of practice, Release 4, 2012の定義を変更している。
注記2 検索は,サーバに検索要求が送られるたびに記録される。
注記3 直後に繰り返される重複した検索,ダブルクリック,又は利用者の意図から外れた行為を示
すその他の証拠があるものは除く。
2.2.33
ソーシャルネットワークサービス(social network service)
個人又は組織のプロフィールを開設し,コミュニケーション,協働,及び/又はコンテンツを共有する
ことを目的として他の個人との接触を可能にするよう設計された電子的サービス。
注記1 利用者には,個人,又は図書館のような組織があり得る。
注記2 大抵のサービスでは,プロフィール情報が参照できる範囲を,登録サービス会員,すなわち,
接触可能リストにある者又はサービス利用者の特定グループ,だけに限定している。
11
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.2.34
ターゲット集団(target population)
個々の図書館が,特定のサービスの対象又は特定の資料の主要な利用者として想定する,実際の利用者
及び潜在的な利用者の集団。
(JIS X 0812:2012の2.41参照)
2.2.35
特別な要求をもつターゲット集団(target population with special needs)
特別な図書館サービスを必要とする,図書館の利用対象者の一部。
注記1 特別な要求は,身体若しくは健康の障害,経済的困窮(例 長期間の失業),文化的な差異(例
非母語話者,転入者),教育的背景,又は特別な図書館サービスを必要とするその他の事情に
よって生じるものである。
注記2 付加的な要求を必要としない,子供,若者及び高齢者は含まれない。
注記3 図書館1館について,特別な要求をもつターゲット集団が複数存在することがある。
注記4 ある個人が,複数のこのようなターゲット集団に所属することがある。
2.2.36
利用者(user)
図書館サービスの受け手。
(JIS X 0812:2012の2.43参照)
注記1 受け手は,人でもよいし,図書館をはじめとする機関でもよい。
注記2 図書館サービスとしては,電子的サービス,物理的サービス及び図書館への来館がある。
2.2.37
利用者教育(user training)
図書館及び他の情報サービスの利用に関し,具体的な学習成果を目的とした,指定の指導計画による教
育プログラム。
注記1 利用者教育は,図書館見学ツアー,図書館における利用指導又はウェブ上のサービスによっ
て提供できる。
注記2 指導の実施期間は関係しない。
2.2.38
仮想催し物(virtual event)
特にインターネット経由で利用できるよう設計された,電子形態による催し物。
2.2.39
仮想訪問(virtual visit)
図書館のIPアドレス空間の外(通常は図書館の敷地外)からの利用者による,図書館のウェブサイト上
での一連の行動。閲覧したページ数又は要素数は関係しない。
注記1 1回の仮想訪問は,通常,利用者が外部のページを訪問した後に図書館のウェブサイトにア
クセスした時点に始まり,明示された時間(最大30分間)一切の行動が記録されなかった場
合に終了する。間隔がこれより長い場合は,新たな訪問とする。
注記2 仮想訪問者は,少なくとも固有のクッキーによって,及び/又は利用者のIPアドレスとブラ
ウザ文字列(ユーザーエージェント)との固有の組合せによって,特定されることが望まし
い。ウェブスパイダ及びハーベスタは除くことが望ましい。
12
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.2.40
来館者(visit)
図書館に入館した者。
2.2.41
ウィキ(wiki)
利用者が共同によるハイパーテキストウェブ資源に内容を付加すること(共同著述)及び他の者がその
内容を編集すること(公開編集)を許可するウェブアプリケーション。
注記1 権限付与及びパスワードは必ずしも必要とされない。
注記2 ウィキは編集を管理する方針及び編集合戦の処理手順をもつことがある。
2.3
コレクション
2.3.1
アクセス権(access rights)
図書館コレクションに到達し,利用する権利。
注記 電子的コレクションのアクセス権は,法令,使用許諾契約若しくはその他の契約,及び/又は
共同契約によって,図書館が永続的に又は一時的に利用者のアクセスを保証することを意味す
る。
2.3.2
受入(addition,acquisition)
報告期間中にコレクションに追加した資料。
注記 受入資料は,購入,使用許諾契約,納本,デジタル化,寄贈,交換などによって取得できる。
2.3.3
視聴覚資料(audiovisual document)
音声及び/又は画像の占める割合が大きく,視聴には特別な機器を必要とする資料。
注記1 JIS X 0701:2005の定義を変更している。
注記2 レコード,テープ,カセット,録音CD,DVD,デジタル録音ファイルなどの聴覚資料,ス
ライド,トランスペアレンシなどの視覚資料,及び,映画,ビデオ,コンピュータゲームな
どの視聴覚資料を含む。
注記3 マイクロ資料を除く。
2.3.4
図書(book)
逐次刊行物以外の,冊子形態の印刷資料。
2.3.5
ボーンデジタル資料(born digital document)
最初からデジタル形式で製作された資料。
2.3.6
地図資料(cartographic document)
空間及び時間的観点から場所を特定できるよう,具体的な又は抽象的な事象を縮尺し,規約に従って表
現したもの。
注記1 JIS X 0701:2005の“地図”の定義を変更している。
注記2 平面図,立体図,地球儀,都市計画図,地形図,触地図,航空写真などの資料を含む。コー
13
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
デックス,マイクロ資料形態,視聴覚形態,及び電子形態の,地図帳,その他の地図資料は
除く。
2.3.7
商業出版物(commercial publication)
一般的に営利を目的として製作され,販売(配布)される印刷又は電子形態による資料。
2.3.8
CD-ROM(compact disc read-only memory,CD-ROM)
テキスト形式及び/又はマルチメディア形式のデータを収容するレーザ技術を利用する,コンピュータ
ベースの情報の記憶及び検索の媒体。
注記 CD-ROMは専ら,その内容によって,データベース,デジタル資料又は電子逐次刊行物として
数える。
2.3.9
コンテンツ単位(content unit)
コンピュータで処理され,一意に識別可能な,テキスト又は視聴覚情報の一編の出版著作物。原著作物
又は他の出版著作物の要約でもよい。
注記1 資料又は資料の一部(例 記事,抄録,目次,画像)及び記述レコードを含む。
注記2 COUNTER code of practice, Release 4:2012の定義を変更している。
注記3 同一コンテンツ単位でも,PDF,Postscript,HTML及びその他の形態ごとに,分けて数える。
2.3.10
データベース(database)
共通のインタフェースをもち,データの検索及び処理用のソフトウェアをもつ,電子的に蓄積された記
述レコード又はコンテンツ単位(ファクトデータ,テキスト,画像及び音声)の集合体。
注記1 コンテンツ単位又はレコードは,通常,特定の目的で収集され,規定の主題に関連付けられ
る。データベースは,CD-ROM,フロッピーディスク又はその他直接にアクセス可能な方式
によって発行されることも,ダイアルアップ又はインターネット経由でアクセスできるコン
ピュータファイルとして提供されることもある。
注記2 同じインタフェースを用いて利用可能である場合でも,幾つかの使用許諾契約を得たデータ
ベースは,それぞれ分けて数える。
注記3 通常,出版者又はベンダによって提供される,一群の逐次刊行物又はデジタル資料へのアク
セスを提供する共通のインタフェースも,データベースとして数える。加えて,個々の逐次
刊行物又はデジタル資料は,逐次刊行物又はデジタル資料として数えることが望ましい。
2.3.11
データセット(dataset)
記録として又は研究のために通常どおりに集められた,類似又は関連したデータの,論理的な意味をも
つ集合体又は組合せ。
注記 データは,数値,テキスト,音声,画像,又はその複合したものとなる。
2.3.12
記述レコード(descriptive record)
物理的形態の資料又はコンテンツ単位を参照及び/又は記述する,標準的な形式の,コンピュータで処
理された書誌レコード又はその他の個別レコード。
14
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
注記1 記述レコードを集めたものは,通常,データベースの形態で公表される。
注記2 記述レコードは,タイトル,著者,主題,抄録,発生日付の要素などを含むことができる。
2.3.13
デジタル資料(digital document)
図書館コレクションの一部として,図書館が作成若しくはデジタル化したか,又はデジタル形態で入手
した,確定した内容の情報単位。ボーンデジタルのものとデジタル化されたものとがある。
注記1 電子図書,電子特許資料,ネットワーク上の視聴覚資料及びその他のデジタル資料(例 報
告書,地図資料,楽譜資料,プレプリント)を含む。データベース及び電子逐次刊行物は除
く。
注記2 データベースとして扱われるものは,2.3.10で扱う。
注記3 デジタル資料は,一つ以上のファイルによって構成されることがある。
注記4 デジタル資料は,一つ以上のコンテンツ単位によって構成される。デジタル化の前に,図書
館は,例えば,逐次刊行物の記事,録音レコードの歌など,どのコンテンツ単位を後に検索
可能にすることが望ましいかを決めておく必要がある。
2.3.14
デジタル保存(digital preservation)
適用される通常一つ以上の保存戦略に基づく,長期間のデジタル媒体の保存,メンテナンス及びそれへ
のアクセス。
(ISO/TS 21547:2010の3.1.7参照)
2.3.15
デジタル化(digitization)
アナログ資料をデジタル形式に変換する処理。
注記1 図書館のコレクションから利用者又は機関に資料提供を行うためのデジタル化を除く。
注記2 保存のためのデジタル化を含む。
注記3 大規模なデジタル化を含む。
注記4 印刷物の代替として電子的複製物を購入することは除く。
2.3.16
デジタル化コレクション(digitized collection)
図書館のアナログコレクションからデジタル化された資料を含む,電子的コレクションの一部。
2.3.17
資料(document)
記録された情報又は事物。情報管理の過程で一つのまとまりとして扱われる。
(JIS X 0701:2005の1.2.02参照)
注記 資料には,形態及び特性による違いがあり得る。
2.3.18
DVD(digital versatile disc,DVD)
光学式記憶媒体の一種。大きさはCDと同じであるが,記録容量は著しく大きい。
2.3.19
電子図書(electronic book,eBook)
一般的にテキストの検索が可能で,印刷形態の図書(モノグラフ)と類似するものとして認識できる逐
15
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
次刊行でないデジタル資料。使用許諾契約を必要とするものと必要としないものとがある。
注記1 電子図書の利用は,多くの場合,専用機器及び/又は特別な読取り機,又は画像閲覧用ソフ
トウェアを必要とする。
注記2 電子図書は,携帯機器(電子図書リーダ)によって,又は一定期間コンテンツを利用者のPC
若しくは他の機器に送信することによって,利用者に貸し出すことができる。
注記3 電子形態の博士論文を含む。
注記4 図書館がデジタル化した資料を含む。
2.3.20
電子図書リーダ(eBook reader)
専ら電子図書及び電子定期刊行物を読むために設計された電子機器。
2.3.21
電子的コレクション(electronic collection)
図書館コレクションのうち,ボーンデジタル又はデジタル化された全ての電子形態の資源。
注記1 電子的コレクションは,データベース,電子逐次刊行物及びデジタル資料を含む。図書館が
オンライン目録又はデータベースに登録している無料のインターネット資源は,区別して数
えることが望ましい(6.3.15参照)。
注記2 資源はネットワーク上にある場合,スタンドアローンのワークステーションに搭載される場
合,又は物理的な書架に収納される場合がある。
2.3.22
電子逐次刊行物(electronic serial)
電子形態だけで出版された,又は電子形態とそれ以外の形態とを合わせて出版された逐次刊行物。
注記1 自館で所蔵している逐次刊行物と,少なくとも一定期間は利用できるようアクセス権を取得
したリモート資源とがある。
注記2 図書館がデジタル化した逐次刊行物を含む。
注記3 オープンアクセス ジャーナルは“無料のインターネット資源”(2.3.23参照)として扱う。
2.3.23
無料のインターネット資源(free internet resource)
料金を支払う必要なく無制限に(オープンに)アクセスできるインターネット資源。
2.3.24
政府刊行物(government document)
政府(国及び地方公共団体)の経費で出版された資料,法律が出版を義務付けた資料又は国際機関(例
国際連合,欧州連合,ユネスコ)が出版した資料。
注記 特許資料は2.3.42で扱う。その他の政府刊行物は,形態別に数える(A.3.3参照)。
2.3.25
画像資料(graphic document)
絵又は写真が最も顕著な特徴である資料。
注記 画像資料は,表現形式として言語,楽譜又は地図というよりも絵画的なものをいう。美術印刷,
美術原画,美術複製品,写真,ポスタ,図版(study print),製図などを含む。コーデックス,
マイクロ資料形態,視聴覚形態又は電子形態の画像は除く。
16
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.3.26
機関リポジトリ(institutional repository)
eプリント,テクニカルレポート,学位論文,データセット,教育・学習用資料などのような,機関又
は一群の機関の出版物を蓄積するためのオープンアクセスの保存庫。
2.3.27
キット(kit)
一まとまりで使うように設計され,多くは一つの容器に収めて保存される,中心になるもののない,複
数の媒体による関連した資料のセット。
注記1 カリキュラム資料の実験キット及びパッケージを含む。
注記2 キットはその他の図書館資料として数える(6.3.10参照)。
2.3.28
図書館コレクション(library collection)
図書館が利用者に対して提供する,全ての資料。
注記1 自館で所蔵している情報資源と,利用できるようアクセス権を取得したリモート資源とがあ
る。
注記2 アクセス権は,当該図書館だけで取得することもできるし,コンソーシアム及び/又は外部
資金によって取得することもできる。
注記3 資料収集は,図書館が慎重に資料を選択し,アクセス権を確保し,図書館が提供するオンラ
イン目録又はその他のデータベースにその資料の情報を収載することといえる。したがって,
図書館間貸出及び文献配送によってアクセス可能となった資料は,図書館コレクションには
含めない。
注記4 法的な取決め(例 納本制度),使用許諾契約又はその他の契約及び/又は共同契約によって
図書館がアクセス権を確保していないインターネット資源へのリンクは含まない。図書館が
オンライン目録又はデータベースに登録している無料のインターネット資源は,別に数える
ことが望ましい(6.3.15参照)。
注記5 機関リポジトリに収録されている資料は含めない。しかし,図書館がその資料収集及び/又
はリポジトリ運用に関わっているのであれば,区別して数えることが望ましい(A.3.6参照)。
2.3.29
手稿(manuscript)
手書き又はタイプ打ちによる原資料。
注記 製本単位及びその他の単位[例 断簡(零葉),巻物,著者自筆(署名入り)の草稿・書簡など
(autograph)]ごとに,別々に数えてもよい。
2.3.30
マイクロ資料(microform)
利用するときに拡大を必要とする写真資料。
注記1 JIS X 0701:2005の2.3.3.12を変更している。
注記2 マイクロフィッシュ及びマイクロフィルムは含まれる。
注記3 スライド及び同様の資料は,視聴覚資料として数える。
2.3.31
モノグラフ(monograph)
17
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
1冊又は一定の冊数で完結又は完結予定の刊行物。印刷形態であってもなくてもよい。
(JIS X 0701:2005の2.4.02参照)
2.3.32
モノグラフシリーズ(monographic series)
相互に関連付ける目的で総合タイトルが付与された,一そろ(揃)いの複数のモノグラフ。
(ISO 9707:2008の3.20参照)
2.3.33
マルチメディア資料(multimedia document)
対話型の利用のためにテキスト,画像,写真,ビデオ,音声などの異なる情報メディアが組み合わされ
たデジタル形態の資料。
注記 マルチメディア資料は,主たる形式又は用途によって,データベース,電子逐次刊行物又はデ
ジタル資料として数える。
2.3.34
全国コレクション(national collection)
国内刊行物,及び伝統的又は電子的な形態の,手稿,文書資料,地図資料,楽譜,絵画,写真及び視聴
覚資料の国内記録遺産の,国立図書館におけるコレクション。
(ISO/TR 28118:2009の2.36参照)
注記 全国コレクションには,ウェブ上のナショナルドメインにおける文書コンテンツを含む。
2.3.35
国内刊行物(national imprint)
国内で出版された全ての形態の,あらゆる資料。
注記 商業出版物及び非商業出版物を含む。
(ISO/TR 28118:2009の2.37参照)
2.3.36
新聞(newspaper)
専門的な又は一般的な関心事についての最新ニュースを扱う逐次刊行物。日付順又は番号順に並べられ,
通常,週に1回以上発行される。
注記 電子形態の新聞も含む。
2.3.37
非商業出版物(non-commercial publication)
自治体(communities),協会(associations),先導組織(initiatives)など,通常の図書流通の経路に加わ
っていない非営利組織によって出版されたあらゆる形態の資料。
注記1 非商業出版物は,レポート,学位論文,定期刊行物,会議議事録などを含む。
注記2 ISO/TR 28118:2009を変更している。
2.3.38
オープンアクセス(open access)
情報,資料又は情報サービスへの制限のないアクセス。
(JIS X 0701:2005の5.2.11参照)
注記 狭義では,情報コンテンツがインターネット経由で自由に利用できるよう設定されていること
を意味する。
18
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.3.39
オープンアクセスリポジトリ(open access repository)
誰にもわけ隔てなく,かつ,無料で,情報コンテンツへのアクセスを提供するために製作され維持され
ているデジタルアーカイブ。
注記1 ほとんどの場合,リポジトリは研究及び学術を促進する機関である高等教育機関又は研究機
関によって維持管理されている。
注記2 このアーカイブにはアクセスが一定期間制限される資料も含む。
2.3.40
その他のデジタル資料(other digital document)
電子図書,電子逐次刊行物,ネットワーク上の視聴覚資料及び電子特許資料以外の,デジタル資料(例
電子形態である,報告書,プレプリント,地図又は楽譜資料,語学講座)。
注記 デジタル化された資料及びボーンデジタル資料の両方を含む。
2.3.41
その他の図書館資料(other library document)
この規格で個別に規定している,図書,逐次刊行物,手稿,印刷楽譜資料,マイクロ資料,地図資料,
視聴覚資料,画像資料及び特許資料以外の,電子形態でない資料。
注記 ジオラマ及びその他の立体資料,ゲーム,キット,玩具などの資料を含む。点字資料は印刷資
料として数える。
2.3.42
特許資料(patent)
ある発明を使用する又は使用許諾を与える独占的な権利を発明者に認めた政府刊行物。関連する典拠資
料が伴う。
注記 我が国では,特許という用語には,特許公報に加えて,索引,分類資料などが含まれており,
対応国際規格の定義範囲より広いため,特許資料とした。
2.3.43
定期刊行物(periodical)
終期の予定がなく,定期的に刊行される,同じタイトルをもつ逐次刊行物。一連の個別の発行物には,
継続する番号(巻号)又は発行日(年月次)が付与される。
注記1 ISO 9707:2008を変更している。
注記2 報告書のシリーズ,協会の会報,定期的な会議録及び年報を含む。新聞及びモノグラフシリ
ーズは除く。
注記3 電子的定期刊行物は含む。
2.3.44
物理単位(physical unit)
保管器具を含めて,物理的にまとめられた資料の単位。他の資料単位とは異なり,自由に持ち運びがで
きる単位で数える。
注記1 製本又はケースに入れるなどして一つにまとめることができる。
注記2 印刷資料の場合は,“冊”が物理単位として用いられる(2.3.50参照)。
2.3.45
印刷楽譜資料(printed music document)
19
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
音楽表現を主たる内容とする資料。通常,音符で表現される。
注記 シート又はコーデックスの形態である。
2.3.46
希こう(覯)書(rare book)
1 800年以前に出版された図書,又は,それ以降に出版された図書であって,限定出版,装てい(幀),
献本,若しくは同様の特徴によって貴重とされる図書。
注記 通常このような資料は特別な書架記号を付した特殊コレクションに属し,アクセスが制限され
る安全な場所に区別して排架される。
2.3.47
逐次刊行物(serial)
通常,数値(巻号)又は年月次が明示され,終期の予定がなく,刊行頻度を問わず,連続して発行され
る資料。印刷形態であってもなくてもよい。
注記1 JIS X 0701:2005の2.4.0.6を変更している。
注記2 モノグラフシリーズは逐次刊行物からは除き,図書として数えることが望ましい。
2.3.48
所蔵(数)(stock)
自館で所蔵している,又は少なくとも一定期間は利用できるようアクセス権を取得したリモート資源の,
資料(例 図書,逐次刊行物,マイクロ資料,電子逐次刊行物)の数量。
注記 所蔵数は,報告期間の末日の時点で集計する。
2.3.49
タイトル(title)
資料を特定するため及びその資料を他の資料から識別するため,通常,資料の先頭部分に表示されてい
る語句。
(JIS X 0701:2005の4.2.1.4.01参照)
注記 測定という目的の点では,“タイトル”とは,識別タイトルをもつ独立した個別資料を構成する
一点の資料を表現するものである(その一点の資料は,1物理単位であることも複数物理単位
で発行されることもある。)。この場合,図書館が所蔵している,その資料の複本の数は考慮に
入れない。
2.3.50
冊(volume)
一そろいのものの全部又はその一部をまとめるために,一つの標題紙のもと一定数の紙葉が束ねられた
印刷資料のための物理単位。
注記 JIS X 0701:2005の2.4.01を変更している。
2.3.51
除籍(withdrawal)
報告期間中にコレクションから除いた資料。
注記 除籍は,廃棄,移管などで発生し得る。電子的資源の場合は,ファイルの削除又は使用許諾契
約の取消しによって発生し得る。
20
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.4
アクセス及び施設
2.4.1
閉架書庫(書架)(closed stacks)
利用者の入庫を認めない書庫。
注記 反対語:開架書架。
(ISO/TR 11219:2012の2.19参照)
2.4.2
総床面積(gross floor area)
建物の全平面の全ての床面積の合計。
注記 使用可能エリア,通路部分,機能的なスペース及び建物の構成部材(柱,内壁など)が占める
スペースを含む。
2.4.3
貸出エリア(lending area)
図書及びその他のメディアを貸出・返却するための図書館サービスエリア。
(ISO/TR 11219:2012の2.40参照)
2.4.4
全国書誌(national bibliography)
一つの国で出版された資料が記録され,及び記述されている書誌。
注記 一部の国の全国書誌は,翻訳及びその国民の著作をはじめとする,外国で出版されたものも対
象としている。
(ISO 9707:2008の2.21参照)
2.4.5
ネットワーク,コンピュータネットワーク(network,computer network)
ユーザー間で通信を容易にし,資源及びサービスの共有を可能にする通信チャネルによって相互接続さ
れたコンピュータ及びデバイスの集合体。
2.4.6
開架書架(open stacks)
利用者がアクセスできる書架。
注記 反対語:閉架書架。
(ISO/TR 11219:2012の2.58参照)
2.4.7
開館時間(opening hours)
標準的な1週間において,利用者が主要な物理的図書館サービス(例 レファレンスサービス,貸出サ
ービス,閲覧室)を利用できる時間。
2.4.8
利用者用ワークステーション(public access workstation)
図書館が保有する,ネットワークに接続された又は独立型のワークステーション。次に示す二つのもの
を含む。
a) 図書館の外部に設置されているもの
b) 図書館が出資しているか又は図書館に寄付されたものであって,取得及び/又は維持管理を部分的又
21
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
は完全に行っているもの
注記 ANSI/NISO Z39.7-2004の定義を変更している。
2.4.9
職員不在の開館時間(unstaffed opening hours)
図書館,又はその指定されたエリアで,職員はいないが,セルフサービスの設備が整えられ,限定的に
開館している時間。
注記 アクセスは特定の利用者に限定される場合がある[例 研究者,大学院(学)生]。
2.4.10
使用可能エリア(usable area)
総床面積の一部で,建物の主目的に使う部分。
注記1 利用者サービス(レクリエーション及び交流のためのエリアを含む。),資料庫(materials
storage),図書館管理及びテクニカルサービス,催し物,展示会・会議,機器エリア,通路,
便所・守衛のエリア,並びに図書館資源及びサービスのために使用される他の全てのスペー
スを含む。
注記2 通路エリア(circulation areas)(廊下,階段スペース,エレベーターシャフト及び車両通行部
分用スペース)は除く。
注記3 建物の中央集中処理機能(例 下水処理,暖房,運搬)を収容するスペースは除く。
2.4.11
利用者スペース(user place)
読書又は調査研究を目的とする利用者に提供される場所。座席又は機器の有無は関係しない。
注記1 キャレル,セミナー室,学習室,視聴覚部門及び児童部門のスペース,並びに,ラウンジ,
グループエリアなどの安楽椅子席を含む。
注記2 特別な催し物の参加者を対象としたホール,階段講堂などを含まない。また,利用者が座る
可能性のある床面及びクッションは除く。
2.5
管理
2.5.1
資料保護(conservation)
劣化を防止,停止又は遅延させるための対処法。
(JIS X 0701:2005の6.1.03参照)。
2.5.2
共同プロジェクト(cooperative project)
慣行化した及び/又は特別に資金が措置された,一つ以上の共同事業者と協力して実施する図書館プロ
ジェクト。
注記1 共同プロジェクトの共同事業者は,図書館,文書館,博物館,大学若しくは自治体の部局,
又はその他の機関である。
注記2 プロジェクトは,地域,地方,国,又は国際的な広がりで構成できる。
注記3 臨時の協力は除く。
注記4 資金の負担のいかんにかかわらず,ある共同事業者がサービスを供給し,他の共同事業者は
受け取るだけの,一方向の関係は除く。
注記5 単一の運営単位内の2館以上の図書館の協力は除く。
22
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.5.3
図書館研究(library research)
図書館情報学のある側面の系統的な研究及び分析。
注記 結果は,通常図書館情報学の専門誌で公表されるか,又は図書館及び情報に関する会議で発表
される。
2.5.4
図書館職員の研究出版物(library staff research publication)
専門的及び学術的な課題についての図書館職員による研究出版物。
注記 全ての形態での出版物,及び会議でのプレゼンテーションを含む。
2.5.5
パートナーシップ(partnership)
他の図書館など一つ以上の他の組織との間における図書館の,通常特定のサービス又は活動に関する,
進行中の正式に承認された協力。
注記1 パートナーシップは,通常,契約に基づく。共同事業者は異なった役割を果たしてもよい(例
専門知識,資金提供,研修・訓練,現物資料,施設)。
注記2 単一の運営単位内の2館以上の図書館との協力は除く。
注記3 特定のプロジェクトに関する期間限定の協力は含めず,共同プロジェクトとして数える(2.5.2
を参照)。
注記4 資金の負担のいかんにかかわらず,ある共同事業者がサービスを供給し,他の共同事業者は
受け取るだけの,一方向の関係は除く。
2.5.6
資料保存(preservation)
資料又はコレクションを保全し,その寿命を延ばすための,財務及び戦略的な意思決定を含む,全ての
方策。
(JIS X 0701:2005の6.1.01参照)
2.5.7
プロジェクト(project)
時間,費用,資源の制約など明確な要件の下で,目標を達成するために開始日と終了日とを設定した,
一連の調整及び管理の活動から構成される,固有の活動。
注記1 個々のプロジェクトは,大規模プロジェクトの一部を形成することができる。
注記2 JIS Q 9000:2006の定義を変更している。
2.5.8
図書館の出版(publishing by libraries)
アナログ又はデジタルの形態で,一般の人々に販売又は使用許諾契約を結ぶために発行する図書館の出
版活動。
注記1 出版活動には,査読,著者及びサービスプロバイダーとの契約,原稿編集,デザイン及び製
作,マーケティング,宣伝,著作権管理,アドバイス及びコンサルティングなどを含む。
注記2 機関リポジトリへの完成資料の搭載は含まない。
2.5.9
修復(restoration)
23
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
劣化又は損傷を受けた資料をできるだけ元の状態に戻すための行為。
注記1 文書修復は,不足している本文などの再作成を行わない。また,全ての修復作業の方法など
は明確にしておくことが望ましい。
(JIS X 0701:2005の6.1.04参照)
2.6
資金調達及び支出
2.6.1
資本支出(capital expenditure)
固定資産の取得又は追加にかかる経費。
注記 施設建設用地,建物の新築及び増改築,新築及び増築の建物のためのじゅう(什)器及び機器,
コンピュータシステム(ハードウェア及びソフトウェア)などにかかる経費を含む。適用でき
る場合は,地方及び国の売上税及び購買税(例 付加価値税,消費税)を含む。
2.6.2
オープンアクセス出版手数料(open access publishing fees)
通常,学術雑誌論文といった研究成果へのオープンアクセスを許可するために,出版者によって徴収さ
れる手数料。
注記1 手数料は,著者,研究資金提供者又は機関によって支払われる。
注記2 色刷,図版,写真などの使用料は除く。
2.6.3
運営経費(operating expenditure,ordinary expenditure)
図書館の運営上発生する経費。
注記 職員,並びに経常的に利用及び補充される資源に対する費用(JIS X 0812参照)。人件費,賃借
料,資料の収集及び使用許諾契約にかかる費用,製本にかかる費用,コンピュータネットワー
クの運用・維持費,通信費,建物維持費,光熱水量費,既存のじゅう(什)器及び機器の修理・
交換,催し物経費などを含む。経常経費(current expenditure, recurrent expenditure)ともいう。
適用できる場合は,地方及び国の売上税及び購買税(例 付加価値税,消費税)を含む。
2.6.4
特別助成金(special grant)
プロジェクトに対して資金の全額(又は一部)を提供する,一時的な性質の助成金。
2.7
図書館職員
2.7.1
図書館従業員(library employee)
報酬を得て図書館業務に従事する者。
2.7.2
その他の職員(other staff)
図書館学,図書館情報学,情報学又はその他の専門分野の正式な資格をもたない全ての図書館従業員。
2.7.3
専門教育(professional education)
学生・実習生に対して図書館が企画した,図書館学,図書館情報学,情報学又は関連分野に関する教育・
研修。大抵の場合には,図書館情報学大学院又は同等の機関と共同で行われる。
注記 資格認定の水準は国によって異なる。
24
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2.7.4
専門職員(professional staff)
図書館従業員のうち,図書館学,図書館情報学,情報学の教育・研修を受け,かつ,その職務に専門教
育又は経験を必要とする者。
注記 教育・研修は,定型教育(学校教育)によって実施することもできるし,図書館の管理下で行
われる専門性のある業務の延長期間に実施することもできる。
2.7.5
有資格専門的職員(qualified specialist staff)
図書館学,図書館情報学,情報学以外の専門家の養成教育・研修を受けた図書館従業員。
注記 教育・研修は,定型教育(学校教育)によって実施することもできるし,会計,コンピュータ
利用,労務管理,製本技術などの専門的な分野においては,監督の下にある専門性のある業務
の時間外で実施することもできる。
2.7.6
職員研修(staff training)
館内で又は外部で開催される正式な,事前に計画された研修。図書館職員又は外部の専門家によって行
われる。
注記 正式でない訓練(例 利用時の教育)は,除外される。
2.7.7
ボランティア(volunteer)
無償で図書館の仕事に従事する人。
注記 ボランティアは,報酬代用品又は実費を受け取ることができる。
3
図書館の現在の任務
3.1
全般
ここ数十年の間に,電子メディア及び電子的サービスが伝統的な図書館の物理的コレクションサービス
に加わった。その結果,機器及び技術,特に職員のスキルに新たな必須要件が加わり,業務及び組織の在
り方にも大きな変更が必要になっている。また,所蔵資料のデジタル化及びデジタルコレクションの保存
が重要な課題となり,図書館が親機関の出版物をデジタルリポジトリに格納し,それへのオープンアクセ
スを保証するように努めている。
情報リテラシー教育という任務は,図書館にとって新しいものではない。しかし,その重要性が全ての
館種に拡大している。その狙いは,人々が情報資源及び通信技術をうまく使えるようにすることである。
図書館は,一度だけのものから継続的に実施するものまで,利用者グループごとのニーズに合わせ利用者
教育を行っている。高等教育機関では,情報リテラシー教育は,多くの場合,学部の正規の授業に組み込
まれるようになった。
その他の動きとしては,社会的に不利な立場にあるグループのために特別にしつらえたサービス,及び
増加する非政府機関との共同プロジェクトがある。インターネット上の対話型の図書館サービス,特にソ
ーシャルプラットフォーム(ソーシャルネットワークサービス)経由のもの,又は携帯機器に資源及びサ
ービスを提供するものも最近加わったところといえる。これらの変化は,進行中であり,全ての館種の図
書館に影響が及んでいる。しかしながら,各館種の使命及び任務にはなおかなりの違いがある。
25
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
3.2
図書館の種類
図書館はそれぞれの使命及び任務に応じて,大きく次のタイプに細分することができる。
a) 学術図書館 学習及び研究に必要な情報を扱う図書館(高等教育機関の図書館,一般研究図書館)
b) 公共図書館 地域又は地方のコミュニティの全住民の情報ニーズに応えるための総合的な図書館。定
型教育と個人教育との双方,リテラシー,生涯学習,個人の創造性の開発,及びレクリエーション活
動に重点を置く。
c) 学校図書館 高等教育機関より下位に属する学校に附属し,主としてそれぞれの学校の児童・生徒及
び教師にサービスを提供する図書館
d) 専門図書館 一つの専門分野,特定の知識分野又は特別の地方の関心を扱い,特定の種類の利用者に
対して主としてサービスを行う図書館。専門図書館は,自らの事業目的に役立つように組織が出資し
ていることもある。企業図書館,マスメディアの図書館,政府機関の図書館,医療サービス図書館,
専門団体・学協会の図書館などである。
e) 国立図書館 通常,法定納本制度によって自国に関連する資料の網羅的な収集及び保存に責任をもつ
図書館
多くの場合,図書館というものはその任務について連携する。連携する図書館は,異なった種類の複数
の組織で形成される。その運営は,協力のための公式な協定に基づくか,又は,ある組織の図書館が他組
織の図書館活動の責任を取るようになっている。学校と公共図書館との連携,学術図書館と学協会図書館
との連携,公共図書館と学術図書館との連携といった例がある。このような図書館が,別の館種とはみな
されない。館種は,主な機能を選択するか,又は幾つかの機能を区分して選ぶことが望ましい(6.1.1を参
照)。
3.3
利用者の活動の変化
3.3.1
図書館施設内での動き
物理的図書館での図書館利用のパターンは変化している。図書館資源及びサービスが,どこでも,いつ
でも利用できるようになっているにもかかわらず,図書館建物は継続的に魅力を保っている。調査では,
資料を借りる,又はコレクションを利用する,以外の目的で図書館を訪れる利用者が増えていることを示
している。図書などの物理的な資料への結びつきが弱くなっており,利用者が図書館に自分の資料を持っ
て来るという一般的な傾向がみられる。
専門家に面会して支援を得るため,学習及び調査のため,情報又はインスピレーションを得るため,イ
ンターネット検索及び図書館を会合の場所として利用するため,気晴らしのため又はグループワークのた
めに,利用者は来館する。図書館で無線アクセスの提供が次第に増え,自分のデバイスをもつ利用者が図
書館内のほとんどのエリアでデジタル資料及びオンライン資源にアクセスできるようになった。
グループワークは,学習のために非常に重要である。その結果,グループワークエリアの提供が増えて
いる。
利用者のニーズに応じるために,図書館はできるだけ長い時間,ときには職員不在の状態で開館する。
セルフサービス装置が,重要なサービスを維持するのに役立ち,図書館の入退は,図書館カードを鍵(keys)
として使えば可能である。
今日ではほとんどの図書館で,利用者のために,学習,読書,視聴覚メディア又はインターネットを使
用するための静かなスペースとともに,活発で刺激的な環境をも提供している。社会的な問題がある地区
では,図書館が児童又は生徒が勉強し宿題をするために見いだせる唯一の安全で静かな場所かもしれない。
図書館はまた,重要な会合及び交流のセンターでもある。多くの場合,地域社会及び大学のどちらにお
26
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
いても,そうしたセンターの中心となっている。したがって,レクリエーション及び交流のための場所が
提供されることが望ましい。文化的生活(展示会,文学,文化,教育などの目的の他の催し物)に関わる
諸活動は,図書館に物理的な場所としての意味を与えている。
3.3.2
図書館施設外での動き
潜在的図書館利用者の多くにとって,コンピュータを使ってインターネットをブラウジングすることが,
当然のこととなっている。図書館はそのために,インターネット上のサービスを,特に図書館のウェブサ
イトを経由して提供している。
利用者は,商用のソーシャルソフトウェア及び双方向サービスに精通しているので,図書館も最近では,
このオプションを取り込み,ブログ,ウィキ,ポッドキャストなどのような対話型の利用者がやりとりす
るサービスを設定し,目録のような“伝統的な”電子的サービスにソーシャルブックマーク及びタグ付け
のためのオプションを追加した。
また,図書館がソーシャルネットワークに参加し,ソーシャルプラットフォーム上で図書館のコレクシ
ョン及びサービスを提示し始めている。
最近図書館は,成長部門であるモバイル技術に対応するようになってきた。モバイル機器は普及しつつ
ある。それらは,コンピュータ,オーディオプレーヤー,カメラ及び携帯電話の機能を兼ね備えている。
モバイル機器によるインターネットの利用が急速に成長しているので,図書館ではそれによる利用に対応
している。このために,図書館は,既存のサービスをモバイル用アプリケーションに整合させる必要があ
る。
物理的サービス(貸出,対面レファレンスなど)は,特定の利用者グループのためには図書館の敷地外
で提供してもよい。これまでも“アウトリーチ”サービスとして知られてきたが,それには,病棟で医療
スタッフと一緒に勤務している病院図書館の図書館員,又は図書館の建物で伝統的な方法で提供されるサ
ービスが届きにくいコミュニティの区画でサービスをしている公共図書館員のサービスがこれに当たる。
4
統計の使用及び便益
4.1
背景
4.1.1
全般
この規格で規定され説明された統計データは,住民及び社会に提供している図書館の価値を知らしめ,
マーケティング及び唱導に用いられるばかりでなく,図書館を評価及び比較するために用いることができ
る。
図書館統計は,個々の図書館によって収集され,そして全図書館の統計又は館種別の統計が,地方規模,
全国規模又は国際的規模で,集計されることが望ましい。個々の図書館では大抵,統計を戦略的計画,意
思決定,資金調達計画及び資源利用の理由付けのために使うのに対して,全国規模の統計は,図書館情報
政策を展開したり,裏付けたりするために,また図書館のインパクト(影響)及びその便益を示すために
必要とされる。
4.1.2
目的
図書館統計の目的は,次のように集約できる。
− 運営結果を類似の組織での基準及びデータと対照してモニタする。
− 経年変化及び革新の効果をモニタする。
− 計画立案,意思決定,サービスの品質の向上のための,及び結果へのフィードバックのための基盤を
提供する。
27
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
− 図書館に対する支援,資金調達及びモニタの役割を担う国又は地方の行政機構に対して情報提供する。
− これからの世代の利用者への将来的な価値を含め,利用者が得る図書館サービスの価値を明確に示す。
4.1.3
品質
統計の品質及びデータの信頼性が極めて重要である。統計は,本来,それ以前の結果を扱うものなので,
出来事の発生後にだけ情報を提供できる。しかし,将来計画はしっかりとした統計基盤から始める必要が
ある。正確で信頼できる比較可能なデータは,図書館統計の価値及び有用性に不可欠である。このことは,
定義とデータ収集手順との間の整合性に関わっている。長年にわたって他の図書館とのデータの比較がで
きるように,それらは必要がない限り,変更しないことが望ましい。
地方又は全国でまとめる図書館の統計情報の有用性は,各図書館による正確で適時な報告と,誤り及び
誤解を見つける慎重な編集とに依存する。
4.2
図書館実務の発展
4.2.1
図書館統計の内容
図書館統計は,インプット及びアウトプット,つまり,所蔵及び経費と利用及び利用性とから構成され
ている。最近の取組みではアウトカム(成果)及びインパクト(影響)にも焦点を当てている。
4.2.2
標本抽出
これまでの図書館統計は報告期間全体にわたってデータを収集するものであったが,この手法は全ての
図書館サービスに対して可能とは限らない。例えば,館内利用,レファレンスサービスなどでは難しい。
したがって,この規格では,データが自動システムで収集できない場合,又は報告期間全体にわたるデー
タ収集が非常に時間のかかるものの場合,標本抽出手法の適用を認めている。確実な標本抽出数の計算に
ついては,統計手法のハンドブックを参考にすることが望ましい。
4.2.3
パフォーマンス尺度のデータ
近年,図書館サービスの品質及び有効性,並びに資源利用の効率性についての測定及び比較において重
要な発展があった。この趣旨に沿って,パフォーマンス指標が図書館コミュニティによって開発された。
この規格では,JIS X 0812及びISO/TR 28118に規定されたパフォーマンス指標が必要とするデータ項目
を規定している。
4.2.4
電子図書館サービス
この規格の前の版までは,電子図書館サービスの利用統計情報は附属書の中で扱われていた。電子図書
館サービスは,今や全ての図書館で具体化し,電子的利用の集計が多くの図書館で定常的業務になってい
る。そこで,当該の附属書の内容を更新し,規格本体に統合した。
4.2.5
その他の展開
この規格では,図書館サービスの新展開を取り上げている。特に,特定の利用者グループへのサービス,
図書館の敷地外に及ぶサービス,資料保存及びデジタル化,モバイル機器のためのサービス,並びに,ソ
ーシャルソフトウェアを利用した対話型サービスである。このようなサービス開発はなお進展し,データ
は急速に変化しつつあるとはいえ,この時点で把握することができるものに限り,規格にこれらのサービ
スの統計を含めるのが得策と判断した。
4.3
図書館統計の選択
この規格は,様々な環境の下で,多様な利用者グループにサービスを提供し,固有の特性(例 組織構
成,財源,ガバナンスなど)をもつ,多くの種類の図書館があることを認識している。この規格で規定さ
れた全ての統計データがあらゆる種類の図書館に関連するわけではなく,また,個々の図書館に関連する
追加データは多く存在する。
28
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
4.4
統計の利用
4.4.1
全般
統計の形は,学術図書館,公共図書館,学校図書館及び専門図書館といった館種によって,さらに,利
用者が限定されている,一般に公開されている,又は遠隔利用であるといったサービス状況によって,異
なるが,その目的は同じである。図書館統計は,図書館の効果的な経営,及び利用者のニーズに適した資
源を提供するために必要である。政策立案者及び資金調達者,図書館の管理者及び職員,現利用者及び潜
在利用者,マスメディア及び一般市民など様々な利害関係者への図書館サービスの広報にとって,統計は
当然重要なものである。政策立案者,管理者及び資金調達者にとって,サービス水準及び将来の戦略計画
の決定に不可欠である。統計は,また,利用者にしばしば取り上げられる金額に見合う価値及びサービス
を図書館が提供しているという信頼を得るにも重要である。
4.4.2
外部とのやりとり
図書館統計は,次のように図書館サービス及び図書館利用の様々な局面について説明し,論証し,及び
広報するために使用することができる。
− インプット(建物及び設備,コレクション及び職員などの資源)を数えることによって,図書館統計
は,図書館における政策立案者及び資金調達者の取組みを示す。
− アウトプット,すなわち,図書館のコレクション及びサービスの利用を数えることによって,統計は,
サービスがサービス対象者に対して適切であるかどうかを示す。
− インプットとアウトプットとのデータ比較は,図書館が,費用対効果面からサービスを構成している
かどうかを実証する。
− 統計は,どのサービスが最も頻繁に利用されているか,及びサービスの種類又は範囲を変更する必要
があるかどうかを実証する。
− 図書館統計は,利用者行動及び利用者ニーズの,動向及び展開についてのエビデンスを提供する。
アウトプット統計では個人又は社会に対する図書館サービスのアウトカム又はインパクトを直接的には
証明することはできないが,利用の頻度及び強度に関するデータは,住民に対する図書館のインパクトを
示すことができる。そのようなものとしては,リテラシー及び情報リテラシー,教育又は仕事での成功,
社会参加又は文化的アイデンティティに関することがある。利用者サーベイ調査による質的データが統計
結果に加えられればその解明はより簡単になる。
4.5
利害関係者への統計の提示
統計の有用性を十分に実現するには,様々な利害関係者のグループの関心に沿った,統計データの適切
な提示方法が肝心である。図書館の利害関係者は,通常次のとおりである。
− 利用者(現利用者又は潜在的利用者)
− 出資機関(例 大学,自治体)
− スポンサー及び寄贈者
− 政策立案者
− 一般の人々
− 図書館の職員及び管理者
図書館をどう受け止めるかは,利害関係者グループの中で異なっている。図書館サービスの個人的な経
験に応じて,利用者は図書館の品質を評価する。したがって,利用者に関する統計には,その地域の図書
館の特徴を述べ,所蔵数又は利用者スペースの種類及び数を示すことが望ましい。
統計情報は,資金提供者及び政策立案者だけでなくマスメディアに対しても,費用対効果(利用状況デ
29
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
ータに対する支出)と,機関又はコミュニティ(利用者数,利用の数及び種類)に対する図書館サービス
の価値とに焦点を当て,重要かつ説得力のある少量の数値に絞って提示することが望ましい。同じような
使命をもつ同館種の他の図書館の統計を比較することによって,その図書館を地域又は全国の図書館の状
況に位置付けることもできる。
図書館職員及び図書館経営のための統計は,より詳細なものとなろう。それらは,長所及び短所を明ら
かにし,時間の経過による発展を示すように使われることが望ましい。
統計の全体の価値を得るためには,特に統計が図書館の役割及び価値を周知するために使用される場合
には,起きたことについての談話文(例 研究者が利用を印刷物から電子メディアに変更していることに
ついての報告,子供のための図書館の催し物に参加している住民グループについての報告)を付けて生の
数値を示すことが有用である。このような“逸話的な証拠”は,統計の受容性を高めるのに大きく貢献す
る。
5
統計データの報告
5.1
全般
この規格で規定する統計は,一定間隔(例 毎年)で策定されることが望ましい。与えられる情報は,
箇条2の用語及び定義に基づいて記述するが,特に指定がない場合は,この規格の推奨に従うことが望ま
しい。全ての項目及び活動は,相互に排他的なもの,すなわち,複数の区分にまたがらないものとして,
数えることが望ましい(例 “図書”と“デジタル資料”との関係,“図書館間貸出”と“電子的文献配
送”と“外部機関からの文献提供”との関係)。
5.2
統計データの期間
対象期間は明確に表示されることが望ましい。通常は1年である。期間に言及するデータについては,
二つの連続した調査の間隔ではなく,当該の特定された期間を示すことが望ましい。全体の数が要求され
る場合(例 全職員数,全所蔵数),特に明確な指定がない場合,通常,報告期間の末日のデータを示す。
5.3
標本抽出によって推測されたデータ
全体数を数える調査ではなく,標本調査に基づいた統計の場合は,使用した方法が示されることが望ま
しい。標本は,時間,場所,及び選択の方法といった観点において代表的であること,偏りが結果に現れ
ていないことに,注意を払う必要がある。標本は,完全に代表的なものである場合でも,その手続の過程
によっては,誤差は逃れられないということも理解する必要がある。
6
統計データの収集
6.1
図書館
6.1.1
運営単位及び図書館の集計
個々の図書館は,その主要な機能に従って,2.1に定義されたいずれか一つに区分されるのがよい。複数
の機能をもっている図書館の場合,又は複数の組織によって構成されている複合図書館の場合(例 学校
図書館及び公共図書館),当該の図書館における主要な機能を決定するか,又は極端な場合は,その機能と
報告データとを必要に応じて切り分ける。
次の集計はそれぞれの実態によって提供されることが望ましい。
運営単位数に加え,中央館・本館,分館及び/又は移動図書館の数を含む。これは,次の事例に示され
る。
例 中央図書館に加えて,五つの分館及び二つの移動図書館から構成される公共図書館の場合
30
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
a) 運営単位 1
b) 中央館・本館 1
c) 分館 5
d) 移動図書館 2
e) 図書館数の合計 8
6.1.2
図書館の種類別の統計
6.1.2.1
国立図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数
b) 図書館の数
− 中央館・本館の数
− 分館の数
c) 国の人口(報告期間の開始時点)
6.1.2.2
高等教育機関の図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数
b) 図書館の数
− 中央館・本館の数
− 分館の数
c) 外部のサービス拠点の数
d) 機関のサービス対象者の総数 学生[学部生及び大学院(学)生],教職員,及び教職員(フルタイム
及びパートタイム)
e) 機関のサービス対象者の総数 学生[学部生及び大学院(学)生],及びフルタイム換算した教職員
(FTE)
6.1.2.3
専門図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数 次に示す種類別に区分して報告することが望ましい。
− 政府機関の図書館(独立行政法人及び国際機関を含む。)
− 医療サービス図書館・医学図書館
− 専門団体及び学協会の図書館
− 企業図書館
− マスメディアの図書館
− 地方図書館
− その他(任意団体の図書館を含む。)
b) 上記のそれぞれにおける図書館の数
6.1.2.4
公共図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数 次に示すサービス対象者の規模別に分類して報告することが望ましい。
− 3 000人以下
− 3 001人〜5 000人
31
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
− 5 001人〜10 000人
− 10 001人〜50 000人
− 50 001人〜100 000人
− 100 001人〜500 000人
− 500 001人以上
注記 主として公的機関から資金提供を受けている公共図書館と,主として私的な財源によって賄
われている公共図書館とを区別してもよい。
b) 次の地域ごとの図書館の数
− 中央館・本館の数
− 分館の数
− 移動図書館の数
c) 外部のサービス拠点の数
d) 地域におけるサービス対象者の数(報告期間の開始時点の人口)
注記 通常,法定サービス区域の人口である。
6.1.2.5
学校図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数 次に示すサービス対象の児童・生徒数の規模別に分類して報告することが望ましい。
− 200人以下
− 201人〜500人
− 501人〜1 000人
− 1 001人以上
b) 学校図書館がサービス対象とする児童・生徒及び教員の総数
6.1.2.6
保存図書館
次のものを数えることが望ましい。
a) 運営単位の数
b) 図書館の数
6.2
図書館サービス及び利用
6.2.1
全般
6.2では,伝統的な,及び電子的な図書館サービス(インターネット上の対話型サービス,及び,モバイ
ル機器へのサービスを含む。)の利用について包括して述べている。
6.2.2
利用者
次のものを数えることが望ましい。
a) 登録利用者数(報告期間終了時点)
b) 新規登録利用者(報告期間)
c) 実貸出者数
d) 実利用者数
注記1 機関に入学・入会(登録)すると,自動的に図書館にも登録される場合,登録利用者数はサ
ービス対象者数と等しいか,又は多くなる。
注記2 実利用者数は入口若しくは出口で直接に確認して人数を数える方法,サービス対象者の標本
調査,又は上記c) に加える比率を求める利用者の標本調査によって計測してもよい。
32
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
注記3 A.2.1.1参照。
6.2.3
貸出サービス
6.2.3.1
貸出(図書館相互貸出を除く。)
貸出は次の区分で数えられる。
a) 利用者に図書館の敷地からの持出しを認めた貸出(通常の貸出)数
− 初回(更新ではない。)の貸出数(館内貸出を除く。)
− 電子図書の貸出数(電子図書リーダによる数)
− 電子図書の貸出数(利用者にコンテンツを送信した数)
注記1 短期貸出を含む。
注記2 遠隔利用者に対する郵送による貸出を含む。
注記3 更新を除く。
注記4 原資料の代替として提供した複写物(ファックスを含む。),及び図書館職員が利用者のた
めに行った電子資料のプリントアウトは分けて数える。
注記5 A.2.1.2参照。
b) 館内貸出数
6.2.3.2
更新
更新は次の区分で数えられる。
a) 利用者による更新手続
b) 窓口で行う手続ではなく,図書館システムによって行われた自動更新手続
6.2.3.3
貸出中の物理単位
特定日における通常貸出及び館内貸出の物理単位数を数える。
注記 標準的な活動状況を示す特定時期において,貸出数に加え,これを数えてもよい。
6.2.3.4
館内利用
図書館内での利用のために,利用者が開架書架から持ち出した(書架でのブラウジングも含む。)物理単
位数を数える。この数値は,次の方法のうちいずれか一つによって推計してもよい。
a) 再排架した資料数を数える。
b) 観察調査
c) 利用者への質問票(調査前に配布する。)
d) 電子タグ(RFID)のような図書の識別に用いられる技術
どの方法を用いたかは,報告することが望ましい。
年間総数は,標本数から算出する。標本は,通常の1週間以上の調査で採取し,年間総数を積算するこ
とが望ましい。
館内貸出は可能ならば,6.2.3.1と重複して数えないように除いておくか,又はその分を控除しておくこ
とが望ましい。
6.2.3.5
館内利用中の物理単位数
特定日における館内利用資料の物理単位数を数える。
注記 標準的活動状況を示す特定時期において,館内利用冊数に加え,これを数えてもよい。
集計方法によっては,その結果に通常貸出及び館内貸出が含まれる場合がある。これらは,6.2.3.1との
重複を避けるために除くことが望ましい。
33
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
6.2.3.6
予約
報告期間中の利用者による申込みを処理した件数を数える。
6.2.4
図書館間貸出
6.2.4.1
国内の図書館間貸出
6.2.4.1.1
他館から受理した図書館間貸出要求
次のものを数えることが望ましい。
a) 他館から受理した要求の総数
b) 要求を充足した図書館間貸出の件数(形態別)
− 貸し出した数(原資料)
− 原資料の代替として提供した,印刷形態の複写物の数
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく総数を数えることが望ましい。
注記 貸出中の資料の更新は除外するが,分けて数えてもよい。
6.2.4.1.2
他館へ依頼した図書館間貸出要求
次のものを数えることが望ましい。
a) 他館へ対して図書館間貸出要求を依頼した総数
b) 他館への図書館間貸出要求のうち,受領した件数(形態別)
− 原資料を借受した数
− 原資料の代替として提供された印刷形態の複写物の数
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく総数を数えることが望ましい。
注記 借受中の資料の更新は除外するが,分けて数えてもよい。
6.2.4.2
国外の図書館間貸出
6.2.4.2.1
国外から受領した図書館間貸出要求
次のものを数えることが望ましい。
a) 国外から受理した要求の総数
b) 要求を充足した図書館間貸出の件数(形態別)
− 貸し出した数(原資料)
− 原資料の代替として提供した,印刷形態の複写物の数
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく総数を数えることが望ましい。
注記 貸出中の資料の更新は除外するが,分けて数えてもよい。
6.2.4.2.2
国外へ依頼した図書館間貸出要求
次のものを数えることが望ましい。
a) 国外へ対して図書館間貸出要求を依頼した総数
b) 国外への図書館間貸出要求のうち,受領した件数(形態別)
− 原資料を借受した数
− 原資料の代替として提供された印刷形態の複写物の数
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく総数を数えることが望ましい。
注記 借受中の資料の更新は除外するが,分けて数えてもよい。
6.2.4.3
展示会のための貸出
報告期間中,展示を目的として他の機関へ貸し出した図書館のコレクション資料を数える。
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6.2.5
レファレンス質問及び情報質問
6.2.5.1
レファレンス質問
レファレンス質問数を数える(A.2.1.3参照)。
電子メディア(電子メール,図書館のウェブサイト及びその他のネットワーク通信)によって図書館に
伝達されたレファレンス質問数を数える。
年間の総数は,標本数から算出する。標本は,通常の1週間以上の調査で採取し,年間総数を標本数は
通常の1週間における採取を1回以上行って,その総数を算出するのがよい。
6.2.5.2
情報質問
案内及び/又は運営に関する質問数を数える(A.2.1.4参照)。
注記 職員又は施設の所在場所に関する質問,開館時間,プリンタ又はコンピュータ端末などの機器
の使い方に関する質問などが含まれる。
電子メディア(電子メール,図書館のウェブサイト及びその他のネットワーク通信)によって図書館に
伝えられた情報質問の数を数える。
年間の総数は,標本数から算出する。標本は,通常の1週間以上の調査で採取し,年間総数を積算する
ことが望ましい。
6.2.6
複写
6.2.6.1
図書館が作成する複写(電子複写及びマイクロ複製物)
図書館が利用者のために原資料から作成した複写物の数を種類別に数える(図書館内に設置したセルフ
コピー機によって作成されたもの,及び図書館間貸出のために作成されたものは除く。)。
a) 電子複写された枚数
b) マイクロ資料形態に複製された物理単位数
c) スキャンされた枚数
d) プリントアウトされた枚数
注記 電子形態への複写は電子的文献配送として数える(6.2.7参照)。
6.2.6.2
利用者による複写(非電子的資源からの複写)
次のものを数えることが望ましい。
a) 図書館内で利用者がセルフサービスで複写した枚数(通常,複写機の計測装置によって数えられる。)
b) 図書館内で利用者がセルフサービスでスキャンした枚数
6.2.7
電子的文献配送(仲介)
図書館が所蔵資料の中から電子形態で提供した資料数を数える。
a) 有料
b) 無料
注記1 下位分類として,直接利用者に提供したものと,他の図書館を経由して提供したものとに分
けて数えてもよい。
注記2 利用者が,仲介を受けずに,図書館の電子的資源に直接アクセスし,ダウンロードした場合
は,電子的文献配送として数えない。
6.2.8
外部機関からの文献提供
図書館以外の提供者から(図書館間貸出経由ではなく)受け取った資料のうち,図書館自身が処理及び
/又は支払いにおいて関与したものの数を次の形態別に数える。
a) 印刷形態
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b) 電子形態
6.2.9
図書館の企画による催し物
6.2.9.1
催し物の回数
次のものを数えることが望ましい。
a) 展示会の回数
b) a) のうち,仮想の展示会の回数
c) 通常,文学的,文化的,社会的又は教育的な目的をもつ,その他の全ての催し物(仮想のもの及び敷
地外での催し物を含む。)の回数。
d) c) のうち,敷地外での催し物
e) c) のうち,仮想の催し物
注記1 催し物は,図書館単独で企画するものと,共同開催又は図書館の管理下で外部機関が企画す
るものとに分けることができる。
注記2 催し物は,対象者で細分することができる。例えば,子供向けの企画,外国人へ向けた催し
物など。
注記3 図書館が関与していない図書館施設内で行う催し物は除く。
注記4 物理的催し物のミラーリングしたもの又は構成だけのものは,仮想の展示会の回数には数え
ない。
6.2.9.2
催し物の参加者
催し物のタイプによって,催し物の参加者の総数を数える。
a) 展示会の参加者
b) a) のうち,仮想の展示会の参加者
c) 通常,文学的,文化的,教育的又は社会的な目的をもつ,その他の全ての催し物の参加者
d) c) のうち,敷地外での催し物の参加者
e) c) のうち,仮想の催し物の参加者
6.2.10
来館者
図書館の敷地への年間の来館者数(個人数)を数える。入口又は出口において,次の方法のいずれか一
つによって数えてもよい。
a) 回転式出入口による計測
b) 電子的計測
c) 手作業による計測
いずれの方法においても,特に手作業の場合,年間総数を出すために,一つ以上の標本期間を設定し,
総数を積算しても差し支えない。どの方法を用いたかは,報告することが望ましい。必要に応じて,図書
館職員,及び図書館の建物内にある,他の機関及び部門への来訪者の出入数を差し引き,数値を調整する
ことが望ましい。
6.2.11
利用者教育
次のものを数えることが望ましい。
a) 利用者教育のレッスン総数
b) コレクション,サービス若しくは施設についての利用指導,又は情報資源の使い方について,図書館
が企画した利用者教育の総時間数
c) 利用者教育への参加者数
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d) 図書館が提供するウェブ上の利用者教育への参加者数
注記1 利用者教育の1時間は,15分以下の休憩時間を含んでもよい。
注記2 学術図書館の場合,教員と一緒に行う利用者教育では,利用者と教員とを分けて数える。
6.2.12
電子的資源及びサービスの利用
6.2.12.1 検索数
実行された検索の総数を数える。検索は,通常,図書館の提供するオンラインサービスの検索要求がサ
ーバに送られるたびに記録される。
注記 誤入力の検索文字列は,固有の知的問合せを表現するものではない。ただし,実際には,図書
館が,そうした意図から外れた検索を,意図してはいるが失敗してしまった検索と区別するこ
とは難しい。
6.2.12.2 アクセス数
図書館が提供する電子的サービスへの接続が成功した要求の総数を数える。
注記1 図書館内でのオンライン目録を利用する場合など,複数の利用者が同一のワークステーショ
ンを次々に使用したために,アクセスを分割できないことがある。多くのシステムでは,あ
る一定時間,ワークステーションが使用されない場合に,アクセスを区切ることによって,
この問題を部分的に回避している。
注記2 ブラウザ又はプロキシにおけるキャッシングは,ログファイルに記録された要求数を少なく
させてしまう可能性がある。
6.2.12.2.1
不受理アクセス数
同時接続可能な利用者数の上限を超えたため,図書館が使用許諾契約した電子的サービスへの接続に成
功しなかった要求の総数を数える。間違ったパスワードによる要求の失敗は除く。
このデータは,同時利用の制限が利用者の要求をどの程度十分かどうかを示すものである。
注記 同時利用の制限を超えたアクセスの数は,パスワード忘れ,入力の誤りなどの他の不受理のア
クセスと区別できるとは限らない。
6.2.12.3 ダウンロード数
図書館が提供する電子的サービスからダウンロードに成功した要求のコンテンツ単位の総数を数える。
注記 ブラウザ又はプロキシにおけるキャッシングは,ログファイルに記録される要求数を少なくす
る可能性がある。
6.2.12.4 インターネットアクセス数
図書館が保有するワークステーションから行われた,又は図書館のネットワークを介して図書館内で利
用者個人のコンピュータから行われた,利用者によるインターネットへのアクセス数を数える。
このデータは,保有のワークステーション又はネットワーク接続を経由して利用者にインターネットへ
のアクセスを図書館がどの程度提供しているかを示す。
注記1 図書館内での図書館無線ネットワーク経由の,利用者個人のコンピュータ(例 ラップトッ
プ又はモバイル機器)によるインターネットアクセスの数は,分けて数え,報告することが
望ましい。
注記2 インターネットアクセスの数は,インターネットへアクセスするときに利用者が登録をした,
又は認証された場合にだけ,数えることができる。これらのデータが入手できない場合,利
用者に対する調査によってこの数を推定してもよい。
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6.2.12.5 デジタル化コレクションの利用
デジタル化資料は,電子的コレクションとみなすことのできる場合だけ,その利用を数える。このデー
タは,電子的コレクションの総利用数の一部である。
可能ならば,デジタル化資料(資料全体又は一部)から検索された数(ダウンロードされたコンテンツ
単位)を数える。
注記 このデータは,デジタル化資料について設定されたアクセス方針に影響を受ける。
6.2.13
仮想訪問数
報告期間中の,図書館のウェブサイトへの仮想訪問数を数える。このとき,閲覧したページ数又は要素
数は関係しない。
注記1 仮想訪問数の計測は,特定の分析ソフトウェアを必要とする。使われる方法次第で,ウェブ
サイトの統計の記録は,主要なページを選択したものに限定してもよい。
注記2 仮想訪問数の計測は,ウェブブラウザ,IPアドレス,トップページなどへの訪問を数えても
よい。図書館は計測方法を選択し指定しておくことが望ましい。
6.2.14
モバイル機器サービス
6.2.14.1 図書館モバイル機器サービス
報告期間の終了時点に,図書館が提供しているモバイル機器用のサービス数を数える。現行図書館サー
ビスをモバイル機器に適用したもの,及び直にモバイル機器のために製作されたサービスの双方を数える。
このサービスの例には,モバイル用ウェブサイト,モバイル用目録,モバイル用インストラクション,
図書館ツアー,ショートメッセージサービス(SMS)(照会,お知らせ),レファレンスツールへのアクセ
スなどがある。
注記1 モバイル機器に展開した特別コレクションは,一つのサービスと数える。
注記2 同じ図書館サービスをフォーマット変換した幾つかのアプリケーションは,一つのモバイル
サービスと数える。
6.2.14.2 利用数
モバイル機器経由の図書館へのアクセス数は,図書館サービスの利用総数の部分集合とみなす。
注記1 個々のサービスごとに別々に数える。例 OPACへのアクセス,レファレンスサービス
注記2 サービスがプラットフォーム(ハードウェア,又はオペレーティングシステム)とは関係な
く設計されている場合は,ウェブログ統計を使うことができる。
注記3 サービスが特別なアプリケーションによる場合,利用数をアプリケーションによって数える
ことが望ましい。
6.2.15
対話型利用サービス
6.2.15.1 サービス数及びコンテンツ単位数
6.2.15.1.1
図書館提供対話型サービス
内部向け,公開のいずれも,図書館が設定した対話型サービス数(ブログ,ウィキ,ポッドキャストな
ど)を数える。
注記 対話型サービスのそれぞれの種別(例 ブログ,ポッドキャスト)ごとに分けて数え,その上
でサービス数をまとめることができる。
6.2.15.1.2
ソーシャルネットワークサービス
図書館がアカウントを使っている,又はメンバーとして登録しているソーシャルネットワークサービス
数を数える。
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注記 一つのソーシャルネットワークへの図書館の出現は,ページ又は事例の数に関係なく1回と数
える。
6.2.15.1.3
ソーシャルネットワークのコンテンツ単位
図書館がソーシャルネットワークのために作成したコンテンツ単位数を数える。
注記1 全てのサービスの数を合計することが望ましい。
注記2 幾つかの異なるサービスのために作成した一つのコンテンツ単位は,それぞれに数えること
が望ましい。
6.2.15.2 対話型サービスの利用
6.2.15.2.1
図書館が運営する対話型サービス
ログファイル分析によって次のデータを数える。
a) アクセス数
b) 受け取った項目数(投稿,コメント,メッセージ)
c) サービスの受信予約者数(適切な場合)
d) ダウンロード数(ポッドキャストからの)
注記 各種の対話型サービスについては,データは別々に数える。全てのサービス数は,その上でま
とめる。
6.2.15.2.2
図書館が参加するソーシャルネットワークサービス
主要なデータセットを数える。
a) 図書館アカウントへのアクセス(訪問)数
b) 図書館がソーシャルネットワークにアップロードした資料のダウンロード数
ソーシャルネットワークサービスの利用についての基本的情報を提供するこれらの主要なデータセット
に加えて,可能でかつ適切な場合,関連するデータをみつけて,収集することが望ましい。
c) 図書館アカウントの受信予約者(例 愛好者・フォロワ)の数
d) 投稿又は図書館アカウント内の新しい項目の数
注記1 ソーシャルプラットフォームごとに,データは別々に数える。
注記2 ソーシャルプラットフォーム全体数を取りまとめるのは,それぞれのネットワークが異なっ
たフォーマット及び分析単位でデータを提供しているため,推奨できない。
注記3 外部ホストのソーシャルネットワークは,利用データ[例 受信予約者(フォロワ)の数,
アクセス(訪問)数]を提供する独自の計算ツール及びログファイルをもっている。
注記4 サードパーティのツールによって利用データを得てもよい。
6.2.16
特別な要求をもつターゲット集団へのサービス
6.2.16.1 全般
特別な要求をもつターゲット集団は,図書館のサービス対象者の一部分であり,特別な図書館サービス
を要求する人々である。
注記1 特別な要求は,身体及び健康の障害,経済的困窮(例 長期間の失業),文化的差異(例 非
母語話者,転入者),教育的背景,又は特別の図書館サービスが必要なその他の事情によって
生じるものである。
注記2 付加的な支援を必要としない,子供,若者及び高齢者は含まれない。
注記3 一つの図書館に,特別な要求の,ターゲット集団が複数存在することがある。
注記4 個人が,このようなターゲット集団の複数に属することがある。
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このようなグループに提供されるサービスは,要求によって異なるが,通常,次の種類がある。
a) 特別コレクション
b) 特別な催し物
c) 長期にわたるサービス
6.2.16.2 特別コレクション
次のものを数えることが望ましい。
a) ターゲット集団の要求に合致するよう整えられた図書館所蔵の物理的資料の数
注記 ターゲット集団ごとに別々に数える。6.3.2〜6.3.14及びA.2.1における下位分類に従って分類
してもよい。
b) ターゲット集団の要求に合致するようにその年に受け入れられた物理的資料の数
注記 ターゲット集団ごとに別々に数える。6.3.2〜6.3.14及びA.2.1における下位分類に従って分類
してもよい。
c) ターゲット集団の要求に合致するよう整えられた図書館コレクションの電子資料の数
注記 ターゲット集団ごとに別々に数える。6.3.11〜6.3.14における下位分類に従って分類してもよ
い。
d) ターゲット集団の要求に合致するようにその年に受け入れられた電子資料の数
注記 ターゲット集団ごとに別々に数える。6.3.11〜6.3.14における下位分類に従って分類してもよ
い。
6.2.16.3 特別コレクションの利用
次のものを数えることが望ましい。
a) ターゲット集団の要求に合致するよう整えられたコレクション資料の,館内貸出を含む,報告期間中
における貸出数
注記1 ターゲット集団ごとに別々に数える。6.3.2〜6.3.14に従って下位分類される。A.2.1におけ
る所蔵のカテゴリーに従って下位分類してもよい。
注記2 計算には,ターゲット集団のメンバー以外の者による利用を含めることができる。
b) ターゲット集団の要求に合致するよう整えられた図書館コレクションにおける,報告期間中における,
電子資料へのアクセス数
注記1 ターゲット集団ごとに別々に数える。
注記2 計算には,ターゲット集団のメンバー以外の者による利用を含むことができる。
6.2.16.4 特別な要求をもつ対象者集団のための催し物
次のものを数えることが望ましい。
a) 各ターゲット集団に向けた催し物数
b) ターゲット集団に向けた催し物への参加者の総数
注記 ターゲット集団の構成員以外の参加者を含むことができる。
6.2.16.5 特別な要求をもつターゲット集団への長期にわたるサービス
次のものを数えることが望ましい。
a) 報告期間中における,ターゲット集団の要求に合致するよう整えられ,慣行化した長期にわたるサー
ビス数
注記1 このようなサービスの例には,家から出られない人へのメディアの運搬,少数言語でのレ
ファレンスサービス,特定のグループへの定例読書会,失業者への職業紹介などがある。
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注記2 一回限りのサービスは含めず,それに該当する場合は催し物として数える。
b) 報告期間中の長期にわたる各サービスの利用事例の数
6.3
コレクション
6.3.1
前置き
6.3.2〜6.3.15までの区分の下位分類は,附属書Aを参照。
6.3.2
図書及び逐次刊行物(印刷資料)
6.3.2.1
所蔵数
次のものを数えることが望ましい。
a) 全所蔵における物理単位数
b) a) のうち,開架書架に通常収納されている物理単位数
c) 全所蔵におけるタイトル数
注記1 物理単位数が数えられない場合は,それに代わる方法として所蔵資料によって占められる書
架の長さの尺度がある(6.4.8.4参照)。この尺度を物理単位数の推計に用いてもよい。
注記2 製本された定期刊行物は,物理単位として数える。製本されていない定期刊行物及び新聞は,
製本された物理単位にまとめられたものとみなして,数に含める。通常は,1冊に1年分の
刊行物が含まれる。一つのルーズリーフバインダは,1物理単位として数えることが望まし
い。
注記3 図書館の必要に応じて,図書と逐次刊行物とを別々に数えてもよい。
注記4 図書は,CD-ROM,フロッピーディスク,スライドなどの附属資料を含む場合がある。これ
らの附属資料は分けて数える必要はない。
6.3.2.2
受入数
次のものを数えることが望ましい。
a) 受け入れた物理単位数
注記 これに代わるものとして,受け入れた所蔵資料の書架の長さを計測してもよい。
b) 受け入れたタイトル数
注記 これは,受け入れた資料について新規に作成した目録レコードの数と多くの場合同じである
(6.4.5参照)。
6.3.2.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
注記 これに代わるものとして,除籍した所蔵資料の書架の長さを計測してもよい。
6.3.3
手稿
6.3.3.1
所蔵数
次のものを数えることが望ましい。
a) 手稿の全コレクションが占める書架の長さ
b) 物理単位数
注記 製本された冊数及びその他の単位[例 断簡(零葉),巻物,著者自筆(署名入り)の草稿など]
は,分けて数えてもよい。
6.3.3.2
受入数
次のものを数えることが望ましい。
a) 受け入れた手稿コレクションが占める書架の長さ
41
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b) 受け入れた物理単位数
6.3.3.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.4
マイクロ資料
6.3.4.1
所蔵数
物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.4.2
受入数
受け入れた物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.4.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.5
地図資料
6.3.5.1
所蔵数
物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.5.2
受入数
受け入れた物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.5.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.6
印刷楽譜資料
6.3.6.1
所蔵数
次のものを数えることが望ましい。
a) 全所蔵における物理単位数
b) 全所蔵におけるタイトル数
製本された楽譜資料は,物理単位として数えることが望ましい。製本されていない資料は,製本された
物理単位にまとめられたものとみなし,数に含めることが望ましい。必要に応じて,別個になった容器(ケ
ース)又は紙ばさみ(ホルダ)を数えることが望ましい。
例 室内楽及びオーケストラのパートは,別々に数えるのではなく,まとめて一組として数えること
が一般的である。
6.3.6.2
受入数
次のものを数えることが望ましい。
a) 受け入れた物理単位数
b) 受け入れたタイトル数
注記 これは,受け入れた資料について新規に作成した目録レコードの数と多くの場合同じである。
6.3.6.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.7
視聴覚資料
6.3.7.1
所蔵数
図書館コレクションにおける視聴覚資料の数を,次の形態別で数えることが望ましい。
− 物理的キャリア上のもの(物理単位数)
− 独立型のワークステーションに格納したもの(タイトル数)
− ネットワーク上に設定したもの(タイトル数)
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総数は種別によって下位分類し,別々に数えることが望ましい。
− 聴覚資料 楽曲
− 聴覚資料 録音図書(オーディオブック)
− 視覚資料
− 聴覚資料及び視覚資料の組合せ
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく,総数を提供することが望ましい。
注記1 物理単位数は,通常,CDケース,レコードジャケット,テープカセット及びビデオケース
を指す。
注記2 視聴覚資料に印刷資料(リーフレット,台本など)が附属している場合は,それを別々には
数えないことが望ましい。
6.3.7.2
受入数
受け入れた視聴覚資料の数を,次の形態別で数える。
− 物理的キャリア上のもの(物理単位数)
− 独立型のワークステーションに格納したもの(タイトル数)
− ネットワーク上に設定したもの(タイトル数)
これらは次の区分によって下位分類することが望ましい。
− 聴覚資料 楽曲
− 聴覚資料 録音図書(オーディオブック)
− 視覚資料
− 聴覚資料及び視覚資料の組合せ
下位分類の単位で数えられない場合は,種類に関係なく,総数を提供することが望ましい。
6.3.7.3
除籍数
除籍した視聴覚資料の数を,次の形態別に数える。
− 物理的キャリア上のもの(物理単位数)
− 独立型のワークステーションに格納したもの(タイトル数)
− ネットワーク上に設定したもの(タイトル数)
6.3.8
画像資料
6.3.8.1
所蔵数
物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.8.2
受入数
受け入れた物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.8.3
除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.9
特許資料
6.3.9.1
所蔵数
図書館の所蔵資料における特許資料の数を,次の形態別で数える。
− 印刷形態又はマイクロ資料形態
− 電子形態
6.3.9.2
受入数
受け入れた特許資料の数を,次の形態別で数える。
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− 印刷形態又はマイクロ資料形態
− 電子形態
6.3.9.3
除籍数
除籍した特許資料の数を,次の形態別で数える。
− 印刷形態又はマイクロ資料形態
− 電子形態
6.3.10
その他の図書館資料
6.3.10.1 所蔵数
物理単位数を数えることが望ましい。
取扱い単位で数える。通常,資料が,セットとして,箱に又はシート上に収納され,出納され,利用さ
れている場合は,“取扱い”単位によって数える(例 切符の箱又はトレー,切手のシート又はアルバム,
写真のアルバム,カリキュラム資料のキット)。これは,目録作成のために用いられる単位と多くの場合一
致する。別々に目録作業をした資料は,通常,別々の単体として数えることが望ましい。
6.3.10.2 受入数
受け入れた物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.10.3 除籍数
除籍した物理単位数を数えることが望ましい。
6.3.11
電子図書
6.3.11.1
所蔵数
電子的コレクションにおける電子図書の数(タイトル数)を数えることが望ましい。
注記 複数のタイトルが一つの電子図書にまとめられている場合があるため,タイトルの数は,購読
する数より多くなることがある。電子図書は,購入,寄贈又は納本制度によって取得される。
6.3.11.2
受入数
次のものを数えることが望ましい。
a) 購入によって受け入れた電子図書の数(タイトル数)
b) 図書館が行ったデジタル化によって加わった電子図書の数(タイトル数)
6.3.11.3
除籍数
除籍した電子図書の数(タイトル数)を数える。
6.3.12
その他のデジタル資料
6.3.12.1 所蔵数
図書館コレクションにおけるその他のデジタル資料の数を数えることが望ましい。
− 物理的キャリア上のもの(物理的単位)
− ネットワーク上に設定されたもの又はスタンドアローンのワークステーションに格納されたもの(タ
イトル)
注記 物理的キャリアは,通常貸出又は図書館内のスタンドアローンのワークステーションでの使用
に利用できる。
6.3.12.2 受入数
受け入れたデジタル資料の数を数える。
− 物理的キャリア上のもの(物理的単位)
− ネットワーク上に設定されたもの又はスタンドアローンのワークステーションに格納されたもの(タ
44
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イトル)
6.3.12.3 除籍数
除籍したデジタル資料の数を数える。
− 物理的キャリア上のもの(物理的単位)
− ネットワーク上に設定されたもの又は独立型のワークステーションに格納されたもの(タイトル)
6.3.13
データベース
6.3.13.1 所蔵数
図書館の所蔵資料におけるデータベース数を数える。
− 持ち運びできる物理的形態のもの(物理単位数)
− ローカルネットワーク上のデータベース,又は独立型のワークステーションに格納されたもの(タイ
トル数)
− 図書館がアクセス権を取得している,図書館外のサーバ上にあるもの(タイトル数)
注記 レファレンスデータベースとして購入した図書館目録も含む。
6.3.13.2 受入数
受け入れたデータベース数を数える。
− 持ち運びできる物理的形態のもの(物理単位数)
− ローカルネットワーク上のデータベース,又は独立型のワークステーションに格納されたもの(タイ
トル数)
− 図書館がアクセス権を取得している,図書館外のサーバ上にあるもの(タイトル数)
6.3.13.3 除籍数
除籍したデータベース数を数える。
− 持ち運びできる物理的形態のもの(物理単位数)
− ローカルネットワーク上のデータベース,又は独立型のワークステーションに格納されたもの(タイ
トル数)
− 図書館がアクセス権を取得している,図書館外のサーバ上にあるもの(タイトル数)
6.3.14
継続受入中の逐次刊行物(報告期間終了時点 全ての形態,すなわち,印刷資料,マイクロ資料
及び電子形態)
6.3.14.1 印刷資料又はマイクロ資料
次のものを数えることが望ましい。
a) 継続受入中の定期刊行物購読数
b) 継続受入中の定期刊行物タイトル数
c) 継続受入中の新聞購読数
d) 継続受入中の新聞タイトル数
定期的に提出される報告書及び定例会議の議事録は,ここで定期刊行物として数える。
モノグラフシリーズ,その他の報告書及び臨時会議の議事録は,6.3.2又は6.3.4に含める。
注記 電子形態で所蔵しているタイトルに付加した使用許諾契約に基づき印刷した資料を含む。
6.3.14.2 電子逐次刊行物
次のものを数えることが望ましい。
a) 現在利用できる定期刊行物のタイトル数
b) 現在利用できる新聞のタイトル数
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注記1 自館で所蔵しているタイトル及びアクセス権を取得しているタイトルを含む。
注記2 印刷形態で所蔵しているタイトルに付加した使用許諾契約のある電子形態のものを含む。
注記3 コンソーシアム協定で,契約期間中使用可能となる追加アクセス権又は相互アクセス権を取
得したタイトルを含む。
注記4 図書館でオンライン目録又はデータベースに登録した無料のインターネット資源中の電子ジ
ャーナルは,別に数え報告することが望ましい(6.3.15参照)。
6.3.14.3 逐次刊行物の総計
次のものを数えることが望ましい。
a) 継続受入中の定期刊行物購読数(全ての形態)
b) 継続受入中の定期刊行物タイトル数(全ての形態)
c) 継続受入中の新聞購読数(全ての形態)
d) 継続受入中の新聞タイトル数(全ての形態)
注記 a) とb) との差,c) とd) との差から複数購読しているタイトル数を算出できる。
6.3.15
無料のインターネット資源
アクセス権を得てはいないが,図書館のオンライン目録又はデータベースに登録している個別の無料の
インターネット資源(デジタル資料,データベース,電子ジャーナルなど)へのリンク数を数える。
注記 可能であれば,重複タイトルを除外することが望ましい。
6.4
アクセス及び施設
6.4.1
開館時間
標準的な1週間において,主要な物理的サービスを利用できる時間数を数える。
a) 中央館・本館
b) 分館(平均値)
c) 分館(全分館の総開館時間の合計)
注記1 a) 及びb) において,職員不在の開館時間は,別々に数える。
注記2 年間のかなりの期間(例えば,夏季,冬季),開館時間が異なっている場合は,最も長い開館
時間を数える。
6.4.2
開館日
報告期間(通常は1年間)において,利用者が主要なサービスを利用できた日数を数える。
a) 中央館・本館
b) 分館(平均値)
c) 分館(全分館の総開館日の合計)
6.4.3
利用者スペース
報告期間の終了時点における図書館内で利用者が使用できる利用者スペース数を数える。
注記1 安楽椅子の席数は,別に数えることが望ましい。
注記2 図書館の無線ネットワークによって利用者がインターネットに接続できる利用者スペース
は,別に数えてもよい。
6.4.4
利用者用ワークステーション
図書館敷地内の利用者用ワークステーション数を数える。
注記 利用者が自身のコンピュータをインターネットに接続できる利用者スペースは,6.4.3で数え
る。
46
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6.4.5
目録レコード
次のものを数えることが望ましい。
a) 報告期間の終了時点における目録レコード(書誌レコード)の総数
b) システムに登録されている割合
c) a) のうち年間で追加された数
6.4.6
複写設備
次のものを,別々に数えることが望ましい。
a) 利用者が,自ら利用できるコピー機
b) 利用者用プリンタ
c) 利用者用スキャナ
注記 1台の機械がこれら三つの役割全てに使える場合がある。
6.4.7
電子図書リーダ
次のものを数えることが望ましい。
a) 利用者用電子図書リーダの総数
b) 上記のうち貸出できる数
6.4.8
スペース
6.4.8.1
図書館機能のための純床面積
純床面積の表示は,平方メートルの単位を用いる。
利用者サービスのためのスペース(レクリエーション及び交流のための面積を含む。),資料の保存,図
書館経営及びテクニカルサービス,催し物,展示及び集会,機器のための面積,通路,トイレ並びに図書
館資源及びサービスのために使用されるその他の全てのスペースを含む。玄関,出入りのスペース,守衛・
管理用倉庫及び関連の領域,エレベーター,階段,建物の廊下並びに共用設備管理のためのスペースを除
く。
注記 中央館と分館とに分けて数値を示してもよい。
6.4.8.2
機能別の純床面積
6.4.8.1で算出した床面積を,次の機能ごとに分けてもよい。
a) 利用者サービス 閲覧,調査(個人又はグループ用),貸出,レファレンス及び情報提供,その他利用
者に提供するサービスのためのスペース,セルフサービス用の面積(貸出,返却及び返却資料自動仕
分けロボット),また,利用者サービスの面積と一体になったレクリエーション及び交流のための面積,
救護室,エントランスホール及び開架書架面積のスペースも含む。
b) 図書館経営及びテクニカルサービス 受入及び目録作成,資料保存,修復,製本,複製,デジタル化,
コンピュータ操作,業務管理,プロジェクト,物置,職員会議室,職員ラウンジ及び職員用救護室を
含む。
c) 資料収蔵 開架か又は閉架かにかかわらず,主として資料の収蔵に充てられる全ての領域を含む。
d) 催し物など 教育・研修及び集会のための部屋,催し物及び市民サービスのためのスペース並びに公
式展示のためのスペースを含む。
a),b),c) 及びd) の合計は,6.4.8.1の面積と同じであることが望ましい。
6.4.8.3
図書館建物の総床面積
総床面積の表示は,平方メートルの単位を用いる。
これは,図書館建物の全てのスペースの総計で,6.4.8.1で除外した領域も全て含む。
47
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6.4.8.4
書架の集計
次のものを数えることが望ましい。
a) 全所蔵資料によって占められている書架の総延長メートル
b) 開架資料によって占められている書架の総延長メートル
6.5
経営
6.5.1
協力
6.5.1.1
共同プロジェクト
報告期間中に図書館が実施した共同プロジェクトの数を数える。制度化されたもの,及び/又は特別に
資金が措置された取組み及びプロジェクトだけを数える。
国際的なプロジェクトは別に数えることが望ましい。
注記1 国際的なプロジェクトとは,少なくとも1共同事業者が国外から参加するものをいう。
注記2 一時的な協力は含めないことが望ましい。
6.5.1.2
パートナーシップ
報告期間末において維持されている,他の図書館,及び/又は他の機関との正式に承認されたパートナ
ーシップの数を数える。
国際的なパートナーシップは,別に数えることが望ましい。
注記 国際的なパートナーシップとは,少なくとも1共同事業者が国外から参加するものをいう。
6.5.2
図書館職員の研究出版物
1年間の図書館職員の研究出版物数を数える。
注記 査読つきジャーナルによる発表は,別に数えることが望ましい。
6.5.3
図書館に関する出版物
伝統的な形態であれインターネット上であれ,メディア(新聞,テレビ,ラジオ,その他)に掲載され
た当該図書館に関する報告,記事,及び視聴覚資料の数を数える。
注記1 報告及び記事は,通常,図書館外の者によって作成されるが,図書館職員によるものでもよ
い。
注記2 報告及び記事に対するコメント,及び,直前のお知らせ(例 開館時間の変更のお知らせ)
は除く。
注記3 同じ報告,記事などが複数のメディア(例 複数の新聞)に掲載された場合は,掲載媒体ご
とに別々に数える。
6.5.4
資料保存及び資料保護
報告期間中に資料保存及び資料保護の処置を受けた,コレクション中の資料数を数える。
この規格における資料保存及び資料保護の処置手当てとは,その資料の元の形態のままで資料保護する
次の方法によるものだけとする。
a) 伝統的な(手作業による)処置,例えば,と(綴)じ目の補強,リキッドペーパーパルプによる処置
b) 大量資料保護(脱酸性処理)
注記1 複製,マイクロフィルム,デジタル化,又は買替えによる原本の置換えは除く。
注記2 図書館自身による資料の保存・保護と外部の業者によるものとは,別々に数えることもでき
る。
6.5.5
デジタル化
報告期間中にデジタル化された,アナログコレクション中の資料の総数を数える。総数は,資料の種別
48
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によって分けることができる。
a) デジタル化された図書(冊数)
b) デジタル化された逐次刊行物(冊数)
c) デジタル化された手稿(物理単位数)
d) デジタル化されたマイクロフィルム(物理単位数)
e) デジタル化された地図資料(物理単位数)
f)
デジタル化された印刷楽譜資料(タイトル数又は物理単位数,6.3.6.1による。)
g) デジタル化された視聴覚資料(タイトル数又は物理単位数,6.3.7.1による。)
h) デジタル化された画像資料(物理単位数)
i)
その他のデジタル化された資料(物理単位数,6.3.7.1による。)
注記1 デジタル資料の,新しいデジタルフォーマットへの変換は,別に数える。
注記2 資料全体がデジタル化された場合にだけ,デジタル化されたものとして数える。
注記3 a),b),c),及びf) については,可能な場合は,デジタル化したページ数も数える。
注記4 デジタル化された新聞は,別に数えることができる。
注記5 視聴覚資料については,可能な場合は,デジタル化された時間数も数える。
6.6
資金調達及び経費(報告期間で計測)
6.6.1
運営経費(経常経費)
6.6.1.1
人件費
次のものを算出することが望ましい。
a) 給与,賃金,手当,その他福利厚生などの関連経費の総額
注記 専門職員,有資格専門職員,その他の職員及び学生補助員に分けて集計を示してもよい。
b) 職員研修の経費。研修資料代及び外部専門家への報酬を含む。
注記 研修する,又は研修を受けるために費やされた図書館職員の時間費用は除く。
6.6.1.2
資料購入費
利用者の便益のため図書館資料として受け入れた資料に要した経費を,次に示す資料種別ごとに算出す
る。
a) 印刷形態の図書
b) 印刷形態の逐次刊行物
c) 非電子形態の視聴覚資料
d) その他の非電子形態の資料
e) データベース
f)
電子逐次刊行物
g) デジタル資料(電子図書を除く。)
h) 電子図書
注記1 印刷及びその他の非電子形態の資料の小計として,a) からd) までを合算してもよい。
注記2 電子的コレクションの小計として,e) からh) までを合算してもよい。
注記3 経費には,付加価値税(消費税),サービス税及びその他の地方税を含める。これらを含める
ことによって,国際比較のときに影響があっても差し支えない。
注記4 データベース又は電子逐次刊行物にかかる経費が,コンソーシアム又は中央経費の一部によ
って賄われている場合は,図書館自身の経費を算出することが望ましい。
49
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注記5 図書館が購入又は購読した印刷資料に無料の電子的アクセスが付加されている場合は,印刷
資料だけの経費を算出することが望ましい。追加料金を電子的アクセスに支払っている場合
は,追加料金だけをe),f) 又はg) に含めて算出することが望ましい。
6.6.1.3
外部機関からの文献提供及び図書館間貸出にかかる経費
図書館によって支払われた文献配送及び図書館間貸出の経費を集計する。
6.6.1.4
コレクション維持費
次のものを算出することが望ましい。
a) 外部の請負業者によって実施された,製本,資料保存及び資料保護にかかった経費
b) 外部の請負業者によって実施された,媒体の変換(マイクロフィルム化,複写)にかかった経費
c) 外部の請負業者によって実施された,資料のデジタル化にかかった経費
注記1 希こう(覯)書のための経費は,分けて算出する。
注記2 a)〜c) の作業が図書館によって実施される場合,図書館職員の時間費用は算出しないが,そ
れぞれの作業に要する材料の経費は,分けて算出することが望ましい。
6.6.1.5
施設費
賃借料,維持管理費及びサービスにかかった経費(光熱費及び上下水道費)を算出する。
6.6.1.6
情報技術経費
コンピュータ,ネットワーク(運用及び保守),ソフトウェアの使用許諾契約及び通信にかかった経費を
算出する。
6.6.1.7
オープンアクセス出版手数料
オープンアクセス出版のために図書館が支払った,機関又は個々の著者手数料を算出する。
6.6.1.8
その他の経費
目録作成,複写,郵送,サービスの広報,催し物及び展示の費用,事務用品,保険,交通,通信,コン
サルティング及び機器にかかった費用,並びに該当する場合は,借入金の利払いなど,その他の全ての費
用を集計する。
6.6.2
資本支出
次のものを集計することが望ましい。
a) 施設建設用地の取得,並びに建物の新築及び増改築のための経費(建築家への報酬及びコンペに要し
た経費を含む。)
b) 統合図書館システム(ハードウェア及びソフトウェア)に関する経費
c) じゅう(什)器及び機器を含む,その他全ての資本支出
図書館の新設又は増築のために取得したコレクション及び機器は,通常,運営経費ではなく資本支出に
計上することが望ましい。
6.6.3
収入及び資金調達
次のものを集計することが望ましい[それぞれに資本(設備)投資のための資金調達を含む。]。
a) 図書館自身又は親機関から調達した資金
b) その他公的財源から調達した資金
c) 企業及び私的財源(寄付を含む。)から調達した資金
d) 特別助成金
e) 創出収入(例 図書館の活動によって得た手数料,使用料,会費,寄付などの収入で,図書館が経費
として使えるもの)
50
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6.7
図書館職員(報告期間の終了時点で計測)
6.7.1
全般
図書館従業員数を集計するときには,非常勤職員数を常勤職員数に換算するために,フルタイム換算の
考え方を用いることが望ましい。
例 3人の図書館職員のうち,1人が4分の1の勤務,1人が2分の1の勤務,1人が常勤だった場合,
フルタイム換算による職員数は,0.25+0.5+1.0=1.75となる。
6.7.2
総職員
次のものを集計することが望ましい。
a) 図書館に雇用されている人の総数
b) フルタイム換算した職員数
c) b) のうち,図書館自身又は親組織の外部の資金によって雇用されている,フルタイム換算した職員数
注記 ボランティアは除く。
6.7.2.1
専門職員
フルタイム換算した,専門職員数を数える。
6.7.2.2
有資格専門的職員
フルタイム換算した,有資格専門的職員数を数える。
6.7.2.3
その他の職員
フルタイム換算した,その他の職員数を算出する。
注記 この区分の中で警備及び用務に従事している図書館従業員,例えば,清掃,雑役,介助,食事
提供などは,分けて数えてもよい。
6.7.2.4
学生補助員
学生補助員は一般的に時間単位で雇用されている。学生補助員の年間総雇用時間数は,フルタイム換算
することが望ましい。
6.7.3
ボランティア
フルタイム換算した,無報酬のボランティア補助員を算出する。
6.7.4
職員研修
次のものを数えることが望ましい。
a) 職員の,公式の職員研修への出席時間数(報告期間)
b) 正式な研修を受けた職員数(報告期間)
注記1 正式な研修とは,図書館内又は館外で,図書館職員又は外部の専門家によって行われる,あ
らかじめ計画された訓練のことをいう。
注記2 正式でない研修(例 業務時の教育)は含まない。
6.7.5
専門教育
次のものを集計することが望ましい。
a) 図書館学,図書館情報学,情報学又は関連分野の,図書館による正式な研修を受けた学生・実習生の
数(報告期間)
注記 学生・実習生の教育期間は,報告期間の全期間であっても,短期間コースだけであってもよ
い。
b) 全ての学生・実習生の月単位の教育期間で算出する。
例 3人が1年間を通して教育を受け,他の3人がそれぞれ1か月間だけ教育を受けた場合,合計
51
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39か月となる。
6.7.6
サービス部門・運営部門への職員配置
6.7.2で算出された総職員は,次に示す図書館の主要なサービスに配置されていると考えられる。
a) 利用者サービス 貸出,レファレンス及び情報提供,図書館間貸出,利用者教育,複写,資料の排架,
出納,特別な利用者グループへのサービスなど
b) 資料整理 資料受入及び目録作成,使用許諾契約交渉,図書整理,製本など
c) 電子的サービス ITサービスの計画立案,運用,提供・開発,図書館のウェブ上のサービスの技術的
開発・改善など
d) 管理運営 経営,計画立案及び方針決定,予算管理,労務管理,統計,マーケティングなど
e) その他全てのサービス 催し物及び展示会,プロジェクト,資料保存・資料保護,デジタル化など
a),b),c),d) 及びe) の合計は,6.7.2で集計した総職員の数と一致する。
あるサービス部門に従事する図書館職員数は,特定プロジェクトのために雇用されている職員を含め,
そのサービス部門に費やされる常勤・非常勤全ての職員の勤務時間を加えて集計する。幾つかの算出方法
がある。
− 推計方式 そのサービス部門に配置された職員の勤務時間をフルタイム換算して数える。そのサービ
ス部門の職員が他のサービスに従事した平均時間を推計し勤務時間から除く。また,他のサービス部
門の職員が当該サービスに従事した平均時間を推計し勤務時間に加える。
例 図書館貸出部門に配置された職員がフルタイム換算で3.5名,報告期間中にこれらの職員が
10 %レファレンスサービスに従事し,貸出部門の職員(フルタイム換算で8名)が図書館間貸
出に20 %従事したとすると,図書館貸出のための総フルタイム換算職員数は,3.5−0.35+1.6
=4.75となる。
− 記録方式 当該サービスの作業量が平均的な期間に,標本期間(通常1〜2週間)を設定する。他のサ
ービス部門の職員も含め職員が当該サービス部門に従事した時間を勤務日誌から記録する。標本によ
る算出時間数から,報告期間全体のフルタイム換算職員数を算出する。
6.7.7
特別サービスへの職員配置
6.7.6で記述した主なサービス部門への職員配置に加え,報告期間に職員が特定のサービスに費やした勤
務時間を先述の方法で,なるべくなら時間記録によって,算定することができる。その上で,特定のサー
ビスに対する職員の勤務時間は6.7.2で算出された総職員勤務時間に対する割合として算出されることが
望ましい。
注記 この算出は,図書館の定常業務又は規定の任務に含まれないサービス及び/又は資金調達を伴
うサービスにとって特に重要となる。これについて,図書館のインプット及びアウトプットを
示すことが望ましい。
6.7.7.1
共同プロジェクトに費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 計画立案,組織運営,共同事業者との交渉,会計処理,報告,及びプロジェクトの個々の作業
6.7.7.2
催し物に費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 計画立案,組織運営,共同事業者との交渉,催し物の企画及び準備,会計処理,入場者管理,監視な
ど
52
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
6.7.7.3
資料保存・保護に費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 図書館内又は委託による活動計画の立案及び管理,原本の選択,評価及び前処理,技術的作業(掃除,
修繕),品質管理,並びに統計
6.7.7.4
アナログ資料のデジタル化に費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 図書館内,委託又は共同プロジェクトによる活動計画の立案及び管理
− 原本の選択,評価及び前処理
− 技術的作業(画像作成,画像編集)
− 後処理(例 光学式文字認識,OCR)
− 画像処理の品質管理,メタデータ付与
− ファイル管理(画像及び関連するメタデータの組織化,収蔵,利用,維持管理)
− 権利管理,並びにデジタル保存の長期計画の評価及び実施
6.7.7.5
モバイル機器へのサービスに費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 計画立案,開発,フォーマット調整及び維持管理
6.7.7.6
対話型サービスに費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 計画立案,開発,組織運営,ソーシャルネットワークとの交渉,サービスのコンテンツの考案及び変
更,投稿への応答など
6.7.7.7
図書館評価に費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 評価活動の計画,統計及びパフォーマンス尺度のためのデータ収集,費用分析,利用者調査(調査票
及び聞き取り),職員調査(調査票及び聞き取り),苦情処理,ベンチマークづくり,インパクト(影
響)評価,並びに報告
注記 戦略目標及びサービス水準の作成は含まない。
6.7.7.8
教育訓練の準備に費やす職員時間
これには,次の活動が含まれる。
− 対面指導のための説明・配布資料の作成及び更新,ウェブ上の教育資料の作成及び維持,並びに,図
書館オリエンテーション,情報スキル,及び資源の利用のための利用者ガイド及びセルフガイドの準
備
注記 これらの活動は6.2.11には含めないほうがよい。
6.7.8
機関の委員会における図書館職員
報告期間終了時に図書館職員が占める,大学及び地方自治体などの親機関の理事会及び委員会における
正式構成員数を数える。
注記1 公式に構成する長期の理事会及び委員会の正式構成員だけを含む。臨時のグループ及び/又
は非公式のグループは含まない。
注記2 1人の職員が幾つかの理事会又は委員会の正式構成員を務める場合はそれぞれ別々に数え
る。
53
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附属書A
(参考)
更に統計分析を進める推奨される区分
A.1 全般
箇条2で定義した統計区分に加えて,この附属書は,追加的な分析のための区分を推奨する。これらの
区分の多くは,地域及び/又は国の必要に応じて細分可能であり,細分することを推奨する。この附属書
の区分は,国際比較の目的からも推奨されるものである。
細分を行う場合,細分された項目の総体が本体に規定されている区分と対応し得るものとなるよう,適
切な定義が各細分に与えられているかどうかについて注意する。
A.2 本体で既に定義されている区分の拡張
A.2.1 図書館の利用及び利用者
A.2.1.1 利用者の種類
利用数及び利用者数は利用者の種類ごとに分けても差し支えない。
公共図書館は利用者を次のように分けることができる。
a) 個人利用者
− 子供(13歳以下)
− ヤングアダルト(14歳から18歳まで)
− 成人
− 高齢者(66歳以上)
b) 機関利用者
c) 図書館職員
d) 在宅でサービスを受ける利用者など,その他のターゲット集団
注記1 性別,職業及び機関の種類によって更に細分することができる。
注記2 他の館種は,別々に数える。
注記3 外部(サービス対象以外の)利用者は,別に数えることができる。
高等教育機関の図書館においては,次の区分が適用できる。
− 学部(学)生(フルタイム又はパートタイム)
− 大学院(学)生(フルタイム又はパートタイム)
− 教員又は研究員
− 図書館職員
− 職務利用者(個人又は法人)
− その他の外部利用者
注記1 学部(学)生,大学院(学)生,及び教員又は研究員については,学部などで区分しても差
し支えない。
注記2 他の館種は,別々に数える。
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学校図書館においては,次の区分が適用できる。
− 児童・生徒
− 教職員
− その他の利用者
A.2.1.2 貸出についてのその他の区分
貸出の分析のためには,A.2.2における,所蔵数,受入数及び経費のための区分を使用する。
次に示すものも数えることができる。
a) 短期貸出の数(6.2.3.1における貸出に含まれるもので,2日以内)
b) 同じ運営単位内の図書館に対する配置資料として定期的に配送されるものの物理単位数(これは
2.2.19における定義の範囲外なので,6.2.3.1における貸出としては数えない。)。配置資料の貸出は,
それを記録している図書館が数える。
c) 成人に対する貸出数
d) 子供に対する貸出数
A.2.1.3 レファレンス質問
レファレンス質問は次のように区分しても差し支えない。
a) 特定資料の検索(図書館内資料の検索,又は目録・データベース・書誌上の検索)
b) ある主題に関する情報源又は読書についての助言
c) 図書館員が提供する特定の事実,データなどに対する要求
d) 書誌的ツールなど,図書館が利用者に提供するソフトウェアに対する助言
e) 付加価値的な情報サービス(時間の上限を超えるもので,場合によって有料であるもの)
一つの要求が複数の項目に該当する場合,主たるものを決めることが望ましい。
A.2.1.4 情報質問
情報質問は次のように区分しても差し支えない。
a) 案内質問(例 職員及び施設の場所に関する質問を含む。)
b) 運営上の質問(例 開館時間及び登録手順,プリンタ及びコンピュータ端末などのような備品の操作)
A.2.2 コレクション及び経費
A.2.2.1 前置き
規格本体では,資源の種別に関して細分を行っている。さらに,A.2.2.2からA.2.2.6までに示されてい
るように,所蔵数,受入数及び経費について細分することを推奨する。
A.2.2.2 主題
物理単位数及び/又はコレクション内のタイトル数,並びに主題区分として区別された受入数を数える。
公共図書館及び学校図書館では,次の大区分が推奨される。
a) テーマ別
− フィクション
− ノンフィクション
− レファレンス資料
b) 対象者(公共図書館だけ)
− 成人
− 子供(13歳以下)
成人向けノンフィクションのように,テーマ及びターゲット集団を組み合わせることもできる。
55
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
全ての図書館では,次の区分が推奨される。
− 総記,レファレンス資料
− 神学・宗教
− 言語・文学
− 哲学・心理学・伝記・歴史
− 芸術・デザイン・上演芸術・建築・スポーツ
− 生物学・化学
− 医学(臨床・前臨床・医学に類するもの)
− 物理学(地球科学を含む。)
− 工学・技術
− 数学・コンピュータ・情報技術
− 社会科学
− 教育
− ビジネス・経営
− 法律
A.2.2.3 受入形態
次の区分ごとの物理単位数及び/又はタイトル数を数える。
− 購入及び使用許諾契約
− 交換
− 寄贈
− 法定納本制度
注記 使用許諾契約された電子図書のタイトル又は電子逐次刊行物は別に数えることが望ましい。
A.2.2.4 出版国
次に示す区分ごとの受け入れた物理単位数及び/又はタイトル数,及び/又は受入経費を算出する。
− 国内出版物
− 外国出版物
A.2.2.5 資料の言語
次に示す区分ごとの受け入れた物理単位数及び/又はタイトル数,及び/又は受入経費を算出する。
− 自国語で書かれた資料
− その他の言語で書かれた資料
注記 公共図書館では特に“その他の言語”を,文化グループごとに分けることもできる。
A.2.2.6 電子的コレクション
次に示す受入形態ごとのタイトル数及び受入数を数える。
− 購入
− 使用許諾契約
− アナログコレクションからのデジタル化
− 図書館のオンライン目録経由で入手可能なフリーのインターネット資源
上記の細分を採用する場合,所蔵数,受入数及び経費に対して適用することが望ましい。
A.2.2.7 アクセス及び施設
報告年における目録レコードの追加件数(6.4.5参照)を次の区分に従い数える。
56
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− コピーカタロギング(購入したレコード又は他の情報源から抽出したレコード)
− オリジナルカタロギング
− 遡及入力
− 件名目録作業及び/又は分類番号付与
A.3 その他の区分(本体には含まれないもの)
A.3.1 前置き
図書館の特別な種類,役割及び/又は所蔵数を反映させるために,コレクション及びサービスについて
のその他の側面を数えてもよい。
A.3.2 博士論文
形態ごとの論文数及び受入数(高等教育機関の図書館で適用される。)を数える。
− 印刷形態
− マイクロ資料形態
− 電子形態
A.3.3 政府刊行物
形態ごとの資料数及び受入数を数える。
− 印刷形態
− マイクロ形態
− 電子形態
A.3.4 希こう(覯)コレクション
通常,次の区分に従って,物理単位数及び受入数を数える。
a) 1800年以前に出版された希こう(覯)書
b) 1801年以降に出版された希こう(覯)書
c) インキュナブラ
d) 手稿本
− ラテン系の文字
− 非ラテン系の文字
− 断簡及び巻子本
− 著者自筆(署名入り)の草稿・書簡など
− 楽譜の手稿及び著者自筆(署名入り)の草稿・書簡など
− 私人,機関,組織に関する文書・記録(購入・寄贈によって図書館にもたらされたコレクションで,
手稿,書簡,覚書,写真,その他の資料を含む。)
注記 テキスト文字を含まない彩飾写本は,その発生の背景によってラテン系の文字又は非ラテン
系の文字に当てはめる。
世界中の幾つかの国・地域においては,その他の区分も適用できる可能性はある。
A.3.5 索引作業
書誌サービス及びデータベースに含まれるレコードの件数を数える。
注記 国立図書館による全国書誌のために作成されたレコード数は別に数えることが望ましい。
A.3.6 機関リポジトリ内資料
図書館が資料の収集及び/又はリポジトリの運営に関与している場合,機関リポジトリ内の資料数を数
57
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
える。次のものをリポジトリの内容として集計することが望ましい。
a) 保管資料数(例 学術雑誌論文,学位論文又は博士論文,会議論文,報告書,プレプリント,学習教
材,データセット)
b) 制限なくアクセスできる資料数
c) 報告期間内に追加された資料数
注記1 学習教材とデータセットとは別々に数えてもよい。
注記2 一つのデータセットは一つの文書として数える。
d) 書誌レコードだけ所蔵している資料数
e) 報告期間内に追加された資料のないレコード数
次のものは資料の利用として数えることが望ましい。
− リポジトリへのアクセス数
− コンテンツ単位のダウンロード数(全ての文書又は文書の一部)
A.3.7 図書館の出版活動
報告期間内に図書館が出版した資料(タイトル)数を数える。
注記1 図書館が資料の出版全てに責任をもつもの。出版活動は図書館自体が管理し,又は図書館の
管理の下に出版サービスが行う。別の機関との共同出版物は別に数える。
注記2 広報,事業,若しくは組織間のため,交換のため,又は,私的,組織内,若しくは社交のた
めにだけ発行された,チラシ及び案内並びに時々出版される小規模の出版物は含まない。
注記3 資料は,アナログ形式若しくはデジタル形式で出版されたもの,又はオンデマンド印刷され
たものでもよい。
注記4 図書館が機関リポジトリを用いて,資料の収集に関与し普及した資料はA.3.6で数える。
注記5 保存及び普及のためにアナログコレクションからデジタル化された資料は6.5.5で数える。
A.3.8 学校及び就学前施設へのサービス
A.3.8.1 全般
多くの公共図書館及び学術図書館は特定の年齢群及び学年を対象としたサービスを提供することによっ
て地域の学校及び就学前施設に協力する。
主な狙いは,子供たち及び継続的な情報リテラシーに対する,図書館の資源及びサービスの,範囲を拡
充し有用性を促進することである。
このサービスは通常単発的な活動及び催し物であるが,例えば,作文する際の児童・生徒へのレファレ
ンスサービスとして広がることもある。
注記1 公共図書館又は学術図書館の学校図書館へのサービスは除く。
注記2 貸出資料として学校に定期的に配送される資料はA.2.1.2で扱う。
学校又は就学前施設に提供するサービスは要求によって異なるが,通常は次のものを含む。
− 図書館ガイドツアー
− 図書館利用の紹介
− 特別クラス又は特別コースに関係する資料及びデータベースについての指導
A.3.8.2 サービス
次のものを数えることが望ましい。
a) 報告期間内に,学校又は就学前施設向けに,図書館が用意した活動又は催し物の件数
b) 報告期間内の活動及び催し物への参加者数
58
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
附属書B
(参考)
外挿
B.1
全般
この附属書は,全国的統計及びその他の総合的な統計の編さん(纂)に関するものである。統計データ
間の比較を,そして時間を経たデータについても,可能にするためには,データセットが完全でなくては
ならない。
回答された実際のデータがやむを得ず不完全な場合には,全体像を最もよく表現する推計で実際の回答
を補うことが不可欠である。この処理は一般に“外挿”と呼ばれ,幾つかの手法のどれか一つで成し遂げ
られる。どの方法が使用されるかは,計測された統計値及び利用可能なデータの網羅性に依存する。
主要な三つの方法論は,B.2,B.3及びB.4にあるように,定義することができる。
B.2
手法1 サービス対象者による
データを提供している図書館の利用対象者総数と同一組織下にある全図書館の利用対象者総数との比率
を計測し,既知のデータにこれを適用する。
例1
合計15の図書館のうち12館だけがデータを提供したと仮定する。ただし,全図書館の利用
対象者数は既知とする。
全15図書館の合計数=200 000人の場合
データ提供する12図書館の利用対象者総数=150 000人
その場合,利用可能なデータに適用する外挿因子は
200 000人/150 000人=1.33
となる。
12図書館によって提供された全データ=300 000の場合
全15図書館の総計を推計すると
1.33×300 000=399 000
となる。
B.3
手法2 前年のデータに基づく
前年及び当年双方のデータを提供する図書館については,前年と当年との間での変化率を計算し,今年,
データを提供していない図書館の昨年の数値にこれを適用する。この推計値は,同一組織下の全図書館の
合計値の推計を得るために,今年の既知のデータに付加されることが望ましい。
例2
合計15図書館のうち
− 10館は2010年(昨年)及び2011年(今年)の両年にデータを提供した。
− 3館は2011年にデータを提供しなかったが,2010年にはデータを提供した。
− 2館は2010年にデータを提供しなかったが,2011年にはデータを提供した。
とすると,
59
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
2010年総計
2011年総計
変化率
2011年に12館が提供した合計
250 000
2010年及び2011年の両年に10
館によって提供されたデータ
200 000
220 000
220 000/
200 000
=110 %
2011年にデータ提供しなかった
3館
15 000
15 000×110 %
=16 500
2011年の全15館の推計
250 000+16 500
=266 500
B.4
手法3 利用可能なデータに基づく
不足している変数の推計は,別の変数のために提供されたデータから推計することができる。例えば,
データの欠損した人件費は,他の回答者からのスタッフの1人のメンバー当たりの平均費用を用いること
によって,職員数から推計できる。
例3
図書館Aは,その年に1 000冊の図書の購入の数値を提供したが,関連する経費のデータを
提供することができなかったとし,残りの図書館が,総費用150 000ユーロで合計20 000冊の
図書の購入の数値を提供したという数値を提供したとするならば,
図書1冊当たりの平均費用 150 000ユーロ/20 000冊=7.5ユーロ
図書館Aの経費の推計値 1 000冊×7.5ユーロ=7 500ユーロ
全図書館の総経費の推計値 150 000ユーロ+7 500ユーロ=157 500ユーロ
B.5
変型
利用対象者数以外の変数が,手法1の重み付けとして使用できるかもしれないし,状況によってはより
適切である場合もある。他のオプションが可能でない場合,最後の手段としては図書館数(例1の15館
/12館の比率)を用いることができる。
異なるカテゴリー(通常,図書館の大きさ)の図書館群に,その部門について蓄積された結果を別々に
適用して計測することもある。
これらの手法の組合せは,適宜用いることができる。
欠損値が典型的でない図書館で集中する場合,特別の手当てが要求されているのかもしれない。そのよ
うな“典型的でない図書館”としては,例えば,大学院(学)生だけをサービス提供している大学図書館,
印刷物の比較的小さな所蔵資料を備えたフィルムライブラリーの場合がある。
推計の範囲は,採用された手続について説明する注とともに,公表される統計資料に示されることが望
ましい。
60
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
附属書C
(参考)
索引
ISO 2789
JIS訳語
細分箇条番号
A
academic library
学術図書館
2.1.1
access
アクセス
2.2.1,6.2.12.2
access rights
アクセス権
2.3.1
acquisition
受入
2.3.2,A.2.2.3
active borrower
実貸出者
2.2.2,6.2.2
active user
実利用者
2.2.3,6.2.2
addition
受入
2.3.2
administrative unit
運営単位
2.1.2,6.1.1
audiovisual document
視聴覚資料
2.3.3,6.3.7
B
blog
ブログ
2.2.4,6.2.15.1.1
blog post
ブログ投稿
2.2.5,6.2.15.2.1
book
図書
2.3.4,6.3.2
born digital document
ボーンデジタル資料
2.3.5
branch library
分館
2.1.3,6.1.1
C
capital expenditure
資本支出
2.6.1,6.6.2
cartographic document
地図資料
2.3.6,6.3.5
catalogue records
目録レコード
6.4.5,A.2.2.7
CD-ROM
CD-ROM
2.3.8
central library
中央館
2.1.4,6.1.1
closed stacks
閉架書庫(書架)
2.4.1
commercial publication
商業出版物
2.3.7
compact disc read-only memory
CD-ROM
2.3.8
computer network
コンピュータネットワーク
2.4.5
conservation
資料保護
2.5.1,6.5.4
content unit
コンテンツ単位
2.3.9,6.2.12.3,6.2.15.1.3
cooperative project
共同プロジェクト
2.5.2,6.5.1.1
copying
複写
6.2.6
D
database
データベース
2.3.10,6.3.13
dataset
データセット
2.3.11,A.3.6
days open
開館日
6.4.2
descriptive record
記述レコード
2.3.12
digital document
デジタル資料
2.3.13
61
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
ISO 2789
JIS訳語
細分箇条番号
D
digital preservation
デジタル保存
2.3.14
digital versatile disc
DVD
2.3.18
digitization
デジタル化
2.3.15,6.5.5
digitized collection
デジタル化コレクション
2.3.16,6.2.12.5,6.5.5
doctoral dissertations
博士論文
A.3.2
document
資料
2.3.17
download
ダウンロード
2.2.6,6.2.12.3
DVD
DVD
2.3.18
E
eBook
電子図書
2.3.19,6.3.11
eBook reader
電子図書リーダ
2.3.20,6.4.7
electronic book
電子図書
2.3.19,6.3.11
electronic collection
電子的コレクション
2.3.21,A.2.2.6
electronic document delivery
(mediated)
電子的文献配送(仲介)
2.2.7,6.2.7
electronic serial
電子逐次刊行物
2.3.22,6.3.14.2
electronic service
電子的サービス
2.2.8
event
催し物
2.2.9,6.2.9
exhibition
展示会
2.2.10,6.2.9
external document supply
外部機関からの文献提供
2.2.11,6.2.8
external service point
外部のサービス拠点
2.1.5,6.1.1
external user
外部利用者
2.2.12,A.2.1.1
F
free Internet resource
無料のインターネット資源
2.3.23,6.3.15
G
government document
政府刊行物
2.3.24,A.3.3
government library
政府機関の図書館
2.1.12.1,6.1.2.3
graphic document
画像資料
2.3.25,6.3.8
gross floor area
総床面積
2.4.2,6.4.8.3
H
health-service library
医療サービス図書館
2.1.12.2,6.1.2.3
I
indexing
索引
A.3.5
industrial and commercial library
企業図書館
2.1.12.4,6.1.2.3
informational question
情報質問
2.2.13,6.2.5.2,A.2.1.4
in-house use
館内利用
2.2.14,6.2.3.4
institutional repository
機関リポジトリ
2.3.26,A.3.6
interactive library service
対話型図書館サービス
2.2.15,6.2.15
interlibrary loan
図書館間貸出
2.2.16,6.2.4
Internet access
インターネットアクセス
2.2.17,6.2.12.4
K
kit
キット
2.3.27,6.3.10
L
lending area
貸出エリア
2.4.3
62
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
ISO 2789
JIS訳語
細分箇条番号
L
library
図書館
2.1.6
library collection
図書館コレクション
2.3.28
library employee
図書館従業員
2.7.1,6.7.2
library of an institution of higher
education
高等教育機関の図書館
2.1.7,6.1.2.2
library of professional and learned
institutions and associations
専門団体及び学協会の図書館
2.1.12.3,6.1.2.3
library research
図書館研究
2.5.3
library staff research publication
図書館職員の研究出版物
2.5.4,6.5.2
library website
図書館のウェブサイト
2.2.18
loan
貸出
2.2.19,6.2.3.1
loans to exhibitions
展示会のための貸出
6.2.4.3
M
main library
本館
2.1.4,6.1.1
manuscript
手稿
2.3.29,6.3.3,A.3.4
media library
マスメディアの図書館
2.1.12.5,6.1.2.3
medical library
医学図書館
2.1.12.2,6.1.2.3
microform
マイクロ資料
2.3.30,6.3.4
mobile device
モバイル機器
2.2.20,6.2.14
mobile library
移動図書館
2.1.8,6.1.2.4
mobile service
モバイル機器サービス
6.2.14
monograph
モノグラフ
2.3.31
monographic series
モノグラフシリーズ
2.3.32
multimedia document
マルチメディア資料
2.3.33
N
national bibliography
全国書誌
2.4.4,A.3.5
national collection
全国コレクション
2.3.34
national imprint
国内刊行物
2.3.35
national library
国立図書館
2.1.9,6.1.2.1
net usable area
純床面積
6.4.8.1
network
ネットワーク
2.4.5
newspaper
新聞
2.3.36,6.3.14
non-commercial publication
非商業出版物
2.3.37
O
online catalogue
オンライン目録
2.2.21
on-site loan
館内貸出
2.2.22,6.2.3.1
open access
オープンアクセス
2.3.38
open access publishing fees
オープンアクセス出版手数料
2.6.2,6.6.1.7
open access repository
オープンアクセスリポジトリ
2.3.39
open stacks
開架書架
2.4.6
63
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
ISO 2789
JIS訳語
細分箇条番号
O
opening hours
開館時間
2.4.7,6.4.1
operating expenditure
運営経費
2.6.3,6.6.1
ordinary expenditure
運営経費
2.6.3,6.6.1
other digital document
その他のデジタル資料
2.3.40,6.3.12
other library document
その他の図書館資料
2.3.41,6.3.10
other special library
その他の専門図書館
2.1.12.7,6.1.2.3
other staff
その他の職員
2.7.2,6.7.2.3
P
partnership
パートナーシップ
2.5.5,6.5.1.2
patent
特許資料
2.3.42,6.3.9
periodical
定期刊行物
2.3.43
photocopying
複写
6.2.6
physical unit
物理単位
2.3.44
podcast
ポッドキャスト
2.2.23,6.2.15.2.1
point-of-use training
利用時の教育
2.2.24
population to be served
サービス対象者(数)
2.2.25,6.2.2
preservation
資料保存
2.5.6,6.5.4
printed music document
印刷楽譜資料
2.3.45,6.3.6
professional education
専門教育
2.7.3,6.7.5
professional staff
専門職員
2.7.4,6.7.2.1
project
プロジェクト
2.5.7
public access workstation
利用者用ワークステーション
2.4.8,6.4.4
public library
公共図書館
2.1.10,6.1.2.4
publishing by libraries
図書館の出版
2.5.8,A.3.7
Q
qualified specialist staff
有資格専門的職員
2.7.5,6.7.2.2
R
rare book
希こう(覯)書
2.3.46,A.3.4
rare materials collection
希こう(覯)コレクション
A.3.4
reference question
レファレンス質問
2.2.26,6.2.5.1,A.2.1.3
reference service
レファレンスサービス
2.2.27
regional library
地方図書館
2.1.12.6,6.1.2.3
registered user
登録利用者
2.2.28,6.2.2
rejected access
不受理アクセス
2.2.29,6.2.12.2.1
renewal
貸出の更新
2.2.30,6.2.3.2
reprographic facilites
複写設備
6.4.6
reservation
予約
2.2.31,6.2.3.6
restoration
修復
2.5.9
S
school library
学校図書館
2.1.11,6.1.2.5
search
検索
2.2.32,6.2.12.1
64
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
ISO 2789
JIS訳語
細分箇条番号
S
serial
逐次刊行物
2.3.47,6.3.14
shelf counts
書架の集計
6.4.8.4
social network service
ソーシャルネットワークサービス
2.2.33,6.2.15.1.2/3
special grant
特別助成金
2.6.4,6.6.3
special library
専門図書館
2.1.12,6.1.2.3
staff
図書館職員
6.7
staff training
職員研修
2.7.6,6.7.4
stock
所蔵(数)
2.3.48
storage library
保存図書館
2.1.13,6.1.2.6
student assistants
学生補助員
6.7.2.4
T
target population
ターゲット集団
2.2.34
target population with
special needs
特別な要求をもつターゲット集団
2.2.35,6.2.16
title
タイトル
2.3.49
turnaway
不受理アクセス
2.2.29,6.2.12.2.1
U
unstaffed opening hours
職員不在の開館時間
2.4.9,6.4.1
usable area
使用可能エリア
2.4.10,6.4.8
user
利用者
2.2.36,6.2.2
user place
利用者スペース
2.4.11,6.4.3
user training
利用者教育
2.2.37,6.2.11
V
virtual event
仮想催し物
2.2.38,6.2.9
virtual visit
仮想訪問
2.2.39,6.2.13
visit (physical visits)
来館者
2.2.40,6.2.10
volume
冊
2.3.50
volunteer
ボランティア
2.7.7,6.7.3
W
weblog
ブログ
2.2.4,6.2.15.2.1
wiki
ウィキ
2.2.41,6.2.15.2
withdrawal
除籍
2.3.51
65
X 0814:2017 (ISO 2789:2013)
参考文献
[1] JIS X 0701:2005 情報及びドキュメンテーション−用語
注記 ISO 5127:2001,Information and documentation−Vocabulary(MOD)
[2] JIS Q 9000:2006 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)
[3] ISO 9707:2008,Information and documentation−Statistics on the production and distribution of books,
newspapers, periodicals and electronic publications
[4] JIS X 0812:2012 図書館パフォーマンス指標
注記 ISO 11620:2008,Information and documentation−Library performance indicators(IDT)
[5] ISO/TR 11219:2012,Information and documentation−Qualitative conditions and basic statistics for library
buildings−Space, function and design
[6] ISO/TR 28118:2009,Information and documentation−Performance indicators for national libraries
[7] ISO/TS 21547:2010,Health informatics−Security requirements for archiving of electronic health records−
Principles
[8] ANSI/NISO Z39.7-2004,Information Services and Use: Metrics & statistics for libraries and information
providers−Data Dictionary
[9] COUNTER. Counting Online Usage of Networked Electronic Resources: COUNTER code of practice for
journals and databases: Release 4, 2012. Available at http://www.projectcounter.org/code̲practice.html