X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人 流通システム開発センター(DSRI)
/財団法人 日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/IEC 15420:2000,Information
technology−Automatic identification and data capture techniques−Bar code symbology specification−EAN/UPC
を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS X 0507には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定)追加特性
附属書B(規定)シンボル体系識別子
附属書C(参考)UCC/EANシステムの概要
附属書D(参考)数字セットA,B,Cと補助パターン
附属書E(参考)標準サイズシンボルの寸法図
附属書F(参考)従来の測定方法
附属書G(参考)読取りと印刷の指針
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 要件 ······························································································································ 2
4.1 シンボル体系の特性 ······································································································· 2
4.2 シンボルの種類 ············································································································· 3
4.3 シンボルの符号化 ·········································································································· 3
4.4 シンボルの構成 ············································································································· 4
4.5 寸法及び許容範囲 ········································································································· 11
4.6 参照復号アルゴリズム ··································································································· 13
4.7 シンボル品質 ··············································································································· 17
4.8 アプリケーション規定のパラメタ····················································································· 18
4.9 目視可能文字情報 ········································································································· 18
4.10 転送データ ················································································································· 18
4.11 導入指針 ···················································································································· 18
附属書A(規定)追加特性 ···································································································· 19
附属書B(規定)シンボル体系識別子······················································································ 21
附属書C(参考)UCC/EANシステムの概要 ············································································· 22
附属書D(参考)数字セットA,B,C及び補助パターン ···························································· 23
附属書E(参考)公称サイズシンボルの寸法図 ·········································································· 24
附属書F(参考)従来の測定方法 ···························································································· 29
附属書G(参考)読取り及び印刷の指針 ·················································································· 32
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 0507:2004
(ISO/IEC 15420:2000)
バーコードシンボル − EAN/UPC − 基本仕様
Bar code symbology - EAN/UPC - Basic specification
序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたISO/IEC 15420:2000,Information technology−
Automatic identification and data capture techniques−Bar code symbology specification−EAN/UPCを翻訳し,技
術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,EAN/UPCシンボル体系のデータキャラクタの符号化,シンボル形式,寸法,
試験仕様及び参照復号アルゴリズムを含む要件について規定する。なお,データの内容及びこのシンボル
体系の使用を管理する規則は,UCC/EANシステム仕様に規定されている(附属書C参照)。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/IEC 15420:2000,Information technology−Automatic identification and data capture techniques
−Bar code symbology specification−EAN/UPC(IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載された年の版だけがこの規格の
規定を構成し,その後の改正版・追補は適用されない。ただし,この規格に基づいて契約を結ぶ場合は,
当事者間で引用規格の最新版を適用することが望ましい。発行年を付記していない引用規格は,その最新
版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0520:2001 バーコードシンボル印刷品質の評価仕様−1次元シンボル
備考 ISO/IEC 15416:2000 Information technology−Automatic identification and data capture
techniques−Bar code print quality test specification−Linear symbolsからの引用事項は,この規
格の該当事項と同等である。
JIS X 0530:2003 データキャリア識別子(シンボル体系識別子を含む)
備考 ISO/IEC 15424:2000 Information technology − Automatic identification and data capture
techniques − Data Carrier Identifiers (including Symbology Identifiers)が,この規格と一致して
いる。
JIS X 9001:1976 光学式文字認識のための字形(英数字)
備考 ISO 1073-2:1976 Alphanumeric character sets for optical recognition−Part 2: Character set
OCR-B−Shapes and dimensions of the printed imageからの引用事項は,この規格の該当事項と
同等である。
2
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
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ISO/IEC 646:1991 Information technology−ISO 7-bit coded character set for information interchange
EN 1556:1996 Bar Coding−Terminology
ANSI/UCC 1-1995 U.P.C. Symbol Specification Manual
"General EAN Specifications" (EAN International, Brussels)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,EN 1556によるほか,次による。
a) 追加シンボル (add-on symbol) 主シンボル情報の追加情報を符号化したシンボル。
b) 補助パターン (auxiliary pattern) シンボルのデータでない構成部を表すバー/スペースのパターン。
例えば,ガードパターン,キャラクタ間分離パターンなど。
c) 分離パターン (delineator) 追加シンボル内のキャラクタを分割する補助パターン。
d) 偶数パリティ (even parity) 偶数の黒モジュールをもつシンボルキャラクタの符号化特性。
e) ガードパターン (guard pattern) 他のシンボル体系でスタートパターン若しくはストップパターンに
該当する又はシンボルを二等分するバー/スペースの補助パターン。
f)
倍率 (magnification factor) EAN/UPCシンボルの公称サイズの定乗数。
g) 付番組織 (numbering organization) UCC/EANシステムの管理及び特定地域内の付番管理に対して責
任をもつ組織。
h) 数字セット (number set) 偶数又は奇数パリティに対応付けて0〜9の数字をバー又はスペースによ
って符号化した10パターンのセット。
i)
奇数パリティ (odd parity) 奇数の黒モジュールをもつシンボルキャラクタの符号化特性。
j)
UCC/EANシステム (UCC/EAN System) EANインターナショナル及び米国コードセンタ(Uniform
Code Council)の規定に基づいて,製品,処理装置,資産,場所及びサービスにそれぞれ固有の付番及
び識別を行うシステム(附属書C参照)。
k) 可変パリティ符号化 (variable parity encodation) 数字を暗示的に符号化するため又はチェックを行
う目的で,特定の偶数又は奇数のパリティキャラクタを組み合わせて一連のシンボルキャラクタの補
足情報を符号化する過程をいう。
l)
ゼロ抑制 (zero-suppression) UCC-12データ列の特定位置にあるゼロを削除して,データ列をUPC-E
形式に変換する過程をいう。
参考 用語に関しては,JIS X 0500(データキャリア用語)も参照のこと。
4. 要件
4.1
シンボル体系の特性 EAN/UPCは,次の特性をもつ。
a) 符号化可能な文字集合:0〜9の数字。具体的には,ISO/IEC 646の国際基準版(ASCII)に規定する
ビット組合せ3/0〜3/9の数字
b) コードの種類:連続型
c) シンボルキャラクタ当たりの要素数:4。バー2本及びスペース2本から成り,それぞれが1,2,3又
は4のモジュール幅をもつ(各補助パターンの要素数は異なる。)。
d) キャラクタセルフチェック:有り
e) 符号化できるデータの長さ:固定(チェックデジットを含む8,12又は13個のキャラクタ。シンボル
の種類によって異なる。)
f)
全方向読取り:可能
3
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g) シンボルチェックデジット:一つ,必す(必須)(附属書A.1参照)。
h) シンボルキャラクタ密度:シンボルキャラクタ当たり7モジュール
i)
チェックデジットを含むデータキャラクタでないオーバヘッド。ただし,クワイエットゾーンは含ま
ない。
− EAN-13,EAN-8及びUPC-Aシンボルについては18モジュール
− UPC-Eシンボルについては9モジュール
4.2
シンボルの種類 EAN/UPCシンボルには,次の4種類がある。
− EAN-13,UPC-A及びUPC-E。いずれの場合も追加シンボルを付加できる。
− EAN-8
4種類のシンボルについては4.4.1〜4.4.4に,任意の追加シンボルについては4.4.5に示す。
4.3
シンボルの符号化
4.3.1
シンボルキャラクタの符号化 シンボルキャラクタには,表1のA,B及びCの数字セットから選
択した7モジュールキャラクタの数値が符号化される。
表 1 数字セットA,B及びC
数値
セットAの要素幅
セットBの要素幅
セットCの要素幅
S
B
S
B
S
B
S
B
B
S
B
S
0
3
2
1
1
1
1
2
3
3
2
1
1
1
2
2
2
1
1
2
2
2
2
2
2
1
2
2
1
2
2
2
2
1
2
2
1
2
2
3
1
4
1
1
1
1
4
1
1
4
1
1
4
1
1
3
2
2
3
1
1
1
1
3
2
5
1
2
3
1
1
3
2
1
1
2
3
1
6
1
1
1
4
4
1
1
1
1
1
1
4
7
1
3
1
2
2
1
3
1
1
3
1
2
8
1
2
1
3
3
1
2
1
1
2
1
3
9
3
1
1
2
2
1
1
3
3
1
1
2
備考 Sはスペース(明)を,Bはバー(暗)を表す。各数字は要素幅をモジュール数で表したもの
である。
この表1については附属書Dに図示する。いずれのシンボルキャラクタも,バーモジュール数の合計で
そのパリティが決まる。数字セットAのシンボルキャラクタ数は奇数パリティキャラクタ,一方,数字セ
ットB及び数字セットCのシンボルキャラクタ数は偶数パリティキャラクタとなる。数字セットCのキャ
ラクタは数字セットBのキャラクタを左右逆に表したものである。
数字セットA及び数字セットBのシンボルキャラクタは,常に左側の白モジュールで始まり,右側の黒
モジュールで終わる。一方,数字セットCのシンボルキャラクタは,常に左側の黒モジュールで始まり,
右側の白モジュールで終わる。
データキャラクタは,普通一つのシンボルキャラクタで表されるが,場合によっては,シンボルの数字
セットを組み合わせてデータ又はチェック値を表すこともある(4.4.1,4.4.4及び4.4.5を参照)。この手法を
可変パリティ符号化と呼ぶ。
4
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4.3.2
補助パターンの符号化 補助パターンは,表2示すような構造にしなければならない。
表 2 補助パターン
補助パターン
モジュール数
要素幅
(単位:モジュール)
S
B
S
B
S
B
標準ガードパターン
3
1
1
1
中央ガードパターン
5
1
1
1
1
1
特殊ガードパターン
6
1
1
1
1
1
1
追加ガードパターン
4
1
1
2
追加分離パターン
2
1
1
備考 Sはスペース(明)要素を,Bはバー(暗)要素を指す。
附属書Dに,このパターンを図示する。
標準ガードパターンは他のシンボル体系でスタートパターン及びストップパターンに該当するもので,
特殊ガードパターンはUPC-Eシンボルでストップパターンとして使われる。
4.4
シンボルの構成
4.4.1
EAN-13シンボル EAN-13シンボルは,左から右に向かって次の構成としなければならない。
− 左端のクワイエットゾーン
− 標準ガードパターン
− 数字セットA及び数字セットBの6個のシンボルキャラクタ
− 中央ガードパターン
− 数字セットCの6個のシンボルキャラクタ
− 標準ガードパターン
− 右端のクワイエットゾーン
最も右側のシンボルキャラクタは,附属書A A.1に従って算出したチェックデジットを符号化しなけれ
ばならない。
EAN-13シンボルは12個のシンボルキャラクタで構成するが,チェックデジットを含めて13けたのデ
ータを符号化する。したがって,データ列の左端に位置する追加けたの値は,シンボル左半分の6個のシ
ンボルキャラクタについて,数字セットA及び数字セットBとを組み合わせた可変パリティで符号化する。
表3は先頭けたの値の符号化方式を表したものである。図 1はEAN-13シンボルの例である。
5
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表 3 EAN-13シンボルの左半分
暗示的に導き出され
た先頭けた
EAN-13シンボル左半分の符号化に用いる数字セット
シンボルキャラクタ位置
1
2
3
4
5
6
0(1)
A
A
A
A
A
A
1
A
A
B
A
B
B
2
A
A
B
B
A
B
3
A
A
B
B
B
A
4
A
B
A
A
B
B
5
A
B
B
A
A
B
6
A
B
B
B
A
A
7
A
B
A
B
A
B
8
A
B
A
B
B
A
9
A
B
B
A
B
A
注(1) 先頭けたの値“0”は,UCC-12データ列を符号化するシンボル以外では使用できない。
5
678900
012345
>
図 1 EAN-13シンボル
4.4.2
EAN-8シンボル EAN-8シンボルは,左から右に向かって次の構成としなければならない。
− 左端のクワイエットゾーン
− 標準ガードパターン
− 数字セットAの4個のシンボルキャラクタ
− 中央ガードパターン
− 数字セットCの4個のシンボルキャラクタ
− 標準ガードパターン
− 右端のクワイエットゾーン
最も右端のシンボルキャラクタには,附属書Aの A.1に従って算出したチェックデジットを符号化する。
図 2は,EAN-8シンボルの例である。
6
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図 2 EAN-8シンボル
4.4.3
UPC-Aシンボル UPC-Aシンボルは,左から右に向かって次の構成としなければならない。
− 左端のクワイエットゾーン
− 標準ガードパターン
− 数字セットAの6個のシンボルキャラクタ
− 中央ガードパターン
− 数字セットCの6個のシンボルキャラクタ
− 標準ガードパターン
− 右端のクワイエットゾーン
最も右端のシンボルキャラクタは,附属書Aの A.1に従って算出したチェックデジットを符号化する。
UPC-Aシンボルは,UCC-12番号の先頭にゼロを加えることで13けたの数字として符号化できる。
図3はUPC-Aシンボルの例である。
12345 67890
0
5
図 3 UPC-Aシンボル
4.4.4
UPC-Eシンボル UPC-Eシンボルは,左から右に向かって次の構成としなければならない。
− 左端のクワイエットゾーン
− 標準ガードパターン
− 数字セットA及び数字セットBの6個のシンボルキャラクタ
− 特殊ガードパターン
− 右端のクワイエットゾーン
UPC-Eシンボルの使用は,表5のように,ゼロで始まって,指定位置に4個又は5個のゼロを連続して
もつUCC-12データ列を符号化する場合に限定できる。このゼロは,符号化する過程でゼロ抑制(4.4.4.1
2012 3451 >
<
7
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参照)で削除される。図4はUPC-Eシンボルの例である。
078349
0
1
図 4 UPC-Eシンボル(ゼロ抑制で“007834000091”を符号化)
4.4.4.1
UPC-Eシンボルの符号化 次のアルゴリズムは,ゼロ抑制に適応したデータ列の符号化方法を示
す。
a) UCC-12データキャラクタをD1,D2,D3〜D12で表す(チェックデジットを含む)。D1は常に0とす
る。D12は,附属書A A.1のアルゴリズムに従って算出したシンボルチェックデジットとする。X1〜
X6は,UPC-Eシンボルにある6個のシンボルキャラクタを表す。
b) 次の規則によって,ゼロを削除し,D2〜D11をシンボル文字列に変換する。
1) D11が5,6,7,8又は9のいずれかであり,かつ,
D7〜D10がすべて0,かつ,
D6が0でない場合,
D7〜D10は符号化されない。
シンボルキャラクタ:
X1
X2
X3
X4
X5
X6
データキャラクタ:
D2
D3
D4
D5
D6
D11
2) D6〜D10がすべて0,かつ,
D5が0でない場合,
D6〜D10は符号化されず,X6=4となる。
シンボルキャラクタ:
X1
X2
X3
X4
X5
X6
データキャラクタ:
D2
D3
D4
D5
D11
4
3) D4が0,1又は2のいずれかであり,かつ,
D5〜D8がすべて0の場合,
D5〜D8は符号化されない。
シンボルキャラクタ:
X1
X2
X3
X4
X5
X6
データキャラクタ:
D2
D3
D9
D10
D11
D4
4) D4が3,4,5,6,7,8又は9のいずれかであり,かつ,
D5〜D9がすべて0の場合,
D5〜D9は符号化されず,X6=3となる。
シンボルキャラクタ:
X1
X2
X3
X4
X5
X6
8
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
データキャラクタ:
D2
D3
D4
D10
D11
3
c) 表4から,D12の暗示的な符号化に用いる数字セットを決める。
d) 手順c)で決定した数字セットA及び数字セットBを用いて,シンボルキャラクタX1〜X6を符号化す
る。
表 4 UPC-Eシンボルの数字セット
チェックデジット
D12の値
UPC-Eシンボルの符号化に用いる数字セット
シンボルキャラクタ位置
1
2
3
4
5
6
0
B
B
B
A
A
A
1
B
B
A
B
A
A
2
B
B
A
A
B
A
3
B
B
A
A
A
B
4
B
A
B
B
A
A
5
B
A
A
B
B
A
6
B
A
A
A
B
B
7
B
A
B
A
B
A
8
B
A
B
A
A
B
9
B
A
A
B
A
B
例
元のデータ
ゼロ抑制したデータ
適用規則
0 1 2 3 4 5 0 0 0 0 5 8
1 2 3 4 5 5
B A B A A B
b1
0 4 5 6 7 0 0 0 0 0 8 0
4 5 6 7 8 4
B B B A A A
b2
0 3 4 0 0 0 0 0 5 6 7 3
3 4 5 6 7 0
B B A A A B
b3
0 9 8 4 0 0 0 0 0 7 5 1
9 8 4 7 5 3
B B A B A A
b4
備考 チェックデジットを暗示的に符号化するために用いる数字セットは,
“ゼロ抑制したデータ”の列に記載する。
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4.4.4.2
UPC-Eシンボルの復号 表5に従って,UPC-Eシンボルに符号化されたキャラクタから12けた
のデータ列を導き出すことができる。
表 5 UPC-Eシンボルの復号
符号化されたUPC-Eの数値
復号された数値
P1
P2 P3 P4 P5 P6
D1
D2
D3
D4
D5
D6
D7
D8
D9
D10
D11 D12
(0) X1 X2 X3 X4 X5 0
(C)
(0)
X1 X2
0
0
0
0
0
X3
X4
X5 (C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
1
(C)
(0)
X1
X2
1
0
0
0
0
X3
X4
X5
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
2
(C)
(0)
X1
X2
2
0
0
0
0
X3
X4
X5
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
3
(C)
(0)
X1
X2
X3
0
0
0
0
0
X4
X5
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
4
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4
0
0
0
0
0
X5
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
5
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4 X5
0
0
0
0
5
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
6
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4
X5
0
0
0
0
6
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
7
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4
X5
0
0
0
0
7
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
8
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4
X5
0
0
0
0
8
(C)
(0) X1
X2
X3 X4 X5
9
(C)
(0)
X1
X2
X3
X4
X5
0
0
0
0
9
(C)
備考1. UPC-EシンボルのP1,P2〜P5に位置するシンボルキャラクタをX1 , X2〜X5でそれぞれ表す。
2. 再度挿入されたゼロに下線を引いた。
3. 符号化されていないUPC-Eシンボルの先頭けたを“(0)”で表す。
4. UPC-Eに暗示的に導き出されたチェックデジットを“(C)”で表す。
4.4.5
追加シンボル 追加シンボルは,定期刊行物又は文庫本に添付するEAN/UPCシンボル用に設計さ
れたものである。ただし,追加シンボルを使うと読取りの正確性が低下するため,このシンボルの使用は,
データの形式及び内容を規定するアプリケーション仕様で,十分な安全性が確保されるアプリケーション
に限定する。
参考 ここでの読取りの正確性の低下とは,追加部分のデータを読まずに主シンボルのデータだけを
読み取ってしまうことを意味する。
4.4.5.1
2けたの追加シンボル 2けたの追加シンボルは,特定のアプリケーションで,EAN-13又は
UPC-A若しくはUPC-Eシンボルと組み合わせて使うことができる。追加シンボルは,主シンボル右端の
クワイエットゾーンの後に配置し,次の構成としなければならない。
− 追加ガードパターン
− 数字セットA又は数字セットBの1けた目の追加ナンバー
− 追加分離パターン
− 数字セットA又は数字セットBの2けた目の追加数字
− 右端のクワイエットゾーン
追加の部分は右側にガードパターンをもたず,明示的なチェックデジットもない。データは,2けたの
数字に使われている数字セット(A又はB)の組合せを使ってチェックされる。数字セットは,表6の追加
数字の値によって選択する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 6 2けたの追加数字の数字セット
追加数字値
左けた
右けた
4の倍数(00,04,08,…,96)
A
A
4の倍数+1(01,05,…,97)
A
B
4の倍数+2(02,06,…,98)
B
A
4の倍数+3(03,07,…,99)
B
B
図5は,2けたの追加シンボルをもつUPC-Aシンボルの例である。
図 5 2けたの追加シンボル付きUPC-Aシンボル
4.4.5.2
5けたの追加シンボル 5けたの追加シンボルは,特定のアプリケーションで,EAN-13又は
UPC-A若しくはUPC-Eシンボルと組み合わせて使うことができる。追加シンボルは主シンボル右端のク
ワイエットゾーンの後に配置し,次の構成としなければならない。
− 追加ガードパターン
− 数字セットA又は数字セットBの1けた目の追加ナンバー
− 追加分離パターン
− 数字セットA又は数字セットBの2けた目の追加ナンバー
− 追加分離パターン
− 数字セットA又は数字セットBの3けた目の追加ナンバー
− 追加分離パターン
− 数字セットA又は数字セットBの4けた目の追加ナンバー
− 追加分離パターン
− 数字セットA又は数字セットBの5けた目の追加数字
− 右側のクワイエットゾーン
追加の部分は右側にガードパターンをもたず,明示的なチェックデジットもない。データは,5けたの
数字に使われている数字セット(A又はB)の組合せを使ってチェックする。その値“V”は次の手順に従っ
て決定する。
1) 1けた目,3けた目及び5けた目の数字の和をとる。
2) 手順1の結果に3を乗じる。
3) 残りの数字(2けた目と4けた目)の和をとる。
4) 手順3の結果に9を乗じる。
0
12345 67890
5
24 >
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5) 手順2及び手順4の結果の和をとる。
6) 値“V”は,手順5で求めた結果の一の位(最小けた)の数字となる。
例 追加数字86104のV値の算出手順
手順1: 8 + 1 + 4 = 13
手順2: 13 × 3 = 39
手順3: 6 + 0 = 6
手順4: 6 × 9 = 54
手順5: 39 + 54 = 93
手順6: V = 3
数字セットは,表 7を使って求める。
表 7 5けたの追加シンボルの数字セット
Vの値
A.1.1.1.1 シンボルキャラクタに用いる数字セット
1
2
3
4
5
0
B
B
A
A
A
1
B
A
B
A
A
2
B
A
A
B
A
3
B
A
A
A
B
4
A
B
B
A
A
5
A
A
B
B
A
6
A
A
A
B
B
7
A
B
A
B
A
8
A
B
A
A
B
9
A
A
B
A
B
この例では,V=3なので,値86104を符号化するのに使われる数字セットはB A A A Bとなる。
図 6は5けたの追加シンボルをもつEAN-13シンボルの例である。
5 012345 678900
86104
図 6 5けたの追加シンボル付きEAN-13シンボル
4.5 寸法及び許容範囲 EAN/UPCシンボルの寸法は,公称サイズシンボルの規定寸法を参照してもよい。
附属書Eに,この公称サイズシンボルの寸法図を示す。公称サイズシンボルには,次の寸法を用いる。
4.5.1
細要素幅(X) 細要素の公称幅は,0.330mmとする。
4.5.2
バー高さ 公称バー高さは,次による。
a) EAN-13,UPC-A,UPC-Eシンボル:22.85mm
b) EAN-8シンボル:18.23mm
c) 追加シンボル:21.9mm
EAN-13,EAN-8,UPC-A,UPC-Eの各シンボルでは,左,中央,右のガードパターンを形成するバーは,
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下側に5X(1.65mm)長く突き出ていなければならない。この規定は,UPC-Aシンボルの最初と最後のシン
ボルキャラクタバーにも適用しなければならない。
参考 “バー高さ”は,附属書Eを参照のこと。
4.5.3
クワイエットゾーン シンボル体系の主シンボルの種類が必要とする最小のクワイエットゾーン
幅は7Xであるが,目視可能文字のサイズ及び位置の関係から,規定される最小クワイエットゾーン幅は
シンボルの種類によって異なる。
クワイエットゾーンの最小幅
a) EAN-13シンボル:左11X,右7X
b) UPC-Aシンボル:9X
c) UPC-Eシンボル:左9X,右7X
d) EAN-8シンボル:7X
e) 追加シンボル(すべて):右5X
生産プロセスでクワイエットゾーンを保持するための有効な手段として,クワイエットゾーンの端に接
する目視可能文字領域に,不等号“<”及び/又は“>”の記号を入れる方法がある。この方法を用いる場
合には,附属書Eの図に従って記号を配置するものとする。
4.5.4 追加シンボルの配置 追加シンボルは,主シンボル右端のクワイエットゾーンに侵入してはならず,
12X以下に配置しなければならない。
追加シンボルバーの下端は,主シンボルのガードバーの下端と同一線上に配置しなければならない。
4.5.5
要素幅 各バー及びスペースの幅は,X寸法にそのバー又はスペースのモジュール幅(1,2,3又は
4)を乗じた幅になるが,数値1,2,7及び8については例外とする。この4個の数値については,読取り
の信頼性を高めるために,バー又はスペースを1/13モジュール拡大又は縮小させる。その際,エッジから
同類のエッジまでの寸法及び全体のシンボルキャラクタ幅が変わらないよう注意しなければならない(附
属書Gの G.3にその一例を示す。)。
表 8は,数値の1,2,7及び8について,バー及びスペースの縮小/拡大をミリ単位で表したものであ
る。
参考 “エッジから同類のエッジまでの寸法”とは,附属書F図F.1におけるeの寸法を指す。
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表 8 シンボルキャラクタ1,2,7,8の縮小/拡大
キャラクタ値
数字セットA
数字セットB及びC
バー
スペース
バー
スペース
1
-0.025
+0.025
+0.025
-0.025
2
-0.025
+0.025
+0.025
-0.025
7
+0.025
-0.025
-0.025
+0.025
8
+0.025
-0.025
-0.025
+0.025
備考 縮小/拡大率に0.030mmの値を使用している既存のシンボル生
成用の装置及びアートワークについては,その値を継続して使う
こともできる。
参考 ここでの“アートワーク”とは,例えば,印刷製版などのことで
ある。
4.5.6
シンボル幅 シンボル幅[単位:モジュール(最小クワイエットゾーンも含む)]は,表9に示す。
表 9 シンボル幅
シンボルの種類
幅
EAN-13
113
UPC-A
113
EAN-8
81
UPC-E
67
2けた追加シンボル
25
5けた追加シンボル
52
EAN-13又はUPC-A+2けた追加シンボル
138
UPC-E+2けた追加シンボル
92
EAN-13又はUPC-A+5けた追加シンボル
165
UPC-E+5けた追加シンボル
119
4.5.7
倍率 シンボルには,すべての寸法について0.8〜2.0の範囲で一定の倍率を適用し,公称サイズを
拡大又は縮小することができる。
追加シンボルの倍率は,その主シンボルの倍率と同一とする。
4.5.8
寸法の許容範囲 4.7のテスト仕様を,附属書F F.1に記載する従来の要素許容値に代わって適用す
る。
4.6
参照復号アルゴリズム バーコード読取りシステムは,実際のアルゴリズムで許容される範囲を超
えて不完全なバーコードも読み取るように設計される。この箇条では,4.7に定めるシンボルの検証で,復
号及び復号容易度を判定するために使用する参照復号アルゴリズムについて説明する。
各シンボルキャラクタについて,計測したキャラクタの全幅をSとする。このSを使って参照しきい値
(RT)を求める。各エッジから同類のエッジまでの測定値(e)を参照しきい値(RT)と比較し,値Eを算出する。
キャラクタ値は値Eを基に決める。
値e1は,バーの先頭エッジからそれに隣接するバーの先頭エッジまでの寸法とする。値e2は,バーの
末尾エッジからそれに隣接するバーの最終エッジまでの寸法とする。数字セットA及び数字セットBでは
2本のバーの右端を,数字セットCでは2本のバーの左端をそれぞれ先頭エッジとする。この関係を図 7
に示す。
単位 モジュール
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ナンバーセットC
S
隣接
キャラクタ
b
b2
e1
e2
隣接
キャラクタ
ナンバーセットA及びナンバーセット B
S
e2
e1
先頭
エッジ
b2
b1
先頭
エッジ
図 7 シンボルキャラクタの復号測定値
基準しきい値RT1,RT2,RT3,RT4及びRT5は,次のようになる。
RT1=(1.5/7)S
RT2=(2.5/7)S
RT3=(3.5/7)S
RT4=(4.5/7)S
RT5=(5.5/7)S
各キャラクタにおいて測定値e1及び測定値e2を参照しきい値と比較する。それぞれに対応する整数値
E1及び整数値E2は,次の式によって2,3,4又は5のいずれかの値となる。
RT1≦ei<RT2 であればEi=2
RT2≦ei<RT2 であればEi=3
RT3≦ei<RT2 であればEi=4
RT4≦ei<RT2 であればEi=5
これ以外の場合,そのキャラクタは誤りとする。
表10では,E1及びE2の値をシンボルキャラクタ値の第1決定要因とする。
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表 10 EAN/UPC復号対応表
キャラク
タ
数字セッ
ト
第1決定要因
第2決定要因
E1
E2
7(b1+b2)/S
0
A
2
3
1
A
3
4
≦4
2
A
4
3
≦4
3
A
2
5
4
A
5
4
5
A
4
5
6
A
5
2
7
A
3
4
4
8
A
4
3
4
9
A
3
2
0
B及びC
5
3
1
B及びC
4
4
3
2
B及びC
3
3
3
3
B及びC
5
5
4
B及びC
2
4
5
B及びC
3
5
6
B及びC
2
2
7
B及びC
4
4
≦3
8
B及びC
3
3
≦3
9
B及びC
4
2
備考 b1+b2は,二つのバー要素の合計値である。
次の4とおりの場合を除き,E1及びE2のすべての組み合わせに対してそれぞれ唯一のキャラクタが決
まる。
E1=3,かつ,E2=4(数字セットAのキャラクタ1及びキャラクタ7)
E1=4,かつ,E2=3(数字セットAのキャラクタ2及びキャラクタ8)
E1=4,かつ,E2=4(数字セットB及びCのキャラクタ1並びにキャラクタ7)
E1=3,かつ,E2=3(数字セットB及びCのキャラクタ2並びにキャラクタ8)
この場合には,2本のバーの合計幅を次に従ってテストしなければならない。
E1=3,かつ,E2=4:
7 × (b1+ b2) / S ≦ 4であれば,キャラクタ値は“1”
7 × (b1+ b2) / S
4であれば,キャラクタ値は“7”
E1=4,かつ,E2=3:
7 × (b1+b2) / S ≦4であれば,キャラクタ値は“2”
7 × (b1+b2) / S
4であれば,キャラクタ値は“8”
E1=4,かつ,E2=4:
7 × (b1+b2) / S
3であれば,キャラクタ値は“1”
7 × (b1+b2) / S ≦3であれば,キャラクタ値は“7”
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E1=3,かつ,E2=3:
7 × (b1+b2) / S
3であれば,キャラクタ値は“2”
7 × (b1+b2) / S ≦3であれば,キャラクタ値は“8”
(b1+b2)に対する要件を表10に示す。
同じ手順で,追加シンボルのシンボルキャラクタを復号する。
図8を参照して,主シンボルの補助パターンに適用可能な参照しきい値RT1及びRT2を算出するために,
適切なS寸法を決定する。次に,各シンボル又はシンボルの片側について,適切な補助パターン値eiの寸
法を参照しきい値と比較して整数値Eiを求める。その際,割り出した値E1,E2,E3及びE4は,表11の
有効な補助パターンと一致しなければならない。一致しなければ,シンボルは誤りとする。
s6
1) 標準ガードパターン - 左
2) 標準ガードパターン - 右
第1キャラクタ
3) 中央ガードパターン
s
チェックキャラクタ
隣接
キャラクタ
s
e1
e3
s
隣接キャラクタ
中央ガードバー
の前のキャラクタ
中央ガードバー
の次のキャラクタ
e1
e1
s7
e2
e4
最終キャラクタ
4) 特殊ガードパターン
e1, e2, e3のS6 を使用
e2, e3, e4の S7 を使用
e1
e2
e4
e3
図 8 補助パターンの測定値
17
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表 11 主シンボル補助パターンのE値
補足ガードパターン
E1
E2
E3
E4
標準ガードパターン
2
中央ガードパターン(左半分)
2
2
2
中央ガードパターン(右半分)
2
2
2
特殊ガードパターン
2
2
2
2
4.7
シンボル品質 JIS X 0520では,バーコードシンボルの測定条件,並びにその寸法及び属性の測定
方法を定めている。シンボルがこの規格の仕様に適合しているかを検証するには,このJIS X 0520に従っ
てシンボルをテストしなければならない。
EANインターナショナル及び米国コードセンタ(Uniform Code Council)の仕様に基づいて,最低シンボル
グレードは,1.5/06/670でなければならない。
この場合,次のようになる。
a) 最低印刷品質グレード:1.5
b) 測定開口番号:06(0.15 mm)
c) 検査波長:670±10 nm
備考 最低グレードは,最終使用時点のシンボルに適用する。製造方法の違い,包装,保管及び取扱
いによる品質劣化を許容するために,印刷時点でより高い品質グレードになるよう努力するこ
とが望ましい。実現可能であれば,印刷するシンボルのグレードを2.5/06/670以上とすること
を推奨する。
4.7.1
復号容易度 復号容易度Vを算出するために,次の条件をJIS X 0520の補足条件として適用する。
キャラクタ1,2,7及び8の復号容易度
復号容易度Vは,各キャラクタから算出する。
i=1及び2,かつ,j=2,3,4:
K=最小{|ei - RTj|}
V1=K / (S/14)
1,2,7又は8の奇数パリティに対する復号容易度V2は,次によって求める。
V2=[| (7/S)(2本のバー幅の合計値) - 4|] / (15/13)
1,2,7又は8の偶数パリティに対する復号容易度V2は,次によって求める。
V2=[| (7/S)(2本のバー幅の合計値) - 3|] / (15/13)
各キャラクタ1,2,7又は8の復号容易度Vは,V1又はV2のいずれか小さい値とする。
4.7.1.1
補助パターンの復号容易度 補助パターンの復号容易度Vは,標準シンボルキャラクタ(n,k)に
ついて算出するが,n,k及びSの使用については次による。左右のガードパターンの最も外側にあるバー
は,この計算に含めてはならない。
EAN-13,EAN-8及びUPC-Aの各シンボルのそれぞれ左右に位置する標準ガードパターンにおいて,n=2,
k=1である。Sは,標準ガードパターンの右側又は左側に続くシンボルキャラクタの値Sでなければなら
ない。UPC-Eシンボル右端の特殊ガードパターンでは,n=4,k=2である。Sは,その特殊ガードパターン
のすぐ左側のシンボルキャラクタの値Sでなければならない。
EAN-13シンボル及びUPC-Aシンボルの中央ガードパターンでは,n=4,k=2である。初めに,中央ガー
ドパターンのすぐ左側のシンボルキャラクタの値Sから,最初の4要素(スペース−バー−スペース−バー)
のV1を算出する。次に,中央ガードパターンのすぐ右側のシンボルキャラクタ値のSから,最後の4要
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素(バー−スペース−バー−スペース)のV2を求める。このとき,中央ガードパターンの値Vは,V1及び
V2より小さい値でなければならない。
4.7.2
追加基準 JIS X 0520では,シンボル体系仕様に補足的な合格/不合格基準を設けてもよいとして
いる。EAN/UPCシンボル体系については,4.5.3で最小クワイエットゾーン寸法を規定している。この要
件を満足しない個々の走査波形に対しては,グレードを“0”とする。
従来のEANインターナショナル及び米国コードセンタ(Uniform Code Council)の仕様書では,EAN/UPC
シンボルの読取りに関する光学条件を規定していた。その条件をこの規格の附属書F F.2 に記載する。た
だし,4.で規定した仕様がそれに優先する。
4.8
アプリケーション規定のパラメタ EANインターナショナル及び米国コードセンタは,EAN/UPC
シンボル用のアプリケーションだけを規定している。UCC/EANシステム仕様では,次のパラメタを規定
している。
a) データの内容
b) シンボルの種類の選択及び追加シンボルの使用
4.9
目視可能文字情報 目視可能文字情報については,附属書A A.2に記載する。
4.10 転送データ EAN/UPCのアプリケーションの多くは,読取り装置からPOSターミナルなどの装置
に転送されるデータに,システムに依存するプロトコルを採用している。
読取り装置とアプリケーションとの間にあらかじめ決められた転送プロトコルがない場合,読取り装置
は,データキャリア識別子を転送可能にしなければならない。転送データは,附属書Bに規定するように,
データキャリア識別子及びそれに続く復号したデータとで構成しなければならない。
4.11 導入指針 EAN/UPCシンボル体系の導入に際しての指針は,附属書 Gに記載する。
19
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附属書A(規定)追加特性
A.1 チェックデジット EAN-13,UCC-12及びEAN-8のEAN/UPCに必す(必須)のチェックデジット
は,右端の数字である。チェックデジットの算出又は既に表されているチェックデジットの検証には,次
のアルゴリズムが使われる。
a) EAN又はUCC-12のけた数の長さに等しくなるように列数を設定する。
− EAN-13ならば,13
− UCC-12ならば,12
− EAN-8ならば,8
備考 UPC-A及びUPC-Eシンボルは,ともにUCC-12のけた数に符号化する。
b) 重み係数を割り当てる。
EAN-13:
1
3
1
3
1
3
1
3
1
3
1
3
1
UCC-12:
3
1
3
1
3
1
3
1
3
1
3
1
EAN-8:
3
1
3
1
3
1
3
1
c) すべてのけたを正しい列位置に配置する。チェックデジットがない場合には,右端列の欄を空白に
しておく。
d) EAN又はUCC-12のけた数の各けたに,その重み係数を乗じる。
e) 結果の和をとる。
f)
その和をモジュラス数(10)で除し,余りを求める。チェックデジットが既に右端欄にあるときは,
余りはゼロになる(ゼロでなければ,データが誤っているか,計算が間違っていたかのいずれかであ
る。)。チェックデジットがない場合には,次の手順7に進む。
g) チェックデジットを求める。
i)
余りがゼロであれば,チェックデジットはゼロである。
ii) 余りがゼロでなければ,チェックデジットは10から余りを減じた値となる。
例 EAN-8の場合,
手順2
3
1
3
1
3
1
3
1
手順3
5
4
4
9
0
1
0
手順4
15
4
12
9
0
1
0
手順5
合計=41
手順6
41 ÷ 10 = 4余り1
手順7
10 - 1 = 9,よってチェックデジット=9
完全なEAN-8の数値は,54490109となる。
A.2 目視可能文字情報 目視可能数字は,主シンボルではその下に,追加シンボルでは上に印刷しなけれ
ばならない。目視可能数字には,JIS X 9001で規定するOCR-Bなどの明確に読み取れるフォントを使用す
る。このフォントは,よく用いられる書体として参照しており,機械読取り又は検証することは意図して
いない。読みやすい表記形式であれば,適当なこれ以外の書体及び/又は文字サイズを用いてもよい。
EAN-13,UPC-A,EAN-8及び追加シンボルでは,符号化したすべての数字を目視可能な数字で表さな
20
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ければならない。UPC-Eシンボルについては,先頭にゼロを付けて符号化した6けたと,暗示的に導き出
されたチェックデジットとを目視可能な形式で表さなければならない。本体の図1〜6に目視可能な数字
を含めた各種シンボルを図示する。
公称サイズのシンボルの数字の高さは2.75mmである。また,数字の上端とバーの下端との間隔は0.5X
でなければならない。
EAN-13シンボルでは,可変パリティで符号化した最も左側の数字を,左側のガードパターンの左側に
印刷する。
UPC-A及びUPC-Eシンボルでは,先頭けた及び最終けたの数字の大きさを最大4モジュール幅まで縮
小することが望ましい。それに比例して高さも縮小する。先頭けたの右端から左側のガードバーの左端ま
での距離は,5モジュール幅となる。また,最終けたの左端から右側のガードバーの右端までは,UPC-A
シンボルでは5モジュール幅,UPC-Eシンボルでは3モジュール幅となる。先頭けたと最終けたの下端は,
もとの大きさの他の数字と同一線上に並べなければならない。
追加シンボルの目視可能文字情報はその上に配置し,数字の大きさは主シンボルと同じにしなければな
らない。数字の上端が主シンボルバーの上端と同一線上に並ぶように配置する。数字の下端とバーの上端
との距離は0.5X以上としなければならない。
業界によっては,数字領域を区分するハイフンなど,推奨している目視可能文字情報に特別に変形した
表記方法を採用しているところもある。その一例を附属書 Eに示す。
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X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(規定)シンボル体系識別子
シンボル体系識別子は,正しくプログラムされた読取り装置によって,プリアンブルとして復号データ
に付加することができる。JIS X 0530 [データキャリア識別子(シンボル体系識別子を含む)]でEAN/UPC
に割り当てられているシンボル体系識別子を次に示す。
]Em
ここに,
]: ASCIIのビット組合せ5/14の文字を表す。
E: EAN/UPCシンボル体系を表すコードキャラクタである。
m: 附属書B表B.1の変更子キャラクタを表す。m値として使え
るのは0,1,2,3及び4である。
備考 追加シンボル付きEAN/UPCシンボルは,シンボル体系識別子とともに転送するそれぞれ別の
二つのシンボルとみなすこともでき,一つのデータパケットとしてみなすこともできる。利用
者はどちらかを選択しなければならない。
すべてのデータは,ISO/IEC 646に従ってASCIIデータとして転送しなければならない。
附属書B表B.1 EAN/UPCのm値
m値
任意選択機能
0
完全なEAN形式の標準データパケット。例えば,EAN-13,UPC-A及びUPC-Eの13けたなど(追
加データは含まない。)
1
2けたの追加データだけ
2
5けたの追加データだけ
3
EAN-13,UPC-A及びUPC-Eシンボルの13けたと追加の2けた又は5けたとを一体化したデー
タパケット
4
EAN-8データパケット
シンボル体系識別子はバーコードシンボルには符号化しないが,復号後に復号器によって作成し,デー
タメッセージのプリアンブルとして転送する。
以前に規定したm値(8,9,A,B及びC)は無効とする。
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X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C(参考)UCC/EANシステムの概要
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
EAN及びUCCは,識別番号のための世界的なコード体系管理組織である。UCC/EANシステムは,付番
組織と呼ばれる国単位又は複数の国にまたがる機関のネットワークを通して運営されている。UCC/EAN
識別番号が最も一般的に使用されているのは製品識別の分野である。しかし,この識別番号はUCC/EAN
システム規則の範囲で他のものを識別するためにも利用されている。
識別規格の基本原則は,数字自体には特に意味がないということである。番号そのものには識別対象で
あるものに関する情報は含まない。番号は,商品の生産国,供給者,形式及び価格のいずれも表さない。
しかし,いずれの番号も,システムの統制的な管理が可能で,世界的にその番号が一意であることを保
証するように構成する。UCC識別規格は,EAN国際規格に完全に一致している。
UCC/EANシステムについての詳細情報は,付番組織であるEANインターナショナル又は米国コードセ
ンタから得られる。
EAN International(EAN インターナショナル)
Rue Royale , 145
1000 Brussels,
Belgium
Tel: +32 2 227 10 20
Fax: +32 2 227 10 21
http://www.ean-int.org
Uniform Code Council(米国コードセンタ)
7887 Washington Village Drive,
Suite 300
Dayton, OH 45459
U.S.A.
Tel: +1 937 435 3870
Fax: +1 937 435 7317
http://www.uc-council.org
23
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D(参考)数字セットA,B,C及び補助パターン
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
ナンバーセット
(奇数) A
B
C
キャラ
クタ値
ナンバーセット
(偶数)
ナンバーセット
(偶数)
標準ガードパターン
(右と左)
中央ガードパターン
UPC-E
右ガードパターン
アドオン
分離パターン
アドオン
左ガードパターン
附属書D図D.1 数字セットA,B,C及び補助パターン
24
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E(参考)公称サイズシンボルの寸法図
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
5
標準ガード
パターン
中央ガード
パターン
標準ガード
パターン
符号化した
可変パリティ
13けた目
左側の可変パリティ付き
キャラクタ(6けた)
右側の固定パリティ付き
キャラクタ(6けた)
678900
012345
>
クワイエットゾーン
表示
(推奨)
3.63
2.31
2
4
.5
0
単位 mm
附属書E図E.1 EAN-13
25
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
12345
67890
0
2
2
.8
5
2
4
.5
0
2
3
.1
8
37.29
2
5
.9
3
5
1.65
2
3
.8
5
2.97
2.97
単位 mm
附属書E図E.2 UPC-A
0889-1234-12
3
2
2
.8
5
2
4
.8
3
2
4
.5
0
37.29
2
5
.5
3
5
2
5
.2
0
2.97
2
7
.5
8
N
2.97
単位 mm
附属書E図E.3 UPC-Aの変形例
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X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2012
3451
>
<
クワイエットゾーン
表示
(推奨)
クワイエットゾーン
表示
(推奨)
標準ガード
パターン
標準ガード
パターン
中央ガード
パターン
左側の固定パリティ付き
キャラクタ(4けた)
右側の固定パリティ付き
キャラクタ(4けた)
26.73
2.31
2.31
1
8
.2
3
1
9
.8
8
1
9
.9
3
2
1
.3
1
単位 mm
附属書E図E.4 EAN-8
27
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
078349
0
1 0.99
22.11
2.97
2.31
単位 mm
附属書E図E.5 UPC-E
28
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2
1
.9
0
最小 0.165
2.97〜3.96
1.65
符号化キャラクタ
分離パターン
ガードパターン
0
12345
67890
5
24 >
単位 mm
附属書E図E.6 2けたの追加シンボル付きUPC-A
2
1.
9
0
2.31〜3.96
ガードパターン
符号化キャラクタ
1.65
分離パターン
最小 0.165
単位 mm
附属書E図E.7 5けたの追加シンボル付きEAN-13
参考 この附属書に図示するEAN/UPCシンボルの特別に変形した表記方法については,一部の寸法
だけを示していることもある。すべての寸法は,本体の4.5から算出できる。目視可能文字の
寸法は,附属書Aの A.2に基づいている。目視可能フォントにOCR-B以外が使われている場
合には,寸法がこの附属書と異なってもよい。
5
01234
67890
>
21826
29
X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F(参考)従来の測定方法
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
F.1 寸法の許容値 この項目で取り上げる許容値は,元々はUPCシンボル仕様手引書(“U.P.C. Symbol
Specification Manual”)の附属書Aに記載された内容で,の種類1のシンボルプリンタ( “Type 1 Symbol
Printers Only”)に適用された。その後発行されたEAN仕様書(“EAN Specifications”)では,この許容値を
インストアマーキング装置を使用する上で重視すべき許容値(“Tolerances to be respected by in-store marking
equipment”)として適用している。現在も,この許容値は工程管理に有効であり,印刷装置の開発におけ
る指針にもなっているが,本体の4.7のテスト仕様がこれに優先する。
次の三つの値がEAN/UPCの許容値となる。附属書F図F.1を参照のこと。
− Tbは,バー幅及びスペース幅の許容値(附属書F図F.1の“b”で示した三つの寸法)。
− Teは,シンボルキャラクタ内の隣り合ったバー及びスペースの許容値。附属書F図F.1では“e”で
示した二つの寸法。この寸法は,バーの先頭エッジから次のバーの先頭エッジまで,又はバーの末尾
エッジから次のバーの末尾エッジまでを測った長さである。
− Tpは,シンボルキャラクタ全体の幅に対する許容値(附属書F図F.1の“p”で示した寸法)。
p
次のシンボルキャラクタ
又は補助パターン
b
e
e
b
b
附属書F図F.1 許容範囲測定値
倍率Mの許容値Tb,Te及びTpを,次のように規定する。Tb
− M ≦1であれば,Tb=(
)
0.229
−
±X
mm
− M
1であれば,Tb=(
)
0.055
0.470
−
±
X
mm
− Te = ± 0.147 X
− Tp = ± 0.290 X
数字セットA又は数字セットBのキャラクタの先頭スペース,若しくは数字セットCのキャラクタの
末尾スペースには,許容値Tbは適用しない。しかし,スペース幅は0.200mm未満にしてはならない。
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X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書図F.2は,各X値について算出した三つの許容値を示したものである。
0.000
0.020
0.040
0.060
0.080
0.100
0.120
0.140
0.160
0.180
0.200
0.220
0.240
0.260
0.250 0.300 0.350 0.400 0.450 0.500 0.550 0.600 0.650
Tb
Tp
Te
0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50 1.60 1.70 1.80 1.90 2.00 倍率
X寸法(mm)
印
刷
許
容
値
(mm)
附属書F図F.2 各X値の許容値
F.2 光学パラメタ この箇条で取り上げる光学パラメタはUCC及びEANの仕様書の初版本に記載された
もので,スキャナには当時の主流であったヘリウムネオンガスレーザが基本的に使用されている。今のス
キャナ及び検証機には,ガスレーザよりも少し波長の長い発光ダイオード及び可視光レーザダイオードが,
主に光源として採用されている。この仕様では,670±10 nm帯域で開口径が0.15 mmの検証機を使うよう
にしている(本体4.7参照)。スキャナと検証機との相関関係を検証したところ,これらのパラメタを用いた
検証が,現在使われているあらゆる種類のスキャナだけでなく,大量に導入されているスキャナにおいて
もその性能を保証することが確認されている。
総合EAN仕様書(“General EAN Specificaitons”)では,従来どおりの方法で,適用可能なバー及びスペ
ースの反射率を規定した。この仕様で記載する要件は,次に規定する従来のパラメタとは異なる(本体4.7
参照)。
− 最大感応波長:633 nm[シンボルを可視(赤色)スペクトルで走査することを意味する。]
− スペクトル電力半値幅:100 nm(光源の感応曲線が,ピーク波長の±50 nmの地点で,最大出力の50 %
にまで落ちることを意味する。)
− スキャナのスポットサイズ又は測定開口径:0.200 mm(X寸法からその許容値を引いた最小値が,スポ
ットサイズの0.200 mmより大きいことを意味する。)
− スペース要素反射率(RL):RL
30 %
− バー要素反射率(RD):RD
50 %
− シンボル反射率:明(スペース)反射率に対する暗(バー)反射率の最大許容値を,次の式で定める。
log10RD ≦ 2.6 (log10RL) - 0.3
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備考 この式において,値RD及びRLは百分率ではなく0〜1で表される値である。
例 RL = 0.65 (65 %),かつ,RD = 0.20 (20 %)の場合,シンボル反射率は許容範囲外となる。RL = 65 %
であれば,RDは16.4 %以下でなければならない。
− 最小エッジコントラスト,変位幅,欠陥に対するパラメタは特にない。エッジコントラスト若しくは
変位幅が低い,又は欠陥が高いと,スキャナ性能が損なわれる。
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附属書G(参考)読取り及び印刷の指針
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
G.1 自動シンボル識別 EAN/UPCシンボルは,このシンボルを他のシンボル体系と自動識別するように
正しくプログラムされたバーコード復号器を使って読み取ることができる。
読取りの正確性をできるだけ高めるには,復号器に有効なシンボル体系を,対象のアプリケーションで
必要とされるものだけに限定することが望ましい。
G.2 システムに関する注意事項 バーコードシステムは,各種構成要素(プリンタ,ラベル,読取り装置及
びデータベース)が一体となって一つのシステムとして機能するということが重要である。そのため,いず
れかの構成要素に欠陥があったり,構成要素の組合せが不適切であると,システム全体の性能が損なわれ
ることになる。
G.3 印刷に関する注意事項 ピクセルデータに基づくプリンタを使ってバーコードを作り出すグラフィッ
クソフトウェアは,使用するプリンタのピクセルピッチに正確に一致するように,バー及びスペースを調
整しなければならない。EAN/UPCシンボル体系においては,各モジュールを形成するピクセル数が,一
定の整数値であることが必要となる。したがって,プリンタは特定のシンボル倍率だけを印刷することが
できる。
シンボルキャラクタ1,2,7及び8(本体4.5.5参照)のバー及びスペースを縮小又は拡大するには,末尾
バー又は末尾スペースの境界で,整数個の画素を変えて黒から白,又は逆に白から黒に変えてやればよい。
ただし,プリンタ解像度がこの機能に十分に対応可能なレベルでなければならない。同様に,バー幅の均
一な太り(又は細り)も,整数個の画素を,バー及びスペースの境界にて,黒から白(又は白から黒)に変
えることで補正できる。いずれの場合も,それによってエッジから同類のエッジまでの長さが変わること
はなく,シンボルキャラクタ全体の幅に変化はない。この原則を守らないと,シンボルの品質低下を招い
たり,シンボルの読取りができなくなってしまう場合がある。
G.4 プログラム例 ベクトルデータに基づくディジタルバーコード設計ファイルについては,附属書G
G.3の原則を次のように緩和することもできる。
a) 目標倍率を,それに最も近い整数値に切り下げたピクセルのモジュールサイズに変える。ただし,
最小シンボル倍率が条件を満たしている場合に限る。
b) モジュール当たりのピクセル数(整数)を13で除し,その商を最も近い整数に丸める。この数値を
使って,シンボルキャラクタ1,2,7及び8のバーとスペースとを縮小又は拡大する。
c) バー幅の均一な太りを正しく補正するピクセル数を求めて,その数より大きくて一番近い整数値に
切り上げる。
d) これらの結果を基に,シンボル内のバー及びスペースそれぞれについてピクセル数を決定する。
例えば,50ドット/mmのイメージ生成装置を使用したベクトルベースのディジタルバーコード設計ファ
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X 0507:2004 (ISO/IEC 15420:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
イルによって,0.11 mmのバー幅縮小で倍率90 %のシンボルを作成する場合
− モジュールサイズは50ドット/mm × 倍率0.9 × 0.330 mm / モジュール=14.85となる。これを1モジュ
ール当たり14ピクセルに切り下げると,実際の倍率は0.848 0となる。
− シンボルキャラクタ1,2,7及び8の補正値は(14ピクセル/モジュール)/13=1.077となり,これを1
ピクセルに丸める。
− バー太り補正値は0.11 mm × 50ピクセル / mm = 5.5となり,これを6ピクセルに切り上げる。
この計算結果から,補助パターン並びにシンボルキャラクタ0,3,4,5,6及び9のバーとスペースと
のピクセル数は,附属書G表G.1のようになる。
附属書G表G.1 イメージ解像度及びバー幅縮小によって修正されたピクセル数
モジュール数
ピクセル数
バー
スペース
1
8
20
2
22
34
3
36
48
4
50
62
シンボルキャラクタ1,2,7及び8について,附属書G表G.1に示す各バー及びスペースのピクセル数
は,本体の表8に示す“+”方向及び“−”方向に1ピクセルだけ変わる。例えば,数字セットB(本体表
1)のシンボルキャラクタ1のピクセル数は,附属書G表G.2に示すピクセル数となる。
附属書G表G.2 数字セットBのシンボルキャラクタ1の修正されたピクセル数
スペース
バー
スペース
バー
19
23
33
23