サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 コード128の仕様 ············································································································· 2 

4.1 シンボル体系の特徴 ······································································································· 2 

4.2 コード128の構成 ·········································································································· 2 

4.3 キャラクタの符号化 ······································································································· 3 

4.4 寸法 ···························································································································· 9 

4.5 参照復号アルゴリズム ···································································································· 9 

4.6 シンボル品質 ··············································································································· 12 

4.7 利用業者規定のアプリケーションパラメタ ········································································· 13 

4.8 伝送データ ·················································································································· 14 

附属書A(規定)コード128のその他の特性 ············································································ 15 

附属書B(規定)ファンクションコード1(FNC1)に関する特別な配慮 ········································ 16 

附属書C(規定)シンボル体系識別子 ····················································································· 18 

附属書D(参考)シンボルキャラクタ値とISO/IEC 646 IRVで規定するキャラクタとの関係 ·············· 19 

附属書E(参考)シンボル幅を最小とするスタートキャラクタ,コードセットキャラクタ及び 

  シフトキャラクタの使い方 ······························································································ 20 

附属書F(参考)ISO/IEC 8859-1(ラテン系アルファベットNo.1)キャラクタセット ······················· 22 

附属書G(参考)利用業者規定のアプリケーションパラメタ ······················································· 23 

附属書H(参考)コード128使用のためのガイドライン ····························································· 24 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子

情報技術産業協会(JEITA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。 

これによって,JIS X 0504:2003は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 0504:2014 

(ISO/IEC 15417:2007) 

自動認識及びデータ取得技術− 

バーコードシンボル体系仕様−コード128 

Automatic identification and data capture techniques- 

Bar code symbol-CODE128-Basic specifications 

序文 

この規格は,2007年に第2版として発行されたISO/IEC 15417を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,コード128として知られるバーコードシンボル体系の要件を定める。コード128のシンボ

ル体系の特徴,データキャラクタの符号化,寸法,復号アルゴリズム,及びシンボル体系識別子を規定す

る。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 15417:2007,Information technology−Automatic identification and data capture techniques

−Code 128 bar code symbology specification(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS X 0201:1997 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 646:1991,Information technology−ISO 7-bit coded character set for 

information interchange(MOD) 

JIS X 0500-1 自動認識及びデータ取得技術−用語−第1部:一般 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-1,Information technology−Automatic identification and data 

capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 1: General terms relating to AIDC(IDT) 

JIS X 0500-2 自動認識及びデータ取得技術−用語−第2部:光学的読取媒体 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 19762-2,Information technology−Automatic identification and data 

capture (AIDC) techniques−Harmonized vocabulary−Part 2: Optically readable media (ORM)

(IDT) 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS X 0520 自動認識及びデータ取得技術−バーコードシンボル印刷品質の評価仕様−一次元シンボ

ル 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 15416,Information technology−Automatic identification and data capture 

techniques−Bar code print quality test specification−Linear symbols(IDT) 

JIS X 0530 データキャリア識別子(シンボル体系識別子を含む) 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 15424,Information technology−Automatic identification and data capture 

techniques−Data Carrier Identifiers (including Symbology Identifiers)(IDT) 

ISO/IEC 8859-1,Information technology−8-bit single-byte coded graphic character sets−Part 1: Latin 

alphabet No.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0500-1及びJIS X 0500-2による。 

コード128の仕様 

4.1 

シンボル体系の特徴 

コード128の特性は,次のとおりである。 

a) 符号化可能なキャラクタ 

1) 0〜127の値をもつ,JIS X 0201のISO/IEC 646国際基準版(IRV)(以下,ISO/IEC 646 IRVという。)

で規定する128個全てのキャラクタ 

注記 この版は,JIS X 0201のG0集合並びにそれぞれFS,GS,RS及びUSに修正した値28〜

31をもつISO/IEC 6429のC0集合からなる。 

2) 128〜255のバイト値をもつキャラクタを符号化してもよい。 

3) データでない4種類のファンクションキャラクタ 

4) 4種類のコードセット選択キャラクタ 

5) 3種類のスタートキャラクタ 

6) 1種類のストップキャラクタ 

b) コードタイプ :連続型 

c) シンボルキャラクタ当たりのエレメント数 :6本(バー3本及びスペース3本で,各エレメントの幅

は1,2,3又は4モジュールのいずれか)。ただし,ストップキャラクタに限り7本(バー4本及びス

ペース3本)。 

d) キャラクタセルフチェック :あり 

e) シンボル長 :可変 

f) 

左右両方向読取り :可能 

g) シンボルチェックキャラクタ :1個(必須)(A.1参照) 

h) シンボルキャラクタ当たりのモジュール数 :11モジュール(数字キャラクタでは5.5モジュール) 

i) 

データキャラクタではないオーバーヘッド :35モジュール 

4.2 

コード128の構成 

コード128シンボルは,次の要素から構成する。 

a) 先頭クワイエットゾーン 

b) スタートキャラクタ 

background image

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) データを表す一つ以上のシンボルキャラクタ及び特殊キャラクタ 

d) シンボルチェックキャラクタ 

e) ストップキャラクタ 

f) 

末尾クワイエットゾーン 

図1は,文字列“AIM”を符号化したコード128シンボルである。 

先頭クワイ 

エットゾーン 

スタート 

キャラクタ 

データキャラクタ 

シンボル 
チェック 

キャラクタ 

ストップ 

キャラクタ 

末尾クワイ 

エットゾーン 

AIM 

図1−コード128シンボル 

4.3 

キャラクタの符号化 

4.3.1 

シンボルキャラクタの構成 

それぞれのシンボルキャラクタは,それぞれが,1,2,3又は4モジュールの幅をもつ,合計11モジュ

ール幅の6本のエレメント(バーから始まり左から右に交互に配置される3本のバー及び3本のスペース)

からなる。全てのシンボルキャラクタは,バーモジュールの合計が偶数であり(偶数パリティ),スペース

モジュールの合計は常に奇数となる。このパリティ特性を利用してキャラクタのセルフチェックを行うこ

とができる。ストップキャラクタは,2モジュール幅のバーエレメントを付加して,合計13モジュール幅

からなる。 

各シンボルキャラクタには,表1に記載する数値が割り当てられている。この値は,シンボルチェック

キャラクタの値を計算するときに用いる。また,この数値によって,ISO/IEC 646 IRVのキャラクタ値と

の相互変換も可能となる(附属書D参照)。表1は,コード128の全てのキャラクタ割当てを規定したも

のである。“エレメント幅”の欄にある数値は,モジュール単位で示されたエレメント幅,すなわち,X寸

法の倍数となっている。 

図2に,スタートキャラクタAを示す。 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 

 
 
 

1 1 

図2−コード128のスタートキャラクタA 

図3は,シンボルキャラクタ値35を符号化したものであり,コードセットがA又はコードセットBで

あればデータキャラクタ“C”を表し,コードセットがCであれば2桁の数字である“35”を表す。 

background image

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 

 
 
 

図3−シンボルキャラクタ値35 

図4に,ストップキャラクタを示す。 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 

1 1 1 

図4−コード128のストップキャラクタ 

注記1 コードセットA及びコードセットBでのシンボルキャラクタ値60は,JIS X 0201(7ビット

及び8ビットの情報交換用符号化文字集合)では“¥”に相当するが,この規格では“¥”

は使用できない。 

注記2 コードセットBでのシンボルキャラクタ値94は,JIS X 0201では“̅”(オーバーライン)

に相当するが,この規格では“̅”(オーバーライン)は使用できない。 

4.3.2 

データキャラクタの符号化 

コード128には,表1で示す,コードセットA,コードセットB及びコードセットCという三つのキャ

ラクタコードセットがあり,それぞれ,各種補助キャラクタとISO/IEC 646 IRVの部分集合とからなる。

バーとスペースとからなるシンボルキャラクタパターンは,コードセットA,コードセットB及びコード

セットCそれぞれの欄にあるデータキャラクタを表している。どのコードセットを用いるのかは,スター

トキャラクタの種類,又はシンボル内でのコードAキャラクタ,コードBキャラクタ,コードCキャラ

クタ若しくはシフトキャラクタの使用によって決まる。シンボルがスタートキャラクタAで始まっていれ

ば,まず,コードセットAに設定される。同様に,シンボルが,スタートキャラクタB又はスタートキャ

ラクタCで始まっていれば,コードセットB及びコードセットCに設定される。コードセットは,同一シ

ンボル内でも,コードAキャラクタ,コードBキャラクタ,コードCキャラクタ又はシフトキャラクタ

を用いることで変更することができる(これら特殊キャラクタの用法については,4.3.4.1参照)。 

スタートキャラクタ,コードセットキャラクタ及びシフトキャラクタの組合せを変えると,異なるコー

ド128シンボルで,同じデータを表すことができる。アプリケーションでは,使用するコードセットを指

定しないほうがよい。附属書Eに,与えられたデータに対するシンボル長を最小とするための規則を記載

する。復号器は,データ末尾にコードセットキャラクタ又はシフトキャラクタをもつシンボルなど,附属

書Eのアルゴリズムを適用して得られたシンボル以外でも,スタートキャラクタ,コードセットキャラク

タ及びシフトキャラクタ並びにデータの組合せが有効なシンボルを復号しなければならない。 

background image

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−コード128シンボルキャラクタの構成 

シンボル 

キャラク

タ値 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

A) 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

B) 

コード 

セット 

エレメント幅 

(モジュール) 

エレメントパターン 

9  10 11 

スペース 

32 

スペース 

32 

00 

33 

33 

01 

34 

34 

02 

35 

35 

03 

36 

36 

04 

37 

37 

05 

38 

38 

06 

アポスト 

ロフィー 

39 

アポスト 

ロフィー 

39 

07 

40 

40 

08 

41 

41 

09 

10 

42 

42 

10 

11 

+ 

43 

+ 

43 

11 

12 

コンマ 

44 

コンマ 

44 

12 

13 

45 

45 

13 

14 

ピリオド 

46 

ピリオド 

46 

14 

15 

47 

47 

15 

16 

48 

48 

16 

17 

49 

49 

17 

18 

50 

50 

18 

19 

51 

51 

19 

20 

52 

52 

20 

21 

53 

53 

21 

22 

54 

54 

22 

23 

55 

55 

23 

24 

56 

56 

24 

25 

57 

57 

25 

26 

コロン 

58 

コロン 

58 

26 

27 

セミ 

コロン 

59 

セミ 

コロン 

59 

27 

28 

60 

60 

28 

29 

= 

61 

= 

61 

29 

30 

62 

62 

30 

31 

63 

63 

31 

32 

64 

64 

32 

33 

65 

65 

33 

34 

66 

66 

34 

35 

67 

67 

35 

36 

68 

68 

36 

37 

69 

69 

37 

38 

70 

70 

38 

39 

71 

71 

39 

40 

72 

72 

40 

background image

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−コード128シンボルキャラクタの構成(続き) 

シンボル 

キャラク

タ値 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

A) 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

B) 

コード 

セット 

エレメント幅 

(モジュール) 

エレメントパターン 

9  10 11 

41 

73 

73 

41 

42 

74 

74 

42 

43 

75 

75 

43 

44 

76 

76 

44 

45 

77 

77 

45 

46 

78 

78 

46 

47 

79 

79 

47 

48 

80 

80 

48 

49 

81 

81 

49 

50 

82 

82 

50 

51 

83 

83 

51 

52 

84 

84 

52 

53 

85 

85 

53 

54 

86 

86 

54 

55 

87 

87 

55 

56 

88 

88 

56 

57 

89 

89 

57 

58 

90 

90 

58 

59 

91 

91 

59 

60 

\ 

92 

\ 

92 

60 

61 

93 

93 

61 

62 

94 

94 

62 

63 

̲ 

95 

̲ 

95 

63 

64 

NUL 

00 

アクサン 

グラーブ 

96 

64 

65 

SOH 

01 

97 

65 

66 

STX 

02 

98 

66 

67 

ETX 

03 

99 

67 

68 

EOT 

04 

100 

68 

69 

ENQ 

05 

101 

69 

70 

ACK 

06 

102 

70 

71 

BEL 

07 

103 

71 

72 

BS 

08 

104 

72 

73 

HT 

09 

105 

73 

74 

LF 

10 

106 

74 

75 

VT 

11 

107 

75 

76 

FF 

12 

108 

76 

77 

CR 

13 

109 

77 

78 

SO 

14 

110 

78 

79 

SI 

15 

111 

79 

80 

DLE 

16 

112 

80 

81 

DC1 

17 

113 

81 

82 

DC2 

18 

114 

82 

83 

DC3 

19 

115 

83 

84 

DC4 

20 

116 

84 

background image

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−コード128シンボルキャラクタの構成(続き) 

シンボル 

キャラク

タ値 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

A) 

コード 

セット 

JIS X 

0201値 

(セット

B) 

コード 

セット 

エレメント幅 

(モジュール) 

エレメントパターン 

9  10 11 

85 

NAK 

21 

117 

85 

86 

SYN 

22 

118 

86 

87 

ETB 

23 

119 

87 

88 

CAN 

24 

120 

88 

89 

EM 

25 

121 

89 

90 

SUB 

26 

122 

90 

91 

ESC 

27 

123 

91 

92 

FS 

28 

124 

92 

93 

GS 

29 

125 

93 

94 

RS 

30 

〜 

126 

94 

95 

US 

31 

DEL 

127 

95 

96 

FNC3 

FNC3 

96 

97 

FNC2 

FNC2 

97 

98 

シフト 

シフト 

98 

99 

コードC 

コードC 

99 

100 

コードB 

FNC4 

コードB  1 

101 

FNC4 

コードA 

コードA  3 

102 

FNC1 

FNC1 

FNC1 

103 

スタートA 

104 

スタートB 

105 

スタートC 

シンボル 

キャラクタ 

値 

コード 
セット 

コード 
セット 

コード 
セット 

エレメント幅 

(モジュール) 

エレメントパターン 

B S B S B S B 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 

− 

ストップ 

2 3 3 1 1 1 2 

注記 ストップキャラクタは,13モジュールからなり,4本のバー及び3本のスペースをもつ。これ

以外のキャラクタの幅は,全て11モジュールで,バーから始まりスペースで終わる6エレメン

トからなる。各エレメントの幅は,1モジュール幅から4モジュール幅までの範囲で変化する。

B及びSの欄にある数値が,シンボルキャラクタにおけるバー及びスペースそれぞれのモジュ

ール数を表している。 

4.3.3 

コードセット 

4.3.3.1 

コードセットA 

コードセットAには,全ての標準的な英大文字,数字,句読文字及び制御文字(ISO/IEC 646 IRVで規

定する00〜95の値の文字)並びに7個の特殊キャラクタが含まれる。 

4.3.3.2 

コードセットB 

コードセットBには,全ての標準的な英大文字,数字,句読文字及び英小文字(ISO/IEC 646 IRVで規

定する32〜127の値の文字)並びに7個の特殊キャラクタが含まれる。 

4.3.3.3 

コードセットC 

コードセットCには,00〜99の2桁数字100個と特殊キャラクタ3個とが含まれる。このコードセット

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

によって,一つのシンボルキャラクタに2桁からなる数字データを符号化することができる。 

4.3.4 

特殊キャラクタ 

コードセットA及びコードセットBにおける最後の7キャラクタ(キャラクタ値96〜102)とコードセ

ットCにおける最後の3キャラクタ(キャラクタ値100〜102)とは,同等のISO/IEC 646 IRVで規定する

キャラクタがない特殊な非データキャラクタで,バーコード読取装置にとって重要な意味をもつ。 

4.3.4.1 

コードセットキャラクタ及びシフトキャラクタ 

コードセットキャラクタ及びシフトキャラクタは,一つのシンボル内で,あるコードセットから他のコ

ードセットに変更するために使用されなければならないが,それらは復号器によって伝送されてはならな

い。 

a) コードセットキャラクタ コードA,コードB又はコードCキャラクタは,既に規定されているシン

ボルコードセットを,それぞれが規定する新しいコードセットへと変更する。この変更は,シンボル

末尾に至るまで,又は別のコードセットキャラクタ若しくはシフトキャラクタと出会うまで,コード

セットキャラクタに続く全てのキャラクタに適用される。 

b) シフトキャラクタ シフトキャラクタは,シフトキャラクタに続く1キャラクタのコードセットをA

からB又はBからAへと変更する。変更されたキャラクタに続くキャラクタは,シフトキャラクタ

の前で設定されていたコードセットA又はコードセットBに戻る。シフトが適用されるシンボルキャ

ラクタは,コードセットキャラクタ又はシフトキャラクタであってはならない。 

4.3.4.2 

ファンクションキャラクタ 

ファンクションキャラクタ(FNC)は,バーコードリーダに与える命令を規定したもので,これによっ

てバーコードリーダが特別な操作又は用途に対応できるようになる。 

a) FNC1には,附属書Bに規定されている特別な配慮が必要である。 

b) FNC2(メッセージの連結)は,バーコードリーダに,FNC2キャラクタを含むシンボルから得たデー

タを一時的に保存し,これを次のシンボルデータの前に付加して伝送するよう指示する。これは,伝

送する前に複数のシンボルを連結するために用いることができる。このキャラクタはシンボルのどの

位置に現れてもよいが,データの順序が重要である場合は,正しい順序でシンボルを読み取ることが

できるよう規定を設けておいたほうがよい。 

c) FNC3(初期化)は,バーコードリーダに,FNC3キャラクタを含むシンボルから得たデータをバーコ

ードリーダの初期化又は再プログラミングに関わる命令として解釈するよう指示する。ここで得たデ

ータは,バーコードリーダから伝送されない。このキャラクタは,シンボルのどの位置に現れてもよ

い。 

d) FNC4は,ISO/IEC 8859-1又はアプリケーション仕様で規定する拡張キャラクタセット(バイト値128

〜255)を表現するために用いられる。FNC4を単独で用いると,シンボルの中で,FNC4に続く一つ

のデータキャラクタのISO/IEC 646 IRVで規定する値に128が加算される。次のデータキャラクタの

コードセットを変更しなければならない場合は,シフトキャラクタをFNC4キャラクタの後に置いて

もよい。これ以降のデータキャラクタは標準のISO/IEC 646 IRVキャラクタセットへと戻る。連続し

た二つのFNC4キャラクタを用いると,別の連続した二つのFNC4キャラクタを読み取るか,シンボ

ル末尾に至るまで,FNC4に続く全てのデータキャラクタのISO/IEC 646 IRVで規定する値に128が

加算される。拡張形式で符号化している間に,単独のFNC4キャラクタを読み取った場合には,次の

データキャラクタだけを標準のISO/IEC 646 IRV形式で符号化する。このような操作の間でも,シフ

トキャラクタ及びコードセットキャラクタは,通常どおり機能する。拡張した値128〜255のデフォル

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ト参照キャラクタセットは,附属書Fで示すように,ISO/IEC 8859-1のLatin Alphabet 1の半分に対応

する。ただし,アプリケーション仕様書において,バイト値128〜255に対応するものとして別のキャ

ラクタセットを規定,参照してもよい。 

注記 FNC4をISO/IEC 8859-1以外で用いる場合は,利用業者間で十分合意をしておく必要がある。

その場合でも,JIS又はISO規格で規定する符号化キャラクタセットを用いるのが望ましい。 

4.3.4.3 

スタートキャラクタ及びストップキャラクタ 

スタートキャラクタA,スタートキャラクタB及びスタートキャラクタCは,シンボルで最初に用いら

れるコードセットを決める。 

ストップキャラクタは,全てのコードセットに共通である。 

スタートキャラクタ及びストップキャラクタは,復号器によって伝送してはならない。 

4.3.5 

シンボルチェックキャラクタ 

シンボルチェックキャラクタは,ストップキャラクタの直前に,最後のシンボルキャラクタとして配置

しなければならない。A.1は,シンボルチェックキャラクタを計算するアルゴリズムを規定している。シ

ンボルチェックキャラクタは,可読文字として表示せず,復号器によって伝送してはならない。 

4.4 

寸法 

4.4.1 

公称モジュール幅(X) 

モジュール幅は,コード128を生成する装置及び読み取る装置の能力並びにアプリケーションの一般要

件を満たしているかを十分に考慮した上で,アプリケーション仕様書で定義することが望ましい。4.7.1参

照。 

一つのシンボルでは,X寸法を一定とする。 

4.4.2 

クワイエットゾーン 

コード128シンボルの先頭及び末尾にあるクワイエットゾーンの最小幅:10X 

4.4.3 

シンボル幅 

クワイエットゾーンを含めたコード128シンボルの幅W(mm)は,次の式で計算することができる。 

(

)

[

]

Q

X

C

W

2

2

2

11

+

+

+

=

ここに, 

W: シンボルの幅(mm) 

C: データキャラクタの数(シンボルチェックキャラクタを含

む。) 

X: 細エレメント幅(mm) 

Q: クワイエットゾーンの幅(mm) 

注記 この式で値を求める前に,シンボルキャラクタの数を決定するために,附属書Eの規則又は別

のアルゴリズムを適用することが必要である。 

4.5 

参照復号アルゴリズム 

バーコード読取りシステムは,実際のアルゴリズムが許容する範囲で,不完全なシンボルでも読み取る

ことができるように設計されている。ここでは,JIS X 0520に規定する復号容易度を計算するときに用い

る参照復号アルゴリズムについて規定する。 

このアルゴリズムには,バーコード化されている個々のキャラクタを復号するステップを含む。 

a) 8か所(p,e1,e2,e3,e4,b1,b2及びb3)の寸法を求める(図5参照)。 

background image

10 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b1 

b2 

b3 

 
 
 
 

e1 

e3 

e2 

e4 

図5−復号のための寸法 

b) e1,e2,e3及びe4の寸法を正規化してE1,E2,E3及びE4とするが,この値は,これらの寸法のモジュ

ール幅の整数値(Ei)を表す。eiに応じて,次の方法でEiを求める。 

1.5p/11≦ei<2.5p/11の場合:Ei=2 

2.5p/11≦ei<3.5p/11の場合:Ei=3 

3.5p/11≦ei<4.5p/11の場合:Ei=4 

4.5p/11≦ei<5.5p/11の場合:Ei=5 

5.5p/11≦ei<6.5p/11の場合:Ei=6 

6.5p/11≦ei<7.5p/11の場合:Ei=7 

eiがこの範囲にない場合,そのキャラクタは誤りとなる。 

c) E1,E2,E3及びE4を基に,復号表からキャラクタを探し出す(表2参照)。 

d) キャラクタと同時に,キャラクタのセルフチェック値Vも表から取り出す。値Vは当該キャラクタで

規定されているバーのモジュール総数に等しい。 

e) 次の式を満たしているか検証する。 

(

)

(

)(

)

11

75

.1

11

75

.1

3

2

1

p

V

b

b

b

p

V

+

<

+

+

<

これを満たしていない場合,そのキャラクタは誤りとなる。 

1モジュールのエッジ誤りに起因する全ての復号誤りを検出できるように,キャラクタパリティを

二次的にこの計算で用いる。 

上記の5ステップを用いて最初のキャラクタを復号する。これがスタートキャラクタの場合は,順方向

にシンボルの復号を進める。最初に復号したのがスタートキャラクタではなく,ストップキャラクタであ

った場合は,続く全てのキャラクタを逆方向に復号する。 

全てのキャラクタの復号を終えたら,有効なスタートキャラクタ及びストップキャラクタがあること並

びにシンボルチェックキャラクタが正しいことを確認する。 

シンボルで用いられているスタートキャラクタ,コードキャラクタ及びシフトキャラクタに従って,コ

ードセットA,コードセットB及びコードセットCから,シンボルキャラクタを対応するデータキャラク

タに変換する。 

さらに,特定の読取装置とアプリケーション環境とを考えたときに妥当なものとなるように,クワイエ

ットゾーン,ビーム速度,タイミング,寸法などについても二次的なチェックも行う。 

注記 このアルゴリズムでは,“エッジから類似エッジまで”の寸法(e)と,3本のバー幅の合計寸

法とを用いてシンボルを復号する。 

background image

11 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−コード128の復号で用いるエッジ間距離 

キャラ
クタ値 

E1 

E2 

E3 

E4 

キャラ
クタ値 

E1 

E2 

E3 

E4 

00 

46 

01 

47 

02 

48 

03 

49 

04 

50 

05 

51 

06 

52 

07 

53 

08 

54 

09 

55 

10 

56 

11 

57 

12 

58 

13 

59 

14 

60 

15 

61 

16 

62 

17 

63 

18 

64 

19 

65 

20 

66 

21 

67 

22 

68 

23 

69 

24 

70 

25 

71 

26 

72 

27 

73 

28 

74 

29 

75 

30 

76 

31 

77 

32 

78 

33 

79 

34 

80 

35 

81 

36 

82 

37 

83 

38 

84 

39 

85 

40 

86 

41 

87 

42 

88 

43 

89 

44 

90 

45 

91 

background image

12 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−コード128の復号で用いるエッジ間距離(続き) 

キャラ
クタ値 

E1 

E2 

E3 

E4 

キャラ
クタ値 

E1 

E2 

E3 

E4 

92 

100 

93 

101 

94 

102 

95 

103 

96 

104 

97 

105 

98 

StopA 

99 

StopB 

注記 StopAの値は,順方向で復号した場合の値である。StopBの値は,逆方向で読み取ったとき,ストップキャラ

クタの右端から6エレメントまでに適用する。 

4.6 

シンボル品質 

4.6.1 

試験仕様 

シンボルがこの規格の仕様に適合するか否かを検証するため,バーコードシンボルを測定し,グレード

付けするための標準化された手法を規定しているJIS X 0520並びに4.6.2及び4.6.3に補足する試験仕様を

用いて,当該シンボルを試験する。JIS X 0520は,測定条件を規定し,バーコードシンボルの属性に基づ

いて総合的な品質グレードを決定する方法を規定している。JIS X 0520に基づいて“復号”パラメタ及び

“復号容易度”パラメタを評価するために,4.5に規定する参照復号アルゴリズムを用いる。 

総合的なシンボルグレードは,次の例に示す形式で表記する。 

1.5/10/660 

ここに, 

1.5: 総合シンボル品質グレード 

10: 測定開口径番号(この例では直径0.25 mm) 

660: ピーク応答波長[ナノメータ(nm)] 

JIS X 0520は,シンボル体系仕様で,追加の合格基準・不合格基準を定めることを許容している。コー

ド128について,追加基準を4.6.3に定める。これらの要求事項を満たさない,いかなる個々の走査波形

も品質グレードは,0とする。 

4.6.2 

復号容易度 

復号容易度の値Vを計算するときには,JIS X 0520の規定を補足する,次の規定も適用する。 

式VC=K/(S/2n)のVCをV1に置き換え,V1を計算する。 

V2を計算する。 

1.75

11

1.75

b

2

M

S

W

V

×

=

ここに, 

Wb: キャラクタにおけるバーの幅の合計 

S: キャラクタ全体の幅 

M: キャラクタにある黒モジュールの数 

注記1 Wb及びSは,同じ測定単位とする。 

VCは,V1,V2のいずれか小さい方とする。 

注記2 ストップキャラクタには,終端バーが追加されている。復号容易度を測定するためには,ス

トップキャラクタを2回確認することが望ましい。まず,左端から6エレメントまでを確認

し,次に右端から6エレメントまでを右から左に向かって確認する。いずれの6エレメント

13 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

のセットも標準キャラクタと同じ幅となる。 

4.6.3 

追加のパラメタ−クワイエットゾーン 

JIS X 0520は,各シンボル体系の仕様書で合格基準・不合格基準を規定することを認めている。コード

128の場合は,クワイエットゾーンを10Z以上に規定する。JIS X 0520では,走査反射率波形ごとに左右

のクワイエットゾーンを測定し,次のようにグレード付けしなければならない。 

クワイエットゾーン≧10Z :グレード4 

クワイエットゾーン<10Z :グレード0 

注記 4.6.3の要件は,設定値ではなくて,パラメタの実際の測定値を基礎とする。したがって,X寸

法よりもZ寸法の方が適切である。 

4.7 

利用業者規定のアプリケーションパラメタ 

利用業者が規定するアプリケーションパラメタを,次に示すほか附属書Gに示す。 

4.7.1 

シンボル体系及びデータ特性 

アプリケーション仕様書では,次のパラメタを考慮することが望ましい。 

a) 必要に応じて,符号化できるキャラクタセットのサブセットを選択する。 

注記 この規格は,一つのコードセットに制限しないことを推奨する。例えば,シンボルを構築す

るとき,コードセットAだけを用いることは,実質的な効果をもたらさない。しかしながら,

ある用途で有効なデータキャラクタを制限すること,例えば,数字データだけに制限するこ

とは,許容される。 

b) シンボル中のデータキャラクタの数。これは固定・可変のいずれでもよいし,規定された最大数まで

の範囲で可変としてもよい。 

c) (必須のシンボルチェックキャラクタとは別に)データチェックキャラクタを使用するのか。使用す

るのであれば,計算に用いるアルゴリズムも考慮する。標準的な読取装置は,データチェックキャラ

クタを検証せず,単に通常のデータとして伝送する。 

d) 最低限のシンボル品質グレード(測定開口及び規定波長を含む。)が規定されている場合に,最小X

寸法又はX寸法の範囲を規定するかどうか。 

e) 最小バー高さ 

f) 

10Xよりも大きい最小クワイエットゾーン(X寸法が所定の値より小さいシンボルをペン式リーダで

スキャンする場合など,予想されるスキャン条件に必要であるとき)。 

g) FNC4と合わせて用いる拡張キャラクタセット 

h) データ伝送時のシンボル体系識別子の使用(4.8参照) 

4.7.2 

光学的特性 

当該アプリケーションでシンボルの読取りができるようにするには,特定の光学パラメタを指定する必

要がある。アプリケーション規格では,このパラメタを選択し,次の規定を含めなければならない。 

− ピーク応答波長 

− シンボル及び読取装置の適合すべきスペクトル半値幅 

− スキャナの測定開口径 

− バー及びスペースの反射率パラメタ 

− 光学測定の実施条件 

− バーコードシンボル内の欠陥の許容程度 

附属書Gに例を示す。 

14 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 ピーク応答波長(peak response wavelength)は,バーコードシンボルから反射した光信号を感知

するためにスキャナに実装された素子の感度が最大となる波長を意味する。 

4.7.3 

試験仕様 

JIS X 0520に従ってシンボルを測定する場合,アプリケーション仕様では,許容可能な最低限の総合的

なシンボルグレード(最低グレードレベル,必要な測定開口及びピーク応答波長を含む。)を規定すること

が望ましい。 

例 

1.5/10/660 

ここに, 

1.5: 総合シンボル品質グレード 

10: 測定開口径番号(この例では直径0.25 mm) 

660: ピーク応答波長[ナノメータ(nm)] 

注記 測定開口径番号については,JIS X 0520の表1を参照。 

4.8 

伝送データ 

復号されたコード128シンボルから伝送するデータは,データキャラクタのバイト値からなる。アプリ

ケーションで必要な場合,附属書Cで規定するデータキャリア識別子を,このバイト値の前に置く。スタ

ートキャラクタ,ストップキャラクタ,ファンクションキャラクタ,コードセットキャラクタ,シフトキ

ャラクタ及びシンボルチェックキャラクタは,B.4で規定するFNC1を除いて,伝送データに含まない。 

background image

15 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

コード128のその他の特性 

A.1 シンボルチェックキャラクタ 

コード128のシンボルチェックキャラクタは,次の規則に従って計算する。 

a) 表1からシンボルキャラクタ値を得る。 

b) シンボルキャラクタの各位置に重みを与える。スタートキャラクタの重みは1である。左から,スタ

ートキャラクタ直後のシンボルキャラクタから始めて,シンボルチェックキャラクタ(それ自身は含

まない。)までの全てのシンボルキャラクタの重みを,1,2,3,4,…nとする。nは,スタート・ス

トップキャラクタ及びシンボルチェックキャラクタを除く,シンボル内でデータ又は特殊情報を表現

しているシンボルキャラクタの数を示している。 

注記 スタートキャラクタ及びスタートキャラクタ直後のシンボルキャラクタの重みはいずれも

“1”とする。 

c) それぞれのシンボルキャラクタ値にそれぞれがもつ重みを乗じ,積を求める。 

d) ステップc)で得た積の総和を求める。 

e) 積の総和を103で除す。 

f) 

ステップe)の計算で得た剰余が,シンボルチェックキャラクタのシンボルキャラクタ値となる。 

例 データ“AIM1234”のシンボルチェックキャラクタ値を求める場合 

キャラクタ 

スタートB 

コードC 

12 

34 

キャラクタ値[ステップa)] 

104 

33 

41 

45 

99 

12 

34 

重み[ステップb)] 

積[ステップc)] 

104 

33 

82 

135 

396 

60 

204 

積の総和[ステップd)] 

1 014 

103で除す[ステップe)] 

1 014÷103=9 

剰余87 

剰余=シンボルチェックキャラクタ値 

87 

シンボルチェックキャラクタは,最後のデータ又は特殊キャラクタの直後にあり,かつ,ストップキャ

ラクタより前になければならない。 

シンボルチェックキャラクタは,可読表示してはならず,復号器によって伝送してはならない。 

A.2 可読表示 

データキャラクタの可読表示(復号器が伝送するキャラクタと一致することが望ましい。)は,このデー

タキャラクタを符号化しているコード128シンボルと合わせて印刷することが望ましい。スタートキャラ

クタ,ストップキャラクタ及び特殊キャラクタは,印刷してはならない。文字の大きさ及びフォントは,

規定しない。クワイエットゾーンの領域を侵さなければ,シンボルの周囲のどこに印刷してもよい(4.4.2

参照)。 

なお,コード128使用のガイドラインについては,附属書H参照。 

16 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

ファンクションコード1(FNC1)に関する特別な配慮 

B.1 

先頭位置にあるFNC 1−GS1システム用に割当て 

AIM, Inc.とGS1[以前のEAN International及びUniform Code Council (UCC)]との間の取決めに基づき,

コード128シンボルにおいて,スタートキャラクタに続く第1シンボルキャラクタ位置でのFNC1の使用

は,GS1システム専用として割り当てられている。FNC1キャラクタ直後に続くデータの内容は,GS1が

規定するデータ構造に適合しなければならない。GS1は,広い範囲の特定分野でコード128を用いてデー

タを符号化するための,一貫性のある国際アプリケーション規格を開発しており,この国際アプリケーシ

ョン規格は,GS1総合仕様書に全て記述されている。 

GS1本部の住所を,次に示す。 

GS1 

Blue Tower, Avenue Louise 326, bte 10, 

B-1050 BRUSSELS 

Belgium 

GS1 

Princeton Pike Corporate Center 

1009 Lenox Drive, Suite 202 

Lawrenceville, NJ 08648 

USA 

GS1総合仕様書の最新版は,この組織又はその支部である各国加盟組織から入手することができる。 

GS1システム用のシンボルでは,2番目のキャラクタ位置にあるFNC1の使用は,許可されていない。 

B.2 

2番目の位置にあるFNC 1−AIMグローバル用に割当て 

AIMグローバル及び他の組織による取決めに基づき,コード128シンボルにおいて,スタートキャラク

タに続く第2シンボルキャラクタ位置でのFNC1の使用は,特定のアプリケーション(そのシンボルが他

のコード128シンボルと明確に区別すべき必要性が示されている。)に適合しているシンボルを示すために

割り当てられている。第1シンボルキャラクタ位置で用いることのできるキャラクタは,コードセットC

の00〜99並びにA〜Z及びa〜zである。これ以外のキャラクタをシンボルとして表しても無効である。 

アプリケーションの詳細は,AIMグローバルから入手できる。AIMグローバルの住所を,次に示す。 

AIM Global 

125 Warrendale-Bayne Road 

Suite 100 

Warrendale, PA 15086 

USA 

17 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.3 

その他の用途 

FNC1シンボルキャラクタは,シンボルチェックキャラクタとして現れても有効である。 

第3又はそれ以降のキャラクタ位置にあるFNC1は,データ領域セパレータとして用い,ISO/IEC 646 

IRVで規定するキャラクタの29 (GS) として伝送される。 

B.4 

伝送データ 

第1又は第2データ位置にFNC1をもつコード128シンボルを利用するアプリケーションでは,データ

キャリア識別子の伝送の許可を要求しておくことが望ましい。FNC1を第1又は第2データ位置で用いる

場合は,データキャリア識別子の中で変更子値1又は変更子値2を用いることでFNC1の存在が示される

が,伝送メッセージの中で表現してはならない。 

FNC1を第2データ位置で用いる場合,FNC1の直前及びそれ以降にあるシンボルキャラクタは,FNC1

キャラクタが存在していないときのように伝送される。 

第3又はそれ以降のキャラクタ位置にあるFNC1は,キャラクタGS(ISO/IEC 646 IRVで規定するキャ

ラクタの29)として伝送される。 

background image

18 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(規定) 

シンボル体系識別子 

復号器によっては,復号されるデータメッセージにプリアンブルとして,シンボル体系識別子を付加す

るようプログラミングされる場合もある。JIS X 0530でコード128には,次のシンボル体系識別子が割り

当てられている。 

]Cm 

ここに, 

]: ISO/IEC 646 IRVで規定するキャラクタの93 

C: コード128シンボル体系に付与されているコードキャラクタ 

m: 表C.1に記載されているいずれかの値をもつ変更子 

表C.1−コード128で用いられる変更子の値 

オプション 

標準データパケット,スタートキャラクタに続く第1又は第2シンボルキャラクタ位置にフ
ァンクションコード1なし。 

GS1-128(UCC/EAN-128としても知られる)データパケット。スタートキャラクタに続く第
1シンボルキャラクタ位置にファンクションコード1あり。 

スタートキャラクタに続く第2シンボルキャラクタ位置にファンクションコード1あり。 

ISBT (International Society for Blood transfusion)-128仕様書に従って連結,連結データが続く。 

この情報は,バーコードシンボルに符号化してはならない。また,この情報は,復号器が復号後に生成

し,データメッセージのプリアンブルとして伝送することが望ましい。 

19 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D 
(参考) 

シンボルキャラクタ値とISO/IEC 646 IRVで規定するキャラクタとの関係 

シンボルキャラクタ値(S)をISO/IEC 646 IRVで規定するキャラクタ値(十進数)に変換する(又は

その逆)ときに,コードセットA及びコードセットBに,次の関係を適用することができる。 

コードセットA 

S≦63の場合 

ISO/IEC 646 IRVの値=S+32 

64≦S≦95の場合 

ISO/IEC 646 IRVの値=S−64 

コードセットB 

S≦95の場合 

ISO/IEC 646 IRVの値=S+32 

結果として得た値を,表1に示す。 

注記 4.3.4.2 d)にあるように,FNC4キャラクタがあると,これに続く一つ又は複数のデータキャラ

クタのISO/IEC 646 IRVの値が上記の規則に従って導き出され,この値に128が加算される。 

20 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書E 

(参考) 

シンボル幅を最小とするスタートキャラクタ, 

コードセットキャラクタ及びシフトキャラクタの使い方 

同じデータであっても,スタートキャラクタ,コードセットキャラクタ及びシフトキャラクタの組合せ

を変えれば,様々なコード128シンボルで表現することができる。 

与えられたデータ文字列を表現するために必要なシンボルキャラクタ数(したがって,シンボル全体の

幅にも通じる。)を最小に抑える規則は,プリンタの制御ソフトウェアで標準的に実現されているのが望ま

しい。 

a) スタートキャラクタの決定 

1) データが2桁からなる場合は,スタートキャラクタCを用いる。 

2) データが4個以上の数字データキャラクタから始まっている場合は,スタートキャラクタCを用い

る。 

3) 下段キャラクタの前に制御文字(例 NUL)がある場合は,スタートキャラクタAを用いる。 

4) 上記以外の場合は,スタートキャラクタBを用いる。 

b) スタートキャラクタCが用いられており,データが奇数個の数字データキャラクタで始まっている場

合は,上記のa) 3)及びa) 4)の規則に従ってコードセットA又はコードセットBを選んだ上で,最終

桁の前にコードセットAキャラクタ又はコードセットBキャラクタを挿入する。 

c) コードセットA又はコードセットBであるときに,4個以上の数字データキャラクタが現れる場合 

1) 偶数個の数字データキャラクタがある場合は,1桁目の数字の前にコードセットCキャラクタを挿

入して,コードセットCに変更する。 

2) 奇数個の数字データキャラクタがある場合は,1桁目の数字の直後にコードセットCキャラクタを

挿入して,コードセットCに変更する。 

d) コードセットBであるときに,制御文字がデータに現れる場合 

1) この制御文字から別の制御文字が現れるまでの間に,データ内で下段キャラクタが現れる場合は,

制御文字の前にシフトキャラクタを挿入する。 

2) 上記以外の場合は,制御文字の前にコードセットAキャラクタを挿入して,コードセットAに変更

する。 

e) コードセットAであるときに,下段キャラクタがデータに現れる場合 

1) この下段キャラクタから別の下段キャラクタが現れるまでの間に,データ内で制御文字が現れる場

合は,下段キャラクタの前にシフトキャラクタを挿入する。 

2) 上記以外の場合は,下段キャラクタの前にコードセットBキャラクタを挿入して,コードセットB

に変更する。 

f) 

コードセットCであるときに,数字以外のキャラクタがデータに現れる場合は,a) 3)及びa) 4)の規則

に従ってコードセットA又はコードセットBを選んだ上で,問題のキャラクタの前にコードセットA

キャラクタ又はコードセットBキャラクタを挿入する。 

注記1 この規則中に見られる“下段”という用語は,厳密にはコード128のキャラクタ値が64〜95

21 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(ISO/IEC 646 IRVの値96〜127),すなわち,全ての下段キャラクタか ̀{|}〜DELのいずれ

かであるコードセットBキャラクタを意味するものとして便宜的に用いたものである。“制

御文字”という場合は,コード128のキャラクタ値が64〜95(ISO/IEC 646 IRVの値00〜31)

であるコードセットAキャラクタを意味している。 

注記2 スタートキャラクタに続く最初の位置,又は数字フィールドの奇数番目の位置にFNC1が現

れた場合は,適切なコードセットを決定できるように,これを2桁で扱うとよい。 

注記3 データにISO/IEC 646 IRVの値が127を超えるキャラクタが含まれている場合は,その値か

ら128を減じて,コードセットA又はコードセットBのうち適切な方を選び,次の規則を適

用する。そのようなキャラクタが1〜4個連続して現れる場合(データ文字列の最後に1個又

は2個ある場合)は,それぞれの前にFNC4キャラクタを置くのが最も効率的である。その

ようなキャラクタが5個以上である場合(データ文字列の最後に3個ある場合)には,2個

連続のFNC4キャラクタを用いて拡張ISO/IEC 646 IRVモードにラッチをかけたほうが効率

的である。 

background image

22 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書F 

(参考) 

ISO/IEC 8859-1(ラテン系アルファベットNo.1) 

キャラクタセット 

次の表F.1は,このキャラクタセットの後半部分にあるキャラクタが,160〜255のバイト値にどのよう

に割り付けられているのかを示している。128〜159の値には,グラフィック表示が割り当てられていない。

割付けは,JIS X 0221の基本多言語面の00行(十進数),セル位置160〜255の割付けに等しい。 

この規格の4.3.4.2 d)に従うと,これらのキャラクタは,次の関係に基づき,FNC4キャラクタを用いて

コード128で表現することができる。 

128)

(−

D

C=

ここに, 

C: シンボルキャラクタのISO/IEC 646 IRVで規定する値 

D: 表F.1に基づくデータキャラクタの値 

上記で得たCの値は32〜127の範囲にあり,コードセットBのキャラクタコードセットに相当するため,

コードセットBに適用する場合,次の関係も成り立つ。 

160)

(−

D

S=

ここに, 

S: 表1に基づくシンボルキャラクタ値(コードセットB) 

D: 表F.1に基づくデータキャラクタの値 

表F.1−ISO/IEC 8859-1キャラクタセットの後半部分 

160 

NBSP 

161 

¡ 

162 

¢ 

163 

£ 

164 

¤ 

165 

¥ 

166 

¦ 

167 

§ 

168 

¨ 

169 

© 

170 

ª 

171 

« 

172 

¬ 

173 

SHY 

174 

® 

175 

̅ 

176 

° 

177 

± 

178 

² 

179 

³ 

180 

´ 

181 

µ 

182 

¶ 

183 

· 

184 

¸ 

185 

¹ 

186 

º 

187 

» 

188 

¼ 

189 

½ 

190 

¾ 

191 

¿ 

192 

À 

193 

Á 

194 

 

195 

à

196 

Ä 

197 

Å 

198 

Æ 

199 

Ç 

200 

È 

201 

É 

202 

Ê 

203 

Ë 

204 

Ì 

205 

Í 

206 

Π

207 

Ï 

208 

Р

209 

Ñ 

210 

Ò 

211 

Ó 

212 

Ô 

213 

Õ 

214 

Ö 

215 

× 

216 

Ø 

217 

Ù 

218 

Ú 

219 

Û 

220 

Ü 

221 

Ý 

222 

Þ 

223 

ß 

224 

à 

225 

á 

226 

â 

227 

ã 

228 

ä 

229 

å 

230 

æ 

231 

ç 

232 

è 

233 

é 

234 

ê 

235 

ë 

236 

ì 

237 

í 

238 

î 

239 

ï 

240 

ð 

241 

ñ 

242 

ò 

243 

ó 

244 

ô 

245 

õ 

246 

ö 

247 

÷ 

248 

ø 

249 

ù 

250 

ú 

251 

û 

252 

ü 

253 

ý 

254 

þ 

255 

ÿ 

注記 NBSP=No-break space(非分割空白) SHY=Soft hyphen(ソフトハイフン) 

23 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書G 
(参考) 

利用業者規定のアプリケーションパラメタ 

G.1 

品質等級 

アプリケーション標準では,JIS X 0520に適合する最低限の品質等級を指定しておくのが望ましい。 

JIS X 0520を参照することで,総合的な等級に関連付けられたシンボルパラメタ測定値の最小値を決定

することができる。 

G.2 

寸法特性 

利用業者向けの手引きとして,アプリケーション仕様書では,一般的なアプリケーション要件と,それ

に対応するシンボル生成装置及び読取装置の入手可能性とに配慮した上で,X寸法の値又はその範囲を推

奨することが望ましい。ただし,このようなアプリケーション仕様書においては,最小X寸法に適合して

いないという理由だけで,シンボルを不合格としないほうがよい。 

手動で読み取る場合には,最小バー高さ(Y寸法)を,5 mm又はシンボル長の15 %のうち大きい方と

することを推奨する。 

コード128シンボルの幅W(最小クワイエットゾーンを含む。)は,次の式から計算してもよい。 

X

D

C

X

W

22

2

11

+

+

=

ここに, 

W: シンボルの幅 

X: 細エレメントの幅 

C: スタートキャラクタ,特殊キャラクタ,シンボルチェックキ

ャラクタ及びストップキャラクタの数とデータキャラクタの
数(Dに含まれるデータキャラクタの数を除く。)との和 

D: 倍密度(コードセットC)で符号化されている数字データキャ

ラクタの数 

24 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書H 
(参考) 

コード128使用のためのガイドライン 

H.1 自動識別の適合性 

コード128は,他のシンボル体系からコード128を識別するように設計され,適正にプログラミングさ

れているバーコード復号器を使って読み取ることができる。 

読取りの正確さを最大限とするためには,復号器で復号することのできるシンボル体系を,アプリケー

ションに必要なものだけに限定しておくとよい。 

H.2 システムに関する考察 

バーコードシステムの各種構成要素(プリンタ,ラベル及びリーダ)が一体的なシステムとして機能す

ることが重要である。いずれかの構成要素の不具合又は構成要素間の不整合が,システム全体の性能を低

下させることがある。要求性能を達成するためには,プリンタ,シンボル及びリーダ間の整合性が確立し

ていることが望ましい。 

H.3 印刷に関する考察 

ここでは,画素ベースプリンタ(ドットプリンタなど)でコード128を印刷するときの注意点について

説明するが,他のシンボル体系全てに適用できる。 

H.3.1 ピクセルデータに基づく印刷 

画素ベースプリンタでバーコードを生成するのに用いる画像ソフトウェアは,各バー及び各スペースを

使用するプリンタの画素ピッチに合わせて,正確に縮小又は拡大しなければならない。コード128のよう

にエッジから類似エッジで復号できるシンボル体系では,各シンボルキャラクタを構成するピクセルの数

が,そのシンボルキャラクタにあるモジュール数を一定の割合で整数倍したものとなっていなければなら

ない。コード128のモジュール数は,シンボルキャラクタ値が0〜105のものが11,ストップキャラクタ

が13となっている。したがって,画素ベースプリンタでは,特定のX寸法の組合せのシンボルだけを印

刷することができる。 

均一なバー幅の太り(又は細り)の補正は,シンボル内の全てのバー及びスペースで行い,各部での補

正量は同じでなければならない。これは,シンボルのバーとスペースとのペアごとに同じ規則で,明から

暗又は暗から明の箇所で,及びシンボルの最後のバーで,ピクセル数を整数単位で変えることによって達

成してもよい。例として,プリンタの解像度が補正を行うのに十分であるという条件で,シンボルの全て

の同じ側のエッジに沿った全画素を,暗から明に変更することもできる。また,シンボルの全てのバーの

両側のエッジに沿った全画素を,暗から明に変更することもできる。ただし,暗から明へ又は明から暗へ

の画素の変換が可能なのは,補正がシンボル全体に一様に施されていて,かつ,シンボル全体のキャラク

タ幅が変わらないことが前提となる。この原則が守られないと,シンボル品質が低下するばかりか,シン

ボルが読取り不能になってしまうこともある。 

様々なプリンタで利用できるように設計された,汎用印刷ソフトウェアは,利用業者に,X寸法及びバ

ー幅の太り(又は細り)を調整する機能を提供することが望ましい。 

background image

25 

X 0504:2014 (ISO/IEC 15417:2007) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

プログラム作成者のための例 

これらの原則は,デジタルバーコード設計ファイルに対する規則として次のように要約できる。 

a) 希望の倍率又はX寸法は,最も近い整数まで切り捨てた画素数に変換する。 

b) 均一なバー幅の太りに対する望ましい補正に相当する画素数を求め,次に大きい整数に切り上げる。 

c) 上記の結果を適用し,シンボルの全てのバー及びスペースについて画素数を決定する。 

例 1 mm当たり24ドットをもつ印刷機器及びデジタルバーコード設計ファイルを用いて,X寸法が

0.27 mmで,かつ,X寸法が0.06 mm縮小するシンボルを作成する。 

− モジュール幅は,24ドット/mm×0.27 mm=6.5画素になる。これを切り捨てて,1モジュー

ルにつき6画素とする。 

− バー幅の太りの補正は,0.06 mm×24画素/mm=1.4画素になる。これを切り上げて2画素と

する。 

上記手順の結果,バー及びスペースの画素数は,表H.1に示す値となる。 

表H.1−画像密度及びバー幅縮小のための画素数補正 

モジュール数 

画素数 

バー 

スペース 

10 

14 

16 

20 

22 

26 

H.3.2 画素ベース印刷ソフトウェアの利用業者向けガイドライン 

バーコード印刷ソフトウェア及びプリンタで構成された印刷システムで最初にシンボルを印刷する場合,

使用者は,JIS X 0520に基づいて,印刷したシンボルが必要なシンボル品質グレード及びX寸法を満足す

るかどうかを検証することが望ましい。印刷したシンボルが必要なシンボル品質グレードに達していない

場合は,X寸法を拡大するか又はバー幅の太り若しくは細りを変える必要がある。X寸法を拡大する場合

は,最小クワイエットゾーンが保たれていることを確認するのがよい。必要なシンボル品質グレードにな

るまでこの処理を繰り返す必要がある。X寸法が小さいと,印刷システムによっては読取り可能なシンボ

ルを作成できないこともある。 

H.3.3 プロセス制御について 

プロセス制御のためには,平均のバー幅の太り(又は細り)の評価をし,太り(又は細り)の適切な低

減処置を施すことが望ましい。JIS X 0520を基に測定された復号容易度パラメタが,規則性のあるバー幅

の太り(又は細り)及びエッジから類似エッジ測定の変動の影響を受けるからである。 

参考文献 JIS X 0221 国際符号化文字集合(UCS) 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 10646,Information technology−Universal Coded Character Set

(UCS)(IDT)