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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 0025-1994 

情報処理用語 

−ローカルエリアネットワーク 

Glossary of terms used in information processing  

−Local area networks 

1. 適用範囲 この規格は,情報処理におけるローカルエリアネットワークに関する主な用語,定義及び

対応英語について規定する。 

備考1. 対応国際規格を,次に示す。 

ISO/IEC 2382-25 : 1992  Information technology−Vocabulary−Part 25 : Local area networks 

2. この規格は,1992年4月に発行されたISO/IEC 2382-25 (Information technology−Vocabular−

Part 25 : Local area networks) を翻訳し,その技術的内容を変更することなく作成した日本工

業規格である。 

なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

2. 分類 用語は,次のとおり分類する。 

(1) 一般用語(25.01参照) 

(2) キャリア検知多重アクセス(25.02参照) 

(3) トークンバス(25.03参照) 

(4) 環状ネットワーク(25.04参照) 

(5) プロトコル及びアーキテクチャ(25.05参照) 

3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ

れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。 

(1) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2

けたを示す。 

次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番号を示す。 

(2) 用語 

(2.1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。 

(2.2) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。 

例 “スロット時間(CSMA/CDネットワークにおける)”(25.02.11参照) 

(2.3) 用法を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。 

例 “LAN(省略形)”(25.01.01参照) 

(3) 定義 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されていることを示

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

す。 

(4) 対応英語 

(4.1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。 

(4.2) 丸括弧 ( ) の使い方については,(2)と同様とする。 

25. ローカルエリアネットワーク 

25.01 一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.01.01  ローカルエリアネ

ットワーク, 
LAN(省略形) 

利用者の構内に設置され,地理的に限られた範囲内の計算機
ネットワーク。 

備考 ローカルエリアネットワーク内での通信は,外部

の規定に準拠する必要はない。しかし,ネットワ
ークをまたがる通信は,外部の規定に準拠しなけ
ればならないこともある。 

local area network, 
LAN(省略形) 

25.01.02  ベースバンドLAN 

符号化されたデータが搬送波で変調されずに伝送されるロー
カルエリアネットワーク。 

baseband LAN 

25.01.03  ブロードバンド

LAN 

符号化されたデータが搬送波で変調・多重化されて伝送され
るローカルエリアネットワーク。複数の通信路から構成され
る。 

broadband LAN 

25.01.04  LAN一斉同報, 

LANブロードキャ
スト 

同じローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステー
ションによって受信されることを意図したフレームの送信。 

LAN broadcast 

25.01.05  LANグループ同報, 

LANマルチキャス
ト 

同じローカルエリアネットワーク上のある選ばれた一群のデ
ータステーションによって受信されることを意図したフレー
ムの送信。 

LAN multicast 

25.01.06  トークン 

ローカルエリアネットワークにおいて,伝送媒体を一時的に
使用する権利を表すことに用いられる特別のビット群。 
あるデータステーションから別のデータステーションに順次
渡される。 

備考 すべての情報は,フレームによって運ばれる。フ

レームには,トークンだけのもの,利用者データ
だけのものなどがある。 

token 

25.01.07  トークンパッシング

プロトコル, 
トークンパッシング
手順 

トークンを使用するローカルエリアネットワークにおいて,
データステーションのトークンの獲得方法,使用方法及び転
送方法を決定する規則の集合。 

token passing protocol, 
token passing procedure 

25.01.08  キャリア検知 

ローカルエリアネットワークにおいて,他のデータステーシ
ョンが伝送中か否かを検出するために,データステーション
が行う動作。 

参考 搬送波検知ということもあるが,ここでいう搬送

波は,ベースバンドとブロードバンドとを区別す
るための搬送波の意味とは異なる。 

carrier sense 

25.01.09  バスネットワーク 

任意の二つのデータステーション間に唯一のパスしかなく,
任意のデータステーションから伝送されたデータが,同じ伝
送媒体に接続されている他のすべてのデータステーションで
利用可能なローカルエリアネットワーク。 

備考 バスネットワークは,線状ネットワーク,星状ネ

ットワーク又は木状ネットワークの形態をとるこ
とができる。 

bus network 

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番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.01.10  リピータ, 

中継器 

ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション
間の伝送範囲の拡張又は二つの枝間の相互接続を行うため
に,信号の増幅及び再生を行う機器(図1参照)。 

repeater 

25.01.11 

LANサーバ 

ローカルエリアネットワーク上の他のデータステーション
に,特定のサービスを提供するデータステーション。 

例 ファイルサーバ,プリントサーバ,メールサーバ 

LAN server 

25.01.12  ブリッジ 

同じ論理リンク制御プロトコルを使用する二つのローカルエ
リアネットワークを相互接続する機能単位。それぞれのロー
カルエリアネットワークが異なる媒体アクセス制御プロトコ
ルを使用していてもよい(図1参照)。 

bridge 

25.01.13  LANゲートウェイ 

ローカルエリアネットワークとそれと異なるプロトコルを使
用しているネットワークとを接続する機能単位(図1参照)。 

備考 接続されるネットワークには,他のローカルエリ

アネットワーク,公衆データ網などが考えられる。 

LAN gateway 

25.01.14  LAN個別アドレス 

ローカルエリアネットワーク上の特定のデータステーション
を識別するアドレス。 

LAN individual address 

25.01.15  LANグループアド

レス 

ローカルエリアネットワーク上の一群のデータステーション
を識別するアドレス。 

LAN group address 

25.01.16  LANグループ同報

アドレス, 
LANマルチキャス
トアドレス 

ローカルエリアネットワーク上のデータステーションの部分
集合を識別するLANグループアドレス。 

LAN multicast address 

25.01.17  LAN一斉同報アド

レス, 
LANブロードキャ
ストアドレス 

ローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステーショ
ンの集合を識別するLANグループアドレス。 

LAN broadcast address, 
LAN global address 

25.01.18  アドレス管理 

ローカルエリアネットワークのアドレスを管理し,一意にな
るように割り当てること。アドレス管理には,局所アドレス
管理及び全域アドレス管理がある。 

address administration 

25.01.19  局所アドレス管理 

同じローカルエリアネットワーク内で,すべてのLAN個別ア
ドレスを一意になるように割り当てるアドレス管理。 

local address 

administration 

25.01.20  全域アドレス管理 

同じローカルエリアネットワーク内だけでなく,異なるロー
カルエリアネットワークとの間でも,すべてのLAN個別アド
レスを一意になるように割り当てるアドレス管理。 

universal address 

administration, 

global address 

administration 

25.01.21 

くう空アドレス 

いずれのデータステーションにも関連しない,フレーム中の
アドレス。 

備考 空アドレスは,保守のために使用できる。 

null address 

25.01.22  媒体アクセス制御, 

MAC(省略形) 

伝送媒体を一時的に制御下に置くデータステーションを決定
するために使用する技法。 

medium access control, 
MAC(省略形) 

25.01.23  幹線ケーブル 

データステーション間の通信を可能にするために幹線結合器
を接続するケーブル(図2参照)。 

trunk cable 

25.01.24  幹線結合器, 

幹線接続器, 
TCU(省略形) 

ドロップケーブルを介してデータステーションを幹線ケーブ
ルに接続する物理装置(図2参照)。 

備考 幹線結合器は,データステーションをネットワー

クに挿入したり,バイパスさせたりする手段とし
て使用する。 

trunk coupling unit, 
trunk connecting unit, 
TCU(省略形) 

25.01.25  引込みケーブル 

データステーションと幹線結合器との接続に使用するケーブ
ル(図2参照)。 

drop cable 

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番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.01.26  放棄シーケンス 

フレームの送信を早期に終結させるための特定のビットパタ
ーン。ビット列の任意の場所で使用してよい。 

abort sequence 

25.01.27  媒体インタフェース

コネクタ, 
MIC(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション
と,幹線結合器,幹線ケーブル及び引込みケーブルとを接続
するために使用するコネクタ(図2参照)。 

medium interface 

connector, 

MIC(省略形) 

25.01.28  媒体接続機構,  

MAU(省略形) 

ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
て,データ端末装置と伝送媒体とを結合するために使用する
機器(図2及び図3参照)。 

medium attachment unit, 
MAU(省略形) 

25.01.29  媒体依存インタフェ

ース, 
MDI(省略形) 

ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
て,伝送媒体と媒体接続機構とを接続する機械的及び電気的
なインタフェース(図2及び図3参照)。 

medium dependent 

interface, 

MDI(省略形) 

25.01.30  接続機構インタフェ

ース, 
AUI(省略形) 

ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
て,媒体接続機構とデータ端末装置とを接続するインタフェ
ース(図2及び図3参照)。 

attachment unit interface, 
AUI(省略形) 

25.02 キャリア検知多重アクセス 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.02.01  キャリア検知多重ア

クセス衝突検出ネッ
トワーク, 
CSMA/CDネットワ
ーク(省略形) 

媒体アクセス制御プロトコルがキャリア検知を行うとともに,
衝突によって発生した例外状態を,再伝送によって解消するバ
スネットワーク。 

carrier sense multiple 

access with collision 
detection network, 

CSMA/CD network(省略

形) 

25.02.02  キャリア検知多重ア

クセス衝突回避ネッ
トワーク, 
CSMA/CAネットワ
ーク(省略形) 

媒体アクセス制御プロトコルがキャリア検知を行うとともに,
データステーションが伝送を開始する前に,必ずジャム信号を
送信するバスネットワーク。ジャム信号送出中に,他のデータ
ステーションからの信号との衝突がないときは,データ送信を
開始し,衝突が生じたときは,伝送を中止して,時間をおいて
再伝送を試みる。 

carrier sense multiple 

access with collision 
avoidance network, 

CSMA/CA network(省略

形) 

25.02.03  コンテンション(ロ

ーカルエリアネット
ワークにおける) 

ローカルエリアネットワークにおいて,媒体アクセス制御プロ
トコルが2台以上のデータステーションの同時伝送を許容し,
そのために衝突の発生する可能性がある状態。 

contention 

25.02.04  衝突 

伝送媒体上で,2台以上のデータステーションが同時に伝送す
ることによって生じる状態。 

collision 

25.02.05  ジャム信号 

あるデータステーションが,他のすべてのデータステーション
に,伝送を行ってはならないことを通知するために送出する信
号。 

備考1. CSMA/CDネットワークの場合,ジャム信号は,

衝突が発生したことを示す。 

2. CSMA/CAネットワークの場合,ジャム信号は,

そのデータステーションが伝送を開始しようと
していることを示す。 

jam signal 

25.02.06  強制衝突 

CSMA/CDネットワークにおいて,あるデータステーションが
衝突を検出したときに,ジャム信号を送出すること。これによ
って,他のすべてのデータステーションに,衝突の発生を確実
に認識させる。 

collision enforcement 

25.02.07  べき乗打切り待機

法, 
再送時間算出法 

CSMA/CDネットワークにおいて,衝突が発生したときに,再
伝送の契機を決定するアルゴリズム。再伝送までの時間は,ス
ロット時間及び再伝送回数から算出する。 

truncated binary 

exponential backoff 

25.02.08  超過送信, 

ジャバ 

プロトコルで許容された時間間隔を超えるデータステーション
による伝送。 

jabber 

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番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.02.09  超過送信制御, 

ジャバ制御 

ローカルエリアネットワークにおいて,媒体接続機構が異常に
長いデータ列を出力することを防ぐために,自動的に伝送を中
断する機能。 

jabber control 

25.02.10  遅延処理 

伝送媒体が使用中のときに,衝突が発生するのを防止するため,
データステーションが後続の伝送を遅らせる処理。 

deference 

25.02.11 

スロット時間 
(CSMA/CDネット
ワークにおける) 

衝突が発生した場合に,データステーションが次の再伝送を許
されるまでの遅延時間を決定するために使用される単位時間。
実装に依存する。 

slot time (in a CSMA/CD 

network) 

25.02.12  往復伝搬時間 

バスネットワーク上の最も遠い2台のデータステーション間を
ビットが往復伝搬するのに必要な時間。 

備考 キャリア検知を使用したネットワークにおい

て,各フレームの長さは,伝送を行っているデ
ータステーションがその伝送中に衝突又はジ
ャム信号を検出できる程度に,十分に長くなけ
ればならない。したがって,フレームの最小の
長さは,往復伝搬時間によって決定される。 

round-trip propagation 

time 

25.03 トークンバス 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.03.01  トークンバスネット

ワーク 

トークンパッシングプロトコルを使用するバスネットワーク。 token-bus network 

25.03.02  ヘッドエンド 

ブロードバンドLANにおいて,各データステーションから信
号を受信し,すべてのデータステーションにその信号を再送す
る機器。 

備考 再送は,搬送波周波数の変更を必要とすることもあ

る。 

headend 

25.03.03  順方向LANチャネル ブロードバンドLANにおいて,ヘッドエンドからデータステ

ーションへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。 

forward LAN channel 

25.03.04  逆方向LANチャネル ブロードバンドLANにおいて,データステーションからヘッ

ドエンドへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。 

backward LAN channel 

25.03.05  ダウンリンク 

トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおい
て,データ送信時にデータステーションからの送信を受信した
ヘッドエンドが,その伝送路に接続するすべてのデータステー
ションに対してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。 

downlink 

25.03.06  アップリンク 

トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおい
て,データ送信時にデータステーションからヘッドエンドに対
してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。 

uplink 

25.03.07  単一ケーブルブロー

ドバンドLAN 

順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,1本のケー
ブルを共用するブロードバンドLAN。 

single-cable broadband 

LAN 

25.03.08  二重ケーブルブロー

ドバンドLAN 

順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,それぞれ
別々のケーブルを使用するブロードバンドLAN。 

dual-cable broadband LAN 

25.03.09  論理リング 

トークンバスネットワークにおけるデータステーション間のト
ークンの受渡し順序を論理的に表したもの。環状ネットワーク
におけるトークンの受渡しを模擬したものである(図4参照)。 

logical ring 

25.03.10  雑音バースト信号 

トークンバスネットワーク又はトークンリングネットワークに
おいて,有効なフレームでは発生しない信号波形が,伝送媒体
上にあることを示す信号。 

noise burst signal 

25.03.11 

バス未使用信号 

トークンバスネットワークにおいて,伝送媒体が使用されてい
ないことを示す信号。 

bus-quiet signal 

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番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.03.12  制御フレーム 

層又は副層が,他のシステムの同じ層又は副層のエンティティ
に対して送信するが,上位の層又は副層には受け渡さないフレ
ーム。 

例 媒体アクセス制御フレーム 

control frame 

25.03.13  応答時間ウインド

ウ, 
応答ウインドウ 

トークンバスネットワークにおいて制御される時間の間隔。媒
体アクセス制御フレームを送信したデータステーションが,そ
れに対する応答を待つ時間。1スロット時間に等しい。 

response time window, 
response window 

25.03.14  伝送経路遅延, 

単一方向伝搬時間 

バスネットワーク上の最も遠い2台のデータステーション間を
ビットが伝搬するのに必要な時間。 

transmission path delay, 
one-way propagation time 

25.03.15  スロット時間(トー

クンバスネットワー
クにおける) 

データステーションが,他のデータステーションからの応答を
待たなければならない最大時間。 

slot time (in a token-bus 

network) 

25.04 環状ネットワーク 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.04.01  トークンリングネッ

トワーク 

トークンパッシングプロトコルを使用して,データステーショ
ン間の単一方向のデータ伝送を実現する環状ネットワーク。伝
送されたデータは,送信元のデータステーションに戻る。 

token-ring network 

25.04.02  スロット形リングネ

ットワーク 

一つの伝送媒体上の伝送路にあらかじめ定義されたスロットの
中にデータを設定することによって,データステーション間の
単一方向のデータ伝送を実現する環状ネットワーク。伝送され
たデータは,送信元のデータステーションに戻る。 

slotted-ring network 

25.04.03  リング遅延 

環状ネットワークにおいて,信号がリングを一周するために必
要となる時間。 

備考 リング遅延は,ドロップケーブルを含む伝送媒体中

の信号伝搬遅延と,トークンリングネットワークに
接続されたデータステーションそれぞれでの伝搬
遅延の合計とを加えた時間である。データ伝送速度
とも関連がある。 

ring latency 

25.04.04  スター形配線リング

ネットワーク 

数台のデータステーションを幹線結合器によって1か所で相互
に接続するという方法で配線された,単一方向の伝送を行う環
状ネットワーク。 

備考 データステーションの挿入・除去は,ネットワーク

の運用を中断することなく実施できる。 

参考 物理的にはスター形配線で論理的にはリング

であるネットワーク。 

star/ring network 

25.04.05  ビーコンステーショ

ン 

環状ネットワーク上で,下流のデータステーションに対して重
大な故障を報告するデータステーション。 

beaconing station 

25.04.06  アクセス制御フィー

ルド 

トークンか否かの別,トークンを使用できるデータステーショ
ン,フレームの有効性及びデータステーションによる次のトー
クンの予約を示すビットパターン。 

access control field 

25.04.07  フィル 

トークンリングネットワークにおいて,伝送中のデータステー
ションがフレーム,トークン又は放棄シーケンスの前後に送信
する特定のビットパターン。このビットパターンがない場合,
送信側の状態が非活動状態又は不確定な状態であると判断され
る。 

fill 

25.04.08  隣接局通知 

トークンリングネットワークにおいて,各データステーション
が上流の活動状態にあるデータステーションを識別する手順。
この手順で得た識別情報によって,すべてのデータステーショ
ンは,故障が発生した場合に,その発生箇所を限定することが
できる。 

neighbor notification 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.04.09  フレーム除去 

リングをフレームが一周した後,送信元のデータステーション
が,ネットワークからフレームを取り除く処理。 

stripping 

25.05 プロトコル及びアーキテクチャ 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

25.05.01  論理リンク制御プロ

トコル, 
LLCプロトコル(省
略形) 

ローカルエリアネットワークにおいて,接続されている伝送媒
体とのアクセスの手段と独立に,データステーション間のフレ
ーム交換の手段を定めるプロトコル。 

logical link control 

protocol, 

LLC protocol(省略形) 

25.05.02  媒体アクセス制御プ

ロトコル, 
MACプロトコル
(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション間
のデータ交換を可能にするため,接続されている伝送媒体との
アクセスの手段を,ネットワークの構成形態を考慮して定める
プロトコル。 

medium access control 

protocol, 

MAC protocol(省略形) 

25.05.03  論理リンク制御副

層, 
LLC副層(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおける,データリンク層の一部
分。媒体に依存しないデータリンク機能を提供する(図3参照)。 

備考 論理リンク制御副層は,ネットワーク層にサービス

を提供するために,媒体アクセス制御副層のサービ
スを使用する。 

logical link control 

sublayer, 

LLC sublayer(省略形) 

25.05.04  媒体アクセス制御副

層, 
MAC副層(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおける,データリンク層の一部
分。媒体アクセス制御を適用し,構成形態に依存する機能を提
供する(図3参照)。 

備考 媒体アクセス制御副層は,論理リンク制御副層にサ

ービスを提供するために,物理層のサービスを使用
する。 

medium access control 

sublayer, 

MAC sublayer(省略形) 

25.05.05  物理信号制御副層, 

PLS副層(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおける,物理層の一部分。媒体
アクセス制御副層と接し,ビット記号の符号化及び送信,ビッ
ト記号の受信及び復号,並びに物理媒体の切放しを行う(図3
参照)。 

physical signaling 

sublayer, 

PLS sublayer(省略形) 

25.05.06  物理媒体接続副層, 

PMA副層(省略形) 

ローカルエリアネットワークにおける,物理層の一部分。媒体
接続機構の機能を有する回路によって実現される(図3参照)。 

physical medium 

attachment sublayer, 

PMA sublayer(省略形) 

25.05.07  論理リンク制御第1

種動作, 
第1種動作LLC(省
略形) 

論理リンク制御副層における,受信完了通知を行わないコネク
ションレス型伝送。 

logical link control type 1, 
LLC type 1(省略形) 

25.05.08  論理リンク制御第2

種動作, 
第2種動作LLC(省
略形) 

論理リンク制御副層における,コネクション型伝送。 

logical link control type 2, 
LLC type 2(省略形) 

25.05.09  論理リンク制御第3

種動作, 
第3種動作LLC(省
略形) 

論理リンク制御副層における,受信完了通知を行うコネクショ
ンレス型伝送。 

logical link control type 3, 
LLC type 3(省略形) 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 ローカルエリアネットワークの相互接続の例 

備考1. LAN1,LAN2及びLAN3は,ローカルエリアネットワークを表す。 

2. LAN1及びLAN2は,同じ論理リンク制御プロトコルを使用する。 
3. LAN2及びLAN3は,異なる論理リンク制御プロトコルを使用する。 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 幹線ケーブル上のデータステーションの相互接続 

備考 略号は,次のとおりとする。 

装置: 

DTE 

:データ端末装置 

MAU :媒体接続機構 
MIC 

:媒体インタフェースコネクタ 

TCU 

::幹線結合器 

インタフェース: 

AUI 

:接続機構インタフェース 

MDI 

:媒体依存インタフェース 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 ローカルエリアネットワークの層及び副層 

備考 略号は,次のとおりとする。 

副層: 

LLC 

:論理リンク制御 

MAC :媒体アクセス制御 
PLS 

:物理信号制御 

PMA  :物理媒体アタッチメント 

装置: 

DTE 

:データ端末装置 

MAU :媒体接続機構 

インタフェース: 

AUI 

:接続機構インタフェース 

MDI 

:媒体依存インタフェース 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図4 物理バス上の論理リング 

備考1. 実線は物理バスを表し,破線は論理リングを表す。 

2. データステーションE及びFは,フレームを受信できるが,送信すること

はできない。なぜなら,データステーションE及びFは,トークンを受信
することがないからである。 

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X 0025-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

情報処理用語−ローカルエリアネットワークJIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

菊 池 英 夫 

日本電信電話株式会社ネットワークシス

テム開発センタ 

右 近 仁 嗣 

株式会社日立製作所情報事業部ネットワ

ーク技術本部 

岡 村 耕 二 

三菱電機株式会社情報電子研究所 

佐 藤 昭 廣 

日本ユニシス株式会社システムプロダク

ト本部 

沢 田 寛 治 

沖電気工業株式会社情報通信システム事

業本部 

匠   健 太 

日本電気株式会社C&Cネットワークシス

テム技術本部 

田 中 秀 明 

株式会社東芝システム支援部 

月 見 敏 樹 

日本電信電話株式会社ネットワークシス

テム開発センタ 

早 川 浩 平 

日本DEC株式会社システムエンジニアリ

ング部 

堀 田 孝 男 

国際電信電話株式会社研究所 

松 山 順 子 

富士通株式会社PP事業本部 

丸 川   章 

工業技術院標準部 

南   朋 子 

日本アイ・ビー・エム株式会社川崎東事業

所 

(事務局) 

及 川   清 

社団法人情報処理学会情報規格調査会