サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

X 0024: 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

この規格では,情報処理における計算機統合生産 (CIM) に関する主たる用語,定義及び対応英語につ

いて規定する。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 0024: 1998 

情報処理用語 

(計算機統合生産)  

Glossary of terms used in information processing 

(Computer-integrated manufacturing)  

序文 この規格は,1995年に第1版として発行されたISO/IEC 2382-24, Information technology−Vocabulary

−Part 24 : Computer-integrated manufacturingを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規

格である。 

1. 適用範囲 この規格は,情報処理における計算機統合生産に関する主な用語,定義及び対応英語につ

いて規定する。 

備考1. 対応国際規格を,次に示す。 

ISO/IEC 2382-24 : 1995 Information technology−Vocabulary−Part 24 : Computer-integrated 

manufacturing 

2. この規格の関連規格を,付表1に示す。 

2. 分類 用語は,次のとおり分類する。 

a) 一般概念(24.01参照) 

b) 計算機支援設計(24.02参照) 

c) 計算機支援製造(24.03参照) 

d) ロボット工学(24.04参照) 

3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ

れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。 

a) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2

けたを示す。次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番

号を示す。 

b) 用語 

1) 同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。 

2) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧( )内にそのことを示す。 

例 “製造セル(計算機統合生産における)”(24.01.16参照) 

3) 用語に引き続く丸括弧( )は,用法を示す場合もある。 

例 “CIM(省略形)”(24.01.01参照)

background image

X 0024: 1998 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 定義 

1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されていることを示す。 

2) 丸括弧( )の使い方は,b)と同様とするほか,次のような使い方もある。 

2.1) 常用漢字表音訓欄にない漢字は仮名で置き換えてあるが,仮名文字表現だけでは意味が分かりに

くい場合には,対応する漢字を丸括弧( )で示す。 

例 ”必す(須)”(24.01.02参照) 

d) 対応英語 

1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。 

2) 丸括弧( )の使い方は,b)と同様とする。 

4. 情報処理用語−計算機統合生産 

24.01 一般概念 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

24.01.01  計算機統合生産, 

CIM(省略形) 

生産にかかわるすべての活動が,計算機を利用して統合
的に計画・管理・制御されている生産システム。 

備考 計算機統合生産には,計算機支援設計,計算機

支援計画,計算機支援製造及び計算機支援品質
保証の各技術並びにこれら技術間の情報の共
有が含まれる。 

computer-integrated 

manufacturing,  

CIM(省略形) 

24.01.02  計算機支援エンジニ

アリング, 
CAE(省略形) 

製造難易度,性能,生産性又は経済性の最適化など生産
に必す(須)の機能を遂行するために計算機システムを
使用するエンジニアリング活動。 

例 設計中の部品又は製品の機能的特性を解析した

り,その性能を条件を変えながらシミュレートし
たりするために,計算機支援設計・製造の設計デ
ータベースからの情報を使用すること。 

computer-aided 

engineering,  

CAE(省略形) 

24.01.03  計算機支援設計, 

CAD(省略形) 

設計,シミュレーション又は部品若しくは製品の改良な
どの機能を遂行するために計算機システムを使用する,
製図及び描画を含む設計活動。 

備考1. 計算機支援設計のプログラムには,エンジニ

アリング又は製造のために,個々の図形的要
素の精密な寸法決め及び位置決め機能を備
えるものがある。 

2. 計算機支援設計・製造 (24.01.07) を参照。 

computer-aided design,  
CAD(省略形) 

24.01.04  計算機支援製図 

図形処理のソフトウェア及びハードウェアを使用する製
図の手法及び技法。 

computer-aided drawing,  
computer-aided drafting 

24.01.05  計算機支援計画, 

CAP(省略形) 

生産計画ソフトウェア,意志決定支援ソフトウェアなどの
計算機システムを使用して生産活動全般を計画するこ
と。 

備考 生産活動の要素には,生産可能性,生産量,種

類,時期,方法,場所,設備及び人員がある。 

computer-aided planning,  
CAP(省略形) 

24.01.06  計算機支援製造,

CAM(省略形) 

生産工程が計算機システムによって指令・制御されてい
る製造方式。 

備考 計算機支援設計・製造 (24.01.07) 参照。 

computer-aided 

manufacturing,  

CAM(省略形) 

24.01.07  計算機支援設計・製

造, 
CAD/CAM(省略形), 
CADM(省略形) 

計算機支援設計と計算機支援製造とからなる生産活動。 computer-aided design 

and manufacturing,  

CAD/CAM(省略形), 
CADM(省略形) 

background image

X 0024: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

24.01.08  計算機支援生産管理,

CAPM(省略形), 
計算機支援生産制御,
CAPC(省略形) 

資源所要計画から生産制御まで計算機システムを使用す
る生産管理活動。 

computer-aided 

production 
management,  

CAPM(省略形), 
computer-aided 

production control,  

CAPC(省略形) 

24.01.09  計算機支援品質保証, 

CAQA(省略形), 
CAQ保証(省略形) 

製品のライフサイクルの全段階を通じて,工程,部品及
び製品に関する計画,監視並びに制御を情報化すること
によって実現される品質保証。 

備考 計算機支援品質保証は,設計から現地稼動まで

及び工場現場から経営層までの品質報告体系
を含む。製造履歴を含む場合もある。 

computer-aided qluality 

assurance,  

CAQA(省略形), 
CAQ assuramce(省略形) 

24.01.10  計算機支援工程計画, 

CAPP(省略形) 

機械加工のような生産に関する工程順序・生産手順の基
本的データの作成に,計算機システムを使用するすべて
の計画活動。 

computer-aided process 

planning,  

CAPP(省略形) 

24.01.11 

計算機支援試験, 
CAT(省略形) 

計算機システムによって,製品又はその一部分を試験し
たり点検したりすること。 

備考 計算機支援試験は,計算機支援品質保証活動の

一部である。 

computer-aided testing,  
CAT(省略形) 

24.01.12  生産計画制御システ

ム, 
PPCS(省略形) 

生産計画の作成,遂行及び制御のために使用する計算機
システム。 

production planning 

control system,  

PPCS(省略形) 

24.01.13  製造資源計画, 

MRP II(省略形) 

製造工程における各資源の,与えられた時点での必要量
を評価及び予測することによって製造計画を実現するこ
と。 

備考 資材所要量計画 (24.01.14) と混同してはなら

ない。 

manufacturing resource 

planning,  

MRP II(省略形) 

24.01.14  資材所要量計画, 

MRP(省略形) 

マスタ生産計画を基に,親品目の生産日程を求め,その
構成部品の所要量に優先度をつける計画技法。 

備考 製造資源計画 (24.01.13) と混同してはならな

い。 

material requirements 

planning,  

MRP(省略形) 

24.01.15  フレキシブル製造シ

ステム, 
FMS(省略形) 

製造作業の変更に容易に対応できるように,数値制御さ
れた製造装置と搬送機構とを組み合わせたシステム。 

flexible manufacturing 

system,  

FMS(省略形) 

24.01.16  製造セル(計算機統合

生産における) 

複数の作業場,材料,部品倉庫又は仮置場及びこれらを
相互に結合する搬送機構から構成された製造の単位。 

manufacturing cell (in 

computer-integrated 
manufacturing)  

background image

X 0024: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

24.02 計算機支援設計 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

24.02.01  有限要素解析 

離散的要素に擬似的に分解し,機械部品又は物理的構造物
の構造特性を解析すること。 

finite-element analysis 

24.02.02  有限要素モデリング 有限要素解析のために,設計中の機械部品又は物理的構造

物を表現する数学的モデルを計算機システム上に創成す
ること。 

finite-element modeling 

24.02.03  形状モデリング, 

幾何モデリング 

3次元の形状を計算機処理可能な形で表現したモデルを,
計算機システム上で創成すること。 

参考 JIS X 0013 : 1998と重複 (13.01.08)。 

geometric modeling 

24.02.04  面モデリング, 

サーフェスモデリン
グ 

物体の表面を表現するモデルを計算機システム上で創成
すること。 

参考 JIS X 0013 : 1998と重複 (13.01.09)。 

surfacing,  
surface modeling 

24.02.05  立体モデリング, 

ソリッドモデリング 

外観形状だけでなく内部の質的特性も表現するために,物
体の立体的特性を扱う3次元形状モデリング。 

参考 JIS X 0013 : 1998と重複 (13.01.10)。 

solid modeling,  
volume modeling 

24.02.06  プロダクトモデリン

グ 

物体の立体的特徴とともに,その製造に必要な情報を処理
の対象とする3次元形状モデリング。 

備考 製造に必要な情報には,材質,許容誤差及び使

用工具を含む。 

product modeling 

24.02.07  ワイヤフレームモデ

リング 

一連の線で表面の輪郭を描くことによって,物体の形状を
表現する3次元形状モデリング。 

wireframe modeling 

24.02.08  部品ファミリープロ

グラム方式 

計算機支援設計・製造システム上で,既存部品の設計を少
し変更することによって,又は設計済みの部品,サブアセ
ンブリ若しくは構造を組み合わせることによって,新部品
を作り出す方式。 

family-of-parts 

programming  

24.03 計算機支援製造 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

24.03.01  数値制御, 

NC(省略形) 

実時間で取り込んだ数値コード化指令を使用する装置に
よって実行する,工作機械又は加工設備の自動制御。 

備考 これらの指令は,計算機支援設計・製造システ

ムによって,制御用データ媒体上に生成される
こともある。 

numerical control,  
NC(省略形) 

24.03.02  グループテクノロジ

ー, 
グループ技法 

頻繁に使われる類似部品を関連部品群としてまとめるた
めに,計算機支援工程計画で使用するコード化及び分類の
技法。 

備考 これらの手法は,指定した仕様に合う部品の探

索を容易にし,同じような部品の製造法を標準
化する助けとなる。 

参考 関連部品群は“部品ファミリー”とも呼ばれる。 

group technology 

24.03.03  計算機数値制御, 

CNC(省略形) 

基本の数値制御指令の一部又はすべてを記憶し,実時間で
発行するために専用の計算機を使用する数値制御。 
備考 その専用計算機は,現場でのデータ入力を可能にす

る。 

computer numerical 

control,  

CNC(省略形) 

24.03.04  動的工具表示 

計算機支援設計・製造において,数値制御された切削工具
を図形で表示し,切削工程のシミュレーション及び検証の
ためにそれを画面上の工具軌跡に沿って動かす機能。 

dynamic tool display 

background image

X 0024: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

24.04 ロボット工学 

番号 

用語 

定義 

対応英語 

24.04.01  ロボット工学 

ロボットの設計,製造及び使用に関する工学の分野。 

robotics 

24.04.02  ロボット 

通常,動作手順の設定が可能であって,自動制御によって
操作又は移動の作業を行う機械的な装置。 

robot 

24.04.03  産業用マニピュレー

ションロボット 

産業の自動化に使用される,自動的に制御され再プログラ
ム可能な,多様の自由度をもつ多目的自動操縦機械。これ
には,据付型及び移動型がある。 

備考 “据付型ロボット”及び“移動型ロボット”と

いう用語で,産業用マニピュレーションロボッ
トを指すことがある。 

manipulating industrial 

robot 

24.04.04  ロボットシステム 

ロボットのハードウェア及びソフトウェアから構成され
る製造セルであって,マニピュレータ,電源,制御システ
ム,エンドエフェクタ,ロボットに接続される装置並びに
ロボットを操作及び監視する通信インタフェースを含む
もの。 

robot system,  
robotic system 

付表1 JIS X 0024関連規格 

JIS X 0024の関連規格を次に示す。 

JIS X 0001:1994 情報処理用語−基本用語 

備考 ISO /IEC 2382-1:1993, Information technology−Vocabulary−Part1: Fundamemta l termsが,この

規格と一致している。 

JIS X 0013:1998 情報処理用語(図形処理) 

備考 ISO /IEC 2382-13:1996, Information technology−Vocabulary−Part13 : Computer graphicsが,この

規格と一致している。 

JIS X 0026:1995 情報処理用語(開放型システム間相互接続) 

備考 ISO /IEC 2382-26:1993, Information technology−Vocabulary−Part26 : Open systems 

interconnectionが,この規格と一致している。 

ISO 2806:1994, Industrial automation systems−Numerical control of machines−Vocabulary 

備考 JIS B 0181:1993(数値制御工作機械−用語)がこの国際規格にほぼ対応する。 

ISO 8373:1994, Manipulating industrial robots−Vocabulary 

備考 JIS B 0134:1993(産業用ロボット−用語)がこの国際規格にほぼ対応する。 

ISO/TR 11065:1992, Industrial automation glossary 

X 0024: 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS X 0024原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

平 井 通 宏 

株式会社日立製作所汎用コンピュータ事業部 

兼 谷 明 男 

通商産業省工業技術院標準部 

上 元 重 美 

富士通株式会社グローバルサーバ事業部 

久保田 浩 敬 

沖電気工業株式会社情報通信システム事業本部 

斎 藤 義 夫 

千葉大学工学部情報工学科 

志 賀   稔 

三菱電機株式会社情報技術総合研究所 

竹 田 克 己 

株式会社日立製作所汎用コンピュータ事業部 

野 原 三 郎 

社団法人日本事務機械工業会 

比田井   裕 

株式会社東芝マルチメディア技術研究所 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

米 澤 直 道 

日本電気株式会社コンピュータ事業部 

森   宗 正 

規格調整専門委員 

(事務局) 

及 川   清 

社団法人情報処理学会