X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条にて準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人情報処理学会
情報規格調査会 (IPSJ/ITSCJ),財団法人 日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 分類 ······························································································································ 1
3. 表記法 ··························································································································· 1
4. 情報処理用語−信頼性,保守性及び可用性 ··········································································· 2
付表1 JIS X 0014 関連規格 ···························································································· 8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
X 0014 : 1999
(ISO/IEC 2382-14 : 1997)
情報処理用語−
信頼性,保守性及び可用性
Information technology−Vocabulary−
Reliability, maintainability and availability
序文 この規格は,1997年12月に第2版として発行されたISO/IEC 2382-14, Information technology−
Vocabulary−Part 14 : Reliability, maintainability and availabilityを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変
更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,情報処理における信頼性,保守性及び可用性に関する主な用語,定義及び対
応英語について規定する。
備考1. この規格の関連規格を,付表1に示す。
2. 参考は,対応国際規格にない事項である。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
a) 一般概念(14.01参照)
b) 信頼性及び故障(14.02参照)
c) 保守性(14.03参照)
d) 可用性(14.04参照)
3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ
れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
a) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2
けたを示す。
次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番号を示す。
b) 用語
1) 同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
2) 用語の一部が丸括弧( )で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときとしないときの間に優先順位はない。
3) 同一の用語が別の定義をもつ場合には,用語の後に(1),(2),…を付ける。
例 “バーンイン(1)”(14.04.12参照)と“バーンイン(2)”(14.04.13参照)
4) 同じ用語が,情報処理用語に関する他の日本工業規格で別の意味で定義されている場合には,用語
に引き続く丸括弧( )内に,使用分野がこの規格の適用範囲に限定されることを示す。
2
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例 “冗長性(信頼性,保守性及び可用性における)”(14.01.12参照)
5) 用語に引き続く丸括弧( )は,用法を示す場合もある。
例 “フェールソフト(形容詞)”(14.04.05参照)
c) 定義
1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されていることを示す。
2) 丸括弧( )の使い方は,b)と同様とする。
d) 対応英語
1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。
2) 丸括弧( )の使い方は,b)と同様とする。
4. 情報処理用語−信頼性,保守性及び可用性
14.01 一般概念
番号
用語
定義
対応英語
14.01.01
(01.01.
40)
機能単位
ハードウェア,ソフトウェア又はその両者からなり,指定され
た目的を遂行できるもの。
備考 JIS Z 8115 : 1981(ディペンダビリティ用語)は,こ
の用語の代わりに,より一般的な用語“アイテム”
を使用している。“アイテム”には,人間を含む場
合がある。
functional unit
14.01.02
製品保証
設計段階以降,あらかじめ指定された要求事項が考慮されてい
ること,及び最終製品がその寿命期間を通して要求事項に該当
する特性を維持し続けることを保証する一連の指定事項及び活
動。
product assurance
14.01.03
信頼性
機能単位が,要求された機能を与えられた条件のもとで与えら
れた期間実行する能力。
備考 JIS Z 8115 : 1981では,用語“信頼性(信頼性性能)”
を規定しているが,その定義は実質的にこの定義と
同じである。JIS Z 8115 : 1981には,更に幾つかの
備考がある。
reliability
14.01.04
耐久性
機能単位が,与えられた使用条件及び保守条件のもとで限界状
態に到達するまで,要求された機能を実行する能力。
備考1.
機能単位は,有用寿命の終わり,経済的若しくは
技術的な理由による不適応又は他の関連要因に
よって,限界状態に陥る。
2. この定義及び備考1.は,JIS Z 8115 : 1981と同一
である。
durability
14.01.05
保守,
保全
機能単位を,要求された機能を果たせる状態に保つこと又は修
復することを意図した諸活動。
備考1.
保守は,監視,試験,測定,交換,調整,修理及
び場合によっては管理活動を含む。
2. JIS Z 8115 : 1981も参照。
maintenance
14.01.06
保守性,
保全性
与えられた条件で,規定された手順及び資源を使用して保守が
行われた場合に,機能単位が,与えられた使用条件のもとで,
要求された機能を果たせる状態に保たれ,又は修復される能力。
備考 JIS Z 8115 : 1981で使用されている用語は“保全性
(保全性能)”であり,その定義は実質的に同一で
ある。
maintainability
3
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
14.01.07
可用性
必要となる外部資源が与えられたときに,ある時点において,
又はある一定の期間,機能単位が決められた条件のもとで要求
された機能を果たせる状態にある能力。
備考1.
JIS Z 8115 : 1981で使用されている用語は“アベ
イラビリティ”であり,その定義は実質的に同一
である。
2. ここで定義された可用性は,保守用の資源以外の
外部資源が,その機能単位に影響を与えない場合
の,機能単位固有の可用性である。これに対して,
運転可用性は,外部資源が用意されることが条件
となる。
availability
14.01.08
(02.06.
04)
誤り,
誤差
計算,観測若しくは測定された値又は状態と,真の,指定され
た若しくは理論的に正しい値又は状態との間の相違。
備考1.
JIS Z 8115 : 1981では,若干異なる言葉遣いが使
用されている。
2. JIS X 0002での定義と同一である。
error
14.01.09
間違い,
人的過誤
意図しない結果を引き起こす人間の行為又は怠慢。
備考 JIS Z 8115 : 1981に記載の,若干異なる定義を参照。
mistake,
human error,
error(この意味では使用し
ないほうがよい。)
14.01.10
障害
要求された機能を遂行する機能単位の能力の,縮退又は喪失を
引き起こす,異常な状態。
備考 JIS Z 8115 : 1981では,予防保守又は他の計画的な
作業の間に発生する場合,及び外部資源の不足のた
めに発生する場合を除いて,要求された機能を遂行
できない状態を“フォールト”と定義している。こ
れら二つの視点については,図1を参照。
fault
14.01.11
故障
要求された機能を遂行する,機能単位の能力がなくなること。
備考 この定義はJIS Z 8115 : 1981と同一であるが,JIS Z
8115 : 1981には更に幾つかの備考がある。
failure
14.01.12
冗長性(信頼性,保守
性及び可用性にお
ける)
機能単位が要求された機能を遂行するために十分な手段,又は
データが情報を表すのに十分な手段のほかに,別の手段が存在
すること。
例 機能部品の二重化,パリティビット。
備考1.
冗長性は,主に信頼性又は可用性を改善するため
に用いられる。
2. JIS Z 8115 : 1981の定義は,完全ではない。
redundancy(信頼性,保守
性及び可用性における)
14.02 信頼性及び故障
番号
用語
定義
対応英語
14.02.01
平均故障間隔
与えられた条件下での機能単位の,引き続く二つの故障間の平
均時間間隔。
備考1.
平均故障間隔は,理論的なモデル又は観測によっ
て導くことができる。
2. この定義は,修復アイテムとして明示的に言及し
ているJIS Z 8115 : 1981 (HR9) 中の定義とJIS Z
8115 : 1981 (R14) 中の定義とを結合したもので
ある。
参考 JIS Z 8115 : 1981では, “MTBF” をこの用語の略語
とはせず,平均故障間動作時間 (14.02.02) の略語と
定めている。
mean time between failures
4
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
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番号
用語
定義
対応英語
14.02.02
平均故障間動作時間
与えられた条件下での機能単位の,引き続く二つの故障間の平
均動作時間。
備考1.
この定義は,修復アイテムとして明示的に言及し
ているJIS Z 8115 : 1981 (HR10) 中の定義とJIS Z
8115 : 1981 (R15) 中の定義とを結合したもので
ある。
2. JIS Z 8115 : 1981では, “MTBF” をこの用語の略
語と定めている。
mean operating time between
failures
14.02.03
プログラム依存型障害
ある一連の命令を実行した結果として検出される可能性のある
障害。
program-sensitive fault
14.02.04
データ依存型障害
ある特定のパターンのデータを処理した結果として検出される
可能性のある障害。
data-sensitive fault
14.03 保守性
番号
用語
定義
対応英語
14.03.01
事後保守,
事後保全
要求される機能を実行できる状態に機能単位を戻すために,故
障の発生後又は障害の検出後に実施される保守。
備考 JIS Z 8115 : 1981の定義は,“障害”(14.01.10参照)
と“フォールト”の観点の相違があるが,この定義
と本質的に同一である。
corrective maintenance
14.03.02
繰延べ保守,
繰延べ保全
故障の発生又は障害の検出後直ちに開始されず,規定の保守規
則に従って,時期を繰り延べて遂行される事後保守。
備考 JIS X 8115 : 1981の定義は,“障害”(14.01.10参照)
と“フォールト”の観点の相違があるが,この定義
と本質的に同一である。
deferred maintenance
14.03.03
管理保守,
管理保全
要求されるサービス品質を最小又はより少ない保守努力で維持
するような管理の仕組に基づいて行われる保守。
備考 JIS Z 8115 : 1981で定義されている概念は,本質的
に同一であるが,主にJIS X の規格内で要求され
る一貫性及び想定する読者層を考慮して,この規格
では異なった表現を使用した。
controlled maintenance
14.03.04
予防保守,
予防保全
機能単位の故障又は機能劣化の確率を低減するために,あらか
じめ定められた間隔で,又は定められた基準に従って行われる
保守。
備考 この定義は,JIS Z 8115 : 1981の定義と本質的に同
一である。
preventive maintenance
14.03.05
定期保守,
定期保全,
時間計画保守,
時間計画保全
定められた時間計画に従って遂行される予防保守。
備考1.
時間計画は,経過時間,運転時間又は使用回数に
従って定められる。
2. この定義は,JIS Z 8115 : 1981の定義と本質的に
同一である。
scheduled maintenance
14.03.06
遠隔保守,
遠隔保全,
オンライン保守,
オンライン保全
遠隔地にある保守設備の支援又は管理の下で通信回線を介して
提供される機能単位の保守。
備考1.
ここでは,通信回線は,機能単位の設置場所のロ
ーカルエリアネットワークを含まない。
2. JIS Z 8115 : 1981では,アイテムに対して要員が
物理的に接近することなく遂行される保守を遠
隔保守と定義している。
remote maintenance,
telemaintenance,
online maintenance
14.03.07
ストレス試験,
限界試験,
限界検査
潜在的な障害を検出又はその位置を特定するために,何らかの
操作条件をそれらの定格値周辺で変化させる試験。
stress test,
marginal test,
marginal check
5
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
14.03.08
障害追跡,
障害トレース
モニタが取得する機能単位の内部動作の記録,これは,障害を
検出する直前の状態の経過を反映したものである。
fault trace
14.03.09
診断(形容詞),
診断の(形容詞)
障害,故障又は間違いの検出,解析又は記述に関する用語。
diagnostic(形容詞)
14.03.10
マイクロ診断
機能単位内に組み込まれた又は必要に応じて外部から呼び込ま
れる専用マイクロプログラムを使用する診断手法。
microdiagnostics
14.03.11
試験・保守プログラム
保守又は検証を主目的として,機能単位を試験するために設計
されたプログラム。
test and maintenance
program
14.03.12
ログアウト(動詞)(信
頼性,保守性及び可用
性における)
保守を容易にする目的で,障害が検出された時に,機能単位の
内部状態を記憶装置に記録すること。
journalize(動詞),
log out(動詞)(信頼性,保
守性及び可用性におけ
る)
14.04 可用性
番号
用語
定義
対応英語
14.04.01
運用性,
サービス性
利用者の要求に応じてサービスを提供し,かつ,与えられた条
件下で特定の許容範囲のサービスを,要求される期間提供し続
ける能力。
servability,
serveability,
serviceability
14.04.02
ホットスタンバイ,
熱待機,
熱予備
現用の機能単位が故障した際,冗長な機能単位が,直ちに稼動
状態に入る冗長待機構成。
hot standby
14.04.03
コールドスタンバイ,
冷待機,
冷予備
現用の機能単位が故障した際,冗長な機能単位が,ある遅延時
間の後,稼動状態に入る冗長待機構成。
cold standby
14.04.04
再構成(信頼性,保守
性及び可用性におけ
る)
障害又は誤りを検出した後,故障に至るのを未然に防止するこ
と又は要求された機能を遂行できる状態に戻すことを目的とし
て,機能単位の構成を変更すること。
reconfiguration(信頼性,保
守性及び可用性におけ
る)
14.04.05
フェールソフト(形容
詞)
障害発生又は限界を超えた操作状態にあるにもかかわらず,機
能を縮退しながら,機能単位が稼動を継続する性質に関する用
語。
備考 フォールトトレランスは,フェールソフトな動作を
達成するための一つの手段である。
failsoft(形容詞)
14.04.06
フォールトトレランス
障害又は誤りが存在しても,要求された機能を遂行し続けるこ
とのできる,機能単位の能力。
fault tolerance,
resilience
14.04.07
誤り回復,
エラーリカバリ
機能単位が要求された機能を遂行し続けることを可能にするた
めに,障害又は誤りの影響を是正したり,回避したりする処理。
error recovery
14.04.08
回復不能誤り
影響を受けた機能単位の外部にある手段又は資源を使わずに
は,誤り回復をすることができない誤り。
irrecoverable error,
unrecoverable error
14.04.09
致命的誤り
プログラムを更に実行すると無意味な結果を生むような誤り。
fatal error
14.04.10
監視タイマ,
ウォッチドッグタイマ
信号又は機能単位の状態が,一定の時間を超えて不活性であっ
たり,応答が遅延したりすることがないかを監視する計時機構。
備考 一定の期間の経過に際し,監視タイマは,警告を発
するか,又は監視されている機能単位を引き継ぐた
めに冗長な機能単位を起動することもある。
watchdog timer
14.04.11
平均修復時間
与えられた機能単位に関し,故障後の復元操作に必要な平均時
間。
備考 JIS Z 8115 : 1981は,同じ概念ながら別の形の定義
を与えている。また, “MTTR” をこの用語の略語
と定めている。
mean time to recovery,
mean time to restoration
6
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語
14.04.12
バーンイン(1)(名詞) あらかじめ指定された環境において操作し,可能な限り多くの
初期障害を検知し,事後保守によって除去することによって新
しい修理可能な機能単位又は修理された機能単位の信頼性を向
上する過程。
備考 この定義は,修理系について,JIS Z 8115 : 1981が
与えている定義と本質的に同じである。
burn in(1)(名詞)
14.04.13
バーンイン(2)(名詞) 修復不可能な機能単位の機能操作を用いて行うスクリーニング
試験。
備考1.
スクリーニング試験(JIS Z 8115 : 1981を参照)
は,欠陥のある機能単位又は初期故障を起こしそ
うな機能単位を検出し除去することを意図して
実行される。
2. この定義は,非修理系についてJIS Z 8115 : 1981
が与えている定義と本質的に同じである。
burn in(2)(名詞)
7
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a)に示すように,機能単位は,複数の階層から構成されるものとみなすことができる。各階層に更に幾
つかの機能単位が存在する。いま,第i階層で何らかの“原因”が,この第i階層機能単位の中で誤り(正
しい値又は正しい状態からの逸脱)として現れたとする。この誤りは,訂正又は回避されない限り,この
機能単位に故障を引き起こし,その結果この機能単位は,もはや要求された機能を実行できない状態[b)
の “F” 状態]に陥る。第i階層のこの機能単位の “F” 状態は,同様に,上位の第i-1階層の機能単位の誤
りを引き起こし,これが訂正又は回避されないとこの第i-1階層の機能単位の故障をもたらす。
この原因−結果の連鎖関係においては,同一のもの(図で “X” として示される)が,自らの故障の結
果として第i階層機能単位が陥る状態(“F” 状態)とみなすこともできると同時に,第i-1階層機能単位の
故障の原因とみなすこともできる。図で “X” として示されるものが,この規格−図c)に示すように,原
因の側面を強調している−で定義している障害と,JIS Z 8115−図d)に示すように,状態の側面を強調し
ている−で定義しているフォールトの二つの概念を統合しているものといえる。この図でいう “F” 状態の
ことをJIS Z 8115ではフォールトと呼ぶが,この規格には対応する用語がない。
備考 故障又は誤りは,内部的な障害ではなく,雷・静電気雑音等の外部的事象によって引き起こさ
れることもある。同様に,障害 (JIS X 0014) 又はフォールト (JIS Z 8115) は,設計障害又は
設計フォールトのように,故障なしに存在している場合がある。
図1 故障モデル
8
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 JIS X 0014 関連規格
JIS X 0014の関連規格を次に示す。
1. JIS
JIS X 0001 : 1994 情報処理用語−基本用語
備考 ISO /IEC 2382-1 : 1993 Information technology−Vocabulary−Part 1 : Fundamental termsが,こ
の規格と一致している。
JIS X 0002 : 1987 情報処理用語(算術演算及び論理演算)
備考 ISO 2382-2 : 1976 Data processing−Vocabulary−Part 02 : Arithmetic and logic operationsが,こ
の規格と一致している。
JIS X 0129 : 1994 ソフトウェア製品の評価−品質特性及びその利用要領
備考 ISO/IEC 9126 : 1991 Information technology−Software product evaluation−Quality
characteristic and guidelines for their useが,この規格と一致している。
JIS Z 8115 : 1981 ディペンダビリティ用語
備考 IEC 50 (191) : 1990 Intenational Electrotechnical Vocabulary−Chapter 191 : Dependability and
quality of serviceが,この規格と対応している。
2. 国際規格
ISO 8402 : 1994 Quality management and quality assurance−Vocabulary
9
X 0014 : 1999 (ISO/IEC 2382-14 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS X 0014原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
平 井 通 宏
株式会社日立製作所人事勤労部
飯 島 一 彦
株式会社日立製作所汎用コンピュータ事業部
久保田 浩 敬
沖電気工業株式会社情報システム事業本部
小 泉 訓
日本電気株式会社第1コンピュータ事業本部
佐 籐 吉 信
東京商船大学交通電子制御工学講座
志 賀 稔
三菱電機株式会社情報技術総合研究所
芝 山 茂 男
財団法人日本企画協会情報技術標準化研究センター
田 畑 隆 司
富士通株式会社第1コンピュータ事業部
橋 爪 邦 隆
工業技術院標準部
比田井 裕
株式会社東芝マルチメディア技術研究所
(規格調整専門委員)
森 宗 正
(事務局)
三 田 真 弓
社団法人情報処理学会情報規格調査会