W 8301:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 航空灯火························································································································· 2
5 航空視覚標識 ··················································································································· 8
6 色度,輝度率及び輝度の試験方法 ······················································································· 11
W 8301:2016
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本
工業規格である。これによって,JIS W 8301:1987は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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航空標識の色
Aeronautical ground light and surface marking colours
1
適用範囲
この規格は,航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るために用いる航空灯火
の光色並びに昼間障害標識,飛行場標識施設及び誘導案内灯に使用する標識(以下,航空視覚標識と総称
する。)の物体色について規定する。
注記 この規格は,国際民間航空条約の第14附属書(ICAO Annex 14)の規定内容に技術的内容を追
加して作成したものである。また,関連法令としては,航空法及び航空法施行規則がある。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8713 再帰性反射体−光学的特性−用語
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
JIS Z 8724 色の測定方法−光源色
JIS Z 8781-2 測色−第2部:CIE測色用標準イルミナント
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113及びJIS Z 8713によるほか,次による。
3.1
視認距離(visual range)
対象物の存在が認められる最大距離。航空灯火を対象とする視認距離は,灯火の光度,光色,背景輝度,
大気透過率などの影響を受ける。
3.2
航空視覚標識(variable sign for aeronautical ground light)
航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るために用いる航空灯火の光色並びに
昼間障害標識,飛行場標識施設及び誘導案内灯に使用する標識。
3.3
一般標識(ordinary sign)
表面色を用いた航空視覚標識。
3.4
透過型標識,内部照明標識(transilluminates signs,internally illuminated signs)
2
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照明光源と組み合わせた透過型航空視覚標識。
3.5
再帰反射標識(retroreflective sign)
再帰性反射体を用いた航空視覚標識。
3.6
航空可変白(variable white for aeronautical ground light)
航空灯火の光度を背景輝度に応じて調整する際に,光源(白熱電球及びハロゲンランプ)の色温度の変
化を考慮した光色。
4
航空灯火
4.1
航空灯火の光色の種類
航空灯火の光色の種類は,航空赤,航空黄,航空緑,航空青,航空白及び航空可変白とする。
さらに,航空緑には,色度範囲を制限した制限緑I及び制限緑IIがある。制限緑Iは,色覚異常者が灯
火の光色を識別しなければならない場合,又は光度調節をしない場合に用いる。制限緑IIは,視認距離の
大きさよりも光色の識別が重要である場合に用いる。
4.2
航空灯火の色度
4.2.1
白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ及びキセノンランプを用いた航空灯火の色度
白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ及びキセノンランプを用いた航空灯火の色度は,表1に示す範
囲並びに図1及び図2の色度座標の範囲に入っていなければならない。
3
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表1−白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ及びキセノンランプを用いた航空灯火の色度
色の種類
色の限界
限界線の式
注記
航空赤
紫の方向
黄の方向
y=0.980−x
y=0.335
進入角指示灯を除く。
航空赤
紫の方向
黄の方向
y=0.980−x
y=0.320
進入角指示灯
航空黄
赤の方向
白の方向
緑の方向
y=0.382
y=0.790−0.667x
y=x−0.120
航空緑
黄の方向
白の方向
青の方向
x=0.360−0.080y
x=0.650y
y=0.390−0.171x
航空青
緑の方向
白の方向
紫の方向
y=0.805x+0.065
y=0.400−x
x=0.600y+0.133
航空白
黄の方向
青の方向
緑の方向
紫の方向
x=0.500
x=0.285
y=0.440 及び y=0.150+0.640x
y=0.050+0.750x 及び y=0.382
航空可変白 黄の方向
青の方向
緑の方向
紫の方向
x=0.255+0.750y 及び
x=1.185−1.500y
x=0.285
y=0.440 及び y=0.150+0.640x
y=0.050+0.750x 及び y=0.382
制限緑I
黄の方向
白の方向
青の方向
y=0.726−0.726x
x=0.650y
y=0.390−0.171x
色覚異常者が灯火の光色を識別しな
ければならない場合,又は光度調節を
しない場合に用いる。
制限緑II
黄の方向
白の方向
青の方向
y=0.726−0.726x
x=0.625y−0.041
y=0.390−0.171x
視認距離の大きさよりも光色の識別
が重要である場合に用いる。
4
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図1−白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ及びキセノンランプを用いた航空灯火の色度
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図2−白熱電球及びハロゲンランプを用いた航空白,航空可変白及び航空黄の色度
4.2.2
LED光源を用いた航空灯火の色度
LED光源を用いた航空灯火の色度は,表2に示す範囲及び図3の色度座標の範囲に入っていなければな
らない。
なお,同一の施設内で複数の航空緑を使用する場合,それぞれの緑色が同じ意味を示す緑色であるかど
うかが不明確となることを避けるため,図3のaの範囲の光色とbの範囲の光色とを混在させて使用して
はならない。
6
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表2−LED光源を用いた航空灯火の色度
色の種類
色の限界
限界線の式
注記
航空赤
紫の方向
黄の方向
y=0.980−x
y=0.335
進入角指示灯を除く。
航空赤
紫の方向
黄の方向
y=0.980−x
y=0.320
進入角指示灯
航空黄
赤の方向
白の方向
緑の方向
y=0.387
y=0.980−x
y=0.727x+0.054
航空緑
黄の方向
白の方向
青の方向
x=0.310
x=0.625y−0.041
y=0.400
航空青
緑の方向
白の方向
紫の方向
y=1.141x−0.037
y=0.400−x
x=0.134+0.590y
航空白
黄の方向
青の方向
緑の方向
紫の方向
x=0.440
x=0.320
y=0.150+0.643x
y=0.050+0.757x
航空可変白
黄の方向
青の方向
緑の方向
紫の方向
x=0.440
x=0.320
y=0.150+0.643x
y=0.050+0.757x
航空白と同じ色度
制限緑I
黄の方向
白の方向
青の方向
y=0.726−0.726x
x=0.625y−0.041
y=0.400
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図3−LED光源を用いた航空灯火の色度
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5
航空視覚標識
5.1
分類及び種類
航空視覚標識の分類及び種類は,表3による。
表3−航空視覚標識の分類及び種類
標識の分類
表面色の種類
一般標識
赤,黄赤a),黄,黄緑,緑,白,黒
透過型標識(内部照明標識)
航空赤,航空黄,航空緑,航空白,航空黒
注a) 黄赤の代わりに“だいだい”を用いてもよい。
5.2
一般標識
一般標識の色度座標及び輝度率の範囲は,表4及び図4のとおりとする。
表4−一般標識の色度及び輝度率
色の種類
色の限界
限界線の式
輝度率
赤
紫の方向
白の方向
黄赤の方向
y=0.345−0.051x
y=0.910−x
y=0.318+0.036x
0.07
以上
黄赤
赤の方向
白の方向
黄の方向
y=0.100x+0.285
y=0.940−x
y=0.220x+0.250
0.20
以上
黄
黄赤の方向
白の方向
緑の方向
y=0.130+0.636x
y=0.910−x
y=1.350x−0.093
0.45
以上
緑
黄の方向
白の方向
青の方向
x=0.313
y=0.243+0.670x
y=0.493−0.524x
0.10
以上
白
紫の方向
青の方向
緑の方向
黄の方向
y=0.010+x
y=0.610−x
y=0.030+x
y=0.710−x
0.75
以上
黒
紫の方向
青の方向
緑の方向
黄の方向
y=x−0.030
y=0.570−x
y=0.050+x
y=0.740−x
0.03
以下
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図4−一般標識の色度
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5.3
透過型標識(内部照明標識)
透過型標識(内部照明標識)の色度座標,輝度率及び白に対する相対輝度の範囲は,表5及び図5のと
おりとする。ただし,夜間の白は,航空白の色度とする。
表5−透過型標識(内部照明標識)の色度,輝度率及び白に対する相対輝度
色の種類
色の限界
限界線の式
輝度率
白に対する相対輝度
航空赤
紫の方向
白の方向
黄赤の方向
y=0.345−0.051x
y=0.910−x
y=0.314+0.047x
0.07
以上
昼間
夜間
5 % 以上
20 % 以下
航空黄
黄赤の方向
白の方向
緑の方向
y=0.108+0.707x
y=0.910−x
y=1.350x−0.093
0.45
以上
昼間
夜間
30 % 以上
80 % 以下
航空緑
黄の限界
白の限界
青の限界
x=0.313
y=0.243+0.670x
y=0.493−0.524x
0.10
以上
昼間
夜間
5 % 以上
30 % 以下
航空白
紫の方向
青の方向
緑の方向
黄の方向
y=0.010+x
y=0.610−x
y=0.030+x
y=0.710−x
0.75
以上
昼間
夜間
100 %
100 %
航空黒
紫の方向
青の方向
緑の方向
黄の方向
y=x−0.030
y=0.570−x
y=0.050+x
y=0.740−x
0.03
以下
昼間
夜間
0 % 以上
2 % 以下
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図5−透過型標識(内部照明標識)の色度
6
色度,輝度率及び輝度の試験方法
6.1
航空灯火の色度
航空灯火の色度の試験は,次の方法I又は方法IIによるが,方法Iによって試験をすることが望ましい。
ただし,大形の灯器について,方法Iによる試験を正確に行うことが難しい場合は,方法IIによってもよ
い。
a) 方法I 灯器の光軸上の光色を測定する方法 灯器を指定の条件で点灯し,次によって灯器の光軸上
の光色を測定して色度を求める。
1) JIS Z 8724の5.2(分光分布の測定方法)によって分光分布を測定し,5.3(三刺激値及び色度座標
の計算方法)によって色度を求める。
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2) JIS Z 8724の6.2(光電色彩計)に規定する光電色彩計を用いて色度を求めてもよい。光電色彩計の
目盛調整は,分光分布が試料に近似した参考灯器を用いて行うことが望ましい。参考灯器の測定値
は1)によって求める。
b) 方法II 灯器の構成部品の試験による方法 灯器を構成する色フィルタ,光源及び反射鏡の分光特性
を測定し,それらを統合して色度を求める。その手順は次による。
1) 色フィルタの分光透過率係数T(λ)をJIS Z 8722の5.4.1(照射及び受光の幾何条件)の幾何条件eに
よって求める。色フィルタが平行平面でない場合は,その色フィルタと同質な材料による等価の厚
さの平行平面をもつ試験用フィルタを用意して,その分光透過率係数T(λ)を測定することが望まし
い。
2) 光源の相対分光分布S(λ)を,JIS Z 8724の5.2によって求める。ただし,白熱電球を用いた光度調整
を行わない灯器では,光源の相対分光分布S(λ)はJIS Z 8781-2の箇条4(CIE標準イルミナントA)
のCIE標準イルミナントAに等しいと仮定してもよい。
3) 反射鏡に無色のアルミニウム反射面を用いる灯器では,分光反射率係数R(λ)が一定であると仮定し
てもよい。その他の場合は,JIS Z 8722の5.3.1(照射及び受光の幾何条件)の幾何条件d(試料を
垂直方向から照明し,試料から鏡面反射成分を含めたあらゆる方向に反射する光を測定する。)によ
って分光反射率係数R(λ)を求める。
4) 1)〜3)で求めた結果の積S(λ)T(λ)R(λ)から,JIS Z 8724の5.3.1(三刺激値の計算方法)の方法によっ
て,三刺激値X,Y及びZ並びに色度座標x及びyを求める。2)のただし書きによる場合は,CIE標
準イルミナントAの値を光源の相対分光分布S(λ)の値として用いて計算する。
6.2
一般標識の色度及び輝度率
一般標識の色度及び輝度率の試験は,次による。
a) JIS Z 8722の5.3.1の幾何条件aによって分光反射率係数R(λ)を測定し,CIE標準イルミナントD65に
対するXYZ表色系における色度座標及び輝度率を求める。
b) a)と同じ幾何条件で,JIS Z 8722の6.2(光電色彩計)で規定する光電色彩計を用いて,CIE標準イル
ミナントD65に対するXYZ表色系における色度座標及び輝度率を求めてもよい。光電色彩計の目盛調
整は,分光反射率係数が試料に近似した参考試料を用いて行うことが望ましい。参考試料の測定値は,
a)の方法によって求める。
6.3
透過型標識(内部照明標識)の色度,輝度率及び輝度
透過型標識(内部照明標識)の色度,輝度率び輝度の試験は,次による。
a) JIS Z 8722の5.3.1の幾何条件aによって分光反射率係数R(λ)を測定し,CIE標準イルミナントD65に
対するXYZ表色系における色度座標及び輝度率を求める。
b) a)と同じ幾何条件で,JIS Z 8722の6.2に規定する光電色彩計を用いて,CIE標準イルミナントD65に
対するXYZ表色系における色度座標及び輝度率を求めてもよい。光電色彩計の目盛調整は,分光反射
率係数が試料に近似した参考試料を用いて行うことが望ましい。参考試料の測定値は,a)の方法によ
って求める。
c) 白に対する相対輝度は,標識面と光源とを組み合わせて,JIS Z 8724の5.2又は6.2によって輝度を測
定して求める。
13
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
ICAO Annex 14,International Standards and Recommended Practices Annex 14 Aerodromes Volume 1
Aerodrome Design and Operations