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日本工業規格

JIS

 W

2922

-1996

 (I

3323

: 1987

)

航空機−油圧系統構成部品 
−使用作動油の種類の表示

Aircraft

−Hydraulic components−Marking to indicate fluid

for which component is approved

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1987 年第 2 版として発行された ISO 3323 (Aircraft−Hydraulic components−Marking to indicate

fluid for which component is approved)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した

日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,航空機の油圧系統に使用される構成部品(配管,ホース及び継手を除く。)の

現場における組立て又は試験作業中に,その構成部品に適正な作動油を容易に判別できるようにするため

の表示方式について規定する。この表示は,構成部品を航空機に取り付ける際の便を,意図したものでは

ない。

備考  航空宇宙航行体の配管及びホースに付け,それらに使用してよい作動油の種類を示す表示につ

いての要求事項は,ISO 12 に示す。

2.

引用規格

ISO 12 

  Aerospace−Tubes and pipelines−Identification

備考  JIS W 0601(航空宇宙−配管−識別)−1990 が,この国際規格と一致している。

3.

方式  航空機の油圧系統に組み込む構成部品には,作動油の種類名を明示した表示板によって,使用

してよい作動油の種類を示す。作動油の種類は,次のとおりである。

−  鉱油系作動油 (mineral base)

−  合成炭化水素系作動油 (synthetic hydrocarbon base)

−  塩化シリコーン系作動油  (chlorinated silicone base)

−  リン酸エステル系作動油  (phosphate ester base)

−  ひまし油系作動油 (castor base)

−  ケイ酸エステル系作動油  (silicate ester base)

適宜に,特定の作動油の名称及び/又は仕様書番号を併記表示してもよい。表示板の代表例を

図 に示

す。金属表示板の代わりのプラスチック表示板であることを表すために,

“ラベル”という用語を用いても

よい。

表示板(又はラベル)の色は,4.4 に規定するリン酸エステル系作動油の紫色を除いて無彩色とする。


2

W 2922-1996 (ISO 3323 : 1987)

4.

材料,設計及び製造

4.1

表示板は,容易に視認でき,かつ通常の使用状況の下では取れないような方法で,構成部品に固着

しなければならない。

図 に例示した SKYDROL のように接着結合箇所を侵すおそれがある作動油を表示

する場合には,表示板は,構成部品に機械的な方法で固着しなければならない。

4.2

構成部品が,製造者の銘板を取り付けられる程度に大きい場合には,表示板を製造者の銘板と一体

にしてもよい。

4.3

表示板に使用する材料は,使用する作動油及び使用環境条件からの影響に対し耐久性及び抵抗力を

もっているものでなければならない。それには,例えば,陽極処理した金属又はプラスチックがある。

4.4

リン酸エステル系作動油を示すラベルの色は,CIE

1)

測色用標準の光 B の下で色度座標及び分光放射

輝度率が x=0.337,y=0.242,

β

=6.5%である紫としなければならない。

4.5

表示板の寸法は,構成部品の製造者又は使用者の選択によるものとするが,構成部品の寸法と釣合

いのとれたものにする。望ましい寸法を,

図 に示す。

4.6

文字の大きさは,表示板の大きさに釣り合う,できるだけ大きいものとする。

図 1  表示板の代表例

                                                        

  1) Commission Internationale de l'Eclairage (International Commission on Illumination)


3

W 2922-1996 (ISO 3323 : 1987)

図 2  表示板の望ましい寸法

単位 mm

l

b

r

15

 5

 2.5

30 10

5

50 17

8.5

航空規格原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

松  木  正  勝

日本工業大学

(副委員長)

渡  辺      正

川崎重工業株式会社航空宇宙事業本部

平  井  敏  文

通商産業省機械情報産業局航空機武器課

根  岸  喜代春

工業技術院標準部機械規格課

平  沢  愛  祥

運輸省航空局技術部航空機安全課

後  藤  忠  司

海上保安庁装備技術部

中  西  忠  雄

防衛庁装備局調達補給室

伊  藤  誠  一

科学技術庁航空宇宙技術研究所

守  田  正  公

社団法人日本航空技術協会

中  込  常  雄

日本工業標準調査会自動車航空部会規格調整専門委員会

久木田  実  守

株式会社富士キメラ総研

塩  田  克  彦

日本航空株式会社技術研究所

吉  井  正  洋

株式会社日本エアシステム整備本部技術部

服  部      博

石川島播磨重工業株式会社航空宇宙事業本部

(主査)

香  坂  哲  哉

株式会社島津製作所航空機器事業部

藤  井  洋  三

帝人製機株式会社航空機技術部

曽  我      章

日本航空電子工業株式会社航機事業部

渡  辺      晃

日本飛行機株式会社技術本部

中  神  雄  三

富士重工業株式会社航空宇宙事業本部

清  田  紀  男

三菱電機株式会社鎌倉製作所

廣  田  和  弘

三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所

宇田川  知  行

横河電機株式会社航空宇宙特機事業部

播  磨  克  彦

アエロスペック研究会

(事務局)

礒  部  瑛  二

社団法人日本航空宇宙工業会