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日本工業規格

JIS

 W

0813

-1995

 (I

2685

:

 1992

)

航空機−搭載機器の環境条件

及び試験手順−

特定防火区域内での耐火性

Aircraft

−Environmental conditions and test procedures for airborne

equipment

−Resistance to fire in designated fire zones

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,

1992

年第 1 版として発行された ISO 2685 (Aircraft−Environmental conditions and test procedures

for airborne equipment

−Resistance to fire in designated fire zones)  を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を

変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

警告  火災に対する危険性並びに煙及び/又は有害な燃焼生成物を吸入する危険性から,試験実施者の

健康を守るための予防措置をとらなければならない。

1.

適用範囲  この規格は,特定防火区域内にあり,規定した最低水準よりも高い耐火性をもつように作

られるすべての構成部品,機器及び構造物に対する要求事項について規定する。

構成部品,機器及び構造物に適用する二つの等級の耐火性を定める。

附属書 Aに標準バーナの各種

類の詳細及びそれらの使用方法を示す。

この規格は,特定防火区域外での耐火性及び可燃性への要求事項,並びに燃焼室が焼け抜けた場合のこ

れらの条件については,規定しない。

2.

定義  この規格では,次の定義を用いる。

2.1

特定防火区域  (designated firezone)  例えば,発動機又は補助動力装置を装備する区画のように,設

計者が認可機関 (approving authority) の要求に基づいて指定する航空機内の領域。

2.2

標準火炎  (standard flame)  次の特性をもつ火炎。

温度:1100±80℃

熱流束密度:116±10kW/m

2

2.3

中耐火性  (firere sistant)  標準火炎に 5min 耐える能力がある構成部品,機器及び構造物であることを

示す等級。

2.4

高耐火性  (fire proof)  標準火炎に 15min 耐える能力がある構成部品,機器及び構造物であることを

示す等級。

参考  “designated fire zone”,“fire resistant”及び“fireproof”の訳語については,解説を参照。


2

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

3.

要求事項  特定防火区域内に装備する構成部品,機器及び構造物は,適用する場合には,耐火性等級

2.3 及び 2.4 参照)のどちらか一つの要求事項に適合しなければならない。要求する等級は,関連する仕

様書に指定する。試験条件及び合格判定基準は,5.1 及び 5.2 に規定する。

4.

試験装置

4.1

大形標準バーナ  大形標準バーナは,火炎の断面積が 0.018m

2

以上の標準火炎を生成するものとする。

容認できるバーナ(ガス又は液体燃料)の詳細を

附属書 に示す。

4.2

小形標準バーナ  小形標準バーナは,火炎の直径が 19mm 以上の標準火炎を生成するものとする。

小形標準バーナの詳細を

附属書 に示す。

4.3

代替バーナ  4.1 又は 4.2 の要求を満たすことが立証されていれば,附属書 に示したバーナ以外の

バーナを使用してもよい。認可機関の合意があれば,標準バーナよりも強い熱流束密度をもつバーナを使

用してもよい。

5.

試験要求事項

5.1

試験条件  耐火試験には,次の一般的条件を適用する。耐火試験に適用する特別な条件は,附属書

C

に示す。その他の特別な条件は,対象としている機器の仕様書に詳細を規定する。

5.1.1

供試品の取付け  構成部品,機器又は構造物の試験リグへの取付けは,例えば吸熱特性の模擬など

で,航空機での装備条件よりも過酷さが劣ることがないような方法で行う。

5.1.2

バーナの選択  構成部品又は機器類の標定部分が,試験中適正な方向からの火炎に包まれるように,

バーナの種類及び数を選択する。一般的には大形バーナを用いるが,小さい構成部品に対しては 1 個以上

の小形バーナを使用してもよい。バーナのノズルと供試品の表面との火炎軸方向の距離は,

附属書 に規

定する。

5.1.3

バーナの校正  バーナは,附属書 に従って校正する。

5.1.4

供試品の状態の調整  非金属の構成部品で,航空機用諸流体にさらしても耐火性に悪い影響を及ぼ

さないことが証明されていないものには,試験の実施に先立って,供試品を大気温度の流体に 24h 浸して

状態を調整する。

5.1.5

試験時間  試験に供する構成部品又は機器類は,耐火性の等級に対応して次に示す時間,標準火炎

に当てる。

−  中耐火性(2.3 参照)のものには,5min。

−  高耐火性(2.4 参照)のものには,15min。

5.2

合格判定基準  合格の基準は,供試品が構成部品又は機器類に適用する要求書及び/又は個別仕様

書に従って,耐火試験に耐えることである。

流体系統,電気系統及び構造物の構成部品に対する合格基準は,

附属書 Cに規定する。ただし,特

別な仕様書を適用する場合には,その規定による。

6.

類推による合格  適用する要求書が,類推による合格を容認している場合には,次のいずれかで類似

性を示すことができれば,耐火性等級の立証試験は,必要ない。

a)

類似構成部品の実施済試験結果による証明。

b)

構成部品本来の耐火性についての設計及び構造の解析。


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

備考  次の材料(示してある板厚のもの)は,高耐火性のものとみなす。

−  板厚 0.38mm のステンレス鋼薄板

−  板厚 0.46mm の耐食処理を施した軟鋼薄板

−  板厚 0.46mm のチタニウム薄板

−  次の状態の板厚 1mm のアルミニウム薄板

a)

板の,火炎のない側に,流速 41m/s の空気流があり,

b)

板の両側間に圧力差がなく,

c)

板に大きい構造的荷重がない状態。


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 A(規定)  標準バーナの例

A.1

大形標準ガスバーナ

A.1.1

装置

A.1.1.1

標準調整弁によるプロパンガスの供給  ガスのもつ熱量は,通常 93 000kJ/m

3

(室温・室圧にて)

とする。

注意 ガス供給ボンベは,バーナ及び供試品から十分離れた位置に置かなければならない。

A.1.1.2

低圧圧縮空気の供給  実際の必要圧力は,使用時の装置類の配置状態によるが,普通は,大気圧状

態での 25 m

3

/h

の空気流量を低圧(例えば 35kPa)で供給すれば十分である。代替として,高圧空気源から

調整器を通して供給してもよい。

参考 35kPa は,ゲージ圧を示す。

A.1.1.3

ガス及び空気供給の制御と計測の方法  ガス及び空気の供給を制御し計測するには,手動弁,弁の

下流におく流量及び圧力測定装置,並びに弁の上流におく圧力観測用の弁を使用する。流量測定には適切

な流量計を使用する。オリフィスによる差圧を利用する流量計に関する事項を

図 A.3 に示す。

備考  AS 401B : 1961 及び BS 3G 100 part 2section 3subsection 3.13 : 1983 には,バーナヘッドに取

り付ける流量測定器をいくつか提示している。これらは,最小内径 10mm の管でバーナに接続

すれば,4m 離れたコンソールに配置しても十分満足に使用することができる。

A.1.2

バーナの詳細  バーナの設計例を図 A.1,図 A.2 及び図 A.3 に,バーナの写真を図 A.4 に示す。重要

なことは,次のとおりである。

a)

燃焼させるためのガスと空気の“混合基部”での混合方法。

b)

火炎ヘッドの設計。

c)

火炎ヘッドへの冷却空気の導入方法。

A.1.2.1

混合基部  ガス及び空気を導入して小さい室内で混合させる。この室からガスと空気の混合気が,

火炎ヘッド前にある比較的大きい前室に入る。

A.1.2.2

火炎ヘッド  火炎ヘッドには,火炎の安定化及び可燃混合気が充満している前室への逆火防止の役

目をもたせる。周囲の空気流で冷却される 373 本の銅管がその役目を果たす。冷却空気は,332 個の孔か

ら火炎ヘッドの上面に放出される。バーナ温度を試験に必要な温度水準に下げて保つためにこの冷却空気

が必要である。

A.1.2.3

冷却空気  A.1.2.2 で示した目的を十分達成するように,冷却空気を火炎ヘッドの構造の中によく

分布させる。

図 A.1 に示す上面板と銅管の細部は,正しく効果をあげられるように意図したものである。

A.1.3

火炎の設定

参考  A.1.3 の中で,{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参考

として併記したものである。

A.1.3.1

着火  ガスは流量が少なく,濃い方が着火しやすい。次の手順を推奨する。

ガス栓を開いて流量を約 0.5m

3

/h

(118Pa {12mmH

2

O}

の差圧)にする。

混合気に点火する。

数秒間のうちに着火しなければ,ガス栓を閉じてバーナの混合気をはき出し,バーナ近くの下層に漂う

ガスが散るのを待つ。


5

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

着火したときは,混合気と冷却空気を流し,遅れないようにガス流量及び空気流量を必要な水準まで増

加する。

加熱状態を安定させるためには,バーナの校正又は試験の開始前少なくとも 5min の暖気燃焼を行う。

A.1.3.2

ガス及び空気の流量の設定  表 A.1 に標準火炎の特性を得るのに必要な代表的なガス及び空気の

流量を示す。

表 A.1  耐火性試験用の代表的流量値

ガス

混合気

冷却空気

流量 (m

3

/h) 1

8.9  12.7

差圧 (Pa)

{mmH

2

O}

441

{45}

4 266

{435}

2 942

{300}

備考  この表の値は,標準火炎の特性(2.2 参照)を得るために,

調整を必要とするかもしれない。

A.1.3.3

校正  附属書 に従ってバーナを校正し,標準火炎の要求(2.2 参照)に合致させる。

A.1.3.4

供試品とバーナとの距離  供試品の表面とバーナのノズルとの火炎軸方向の距離は,垂直及び水平

に適用するとき,75mm にする。

A.1.3.5

火炎の閉止  試験終了後は,最初にガス栓を閉じる。空気流は,バーナが十分冷却してから止める。

A.2

大形標準液体燃料バーナ

A.2.1

全般  この附属書に規定する大形標準液体燃料バーナの詳細は,FAA Power-plant Engineering 

Report No.3A

に示されているものと同等である。この

附属書の要求に合致する代表的な液体燃料バーナを

図 A.5 に示す。

A.2.2

バーナの詳細  液体燃料バーナは,

a)

変形ガンタイプである。

b) 80

°散布角のノズルと,

(代表的燃料として 42.8×10

3

kJ/kg

の熱量を仮定して)定格 8.5L/h の燃料流量

をもつ。

c)

管の一端に固定した,長さ 318mm,高さ 152mm 及び幅 280mm の開口部のバーナ拡大管をもつ(

A.6

図 A.7 参照)。

d)

標準火炎の特性(2.2 参照)を得るための燃料流量調整用バーナ燃料圧力調整器をもつ。

A.2.3

火炎の設定  製造者の説明書に従って,バーナに点火し火炎を整定させる。校正又は試験の開始前

少なくとも 5min 燃焼させて火炎を安定させる。

A.2.4

校正  バーナの温度及び熱流束密度について附属書 に従って校正し,標準火炎の要求(2.2 参照)

に合致させる。

A.2.5

供試品とバーナとの距離  バーナ拡大管の先端と供試品との間の距離は,100mm とする。

A.3

小形標準ガスバーナ

A.3.1

全般  小形標準ガスバーナの熱流束密度は,標準火炎の規定値を超え得ることが測定によって示さ

れている。しかし認可機関の合意があれば,このバーナを使用してもよい。

A.3.2

バーナの詳細  図 A.8 に,バーナ組立ての主要部分の詳細を示す。バーナは,ベンチュリ及び噴射

口をもったインジェクタ,鋼製バーナ管並びに金網フィルタで構成する。

納品の状態では,普通は,ガスインジェクタの本体内にある噴射口組立てに繊維製ワッシャがついてい


6

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

る。このワッシャを取外し,新しい軽金属製ワッシャと入れ替える。ワッシャは,ガス漏れを生じさせな

い結合となるように注意深く両側に入れる。噴射口は,清浄であること及び噴射口と一緒に供給されるキ

ーによって保持器にしっかりと固定されていることを,点検し確認する。

バーナ組立てと一緒に使用するために,次のものが必要である。

a)

プロパンガス貯蔵筒

b)

ガス圧力調整器

c)

適切な目盛範囲をもつ圧力計

d)

銅製たわみ管及び必要な結合金具

A.3.3

火炎の設定  ガス圧力を 24kPa(ゲージ圧)に調整してトーチに点火し,空気調整ナットを調整して

火炎にはっきりとした青い円すい(錐)が生じるようにする。円すいの先端は,バーナ管のほぼ終端にと

どかせる。最良の調整は,通常,調整ナットの後端の円すい形孔が噴射口の端部と一線上にのるときであ

る(

図 A.8 参照)。

バーナが着火した後,火炎を安定させ,トーチを調整して青色の内部円すい部がノズルの端面から 20mm

外まで伸びるようにする。火炎の全長は,このときほぼ 200mm になる。

トーチを適切に調整した後,校正又は試験の開始前少なくとも 5min 燃焼させ火炎を安定させる。

A.3.4

校正  附属書 に従ってバーナを校正し,標準火炎の要求(2.2 参照)に合致させる。もし熱流束密

度の測定値が,標準火炎要求値を超えるときは,実際の測定値を記録しておく。

A.3.5

供試品とバーナとの距離  バーナノズルと供試品の表面との間の火炎軸方向の距離は,標準火炎が

形成されるような距離(約 50mm)とする。


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.1  大形ガスバーナ


8

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.2  大形ガスバーナ−混合基部

備考  AS 401B に構造の詳細が示されている。


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.3  大形ガスバーナ−計量装置

備考1.  市販のガス及び空気流量計を用いてよい。

2.

ガス及び空気流量の設定値は,流量が計量装置によって決まるので,差圧で表している(

表 A.1 参照)。

3.

機器は,バーナに直付けでもよいし,もし冷却空気結合用マニホールドのある別の端部継手を使用す

るのなら,離して取り付けてもよい。


10

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.4  大形ガスバーナ

図 A.5  大形液体燃料バーナ


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.6  液体燃料バーナ拡大コーン

*

図 A.7 参照


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.7  液体燃料バーナ空気管減速コーン

*

図 A.6 参照


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 A.8  小形ガスバーナ


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 B(規定)  標準バーナの校正手順

B.1

バーナの校正

B.1.1

全般  校正手順の実施に先立ち,それぞれの手順によってバーナに着火し,調整する。それから火

炎が安定するまで規定した時間燃焼させておく。

校正又は試験に際しては,バーナを迅速に正しい位置に移動できるようにした上で,供試品又は校正装

置から遠く離してバーナを設置することを推奨する。これらの作業は,特に静かな状況下で行う。

B.1.2

温度測定  標準火炎の条件(2.2 参照)が整っているかどうかを確認するために,バーナ(附属書 A

参照)から適当な火炎軸方向の距離の点で,火炎温度を測定する。必要な装置と手順は,B.3 に示す。

B.1.3

熱流束密度測定  標準火炎の条件(2.2 参照)が整っているかどうかを確認するために,バーナ(附

属書 参照)から適当な火炎軸方向の距離の点で,熱流束密度を測定する。必要な装置と手順は,B.4 

示す。

B.2

校正間隔  B.1 に従ってバーナを一度校正した後,B.1.2 による温度点検を毎試験前に実施する。バー

ナは,認可機関が許可する 6 か月を超えない期間内に,熱流束密度の再校正を行う。

B.3

温度の校正法  熱電対は,図 B.1 に示す仕様に適合したものを使用する。測定した火炎温度は,バー

ナ面積の少なくとも 25%以上にわたって,要求した許容値内にあるものとする。液体燃料バーナでは,

B.2

に示した 7 か所の測定点の各熱電対が 1100±80℃の温度を示せばよい。他の大形バーナに対しても同

様にする。

図 B.1 に示すとおりに校正されていれば,代替タイプの熱電対又は温度測定装置を用いてよい。

B.4

熱流束密度の校正法

B.4.1

全般  バーナは B.4.2 又は B.4.3 に示すいずれかの方法で校正する。ただし,B.4.2 に示す装置は,小

形標準バーナには適当ではない。小形バーナの熱流束密度を校正する代替の方法がないときは,温度だけ

を校正する。

B.4.2

熱流束密度計測装置

B.4.2.1

装置の詳細  大形バーナは,図 B.3 に示す連続流カロリメータを使用して校正してよい。熱伝達管

の上流の水頭を一定にして,一定した流れの状態を保つ。出口管の弁で水の流量を調節する。試験中,流

量を計測する手段が必要である。

図 B.4 に熱伝達管及びこれに連結する混合管の材料及び寸法並びに温度

測定点を規定する。熱伝達管の温度上昇は小さいので,0.1℃単位で読むことができる水銀温度計又は浸せ

き(漬)形熱電対を用いる。

B.4.2.2

手順  次の手順どおりに行う。

a)

各試験の前に,銅管の外面をスティールウールを使用して清浄にする。

b)

給水温度は,10∼21℃に保つ。

c)

水の流量を 225L/h (62.5×10

-6

m

3

/s)

に調節する。

d)

バーナに点火し,バーナから規定した火炎軸方向距離の点(

附属書 参照)で火炎温度を 1 100±80℃

にする。

e)

装置に水を通し,熱伝達管が適切な位置(

附属書 参照)になるようにバーナの位置を決める。温度


15

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

計測値を記録する前に,3min の予備燃焼によって安定な状態にする。

備考  (装置を暖化安定させるのではなく)火炎自身の安定化をする場合は,熱伝達管を火炎にさら

してはならない。そうすることによって管につく炭素を少なくする。

f)

試験中,入口及び出口の温度計によって,3min 以上にわたって 30s ごとに,温度を記録する。

B.4.2.3

熱流束密度の算出  熱流束密度 (kW/m

2

)

は,次式で算出する。

(

)

A

T

T

c

q

q

v

1

2

=

ρ

ここに,

q

v

水の体積流量 (m

3

/s)

ρ

平均温度

2

1

2

T

T

+

での水の密度 (kg/m

3

)

,約 1 000kg/m

3

c

平均温度

2

2

1

T

T

+

の水の比熱 [kJ/ (kg・K)],約 4.185kJ/(kg・K)

T

1

熱伝達管入口での水の時間平均温度  (℃)

T

2

熱伝達管出口での水の時間平均温度  (℃)

A

火炎にさらされる熱伝達管の全表面積 (m

2

)

π

×管外径×火炎にさらされる管の長さ)

B.4.3

カロリメータ  認可機関が合意すれば,熱流束密度の測定に代替のカロリメータを用いてよい。

図 B.1  熱電対の詳細

備考1.  熱電対素線の直径は,0.6∼1mm とする。

2.

金属製保護管を使用するときは,最大直径は 3mm 以下とする。

3.

熱電対には,シールド及びアスピレートは,しない。


16

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 B.2  大形液体燃料バーナ−熱電対位置


17

W 081

3-199

5 (ISO

 26
85 :

199

2)

図 B.3  熱流束密度計測装置の配置


図 B.4  熱流束密度計測用管

備考  銅製織物は,水の温度を均一にするためのものである。


19

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 C(規定)  流体系統構成部品の試験条件

C.1

全般  この附属書は,可燃性流体系統及び空気系統の構成部品に対する個々の試験条件について規定

する。

C.2

標準火炎  供試品を標準火炎(2.2 参照)にさらす。

C.3

振動  たわみホース組立て及びその構成部品に対して,構成部品の軸に沿う方向か又は垂直方向の妥

当な方向に,振動数 33Hz 及び最小振幅 1.6mm の振動を与える。

C.4

特別な条件

C.4.1

圧力  圧力は,試験中,構成部品の作動圧力に保つか,又は規定されていれば代替としての系統圧

に保つ。

C.4.2

流量  特別な装備のために,より厳しい流量が規定されていない限り,試験中に適用する流量は,

C.4.2.1

C.4.2.3 に規定するとおりとする。

C.4.2.1

燃料及び潤滑系統

−  管及びたわみホース組立て:次式で算出する流量 (L/min)

0.03d

2

ここに,

d

内径 (mm)

−  他の構成部品:入口継手の内径の値を使用して同じ方法で算出した流量。

使用する流体は,系統に用いる流体又は相当品とする。

C.4.2.2

油圧系統

−  管及びたわみホース組立て:次式で算出する流量 (L/min)

0.006d

2

ここに,

d

内径 (mm)

−  他の構成部品:入口継手の内径の値を使用して同じ方法で算出した流量。

使用する流体は,系統に用いる流体又は相当品とする。

C.4.2.3

空気系統  ほかに規定がない限り,空気系統の管,ホース及び構成部品の流量は,0 とする。

C.5

ホースの試験手順  試験に使用するホースは,60cm 以上の長さのものとする。ホースは水平に取り付

け,1 か所に 90°の曲げ部分をつくる。片方の継手及びそれに続く少なくとも 12cm のホース部分を試験

火炎で包む。

C.6

流体温度

C.6.1

液体  ホース内の燃料,潤滑油又は作動油の温度は,93∼110℃に保つ。ほかに規定がない限り,他

の構成部品内の流体の温度も同じとする。

C.6.2

気体  構成部品内の空気又はガスの温度は,設計最大常用温度よりも高い温度にする。


20

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

C.7

合格判定基準

C.7.1

燃料,潤滑及び油圧系統  5.2 への適合に加えて,系統構成部品は,5.1.5 に規定した試験期間中,漏

れの形跡を示さない。

C.7.2

空気系統  5.2 への適合に加えて,系統構成部品は,5.1.5 に規定した試験期間中,著しい漏れの形跡

を示さない。


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W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 D(規定)  電気ケーブル及びコネクタの試験条件

D.1

全般  この附属書は,電気ケーブル及びコネクタに対する個々の試験条件について規定する。

D.2

振動  電気ケーブル又はコネクタの供試品には,その軸に交わる方向に,振動数 30∼60Hz,加速度

4g

以上の振動を与える。

D.3

電気ケーブルに対する個々の試験条件

D.3.1

標準火炎  電気ケーブルの供試品を標準火炎(2.2 及び附属書 参照)にさらす。

D.3.2

単しん(芯)ケーブル  多量のケーブルから任意に長さ 0.75m の 3 個の供試品をとり,次の方法で

試験の準備をする。

各供試品の中央の

2

1

m

の部分を,次に示す流体に室温で 24h 浸す。各供試品ごとに別の流体を用いる。

a)

航空燃料

b)

エンジン滑油

c)

作動油

ケーブルから余分な流体を取り去り,

図 D.1 に示すように枠の上に取り付ける。2 枚のニッケル・クロ

ム製リボンを,リボンの内側縁を 25±5mm の間隔をとって供試品に巻きつける。

図 D.1 に示すように供

試品及び試験用リボンにおもりをつけ,

供試品のリボンで巻いた間の部分を 1 100℃のバーナ火炎の上部に

適切な距離をとって置く。おもりで張力をかけた後,供試品及びリボンをプーリの位置で固定し,振動又

は共振で大きい荷重がかかるのを防止する。

供試品を

図 D.2 に示すように回路に接続する。電源スイッチを入れて 2A の電流が記録されれば供試品

は断線していない。試験スイッチを入れて絶縁劣化検出回路を検査する。25mA の電流が記録されなけれ

ばならない。

D.3.3

多しんケーブル  D.3.2 に規定したとおりに 3 個の供試品を準備する。

供試品は,

図 D.1 に示してあると同様に適切なおもりをつけてバーナ上の試験枠に取り付ける。

供試品を,

図 D.3 試験 に示すとおり回路に接続する。D.3.2 に規定した試験前点検を行う。取付枠の振

動は,D.2 に規定したとおりとする。

D.3.4

多しんシールドケーブル  多しんシールドケーブルは,各しん線のすぐ近くをスクリーン(金属製

網)がとりまいている。

D.3.2

に規定したとおりに 3 個の供試品を準備する。

供試品は,

図 D.1 に示してあると同様に適切なおもりをつけてバーナ上の試験枠に取り付ける。

供試品を,

図 D.3 試験 に示すとおり回路に接続する。D.3.2 に規定した試験前点検を行う。取付枠の振

動は,D.2 に規定したとおりとする。

D.3.5

合格判定基準  火炎に 5min さらす間,断線がなく,また絶縁体抵抗が 10 000

Ω以上を保っていれば

中耐火性があるとする。高耐火性があるとするためには,試験時間を 15min に延長する。

D.4

電気コネクタに対する個々の試験条件


22

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

D.4.1

標準火炎  コネクタを標準火炎(2.2 及び附属書 参照)にさらす。

D.4.2

供試コネクタの結線  図 D.4 に示すとおりに中耐火性電線を使用してコネクタに接続する。各接点

が直列になるように接続する。コネクタに規定されている値に等しい一定電流を通す。

D.4.3

供試品の取付け  図 D.5 に示すとおりに,必要な附属品とともに,はめ合わせた対のコネクタを取

り付ける。

D.4.4

合格判定基準  5min の試験で電気的な不具合を生じなければ,コネクタには中耐火性があるとする。

火炎を 5min あてている間,スイッチ 1 は入に,スイッチ 2 は切にしておく。5min 経過後,スイッチ 1 を

切に,スイッチ 2 を入にする。

最初の 5min に電気的断絶があるか,又は続く次の 1min にコネクタに規定されている値よりも大きい漏

電があれば電気的不具合が生じたとする。

防火壁に使用するコネクタに対しては,15min にわたって取り付けた壁板の片方の側から反対側へ火炎

を通さず,また,取り付けた壁板の火炎がない方の側面で自然発火が生じないこと。

この試験は同時に実施してよい。

図 D.1  電気ケーブル試験リグ


23

W 081

3-199

5 (ISO

 26
85 :

199

2)

図 D.2  単しんケーブル用結線図


24

W 081

3-199

5

 (ISO

 26
85 :

199

2)

図 D.3  多しんケーブル用結線図


25

W 081

3-199

5 (ISO

 26
85 :

199

2)

図 D.4  コネクタの代表的結線図


26 
W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

図 D.5  コネクタ試験装置


27

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 E(規定)  構造構成部品の試験条件

E.1

全般  この附属書は,構造構成部品(例えば,発動機架,カウリング,防火壁)に対する個々の試験

条件を規定する。

E.2

標準火炎  構成部品を標準火炎(2.2 参照)にさらす。

E.3

振動  振幅 0.4mm で,50Hz に最も近い非共振振動数の振動を構成部品に加える。

すべての金属マトリックス構造物,非金属構造物及びその他の非金属防火被覆物に,耐火試験中振動を

加える。金属主体の構造物は,振動させなくてよい。

E.4

試験時間  試験の最初の 5min に構造構成部品には,航空機がゆるやかな運動をするときの荷重に,

飛行時に発生する通常の振動による荷重を重ねたものを負荷する。高耐火性の試験では,上に示した試験

の最初の 5min の経過後は,エンジン停止後に発生する荷重に対応したものを負荷する。

E.5

合格判定基準  構造構成部品は,試験中,5.2 に規定する合格基準を満たし,かつ E.4 に規定する荷重

に耐える。


28 
W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 F(参考)  単位換算表

F.1

長さ

 m

mm

ft

in

1m

1

1 000 3.280

84

39.370

1

1mm

0.001

1

0.003 28

0.039 37

1ft

0.304 8

304.8

1

12

1in

0.025 4

25.4 0.083

33

1

F.2

流量

 USgal/min

UKgal/min

m

3

/h

1USgal/min

1

0.832 67

0.227 12

1UKgal/min 1.200

95

1 0.272

77

1m

3

/h

4.402 86

3.666 15

1

F.3

圧力

 lbf/in

2

 inH

2

O kPa

mbar

1lbf/in

2

1

0.0361 27

6.894 76

68.947 6

1inH

2

O 27.68 1 1

0.249 089

2.490 89

1kPa

0.145 04

4.014 63

1

10

1mbar

0.014 504

0.401 463

0.1

1

備考  太字の数値は厳密な値を示す。

F.4

温度

摂氏度数=

9

5

(華氏度数−32)

F.5

熱及び関連の値

1CHU

1.8Btu

1Btu

=1.055 06kJ

熱量(容積)

1kJ/m

3

=26.839 2×10

6

Btu/ft

3

熱量(質量)

1Btu/lb

2.326kJ/kg

動力

1CHU/s

=1.899 1kW

1Btu/s

=1.055 06kW

熱流束密度

1CHU/ (ft

2

s)

=20.441 74kW/m

2

1Btu/ (ft

2

s)

=11.356 52kW/m

2


29

W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

F.6

加速度

1gn

=9.806 65m/s

2


30 
W 0813-1995 (ISO 2685 : 1992)

附属書 G(参考)  参考文献

[1]  ISO 228-1 : 1982

  Pipe threads where pressure-tight joints are not made on the threads−Part 1 : Designation,

dimensions and tolerances

[2]  BS 3G 100, Part 2, Section 3, Sub-section 3.13 : 1983

  Resistance to fire in designated fire zones

[3]  AS4O1B : 1961

  Powerplant Fire Detection Instruments. Society of Automotive Engineers

[4]  FAA Powerplant Engineering Report No.3A

  Standard Fire Test Apparatus and Procedure,March 1978

航空規格原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

松  木  正  勝

日本工業大学

(副委員長)

葛  馬      孝

石川島播磨重工業株式会社

平  井  敏  文

通商産業省機械情報産業局

山  村  修  蔵

工業技術院標準部

平  沢  愛  祥

運輸省航空局

寺  川  義  彦

海上保安庁装備技術部

中  西  忠  雄

防衛庁装備局

山  根  晧三郎

科学技術庁航空宇宙技術研究所

守  田  正  公

社団法人日本航空技術協会

中  込  常  雄

日本工業標準調査会自動車・航空部会規格調整専門委員会

久木田  実  守

株式会社富士キメラ総研

白  浜  洋  海

日本航空株式会社

吉  井  正  洋

株式会社日本エアシステム

渡  辺      正

川崎重工業株式会社

香  坂  哲  哉

株式会社島津製作所

藤  井  洋  三

帝人製機株式会社

曽  我      章

日本航空電子工業株式会社

渡  辺      晃

日本飛行機株式会社

中  神  雄  三

富士重工業株式会社

清  田  紀  男

三菱電機株式会社

廣  田  和  弘

三菱重工業株式会社

宇田川  知  行

横河電機株式会社

播  磨  克  彦

アエロスペック研究会

(事務局)

礒  部  瑛  二

社団法人日本航空宇宙工業会