日本工業規格
JIS
W
0116
-1992
(ISO 1151-6 :
1982
)
飛行力学−概念,量及び記号−
第 6 部:航空機の幾何学的性質
Flight dynamics
−Concepts, quantities and symbols−
Part 6 : Aircraft geometry
日本工業規格としてのまえがき
この規格は,1982 年第二版として発行された ISO 1151-6 (Flight dynamics−Concepts, quantities and symbols
− Part 6 : Aircraft geometry) 及び 1984 年に発行されたその Amendment 1 を翻訳し,技術的内容及び規格
票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
まえがき
ISO 1151
Flight dynamics−Concepts, quantities and symbols(飛行力学−概念,量及び記号)は,現在,
次の 7 規格から構成されている。
Part 1 : Aircraft motion relative to the air
[JIS W 0111(飛行力学−概念,量及び記号−第 1 部:航空機の対気運動)-1991]
Part 2 : Motions of the aircraft and the atmosphere relative to the Earth
[JIS W 0112(飛行力学−概念,量及び記号−第 2 部:地球に対する航空機及び大気の運動)-1992]
Part 3 : Derivatives of forces, moments and their coefficients
[JIS W 0113(飛行力学−概念,量及び記号−第 3 部:力,モーメント及びそれらの係数の微係数)-1992]
Part 4 : Parameters used in the study of aircraft stability and control
[JIS W 0114(飛行力学−概念,量及び記号−第 4 部:航空機の安定性及び操縦性の研究に使用するパ
ラメータ)-1992]
Part 5 : Quantities used in measurements
[JIS W 0115(飛行力学−概念,量及び記号−第 5 部:測定で使用する量)-1992]
Part 6 : Aircraft geometry
[JIS W 0116(飛行力学−概念,量及び記号−第 6 部:航空機の幾何学的性質)-1992]
Part 7 : Flight points and flight envelopes
[JIS W 0117(飛行力学−概念,量及び記号−第 7 部:飛行点及び飛行包囲線)-1992]
備考 [ ] 内に示した日本工業規格が,それぞれの対応国際規格と一致している。
ISO 1151
は,主要な概念を規定し,理論的及び実験的研究で使用する比較的重要な用語を含み,さらに,
できる限り広い範囲にわたり対応記号を与えることを意図するものである。
ISO 1151
の各部において,
“航空機”という用語は,大気中又は宇宙の飛行を目的とする輸送機関を意
2
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
味する。通常,航空機は,一つの平面に関して本質的に左右の対称性をもっている。この平面は,航空機
の形状特性によって定まる。この平面上に,二つの直交方向(前後及び上下)を定め,この平面に垂直に,
左右方向を定義する。
対称平面が一つある場合には,それを航空機の基準平面とする。対称平面が二つ以上ある場合又は対称
平面がない場合には,基準平面を選ぶ必要がある。前者の場合には,対称平面の一つを基準平面とする。
後者の場合には,基準平面は任意とする。どの場合でも,選択した結果を明記することが必要である。
どの軸の周りの回転角,角速度及びモーメントも,その軸の正方向を見たとき,時計回りを正とする。
座標軸系はすべて,三次元,直交右手系であって,この座標軸系は,x 軸の周りに正方向に
2
π
回転すれ
ば,前に z 軸が占めていた位置に y 軸が来ることとなる。
章及び箇条の番号
章又は箇条の引用の指示が容易になるように,問題とする ISO 1151 の部の番号を最初の数字にするよう
な 10 進番号方式を採用した。
参考 JIS W 0116 の“6.0 序文”で,“6.0”の最初の 6. は,JIS W 0116 の末尾の 6(ISO 1151-6 の部
の番号の 6)である。
6.0
序文
6.0.1
この規格は,飛行力学の研究を目的とする航空機の幾何学的説明のために使用する幾つかの概念に
ついて定義する(
1
)
。
この規格は,航空機の形状について,詳細に説明できる定義を,すべて示すものではない。
注(
1
)
この規格に示す定義は,より広い概念を導入するためにも必要となることがある他の分野(構
造研究,製造など)との一貫性を保つように表現した。
備考 用語及び対応英語の一部に,丸括弧“( )”を付けてあるものは,この丸括弧の中の用字を含
めた用語と,丸括弧の中の用字を省略した用語の二通りの用語を用いてよいことを示している
が,丸括弧の中の用字を含めた用語を優先する。
6.0.2
航空機は,種々の構成部品から組み立てられていると考える。これらの構成部品は,実際には,航
空機の“主部品 (main parts) ”を形成する部分組立て (sub-sets) にまとめる。
主部品は,基本構成部品,及び通常,固定又は可動の幾つかの他の構成部品からなる。基本構成部品に
対する可動構成部品の位置は,飛行中に変えることができる。
例
主部品
構成部品
胴体
主翼
尾翼
…
基本構成部品
機室
中央部
固定翼面
…
固定構成部品
テールコーン
固定部
−
…
可動構成部品
折曲げ機首
可変後退・前進部
ピッチモーチベータ
…
(droop
nose)
フラップ
タブ
脚扉
補助翼
スラット
さらに,他の主部品に対する主部品の位置は,飛行中に変えることができる。
例 胴体に対する水平尾翼の回転及び垂直離着陸機の主翼に対するエンジンナセルの回転。
航空機を主部品及び構成部品に分解する程度は,検討する問題によって異なる。例えば,幾つかのフラ
ップからなる一つの高揚力装置は,フラップ間の相対的な動きの法則が明確にされている場合(例えば,
3
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
異なるフラップ変位での進入を研究する場合)
,単一構成部品とみなすことができる。その場合には,その
構成部品の位置は,高揚力装置制御器の位置を示す単一パラメータによって定義される。他方,他の条件
では,それぞれのフラップを一つの構成部品とみなさなければならない(例えば,フラップ間の相対的な
動きの法則を明確にすることを目的とする風洞試験の場合)
。
6.0.3
基本構成部品は,それが属する主部品を構成する他の構成部品の相対位置を,各構成部品内の基準
座標軸系(6.1.9)によって定義するために用いる。基本構成部品は,それが属する主部品の他の主部品に対
する相対位置を,各主部品内の基準座標軸系(6.1.13)によって定義するためにも同様に用いる。
航空機に対する各主部品の位置を定義するために,航空機基準座標軸系(6.1.4)と呼ぶ一つの座標軸系
x
R
y
R
z
R
を定義する必要がある。
その座標軸系は,3 軸を飛行力学上の考慮から選定した機体軸系(1.1.5)である必要はない。通常,航空機
基準座標軸系の軸は,胴体座標軸系の軸と一致する。
6.0.4
胴体の基本構成部品に対して,用語“前方”
,
“右方”及び“下方”は,一般に認められている意味
をもっている。
どの構成部品の前方,右方及び下方も,胴体に対する構成部品の一般的方向から定まる。
用語“前方”
,
“右方”及び“下方”は,各構成部品の定義の必要部分ではあるが,航空機の運動の方向,
地球に対するその位置又は航空機での操縦士の位置に関係するものではないことを強調しておく。したが
って,垂直離着陸機の胴体の前方は,その航空機が飛行中の方向に関係なく同一のままである。
これらの慣例に従って,
“基準座標軸系”(6.1.9)と呼ぶ各構成部品に固定する座標軸系は,通常,前方に
x
軸,右方に y 軸及び下方に z 軸を取る。
6.0.5
各構成部品の基準点(6.1.7),基準軸(6.1.8)及び基準座標軸系(6.1.9)は,航空機又は図面に記された基
準点及び基準線から決定することができる。
各構成部品の幾何学的形状の完全な定義は,その基準座標軸系(6.1.9)に対して示さなければならない。
6.0.6
航空機基準平面(6.1.1)と呼ぶ平面に対して個々の構成部品が左方及び右方に対称であるか,対称的
に配置されている航空機の主要部品 (major part) を構成する部分組立てを,構成部品の組から抜き取るこ
とができると仮定する。
6.0.7
構成部品又は主部品を説明するために,この構成部品又は主部品の形状を表す一つ以上の全体的な
パラメータを導入することが便利な場合がある(
例 胴体の最大断面積及び長さ)。異なる構成部品又は異
なる主部品の相対位置は,操縦士の動作又はある系統の動作並びに慣性力及び空気力による荷重状態によ
って異なる。これらの相対位置は,航空機の幾何学的状態(6.1.17)を明確にする。
6.0.8
飛行力学上の検討過程で,ある幾何学的量(例えば,可変後退−前進翼機の翼幅及び翼面積)が変
わるときには,これらの幾何学的量のそれぞれの起こり得る値のうちの一つを基準量として選定すること
を推奨する。
6.0.9
無次元係数の計算に用いる基準面積及び基準長さは,それぞれ,JIS W 0111 の 1.4.5 及び 1.4.6 で定
義する。
4
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
6.1
一般特性
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.1.1
航空機基準平面
航空機の主部品を構成する構成部品の部分組立
てを,左右対称に配置するときの基準となる平
面。この平面は,航空機基準座標軸系(6.1.4)の
z
R
x
R
平面である。
備考 大抵の場合,航空機基準平面は胴体基
準平面(6.4.3)と一致する。
z
R
x
R
aircraft
reference
plane
6.1.2
航空機基準点
航空機基準平面(6.1.1)に固定した,適切に選定し
た点。
− aircraft
reference
point
6.1.3
航空機基準軸
航空機基準点(6.1.2)を通って前方を向き,航空機
基準平面(6.1.1)上に固定した,適切に選定した直
線。
x
R
aircraft
reference
axis
6.1.4
航空機基準座標軸系
航空機基準点(6.1.2)を原点とし,X
R
軸が航空機
基準軸(6.1.3)と一致し,z
R
軸が航空機基準平面
(6.1.1)
上にある,航空機に固定した右手直交座標
軸系。y
R
軸は,x
R
軸及び z
R
軸に垂直で,この座
標軸系を完成し,前方を向いて右を正とする。
備考 大抵の場合,航空機基準座標軸系は胴
体座標軸系(6.4.1)と一致する。
x
R
y
R
z
R
aircraft
reference
axis system
6.1.5
航空機基準座標軸系
に対する機体軸系の
設定位置
航空機基準座標軸系(6.1.4)に対する機体軸系
(1.1.5)
の位置を定義する幾何学的量の組(一般
に,3 個の座標及び 3 個の方向角)
。
−
setting of the body
axis system with
respect to the
aircraft reference
axis system
6.1.6
航空機基準軸に対す
る前後軸の設定角
左右軸(1.1.5)が y
R
軸に平行な特別な場合に,航
空機基準軸(6.1.3)を前後軸(1.1.5)に平行にする
ために,航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
軸の周
りに航空機基準軸(6.1.3)を回転しなければなら
ない角度。
回転が航空機基準平面(6.1.1)上で正の向きに行
われるとき,その角度を正とする。
−
setting angle of the
longitudinal axis
with respect to
the aircraft
reference axis
6.1.7
(構成部品の)基準
点
構成部品に固定し,適切に選定した点。
−
reference point(of a
component)
6.1.8
(構成部品の)基準
軸
基準点(6.1.7)を通って適切に選定した方向を向
く,構成部品に固定した直線。
−
reference axis(of a
component)
5
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.1.9
(構成部品の)基準
座標軸系
基準点(6.1.7)を原点とし,通常,次のように選定
した 3 基準軸(6.1.8)からなる,構成部品に固定し
た右手直交座標軸系。
x
i
軸は,前方を向く。
y
i
軸は,右方を向く。
z
i
軸は,x
i
軸及び y
i
軸に垂直で,この座標
軸系を完成する。
x
i
y
i
z
i
x
i
y
i
z
i
備考
添字 i
は,問題
とする
構成部
品を示
す数字
又は文
字とす
る
reference axis
system(of a
component)
6.1.10
他の構成部品に対す
る 1 構成部品の設定
位置
他の構成部品の基準座標軸系に対する構成部品
の基準座標軸系(6.1.9)の位置を定義する幾何学
的量の組(一般に,3 個の座標及び 3 個の方向
角)
。
−
setting of one
component with
respect to another
component
6.1.11
主部品の基準点
主部品の基本構成部品(6.0.2)の基準点(6.1.7)。
−
reference point of a
main part
6.1.12
主部品の基準軸
主部品の基本構成部品(6.0.2)の基準軸(6.1.8)。
−
reference axis of a
main part
6.1.13
主部品の基準座標軸
系
主部品の基本構成部品(6.0.2)の基準座標軸系
(6.1.9)
。
− reference
axis
system of a main
part
6.1.14
他の主部品に対する
主部品の設定位置
他の主部品の基準座標軸系に対する主部品の基
準座標軸系(6.1.13)の位置を定義する幾何学的量
の組(一般に,3 個の座標及び 3 個の方向角)
。
−
setting of a main
part with respect
to another main
part
6.1.15
航空機基準座標軸系
に対する主部品の設
定位置
航空機基準座標軸系(6.1.4)に対する主部品の基
準座標軸系(6.1.13)の位置を定義する幾何学的量
の組(一般に,3 個の座標及び 3 個の方向角)
。
−
setting of a main
part witb respect
to the aircraft
reference axis
system
6.1.16
主部品の幾何学的状
態
主部品の種々の構成部品の相対位置を表す量の
組。
−
geometric state of a
main part
6.1.17
航空機の幾何学的状
態
種々の主部品の相対位置を表す量の組。
−
geometric statae of
the aircraft
基準座標軸系 x
i
y
i
z
i
で一点 P の座標は,x
ip
, y
ip
及び z
ip
で示す。指標 i は,基準座標軸系を示す数字又は文
字の指標とする。指標 P は,定められた点 P を示す数字又は文字の指標とする。
点 Q (x
iQ
, y
iQ
, z
iQ
)
に対する点 P (x
iP
, y
iP
, z
iP
)
の相対位置は,基準座標軸系 x
i
y
i
z
i
に対するこれらの点の座標
の差によって定義する。
備考 混同のおそれがなければ,指標 i を省略してもよい。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.1.18
−
選定した基準座標軸系で点 Q と点 P との x 座標
の差。x
iPQ
=x
iQ
-x
iP
x
iPQ
−
6.1.19
−
選定した基準座標軸系で点 Q と点 P との y 座標
の差。y
iPQ
=y
iQ
-y
iP
y
iPQ
−
6
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.1.20
−
選定した基準座標軸系で点 Q と点 P との z 座標
の差。z
iPQ
=z
iQ
-z
iP
z
iPQ
−
6.2
航空機の全体寸法
航空機の所定の幾何学的状態 (6.1.17) に対して,航空機の全体寸法を,次のとおりに定義する。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.2.1
(航空機の)全長
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
z
R
平面
に平行な 2 平面間の距離。
L
r
overall length(of the
aircraft)
6.2.2
(航空機の)全幅
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,航空機基準平面(6.1.1)に平行な 2 平面間
の距離。
b
R
overall width(of the
aircraft)
6.2.3
(航空機の)全高
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面
に平行な 2 平面間の距離。
h
R
overall height(of the
aircraft)
航空機の所定の幾何学的状態(6.1.17)に対して,航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
軸を水平な地平面に平行
にして,この地平面上に静止している航空機について,対応する全体寸法を定義する。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.2.4
(航空機の)地上全
長
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
軸に平
行で,地平面に垂直な 2 平面間の距離。
I
R
ground
overall
length(of the
aircraft)
6.2.5
(航空機の)地上全
幅
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
軸に平
行で,地平面に垂直な 2 平面間の距離。
備考 航空機の幾何学的状態 (6.1.17) が同
じ場合には,6.2.2 及び 6.2.5 で定義す
る量は等しい。
b
O
ground
overall
width(of the
aircraft)
6.2.6
(航空機の)地上全
高
航空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側
にある,地平面と地平面に平行な平面との間の
距離。
h
O
ground
overall
height(of the
aircraft)
6.3
地上制限角
地上制限角は,航空機が地面上で取り得る極限の角度状態を示す。これらの角度は,質量分布,降着装
置及びタイヤのたわみなどを考慮した,航空機の幾何学的状態(6.1.17)によって変わる。
リフトオフ及び着地で航空機が取り得る極限の角度状態を示すため,
すべての接触点で反力が作用せず,
また慣性力が零の場合(降着装置はそれ自体の重量だけが作用する結果,得られる位置にある。
)だけに,
制限角を定義する。
これらの極限の角度状態で,航空機構造の少なくとも 2 点が地面と接触する。
備考 地面反力が零でない場合には,類似の方法で,他の地上制限角を定義できる。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.3.1
縦揺れ地上制限角
反力が零,y
R
軸が地面に平行な状態で,航空機
の主脚及び主脚の後ろにある航空機の部分が地
面に接触するときの,航空機基準軸(6.1.3)と地面
との間の角度の絶対値。
備考 機首下げ方向に類似の角を定義して
もよいが,意図的操作によらない限
り,起こる可能性は機首上げより小さ
い。
−
ground limit angle
in pitch
7
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.3.2
横揺れ地上制限角
反力が零,航空機基準軸(6.1.3)が地面に平行な状
態で,主脚の右外側車輪及び右車輪の外側にあ
る航空機の部分,又は主脚の左外側車輪及び左
車輪の外側にある航空機の部分が地面に接触す
るときの,航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
軸と
地面との間の角度の絶対値。
備考1. 航空機が非対称でない限り,左右の
地上制限角の値は同一である。
2.
横揺れ地上制限角の概念は,x
R
軸
が地面に平行である必要がない場
合に,一般化してもよい。
−
ground limit angle
in roll
6.4
胴体
“胴体”という主部品は,それを構成する種々の構成部品を表に記載し,基本構成部品を指定すること
によって定義する。
この表に記載するときに,胴体に配置した幾つかの補助構成部品(機首プローブ,ブレーキパラシュー
ト入れ,空気取入口など)を胴体の部分とみなすかどうかを示すことが必要である。
例えば,一つの機室及び二つのブームから成る航空機の場合には,胴体は,取り扱う問題によって,次
のどちらかから構成されると定義してもよい。
二つのブーム及び機首プローブなしの機室(基本構成部品)だけ。
二つのブーム及び機首プローブをもつ機室(基本構成部品)
。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.4.1
胴体座標軸系
胴体の基本構成部品の基準座標軸系(6.1.13)
備考1. 胴体が航空機基準平面(6.1.1)に平
行な対称平面をもつときには,x
F
軸及び z
F
軸は,対称平面上にある。
2.
胴体が前後二つの対称平面をもつ
とき,及びそれらの一つが航空機基
準平面(6.1.1)に平行なときには,x
F
軸はそれら対称平面の交線,z
F
軸は
航空機基準平面(6.1.1)に平行であ
る。特に,胴体が回転体のときには,
x
F
軸は回転軸である。
3.
大抵の場合,胴体座標軸系は,航空
機基準座標軸系(6.1.4)と一致する。
x
F
y
F
z
F
fuselage axis system
6.4.2
胴体軸
胴同体座標軸系(6.4.1)の xF 軸。
X
F
fuselage
axis
6.4.3
胴体基準平面
胴体座標軸系(6.4.1)の z
F
x
F
平面。
z
F
x
F
fuselage
reference
plane
6.4.4
胴体設定位置
航空機基準座標軸系(6.1.4)に対する胴体座標軸
系(6.4.1)の設定位置(6.1.15)。
備考 大抵の場合,胴体座標軸系(6.4.1)は,
航空機基準座標軸系(6.1.4)と一致す
るので,設定位置を定める 6 個の量
は,すべて零である。
− fuselage
setting
8
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.4.5
胴体基準角
胴体座標軸系(6.4.1)の y
F
軸が航空機基準座標軸
系(6.1.4)の y
R
軸に平行という特別な場合に,x
R
軸を胴体軸(6.4.2)に平行にするために,y
R
軸の周
りに x
R
軸を回転させなければならない角度。こ
の角は,航空機基準平面(6.1.1)内で正の向きに回
転させたとき,正とする。
備考1. この場合,胴体設定位置(6.4.4)を定
める量は,胴体基準角と3個の座標
とに減少する。
2.
大抵の場合,胴体座標軸系(6.4.1)
は,航空機基準座標軸系(6.1.4)と一
致するので,胴体基準角はゼロであ
る
− fuselage
reference
angle
次の定義は,航空機のある所定の幾何学的状態(6.1.17)(折り曲げ機首の位置,爆弾倉扉の位置,降着装
置の位置など)に適用する。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.4.6
胴体長さ
胴体の表面に接触し,しかも胴体の最外側にあ
る,胴体軸(6.4.2)に垂直な 2 平面間の距離。
l
F
fuselage
length
6.4.7
胴体最大断面積
胴体軸(6.4.2)に垂直な平面で胴体を切断するこ
とによって得られる胴体断面積のうち最大のも
の。
A
F
fuselage
maximum
crosssectional
area
6.4.8
胴体等価直径
その面積が胴体最大断面積(6.4.7)に等しい円の
直径。
d
F
fuselage
equivalent
diameter
6.4.9
胴体細長比
(どうたいほそなが
ひ)
胴体等価直径(6.4.8)に対する胴体長さ(6.4.6)の
比。すなわち,
F
F
d
l
− fuselage
fineness
ratio
6.5
空力翼面−一般
“空力翼面”は,その三つの寸法のうちの一つが他の二つと比較して小さい主部品 (6.0.2) である。空
力翼面は,一般に,小さい寸法の方向に,他の方向の成分よりはるかに大きい成分をもつ空気力を発生す
るためのものである。
これらの空力翼面の例は,次のとおりである。
− 主翼
− 水平尾翼
− 垂直尾翼
− V 形尾翼
− 先尾翼
− マスタッシュ (moustache) など
空力翼面の所定の幾何学的状態 (6.1.16) に付随する幾つかの幾何学的性質を定義するために,“翼弦
面”
(6.6.15 及び 6.7.2.12 参照)と呼ぶ,次の面によって空力翼面を表す。
− 閉じた外側輪郭によって囲われた面
− 一平面に平行な直線の線分であって,その端部が輪郭上に位置する線分(局部翼弦線,6.6.5 及び
6.7.2.7
参照)によって作られる面。
その輪郭を定義するための一般条件を,6.6 (c) に示す。
エンジン構成部品を含む内部ダクトによって,空力翼面を中断した場合[
例 翼内ファン (fan-in-wing)
9
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
又は垂直尾翼内のダクテッドプロペラ]には,翼弦面上に内側輪郭,すなわち,内部ダクトと翼弦面との
交線を考えることは,有益であると思われる。
翼の幾何学的特性の定義を,6.6 に示す。それらは,他の翼面に容易に適用できる。6.7 では,尾翼を取
り扱う。
6.6
翼
備考 この章で“翼”という用語は,主翼を表すことが明らかな場合には,“主翼”という用語に読み
替えてもよい。
解説を参照のこと。
(a)
“翼”という主部品は,それを構成する種々の構成部品を表に記載し,基本構成部品を指定するこ
とによって定義するほかない。この表に記載するときに,翼に配置した幾つかの補助構成部品(
例
フィレット,境界層板,プローブ,アンテナ)又は通常他の主部品の一部である構成部品(
例 エ
ンジンナセル,燃料タンク)を翼の部分とみなすかどうかを示すことが必要である。
航空機が幾つかの翼をもつ場合には,幾つかの主部品(
例 “上翼”及び“下翼”又は“前翼”
及び“後翼”
)を定義する。
(b)
定義は,翼の所定の幾何学的状態(6.1.16)に関係する。この幾何学的状態に対して,翼を構成する種々
の可動構成部品(
例 フラップ,スラット,操縦装置)の相対位置を決定し,規定する。これらの
定義は,通常,フラップ及び前縁スラットの引込み位置,並びに操縦翼面の中立位置に対応する特
定の幾何学的状態についてだけに使用する。
飛行力学上の検討の過程で,翼の幾つかの幾何学的状態を考察し,基準量(1.4.5 及び 1.4.6)とし
て用いる幾何学的量(
例 可変後退−前進翼機の翼幅・翼面積)が変わるときには,これらの状態
の一つを基準の幾何学的状態として選定することが望ましい。その基準状態に対する幾何学的量の
値は,検討するすべての幾何学的状態に対する基準量となる。
(c)
一定の幾何学的状態に対して,翼の外側輪郭(6.5)は,翼の表面上に引いた線,いわゆる“前縁線”
及び“後縁線”を含む。
この規格に規定していないこれらの線の定義は,幾何学的及び空力的考察から生まれる。それら
は,次の条件を満足しなければならない。
前縁線及び後縁線が各翼端で一点で交わる場合には,その点を“翼端点” (tip point) と呼ぶ。航
空機の表面に接触し,しかも航空機の最外側にある,航空機基準平面に平行な平面が翼面とも接触
している場合には,これらの接触点は,翼端点である。
前縁線及び後縁線が翼端で交わらない場合には,航空機基準平面に平行な平面上で,“翼端翼弦
線”と呼ぶ直線の適切に選定した線分によって,各翼端で,輪郭を完成する。
翼端点又は翼端翼弦線は,後縁線から前縁線を分離する。
翼の一部でない構成部品(
例 胴体,エンジンナセル)によって,又はすきまによって,前縁線
及び後縁線を中断するときには,規定された方法に従って,それらの線の中断点を結ぶことによっ
て,輪郭を完成する。
付図 1 は,航空機基準座標軸系(6.1.4)の平面上への輪郭の投影を示す。
(d)
航空機の空力特性の計算は,その前縁線及び後縁線が翼面とすべての点では一致しない,幾らか簡
略化した輪郭(
例 簡略化した平面図形の形式のもの)を導入することによって容易にしてもよい。
(e)
翼に関する幾何学的特性を説明するために,別の座標軸系を用いる。
輪郭の説明を含む主部品“翼”の幾何学的状態(6.1.16)を説明するために,翼座標軸系(6.6.2)と呼
ぶ翼の基準座標軸系を用いる。
10
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
翼の空力特性に関する幾何学的パラメータを定義するために,翼の基本座標軸系 (6.6.11) を用い
る。
翼弦線(6.6.5 及び 6.6.7)
,基本座標軸系 (6.6.11) ,局部後退−前進角 (6.6.22) ,及び局部上反角
(6.6.24)
の定義には,これらの概念が航空機全体の一部としての翼に関係するので,航空機基準座標
軸系 (6.1.4) を用いる。
単独翼 (isolated wing) の研究では,翼座標軸系 (6.6.2) に関して,又は他の適切に選定した座標
軸系に関して,これらの定義を設定してもよい(例えば,単独斜め翼の検討では,その zX 平面が無
限遠上流での速度に平行である座標軸系を選定する。
)
。
(f)
以下の定義で,簡略化できる場合がある。台形翼を例にとれば,それは,航空機基準平面 (6.1.1) に
関して対称な 2 個の台形平面半翼からなる翼である。該当するアイテムで,このような簡略化につ
いて述べる。
(g) 6.6 (c)
で示した手順を適用して,胴体内部を通して翼の輪郭が完成したとき,でき上がった輪郭は,
“総翼”(gross wing)の輪郭である。次の定義を,その総翼に適用する。
慣例に従って,胴体内部にある総翼の部分(航空機基準平面に平行な二つの付け根翼弦線の間に
含まれる部分)を除くことによって,
“正味翼”(net wing)を得る。
(h)
翼に関する記号は,添字 L によって示す。
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.1
(基準)翼対称平面
構成部品の部分組立て(翼の基本構成部品を含
み,さらに翼の主要部分をなす。
)を左右対称に
配置するときの基準となる平面。その平面は,
翼座標軸系(6.6.2)の z
L
x
L
平面である。
備考1. 通常,翼座標軸系の z
L
x
L
平面は,通
常胴体基準平面(6.4.3)でもある航
空機基準平面(6.1.1)と一致する。
2.
翼の輪郭は,z
L
x
L
平面に対して,通
常,対称である。
z
L
x
L
(reference)
plane
of symmetry of
the wing
6.6.2
翼座標軸系
翼の基本構成部品の基準座標軸系(6.1.13)。x
L
軸
の方向及びその原点は,適切に選定する。
備考 x
L
軸が(基準)翼対称平面(6.6.1)と輪
郭との交点を通ることが望ましい。
x
L
y
L
z
L
wing axis system
6.6.3
翼設定位置
航空機基準座標軸系(6.1.4)に対する翼座標軸系
(6.6.2)
の設定位置(6.1.15)。
− wng
setting
6.6.4
翼幅
翼の輪郭[6.6(c)]に接触し,しかもその最外側に
ある,航空機基準表面(6.1.1)に平行な2平面間の
距離。
−
(wing)
span
6.6.5
局部翼弦線
航空機基準平面(6.1.1)に平行で座標 y に位置す
る平面と翼の輪郭の前縁線との交点及び後縁線
[6.6(c)]
との交点を結ぶ直線の線分(
付図 1 及び
付図 2 参照)。
−
(wing) local chord
line
11
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番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.6
局部翼弦長
局部翼弦線(6.6.5)の長さ。
C
又は l
i
備
考
添字 i は
数 字 又
は 文 字
で,基準
長さ(1
(1.4.6)
混
同 の お
そ れ が
な け れ
ば,省略
し て も
よい。
(wing) local chord
6.6.7
中央翼弦線
航空機基準平面(6.1.1)上の局部翼弦線(6.6.5)(
付
図 1 及び付図 2 参照)。
−
(wing)
central
chord line
6.6.8
中央翼弦長
中央翼弦線(6.6.7)の長さ。
−
(wing)
centre-line
chord
6.6.9
中央翼弦線の角度位
置
航空機基準座標軸系(6.1.4)の X
R
軸を中央翼弦線
(6.6.7)
に平行にするために,y
R
軸の周りに回転さ
せなければならない角度(
付図 2 参照)。その角
度は,正の向きに回転させたとき正とする。
−
angular position of
the (wing) central
chord line
6.6.10
(翼の)基本平面
航空機基準平面(6.1.1)に垂直で,しかも中央翼弦
線(6.6.7)を含む平面(
付図 2 及び付図 3 参照)。
備考 この平面は,基本座標軸系(6.6.11)の
x
b
y
b
平面である。
−
basic plane (of the
wing)
6.6.11
(翼の)基本座標軸
系
原点が中央翼弦線(6.6.7)の最先端にあり,次の 3
軸からなる右手直交座標軸系(
付図 2 参照)。
−
x
b
軸は中央翼弦線を含み,前方を指向する。
−
y
b
軸は基本平面(6.6.10)上にあり,航空機基
準座標軸系(6.1.4)の y
R
軸に平行である。
− z,
b
軸は x
b
軸及び y
b
軸に垂直でこの座標軸系
を完成する。
i x
b
y
b
z
b
−
basic axis system
(of the wing)
6.6.12
(翼の)先細上
中央翼弦長(6.6.8)に対する翼端翼弦長[6.6(c)]の
比。
−
(wing) taper ratio
備考 前縁線と後縁線とが曲がった翼端上
の 1 点で交わるが,翼端部分から実質
的に離れている場合には,先細比は,
適切に選定した翼端翼弦長を導入す
ることによって定義してもよい。
6.6.13
n
パーセント翼弦点
前縁から後方に局部翼弦長(6.6.6)の n%に等しい
距離にある局部翼弦線(6.6.5)上の点。
−
(wing)
n % chord
point
12
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番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.14
n
パーセント翼弦線
n
パーセント翼弦点(6.6.13)の軌跡
(
付図 1 参照)。
備考1. 0パーセント翼弦線は前縁線であ
る。100パーセント翼弦線は後縁線
である。
2.
台形翼の場合には[6.6(f)],n パーセ
ント翼弦線はすべて,直線である。
−
(wing) n % cbord
line
6.6.15
翼弦面
局部翼弦線(6.6.5)によって形成され,一般にねじ
れている表面(
付図 2 参照)。
備考 台形翼の場合には[6.6(f)],翼弦面は,
航空機基準平面(6.6.1)に関して対称
な 2 個の半平面からなる。
−
(wing)
chord
surface
6.6.16
(翼)面積
基本平面(6.6.10)上への翼弦面(6.6.15)の投影面
積。
( )
ò
′
=
2
1
d
L
y
y
y
y
c
S
ここに,
c'(y)
: 基本平面上への局部翼弦
線(6.6.15)の投影長さ
y
: 基本座標軸系(6.6.11)の y
b
軸に沿う局部翼弦線の座
標記号
y
1
: 左翼端点又は左翼端翼弦
線[6.6(c)]の y
b
軸に沿う座
標
y
2
: 右翼端点又は右翼端翼弦
線の y
b
軸に沿う座標
備考1. (y
2
-y
1
)
は,翼幅(6.6.4)に等しい。
2.
局部翼弦線の投影の代わりに,局部
翼弦線に基づいて類似の定義付け
をすることができる。
S
L
備
考
混 同 の
お そ れ
が な け
れば,添
字 L を省
略 し て
もよい
(wing) area
13
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番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.17
空力平均翼弦長
次の関係式によって定義する長さ。
( )
[ ]
( )
ò
ò
′
′
=
2
1
2
1
d
d
2
aL
y
y
y
y
y
y
c
y
y
c
c
ここに,
c'(y)
: 基本平面(6.6.10)上への局
部 翼 弦 線 (6.6.5) の 投 影 長
さ
y: 基本座標軸系(6.6.11)の y
b
軸の沿う局部翼弦線の座
標
y
1
: 左翼端点又は左翼端翼弦
線 [6.6(c)] の y
b
軸に沿う
座標
y
2
: 右翼端点又は右翼端翼弦
線の y
b
軸に沿う座標
備考1. (y
2
−y
1
)
は,翼幅(6.6.4)に等しい。
2.
分母の積分は,翼面積(6.6.16)に等
しい。
3.
局部翼弦線の投影の代わりに,局部
翼弦線に基づいて,類似の定義付け
をすることができる。
参考 空 力 平 均 翼 弦 長 (aerodynamic mean
chord length)
には同義語があるので,
解説を参照のこと。
c
aL
又は
l
aL
備
考
混 同 の
お そ れ
が な け
れば,添
字 L を省
略 し て
もよい
(wing) aerodynamic
mean chord
length
6.6.18
空力平均翼弦線
中央翼弦線(6.6.7)を含む直線の線分。その最先端
は,6.6.19 で定義する位置にあり,その長さは,
6.6.17
で定義する長さに等しい。
−
(wing)
aerodynamic
mean chord line
6.6.19
空力平均翼弦線最先
端座標
空力平均翼弦線(6.6.18)の最先端の基本座標軸系
(6.6.11)
の x
b
軸に沿う座標。次の値をとる。
( ) ( )
( )
ò
ò
′
′
=
2
1
2
1
d
d
aL
y
y
y
y
y
y
c
y
y
x
y
c
x
ここに
c'(y)
: 基本平面(6.6.10)上への局
部 翼 弦 線 (6.6.5) の 投 影 長
さ
X(y)
及び y: 局部翼弦線の最先端の x
b
軸及び y
b
軸に沿う座標
y
1
: 左翼端点又は左翼端翼弦
線 [6.6(c)] の y
b
軸に沿う
座標
y
2
: 右翼端点又は右翼端翼弦
線の y 軸に沿う座標
備考1. (y
2
−
y
1
)
は,翼幅(6.6.4)に等しい。
2.
分母の積分は,翼面積(6.6.16)に等
しい
3.
局部翼弦線の投影の代わりに,局部
翼弦線に基づいて,類似の定義付け
をすることができる。
x
aL
備
考
混 同 の
お そ れ
が な け
れば,添
字 L を省
略 し て
もよい
coordinate of the
foremost point of
the aerodynamic
mean chord line
(of the wing)
14
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.20
縦横比(たてよこひ) 翼面積(6.6.16)に対する翼幅(6.6.4)の二乗の比
b
2
/S
L
。
λ
, A
又は
Λ
wing aspect ratio
6.6.21
局部幾何学的ねじり
角
中央翼弦線(6.6.7)を局部翼弦線(6.6.5)に平行に
するために,(翼の)基本座標軸系(6.6.11)の y
b
軸の周りに回転させなければならない角度(
付
図 3 参照)。
この角度は,正の向きに回転したとき正とする。
−
local geometrict
wist angle (of the
wing)
局部後退一前進角(2) 翼弦面(6.6.15)上の一点 P で,次のものの間の角
度。点 P を通り,航空機基準座標軸系(6.1.4)の
y
R
z
R
平面に平行な平面と,P を通る n パーセント
翼弦線(6.6.14)の P での接線を,P を通り x
R
y
R
平
面に平行な平面上へ投影した線分
(
付図 4 参照)。
この角は,点 T(P での接線と z
R
x
R
平面との交
点)が点 P の前にあるとき,正とする。
備考1. 上記の定義(値及び符号)を適用で
きない場合(例えば,不連続,中央
翼弦線)には,点 P の左右側への後
退−前進角は慣例に従って,n パー
セント翼弦線上の P に無限に近い
点での左右側への後退−前進角で
あると定義する。
2.
航空機基準座標軸系の平面を基本
座標軸系(6.6.11)の対応平面で置き
換えることによって,“基本局部後
退−前進角”(basic local sweep angle)
に対して,類似の定義を示すことが
できる(
付図 5 参照)。
3.
台形翼の場合には [6.6(f)] ,局部後
退−前進角は n パーセント翼弦線
に沿って一定である。
4.
航空機の三面図のうち,平面図に
は,一つ以上の n パーセント翼弦線
の局部後退−前進角が示される。
φ
local sweep angle
(of the wing)
6.6.22
注(
2
)
局部後退−前進角を“局部投影後退−前進角” [local projected sweep angle(of the wing)] と呼
ぶ国もある。
15
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.23
局部有効後退−前進
角
翼弦面(6.6.15)上の一点 P で,次のものの間の角。
点 P を通り,局部翼弦線(6.6.5)に垂直な平面と,
P
を通る n パーセント翼弦線(6.6.14)の P での接
線(
付図 6 参照)。
この角は,点 T[P での接線と航空機基準座標軸
系(6.1.4)の z
R
x
R
平面との交点]が点 P の前にあ
るとき,正とする。
備考1. 上記の定義(値及び符号)を適用で
きない場合(例えば,不連続,中央
翼弦線)には,点 P の左右側への後
退−前進角は慣例に従って,n パー
セント翼弦線上の P に無限に近い
点での左右側への後退−前進角で
あると定義する。
2.
局部翼弦線に垂直な平面を中央翼
弦線に垂本局部直な平面で置き換
えることによって,
“基本局部有効
後退−前進角”(basic local effective
sweep angle)
に対して,類似の定
義を示すことができる。
3.
台形翼の場合には [6.6(f)] ,局部有
効後退−前進角は n パーセント翼
弦線に沿って一定である。
φ
e
local effective
sweep angle (of
the wing)
6.6.24
局部上反角
翼弦面(6.6.15)上の一点 P で,次のものの間の角。
P
を通り,航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面
に平行な平面と,P を通る n パーセント翼弦線
(6.6.14)
の P での接線の,P を通り y
R
z
R
平面に平
行な平面上への投影(
付図 7 参照)。
この角は,点 T(P での接線と z
R
x
R
平面との交
点)が点 P の下にあるとき,正とする。
備考1. 上記の定義(値及び符号)を適用で
きない場合(例えば,不連続,中央
翼弦線)には,点 P の左右側への上
反角は慣例に従って,n パーセント
翼弦線上の P に無限に近い点での
左右側への上反角として定義する。
2.
航空機基準座標軸系(6.1.4)の平面
を基本座標軸系(6.6.11)の対応平面
で置き換えることによって,
”基本
局 部 上 反 角 ” (basic local dihedral
angle)
に対して類似の定義付けをす
ることができる(
付図 8 参照)。
3.
台形翼の場合には [6.6(f)] ,局部上
反角は,翼のすべての点で一定であ
る。
ν
local dihedral angle
(of the wing)
16
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.6.25
局部有効上反角
翼弦面(6.6.15)上の一点 P で,次のものの間の角
度。
P
を通る局部翼弦線(6.6.5)を含み,航空機基座標
軸系(6.1.4)の y
R
軸に平行な平面
π
と,P での n パ
ーセント翼弦線(6.6.14)への接線を,P を通り,
局部翼弦線に垂直な平面上へ投影したもの(
付
図 9 参照)。
この角は,P での接平面と z
R
x
R
平面との交線が
平面
πの下にあるとき,正とする。
備考1. P での接平面は,P を通る局部翼弦
線及び n パーセント翼弦線(6.6.14)
への接線を含む。
2.
上記の定義(値及び符号)を適用で
きない場合(例えば,不連続,中央
翼弦線)には,点 P の左右側への上
反角は,慣例に従って,n パーセン
ト翼弦線上の P に無限に近い点での
左右側への上反角として定義する。
3.
台形翼の場合には [6.6(f)] ,局部有
効上反角は,翼のすべての点で一定
である。
ν
e
local
effective
dihedral angle (of
the wing)
6.7
尾翼
(a)
翼以外の種々の空力翼面を,航空機の後部及び/又は前部に置くことができる。これらの翼面又は
それらの組合せを,
“尾翼” (empennage) と呼ぶ。
航空機が幾つかの尾翼をもつ場合には,幾つかの主部品を明確にする。
“尾翼”という主部品はそれぞれ,それを構成する種々の構成部品を表に記載し,基本構成部品
を指定することによって定義するほかない。この表に記載するときに,幾つかの補助構成部品(
例
フェアリング,フィレット,支柱,プローブ,アンテナ)又は通常他の主部品の一部である構成部
品(
例 エンジンナセル,パラシュート入れ)を,考慮する主部品の部品とみなすかどうかを示す
ことが必要である。
(b)
定義は,尾翼の所定の幾何学的状態(6.1.16)に関係する。この幾何学的状態に対して,尾翼の部品で
ある種々の可動構成部品(
例 操縦翼面,トリムタブ)の相対位置を決定し,規定する。これらの
定義は,通常,操縦翼面の中立位置に対応する特定の幾何学的状態についてだけに使用する。それ
ぞれの幾何学的状態において,考慮中の尾翼に対し“輪郭” [6.5∼6.6(c)] と呼ぶ線によって囲われ
る翼弦面を明確にする。
(c)
次の例のような,種々の尾翼形態がある。
− 水平尾翼
− 単一垂直尾翼,背びれ又は腹びれ
− V 形尾翼
− 双又は多重垂直尾翼
− 十字形尾翼
− 水平,斜め又は垂直“先尾翼”
(前部に配置)
6.7.1
水平尾翼(
3
)
17
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
航空機の後部にあるこの空力翼面は,本質的に航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面に平行な平面上に
ある。翼について示した定義(6.6)に類似の定義を,尾翼にも使用できる。
水平尾翼に関する記号は,添字 H によって示す。
注(
3
)
この規格では,用語“水平尾翼”は,固定翼面並びに昇降だ及びトリムタブなどの可動翼面を
含む。
6.7.2
垂直尾翼(
4
)
注(
4
)
この規格では,用語“垂直尾翼”は,方向だ及びトリムタブなどの可動翼面を含む。
(a)
航空機の後部にあるこの空力翼面は,本質的に航空機基準座標軸系(6.1.4)の z
R
x
R
平面に平行な平面
上にある。
ここでは,単一垂直翼面を考える。それは,通常,胴体の上部に取り付ける空力翼面である。
(b)
単一垂直翼面は,二つの空力翼面[一つは胴体の上に取り付け(背びれ)
,他は胴体の下に取り付け
る(腹びれ)
。
]から構成することができる。二つの翼面が本質的に同一平面上にあるときには,両
翼面を取り囲む単一輪郭を定義してもよい。そうでない場合には,二つの明確な輪郭を定義するこ
とが必要である。
(c)
背びれ又は腹びれがある場合には,胴体の輪郭は,航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面に平行な
平面上に,適切に選定した“付け根翼弦線”と呼ぶ直線によって完成する(
付図 10 参照)。例えば,
この付け根翼弦線は,次の二つの面積が等しくなるように選定してもよい。
− 航空機基準平面上に投影した垂直尾翼の,胴体外部の面積
− 航空機基準平面(6.1.1)上に投影した垂直尾翼の輪郭によって定まる面積
(d)
前縁線と後縁線とが垂直尾翼の一端の一点で交わる場合には,その点を,垂直尾翼の“翼端点” (tip
point)
と呼ぶ。翼端点の位置は,補助的条件によって変わることがある。この条件を規定するため
に,垂直尾翼翼端点の近傍部分内で,航空機表面とちょうど接触し,しかも航空機の最外側にある,
航空機基準座標軸系の x
R
y
R
平面に平行な平面を考える。この平面も垂直尾翼表面と接触するときに
は,その接触点が翼端点である。
前縁線と後縁線とが垂直尾翼の翼端点で交わらない場合には,輪郭は,航空機基準座標軸系の x
R
y
R
平面に平行な平面上の“翼端翼弦線”と呼ぶ適切に選定した直線の線分によって完成する。
翼端点又は翼端翼弦線は,考慮する翼端の後縁線から前縁線を分離する。
以下の表で,用語“上端” (upper tip) は,次のものを示す。
− 背びれの場合には,それの上部翼端点又はそれの上部翼端翼弦線
− 腹びれの場合には,それの付け根翼弦線
用語“下端” (lower tip) は,次のものを示す。
− 背びれの場合には,それの付け根翼弦線
− 腹びれの場合には,それの下部翼端点又はそれの下部翼端翼弦線
(e)
垂直尾翼に関する記号は,添字 V によって示す。
18
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.7.2.1
垂直尾翼座標軸系
垂 直 尾 翼 の 基 本 構 成 部 品 の 基 準 座 標 軸 系
(6.1.13)
。
備考 垂 直 尾 翼 輪 郭 が 航 空 機 基 準 平 面
(6.1.1)
上にあるときには,z
v
x
v
平面は,
その平面と一致する。
x
v
y
v
z
v
fin axis system
6.7.2.2
垂直尾翼基準平面
垂直尾翼座標軸系(6.7.2.1)の z
v
x
v
平面。
z
v
x
v
fin reference plane
6.7.2.3
垂直尾翼設定位置
航空機基準座標軸系(6.1.4)に対する垂直尾翼座
標軸系(6.7.2.1)の設定位置(6.1.15)。
− fin
setting
6.7.2.4
垂直尾翼設定角
垂直尾翼座標軸系(6.7.2.1)の z
v
軸が航空機基準
座標軸系(6.1.4)の z
R
軸に平行な特殊な場合に,
x
R
軸を x
v
軸に平行にするために,z
R
軸の周りに
回転させなければならない角度。
この角度は,正の向きに回転させたとき正とす
る。
−
fin setting angle
6.7.2.5
垂直尾翼翼端高さ
航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面と垂直尾
翼輪郭の上部又は下部に接触し,しかもその全
外側にある x
R
y
R
平面に平行な平面との間の距
離。
−
fin tip height
6.7.2.6
垂直尾翼高さ
航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面に平行な
2
平面間の距離。平面の一つは垂直尾翼輪郭の上
部に接触し,他は下部に接触し,しかも両方と
も垂直尾翼輪郭の全外側にある。
− fin
height
6.7.2.7
垂直尾翼局部翼弦線
航空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
y
R
平面に平行な
平面と垂直尾翼輪郭(6.7.2)の前縁線及び後縁線
との交点で,座標 z に位置する点を結ぶ直線の
線分(
付図 10 参照)。
−
fin local chord line
6.7.2.8
垂直尾翼局部翼弦長
垂直尾翼局部翼弦線(6.7.2.7)の長さ。
−
fin local chord
6.7.2.9
垂直尾翼基準翼弦線
もしあれば,垂直尾翼付け根翼弦線(6.7.2),又は
適切に選定した垂直尾翼局部翼弦線(6.7.2.7)。
−
fin reference chord
line
6.7.2.10
垂直尾翼 n パーセン
ト翼弦点
前縁から後方に垂直尾翼局部翼弦長(6.7.2.8)の
n%
に 等 し い 距 離 に あ る 垂 直 尾 翼 局 部 翼 弦 線
(6.7.2.7)
上の点。
− fin
n % chord point
6.7.2.11
垂直尾翼 n パーセン
ト翼弦線
垂直尾翼 n パーセント翼弦点(6.7.2.10)の軌跡
(
図
10
参照)
。
備考 0 パーセント翼弦線は前縁線,100 パ
ーセント翼弦線は後縁線である。
− fin
n % chord line
6.7.2.12
垂直尾翼翼弦面
垂直尾翼局部翼弦線(6.7.2.7)によって形成する
一般にねじれている表面。
−
fin chord surface
19
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.7.2.13
垂直尾翼面積
航空機基準平面(6.1.1)上への垂直尾翼翼弦面
(6.7.2.12)
の投影面積。
( )
ò
′
=
2
1
d
v
V
z
z
z
z
c
S
ここに,
C'
v
(z)
: 航空機基準平面上への垂
直尾翼局弦線(6.7.2.7)の投
影長さ
z
: 航 空 機 基 準 座 標 軸 系
(6.1.4)
の Z
R
軸に沿う垂直
尾翼局部翼弦線の座標
z
1
: “上端” [6.7.2(d)] の z
R
軸に沿う座標
z
2
: “下端” [6.7.2(d)] の z
R
軸に沿う座標
備考1. (z
2
−z
I
)
は,垂直尾翼高さ(6.7.2.6)に
等しい。
2.
規定しなければならない何か他の
面上に垂直尾翼翼弦面を投影する
ことによって,垂直尾翼面積を定義
することが有益なことがある。
3.
垂直尾翼局部翼弦線の投影の代わ
りに,垂直尾翼局部翼弦線に基づい
て類似の定義付けをすることがで
きる。
S
V
fin
area
6.7.2.14.
垂直尾翼空力平均翼
弦長
次の関係式によって定義する長さ。
( )
[ ]
( )
ò
ò
′
′
=
2
1
2
1
d
d
v
2
v
aV
z
z
z
z
z
z
c
z
z
c
c
ここに,
c'(z)
: 航 空 機 基 準 平 面 (6.1.1) 上
への垂直尾翼局部翼弦線
(6.7.2.7)
の投影長さ
z
: 航 空 機 基 準 座 標 軸 系
(6.1.4)
の z
R
軸に沿う垂直
尾翼局部翼弦線の座標
z
1
: “上端” [6.7.2(d)] の z
R
軸に沿う座標
z
2
: “下端” [6.7.2(d)] の z
R
軸に沿う座標
備考1. (z
2
−z
1
)
は,垂直尾翼高さ(6.7.2.6)に
等しい。
2.
分 母 の 積 分 は , 垂 直 尾 翼 面 積
(6.7.2.13)
に等しい。
3.
垂直尾翼局部翼弦線の投影の代わ
りに垂直尾翼局部翼弦線に基づい
て類似の定義付けをすることがで
きる。
c
aV
又は
l
aV
fin aerodynamic
mean chord
6.7.2.15
垂直尾翼空力平均翼
弦線
垂直尾翼基準翼弦線(6.7.2.9)を含む直線の線分。
その最先端は,6.7.2.16 で定義する位置にあり,
その長さは,6.7.2.14 で定義する長さに等しい。
fin
aerodynamic
mean chord line
20
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
番号
用語
定義
記号
対応英語
6.7.2.16
垂直尾翼空力平均翼
弦線最先端座標
垂直尾翼空力平均翼弦線(6.7.2.15)の最先端の航
空機基準座標軸系(6.1.4)の x
R
軸に沿う座標。次
の値をとる。
( ) ( )
( )
ò
ò
′
′
=
2
1
2
1
d
d
v
v
aV
z
z
z
z
z
z
c
z
z
x
z
c
x
ここに,
c'
v
(z)
: 航 空 機 基 準 平 面 (6.1.1) 上
への垂直尾翼局部翼弦線
(6.7.2.7)
の投影長さ
x(z)
及び z: 垂直尾翼局部翼弦線の先
端点の x
R
軸及び z
R
軸に沿
う座標
z
1
: “上端”[6.7.2(d)]の z
R
軸に
沿う座標
z
2
: “下端”[6.7.2(d)]の z
R
軸に
沿う座標
備考1. (z
2
-z
1
)
は,垂直尾翼高さ(6.7.2.6)に等
しい。
2.
分 母 の 積 分 は , 垂 直 尾 翼 面 積
(6.7.2.13)
に等しい。
3.
局部翼弦線の投影の代わりに,局部
翼弦線に基づいて,類似の定義を示
すことができる。
x
aV
coordinate of the
foremost point of
the f-in
meanchordline
aerodynamic
6.7.2.17
垂直尾翼局部幾何学
的ねじり角
垂直尾翼基準翼弦線(6.7.2.9)を垂直尾翼局部翼
弦線(6.7.2.7)に平行にするために,航空機基準座
標軸系(6.1.4)の z
R
軸の周りに回転させなければ
ならない角度。
この角度は,正の向きに回転させたとき正とす
る。
−
fin local geometric
twist angle
6.7.2.18
垂直尾翼局部後退−
前進角
航空機基準座標軸系(6.1.4)の y
R
z
R
平面と,垂直
尾翼翼弦面(6.7.2.12)上の点 P を通る垂直尾翼 n
パーセント翼弦線(6.7.2.11)への P での接線を,
z
R
x
R
平面(6.1.1)上へ投影した線分との間の角(
付
図 10 参照)。その角は,点 T(P での接線と x
R
y
R
平面との交点)が点 P の前にあるとき,正とす
る。
備考 上記の定義(値及び符号)を適用でき
ない場合(例えば,不連続)には,点
P
の上下側への後退−前進角は,慣例
に従って,垂直尾翼 n パーセント翼弦
線上の P に無限に近い点での上下側
への後退−前進角として定義する。
φ
V
fin local sweep
angle
6.7.3
その他の尾翼
6.7
で示した定義以外の尾翼形態に対しても同様に,適切な定義を作ってもよい。
6.8
付図
付図 1∼10 は,“第 6 部−航空機の幾何学的性質”を図で説明する。
21
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 1∼9 では,翼の右げん(舷)部だけを示す。この右げん部の形状は,この規格で定義する量をより
明確に説明できるように,選定した。
付図 4∼10 では,点 P での後退−前進角及び上反角を表す角を,P を通る平面内で示す。
付図は,種々の色で印刷することを意図しているが,一色だけで印刷し,線の相違(すなわち,線の太
さ,点線,破線)によって区別してもよい。
付図 2∼9 は,等角投影で示す。
22
W 01
16-1
992 (
ISO
1
151-6
: 19
82)
付図 1 航空機基準座標軸系平面上に投影した翼輪郭の右側部分
23
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 2 翼の基本座標軸系及び航空機基準座標軸系;翼の輪郭及び翼弦面
備考 図示の角度[(翼の)中央翼弦線の角度位置(6.6.9)]を,正とする。
24
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 3 (翼の)局部幾何学的ねじり角
備考 図示の角度[(翼の)局部幾何学的ねじり角 (6.6.21) ]を,正とする。
25
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 4 局部後退一前進角
備考 図示の角度[局部後退−前進角. (6.6.22) ]を,正とする。
26
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 5 基本局部後退−前進角
備考 図示の角度[基本局部後退−前進角(6.6.22 の備考 2.)]を,正とする。
27
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 6 局部有効後退一前進角
備考 図示の角度[局部有効後退−前進角 (6.6.23) ]を,正とする。
28
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 7 局部上反角
備考 図示の角度[局部上反角 (6.6.24) ]を,正とする。
29
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 8 基本局部上反角
備考 図示の角度[基本局部上反角(6.6.24 の備考 2.)]を,正とする。
30
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 9 局部有効上反角
備考 図示の角度[局部有効上反角 (6.6.25) ]を,正とする。
31
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
付図 10 垂直尾翼
備考 図示の角度[垂直尾翼局部後退−前進角 (6.7.2.18) ]を,正とする。
32
W 0116-1992 (ISO 1151-6 : 1982)
航空規格原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
竹 中 規 雄
東京大学
(副委員長)
前 田 辰 三
三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所航空機技術部
今 井 康 夫
通商産業省機械情報産業局
伊 東 厚
工業技術院標準部
安 川 醇
運輸省航空局技術部
本 多 悦 郎
海上保安庁装備技術部
石 川 安 男
防衛庁装備局
山 根 晧三郎
科学技術庁航空宇宙技術研究所機体部
久木田 実 守
社団法人日本航空技術協会技術部
藤 嶋 敏 夫
航空規格調査会
白 浜 洋 海
日本航空株式会社技術研究所基礎技術部
吉 井 正 洋
株式会社日本エアシステム整備本部技術部
足 立 三 郎
川崎重工業株式会社航空宇宙事業本部航空宇宙技術本部技術管理部
川 崎 純 男
富士重工業株式会社航空宇宙事業本部研究部
葛 馬 孝
石川島播磨重工業株式会社航空エンジン事業部技術部
渡 辺 晃
日本飛行機株式会社技術本部
藤 井 洋 三
帝人製機株式会社第二技術部
本 間 邦 彦
三菱電機株式会社鎌倉製作所管制システム第三部
吉 田 嘉 幸
株式会社島津製作所航空機器事業部技術部
宇田川 知 行
横河電機株式会社航空宇宙特機事業部技術部
(事務局)
冨 田 泉
社団法人日本航空宇宙工業会
浮 田 尚 家
社団法人日本航空宇宙工業会技術部