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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

W 0109-1977 

航空用語(エンジン) 

Glossary of Terms for Aircraft 

(Engine) 

1. 適用範囲 この規格は,航空機のエンジンに用いる主な用語について規定する。 

2. 分類 分類は次のとおりとする。 

(1) 形式・種類に関する用語 

(2) エンジンに関する一般用語 

(3) ガスタービンエンジンに関する用語 

(4) ピストンエンジンに関する用語 

3. 番号・用語・読み方及び意味 番号,用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。 

なお,対応英語を参考として示す。 

(1) 形式・種類に関する用語 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

101 

航空エンジン 

こうくうえんじ
ん 

航空機の推進力又は揚力を発生させる
動力を得るために使用するエンジン。 

aero-engine,  
aircraft engine 

102 

ガスタービンエンジ
ン 

気体を連続的に圧縮・加熱・膨張させ
て,その保有する熱エネルギーを機械
的エネルギー又はジェットエネルギー
として使用するエンジン。 

備考 通常圧縮機,燃焼器,ター

ビンなどから構成されてい
る。 

gas-turbine engine 

103 

ピストンエンジン 

気体を断続的に圧縮・加熱・膨張させ
て,その保有する熱エネルギーを機械
的エネルギーとして使用するエンジ
ン。 

備考 通常シリンダ,ピストン,

クランク,クランク軸など
から構成されている。 

piston engine,  
reciprocating engine 

104 

ラムジェットエンジ
ン 

前進速度によるラム圧力を利用してダ
クトの中で圧縮された気体の中で燃料
を燃焼させ,ノズルで膨張させること
によりスラストを得るエンジン。 

ramjet engine 

105 

ロケットエンジン 

システムの中に持っている推進剤の燃
焼などで得たガスの噴射でスラストを
得るエンジン。 

rocket engine  

(motor)  

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

106 

リフトエンジン 

スラストの方向が航空機の進行方向と
ほぼ直交し,主に機体を浮上させるた
めに使用するエンジン。 

備考 VTOL機又はSTOL機に使

用される。 

lift engine 

107 

ベクタード スラス
ト エンジン 

スラストの方向を連続的に変えるため
のベクタード スラスト ノズルを持
つエンジン。 

vectored thrust engine 

108 

補助動力装置 

ほじょどうりょ
くそうち 

推進エンジンとは独立で航空機の油圧
源,動力源,空気源などを駆動する動
力を供給する装置。 

auxiliary power unit 

(APU)  

(2) エンジンに関する一般用語 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

201 

スラスト 

航空エンジンが発生する推す力。 

thrust 

202 

軸出力 

じくしゅつりょ
く 

航空エンジンが発生する軸動力。 

brake horsepower,  
shaft horsepower 

203 

エンジン定格 

えんじんていか
く 

決められた条件でエンジンを運転する
場合,保証されている性能特性値。 

engine rating 

204 

離陸定格 

りりくていかく 

地上又は飛行状態において,エンジン
に決められた時間,連続して出すこと
が保証されている最大の性能特性値。 

take-off rating 

205 

最大連続定格 

さいだいれんぞ
くていかく 

地上又は飛行状態において,エンジン
に連続して出すことが保証されている
最大の性能特性値。 

maximum continuous 

rating 

206 

最大上昇定格 

さいだいじょう
しょうていかく 

上昇時に保証されているエンジンの最
大の性能特性値。 

maximum climb rating 

207 

最大巡航定格 

さいだいじゅん
こうていかく 

巡航時に保証されているエンジンの最
大の性能特性値。 

maximum cruising 

rating 

208 

アイドル 

地上又は飛行状態において,エンジン
の決められた運転可能な最小の状態。 

idle 

209 

緊急定格 

きんきゅうてい
かく 

緊急時にエンジンに連続又は決められ
た時間出すことが保証されている最大
の性能特性値。 

contingency rating 

210 

燃料消費率 

ねんりょうしょ
うひりつ 

単位正味スラスト又は軸出力につき単
位時間当たりエンジンで消費される燃
料の量。 

specific fuel 

consumption 

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

211 

修正燃料消費率 

しゅうせいねん
りょうしょうひ
りつ 

任意の大気状態での燃料消費率を標準
大気状態又は所定条件に修正した値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

T

T

sfc

sfc

=

=

θ

θ,

ここに 

sfc* : 修正燃料消費率 
sfc : 計測時の燃料消

費率 

T* : 標準状態又は所

定条件での絶対
温度 

T : 計測時の熱力学

温度の量。 

corrected specific fuel 

consumption 

212 

燃料消費量 

ねんりょうしょ
うひりょう 

単位時間にエンジンで消費される燃料
の量。 

fuel consumption rate 

213 

滑油消費率 

かつゆしょうひ
りつ 

単位正味スラスト又は軸出力につき単
位時間当たりエンジンで消費される潤
滑油の量。 

specific oil 

consumption 

214 

滑油消費量 

かつゆしょうひ
りょう 

単位時間にエンジンで消費される潤滑
油の量。 

oil consumption rate 

215 

乾燥質量 

かんそうしつり
ょう 

燃料及び潤滑油などの液体を含まない
エンジンの質量。 

dry mass 

216 

スラスト質量比 

すらすとしつり
ょうひ 

エンジンスラストとエンジン質量との
比をいう。 

備考 これはエンジン単位質量当

たりのエンジンスラストの
値。 

thrust mass ratio 

217 

出力質量比 

しゅつりょくし
つりょうひ 

エンジン軸出力とエンジン質量との比
をいう。 

備考 これはエンジン単位質量当

たりのエンジン軸出力の
値。 

power mass ratio 

218 

修正スラスト 

しゅうせいすら
すと 

任意の大気状態で得られたスラストを
標準大気状態又は所定条件に修正した
値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

=

=

p

p

F

F

δ

δ,

ここに 

F* : 修正スラスト 
F : 計測スラスト 
p* : 標準状態又は所

定条件での絶対
圧力 

p : 計測時の絶対圧

力 

corrected thrust 

219 

静止スラスト 

せいしすらすと 

エンジンが静止した状態で発生するス
ラスト。 

static thrust 

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番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

220 

修正静止スラスト 

しゅうせいせい
しすらすと 

任意の大気状態で得られた静止スラス
トを標準大気状態又は所定条件に修正
した値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には修正式は218の備考
に準ずる。 

corrected static thrust 

221 

正味スラスト 

しょうみすらす
と 

エンジンが発生する有効なスラスト。 

net thrust 

222 

修正正味スラスト 

しゅうせいしょ
うみすらすと 

任意の大気状態で得られた正味スラス
トを標準大気状態又は所定条件に修正
した値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

=

=

p

p

Fm

Fm

δ

δ,

ここに 

Fm* : 修正正味スラス

ト 

Fm : 計測正味スラス

ト 

p* : 標準状態又は所

定条件での絶対
圧力 

p : 計測時の絶対圧

力 

corrected net thrust 

223 

比スラスト 

ひすらすと 

作動流体の単位質量流量当たり得られ
るスラスト。 

specific thrust 

224 

修正軸出力 

しゅうせいじく
しゅつりょく 

任意の大気状態で得られた軸出力を標
準大気状態又は所定条件に修正した
値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

=

=

=

T

T

p

p

shp

shp

θ

δ

θ

δ

,

,

ここに 

shp*: 修正軸出力 
shp : 計測時の軸出力 
p* : 標準状態又は所

定条件での絶対
圧力 

p : 計測時の絶対圧

力 

T* : 標準状態又は所

定条件での絶対
温度 

T :計測時の熱力学温

度 

corrected brake (horse) 

power,  

corrected shaft (horse) 

power 

225 

相当軸出力 

そうとうじくし
ゅつりょく 

プロペラを駆動する軸出力のほか排気
によるスラストが得られる場合には,
このスラストを軸出力に換算してプロ
ペラ軸出力に加算した値。 

(total) equivalent 

brake (horse) power,  

equivalent shaft 

(horse) power 

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

226 

総合効率 

そうごうこうり
つ 

機体の推進に用いられた有効推進仕事
とエンジンに供給された燃料エネルギ
ーとの比で,次の式で表す。 

総合効率(ηo) 

供給燃料エネルギー

有効推進仕事

=

エンジン出力エネルギ

有効推進仕事

=

供給燃料エネルギー

エンジン出力エネルギ

×

=推進効率(ηp)×熱効率(ηtH) 

overall efficiency 

227 

推進効率 

すいしんこうり
つ 

機体の推進に用いられた有効推進仕事
とエンジン出力エネルギーとの比で,
次の式で表す。 

推進効率(ηp) 

エンジン出力エネルギ

有効推進仕事

=

propulsion efficiency 

228 

熱効率 

ねつこうりつ 

エンジン出力エネルギーと供給燃料エ
ネルギーとの比で,次の式で表す。 

熱効率(ηtH) 

供給燃料エネルギー

エンジン出力エネルギ

=

thermal efficiency 

229 

機械効率 

きかいこうりつ 

機械の有効仕事と作動流体の発生する
仕事との比。 

mechanical efficiency 

230 

空燃比 

くうねんひ 

燃焼に関与する空気流量と燃料流量と
の比。 

air-fuel ratio 

231 

エンジン回転速度 

えんじんかいて
んそくど 

エンジンの単位時間当たりの回転数。 

engine speed 

232 

修正エンジン回転速
度 

しゅうせいえん
じんかいてんそ
くど 

任意の大気状態におけるエンジン回転
速度を標準大気状態又は所定条件に修
正した値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

θ

N

N=

=TT

θ

ここに 

N* : 修正エンジン回

転速度 

N : 計測時のエンジ

ン回転速度 

T* : 標準状態又は所

定条件での絶体
温度 

T : 計測時の熱力学

温度 

corrected engine speed 

233 

エンジン圧力比 

えんじんあつり
ょくひ 

タービン出口全圧と,エンジン入口全
圧との比。 

備考 スラストの大きさを表すパ

ラメータとして使用する。 

engine pressure ratio 

234 

軸トルク 

じくとるく 

エンジンの出力軸で得られるトルク。 

engine torque 

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W 0109-1977  

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番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

235 

吸気系統 

きゅうきけいと
う 

エンジンに空気を吸入するための一連
の装置。 

備考 空気取入口,空気取入ダク

ト,エアフィルタ,空気取
入スクリーンなどから構成
されている。 

induction system,  
inlet system 

236 

空気取入口 

くうきとりいれ
ぐち 

空気のエンジンへの取入口。 

air intake 

237 

エア フィルタ 

空気中の浮遊物や空気中に巻き上げら
れた異物がエンジン内に吸い込まれる
のを防ぐためのフィルタ。 

air filter 

238 

空気取入口スクリー
ン 

くうきとりいれ
ぐちすくりーん 

空気取入口から異物を吸い込むのを防
止するための金網。 

備考 固定式のものと地上運転中

とか離陸中だけ用い,飛行
中は引き込めてしまう引込
み式のものとがある。 

intake screen 

239 

防氷装置 

ぼうひょうそう
ち 

氷がエンジンの空気取入口部に付着す
るのを防止する装置。 

備考 圧縮機からの抽気を利用し

たものと電熱を利用したも
のとがある。 

anti-ice system 

240 

吸入空気流量 

きゅうにゅうく
うきりゅうりょ
う 

エンジンに吸い込まれる空気の流量
で,単位時間当たりの量で表す。 

intake air flow 

241 

修正吸入空気流量 

しゅうせいきゅ
うにゅうくうき
りゅうりょう 

任意の大気状態における吸入空気流量
を標準大気状態又は所定条件に修正し
た値。 

備考 ガスタービンエンジンの場

合には次の式で表す。 

=

=

×

=

T

T

p

p

W

W

a

a

θ

δ

δ

θ

,

ここに 

wα* : 修正吸入空

気流量 

wa : 計測時の吸入空

気流量 

p* : 標準状態又は所

定条件での絶対
圧力 

p : 計測時の絶対圧

力 

T* : 標準状態又は所

定条件での絶対
温度 

T : 計測時の熱力学

温度 

corrected intake air 

flow 

242 

吸気温度 

きゅうきおんど 

指定された点で測定した吸入空気温
度。 

intake air temperature 

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

243 

ラム圧力 

らむあつりょく 

飛行速度によって生ずる圧力。 

ram pressure 

244 

燃料系統 

ねんりょうけい
とう 

燃料を燃焼器に供給するための一連の
装置で,主燃料,点火用燃料,非常用
燃料及び再熱用燃料の各系統がある。 

備考 フィルタ,ポンプ,各種弁,

燃料制御装置,燃料噴射ノ
ズル,これらを結ぶ配管な
どで構成され,機体側の燃
料系統に接続される。 

fuel system 

245 

燃料ポンプ 

ねんりょうぽん
ぷ 

燃料を加圧して送るもので,用途別で
は主ポンプ,非常用ポンプ,ブースタ
ポンプなどがあり,また形式別では歯
車式,プランジャ式,遠心式などがあ
る。 

fuel pump 

246 

燃料制御装置 

ねんりょうせい
ぎょそうち 

スロットルレバーの位置,大気条件,
エンジン圧力,温度,回転速度などの
値に従って燃焼器に供給する燃料を制
御する装置。 

fuel control unit 

247 

燃料しゃ断弁 

ねんりょうしゃ
だんべん 

燃料の流れをしゃ断する弁。 

fuel shut-off valve 

248 

燃料フィルタ 

ねんりょうふぃ
るた 

燃料中に混入した異物などをろ過する
もの。 

fuel filter 

249 

燃料加熱器 

ねんりょうかね
つき 

燃料を加熱する装置。 

fuel heater 

250 

滑油系統 

かつゆけいとう 

軸受,歯車などを潤滑及び冷却するた
めの一連の装置。 

備考 滑油タンク,ブースタポン

プ,主ポンプ,フィルタ,
調圧弁,冷却器,空気分離
器,排油ポンプなどで構成
されている。 

(lubricating) oil 

system 

251 

滑油タンク 

かつゆたんく 

滑油を貯蔵する容器。 

備考 滑油はこの容器からエンジ

ンに供給され,エンジンの
滑油系統を一巡してこの容
器にもどる。 

(lubricating) oil tank 

252 

滑油ポンプ 

かつゆぽんぷ 

軸受,歯車などに滑油を加圧して送り
出すためのポンプ。 

(lubricating) oil pump,  
pressure pump 

253 

排油ポンプ 

はいゆぽんぷ 

軸受,歯車などを潤滑及び冷却した後
の滑油を吸引し,滑油タンクにもどす
ためのポンプ。 

scavenge pump 

254 

滑油フィルタ 

かつゆふぃるた 

滑油中に混入した異物などをろ過する
もの。 

(lubricating) oil filter 

255 

滑油冷却器 

かつゆれいきゃ
くき 

滑油を冷却するためのもの。 

(lubricating) oil cooler 

256 

排気系統 

はいきけいとう 

排気ガスをエンジン外部へ排出するた
めの一連の装置。 

exhaust system 

257 

冷却系統 

れいきゃくけい
とう 

エンジンの各部を冷却するための一連
の装置。 

cooling system 

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

258 

電気系統 

でんきけいとう 

始動,点火,弁作動,火災報知などに
必要な電気回路を構成する一連の装
置。 

electric system 

259 

点火系統 

てんかけいとう 

燃料と空気の混合気に着火するための
一連の装置。 

ignition system 

260 

始動系統 

しどうけいとう 

エンジンを始動させるための一連の装
置。 

starting system 

261 

スタータ 

エンジンを始動させ,自立運転できる
まで駆動する装置。 

starter 

262 

減速装置 

げんそくそうち 

回転速度を減速して動力を伝達する装
置。 

speed decreasing gear,  
reduction gear 

263 

プロペラ軸 

ぷろぺらじく 

プロペラを駆動する軸。 

propeller shaft 

264 

補機歯車装置 

ほきはぐるまそ
うち 

エンジン及び機体用補機類を駆動する
ための歯車装置。 

accessory gearbox 

265 

補機 

ほき 

エンジンを作動するための各種の機能
品。 

備考 燃料制御装置,燃料ポンプ,

滑油ポンプ,排油ポンプ,
スタータなどが主なもので
ある。 

accessories,  
auxiliaries 

266 

抽出動力 

ちゅうしゅつど
うりょく 

機体用補機等を駆動するために,エン
ジンより抽出する動力で,空気動力も
含む。 

power extraction 

267 

抽気量 

ちゅうきりょう 

圧縮機部より機体の防氷,空調等の目
的で抽出する空気の流量。 

bleed air flow 

268 

水噴射 

みずふんしゃ 

エンジンのスラスト又は出力増強のた
めに,エンジン内部へ水などを噴射す
ること。 

water injection 

269 

エンジンマウント 

エンジンを機体に取り付け,エンジン
を支えスラストを機体に伝達する装
置。 

engine mount 

270 

使用時間 

しようじかん 

エンジン,装備品及び部品が作動した
時間をいうが,時間記録管理上,これ
らが作動していなくても装備されてい
た間の,番号272に規定された飛行時
間をもってその使用時間とする。ただ
し補助動力装置は,作動時間記録計を
有しているのでその作動時間をもって
使用時間とする。 

time,  
operating time 

271 

総使用時間 

そうしようじか
ん 

新品製造時からの使用時間の総計。 

total time (TT) 

272 

飛行時間 

ひこうじかん 

航空機が浮揚してから接地するまでの
時間。 

flight time 

273 

ブロックタイム 

飛行のために自力で動き始めた時点か
ら着陸後静止するまでの時間。 

block time 

274 

オーバホール 

予防整備の考え方に基づき,エンジン
などを分解して各部分をくまなく検査
し,不良箇所は交換又は修理して,再
び組み立てるような分解手入れ作業。 

(engine) overhaul  
(OH)  

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W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

275 

エンジン ヘビーメ
ンテナンス 

エンジンの信頼性を総合的に常時監視
し,必要な故障対策を機能的にとり得
る信頼性管理が行われていることを前
提として,エンジンを定期的に機体か
ら取り卸し,各構成単位ごとに定めら
れた検査,交換及び修理要目に従い分
解して行う重整備で,これにサンプリ
ング・インスペクション・プログラム
が組み合わされて構成される。 

engine heavy 

maintenance  

(EHM)  

276 

スレッシュホールド
サンプリング 

新たに開発された機材の設計上の問題
点を発見し,今後の整備方式を決める
ために,初期の一定使用時間の後に行
うサンプリング検査。 

threshold sampling 

277 

オン コンディショ
ンメンテナンス 

定期的な分解検査やオーバホールを行
わずに,機上で定期的に目視検査,計
測,機能試験などを実施し,その結果
に基づいて整備を行う方式。 

備考 当該装備品の信頼性管理が

行われていること,装備品
の構造が機上での検査,計
測,試験などが可能な設計
になっていることが前提条
件となる。 

on condition 

maintenance 

278 

コンディションモニ
タリングメンテナン
ス 

予防整備とは異なり,信頼性管理体制
の下に故障データや機材の品質に関す
るデータを監視分析して問題領域を発
見し,これに基づいて処理対策を講ず
るような整備方式。 

condition monitoring 

maintenance 

279 

モジュールメンテナ
ンス 

エンジンが幾つかのモジュールに分割
できるような設計の場合に,問題のあ
るモジュール又は検査の必要項目のあ
る部分のモジュールを交換することに
よりエンジンを使用可能状態にするた
めモジュール単位で管理を行う整備方
式。 

備考 モジュールとはメンテナン

スに利便を図るため分割さ
れた単位。 

module maintenance 

280 

高温部点検 

こうおんぶてん
けん 

燃焼器やタービンなど高温部分の検
査。 

hot section inspection  
(HSI)  

281 

経年抜取検査 

けいねんぬきと
りけんさ 

使用時間と劣化の傾向の関係をつかむ
ため,所定の使用時間に達したグルー
プからサンプルを取って行う検査。 

age sampling 

(inspection) 

(AS) 

282 

滑油分光分析検査 

かつゆぶんこう
ぶんせきけんさ 

エンジンの不具合を故障の初期の段階
で検知するため,定期的に滑油の分光
分析を行い,滑油の中に含まれる金属
元素の種類と量を求め,損傷箇所の推
定を行う検査。 

spectrometric oil 

analysis program 

(SOAP)  

283 

オーバホール後使用
時間 

おーばほーるご
しようじかん 

前回のオーバホールからの使用時間の
累計。 

time since overhaul 
(TSO)  

background image

10 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

284 

ヘビーメンテナンス
後使用時間 

へびーめんてな
んすごしようじ
かん 

前回のヘビーメンテナンスからの使用
時間の累計。 

time since heavy 

maintenance 

285 

装着後使用時間 

そうちゃくごし
ようじかん 

最後に機体に取り付けられてからの使
用時間の累計。 

time since installation 

286 

整備時間限界 

せいびじかんげ
んかい 

前回の整備から次の整備までの間に許
される最大使用時間。 

maintenance time 

limit,  

maintenance period 

287 

オーバホール時間限
界 

おーばほーるじ
かんげんかい 

前回のオーバホールから,次のオーバ
ホールまでの間に許される最大使用時
間。 

time between overhaul 

(TBO),  

overhaul period 

288 

廃棄限界 

はいきげんかい 

部品の使用可能限界。 

備考 各部品に定められた所定の

使用時間,使用サイクル,
ランディングサイクルなど
を超えないうちに,その部
品を廃棄しなければならな
い。 

life limit,  
service life limit 

289 

部品総使用時間 

ぶひんそうしよ
うじかん 

部品の新品からの使用時間の累計。 

parts total time 
(PTT)  

290 

エンジン監視システ
ム 

えんじんかんし
しすてむ 

エンジンの作動状態,滑油消費率,滑
油分光分析検査及びエンジン内部検査
結果などを総合的に監視し,不具合を
早期に発見し,又は事前に予測し,対
策を講じるシステム。 

engine monitoring 

system 

291 

ハードタイムメンテ
ナンス 

整備時間限界,廃棄限界などを定めて
行う予防整備の一方式。 

hard time maintenance 

292 

エンジンオペレイテ
ィングサイクル 

離陸定格出力を出した回数。 

備考 着陸復行や整備の目的で離

陸定格出力を使用した場合
には,記録の便宜上考慮し
ない場合もある。 

engine operating cycle 

293 

飛行中エンジン停止
率 

ひこうちゅうえ
んじんていしり
つ 

飛行中,不具合のためにエンジンが止
まったり,又は止めることを余儀なく
された場合のエンジンの使用時間の累
計に対する発生率。 

備考 通常1000使用時間当たりの

発生回数で表す。 

in-flight (engine) 

shutdown rate 

(IFSDR)  

294 

エンジン計画外取卸
率 

えんじんけいか
くがいとりおろ
しりつ 

エンジンの使用時間の累計に対するエ
ンジンの故障に起因した整備時間限界
到達以前の取り卸しの発生率。 

備考 通常1000使用時間当たりの

発生回数で表す。 

unscheduled engine 

removal rate 

(URR), (UER)  

295 

平均故障間隔 

へいきんこしょ
うかんかく 

故障するまでの平均使用時間。 

備考 同一グループに属する装備

品,部品などのある期間の
総使用時間を,同一期間内
でそのグループに発生した
故障数で除して表す。 

mean time between 

failure 

(MTBF)  

(3) ガスタービンエンジンに関する用語 

background image

11 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語〈参考〉 

301 

ターボジェットエン
ジン 

作動流体の保有する熱エネルギーを推
進ノズルからのジェットエネルギーと
してスラストを発生するガスタービン
エンジン。 

turbojet engine 

302 

ターボファンエンジ
ン 

ターボジュットのうち,作動流体の保
有する熱エネルギーの一部でファンを
駆動して得られるファンジェット流
を,残りのエネルギーで発生する高温
ジェットと分離又は混合して噴出し,
スラストを発生するガスタービンエン
ジン。 

turbofan engine 

303 

ターボシャフトエン
ジン 

作動流体の保有する熱エネルギーを機
械的エネルギーに変換して,出力軸か
ら取り出すガスタービンエンジン。 

turboshaft engine 

304 

ターボプロップエン
ジン 

ターボシャフトエンジンのうち主にプ
ロペラを駆動するために使用するガス
タービンエンジン。 

turboprop engine 

305 

一軸エンジン 

いちじくえんじ
ん 

圧縮機ロータとタービンロータが機械
的に結合されて一軸上にあり,それ以
外に主回転軸を持たないガスタービン
エンジン。 

single spool (shaft) 

engine 

306 

多軸エンジン 

たじくえんじん 

圧縮機ロータ及びタービンロータの組
合せが,互いに機械的に独立した2軸
以上からなるガスタービンエンジン。 

備考 フリータービン軸を有する

場合も含む。 

multi spool (shaft) 

engine 

307 

フリータービンエン
ジン 

圧縮機を駆動しない出力タービンを持
つガスタービンエンジン。 

free turbine engine 

308 

ガスジェネレータ 

圧縮機,燃焼器及びタービンからなる
高温,高圧ガスを発生するガスタービ
ンの主要構成部分。 

gas generator 

309 

コア エンジン 

ターボファンエンジンの中心をなす部
分で,圧縮機,燃焼器及び圧縮機ター
ビンから構成される。 

core engine 

310 

バイパス比 

ばいぱすひ 

ターボファンエンジンにおいてコア 
エンジンをバイパスする空気流量とコ
ア エンジンを通る空気流量との比。 

bypass ratio 

311 

ファン 

ターボファンエンジンで,主にバイパ
ス側の空気を圧縮するために使用する
軸流ファン。 

fan 

312 

圧縮機 

あっしゅくき 

作動流体を圧縮し,高圧空気を得るた
めの回転機械で,軸流式及び遠心式が
ある。 

compressor 

313 

燃焼器 

ねんしょうき 

ガスタービンにおいて,圧縮過程の後
で作動流体を加熱する目的で,燃料を
噴射し,燃焼させ,高温ガスを発生す
る装置。 

combustor 

314 

タービン 

作動流体を膨張させ,その熱エネルギ
ーを機械仕事として取り出す回転機
械。 

turbine 

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12 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語〈参考〉 

315 

アフタ バーナ 

ターボジェットエンジンの排ガスの中
に燃料を追加噴射し,燃焼させ,スラ
ストの増強を行う装置。 

after-burner 

316 

スラスト リバーサ 

推進ノズルに装着され,スラストの方
向を逆向きに変更するか,又はほとん
ど零にする装置。 

thrust reverser 

317 

消音装置 

しょうおんそう
ち 

エンジンの吸排気部に装着され,エン
ジンの騒音を低減させる装置。 

noise suppressor 

318 

ファン動翼 

ふぁんどうよく 

ファンディスクに取り付ける翼。 

fan rotor blade 

319 

ファン静翼 

ふぁんせいよく 

ファンケーシングに取り付ける翼。 

fan stator blade,  
fan stator vane 

320 

軸流圧縮機 

じくりゅうあっ
しゅくき 

回転軸方向の流路をもつ圧縮機。 

axial (flow) 

compressor 

321 

遠心圧縮機 

えんしんあっし
ゅくき 

主に遠心力により昇圧する半径方向へ
の流路をもつ圧縮機。 

centrifugal compressor 

322 

圧縮機動翼 

あっしゅくきど
うよく 

軸流圧縮機ディスク又はロータに取り
付ける翼。 

compressor rotor blade 

323 

圧縮機静翼 

あっしゅくきせ
いよく 

軸流圧縮機ケーシングに取り付ける
翼。 

compressor stator 

blade,  

compressor stator vane 

324 

ファンケーシング 

ファンの外形を構成し,ファン静翼な
どを支持するもの。 

fan casing 

325 

圧縮機ケーシング 

あっしゅくきけ
ーしんぐ 

圧縮機の外形を構成し,軸流圧縮機で
は静翼を支持するもの。 

compressor casing 

326 

ファンロータ 

ファンの回転部分の総称。 

備考 動翼が取り付けられていな

い組立軸をロータというこ
ともある。 

fan rotor 

327 

圧縮機ロータ 

あっしゅくきろ
ーた 

圧縮機の回転部分の総称。 

備考 軸流圧縮機で動翼が取り付

けられていない組立軸をロ
ータということもある。 

compressor rotor 

328 

ファンディスク 

ファン動翼を保持して回転する円板状
のもの。 

fan disk (disc) 

329 

圧縮機ディスク 

あっしゅくきで
ぃすく 

軸流圧縮機動翼を保持して回転する円
板状のもの。 

compressor disk (disc) 

330 

圧縮機ホイール 

あっしゅくきほ
いーる 

軸流圧縮機のディスクに動翼が取り付
けられたもの。 

備考 通常一体のものをいうこと

が多い。 

compresser wheel 

331 

入口案内翼 

いりぐちあんな
いよく 

圧縮機の1段目動翼の前にある静翼
で,一般に軸方向の流れに旋回を与え
るもの。 

inlet guide vane 

332 

可変静翼 

かへんせいよく 

取付角を変化させることができる圧縮
機静翼。 

variable stator (vane) 

333 

インペラ 

遠心圧縮機で羽根を有する回転体。 

impeller 

334 

インデューサ 

遠心圧縮機でインペラ入口の流れに回
転速度を与える部分で,インペラと一
体のものと,分離したものとがある。 

inducer 

background image

13 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語〈参考〉 

335 

ディフューザ 

流れを減速し,運動エネルギーを静圧
に変換することを目的とした流路形状
部。 

diffuser 

336 

ファン圧力比 

ふぁんあつりょ
くひ 

ファンの出口の圧力を入口の圧力で割
った値。絶対圧力で示した全圧を用い
る。 

fan pressure ratio 

337 

圧縮機圧力比 

あっしゅくきあ
つりょくひ 

圧縮機の出口の圧力を入口の圧力で割
った値。絶対圧力で示した全圧を用い
る。 

compressor pressure 

ratio 

338 

抽気 

ちゅうき 

圧縮機の中間段又は出口から空気を抜
き出すこと。 

備考 ほかに空気を使用する目的

の場合と圧縮機のサージン
グを防止する目的の場合と
がある。 

bleed 

339 

旋回失速 

せんかいしっそ
く 

軸流圧縮機で,円環状の翼列の一部が
失速し,この失速領域が回転方向に伝
ぱんし,旋回する現象。 

rotating stall 

340 

サージング 

圧縮機を含めた流路内で,気体が自励
振動を起こし,特定の周期で流量及び
圧力が大きく変動する現象。 

surging 

341 

インレット ディス
トーション 

ファンや圧縮機の入口の流れが一様で
ないことで,流れの速度,方向,圧力
及び温度のいずれの分布に対してもい
う。 

inlet distortion 

342 

直流形燃焼器 

ちょくりゅうが
たねんしょうき 

燃焼器に入って来る空気と出て行くガ
スの流れの方向が同じ燃焼器。 

straight-flow 

combustor 

343 

逆流形燃焼器 

ぎゃくりゅうが
たねんしょうき 

燃焼器に入って来る空気と出て行くガ
スの流れの方向が逆の燃焼器。 

reverse (retun) -flow 

combustor 

344 

環状燃焼器 

かんじょうねん
しょうき 

エンジンの軸と同心に燃焼器ケーシン
グの内壁と外壁があり,その間に環状
の燃焼空間を形成する燃焼器ライナを
もつ燃焼器。 

annular-type 

combustor 

345 

筒形燃焼器 

つつがたねんし
ょうき 

筒形の燃焼器ケーシングの中に,それ
と同心に燃焼器ライナがある燃焼器。 

can-type combustor 

346 

環状多筒形燃焼器 

かんじょうたと
うがたねんしょ
うき 

環状燃焼器と筒形燃焼器の中間の型の
もので,エンジンの回転軸と同心に内
側及び外側ケーシングがあり,その中
に数個の筒形燃焼器ライナが配列され
ている燃焼器。 

cannular-type 

combustor 

347 

燃焼器ケーシング 

ねんしょうきけ
ーしんぐ 

燃焼器の外壁を構成し,内部の圧力に
耐えるもの。 

combustor casing 

348 

燃焼器ライナ 

ねんしょうきら
いな 

燃焼器の内筒で,燃焼領域,混合領域
及びタービン入口に向かう燃焼ガス流
路を形成するもの。 

combustor liner,  
flame tube 

349 

燃料ノズル 

ねんりょうのず
る 

燃料を燃焼器に噴射する装置。 

fuel nozzle 

350 

燃料マニホールド 

ねんりょうまに
ほーるど 

燃料を燃料ノズルに分配する分岐管。 

fuel manifold 

351 

フレームアウト 

燃焼が不意に停止すること。 

flame-out 

background image

14 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語〈参考〉 

352 

燃焼効率 

ねんしょうこう
りつ 

燃焼器における実際の全エンタルピ増
加と燃料が等圧完全燃焼した場合のエ
ンタルピ増加の比。 

combustion efficiency 

353 

軸流タービン 

じくりゅうたー
びん 

回転軸方向の流路をもつタービン。 

axial (flow) turbine 

354 

ラジアル タービン 

主に半径方向に流路をもつタービン。 

radial (flow) turbine 

355 

圧縮機タービン 

あっしゅくきた
ーびん 

多軸式のエンジンで圧縮機を駆動する
タービン。 

compressor turbine 

356 

フリータービン 

多軸式のエンジンで圧縮機と連結して
いない出力タービン。 

free turbine 

357 

出力タービン 

しゅつりょくた
ーびん 

有効動力を取り出すタービン。 

power turbine 

358 

タービン動翼 

たーびんどうよ
く 

軸流タービンでタービンディスクに取
り付ける翼。 

turbine rotor blade,  
turbine bucket 

359 

タービンノズル翼 

た一びんのずる
よく 

タービンケーシングに取り付けタービ
ンノズルを形成する翼。 

turbine nozzle blade,  
turbine stator vane 

360 

タービンノズル 

タービン動翼に対し有効に速度エネル
ギーを与えるための噴出口で,ノズル
翼を環状に並べたもの。 

turbine nozzle 

361 

タービンロータ 

タービンの回転部の総称。 

備考 動翼が取り付けられていな

い組立軸をロータというこ
ともある。 

torbine rotor 

362 

タービンケーシング 

タービンの外形を構成し,タービンノ
ズルなどを支持するもの。 

turbine casing 

363 

タービンディスク 

軸流タービンでタービン動翼を保持し
て回転する円板状のもの。 

turbine disk (disc) 

364 

タービンホイール 

軸流タービンではタービンディスクに
動翼が取り付けられたもので,通常は
一体のものをいうことが多い。 
また,ラジアルタービンでは羽根を有
する回転体をいう。 

turbine wheel 

365 

タービン軸 

たーびんじく 

タービンディスクを支持する軸。 

turbine shaft 

366 

タービン膨張比 

たーびんぼうち
ょうひ 

タービン入口全圧と出口全圧との比。 

turbine expansion ratio 

367 

排気コーン 

はいきこーん 

排気ガスをタービンの出口から排気ダ
クトに導く部分で円すい状のもの。 

exhaust cone,  
tail cone 

368 

排気ダクト 

はいきだくと 

排気ガスを導くためのダクト。 

exhaust duct,  
jet pipe 

369 

ジェットノズル 

排気ダクト又はエンジンの後端に取り
付けられ,ガスを噴出するノズル。 

jet nozzle,  
exhaust nozzle 

370 

可変面積ノズル 

かへんめんせき
のずる 

流路面積を変えることのできるジェッ
トノズル。 

variable-area jet 

nozzle 

(4) ピストンエンジンに関する用語 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

401 

対向形エンジン 

たいこうがたえ
んじん 

シリンダがクランク軸に対して1対ず
つ(少しずれて)向かい合って配置さ
れたエンジンで,その1対のピストン
は対称的な運動をする。 

opposed engine 

background image

15 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

402 

星形エンジン 

ほしがたえんじ
ん 

シリンダがククランク軸に対し,直角
な面内に放射状に配置されたエンジ
ン。 

radial engine 

403 

直列形エンジン 

ちょくれつがた
えんじん 

シリンダがクランク軸を含む面内に直
列に配置されたエンジン。 

inline engine 

404 

空冷エンジン 

くうれいえんじ
ん 

シリンダの冷却を空気流によって行う
エンジン。 

air cooled engine 

405 

液冷エンジン 

えきれいえんじ
ん 

シリンダの冷却を水などの液体によっ
て行うエンジン。 

liquid cooled engine 

406 

ピストン 

シリンダ内で運動して作動流体を圧縮
し,また爆発膨張による力を受ける部
品。 

piston 

407 

シリンダ 

ピストンと共に作動流体を密閉する部
品で,ふた状の部分(ヘッド)と円筒
状の部分(バレル)から成る。 

cylinder 

408 

コネクチングロッド 

ピストンのピストンピンとクランク軸
のクランクピンとをリンクとして連結
する棒状の部品。 

connecting rod 

409 

クランク軸 

くらんくじく 

主軸受で支えられて回転する軸と偏心
したクランクピンを持ち,ピストンと
コネクチングロッドによりつながって
エンジンの軸出力を取り出す部品。 

crankshaft 

410 

クランクケース 

クランク軸を入れて,その主軸受及び
シリンダを固定し,エンジンの軸出力
を取り出す時にその反力を支える部
品。 

crankcase 

411 

弁機構 

べんきこう 

シリンダの吸気弁,排気弁をクランク
軸の回転と同調させて開閉する機構。 

valve system 

(mechanism)  

412 

カム軸 

かむじく 

クランク軸と同調して回転するカム部
分を持ち,弁機構を動かす部品。 

cam shaft 

413 

タペット 

カムに従って動き,弁に運動を伝える
弁機構の部品。 

tappet 

414 

プッシュロッド 

タペットに従って動き,弁に運動を伝
える棒状の弁機構の部品。 

push rod 

415 

ロッカーアーム 

一端をプッシュロッドで動かされる
と,他端で弁を動かす弁機構の部品。 

rocker arm 

416 

吸気弁 

きゅうきべん 

シリンダに未燃焼の新気を導入する
弁。 

intake valve 

417 

排気弁 

はいきべん 

シリンダから燃焼済みの排気を排出す
る弁。 

exhaust valve 

418 

吸気マニホールド 

きゅうきまにほ
ーるど 

シリンダの吸気弁に新気を導く管で枝
分れしたもの。 

intake manifold (tube) 

419 

排気マニホールド 

はいきまにほー
るど 

シリンダの排気弁から排気を導く管で
枝分れしたもの。 

exhaust manifold 

(tube)  

420 

気化器 

きかき 

シリンダに吸入する空気に燃料を気化
させて混合する装置。 

carburettor 

421 

スロットルバルブ 

シリンダに吸入する新気の流量を制限
することにより,エンジンの軸出力を
制御する弁。 

throttle valve 

background image

16 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

422 

ミックスチャコント
ロール 

シリンダに吸入する空気と燃料との混
合比を制御する装置。 

mixture control (MC)  

423 

過給器 

かきゅうき 

自然吸入でなく,大気を圧縮加圧して
シリンダに供給するための圧縮機。 

supercharger 

424 

ホットエアマフラ 

排気管又は排気マニホールドの周囲を
包んだ形で,空気を加熱するための熱
交換器。 

hot-air muffler 

425 

マグネト 

永久磁石で励磁された交流発電機で,
クランク軸と同調回転させ,点火用電
流を発生させるもの。 

備考 点火用磁石発電機。 

magneto 

426 

スパークプラグ 

シリンダヘッドにねじ込まれ,絶縁さ
れた中心電極と接地された周囲電極と
の間に火花放電させて未燃焼の新気に
点火する装置。 

spark plug 

427 

行程容積 

こうていようせ
き 

ピストンが下死点にある時と上死点に
ある時とのシリンダ内容積の差。 

stroke volume 

428 

圧縮比 

あっしゅくひ 

ピストンが下死点にある時と上死点に
ある時とのシリンダ内容積の比。 

compression ratio 

429 

吸気圧力 

きゅうきあつり
ょく 

吸気弁の上流における吸入管又はマニ
ホールド内の一定の場所の絶対圧力。 

manifold (air) pressure 

(MAP)  

430 

シリンダ温度 

しりんだおんど 

シリンダヘッドの指定の場所の温度。 

cylinder temperature 

431 

オクタン価 

おくたんか 

ガソリンのアンチノック性を評価する
数値で,ノッキング強さを検出する装
置を持った標準試験エンジンでイソオ
クタンとノルマルヘプタンを混合した
標準燃料と比較試験をして,試料と同
じノッキング状態となるような標準燃
料のイソオクタンの成分百分比をオク
タン価数値とする。 

octane number 

432 

パーフォマンス価 

ぱーふぉまんす
か 

ガソリンのアンチノック性を評価する
数値で,過給圧を変えて出力を計測で
きる標準試験エンジンで,希薄混合気
の場合と濃混合気の場合につき運転状
態を標準燃料と比較し,同じ出力状態
を示す標準燃料の二つの数値で示す。
数値100以下の標準燃料はオクタン価
と同じ。100以上の標準燃料はイソオ
クタンに四エチル鉛を加えたもので,
純イソオクタンに対する出力百分比を
数値とする。 

performance number 

433 

臨界高度 

りんかいこうど 

クランク軸から歯車により駆動する遠
心式過給機を持つエンジンで,吸気圧
力が制限されているため,地上付近で
は,スロットルバルブが全開できない
場合,それが全開できる高度をいい,
ここで出力は最大となり,高度が上が
っても下がっても出力は低下する。 

critical height 

(altitude)  

17 

W 0109-1977  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

航空部会 航空用語(エンジン)専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

八 田 桂 三 

東海大学工学部 

松 木 正 勝 

科学技術庁航空宇宙技術研究所 

鳥 崎 忠 雄 

科学技術庁航空宇宙技術研究所 

大 島 士 郎 

運輸省航空局 

神 津 正 男 

防衛庁技術研究本部 

若曾根 和 之 

工業技術院標準部 

藤 嶋 敏 夫 

社団法人日本航空宇宙工業会 

浜 中 全 美 

石川島播磨重工業株式会社 

谷 村 篤 秀 

川崎重工業株式会社 

待 山 義 彦 

三菱重工業株式会社 

金 子 益 男 

日本航空株式会社 

石 塚 勝 一 

全日本空輸株式会社 

高 草 孝 夫 

ゼノア株式会社 

(事務局) 

矢 島 武 憲 

工業技術院標準部機械規格課