2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
W 0108 - 1976
航空用語(機体構造)
Glossary of Terms for Aircraft
(Structure)
1. 適用範囲 この規格は,航空機の機体構造に用いる主な用語について規定する。
2. 分類 分類は,次のとおりとする。
(1) 翼に関する用語
(2) 胴体に関する用語
(3) 発動機装着に関する用語
(4) 着陸装置に関する用語
(5) 構造の形式,要素,基準などに関する用語
3. 番号,用語,読み方及び意味 番号,用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。
なお,対応英語を参考として示す。
(1) 翼に関する用語
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
101
主翼
しゅよく
航空機の重量を支持するための揚力の大
部分を発生する翼。
main wing
102
中央翼
ちゅうおうよく
分割構造になっている主翼の機体中心線
を含む部分。
centre wing
103
外翼
がいよく
分割構造になっている主翼の外側の部
分。
outer wing
104
尾翼
びよく
航空機のつり合い,安定及び操縦を受け
持つために航空機の尾部に取り付けられ
た翼の総称。
tail unit,
empennage
105
水平尾翼
すいへいびよく
縦のつり合い,安定及び操縦を受け持つ
尾翼。
horizontal tail,
tail plane
106
垂直尾翼
すいちょくびよく 方向の安定と操縦とを受け持つ尾翼。
備考 通常,機体の対称面に又は対称
面に平行に取り付けられる。
vertical tail
107
T形尾翼
ていがたびよく
垂直尾翼の上端に水平尾翼が取り付けら
れた尾翼。
T-type tail
108
V形尾翼
ぶいがたびよく
水平尾翼と垂直尾翼とを兼ねるV形の尾
翼。
V-type tail
109
全可動尾翼
ぜんかどうびよく 安定板とだ(舵)面とが一体として作動
し又は連動する尾翼。
flying tail,
moving tail
2
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番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
110
水平安定板
すいへいあんてい
ばん
航空機の縦の安定のため水平尾翼の前部
の固定した部分。
horizontal stabilizer
111
垂直安定板
すいちょくあんて
いばん
航空機の方向の安定のため垂直尾翼の前
部の固定した部分。
vertical stabilizer,
fin
112
操縦翼面
そうじゅうよくめ
ん
航空機の姿勢及び飛行方向を制御するた
めに使用される可動翼面。
備考 操縦だ(舵)面又はだ(舵)面
ともいう。
control surface
113
補助翼
ほじょよく
操だ(舵)によって航空機の前後軸まわ
りに回転運動(横揺れ)を起こさせるた
め,主翼の後部に取り付けられた可動翼
面。
aileron
114
昇降だ(舵)
しょうこうだ
操だ(舵)によって航空機の左右軸まわ
りの回転運動(縦揺れ)を起こさせるた
め,水平安定板の後部に取り付けられた
可動翼面。
elevator
115
方向だ(舵)
ほうこうだ
操だ(舵)によって航空機の上下軸まわ
りの回転運動(偏揺)を起こさせるため,
垂直安定板の後部に取り付けられた可動
翼面。
rudder
116
タブ
補助翼,方向だ(舵),昇降だ(舵)など
の主操縦翼面の後部に取り付けられた小
さい翼面。
備考 操だ(舵)力の調整又はトリム
をとるのに用いられる。
tab
117
マス バランス
フラッタの発生を防止する目的で,だ
(舵)面の質量及び重心位置を調整する
ため,操縦翼面に取り付けられた付加質
量。
mass-balance
118
高揚力装置
こうようりょくそ
うち
離着陸速度を低減させ又は空中操作を容
易にするため,最大揚力係数を大きくす
る装置。
high-lift device
119
フラップ
主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼
面積若しくは翼のそり又は両方を増し
て,主として最大揚力係数を大きくする
働きを持つ装置。
備考 高揚力装置の一種。
flap
120
フラップ トラッ
ク
フラップを支持し,かつフラップを出し
入れするときこれに沿って動かす部材。
flap guide, flap track
121
フラップ ベーン
フラップを下げたときの効果を高めるた
め,すきまフラップの前方に取り付けら
れた小翼。
flap vane
122
スラット
翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大き
いときの気流のはがれを遅らせて最大揚
力係数を大きくする固定式又は可動式の
小翼。
備考 高揚力装置の一種。
slat
123
スロット
気流のはがれを防ぐために翼の一部に設
けられた固定式又は可動式のすきま。
slot
3
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番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
124
スポイラ
主翼上面に取り付けられ,これを気流中
に出すことによって気流を乱し揚力を減
殺すると同時に,抗力を増加させる装置。
spoiler
125
スピード ブレー
キ
航空機の翼,胴体などの構造物に取り付
けられ,これを気流中に出すことによっ
て抗力を増加させる装置。
air brake,
speed brake
126
前縁
ぜんえん
翼又は翼形の前端。
備考 構造上は前けたより前方の翼
の部分をいう。
leading edge
127
後縁
こうえん
翼又は翼形の後端。
備考 構造上は後けたより後方の翼
の部分をいう。
trailing edge
128
けた
翼幅方向に設けられたはり状の主要構造
部材。
spar
129
主けた
しゅけた
翼に加わる荷重の大部分を受け持つけ
た。
main spar
130
前けた
まえけた
多けた及び二本けた構造の最も前方のけ
た。
front spar
131
中央けた
ちゅうおうけた
3本のけたを持つ翼構造の中央のけた。 mid-spar,
centre spar
132
後けた
うしろけた
多けた及び二本けた構造の最も後方のけ
た。
rear spar
133
補助けた
ほじょけた
フラップ,着陸装置などの局部的な荷重
を伝えるために設けられた主けた以外の
けた。
auxiliary spar
134
けたフランジ
主として曲げ荷重を受け持つためにけた
の上下部に設けられた部材。
spar flange,
spar cap
135
けたウェブ
主として上下方向のせん断力を受け持つ
ためにけたフランジの間に設けられた板
部材。
spar web
136
小骨
こぼね
翼の断面形を保ち,一般に翼外板に加わ
る荷重を翼けたに伝えるために翼の内部
に設けられた構造部材。
rib
137
フェアリング
空気抵抗を減らすため,形状を整える覆
い。
fairing
138
フィレット
気流の干渉による抵抗の増加を防ぐため
の構造の結合部の覆い。
fillet
139
インテグラル タ
ンク
主翼又は胴体構造の一部となっている作
り付けの燃料タンク。
integral tank
151
回転翼
かいてんよく
翼形断面を持つ羽根を回転させて揚力を
得る装置。
rotor
152
主回転翼
しゅかいてんよく 単回転翼機で,主として揚力を得るため
に使用される回転翼。
main rotor
153
尾部回転翼
びぶかいてんよく 単回転翼機の尾部に取り付けられ,主回
転翼のトルクの平衡に使われ,方向の操
縦などにも用いられる回転翼。
tail rotor
154
ロータ ブレード
翼形断面を持った羽根で,揚力を発生す
る回転翼の構成部分。
rotor blade
155
ロータ ハブ
ロータブレードを結合し,回転軸上に支
持する回転翼の構成部分。
rotor hub
4
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番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
156
ドラグ ヒンジ
ロータブレードをロータハブに対して回
転面内で角変位できるように取り付ける
ヒンジ。
drag hinge
157
フラッピング ヒ
ンジ
ロータブレードをロータハブに対して回
転翼軸と羽根を含む平面内で上下方向の
角変位ができるように取り付けるヒン
ジ。
flapping hinge
158
フェザリング ヒ
ンジ
ロータブレードをロータハブに対して羽
根の取付け角を変えられるように取り付
けるヒンジ。
feathering hinge
(2) 胴体に関する用語
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
201
胴体
どうたい
乗員,乗客,貨物その他のとう載物及び
主要な装備を収容する航空機の部分。
body,
fuselage
202
艇体
ていたい
水上で航空機を支持し,離着水に適した
形状を持った飛行艇の胴体。
hull
203
機首
きしゅ
胴体の前端部。
nose
204
ノーズ コーン
胴体前端の円すい状に整形された部分。 nose cone
205
テール コーン
胴体後端の円すい状に整形された部分。 tail cone
206
尾部支材
びぶしざい
尾翼又は尾部を,主翼,胴体などに結合
するために後方に突き出された構造物。
tail boom
207
フレーム
胴体などの横断面にあって,断面形を保
つためのわく状の構造部材。
frame
208
隔壁
かくへき
胴体などを横に仕切る壁状の構造部材。 bulkhead
209
耐圧壁
たいあつへき
与圧室端部の隔壁。
pressure bulkhead
210
キール
胴体,艇体又はフロートで底部中央の長
さ方向の主要構造部材。
keel
211
床
ゆか
機室,貨物室などの床。
floor
212
シート トラック
床などに設ける座席取付け用の軌道状の
部材。
seat track
213
バルジ
胴体の側面に張り出された部分。
bulge
214
レードーム
レーダのアンテナの覆い。
radome
215
背びれ
せびれ
胴体上面と垂直尾翼前縁をつないで取り
付けられたひれ。
dorsal fin
216
腹びれ
はらびれ
胴体下面に取り付けられたもの。
ventral fin
217
機室
きしつ
直接外気に接触しないように閉じられた
操縦室及び客室の総称。
cabin
218
与圧室
よあつしつ
圧力が調整できるように作られた機室。 pressurized cabin
219
操縦室
そうじゅうしつ
操縦者が航空機を操縦するところで,操
縦装置,操作装置,計器などが集中的に
取り付けられている機室。
control cabin,
cockpit,
flight compartment
220
客室
きゃくしつ
乗客を乗せるように設備された機室。
passenger cabin,
passenger compartment
221
貨物室
かもつしつ
貨物及び手荷物を積むように設けられた
機体内の区画。
cargo compartment
222
装置室
そうちしつ
各種の装置・系統が取り付けられた機体
の区画の総称。
accessory compartment
223
爆弾倉
ばくだんそう
爆弾その他投下する武器を積むように設
けられた機体内の区画
bomb bay,
weapons bay
5
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番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
224
とびら口
とびらぐち
機体にあけられた,とびら付きの開孔部
の総称。
door,
hatch
225
出入口
でいりぐち
主に人の乗降に使われるとびら口
entrance door,
entry door
226
貨物口
かもつぐち
主に貨物及び手荷物の積み降ろしに使わ
れるとびら口。
cargo door
227
非常口
ひじょうぐち
非常脱出用のとびら口。
emergency exit
228
点検口
てんけんぐち
点検及び整備のためのとびら口。
access door,
inspection door
229
エアステア
機体に組み込まれた乗降用の階段。
airstair,
integral stair
230
キャノピー
操縦席の透明な覆い。
canopy,
cockpit canopy
231
風防
ふうぼう
操縦者を風からしゃへいし,前方の視野
を確保するため,操縦室の前側に取り付
けられた透明な部分。
windshield
232
射出座席
しゃしゅつざせき 脱出のとき機外に射出できる仕掛けを持
った座席。
ejection seat
233
脱出カプセル
だっしゅつかぷせ
る
脱出のとき機体から分離できる仕掛けを
持った機室。
escape capsule
(3) 発動機装着に関する用語
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
301
ナセル
主として発動機,それに付随する補機な
どを収め,又は保護するためのフェアリ
ング。
nacelle
302
パイロン
動力装置,回転翼,機外とう載物などを
支持するために,航空機の胴体,翼など
から突き出された構造物。
pylon
303
エンジン ポッド
発動機を収めるために翼又は胴体から張
り出して取り付けられるナセル。
engine pod
304
空気取入口
くうきとりいれぐ
ち
発動機,冷却器,空気調和装置その他空
気を必要とする装置,機器などに,機外
から空気を取り入れるための取り入口。
air intake
305
カウリング
発動機,冷却器などを覆って抵抗を減ら
すとともに,内部の気流を整えるための
覆い。
cowling
306
カウル フラップ
カウリング内を流れる冷却空気の流量を
調節するため,カウリングの後縁部にヒ
ンジで取り付けられた可動式のフラッ
プ。
cowl flap
307
発動機架
はつどうきか
発動機を機体構造に取り付けるための架
構。
engine mount
308
ショック マウン
ト
発動機の振動を吸収し,機体構造に伝達
しないよう発動機の取付部に装着された
緩衝装置。
備考 発動機ショックマウント
engine shock mount
309
発動機防火壁
はつどうきぼうか
へき
発動機部から発生した火災を他の構造部
分から隔離するために設けられた,耐火
材料でできた隔壁。
engine fire wall
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 着陸装置に関する用語
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
401
着陸装置
ちゃくりくそうち 航空機を地上又は水上で支持し,離着陸
又は離着水のときに使用される装置の総
称。
備考 車輪式,フロート式,そり式,
スキー式着陸装置などがある。
landing gear,
alighting gear,
undercarriage
402
主脚
しゅきゃく
地上で機体重量の大部分を支持する脚装
置。
main landing gear
403
前脚
ぜんきゃく
前輪式着陸装置で,機首に設けられた脚
装置。
nose landing gear
404
尾脚
びきゃく
尾輪式着陸装置で,胴体後部に設けられ
た脚装置。
tail gear
405
脚室
きゃくしつ
引込式着陸装置を格納するために機体に
設けられた区画。
landing gear well,
wheel well
406
脚とびら
きゃくとびら
脚室のとびら。
landing gear door
407
引込装置
ひきこみそうち
着陸装置を機体内に引き込み又は引き出
すための装置。
retracting system,
retracting mechanism
408
アップ ロック
引込式の着陸装置を上げ位置に固定する
金具。
up lock
409
ダウン ロック
引込式の着陸装置を下げ位置に固定する
金具。
down lock
410
抗力支柱
こうりょくしちゅ
う
前後方向の荷重を受け持つ脚支柱。
備考 着陸装置の抗力支柱
drag strut
411
緩衝支柱
かんしょうしちゅ
う
上下方向の荷重を受け持ち,かつ衝撃を
緩和するための機構を持つ脚支柱。
shock strut
412
横支柱
よこしちゅう
側方荷重を受け持つ脚支柱。
side strut
413
トルク リンク
ピストン式の緩衝支柱を持つ脚で,ピス
トンの回転を拘束する結合リンク。
torque link
414
シミー ダンパ
シミーの発生を防止する装置。
shimmy damper
415
主車輪
しゅしゃりん
車輪式着陸装置の主脚に用いられる車
輪。
main wheel
416
前車輪
ぜんしゃりん
前輪式着陸装置の前脚に用いられる車
輪。
nose wheel
417
尾輪
びりん
尾輪式着陸装置の尾脚に用いられる車
輪。
tail wheel
418
ブレーキ
航空機の離着陸及び地上走行のとき,車
輪を制動する装置。
brake
419
スキー
航空機が雪上又は氷上に離着陸できるよ
うに考慮されたスキー状の着陸装置。
ski
420
スキッド
航空機を地上で支持し不整地でも離着陸
できるように考慮されたそり状の着陸装
置。
skid
421
テール スキッド
前輪式着陸装置を持つ航空機で,離着陸
のとき,胴体尾部の保護のため,胴体尾
部下面に取り付けられたそり状の装置。
tail skid
422
フロート
航空機を水上で支持し,離着水時に使用
される舟形又は円筒状の着陸装置。
float
423
ステップ
艇体又はフロートの底面に機体軸にほぼ
直角に付けられた段。
step
7
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番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
424
チャイン
艇体又はフロートの底面と側面とが交わ
るりょう線。
chine
(5) 構造の形式・要素・基準などに関する用語
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
501
わく組構造
わくぐみこうぞう トラス,ラーメンなどのようにわく組で
荷重を受け持つ構造。
frame structure
502
応力外皮構造
おうりょくがいひ
こうぞう
外板が荷重を受け持つ構造。
stressed-skin structure
503
モノコック構造
ものこっくこうぞ
う
縦通材がなく,外板及びフレームだけか
らなる応力外皮構造。
monocoque structure
504
セミモノコック構
造
せみものこっくこ
うぞう
外板,フレーム及び縦通材からなる応力
外皮構造。
semi-monocoque structure
505
組立構造
くみたてこうぞう 別々のいくつかの構造要素をリベット,
接着,溶接などで結合して組み立てた構
造。
built-up structure
506
インテグラル構造 いんてぐらるこう
ぞう
インテグラルスキンなどのように,リベ
ット,接着,溶接などによる結合を持た
ない一体化された構造。
integral structure
507
接着構造
せっちゃくこうぞ
う
接着剤を用いて結合して作られた構造。 bonded structure
508
サンドイッチ構造 さんどいっちこう
ぞう
2枚のフェース プレートの間にコアを
はさんでフェース プレートとコアとを
接着,ろう付け又は溶接により結合した
構造。
sandwich structure
509
ハニカム
サンドイッチ構造のコアその他に用いら
れるはちの巣状の構造。
honeycomb
510
コア
サンドイッチ構造のフェース プレート
間の心材。
備考 サンドイッチ構造のコア
core
511
フェース プレー
ト
サンドイッチ構造の両面の板。
備考 サンドイッチ構造のフェース
プレート
face plate,
facing,
faces
512
外板
がいはん
機体の外形を形成するためにその表面に
取り付けられた板材。
skin
513
インテグラル ス
キン
厚板から削り出し又は押し出し形材を用
いてストリンガの機能をも含め一体に製
作された外板。
integrally stiffened skin
514
羽布
はふ
トラス構造などの機体の外形を形成する
ためその表面に張られた布。
fabric
515
縦通材
じゅうつうざい
長さ方向の部材。
longitudinal member
516
ロンジロン
胴体構造などで,一般縦通材より大きな
断面積を持ち集中的な軸力を分担する縦
通材。
longeron
517
ストリンガ
板を区切ることによってせん断強度を向
上させるとともに,長さ方向の軸力をも
受け持てるようにしたスティフナ。
stringer
518
インターコスタル
板の座屈強度の向上又は横荷重の支持の
ため小骨,フレームなどの間に取り付け
られた短い部材。
intercostal
8
W 0108 - 1976
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
519
スティフナ
板の面に垂直な変位を拘束し,座屈強度
の向上,変形の防止などのため取り付け
られた部材。
stiffener
520
結合金具
けつごうかなぐ
部材の結合,取付けなどのとき,荷重を
伝達するために使われる金具。
備考 機体の結合金具
fitting
521
継手
つぎて
二つ以上の部材を結合し,荷重を伝達す
る構造。
coupling,
joint
522
ヒンジ金具
ひんじかなぐ
動翼,とびらなど可動部のヒンジに使わ
れる金具。
hinge fitting
523
かく(殻)
荷重を受け持つ曲面の薄板構造。
shell
524
パネル
平面又は曲面の板状構造。
panel
525
片持翼
かたもちよく
付け根だけで胴体と結合されて荷重の伝
達を行う形式の翼。
cantilever wing
526
箱形はり
はこがたはり
箱形のはり。
box beam
527
トーション ボッ
クス
ねじりモーメントを伝達させる閉断面の
箱形の構造。
torsion box
528
単けた構造
たんけたこうぞう 1本の主けたを持つ構造。
monospar structure
529
二本けた構造
にほんけたこうぞ
う
2本のけたを持つ構造。
two-spar structure
530
多けた構造
たけたこうぞう
3本以上のけたを持つ構造。
multispar structure
531
支柱
しちゅう
軸力を受け持つ柱状の部材。
strut
532
クリップ
部材間の荷重の伝達又は部材相互の変位
の拘束のため取り付けられた小結合材。
clip
533
フォーマ
板の形状を保持するための部材。
former
534
ビード
薄板に剛性増加の目的で付けられた型押
しによるみぞ。
bead
535
軽減孔
けいげんこう
強度に余裕のある部材にあけられた重量
を軽減するための穴。
lightening hole
536
ダブラ
板構造に局部的応力増加,剛性の不足な
どを防ぐため部分的に追加された補強の
ための板。
doubler
537
シヤタイ
外板と,小骨又はフレームとの間を結合
してせん断力を伝達させるための部材。
shear tie
538
クラック ストッ
パ
き裂の成長を防ぐために設けた部材及び
ストップホール。
crack stopper,
crack arrester
539
シーリング
与圧胴体の空気漏れ,インテグラル タ
ンクの燃料漏れ,外部からの水の侵入な
どを防ぐ処置。
sealing
540
アライメント点
機体組み立て後の寸法及び角度を測るた
めに機体に設けられた基準点。
alignment point
541
水平標点
すいへいひょうて
ん
機体の水平方向を表すために,機体に設
けられた基準点。
leveling point
542
つり上げ点
つりあげてん
つり上げ具を掛けるために機体に設けら
れた箇所。
hoist point,
sling point
543
ジャッキ点
じゃっきてん
ジャッキを当てるために機体に設けられ
た箇所。
jack point
544
係留点
けいりゅうてん
機体を地上に係留するとき,索などを掛
けるために機体に設けられた箇所。
moornig point
9
W 0108 - 1976
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
対応英語(参考)
545
空力弾性
くうりきだんせい 空気力と構造の弾性力,慣性力などとの
相互作用による諸現象及びその性質。
aeroelasticity
546
空力熱弾性
くうりきねつだん
せい
特に空力加熱の影響をも考慮した空力弾
性。
aerothermoelasticity
547
フラッタ
空気力と構造の弾性力,慣性力などとの
相互作用によって起こる自励振動。
flutter
548
ダイバージェンス
外力が,弾性復元力より大きくなったと
きに起こる静的不安定現象。
divergence
549
補助翼バズ
ほじょよくばず
高亜音速及び遷音速域で,気流のはく離,
衝撃波の移動などが原因で補助翼のヒン
ジまわりに起こる振動
aileron buzz
550
バフェッティング
航空機の一部が,かく乱気流によって起
こす不規則な振動。
buffeting
551
構造減衰
こうぞうげんすい 結合部の摩擦及び材料の内部減衰に起因
する構造の振動減衰性。
structural damping
552
疲労寿命
ひろうじゅみょう 繰返し荷重を受ける部材や構造が破壊す
るまでの荷重の繰返し数又は時間。
fatigue life
553
熱疲労
ねつひろう
温度の変動の繰返しに起因する部材や構
造の疲労。
thermal fatigue
554
音響疲労
おんきょうひろう 音波によって生じる繰返し荷重に起因す
る部材や構造の疲労。
acoustic fatigue,
sonic fatigue
555
フェール セーフ
構造
ふぇーる せーふ
こうぞう
一部の部材が壊れても構造全体は安全
で,その設計荷重の特定の比率の荷重を
一定の期間受け持つことができる構造。
fail-safe structure
556
制限荷重
せいげんかじゅう 常用運用状態で,航空機又はその構造部
分に働くと予想される最大の荷重。
limit load
557
終極荷重
しゅうきょくかじ
ゅう
制限荷重に安全率を乗じた荷重。
ultimate load
558
荷重倍数
かじゅうばいすう 航空機に働く荷重と航空機重量との比。 load factor
559
安全率
あんぜんりつ
制限荷重より大きな荷重が生じる可能
性,材料,製造及び使用中の劣化を含め
た構造強さの変動並びに設計の不確かさ
に備えて用いる設計係数。
factor of safety
10
W 0108 - 1976
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
航空部会 航空用語(機体構造)専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
上 山 忠 夫
科学技術庁航空宇宙技術研究所
竹 内 和 元
科学技術庁航空宇宙技術研究所
古 賀 達 蔵
科学技術庁航空宇宙技術研究所
小 林 繁 夫
東京大学工学部
砂 川 恵
東京大学宇宙航空研究所
堺 司
通商産業省機械情報産業局
逢 坂 国 一
工業技術院標準部
藤 嶋 敏 夫
社団法人日本航空宇宙工業会
島 文 夫
日本航空機製造株式会社
金 田 安 雄
富士重工業株式会社
落 合 一 夫
日本航空株式会社
(専門委員)
井 田 孝
工業技術院標準部
(事務局)
矢 島 武 憲
工業技術院標準部機械規格課