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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

W 0106-1995 

航空用語(航空機一般) 

Glossary of terms for aircraft general 

1. 適用範囲 この規格は,航空機に関する主な用語について規定する。 

2. 分類 用語は,次のように分類する。 

(1) 航空機の種類に関する用語 

(2) 航空機の寸法・面積に関する用語 

(3) 航空機を構成する部分に関する用語 

(4) 航空機の重量(物体に作用する重力の大きさ)比に関する用語 

(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語 

(6) 航空機の運航・整備に関する用語 

3. 用語・定義 用語及び定義は,次のとおりとする。 

なお,参考のため対応英語及び一部の用語に対する記号を示す。 

備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順序に従って優先的に使用する。 

2. 用語欄の( )内の太字体の語は省略してもよい。 

3. 用語欄の( )内の細字体の語は参考として示したものである。 

4. 用語の下に括弧で示したものは,読み方である。 

(1) 航空機の種類に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1010 

航空機 

人が乗って,航空の用に供することができる機器
の総称。 

aircraft 

1020 

軽航空機 

飛行中の揚力を,主として空気より軽い気体の静
的な浮力から得るすべての航空機。 

lighter-than-air aircraft 

1030 

飛行船 

推進装置及び操縦装置を備えた軽航空機。 

airship 

1040 

重航空機 

それ自体の重量が,その排除する空気の重量より
も重く,飛行中の揚力を主として空気力学的な力
から得るすべての航空機。 

heavier-than-air aircraft 

1050 

固定翼航空機 

固定した翼面をもち,その翼面に生じる揚力によ
って飛行する重航空機。 

fixed wing aircraft 

1060 

飛行機 

推進装置を備え,飛行中の揚力を,主として,そ
れぞれの飛行状態において固定翼面上に生じる空
気力学的な力から得る固定翼航空機。 

aeroplane, 
airplane(米) 

1070 

可変後退翼機 

飛行中に翼の後退角を変更させることができる飛
行機。 

variable-swept-wing airplane 

1080 

無尾翼機 

水平尾翼をもたない飛行機。 

tailless airplane 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

1090 

陸上機 

陸上で発着する飛行機。 

landplane 

1100 

水上機 

水上で発着する飛行機。 

seaplane 

1110 

フロート水上機 

水上にあるとき,フロートによってその重量を支
持する水上機。 

float seaplane, 
float plane 

1120 

飛行艇 

水上にあるとき,主に艇体によってその重量を支
持する水上機。 

flying boat 

1130 

水陸両用機 

陸上又は水上のいずれへも発着できる飛行機及び
へリコプタ。 

amphibian 

1140 

グライダ 
(滑空機) 

推進装置を備えず,飛行中の揚力を主として固定
翼面上に生じる空気力学的な力から得る固定翼航
空機。 

glider 

1150 

ソアラ 

大気の動きを利用して,長時間又は長距離の飛行
を行うグライダ。 

sailplane, 
soarer 

1160 

モータグライダ 
(動力滑空機) 

50kW以下のエンジンを装備し,主として離陸上昇
時に動力を用い,所要の高度から滑空を行う固定
翼航空機。 

motor glider 

1170 

回転翼航空機 

飛行中の揚力を回転翼から得る重航空機。 
回転翼の配置によって,単回転翼機,同軸回転翼
機,タンデム回転翼機などがある。 

rotor craft, 
rotary-wing aircraft 

1180 

ジャイロプレーン 

起動の時だけエンジン駆動によるが,飛行中は空
気力の作用によって回転する1個以上の回転翼に
よって揚力を,またプロペラによって推進力を得
る回転翼航空機。 

gyroplane 

1190 

ヘリコプタ 

ほぼ垂直な軸周りに回転するエンジン駆動の回転
翼によって揚力及び推進力を得る回転翼航空機。 

helicopter 

1200 

複合ヘリコプタ 

回転翼のほかに推進装置と固定翼とをもち,水平
飛行中の推進力と揚力の大部分をこれらによって
得るヘリコプタ。 

compound helicopter 

1210 

ジャイロダイン 

1個以上のエンジン駆動の回転翼によって揚力を
得,推進力はプロペラによって得る回転翼航空機。 

gyrodyne 

1220 

短距離離着陸(航空)
機 

短い滑走距離で離着陸できる重航空機。 

STOL aircraft (short takeoff 

and landing aircraft) 

1230 

垂直離着陸(航空)機 

離着陸の際,ほぼ垂直に上昇又は降下できる重航
空機。 

VTOL aircraft (vertical 

takeoff and landing 
aircraft) 

1240 

亜音速機 

空気の圧縮性の影響がほとんどない速度域で飛行
する航空機。 

subsonic aircraft 

1250 

遷音速機 

機体の表面の空気の流れが音速に達している部分
とそれ以下の部分が共存している速度域まで飛行
できる航空機。 

transonic aircraft 

1260 

超音速機 

音速を超える対気速度で飛行できる航空機。 

supersonic aircraft 

1270 

極超音速機 

音速の約5倍以上の対気速度で飛行できる航空
機。 

hypersonic aircraft 

1280 

輸送機 

人員及び物資を輸送するために使用される航空
機。 

transport aircraft 

1290 

旅客機 

乗客の輸送を主目的とする航空機。 

airliner 

1300 

CCV 

機体固有の不安定性及び剛性の不足を制御系によ
って補償し,機体の小型化・軽量化,操縦性の向
上等を図った航空機。 

control configured vehicle 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 航空機の寸法・面積に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2010 

上反角 

翼が付け根から翼端に向かって上がっていると
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。 

参考 量記号Γ又はνで表す。 

dihedral angle 

2020 

下反角 

翼が付け根から翼端に向かって下がっていると
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。 

cathedral angle 

2030 

後退角 

翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し後
退しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。 

参考 量記号Λで表す。 

swept-back angle 

2040 

前進角 

翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し前
進しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。 

swept-forward angle 

2050 

取付け角 

翼弦と胴体基準線とがなす角度。通常,翼の付け
根の値を用いる。 

参考 量記号iで表す。 

angle of incidence 

2060 

ねじり上げ(角) 

翼の取付け角が翼端に向かって次第に増すように
翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との取
付け角の差。 

wash-in (angle) 

2070 

ねじり下げ(角) 

翼の取付け角が翼端に向かって次第に減じるよう
に翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との
取付け角の差。 

wash-out (angle) 

2080 

尾翼取付け角 

尾翼の翼弦と胴体基準線とがなす角度。 

参考 量記号itで表す。 

tail-setting angle 

2090 

総翼面積 

胴体部分を含めた主翼の投影面積。 

参考 量記号SLで表す。 

gross wing area 

2100 

正味翼面積 

胴体部分を除いた主翼の投影面積。 

net wing area 

2110 

ぬれ面積 

航空機の全表面積。 

wetted area 

2120 

円板面積 

回転翼が回転することによって描かれる円形の面
積。 

disc area 

2130 

縦横比 
(たてよこひ) 

総翼面積に対する翼幅の二乗の比。く(矩)形翼
の場合は翼弦長に対する翼幅の比になる。 

参考 量記号λ,A又はΛで表す。 

aspect ratio 

2140 

テーパ比 

翼根弦長に対する翼端弦長の比。 

参考 量記号λで表す。 

taper ratio 

2150 

厚さ比 

翼弦長に対する翼形の最大厚さの比。 

thickness ratio 

2160 

翼形 

翼の平面形における翼幅方向の基準線(通常は,
25%弦長点を連ねる線)に直角にとった翼の切り
口の形状。 

aerofoil section, 
wing section, 
profile 

2170 

翼形中心線 

翼形の上面及び下面までの距離がそれぞれ等しく
なる点を結んで得られる線。 

center-line of an aerofoil, 
mean line 

2180 

中心線の反り 

翼形中心線と翼弦との隔たりを,翼弦長に対する
百分率で表したもの。 

center-line camber 

2190 

反り 

翼形中心線と翼弦との隔たりの最大値を,翼弦長
に対する百分率で表したもの。 

maximum camber 

2200 

翼弦 

翼形中心線の前端と後端とを結んだ直線。 

chord 

2210 

翼弦長 

翼弦の長さ。 

参考 量記号cで表す。 

chord length 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2240 

25%弦長点 

翼弦の前端から翼弦長の25%隔たった点。 

quarter-chord point 

2250 

幾何平均翼弦 

翼面積を翼幅で割った値。 

mean geometric chord 

2260 

空力平均翼弦 

縦揺れモーメントに関して翼の空気力学的性質を
代表する翼弦。 

aerodynamic mean chord, 
mean aerodynamic chord 

(米)(MAC) 

2270 

前縁 

翼形又は翼の前端。 

備考 構造上は,前けたから前方の翼の部分

をいう。 

leading edge 

2280 

後縁 

翼形又は翼の後端。 

備考 構造上は,後けたから後方の翼の部分

をいう。 

trailing edge 

2290 

翼幅 

左右の両翼端の間の水平距離。 

参考 量記号bで表す。 

span, 
wing span 

2300 

全長 

航空機の最前端と最後端との間の水平距離。 

参考 量記号lRで表す。 

overall length 

2310 

全高 

航空機の最低端と最高端との間の垂直距離。 

参考 量記号hRで表す。 

height 

2320 

車輪左右間隔 
てつ(轍)間距離 

主着陸装置の左右の車輪中心間距離。車輪の代わ
りに,そり,スキーなどでも同じ。 

wheel track, 
wheel tread 

2330 

車輪前後間隔 
軸間距離 

前部着陸装置と後部着陸装置の車軸中心間の距
離。車輪の代わりに,そり,スキーなどでも同じ。 

wheel base 

(3) 航空機を構成する部分に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3010 

機体 

主翼,胴体,尾翼,着陸装置など,航空機を構成
する構造部分。 

airframe 

3020 

翼 

重航空機が空気中でその重量を支持するのに必要
とする空気力学的な力(揚力)を発生するもの。 

wing, 
aerofoil, 
airfoil(米) 

3030 

主翼 

重航空機の重量を支持するための揚力の大部分を
発生する翼。 

main wing, 
main plane 

3040 

テーパ翼 

翼の付け根から翼端に向かって,直線的に翼弦長
が小さくなっている翼。 

taperd wing 

3041 

く(矩)形翼 

翼弦長が付け根から翼端まで一定の翼。 

constant chord wing 

3050 

後退翼 

後退角をもつ翼。 

swept-back wing 

3051 

前進翼 

前進角をもつ翼。 

swept-forward wing 

3060 

三角翼 

平面形が三角形であり,比較的小さい縦横比の翼。 delta wing 

3070 

短翼 

胴体の両側面に取り付けられた短い翼。主として,
着陸装置,エンジンなどを取り付けたり,物をつ
り上げるために用いる。 

stub wing 

3080 

ウィングレット 

主翼の翼端にほぼ垂直に取り付けられ,これによ
って得られる翼端渦の減殺と推力成分の効果を利
用して,誘導抗力の減少と有効揚力の増加を図る
ための小翼片。 

winglet 

3090 

操縦だ(舵)面 

航空機の姿勢及び飛行方向を制御するために用い
る可動翼面。だ(舵)面ともいう。 

control surface 

3100 

補助翼 

操だ(舵)によって航空機の前後軸周りに回転運
動(横揺れ)を起こさせるため,主翼の後縁に取
り付ける可動翼面。 

aileron 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3110 

差動補助翼 

補助翼を操だ(舵)したとき,上がる角度と下が
る角度とが異なるような機構をもった補助翼。 

differential aileron 

3120 

フリーズ補助翼 

上げ側の補助翼の前縁部が主翼の下面に突き出す
ようにしてある補助翼。 

Frise aileron 

3130 

すきま補助翼 

主翼後縁との間に,気流を円滑に流すために整形
されたすきまをもたせた補助翼。 

slotted aileron 

3140 

釣合いだ(舵)面 

昇降だ(舵),方向だ(舵),補助翼,タブなどの
操縦だ(舵)面に取り付けられ,操だ(舵)力を
軽くする仕掛けをもった操縦だ(舵)面。 

balanced surface 

3150 

ホーン・バランス 

だ(舵)面の平面形において,翼端部がヒンジ中
心線より前方に張り出している釣合いだ(舵)面
の形式。 

horn balance 

3170 

エレボン 

昇降だ(舵)と補助翼の二つの働きを併せもつよ
うに設計された操縦だ(舵)面。 

elevon 

3180 

高揚力装置 

離着陸速度を低減させ又は空中操作を容易にする
ため,最大揚力係数を大きくする装置。 

high-lift device 

3190 

すきま翼 

高揚力装置の一種で,翼の前縁に可動式又は固定
式のすきまをもった翼。 

slotted aerofoil wing, 
slotted wing 

3200 

スラット 

翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大きいときの
気流のはがれを遅らせて最大揚力係数を大きくす
る固定式又は可動式の小翼。 

備考 高揚力装置の一種。 

slat 

3210 

折り曲げ前縁 

翼の前縁部を下方へ折り曲げて翼の反りを増すよ
うにしたもの。 

drooped leading edge 

3220 

境界層制御装置 

境界層に原因する好ましくない空気力学的効果
(失速,抗力増加など)を減少又は除去するため
の装置。 

boundary-layer control 

system 

3230 

フラップ 

主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼面積若し
くは翼の反り又は両方を増して,主として最大揚
力係数を大きくする働きをもつ装置。 

備考 高揚力装置の一種。 

flap 

3240 

フラッペロン 

フラップと補助翼の機能を兼ね備えた可動翼面。 

flaperon 

3250 

前縁フラップ 

翼の前縁部に取り付けられたフラップ。 

leading-edge flap 

3260 

クルーガフラップ 

前縁フラップの一種で,翼の前縁下側にその前端
をヒンジ止めした小翼で,作動時に後端を翼の前
下方に開くようにしたフラップ。 

Krüger flap 

3270 

後縁フラップ 

翼の後縁部に取り付けられたフラップ。 

trailing edge flap 

3280 

ファウラフラップ 

翼の後縁部が後方に張り出して翼面積を増す効果
を併せもっている形式のフラップ。 

fowler flap 

3290 

単純フラップ 

翼の後縁部分をそのまま下方へ折り曲げる形式の
フラップ。 

plain flap 

3300 

すきまフラップ 

フラップを下げたとき,翼本体とフラップの前縁
との間にすきまができるようにした形式のフラッ
プ。 

slotted flap 

3310 

開きフラップ 

翼の後縁部の下方だけを開く形式のフラップ。 

split flap 

3320 

吹出しフラップ 

フラップを下げたとき,その上面に沿って高速の
空気を後方に吹き出して,フラップの効果を高め
る機能をもったフラップ。 

blown flap 

3330 

ジェットフラップ 

翼の後縁から後下方に高速の空気を吹き出し,そ
の噴流によってフラップの効果を得る装置。 

jet flap 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3340 

スピードブレーキ 

航空機の翼,胴体などの構造物に取り付けられ,
これを気流中に出すことによって抗力を増加させ
る装置。 

speed brake 

3350 

スポイラ 

主翼上面に取り付けられ,これを気流中に出すこ
とによって気流を乱し揚力を減殺すると同時に,
抗力を増加させる装置。 

spoiler 

3360 

先尾翼 

主翼の前方に取り付けられ,前後の釣合い及び操
縦を受け持つ小さい翼。 

canard 

3370 

尾翼 

航空機の釣合い,安定及び操縦を受け持つために
航空機の尾部に取り付けられた翼の総称。 

tail unit, 
empennage 

3380 

水平尾翼 

縦の釣合い,安定及び操縦を受け持つ尾翼。 

tail plane, 
horizontal tail 

3381 

T型尾翼 

垂直尾翼の上端に水平尾翼が取り付けられた尾
翼。 

T-type tail 

3390 

水平安定板 

航空機の縦の安定のための水平尾翼の前部の固定
した部分。トリムのために可動のものもある。 

horizontal stabilizer 

3400 

昇降だ(舵) 

操だ(舵)によって航空機の左右軸周りの回転運
動(縦揺れ)を起こさせるため,水平安定板の後
部に取り付けられた可動翼面。 

elevator 

3410 

全可動尾翼 

安定板を可動とし,これを動かすことによって縦
の操縦を行うことができる水平尾翼。昇降だ(舵)
をもち連動して作動するものもある。 

flying tail 

3420 

スタビレータ 

昇降だ(舵)をもたない全可動尾翼。 

stabilator 

3430 

垂直尾翼 

方向の安定と操縦とを受け持つ尾翼。 

備考 通常,機体の対称面に又は対称面に平

行に取り付けられる。 

vertical tail, 
fin and rudder 

3440 

垂直安定板 

航空機の方向の安定のための垂直尾翼の前部の固
定した部分。 

vertical stabilizer, 
fin 

3450 

方向だ(舵) 

操だ(舵)によって航空機の上下軸周りの回転運
動(偏揺れ)を起こさせるため,垂直安定板の後
部に取り付けられた可動翼面。 

rudder 

3460 

背びれ 

胴体上面と垂直尾翼前縁とをつないで取り付けら
れたひれ状のもの。 

dorsal fin 

3470 

腹びれ 

胴体の後下方に気流と平行に取り付けられたひれ
状のもの。 

ventral fin 

3480 

タブ 

補助翼,方向だ(舵),昇降だ(舵)などの主操縦
だ(舵)面の後部に取り付けられた小さい翼面。 

tab 

3490 

釣合いタブ 

主操縦だ(舵)面に機械的に連動し,操だ(舵)
力の軽減に用いられるタブ。 

balance tab 

3500 

サーボタブ 

操縦かん又は方向だ(舵)ペダルと直接結ばれ,
これを操作することによって主操縦だ(舵)面を
動かすタブ。 

servo tab 

3510 

スプリングタブ 

操縦だ(舵)面とタブ操作機構との間にばねを入
れたサーボタブで,速度に応じて操だ(舵)力が
調整されるタブ。 

spring tab 

3520 

トリムタブ 

主操縦だ(舵)面とは別の系統で操作され,トリ
ムを調整するタブ。 

trim tab, 
trimming tab 

3530 

トリム板 

主操縦だ(舵)面の後縁に取り付けられたトリム
修正用の固定式の小片。 

trimming strip 

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W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3540 

胴体 

乗員,乗客,貨物その他の搭載物及びその航空機
の主要な装備を収容する航空機の部分。 

fuselage 

3550 

艇体 

水上で航空機を支持し,離着水に適した形状をも
った飛行艇の胴体。 

hull 

3560 

スポンソン 

胴体の側面に張り出した部分。 

sponson 

3570 

機室 

直接外気に接触しないように閉じられた操縦室及
び客室の総称。 

cabin 

3580 

客室 

乗客を乗せるように設備された機室。 

passenger cabin 

3590 

操縦室 

操縦者が航空機を操縦する所で,操縦装置,操作
装置,計器などが集中的に取り付けられている機
室。 

control cabin, 
cockpit 

3600 

与圧室 

圧力が調整できるように作られた機室。 

pressurized cabin 

3610 

風防 

操縦者を風から遮へいし,前方の視野を確保する
ため,操縦室の前側に取り付ける透明な部分。 

windshield, 
windscreen 

3620 

キャノピ 

操縦席の透明な覆い。 

cockpit canopy 

3630 

フェアリング 

空気抵抗を減らすため,形状を整える覆い。 

fairing 

3640 

フィレット 

気流の干渉による抵抗の増加を防ぐための,構造
の結合部の覆い。 

fillet 

3650 

ドッグツース 

薄翼の前縁はく離渦の発生を安定にするため,外
翼部前縁に犬歯形の段を設けた平面形。 

dog tooth 

3660 

境界層板 

境界層が翼端に向かって流れることを阻止するた
めに,翼の上面に気流方向に取り付けた板。 

boundary-layer fence 

3670 

ボルテックスジェネレ
ータ 

境界層のはがれを防止するため,機体表面に,気
流に対して適当な角度で並べて取り付けた小片。 

voltex generator 

3680 

パイロン 

動力装置,回転翼,機外搭載物などを支持するた
めに,航空機の胴体,翼などから突き出ている構
造物。 

pylon 

3690 

レドーム 

レーダのアンテナの覆い。 

radome 

3700 

ナセル 

胴体とは別に,航空機に付随するもの(エンジン,
乗員など)を収め,又は保護するための整形され
た覆い。 

nacelle 

3710 

エンジンナセル 

主としてエンジン及びそれに付随する補機などを
収めるためのナセル。 

engine nacelle 

3720 

カウリング 

エンジン,放熱器などを覆って抵抗を減らし,若
しくは保護し,又は内部の気流を整えるための覆
い。 

cowling 

3730 

エンジンカウリング 

エンジンの周りに取り付けられたカウリング。 

engine cowling 

3740 

カウルフラップ 

カウリング内の空気流量を調節するため,カウリ
ングの後端部に取り付けられた可動式の板。 

cowl flap 

3750 

エンジンポッド 

エンジンを収めるために翼又は胴体から張り出し
て取り付けられるナセル。 

engine pod 

3760 

テールブーム 

尾翼又は尾部を,主翼,胴などに結合するために
後方に突き出ている構造物。 

tail boom 

3770 

テールコーン 

胴体後端の円すい状に整形された部分。 

tail cone 

3780 

操縦装置 

航空機の運動方向,姿勢などを制御する装置の総
称。 

flight control 

3790 

サーボ操縦装置 

機械的又は空気力学的な手段で,人間の力を補う
機構をもった操縦装置。 

servo-control 

background image

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3800 

不可逆操縦装置 

操縦だ(舵)面に加えられる空気力が,操縦装置
の機構を逆に伝わることがないように作られた操
縦装置。 

irreversible control 

3810 

補力操縦装置 

操だ(舵)力を動力装置で補うようにした操縦装
置。 

power-assisted control, 
power-boosted control 

3820 

機力操縦装置 

油圧,電気などの動力で操縦だ(舵)面を動かす
機構をもった操縦装置。 

power-operated control 

3821 

自動操縦装置 

飛行中における航空機の姿勢の変化や設定された
飛行条件に応じて,操だ(舵)面を自動的に作動
して,航空機の運動(方向,高度,速度など),姿
勢などを制御する装置。 
他の装置(ILS,電波高度計など)との連動によっ
て,自動進入・着陸の機能をもつものもある。 

automatic pilot system 

3830 

操縦かん 

昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
棒又は柱状のもの。 

control column, 
control stick 

3840 

操縦輪 

昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
ハンドル。 

control wheel 

3850 

方向だ(舵)ペダル 

方向だ(舵)を操だ(舵)するためのペダル。 

rudder pedals 

3860 

降着装置 
着陸装置 

航空機を地上又は水上で支持し,離着陸又は離着
水のときに用いる装置の総称。 

備考1. 車輪式,フロート式,そり式,スキー

式などの降着装置がある。 

2. 水上ではないところで用いる降着装

置を,一般に着陸装置という。 

landing gear, 
alighting gear, 
undercarriage 

3870 

前輪式着陸装置 

機首にある一組の脚装置と,重心のやや後方にあ
る二組又はそれ以上の脚装置とで形成される着陸
装置。 

nose-wheel landing gear, 
tricycle landing gear 

3880 

尾輪式着陸装置 

重心のやや前方にある二組の脚装置と,胴体後方
にある一組の脚装置とで形成される着陸装置。 

tail-wheel landing gear 

3890 

引込脚 

飛行中,翼,胴体などに引き込める形式の着陸装
置。 

retractable landing gear 

3900 

スキー式着陸装置 

雪上,氷上などに離着陸できるようにスキーが取
り付けてある着陸装置。 

ski-landing gear 

3910 

フロート 

航空機を水上で支持し,離着水時に使用する舟形
又は円筒状の降着装置。 

float 

3920 

浮き装置 

陸上に発着する航空機が水上へ緊急着水したとき
に浮力を与える装置。 

floatation gear 

3930 

動力装置 

エンジン本体及びその附属装置一切を含めたもの
の総称。 

power plant 

3940 

航空エンジン 

航空機の推進力又は揚力を発生させる動力を得る
ために使用するエンジン。 

aircraft engine 

3950 

ピストンエンジン 

ピストンの往復運動を,連接棒を経てクランク軸
の回転運動に換えて動力を得る形式のエンジン。 

piston engine, 
reciprocating engine 

3960 

ロケットエンジン 

燃料とその酸化剤とを混合して燃焼させ,そのガ
スを噴出させてスラストを得る形式のエンジン。 

rocket engine, 
rocket motor 

3970 

タービンエンジン 

圧縮機で圧縮した空気を燃料と混合して燃焼させ
たガスで,タービンを回す形式のエンジン。 

turbine engine 

3980 

ターボジェットエンジ
ン 

ガスを噴出させて,その反動でスラストを得る形
式のタービンエンジン。 

turbojet engine 

background image

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3990 

ターボファンエンジン 

空気圧縮機の前方又はタービンの後方にファンを
備える形式のタービンエンジン。 

turbofan engine 

4000 

ターボプロップエンジ
ン 

ガスのエネルギーをプロペラの回転に用いてスラ
ストを得る形式のタービンエンジン。 

turboprop engine 

4010 

ターボシャフトエンジ
ン 

ガスのエネルギーを回転軸の回転に用いて動力を
得る形式のタービンエンジン。 

turboshaft engine 

4011 

ラムジェットエンジン 

前進速度によるラム圧力を利用してダクトの中で
圧縮された気体の中で燃料を燃焼させ,ノズルで
膨張させることによって,スラストを得るエンジ
ン。 

ramjet engine 

4020 

スラストリバーサ 

ジェットエンジンの噴出するガスやファンの噴流
の向きを変えて逆方向のスラストを得る装置。 

thrust reverser 

4030 

補助動力装置 

種々の系統を駆動する動力を得るために機上に搭
載された補助エンジン及びその附属装置。 

auxiliary power unit (APU) 

4040 

プロペラ 

翼形断面をもつ羽根をエンジンによって回転させ
て推力を得る装置。 

propeller 

4050 

固定ピッチプロペラ 

ピッチを変えることができないプロペラ。 

fixed-pitch propeller 

4060 

可変ピッチプロペラ 

回転中にピッチを変えることができるプロペラ。 

variable-pitch propeller 

4070 

定速プロペラ 

回転速度を決めておくと,飛行姿勢,飛行速度な
どに関係なくその回転速度を維持する機構をもっ
たプロペラ。 

constant-speed propeller 

4080 

フェザープロペラ 

プロペラが風車回転しない位置まで,ピッチを変
えることができるプロペラ。 

feathering propeller 

4090 

可逆ピッチプロペラ 

ピッチの変更範囲が,負の角度にまで及ぶプロペ
ラ。 

reversible-pitch propeller 

4100 

回転翼 

翼形断面をもつ羽根を回転させて,揚力を得たり
方向の操縦などに用いる装置。 

rotor 

4110 

主回転翼 

単回転翼機において,主として揚力を得るために
用いられる回転翼。 

main rotor 

4120 

尾部回転翼 

単回転翼機において,尾部に取り付けられ,主回
転翼のトルクの平衡,方向の操縦などに用いられ
る回転翼。 

tail rotor 

4130 

同軸回転翼 

同一回転軸上に配置され,互いに逆方向に回転す
る回転翼。 

coaxial rotor 

4140 

タンデム回転翼 

機体の前後に配置され,互いに逆方向に回転する
回転翼。 

tandem rotor 

(4) 航空機の重量比に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5010 

馬力荷重 

飛行機の重量をエンジンの馬力で割った値。 

power loading 

5020 

翼幅荷重 

飛行機の重量を翼幅で割った値。 

span loading 

5030 

翼面荷重 

飛行機の重量を総翼面積で割った値。 

wing loading 

5040 

正味翼面荷重 

飛行機の重量を正味翼面積で割った値。 

net wing loading 

5050 

スラスト荷重 

飛行機の重量をエンジンのスラストで割った値。 

thrust loading 

5060 

スラスト重量比 

エンジンのスラストを飛行機の重量で割った値。 

thrust-to-weight ratio 

5070 

円板荷重 

回転翼航空機の重量を回転翼円板面積で割った
値。 

disc loading 

(5) 航空機の空気力学・性能に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6010 

層流 

流体部分が層状に秩序正しく流れている状態。 

laminar flow 

background image

10 

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6020 

乱流 

流体部分が細かい渦を含み,不規則に混合しなが
ら流れている状態。 

turbulent flow 

6030 

静圧 

流れに平行な物体面に垂直に働く圧力。 

参考 量記号ps又はpで表す。 

static pressure 

6040 

動圧 

流体がもっている単位体積当たりの運動エネルギ
ー。 

参考 量記号qで表す。 

dynamic pressure 

6041 

総圧 
全圧 

流れが等エントロピー的(断熱可逆的)によどん
だ場合の圧力。非圧縮流れの場合は,静圧と動圧
の和に等しい。 

参考 量記号pi又はptで表す。 

total pressure 

6050 

境界層 

流体の粘性が小さく速度が大きいとき,粘性の影
響が顕著に現れる物体表面に近い薄い層。 

boundary layer 

6060 

レイノルズ数 

粘性力に対する流れの慣性力の比。 

参考 量記号Reで表す。 

Reynolds number 

6070 

揚力 

流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
流れに直角な方向の成分。 

参考 量記号Lで表す。 

lift 

6080 

揚力係数 

揚力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
圧との積で割ったもの。 

lift coefficient 

6090 

抗力 

流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
流れの方向の成分。 

参考 量記号Dで表す。 

drag 

6100 

抗力係数 

抗力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
圧との積で割ったもの。 

drag coefficient 

6110 

揚抗比 

同じ迎え角における揚力(係数)の抗力(係数)
に対する比。 

lift to drag ratio 

6120 

迎え角 

翼の進行方向と,翼弦とのなす角。 

参考 量記号αで表す。 

angle of attack 

6121 

横滑り角 

航空機の対称面と,進行方向とのなす角。 

参考 量記号βで表す。 

angle of sideslip 

6130 

空力中心 
(くうりきちゅうしん) 

翼形において,ある点周りの空気合力のモーメン
トが,迎え角にかかわらず一定である点。 

aerodynamic center 

6140 

マッハ数 

音速に対する航空機の対気速度又は流れの速度の
比。 

参考 量記号Maで表す。 

Mach number 

6150 

横揺れ 

機体の前後軸周りの回転運動。 

rolling 

6160 

縦揺れ 

機体の左右軸周りの回転運動。 

pitching 

6170 

偏揺れ 
(かたゆれ) 

機体の上下軸周りの回転運動。 

yawing 

6180 

バンク角 

水平姿勢を基準として測った左右の姿勢角。 

参考 量記号φで表す。 

bank angle 

6190 

横滑り 

航空機がその対称面と平行でない運動をするとき
の状態。 

side slip 

6200 

横転 

機体の前後軸周りに回転する飛行。 

roll 

6210 

宙返り 

垂直面内に閉円形の経路を描く対称飛行。 

loop 

6220 

水平飛行 

一定高度を保つ飛行。 

level flight 

6230 

上昇 

高度を次第に増す飛行。 

climb 

6240 

ズーム 

水平飛行で加速し,その余力によって短時間に急
上昇をする飛行。 

zoom 

background image

11 

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6250 

急降下 

機首を急角度に下げて行う急角度の降下経路をも
つ飛行。 

dive 

6260 

旋回 

飛行方向を変える運動。 

turn 

6270 

滑空 

グライダがえい(曳)航力から切り離されて行う
飛行,又は飛行機がエンジン停止状態で行う飛行。 

glide 

6280 

失速 

翼の揚力が迎え角の増大とともに増し,ある迎え
角に達すると翼上面の気流にはく離を生じ,揚力
が急減する現象。 

stall 

6290 

きりもみ 

飛行機が完全に失速した後に起こる運動で,機体
が旋回しながら急降下する状態。 

spin 

6300 

曲技飛行 

飛行姿勢,高度,速度などの急激な変化を伴う,
故意に行う操縦運動。 

acrobatics, 
acrobatic maneuver, 
aerobatics 

6310 

横安定 

横揺れ,偏揺れ,横滑り又はこれらのいずれかの
組合せを含む運動に関する安定。 

lateral stability 

6320 

縦安定 

対称面内の運動に関する安定。 

longitudinal stability 

6330 

方向安定 

偏揺れ,横滑り又はこれらの組合せを含む運動に
関する安定。 

directional stability 

6340 

静安定 

釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
やモーメントによって,機体が元の釣合い状態に
戻るかどうかの傾向。 

static stability 

6350 

動安定 

釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
やモーメントによって,機体が時間の経過によっ
てどのような挙動を示すかの性質。 

dynamic stability 

6360 

トリム 

航空機の対気姿勢角を希望する値に保持し,その
ときの操だ(舵)力を零とすること。この状態で
は釣合いがとれている。 
なお,航空機の対気姿勢角を希望する値に保持す
ることだけをトリムということもある。 

trim 

6370 

真対気速度 

大気に相対的な真の速度。 

参考 量記号VTで表す。 

true airspeed 
 (TAS) 

6380 

指示対気速度 

通常の動圧型速度計が指示する速度。 

参考 量記号VIで表す。 

indicated airspeed 
 (IAS) 

6381 

校正対気速度 

指示対気速度に速度計系統の各種誤差(ピトー圧,
静圧管,指示計などに関するもの)の補正を施し
た速度。 

参考 量記号VCで表す。 

calibrated airspeed 
 (CAS) 

6382 

等価対気速度 

校正対気速度に空気の圧縮性の影響を加えた速度
で,真対気速度と相対空気密度の平方根との積と
して得られる。 
海面上標準大気状態では,校正対気速度と等しく
なる。 

参考 量記号VEで表す。 

equivalent airspeed 
 (EAS) 

6390 

対地速度 

飛行中の航空機と地表面との相対的な水平飛行速
度。 

ground speed 

6400 

最大速度 

連続最大出力又は連続最大スラスト時の定常水平
飛行速度。 

maximum speed 

6410 

巡航速度 

巡航飛行時の速度。 

cruising speed 

6420 

着陸速度 

航空機が着陸進入を開始してから接地するまでの
間にとる速度の総称。 

landing speed 

background image

12 

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6430 

失速速度 

失速状態に突入する寸前の速度。 

stalling speed 

6440 

地面効果 

固定翼機又は回転翼機が,地面付近を飛行すると
き,主翼・尾翼の揚力又は回転翼の推力が地面の
反作用を受けて増大する効果。 

ground effect 

6450 

ホバリング 

ヘリコプタや垂直離着陸機が空中で停止飛行する
状態。 

hovering 

6460 

絶対上昇限度 

標準大気内で航空機が連続最大出力状態で水平飛
行を維持できる最大高度。 

absolute ceiling 

6470 

実用上昇限度 

標準大気内で航空機の上昇率を0.5m/s (100 ft/min) 
に維持できる最大高度。 

service speed 

6480 

ホバリング上昇限度 

ヘリコプタや垂直離着陸機がホバリングできる最
大高度。 

hovering ceiling 

6490 

上昇率 

航空機が上昇する場合の垂直方向の速度。 

rate of climb 

6491 

降下率 

航空機が降下する場合の垂直方向の速度。 

rate of descent 

6500 

航続距離 

航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
距離。 

参考 量記号Rで表す。 

range 

6510 

航続時間 

航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
時間。 

endurance 

6520 

離陸重量 

航空機の離陸時の重量。 

take-off weight 

6530 

着陸重量 

航空機の着陸時の重量。 

landing weight 

6540 

ペイロード 

有効搭載量(乗員,燃料,乗客,貨物など)のう
ち,輸送の対象となる乗客,手荷物,貨物,郵便
物などの重量。 

payload 

6550 

離陸距離 

航空機が静止出発点から加速を行い所定の高度に
達するまでに要する水平距離。 

take-off distance 

6560 

着陸距離 

航空機が着陸に際し,所定高度の点から接地し完
全に停止するのに要する水平距離。 

landing distance 

6570 

飛行性 

安定性,操縦性のほかに,操縦士の特性,操縦系
統の特性,飛行状態,大気の乱れ,故障時の特性
なども考慮した場合の飛行特性。 

flying qualities 

6580 

操縦性 

操縦士が操縦によって定常飛行を維持し,また,
ある飛行状態から他の飛行状態に移る場合の操縦
操作の難易の性質。 

controllability 

6590 

運動性 

航空機の曲技飛行,旋回運動などの各種の運動が
円滑に行われるか否かの性質。 

maneuverability 

6600 

安定性 

航空機が定常運動中に突風などによって,じょう
乱を受け動揺を起こしたとき,操縦士が復元のた
めの操縦を行わなくても,自力で元の定常状態に
戻る特性。 

stability 

(6) 航空機の運航・整備に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7010 

運航規程 

航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
ばならない運航に関する規程。 

operations manual 

7020 

飛行規程 

航空機に搭載しなければならない書類で,航空機
の性能,操作などを示すもの。 

flight manual 

7030 

運用限界 

積載物の重量,速度,高度などの航空機の運用可
能範囲。 

operating limitation 

background image

13 

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7040 

航空日誌 

航空機に搭載しなければならない航空機の飛行及
び整備の実施記録。 

flight log book 

7050 

整備規程 

航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
ばならない整備に関する規程。 

maintenance manual 

7060 

型式証明 
(かたしきしょうめい) 

航空機及び装備品の設計,製造について運輸大臣
が行う安全性の証明。 

type certificate 

7070 

耐空証明 

個々の航空機について運輸大臣が行う安全性の証
明。 

airworthness certificate 

7080 

飛行計画 

出発地,到着地,時刻,速度,高度,航路などの
飛行予定。 

flight plan 

7090 

航法 

計画された飛行位置,方向などを正しく航行する
方法。 

navigation 

7100 

有視界飛行 

気象状態が,定められた基準以上の場合,計器に
よらないで行う飛行。 

visual flight 

7110 

計器飛行 

航空機の姿勢,高度,位置及び針路の測定を計器
だけに依存して行う飛行。 

instrument flight 

7120 

航空路 

運輸大臣が指定する,航空機の運航に適する空中
の通路。 

airway 

7130 

航空交通管制業務 

航空交通が安全で秩序ある流れを維持する目的で
行われる業務。 

air traffic control service 

7140 

運航整備 

運航の間に駐機場で行う整備。 

line maintenance 

7150 

整備性 

整備の容易さを表す性質又は度合い。 

maintainability 

7160 

飛行時間 

離陸から着陸までの時間。 
航空機が動き出してから停止までの時間は,ブロ
ック・タイムと呼び区別される。 

flight time 

7170 

航空管制官 

航空交通管制業務をつかさどる運輸省組織に定め
られた官職。 

air traffic controller 

7180 

運航乗務員 

操縦室で航空機の操縦又は操作に従事する者。 

cockpit crew 

7190 

運航管理者 

定期航空会社にだけ要求される資格者で,飛行情
報及び飛行計画の作成を行う者。 

aircraft dispatcher 

7200 

航空整備士 

航空機の整備作業について確認を行う資格をもつ
者。 

aircraft mechanic 

7210 

飛行場 

航空機が離着陸する施設。主として,航空運送の
用に供する公共飛行場を空港という。 

aerodrome 

7220 

滑走路 

航空機が離陸及び着陸の際滑走を行う区域。 

runway 

7230 

誘導路 

滑走路と駐機場との間の通路。 

taxiway 

7240 

エプロン 

旅客の乗降,貨物の積卸し,給油,整備などを行
うため,航空機が駐機する場所。 

apron 

7250 

スポット 

航空機の駐機場所で特に区画整理されたもの。 

spot 

7260 

格納庫 

航空機の整備及び格納を行うための施設。 

hangar 

7270 

管制塔 

飛行場管制を行うための施設。 

control tower 

7280 

地上走行 

航空機が自らの動力によって地上を移動するこ
と。 

taxiing 

7290 

飛行場管制 

飛行場及びその周辺における航空交通管制。 

aerodrome control 

7300 

進入管制 

計器飛行状態で出発,着陸する航空機に指示又は
誘導を行う航空交通管制。 

approach control 

14 

W 0106-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

松 木 正 勝 

日本工業大学 

(副委員長) 

葛 馬   孝 

石川島播磨重工業株式会社 

(委員) 

平 井 敏 文 

通商産業省機械情報産業局 

山 村 修 蔵 

工業技術院標準部 

(笹 尾 照 夫) (工業技術院標準部) 

平 沢 愛 祥 

運輸省航空局 

寺 川 義 彦 

海上保安庁装備技術部 

中 西 忠 雄 

防衛庁装備局 

山 根 晧三郎 

科学技術庁航空宇宙技術研究所 

守 田 正 公 

社団法人日本航空技術協会 

中 込 常 雄 

日本工業標準調査会自動車航空部会 

規格調整専門委員会 

久木田 実 守 

株式会社富士キメラ総研 

白 浜 洋 海 

日本航空株式会社 

吉 井 正 洋 

株式会社日本エアシステム 

渡 辺   正 

川崎重工業株式会社 

香 坂 哲 哉 

株式会社島津製作所 

藤 井 洋 三 

帝人製機株式会社 

曽 我   章 

日本航空電子工業株式会社 

渡 辺   晃 

日本飛行機株式会社 

中 神 雄 三 

富士重工業株式会社 

清 田 紀 男 

三菱電機株式会社 

廣 田 和 弘 

三菱重工業株式会社 

宇田川 知 行 

横河電機株式会社 

播 磨 克 彦 

アエロスペック研究会 

(事務局) 

礒 部 瑛 二 

社団法人日本航空宇宙工業会