日本工業規格
JIS
W
0104
-1960
航空工学に関する記号
Letter Symbols for Aeronautical Sciences
1.
適用範囲 この規格は,航空工学において一般に用いる物理量を表わす記号について規定する。
2.
記号の形式 記号は,ラテン文字およびギリシャ文字を用い,さらに必要がある場合には,それに内
容を形容するための添字をつけたものを用いる。
なお,記号を印刷するときは,原則として斜体を用いる。
3.
添字の使用原則
(1)
併記した添字は,2 番目の添字が最初の添字を形容するか,または二つ以上一緒で一つの略号を表わ
す。
例: x
ac
……空力中心の位置を表わす。
(2)
コンマで分けて併記した添字は,2 番目の記号が主記号の表わす量を形容する。
例: C
L, t
……尾翼の揚力係数を表わす。
(3)
添字につけた添字は,主記号の表わす量のその添字に関係ある量の導関数を表わす。
例:
α
α
d
dC
C
L
L
…
…
を表わす。
÷
ø
ö
ç
è
æ
…
…
V
pb
d
dC
C
l
lp
2
を表わす。
備考 とくに意味を明確にする必要のある場合以外は,なるべく添字にさらに添字をつけないことが
望ましい。
(4)
航空機の構成部分を示す場合には,一般に小文字を添字として用いるのを原則とする。
例:
b
e
……昇降だ翼幅
S
w
……主翼面積
(5)
風胴試験用模型の構成部分を示す場合は大文字を用い,試験中に交換する模型部分が種々ありその区
別が必要な場合には数字の添字を用いる。
例: F
1
W
3
N
2
……第 1 案胴体第 3 案主翼第 2 案ナセル
4.
記号のおもなものは,つぎの表による。
2
W 0104-1960
(1)
記号
記号
意義
備考
次元(参考)
a
揚力傾斜
α
d
dC
a
L
=
a
音の速さ
c
を代用してもよい。 LT
ー
1
a
熱拡散率(
α
の代用)
L
2
T
ー
1
A
断面積
表面積または投影面積には,S を使用
する。
L
2
A
縦横比
(一緒に書く。
)を代用してもよい。
縦横比(A の代用)
b
羽根幅(プロペラ)
L
b
半弦長(
2
c
の代用)
L
b
翼幅
半翼幅 (
2
b
)
には,s を代用してもよい。 L
c
翼形の弦長
半弦長 (
2
b
)
には,b を代用してもよい。
L
c
空力係数
二次元流れの場合の係数
c
音の速さ(a の代用)
,
ガス速度(ロケット)
LT
ー
1
c
p
定圧比熱
L
2
T
ー
2
θ
−
1
c
v
定容比熱
L
2
T
ー
2
θ
−
1
C
調和振 動に 対する テオ ドル セン関数
(フラッタ)
C (k)
として使用する。
C
空力係数
三次元流れまたは全体に関する係数。
付属書参照。
次元を有する係数には,K を見よ。
C
影響係数
次元を有することも
ある。
d
直径
L
D
直径
いずれでもよい。ただし,微分演算子
との混同を避けること。 L
D
抗力
MLT
ー
2
e
翼幅効率
飛行機効率ともいう。
e
単位質量当りまたは単位重量当りの内
部エネルギ(u の代用)
L
2
T
ー
2
(単位質量当り)
L
(単位重量当り)
E
エネルギ,
内部エネルギ(U の代用)
ML
2
T
ー
2
E
縦弾性係数,
ヤング率
ML
ー
1
T
ー
2
f
振動数
角振動数に対する
ω
と区別すること。
T
ー
1
F
力,
合力
付属書参照。 MLT
ー
2
F
推力
プロペラ推力には,T を使用する。 MLT
ー
2
g
重力の加速度
LT
ー
2
g
構造減衰係数(フラッタ)
振動の形式を示すには,適当な添字を
使用する。
G
単位断面積当り単位時間当りの質量流量,
単位断面積当り単位時間当りの重量流量
ML
ー
2
T
ー
1
(質量流量)
ML
ー
1
T
ー
3
(重量流量)
G
横弾性係数
ML
ー
1
T
ー
2
h
高さ
L
h
羽根厚さ(プロペラ)
L
h
曲げによる基準面からのたわみ(フラッタ) 空間座標および時間の関数。基準面が x-y
平面であるときは,x を代用してもよい。
L
3
W 0104-1960
記号
意義
備考
次元(参考)
h
単位質量当りまたは単位重量当りのエ
ンタルピ,
比エンタルピ
L
2
T
ー
2
(単位質量当り)
L
(単位重量当り)
h
境界面を通過する単位面積当り単位温
度当りの熱流量率
MT
ー
3
θ
−
1
H
角運動量
ML
2
T
ー
1
H
エンタルピ
ML
2
T
ー
2
i
取付角
通常添字によって特徴付けられる。
I
力積
力積の形式を表わすには,添字を用い
るべきである。
MLT
ー
1
I
質量慣性モーメント
ML
2
I
単位長さ当りの質量慣性モーメント
ML
I
断面二次モーメント,
面積慣性モーメント
L
4
J
プロペラの進行率
J
熱の仕事当量,
ジュール定数
この数値は,用いられる力学および熱
単位の関数である。
J
ねじりこわさ定数
ねじりこわさ GJ として用いられる。
円
形断面のときは,断面極二次モーメン
トに同じ。
L
4
k
回転半径,
慣性半径
L
k
比熱の比(r の代用)
k
相当振動数(フラッタ)
V
b
V
c
k
ω
ω =
=
2
k
熱伝導率
λを代用してもよい。 MLT
ー
3
θ
−
1
K
比較の目的で使用する係数
次元を有することも
ある。
l
長さ,
距離
もし,斜体の記号が使用できないとき
は筆記体を使用する。
L
L
揚力
MLT
ー
2
L
乱れの尺度,
相関長さ(乱流)
L
m
質量
M
m
単位長さ当りの質量(フラッタ)
ML
ー
1
M
マッハ数
N
Ma
を代用してもよい。
M
モーメント,
トルク
付属書参照。Q を見よ。 ML
2
T
ー
2
n
荷重倍数
n
単位時間当りの回転数
T
ー
1
N
数(一般)
通常添字によって特徴付けられる。
p
機体軸系の X 軸回りの角速度
付属書参照。
ω
x
を代用してもよい。安
定軸系の X 軸回りの角速度に使用する
こともある。
T
ー
1
p
圧力,
静圧
ML
ー
1
T
ー
2
P
パワ
ML
2
T
−
3
4
W 0104-1960
記号
意義
備考
次元(参考)
q
機体軸系の Y 軸回りの角速度
付属書参照。
ω
Y
を代用してもよい。安
定軸系の Y 軸回りの角速度に使用する
こともある。
T
−
1
q
動圧
2
2
V
ρ
ML
−
1
T
−
2
q
単位時間当りの熱量
ML
2
T
−
3
q
単位質量当りまたは単位重量当りの熱
量,
比熱量
L
2
T
−
2
(単位質量当り)
L
(単位重量当り)
Q
熱量
ML
2
T
−
2
Q
トルク(プロペラおよび回転翼航空機)
M
も見よ。 ML
2
T
−
2
r
機体軸系の Z 軸回りの角速度
付属書参照。
ω
z
を代用してもよい。安
定軸系の Z 軸回りの角速度に使用する
こともある。
T
−
1
r
半径
L
r
相当回転半径(フラッタ)
,
相当慣性半径(フラッタ)
常に適当な添字を付けて使用する。
R
相関係数(乱流)
識別は適当な添字または関数従属の表
示によってなされる。
R
ガス定数
pv
=RT に使われる。
L
2
T
−
2
θ
−
1
R
航続距離
L
R
レイノルズ数
N
Re
を代用してもよい。
s
単位質量当りまたは単位重量当りのエ
ントロピ,
比エントロピ
L
2
T
−
2
θ
−
1
(単位質量当
り)
L
θ
−
1
(単位重量当り)
s
半翼幅(
2
b
の代用)
L
S
エントロピ
ML
2
T
−
2
θ
−
1
S
表面積または投影面積
断面積には A を使用する。
L
2
t
温度(一般)
θ
を代用してもよい。
θ
t
厚さ
L
t
時間
τを代用してもよい。 T
T
絶対温度
θ
T
推力(プロペラおよび回転翼航空機)
他の形式の推力には F を使用する。 MLT
−
2
u
単位質量当りまたは単位重量当りの内
部エネルギ,
比内部エネルギ
e
を代用してもよい。
L
2
T
−
2
(単位質量当り)
L
(単位重量当り)
u
X
軸方向の速度成分
軸の名称については
付属書参照。 LT
−
1
U
内部エネルギ
E
を代用してもよい。 ML
2
T
−
2
U
全熱伝達係数
MT
−
3
θ
−
1
U
速度(V の代用)
,
突風速度
LT
−
1
v
Y
軸方向の速度成分
軸の名称については
付属書参照。 LT
−
1
v
単位質量当りまたは単位重量当りの体積,
比体積
M
−
1
L
3
(単位質量当り)
M
−
1
L
2
T
2
(単位重量当り)
V
合成速度,
速さ
U
を代用してもよい。
速度成分には添字(たとえば V
X
,V
Y
,V
Z
)
を使用するか,または u,v,w を使用する。
LT
−
1
V
体積
L
3
5
W 0104-1960
記号
意義
備考
次元(参考)
w
Z
軸方向の速度成分
軸の名称については
付属書参照。 LT
−
1
w
単位時間当りの重量流量,
単位時間当りの質量流量
MLT
−
3
(重量流量)
MT
−
1
(質量流量)
W
重量
MLT
−
2
x
X
軸方向の座標
軸の名称については,
付属書参照。 L
y
Y
軸方向の座標
付属書参照。 L
z
Z
軸方向の座標
付属書参照。 L
z
X-Y
平面に垂直なたわみ(フラッタ)
h
を見よ。 L
α
迎え角 arctan
u
w
で定義される。
付属書参照。
α
熱拡散率
a
を代用してもよい。
L
2
T
−
1
α
ノズル末広半角
β
横すべり角 arcsin
V
v
で定義される。
付属書参照。
β
羽根角(プロペラ)
β
マッハ補正係数
2
1
2
1 M
−
または
2
1
2
1
−
M
β
ノズル先細半角
γ
比熱の比
k
を代用してもよい。
γ
せん断ひずみ
γ
上昇角
水平面と機体重心のある瞬間における
運動方向との間の角。上昇を正とする。
付属書参照。
Γ
循還,
単一うずの強さ
L
2
T
−
1
Γ
上反角
δ
境界層の厚さ
境界層の運動量厚さには,
θ
を使用す
る。
L
δ
操縦翼面またはタブの変位角
差動変位は,はっきり定義されなけれ
ばならない。フラッタでは,操縦翼面
の角変位に対して記号
β
を使用するこ
とが多い。
δ
粘性(または等価粘性)減衰の対数減少率
δ
圧力比
ある圧力の,海面上の標準大気圧に対
する比。
ε
吹下し角
ε
誤差信号
ε
伸びひずみ
ε
乱れ交換係数
ML
−
1
T
−
1
ε
放射率(反射熱に対する)
η
効率
η
温度回復率
通常,添字 r を付けて用いられる。
θ
縦揺れ角
付属書参照。
θ
弾性部分のねじれ角
フラッタでは記号
α
を代用することが
多い。
θ
境界層の運動量厚さ
L
θ
温度(t の代用)
できれば t を使用する。
θ
θ
温度比
ある絶対温度の海面上の標準大気絶対
温度に対する比。
λ
平均自由行程
L
λ
乱れの最小うずの直径(乱流)
乱れの減衰に関するもの。 L
λ
ノズル末広係数
末広ノズルの推力の,広がりのない流
れの推力に対する理論的な比。
6
W 0104-1960
記号
意義
備考
次元(参考)
λ
先細比
テーパ翼における翼端弦長の翼根弦長
に対する比。
λ
波長
L
λ
熱伝導率(k の代用)
MLT
−
3
θ
−
1
Λ
後退角
µ
マッハ角
β
µ
1
arctan
1
arcsin
=
=
M
µ
機体の質量比
Sl
m
ρ
µ
=
ここに l :基準長さ
µ
翼の質量比(フラッタ)
2
4
c
m
πρ
µ =
記号
κ
1
が代用として使用
される。
µ
絶対粘度,
粘性係数
ML
−
1
T
−
1
µ
ポアソン比
ν
動粘性係数
ρ
µ
ν
=
L
2
T
−
1
ρ
質量密度
=
2
2
V
ρ
圧力のように用いる。 ML
−
3
σ
横流れ
σ
密度比
ある密度の,海面上の標準大気密度に
対する比。
σ
剛率(プロペラ)
σ
垂直応力,
応力度
ML
−
1
T
−
2
τ
せん断応力
ML
−
1
T
−
2
τ
時間(t の代用)
できれば t を使用する T
τ
時間比
φ
横揺れ(またはバンク)角
付属書参照。
φ
ポテンシャル関数
次元は,定義によって
きまる。
φ
前進らせん角(プロペラ)
ψ
偏揺れ角,
有効らせん角
付属書参照。
ψ
流れ関数
次元は,定義によって
きまる。
ω
角速度,
角振動数
角速度には,
Ωを代用してもよい。
T
−
1
Ω
角速度(
ω
の代用)
,
うず度
できれば角速度には,
ω
を使用する。
T
−
1
備考 記号は,添字としても使用される。
(2)
添字
記号
意義
備考
a
絶対
追加,付加
断熱
ad
を代用してもよい。
断熱壁には,aw を使用する。
補助翼
空気,空気に関する
許容
周囲,環境
am
を代用してもよい。
7
W 0104-1960
記号
意義
備考
利用可能
ac
空力中心(翼面または翼型断面の)
ad
断熱(a の代用)
am
周囲(a の代用)
,環境(a の代用)
av
平均
m
を使用してもよい。
A
軸,軸方向
付属書参照。
b
底
基準,基本
曲げ
h
を代用してもよい。
ブレード
バーナ,燃焼
br
破壊
B
を代用してもよい。
B
機体(胴体)
胴体については,f を使用する。
破壊(br の代用)
c
校正
cal
を代用してもよい。
弦長
上昇(cl の代用)
燃焼,燃焼室
ガスタービンの場合には,圧縮機の c と区別するため燃焼
室には b を使用する。
圧縮性,
圧縮
圧縮機
冷却液
cl
を代用してもよい。
臨界
cr
を代用してもよい。
巡航(cr の代用)
cal
校正(c の代用)
cg
重心
cl
上昇
c
を代用してもよい。
冷却液(c の代用)
corr
修正した
cp
風圧中心
cr
巡航
c
を代用してもよい。
臨界(c の代用)
C
偏力
付属書参照。
Ca
コーシー(数)
d
減衰(一般)
d
の代わりに減衰を起こす運動または角速度の方向を示す
添字を使用してもよい。
拡散筒,ダクト
流出
ノズルおよびオリフィスの流量係数に対してだけ使用する。
乾燥(重量)
D
抗力
翼型の係数には,d を使用する。
e
地面
軸またはベクトルの成分に適用。
有効
eff
を代用してもよい。
昇降だ
航続時間,耐用時間
エンジン
同等,等価
排気,排気ノズル,排気口,出口
eff
有効(e の代用)
Eu
オイラ(数)
8
W 0104-1960
記号
意義
備考
f
ひれ
フラップ,フリッパ
流体,液相
l
を代用してもよい。
フラッタ
摩擦,摩擦係数
燃料
胴体(機体)
機体については,B を使用する。
F
力,推力
プロペラおよび回転翼航空機の推力については,T を使用する。
正面
Fr
フルード(数)
g
ゲージ
気体,燃焼ガス,排気ガス
総(グロス)
定義に注意が必要。
Gr
グラスホフ(数)
Gz
グレツ(数)
h
曲げ(b の代用)
熱,熱交換器
ヒンジ
水平
ハブ
付根については,r を使用する。
H
高い
主として燃焼熱に適用するとき L と対応して使用する。
i
理想
入射(角)
指示
i
誘導
慣性
軸またはベクトルの成分に適用する。
入口,取入口,入力
内,内部
内は,外 (o) と対応して使用する。
干渉
j
ジェット
定義に注意が必要。
k
運動,動的
l
液相(f の代用)
下(面)
もし,斜体の記号が使用できないときは,筆記体を使用する。
横揺れモーメント
付属書参照。
翼型揚力
lam
層流
lat
横
le
前縁
L
着陸
左
水平,レベル
揚力
翼型の係数には,l を使用する。
低い
主として,燃焼熱に適用するとき,H と対応して使用する。
m
平均
av
を使用してもよい。
縦揺れモーメント
付属書参照。
max
極大,最大
min
極小,最小
M
モーメント(一般)
Ma
マッハ(数)
9
W 0104-1960
記号
意義
備考
n
正味
定義に注意が必要。
表面に対する法線
N
を使用してもよい。
ノズル
偏揺れモーメント
付属書参照。
np
中性点
N
法線
n
を使用してもよい。
X-Y
平面に垂直な方向
付属書参照。
Nu
ヌセルト(数)
o
初期
外
内 (i) と対応して使用する。
酸化剤
ox
を代用してもよい。
形状抗力
標準または基準状態,標準海面状態
特性値または基準値には,上付き添字の星印 (*) を使用す
る。海面状態には,sl を代用してもよい。
ゼロ揚力
ox
酸化剤(o の代用)
p
有害(抗力)
para
を代用してもよい。
極
ポテンシャル
圧力,プロペラ,推進装置,テールパイプ
para
有害(p の代用)
P
動力,パワー
Pe
ペクレ(数)
Pr
プラントル(数)
Q
トルク(プロペラおよび回転翼航空機) モーメントについては,M を使用する。
r
径方向
ラム
定義に注意が必要。
回復
基準状態(o の代用)
相対
付根
回転翼,回転
R
を代用してもよい。
方向だ
R
合成
右
回転翼(r の代用)
回転(r の代用)
Re
レイノルズ(数)
s
回転軸
せん断
後流
速度パワー
C
3
を速度パワー係数として使用する。
安定
軸またはベクトルの成分に適用する。
付属書参照。
安定板
表面(w の代用)
sl
標準海面(o の代用)
sp
比,率
比重の比,燃料消費率の率などのように使用する。
st
静的
std
標準(o の代用)
S
失速状態
10
W 0104-1960
記号
意義
備考
St
スタントン(数)
t
タブ
tab
を代用してもよい。
尾翼,尾部
接線方向
引張り
スロート
th
を代用してもよい。
翼端
全(等エントロピよどみ状態)
上付き添字のゼロ (
0
)
を使用してもよい。
タービン
tab
タブ(t の代用)
te
後縁
th
理論
スロート(t の代用)
turb
乱流
T
離陸および終極速度状態,推力
普通の推力には,F を使用する。
(プロペラおよび回転翼航空機)
風胴
u
終極
上(面)
v
垂直,鉛直
蒸気
vol
体積
w
壁,表面
s
を代用してもよい。
風
翼
We
ウェーバ(数)
W
波
xs
余剰
X
X
軸に平行な成分
付属書参照。
y
降伏
Y
Y
軸に平行な成分
付属書参照。
Z
Z
軸に平行な成分
付属書参照。
δ
操縦翼面またはタブの変位角
境界層の厚さ
θ
弾性的角変位,ねじり
ρ
密度
0, 1, 2, 3, 4,
… 位置を表わす添字
∞
自由流れ(じょう乱を受けていない)
11
W 0104-1960
付属書 座標系,角およびこれらに関する量の記号
1.
座標軸
記号
意義
備考
X, Y, Z
機体軸系:
機体に固定した右手座標軸系。重心を原点。
X
前後軸 :
対称平面内で胴体の基準線に平行。前方を正。
Y
左右軸 :
対称平面に直角。前方を向いて右を正(Y
s
に同じ)
。
Z
上下軸 :
対称平面内で X に直角。下方を正。
原点および軸の方向をこれ以外に
採用した場合には,明りょうに定義
しなければならない。
X
w
, Y
w
, Z
w
風軸系 :
原点を機体に固定し,相対風の方向を基準にし
て決めた右手座標軸系。原点は重心。
X
w
前後軸 :
相対風に平行。前方を正。
Y
w
左右軸 :
X
w
と Z
w
に垂直。前方を向いて右を正。
Z
w
上下軸 :
対称平面内にあり,X
w
に垂直。下方を正(Z
s
に同じ)
。
原点をこれ以外に採用した場合に
は,明りょうに定義しなければなら
ない。
相対風が変る場合は,瞬間相対風を
とる。
X
s
, Y
s
, Z
s
安定軸系:
安定の計算に使用する右手座標軸系。
X
s
前後軸 :
相対風の対称平面への正投影に平行にとる。前方を正。
Y
s
左右軸 :
Y
に同じ。
Z
s
上下軸 :
Z
w
に同じ。
X
e
, Y
e
, Z
e
地面軸系:
地面を基準として決めた右手座標軸系。
X
e
前後軸 :
水平面内にとる。正の方向を適当に定める。
Y
e
左右軸 :
X
e
と Z
e
に垂直。
Z
e
上下軸 :
鉛直方向。下方を正。
原点および方向は,明りょうに定義
しなければならない。
X
i
, Y
i
, Z
i
空間座標軸系:
空間に固定された右手座標軸系。通常,当
初は地面軸に一致させる。
X
i
前後軸 :
当初は,X
e
に一致させる。
Y
i
左右軸 :
当初は,Y
e
に一致させる。
Z
i
上下軸 :
当初ほ,Z
e
に一致させる。
原点および軸の方向を通常以外に
決めた場合には,明りょうに定義し
なければならない。
備考1. 座標軸が1組だけのときは,軸がはっきりと定義されていれば添字は省略してもよい。
2.
簡単のためにその意味さえ明示されていれば,添字の代わりにダッシュ (′) を用いてもよい。
2.
角
記号
意義
α
,
β
それぞれ迎え角および横すべり角を示す。本文 4.(1)
記号のなかに定義されている。
γ
上昇角。本文 4.(1)
記号のなかに定義されている。
φ
,
θ
,
ψ
それぞれ横揺れ角,縦揺れ角および偏揺れ角であって,X,Y および Z の各軸回りの角を示す。軸
の正方向を見て時計回りを正とする。
一つの座標系から他の座標系への変換は,三つの角のおのおのを順次に回転することによって第
1
の系から得られる。この場合は,その順序および軸とを明示しなければならない。たとえば,
初めの座標系の Z 軸回りに
ψ
だけ回転し,つぎに新しい Y 軸回りに
θ
だけ回転し,このようにして
得られた X 軸回りに
φ
だけ回転するというように定める。
(この場合,X,Y および Z は,必ずしも機体軸の意味ではない。
)
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W 0104-1960
3.
角速度
記号
意義
p, q, r
機体軸系での X,Y および Z 軸回りの角速度。軸の正方向をみて時計回りを正。安定軸系に対し
て使うこともある。
4.
直線速度
記号
意義
u, v, w
合成速度 V の機体軸(それぞれ X,Y および Z)に沿った成分。
5.
空気力およびその係数
名称
力
係数
正の方向
機体軸:
軸力
F
A
C
A
−X
横力
F
Y
C
Y
Y
法線力
F
N
C
N
−Z
風 軸:
抗力
F
D
(D)
C
D
−X
w
偏力
F
C
C
C
Y
w
揚力
F
L
(L)
C
L
−Z
w
安定軸:
抗力(近似)
F
′
D
C
′
D
−X
s
横力
F
Y
C
Y
Y
s
揚力
F
L
C
L
−Z
s
6.
空力モーメントおよびその係数
名称
モーメント
係数
正の方向
機体軸回り:
横揺れ
M
X
C
l
前方を見て時計回り。
縦揺れ
M
Y
C
m
頭上げ。
偏揺れ
M
Z
C
n
右首振り。
風軸回り:
横揺れ
M
Xw
C
l , w
前方を見て時計回り。
縦揺れ
M
Yw
C
m, w
頭上げ。
偏揺れ
M
Zw
C
n,, w
右首振り。
安定軸回り:
横揺れ
M
Xs
C
l, s
前方を見て時計回り。
縦揺れ
M
Ys
(M
Y
)
C
m
頭上げ。
偏揺れ
M
Zs
(M
Zw
)
C
n, w
右首振り。
備考1. 力の係数は二つの量,すなわち動圧 (q) と基準面積の積で力を除したものとして定義される。基準面積の
選択は,問題の性質によって決める。問題の性質によっては特別な基準面積を選ぶ。その特別な基準面積
は明示されなければならない。
2.
モーメント係数は三つの量,すなわち動圧 (q),基準面積と基準長さの積でモーメントを除したものとし
て定義される。基準面積および基準長さの選択は,問題の性質によって決める。基準面積は力の係数に用
いたものと同じでなければならない。基準長さは,縦揺れ,偏揺れおよび横揺れモーメントに対して同じ
である必要はないが,それぞれのモーメント基準点に沿い,おのおのに対して明示されなければならない。
3.
この表と違った記号を使用した場合には,それぞれの場合にその定義を明示しなければならない。
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W 0104-1960
航空部会 航空に関する記号専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
倉 西 正 嗣
日本大学工学部
大 沢 信 一
運輸省航空局
岡 太 直
防衛庁装備局
川 田 通 良
通商産業省重工業局
菊 原 静 男
新明和工業株式会社
佐 貫 亦 男
東京大学工学部
鈴 木 喜一郎
日本航空株式会社
武 田 晋一郎
法政大学工学部
塚 田 英 夫
昭和飛行機工業株式会社
東 條 輝 雄
日本航空機製造株式会社
馬 場 敏 治
日本飛行機株式会社
林 武 治
日本航空工業会
疋 田 遼太郎
運輸技術研究所
渡 辺 三 郎
富士重工業株式会社
(事務局)
霜 永 忠 平
工業技術院標準部機械規格課
辺 見 隆 三
工業技術院標準部機械規格課
栗 原 靖 一
工業技術院標準部機械規格課
横 溝 真一郎
工業技術院標準部機械規格課