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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 9224-1995 

義手用装飾ハンド 

Cosmetic hands for arm prostheses 

1. 適用範囲 この規格は,義手用装飾ハンド(以下,ハンドという。)について規定する。ただし,幼児

用及び小児用のものを除く。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0207 メートル細目ねじ 

JIS T 9223 義手用装飾手袋 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

なお,ハンドの部品名称は,付図1〜3による。 

(1) 装飾ハンド 5本指の人の手の形をし,機能的には動かない義手用手先装置で,外観を義手用装飾手

袋(以下,装飾手袋という。)によって整えたもの。 

(2) しん(芯)材 手及び手指の肢位と形を保持するために装飾手袋の中に入れる詰物。骨格しん材と軟

性しん材の二つがある。 

(3) 骨格しん材 手及び手指を特定の肢位に保持するためのしん材。 

(4) 軟性しん材 手及び手指の形を保持するためのしん材。 

(5) 手部回転ユニット ハンドの手部を他動的に回転するための装置。 

3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1のとおりとする。 

表1 ハンドの種類及び記号 

種類 手部回転ユニット 記号 

用途 

付図 

固定形 なし 

FX 

手指の肢位を変更できるようなしん材をもた
ないもの 

あり 

FXW 

自在形 なし 

FR 

自在に曲げることのできる骨格しん材によって,
手指の肢位を他動的に変更,保持できるもの 

あり 

FRW 

関節形 なし 

JT 

継手機構付きの骨格しん材によって,手指の肢
位を他動的に変更,保持できるもの 

あり 

JTW 

4. 性能 

4.1 

一般条件 ハンドは,義手の前腕部と結合するための取付けねじ,手部回転ユニット又は装飾手袋

の前腕被覆用延長部をもつものとする。 

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T 9224-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

取付けねじ ハンドの取付けねじは,JIS B 0207に規定するメートル細目ねじで,M12×1.5のボル

トとする。 

4.3 

固定形ハンド 固定形ハンドは,しん材によって手及び手指の形が保持できるようにする。 

4.4 

自在形ハンド 自在形ハンドは,指の骨格しん材として8.3に規定する針金を使用し,これを8.5に

規定する軟性しん材によって被覆する。 

4.5 

関節形ハンド 関節形ハンドは,次のとおりとする。 

(1) 骨格しん材は,8.4に規定する素材を使用して製作し,正常手の関節位置と同じところに継手をもつこ

と。 

(2) 母指の中手指節関節に相当する継手を除いた各継手は,180度以上伸展しないような構造に作ること。 

(3) 継手は,他動的に設定した肢位が容易に緩まない機構をもち,9.に規定する試験を行ったとき,表2

の値を満足すること。 

(4) 骨格しん材は,8.5に規定する軟性しん材を用いて被覆し,装飾手袋をかぶせるのに適切な形に成形す

ること。 

4.6 

手部回転ユニット 手部回転ユニットは,次のとおりとする。 

(1) 8.6に規定する材料で作り,義手前腕部と接続する取付部をもつこと。 

(2) 外径は60mm,長さは55mm,質量は100gを超えないこと。 

(3) 180度以上回転できること。 

(4) 回転に必要なトルクは,表2の値を満足するものであって,使用によって容易に緩まない機構である

こと。 

表2 指継手及び手部回転ユニットのトルク 

単位N・m {kgf・m} 

項目 

トルク 

中手指節関節に相当する指継
手の屈曲に必要なトルク 

0.5〜0.6 {0.05〜0.06}  

手部回転ユニットの回転に必
要なトルク 

0.6〜0.8 {0.06〜0.08}  

5. 寸法及び色 JIS T 9223の規定による。 

6. 質量 装飾手袋を除いた質量は,250gを超えてはならない。 

7. 外観 ハンドの外観は,きず,気泡,はん点,汚れ,その他装飾性を損なう欠点があってはならない。 

8. 材料 

8.1 

一般条件 材料は,人体に対して無害であって,不快な臭気がなく,また,耐食性,耐湿性及び耐

候性がなければならない。 

8.2 

外装材 JIS T 9223に規定する装飾手袋を用いるものとする。 

8.3 

自在形の骨格しん材 防せい(錆)処理を施した鉄線で,直径1.4〜1.6mmのもの又は塑形性と強度

がこれと同等以上のものを使用するものとする。 

8.4 

関節形の骨格しん材 アルミニウム合金,純チタン,チタン合金などの軽量金属素材,又は金属に

相当する強度をもつプラスチック材を使用するものとする。 

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T 9224-1995  

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8.5 

軟性しん材 綿,発泡軟質ウレタン又はこれらと同等のものであって,適度の弾力性をもち,手指

の形を保持するのに適切な素材を使用するものとする。 

8.6 

手部回転ユニット 主材料として,木,アルミニウム合金,純チタン,チタン合金などの軽量金属

素材又は金属に相当する強度をもつプラスチック材を使用するものとする。 

9. 試験(1) 

注(1) この規定は,関節形ハンドに適用する。 

9.1 

試験場所の状態 試験場所は,温度20〜30℃,相対湿度 (65±20) %の室内とする。 

9.2 

初期性能試験の方法 ハンドの手掌部を下に向けて水平に固定し,すべての指を伸展位に固定する。

次に指の継手の中心軸から2cm末しょう(梢)の位置に,図1に示す形でばねばかりを下げ,屈曲方向に

引いて,継手が曲がり始める値を読み取る。これを3回繰り返し,平均値を求める。この測定を示指から

小指までの中手指節関節に相当する継手について行う。 

図1 初期性能試験の方法 

9.3 

耐久試験の方法 ハンドの手掌部を保持し,示指から小指までの中手指節関節に相当する継手を5

秒間隔で500回屈伸する。屈伸の範囲は完全伸展位から60度屈曲位までとする。2時間経過後,9.2に規

定する方法で屈曲に必要なトルクを求める。 

10. 検査方法 

10.1 抜取検査 抜取検査は,性能及び寸法について行い,4.及び5.の規定に適合しなければならない。 

なお,この場合の抜取方法は,受渡当事者間の協定による。 

10.2 全数検査 全数検査は,外観及び色について目視によって行い,5.及び7.の規定に適合しなければな

らない。 

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11. 包装 包装には,防水,防色及び紫外線防止効果のあるものを用い,運搬中及び保存中に損傷しない

ように包装しなければならない。 

また,14.に規定する取扱説明書及び次の事項を記載した書類を包装に入れなければならない。 

(1) 規格名称 

(2) 種類又はその記号 

(3) 装飾手袋の大きさ,寸法及び色調による区分 

(4) 製造月日 

(5) 製造業者名又はその略号 

12. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称,種類,装飾手袋の大きさ及び寸法による。 

13. 表示 ハンドには,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければならない。 

(1) 製造年月 

(2) 製造業者名又はその略号 

14. 取扱説明書 ハンドには,最終使用者が装飾手袋の汚れを防止するために必要な,注意事項を記載し

た説明書を添付しなければならない。 

なお,注意事項として次の事項を含まなければならない。 

(1) インキによる汚染は除去が不可能であり,極力避けること。 

(2) 装飾手袋に転写しやすいインキの種類 

(3) インキ以外の汚染を除去するための手段及び時期 

(4) 汚染や変質を予防するのに効果的な手段の例示 

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T 9224-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 固定形(FXを示す。) 

付図2 自在形(FRWを示す。) 

付図3 関節形(JTを示す。) 

関連規格 JIS T 9222 手継手 

JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

T 9224-1995  

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JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

加倉井 周 一 

帝京大学医学部市原病院 

青 山   孝 

労働福祉事業団労災リハビリテーション工学センター 

秋 山 昌 英 

株式会社小原工業 

川 村 一 郎 

社団法人日本義肢協会 

久 保   茂 

東京都補装具研究所 

佐 藤 政 義 

株式会社佐藤技研 

鋤 園 栄 一 

日本義肢装具技術者協会 

相 川 孝 訓 

国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 

中 島 咲 哉 

兵庫県リハビリテーションセンター附属中央病院 

浜 田 哲 夫 

株式会社啓愛義肢装具材料販売所 

山 田 俊 夫 

元東京都立工業技術センター 

河 野 康 徳 

厚生省社会局 

坂 根 俊 孝 

労働省労働基準局 

桑 原 茂 樹 

通商産業省機械情報産業局 

前 田 勲 男 

工業技術院標準部