T 9111-10 : 2000
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣及び厚生大臣
が制定した日本工業規格である。
JIS T 9111-10
には,次に示す附属書がある。
附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表
JIS T 9111
(ラテックス製コンドーム)には,次に示す部編成がある。
JIS
T
9111-1
ラテックス製コンドーム−第 1 部:要求事項
JIS
T
9111-2
ラテックス製コンドーム−第 2 部:長さの測定
JIS
T
9111-3
ラテックス製コンドーム−第 3 部:折幅の測定
JIS
T
9111-5
ラテックス製コンドーム−第 5 部:穴の検出−水漏れ試験
JIS
T
9111-6
ラテックス製コンドーム−第 6 部:破裂容量及び破裂圧力の測定
JIS
T
9111-7
ラテックス製コンドーム−第 7 部:加熱処理試験
JIS
T
9111-9
ラテックス製コンドーム−第 9 部:引張特性の測定
JIS
T
9111-10
ラテックス製コンドーム−第 10 部:包装及び表示
日本工業規格
JIS
T
9111-10
: 2000
ラテックス製コンドーム−
第 10 部:包装及び表示
Rubber condoms
−Part 10 : Packaging and labelling
序文 この規格は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 4074-10, Rubber condoms−Part 10 : Packaging and
labelling
−Condoms in consumer packages を元に技術的内容を一部変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1.
適用範囲 この規格は,ラテックス製コンドーム(以下,コンドームという。)の包装と表示に対する
要求事項を規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)
,MOD
(修正している)
,NEQ(同等でない)とする。
ISO 4074-10 : 1990, Rubber condoms
−Part 10 : Packaging and labelling−Condoms in consumer
packages (MOD)
2.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 9111-1 の 3.によるほか,次による。
a)
ロット番号 (batch number, lot number) ロットの固有識別,製造,包装及び販売の全段階で,ロッ
トを追跡することができるように,製造業者によって示された番号,記号,文字又はそれらの組合せ。
3.
包装 各コンドームは個包装する。1 個又はそれ以上の個包装は,消費者包装をする。一つの消費者
包装中に色違いのコンドームが混在する場合などを除いて,消費者包装中のコンドームは同一ロット番号
のものでなければならない。個包装及び消費者包装の双方又はいずれか一方は光を通してはならない。
備考1. インクのようなマーキング媒体を,コンドーム又はコンドームに直接接触する包装材料に使
用する場合には,コンドーム又は使用者に有害なものであってはならない。
2.
個包装及び消費者包装は,輸送及び貯蔵中にコンドームを保護し,かびが生えないもので,
かつ,虫を誘引するものであってはならない。
3.
個包装及び消費者包装を開封するとき,コンドームが機械的損傷を受けないもので,かつ,
個包装は開封が容易にできなければならない。
4.
消費者包装の表示
4.1
消費者包装の見やすい箇所に容易に消えない方法で,少なくとも次の事項を表示しなければならな
い。
2
T 9111-10 : 2000
a)
コンドームについての色,形,表面加工など
b)
コンドームの数
c)
製造業者名又は小分け業者名
d)
使用期限(年月)
e)
JIS T 9111-1
の
附属書 C に基づいた貯蔵に関する指示
f)
潤滑剤などの有無
g)
ロット番号
4.2
消費者包装又は取扱説明書には,少なくとも次の事項を表示しなければならない。
a)
製造業者又は小分け業者の所在地
b)
コンドームの取扱いに関する指示は,次の事項を含めなければならない
1)
個包装のままで保管及び携帯をしない
2)
コンドームの損傷を避けるため,注意して個包装からコンドームを取り出す
3)
コンドームの装着方法
備考 避妊の目的及び性感染症予防の補助のために,コンドームは相手の体と接触する前に,ぼっ起
したペニスに装着する。
4)
射精後は直ちにペニスを引き出す。その際,コンドームをペニスの根元でしっかりと保持する
5)
追加の潤滑剤を使用する場合には,コンドームの強度を低下させるような潤滑剤は使用しない
6)
ペニス又はちつ(膣)に使用する局所用薬品とコンドームとを併用しない
備考 説明は分かりやすい言葉で表現する。使用方法は,主な手順を図解を用いて補足することが望
ましい。
c)
天然ゴムを使用している旨及び天然ゴムによってアレルギー発生のおそれがある旨に関する注意を喚
起する
d)
使用したコンドームの処分方法
e)
コンドームは一回限りの使用とする
3
T
91
1
1-
10 :
200
0
附属書 1(参考) JIS と対応する国際規格との対比表
JIS T 9111-10 : 2000
ラテックス製コンドーム−第 10 部:包装及び表示
ISO 4074-10 : 1990
ゴム製コンドーム−第 10 部:包装及び表示−消費者包装
(I) JIS
の規定 (III)
国際規格の規定 (IV)
JIS
と国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線
項目番号
内容
(II)
国際規格
番号
項 目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
(V) JIS
と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
1.
適用範囲 包装と表示の要求事項を規
定
ISO 4074-10 1. JIS
に同じ IDT
2.
定義
JIS T 9111-1
による。
ロット番号
2.
JIS
に同じ IDT
3.
包装
個包装,消費者包装
3.
JIS
に同じ IDT
4.
4.1
個包装の表示 MOD
/削除
JIS
では,個包装の表示を削
除した
個包装品は必ず消費者包装に入
れ,保管,携帯,販売をしなけ
ればならず,必要な表示を消費
者包装にすることで,個包装の
表示が必要なくなった。
ISO/TC 157
へ提案済
4.1
消費者包装の表示
4.2
消費者包装の表示
4.2.1
外面の表示
MOD
/削除
MOD
/追加
JIS
では,公称幅の表示を削
除した
JIS
では,ロット番号の表示
を追加した
コ ン ド ー ム の 形 状 が 多 様 で あ
り,形状によっては測定できな
いコンドームがある。
個包装の表示を消費者包装に表
示した。
4.
消費者包
装の表示
4.2
取扱い説明
4.
4.2.2
取扱い説明 MOD
/追加
MOD
/追加
JIS
では,個包装のままで保
管及び携帯をしないことを
追加した
JIS
では,天然ゴムラテック
スによるアレルギー発生の
注意を追加した
コンドームの有効性を維持する
ため
コンドームを安全に使用するた
めの情報
JIS
と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
4
T
91
1
1-
10 :
200
0
備考1.項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT……………… 技術的差異がない。
− MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2
.JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD…………… 国際規格を修正している。