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T 8159:2006  

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安

用品協会(JSAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 8159:1995は改正され,この規格に置き換えられる。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

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(2) 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 試験方法 ························································································································ 1 

4.1 測定手順 ······················································································································ 1 

4.2 被験者 ························································································································· 2 

4.3 動作 ···························································································································· 2 

4.4 試験用コンタミナンツ ···································································································· 3 

4.5 チャンバ内の温度及び相対湿度························································································· 3 

4.6 サンプリング流量 ·········································································································· 3 

4.7 試験装置 ······················································································································ 3 

4.8 試料 ···························································································································· 6 

4.9 TL及びPLの計算 ·········································································································· 8 

5. 測定値のまとめ方 ············································································································ 8 

6. 面体の漏れ率による等級の判定 ·························································································· 9 

日本産業規格          JIS 

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呼吸用保護具の漏れ率試験方法 

Leakage rate testing method for respiratory protective devices 

1. 適用範囲 この規格は,呼吸用保護具の漏れ率[全漏れ率(TL)及び面体等の漏れ率(PL)]の試験方法

について規定する。 

備考 この試験で求められた漏れ率は,指定された条件における試験室での性能であって,実際の使

用における呼吸用保護具の性能を示すものではない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 8001 呼吸用保護具用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 8001によるほか,次による。 

a) 全漏れ率(TL) この規格における全漏れ率(TL)は,呼吸用保護具を着用したとき,環境空気又は環境

中の有害物質が,呼吸用保護具のすべての箇所(ろ過式は,フィルタを含む。)からどれだけ面体等内

に漏入するかを示す指標。 

b) 面体等の漏れ率(PL) この規格における面体等の漏れ率(PL)は,呼吸用保護具を着用したとき,環境

空気又は環境中の有害物質が,着用者の身体と面体等とのすき間及び面体等の構成品(PAPRの場合

は,連結管及び電動ファンを含む。)からどれだけ面体等内に漏入するかを示す指標。 

4. 試験方法  

4.1 

測定手順 測定手順は,次による。 

a) 被験者は,取扱説明書に従って,試料(4.8で規定する呼吸用保護具又は面体)を着用する。 

b) 被験者に,試料が適切に着用されているか否か(面体についてはフィットネスが良好か否か)を尋ね

る。 

c) 試験の開始前に試料が被験者に適切に着用されているか否か(面体についてはフィットネスが良好か

否か)を視覚的に調べる。適切に着用されていない場合は,被験者に協力し,適切に着用されるよう

に努める。 

d) 被験者に“試験の間に,試料の着用状態を調節したい場合は,そうしてもよいこと”を通知する。 

e) 被験者をチャンバに入れる。 

f) 

チャンバ内の試験用コンタミナンツ濃度が安定したら,被験者に,4.3に規定する動作を行わせる。 

g) 被験者に付加的な送風をすることが要求されている試料については,補助ファンを稼動させ,必要と

される風速で空気を送る。 

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h) 各動作の期間中チャンバ内試験用コンタミナンツ濃度及び面体等内試験用コンタミナンツ濃度を測定

する。検出器が1台の場合は,面体等内外の濃度測定切換時に,適切な待ち時間を設定する。 

i) 

被験者をチャンバから出す。 

j) 

試料は,各被験者が使用した後に,次の試験に使用する前に,製造業者からの情報に従って,洗浄,

消毒及び乾燥を行う。 

4.2 

被験者 被験者は10名とし,それぞれ図1に規定する箇所の寸法を記録する。 

図 1 被験者の顔面寸法測定箇所 

4.3 

動作 漏れ率測定時の動作は,次の動作1〜3の中から必要に応じて選択する。 

4.3.1 

動作1 トレッドミルを歩行速度 4 km/hで稼動し,その上で歩行しながら次の動作をそれぞれ2

分間行う。 

a) 頭を動かさない。 

b) 頭を左右に回す(約15 回/min) 

c) 頭を上下に移動(約15 回/min) 

d) 適切な文章[五十音,じゅげむ(寿限無)など]を大声で朗読 

e) 頭を動かさない。 

4.3.2 

動作2 直立した状態で次の動作をそれぞれ2分間行う。 

a) 頭を動かさない。 

b) 頭を左右に回す(約15 回/min) 

c) 頭を上下に移動(約15 回/min) 

d) 適切な文章[五十音,じゅげむ(寿限無)など]を大声で朗読 

e) 頭を動かさない。 

4.3.3 

動作3 15回/minの割合で高さ20 cmの台の昇降を5分間行う。動作開始3分後から2 分間を測

定の対象とする。 

background image

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4.4 

試験用コンタミナンツ 試験用コンタミナンツは,塩化ナトリウム(NaCl)粒子又は6ふっ化硫黄(SF6)

ガスのいずれかとする。 

試験用コンタミナンツは,試料の種類によって表1に従って選択する。 

表 1 試験用コンタミナンツの選択及び結果の種類 

試料 

試験用コンタミナンツ 

得られる結果

の種類 

ろ過式呼吸
用保護具 

粒子状物質用 

防じんマスク 

NaCl粒子 

TL 

粒子状物質用PAPR 

ガス用 

防じん機能のない防毒マスク 

NaCl粒子又はSF6ガス 

PL 

ガス用PAPR 

粒子状物質・ガス
両用 

防じん機能付き防毒マスク 

NaCl粒子 

TL 

粒子状物質・ガス両用PAPR 

給気式呼吸用保護具 

NaCl粒子又はSF6ガス 

TL 

給気・ろ過両用式呼吸用保護具 

(給気式モードの場合) 

NaCl粒子又はSF6ガス 

TL 

(ろ過式モードの場合) 

NaCl粒子 

TL 

面体 

NaCl粒子又はSF6ガス 

PL 

試験用コンタミナンツの条件は,次による。 

a) NaCl粒子  

1) 平均濃度  8±4 mg/m3  

2) 濃度変動率  平均濃度の±10 % 

3) 粒径  中央値  0.06〜0.1 μm,幾何標準偏差2.0以下 

b) SF6ガス  

1) 平均濃度  体積分率0.1〜1 % 

2) 濃度変動率  平均濃度の±10 % 

4.5 

チャンバ内の温度及び相対湿度 チャンバ内の温度及び相対湿度は,次による。 

a) 温度  23±5 ℃ 

b) 相対湿度  60 %以下 

4.6 

サンプリング流量 試験用コンタミナンツ及び検出システムに応じてのサンプリング流量は,面体

等の内側から 4.7.5に規定する流量及び次の内容を考慮して設定しなければならない。 

NaCl粒子を用いて陰圧形呼吸用保護具を試験するとき(1),面体等内の試験用コンタミナンツをサンプリ

ングした気流に,約1 L/min の乾燥空気を合流させることが望ましい(2)。このときの面体等からのサンプ

リング流量は,全流量から乾燥空気の流量を引いた値となる。 

試験用コンタミナンツがSF6ガスの場合は,乾燥空気を使用しない。 

PAPR又は給気式保護具の場合は,より大きなサンプリング流量を使用することができるので,乾燥空

気を必要としない。 

注(1) 陰圧形保護具の場合は,その性能を変化させないために,面体等からのサンプリング流量は,

できるだけ小さくするのがよい。 

(2) 乾燥空気の使用は,サンプリングチューブ内へのNaCl粒子の沈着を最小にするためである。 

4.7 

試験装置  

4.7.1 

試験系 試験系の例を,図2に示す。 

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1 ダクト                              8 切換バルブ 

2 分配器                              9 サンプリングポンプ 

3 チャンバ内サンプリング             10 試料 

4 面体等内サンプリング               11 T字管 

5 チャンバ                           12 ポンプ 

6 トレッドミル                       13 フィルタ 

7 検知器                             14 流量計 

図 2 試験系の例 

4.7.2 

サンプリングチューブ及びプローブ 面体等の内部の空気をサンプリングし分析するために,面体

等にサンプリングチューブ及びプローブを接続する。 

面体等内のサンプリングの偏りを最小にするために,多数孔プローブ(図3参照)を使用することが望

ましい。 

プローブは,できるだけ着用者の口の近くに,面体等との気密を保ってしっかり取り付ける。柔軟で変

形しやすい及び/又は軽い面体等の場合は,適切な保持を行う。ただし,保持のためにしめひもを用いる

場合には,面体等の変形及び密着性の不具合が生じないように注意しなければならない。 

面体等に取り付けたプローブと同形のものを,チャンバ内試験用コンタミナンツ濃度測定のために設置

する。これは,試験中に試料からの排出の影響がない場所に設置されなければならない。 

プローブは,内径約 2〜4 mmの柔軟な肉厚の薄いチューブを通して,なるべく短くなるように分析装

置と接続する。 

サンプリングチューブ及びプローブは,面体等の正常なフィットネス及び面体等の形に妨害を与えない

ように注意しなければならない。 

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単位 mm 

図 3 多数孔プローブの例 

4.7.3 

チャンバ チャンバは,上部からダクトと分配器とを通して,試験用コンタミナンツが被験者の頭

上から下方に向かって流入する構造でなければならない。 

チャンバは,被験者が4.3に規定する動作を行うために十分な大きさとする。 

チャンバ内の空気流速は,中心(トレッドミルがある場合はその上)に立っている被験者の頭部に近接

した場所で測定したとき,補助ファンの稼動なしで,0.12〜0.2 m/s とする。 

チャンバは,いつでも外から被験者が見えるように設計する。 

被験者に付加的な送風をすることが要求されている試料については,補助ファンを稼動させ,必要とさ

れる風速で空気を送る。 

備考 チャンバは,試験中の呼吸用保護具から出される清浄空気によって,試験用コンタミナンツが

希釈されることを防ぐようにする。 

4.7.4 

試験用コンタミナンツ発生器  

a) NaCl粒子 精製水に溶解したNaCl溶液をアトマイザーで噴霧し,発生したNaCl溶液ミストの水分

を乾燥空気で蒸発させることによって生成するNaCl粒子を用いる。 

b) SF6ガス 試験ガスは,チャンバに空気を導入する配管に,圧縮SF6ガスを供給することによって造る。 

備考 圧縮SF6ガスは,純度が,質量分率 99.999 %以上のものを用いることが望ましい。 

4.7.5 

検出システム サンプリングチューブ及びプローブを含む検出システムの応答時間は,使用する濃

度範囲の10〜90 %の応答に対して20 s未満でなければならない。 

面体内濃度測定用検知器とチャンバ内濃度測定用検知器とは,独立したシステムとすることが望ましい。 

一台の検知器しか利用できない場合は,検知器の経路を切り換えて清浄な空気の状態でのバックグラウ

ンドに戻ることを確認する必要がある。 

試験前にすべてのプローブをチャンバ内に近接した位置に置き,サンプリングチューブの通気抵抗を調

節して,試験用コンタミナンツの計測値が同一となるようにする。 

a) NaCl粒子の場合  

1) 炎光光度計 炎光光度計の性能特性は,次による。 

− NaCl粒子を分析するために設計された炎光光度計とする。 

− 10 ng/m3〜15 mg/m3 のNaCl粒子濃度を測定する。 

− 炎光光度計に要求されるサンプリング流量は,1.5 L/min を超えてはならない。 

− 炎光光度計の応答時間は,サンプリングシステムを除いて,使用する濃度範囲の10〜90 %の応

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答に対して500 msを超えてはならない。 

2) 光散乱検知器 前方(45°未満の角度)光散乱検知器は,次による。 

− 200 ng/m3〜15 mg/m3 のNaCl粒子濃度を測定する。 

− 検知器に要求されるサンプリング流量は,5 L/min を超えない。 

− 検知器の応答時間は,サンプリングシステムを除いて,使用する濃度範囲の10〜90 %の応答に

対して500 msを超えない。 

b) SF6ガスの場合 面体等の内部のSF6ガス濃度は,0.3〜1.5 L/min の一定流量で連続的にサンプリング

されなければならない。積算記録システムを用いて,分析及び記録することが望ましい。 

検出システムは,電子捕獲形検出(ECD)又は赤外線(IR)分光に基づいたものが適している。 

備考 ECD装置は,試験中の面体等の内部の酸素濃度の変化,すなわち吸気と呼気との間の酸素濃度

の変化の影響を受ける。これらの変化は,0.1 ppm 未満の濃度を測定するときの漏れ率の不確

実性を引き起こす。正確な結果を得るには,この変化による影響を修正する必要がある。 

4.8 

試料  

4.8.1 

一般事項 試料は,呼吸用保護具又は面体とする。 

漏れ率試験前に,試料が良好な状態であり,被験者に危険がなく使用できることが確認されていなけれ

ばならない。 

試料には,漏れ率試験前に,4.7.2に規定するサンプリングチューブ及びプローブを取り付ける。 

4.8.2 

呼吸用保護具  

4.8.2.1 ろ過式呼吸用保護具  

a) 防じんマスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができる。防じんマス

クには,そのマスク用の適切なろ過材を取り付ける。 

b) 防毒マスク  

1) 防じん機能のない防毒マスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いる場合は,次に示す方法

でマスクに呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツが含まれない。)を供給するか,NaCl粒子捕集

効率 99.9 %以上の粒子状物質用フィルタ又は防じん機能付き吸収缶と交換することによって,PL

を求めることができる。 

試験用コンタミナンツにSF6を用いる場合は,マスクに呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツ

が含まれない)を供給することによって漏れ率を求めることができる。 

− 呼吸可能な空気を供給する方法 マスクの吸気口部分に,呼吸可能な空気を供給するためのホー

ス(通気抵抗が調節できる装置が附属しているもの)を取り付ける。このとき,ホースを固定す

るなどして,フィットネスに影響を与えないようにする。ホースを取り付けた状態での吸気抵抗

(流量40 L/minで測定)が,吸収缶を取り付けたマスクの吸気抵抗(流量40 L/minで測定)の −

5〜+10 %となるように調節する。 

− 粒子状物質用フィルタ又は防じん機能付き吸収缶に交換する方法 使用するフィルタは,そのマ

スク用の吸収缶の質量及び通気抵抗(流量 40 L/minで測定)の −5〜+10 %でなければならな

い。 

2) 防じん機能付き防毒マスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができ

る。防毒マスクには,そのマスク用の適切な防じん機能付き吸収缶を取り付ける。 

c) 粒子状物質用PAPR 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができる。PAPR

には,それ用の適切なフィルタを取り付ける。 

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PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)

で試験する。 

備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため

に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。 

d) ガス用PAPR b) 1) と同様の方法でPLを求めることができる。 

PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)

で試験する。 

代わりの粒子状物質用フィルタ又は粒子状物質・ガス両用フィルタが利用できない場合,軽量のホ

ース及びプレナムキャップが,PAPRのフィルタに取り付けられ,改造前に測定された通気抵抗(ホ

ースを含めて)で,試験用コンタミナンツのない空気が供給される。 

備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため

に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。 

e) 粒子状物質・ガス両用PAPR b) 2) と同様の方法でTLを求めることができる。 

PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)

で試験する。 

備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため

に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。 

4.8.2.2 給気式呼吸用保護具 試験用コンタミナンツとして,NaCl粒子及びSF6ガスのいずれを用いても

よい。 

非透過性材料で作られている場合又は着用者と呼吸用保護具との間が明らかに大気に開放されていない

場合は,いずれの試験用コンタミナンツも用いることができる。 

透過性材料が用いられている場合又はシールされていない縫い目がある場合は,SF6ガスを用いて試験

しなければならない。 

非透過性が疑わしい場合は,SF6ガスを用いて試験しなければならない。 

給気式呼吸用保護具は,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,

供給圧力)で試験する。 

4.8.2.3 給気・ろ過両用式呼吸用保護具 給気・ろ過両用式呼吸用保護具は,両方のモードで完全な呼吸用

保護具として試験する。給気式モード[呼吸用保護具に取り付けられているフィルタの吸気口は,ふさ(塞)

がれていなければならない。]ではSF6ガスを用い,ろ過式モードではNaCl粒子を用いて試験する。 

呼吸用保護具には,それ用の適切なフィルタを取り付ける。 

呼吸用保護具は,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,空気流

量)で試験する。 

4.8.3 

面体 次に示す方法で呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツが含まれない。)を供給するか,NaCl

粒子捕集効率が99.9 %以上の粒子状物質用フィルタを取り付けることによって,PLを求めることができ

る。 

− 呼吸可能な空気を供給する方法 面体の吸気口部分に,呼吸可能な空気を供給するためのホース(通

気抵抗が調節できる装置が附属しているもの)を取り付ける。このとき,ホースを固定するなどして,

フィットネスに影響を与えないようにする。ホースを取り付けた状態での吸気抵抗(流量 40 L/min

で測定)が,フィルタを取り付けたマスクの吸気抵抗(流量 40 L/minで測定)の −5〜10 %となる

ように調節する。  

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− 粒子状物質用フィルタを取り付ける方法 呼吸用保護具として要求される質量(面体と一緒で許容で

きる)及び通気抵抗(流量 40 L/minで測定)の−5〜10 %をもつフィルタを取り付け,NaCl粒子を

用いて,面体の漏れ率を求めることができる。 

4.9 

TL及びPLの計算  

4.9.1 

NaCl粒子による試験 各動作の2分間の測定から,各動作のTL(m番目の動作におけるTLをTLm

で表す。) 又は各動作のPL(m番目の動作におけるPLをPLmで表す。)を,次の式によって計算する。 

()

100

2

%

1

2

m

×

×

=

C

C

TL

又は 

()

100

2

%

1

2

m

×

×

=

C

C

PL

ここに, C2: 面体等の内部の平均NaCl粒子濃度で,バックグラウン

ド信号及び希釈率で修正されたもの 

C1: チャンバ内平均NaCl粒子濃度 

なお,式中の係数2は,NaCl粒子の肺内沈着などによる面体等内濃度の低下を補正するためのものであ

る。 

4.9.2 

SF6ガスによる試験 各動作の期間の最後の100 s間の測定から,各動作のTL(m番目の動作にお

けるTLをTLmで表す。) 又は各動作のPL(m番目の動作におけるPLをPLmで表す。)を次の式によって

計算する。一つの動作から次の動作までのSF6ガス濃度は,データとして採用してはならない。 

()

100

1

2

m

×

=CC

TL

     

又は 

()

100

1

2

m

×

=CC

PL%

ここに, C2: 面体等の内部の平均SF6ガス濃度で,バックグラウン

ド信号及び面体等の内部の酸素濃度変化の影響で修正
したもの 

C1: チャンバ内SF6ガス濃度 

5. 測定値のまとめ方 測定値のまとめ方は,次による。 

a) 被験者ごとのTL(以下,TLPという。)及び被験者ごとのPL(以下,PLPという。)は,次の式によ

って算出する。 

()

n

TL

TL

TL

TL

TLP

n

3

2

1

+

+

+

+

=

・・・

及び 

()

n

PL

PL

PL

PL

PLP

n

3

2

1

+

+

+

+

=

・・・

background image

T 8159:2006  

ここに, TL1〜n: 4.3に規定するn種類の各動作におけるTL(%) 
 

PL1〜n: 4.3に規定するn種類の各動作におけるPL(%) 

b) 10名のTLP又はPLPから,それぞれ,試料のTL(以下,TLSという。)又は試料のPL(以下,PLS

という。)を,次の式によって算出する。この場合,得られたデータを数値の順に並べたときの,最低

値(TLP1又はPLP1)と最高値(TLP10又はPLP10)を除いて平均値をとる。 

()

8

9

4

3

2

TLP

TLP

TLP

TLP

TLS

+

+

+

+

=

・・・

又は 

()

8

9

4

3

2

PLP

PLP

PLP

PLP

PLS

+

+

+

+

=

・・・

ここに, 

TLP2〜9: 各被験者のTLP(%) 

PLP2〜9: 各被験者のPLP(%) 

6. 面体の漏れ率による等級の判定 面体の漏れ率による等級は,面体を試料として行った試験結果から 

5. b) で算出された値(PLS)と表2の数値とを対比することによって求める。 

表 2 面体の漏れ率による等級 

単位 % 

等級 

面体の漏れ率 

全面形 

半面形 

   AAA級 

0.03 未満 

− 

    AA級  

0.03 以上  0.1 未満 

− 

      A級  

0.1 以上 0.3 未満 

   

 0.3 未満 

      B級  

0.3 以上 1 

未満 

0.3 以上  1 未満 

      C級  

以上 3 

未満 

1 以上  3 未満 

      D級 

− 

3 以上 10 未満