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T 8124-1:2010  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 性能要求事項 ··················································································································· 2 

4.1 浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料··················································································· 2 

4.2 浮遊固体粉じん防護用密閉服の縫合部,連結部及び結合部 ····················································· 2 

4.3 浮遊固体粉じん防護用密閉服の完成品················································································ 3 

4.4 服一体形バイザ ············································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

T 8124-1:2010  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安

用品協会(JSAA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。 

これによって,JIS T 8124-1:2008は改正され,この規格に置き換えられた。 

また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。 

JIS T 8124の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS T 8124-1 第1部:浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5化学防護服)の性能要求事項 

JIS T 8124-2 第2部:微粒子エアロゾルに対する全身化学防護服内部への漏れ率試験方法 

日本産業規格          JIS 

T 8124-1:2010 

固体粉じんに対する防護服− 

第1部:浮遊固体粉じん防護用密閉服 

(タイプ5化学防護服)の性能要求事項 

Protective clothing for use against solid particulates-Part 1: Performance 

requirements for chemical protective clothing providing protection to the full 

body against airborne solid particulates (type 5 clothing) 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 13982-1を基に,使用上の利便性を考慮して,技術

的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,浮遊固体粉じん防護用密閉服(JIS T 8115で規定するタイプ5化学防護服)の性能につい

て規定する。ただし,他の形態,例えば,こすりつけ又は屈曲による固体粉じんの服内への浸透を防止す

るための固体粉じん防護用密閉服には適用しない。 

この規格で規定する浮遊固体粉じん防護用密閉服は,ワンピース・カバーオール又は上下服とする。た

だし,フード,バイザ及び/又はブーティの有無は問わない。 

浮遊固体粉じん防護用密閉服と一体になっていない部材(例えば,フード,手袋,フットウエア,バイ

ザ又は呼吸用保護具)の要求事項は,JIS T 8151などの他の規格による。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 13982-1:2004,Protective clothing for use against solid particulates−Part 1: Performance 

requirements for chemical protective clothing providing protection to the full body against airborne 

solid particulates (type 5 clothing)(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 8005 防護服の一般要求事項 

JIS T 8115 化学防護服 

T 8124-1:2010  

JIS T 8124-2 固体粉じんに対する防護服−第2部:微粒子エアロゾルに対する全身化学防護服内部へ

の漏れ率試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 13982-2:2004,Protective clothing for use against solid particulates−Part 2: Test 

method of determination of inward leakage of aerosols of fine particles into suits(MOD) 

JIS T 8151 防じんマスク 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 8115による。 

性能要求事項 

4.1 

浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料 

浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料は,次による。 

a) 浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料は,次の特性をJIS T 8115に規定する方法で試験し,JIS T 8115

に示すクラスに分類する。 

1) 引裂強さ[JIS T 8115の6.11(引裂強さ)] 

2) 突刺強さ[JIS T 8115の6.12(突刺強さ)] 

3) 摩耗強さ[JIS T 8115の6.14(摩耗強さ)] 

4) 屈曲強さ[JIS T 8115の6.15(屈曲強さ)] 

b) 上記a) の要求事項は,浮遊固体粉じん防護用密閉服と一体形のフード,オーバーシューズなどの部

材にも適用する。 

c) 製造業者が取扱説明書で洗濯できるとする浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料は,試験前に製造業者

が指定する洗濯方法で“洗濯による前処理”を5回行う。 

d) すべての試験片は,温度23±3 ℃及び相対湿度(60±10)%で24時間以上放置し,試料調整を行う。

試験は,試料調整終了後,5分以内に開始する。 

e) 浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料は,a) の要求事項についてJIS T 8115の表11〜表12及び表14

〜表16のクラス1に適合しなければならない。 

f) 

浮遊固体粉じん防護用密閉服には,皮膚刺激を引き起こすか,健康に何らかの悪影響を及ぼす材料は

使用してはならない[JIS T 8005の4.(人間工学)参照]。 

g) 浮遊固体粉じん防護用密閉服の材料は,着用者に対し有効な防護性能を確保するとともに,着用者が

不快に感じないように,可能な限り軽量で柔軟な構造であることが望ましい。 

注記1 材料の物理的性能は,浮遊固体粉じん防護用密閉服着用者に快適性を確保するための一つ

の要素にすぎない。形状も,着用者に快適性を与える重要な要素である。 

注記2 熱又は炎に対する抵抗性が必要とされる化学防護服は,該当する規格によって試験し,そ

の性能を表示することが望ましい。 

4.2 

浮遊固体粉じん防護用密閉服の縫合部,連結部及び結合部 

4.2.1 

一般 

一般性能要求事項は,次による。 

a) 浮遊固体粉じん防護用密閉服及びその一体形部材の縫合部は,縫い目の孔又は縫合部材料から浸透す

る浮遊固体粉じんを少なくする又は防止する構造としなければならない。 

b) 縫合部,連結部及び結合部の耐浮遊固体粉じん浸透性は,浮遊固体粉じん防護用密閉服の完成品試験

T 8124-1:2010  

で評価する。縫合部,連結部及び結合部の部分単独での耐浸透性試験は,要求しない(4.3参照)。 

4.2.2 

縫合部強さ 

縫合部強さは,JIS T 8115の7.5.2(縫合部強さ)によって評価し,分類する。浮遊固体粉じん防護用密

閉服の縫合部強さは,JIS T 8115の表18のクラス1に適合しなければならない。 

4.3 

浮遊固体粉じん防護用密閉服の完成品 

4.3.1 

一般 

一般性能要求事項は,次による。 

a) 浮遊固体粉じん防護用密閉服は,JIS T 8005の4.(人間工学),5.(経年変化)及び6.(サイズ指定)

に規定する一般要求事項に適合しなければならない。 

b) 浮遊固体粉じん防護用密閉服は,胴体,腕及び脚を防護する“全身防護服”であり,形状は,ワンピ

ース・カバーオール又は上下服とする。頭部の防護具(例えば,バイザ付きのフード)及び/又は足

の防護具を追加して着用してもよい。 

c) 浮遊固体粉じん防護用密閉服は,4.3.2の防護服完成品の微粒子エアロゾル漏れ率試験の要求事項に適

合しなければならない。浮遊固体粉じん防護用密閉服と他の防護具(例えば,フード,手袋,フット

ウエア又は呼吸用保護具)との連結部及び結合部は,この規格の規定に含める。 

d) 浮遊固体粉じん防護用密閉服は,着用者が自由に動作でき,かつ,防護性能とともに可能な限り快適

なものとする。評価は,4.3.2に規定する一連の予備動作試験によって行う。 

e) 着用者の快適性は,浮遊固体粉じん防護用密閉服を使用する作業及び作業環境を経験した被験者によ

る着用試験によって評価することが望ましい。 

4.3.2 

防護服完成品の微粒子エアロゾル漏れ率 

防護服完成品の微粒子エアロゾル漏れ率は,次による。 

a) 浮遊固体粉じん防護用密閉服は,JIS T 8124-2によって,浮遊固体粉じんの服内部への漏れ率を試験

する。 

b) 漏れ率試験及び予備動作試験は,製造業者の取扱説明書に基づいて完全装備した被験者によって実施

する。例えば,浮遊固体粉じん防護用密閉服と一体になっていない部材(例えば,フード,手袋,フ

ットウエア,バイザ又は呼吸用保護具)を取扱説明書に基づいて,一緒に着用して試験する。また,

一体になっていない部材の浮遊固体粉じん防護用密閉服へのテーピングは,製造業者の取扱説明書に

基づいて行う。 

c) JIS T 8124-2の試験を実施する前に,被験者は,チャンバの外で次の3種類の一連の予備動作試験を,

通常の動作速度で3回行う。 

− 動作1:両ひざ(膝)でひざまずき,上体を前方へ傾けてひざ(膝)の前45 cmの床に両手を置く。

両手と両ひざ(膝)とで前方へ3 mは(這)って行き,同じ距離をはって後ずさりする。 

− 動作2:両足を肩幅に開き,両腕を体の両側にたらして立つ。両腕を体の前で床と平行になるまで

上げる。そのままの状態で可能な限りしゃがむ。 

− 動作3:右ひざ(膝)でひざまずき,左ひざ(膝)を90度曲げた左足を床の上に置き,左腕は,左

側に力を入れずにたらす。左腕を完全に頭上に上げる。 

d) 動作終了後,生地,縫合部,開閉具若しくは手袋,フットウエア又は呼吸用保護具との接合部の引裂

け又は破れを,浮遊固体粉じん防護用密閉服ごとに目視検査する。認められた損傷を,試験報告書に

記載する。損傷が重大である場合,又は浮遊固体粉じん防護用密閉服が妨げとなり,一連の動作を被

験者が正しく実行することができない場合には,試験を中止し,不合格とする。 

T 8124-1:2010  

e) JIS T 8124-2の試験によって,浮遊固体粉じん防護用密閉服完成品の合否判定をするときに使用する

個別漏れ率(Ljmn, 82/90)及び全漏れ率(LS, 8/10)は,次による。 

− Ljmn, 82/90:パーセントで表される個別漏れ率で,90個の測定値を昇順に並べ替えたときの第82番目

の個別漏れ率。すなわち,漏れ率の値は,すべての動作,すべての試料採取位置,すべての浮遊固

体粉じん防護用密閉服について測定し,昇順に並び替える。 

− LS, 8/10:“浮遊固体粉じん防護用密閉服ごとの全漏れ率”で,10個の測定値を昇順に並び替えたとき

の第8番目の全漏れ率。すなわち,すべての浮遊固体粉じん防護用密閉服の全漏れ率の値は,昇順

に並び替える。 

f) 

浮遊固体粉じん防護用密閉服は,少なくとも次を満たすものとする。 

− Ljmn, 82/90 ≦ 30 % 

− LS, 8/10   ≦ 15 % 

g) 試験を最小試験数である90個より多くの数で行うとき,合否判定は,最小試験数を基準とした比率(個

別漏れ率は82/90,全漏れ率は8/10)によって行う。 

4.4 

服一体形バイザ 

4.4.1 

一般 

バイザが浮遊固体粉じん防護用密閉服と一体となっているとき,バイザは,4.4.2及び4.4.3に適合しな

ければならない。 

バイザは,4.4.3によって試験したとき,視野にゆがみがあってはならない。 

バイザの曇り止め剤は,着用者の健康又は防護服に対して悪影響を及ぼすものであってはならない。 

4.4.2 

バイザの機械的強度 

バイザは,JIS T 8115の7.6.4(耐衝撃性)に適合しなければならない。 

4.4.3 

視野及び視界のゆがみ 

バイザは,4.3.2の予備動作試験中に,健常な視力をもつ被験者にとって許容できる視野をもつものでな

ければならない。評価は,試験終了後に被験者に質問することによって行う。 

視界のゆがみは,健常な視力をもつ被験者によって6 m離れたところの,一文字の大きさが,たて約100 

mm,幅は,各々の文字に比例した大きさの無作為に選択された4文字の表示を読むことによって評価し,

これを読み取れるものでなければならない。 

background image

T 8124-1:2010  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 8124-1:2010 固体粉じんに対する防護服−第1部:浮遊固体粉じん防護用密
閉服(タイプ5化学防護服)の性能要求事項 

ISO 13982-1:2004 Protective clothing for use against solid particulates−Part 1: 
Performance requirements for chemical protective clothing providing protection to the full 
body against airborne solid particulates (type 5 clothing) 及びAmendment 1(2010) 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

浮遊固体粉じん防
護用密閉服(タイプ
5化学防護服)の性
能要求事項につい
て規定 

1  

JISに同じ。 
服と一体でない部材の要
求事項は,他の規格を参
照する。 

一致 

服と一体でない部材の要求事
項は,JIS T 8151などの他の規
格による。 

JISでは具体的に規格名を示した。技
術的な差異はない。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

用語及び定義 

変更 

引用規格ISO/TR 11610をJIS 
T 8115に変更。 

技術的差異はない。 

4 性能要
求事項 

JISにほぼ同じ。 

変更 

引用規格EN 14325:2004をJIS 
T 8115に変更。 

技術的差異はない。 

4.1 浮遊
固体粉じ
ん防護用
密閉服の
材料 

− 

4.1 

EN14325:2004の4.14に
規定する耐着火性能を材
料の要求事項としてい
る。 

削除 

要求事項としての“難燃性”の
項目を削除。 

この項目の削除を内容とするISO 
13982-1:2004/Amd 1が2009年7月4
日に承認となった。JISはISOに先
行してこの項目を削除した。 

試料調整条件: 
温度23±3 ℃,相対
湿度(60±10)% 

温度20±2 ℃,相対湿度
(65±5)% 

変更 

試料調整及び試験条件をJIS T 
8115と整合させた。 

試料調整及び試験条件を一致させる
ようISOに提案する。 

e):材料性能は,ク
ラス1を最低限の性
能とした。 

第6段落後半で例外規定
を設けている。 

削除 

クラス1は最低限の性能であ
り,例外は認めるべきではな
い。 

次回改正時にISOに提案する。 

2

T

 8

1

2

4

-1

2

0

1

0

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T 8124-1:2010  

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

4.2.1 一般  

4.2.1 

注記 

削除 

適用範囲で同じ内容を規定し
ているため削除した。 

次回改正時にISOに提案する。 

4.2.2 縫合
部強さ 

JIS T 8115の7.5.2
による。 

4.2.2 

EN 14325:2004の5.5によ
る。 

変更 

技術的差異はない。 

4.3.1 一般  

4.3.1 

注記 

削除 

規定内容でないため削除した。 次回改正時にISOに提案する。 

e) 作業環境を経験
した被験者である
ことを推奨事項と
した。 

被験者は経験者であると
する。 

変更 

被験者の質を経験者とするこ
とは現実的でないことから,推
奨事項とした。 

次回改正時にISOに提案する。 

4.4.2 バイ
ザの機械
的強度 

JIS T 8115の7.6.4
による。 

4.4.2 

EN 12941:1998の7.5によ
る。 

変更 

技術的差異はない。 

− 

表示 

削除 

表示はJIS T 8115によること
とするため,この箇条を削除し
た。 

次回改正時にISOに提案する。 

− 

取扱説明書 

削除 

取扱説明書はJIS T 8115によ
ることとするため,この箇条を
削除した。 

次回改正時にISOに提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13982-1:2004,Amd.1:2010,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

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