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T 8121-2:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 要求事項························································································································· 2 

4.1 手袋,アームガード及び防護スリーブの防護範囲 ································································· 2 

4.2 構造 ···························································································································· 3 

4.3 材料の性質 ··················································································································· 4 

4.4 人間工学的要求事項 ······································································································· 4 

5 試験装置························································································································· 4 

5.1 アームガード及び防護スリーブの手袋への取付け評価用試験装置 ············································ 4 

5.2 衝撃切創試験装置 ·········································································································· 4 

5.3 切創抵抗試験装置 ·········································································································· 4 

6 試験方法························································································································· 5 

6.1 前処理 ························································································································· 5 

6.2 調整 ···························································································································· 5 

6.3 防護範囲の試験 ············································································································· 5 

6.4 アームガード及び防護スリーブの手袋に対する取付け強さ,並びに手袋の袖口内及び上肢からの防護

スリーブの位置ずれに対する抵抗 ······················································································ 5 

6.5 衝撃切創試験 ················································································································ 5 

6.6 切創抵抗試験 ················································································································ 6 

6.7 アームガード及び防護スリーブの長さの測定 ······································································· 6 

6.8 隙間寸法の試験 ············································································································· 6 

7 試験報告書 ······················································································································ 6 

8 表示······························································································································· 7 

9 使用者のための情報及び使用についての指示 ········································································· 7 

10 図記号 ·························································································································· 8 

附属書A(規定)人間工学試験 ······························································································ 10 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 17 

T 8121-2:2018  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

保安用品協会(JSAA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。これによって,JIS T 8121-2:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS T 8121の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS T 8121-1 第1部:鎖かたびら手袋及びアームガード 

JIS T 8121-2 第2部:鎖かたびら以外の材料からなる手袋及びアームガード 

JIS T 8121-3 第3部:布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験 

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日本工業規格          JIS 

T 8121-2:2018 

防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを

防護するための手袋及びアームガード−第2部:鎖

かたびら以外の材料からなる手袋及びアームガード 

Protective clothing-Gloves and arm guards protecting against cuts and 

stabs by hand knives-Part 2: Gloves and arm guards made of material 

other than chain mail 

序文 

この規格は,2003年に第1版として発行されたISO 13999-2を基に作成した日本工業規格であるが,我

が国の実情を反映させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,鎖かたびら,硬質金属,硬質プラスチック以外の材料でできている耐切創性能をもつ手袋,

アームガード及び防護スリーブの設計,耐切創性能,突刺し抵抗及び人間工学上の特性に関する要求事項

について規定する。これらは,JIS T 8121-1に規定する製品よりも耐切創性能及び突刺し抵抗が劣るため,

刃の先端から20 mmの部分における刃幅が12.5 mmを超えるナイフを使用する場合,並びにナイフが手及

び腕に向かって動かされない作業で使用する場合だけを対象とする。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 13999-2:2003,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by 

hand knives−Part 2: Gloves and arm guards made of material other than chain mail(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 0001 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法 

注記 対応国際規格:ISO 3758,Textiles−Care labelling code using symbols(MOD) 

JIS L 1930 繊維製品の家庭洗濯試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6330:2012,Textiles−Domestic washing and drying procedures for textile 

testing(MOD) 

T 8121-2:2018  

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JIS L 1931-2 繊維製品の商業クリーニング−第2部:パークロロエチレンによるドライクリーニング

試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 3175-2:2010,Textiles−Professional care, drycleaning and wetcleaning of 

fabrics and garments−Part 2: Procedure for testing performance when cleaning and finishing using 

tetrachloroethene(MOD) 

JIS T 8052 防護服−機械的特性−鋭利物に対する切創抵抗性試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 13997:1999,Protective clothing−Mechanical properties−Determination of 

resistance to cutting by sharp objects(MOD) 

JIS T 8121-1 防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアームガ

ード−第1部:鎖かたびら手袋及びアームガード 

注記 対応国際規格:ISO 13999-1:1999,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against 

cuts and stabs by hand knives−Part 1: Chain-mail gloves and arm guards(IDT) 

JIS T 8121-3 防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアームガ

ード−第3部:布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験 

注記 対応国際規格:ISO 13999-3:2002,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against 

cuts and stabs by hand knives−Part 3: Impact cut test for fabric,leather and other materials(MOD) 

ISO 7000,Graphical symbols for use on equipment−Registered symbols 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 8121-1によるほか,次による。 

3.1 

防護スリーブ(protective sleeve) 

手首から肘より上の上腕までを被うフレキシブルな筒状のカバー。 

注記1 防護スリーブは,それ自体の弾力性によって,又はストラップ,その他のシステムによって

適切な位置に保持する自己保持形であってもよい。 

注記2 防護スリーブは,通常,手袋の袖口の内側に入れ,手首を軽く締める。 

要求事項 

4.1 

手袋,アームガード及び防護スリーブの防護範囲 

4.1.1 

一般 

布はく(帛),皮革,軟質プラスチック又はこれらを複合した手袋並びにフレキシブルなアームガードに

対する要求事項は,次に挙げる事項以外は,JIS T 8121-1に規定する鎖かたびら手袋及び鎖かたびら又は

硬質のアームガードに対する要求事項と同じとする。また,寸法及び防護範囲は,6.7及び附属書Aによ

って評価する。 

4.1.2 

手袋 

手袋による防護範囲は,連続していて手のひら側の尺骨側に切れ込みがあってはならない。 

4.1.3 

短袖手袋 

短袖手袋は,指先点から尺骨けい(茎)状突起先端を超えて75 mm以上の範囲[図1 a) のAが75 mm

以上]を連続的に防護できなければならない。袖口は,附属書Aによって試験をしたとき,この防護範囲

を維持する。 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1.4 

長袖手袋 

長袖手袋は,肘を90°曲げたとき,指先点から上腕前面の75 mm未満の位置[図1 b) のCが75 mm未

満]までを連続的に防護できなければならない[JIS T 8121-1の附属書B(手及び上肢のサイズ,防護手

袋及びアームガードのサイズ)参照]。袖口は,附属書Aによって試験をしたとき,この防護範囲を保持

できなければならない。 

4.1.5 

手袋のサイズ 

手袋には,設計上,適合する手のサイズに基づいて,JIS T 8121-1の附属書B表1(手袋の公称サイズ)

によってサイズを表示する。サイズは,附属書Aによって確認する。 

4.1.6 

防護スリーブ 

防護スリーブは,JIS T 8121-1の3.1.2[手首(wrist)]に規定するように,手首から肘の上まで連続した

範囲を防護する。 

4.1.7 

アームガード,防護スリーブ,アームガードと手袋との組合せ又は防護スリーブと手袋との組合せ 

4.1.7.1 

一般 

アームガード,防護スリーブ,アームガードと手袋との組合せ又は防護スリーブと手袋との組合せによ

る防護範囲は,連続していなければならない。防護範囲及び隙間がないかどうかは,6.3及びA.5によって

評価する。 

4.1.7.2 

布はく,皮革,その他のアームガード又は防護スリーブによる防護範囲,及び長尺アームガード

による防護範囲 

アームガード及び防護スリーブは,附属書Aによって試験したとき最小限必要な防護範囲を維持する適

切な位置に維持できなければならない。これらは,6.4に規定する25 Nの力で引っ張ったとき手首から40 

mm以上上方に移動してはならない。 

4.1.7.3 

袖口と防護スリーブとの重なり部分 

手袋の袖口及び互換式防護スリーブ又はアームガードが与える防護範囲の重なり部分は,互いの外縁部

が連続して接続されていない場合は,50 mm以上とする。防護スリーブは手袋の袖口の内側に入れる。附

属書Aによって試験をする。防護スリーブは,6.4に規定する25 Nの力での引張りに耐え,かつ,手袋の

袖口から抜け出てはならない。 

4.1.7.4 

アームガード及び防護スリーブのサイズ 

アームガード及び防護スリーブには,それぞれ最小の長さのほか,必要に応じて,対象身長範囲及び互

換式手袋のサイズを表示する(箇条7及び箇条8参照)。製品は,6.7及び附属書Aによって試験する。 

4.2 

構造 

4.2.1 

隙間の寸法 

手袋,アームガード及び防護スリーブの硬質部分の隙間又は硬質部品間の隙間,又はニット構造を貫通

する隙間の最大寸法は,6.8によって試験したとき,JIS T 8121-1の5.5(すき間ゲージ)に規定する4 mm

幅のNo.2ゲージが貫通しない大きさでなければならない。 

4.2.2 

アームガード及び防護スリーブの附属品 

手袋に附属するアームガード又は防護スリーブを手袋の袖口に取り付ける場合は,5.1及び6.4に規定す

る方法で腕を持ち上げた方向に対して150 Nの引張り力,又は手袋の内側に取り付ける場合は25 Nの引張

り力を受けても外れてはならない。また,試験中に防護範囲内に隙間が発生してはならない。その試験は,

6.3に規定する方法で隙間を評価する。 

T 8121-2:2018  

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4.2.3 

ナイフ突刺し抵抗及び切創抵抗 

4.2.3.1 

一般 

手袋,アームガード,防護スリーブ及びそれらの組合せによる突刺し抵抗は,手袋又はその袖口と,そ

れに接合しているアームガード又は防護スリーブとの接合部分を含む防護面全体にわたって与えられなけ

ればならない。 

4.2.3.2 

布はく,皮革,複合手袋のプラスチック,アームガード及び防護スリーブ 

6.5に規定する方法及び0.65 Jの衝撃力でJIS T 8121-3に規定する方法によって試験をしたとき,平均突

刺し深さは8 mmを超えてはならず,かつ,単一の突刺し深さは14 mmを超えてはならない。 

4.2.3.3 

切創抵抗 

全ての手袋,アームガード及び防護スリーブは,6.6によって試験を行い,全ての規定の方向において切

創抵抗を測定したとき,20 N以上の切創抵抗力がなければならない。 

4.3 

材料の性質 

4.3.1 

一般 

防護手袋,アームガード及び防護スリーブは,短期的又は長期的な損傷を与える素材によって構成しな

いものとする。製品に含まれる一般に感作性のあることが知られている物質について表示し,アレルギー

を引き起こした場合の対処法を警告表示する(箇条8参照)。手袋及びアームガードには,損傷を与えるよ

うな粗い,鋭利な表面又は端面,及び鋭利なワイヤ状の突起があってはならない。 

手袋,アームガード及び防護スリーブの材料は,取扱説明書に記載された方法によって洗浄され,かつ,

殺菌されたとき,それぞれの正規の耐用年数の間は,防護性能を失ってはならない。 

製品は,A.3によって試験する。 

注記 感作性とは,アレルギー誘発性ともいい,皮膚などを刺激し,アレルギー様症状を起こす性質

のことをいう。そのような性質をもった物質を感作性物質という。 

4.3.2 

洗浄温度に対する安定性 

洗浄温度に対する安定性は,JIS T 8121-1の4.5.2(洗浄温度の安定性)及び6.6(洗浄温度でのプラスチ

ック製アームガードの物理的安定性の試験)による。 

4.4 

人間工学的要求事項 

人間工学的要求事項は,附属書Aによって試験を行い,手袋,アームガード及び防護スリーブが,取扱

説明書に示す用途に適合していなければならない。 

試験装置 

5.1 

アームガード及び防護スリーブの手袋への取付け評価用試験装置 

可搬式のフォースゲージ,ばねばかり(秤)又は同様の装置を使用する。小形のクランプ又はクリップ

を使用してゲージを試験品目に取り付ける。クランプとゲージとの間は,フレキシブルな接続でなければ

ならない。ゲージは0 N〜200 Nの測定範囲のもの1台,又は0 N〜30 N及び100 N〜200 Nの測定範囲の

もの2台を使用する。ゲージの精度は,25 Nにおいて±3 N,150 Nにおいて±10 Nとする。 

5.2 

衝撃切創試験装置 

衝撃切創試験装置は,JIS T 8121-3による。 

5.3 

切創抵抗試験装置 

切創抵抗試験装置は,JIS T 8052による。 

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試験方法 

6.1 

前処理 

試験の前に,取扱説明書の指示によって,試料の水洗い及び乾燥を5回行う。特別な指定がない場合は,

JIS L 1930によって試料を水洗いし乾燥する。乾燥は,タンブル乾燥機を使用して,70 ℃未満の温度で行

う。ドライクリーニング対応表示の付いた製品は,洗浄サイクルの前にJIS L 1931-2の8.1[P1法(一般

的な試料の試験方法)]によってドライクリーニングを5回実施する。 

6.2 

調整 

試料は,試験前に20±2 ℃及び相対湿度(65±5)%で24時間以上調整する。試験は,調整環境中で行

うか,又は試料を調整環境から取り出して5分以内に行う。 

6.3 

防護範囲の試験 

取扱説明書の指示によって,適切な寸法の試験試料を被験者に正しく着用させる。手,手首及び前腕の

防護範囲についての試験は,JIS T 8121-1の5.6[点検棒(blant probe)]に規定する点検棒を挿入して試験,

測定を行う。 

通常,目視できる開口部から点検棒の挿入を試みる。発見された全ての細長い切り口,開口部又は重な

り部分に対して点検棒試験を行う。防護されている皮膚を基準にして0°〜45°の角度,及びまっすぐに

腕を上げる方向とまっすぐに腕を横切る方向との間のあらゆる角度で点検棒による試験を行う。このアプ

ローチ角度の範囲内で,最大4 Nの力を加えながら,点検棒を開口部又は潜在的な開口部上で移動させ,

試験試料を突き抜けるかどうか確認する。防護範囲内で,隙間として挿入できた箇所を全て試験報告書に

記録する。 

6.4 

アームガード及び防護スリーブの手袋に対する取付け強さ,並びに手袋の袖口内及び上肢からの防

護スリーブの位置ずれに対する抵抗 

取扱説明書によって,適切な寸法の試験試料を被験者に正しく着用させる。クランプ(5.1参照)を,手

袋の取付け位置から40±5 mm上に,又は取り付けない製品では,被験者の手首の75±10 mm上に,アー

ムガード又は防護スリーブの外周4か所に順番になるべく等間隔になるように取り付ける。各クランプの

位置に荷重測定器又は同様の装置を取り付け,5秒〜10秒間にわたり徐々に試験荷重を加える。できる限

り上肢の上近くに皮膚に平行に力を加える。アームガード又は防護スリーブの位置の変化を観察し,規定

の力に到達した直後にずれを測定する。次の試験を開始する前に,アームガード又は防護スリーブを元の

位置に戻す。 

なお,試験結果を試験報告書に記録する。 

6.5 

衝撃切創試験 

6.5.1 

一般 

衝撃切創試験は,JIS T 8121-3のほか,次による。 

6.5.2 

試料及び試験位置 

試料には,可能な限り無傷の手袋を使用する。6回の衝撃切創を手袋の甲に加えることができるように

手袋を試験片支持具に装着する。手袋の長軸に沿って2回,これに対して90°に2回,及びそれらに対し

て45°に2回の衝撃切創を加える。加える場所は,試料上の,損傷のない,15 mm以上離した場所とする。 

手袋の指部がぜい(脆)弱な構造であることが明らかな場合,JIS T 8121-3の規定によって指部の試験

片を衝撃切創試験用に準備し,試験を実施する。合計6か所の衝撃切創を与える。 

防護材料の種類ごとに,アームガード及び防護スリーブを試験する。これらを試験装置に取り付けるた

めに,必要に応じて横方向に切り取って短い筒状にする。合計6か所の衝撃切創を与える。 

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個々の試験結果及びその算術平均値,製品の防護性能に関する観察結果,並びにナイフの衝撃によって

生じた鋭利な破断面,断片,又は鋭利なワイヤ状端面などについて,試験報告書に記録する。 

6.6 

切創抵抗試験 

6.6.1 

一般 

切創抵抗試験は,JIS T 8052によって実施する。 

6.6.2 

試験片 

手袋の甲,手のひら部,指部,袖口から試験片を切り出す。指部と手のひら部の端から端まで横方向に

切創される方向に指部及び手のひら部の試験片を置く。手袋の長手方向に対して45°に切創される方向に

甲の試験片を置く。手袋の長軸方向に平行に切創される方向に袖口の試験片を置く。各方向の切創力を測

定する。 

製品の縦横方向及びそれらに対し45°の角度で切創する切創力を判定するために,アームガード及び防

護スリーブから試験片を切り出す。防護材料の各構造の種類ごとに試験を実施する。 

6.6.3 

試験 

JIS T 8052の規定によって切創試験を実施する。6.1の前処理の規定に従い,完成品のまま試験片を前処

理する。6.6.2の規定によって,各方向で切創力を測定し,結果を試験報告書に記録する。 

6.7 

アームガード及び防護スリーブの長さの測定 

製品の長さの測定は,サイズが適合する被験者に正しく装着させた状態で行う。被験者は,腕を正面に

水平に伸ばす。その状態で,表示されている長さか,又は取扱説明書に記載されている製品箇所の長さで

あるかを測定する。 

表示されている長さ又は記載されている長さ及び測定した長さを試験報告書に記録する。 

6.8 

隙間寸法の試験 

JIS T 8121-1の5.5(すき間ゲージ)に規定したNo.2ゲージを使用し,手袋,アームガード又は防護ス

リーブの金属製若しくはプラスチック製構成部品,又は互いの接続具間の隙間について試験を実施する。

10 N以下の力で隙間にゲージを押し込む。このときゲージが必要以上に入り込み過ぎる場合は,試験中の

材料を折り曲げてもよい。各隙間の種類ごとに五つの試料を試験する。ニット製品の主要な範囲及びパネ

ルとの縫合部を試験する。 

防護範囲内で,隙間として挿入できた箇所を全て試験報告書に記録する。 

試験報告書 

試験報告書には,次の情報を記載する。 

a) この規格への言及 

b) 試料の説明,名称,コードによる固有情報,出所,与えられたサイズ,ロット番号又は同等の番号,

及び製造日。 

c) この規格にある手袋など,防護スリーブ試料とともに使用することが要求される,その他全ての品目

の一覧及び明細。 

d) 試験の日付及び実施した試験の一覧。 

e) 被験者のA.2に規定された詳細。 

f) 

次の試験の結果及びこの規格の要求事項に対する試料の適合性の判定に関する宣言。 

1) 6.3の試験を実施したとき,防護範囲が4.1.2〜4.1.6に適合しているかどうか。 

2) JIS T 8121-1の4.5.2(洗浄温度の安定性)及び6.6(洗浄温度でのプラスチック製アームガードの物

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理的安定性の試験)の規定によって行うプラスチック製のアームガードの温度安定性試験の結果。 

3) 5.1,6.3及び6.4の規定によって実施するアームガード及び防護スリーブの取付けに対する試験結

果。 

4) 柔軟性をもつアームガードがA.5に規定する手順の間に適切な部位に保持され,6.4の試験中に手首

から上に40 mm以上移動しないかどうか。 

5) 6.5.2の規定によって行われる試験における衝撃切創試験の個々の結果,各一連の試験についての算

術平均値並びに製品の防護性能に関する観察結果,及びナイフの衝撃によって生じた断面の詳細。 

6) 6.6に規定する各試験方向において測定された切創力。 

7) アームガード及び防護スリーブ上の最小長さの表示が,6.7及びA.5の試験において正確であること

の確認ができたかどうか。 

8) 6.8の規定で行った隙間試験の結果。 

9) A.3の規定で行った無害性評価の結果。 

10) A.4の規定で行った手袋サイズの確認結果。 

11) A.5の規定で行ったアームガード及び防護スリーブサイズの確認結果。 

12) 附属書Aによる手袋の評点計算及び手袋の合否の判定結果のほかに,A.6に規定するグリップアン

ドプルテストの数値及び規定の結果。 

g) 試料が,この規格の全ての要求事項に適合しているかの判定。 

h) 試験機関の名称及び責任者の署名 

表示 

この規格に適合する手袋,アームガード及び防護スリーブには,少なくとも次の事項を取り外せないよ

うに,かつ,よく見えるように表示する。 

a) 規格番号 

b) 製造業者名又は輸入業者の名称又は商標 

c) 製造業者による製品の種類の指定,商品名又は製品を特定するコード。 

d) 製品のサイズ 

e) 最高許容洗浄温度が82 ℃未満であれば,その温度。 

f) 

箇条10に規定する図記号。 

可能な場合は,製品又はパッケージに製品に関する次のg)〜j) の情報を添付する。 

g) 製品が対象とする,又は特に対象としない用途。 

h) 対象とする危険有害性 

i) 

製品に含まれる布はく及び材料の種類 

j) 

JIS L 0001による取扱いに関する表示記号(禁止記号が重要) 

使用者のための情報及び使用についての指示 

手袋,アームガード及び防護スリーブには,取扱説明書を添付する。指示は,正確で分かりやすいもの

とする。取扱説明書は,少なくとも次の情報を含まなければならない。 

a) 箇条8で要求される情報。 

b) 製造業者又は正規の代理店の名称及び住所。 

c) 製品が対象とする作業の種類。 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 製品の選択方法に関する助言。例えば,この規格に適合する製品,及びJIS T 8121-1に適合する他の

製品が与える防護の違いに関する説明。 

e) 適正サイズ製品の選択及びそのチェック方法に関する助言。 

f) 

製品を正しく着用し,調整する方法に関する助言。 

g) 必要な防護を得るための,その他の個人用保護具(PPE)の着用に関する助言。 

h) 防護は,ナイフ,金属片,ガラスなどの鋭利な縁部による切創に対する防護,及び広幅ナイフによる

突刺しに対する防護に限定されることの警告。 

i) 

手及び腕に大きな切創作用が生じるような使用をしてはならないことの警告。 

j) 

ストラップの余った端を短くすることを除き,製品を改造してはならないことの警告。 

k) 環境条件,又は与えられた防護性能を大幅に低下させる誤った使用法の警告。 

l) 

与えられた防護性能を大幅に低下させる化学品,油脂,溶剤,経年変化又は磨耗の影響の警告。 

m) 製品の使用によって,使用者が傷害のリスクにさら(曝)される可能性がある作業の種類の警告。特

に,動力工具及び可動部をもつ機器に対する危険を明記する。 

n) 製品に使用されている材料で,アレルギー反応を起こす可能性のある材料,又は発がん性が知られて

いる材料についての警告。 

o) 製品性能の低下を招くことが知られている処理及び洗浄の繰返しの影響についての警告を含む種々の

洗浄方法に関する適切な指示。 

p) 製品の保管に関する指示。 

q) 製品の磨耗及び劣化について点検する方法の指示。 

r) 製品を修理するか又は交換するかを決定するための基準の指示。 

10 

図記号 

この規格の要求事項を満たす製品には,図2に示すISO 7000-2619及びISO 7000-1641で規定する図記

号を表示する。図記号は,製品又はそれを供給するための包装に,この規格の番号(JIS T 8121-2)ととも

に示す。 

図柄の幅は,30 mm以上とする。 

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T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 短袖手袋 

b) 長袖手袋 

手首[尺骨けい(茎)状突起先端]の位置 

A 短袖手袋が与える防護長 

B 長袖手袋が与える防護長 

C 長袖手袋と上腕との間のクリアランス 

図1−短袖手袋及び長袖手袋の防護長 

ISO 7000-2619 

ISO 7000-1641 

a) 切創及び突刺しに対する防護 

b) 取扱説明書 

図2−図記号 

10 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

人間工学試験 

A.1 原理 

手袋のサイズは,該当する手及び腕のサイズの被験者に着用させて手袋及びアームガードのフィット性

を試験し,確認する。製品の人間工学上の特性は,規定の動作を行う被験者への質問及びその回答によっ

て評価する。 

A.2 被験者 

被験者には,適度に激しい手及び腕を使う作業を行う作業員に期待される体格及び手先の器用さをもつ

者を選択する。被験者は,この種の保護具を常時使用している者である必要はない。JIS T 8121-1に定義

された手の周長及び長さを測定し,JIS T 8121-1の附属書B表1(手袋の公称サイズ)を参照してその手

のサイズを判定する。試験対象の手袋に表示されたサイズの手をもつ,少なくとも5人の被験者を選択す

る。製造業者の製品範囲に十分な手袋のサイズが含まれている場合は,被験者として,手袋のサイズに合

わせて男性又は女性を選択する。第1指(親指)の長さは,他の手の寸法とあまり相関しないため,極端

に第1指の寸法が長い被験者を選択しないように注意する。アームガード及び防護スリーブが使用者の身

長別サイズになっている場合は,被験者の身長を測定し,適合するサイズのものを使用する。 

A.3 製品の試験 

手袋,アームガード又は防護スリーブを着用する前に,使用者に危害を加えるような鋭いエッジ又は表

面,粗く硬い領域,ワイヤ端の突出し又はその他の形態について,目視及び手で製品を試験する。重大な

欠陥が見つかった試料は,人間工学試験を実施せずに新たな試料に交換する。 

試験結果を試験報告書に記録する。 

A.4 手袋サイズの確認手順 

手袋のサイズが表示する大きさの手の被験者が手袋を着用したとき,緩過ぎず,また,窮屈過ぎない場

合は,正しく表示されているものとする。手袋のフィット性は,5人の被験者及び1名の判定者が判定す

る。 

手袋を適切に装着する。次に被験者は,被験者の正面の腰の高さ付近に固定された直径30 mm〜40 mm

の水平バーを握る。 

次の基準のいずれかに一致した場合は,手袋が小さ過ぎると判定する。 

− 着用者が,バーを握ったときの変形,又は握っているときの手のひら若しくは手の甲が締め付けられ

ると感じる。 

− 着用者が,バーを中心として親指又は他の指を曲げた状態を維持するために,連続した筋肉の緊張を

感じる。 

− 着用者の手袋の各指先がきつく,着用者がバーを握っている間,判定者が手袋の指先の部分をつまむ

ことができない。 

次の基準のいずれかに一致した場合は,手袋が大き過ぎると判定する。 

11 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 着用者が,バーを握っているとき手袋が手に緩く,握りを少し緩めたときに手が手袋の内側で容易に

動く。 

− 判定者が手袋の両側面をつまんだとき,つまんだ部分の長さが両側面で合計15 mm以上になる。 

− 判定者が任意の指の先端をつまんだとき,つまんだ部分の長さが20 mm以上になる,又は5本の指の

つまめる部分の長さの平均が15 mm以上である。 

被験者の回答が著しく客観性に欠ける場合には,同じ公称サイズの手をもつ2名の追加被験者がその手

袋を着用し,そのフィット性を再評価する。追加被験者の両者がフィットした場合には,そのサイズ表示

を合格とする。 

評価結果を試験報告書に記録する。 

A.5 アームガード及び防護スリーブのサイズ確認手順 

取扱説明書及び製品に添付された表示を試験する。該当するサイズの5人の被験者を選択し,製品を評

価する。製品に装着する適切なサイズの互換式手袋を選択し,着用する。 

試験をするとき被験者が製品の下に着用する衣服は,取扱説明書によるものとする。指示がない場合は,

薄地の半袖つなぎ服又はジャケットを着用し,その上に長袖つなぎ服又はジャケットを着用する。 

取扱説明書によって,製品を着用し,調整する。互換式手袋を装着して調整する。着用者は,立った状

態で腕を垂直に持ち上げ,上に伸ばす。次に,腕を体の脇に下ろし,握った拳を胸に持っていき肘を最大

限曲げる。次に腕の力を抜いて体の脇に垂らす。次に,前にある水平バーをA.4の規定に従って握り締め

る。 

判定者は,アームガード又は防護スリーブによる防護範囲が,JIS T 8121-1の4.1.6.1(硬質アームガー

ドの防護領域)〜4.1.6.3(長尺アームガードの防護領域と取付け)並びに4.1.5(手袋のサイズ)及び4.1.6

(アームガード及び手袋の組合せ)に規定した要求事項に適合していることを確認する。 

次に着用者は,伸ばし,曲げ及びリラックス動作を,アームガード,防護スリーブ又は手袋を調整せず

に10回繰り返す。次に着用者は,水平バーを握り締め,判定者は,アームガード又は防護スリーブ及び手

袋が与える防護領域を確認する。特に判定者は,製品が適切な部位に留まっており,要求された重なり部

分が手首部分に保持されていることに注意する。 

着用者は,製品の過剰な窮屈さ又は試験中の動きの制約,及び製品の不適切な緩み又は動きを報告する。 

アームガード又は防護スリーブの合否の評価とともに,試験報告書に評価結果を記載する。 

A.6 グリップアンドプルテスト 

A.6.1 原理 

作業の対象物をしっかりと握ることが可能であり,ナイフで大きな力を加えたとき滑らないことが,食

肉の切り分けなどに使用される手袋の重要な安全上の特性である。骨スキでの作業に関する力の測定結果

は,ピーク時に300 Nを超えており,絶えず100 Nの力が加えられていることを示している。この規格に

よって規定する種類の手袋は,軽作業だけに使用することを前提としている。試験で加える力は表A.4に

規定する。 

この試験では,金属製の円柱を手前に引っ張る4名の被験者が必要である。これは,体から離れた位置

で切り分け作業をするときに作業対象を保持する動作を模している。被験者は,試験用の手袋の装着及び

素手,並びに試験用円柱に潤滑油を塗布及び非塗布の状態で動作したとき,自覚される手の疲労感につい

て報告する。 

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12 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.6.2 装置 

A.6.2.1 作業台 

高さを調節できる天板表面があり,被験者の足をその下に入れるスペースがある。 

A.6.2.2 水平のステンレススチール製の円柱 

円柱は,直径30±1 mmとし,作業台面の上120±10 mmに取り付ける。 

円柱は,作業台の手前の縁に対して90±10°の向きとする。円柱は,その端から少なくとも150 mmの

長さの握り部分をもつものとし,その表面を滑らかに研磨する。 

この円柱は,作業台面の手前の縁に向いた,曲面と平面との接合部に少なくとも5 mmの半径をもつ丸

みを帯びた終端をもっていなければならない。円柱は,作業台の手前の縁から奥に向かって150±10 mm

の位置にその終端が位置する。図A.1を参照。 

円柱は,長軸方向にだけ移動できるように支持する。 

A.6.2.3 力の測定システム 

力の測定システムは,円柱に掛かる引張り力を表示し,少なくとも0 N〜400 Nの測定範囲をもつ直読メ

ータを使用する。 

このメータは,被験者から遠い側の円柱の終端(A.6.2.2)に接続する。400 Nで引っ張った場合に,円

柱が50 mm以上動いてはならない。このシステムは,±10 Nより高い精度をもつものとする。 

A.6.2.4 ハンドレスト 

ハンドレストは,握り円柱システムの左右に設置し,被験者がナイフを握った手をそれに載せることが

できるものとする。 

ハンドレストは,120±10 mmの高さがあり,作業台の前縁から奥に300±20 mmの位置にハンドレスト

の前面がくるように設置する。ハンドレストは,少なくとも300 mmの長さ及び少なくとも80 mmの厚み

をもつものとする。その角は5 mm以上の曲率半径をもつものとする。 

A.6.3 手順 

少なくとも4名の被験者がこの試験に参加する。可能であれば,各被験者は,異なるサイズの手袋を着

用する。着用する手は,被験者が作業時にナイフを持つ手ではない方とする。 

握り円柱が,ほぼ被験者の腰の高さになるように装置を調節する。被験者の前腕と上腕との角度が約

120°にならなければならない。各被験者は4種類の連続した試験ユニットを実行する。この試験は二つの

試験セット,表A.1に示す素手及び手袋の着用によって行う。 

表A.1−試験の構成 

試験円柱の状態 

試験セット 

素手 

手袋着用時 

ドライ 

試験ユニット1:素手,ドライ円柱 

試験ユニット3:手袋着用時,ドライ円柱 

潤滑油塗布 

試験ユニット2:素手,潤滑油塗布円柱 

試験ユニット4:手袋着用時,潤滑油塗布円柱 

各被験者は,表A.2に示す順番で,試験を実施する。 

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T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2−各被験者の試験ユニット順序 

被験者の実施手順 

試験ユニット実施順序 

1回目試験 

2回目試験 

3回目試験 

4回目試験 

実施手順A 

試験ユニット1 

試験ユニット3 

試験ユニット2 

試験ユニット4 

実施手順B 

試験ユニット3 

試験ユニット1 

試験ユニット4 

試験ユニット2 

実施手順C 

試験ユニット1 

試験ユニット3 

試験ユニット4 

試験ユニット2 

実施手順D 

試験ユニット3 

試験ユニット1 

試験ユニット2 

試験ユニット4 

被験者には,実施手順を無作為に割り当てる。ある被験者がある試験ユニットを完了できなかった場合

は,それ以降は順番を繰り上げて続行する。 

ドライ円柱ユニットについては,円柱に潤滑油を塗布してはならず,また,乾燥していなければならな

い。潤滑油塗布円柱については,握り部分に潤滑油を十分に塗布する。 

各試験ユニットに対し,被験者は,表A.3に示す手順に従う。 

表A.3−試験ユニットの手順 

順番 

動作 

被験者は,楽な姿勢で台の前に立ち,ナイフ側の手をハンドレスト上に置き,反対の手で握り,
円柱を軽くつかむ。 

5秒未満で最大荷重(表A.4参照)に達するように引っ張る。 

荷重を,表A.4に規定する保持力まで緩めて,その状態を最低10秒間維持する。 

引張りを停止する。被験者は,握りを緩めてその手を握り円柱から離し,30±5秒間休止する。 

順番1から4までを,更に,5回繰り返し,合計6回とする。 

被験者の手及び手袋サイズによる最大荷重及び保持力を,表A.4に示す。 

表A.4−グリップアンドプルテストに加える力 

手及び手袋サイズ 

最大荷重 

保持力 

6以下 

150 

 60 

7及び7 1/2 

200 

 80 

8及び8 1/2 

250 

100 

9以上 

300 

120 

各試験ユニットの後に,表A.5に示すように動作を行うときに自覚された手の緊張感及び疲労感に対し

て一つの“試験ユニット評点”を直ちに宣言する。 

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T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.5−各試験ユニットの採点基準 

試験ユニット 

評点 

採点基準 

問題なし。 
緊張感も疲労感もない。 
手又は手袋の滑りはない。 

僅かな緊張感又は負担感がある。 
5回目終了まで,又は6回の繰返しで疲労感を知覚する。又は若干の手若しくは手袋の滑りが
ある。 

動作を完遂するために顕著な緊張感がある。 
3回目又は4回目の途中で疲労感を知覚する。又は顕著な手若しくは手袋の滑りがある。 

動作を完遂するために重大な緊張がある。又は6回目の繰返し未完遂。 
順番4の休止時間では,回復のために不十分と感じる。又は制御不可能な手若しくは手袋の滑
りが発生。 

ドライ又は潤滑油塗布の円柱を用いた一連の試験が終了した後に,各被験者は各試験ユニットに対して,

同じ条件下での手袋着用試験と比較して,素手試験での“比較評点”(表A.6を参照)を直ちに宣言する。

判定者は,被験者が手袋の性能に関して表明した事項を全て記録する。 

表A.6−各比較試験セットの採点基準 

比較評点 

採点基準 

二つの条件が,素手又は手袋着用時で同じように感じられた場合(例 2と2と),若しくは2回
目の試験セット(手袋着用時)の方が,最初のもの(素手)よりも少ない労力しか要しなかった
場合(例 2と1と又は3と2と) 

2回目の試験セット(手袋着用時)の方が,最初のもの(素手)よりも顕著な労力を要した場合 
(例 1と2又は1と3と) 

2回目の条件(手袋着用時)の方が,最初のもの(素手)よりはるかに大きな労力を要し,より疲
労感があった場合(例 1と4と) 

“比較”試験セットの評点を,各試験セット及び各被験者に対して単一の“試験ユニット評点”に加え,

さらに,4名の被験者全員について測定した手袋の各試験セットの測定合計を加える。手袋着用時の合計

評点は,試験セットの評点の差で表す(B−A,表A.7を参照)。 

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T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.7−総合評点算出の例 

試験 

セット 

試験ユニット: 
握り円柱の状態 

評点 

各試験
セット
の合計 

被験者1 

被験者2 

被験者3 

被験者4 

S a) 

C b) 

S a) 

C b) 

S a) 

C b) 

S a) 

C b) 

A: 

素手 

試験ユニット1: 
ドライ 

23 

試験ユニット2: 
潤滑油塗布 

B: 

手袋 

着用時 

試験ユニット3: 
ドライ 

35 

試験ユニット4: 
潤滑油塗布 

手袋着用時の合計評点(B−A) 

12 

注a) S=単一試験評点 

b) C=比較試験セット評点 

この試験で評価したとき,手袋着用時の合計評点が8以下の場合,手袋が非常に良好な人間工学的特性

をもつことを示す。 

手袋着用時の合計評点が9〜13の場合,手袋を使用すると多少,人間工学的阻害要素があることを示す。

判定者が作成する記録において,手袋の快適さ又はフィット性に伴う重大な問題を被験者が示唆しない限

り,手袋は容認される。 

手袋着用時の合計評点が14〜19の場合,手袋を使用すると重大な人間工学的阻害要素があることを示す。

そのような手袋は,被験者が快適さ及びその他の問題を報告しなかった場合にだけ容認される。 

20以上の合計評点の手袋は,不合格とする。 

その他の被験者は,試験から離脱する被験者の後任を務めなければならない。後任者は,同じサイズの

手である人が望ましい。手袋の形態が被験者を傷つける可能性があると思われた場合は,試験を中止する。 

試験の数値結果及び記述結果は,手袋の適正を宣言するものであり,試験報告書に記録する。 

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T 8121-2:2018  

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記号 

1 引張荷重表示器 

l1 

円柱終端の作業台前縁からの距離 150±10 mm 

2 作業台 

l2 

円柱の握り部分長さ ≧150 mm 

3 高さ調節 

l3 

円柱中心線の作業台面からの高さ 120±10 mm 

4 円柱の握り部分 

l4 

荷重による引張りでの円柱の最大移動 ≦50 mm 

5 円柱支え具 

l5 

ハンドレストの厚さ ≧80 mm 

6 握り円柱 

l6 

ハンドレストの長さ ≧300 mm 

7 ハンドレスト 

l7 

ハンドレストの作業台前縁からの距離 300±20 mm 

8 作業台前縁 

d1 円柱の直径 30±1 mm 

図A.1−グリップアンドプルテスト装置 

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17 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 8121-2:2018 防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護す
るための手袋及びアームガード−第2部:鎖かたびら以外の材料からなる手袋及
びアームガード 

ISO 13999-2:2003,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts 
and stabs by hand knives−Part 2: Gloves and arm guards made of material other than 
chain mail 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格  

4 要求事項 4.1 手袋,アームガ

ード及び防護スリ
ーブの防護範囲 

4.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

分かりやすくするために,図を追
加して説明(4.1.3及び4.1.4の説
明に対応)した。 

実質的差異はない。 

4.3 材料の性質 

4.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

感作性の知られている物質が含ま
れる場合の表示とアレルギーが引
き起こされた場合の警告を表示。 

ISO規格の要求するアレルギーを
起こす可能性のある物質を全て挙
げるのは困難であるため変更した。 

5 試験装置  

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格の5.1を削除。 
5.2 衝撃切創試験装置をJIS T 
8121-3とした。 
5.3 切創抵抗試験装置をJIS T 
8052とした。 

前後の記述から5.1は不要。 
試験に用いる刃の規定への追加な
どを除きISO規格とほぼ同等であ
る。 
詳細は,各JISを参照。 
いずれも実質的差異はない。 

6 試験方法  

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格の6.1(測定の不確かさに
関わる項目)を削除した。 
6.1 前処理の水洗い方法をJIS L 
1930,ドライクリーニング方法を
JIS L 1931-2とした。 
6.5 衝撃切創試験方法をJIS T 
8121-3とした。 
6.6 切創抵抗試験方法をJIS T 
8052とした。 

JISとして国内での使用を前提と
するので,左記項目に関わる試験・
測定方法は,JISによるとした。 
また,測定の不確かさに関わる項目
は実用的な規格にはなじまないの
で削除した。ISO規格にも提案す
る。 
いずれも実質的差異はない。 

3

T

 8

1

2

1

-2

2

0

1

8

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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18 

T 8121-2:2018  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 試験報告
書 

JISとほぼ同じ 

変更/ 
追加 

ISO規格をJISに変更。 
e) を分かりやすくするためA.2に
記された項目であることを追記。 

ISO規格との本質的差異はない。 

8 表示 

JISとほぼ同じ 

変更 

取扱いラベルをJIS L 0001に変
更。 

JISとして国内での使用を前提と
するので,ケアラベルは,JISによ
るとした。実質的差異はない。 

9 使用者の
ための情報
及び使用に
ついての指
示 

JISとほぼ同じ 

追加 

h) を分かりやすくするため,“金
属片,ガラス”を追記。 

Annex A 試験結果−測定の不確

かさに関する附属書 

削除 

附属書を削除した。 

ISO規格のAnnex Aは,Annex Bの
誤記。 
6.1とともに削除することをISO規
格へ提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13999-2:2003,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

T

 8

1

2

1

-2

2

0

1

8

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。