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T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

(1) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 13999-1:1999,Protective clothing

−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by hand knives−Part 1: Chain-mail gloves and arm 

guardsを基礎として用いた。 

また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

産業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS T 8121-1には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定)選定した手袋サイズのカラーコード 

附属書B(参考)手及び上肢のサイズ,防護手袋及びアームガードのサイズ 

附属書C(参考)アームガードに使用するプラスチックの選択に関する勧告 

附属書D(参考)快適さと防護を与える手袋及びアームガードの選択 

JIS T 8121の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS T 8121-1第1部:鎖かたびら手袋及びアームガード 

JIS T 8121-3第3部:布はく,皮革及びその他の材料の衝撃切創試験 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 2 

4. 要求事項 ························································································································ 2 

4.1 手袋及びアームガードの防護表面領域の寸法 ······································································ 2 

4.2 構造 ···························································································································· 4 

4.3 引張強さ ······················································································································ 5 

4.4 刃の突刺し抵抗 ············································································································· 5 

4.5 材料の性質 ··················································································································· 5 

5. 試験装置 ························································································································ 5 

5.1 目視検査 ······················································································································ 5 

5.2 公差 ···························································································································· 5 

5.3 引張強さ試験装置 ·········································································································· 5 

5.4 突刺し試験装置 ············································································································· 5 

5.5 すき間ゲージ ················································································································ 6 

5.6 点検棒 ························································································································· 6 

5.7 そで(袖)口及び前腕アームガードの圧縮した状態での長さを測定するための試験アーム ··········· 6 

6. 試験手順 ························································································································ 7 

6.1 目視検査 ······················································································································ 7 

6.2 寸法及び質量の測定 ······································································································· 7 

6.3 すき間の寸法の試験 ······································································································· 8 

6.4 引張強さ試験 ················································································································ 9 

6.5 突刺し試験 ··················································································································· 9 

6.6 洗浄温度でのプラスチック製アームガードの物理的安定性の試験··········································· 10 

7. 表示 ····························································································································· 10 

8. 使用者のための製造業者の提供情報 ··················································································· 10 

9. 図記号 ·························································································································· 11 

附属書A(規定)選定した手袋サイズのカラーコード ································································ 18 

附属書B(参考)手及び上肢のサイズ,防護手袋及びアームガードのサイズ ·································· 23 

附属書C(参考)アームガードに使用するプラスチックの選択に関する助言 ·································· 33 

附属書D(参考)快適さと防護を与える手袋並びにアームガードの選択 ········································ 35 

日本産業規格          JIS 

T 8121-1:2005 

(ISO 13999-1:1999) 

防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを

防護するための手袋及びアームガード−第1部:鎖

かたびら手袋及びアームガード 

Protective clothing-Gloves and arm guards protecting against cuts and 

stabs by hand knives-Part 1:Chain-mail gloves and arm guards 

序文 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 13999-1,Protective clothing−Gloves and arm 

guards protecting against cuts and stabs by hand knives−Part 1: Chain-mail gloves and arm guardsを翻訳し,技術

的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

突刺しに対してある程度の防護を与える鎖かたびら手袋及び金属製又はプラスチック製アームガードは,

ナイフが使用者の手及び前腕に向けて動かされる作業の局面において使用される。また,突刺しに対する

防護手袋及びアームガードは,プラスチック,皮革,布はく及び製紙工業,並びに床張りなどの作業でハ

ンドナイフを用いて作業する人に,十分な防護を与える。 

この規格で規定される試験は,条件において厳しく,ある場合には製品を十分に試験するためにそれを

破壊すべき試験として意図されていることに注意しなければならない。この規格では厳しい要求事項にな

っているが、通常使用の条件でナイフが手袋又はアームガードを貫通してしまうことを意味するものでは

ない。 

この規格の原案作成においては,その規定の遂行が適切な資格と経験とをもつ人々にゆだねられている

ことが想定されている。この規格は,そのような人々を指導するために作成されている。規定される装置

は,適切な能力をもつ人だけが使用する。また,この規格を適用する場合には操作員及び他の人体の傷害

を防ぐための,合理的に実行可能な安全上の保護措置を講じなければならない。 

1. 適用範囲 この規格は,手袋及びアームガードの設計,刃の突刺し抵抗,人間工学上の特性,ストラ

ップ,質量,材料,表示並びに情報に関する要求事項について規定する。また,適切な試験方法も規定す

る。 

a) この規格は,ハンドナイフとともに使用される鎖かたびら製防護手袋,並びに金属製及びプラスチッ

ク製アームガードに適用する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 13999-1:1999,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by hand 

knives−Part 1: Chain-mail gloves and arm guards (IDT) 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。 

JIS T 8120:2005 防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するためのエプロン,ズボ

ン及びベスト 

備考 ISO 13998:2003 Protective clothing−Aprons, trousers and vests protecting against cuts and stabs 

by hand knivesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

解剖学用語 定義する用語及び記号を,図1に示す。 

3.1.1 

手指(digit) 手の最終部分の一つ。 

備考 図1では,(1)親指から(5)小指に向かって番号が付けられている。この規格では,この番号は特

定の指を意味する。 

3.1.2 

手首(wrist) とう(撓)骨手根関節。 

備考 手首のレベルの表面標識をするために“手のひら”の表面を上にして,手及び前腕をリラック

スして伸ばしておく。手の背面表面に向かって位置している尺骨の茎状突起を触診するために,

図1の矢印の方向に指の先をしっかり押さえる。触診した尺骨の茎状突起の横切ったレベルに

印を付ける。このレベルの中央に近い10 mmの平面が手首のラインである。皮膚のしわが手首

のレベルの十分なガイドではないことに注目する必要がある。 

3.2 

防護服(clothing) 定義された用語及び記号を,図2に示す。 

3.2.1 

手袋(glove) 手の全面をカバーするもの。手首まで広がる防護材料をもち,各指を別々にカバーす

る[図2のa)参照]。 

3.2.2 

短そで(袖)手袋(short-cuff glove) 連続的に防護材料を用いた,手首に最も近いところの長さがA

である手袋[図2のb)参照]。 

3.2.3 

長そで(袖)手袋(long-cuff glove) 恒久的に固定しているが,前腕をカバーしている柔軟な長さB

のそで(袖)口をもつ手袋。カバーする範囲は,ひじ(肘)を90°の角度に曲げたときの上腕部表面からの

距離がCである点までである[図2のc)参照]。 

備考 gauntletを“長そで(袖)手袋”の同義語として使うのは正しくない。 

3.2.4 

アームガード(arm guard) 前腕をカバーする防護具。 

備考 手袋に恒久的に装着されているか又は使用中に特殊な長さD[図2のd)参照]のそで(袖)の

ついた手袋に保持されるものであってもよい。ひじ(肘)を90°の角度に曲げたときの上腕部表

面からの距離がCである点まで広がっている。 

3.2.5 

アームガード及び手袋の組合せ 適合し,かつ,手首からの全体の長さがBである手袋に正しく装

着,着用されているアームガード[図2のc)及び図2のd)参照]。 

3.2.6 

長尺アームガード(long arm guard) 前腕部及び上腕部にまでわたる防護具。 

備考 使用中適切な位置に残るように身体又は衣類に保持しなければならない[図2のe)参照]。 

4. 要求事項  

4.1 

手袋及びアームガードの防護表面領域の寸法  

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

4.1.1 

一般 手袋の防護領域は,6.1.4によって評価する。 

手袋並びにアームガードの寸法,サイズ表示及び適合の詳細については,附属書A,附属書B及び附属

書Dを参照。 

4.1.2 

手袋 手の全面を手首まで防護するために,五指の手袋を設計する。手袋の着脱を容易にするため

に手のひらの尺骨面上にスリットを設ける以外には,防護領域は,連続している。手首ストラップを使用

するときは,スリットはチェーンを重ねることによって閉じる。 

4.1.3 

短そで(袖)手袋 短そで(袖)手袋は,指の先端から長さA[図2のb)参照](手首に最も近い

位置で75 mm以上)の位置までを連続的に防護するように設計する。開口部を固定して,6.2.2によって測

定する場合に縮めたときの最小長さは75 mm,縮めたときの長さと伸ばしたときの長さとの差は20 mm未

満とする。又は開口部を身体の上部,上肢,若しくは衣類に取り付けて,使用するとき最小要求防護領域

を確保するものとする。 

4.1.4 

長そで(袖)手袋 長そで(袖)手袋は,指の先端から手首,更に,前腕にわたる部分を連続的に

防護するように設計する。防護領域の近位端は,上腕部表面からの距離がC[図2のc)及び2のd)参照]

となる位置とする。この距離は,ひじ(肘)を90°の角度に曲げたときに75 mm以下とする(附属書B参

照)。 

長そで(袖)手袋の開口部を固定して,開口部を縮めた状態で6.2.2によって測定する場合に防護領域が

最小防護領域以上になるものとする。又は開口部を身体の上部,上肢,若しくは衣類に取り付けて,使用

するときに最小要求防護領域が確保されるものとする。 

4.1.5 

手袋のサイズ 手袋には,設計上適合すると想定される手のサイズに基づいて,サイズを表示する。

又は附属書A及び附属書Bに示す手袋の寸法に適する,カラーコードを付けたストラップによって表示す

る。 

4.1.6 

アームガード及び手袋の組合せ アームガード,並びにアームガード及び手袋の組合せの防護領域

は,6.1.4によって評価する。 

4.1.6.1 硬質アームガードの防護領域 アームガードは,手及び前腕を連続的に防護するように設計する。

アームガードは,前腕を互換式手袋の開口部からカバーする。防護領域の近位端は上腕部表面からの距離

がC[図2のc)及び2のd)参照]となる位置とする。この距離は,ひじ(肘)を90°の角度に曲げたときに

45 mm以上75 mm以下とする(附属書B参照)。アームガードは,手袋の開口部に取り付けるか,又はそ

れによって適当な位置を保持する。 

4.1.6.2 

鎖かたびらアームガードの防護領域 鎖かたびらアームガードを固定して,アームガードを縮め

た状態で6.2.2によって測定する場合に防護領域が最小防護領域以上になるものとする。又はアームガー

ドを身体の上部,若しくは上肢,又は衣類に取り付けて,使用するとき最小要求防護領域が確保するもの

とする。 

4.1.6.3 

長尺アームガードの防護領域と取付け 長尺アームガードは,手及び前腕を連続的に防護するよ

うに設計する。アームガードの近位端は,正しく調整した場合に装具がずれて前腕が露出しないように設

定する。 

4.1.6.4 

そで(袖)口(Cuffs) 手袋の開口部及びアームガードの防護領域が重なる部分の長さは,8 mm以

上とする。互換式手袋の開口部は,固いチェーンで構成し,その縮めた状態での長さはD[図2のd)参

照],すなわち,30 mm以上とする。6.2.2によって測定する場合にそで(袖)口の伸ばしたときの長さと

縮めたときの長さとの差は,20 mm以下とする。 

備考 手首の側面だけが固定されている場合は,手首を曲げる動作は妨げられない。 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

4.1.6.5 

プラスチック又は他の硬質材料で作られるアームガードの形状 プラスチック又は他の平滑な

材料で製造されるアームガードは,近位端でナイフ刃を止めるように設計する。形状の例を図3に示す。

寸法は,次による。 

6 mm <l1 <15 mm 

2 mm <l2 <6 mm 

l3 > 1.5 mm 

防護領域は,アームガードの周囲の角度300゜以上の領域とする。着用されたときに,防護されていな

い弧状部分が必ずひじ(肘)の先端に向いた前腕の外側となるように,アームガードを設計する。 

参考 具体的には,前腕部の前面(手掌)側が防護される構造を意味する。 

アームガードは,硬質材料で作られた巻き上げられた板によって構成し,重なる縦方向の接合部をもつ

場合は,自由端の重なる部分の長さはアームガード全体の長さについて30 mm以上とする。 

4.1.6.6 

アームガード及び長そで(袖)手袋のサイズ アームガードは,ミリメートル単位での最小長さ

又は縮めた状態での長さを,そのサイズとする(6.2.2参照)。 

上肢,アームガード及び長そで(袖)手袋のサイズに関する情報については,附属書B参照。 

4.2 

構造  

4.2.1 

鎖かたびら手袋 鎖かたびら手袋は,内径3.2 mm以下のリングによって製造する。チェーン板は,

4個のリングが各リングを貫通するように構成する。 

4.2.2 

すき間の寸法 チェーンリングのすき間,又は他の手袋及びアームガードの防護面における構成部

分のすき間寸法は,5.5に規定する6.0 mm幅ゲージNo.1が6.3に規定する方法によって適用するときにそ

れらを貫通しないように決める。 

チェーンリングのすき間,又は他の手袋及びアームガードの防護面における構成部分のすき間寸法は,

5.5に規定する4.0 mm幅ゲージNo.2が6.3に規定する方法によって適用するときに,次に挙げる位置以外

ではそれらを貫通しないように決める。 

4.0 mmゲージNo.2が防護材料を貫通してもよい位置は,次による。 

a) 第2指と第3指との間,第3指と第4指との間,及び第4指と第5指との間のそれぞれのまた内にあ

る,3か所以下。ゲージNo.2は,第1指と第2指との間の点を貫通してはならない。 

b) 各指の側面上及び内面上並びに指先端上の縫合部の8か所以下。 

4.0 mmゲージが手袋表面を貫通し得る位置は,図4による。 

4.2.3 

ストラップ 手袋には,幅18 mm以上の調整可能な手首ストラップを付ける。ストラップの長さ

は,連続的に調整可能とする。ストラップは,離脱開閉具,例えば,ばね入りのスタッド付き締め具によ

って固定する。開閉具の固定部分は,ストラップの手首背面上の,中心から10 mm以内(附属書A表1及

び附属書A図1の寸法l10±10 mmの中心)とする。ストラップが締め付けられているときは,ストラップ

を手袋又はアームガードから取り外すことはできないものとする。ストラップは,そで(袖)口に取り付

けるか,又はループを通す。意図した場合以外にストラップから開閉具を取り外すことはできないものと

する。 

アームガードの上のストラップはすべて同様の構造をもつものとする(附属書Dの,ストラップの長い

自由端を参照)。 

備考 締め具を開くために要求される力は,手袋の使用が想定されている作業中に締め具に加えられ

るかもしれない偶発的な力を超えることとする。 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

4.2.4 

質量 手袋及びアームガードは,単位面積当たりの質量が4 kg/m2未満である材料によって製造す

る。試験は6.2.3によって行う。 

4.3 

引張強さ  

4.3.1 

鎖かたびら 6.4.1によって試験するとき,100 Nの力を加えたときリング,リンク又は板の破断若

しくは開口を生じることがあってはならない。 

4.3.2 

アームガードの取付け 互換式手袋とともに着用されるとき,アームガードはしっかり適切な位置

に保持する。取付具は,6.4.2に規定のひじ(肘)に向けてアームガードに加えられる150 Nの力に耐えなけ

ればならない。 

スタッド又は同様の個別締め具によって取り付ける場合には,5個以上を使用する。これらの締め具は,

接合部の周囲におよそ均等に分散させる。 

4.4 

刃の突刺し抵抗(Penetration resistance)  

4.4.1 

一般 手袋又は組合せの突刺し抵抗は,防護面全体[手袋とそのそで(袖)口又は附属するアーム

ガードとの接合部を含む。]にわたって与えられる。 

4.4.2 

鎖かたびら手袋そで(袖)口,鎖かたびらアームガード及び金属板を含む同種のアームガード 防

護は,防護面全体(他の構成部分又は材料との接合部を含む。)にわたって与える。試験は,6.5.1によって

行う。平均刃の侵入深さは,10 mmを超えてはならない。また,刃の単一突刺し深さは,17 mmを超えて

はならない。 

4.4.3 

プラスチック又は金属で製造された硬質アームガード 試験は,6.5.2によって行う。刃の平均突

刺し深さは,12 mmを超えてはならない。また,刃の単一突刺し深さは,15 mmを超えてはならない。 

4.4.4 

硬質アームガードの取付け 互換式手袋のそで(袖)口のアームガードへの取付け領域の試験は,

6.5.2の原理によって行う。刃の平均突刺し深さは,12 mmを超えてはならない。また,刃の単一突刺し深

さは,15 mmを超えてはならない。 

4.5 

材料の性質  

4.5.1 

一般 防護服は,通常の使用者に対して短期的又は長期的な傷害を与えることが知られている材料

によって構成しなくてはならない。防護服は,傷害を与える粗いか又は鋭利な表面をもたないものとする。

防護服は,その通常の耐用年数中に製造業者の指示によって洗浄され,かつ,殺菌されたときに,その防

護性質を失わないものとする。 

4.5.2 

洗浄温度の安定性 ある品目を害しない最高洗浄温度をそれに付記する。この温度が82 ℃未満で

あれば,品目上に表示する。プラスチック製アームガードの安定性の試験は,6.6によって行われる。いか

なる寸法の変化も,10 %を超えてはならない。また,試験の後で4.1.6.5に示す範囲を外れる寸法であっ

てはならない。 

5. 試験装置  

5.1 

目視検査 目視検査は,適切な能力をもつ人が必要な光源及び補助拡大器具を用いて行う。 

5.2 

公差 他に規定しない限り,寸法は公差± 2 %をもつ中心値とする。 

5.3 

引張強さ試験装置 引張強さ試験装置は,おおむねJIS T 8120に規定するものとする。ただし,リ

ング内に挿入する金属ロッドは,より狭いロッドをリングに通す必要がない限り1.2±0.1 mmとする。ま

た,加える力は100 Nまでとする。 

5.4 

突刺し試験装置  

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

5.4.1 

一般 突刺し試験装置は, JIS T 8120の規定に準じるものとする。ただし,5.4.2及び5.4.3に示

す,鎖かたびら試料及び硬質アームガードを支持する構成部品を付加するものとする。 

5.4.2 

鎖かたびら試料 120±10 mm × 120±10 mm大の長方形の手袋チェーン又はアームガードチェ

ーンの試料を切り取る。硬質鋼製ロッドを試料の各側面上のリングに通し,各側面の端の約10 mm(リン

グ3個又は4個)の部分を支持しない状態とする。 

模擬肉上に置かれた試料に,4個の400 gの分銅によって張力を加える。分銅1個を各側面の中心にクリ

ップと糸によって取り付ける。糸は,水平面から約30°の角度で下傾し,内径800 mm以上の輪ごしに分

銅まで掛けわたされる。手袋又はアームガードは,外面が上向きになるように置く。 

試験試料におけるすべての構造特徴を表す,次の種類の試料を試験する。 

a) 4リング連鎖平形チェーン 

b) 試料の中央で縫合部によって接合された4リング連鎖平形チェーンの試料。手袋又はアームガードで

使用するすべての縫合部の種類を表す試料を試験する。縫合部には,4.0 mmプローブがチェーンを貫

通できる点が含まれないものとする。 

c) リングの独立した動きを妨げるプラスチック母材によってリングが被覆されているか,又は囲まれて

いるチェーンの試料 

5.4.3 

硬質アームガードの固定 プラスチック製又は他の硬質アームガードに,ポリエチレン袋に入れた

精米された生米を詰める。袋は,揺さぶり,振動させて形を整える。袋は,テープで形状を固定し,アー

ムガードも袋の周囲にきつくテープ付けして,試験中に動きが生じないものとする。袋を詰めたアームガ

ードを模擬肉に押し付け,その下面が完全に支持されるものとする。図5に示すように,アームガードを

トレー上に接着テープで固定する。 

米が十分に密に詰められていない場合は,アームガード全体が変形し,衝撃エネルギーは弾性的に吸収

される。ナイフ及びブロックがはね返り,アームガードが静止状態の形状に戻ることがある。このため,

米を密に詰めることが重要である。 

5.5 

すき間ゲージ すき間ゲージは,厚さ1±0.05 mmの鋼板製とする。ゲージNo.1は,幅6±0.1 mm,

長さ50 mm以上とする。図6によって,ゲージは先端角60±5°で先細とする。ゲージNo.2は,幅が4±

0.05 mmであることを除いてはゲージNo.1と同一とする。ゲージは,ハンドルなどで支持し,ゲージの長

軸に沿って加わる力を10±0.5 Nに制限するものとする。 

5.6 

点検棒(blant probe)  6.1.4の試験項目に用いる防護領域を検査するための点検棒は,直径6±0.5 

mmの金属軸で,平滑なおよそ半球形の端部をもつものとする。 

5.7 

そで(袖)口及び前腕アームガードの圧縮した状態での長さを測定するための試験アーム 試験ア

ームは,ワニス木材,金属又は硬質プラスチックなどの硬質の研磨された材料によって製造する。寸法は,

表1による。形状を図7に示す。 

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T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

表 1 試験アームの寸法 

単位 mm 

寸法a) 

試験アーム番号 

l1 

手袋の袖又はアームガードが伸びきっていない状態
の寸法(図7参照) 

l2 

60 

60 

60 

60 

L3 

100 

100 

100 

100 

l4 

60 

60 

60 

60 

l5 

20 

20 

20 

20 

l6 

15 

15 

15 

15 

d1 

80 

85 

92 

100 

d2 

80 

85 

92 

100 

d3 

50 

56 

63 

70 

d4 

45 

50 

55 

60 

d5 

45 

50 

55 

60 

D6 

75 

80 

85 

90 

注a) 寸法は,図7に示す。 

6. 試験手順  

6.1 

目視検査  

6.1.1 

鎖かたびら 欠損したリング,閉じていないリング,及び使用者の皮膚をすりむく可能性がある粗

い溶接部がないかチェーンの全表面を検査する。すべての縫合部,及び縫合部中のリングの連鎖を検査す

る。取付具に鋭利な端部があるか,締め具の使用が容易,かつ,確実であるか,及び手袋を着用するとき

にストラップの長い自由端がないかを判定するために,手で試験する。チェーンが不透明なストラップ又

は取付具内で接合されている場合は,チェーンを露出して上記の検査を行う。検査結果を記録する。 

6.1.2 

硬質アームガード すべての表面,端部及び取付具を検査する。鋭利な端部,表面のひび,又は端

部及び取付穴周辺の小さなき裂がないかを判定する。全体の形状が適切であるかを判定し,検査結果を記

録する。 

6.1.3 

組付け アームガードの互換式手袋への取付けを検査する。アームガードと手袋との間のすき間の

向き,及び組付けの適合性を判定する。使用中に予想しない外れが生じないかを判定する。検査結果を記

録する。 

6.1.4 

防護領域の検査 使用者のための製造業者の情報に基づいて決定された適切な寸法をもつ被験者

に試験試料を着用させ,正しく調整する。手,手首及び前腕の防護領域についての4.1.2,4.1.3,4.1.4,4.1.6.1,

4.1.6.2,4.1.6.3及び4.1.6.4の要求事項について試験する。試験は,測定,及び5.6に規定する傷害を与え

ない点検棒の挿入を試みることによって行う。 

発見されたすべてのスリット,すき間又は重なりに点検棒を適用する。点検棒は,下側の皮膚に対して

0°〜 45°の角度,及び上肢にまっすぐに沿う角度から,上肢の内側から横側への向きに対して90°まで

の角度をなすものとする。点検棒を最大4 Nの力を加えて緩やかに移動させ,進入角を変化させて,試験

試料を貫通するか確認する。貫通した場合は,すべて防護領域の間げきとして記録する。検査結果を記録

する。 

6.2 

寸法及び質量の測定  

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T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

6.2.1 

手袋の寸法の測定 手袋を平らに置き,適切なゲージ(附属書A参照)を手袋の指に挿入してその

長さを測定する。残りの規定されている寸法も測定する。手袋の湾曲部を考慮に入れる(附属書A参照)。

結果,公称サイズ及び表示との対応を検査する。測定結果を記録する。 

6.2.2 

そで(袖)口,そで(袖)口及びアームガード,並びにアームガードの縮めた状態及び伸ばした状

態での長さの測定 そで(袖)口及びアームガード,又はアームガードの最大長さ(伸ばした状態での長

さ)を,末端からつり下げられ,質量によって自由に垂れている状態で測定する。測定すべき寸法は,図

2に示す適切な寸法A,B又はDに対応する。測定は5回行う。測定と次の測定との間に,試験試料を下

から持ち上げて圧縮し,その後ゆっくりと放して,再び自由に垂らす。 

5.7に規定する試験アーム上の同一品目の縮めた状態での長さを測定する。試験試料上に表示されてい

る製造業者のサイズによって,適切な試験アームを選択する。試験試料は試験アームの回りに緩く取り付

ける。取り付けが緩くない場合はより小さいサイズのアームを用いなければならず,取り付けが緩すぎて

試験試料の通常の使用には許容できない場合はより大きなアームを用いる。表2に試験アームの選択につ

いての指針を示す。 

表 2 適切な試験アームの選択 

試験アーム番号 

適切な試験アームに取り付けて標準的に試験される手袋サイズの範囲 

61/2まで 

   61/2から81/2 

  81/2から10 

 10を超え 

備考 同じ手袋に適合するアームガードが異なるサイズで供給される。認定されたアームガードサイズ

体系はないので,この表は,手袋サイズに基づいている。この表は,目安であってアームガード
の径は,着用者の筋骨の状態に依存するが,前腕の筋骨状態は,必要とする手袋サイズには,反
映されない。 

試験試料を試験アームに取り付けて,ストラップを調整する。図7のa) に示すように,手首ストラップ

は試験アームの広げた部分の上に垂直に位置する。試験アームは垂直につるす。図7のa) に示すように,

質量500±10 gのリングを試験試料の上端(着用されたときの近位端)に付ける。図2に示す適切な寸法

A,B又はDに対応する,試験試料の圧縮した状態での長さを測定する。測定は5回行う。測定と次の測

定との間に,試験アームの上下を逆にして試験試料が十分に広がるようにする。試験アームを再び直立方

向に戻した後,リングを付ける前に,試験試料が垂れて自然な位置を取るようにする。 

試験試料を広げた状態での長さの平均値,及び圧縮した状態での長さの平均値を記録する。 

6.2.3 

上肢アームガード,そで(袖)口及び広げたそで(袖)口,並びに手袋の単位面積当たりの質量の

測定 試験試料の製造に用いられる防護材料の試料の長さ寸法を測定する。試料の質量を量り,各材料の

単位面積当たりの質量を算定する。 

6.3 

すき間の寸法の試験 5.5に規定するゲージを用いて,手袋又はアームガードの金属若しくはプラス

チック部品の間のすき間を検査する。10±0.5 Nの力を加えて,ゲージをすき間に押し付ける。試験中にゲ

ージが進入するにつれて材料が折れ曲がる場合は,これを許容してもよい。それぞれのリング連鎖の組合

せ又は板の組合せに関連するすき間の各種類について,5例を試験する。プラスチック,ゴム,粘弾性材料

若しくは他の材料によってカバーされているか又は充てんされている場合も,そのような組合せを試験す

る。 

最初は,ゲージNo.2によって試験する。ゲージがいずれかのすき間を貫通した場合は,すべてのそのよ

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

うなすき間の位置を確定,表示し,かつ,記録する。それぞれのすき間を,ゲージNo.1を用いて試験する。 

ゲージが防護材料を貫通したすべての例及び位置を記録する。 

6.4 

引張強さ試験  

6.4.1 

鎖かたびら 使用する装置の校正,又は装置が加える力を検査する。1対の連鎖したリング,又は

板の対向する側面上にある1対のリング,又は同様のリンクに金属ロッドを固定する。リングを引き離す

力を円滑に,かつ,徐々に加えて,2分〜10分の時間内に0 Nから100 Nまで増加させる。損傷を受けて

いない手袋又は鎖かたびらアームガードに対して,無作為に選んだ位置で50回の試験を行う。縫合部内の

1対のリングに対して25回の試験を行う。100 N未満の力によってリング若しくは板が開口又は破断した

例があればその例をすべて記録する。破断が生じたときに加えられた力を報告しなくてもよい。 

6.4.2 

アームガードの取付け 互換式手袋に取り付けられたアームガードを,適切な義前腕及び義けん

(拳)上に置く。30 〜 60秒にわたって150 Nの力を加え,前腕軸に沿ってアームガードを手袋から離れる

方向に引く。試験結果を記録する。 

6.5 

突刺し試験(Penetration testing)  

6.5.1 

鎖かたびら及び鎖かたびらと金属板との組合せ 突刺し試験は,JIS T 8120に準じる。ただし,公

称落下高さは250 mmであり,試験は必ず試料を水平面上に置いて行う。縫合部を含む試料は,ナイフの

衝撃を縫合部に沿って様々な向きに加えることによって試験する。被覆されているか又は囲まれているチ

ェーンを含む試料は,被覆されているか又は埋め込まれている領域で試験する。すべての結果を記録し,

刃の平均侵入深さを算定し,刃の最大侵入深さを注記する。 

6.5.2 

硬質アームガード 次に規定する場合を除いて,使用前に装置及び米を詰めたアームガードを20 

±2 ℃で24時間保存する。必要であれば,模擬肉を詰めたトレーを保存する(JIS T 8120参照)。 

公称落下高さは,プラスチック製アームガードの試験については500 mm,金属性アームガードについて

は250 mmとする。距離は,ナイフの先端から衝撃点までを測定する。電磁投下機構の高さを適宜調整す

る。油を塗布した鋭利な試験刃を用いて,アームガードの上面中心線に沿った位置で10回の突刺し試験を

行う。衝撃の間にアームガードを刃に対して徐々に,かつ,横向きに約35°回転させる。衝撃位置は,相

互に作用してはならず,かつ,アームガードの外側90°内(使用される前腕の外側で,しばしばアームガ

ードの自由端が重なる領域)にあってはならない。衝撃位置は,アームガードに沿って2列に並べる。ア

ームガードは,一連の衝撃と次の一連の衝撃との間に長軸の回りに回転されるので,衝撃は,常に上面中

心線に沿って加えられることになる。列の間の距離は50 mm以上でなければならない。アームガード内に

ある露出した刃の背の長さを±1 mmの精度で測定する。 

この測定を,衝撃の後でアームガードより上にある刃の部分を示すマークを付け,マークから先端まで

の刃の背の長さを測定し,衝撃後の衝撃位置でのアームガードの厚さを減じることによって行ってもよい。 

衝撃位置でのアームガードの厚さは,米を取り除いた後で測定する。すべての結果を記録し,刃の平均

突刺し深さを算定し,刃の最大突刺し深さを注記する。 

アームガードがプラスチック製である場合は,米を詰めた新しいアームガード上で再び10回の衝撃を

加えて試験する。詰めたアームガードは,温度0±2 ℃で24時間保存する。各衝撃は,アームガードを試

験室の温度中に移動させてから30秒以内に行う。ただし,全体の環境が温度0±2 ℃に保たれている場合

は,この限りではない。試験室の温度が0 ℃ではない場合は,各衝撃後に詰めたアームガードを温度0 ℃

で再試料調整する。再試料調整時間は,アームガードが試験室の温度にさらされていた時間(分)の60倍

とする。すべての結果を記録し,刃の平均突刺し深さを算定し,刃の最大突刺し深さを注記する。 

10 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

6.5.3 

硬質アームガードの取付具 アームガードを互換式手袋に取り付け,手のひらの領域,手首及びア

ームガードを5.4.2におけるように充てんする。取付領域及び,手首ストラップ領域が取付具の一部でない

場合には,この領域を6.5.2によって試験する。突刺し試験を10回試みる。すべての結果を記録し,刃の

平均突刺し深さ算定し,刃の最大突刺し深さを注記する。 

6.6 

洗浄温度でのプラスチック製アームガードの物理的安定性の試験 可能な限り相似している2個の

プラスチック製アームガードを,20±2 ℃で24時間以上保存する。 

第一のアームガードを,製造業者によって規定されている最大洗浄温度±2 ℃の水か,又は規定されて

いる温度が100 ℃を超える場合には沸騰水に,300±5秒間漬ける。続いてアームガードを温度20±2 ℃,

相対湿度(65±5)%で24時間以上,空中の単一の取付け点からつるす。 

第一のアームガードを漬けている間に,第二のアームガードを温度20±2 ℃,相対湿度(65±5)%で空

中につるす。 

2個のアームガードを比較する。漬けられたアームガードの寸法又は形状の変化をすべて記録する。観

察されたすべての変化と,試験浸せきにおける温度を記録する。 

7. 表示 ハンドナイフとともに使用する防護手袋及びアームガードには,少なくとも次の事項を容易に

消えない方法で,明確に表示する。 

− 日本産業規格番号 

  備考 この項目は、原国際規格にない事項である。 

− 製造業者名若しくは販売業者名又はその商号 

− 製造業者による種類の指定又は形式番号 

− サイズ指定 

− 最大許容洗浄温度が82 ℃未満であれば,その温度 

8. 使用者のための製造業者の提供情報 手袋及びアームガードには,使用に関する情報及び指示を添付

する。指示は,正確で分かりやすいものでなければならない。少なくとも次の情報を(特定の製品に該当

する場合には)含める。 

− 7.で要求している情報 

− 製造業者又は販売業者の所在地 

− 製品に適する作業の種類 

− 保管についての指示 

− 使用者にとっての手袋及びアームガードの正しいサイズを選ぶ方法についての指示 

− 手袋及びアームガードを体の上で位置決めし,かつ,調整する方法 

− 防護はハンドナイフによる切創と突刺しに限られるという警告 

− 器具を供給された形式においてだけ使用しなければならないという警告。ただし,ストラップの自

由端の長さを25 mm以下に縮めなければならないという指示を除く。 

− 様々な使用の種類に対する適切な洗浄についての指示。製品を損傷することが知られている取扱い,

及びたび重なる洗浄の影響についての警告を含む。 

− 様々な使用の種類に対する適切な滅菌についての指示,製品を損傷することが知られている取扱い

についての警告を含む。 

− 老化,磨耗,環境上の要因,又は油及び溶剤を含む化学製品が防護レベルに与える影響についての

11 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

警告(情報については,附属書C参照) 

− 器具の使用によって傷害のリスクを受ける可能性がある作業の種類についての警告。特に,動力工

具及び可動部をもつ機械に関連する危険,並びに鎖かたびら手袋が導電性であることの記述 

− 1個又は複数のリングがチェーンから欠損した場合に要求される検査,試験及び行動についての指

示 

− プラスチックの劣化を識別する方法についての指示 

− 製品を修理するか又は放棄するかを決定するために使用すべき基準 

9. 図記号 この規格の要求事項を満たす製品には,図8に示す図記号を表示する。図記号は,製品上又

はそれを供給するための包装上に示す。 

記号の幅は,30 mm以上とする。 

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12 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

 1 〜5 第1指から第5指 

6     第2,3指間のまた内 
7     とう(橈)骨 
8     尺骨 
9     尺骨の茎状突起 
10    指での圧迫方向 
11    決定された尺骨の茎状突起先端の位置 
12    11の近位10 mmの手首位置 
 

図 1 手の解剖学的点の定義(右手掌上面から) 

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13 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

a) 手袋 

b) 短そで(袖)手袋 

c) 長そで(袖)手袋 

d) 硬質アームガードと互換式手袋との組合せ 

e) 長尺アームガード及び互換式手袋 

 1 手首の位置 

A 短そで(袖)手袋が与える防護長          C 長そで(袖)手袋又はアームガードと上腕との間のク

リアランス 

B 長そで(袖)手袋が与える防護長          D アームガードに取り付けられた手袋そで(袖)の長さ 

 
 

図 2 手袋及びアームガードのタイプ 

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14 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

6 mm < l1 < 15 mm 
2 mm < l2 < 6 mm 

l3 > 1.5 mm 

図 3 平滑な硬質アームガードの近位端形状の例 

 1 第2と第3指間,第3と第4指間及び第4と第5指間のまた内にある点 

2 各指の側面上及び内面上並びに各指先端上の縫合部の点 
 

図 4 4.0 mm幅ゲージが鎖かたびらに貫通してもよい位置の図解 

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15 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

備考 アームガードは,米が詰められ,トレーにテープで模擬肉に固定されている。 

図 5 テストに供するアームガード 

a) ゲージNo.1                                   b) ゲージNo.2 

l1 = 6±0.1 mm               l3 = 4±0.05 mm                     α = 30±2.5° 
l2 = 1±0.05 mm              l4 > 50mm 

図 6 すき間ゲージ 

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16 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

a) 手袋とアームガードの略図(測定用ではない。)  b) 試験アームの形状及び寸法 

1 試験アームのつり下げ点 
2 試験アーム 
3 質量500±10 gの押さえリング 
4 縮めた状態の長そで(袖)手袋のそで(袖)又はアームガード 
5 試験アームに正しく調整された手袋の手首ストラップ 
6 水平基準線及び支え表面 
7 手袋 

備考1. l1は,測定する縮めた長さ 

2. l2〜l6及びd1〜d6は,表1に示した試験アームの寸法 

図 7 長そで(袖)手袋,長そで(袖),アームガード 

及びアームガードの縮めた長さ測定用試験アーム 

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17 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

( ISO 7000-2483 参照 )                  ( ISO 7000-1641 参照 ) 

a) 切創及び突刺しからの防護              b) 取扱説明書参照 

図 8 図記号 

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18 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

附属書A(規定)選定した手袋サイズのカラーコード 

A.1 手袋  

A.1.1 一般 手袋は,設計上適合すると想定される手のサイズに基づいて,サイズを表示する。又は附属

書A表1に示す手袋の寸法に適する,カラーコードを付けた手首ストラップによってサイズを表示する。

附属書A表2に,附属書A表1のカラーコード付き手袋の色に対応する一般手袋サイズを示す。附属書

A表1の寸法に対応しない手袋には,これらの色のストラップを付けてはならない。 

附属書Bは,手のサイズ及び互換式手袋の寸法についての情報を含む。 

A.1.2 平たん(坦)形手袋( Flat pattern gloves ) 平たん(坦)形手袋は,6種類のカラーコード付き手首スト

ラップを用いて指定する。これらに関連する寸法l0〜l12を附属書A表1及び附属書A図1に示す。 

手袋の寸法の測定には,指ゲージを補助器具として用いる。指ゲージは,手袋の指に挿入する器具で,

附属書A図2に示すように平行な側面及び丸い端部をもつ。指ゲージは,厚さ1 mmの薄板状材料で製造

されており,その幅は附属書A表3に示すb1〜b5に対応している。ゲージを使用するときには,適切な指

に緩やかに押し込み,附属書A図1に示す関連する特徴について挿入したゲージの長さを測定する。 

附属書A表 1 カラーコード付き手袋の寸法 

単位 mm 

手首ストラップの

色 

寸法±公差 

l0 

l1 

l2 

l3 

l4 

l5 

l6 

l7 

l8 

l9 

l10 

l11 

L12 

±5 ±3 ±3 ±3 ±3 ±3 ±3 ±3 ±3 ±5 ±5 ±5 ±3 

茶 

188 110 

46 

95 

69 

79 

71 

55 

35 

95 

40 

10 

緑 

200 114 

48 

100 

72 

82 

74 

58 

35 

95 

40 

10 

白 

212 118 

50 

105 

75 

85 

77 

61 

40 

100 

45 

10 

赤 

225 122 

52 

110 

78 

88 

80 

64 

10 

45 

105 

50 

10 

青 

237 127 

55 

118 

81 

91 

83 

67 

11 

50 

110 

55 

10 

オレンジ 

250 132 

58 

125 

84 

94 

86 

70 

12 

55 

115 

60 

10 

附属書A表 2 カラーコードの色と対応する一般手袋サイズ 

手首ストラップの色 

手袋サイズ 

茶 

5〜5.5 

緑 

6〜6.5 

白 

7〜7.5 

赤 

8〜8.5 

青 

9〜9.5 

オレンジ 

10 

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19 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

附属書A表 3 カラーコード付き手袋の寸法測定に用いる指ゲージ寸法 

単位 mm 

手首ストラッ

プの色 

ゲージ 

b1 

b2 

b3 

b4 

b5 

茶 

28 

27 

27 

25 

22 

緑 

30 

29 

29 

27 

24 

白 

32 

31 

31 

29 

26 

赤 

35 

33 

33 

31 

28 

青 

38 

35 

36 

33 

30 

オレンジ 

41 

37 

38 

35 

32 

A.1.3 湾曲手袋( Curved gloves )  

備考 この手袋は,裏側のリングの数のほうが表側のリングの数よりも多い。ぴったり適合させるた

めには,手袋の余裕長さ及び幅はより小さくする。余裕量は,組み込まれた湾曲の程度によっ

て決まる。平らな表面上での湾曲手袋の測定値を平たん(坦)形手袋の測定値と直接比較するこ

とはできない。 

同等な平面長さを測定するために,附属書A図3のb) に示すように湾曲手袋を平らな表面上に置き,

その長さ(l1)を測定する。その後,適切なサイズの被験者に手袋を着用させる。手に着用した手袋を円す

い(錘)の表面に位置させ,手袋が手の自然な湾曲と一致するまでそれを滑らせる。手袋に対する角αを

度単位で測定する。湾曲手袋の同等な平面長さは,次の近似式によって求める。 

同等な平面長さ= l1+0.2α 

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20 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

備考 サイズ表示のカラーコード付き手袋に関して附属書A表3に示すゲージb1〜b5を用いて測定する。 

附属書A図 1 附属書A表1の手袋の平面サイズ 

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21 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

l1 = b1 〜b5  (附属書A表3) ± 0.2 mm 

l2 = (l1 × 0.75)±0.2 mm 

l3 = (1±0.2) mm 

附属書A図 2 平板材料製の指長さゲージ 

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22 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

a) 角度の決定(α) 

[手袋を着用した手が完全にリラックスできる円すい(錘)の範囲] 

b) 手袋の平面長さの決定(l1) 

c) 手袋を着用した手を円すい(錘)上を滑らせて手袋の自然な湾曲との一致点を決定 

附属書A図 2 湾曲手袋の同等な平面長さの測定 

23 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

附属書B(参考)手及び上肢のサイズ,防護手袋及びアームガードのサイ

ズ 

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

B.1 序文 この附属書の情報は,使用者,雇用者及び製造業者を支援するために提供する。 

この附属書は,手及び前腕の測定,母集団におけるサイズの分布,防護すべき解剖学上の領域,及び各

人に適合する適切な手袋並びにアームガードの選択に関する助言を含む。 

B.2 測定   

B.2.1 解剖学上の標識 この附属書の中で言及される解剖学上の呼称と位置を本体図1に示す。使用者と

製造業者との間の,手及び上肢のサイズの正確な伝達を可能とするために,これらの標識を用いて測定す

る。 

B.2.2 手 長さの測定は,手を平らな表面上に置いた状態で行う。附属書B図1に示す4本の基準線を定

める。 

a) 本体図1で定義する手首の線(a) 

b) また3とまた2とを結び,また1における手のひらの端にいたる線(b) 

c) また3とまた4とを結び,手のひらの尺側端にいたる線(c) 

d) また2とまた4とを結ぶ線(d) 

測定1〜6は,手首の線に垂直な方向で,指をまっすぐに伸ばし互いにくっつけた状態で行う。測定7〜

10は,各指の中心線に沿って行う。測定11〜17は,手を持ち上げ,指をまっすぐに伸ばし,できるだけ

広げた状態で行う。 

次の測定を行う。 

手の長さ:最長の指の先端から手首まで 

第1指(親指)の高さ:第1指の先端から手首まで 

また1の高さ:また1から手首まで 

また2の高さ:また2から手首まで 

また3の高さ:また3から手首まで 

また4の高さ:また4から手首まで 

第2指の長さ:第2指の先端からまたの線(b)まで  

第3指の長さ:第3指の先端からまたの線(b)まで 

第4指の長さ:第4指の先端からまたの線(c)まで 

10 

第5指の長さ:第5指の先端からまたの線(c)まで 

11 

手首の周長:手首の高さの周長 

12 

手のひらの周長:また1及びまた2から等距離の高さで,またの線(d)に平行な方向で測定し

た手のひらの周長 

13 

第1指の周長:第1指の指節骨関節の周長 

14 

第2指の周長:第2指の近位指節骨関節の周長 

24 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

15 

第3指の周長:第3指の近位指節骨関節の周長 

16 

第4指の周長:第4指の近位指節骨関節の周長 

17 

第5指の周長:第5指の近位指節骨関節の周長 

B.2.3 前腕 測定は(b)上腕部を胸郭の側面に付け,ひじ(肘)を90°の角度に曲げ,手のひらを第1指

の最上部と垂直にして,こぶしを固めた状態で行う(附属書B図2参照)。3本の基準線を定める。 

a) 附属書B図1で定義する手首の線(a) 

b) 手首が前腕と接する部分の頂点から,前腕の上面にいたる直線(e) 

c) 線(e)と上腕部との接点からの垂線(f) 

次の測定を行う。 

18 

前腕の長さ:手首から上腕部までの水平距離 

19 

最大周長点までの前腕の長さ:手首から前腕の最大周長位置までの水平距離 

20 

“前腕のテーパ”:手首から線(e)が前腕に接する点までの水平線 

21 

上腕部から45 mmの距離での前腕の周長(附属書B図2参照):線(f)によって定義する。 

22 

前腕の最大周長:測定によって判定する。 

23 

手首の線(a)から50 mmの距離での前腕の周長(附属書B図2参照) 

24 

手首の線(a)から距離(20)での前腕の周長(理解を容易にするために,附属書B図2ではこれ

は22と同一としている。22と24との位置は,同一であり得る。又は筋肉が高度に発達してい

る場合は,24の位置は手首にはるかに近くなる。) 

B.3 手並びに前腕のサイズ及び比率  

B.3.1 手 この章のデータは,可能な限り様々な欧州の母集団の手のサイズについての調査に基づいてい

る。必要とみなされる場合は,非欧州起源の追加情報を用いて欧州での寸法を推定している。鎖かたびら

手袋及びアームガードの使用者は,欧州の母集団全体の典型的な特徴を備えていない場合があることに注

意する。したがって,サイズ表示は,可能な限り使用者の母集団の寸法によって決定する。 

慣行として,インチ(25.4 mm)単位での手のひらの周長に基づいた手袋のサイズが使用されている。例

えば,サイズ7,8又は8 1/2のように用いられている。手の長さを表す同様の記法はない。 

測定は,次のことを示している。 

a) 手の長さと指の長さとの間には高い相関がある。 

手の長さとまたの高さとの間には高い相関がある。 

手の長さと手の周長との間には相関がない。 

手の長さと指の周長との間には相関がない。 

b) 指の長さとまたの高さとの間には非常に高い相関がある。ただし,指1は例外である。 

c) 手のひらの周長と指の周長との間には相関がある。 

手のひらの周長と指の長さとの間には相関がない。 

手のひらの周長とまたの高さとの間には相関がない。 

d) 手首の周長と指の周長との間には非常に高い相関がある。 

手首の周長と手のひらの周長との間には高い相関がある。 

これらの事実は,手の長さ及び手のひらの周長を用いれば,親指の長さを除いて手の他の寸法を合理的

に予測できることを意味している。長い手のひら及び短い指をもつ手,又はその逆は非常にまれである。

しかし,手の長さと手のひらの周長との間には相関がないので,各幅に対して単一の長さを用いることを

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25 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

基本とするサイズ表示によっては,手袋をかなりの割合の手に快適に適合させられないと予想される。 

附属書B図3に,単一母集団の各手の幅及び長さの分布を示す。欧州の母集団全体は,同様の分布をも

つ。しかし,様々な遺伝的構成をもつ母集団が混合しているので,男性と女性との間の手のサイズの重な

りは,より大きい。だ円形の囲みは,欧州の男性及び女性の手のサイズの90 %がその中に含まれる境界

線である。この境界線は,幾つかの単一母集団の調査からのデータに基づいて推定した。 

附属書B表1に,成人母集団の約90 %を包括できるサイズ表示表を示す。これは1/2刻みの手の各サ

イズ(慣行によって6〜10と指定されている。)に対して3種類の異なる手の長さ(A〜C)を設定するこ

とを基本としている。 

流通業者は,特定の現地母集団における手のサイズの範囲についての情報を製造業者に提供する。 

これによって,母集団の90 %以上に十分に適合する,適切な手袋のサイズを利用できるようになる。

母集団の約5 %については,最適の適合を得るためには特製の手袋が必要となることが予想される。これ

は指1及びまた1の高さについての問題による場合が多いであろう。 

附属書B表 1 手袋の公称サイズ 

単位 mm 

手袋サイズ 

61/2 

71/2 

81/2 

91/2 

10 

周囲 

152 

165 

178 

191 

203 

216 

229 

241 

254 

長さサイズA 

151 

159 

167 

175 

183 

191 

199 

207 

215 

長さサイズB 

166 

174 

182 

189 

197 

205 

213 

221 

229 

長さサイズC 

179 

186 

194 

202 

210 

218 

226 

236 

241 

B.3.2 前腕 成人における前腕の寸法について利用できるデータは,ほとんどない。限られたデータに基

づく推定によれば,欧州の女性については,附属書B図2の寸法18の5 %〜95 %が含まれる範囲は160 

mm〜210 mmであり,欧州の男性については,190 mm〜240 mmである。本体表1における試験アームの

寸法は,英国の若い成人男性の母集団に基づいている。過半数の上肢の寸法は,試験アームNo.2とNo.3

との間である。高度な運動訓練を受けている健康な人々については,この寸法はほぼ試験アームNo.4に等

しくなる。上肢の長さと直径との間に強い相関はない。 

B.4 手袋及びアームガードの防護領域 この規格は,ハンドナイフによる傷害に対してある程度の防護

を与える手袋及びアームガードの要求事項について規定する。ナイフを使用者の手又は前腕に向けて動か

す動作を伴う職務では,主にこの種類の防護が要求される。この規格は,特に肉切りを伴う精肉産業での

要件を対象としている。しかし,他の産業でも,同種の防護が必要となる。 

この規格の防護服は,体の限られた領域だけを防護する。特定の職務において必要となる防護領域の選

択は,危険の種類及びそれぞれが起こる確率を念頭において注意深く行う。手の切創だけが問題である場

合は,防護手袋を用いる。手袋は,少なくとも手首まで届くことが望ましい。しかし,手首の手のひら側

の面に切創を受けるリスクがあれば,そで(袖)口付きの手袋を用いる。手首領域における切創は,神経

を損傷するリスクを伴うので,特に障害の程度が大きい傷害となり得ることに注意する。肉切りを伴う製

肉産業では,ナイフ使用者の手及び手首との防護領域は,手首に最も近い距離が75 mm以上となるような

範囲とすることが望ましい。前腕の領域に予見できる傷害のリスクが存在する場合には,この領域全体を

防護領域とする必要がある。この種類の防護用具を導入した後には,作業慣行及び技術を変更することが

望ましい。そのような変更は,以前にはリスクが存在しなかった体の領域がナイフによる切創を受けやす

くなったので,防護領域の拡張を必要とするということを意味する場合がある。 

26 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

防護領域内に弱い領域が存在しないことが重要である。手袋とそで(袖)口との間,手袋とアームガー

ドとの間,及び防護材料が重なり合う領域の接合部が,隠れた弱い領域となる場合がある。正しい選択,

調整及び着用によってそのような問題を最小にすることができる。購入者が防護用具を選択するときには,

ナイフの動きの方向及び隠れた弱い領域が衝撃を受ける可能性を考慮に入れて,設計を評価することが望

ましい。 

B.5 サイズ及びフィット  

B.5.1 手袋 手のサイズについてはB.3.1で記述した。理想的な手袋は手にぴったり合い,手の動きを妨

げない。鎖かたびら手袋は非弾性的であるので,手袋を選択するときに使用者は通常大きめのものを選び,

使用中に寸法がきつくなりすぎないようにする。  

幅及び長さの両方が適合するようにする。それは,不適切な幅又は長さの調整は、チェーンでは調整で

きないからである。手袋が作業に関連する手の動きを制約しないようにするために,寸法にいくらか余裕

をもたせることが必要となる。 

B.5.2 平たん(坦)形手袋 この手袋は,裏側と表側との寸法が同一となるように製造され,平らな表面上

に平たく置くことができる。ぴったり適合し,快適に使用できるためには,そのような手袋の寸法は手の

寸法を長さで10 mm〜15 mm,幅で15 mm超える。測定は,手袋を平たく置いた状態で行うものとする。 

カラーコード付き手首ストラップを用いて,この種類の手袋について6種類のサイズが指定されている。

その手袋の寸法を附属書Aに示す。 

B.5.3 湾曲手袋 この種類の手袋では,裏側のリングの数のほうが表側のリングの数よりも多い。ぴった

り適合させるためには,手袋の余裕長さ及び幅はより小さくする。余裕量は,組み込まれた湾曲の程度に

よって決まる。 

B.5.4 幅及び長さの範囲についての手袋のサイズ表示 B.3.1で記述したように,幅及び長さの両方につ

いて異なったサイズ範囲を使用可能とすれば,多くの使用者に手袋をぴったり適合させることができる。

手袋が適合すると予想される手の寸法を,附属書B表1に示す。これらの手袋には,設計上適合する手の

公称サイズを表示しなければならない(7B又は9Aなど)。これは,平たん(坦)形及び湾曲手袋の両方に

適用される。購入のためにサイズ範囲を選択する場合には,特定の使用者母集団の寸法を考慮に入れる必

要が生じる場合がある。これらの手袋のストラップの色は,附属書Aに示されているカラーコード使用方

法と合致する。 

B.5.5 測定値に合わせて製造する手袋 5 %以上の手は,附属書Aの寸法をもつ手袋,又は附属書B表

1の手のサイズに合わせて製造された手袋には十分に適合しない。そのような人々に適合するように,特

別な手袋を製造する。しかし,それらの手袋に,附属書Aの色の手首ストラップを付けてはならず,附属

書B表1のサイズ表示を行ってもならない。製造するときに使用者として想定されていた人を識別するた

めのラベルを付ける。 

B.5.6 アームガードのサイズ   

B.5.6.1 一般 平均的なアームガードの使用者は,一般の成人母集団に比べて上肢がより筋肉質であろう

と予想される。それは,使用者の作業の大部分が手作業だからである。これを,アームガードの近位端の

直径に反映させる。上肢が筋肉質であるほど,アームガードを短くする必要がある。それは,前腕の直径

が長くなるからである。 

利用できる硬質アームガードのサイズは,固定されている可能性が高い。購入後にサイズを短くするこ

とができる場合もあるが,通常は設計によって長さが固定されている。上肢用鎖かたびら手袋は,いかな

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27 

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る長さ又は形状であっても注文製造することができる。 

B.5.6.2 硬質アームガードの長さ 要求される硬質アームガードの長さは,前腕の長さ(B.2.3では457 

mm)から手袋そで(袖)の縮めたときの長さ(=30 mm,本体の4.1.6.4参照)及び上腕部にかぶさらない

ために要求される間げき(距離 C=45 mm〜75 mm,本体の4.1.6.1及び図2参照)を減じた値である。ア

ームガードのサイズの範囲,及び前腕の長さの母集団における広がりの推定値を附属書B図4に示す。 

アームガードには,長さを表示する。アームガードのサイズと設計対象である前腕の長さとの関係を附

属書B表2のようにアームガード上に表示する。 

附属書B表 2 アームガードサイズ 

単位 mm 

アームガード長さ 

手袋に取り付けたと

きの最小防護長さ 

適合する前腕の長さ 

90 

120 

165〜195 

110 

140 

185〜215 

130 

160 

205〜235 

150 

180 

225〜255 

170 

200 

245〜275 

通常供給される硬質アームガードは,特定の手袋サイズにだけ適合する。そのような手袋に適合させた

ときに,アームガードの前腕防護領域の全長は,次のようになる。 

− “茶”,“緑”及び“白”の手袋に適合するように設計されたアームガードの,これらの手袋と併用

したときの防護領域は120 mmである。 

− “赤”及び“青”の手袋に適合するように設計されたアームガードの,これらの手袋と併用したと

きの防護領域は160 mmである。 

− “オレンジ”の手袋に適合するように設計されたアームガードの,この手袋と併用したときの防護

領域は180 mmである。 

他のサイズのアームガード(サイズ間の差は,20 mm以下であれば差し支えない。)も利用可能とする。 

B.5.6.3 アームガードの直径 次の寸法を使用することが望ましい。 

a) 末端では,手袋を着用した状態での開口部の最大直径は,65〜90 mmである。手首の背面から前面ま

での寸法は,幅より10 mm小さければ差し支えない。 

参考 “末端”とは,アームガードの手首側の端末をいう。 

b) 近位端では,開口部は85 mm〜125 mmである。 

参考 “近位端”とは,アームガードのひじ(肘)側の端末をいう。 

c) これらの範囲は,附属書B表3のように長さの範囲と組み合わせてもよい。 

附属書B表 3 アームガード長さ及び直径 

単位 mm 

長さ 

末端の最大内径 

近位端の内径 

90 

65 

85 

110 

71 

95 

130 

77 

105 

150 

83 

115 

170 

90 

125 

附属書B表3に示す寸法よりも長さが短く,幅が広いアームガードを必要とする人々が存在することに

注意する。そのようなアームガードは,長尺アームガードを切断することによって製造できる場合がある。 

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28 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

B.6 長そで(袖)及び鎖かたびらアームガードの長さ 適合する長さの長そで(袖)付き手袋若しくは鎖

かたびらアームガードを選択するときには,B.3.2の前腕サイズについての情報に準拠する。ひじ(肘)を

90°に曲げた状態での,アームガードのそで(袖)口の近位端と上腕部との間の距離(本体の4.1.4,4.1.6.4

及び図2における距離C)は,75 mm以下である。外向きのリップが上腕部にかぶさりやすいアームガー

ドについては,この距離は45 mmであることが望ましいが,それより短くなる場合がある。一般的な製品

の長さを附属書B表4に示す。 

附属書B表 4 長そで(袖)の長さ 

単位 mm 

長そで(袖)の長さ 

縮めたときの長さ 

適合する前腕の長さ 

200 

180 

225〜255 

220 

200 

245〜275 

240 

220 

265〜295 

長そで(袖)の寸法は,特定の手袋サイズに対応する。例えば,次のようになる。 

− 200 mmの長さの長そで(袖)は,“緑”及び“白”手袋に限られる。 

− 220 mmの長さの長そで(袖)は,“赤”手袋に限られる。 

− 240 mmの長さの長そで(袖)は,“青”及び“オレンジ”手袋に限られる。 

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29 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

a) 直線長さの測定 

b) 周囲長の測定 

1 〜 17は,B.2.2に記述する測定位置 

a 〜 dは,B.2.2に記述する基準線 
 

附属書B図 1 基準線及び手の測定のための採寸位置 

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T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

18 〜 23は,B.2.3に記述する測定位置 
a,e及びfは,B.2.3に記述する基準線 

附属書B図 2 基準線及び前腕部測定のための採寸の指定 

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31 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

備考1. グラフは,単一母集団の手における男性(●)と女性(○)の手の幅及び長さの個々値を示す。だ(楕)円の囲

みは,欧州の男女の90 %がこの範囲に入るとみなされる境界。 

2. 附属書B表1の手袋サイズは,グラフに重ねた(●)で示す。これらのサイズは,欧州の15歳から65歳まで

の母集団の97 %を含むと見なされる。 

附属書B図 3 手の幅と長さの分布 

周囲長:mm 


m

m

手袋サイズ 

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32 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

注a) 前腕の長さ (mm) 

b) 予想される母集団の5 〜 95の百分位数 

c) 上腕部の最小クリアランス 

d) 上腕部の最大クリアランス 

備考 

予想される欧州成人男女の5〜95のパーセンタイル値は,前腕部と身長との近似相関にも見られる。 

附属書B図 3 前腕の長さと必要なアームガード長さとの関係 

おおよその身長:m 





ード


 m

m

適合する前腕の長さ 

1.4 

1.9 

1.8 

 1.7 

1.6 

1.5

c) 

d)

b) 

a) 

33 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

附属書C(参考)アームガードに使用するプラスチックの選択に関する助

言 

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

C.1 序文 この附属書の情報は,使用者,雇用者及び製造業者を支援するために提供する。 

この附属書は,プラスチックの劣化及びそれを識別する方法についての情報を含む。食品産業における

器具の殺菌の必要性について注記されている。プラスチックの安全,かつ,効果的な殺菌手順の選択に関

する指針を使用者に与えるために情報を提供する。 

C.2 プラスチックの劣化 アームガードを製造するために用いられるプラスチックは,様々な形で劣化

する。次のことが起こり得る。 

a) プラスチックの化学変化による構成分子の結合の変化。これは時間及び温度の関数として起こり得る。 

b) 可塑剤の損失によるプラスチックのぜい(脆)化 

c) 油脂,ワックス及び有機溶剤の取込みによる可塑剤の作用及び化学結合の変化。プラスチックは硬化

若しくは軟化するか,強じん(靭)化若しくはぜい(脆)化するか,又は砕けるか若しくは粘着性を

帯びる。起こる変化は,プラスチック及び汚染物質の種類によって決まる。 

d) 紫外線の作用による変化。ほとんどのプラスチックは,硬化及びぜい化する。防止剤が存在すれば,

性質変化の速度が遅くなることがある。 

e) アームガードの使用中及び着脱の際の曲げに起因する機械的疲労 

f) 

生物学的作用 

g) 洗浄剤,清浄剤,酸又はアルカリによる作用 

プラスチック材料において,これら作用の組合せ又はそのサイクルに対する反応を予測できることはま

れである。したがって,製造業者は,製品が使用される可能性が高い条件をシミュレートすることによっ

てプラスチックを試験し,損傷を与える条件の影響について十分な警告を製品に添付する指示に含めるこ

とが望ましい。一定の運用期間後に使用者から回収した品目からも,非常に有益なデータを得ることがで

きる。 

C.3 使用による劣化のシミュレーション  

C.3.1 一般 使用者から回収できる材料がなければ,汚染を与える可能性が最も高い物質について新しい

試験試料で試験する。 

C.3.2 油脂 新しい清潔なアームガードを,豚脂,魚油又は他の適切な材料で被覆し,温度20±2 ℃で7

日間保存する。アームガードを清浄剤及び水で洗浄し,乾燥させる。このプロセスを4回繰り返した後,

本体の6.5.2によって試験する。 

C.3.3 温度サイクル 新しい清潔なアームガードを,温度−10±2 ℃の環境で6時間以上保存し,その後

温度+60±2 ℃の環境に移して6時間以上保存する。このサイクルを30回繰り返さる。アームガードを

24時間保存した後,本体の6.5.2によって試験する。 

C.3.4 結果の解釈 C.3.2若しくはC.3.3の試験,又は製品の運用条件をシミュレートするための同様試

34 

T 8121-1:2005 (ISO 13999-1:1999) 

験の後,プラスチック材料の性能の欠損が10 %未満であれば,試験された汚染物質が存在する条件下で

の運用において,その材料は予想される時期以前に使用不能とはならないと想定することは合理的である。

性能の損失が25 %であれば,製造業者が製品の最長運用寿命を規定しなければならない場合もあり得る。 

C.3.5 鉱油及び溶剤 プラスチック材料が鉱油及び溶剤と接触したときの反応は多様である。プラスチッ

ク抵抗のおおよその評価は,次の方法で行ってもよい。200 mm×200 mmの材料試料に100 Nの力を加え

てU字形に曲げ,トルエンによって湾曲した外面を湿らせる。その後,プラスチックに力を加え続けなが

ら1分間湿った状態に保つ。抵抗の低いプラスチックは,ひび割れるか又は砕ける。抵抗の高いプラスチ

ックは変化しない。 

抵抗の低いプラスチックを使用している製品には,適切な警告を表示する。 

C.4 プラスチックの劣化の識別 プラスチックの変化には,可視的な兆候がある。製造業者は,その指示

に,製品の運用を停止する必要があることを示す特定の製品の変化を含めることが推奨する。そのような

変化には,次のものが含まれることがある。 

a) スタッド固定穴の周囲及び縁に沿う部分のような,応力が加わる領域内での,細かいひびを伴う表面

のき裂 

b) 上記の応力領域内の,短く,かつ,底まで達するひび 

c) 粘着性,粉状の層,又は曇っているか若しくは不透明な層のような,プラスチック表面の変化 

d) 色の変化。これは,重大ではないこともある。 

e) 柔軟性の変化。これは,劣化又は機械的な曲げに起因することがある。 

製品の性能がこの規格で要求されている水準よりも低下する前に,雇用者及び使用者が製品の劣化を識

別するための十分な情報を,製造業者が提供することが重要である。 

35 

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附属書D(参考)快適さと防護を与える手袋並びにアームガードの選択 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

手袋及びアームガードによって十分な防護を得るためには,これらの用具を正しく適合させることが不

可欠である。小さすぎる手袋は快適ではなく,手に損傷を与えることがある。小さすぎるアームガードは

動作を制約することがあり,かつ,快適ではない。大きすぎる用具は,安全作業の障害となることがあり,

実際に危険を与える場合もある。 

防護の種類を選択する場合には,附属書Bの情報及び本体の4.1で要求する防護領域を念頭におく。 

アームガード又は手袋とともに,更に,別の種類のアームガードを着用することが望ましい場合が多い。

これは衛生上の理由によるか,又は保温性を目的とすることがある。鎖かたびら手袋の内側にビニール手

袋,又はビニールと綿を併用する手袋のような他の種類の手袋を着用する場合は,フィット特性に影響が

及ぶので,適切な余裕を見込む。同様に,アームガードの内側に織物のそで(袖)口を着用する場合にも,

考慮が必要となることがある。 

手袋又はアームガードを使用者がフィットするように着用し,ストラップを正しく調整した後で,スト

ラップの自由端を最大長さ25 mmまで切断し,適切な方法で封じるか縫い付ける。