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令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準化法の用語に合わせ,

規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

日本産業規格          JIS 

T 8113-1976 

溶接用かわ製保護手袋 

Protective Leather Gloves for Welders 

1. 適用範囲 この規格は,溶接,溶断作業において,火花,溶融金属,熱せられた金属などが手に直接

接触することによる傷害を防止するために使用する溶接作業用かわ製保護手袋(以下,手袋という。)につ

いて規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ

る。 

なお,単位Paについては,SIによるものであるが参考として併記したものである。 

引用規格: 

JIS K 6550 革試験方法 

JIS L 1067 合成繊維紡績糸及びその混紡糸試験方法 

2. 種類 手袋の種類は,その材料,形状及び用途により,表1のとおりとする。 

表1 

種類 

材料 

形状 

用途 

1種 

1号 

掌部及び甲部 
そで部 

…… 
…… 

牛かわ 
牛床かわ 

2本指 

主としてアーク溶接用 

2号 

3本指 

3号 

5本指 

2種 

1号 

掌部及び甲部 
そで部 

…… 
…… 

牛床かわ 
牛床かわ 

2本指 

主としてガス溶接, 
溶断用 

2号 

3本指 

3号 

5本指 

3. 構造,寸法及びかわの厚さ 

3.1 

手袋の構造 手袋の構造は,1種及び2種とも,2本指形,3本指形及び5本指形とし,掌部と甲部

の合わせ縫いの箇所には,はみだしかわをそう入して縫合したものとする。はみだしかわは,クロムなめ

しの牛かわ又は牛床かわを使用すること。まちかわ及び補強当てかわは,手袋の掌部及び甲部と同じかわ

を使用し,補強当てかわの幅は,15mm以上とすること。これらの種類別の使用箇所は,表2のとおりと

する。 

表2 

種類 

使用箇所 

はみだしかわ 

補強当てかわ 

まちかわ 

1種 

及び 

2種 

1号 

掌部と甲部との合わせ縫いの箇所 

親指の付け根の周囲 

− 

2号 

掌部と甲部との合わせ縫いの箇所 

親指の付け根の周囲 人差指と中指の間の側面 

3号 

中指,薬指の付け根と親指の縫合部 

− 

− 

備考 製作上の構造により,まちかわは省略してもよい。 

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T 8113-1976  

3.2 

寸法 手袋の最小標準寸法は,表3のとおりとする。 

なお,長さAは,中指の背側に沿って先端からそで部の下端まで,Bは,そで部の上端まで,Cは,そ

で部の長さの寸法をもって表し,幅Dは,人差指と小指の付け根における手袋の幅で表す(付図1, 2及び

3参照)。 

表3 

単位 mm 

種類 

長さ 

幅D 

1種 

及び 

2種 

1号 

350 

200 

150 

130 

2号 

350 

200 

150 

130 

3号 

350 

200 

150 

130 

備考 特殊の形状の手袋については,寸法は,当事者間の協定によ

る。 

3.3 

厚さ かわの厚さは,表4による。 

表4 

単位 mm 

使用箇所 

かわの種類 

厚さ 

掌部及び甲部 

牛かわ 

1.5以上 

牛床かわ 

1.5以上 

そで部 

牛床かわ 

1.0以上 

備考 掌部及び甲部の厚さは,3号の場合は,1.0mm以

上とする。 

4. 材料 

4.1 

皮革 手袋の主要材料は,クロムなめしの牛かわ及び牛床かわを用い,5.2〜5.6に規定する方法によ

り試験を行い,表5の値に適合しなければならない。特に手袋の掌部及び甲部は,厚さがほぼ均一ですき

むらがなく,柔軟かつ強じんなものを用い,そで部は,適度の弾力性をもつものでなければならない。 

表5 

項目 

牛かわ(クロムなめし) 牛床かわ(クロムなめし) 

引張強さ (kgf/mm2) {MPa} 

2.0 {19.61} 以上 

1.0 { 9.81} 以上 

伸び (%) 

40以上 

30以上 

引裂強さ (kgf/mm) {N/mm} 

5.0 {49.03} 以上 

3.0 {29.42} 以上 

脂肪分 (%) 

6.0以上 

2.0以上 

クロム含有量(Cr2O3として) (%) 

2.5以上 

2.5以上 

4.2 

縫い糸 手袋の縫製に用いる縫い糸は,ナイロン,ポリエステル,ビニロンなどの合成繊維紡績糸

の20番手相当とし,よりむら,きずなどがなく,5.6に規定する方法により試験を行い,その引張強さは,

2.3kgf {22.56N} 以上でなければならない。 

5. 試験 

5.1 

構造試験 手袋の構造,寸法及び厚さについて目視により3.の規定に適合しているかどうかを調べ

る。 

なお,厚さは,JIS K 6550(革試験方法)の5.1により測定する。 

5.2 

引張強さ及び伸び試験 JIS K 6550の5.1に規定する方法により測定する。 

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T 8113-1976  

5.3 

引裂強さ試験 JIS K 6550の5.2に規定する方法により測定する。 

5.4 

脂肪分試験 JIS K 6550の6.4に規定する方法により測定する。 

5.5 

クロム含有量試験 JIS K 6550の6.9に規定する方法により測定する。 

5.6 

縫い糸の引張強さ試験 適当な長さの試験片をとり,糸引張試験機を用いて,常温,常湿中で引張

強さを測定する。ただし,引張速さは30cm/min,試験片のつかみ間距離は,原則として250mmとする〔JIS 

L 1067(合成繊維紡績糸及びその混紡糸試験方法)参照〕。 

6. 表示 手袋には,そで口付近の見やすいところに次の(3)及び(4)を,一製品ごとの包装には,次の事項

を表示する。 

(1) 名称 

(2) 種類 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 製造年月又は製造番号 

付図1 1種1号及び2種1号 

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T 8113-1976  

付図2 1種2号及び2種2号 

付図3 1種3号及び2種3号 

T 8113-1976  

医療安全用具部会作業用保護手袋専門委員会 構成表(昭和45年4月1日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

三 浦 豊 彦 

財団法人労働科学研究所 

荒 川   英 

通商産業省繊維雑貨局 

中 川   隆 

工業技術院標準部 

中 西 正 雄 

労働省労働基準局安全衛生部 

三田村 正 智 

労働省産業安全研究所 

大 木 保 男 

東京工業大学 

志 賀 四 郎 

社団法人日本保安用品協会 

山 田 敬 一 

株式会社シモン 

黒 田 一 雄 

秀和商事株式会社 

高 野 喜 義 

株式会社重松製作所 

斎 藤 爾 躬 

ミドリ安全工業株式会社 

鈴 木 亀一郎 

日本国有鉄道厚生局 

原   千代彦 

東京芝浦電気株式会社鶴見工場 

神 谷 幸 昌 

石川島播磨重工業株式会社勤労部 

国 富   晃 

日本鋼管株式会社造船部 

(事務局) 

大久保 和 夫 

工業技術院標準部電気規格課 

(事務局) 

山 本 繁 文 

工業技術院標準部電気規格課(昭和51年11月1日改正のとき) 

瀬 戸 和 吉 

工業技術院標準部電気規格課(昭和51年11月1日改正のとき)