T 8031:2010
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 原理······························································································································· 3
5 装置······························································································································· 3
6 試験片 ···························································································································· 3
6.1 試験片の採取 ················································································································ 3
6.2 試料調整 ······················································································································ 4
7 試験手順 ························································································································· 4
8 試験報告書 ······················································································································ 6
附属書A(参考)材料入手先の一例 ························································································ 14
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15
T 8031:2010
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安
用品協会(JSAA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。これによって,JIS T 8031:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,
このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確
認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
T 8031:2010
化学防護服−防護服材料の加圧下における
耐液体浸透性試験
Clothing for protection against liquid chemicals-
Determination of the resistance of protective clothing materials to
penetration by liquids under pressure
序文
この規格は,2005年に第2版として発行されたISO 13994及び2006年に発行されたISO 13994:2005の
Technical Corrigendum 1(正誤表1)を基に,使用上の利便性を考慮し,技術的内容を変更して作成した日
本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,化学防護服材料が加圧条件下で液体に継続的接触した場合の耐液体浸透性能を,目視によ
って評価する試験方法について規定する。
この試験方法は,防護服材料及び防護服の完成品から採取した試験片の液体防護性能の評価に使用する。
対象となる防護服の例としては,加圧スプレー液の飛まつに繰り返しばく露される防護服がある。
注記1 防護服の完成品には,全身化学防護服だけでなく,手袋,腕カバー,エプロン,スーツ,フ
ード,フットウエアなども含む。また,完成品から採取した試験片とは,完成品の通常の連
続部だけでなく,縫合部及びその他の接合部も含む。
この試験は,液体化学物質からのばく露を防止するための防護服材料及び防護服の特定の構成要素(例
えば,縫合部)の評価に使用するもので,防護服の全般的な防護性能に影響を及ぼす,服のデザイン,構
造,構成要素,又はガーメント間の境界若しくは他の要素は,評価の対象とはしていない。また,この試
験は,防護服材料が実際にさらされる液体化学物質に対するすべてのばく露形態を模擬しているものでは
ない。したがって,試験データの利用は,試験した耐液体浸透性を基に材料を幅広く比較評価することに
限定することが望ましい。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 13994:2005,Clothing for protection against liquid chemicals−Determination of the resistance
of protective clothing materials to penetration by liquids under pressure及びTechnical
Corrigendum 1:2006(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
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2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6404-2-3 ゴム引布・プラスチック引布試験方法−第2部:ロールの特性値の測定方法−第3節:
厚さの測定
注記 対応国際規格:ISO 2286-3,Rubber-or plastics-coated fabrics−Determination of roll characteristics
−Part 3: Method for determination of thickness(MOD)
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
注記 対応国際規格:ISO 139,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing(MOD)
JIS L 1096 一般織物試験方法
注記 対応国際規格:ISO 3801,Textiles−Woven fabrics−Determination of mass per unit length and
mass per unit area及びISO 5084,Textiles−Determination of thickness of textiles and textile
products(全体評価:MOD)
JIS T 8115 化学防護服
JIS Z 9015-1 計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜
取検査方式
注記 対応国際規格:ISO 2859-1,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1: Sampling
schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 8115によるほか,次による。
3.1
浸透(penetration)
化学物質が,防護服の多孔質材料,縫合部,ピンホール,その他の不完全な部分などを非分子レベルで
通過するプロセス。
3.2
透過(permeation)
化学防護服材料の表面に接触した化学物質が,吸収され,内部に分子レベルで拡散を起こし,裏面から
離脱するプロセス。
3.3
化学防護服(chemical protective clothing)
皮膚が化学物質にばく露又は接触することを防止するために着用する,ガーメントの集合体。
3.4
化学防護服材料(chemical protective clothing material)
潜在的危険有害性から身体の各部を防護する目的で,化学防護服本体に使用する素材又は素材の組合せ。
化学防護服材料には,着用者の主防護層(primary barrier)となる素材を含んでいる。
3.5
試験液(test liquid)
試験に用いる個々の液体化学物質又は化学物質を液化したもの。
3
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4
原理
化学防護服材料の加圧下における耐液体浸透性は,試験片を規定の圧力及び時間で液体にばく露し,目
視可能な液体浸透の生成を観察することによって判定する。
液体浸透の何らかの形跡が認められれば,その試験片は,浸透したとする。試験片に浸透したときは,
試験を終了する。試験した圧力下での浸透の有無を,試験報告書に記載する。
5
装置
試験の装置は,次による。
5.1
厚さゲージ JIS K 6404-2-3に規定する厚さ0.02 mmまでの測定が可能なもので,試験対象となって
いる各防護服材料試験片の厚さの測定に使用する。
5.2
浸透テストセル 加圧試験液にばく露する試験片を固定する,浸透テストセル。
試験片は,浸透テストセル内で試験液と浸透テストセルの観察面側とを分離する隔壁としての役割を果
たす。セル本体は,セル支持台に固定する。セル本体の容量は,約60 mLとする。セル本体は,目視観察
用の開口部をもつフランジカバー,透明カバー(任意),浸透テストセルに試験液を充てんするためのトッ
プポート及び試験液排出用の排出弁を備える。エアラインをセル本体のトップポートに取り付けるための
接続金具,ガスケット,支持スクリーンなど,その他の器材も必要である。図1に,液体浸透テストセル
装置の概略図を示す。図2に,試験装置例を示す。図3に,支持スクリーン付き浸透テストセルの分解部
品配列図を示す。図4〜図10に,内径が57 mmである浸透試験装置の部材の仕様例を示す。
浸透テストセルの入手先の一例について,附属書Aに示す。
5.3
支持スクリーン 伸縮性材料又は弾性材料の試験で,加圧による試験片の変形が,試験結果に異常
値を発生させる可能性が想定される場合は,フランジカバーと試験片との間に支持スクリーンを適切なガ
スケットを隔てて配置して,試験してもよい。
支持スクリーンは,平滑に仕上げられたプラスチック又は金属製のスクエアメッシュスクリーンとし,
次の仕様を満たすものとする。
a) 開口率(open area)は,50 %を超えるものとする。
b) 試験片のたわみは,5.0 mm以下とする。
5.4
空気源 35.0±3.5 kPaで空気を供給できるもの。
5.5
ストップウォッチ又は電子式タイマー
5.6
はかり 精度0.001 gのはかり。
5.7
容器 水を計量するための1 mLの精度をもつ目盛付き容器。
6
試験片
6.1
試験片の採取
6.1.1
試験片は,防護服完成品に使用する材料又は防護服完成品から採取した材料とする。これらの試験
片は,単一層又はすべての構成層が防護服完成品と同じ順序で配置された素材の組合せからなる複合材料
とする。
服の異なる部位に,異なる材料又は厚さの異なる材料が用いられる場合は,それぞれの部位又は部位に
使用する材料から試験片を採取する。
服の縫合部が材料と同じ防護性を要求される場合には,縫合部を含む試験片を追加して試験する。
試験片の大きさは,1辺の長さが70 mm以上の正方形とする。
4
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試験枚数は3枚とし,各材料,各部位(異なる材料からなるデザインの場合)又は他の異なる条件の部
分から各々3枚をランダムに採取する。必要に応じて,JIS Z 9015-1に規定する方法によって,ランダム試
験片を作製する。
6.1.2
2枚の織物層の間に不浸透性層が存在する防護服材料は,縁辺部での毛細管現象による見せかけの
液体浸透が発生する可能性がある。試験片の縁辺部をシールし,毛細管現象による影響を防止する。試験
実施前に接着剤,パラフィルム,パラフィンワックス,又は裏面粘着式の発泡体で試験片をシールする。
試験片の縁辺部だけをシールし,中央の57 mm領域(57 mm角)を試験用にあけておく。試験領域の試験
片内部にシール剤が侵入し,液体の浸透をブロック・遮断すると,試験の信頼性が損なわれるため,これ
らを防止しなければならない。防護服材料に適したシール剤又はシール方法を選択する。
6.2
試料調整
JIS L 0105によって,温度は,21±5 ℃,相対湿度は,30〜80 %の雰囲気に最低24時間放置し,試料調
整する。
他の条件で試料調整を行った場合は,その条件を試験報告書に記載する。
7
試験手順
7.1
JIS L 1096の附属書9(繊維製品−生地及び繊維製品の厚さ測定)によって,各試験片の厚さを0.02
mmまで測定する。
7.2
JIS L 1096の附属書3(繊維製品−織物−単位長さ及び単位面積当たりの質量の測定)によって,各
試験片の単位面積当たりの質量を1 g/m2の精度で測定する。
7.3
予備試験片の標準的な内側表面に試験液の小滴を垂らし,あらかじめ浸透の終点の状態を確認する。
内側表面上の液滴は,目視によって容易に認識可能なものでなければならない。
注記 内側表面とは,防護服完成品の内側表面となる面で,浸透テストセルの観察面側となる試験片
面のことである。外側表面とは,防護服完成品の外側表面となる面で,浸透テストセル内で試
験液にばく露する試験片面のことである。
視認性に劣る場合には,次のa)〜d) に示す着色などによる視認性の向上方法がある。ただし,これらの
方法は,試験結果に影響を及ぼすことがある。したがって,実施には十分な注意を払わなければならない。
a) タルカムパウダーを試験片の標準的な内側表面に塗布し,視認性を向上させる。
b) 試験液を着色し,視認性を向上させる。水性化学物質には,食品着色料又は酸塩基指示薬が使用でき
る。また,オイルレッドは,多くの有機化学物質に溶解し,液滴の視認性を向上させる。
c) 食品着色料又はオイルレッドを試験材料の標準的な内側表面に塗布し,液滴の視認性を向上させる。
d) 上記の方法によって適切なコントラストが得られない場合,試験液に蛍光染料を添加し,浸透試験液
の視認性を向上させる。
7.4
圧力及び時間を,表1から選択する。
5
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表1−圧力及び時間並びに選択の目安
手順
圧力及び時間
選択の目安
A
5分間0 kPa,続いて10分間14 kPa
液体化学物質飛まつに対する一定のバリア性が要求さ
れる防護服材料,縫合部及び開閉具の選択の場合。
B
5分間0 kPa,続いて10分間7 kPa
液体化学物質飛まつに対する一定のバリア性が要求さ
れる防護服材料(手袋など)の選択の場合。
C
5分間0 kPa,続いて1分間14 kPa,続いて54
分間0 kPa
緊急対応時の消防機関職員を,一定の液体化学物質飛ま
つから防護するための防護服材料,縫合部及び開閉具の
選択の場合。
D
5分間0 kPa,続いて3.5 kPaずつ加圧し,15
秒間保持する。浸透が観察されるまでこれを
繰り返すか,又は35 kPaまで加圧する。
特定の化学物質が,どの程度の圧力で材料を浸透するか
を知ることが必要な場合。
E
手順A,B,C又はDと異なる,その他の手
順
他の特定の必要性又は状況に対応する場合。
注記1 特別な用途の材料について十分な特性評価を行うため,耐透過性試験などの追加試験が必要となることが
ある。
注記2 伸縮性材料又は弾性材料の試験で,支持スクリーンを使用した場合は,その旨を試験報告書に記載する。
注記3 手順A,B,C又はDと異なる手順を採用した場合は,その手順を,手順Eとする。手順Eでは,採用し
た圧力及び時間を試験報告書に記載する。
7.5
セル本体を水平に置いた状態で,試験片の標準的な外側表面を試験液を充てんするセル本体側に向
けて,試験片を浸透テストセルに挿入する。
7.6
図3に示すように,セルの部品を組み立てる。
すなわち,試験片と支持スクリーンとの間及び支持スクリーンとフランジカバーとの間にガスケットを
配置し,フランジカバー及び透明カバーを載せて,浸透テストセルのねじを締め,組み立てる。漏れ防止
性を高めるため,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ガスケット材料をセル本体と試験片との間に使用
することを推奨する。
支持スクリーンを使用しない場合には,図3の3のガスケット及び4の支持スクリーンは不要となる。
注記 透明カバーの使用は,任意である。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ガスケット材料の入手先の一例について,附属書Aに示す。
7.7
浸透テストセルのねじを,均等に締める。
7.8
図2に示すように,浸透テストセルを試験装置内に垂直に取り付ける(排出弁が下向きになる。)。
この時点では,浸透テストセルに図1の8の空気ホースは,接続しない。
7.9
排出弁を閉じる。
7.10 図3の7のトップポートから試験液を注入し,浸透テストセルのセル本体を完全に満たす(シリン
ジ又は漏斗が役立つ。)。空げきを残してはならない。圧力によって試験片が膨張した場合,セル本体が完
全に満たされるように,再度十分な量の試験液を注入する。試験液が試験片を浸透したときは,試験を終
了する。
7.11 図1の8の空気ホースを浸透セルに接続する。
7.12 図1の3の空気圧力調整器を0 kPaにセットし,図1の6のセルのベントバルブを閉じる。
7.13 セルのベントバルブを開け,表1から選択した手順における規定圧力を規定時間,試験液に加える。
圧力は,3.5 kPa/s以下の速度で変化させる。
7.14 試験片を観察する。試験片の観察面側に液滴が出現した場合,特有の変色(7.3)が認められた場合,
又はその両方が観察された場合,その試験片は浸透したとする。試験片が浸透したときは,試験を終了す
6
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る。
7.15 試験の終了時に圧力を止め,セルのベントバルブを閉じる。続いて図1の11の排出弁を開け,試験
液を排出する。再びセルのベントバルブを開け,セル本体から試験液を抜き取る。浸透テストセルに洗浄
液を勢いよく流し,試験液をすべて除去する。試験片及びガスケットをセルから取り外す。試験液が触れ
たと思われる浸透テストセルのあらゆる部品を清浄にする。
7.16 残りの試験片について,試験を行う。
8
試験報告書
試験報告書には,次の情報を記載する。
a) この規格によって試験を実施した旨及び用いた手順。手順Eを用いた場合は,具体的な圧力及び時間
を記載する。
b) 試験材料の名称及び用いた試験片の採取方法(6.1.1参照)。
c) 各材料試験片の厚さ,及び必要な場合は,試験実施後の材料の平均厚さ(単位:mm)。
d) 各材料試験片の単位面積当たりの質量,及び必要な場合は,試験実施後の材料の単位面積当たりの平
均質量(単位:g/m2)。
e) 使用した試験液。
f)
試験温度:試験液の温度と試験温度とが異なる場合は,両者とも記載する。
g) 浸透の視認性を向上させるために用いた方法。
h) 支持スクリーン使用の有無。支持スクリーンを使用した場合は,その素材名,開口率などの仕様。
i)
3枚の各試験片について,浸透の有無。手順Dの場合は,浸透したときの圧力,又は浸透しない最高
圧力(単位:kPa)。
j)
試験片を,防護服完成品に使用する材料(ロール製品など)又は防護服完成品のいずれから採取した
のかについての説明。
製品から採取した場合には,小見出しの欄に,各材料,複合材料,縫合部の種類,他の試験条件及
び製品上の採取位置について記載する。
k) 必要な場合は,試験材料の種類(例えば,繊維の種類,織り組織,コーティング内容など),供給元,
ロット番号及び受領日。
7
T 8031:2010
1 圧縮空気又は窒素注入口
7 8のゴム製空気ホースを接続するめす継手
2 エアラインコネクタ
8 おす継手付きゴム製空気ホース
3 空気圧力調整器
9 安全カバー(図10)
4 安全弁
10 浸透テストセル
5 圧力計
11 排出弁
6 セルのベントバルブ
図1−液体浸透テストセル装置(概略図)
8
T 8031:2010
1 圧縮空気又は窒素ガス注入口
8 7に接続するおす継手及び15に接続するめす継手付
きゴム製空気ホース
2 コネクタ
9 安全カバー
3 空気圧力調整器
10 浸透テストセル
4 安全弁
11 排出弁
5 圧力計
12 クランプ
6 セル用ベントバルブ
13 受け皿
7 8のゴム製空気ホースを接続するめす継手
14 クランプ止め具
15 8のゴム製空気ホースを接続するおす継手付きトッ
プポート(試験液注入口を兼ねる。)
図2−試験装置例(三次元側面図)
9
T 8031:2010
1 透明カバー(任意)
7 トップポート
2 フランジカバー
8 PTFEガスケット(推奨)
3 ガスケット(支持スクリーンを使用する場合)
9 セル本体
4 支持スクリーン(使用する場合)
10 排出弁
5 ガスケット
11 セル支持台
6 試験片
図3−支持スクリーン付き浸透テストセル(分解部品配列図)
10
T 8031:2010
単位 mm
注記 材質:アルミニウム
1 ホース継手用ねじ山
2 排出弁用ねじ山
図4−セル本体(一例)
単位 mm
注記 材質:アルミニウム
図5−フランジカバー(一例)
11
T 8031:2010
単位 mm
注記 材質:プレキシガラス又はその他の透明材料
図6−透明カバー(任意)
単位 mm
注記 材質:ステンレス鋼シート,1〜2 mm,コーナー部溶接
図7−受け皿(一例)
12
T 8031:2010
単位 mm
注記 材質:鋼
図8−クランプ(一例)
単位 mm
注記 材質:鋼
図9−セル支持台(一例)
13
T 8031:2010
単位 mm
1 フレーム:山形鋼,25 mm×25 mm×3 mm,溶接
2 防護カバー:プレキシガラス 4 mm
3 支柱:鋼棒,13 mm,適所で溶接
図10−安全カバー(一例)
14
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附属書A
(参考)
材料入手先の一例
この規格で規定している材料の供給元の例を,次に示す。同様に,適切な代替品が他の供給元からも入
手できる1)。
a) 浸透試験装置(5.2)
Wilson Road Machine Shop,1170 Wilson Road,Rising Sun,MD 21911,USA
b) PTFEガスケット材料(7.6)
W.L. Gore & Associates,Inc.,Industrial Sealant Group,Elkton,MD 21921,USA
注1) これは,商業的に入手できる適切な製品の一例である。この情報は,規格の利用者のために
提供されているのであって,この製品を保証しているわけではない。
15
T 8031:2010
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 8031:2010 化学防護服−防護服材料の加圧下における耐液体浸透性試験
ISO 13994:2005 Clothing for protection against liquid chemicals−Determination of
the resistance of protective clothing materials to penetration by liquids under pressure
及びTechnical Corrigendum 1:2006
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範
囲
1
JISに同じ
一致
ただし,液体化学物質に対する
材料の耐性を測定する他の規
格(ISO 6529及びISO 6530)
を説明する段落は削除し“解
説”に記載した。技術的差異は
ない。
2引用規
格
3用語及
び定義
3.3
3.4
−
化学防護服
化学防護服材料
3
3.1
3.4
JISにほぼ同じ
劣化
防護服
−
削除
変更
追加
JIS T 8115を追加。
JIS本体で使用しないため削
除。
定義内容は同一。
JIS T 8115に規定する用語を追加
した。
ISOでは“序文及び6.2”でこの用
語を使用している。技術的差異は
ない。
正確を期するため,用語を“化学
防護服”とした。
4原理
4
JISに同じ
一致
ただし,第2段落は,5.2に同
内容が規定されているため削
除した。技術的差異はない。
5装置
5.2
浸透テストセル
5
5.2
JISにほぼ同じ
−
追加
透明カバーの使用が“任意”で
あることを明示した。
正確を期するため追加した。ISO
に提案する。
1
5
T
8
0
3
1
:
2
0
1
0
16
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(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.3
支持スクリーン
5.3
−
追加
伸縮性材料及び弾性材料を試
験するときに支持スクリーン
を使用できることを明示した。
ISOでは7.4で規定している。
5.4
空気源
5.4
13.8±1.38 kPa
変更
表1で規定する手順Dは35 kPa
まで加圧する。このため,空気
源の圧力もこの圧力に整合さ
せた。
ISOに提案する。
6試験片
6.1.1
6
6.1.1
JISにほぼ同じ
−
追加
試験片の採取箇所に“又は部位
に使用する材料”を追加した。
正確を期するために追加した。
7手順
7.3
注記
−
表1
7.6
手順C
手順A及びCの保持
圧力:14 kPa
手順Bの保持圧力:
7 kPa
注記3 手順Eの説
明
支持スクリーンを
使用しない場合の
不要となる部品名
の明示。
7
7.3
7.4
表2
7.6
JISにほぼ同じ
JISにほぼ同じ
−
支持スクリーンの使い
方。
手順Cを支持スクリーン
使用の有無で,C1とC2
とに分けている。
手順A及びCの保持圧
力:13.8 kPa
手順Bの保持圧力:6.9
kPa
手順Eについての説明
追加
削除
変更
変更
変更
変更
追加
試験片の内側表面と外側表面
との区別を明確にするため,注
記を追加した。
5.3に同じ。
手順C1及びC2を統合し手順C
とし,支持スクリーン使用の有
無は,試験報告書に記載するこ
ととした。
ISO 16602で規定するクラス別
基準値に数値を整合させた。
ISO 16602で規定するクラス別
基準値に数値を整合させた。
手順Eの説明であり,注記3
として記載した。
スクリーンを使用しない場合
に不要となる部品を追加して
記載した。
正確を期するために追加した。
JISの5.3に移動。
表1の注記2としても記載。
手順A〜Eのすべての手順で支持
スクリーンを使用することがある
ため統合した。ISOに提案する。
ISOに提案する。
ISOに提案する。
ISOに提案する。
ISOに提案する。
1
6
T
8
0
3
1
:
2
0
1
0
17
T 8031:2010
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7.7
7.14
第2及び
第3段落
浸透テストセルの
ねじの締め方。
−
7.7
7.14
各ボルトに13.6 N・mの
トルクをかける。
JISにほぼ同じ
試験中の試験片の観察時
点例の説明
変更
削除
許容差のないトルクを規定し
ても意味がないため,“ねじ
を,均等に締める”に変更した。
説明であり,規定とはいえない
ため削除した。
ISOに提案する。
“解説”に記載する。
8試験報
告書
c),d)
i)
k)
“必要な場合は”を
追加。
“又は浸透しない
最高圧力”を追加。
“必要な場合は”と
例示を追加。
8
c),d)
i)
k)
JISにほぼ同じ
−
−
−
選択
選択
選択
必要性が疑問なため選択とした。
ISOに提案する。
利用者の利便性を考慮し,選択可
能とした。
必要性が疑問なため選択とした。
ISOに提案する。
−
表1
液体浸透テストセル装置
の部品及び材料
削除
部品等の一例であり,図1〜10の
内容とも必ずしも一致してはいな
い。混乱を招くことから削除した。
図2
図に示す安全弁の
位置を変更した。
15を追加
図2
安全弁の位置が図1の概
略図及び現実の一般的な
装置での配置と異なり合
理性に欠ける。
−
変更
追加
図2を図1の概略図及び現実の
試験装置の実態に合わせ,4安
全弁を3空気圧力調整器と5圧
力計の間に配置した。
トップポートの位置と役割を
明確にするため15として追加
した。
ISOに提案する。
ISOに提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13994:2005,MOD
1
7
T
8
0
3
1
:
2
0
1
0
18
T 8031:2010
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
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