T 8027-1:2018
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 原理······························································································································· 2
5 装置······························································································································· 2
5.1 加熱シリンダー ············································································································· 2
5.2 熱量計 ························································································································· 4
5.3 試験装置 ······················································································································ 4
5.4 制御及び記録装置 ·········································································································· 5
6 試験片採取及び試料調整 ···································································································· 5
6.1 試験片採取 ··················································································································· 5
6.2 試料調整 ······················································································································ 5
7 試験方法························································································································· 5
7.1 試験環境 ······················································································································ 5
7.2 試験手順 ······················································································································ 6
7.3 評価 ···························································································································· 6
8 試験報告書 ······················································································································ 6
附属書A(参考)加熱シリンダーの洗浄方法 ············································································· 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本保安用品協会(JSAA)及
び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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熱及び火炎に対する防護服−押圧熱伝達の測定−
第1部:加熱シリンダーによる押圧熱伝達試験方法
Clothing for protection against heat and flame-Determination of contact
heat transmission through protective clothing or constituent materials
-Part 1: Contact heat produced by heating cylinder
序文
この規格は,2015年に第2版として発行されたISO 12127-1を基とし,使用上の利便性を考慮するため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,加熱シリンダーによる押圧熱伝達を測定するための試験方法について規定する。また,高
温物体との接触からの防護を目的とする防護服(防護手袋を含む)及びその構成材料に適用し,100 ℃〜
500 ℃の接触温度範囲に適用する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 12127-1:2015,Clothing for protection against heat and flame−Determination of contact heat
transmission through protective clothing or constituent materials−Part 1: Contact heat produced by
heating cylinder(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2
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3.1
押圧力(contact force)
加熱シリンダーが試験片を押圧する力。
3.2
接触温度(contact temperature)
Tc
加熱シリンダー押圧部の表面温度。
3.3
押圧速度(rate of contact)
加熱シリンダー又は熱量計の移動速度。
3.4
測定開始時(start of timing)
熱量計の上面と加熱シリンダーの押圧面との距離が10 mmに達した瞬間。
3.5
しきい(閾)時間(threshold time)
tt
熱量計の温度が測定開始時から10 ℃上昇するまでの時間。
4
原理
加熱シリンダーを試験温度まで加熱・維持し,試験片を熱量計上に置く。熱量計上の試験片に加熱シリ
ンダーが接触するまで加熱シリンダーを降下させるか,又は試験片を載せた熱量計を加熱シリンダーまで
上昇させ,加圧する。いずれの場合も一定の速度で行い,しきい(閾)時間は,試験時間中の熱量計の温
度変化によって測定する。
5
装置
5.1
加熱シリンダー
加熱シリンダーは,500 ℃以上の温度に耐える金属(銀合金,スターリング銀など)とする。図1,図2
及び図3に加熱シリンダーの構造を示す。押圧面は直径25.2±0.05 mmとし,表面は平滑にしたものとす
る。加熱シリンダーは,中心に底面から201.0
+ mm手前まで温度センサーを固定するためのざぐり加工を
する。ざぐり径は熱電対を固定することができる大きさとする。加熱シリンダーは断熱材で覆うが,底部
の押圧面は露出させる。
加熱シリンダーは,500 ℃以上に加熱することができ,かつ,選択された試験温度が維持できなければ
ならない。
各試験前に,加熱シリンダーは清浄に保つようにする(附属書A参照)。
3
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単位 mm
図1−加熱シリンダーの金属部分
単位 mm
コネクター
図2−加熱部分を含んだ加熱シリンダーの例
4
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1 熱電対
2 取付け用ねじ
3 コネクター
4 断熱材
図3−断熱材で覆った状態の加熱シリンダーの例
5.2
熱量計
黒色陽極酸化加工されたJIS H 4040で規定する純アルミニウム(製品区分:引抜棒,等級:特殊級)の,
直径25±0.07 mm,厚さ約5 mm,質量6.63±0.03 gの円盤からなる熱量計をナイロン66製の台座に固定
したもの(図4参照)。熱量計の上部接触面は陽極酸化前に研磨し,下面には温度センサー(熱電対など)
を固定する。
単位 mm
25 ±0.07
1
黒色陽極酸化加工された純アルミニウム製の円盤
2
温度センサー
3
ナイロン66製の台座
a
熱量計取付け用ねじ穴の最大深さ
図4−熱量計
5.3
試験装置
加熱シリンダーと熱量計との接触面を平行にし,中心軸が一直線上に並ぶように,組み立てる(図5参
5
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照)。一定速度で加熱シリンダーが熱量計に向かって降下し,又は熱量計が加熱シリンダーに向かって上昇
するような構造とする。また,押圧力が49±0.5 Nになるように維持しなければならない。熱量計は冷却
時に再加熱されるのを防ぐため,熱量計と加熱シリンダーとの間に遮蔽板を設ける。
1 おもり
2 絶縁付き加熱シリンダー
3 遮蔽板
4 熱量計
5 支持枠
図5−試験装置の外観の例
5.4
制御及び記録装置
制御及び記録装置は,次の目的を満たす適切な装置。
− 加熱シリンダーの温度を上昇させ,加熱シリンダーの温度を試験温度±2 %に維持する。
− 押圧速度を制御する。
− ±0.1 ℃の精度で熱量計の温度を記録する。
− しきい(閾)時間を測定する。
6
試験片採取及び試料調整
6.1
試験片採取
防護服又は防護服材料から直径80 mmを下回らない円形の試験片を,試験温度ごとに3枚以上採取する。
6.2
試料調整
試験前に,皮革以外の生地試験片は,JIS L 0105に規定する標準状態[温度20±2 ℃,相対湿度(65±
4)%]に24時間以上置いて試料調整をする。皮革試験片は,JIS L 0105に規定する標準状態[温度20±2 ℃,
相対湿度(65±4)%]に48時間以上置いて試料調整する。
7
試験方法
7.1
試験環境
測定は,雰囲気温度20±5 ℃,相対湿度15 %〜80 %の雰囲気中で行う。加熱シリンダーの温度を試験
温度±2 %にする。各試験の開始前に熱量計の温度を雰囲気温度±2 ℃にする。試験は,試料調整状態か
ら3分以内に開始する(6.2参照)。
6
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7.2
試験手順
試験片の裏面を熱量計の上に置く。加熱シリンダーと熱量計との間の遮蔽板を除き,加熱シリンダーを
熱量計に毎秒5.0±0.2 mmの速度で移動させ,接触・加圧する。測定開始からしきい(閾)時間までの温
度変化を測定・記録する。試験温度ごとに3回以上測定を行う。
7.3
評価
しきい(閾)時間ttを0.1秒単位で読み取り記録する。
8
試験報告書
試験報告書には,次の事項を含まなければならない。
a) この規格の番号及びその西暦年
b) 製品又は試料の提供者の名称
c) 製品又は試料の(提供者による)名称及び説明
d) 接触温度Tc
e) しきい(閾)時間tt(測定値,平均値,標準偏差及び不確かさ)
f)
必要であれば試験片の変化の観察所見
g) 試験実施日
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附属書A
(参考)
加熱シリンダーの洗浄方法
加熱シリンダーの表面が汚染した場合,次の方法などを用いて各試験の前に加熱シリンダーを清浄に保
つようにする。
なお,この洗浄作業は洗浄用化学物質を吸入しないように排気設備のある場所で行う。
− 試験終了後加熱シリンダーが冷め,洗浄可能になったらアセトンを用いて洗浄する。
− 加熱シリンダーの汚染が小さい場合は,ろ紙を用いて汚染物質を取り除いて洗浄する。
− 加熱シリンダーが明らかに汚染されている場合は,加熱シリンダーを500 ℃まで加熱したのち冷却
し,注意しながら削り取る。
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 8027-1:2018 熱及び火炎に対する防護服−押圧熱伝達の測定−第1部:加
熱シリンダーによる押圧熱伝達試験方法
ISO 12127-1:2015,Clothing for protection against heat and flame−Determination of
contact heat transmission through protective clothing or constituent materials−Part 1:
Contact heat produced by heating cylinder
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 装置
5.1 加熱シリンダー
4.1
加熱シリンダー
追加
対応国際規格では許容差が規定さ
れていないが,加工を行う上で生じ
る誤差を考慮し,許容差を規定し
た。
次回ISOに提案する。
5.2 熱量計
4.2
熱量計
変更/
追加
対応国際規格では規格化された材
料を用いていないが,この規格では
JIS H 4040で規定する純アルミニ
ウム(製品区分:引抜棒,等級:特
殊級)製の材料を使用し,その許容
差を引用した。
次回ISOに提案する。
5.4 制御及び記録装
置
4.4
制御及び記録装置
変更
対応国際規格では,加熱シリンダー
の温度制御の許容差を±2 ℃とし
ているが,設定する試験温度が高温
であること及び7.1で規定する加熱
シリンダーの温度の許容差と整合
性をもたせるために±2 %に変更し
た。
次回ISOに提案する。
6 試験片採
取及び試料
調整
6.2 試料調整
5.2
試料調整
変更
対応国際規格で定めている環境条
件に近い規格化された条件として
JIS L 0105で規定している標準状
態を採用したため,湿度の許容差を
変更した。
2
T
8
0
2
7
-1
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
−
−
Annex B クラス分類のための
評価値の測定
削除
この規格は,試験方法を規定する規
格であり,製品の性能をクラス分類
する方法については,各々の製品規
格において規定するべきであるた
め,削除した。
次回ISOに提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 12127-1:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
T
8
0
2
7
-1
:
2
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1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。