T 7401-4:2009
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ············································································································································· 1
1 適用範囲 ··································································································································· 1
2 引用規格 ··································································································································· 1
3 用語及び定義 ····························································································································· 2
4 品質 ········································································································································· 2
4.1 外観 ······································································································································· 2
4.2 化学成分································································································································· 2
4.3 熱処理···································································································································· 2
4.4 金属組織································································································································· 2
4.5 機械的性質 ····························································································································· 2
5 試験方法 ··································································································································· 3
5.1 化学分析試験 ·························································································································· 3
5.2 引張試験································································································································· 3
5.3 曲げ試験································································································································· 3
6 検査 ········································································································································· 3
7 表示 ········································································································································· 3
T 7401-4:2009
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本バイオマテリアル
学会(JSB)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申し出があり,日本工業標準調査会の審
議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS T 7401-4:2002
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に抵触
する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このよう
な特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,
責任はもたない。
JIS T 7401の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS T 7401-1 第1部:チタン
JIS T 7401-2 第2部:チタン 6-アルミニウム 4-バナジウム合金展伸材
JIS T 7401-3 第3部:チタン 6-アルミニウム 2-ニオブ 1-タンタル合金展伸材
JIS T 7401-4 第4部:チタン 15-ジルコニウム 4-ニオブ 4-タンタル合金展伸材
JIS T 7401-5 第5部:チタン 6-アルミニウム 7-ニオブ合金展伸材
JIS T 7401-6 第6部:チタン 15-モリブデン 5-ジルコニウム 3-アルミニウム合金展伸材
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
T 7401-4:2009
外科インプラント用チタン材料−
第4部:チタン 15-ジルコニウム
4-ニオブ 4-タンタル合金展伸材
Titanium materials for surgical implant applications
Part 4: Wrought titanium 15-zirconium 4-niobium 4-tantalum alloy
序文
我が国は,高齢化社会の入り口にさしかかり,身体機能を補うため,体内に医療材料を埋入する手術が増加
傾向にあり,性能のより優れた新製品の開発が期待されている。生体適合性の高い元素であるジルコニウムに,
ニオブ及びタンタルを少量添加したチタン合金は,合金表面に強固な酸化チタン皮膜が生成されるため,耐食
性が優れる。この標準化によって,我が国の医療産業を活性化し,高性能の製品を提供することで,患者の社
会復帰の推進及び生活の質(QOL)の向上を図ることができる。
1
適用範囲
この規格は,外科インプラントを製造するために使用するチタン 15-ジルコニウム 4-ニオブ 4-タンタル合
金展伸材の化学成分,金属学的性質及び機械的性質について規定する。ただし,この合金展伸材を用いて作ら
れた製品には,この規定を適用しない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 1610 チタン及びチタン合金−サンプリング方法
JIS H 1612 チタン及びチタン合金中の窒素定量方法
JIS H 1614 チタン及びチタン合金中の鉄定量方法
JIS H 1617 チタン及びチタン合金中の炭素定量方法
JIS H 1619 チタン及びチタン合金中の水素定量方法
JIS H 1620 チタン及びチタン合金中の酸素定量方法
JIS H 1621 チタン合金中のパラジウム定量方法
JIS H 1630 チタンの発光分光分析方法
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法
2
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
外科インプラント(surgical implants)
体内の機能を補うために,皮下・筋肉,骨組織などに埋入(埋植)して使用する外科用医療機器。
3.2
熱処理(heat treatment)
金属組織を調整するための熱処理。チタン合金に行われる熱処理としては,焼なまし,溶体化処理(固溶化
熱処理),時効処理(時効硬化処理)などがある。
4
品質
4.1
外観
外観は,仕上げが良好,かつ,均一で,使用上有害な欠点があってはならない。使用上有害な欠点の判定基
準は,受渡当事者間の協定による。
4.2
化学成分
化学成分は,5.1によって試験を行い,表1による。
表1−化学成分
単位 質量分率 %
化学成分
Zr
Nb
Ta
Pd
Fe
O
C
N
H
Ti
14.5〜17.5
3.5〜8.5
1.0〜4.5
0.25 以下 0.5 以下
0.4 以下
0.1 以下
0.2 以下
0.015 以下
残部
4.3
熱処理
熱処理は4.5を満足し,α(hcp)相及びβ(bcc)相の2相の金属組織となる条件で行う。詳細な熱処理条
件は,金属組織を考慮し,受渡当事者間の協定による。
4.4
金属組織
金属組織は,光学顕微鏡を用いて,100倍以上で観察し,使用上有害となる介在物を含んではならない。
4.5
機械的性質
機械的性質(引張強さ,耐力,破断伸び及び絞り)は,5.2によって試験を行い,表2による。また,曲げ
試験は,厚さ5 mm未満の板及び条に適用し,5.3によって試験を行い,曲げた部分の外側に割れを生じてはな
らない。
表2−機械的性質
展伸材の形状
引張試験
曲げ試験
引張強さ
MPa
耐力
MPa
破断伸び
%
絞り
%
曲げ角度
°
内側半径
mm
ストリップ/平板 860 以上 780 以上
8 以上
−
105
厚さの10倍
棒
860 以上 780 以上
10 以上
25 以上
−
−
規定範囲外の機械的性質は,受渡当事者間の協定による。
3
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試験方法
5.1
化学分析試験
化学成分の分析試験は,次による。ただし,ジルコニウム,ニオブ及びタンタルに関しては,他の元素の分
析方法に準じ,最適な方法で行う。
JIS H 1612,JIS H 1614,JIS H 1617,JIS H 1619,JIS H 1620,JIS H 1621,JIS H 1630
5.2
引張試験
引張試験は,JIS Z 2241による。この場合の試験片は,鍛造又は圧延方向に平行な方向若しくはそれらに直
角な方向に取ったJIS Z 2201の14A号,4号,5号又は13B号試験片とする。耐力の測定は,標点距離ひずみ
増加率を0.3〜0.7 %/minとし,耐力点を超えた後は,短時間で破断するようひずみ増加率を増加して試験でき
る(例えば,約10 %/min)。
5.3
曲げ試験
曲げ試験は,JIS Z 2248による。試験片は,鍛造又は圧延方向に平行な方向若しくはそれらに直角な方向に
取った試験片とする。
6
検査
検査は,次による。
a) 化学分析試験の試料は,鋳塊及び熱処理が同じロットのものから,不純物が混入しないようにJIS H 1610
によって採取する。ただし,水素は,熱処理後の分析値とし,水素以外の成分は,鋳塊の分析値で代表す
ることができる。
b) 引張試験又は曲げ試験の試験片は,鋳塊及び熱処理が同じロットのものから作製し,2本以上で試験を行
う。
c)
材料は,外観及び寸法を検査するとともに,箇条5によって試験を行ったとき,箇条4に適合しなければ
ならない。適合しなかった場合には,JIS H 0321の7.(再試験)によって再試験を行う。
7
表示
材料には,1製品ごと,1巻ごと又は1包装ごとに,適切な方法で次の事項を表示する。
a) 材料名
b) 寸法
c)
製造業者名又はその略号
d) 製造番号又は製造記号