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T 7322:2005  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医用機器工業

会(JAMEI)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 7322:1989は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

T 7322:2005  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 2 

4. 設計上の要求事項 ············································································································ 4 

4.1 滅菌器の設計,構造,部品及び附属品 ················································································ 4 

4.2 滅菌器の安全性 ············································································································· 4 

4.3 工程モニタリング・制御装置···························································································· 5 

4.4 滅菌器の滅菌性能 ·········································································································· 6 

4.5 機械的脱気 ··················································································································· 6 

4.6 滅菌器性能の保証及び記録······························································································· 6 

5. 試験・検査 ····················································································································· 7 

5.1 滅菌器の設計,構造,部品及び附属品 ················································································ 7 

5.2 滅菌器の安全性 ············································································································· 7 

5.3 工程モニタリング・監視装置···························································································· 7 

5.4 滅菌器の滅菌性能 ·········································································································· 8 

5.5 機械的脱気 ·················································································································· 11 

6. 表示 ····························································································································· 12 

6.1 識別表示 ····················································································································· 12 

6.2 注意表示 ····················································································································· 13 

6.3 附属文書 ····················································································································· 13 

6.4 薬事法で指定する附属文書······························································································ 14 

6.5 その他の文書・情報(修理・保守点検手引書) ··································································· 14 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7322:2005 

医療用高圧蒸気滅菌器 

High-pressure stream sterilizers for medical use 

1. 適用範囲 この規格は,飽和蒸気又は熱水を用いて医療機器など(被滅菌物)を滅菌する高圧蒸気滅

菌器(以下,滅菌器という。)の安全性,性能,試験及び表示に関する要求事項について規定する。ただ

し,ウォッシャステリライザを含むバイオハザード対応の滅菌器,その他の滅菌器は除く。 

また,この規格の対象とする滅菌器は,国で定める圧力容器規定(1)に該当する第一種圧力容器(2)(小型

圧力容器を除く。)をもつものとする。 

注(1) 労働安全衛生法第一種圧力容器の構造規格に関する安全規則などによる。 

(2) 労働安全衛生法施行令第1条第5号に掲げる第一種圧力容器をいう。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記していない引

用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS C 1010-1:1998 測定,制御及び研究室用電気機器の安全性 第1部:一般要求事項 

JIS C 1806-1 計測・制御及び試験室使用の電気装置−電磁両立性(EMC)要求 

JIS Z 8737-2 音響−作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法−第

2部:現場における簡易測定方法 

ISO 11138-1 Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 1: General 

ISO 11138-3 Sterilization of health care products−Biological indicators−Part 3: Biological indicators for 

moist heat sterilization 

ISO 11140-1 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 1: General requirements 

ISO 11140-3 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 3: Class 2 indicators for steam 

penetration test sheets 

ISO 11140-4 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 4: Class 2 indicators for steam 

penetration test packs 

ISO 11140-5 Sterilization of health care products−Chemical indicators−Part 5: Class 2 indicators for air 

removal test sheets and packs 

IEC 61010-2-041:1995 Safety requirements for electrical equipment for measurement, control, and laboratory 

use−Part 2-041: Particular requirements for autoclaves using steam for the treatment of medical materials, 

and for laboratory processes 

T 7322:2005  

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3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,IEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998によるほか,

次による。 

a) 圧力表示器 滅菌器のチャンバ又はジャケットなどに取り付けられ次の圧力を測定する計器。チャン

バ又はジャケット内の圧力を,通常は,メガパスカル(MPa)の単位で表示する。 

− 圧力計は,正のゲージ圧を測定するもの 

− 真空計は,負のゲージ圧を測定するもの 

− 連成計は,正及び負のゲージ圧を測定するもの 

b) 圧力容器 大気圧を上回る内圧に耐えられる密閉された空間をもち,圧力容器規定(1)などに適合する

ように製作された容器。 

c) 電磁両立性(EMC) 装置又はシステムの存在する環境において,許容できないような電磁妨害をい

かなるものに対しても与えず,かつ,その電磁環境において満足に機能するための装置又はシステム

の能力。 

d) 医療機器 装置,器具,材料資材又はその他の物品を,単独で又は組み合わせて用いるもので,製造

業者の意図する適切な使用のために,必要なソフトウェアをも含み,人間に対し,次のような目的で

使用する機器。 

− 疾患の診断,予防,観察,治療又は緩和 

− 傷害又は身体障害の診断,予防,観察,治療,緩和又はその補償 

− 解剖学的事項又は生理学的過程の究明,代替又は調節 

− 受胎の調節 

人体に対する,又は人体中での主要な意図された作用は,薬理学的,免疫学的又は代謝の関与

する方式で達成されるものではないが,用具の機能はそれらに助けられる。 

e) インターロック チャンバ内の圧力が所定の限度を上回る場合にチャンバの扉又はふたが偶然開くの

を防止する手段,及び/又はチャンバの扉又はふたがロックされていない場合にチャンバ内への蒸気

の導入を防ぐ手段。 

f) 

運転サイクル 規定の順序に従って,滅菌を目的として実行される工程段階の完全な一組(IEC 

61010-2-041:1995の3.1.102参照)。 

例 滅菌器の扉又はふたを閉めたときから,少なくとも空気排除,滅菌,自然冷却を含む排気など,

すべての工程を終了し,扉又はふたを開けるまでの過程。 

g) 演算制御方式 あらかじめ滅菌温度に対するF値(制御値)を設定し,使用中に滅菌温度と時間との

演算値が制御値と同等になったとき,滅菌時間の積算を停止する方式。 

又は,滅菌温度とその保持時間とによって定まるD値を積分し,滅菌時間を決定する方式。 

h) オーバーキル法 既知のD値及び菌数(例えば106個)のバイオロジカルインジケータを10-6のSAL

を確保する12D時間処理する方法。 

i) 

記録・制御機器 パラメータ(温度など)の制御が可能で,制御中のパラメータの記録を常時提供す

るよう設計された機器。 

j) 

緊急操作部 装置の運転を速やかに停止できるスイッチ(電源スイッチを含む)。又は,蒸気の供給を

停止し安全を確保するための部位及び操作部。 

k) ケミカルインジケータ(化学的指標) 滅菌工程に作用(暴露)することで生じる化学的又は物理的

な変化に基づき,あらかじめ規定した一つ又は複数の変数変化を明らかにするシステム。 

l) 

校正 正確さが未知の計量計測のシステム又は器具装置を,正確さが既知の(国家標準までたどるこ

T 7322:2005  

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との可能な)計量計測のシステム又は器具装置と比較して,正確さが確認されていない計量計測シス

テム又は器具装置に対して要求される性能上の限界からの偏りを検出するか,相関を求めるか,報告

するか,又は調節によって排除する。 

m) 工程 運転サイクルを構成する各処理ステップ。 

n) ジャケット チャンバの周囲に取り付けられ,内部の温度を維持する機構。 

o) 重力置換式滅菌器 チャンバ内及び負荷内の滅菌温度上昇を阻害する残留空気を飽和蒸気圧力によっ

て排出口から排除する方式の蒸気滅菌器。フラッシュ滅菌及び圧力パルス滅菌を含む。 

p) 蒸気発生器 水に十分な熱を加えて蒸気に変換する装置。 

q) 真空脱気式滅菌器 チャンバ内及び被滅菌物内の滅菌温度上昇を阻害する残留空気を滅菌工程前に真

空装置によって強制的に吸引排除する方式。パルス脱気式を含む。 

r) 制御設定温度 選定された滅菌作用(暴露)温度付近の所要の範囲にチャンバの温度が維持できるよ

う,滅菌器制御システムの動作基準として機能する任意の温度。 

s) 

生存確率 滅菌後の物品に微生物が存在している確率。 

t) 

精度 ある数量の測定値とその数量の真の値との差の程度。 

u) 積算式 滅菌温度設定点に到達した時点で作動する滅菌タイマが,滅菌温度が正常に推移したとき,

加算又は減算して滅菌時間を測定する方法。 

v) チャレンジテストパック 滅菌される物品を想定して規定されたテストパック。運転サイクルの性能

の有効性を評価するために用いられる。 

w) チャンバ 滅菌器の一部をなし,内部で物品が滅菌処理され,扉又はふたの閉鎖によって周囲環境か

ら遮断される空間,又は被滅菌物を収納し滅菌処理するための空間を形成する容器。片扉式と両扉式

とがある。 

x) D値 所定の設定条件において,特定の微生物集団を1対数(90 %)低減するのに必要な作用(暴露)

時間。 

y) 特定保守管理医療機器 医療機器のうち,保守点検,修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必

要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断,治療又は予防に重大な影響を与える

おそれがある機器。これらの機器は,厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する

ものをいう。 

z) ハーフサイクル法 既知のD値及び菌数(例えば106個)のバイオロジカルインジケータがすべて死

滅する最小時間の2倍の時間で滅菌処理する方法。 

aa) ハンドル チャンバの扉又はふたの開閉及び/又はロック・アンロックを行うための手動装置。この

用語はまた,滅菌器に使用される蒸気又は,水の流れを制御するための操作部にも適用される。 

ab) バイオロジカルインジケータ(生物学的指標) 運転サイクルに一定の抵抗を示す微生物,及びその

微生物を含む使用準備のできた一次包装内の接種担体。 

ac) 負荷 運転サイクルに供される物品又はそれを模したもの(IEC 61010-2-041:1995の3.2.102参照)。 

ad) 飽和水蒸気 飽和水蒸気圧に対応する温度における湿熱。 

ae) 保持時間 負荷のあらゆる部分の温度が滅菌温度域内に保持される期間(3)。 

注(3) 平衡時間の直後に始まる。保持時間の長さは滅菌温度に関係している。 

af) ボウィー・ディックテスト 被滅菌物内の空気が排除され,飽和水蒸気が被滅菌物内に確実に浸透す

ることを監視する試験。試験は規定された条件の下,専用のテストパック及びテストシートが使用さ

れる。 

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ag) 無菌性保証レベル(以下,SALという。) 滅菌後の物品に微生物が存在している確率。 

備考 SALは,通常,10-nと表現する。SALが10-6の場合,滅菌された1物品が(生存可能な微生物

1個に)汚染されている確率は100万分の1以下である。 

ah) 滅菌 物品を生育可能な微生物が存在しない状態にするために用いる,バリデーションを受けた運転

サイクル。 

備考 運転サイクルでは,微生物の不活性化作用の本質は指数関数で表現する。したがって,あらゆ

る物品上の生育可能な微生物の存在は,確率を用いて表現できる。この確率は非常に低い数ま

で減少させ得るが,ゼロまで減少させることは不可能である(無菌性保証レベル参照)。 

ai) 滅菌温度 保持時間において達成維持される温度。 

aj) 滅菌タイマ 選定された滅菌条件下に滅菌器を維持しておく時間を制御する,機械的又は電気的装置。 

4. 設計上の要求事項  

4.1 

滅菌器の設計,構造,部品及び附属品  

4.1.1 

機械的安全 機械的安全は,JIS C 1010-1:1998及びIEC 61010-2-041:1995に従って,設計及び製造

されなければならない。 

なお,圧力容器に関する要求事項は,圧力容器規定(1)の圧力容器構造規格及び第一種圧力容器構造規格

によるものでなければならない。 

4.1.1.1 

安全弁又は安全装置 安全弁又は安全装置は,労働安全衛生法に適合する性能をもつものでなけ

ればならない。 

4.1.2 

電気的安全 滅菌器の電気システムは,JIS C 1010-1:1998及びIEC 61010-2-041:1995に従って設計

及び製造しなければならない。 

EMCについては,JIS C 1806-1に従わなければならない。 

4.1.3 

耐腐食性  

4.1.3.1 

チャンバ側表面 滅菌器のチャンバ側表面,及び扉又はふたのチャンバ側表面は,耐腐食性をも

つ材質で製作しなければならない。 

4.1.3.2 

収納用附属品 チャンバに収納される附属品である被滅菌物収納用棚,及びその他の附属品は,

滅菌処理される物品及び材質,並びに蒸気に対して,耐腐食性の特質をもつ材質で製造しなければならな

い。 

4.1.4 

エアフィルタ チャンバの復圧回路ごとに,1個以上の除菌フィルタ(0.3 μmの微粒子に対するろ

過効率99.97 %以上)を設置しなければならない。 

4.1.5 

給蒸装置 蒸気発生器をもつ構造の滅菌器は,滅菌工程中に,補水によって滅菌温度が低下しては

ならない。 

4.1.6 

自動制御装置 自動制御装置は,次による。 

a) 自動制御の範囲 運転サイクルのすべての工程を連続的に制御できるものとする。 

b) 運転表示装置 滅菌器の運転状況及び滅菌完了を明示する表示装置を,操作者の見やすい位置に取り

付けるものとする。 

4.1.7 固定部 滅菌器は,必要な場合には建造物に固定するための適切な固定法をもたなければならない。 

4.2 

滅菌器の安全性  

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4.2.1 

インターロック 滅菌器は必ず,通常の動作条件において,チャンバの扉又はふたがロックされて

いないときに蒸気がチャンバ内に供給されないよう設計された,自動インターロック機構を備えなければ

ならない。滅菌器は,チャンバの残留圧力が外部の圧力と等しく排気されるまで,扉又はふたが開かない

ように製作しなければならない。 

4.2.2 

熱傷害の防止 通常稼動時に操作者が使用する放射棒,ハンドル又はこれと類似の接触可能なもの

すべてで,その温度はJIS C 1010-1:1998及びIEC 61010-2-041:1995に適合しなければならない。 

4.2.3 

運転サイクルの中止制御 動作中のサイクルを安全に中止又は終了をするための手段(又は緊急

操作部)を操作者が容易に利用できるようにしなければならない。 

4.2.4 

騒音 騒音は,5.2.4によって試験したとき,75 db(A)以下でなければならない。 

4.3 

工程モニタリング・制御装置 滅菌器は,チャンバの温度及び/又は圧力を表示する手段を備えな

ければならない。 

チャンバ温度及び/又は圧力をディジタル記録若しくはアナログ記録するための手段,又はその手段へ

の接続が提供されることが望ましい。 

温度についてはその表示及び/又は記録と運転サイクル制御システムとが独立していることが望ましい。 

4.3.1 

チャンバの温度  

4.3.1.1 

温度のモニタリング及び記録 滅菌器は継続的にチャンバ内温度のモニタリング,記録及び制御

をする手段を備えなければならない。 

4.3.1.2 

温度センサの位置 温度センサは,滅菌中チャンバ内で最も低い温度を示す位置に取り付けなけ

ればならない。 

4.3.1.3 

温度測定の精度 温度表示器の精度は通常使用する滅菌温度の±5 ℃の範囲において,±1.5 ℃以

下でなければならない。 

4.3.1.4 

温度測定の分解能 温度測定の精度は通常使用する滅菌温度の±5 ℃の範囲において,ディジタ

ル計測器においては1 ℃以下の分解能をもたなければならない。 

アナログ計測器においては5 ℃以下ごとで目盛られていなければならない。 

4.3.1.5 

滅菌器の温度制御 選定された滅菌作用(暴露)温度の+4 ℃〜−0 ℃の範囲にチャンバ温度が

入り,その温度変化が±1.5 ℃以内となるように温度制御されなければならない。 

4.3.1.6 

温度測定用のソケット 滅菌器は,4.3.1.5を確認するための適当な数の温度センサをチャンバ内

へ導入するためのソケットを装備しなければならない。 

4.3.2 

滅菌タイマ 滅菌タイマは,滅菌温度制御器と連動し,チャンバ内の滅菌温度が設定値に達したと

き又は設定幅内にあるとき作動する構造でなければならない。また,チャンバ内温度が制御設定温度を下

回った時点で操作者に警告しなければならない。5.3.2の試験を行ったとき,滅菌時間制御方式の違いによ

って,次に適合しなければならない。 

a) 積算式は,チャンバ内の温度が滅菌温度設定値によって所定温度より低下している間は,タイマを停

止又はリセットさせ,設定値に復帰したときに再スタートし,所定の時間経過後に滅菌工程を終了す

る。時間の設定誤差は,±1 %以内とする。 

b) 演算制御方式は,チャンバ内温度とその保持時間との変化を滅菌中常時検出し,マイクロコンピュー

タによってその値を演算し積分を行う。演算値が設定値と同等,又は積算値が滅菌保証レベルに達し

たとき滅菌を終了しなければならない。 

c) 下限積算滅菌温度は,115 ℃以上とし,下限積算滅菌温度を下回ったときタイマは停止しなければな

らない。演算値の設計上の積算誤差はマイナスであってはならない。 

T 7322:2005  

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4.3.3 

圧力表示器  

4.3.3.1 

チャンバ内圧力計 チャンバ用の圧力計又は連成計は,JIS B 7505に規定するブルドン管圧力計

に適合するもの又はこれと同等以上の性能をもつものとし,機械式のものを操作者の見やすい位置に取り

付けなければならない。使用する圧力計は第一種圧力容器構造規格第130条によらなければならない。 

なお,両扉式の場合は,滅菌器の両面に取り付けなければならない。 

4.3.3.2 

ジャケット圧力計 ジャケット付きの場合は,ジャケット用圧力計を主操作者側に,機械式のも

のを操作者の見やすい位置に取り付けなければならない。ジャケット用圧力計は,JIS B 7505に規定する

ブルドン管圧力計に適合するもの,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。使用する圧力計は第一

種圧力容器構造規格第130条によらなければならない。 

4.3.4 

運転記録  

4.3.4.1 

ディジタルプリンタの記録 ディジタルプリンタ付きの場合は,各々のサイクルの滅菌器出力文

書として次の情報を記載しなければならない。 

a) そのサイクルで選ばれたパラメータ 

b) サイクルスタート時の日付及び時間 

c) サイクルナンバ及び滅菌器の機番(ID No.) 

d) 指定された工程ごとの経過時間,そのときの温度及び圧力 

e) トータルサイクル時間 

さらに,サイクルロットナンバ又はインジケータの記録用に空欄を用意する。選択されたサイクルパラ

メータとサイクルプログラムの作動するパラメータに偏差が生じた場合は,それらの発生中に表示をし,

その発生時刻を記録することが望ましい。 

4.3.4.2 

アナログ式記録計の記録 アナログ式記録計付き仕様の場合は,少なくともチャンバ内温度を記

録しなければならない。 

その他に,チャンバ内圧力及びサイクルスタート時の日付,並びに時刻を記録できることが望ましい。 

4.4 

滅菌器の滅菌性能 蒸気滅菌器の滅菌性能は,10-6以下の無菌性保証レベル(SAL)でなければなら

ない。 

滅菌性能の証明は,標準試験負荷を使用したオーバーキル法,ハーフサイクル法などの滅菌試験によっ

て行う。 

4.5 

機械的脱気  

備考 脱気試験5.5.1と空気漏れ試験5.5.2は,相互補完関係にある。 

真空脱気式(真空ポンプ内蔵)の滅菌器は,両方の試験の要求を満たさなければならない。 

重力置換式(真空工程なし)の滅菌器は,いずれの試験も適用しない。 

空気漏れ試験は,スチームフラッシュ式及び陽圧パルス式の滅菌器には適用しない(5.5.2参

照)。 

4.5.1 

脱気(真空脱気式滅菌器) 真空脱気式滅菌器(プレバキューム式)の脱気機構の有効性は,5.5.1

に従い試験し,5.5.1.4の試験を行ったとき,有効性を確認できなければならない。 

4.5.2 

空気漏れ(真空脱気式滅菌器) プレバキューム式滅菌器の空気漏れ試験の有効性は,5.5.2に従

い試験したとき,有効性を確認できなければならない。 

4.6 

滅菌器性能の保証及び記録 この規格に従い実施された試験の報告書は,滅菌器製造業者が保存し

なければならない。 

T 7322:2005  

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5. 試験・検査 この箇条では4. で規定する要求事項への適合性を確認できる試験の方法及び検査方法

を示す。これらの試験・検査は形式試験であり,ルーチン試験,又は納入先における設置試験,受入れ試

験又は予防メンテナンス試験を意図してはいない。 

なお,測定機器などは,次による。 

a) 測定機器及び計器 滅菌器の検査に使用される測定機器及び計器は精度の校正をしなければならな

い。校正の頻度及び校正方法を規定した品質保証プログラムを文書化しなければならない。 

すべての検査計器は,一次標準に対してトレーサビリティが取られていなければならない。 

b) 滅菌器の据付け及び運転 4. の要求事項に適合する試験検査に使用する滅菌器は,取扱説明書などの

記載文書に従った方法で据付けられ,運転しなければならない。また,そのときの環境条件は,滅菌

器の使用条件の範囲内で製造業者が指定した条件とし,その試験条件を記録しなければならない。 

c) 滅菌器の試験適用範囲 チャンバの間口(高さ×幅)が同一である場合には奥行き,及び扉又はふた

の枚数,並びに扉又はふたの締付機構にあっては,その代表とする長さを用いて検証することができ

る。ただし,制御装置の性能及び仕様が異なる場合は同一とはしない。 

5.1 

滅菌器の設計,構造,部品及び附属品  

5.1.1 

機械的安全 機械的安全は圧力容器規定(1)並びにIEC 61010-2-041:1995によっているかを調べ,

4.1.1の規定に適合しなければならない。 

5.1.1.1 

安全弁又は安全装置 安全弁又は安全装置は圧力容器規定(1)によっているかを調べ,4.1.1.1の規

定に適合しなければならない。 

5.1.2 

電気的安全 電気的安全はIEC 61010-2-041:1995及びJIS C 1010-1:1998の該当項目に従って確認

する。また,EMCについては,JIS C 1806-1に従って確認する。 

5.1.3 

耐腐食性 耐腐食性は圧力容器規定(1)並びにIEC 61010-2-041:1995によっているかを調べ,4.1.3

の規定に適合しなければならない。 

5.1.4 

エアフィルタ エアフィルタは,各缶体の真空ブロー配管にバクテリア保持フィルタが設置されて

いるかを調べ,4.1.4の規定に適合しなければならない。 

5.1.5 

給蒸装置 給蒸装置は,目視によって調べ,4.1.5の規定に適合しなければならない。 

5.1.6 

自動制御装置 自動制御装置は,目視によって調べ,4.1.6の規定に適合しなければならない。 

5.1.7 

固定部 固定部は,目視によって調べ,4.1.7の規定に適合しなければならない。 

5.2 

滅菌器の安全性  

5.2.1 

インターロック インターロックは,目視によって調べ,4.2.1の規定に適合しなければならない。 

5.2.2 

熱傷害の防止 4.2.2への適合は,JIS C 1010-1:1998に従って確認する。 

5.2.3 

運転サイクルの中止制御 運転サイクルの中止制御は,目視によって調べ,4.2.3の規定に適合し

なければならない。 

5.2.4 

騒音 騒音は,JIS Z 8737-2に従って測定する。 

5.3 

工程モニタリング・監視装置 工程モニタリング・監視装置は,認定された計量機関等の基準に対

して,温度監視,圧力監視及びタイマについて目視などによって調べ,4.3の規定に適合しなければならな

い。 

5.3.1 

チャンバの温度 チャンバの温度は温度センサなどによって連続的に温度を読み取り,並びに記録

可能な機能を備えた温度測定装置を用い,少なくとも5点以上を,空のチャンバに設置する。 

例 温度センサの設置位置は,チャンバ内の前側下段,前側上段,中心,後ろ側下段及び後ろ側上段

とする。 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

滅菌器製造業者は,物品をチャンバ内のどこに置いても,推奨する運転サイクル及び負荷について4.3.1.2

及び4.3.2に規定する温度パラメータの最低要件に適合しなければならない。また,チャンバの温度を記録

しなければならない。 

5.3.2 

滅菌タイマ 4.3.2への適合性試験は空のチャンバで実施し,次のとおりとする。 

a) 積算式の滅菌タイマは作動確認後,時間測定装置との比較によって調べる。 

b) F値演算制御方式は殺菌加熱量を設定温度における加熱時間であるF値として積分制御していること

を,疑似温度の入力を行い加熱時間を計測して実証する。D値演算制御方式は温度によって定まるD

値を積分していることを,疑似温度の入力を行い加熱時間を計測して実証する。F値及びD値は理論

式を用いて証明してもよい。また,基準とするタイマの精度は時間測定装置との比較によって調べる。 

備考 時間測定装置は,国家標準とトレーサビリティがとれた日本電信電話株式会社(NTT)が提供

する時報サービスなどとの比較による誤差が,規定値以内であるものを使用できる。 

5.3.3 

圧力表示器  

5.3.3.1 

チャンバ内圧力計 4.3.3.1への適合は,目視検査によるか,又は公認基準に照らして試験するこ

とによって確認する。 

5.3.3.2 

ジャケット圧力計 4.3.3.2への適合は,目視検査によるか,又は公認基準に照らして試験するこ

とによって確認する。 

5.4 

滅菌器の滅菌性能 滅菌性能として,10-6以下の無菌性保証レベル(SAL)を確保しているかは,チ

ャレンジテストパックを使用したオーバーキル法,ハーフサイクル法などの滅菌試験によって行う。試験

は,取扱説明書に従って,3回以上実施する。記録は4.6に従って保存されなければならない。 

5.4.1 

実施される試験の概要 製造業者は,初期設計品質保証の一部として滅菌を保証するためにバイオ

ロジカルインジケータによる試験を5.4.2,5.4.3(該当する場合),5.4.4及び5.4.5(該当する場合)に従い

セットされたチャレンジテストパックを用いて実施しなければならない。その記録は4.6に従い保存され

なければならない。 

試験に用いられる指標菌は次に適合するものとする。 

バイオロジカルインジケータ(生物学的指標) 検査に使用される生物学的指標は,ISO 11138-1及び

ISO 11138-3の要求事項に適合するもの,又は同等のものでなければならない。培養条件は,生物学的指標

に附属する取扱説明書に従わなければならない。 

5.4.2 

繊維質材料チャレンジテストパックを用いた滅菌性能評価  

5.4.2.1 

チャレンジテストパックの構成 繊維質材料の微生物指標を用いたチャレンジテストパックは,

木綿製のタオル約2.5 kgを,約23×30 cmの寸法に畳み,25 cmの高さになるようにし,中央のタオルの

上に2個のバイオロジカルインジケータと精度±1 ℃の温度測定センサを入れる。そのタオルを約90×90 

cmの包装用リネンで二重に包装し,固定用テープでしっかりと固定する。 

備考 チャレンジテストパックの中心は,必ずしも加熱が一番困難と断定できないが,温度分布の傾

向を試験する目的であれば,正当な場所である。 

5.4.2.2 

チャレンジテストパックの配置 チャレンジテストパックは,製造業者による無負荷温度分布測

定値によって求められた,チャンバ内の最低温度位置(コールドポイント)に水平に(包装時と同様に)

配置する。この位置は滅菌器の設計によって異なる。コールドポイントは,5.3.1によって割り出しておか

なければならないが,通常は,滅菌器前部(及び/又は後部)の扉又はふた付近に存在する。 

重力置換式滅菌器の場合,チャレンジテストパック以外の空間は,バイオロジカルインジケータが挿入

されていないダミーテストパックによって満載状態で運転する。満載状態を作るために必要なパックの数

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

はチャンバ寸法及び附属の収納機器によって変化する。 

真空脱気式滅菌器の場合は,チャレンジテストパックだけで運転をする。 

備考 被滅菌物への蒸気浸透性がチャンバ内残存空気に左右されるため,重力置換式滅菌器のダミー

テストパック量は,真空脱気式滅菌器とは異なる。 

5.4.2.3 

運転サイクルの稼動 運転サイクルの稼動は,滅菌性能を実施稼動によって調べ,4.4及び5.4.2.5

の基準に適合しなければならない。また,取扱説明書に従って乾燥時間を含む標準的な運転サイクルを,3

回実施する。 

5.4.2.4 

バイオロジカルインジケータの培養 バイオロジカルインジケータの培養は,5.4.1による。 

5.4.2.5 

判定基準  

a) 滅菌保証レベル 製造業者は,5.4.2.1のチャレンジテストパックを使用し,推薦するサイクルが少な

くとも 10-6の滅菌保証レベルをもつことを実証しなければならない。その実証方法については,例え

ばハーフサイクル法などを用いることができる。 

b) 残留湿度 繊維質材料のチャレンジテストパックの湿度は,滅菌後の保管又は移送中の細菌再汚染防

止を目的として,滅菌前のチャレンジテストパック質量の3 %以上増加してはならない。また,チャ

レンジテストパックにぬれた箇所があってはならない。 

5.4.3 

液体負荷を用いた滅菌性能評価(該当する場合)  

備考 液体負荷性能評価は,他の負荷に比べ標準化が難しいため,この試験については,一部の情報

だけ提示する。液体負荷運転サイクルは,能力評価のための試験に制限があること,また,器

材及び器具などの滅菌を意図したサイクルではないことを顧客に通知すべきである。 

5.4.3.1 

テスト用ボトル 密閉ができ,滅菌条件に耐えられる材質でできた容積500 mlのガラス瓶を3

個用意する。1個目のボトルには,バイオロジカルインジケータの製造業者が指定する液体培地500 ml及

び,バイオロジカルインジケータ(ゲオバチラスステアロサーモフィラス胞子と媒体を含んでいるインジ

ケータ)1個を入れ密封する。2個目のボトルには,水500 mlを入れ,水の中心温度が測定できるように

熱電対又は他の温度センサをセットして密閉する。3個目のボトルは,水500 mlを入れ,密封し液体の損

失を確認する試験に使用する。 

5.4.3.2 

テスト用ボトルの配置 テスト用ボトルは,空のチャンバの中央に置く。 

5.4.3.3 

運転サイクルの稼動 液体運転サイクルは,取扱説明書に従って冷却時間を含む標準的な運転サ

イクルを,3回実施する。 

5.4.3.4 

バイオロジカルインジケータの培養 バイオロジカルインジケータは,回収した後,その製造業

者の取扱説明書に従って培養する。5.4.3.1に規定する培地を用いた試験を行う場合,運転サイクルが終了

して負荷が冷めた後,チャンバから取り出す。 

芽胞ストリップの入ったボトルを恒温槽に入れ,微生物指標の製造業者の推奨する温度及び時間で培養

する(通常最低7日以内)。 

5.4.3.5 

判定基準 バイオロジカルインジケータに存在する全芽胞を死滅によって証明しなければなら

ない。判定基準を満たす試験結果を得るためには,水で満たした第3ボトルの水損失が50 ml以下である

とともに,2個目のボトルの温度センサで取得した温度測定データは,液体負荷の中心で最低F0≦12が維

持されたことを示していなければならない。これは取扱説明書に従って実施する。 

5.4.4 

包装した器具類の滅菌性能評価  

5.4.4.1 

チャレンジテストパックの構成 チャレンジテストパックの質量は,約7.5 kgとし,その内容は

次による。 

10 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

− 金属底の器械トレー 約50 cm×25 cm 

1個 

− 金属製の手術器械など(4) 

約7 kg 

− 木綿製のタオル   約45 cm×85 cm 

1枚 

− バイオロジカルインジケータ 

2個 

− 包装用リネン(洗濯済みのもの) 

2枚 

器械トレーの底にタオルを敷きその上に手術用器械をならべる。手術用器械の間にバイオロジカルイン

ジケータを入れる。器械トレーを包装用リネンで二重に包み,固定用テープで固定する。 

注(4) 手術器械の代用として,オーステナイトステンレス鋼(SUS304)製の全ねじ六角ボルトM12

×100などを用いてもよい。 

5.4.4.2 

チャレンジテストパックの配置 チャレンジテストパックは無負荷温度分布測定値によって求

められた,チャンバ内最低温度位置(コールドポイント)で水平に(包装時と同様に)配置する。この位

置は滅菌器の設計によって異なる。コールドポイントは,5.3.1によって割り出しておかなければならない

が,通常は,滅菌器前部(及び/又は後部)の扉又はふた付近に存在する。 

重力置換式滅菌器の場合,チャレンジテストパック以外の空間は,バイオロジカルインジケータが挿入

されていないダミーテストパックによって満載状態で運転する。満載状態を作るために必要なパックの数

はチャンバ寸法 及び附属の収納機器により変化する。 

真空脱気式滅菌器の空気置換工程は,負荷となる収納量による影響は少ないのでチャレンジテストパッ

クだけで試験する。 

5.4.4.3 

運転サイクルの稼動 運転サイクルの稼動は滅菌性能を実施稼動によって調べ,4.4及び5.4.2.5

の基準に適合しなければならない。また,取扱説明書に従って乾燥時間を含む標準的な運転サイクルを,3

回実施する。 

5.4.4.4 

バイオロジカルインジケータの培養 5.4.1による。 

5.4.4.5 

判定基準  

a) 滅菌保証レベル 5.4.2.5 a)による。 

b) 残留湿度 5.4.2.5 b)による。 

5.4.5 

未包装又は単体包装で透過性又は不透過性器材の短縮(フラッシュ/緊急)サイクルの滅菌性能評

価(該当する場合)  

5.4.5.1 

未包装で不透過性器材の加圧排気サイクルを用いた滅菌性能評価  

5.4.5.1.1 

実施される試験の概要 製造業者は,未包装で不透過性医療器材の滅菌処理に短縮された(フ

ラッシュ/緊急)サイクルを提供する場合,最小負荷試験及び最大負荷試験の2種類による試験を行わな

ければならない。このサイクルで用いる滅菌温度を定義しなければならない。 

5.4.5.1.2 

チャレンジテストパックの構成 2種類の試験は,およそ幅25 cm長さ41 cmで有穴金属ある

いはワイヤーメッシュ構造の底をもつトレーを使用して実施されなければならない。 

a) 最小負荷試験 1個約100 gの金属製手術器械をトレーに収納する。 

b) 全負荷試験 1個約100 gの金属製手術器械(5)を質量約7.5 kgとなるようトレーに並べ,金属製手術

器械の間には2個のバイオロジカルインジケータを収納する。 

注(5) 手術器械の代用として,オーステナイトステンレス鋼(SUS304)製の六角ボルトM12×100な

どを用いてもよい。 

11 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.4.5.1.3 

チャレンジテストパックの配置 最小負荷及び全負荷試験に用いるチャレンジテストパックは

無負荷温度分布測定値によって求められた,チャンバ内最低温度位置(コールドポイント)で水平に(包

装時と同様に)配置する。この位置は滅菌器の設計によって異なる。コールドポイントは,5.3.1によって

割り出しておかなければならないが,通常は,滅菌器前部(及び/又は後部)の扉又はふた付近に存在す

る。 

5.4.5.1.4 

運転サイクルの稼働 運転サイクルの稼動は滅菌性能を実施稼動によって調べ,4.4及び5.4.2.5

の基準に適合しなければならない。また,標準的な運転サイクルを,取扱説明書に従って3回実施する。 

5.4.5.1.5 

バイオロジカルインジケータの培養 5.4.1による。 

5.4.5.1.6 

判定基準  

a) 滅菌保証レベル 5.4.2.5 a)による。 

b) 残留湿度 この運転サイクルは乾燥を必要とせず保管を行うことがないので,目に見える湿気及び水

滴が予想される。したがって,湿気残留についての基準は設けない。 

5.4.5.2 

未包装又は単体包装で不透過性器材の真空脱気式サイクルを用いた滅菌性能評価  

5.4.5.2.1 

実施される試験の概要 製造業者は,未包装又は単体包装で不透過性器材の真空脱気式サイク

ルを提供する場合,最小負荷試験及び最大負荷試験の2種類による試験を行わなければならない。 

このサイクルで用いる滅菌温度を定義しなければならない。 

製造業者によって推薦される単一包装仕様は,5.4.4.1の規定に適合しなければならない。 

5.4.5.2.2 

チャレンジテストパックの構成 2種類の試験は,およそ幅25 cm長さ41 cmで有穴金属若し

くはワイヤーメッシュ構造の底をもつトレーを使用して実施されなければならない(6)。 

a) 最小負荷試験 5.4.5.1.2 a)による。 

b) 全負荷試験 5.4.5.1.2 b)による。 

注(6) 製造業者によって単体包装が推薦されるなら,それぞれのチャレンジテストパックはテープに

よってとめ,シールせずに包装材料を一重で包まなければならない。 

5.4.5.2.3 

チャレンジテストパックの配置 5.4.5.1.3による。 

5.4.5.2.4 

運転サイクルの稼働 運転サイクルの稼動は滅菌性能を実施稼動によって調べ,4.4及び5.4.2.5

の基準に適合しなければならない。また,乾燥時間を含む標準的な運転サイクルを,取扱説明書に従って

3回実施する。 

5.4.5.2.5 

バイオロジカルインジケータの培養 5.4.1による。 

5.4.5.2.6 

判定基準  

a) 滅菌保証レベル 5.4.2.5による。 

b) 残留湿度 この運転サイクルは乾燥を必要とせず保管を行うことがないので,目に見える湿気及び水

滴が予想される。したがって,湿気残留についての基準は設けない。 

5.5 

機械的脱気  

5.5.1 

脱気(真空脱気式滅菌器)  

5.5.1.1 

テストパックの構造 ボウィー・ディックテストパックはISO 11140 Part 1 Class 2の基準に合致

した市販のテストパックを使用して行う。又は,5.4.2の規定に従って試験を行い,基準を適合しなければ

ならない。 

12 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5.1.2 

テストパックの配置 テストパックは無負荷温度分布測定値によって求められた,チャンバ内最

低温度位置(コールドポイント)で水平に(包装時と同様に)配置する。この位置は滅菌器の設計によっ

て異なる。コールドポイントは,5.3.1によって割り出しておかなければならないが,通常は,滅菌器前部

(及び/又は後部)の扉又はふた付近に存在する。 

温度センサをチャンバ排気管の少なくとも100 mm深さに取り付ける。この場合,センサが排気管の表

面に接触しないように注意する。 

5.5.1.3 

運転サイクルの稼動 運転サイクルは,取扱説明書に従って運転する。滅菌温度及び保持時間は

ボウィー・ディックテストパック製造業者の取扱説明書に従い実施する。 

5.5.1.4 

判定基準 ボウィー・ディックテストパック製造業者の取扱説明書を参照する。試験の実行中に

チャンバ内温度を測定し,測定温度及び保持時間がボウィー・ディックテストパック製造業者の取扱説明

書に従っていることを確認する。滅菌器からテストパックを取り出してすぐに開封するときには,やけど

する危険があるので注意する。ボウィー・ディックテスト用のインジケータシートはテストパックから取

り出し,判断に関して訓練を受けた者が実施する。 

5.5.2 

空気漏れ(真空脱気式滅菌器)  

5.5.2.1 

一般事項 空気漏れ試験はチャンバ内を絶対圧15 kPa以下に到達した時点でチャンバにつなが

るすべてのバルブを閉鎖し圧力の変動を観察記録する。空気漏れ試験を行う場合は,滅菌器の稼動温度で

行う。 

5.5.2.2 

試験手順 試験手順は次による。 

a) 校正済み絶対圧力ゲージを準備し,チャンバに接続する。 

b) ジャケットをもつ滅菌器については,通常の運転サイクルで行うことによってチャンバ内の温度を一

定に保つことができる。その機能がない滅菌器については,滅菌器の温度が周囲温度と20 ℃以上の

差がないようにする。 

c) チャンバ温度を一定にし,無負荷状態で試験を開始する。試験開始後のチャンバ圧力が絶対圧15 kPa

以下に到達し,チャンバにつながるすべてのバルブの閉鎖完了後のチャンバ圧力(P1)を記録する。

記録とともに時間の計測を開始し,5分(±15秒)後にチャンバ圧力(P2)を計測し記録する(7)。さ

らに,15分(±15秒)後にチャンバの圧力(P3)を計測し記録を行う(8)。 

注(7) P2−P1の値が0.2 kPaよりかなり大きいときは,チャンバ若しくは配管内に水分が存在していた

結果である。このときは,装置内部の乾燥を確認後,再度試験を実施する。 

(8) 滅菌器によっては,この手順(又は,これに似た試験手順)を自動で実行するサイクルを選択

でき,空気漏れの検査結果を表示できるものもある。 

d) 試験終了後,P3−P2を計算し(

15

2

3P

P−

),5.5.2.3に示す判定基準に従って確認する。 

5.5.2.3 

判定基準 全測定期間にわたり最大平均0.13 kPa(1 mmHg)/min以下でなければならない。0.13 

kPa/min又はそれ以下の平均空気漏れが測定期間ごとに証明される場合は,空気漏れは許容できる。 

6. 表示  

備考 圧力容器に対する表示は,圧力容器規定(1)の圧力容器規定に従うものとする。また,EMC表示

については薬事法に従うものとする。 

6.1 

識別表示 滅菌器には,見やすいところに,次の事項を銘板などに表示しなければならない。 

a) 一般名称及び型式 

13 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製造販売業者名及び所在地 

c) 製造業者名及び所在地 

d) 製造番号 

e) 定格電源電圧及び周波数 

f) 

電源入力 

g) ボイラー及び圧力容器規定による構造検査番号 

h) 最高使用圧力 

i) 

水圧試験圧力 

j) 

管理医療機器(クラスⅡ)である旨の表示 

k) 特定保守管理医療機器である旨の表示 

l) 

EMC適合表示 

6.2 

注意表示 滅菌器には,見やすいところに,次の事項を表示しなければならない。 

a) 扉又はふたの操作上の注意事項 

b) 熱傷防止のための注意事項 

c) 緊急操作部の表示及び操作方法 

d) 用途及び禁止事項 

6.3 

附属文書 滅菌器には,次の文書を附属しなければならない。 

a) ボイラー及び圧力容器安全規則による文書 

b) 出荷検査証 

c) 取扱説明書。取扱説明書には,次の事項を記載する。 

1) 一般名称,製造販売業者が指定する名称及び型式 

2) 製造販売業者名及び所在地 

3) 製造業者名及び所在地 

4) 滅菌器の据付方法並びに,要求される建屋の用役及び据付に使用される材質のタイプを含んだ,安

全で効率的な装置の運転に関する完全で十分に理解しやすい説明(据付の詳細は,据付手順書によ

ってよい) 

5) 定格電源周波数及び電圧 

6) 電源入力 

7) 最高使用圧力 

8) 薬事認証(承認)番号 

9) EMC適合表示 

10) 管理医療機器(クラスⅡ)である旨の表示 

11) 特定保守管理医療機器である旨の表示 

12) 扉又はふたの操作上の注意事項 

13) 熱傷防止のための注意事項 

14) 緊急操作部の表示及び操作方法 

15) 用途及び禁止事項 

16) 点検及び日常メンテナンスに関する指示。この指示は,点検・日常メンテナンス手順及び実施日程,

定期自主検査の実施説明・監督官庁による性能検査の実施説明,並びに正規サービスのための連絡

先について記載する。 

14 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

17) 使用条件。使用条件としては次の事項を含むものとするが,製造業者(9)が指定していない場合は

JIS C 1010-1:1998及びIEC 61010-2-041:1995による。 

注(9) 本文中で使用される“製造業者”には薬事法で規定されている“製造販売業者”も含む。ただ

し,“製造業者”と“製造販売業者”が並記されている場合は,本来の意味とする。また,引用

規格における“製造業者”又は“製造者”は必要に応じて“製造販売業者”と読み替えるもの

とする。 

17.1) 必要設備 

− 電源(電圧,電流,及び周波数) 

− 給水設備及び/又は排水設備(該当する場合) 

− 蒸気供給設備(該当する場合) 

17.2) 設置場所に関する指定事項 

− 周囲温度,相対湿度,及び気圧(又は標高) 

17.3) 装置の保管環境 

− 周囲温度,相対湿度,及び気圧(又は標高) 

17.4) 対象とする負荷物の種類,その収納方法及び収納量を,滅菌における推奨事項として参照するよ

う記載する。 

18) 附属品 

6.4 

薬事法で指定する附属文書  

a) 医療用具添付文書 

b) 設置管理基準書 

1) 作業員の安全確保 

2) 使用上必要となるスペース(縦,横,高さ) 

3) 設置に必要な建築物の強度  

4) 必要設備の確認[電源(電圧,電流,周波数),給水設備及び/又は排水設備(該当する場合),蒸

設備(該当する場合)] 

5) 使用する保護接地 

6) 設置環境[周囲温度,相対湿度,気圧(又は標高),設置場所に関する指定事項(電磁波障害,など)] 

7) 設置に用いる部品,ユニット,工具などの取扱い方法 

8) 設置方法(組立作業を行う場合には,組立方法を含む。) 

9) 設置された医療用具の品質,性能及び安全性の確認方法 

10) その他必要な事項 

6.5 

その他の文書・情報(修理・保守点検手引書) 製造業者は,滅菌器の安全性及び有効性の維持を

十分確保できる程度に詳細な,修理・保守点検手引書(10)を利用できるようにしなければならない。 

注(10) 修理・保守点検手引書の記載内容の詳細さの程度は,滅菌器の精巧さ及び使用者に可能な整備

範囲によって変わることがある。ただし,少なくとも部品の調達に関する情報については記載

する。 

15 

T 7322:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連規格 JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方 

AAMI ST8:2001 Hospital steam sterilizers 

関連法規 労働安全衛生法 

労働安全衛生法 施行令 

厚生労働省令 ボイラー及び圧力容器安全規則 

厚生労働省告示 ボイラー 及び 第一種圧力容器製造許可基準 

厚生労働省告示 圧力容器構造規格 

日本薬局方