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T 7311:2005  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本医用光学機器

工業会(JMOIA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 7311:1988は改正され,この規格に置き換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 12865:1998,Ophthalmic instruments

−Retinoscopesを基礎として用いた。 

JIS T 7311には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 種類 ······························································································································ 1 

5. 性能 ······························································································································ 2 

5.1 光学的特性 ··················································································································· 2 

5.2 電気的安全性 ················································································································ 2 

6. 構造及び機能 ·················································································································· 2 

6.1 構造一般 ······················································································································ 2 

6.2 光学的構造 ··················································································································· 2 

7. 試験 ······························································································································ 2 

7.1 構造,機能及び外観の試験······························································································· 2 

7.2 性能試験 ······················································································································ 3 

7.3 電気的安全性試験 ·········································································································· 4 

8. 表示 ······························································································································ 4 

9. 附属文書 ························································································································ 4 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7311:2005 

検影器 

Retinoscopes 

序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 12865:1998,Ophthalmic instruments−Retinoscopes

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,どう(瞳)孔から網膜に光を送る照明系と,その反帰光を観察する観察光を

もち,投射光の動きに対する網膜からの反帰光の動きと方向によって他覚的に被検眼の屈折検査を行う検

影器について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 12865:1998,Ophthalmic instruments−Retinoscopes (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成

するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その最

新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 0601-1 医用電気機器−第1部:安全に関する一般的要求事項 

備考 IEC 60601-1:1988 Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for safety並びに

Amendment 1:1993及びAmendment 2: 1995からの引用事項は,この規格の該当事項と同等

である。 

JIS Z 8120 光学用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 0601-1及びJIS Z 8120によるほか,次による。 

a) 反帰光 網膜からの反射光。 

b) 線状光線束 線状の光源又は光学素子によってできる光線束。 

c) 頂点屈折力 レンズの後側頂点から像焦点までの距離の逆数,単位の名称はディオプトリ,記号はD,

単位はm−1とする。 

4. 種類 検影器の種類は,次のとおりとする。 

a) ストリーク形検影器 どう孔から眼底に入射させる光線束が線状で,その光線束の性質が収束,平行,

発散に連続して変えられ,かつ,その線状光線束が回転できる検影器をいう。 

T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) スポット形検影器 どう孔から眼底に入射させる光線束が線状でないもの,又はその光線束の性質が

変えられない検影器をいう。 

5. 性能  

5.1 

光学的特性 ストリーク形検影器及び光源像の結像位置が連続的に変化できるスポット形検影器の

光学的性能は,次のとおりとする。 

a) 収束光線束の光源像位置 収束光線束の光源像位置は,7.2.1の方法で試験を行ったとき,検影器の中

心部から被検者側方向に200 mm以内に結像すること。 

b) 発散光線束の光源像位置 発散光線束の光源像位置は,7.2.2の方法で試験を行ったとき,検影器の被

検者側から200 mm以上で結像すること。 

c) 線状光源像の回転 線状光源像の回転は,7.2.3の方法で試験を行ったとき,線状光線像に著しい偏心

がないこと。ただし,スポット形検影器は除く。 

5.2 

電気的安全性 電気的安全性に関する事項は,JIS T 0601-1に規定された次の分類に適合すること。 

a) 電撃に対する保護の形式による分類 クラスI機器以上又は内部電源機器とする。 

b) 電撃に対する保護の程度による分類 B形機器とし,漏れ電流及び絶縁は次のとおりとする。 

1) 漏れ電流は,JIS T 0601-1の19.3のうち,次のとおりとする。 

正常状態 

単一故障状態 

接地漏れ電流 

0.5 mA以下 

1 mA以下 

外装漏れ電流 

0.1 mA以下 

0.5 mA以下 

2) 絶縁は,JIS T 0601-1の20.3のうち,電源一次回路と,機器本体接触可能金属部及び外装との間(絶

縁の部分A-a1及びA-a2)は,該当する試験電圧に1分間耐えること。 

6. 構造及び機能  

6.1 

構造一般 検影器の構造及び機能は,次による。 

a) 各部の構造は,いずれも良質の材料を用い,加工組立を入念に行い,丈夫でなければならない。また,

各部の塗装及びめっきは,強固であって容易に色あせ,脱落,さび及び腐食が生じてはならない。 

b) 各部は,普通の使用状態において,作動は円滑であり,確実に作動しなければならない。 

6.2 

光学的構造 光学的構造及び機能は,次による。 

a) 光学系は,実用上差し支えのある有害な内面反射及び迷光があってはならない。 

b) 光学部品は,曇り,かび,接着剤切れ及び銀浮きがなく,実用上有害な泡,砂目,やけ,汚れ,ごみ,

反射防止膜のきず及びむらなどがあってはならない。 

c) 測定のために被検眼に入れる光線束は,眼に障害を与えるものであってはならない。 

d) ストリーク形検影器の光源像の結像位置は,対物レンズ又は光源を動かすことによって連続的に変化

させることができる。 

e) スポット形検影器の光源像の結像位置は,本体から無限遠に結像するか又は発散光線束として本体後

方に結像し,結像位置は固定式とする。 

7. 試験  

7.1 

構造,機能及び外観の試験 構造,機能及び外観の試験は,完成品について目視で検査を行い,6.1

及び6.2の規定に適合しなければならない。 

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T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

性能試験 性能試験は,完成品の状態で行う。 

7.2.1 

収束光線束の光源像位置試験 検影器の対物レンズと光源までの距離を最大に調整して,検影器の

光源像を光軸と直角の壁面に結像させたときの検影器の中心と壁面までの結像位置を測定する。 

L1:検影器の対物レンズと光源までの距離 
L2:光源像の結像距離 

図 1 収束光線束の光源像位置試験の一例 

7.2.2 

発散光線束の光源像位置試験 検影器の対物レンズと光源までの距離を最小に調整するとともに,

検影器の被検者眼側に頂点屈折力+7Dをもつ検眼用レンズを装着して,検影器の光源像を光軸と直角の壁

面に結像させたときの検眼用レンズの後側頂点と壁面までの結像距離を測定する。 

L1:検影器の対物レンズと光源までの距離 
L2:光源像の結像距離 

図 2 発散光線束の光源像位置試験の一例 

7.2.3 

線状光源像の回転試験 検影器の対物レンズと光源までの距離を調整して,検影器の光源像を光軸

と直角の壁面に結像させたとき,光源を回転して調べる。 

T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.3 

電気的安全性試験 JIS T 0601-1によって漏れ電流試験,絶縁耐圧試験を行う。ただし,光学機器の

性質上,JIS T 0601-1の4.10(湿度前処理)は適用しない。 

8. 表示 検影器本体又は収納ケースに次の事項を表示しなければならない。この場合,個々に分けて表

示してもよい。 

a) 製造業者名及び所在地 

b) 名称,形名及び製造番号(ロット番号でもよい。) 

c) 定格電源周波数(Hz)及び定格電源電圧(V) 

d) 電源入力(A.VA又はW) 

9. 附属文書 注意事項を含む取扱説明書を附属させる。様式はJIS T 0601-1による。また,機器には少

なくとも次の事項を含む添付文書を附属させるか,又はそれら事項を容器又は被包に記載しなければなら

ない。 

a) 作成又は改訂年月日 

b) 承認番号など 

c) 類別又は一般名称 

d) 販売名 

e) 性能,使用目的及び効能・効果 

f) 

取扱い上の注意 

g) 承認条件 

h) 製造販売又は輸入販売業者の氏名及び住所など 

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T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS T 7311:2005 検影器 

ISO 12865:1998,眼光学機器−検影器 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ)  

国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1. 適用範囲 検影器について規定 

ISO 
12865 

1及び
3.1 

JISと同等 

IDT 

2. 引用規格 JIS T 0601-1 

 
JIS Z 8120 

IEC 60601-1 
ISO 15004 

IDT 
MOD/削除 
MOD/追加 

 
ISOが改正中のため。 
現JISと同じにした(利用者が理解し
やすいよう追加)。 

3. 定義 

反帰光 
線条光線束 
頂点屈折力 

− 
− 
− 

MOD/削除 
MOD/削除 
MOD/削除 

同上。 
同上。 
同上。 

4. 種類 

ストリーク形検影器 
スポット形検影器 

3.2 
3.3 

ストリーク検影器 
スポット検影器 

IDT 
IDT 

5. 性能 
5.1 光学的
特性 

(1)収束光線束光源像位置

≦200 

(2)発散光線束光源像位置

≧200(7Dレンズ追加
で) 

(3)ストリークイメージに

は著しい偏心がないこ
と。 

4.2 

ストリーク形検影器 

収束光線束光源像≦450 
発散光線束光源像≦450 

(3Dレンズ追加で) 

ほかにストリークイメージ
の回転角度範囲,長さ,幅,
偏心,ゆがみの数値規定あ
り。 

MOD/変更 収束光線束及び発散

光線束の光源像位置
条件はISOとほぼ同
等である。それ以外
にはJISでは規定な
し。 
 

現JISと同じにした[国内で生産・使
用されている検影器では,収束(発散)
光線の光源像位置以外は,数値的な規
定を設けていないという現実を考慮
した。]。 
 
 
現JISと同じにした。 

5.2 電気的
安全性 

JIS T 0601-1のクラスI;B
形機器又は内部電源機器に
適合 

 
 
 
4.4 

− 
 
 
光の安全性 

MOD/削除 
 
 
MOD/追加 

ISOではIEC 60601-1
に適合するクラスな
どの規定がない。 

 
 
 
ISOが改正中である。 

5

T

 7

3

11

2

0

0

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ)  

国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6. 構造及び
機能 

4.3 

構造,機能 

IDT 

7. 試験 
7.1 構造,機
能及び外観
の試験 
7.2 性能試
験 
 
7.3 電気的
安全性試験 

 
 
 
 
光源像位置試験(収束光線
束,発散光線束),線条光
源像の回転試験 


5.1 
 
 
 
 
 
5.2 

試験方法 
光学的,機械的及び機能的
要求事項の確認 
― 
 
 
 
光の安全性試験 

 
MOD/変更 
 
MOD/削除 
 
 
 
MOD/削除 
MOD/追加 

 
 
 
 
 
 
 
 
ISOにはIEC 60601-1
への適合が規定され
ていない。 

 
現JISと同じにした。 
 
同上。 
 
 
 
ISOが改正中。 
現JISと同じにした。 

8. 表示 

製造業者名及び所在地。名
称,形名及び製造番号。 
定格電源周波数及び定格
電源電圧,電源入力。 

表示  製造業者又は供給業
者名,名称と形式。 
IEC 60601-1に要求される
表示。 
ISOに適合する場合,その
参照文。 

MOD/変更 
 
MOD/変更 
 
MOD/削除 

現JISと同じにした。 
 
同上。 
 
同上。 

9. 附属文書 附属文書を添付。 

平成13年医薬発第1340号
による。 

附属文書 

MOD/変更 

IEC 60601-1などに
規定する附属文書。 

薬事法通知に準じる。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 

6

T

 7

3

11

2

0

0

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

T 7311:2005  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

7

T

 7

3

11

2

0

0

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。