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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 7305-1979 

たんか 

Holding Stretchers 

1. 適用範囲 この規格は,病院,救急車,学校,工場などで患者の救急運搬に用いるたんか(以下,た

んかという。)について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ

って,参考として併記したものである。 

引用規格: 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管 

JIS H 4090 アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管 

JIS L 3102 綿帆布 

2. 種類 たんかの種類は,表1のとおりとする。 

表1 種類 

種類 

摘要 

脚付 

支脚を有するもの 

一般用 

支脚のないもの 

3. 品質 たんかの品質は,次の各規定に適合しなければならない。 

(1) たんかの金属部分及び木材部分には,使用上有害な割れ,ひび,裂け,傷,穴,節,めっきむら,塗

装むらなどの欠点があってはならない。 

(2) 床は均等に張られ,不必要なたるみがあってはならない。 

(3) 脚付たんかの開閉は円滑に,かつ,確実に行われるもので,組み立てた際,がたがあってはならない。 

(4) 金属部の結合箇所は堅固で,使用時に緩みやがたを生じてはならない。 

(5) 握り部は,長柄部に堅固に取付けられていなければならない。 

また,握り部が長柄部に収納される構造のものは,握り部を十分に引き出したとき,不必要ながた

があってはならない。 

(6) たんかは,通常の使用状態において,辺縁に約50mmの丸みをつけた底面積約350mm×約1 400mm

の平面荷重100kgf {980.7N} を床部の中央に静かに加えたとき,これに耐えなければならない。 

4. 構造 

4.1 

構成 脚付たんかは,床部,長柄部,握り部,開閉棒,支脚部及びバンドにより構成され,一般用

たんかは,床部,長柄部,握り部,アーム及びバンドにより構成される。 

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T 7305-1979  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

長柄部 長柄部は,格納のとき便利なように,二つ折構造としてもよい。 

4.3 

握り部 握り部は,長柄部と一体であるか,長柄部に固着されているか,又は格納のときに長柄部

に収納される構造であること。 

4.4 

開閉棒及びアーム 開閉棒及びアームは,それぞれ床部を540±10mmの幅に保持するように働く構

造であること。 

5. 形状,寸法及び材料 

5.1 

形状及び寸法 たんかの形状及び寸法は,付図1及び付図2に示すとおりとする。 

5.2 

床部 床部に用いる帆布は,JIS L 3102(綿帆布)に規定された綿9号又はこれと同等以上の性能を

有する合成繊維製帆布とする。 

5.3 

長柄部 長柄部には,鉄製電縫管の外径38mm,厚さ1.2mm以上のもの,JIS H 4080(アルミニウ

ム及びアルミニウム合金継目無管)又はJIS H 4090(アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管)に規定

されたアルミニウム管の外径38mm,厚さ1.5mm以上のもの,若しくはこれらと同等以上の強度を有する

外径38mmのジュラルミン管又は合成樹脂管を使用する。 

なお,一般用たんかの長柄部には,外径約38mmのラワン材を使用してもよい。 

5.4 

握り部 握り部には,5.3に規定した金属,ラワン材又はこれと同等以上の強度を有するものを用い

る。握り露出部は220mm以上とし,握り部が長柄部に固着されている構造のもの及び格納のときに握り

部が長柄部に収納される構造のものの打込み部分は,80mm以上でなければならない。また,手で握る部

分は,適当なつかみ太さであること。 

5.5 

開閉棒 脚付たんかにおける開閉棒には,鉄製電縫管の外径19mm,厚さ1.6mm以上のもの,JIS H 

4080又はJIS H 4090に規定されたアルミニウム管の外径19mm,厚さ1.5mm以上のもの,若しくはこれ

らと同等以上の強度を有するものを使用し,開閉棒の中央部に設ける丁番には,JIS G 3131(熱間圧延軟

鋼板及び鋼帯)に規定された厚さ1.5mm以上の鋼板を使用する。 

5.6 

アーム 一般用たんかにおけるアームには,外径約12mmの軟鉄丸棒を使用する。 

また,アームの両端に設ける長柄支持金具には,厚さ約2mm,幅約20mmの軟鉄板を使用する。 

5.7 

支脚部 脚付たんかにおける支脚には,JIS G 3131に規定された2種又は3種の厚さ1.6mm以上の

ものを使用し,支脚の坐板には,支脚と同じ材料の厚さ1.0mm以上のものを使用する。 

支脚は,装置した場合の高さが,長柄部の中心部から接地面まで130mm以上あること。 

5.8 

バンド バンドは,運搬者が肩にかけるための肩掛バンド,患者を床部に固定するための固定バン

ド,格納用の止めバンド及び一般用たんかにあっては床部の両端をアームに結びつけるための結びバンド

からなる。このうち,固定バンド,止めバンド及び結びバンドは,必ずしも備えていなくてもよい。バン

ドの材料は,綿すぎあや織テープ又はこれと同等以上の性能を有するものとし,その寸法などは表2のと

おりとする。 

表2 バンドの寸法 

単位 mm 

種類 

寸法 

摘要 

厚さ 

幅 

長さ 

肩掛バンド 

  2 以上 

40以上 

 1 450以上 

長さ調節可能 

固定バンド 

  2 以上 

40以上 

 1 500以上 

− 

止めバンド 

  1 以上 

約15 

  500以上 

− 

結びバンド 

  0.7 以上 

約15 

− 

− 

T 7305-1979  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 加工方法 

6.1 

縫い加工 床部の縫いには,綿カタン糸8番以上の強さのある糸を用い,針数は20mm間隔で5針

程度とする。長柄部を通す袋縫いは3本縫いとし,3本の縫線間の間隔は3〜4mmとする。 

なお,この場合,袋縫いの両端の口元の縫いは,3回以上巻き縫いし,終わりは10mm以上の重ね縫い

とし,糸が切れた場合もこれに準ずる。 

縫い糸には,もつれ,たるみがあってはならない。 

6.2 

防水加工 床部には全体に防水加工を施すか,又は上面若しくはでき得れば両面にビニル防水加工

を施す。 

6.3 

防かび加工 かびの発生を防ぐために,床部及びバンドには防かび加工を施すことが望ましい。 

6.4 

パッキン 長柄部と支脚の坐板との接合部には坐板より大きい革を,支脚取付ボルトの頭部には頭

より大きい革を,それぞれパッキンとして使用する。ただし,パッキンとして有効であれば革以外の材料

を使用してもよい。 

6.5 

めっき及び塗装 金属及び木材の外表面には,必要に応じてめっき又は塗装を施し,通常の保管又

は使用において,さび又は腐食を生じないものであること。 

7. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称及び種類による。 

例: たんか,脚付 

8. 表示 たんかには,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 製造業者名又は略号 

(2) 使用説明書(必要とする場合に限る) 

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T 7305-1979  

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付図1 脚付たんか 

付図2 一般用たんか